JP6211468B2 - 監視制御システム及び監視制御方法 - Google Patents
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Description
そして、監視装置は、操作指令を制御装置に送ることで発電プラント内の各機器を作動させ、発電プラントを所望の状態で運転させる。また、発電プラント内のタービンやボイラなどの運転状況を制御装置が収集し、その収集した運転状況のデータを制御装置が監視装置に送信する。監視装置では、送信されたデータに基づいて、タービンやボイラなどの運転状況をモニタ表示する。このようなモニタ表示が行われることで、運転員は、発電プラントの運転状況の監視を行うことができる。
特許文献1には、プラントの監視を行う監視制御システムにおいて、プラントから収集したデータにタイムスタンプを付して監視装置に送信し、監視装置では、そのタイムスタンプに基づいてデータを正しい時系列としたトレンドグラフを表示することが開示されている。
このようなネットワークの負荷が高い状態では、監視装置が受信したデータを正しく処理することができない場合がある。すなわち、ネットワーク負荷によっては、各部の制御装置から監視装置にデータが到達する時刻が前後したり、最悪の場合には一部のデータが欠落する可能性があり、データの整合がとれなくなる場合が起こりうる。特許文献1に記載されるように、それぞれのデータにタイムスタンプを付加して伝送することで、少なくともデータの順序だけは正しく判断できるようになる。しかしながら、タイムスタンプを付加するだけでは、ネットワークや監視装置の負荷を軽減することはできない。
制御装置は、データ入力部とタイムスタンプ付加部とデータ処理部と送信部とを備える。
データ入力部には、被監視対象設備の状態を示すセンサデータが供給される。
タイムスタンプ付加部は、データ入力部に入力したそれぞれのセンサデータにタイムスタンプを付加する。
データ処理部は、データ入力部に供給されたタイムスタンプ付加部がタイムスタンプを付加したセンサデータの内で、一定の条件を満たすセンサデータを取り出し、その取り出されたセンサデータをタイムスタンプと共に送信データとしてセットする。
送信部は、データ処理部で送信データとしてセットされた一定の条件を満たすセンサデータを所定のネットワークに送信する。
監視装置は、受信部とグラフ作成部とを備える。
受信部は、制御装置からネットワークに送信されたセンサデータを受信する。
グラフ作成部は、受信部が受信したセンサデータに付加されたタイムスタンプに基づいて、グラフ上のそれぞれのセンサデータの時間軸上での配置位置を適正にしたグラフを作成し、グラフからセンサデータのトレンドが判断できるようにしたと共に、ロジックの演算過程のトレンドも判断できるようにした。
・被監視対象設備から供給されるセンサデータにタイムスタンプを付加するタイムスタンプ付加ステップ、
・被監視対象設備から供給されタイムスタンプ付加ステップでタイムスタンプを付加したセンサデータの内で、一定の条件を満たすセンサデータをタイムスタンプと共に取り出し、その取り出されたセンサデータに前記タイムスタンプを付加して制御装置から送信し、一定の条件を満たさないセンサデータを制御装置から送信しない送信ステップ、
・送信ステップで送信されたセンサデータを監視装置で受信する受信ステップ、
・受信ステップで受信したセンサデータに付加されたタイムスタンプに基づいて、グラフ上のそれぞれのセンサデータの時間軸上での配置位置を適正にしたグラフを作成し、グラフからセンサデータのトレンドが判断できるようにしたと共に、ロジックの演算過程のトレンドも判断できるようにした表示グラフ作成ステップ。
[監視制御システム全体の構成]
図1は、本例の監視制御システムの全体構成を示す図である。
本例の監視制御システムは、発電プラント10の監視及び制御を行うものである。発電プラント10は、タービン11とボイラ12を備える。タービン11は、制御装置20により制御され、ボイラ12は、制御装置30により制御される。これらのタービン11やボイラ12には、動作状態を検出するセンサ(不図示)が配置され、それぞれのセンサが検出したデータが制御装置20、30に供給される。例えば、タービン11の回転数や回転速度などのデータが、制御装置20に供給される。また、ボイラ12の圧力や温度などのデータが、制御装置30に供給される。また、タービン11やボイラ12の運転状況が、制御装置20、30により制御される。
監視装置40は、例えば発電プラント10の中央制御室に設置される。この監視装置40は、発電プラント10の運転状況を監視する監視画面を作成する。作成された監視画面は、監視装置40内のディスプレイに表示される。また、監視装置40で作成された運転指令が、ネットワーク90を介して制御装置20、30に伝送される。制御装置20、30では、受信した制御指令に基づいて、タービン11やボイラ12の制御を行う。
図2は、制御装置20の構成例を示す図である。図2ではタービン11の制御を行う制御装置20の構成を示すが、ボイラ12の制御を行う制御装置30も同様の構成である。
制御装置20は、データ入力部21を備える。データ入力部21には、タービン11に配置されたセンサが検出したセンサデータが供給される。例えばタービン11の回転数や回転速度を示すセンサデータがデータ入力部21に供給される。このデータ入力部21に供給されるセンサデータは、センサが出力する信号を一定周期ごとにサンプリングしたデジタルデータである。例えば、タービン11の回転速度を示すデータの場合には、例えば数m秒ごとにデータ入力部21にセンサデータが供給される。
ここで、制御部24の制御に基づいて、データ処理部23が判断する一定の条件の例について説明する。この判断を行うために、それぞれのセンサデータの種類ごとに、閾値を予め決めて、データ処理部23に登録する。そして、データ処理部23は、前回送信したセンサデータと、その後に入力したセンサデータとの差分を求め、その差分の絶対値が閾値を越えるか否かを判断する。この判断で、差分が閾値を越えるとき、該当するセンサデータを送信データにセットする。すなわち、以下の判断を行う。
閾値≧|現在のデータ−1番目にセットしたデータ|
この式の条件を満たすときには、該当するセンサデータを送信データにセットしない。そして、この式の条件を満たさないとき(つまり差分が閾値を越えるとき)、該当するセンサデータを送信データにセットする。また、前回送信してから1秒などの一定時間が経過したときには、閾値を判断することなく該当するセンサデータを送信データとしてセットする。なお、最初に入力したデータも送信データとしてセットする。
ネットワーク通信部25から監視装置40への送信は、例えば一定周期ごとに行う。すなわち、ネットワーク通信部25は、一定周期の間にセットされた送信データを、一括して監視装置40に送信する。例えば、ネットワーク通信部25は、1秒ごとに監視装置40にセンサデータを送信する。この送信を行う周期である1秒などの値と、上述した前回送信してからの経過を判断する一定時間の値は、同じ値としてもよい。
なお、ネットワーク通信部25が一定周期ごとにセンサデータを送信するのは1つの例であり、データ処理部23で送信データがセットされるごとに送信してもよい。
また、監視装置40から伝送された制御指令が、ネットワーク通信部25で受信され、その受信した制御指令の内容が、データ処理部23に接続された制御部24で認識される。制御部24は、その認識した制御指令に基づいて、タービン11の動作を指示する指令を指令生成部26で生成する。指令生成部26で生成したタービン11の動作を指示する指令は、データ出力部27からタービン11の各部に供給され、この指令に基づいてタービン11の動作が制御される。
図3は、監視装置40の構成例を示す図である。
監視装置40は、ネットワーク通信部41を備える。ネットワーク通信部41は、制御装置20、30(図1)から送信されたデータを受信するデータ受信部として機能すると共に、ネットワーク通信部41から制御装置20、30に対してデータを送信するデータ送信部として機能する。
図4は、制御装置20がセンサデータを監視装置40に送信する処理を示すフローチャートである。このセンサデータを送信する処理は、制御部24の制御により実行される。
まず、制御部24は、データ入力部21にセンサデータが入力されたか否かを判断する(ステップS11)。ここで、センサデータが入力されていないと判断したとき、制御部24は、センサデータがデータ入力部21に入力されるまで待機する。
そして、ステップS11でセンサデータが入力されたと判断したとき、制御部24の制御で、タイムスタンプ付加部22がセンサデータにタイムスタンプを付加する(ステップS12)。
このようにして、データ処理部23では、センサデータが入力される毎に、送信データとするか否かの判断処理が行われる。そして、ネットワーク通信部25では、ステップS15で送信データとしてセットされたセンサデータが、タイムスタンプが付加された状態で送信される。このセットされた送信データは、例えば1秒などの一定周期ごとに一括してネットワーク通信部25から送信される。
図5は、制御装置20でのセンサデータの送信状態の例を示す図である。図5Aは、センサデータの変化が少ない場合の例であり、図5Bは、センサデータの変化が大きい場合の例である。
図5A、図5Bに示す例では、センサデータは、タービン11から制御装置20に短い周期(ここでは10m秒周期)で供給される。例えば図5Aに示すように、タイミングt0にセンサデータD0が供給され、10m秒後のタイミングt1にセンサデータD1が供給され、以下、10m秒毎にセンサデータが供給される。このとき、制御装置20では、それぞれのセンサデータD0,D1,D2,・・・に連続した値のタイムスタンプが付与される。
そして、センサデータD0の送信から1秒経過したタイミングt100に入力したセンサデータD100が、送信データとしてセットされ、監視装置40に送信される。
このように、センサデータに閾値を越える変化がない状態では、1秒ごとにセンサデータが送信される。
このように、センサデータに閾値を越える変化がある場合には、制御装置20に入力したセンサデータがそれぞれ監視装置40に送信されるようになる。
図6は、監視装置40がトレンドグラフを表示する処理を示すフローチャートである。このトレンドグラフを表示する処理は、制御部43の制御により実行される。
まず、制御部43は、ネットワーク通信部41でセンサデータが受信されたか否かを判断する(ステップS21)。ここで、センサデータが受信されていないと判断したときには、センサデータが受信されるまで待機する。
ステップS23で表示データの更新が行われた後は、制御部43は、ステップS21の判断に戻る。
図7は、監視装置40のディスプレイ46が表示するトレンドグラフの例を示す図である。
この図7のトレンドグラフは、縦軸がタービン11の回転速度を示し、横軸が時間(秒(図面でのs))を示す。回転速度の変化が比較的少ない状態では、1秒ごとに伝送されたセンサデータによるグラフを示すが、変化が大きい期間xと期間yでは、1秒よりも短い周期で伝送されたセンサデータによるグラフになる。この例では、グラフ上にプロットされたそれぞれの値は、ラインLで接続した状態で示す。
また、各プロット位置を接続するラインLは、1秒ごとのデータがプロットされる区間では、新たな値がプロットされる直前まで前回の値が継続することを意味する直線で示され、新たな値がプロットされる直前で、曲線状に変化して新たな値に接続される階段状の形態で示される。
また、監視装置40内でトレンドグラフを作成する処理についても、センサデータに変動がある場合にだけ、センサデータの間隔が短いトレンドグラフを作成すればよく、安定した状態でセンサデータの間隔が比較的長いトレンドグラフを作成すればよく、監視装置40での処理負荷についても軽減することができる。
なお、図7に示す階段状のラインLについては、監視装置40での処理で、ある程度の時間が経過した後、ラインLが各プロット点を直線でつなぐ滑らかなラインとなるようにしてもよい。
なお、ここまで説明した実施の形態例では、発電プラントの監視制御システムに適用した例とした。これに対して、その他の各種プラントなどの被制御対象設備の監視や制御を行う監視制御システムに、本発明を適用してもよい。
また、上述した実施の形態例で説明したトレンドグラフでタービンの回転速度を示すようにした点についても一例であり、その他のセンサデータをトレンドグラフで示すようにしてもよい。また、センサデータの送信を行う周期の1秒などの値についても、一例を示したものであり、それぞれのデータ種別ごとに適正な周期を設定すればよい。
また、上述した実施の形態例では、制御装置20、30から監視装置40へのセンサデータの送信は、一定周期ごとに行い、セットされたセンサデータを送信部が一定周期で一括して送信するようにした。このセンサデータを一括送信する周期は、1秒などの常に一定の周期としてもよいが、状況により変更してもよい。例えば、送信データとしてセットされるセンサデータの数が多い状況のときには、1秒の周期を0.5秒周期などに変更してもよい。あるいは、センサデータの変動が大きい状況が所定時間連続する場合には、センサデータの一括送信を一時的に停止して、送信データとしてセットされたセンサデータを逐次監視装置40に送信するようにしてもよい。また、監視装置40からの指示で、各制御装置20,30が一括送信を行う周期や、変動が少ないときの送信されるセンサデータの間隔を、変更できるようにしてもよい。このようにすることで、監視装置40は、監視対象のプラントの状況に応じた適切な監視ができるようになる。
あるいは、監視装置40が、特定の監視項目については、通常時よりも厳重な監視を行う必要がある場合には、監視装置40から制御装置20などに指令を送り、その特定の監視項目のセンサデータについては、差分が閾値以下であっても、全てのタイミングのセンサデータを監視装置40に送信させるようにしてもよい。このようにすることで、例えば特定のタービンについて何らかの調整を行って、その調整後の運転状況を暫くの間、細かく監視したいような状況に対処できるようになる。
Claims (6)
- 被監視対象設備を制御する制御装置と、前記制御装置から送信されるデータにより監視を行う監視装置とを備える監視制御システムであり、
前記制御装置は、
被監視対象設備の状態を示すセンサデータが供給されるデータ入力部と、
前記データ入力部に入力したそれぞれのセンサデータにタイムスタンプを付加するタイムスタンプ付加部と、
前記データ入力部に供給され前記タイムスタンプ付加部がタイムスタンプを付加したセンサデータの内で、一定の条件を満たすセンサデータを取り出し、その取り出されたセンサデータをタイムスタンプと共に送信データとしてセットするデータ処理部と、
前記データ処理部で送信データとしてセットされた前記一定の条件を満たすセンサデータを所定のネットワークに送信する送信部と、を備え、
前記監視装置は、
前記制御装置から前記ネットワークに送信されたセンサデータを受信する受信部と、
前記受信部が受信したセンサデータに付加されたタイムスタンプに基づいて、グラフ上のそれぞれのセンサデータの時間軸上での配置位置を適正にしたグラフを作成する表示処理部と、を備える
監視制御システム。 - 前記データ処理部で判断する一定の条件は、センサデータの値に一定の閾値を越える変動があった場合である
請求項1に記載の監視制御システム。 - 前記データ処理部は、センサデータの値に一定の閾値を越える変動がない状態が継続し、前記送信部が前回送信してから一定時間が経過したとき、入力したセンサデータを送信データとしてセットする
請求項2に記載の監視制御システム。 - 前記表示処理部は、前記受信部で受信がない期間のセンサデータについては、直前に受信したセンサデータの値が継続したグラフを作成する
請求項1に記載の監視制御システム。 - 前記送信部は、セットされた送信データを一定の周期で送信する
請求項1に記載の監視制御システム。 - 被監視対象設備を制御する制御装置と、前記制御装置から送信されるデータにより監視を行う監視装置よりなるシステムに適用される監視制御方法において、
被監視対象設備から供給されるセンサデータにタイムスタンプを付加するタイムスタンプ付加ステップと、
前記被監視対象設備から供給され前記タイムスタンプ付加ステップでタイムスタンプを付加したセンサデータの内で、一定の条件を満たすセンサデータをタイムスタンプと共に制御装置から送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信されたセンサデータを監視装置で受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信したセンサデータに付加されたタイムスタンプに基づいて、グラフ上のそれぞれのセンサデータの時間軸上での配置位置を適正にしたグラフを作成する表示データ作成ステップと、を含む
監視制御方法。
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