JP2010061297A - 工作機械のncデータ作成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】NCデータ作成装置3は、ボールエンドミルの基準のワーク座標系NCデータと、これが補正された複数の補正用のワーク座標系NCデータを作成する。基準のワーク座標系NCデータおよび補正用のワーク座標系NCデータは、機械座標系NCデータに変換された後、各駆動軸の加速度が算出される。算出された駆動軸の加速度同士は、最優良NCデータ決定部36において比較され、基準のワーク座標系NCデータおよび補正用のワーク座標系NCデータの、それぞれに基づき算出される複数の駆動軸のそれぞれの最大加速度のうちで最も大きい加速度が最も低いものを、基準のワーク座標系NCデータおよび補正用のワーク座標系NCデータの中から最優良NCデータとして抽出される。NCデータ出力部37は、抽出された最優良NCデータをNC工作装置5へと出力する。
【選択図】図2
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工品質を向上させることのできる工作機械のNCデータ作成装置を提供することにある。
(手段1)手段1に係る工作機械のNCデータ作成装置は、
ワークとボールエンドミルとを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と前記ボールエンドミルのボールを中心とした回転軸とを有し、それぞれの駆動軸を独立に駆動する工作機械のNCデータ作成装置において、
前記ボールエンドミルの前記ボール中心の軌跡と、該軌跡上の点における姿勢ベクトルに基づいて、ワーク座標系における前記ボール中心の直進軸座標および回転軸角度のデータを有する基準のワーク座標系NCデータを作成する基準NCデータ作成部と、
前記基準のワーク座標系NCデータ中の前記ボール中心の直進軸座標に対応する回転軸角度を変化させて、補正用のワーク座標系NCデータを作成する補正用NCデータ作成部と、
前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの各々を、前記工作機械における機械座標系NCデータに変換する座標系変換部と、
変換された前記機械座標系NCデータに基づき、前記各駆動軸の加速度を算出する軸加速度算出部と、
算出された前記駆動軸の加速度同士を比較し、前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの、それぞれに基づき算出される複数の前記駆動軸のそれぞれの最大加速度のうちで最も大きい加速度が最も低いものを、前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの中から抽出して最優良NCデータとする最優良NCデータ決定部と、
を備えている。
前記最優良NCデータ決定部は、
前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの中から、複数の前記駆動軸のそれぞれの最大加速度のうちで最も大きい加速度が低い方にあるものを準優良NCデータとして抽出して前記補正用NCデータ作成部へフィードバックし、
前記補正用NCデータ作成部は、
フィードバックされた前記準優良NCデータ中の前記ボール中心の直進軸座標に対応する回転軸角度を変化させて、新たな補正用のワーク座標系NCデータを作成し、
前記最優良NCデータ決定部による前記準優良NCデータの前記補正用NCデータ作成部へのフィードバックと、前記補正用NCデータ作成部による前記準優良NCデータから新たな補正用のワーク座標系NCデータへの補正を繰り返すフィードバック繰返し手段を備え、
前記最優良NCデータ決定部は、
前記フィードバック繰返し手段による繰り返しを所定の条件により終了させ、前記準優良NCデータおよび新たに形成された補正用のワーク座標系NCデータの中から、前記最優良NCデータを抽出する。
前記最優良NCデータ決定部は、
前記軸加速度算出部により算出された前記駆動軸の加速度同士を比較する場合に、前記駆動軸ごとに重みづけをする。
したがって、手段3に係る工作機械のNCデータ作成装置によれば、駆動軸ごとに重みづけをして各駆動軸の加速度同士を比較するため、剛性といった各駆動軸の能力に応じて、駆動軸の加速度の低いワーク座標系NCデータを抽出することができ、いっそう、適正なワーク座標系NCデータの抽出を可能とする。
前記補正用NCデータ作成部は、
前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータのうち、前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータに基づいて算出される前記ボールエンドミルによる前記軌跡上の占有空間が、前記ボールエンドミル以外の部材が存在する空間領域と重複するような前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータを前記座標系変換部へ送出しない。
前記基準NCデータ作成部は、
前記直進軸方向における前記ボールエンドミルの前記ワークに対する相対移動速度が一定である場合、前記軌跡上において一定間隔ごとに補間点を設定し、該補間点ごとに前記基準のワーク座標系NCデータを形成し、
前記直進軸方向における前記ボールエンドミルの前記ワークに対する相対移動速度が一定でない場合、前記軌跡上において、前記ボールエンドミルが一定間隔の時間ごとに存在する位置に前記補間点を設定し、前記補間点ごとに前記基準のワーク座標系NCデータを形成する。
よって、軌跡上において、ボールエンドミルのワークに対する相対移動速度が大きい場合には、補間点が密に形成されるため、補間点上における基準のワーク座標系NCデータの算出が正確に行え、各駆動軸の加速度の低減を容易に行うことができる。
変換された前記機械座標系NCデータに基づき、前記各駆動軸の加速度変化を算出する加速度変化算出手段を備え、
前記最優良NCデータ決定部は、
前記最優良NCデータを抽出する場合に、それぞれの前記駆動軸の加速度と加速度変化とを加えた評価数値を算出し、前記駆動軸の前記評価数値同士を比較する。
したがって、手段6に係る工作機械のNCデータ作成装置によれば、各駆動軸の加速度に加えて、それぞれの加速度変化も低減できるため、ボールエンドミルの加工品質をいっそう向上できる。
図1乃至図7に基づき、本発明の実施形態1による工作機械のNCデータ作成装置について説明する。図1は、本実施形態による多軸工作機械の工具としてのボールエンドミル1の移動方法を、ワーク座標系により概略的に表したものである。
本実施形態による多軸工作機械においては、ボールエンドミル1をワーク2に対して相対的に移動可能な駆動軸として、直進軸としてのX軸、Z軸および回転軸としてのB軸を有しており、それぞれの駆動軸が独立に駆動される。
ボールエンドミル1はワーク2の一端部2aから加工を開始し、ワーク2上をX軸方向に移動しながら切削を行い、他端部2bに到達するとワーク2上の切削部位を横方向(Y軸方向)に移動させ、再び、ワーク2の他端部2bから一端部2aに向けて移動しながら切削を行う。
CLデータは、CAD/CAM装置4において加工完成品のCAD/CAMデータから形成され、ワーク座標系におけるボールエンドミル1の移動方法を特定するデータである。図3に示すように、CLデータはボールエンドミル1の加工部11のボール中心の移動軌跡Lと、移動軌跡L上のボールエンドミル1の姿勢ベクトルVとにより形成されている。
例えば、遺伝的アルゴリズム法によれば、図4に示したように、基準のワーク座標系NCデータを示す実線上とは異なる座標位置に、複数の補正点(図4において・にて示す)を意図的に設定する。この場合、基準のワーク座標系NCデータを中央値として、補正点の値が正規分布するようにサンプリングすることがよい。これらの補正点を接続することにより、基準のワーク座標系NCデータに対する複数の補正用のワーク座標系NCデータ(線図)が形成される。
座標系変換部33においては、機械情報記憶部34からのボールエンドミル1およびワーク2の移動情報に基づき、ワーク2の移動を考慮して、多軸工作機械におけるボールエンドミル1の実際の移動を特定する機械座標系NCデータが形成される。
軸加速度算出部35(本発明の軸加速度算出部に該当する)は座標系変換部33と接続され、座標系変換部33において形成された機械座標系NCデータに基づき、機械座標系に変換後のX軸、Z軸およびB軸のそれぞれの加速度を演算する。
最優良NCデータ決定部36は、基準のワーク座標系NCデータおよび補正用のワーク座標系NCデータの中から、X軸、Z軸およびB軸のそれぞれの最大加速度のうちで最大値を有する加速度が低い方にある複数のワーク座標系NCデータを、準優良NCデータとして抽出して補正用NCデータ作成部32へフィードバックする。
NCデータ出力部37は最優良NCデータ決定部36に接続され、最優良NCデータ決定部36により抽出された最優良NCデータをNC工作装置5へと供給し、NC工作装置5において、機械座標系NCデータに変換される。
よって、軌跡L上において、ボールエンドミル1のワーク2に対する相対移動速度が大きい場合には、補間点が密に形成されるため、補間点上における基準のワーク座標系NCデータの算出が正確に行え、各駆動軸の加速度の低減を容易に行うことができる。
本実施形態におけるNCデータ作成装置3について、実施形態1と異なる構成のみについて説明する。本実施形態においては、補正用NCデータ作成部32が、NCデータ作成装置3外の図示しない干渉情報記憶部と接続されている。補正用NCデータ作成部32には、干渉情報記憶部からワーク2等のボールエンドミル1以外の部材が存在する空間領域情報が供給される。
尚、干渉情報記憶部を最優良NCデータ決定部36と接続し、最優良NCデータ決定部36において、ボールエンドミル1による軌跡L上の占有空間が、ボールエンドミル1以外の部材が存在する空間領域と重複するような基準のワーク座標系NCデータおよび補正用のワーク座標系NCデータを抽出しないようにしてもよい。
本実施形態におけるNCデータ作成装置3について、実施形態1と異なる構成のみについて説明する。本実施形態においては、軸加速度算出部35が、座標系変換部33により変換された機械座標系NCデータに基づき、各駆動軸の加速度を演算した後、さらに、算出した加速度から各駆動軸の加速度変化を算出する(本発明の加速度変化算出手段に該当する)。
これにより、各駆動軸の加速度に加えて、それぞれの加速度変化も低減できるため、ボールエンドミル1の加工品質をいっそう向上できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明は、ボールエンドミル1の直進軸以外に、少なくとも1軸以上の回転軸を有する多軸工作機械であれば、いかなる工作機械に対しても適用可能である。例えば、X、Y、Zの直進軸3軸と、A、B軸の回転軸2軸とを有する5軸工作機械などにおいて適用可能である。
Claims (6)
- ワークとボールエンドミルとを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と前記ボールエンドミルのボールを中心とした回転軸とを有し、それぞれの駆動軸を独立に駆動する工作機械のNCデータ作成装置において、
前記ボールエンドミルの前記ボール中心の軌跡と、該軌跡上の点における姿勢ベクトルに基づいて、ワーク座標系における前記ボール中心の直進軸座標および回転軸角度のデータを有する基準のワーク座標系NCデータを作成する基準NCデータ作成部と、
前記基準のワーク座標系NCデータ中の前記ボール中心の直進軸座標に対応する回転軸角度を変化させて、補正用のワーク座標系NCデータを作成する補正用NCデータ作成部と、
前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの各々を、前記工作機械における機械座標系NCデータに変換する座標系変換部と、
変換された前記機械座標系NCデータに基づき、前記各駆動軸の加速度を算出する軸加速度算出部と、
算出された前記駆動軸の加速度同士を比較し、前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの、それぞれに基づき算出される複数の前記駆動軸のそれぞれの最大加速度のうちで最も大きい加速度が最も低いものを、前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの中から抽出して最優良NCデータとする最優良NCデータ決定部と、
を備えたことを特徴とする工作機械のNCデータ作成装置。 - 前記最優良NCデータ決定部は、
前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータの中から、複数の前記駆動軸のそれぞれの最大加速度のうちで最も大きい加速度が低い方にあるものを準優良NCデータとして抽出して前記補正用NCデータ作成部へフィードバックし、
前記補正用NCデータ作成部は、
フィードバックされた前記準優良NCデータ中の前記ボール中心の直進軸座標に対応する回転軸角度を変化させて、新たな補正用のワーク座標系NCデータを作成し、
前記最優良NCデータ決定部による前記準優良NCデータの前記補正用NCデータ作成部へのフィードバックと、前記補正用NCデータ作成部による前記準優良NCデータから新たな補正用のワーク座標系NCデータへの補正を繰り返すフィードバック繰返し手段を備え、
前記最優良NCデータ決定部は、
前記フィードバック繰返し手段による繰り返しを所定の条件により終了させ、前記準優良NCデータおよび新たに形成された補正用のワーク座標系NCデータの中から、前記最優良NCデータを抽出することを特徴とする請求項1記載の工作機械のNCデータ作成装置。 - 前記最優良NCデータ決定部は、
前記軸加速度算出部により算出された前記駆動軸の加速度同士を比較する場合に、前記駆動軸ごとに重みづけをすることを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械のNCデータ作成装置。 - 前記補正用NCデータ作成部は、
前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータのうち、前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータに基づいて算出される前記ボールエンドミルによる前記軌跡上の占有空間が、前記ボールエンドミル以外の部材が存在する空間領域と重複するような前記基準のワーク座標系NCデータおよび前記補正用のワーク座標系NCデータを前記座標系変換部へ送出しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の工作機械のNCデータ作成装置。 - 前記基準NCデータ作成部は、
前記直進軸方向における前記ボールエンドミルの前記ワークに対する相対移動速度が一定である場合、前記軌跡上において一定間隔ごとに補間点を設定し、該補間点ごとに前記基準のワーク座標系NCデータを形成し、
前記直進軸方向における前記ボールエンドミルの前記ワークに対する相対移動速度が一定でない場合、前記軌跡上において、前記ボールエンドミルが一定間隔の時間ごとに存在する位置に前記補間点を設定し、前記補間点ごとに前記基準のワーク座標系NCデータを形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の工作機械のNCデータ作成装置。 - 変換された前記機械座標系NCデータに基づき、前記各駆動軸の加速度変化を算出する加速度変化算出手段を備え、
前記最優良NCデータ決定部は、
前記最優良NCデータを抽出する場合に、それぞれの前記駆動軸の加速度と加速度変化とを加えた評価数値を算出し、前記駆動軸の前記評価数値同士を比較することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の工作機械のNCデータ作成装置。
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