JP2010060802A - 表示装置、表示装置の画素分割方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の画素分割方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】画素分割の技術を採用することによって高歩留化を図ると同時に、長寿命化の実現を可能にする。
【解決手段】画素の分割構造において、R,G,Bの3画素(副画素)20R,20G,20Bの発光領域の分割数を、R:G:B=2:3:2に設定する。すなわち、視感度の一番高いGの画素20Gの分割数を、Gよりも視感度が低い他の発光色の画素20R,20Bの分割数よりも多く設定する。
【選択図】図14

Description

本発明は、表示装置、表示装置の画素分割方法および電子機器に関し、特に電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に2次元配置された平面型(フラットパネル型)の表示装置、画素分割方法および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子を含む画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子は、10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力である。有機EL素子は、自発光素子であるために、画素ごとに液晶にて光源(バックライト)からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかもバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、平面型表示装置の一つである液晶表示装置と同様に、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とを採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、有機EL素子は、アノード電極とカソード電極との間に、発光層を含む有機膜を挟持した構造となっている。このような構造の有機EL素子を画素の発光素子として用いた有機EL装置において、当該有機EL素子を形成する工程で異物が混入すると、画素の輝度欠陥が発生する。
具体的には、図22に示す画素回路において、製造工程で混入する異物が原因となって有機EL素子21のアノード電極-カソード電極の電極間ショートが引き起こされる場合がある。この有機EL素子21の電極間ショートにより、有機EL素子21が発光しなくなるいわゆる滅点と呼称される輝度欠陥が発生する。
また、有機EL素子21を駆動する駆動トランジスタ22、映像信号を書き込む書込みトランジスタ23および映像信号を蓄積する蓄積容量24等の画素構成素子を基板上に形成する基板工程においても、異物の混入によって輝度欠陥が発生する場合がある。具体的には、駆動トランジスタ22のドレイン電極−ソース電極の電極間が異物によってショートすると、電源Vccから有機EL素子21に直接電流が流れてしまうために、有機EL素子21が光りっぱなしになるいわゆる輝点と呼称される輝度欠陥が発生する。
書込みトランジスタ23のドレイン電極−ソース電極の電極間が異物によってショートすると、駆動トランジスタ23が完全に非導通状態とならないために、有機EL素子21に電流が流れてしまう。この場合は、完全な黒階調が表現できないいわゆる半滅点と呼称される輝度欠陥が発生する。さらに、蓄積容量24を形成する2つの電極間が異物によってショートすると、有機EL素子21に電流が流れなくなるために、滅点となる輝度欠陥が発生する。このような製造工程での異物混入に起因する輝度欠陥については、表示装置の高精細化に伴う画素の微細化が進むにつれてその発生が顕著になる。
この異物混入に起因する輝度欠陥に対する対策として、従来、1つの副画素内に有機EL素子を含む画素構成素子を複数組設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案技術によれば、いずれかの組の画素構成素子がショート等で欠陥化しても、他の組の画素構成素子が正常に動作することで、副画素の滅点化または半滅点化を防ぐことができる。または、副画素を完全な滅点(輝度が0)にするのではなく、輝度の低下で抑えることができる。また、書込みトランジスタ23の電極間ショートに起因する輝度欠陥の場合は、レーザリペアなどのリペア技術を用いて駆動トランジスタを切り離すことで、副画素の輝点化を防ぐことができる。これにより、有機EL表示装置の高歩留化を図ることができる。
特開2006−133542号公報
ところで、1つの副画素内に複数の有機EL素子が設けられているということは、1つの副画素の発光領域が複数の有機EL素子によって複数の発光領域に分割されていることと等価である。ここで、1つの副画素において、複数の有機EL素子によって分割された個々の発光領域部分を分割画素と定義するものとする。これにより、1つの副画素が例えば3個の有機EL素子を有し、当該3個の有機EL素子によって発光領域が3分割されている場合には、1つの副画素が3つの分割画素から構成されているということになる。
このように、複数の分割画素からなる副画素において、いずれかの組の有機EL素子または画素構成素子がショート等で欠陥化した場合に、先述したように、副画素が滅点化または半滅点化するのを防止できるものの、副画素の発光領域が空間的に狭まる。例えば、1つの副画素の発光領域を等分に2分割した場合、即ち1つの副画素を2つの分割画素に分割した場合、一方の分割画素が欠陥化すると発光領域が半分になる。その結果、副画素の発光輝度が半減する。
発光輝度の低下を極力抑えるには、有機EL素子の数を増やし、発光領域の分割数、即ち画素の分割数を増やせばよい。しかし、画素の分割数が増えると、発光領域の面積、即ち有機EL素子の発光の開口率が減少する。開口率が減少すると、有機EL素子に流す電流密度を増やす必要がある。そして、電流密度が増えると、有機EL素子の発光寿命、ひいては表示装置の寿命が低下する。すなわち、画素の分割数と有機EL素子の発光寿命とはトレードオフの関係にある。
または、低下した画素の輝度を補正するように入力信号を変化させればよい。しかし、この場合も、副画素の発光面積が減少しているため、有機EL素子に流す電流密度を増やす必要がある。そして、電流密度が増えると、有機EL素子の発光寿命、ひいては表示装置の寿命が低下する。すなわち、画素の分割数と有機EL素子の発光寿命とはトレードオフの関係にある。
また別の問題として、副画素の発光領域が空間的に狭まったため、空間的に発光していない領域が存在する。このため、パネルのサイズ・解像度によって決定される画素のサイズによっては、発光していない領域が滅点・半滅点として視認される可能性がある。
この非発光領域の視認性を極力抑えるには、有機EL素子の数を増やし、発光領域の分割数、即ち画素の分割数を増やせばよい。しかし、画素の分割数が増えると、発光領域の面積、即ち有機EL素子の発光の開口率が減少する。開口率が減少すると、有機EL素子に流す電流密度を増やす必要がある。そして、電流密度が増えると、有機EL素子の発光寿命、ひいては表示装置の寿命が低下する。すなわち、画素の分割数と有機EL素子の発光寿命とはトレードオフの関係にある。
そこで、本発明は、画素分割の技術を採用することによって高歩留化を図ると同時に、長寿命化の実現を可能にした表示装置、画素分割方法および当該表示装置を有する電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
各々発光色が異なる複数の画素を備えた表示装置において、
前記複数の画素のうちの少なくとも1つの画素の発光領域を複数の電気光学素子によって複数の発光領域に分割するに当たって、
所定発光色の画素の発光領域の分割数を、前記所定発光色よりも視感度の低い発光色の画素の発光領域の分割数よりも多く設定する構成を採っている。
ここで、カラー表示対応の表示装置の場合には、複数の電気光学素子を有する画素は、カラー画像を形成する単位となる1つの画素を構成する複数の副画素の各々に相当する。複数の副画素は、例えば、赤色、緑色および青色の各光を発光する少なくとも3つの副画素からなる。
上記構成の表示装置において、画素(副画素)の分割数、即ち発光領域の分割数を発光色の視感度に応じて設定する。具体的には、相対的に視感度の高い発光色の画素の分割数を、相対的に視感度の低い発光色の画素の分割数よりも多くする。一例として、視感度の高い発光色の画素、例えば緑色の画素については分割数を多く設定する。分割数が多くなることで、1つの分割画素の欠陥化による該当する発光領域の消灯状態の視認性を下げることができるとともに、1つの画素の発光輝度の低下を極力抑えることができる。また、視感度が低い発光色の画素、例えば青色の画素については分割数を少なく設定する。分割数が少なくなることで、発光領域の面積、即ち電気光学素子の発光の開口率の低下、ひいては電気光学素子の発光寿命の低下が抑えられる。
本発明によれば、画素分割の技術を採用することによって表示装置の高歩留化を図ると同時に、発光色の視感度に応じた画素の分割数の設定によって電気光学素子の長寿命化、ひいては表示装置の長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[システム構成]
図1は、本発明が適用されるアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を画素(画素回路)の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、本適用例に係る有機EL表示装置10は、発光素子を含む複数の画素20と、当該画素20が行列状に2次元配置された画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置された駆動部とを有する構成となっている。駆動部は、画素アレイ部30の各画素20を駆動する。この駆動部として、例えば、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60が設けられている。
ここで、有機EL表示装置10が白黒表示対応の場合は、白黒画像を形成する単位となる1つの画素が画素20に相当する。一方、有機EL表示装置10がカラー表示対応の場合は、カラー画像を形成する単位となる1つの画素は複数の副画素(サブピクセル)から構成され、この副画素が画素20に相当する。より具体的には、カラー表示用の表示装置では、1つの画素は、赤色光(R)を発光する副画素、緑色光(G)を発光する副画素、青色光(B)を発光する副画素の3つの副画素から構成される。
ただし、1つの画素としては、RGBの3原色の副画素の組み合わせに限られるものではなく、3原色の副画素にさらに1色あるいは複数色の副画素を加えて1つの画素を構成することも可能である。より具体的には、例えば、輝度向上のために白色光(W)や黄色光(Ye)を発光する副画素を加えて1つの画素を構成したり、色再現範囲を拡大するために補色光を発光する少なくとも1つの副画素を加えて1つの画素を構成したりすることも可能である。ここで、画素(副画素)は、1つの表示データ(Rデータ/Gデータ/Bデータ)を表示する表示単位である。
画素アレイ部30には、m行n列の画素20の配列に対して、行方向(画素行の画素の配列方向)に沿って走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが画素行ごとに配線されている。さらに、列方向(画素列の画素の配列方向)に沿って信号線33−1〜33−nが画素列ごとに配線されている。
走査線31−1〜31−mは、書込み走査回路40の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。電源供給線32−1〜32−mは、電源供給走査回路50の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。信号線33−1〜33−nは、信号出力回路60の対応する列の出力端にそれぞれ接続されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成されている。これにより、有機EL表示装置10は、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20の駆動回路は、アモルファスシリコンTFTまたは低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成されている。この書込み走査回路40は、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書込みに際して、走査線31−1〜31−mに順次書込み走査信号WS(WS1〜WSm)を供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成されている。この電源供給走査回路50は、書込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電源電位Vccpと当該第1電源電位Vccpよりも低い第2電源電位Viniで切り替わる電源電位DS(DS1〜DSm)を電源供給線32−1〜32−mに供給する。この電源電位DSのVccp/Viniの切替えにより、画素20の発光/非発光の制御が行なわれる。
信号出力回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigと基準電位Vofsのいずれか一方を適宜選択して出力する。信号出力回路60から出力される信号電圧Vsig/基準電位Vofsは、信号線33−1〜33−nを介して画素アレイ部30の各画素20に対して行単位で書き込まれる。すなわち、信号出力回路60は、信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書き込みの駆動形態を採っている。
(画素回路)
図2は、画素(画素回路)20の具体的な回路構成を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子21と、当該有機EL素子21を駆動する駆動回路とによって構成されている。有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線(いわゆる、ベタ配線)された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。
有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23、保持容量24および補助容量25を有する構成となっている。ここでは、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
なお、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いると、アモルファスシリコン(a−Si)プロセスを用いることができる。a−Siプロセスを用いることで、TFTを作成する基板の低コスト化、ひいては本有機EL表示装置10の低コスト化を図ることが可能になる。また、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23を同じ導電型の組み合わせにすると、両トランジスタ22,23を同じプロセスで作成することができるため低コスト化に寄与できる。
駆動トランジスタ22は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が有機EL素子21のアノード電極に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書込みトランジスタ23は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。また、書込みトランジスタ23のゲート電極は、走査線31(31−1〜31−m)に接続されている。
駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23において、一方の電極とは、ソース/ドレイン領域に電気的に接続された金属配線を言い、他方の電極とは、ドレイン/ソース領域に電気的に接続された金属配線を言う。また、一方の電極と他方の電極との電位関係によって一方の電極がソース電極ともなればドレイン電極ともなり、他方の電極がドレイン電極ともなればソース電極ともなる。
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22の他方の電極および有機EL素子21のアノード電極に接続されている。
補助容量25は、一方の電極が有機EL素子21のアノード電極に、他方の電極が共通電源供給線34にそれぞれ接続されている。この補助容量25は、有機EL素子21の容量不足分を補い、保持容量24に対する映像信号の書込みゲインを高めるために、必要に応じて設けられるものである。すなわち、補助容量25は必須の構成要素ではなく、有機EL素子21の等価容量が十分に大きい場合は省略可能である。
ここでは、補助容量25の他方の電極を共通電源供給線34に接続するとしたが、他方の電極の接続先としては、共通電源供給線34に限られるものではなく、固定電位のノードであればよい。補助容量25の他方の電極を固定電位に接続することで、有機EL素子21の容量不足分を補い、保持容量24に対する映像信号の書込みゲインを高めるという所期の目的を達成することができる。
上記構成の画素20において、書込みトランジスタ23は、書込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加されるHighアクティブの書込み走査信号WSに応答して導通状態となる。これにより、書込みトランジスタ23は、信号線33を通して信号出力回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。この書き込まれた信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。
駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電源電位Vccpにあるときには、一方の電極がドレイン電極、他方の電極がソース電極となって飽和領域で動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、電源供給線32から電流の供給を受けて有機EL素子21を電流駆動にて発光駆動する。より具体的には、駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作することにより、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
駆動トランジスタ22はさらに、電源電位DSが第1電源電位Vccpから第2電源電位Viniに切り替わったときには、一方の電極がソース電極、他方の電極がドレイン電極となってスイッチングトランジスタとして動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21への駆動電流の供給を停止し、有機EL素子21を非発光状態にする。すなわち、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21の発光/非発光を制御するトランジスタとしての機能をも併せ持っている。
この駆動トランジスタ22のスイッチング動作により、有機EL素子21が非発光状態となる期間(非発光期間)を設け、有機EL素子21の発光期間と非発光期間の割合(デューティ)を制御する。このデューティ制御により、1フレーム期間に亘って画素が発光することに伴う残像ボケを低減できるために、特に動画の画品位をより優れたものとすることができる。
ここで、信号出力回路60から信号線33を通して選択的に供給される基準電位Vofsは、輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigの基準となる電位(例えば、映像信号の黒レベルに相当する電位)である。
電源供給走査回路50から電源供給線32を通して選択的に供給される第1,第2電源電位Vccp,Viniのうち、第1電源電位Vccpは有機EL素子21を発光駆動する駆動電流を駆動トランジスタ22に供給するための電源電位である。また、第2電源電位Viniは、有機EL素子21に対して逆バイアスを掛けるための電源電位である。この第2電源電位Viniは、基準電位Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(有機EL表示装置の回路動作)
次に、上記構成の画素20が行列状に2次元配置されてなる有機EL表示装置10の回路動作について、図3のタイミング波形図を基に図4および図5の動作説明図を用いて説明する。なお、図4および図5の動作説明図では、図面の簡略化のために、書込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。
図3のタイミング波形図には、走査線31(31−1〜31−m)の電位(書込み走査信号)WSの変化、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位(電源電位)DSの変化、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を示している。また、ゲート電位Vgの波形を一点鎖線で示し、ソース電位Vsの波形を点線で示すことで、両者を識別できるようにしている。
<前フレームの発光期間>
図3のタイミング波形図において、時刻t1以前は、前のフレーム(フィールド)における有機EL素子21の発光期間となる。この前フレームの発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電源電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpにあり、また、書込みトランジスタ23が非導通状態にある。
このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されている。これにより、図4(A)に示すように、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
<閾値補正準備期間>
時刻t1になると、線順次走査の新しいフレーム(現フレーム)に入る。そして、図4(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから、信号線33の基準電位Vofsに対してVofs−Vthよりも十分に低い第2電源電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVthel、共通電源供給線34の電位(カソード電位)をVcathとする。このとき、低電位ViniをVini<Vthel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t2で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図4(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、信号出力回路60から信号線33に対して基準電位Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが基準電位Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、基準電位Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正処理を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。
このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgを基準電位Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する処理が、後述する閾値補正処理を行う前の準備(閾値補正準備)の処理である。したがって、基準電位Vofsおよび低電位Viniが、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの各初期化電位となる。
<閾値補正期間>
次に、時刻t3で、図4(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが保たれた状態で閾値補正処理が開始される。すなわち、ゲート電位Vgから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向けて駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。
ここでは、便宜上、駆動トランジスタ22のゲート電極の初期化電位Vofsを基準として、当該初期化電位Vofsから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向けてソース電位Vsを変化させる処理を閾値補正処理と呼んでいる。この閾値補正処理が進むと、やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束する。この閾値電圧Vthに相当する電圧は保持容量24に保持される。
なお、閾値補正処理を行う期間(閾値補正期間)において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t4で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図5(A)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線33から電気的に切り離されることによってフローティング状態になる。しかし、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
<信号書込み&移動度補正期間>
次に、時刻t5で、図5(B)に示すように、信号線33の電位が基準電位Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書き込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺される。この閾値キャンセルの原理の詳細については後述する。
このとき、有機EL素子21はカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にある。したがって、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は補助容量25に流れ込む。よって、補助容量25の充電が開始される。
この補助容量25の充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきがキャンセルされており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。
ここで、映像信号の信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率、即ち書込みゲインが1(理想値)であると仮定する。すると、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇することで、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。
すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVでゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることで、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消すことができる。この打ち消す処理が、駆動トランジスタ22の移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正処理である。
より具体的には、駆動トランジスタ22のゲート電極に書き込まれる映像信号の信号振幅Vin(=Vsig−Vofs)が高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正処理が行われる。
また、映像信号の信号振幅Vinを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。したがって、負帰還の帰還量ΔVは移動度補正の補正量とも言える。移動度補正の原理の詳細については後述する。
<発光期間>
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図5(D)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は、信号線33から電気的に切り離されるためにフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変動に連動してゲート電位Vgも変動する。このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがソース電位Vsの変動に連動して変動する動作が、保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、当該電流Idsに応じて有機EL素子21のアノード電位が上昇する。
そして、有機EL素子21のアノード電位がVthel+Vcathを越えると、有機EL素子21に駆動電流が流れ始めるため有機EL素子21が発光を開始する。また、有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが1(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。そして、時刻t8で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigから基準電位Vofsに切り替わる。
以上説明した一連の回路動作において、閾値補正準備、閾値補正、信号電圧Vsigの書込み(信号書込み)および移動度補正の各処理動作は、1水平走査期間(1H)において実行される。また、信号書込みおよび移動度補正の各処理動作は、時刻t6−t7の期間において並行して実行される。
(閾値キャンセルの原理)
ここで、駆動トランジスタ22の閾値キャンセル(即ち、閾値補正)の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図6に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対するキャンセル処理を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVである。したがって、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、次式(2)で表される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動したとしても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
(移動度補正の原理)
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図7に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、駆動トランジスタ22のゲート電極に例えば両画素A,Bに同レベルの信号振幅Vin(=Vsig−Vofs)を書き込んだ場合を考える。この場合、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図7に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正処理によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVでゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになる。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μの画素ごとのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVで、ゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることで、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。すなわち、駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)に応じた帰還量ΔVで、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかける処理が移動度補正処理となる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図8を用いて説明する。
図8において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図8(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対し、閾値補正のみを行った場合は、図8(B)に示すように、ドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことで、図8(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができる。したがって、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述した保持容量24によるブートストラップ動作の機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性の経時変化に伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsを一定に維持することができる。したがって、有機EL素子21に流れる電流は変化せず一定となる。その結果、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化したとしても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
(画素分割)
以上説明した、本発明の前提となる有機EL表示装置10において、前にも述べたように、有機EL素子21を形成する工程や、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23、蓄積容量24を形成する基板工程で異物が混入すると、種々の輝度欠陥が発生する。輝度欠陥としては、有機EL素子21の電極間ショートや蓄積容量24の電極間ショートによる滅点、駆動トランジスタ22の電極間ショートによる輝点、書込みトランジスタ23の電極間ショートによる半滅点などが挙げられる(図22参照)。
これら画素単位の輝度欠陥(いわゆる点欠陥)が発生し、その欠陥数が所定数よりも多いと、所望の画品位の表示画像を得ることができないため、欠陥数が所定数よりも多い表示パネル70については廃棄せざるを得ない。その結果、表示パネル70、ひいては有機EL表示装置10の歩留まりが低下する。
そのため、一般的に、1つの画素(副画素)内に有機EL素子を含む画素構成素子を複数組設け、1つの画素の発光領域を複数の有機EL素子によって複数の発光領域に分割することで、個々の発光領域部分を分割画素とする画素分割の技術が用いられている。この画素分割の技術を用いることで、または、レーザリペアなどのリペア技術を適用することで、滅点、半滅点、輝点などの輝度欠陥の発生を防ぐことができるために、当該輝度欠陥に起因する表示パネル70の歩留まり低下、ひいては表示装置の歩留まり低下を抑えることができる。
この画素分割の各種の回路例について以下に説明する。ここでは、1つの画素20内に有機EL素子21を3個設け、1つの画素の発光領域を3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3によって3分割する場合を例に挙げて説明するものとする。ただし、画素分割数は3分割に限られるものではなく、2分割または4分割以上であってもよい。
<回路例1>
図9は、回路例1に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。回路例1に係る画素分割による画素回路では、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3を1つの駆動回路26Aで共通に駆動する構成を採っている。3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3は、各アノード電極が駆動トランジスタ22のソース電極に共通に接続されている。
この回路例1に係る画素分割による画素回路において、書込みトランジスタ23によって書き込まれた信号電圧Vsigが保持容量24に保持される。そして、この信号電圧Vsigに応じた駆動電流が駆動トランジスタ22から有機EL素子21−1,21−2,21−3に供給される。
ここで、有機EL素子21−1,21−2,21−3の全体に流れる電流値をIとすると、有機EL素子21−1,21−2,21−3個々にはI/3の電流値の電流が流れる。その結果、有機EL素子21−1,21−2,21−3トータルで電流値Iに応じた発光輝度が得られる。
回路例1に係る画素分割による画素回路では、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3のいずれか1つが異物による電極間ショート等で欠陥化した場合に、当該欠陥化した有機EL素子21−1/21−2/21−3を駆動回路26Aから切り離す。このリペア技術により、画素20が完全に滅点になるのを防ぐことができる。また、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3のいずれかが電極間オープン等で欠陥化した場合も、画素20が完全に滅点になるのを防ぐことができる。
<回路例2>
図10は、回路例2に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。回路例2に係る画素分割による画素回路では、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3を1つの駆動回路26Bで共通に駆動する構成を採っている。ただし、本回路例の場合の駆動回路26Bは、書込みトランジスタ23および保持容量24については共通にしているものの、駆動トランジスタ22については有機EL素子21−1,21−2,21−3に対応して3個有している。
3個の駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3は、ゲート電極およびソース電極がそれぞれ共通に接続されている。そして、保持容量24は、駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3のゲート共通接続ノードとソース共通接続ノードとの間に接続されている。また、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3は、各アノード電極が駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3のソース共通接続ノードに共通に接続されている。
この回路例2に係る画素分割による画素回路において、書込みトランジスタ23によって書き込まれた信号電圧Vsigが保持容量24に保持される。そして、この信号電圧Vsigに応じた駆動電流が駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3から有機EL素子21−1,21−2,21−3に個別に供給される。このとき、有機EL素子21−1,21−2,21−3個々にはI/3の電流値が流れる。その結果、有機EL素子21−1,21−2,21−3トータルで電流値Iに応じた発光輝度が得られる。
回路例2に係る画素分割による画素回路では、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3のいずれか1つが異物による電極間ショート等で欠陥化した場合に、当該欠陥化した有機EL素子21−1/21−2/21−3を駆動回路26Bから切り離す。このリペア技術により、画素20が完全に滅点になるのを防ぐことができる。
また、3個の駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3のいずれか1つが異物によるソース・ドレイン電極間ショート等で欠陥化した場合には、当該欠陥化した駆動トランジスタ22−1/22−2/22−3のソース配線またはドレイン配線を切断するか、もしくは、有機EL素子21−1/21−2/21−3を切り離す。このリペア技術の適用により、画素20が輝点になるのを防ぐことができる。
<回路例3>
図11は、回路例3に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。回路例3に係る画素分割による画素回路では、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3を3つの駆動回路26−1,26−2,26−3で独立に駆動する構成を採っている。この場合、書込みトランジスタ23−1,23−2,23−3の各ゲート電極に印加される書込み走査信号WS−1,WS−2,SW−3は同じ走査タイミングで与えられる走査信号である。
この回路例3に係る画素分割による画素回路において、書込みトランジスタ23−1,23−2,23−2によって書き込まれた信号電圧Vsigが保持容量24−1,24−2,24−3に蓄積される。そして、信号電圧Vsigに応じて機EL素子21−1,21−2,21−3の全体に流れる電流値をIとすると、有機EL素子21−1,21−2,21−3個々にはI/3の電流値の電流が流れる。その結果、有機EL素子21−1,21−2,21−3トータルで電流値Iに応じた発光輝度が得られる。
ここで、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3のいずれか1つが異物による電極間ショート等で欠陥化した場合に、当該欠陥化した有機EL素子21を組となる駆動回路25から切り離す。このリペア技術により、画素20が完全に滅点になるのを防ぐことができる。
駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3のいずれか1つが異物によるソース・ドレイン電極間ショート等で欠陥化した場合には、当該欠陥化した駆動トランジスタ22−1/22−2/22−3のソース配線またはドレイン配線を切断するか、もしくは、有機EL素子21−1/21−2/21−3を切り離す。このリペア技術により、画素20が輝点になるのを防ぐことができる。
書込みトランジスタ23−1,23−2,23−3のいずれか1つが異物による電極間ショート等で欠陥化した場合には、当該欠陥化した書込みトランジスタ23と信号線33との間の配線を切断する。このリペア技術により、画素20が半滅点になるのを防ぐことができる。
保持容量24−1,24−2,24−3のいずれか1つが異物による電極間ショート等で欠陥化した場合には、当該欠陥化した保持容量24の一方の電極と書込みトランジスタ23との間の配線を切断する。これにより、保持容量24−1,24−2,24−3の正常部の電圧を維持することができる。また、必要に応じて、欠陥化した容量側の駆動トランジスタ22または有機EL素子21をオープン化する。このリペア技術により、画素20が完全に滅点になるのを防ぐことができる。
この回路例3に係る画素分割による画素回路によれば、いずれの画素構成素子に異物に起因する欠陥が発生した場合でも、欠陥化した素子を分離できるため、画素20が完全に輝度欠陥になるのを防ぐことができる。また、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23のいずれの素子が欠陥化して分離されても、保持容量24−1,24−2,24−3にはそれぞれ信号電圧Vsigが蓄積されている。このことから、有機EL素子21−1,21−2,21−3に流れる電流値はI/3であるため、電流値Iに応じた発光輝度を確保することができる。
<回路例4>
図12は、回路例4に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。回路例4に係る画素分割による画素回路でも、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3を3つの駆動回路26−1,26−2,26−3で独立に駆動する構成を採っている。また、駆動回路26−1,26−2,26−3の各々についても、回路例3と基本的に同じ構成となっている。
回路例3と異なるのは、3個の書込みトランジスタ23−1,23−2,23−3について、走査線31を共通にし、当該走査線31を通して書込み走査信号WSが共通に印加されるようになっている点である。なお、ここでは、走査線31を共通にするとしたが、走査線31に加えて書込みトランジスタ23−1,23−2,23−3の各ゲート電極を共通にする構成を採ることも可能である。回路動作およびリペアについては、回路例3の場合と同じである。
以上説明した、画素分割の回路例1〜4については一例に過ぎず、これらの回路例1〜4の画素分割に限られるものではない。例えば、回路例2において、書込みトランジスタ23および保持容量24を共通にしたが、保持容量24についても駆動トランジスタ22と同様に、有機EL素子21−1,21−2,21−3に対応して3個設けた構成を採ることも可能である。
また、回路例2〜4において、駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3と有機EL素子21−1,21−2,21−3とを同数としたが、回路例1との組み合わせることも可能である。すなわち、1つの駆動トランジスタ22−1,22−2,22−3の各々または1つで複数の有機EL素子21を駆動する構成を採ることも可能である。
[本実施形態の特徴部分]
以上説明した画素分割の技術を採用するに際して、本実施形態では、画素(副画素)の分割数、即ち発光領域の分割数を、画素の発光色の視感度に応じて設定することを特徴としている。ここに、視感度とは、人間の眼が最も強く感じる波長555nmの光を1として、他の波長の明るさを感じる度合いを比で表現したものである。図13に、多数の人の視感度を平均化し、国際照明委員会(CIE;Commission Internationale de l'Eclairage)が合意した標準比視感度曲線を示す。
ここで、カラー画像を形成する単位となる1つの画素(絵素)が、例えば、R,G,Bの各色光を発光する3つの副画素(以下、単に「画素」と記述する場合もある)からなるものとする。すると、図13から明らかなように、R,G,Bの画素のうち、G画素の発光色の視感度が一番高く、その次にR画素の発光色の視感度が高く、B画素の発光色の視感度が一番低い。ただし、波長の選択によっては、R画素の発光色の視感度よりもB画素の発光色の視感度の方が高くなる場合もある。
本実施形態では、上述した画素(副画素)の発光色の視感度に応じて、画素の分割数、即ち画素の発光領域の分割数を設定するものである。以下に、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図14は、実施例1に係る画素の分割構造を示す平面図である。図14には、隣り合うR,G,Bの3画素(副画素)20R,20G,20Bを示している。
図14に示すように、実施例1に係る画素の分割構造では、3画素20R,20G,20Bの発光領域の分割数を、R:G:B=2:3:2に設定している。すなわち、視感度の一番高いGの画素20Gの分割数を、Gよりも視感度が低い他の発光色の画素20R,20Bの分割数よりも多く設定している。
具体的には、画素20Gは、例えば回路例1〜4のいずれかの回路構成を採り、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3によって発光領域が3つの発光領域211G,212G,213Gに分割されている。すなわち、画素20Gは、発光領域211G,212G,213Gをそれぞれ含む3つの分割画素によって構成されている。3つの発光領域211G,212G,213Gは、同サイズにて等ピッチで配置されている。
画素20Rは、例えば回路例1〜4のいずれかの回路構成において、有機EL素子が1個少ない2個の有機EL素子21−2,21−2を有し、当該有機EL素子21−2,21−2によって発光領域が2つの発光領域211R,212Rに分割されている。すなわち、画素20Rは、発光領域211R,212Rをそれぞれ含む2つの分割画素によって構成されている。2つの発光領域211R,212Rは、同サイズにて形成されている。
画素20Bも画素20Rと同様に、2個の有機EL素子21−2,21−2によって発光領域が2つの発光領域211B,212Bに分割されている。すなわち、画素20Bは、発光領域211B,212Bをそれぞれ含む2つの分割画素によって構成されている。2つの発光領域211B,212Bは、同サイズにて形成されている。
先述したように、R,G,BのうちGが最も視感度が高い。R,G,Bの分割数が同じとした場合に、視感度が高いほど、1つの分割画素の欠陥化によって1つの発光領域が消灯した際に、発光領域が欠けた部分(発光領域の消灯状態)の視認性が高くなる。すなわち、Gの画素20Gは、視感度が一番高いということは、分割画素の欠陥化が発生したことが一番目立ち易いということである。
これに対して、本実施例1に係る画素の分割構造では、視感度の一番高いGの画素20Gの分割数を、他の発光色の画素20R,20Bの分割数よりも多く設定している。これにより、1つの分割画素の欠陥化による該当する発光領域の消灯状態の視認性を、分割数が2つのときよりも下げることができる。分割数が多ければ多いほど、発光領域の消灯状態の視認性を下げることができる。また、分割数が多いほど、分割画素の欠陥化が発生した際の発光輝度の低下を抑えることができる。
一方、画素20R,20Bについては、分割数が画素20Gよりも少ないことで、有機EL素子の発光の開口率を画素20Gよりも上げることができる。これにより、画素20R,20Bの各有機EL素子に流す電流密度を画素20Gよりも下げることができるために、画素20R,20Bの各有機EL素子の寿命の低下を抑えることができる。
(実施例2)
図15は、実施例2に係る画素の分割構造を示す平面図である。図15には、隣り合うR,G,Bの3画素(副画素)20R,20G,20Bを示している。
図15に示すように、実施例2に係る画素の分割構造では、3画素20R,20G,20Bの発光領域の分割数を、R:G:B=3:3:2に設定している。すなわち、視感度の一番低いBの画素20Bの分割数を、Bよりも視感度が高い他の発光色の画素20R,20Gの分割数よりも少なく設定している。
具体的には、画素20R/20Gは、例えば回路例1〜4のいずれかの回路構成を採り、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3によって発光領域が3つの発光領域211R,212R,213R/211G,212G,213Gに分割されている。すなわち、画素20R/20Gは、発光領域211R,212R,213R/211G,212G,213Gをそれぞれ含む3つの分割画素によって構成されている。3つの発光領域211R,212R,213R/211G,212G,213Gは、同サイズにて等ピッチで配置されている。
画素20Bは、例えば回路例1〜4のいずれかの回路構成において、有機EL素子が1個少ない2個の有機EL素子21−2,21−2を有し、当該有機EL素子21−2,21−2によって発光領域が2つの発光領域211B,212Bに分割されている。すなわち、画素20Bは、発光領域211B,212Bをそれぞれ含む2つの分割画素によって構成されている。2つの発光領域211B,212Bは、同サイズにて形成されている。
ここで、R,G,BのうちBの視感度が一番低く、分割画素の欠陥化による発光領域の消灯状態の視認性も、他の発光色よりも低い。したがって、Bの画素20Bの分割数が、他の発光色の画素20R,20Gの分割数よりも少なくても、分割画素の欠陥化による発光領域の消灯状態の視認性に関して何ら問題とならない。また、分割数が少ないことで、有機EL素子の発光の開口率を上げることができるために、画素20Bの有機EL素子の寿命の低下を抑えることができる。
一方、画素20R,20Gについては、分割数がBの画素20Bよりも多いため、その分だけ分割画素の欠陥化による発光領域の消灯状態の視認性を下げることができる。分割数が多ければ多いほど、発光領域の消灯状態の視認性を下げることができる。また、分割数が多いほど、分割画素の欠陥化が発生した際の発光輝度の低下を抑えることができる。
(実施例3)
図16は、実施例3に係る画素の分割構造を示す平面図である。図16には、隣り合うR,G,Bの3画素(副画素)20R,20G,20Bを示している。
図16に示すように、実施例3に係る画素の分割構造では、3画素20R,20G,20Bの発光領域の分割数を、R:G:B=2:3:1に設定している。すなわち、視感度の一番高いGの画素20Gの分割数を一番多く設定し、その次に多くRの画素20Rの分割数を設定し、視感度の一番低いBの画素20Bの分割数を一番少なく設定している。
具体的には、画素20Gは、例えば回路例1〜4のいずれかの回路構成を採り、3個の有機EL素子21−1,21−2,21−3によって発光領域が3つの発光領域211G,212G,213Gに分割されている。すなわち、画素20Gは、発光領域211G,212G,213Gをそれぞれ含む3つの分割画素によって構成されている。3つの発光領域211G,212G,213Gは、同サイズにて等ピッチで配置されている。
画素20Rは、例えば回路例1〜4のいずれかの回路構成において、有機EL素子が1個少ない2個の有機EL素子21−2,21−2を有し、当該有機EL素子21−2,21−2によって発光領域が2つの発光領域211R,212Rに分割されている。すなわち、画素20Rは、発光領域211R,212Rをそれぞれ含む2つの分割画素によって構成されている。2つの発光領域211R,212Rは、同サイズにて形成されている。
画素20Bについては、画素分割の技術が採用されていない。すなわち、画素20Bは有機EL素子21を1つ有しており、したがって、発光領域211Bも分割されておらず1つである。
このように、視感度の一番高いGの画素20Gの分割数を一番多く設定することで、分割画素の欠陥化による発光領域の消灯状態の視認性を、分割数が2つのときよりも下げることができる。分割数が多ければ多いほど、発光領域の消灯状態の視認性を下げることができる。また、分割数が多いほど、分割画素の欠陥化が発生した際の発光輝度の低下を抑えることができる。
一方、画素20R,20Bについては、分割数が画素20Gよりも少ないことで、有機EL素子の発光の開口率を画素20Gよりも上げることができるため、画素20R,20Bの各有機EL素子の寿命の低下を抑えることができる。特に、画素20Bについては画素分割の技術を採用していないものの、画素20Bのほぼ全面に亘って発光領域211Bを形成することで、開口率を最大限に確保することができるため、画素20Bの有機EL素子の寿命の低下をより抑えることができる。
以上説明したように、実施例1〜3に係る画素の分割構造によれば、画素分割の技術を採用することによって表示装置の高歩留化を図ることができることに加えて、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、発光色の視感度に応じて画素の分割数を設定することで、分割画素の欠陥化が発生した際の発光輝度の低下を抑えることができるとともに、有機EL素子の長寿命化、ひいては表示装置の長寿命化を図ることができる。
以上説明した実施例1〜3では、カラー画像を形成する単位となる1つの画素が、R,G,Bの3つの副画素20R,20G,20Bからなる場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、前にも述べたように、3原色の副画素にさらに1色あるいは複数色の副画素を加えて1つの画素を構成する場合もある。
そこで、色再現範囲を拡大するために、R,G,B,Ye(黄色)の4つの副画素で、カラー画像を形成する単位となる1つの画素を構成する場合への適用を考える。図13の比視感度曲線から明らかなように、Yeの視感度はRやBよりも高く、Gの視感度よりも低い。したがって、Yeの画素の分割数を、Rの画素やBの画素の分割数よりも多く、Gの画素の分割数よりも少なく設定することで、実施例1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
[変形例]
上記実施形態では、有機EL素子21の駆動回路が、基本的に、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の2つのトランジスタからなる画素構成の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの画素構成への適用に限られるものではない。例えば、駆動トランジスタ22のゲート電極に基準電位Vofsを選択的に書き込むスイッチングトランジスタを有する画素構成など、種々の画素構成のものが考えられる。
また、上記実施形態においては、有機EL素子21の駆動回路が、閾値補正機能や移動度補正機能を持つとしたが、閾値補正機能や移動度補正機能を持たない画素回路に対しても同様に適用可能である。また、画素回路について、画素内の複数の駆動トランジスタで、ゲートノードや、保持容量、書込みトランジスタを共用するとしたが、これらが独立に存在してもよい。
さらに、上記実施形態では、画素の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではない。具体的には、本発明は、無機EL素子、LED素子、半導体レーザ素子等、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
[適用例]
以上説明した本発明による表示装置は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。一例として、図17〜図21に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなどの表示装置に適用することが可能である。
本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部が貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。なお、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図17は、本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。本適用例に係るテレビジョンセットは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図18は、本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図19は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図20は、本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図21は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含んでいる。そして、ディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより本適用例に係る携帯電話機が作製される。
本発明が適用される有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 画素の回路構成を示す回路図である。 本適用例に係る有機EL表示装置の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 本適用例に係る有機EL表示装置の回路動作の説明図(その1)である。 本適用例に係る有機EL表示装置の回路動作の説明図(その2)である。 駆動トランジスタの閾値電圧Vthのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 駆動トランジスタの移動度μのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタのドレイン・ソース間電流Idsとの関係の説明に供する特性図である。 回路例1に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。 回路例2に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。 回路例3に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。 回路例4に係る画素分割による画素回路を示す回路図である。 標準比視感度曲線を示す図である。 実施例1に係る画素の分割構造を示す平面図である。 実施例2に係る画素の分割構造を示す平面図である。 実施例3に係る画素の分割構造を示す平面図である。 本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。 本発明が適用される携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 輝度欠陥についての説明図である。
符号の説明
10…有機EL表示装置、20…画素、20R,20G,20B…副画素、21,21−1,21−2,21−3…有機EL素子、22,22−1,22−2,22−3…駆動トランジスタ、23,23−1,23−2,23−3…書込みトランジスタ、24,24−1,24−2,24−3…保持容量、25…補助容量、26A,26B,26−1,26−2,26−3…駆動回路、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、40…書込み走査回路、50…電源供給走査回路、60…信号出力回路、70…表示パネル

Claims (6)

  1. 各々発光色が異なる複数の画素を備え、
    前記複数の画素のうちの少なくとも1つの画素が複数の電気光学素子を有し、当該複数の電気光学素子によって発光領域が複数の発光領域に分割され、
    所定発光色の画素の発光領域の分割数が、前記所定発光色よりも視感度の低い発光色の画素の発光領域の分割数よりも多い
    表示装置。
  2. 前記複数の画素の発光色は、赤色、緑色および青色の少なくとも3色であり、
    緑色光の画素の発光領域の分割数が、赤色光の画素の発光領域の分割数よりも多い
    請求項1記載の表示装置。
  3. 前記複数の画素の発光色は、赤色、緑色および青色の少なくとも3色であり、
    緑色光の画素の発光領域の分割数が、青色光の画素の発光領域の分割数よりも多い
    請求項1記載の表示装置。
  4. 前記複数の画素の発光色は、赤色、緑色および青色の少なくとも3色であり、
    赤色光の画素の発光領域の分割数が、青色光の画素の発光領域の分割数よりも多い
    請求項1記載の表示装置。
  5. 各々発光色が異なる複数の画素のうちの少なくとも1つの画素の発光領域を複数の電気光学素子によって複数の発光領域に分割するに当たって、
    所定発光色の画素の発光領域の分割数を、前記所定発光色よりも視感度の低い発光色の画素の発光領域の分割数よりも多く設定する
    表示装置の画素分割方法。
  6. 各々発光色が異なる複数の画素を備え、
    前記複数の画素のうちの少なくとも1つの画素が複数の電気光学素子を有し、当該複数の電気光学素子によって発光領域が複数の発光領域に分割され、
    所定発光色の画素の発光領域の分割数が、前記所定発光色よりも視感度の低い発光色の画素の発光領域の分割数よりも多い
    表示装置を有する電子機器。
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