JP2010060042A - ニードル軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転トルクを安定して軽くするとともに、ブッシュと同程度の油量制御が可能な、ニードル軸受を提供する。
【解決手段】ニードル軸受10の外輪12の内径面には軸受における軸方向の潤滑油の流れの方向にニードル16とシールリング20が並列配置され、外輪12のシールリング20が配置される側には鍔14が形成されている。シールリング20は有端リングで、弾性により内径の寸法を変化させられる内径可変構造となっており、シールリング20は軸方向に移動可能な状態で軸体30の外径側に組込まれる構成とされている。そして、潤滑油の流れにより油圧が発生した状態では、シールリング20の側面22が外輪12の鍔14に接触状態となる構成とされており、かつ、シールリング20の内径が軸体30の外径に接触状態となる構成とされている。
【選択図】図1
【解決手段】ニードル軸受10の外輪12の内径面には軸受における軸方向の潤滑油の流れの方向にニードル16とシールリング20が並列配置され、外輪12のシールリング20が配置される側には鍔14が形成されている。シールリング20は有端リングで、弾性により内径の寸法を変化させられる内径可変構造となっており、シールリング20は軸方向に移動可能な状態で軸体30の外径側に組込まれる構成とされている。そして、潤滑油の流れにより油圧が発生した状態では、シールリング20の側面22が外輪12の鍔14に接触状態となる構成とされており、かつ、シールリング20の内径が軸体30の外径に接触状態となる構成とされている。
【選択図】図1
Description
この発明はニードル軸受に関する。さらに詳しくは、外輪の内径面にニードルとシールリングが軸方向に並列配置されているニードル軸受に関する。
自動車に搭載される自動変速機(以下単にATと称する)の軸を支持する部分には滑りタイプのブッシュが多用されている。しかし、これらのブッシュは滑りタイプであるため回転トルクが重く、特に油膜が出来難い低回転域で回転トルクが重いことが顕著である。
そこで、ブッシュに換えて、回転トルクの軽い薄肉のニードル軸受などに置換する案がある。しかし、ブッシュは軸を支持すると同時にそのすきまでAT内の潤滑油の流量を制御する役目もあり、オープンタイプの標準的なニードル軸受では、外輪と軸の間のすきまが広いため軸受を貫通する油量が多く、潤滑油の流量を制御できない。
そこで、ブッシュに換えて、回転トルクの軽い薄肉のニードル軸受などに置換する案がある。しかし、ブッシュは軸を支持すると同時にそのすきまでAT内の潤滑油の流量を制御する役目もあり、オープンタイプの標準的なニードル軸受では、外輪と軸の間のすきまが広いため軸受を貫通する油量が多く、潤滑油の流量を制御できない。
そこで、外輪の内径面にニードルとシールリングが軸方向に並列配置されたニードル軸受が提案されている。シールリングにより外輪と軸の間のすきまを塞ぎ、潤滑油が軸受を貫通することを防ぎ、AT内の潤滑油の流量を制御しようとするものである。
図12に、特開2008−14488号公報(特許文献1)に記載されたニードル軸受とほぼ同一の構成のニードル軸受110の断面図を示す。ニードル軸受110では、鍔122を備えた外輪120の内径面にニードル130とシールリング140が並列配置されている。シールリング140は、プレス成形され、自由状態では外輪120と軸150の間に浮いた状態のフローティングシールとされている。そして、シールリング140により、外輪120と軸150の間のすきまを狭くして貫通油量を制御するものである。
特開2008−14488号公報
図12に、特開2008−14488号公報(特許文献1)に記載されたニードル軸受とほぼ同一の構成のニードル軸受110の断面図を示す。ニードル軸受110では、鍔122を備えた外輪120の内径面にニードル130とシールリング140が並列配置されている。シールリング140は、プレス成形され、自由状態では外輪120と軸150の間に浮いた状態のフローティングシールとされている。そして、シールリング140により、外輪120と軸150の間のすきまを狭くして貫通油量を制御するものである。
しかしながら、別体のシールリングを用いる場合には、シールリングの径方向の移動が完全には制限されていないため、シールリングが軸に接触する際のトルク上昇、摩耗が問題となることがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、回転トルクを安定して軽くするとともに、ブッシュと同程度の油量制御が可能な、ニードル軸受を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明にかかるニードル軸受は次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、外輪の内径面にニードルとシールリングが軸方向に並列配置されているニードル軸受であって、
前記外輪の軸方向の両端のうち、少なくとも前記シールリングが配置される側の端には該外輪に鍔が形成されており、
前記シールリングは周方向の一箇所で分割された有端リングで、弾性により内径の寸法を変化させることができる内径可変構造となっており、該シールリングは軸受の軸方向に移動可能な状態で内輪又は軸体の外径側に組込まれる構成とされており、
軸受における軸方向の潤滑油の流れが軸方向に並列配置されたニードル側からシールリング側に向けて流れる構成とされており、
潤滑油の流れにより油圧が発生した状態では、前記シールリングが前記外輪に接触状態となる構成とされており、かつ、該シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態又は非接触の近接状態となる構成とされていることを特徴とする。
まず、本発明の第1の発明は、外輪の内径面にニードルとシールリングが軸方向に並列配置されているニードル軸受であって、
前記外輪の軸方向の両端のうち、少なくとも前記シールリングが配置される側の端には該外輪に鍔が形成されており、
前記シールリングは周方向の一箇所で分割された有端リングで、弾性により内径の寸法を変化させることができる内径可変構造となっており、該シールリングは軸受の軸方向に移動可能な状態で内輪又は軸体の外径側に組込まれる構成とされており、
軸受における軸方向の潤滑油の流れが軸方向に並列配置されたニードル側からシールリング側に向けて流れる構成とされており、
潤滑油の流れにより油圧が発生した状態では、前記シールリングが前記外輪に接触状態となる構成とされており、かつ、該シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態又は非接触の近接状態となる構成とされていることを特徴とする。
この第1の発明によれば、ニードル軸受の内部にシールリングを併用する構成のため、ブッシュを用いる場合と比べて回転トルクが軽い。そして、潤滑油の流れが多くなって油圧が発生すると、シールリングが外輪に対して接触状態となり、かつ、シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態又は非接触の近接状態となる。そのため、シールリングの外径面と外輪の内径面との間の隙間の外輪の鍔の側の開口部が塞がれ、かつ、シールリングの内径と内輪又は軸体の外径の間の隙間が塞がれるか又は狭小とされる。よって、潤滑油の流量が多くなったときに潤滑油がシールリングの外径側および内径側を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係るニードル軸受であって、
前記シールリングの軸受外方側の側面は径方向外方に向かってシールリングの軸方向の幅が狭くなる傾斜面とされており、該シールリングの自由状態における内径はニードルの内径側軌道面とされる内輪又は軸体の外径よりも大きく設定されており、
潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングが油圧により軸方向に押されてシールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、該シールリングに内径側に縮む方向の力が働いて該シールリングが縮径し、該シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態となることを特徴とする。
前記シールリングの軸受外方側の側面は径方向外方に向かってシールリングの軸方向の幅が狭くなる傾斜面とされており、該シールリングの自由状態における内径はニードルの内径側軌道面とされる内輪又は軸体の外径よりも大きく設定されており、
潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングが油圧により軸方向に押されてシールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、該シールリングに内径側に縮む方向の力が働いて該シールリングが縮径し、該シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態となることを特徴とする。
この第2の発明によれば、シールリングの軸受の軸方向外方側の側面は径方向外方に向かって幅が狭くなる構成とされている。そこで、潤滑油の流量が多くなり油圧が発生すると、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、シールリングの外径面と外輪の内径面との間の隙間の外輪の鍔の側の開口部が塞がれると共に、シールリングに対して内径側に押し縮める力が発生する。そして、シールリングが縮径してシールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態となり、シールリングの内径側の隙間が塞がれる。よって、潤滑油の流量が多くなったときに潤滑油がシールリングの外径側および内径側を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係るニードル軸受であって、
前記シールリングの自由状態における内径は前記ニードルの内径側軌道面とされる内輪又は軸体の外径よりも小さく設定されており、該シールリングが内輪又は軸体に嵌合された状態では、該シールリングの内径と内輪又は軸体の外径は摺動可能な接触状態とされており、
潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングが油圧により軸方向に押されて、内輪又は軸体の外径に接触した状態で軸方向に移動し、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となることを特徴とする。
前記シールリングの自由状態における内径は前記ニードルの内径側軌道面とされる内輪又は軸体の外径よりも小さく設定されており、該シールリングが内輪又は軸体に嵌合された状態では、該シールリングの内径と内輪又は軸体の外径は摺動可能な接触状態とされており、
潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングが油圧により軸方向に押されて、内輪又は軸体の外径に接触した状態で軸方向に移動し、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となることを特徴とする。
この第3の発明によれば、シールリングが内輪又は軸体に嵌合された状態ではシールリングと内輪又は軸体は接触状態であるため、潤滑油がシールリングの内径側を貫通する流量を抑制できる。そして、シールリングと内輪又は軸体は摺動可能な接触状態であるため、潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングは潤滑油の流れに押されて軸方向へ移動することができる。そして、シールリングが軸方向に移動するとシールリングの側面と外輪の鍔が接触状態となり、シールリングの外径面と外輪の内径面との間の隙間の外輪の鍔側の開口部が塞がれる。よって、潤滑油の流量が多くなったときに潤滑油がシールリングの外径側をおよび内径側を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明に係るニードル軸受であって、
前記外輪の内径面とシールリングの外径面は、前記潤滑油の流れに応じて軸方向に相対移動可能な嵌合構造とされていると共に、該両者の嵌合部の少なくとも軸方向の一部において前記潤滑油の軸方向の流れ方向に漸次縮径するテーパ状の嵌合構造とされていることを特徴とする。
前記外輪の内径面とシールリングの外径面は、前記潤滑油の流れに応じて軸方向に相対移動可能な嵌合構造とされていると共に、該両者の嵌合部の少なくとも軸方向の一部において前記潤滑油の軸方向の流れ方向に漸次縮径するテーパ状の嵌合構造とされていることを特徴とする。
この第4の発明によれば、軸方向の潤滑油の流れが軸方向に並列配置されたニードル側からシールリング側に向けて流れる構成とされており、潤滑油の流れに応じてシールリングが軸方向に移動可能である。そして、外輪とシールリングの嵌合部には、潤滑油の流れる方向に向かって縮径する部分を有している。
そこで、油量が少ないときはシールリングの平坦な外径が外輪の平坦な内径に張り付いた状態となっており、シールリングの内径と内輪又は軸との間のすきまは所定の幅を有している。
そして、油量が多くなると、油圧によりシールリングの軸方向内方の側面が押されて、シールリングが潤滑油の流れの方向に移動する。そして、シールリングが移動するのにしたがい、シールリングのテーパ状の外径が外輪のテーパ状の内径に合わせて縮径して、シールリングの内径と内輪又は軸との間のすきまが縮小し又はすきまが塞がってシールリングによるシール性が高められる。
そこで、油量が少ないときはシールリングの平坦な外径が外輪の平坦な内径に張り付いた状態となっており、シールリングの内径と内輪又は軸との間のすきまは所定の幅を有している。
そして、油量が多くなると、油圧によりシールリングの軸方向内方の側面が押されて、シールリングが潤滑油の流れの方向に移動する。そして、シールリングが移動するのにしたがい、シールリングのテーパ状の外径が外輪のテーパ状の内径に合わせて縮径して、シールリングの内径と内輪又は軸との間のすきまが縮小し又はすきまが塞がってシールリングによるシール性が高められる。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれかの発明に係るニードル軸受であって、
前記シールリングの内径面にスリット又は突起が形成されていることを特徴とする。
この第5の発明によれば、シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に接触した状態であっても、シールリングの内径面に形成されたスリット又は突起により、シールリングの内径側に潤滑油の流路が確保され、潤滑油の必要な流量を確保することができる。
前記シールリングの内径面にスリット又は突起が形成されていることを特徴とする。
この第5の発明によれば、シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に接触した状態であっても、シールリングの内径面に形成されたスリット又は突起により、シールリングの内径側に潤滑油の流路が確保され、潤滑油の必要な流量を確保することができる。
上述の本発明の各発明によれば、次の効果が得られる。
まず、上述の第1の発明によれば、ニードル軸受の内部にシールリングを併用する構成のため、ブッシュを用いる場合と比べて回転トルクが軽い。そして、潤滑油の流れが多くなって油圧が発生すると、シールリングが外輪に対して接触状態となり、かつ、シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態又は非接触の近接状態となるため、潤滑油が軸受を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に上述の第2の発明によれば、潤滑油の流量が多くなり油圧が発生すると、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、シールリングが縮径してシールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態となる。よって、潤滑油が軸受を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に上述の第3の発明によれば、シールリングと内輪又は軸体は接触状態であるため、潤滑油がシールリングの内径側を貫通する流量を抑制できる。そして、潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、潤滑油が軸受を貫通する流量を抑制することができるため、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に上述の第4の発明によれば、油量が多くなると、油圧によりシールリングの軸方向内方の側面が押されて、シールリングが潤滑油の流れの方向に移動する。そして、シールリングが移動するのにしたがい、シールリングのテーパ状の外径が外輪のテーパ状の内径に合わせて縮径して、シールリングの内径と内輪又は軸との間のすきまが縮小しまたはすきまが塞がってシールリングによるシール性が高まる。
次に上述の第5の発明によれば、シールリングの内径が内輪又は軸体に密着した状態であっても、シールリングの内径面に形成されたスリット又は突起により、シールリングの内径側に潤滑油の流路が確保され、潤滑油の必要な流量を確保することができる。
まず、上述の第1の発明によれば、ニードル軸受の内部にシールリングを併用する構成のため、ブッシュを用いる場合と比べて回転トルクが軽い。そして、潤滑油の流れが多くなって油圧が発生すると、シールリングが外輪に対して接触状態となり、かつ、シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態又は非接触の近接状態となるため、潤滑油が軸受を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に上述の第2の発明によれば、潤滑油の流量が多くなり油圧が発生すると、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、シールリングが縮径してシールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態となる。よって、潤滑油が軸受を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に上述の第3の発明によれば、シールリングと内輪又は軸体は接触状態であるため、潤滑油がシールリングの内径側を貫通する流量を抑制できる。そして、潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、潤滑油が軸受を貫通する流量を抑制することができるため、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
次に上述の第4の発明によれば、油量が多くなると、油圧によりシールリングの軸方向内方の側面が押されて、シールリングが潤滑油の流れの方向に移動する。そして、シールリングが移動するのにしたがい、シールリングのテーパ状の外径が外輪のテーパ状の内径に合わせて縮径して、シールリングの内径と内輪又は軸との間のすきまが縮小しまたはすきまが塞がってシールリングによるシール性が高まる。
次に上述の第5の発明によれば、シールリングの内径が内輪又は軸体に密着した状態であっても、シールリングの内径面に形成されたスリット又は突起により、シールリングの内径側に潤滑油の流路が確保され、潤滑油の必要な流量を確保することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例にしたがって説明する。
図1に本発明の実施例1におけるニードル軸受10の断面図を示す。図1(A)はニードル軸受10をATの軸体30に組付けた状態を示す。ニードル軸受10は外輪12、ニードル16、保持器18、およびシールリング20を備え、ATの軸を支持する部分に用いられる軸受であって、軸体30を内径側軌道面とする構成とされている。
そして、ニードル軸受10の外輪12の軸方向の両端には、先端が軸受の内径側に向いた鍔14が形成されており、鍔14の軸受内方側の側面15は軸方向に垂直な平坦面とされている。そして、外輪12の内径側にはニードル16とシールリング20が軸方向に並列配置されている。
シールリング20の自由状態における外径は、外輪12の内径よりも小さく設定されており、シールリング20の自由状態における内径は、ニードル16の内径側軌道面とされる軸体30の外径面の径よりも大きく設定されている。そして、シールリング20は、ニードル軸受10を軸体30に組付けた状態では、図1(A)に示すとおり、外輪12の内径面および軸体30の外径面に対して非接触とされている。
そして、ニードル軸受10の外輪12の軸方向の両端には、先端が軸受の内径側に向いた鍔14が形成されており、鍔14の軸受内方側の側面15は軸方向に垂直な平坦面とされている。そして、外輪12の内径側にはニードル16とシールリング20が軸方向に並列配置されている。
シールリング20の自由状態における外径は、外輪12の内径よりも小さく設定されており、シールリング20の自由状態における内径は、ニードル16の内径側軌道面とされる軸体30の外径面の径よりも大きく設定されている。そして、シールリング20は、ニードル軸受10を軸体30に組付けた状態では、図1(A)に示すとおり、外輪12の内径面および軸体30の外径面に対して非接触とされている。
図2(A)、(B)にシールリング20の自由状態における正面図および側面図を示す。シールリング20は有端リングであって、厚さが一定で弾発性のある樹脂製の部材である。そして、図2(A)に示すように、シールリング20は周上の一箇所で、軸方向切断線と周方向切断線により切断されて階段状の端部23が形成され、端部23の周方向に突出した部分が軸方向で互いに接合して分割部24が形成されている。そして、シールリング20の弾性を利用して端部23の接合する長さを変化させることにより、シールリング20の内径の寸法を変更することができる。この分割部24が実施例1における内径可変構造である。
そして、図2(A)に示すように、シールリング20の軸方向の両側の側面22は径方向外方に向かって、シールリング20の軸方向の幅が狭くなるテーパ状の傾斜面とされている。
そして、図2(A)に示すように、シールリング20の軸方向の両側の側面22は径方向外方に向かって、シールリング20の軸方向の幅が狭くなるテーパ状の傾斜面とされている。
そして、ニードル軸受10は軸方向の潤滑油の流れが軸方向に並列配置されたニードル16側からシールリング20側の向けて流れる構成とされている。そこで、シールリング20はATの軸体30の周囲で潤滑油が流れる向き、図1(A)に矢印で示した紙面の右側から左側への向きに合わせて、図の右側にニードル16が左側にシールリング20が配置される向きで軸体30に取付けられる。そして、潤滑油が全く流れないか、又は潤滑油の流量が僅かのときは、ニードル軸受10は図1(A)に示した状態となっている。
そして、潤滑油の流量が多くなると、シールリング20が油圧により軸方向に押されて移動し、図1(B)に示すように、シールリング20の軸受外方側の側面22が外輪12の鍔14の先端に対して線接触の状態となる。すると、潤滑油の油圧により、シールリング20に内径側に縮む方向の力が働いてシールリング20が縮径し、図1(C)に示すように、シールリング20の内径面が軸体30の外径面に対して接触状態となる。
そして、潤滑油の流量が多くなると、シールリング20が油圧により軸方向に押されて移動し、図1(B)に示すように、シールリング20の軸受外方側の側面22が外輪12の鍔14の先端に対して線接触の状態となる。すると、潤滑油の油圧により、シールリング20に内径側に縮む方向の力が働いてシールリング20が縮径し、図1(C)に示すように、シールリング20の内径面が軸体30の外径面に対して接触状態となる。
実施例1のニードル軸受10によれば、ニードル軸受10の内部にシールリング20を併用する構成のため、ブッシュを用いる場合と比べて回転トルクが軽い。
そして、潤滑油の流量が多くなり油圧が発生すると、シールリング20の側面22が外輪12の鍔14に対して接触状態となり、シールリング20の外径面と外輪12の内径面との間の隙間の外輪12の鍔14側の開口部が塞がれる。そして、シールリング20が縮径してシールリング20の内径面と軸体30の外径面の間の隙間も塞がれる。よって、潤滑油の流量が多くなったときに潤滑油がシールリング20の外径側および内径側を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
なお、シールリング20の側面22と外輪12の鍔14は線接触となるため、接触抵抗は小さいので、シールリング20が外輪12に接触することは、シールリング20が油圧により縮径することの妨げとはならない。
そして、潤滑油の流量が多くなり油圧が発生すると、シールリング20の側面22が外輪12の鍔14に対して接触状態となり、シールリング20の外径面と外輪12の内径面との間の隙間の外輪12の鍔14側の開口部が塞がれる。そして、シールリング20が縮径してシールリング20の内径面と軸体30の外径面の間の隙間も塞がれる。よって、潤滑油の流量が多くなったときに潤滑油がシールリング20の外径側および内径側を貫通する流量を抑制することができ、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
なお、シールリング20の側面22と外輪12の鍔14は線接触となるため、接触抵抗は小さいので、シールリング20が外輪12に接触することは、シールリング20が油圧により縮径することの妨げとはならない。
実施例1では、シールリング20の両側の側面22をテーパ形状としたが、外輪12の鍔14に面する側のみをテーパ形状としても良い。また、外輪12の鍔14をテーパ形状としても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図3に、実施例1の変形実施例であるニードル軸受10Aを軸体30に組付けた状態の断面図を示す。図3は潤滑油の流量が多くシールリング20Aが移動および縮径をした状態を示している。
ニードル軸受10Aのニードル軸受10との差異は、シールリング20Aの側面22Aがテーパ状ではなく、軸方向に垂直な平面とされていること、およびシールリング20Aが配置された側の外輪12Aの鍔14Aが、径方向外方に向かって縮径するテーパ状とされており、鍔14Aの軸方向内側の側面15Aが傾斜面とされていることである。他の構成はニードル軸受10と同様であるので同じ符号を付し、説明は省略する。
ニードル軸受10Aによれば、潤滑油の流量が多い場合には、図3に示すように、シールリング20Aの側面22Aが外輪12Aの鍔14Aに線接触の状態となり、シールリング20Aの外径面と外輪12Aの内径面との間の隙間の外輪12Aの鍔14A側の開口部が塞がれる。そして、シールリング20Aが縮径してシールリング20Aの内径面と軸体30の外径面の間の隙間も塞がれる。よって、ニードル軸受10Aによれば、ニードル軸受10と同様の潤滑油の流量制御が可能となる。
図3に、実施例1の変形実施例であるニードル軸受10Aを軸体30に組付けた状態の断面図を示す。図3は潤滑油の流量が多くシールリング20Aが移動および縮径をした状態を示している。
ニードル軸受10Aのニードル軸受10との差異は、シールリング20Aの側面22Aがテーパ状ではなく、軸方向に垂直な平面とされていること、およびシールリング20Aが配置された側の外輪12Aの鍔14Aが、径方向外方に向かって縮径するテーパ状とされており、鍔14Aの軸方向内側の側面15Aが傾斜面とされていることである。他の構成はニードル軸受10と同様であるので同じ符号を付し、説明は省略する。
ニードル軸受10Aによれば、潤滑油の流量が多い場合には、図3に示すように、シールリング20Aの側面22Aが外輪12Aの鍔14Aに線接触の状態となり、シールリング20Aの外径面と外輪12Aの内径面との間の隙間の外輪12Aの鍔14A側の開口部が塞がれる。そして、シールリング20Aが縮径してシールリング20Aの内径面と軸体30の外径面の間の隙間も塞がれる。よって、ニードル軸受10Aによれば、ニードル軸受10と同様の潤滑油の流量制御が可能となる。
実施例1では、シールリング20の内径面は平坦な円筒面としているが、シールリング20の内径面にスリット又は突起を設けた構成とすることもできる。図4に、内径面にスリット26を設けたシールリング20Bの正面図(A)および側面図(B)を示す。そして、図5には、内径面に突起28を設けたシールリング20Cの正面図(A)および側面図(B)を示す。内径面にスリット26又は突起28を設けた構成とすることで、シールリング20B、20Cの内径が軸体30の外径に接触した状態であっても、スリット26又は突起28によりシールリング20B,20Cの内径側に潤滑油の流路が確保されるため、潤滑油の必要な流量を確保することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。図6に本発明の実施例2におけるニードル軸受40の断面図を示す。図6(A)はニードル軸受40を軸体60に組付ける前の状態を示す。ニードル軸受40は、外輪42、ニードル46、保持器48、およびシールリング50を備え、ATの軸を支持する部分に用いられる軸受であって、軸体60を内径側軌道面とする構成とされている。
そして、ニードル軸受40の外輪42の軸方向の両端には、先端が軸受の内径側に向いた鍔44が形成されており、鍔44の軸受内方側の側面45は軸方向に垂直な平坦面とされている。そして、外輪42の内径側にはニードル46とシールリング50が軸方向に並列配置されている。
そして、ニードル軸受40を軸体60に組付ける前のシールリング50の自由状態における内径は、図6(A)に示すとおり、ニードル46の内径側軌道面とされる軸体60の外径面の径よりも小さく設定されている。
そして、ニードル軸受40の外輪42の軸方向の両端には、先端が軸受の内径側に向いた鍔44が形成されており、鍔44の軸受内方側の側面45は軸方向に垂直な平坦面とされている。そして、外輪42の内径側にはニードル46とシールリング50が軸方向に並列配置されている。
そして、ニードル軸受40を軸体60に組付ける前のシールリング50の自由状態における内径は、図6(A)に示すとおり、ニードル46の内径側軌道面とされる軸体60の外径面の径よりも小さく設定されている。
図7にシールリング50の自由状態における正面図(A)および側面図(B)を示す。シールリング50は有端リングであって、厚さが一定で弾発性のある樹脂製の部材である。そして、図7(A)に示すように、シールリング50は周上の一箇所で、軸方向切断線と周方向切断線により切断されて階段状の端部53が形成され、端部53の周方向に突出した部分が軸方向で互いに接合して分割部54が形成されている。そして、シールリング50の弾性を利用して端部53の接合する長さを変化させることにより、シールリング50の内径の寸法を変更することができる。この分割部54が実施例2における内径可変構造である。
ニードル軸受40を軸体60に組付けた状態を図6(B)に示す。ニードル軸受40は軸方向の潤滑油の流れが軸方向に並列配置されたニードル46側からシールリング50側の向けて流れる構成とされている。そこで、シールリング50はATの軸体60の周囲で潤滑油が流れる向き、図6(B)に矢印で示した向きに合わせて、図の右側にニードル46側が図の左側にシールリング50が配置される向きで、軸体60に取付けられる。このとき、シールリング50の弾性を利用してシールリング50の内径を拡径させて、シールリング50を軸体60の外径面に嵌合させる。そして、シールリング50の内径面が軸体60の外径面に対して摺動可能な接触状態とさせて、ニードル軸受40を軸体60に組付ける。
ニードル軸受40を軸体60に組付けた状態では、図6(B)に示すとおり、シールリング50の外径面は外輪42の内径面に対して非接触の状態である。そして、潤滑油が全く流れないか又は潤滑油の流量が僅かのときは、ニードル軸受40は図6(B)に示した状態となる。
ニードル軸受40を軸体60に組付けた状態では、図6(B)に示すとおり、シールリング50の外径面は外輪42の内径面に対して非接触の状態である。そして、潤滑油が全く流れないか又は潤滑油の流量が僅かのときは、ニードル軸受40は図6(B)に示した状態となる。
シールリング50の内径面と軸体60の外径面は摺動可能な接触状態であるため、潤滑油の流量が多くなると、シールリング50が油圧により軸方向に押されて軸体60と接触した状態で軸方向に移動し、図6(C)に示すように、シールリング50の軸受外方側の側面52が外輪42の鍔44に対して面接触の状態となり、シールリング50の外径面と外輪42の内径面との間の隙間の外輪42の鍔44側の開口部が塞がれる。
実施例2のニードル軸受40によれば、ニードル軸受40の内部にシールリング50を併用する構成のため、ブッシュを用いる場合と比べて回転トルクが軽い。そして、シールリング50が軸体60に嵌合された状態ではシールリング50と軸体60は接触状態であるため、潤滑油がシールリング50の内径側を貫通する流量を抑制できる。そして、シールリング50と軸体60は摺動可能な接触状態であるため、潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリング50は潤滑油の流れに押されて軸方向へ移動することができる。そして、シールリング50が軸方向に移動するとシールリング50の側面52と外輪42の鍔44が接触状態となり、シールリング50の外径面と外輪42の内径面との間の隙間の外輪42の鍔44側の開口部が塞がれる。よって、潤滑油の流量が多くなったときに潤滑油がシールリング50の外径側を貫通する流量を抑制することができるため、ブッシュと同程度の油量制御が可能となる。
実施例2では、シールリング50の内径面は平坦な円筒面としているが、実施例1でシールリングの変形例として図4、図5で示したのと同様に、シールリング50の内径面にスリット又は突起を設けた構成とすることもできる。シールリング50の内径面にスリットや突起を設けることにより、シールリング50の内径が軸体60の外径に接触した状態であっても、シールリング50の内径側に潤滑油の流路が確保されるため、潤滑油の必要な流量を確保することができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。図8に本発明の実施例3におけるニードル軸受70の断面図を示す。ニードル軸受70は外輪72、ニードル76、保持器78、シールリング80を備え、ATの軸を支持する部分に用いられる軸受であって、軸体90(図9又は図10参照)を内径側軌道面とする構成とされている。
そして、ニードル軸受70の外輪72には、軸方向の両端に鍔74が形成されており、外輪72の内径側にはニードル76とシールリング80が軸方向に並列配置されている。そして、外輪72のシールリング80が配置される側に外輪72の内径が軸方向外方に向かってテーパ状に縮径する内径縮径部75が形成されている。
そして、ニードル軸受70の外輪72には、軸方向の両端に鍔74が形成されており、外輪72の内径側にはニードル76とシールリング80が軸方向に並列配置されている。そして、外輪72のシールリング80が配置される側に外輪72の内径が軸方向外方に向かってテーパ状に縮径する内径縮径部75が形成されている。
シールリング80はリング状で弾発性を有する樹脂製の部材である。そして、図8に示すように、シールリング80は軸方向の一側で外径が縮径するテーパ形状とされた外径縮径部82が形成されている。なお、シールリング80の外径縮径部82のテーパの傾斜は外輪12の内径縮径部75のテーパの傾斜と同一に設定されている。
そして、図8に示すように、シールリング80の周上の一箇所に、軸受の軸方向に対して傾斜した向きにスリット86が形成されている。そして、シールリング80の弾発性を利用してスリット86の隙間の幅を変更することにより、シールリング80の内形寸法を変更することができる。このスリット86が実施例3における内径可変構造である。
そして、シールリング80の自由状態における外径は、外輪72の内径面の径よりも大きい構成とされている。
そして、図8に示すように、シールリング80の周上の一箇所に、軸受の軸方向に対して傾斜した向きにスリット86が形成されている。そして、シールリング80の弾発性を利用してスリット86の隙間の幅を変更することにより、シールリング80の内形寸法を変更することができる。このスリット86が実施例3における内径可変構造である。
そして、シールリング80の自由状態における外径は、外輪72の内径面の径よりも大きい構成とされている。
シールリング80のニードル軸受70への組込みは次の手順により行う。シールリング80の組み込み前の状態では、外輪72のシールリング80が配置される側には内径縮径部75および鍔74が形成され、外輪72の軸方向の反対側には鍔74が形成されておらず、鍔74となる部分が軸方向に平行に伸びた状態とされている。
そして、外輪72の鍔74が形成されていない側から、シールリング80を弾性変形させてその径を外輪72の内径以下となるように縮め、シールリング80を外径縮径部82の側から外輪72の内径面に挿入する。そして、シールリング80を外輪72の内径面に沿って内径縮径部75が形成されている側まで移動させる。その後、シールリング80の挿入口となった側の外輪72の鍔74となる部分をカシメて鍔74を形成する。
シールリング80の自由状態での外径は外輪72の内径面の径よりも大きいため、シールリング80が外輪72の内径面に組み込まれた状態では、シールリング80は外輪72の内径面に張り付いた状態となる。なお、シールリング80は樹脂製で剛性が低く変形が容易であり、外輪72に張り付いた状態で、軸方向へ容易に移動させることが出来る。
そして、ニードル軸受70は、潤滑油がニードル76側からシールリング80側に向かって流れる向きに、軸体90に取り付けられる。
そして、外輪72の鍔74が形成されていない側から、シールリング80を弾性変形させてその径を外輪72の内径以下となるように縮め、シールリング80を外径縮径部82の側から外輪72の内径面に挿入する。そして、シールリング80を外輪72の内径面に沿って内径縮径部75が形成されている側まで移動させる。その後、シールリング80の挿入口となった側の外輪72の鍔74となる部分をカシメて鍔74を形成する。
シールリング80の自由状態での外径は外輪72の内径面の径よりも大きいため、シールリング80が外輪72の内径面に組み込まれた状態では、シールリング80は外輪72の内径面に張り付いた状態となる。なお、シールリング80は樹脂製で剛性が低く変形が容易であり、外輪72に張り付いた状態で、軸方向へ容易に移動させることが出来る。
そして、ニードル軸受70は、潤滑油がニードル76側からシールリング80側に向かって流れる向きに、軸体90に取り付けられる。
この実施例3によれば、外輪72の内径およびシールリング80の外径は、潤滑油が流れる方向に向かって同じ傾斜で縮径しており、シールリングは剛性が低く変形が容易で軸方向へ容易に移動させることが出来る。そして、ニードル軸受70は潤滑油がニードル76側からシールリング80側に向かって流れる向きに、軸体90に取り付けられる。
そこで、油量が少ないときは、図9に示すように、シールリング80の平坦な外径が外輪72の平坦な内径に張り付いた状態となっており、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまの幅はシールリング80をニードル軸受70に組み込んだときの幅となっている。
そして、油量が多くなると、図10に示すように、油圧によりシールリング80の軸方向内方の側面84が押されて、シールリング80が潤滑油の流れの方向に移動する。そして、シールリング80が移動するのにしたがい、シールリング80の外径縮径部82の外径が外輪72の内径縮径部75の内径に合わせて縮径して、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまが縮小し、シールリング80によるシール性が高められる。すなわち、実施例3によれば、油量が多いときは油圧を利用して、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまを縮小させて、潤滑油の流量を制御することが出来る。なお、シールリング80の移動により、シールリング80の内径と軸体90の間のすきまが塞がる構成としても良い。
実施例3ではシールリング80の内径面は平坦な円筒面としているが、実施例1でシールリングの変形例として図4、図5で示したのと同様に、シールリング80の内径面にスリットあるいは突起を形成する構成としても良い。
そこで、油量が少ないときは、図9に示すように、シールリング80の平坦な外径が外輪72の平坦な内径に張り付いた状態となっており、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまの幅はシールリング80をニードル軸受70に組み込んだときの幅となっている。
そして、油量が多くなると、図10に示すように、油圧によりシールリング80の軸方向内方の側面84が押されて、シールリング80が潤滑油の流れの方向に移動する。そして、シールリング80が移動するのにしたがい、シールリング80の外径縮径部82の外径が外輪72の内径縮径部75の内径に合わせて縮径して、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまが縮小し、シールリング80によるシール性が高められる。すなわち、実施例3によれば、油量が多いときは油圧を利用して、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまを縮小させて、潤滑油の流量を制御することが出来る。なお、シールリング80の移動により、シールリング80の内径と軸体90の間のすきまが塞がる構成としても良い。
実施例3ではシールリング80の内径面は平坦な円筒面としているが、実施例1でシールリングの変形例として図4、図5で示したのと同様に、シールリング80の内径面にスリットあるいは突起を形成する構成としても良い。
そして、実施例3のニードル軸受70によれば、シールリング80はニードル軸受70に組み込まれた状態で外輪72の内径面に張り付いた状態となる。よって、シールリング80の製造に当たっては、シールリングを外輪と軸の間に浮かせた構成とした場合に必要とされていた、シールリングの内外径の寸法精度や真円度は考慮しなくてもよい。
そして、シールリング80の肉厚の寸法精度のみを管理することで、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまをコントロールすることができるため、シールリング80の製造コストを低減させることが出来る。
また、内径可変構造はスリット86であって加工が簡単なため、シールリング80の製造コストを低く押さえることができる。
そして、シールリング80は外輪72に張り付いた状態となり軸体90とは非接触となるのでシールリング80には滑りはほとんど生じないためニードル軸受70の回転トルクを軽くすることが出来る。
そして、シールリング80の肉厚の寸法精度のみを管理することで、シールリング80の内径と軸体90との間のすきまをコントロールすることができるため、シールリング80の製造コストを低減させることが出来る。
また、内径可変構造はスリット86であって加工が簡単なため、シールリング80の製造コストを低く押さえることができる。
そして、シールリング80は外輪72に張り付いた状態となり軸体90とは非接触となるのでシールリング80には滑りはほとんど生じないためニードル軸受70の回転トルクを軽くすることが出来る。
上述の各実施例では、軸体を内輪側軌道面とするニードル軸受について説明したが、本発明は、内輪を備えたニードル軸受についても適用することができる。
そして、上述の各実施例ではシールリングを樹脂製としているが、シールリングは樹脂製に限られず、金属製とすることもできる。
また、シールリングの内径可変構造は上述の各実施例に示した、階段状の分割部あるいはスリットによる構成に限られない。図11にシールリングの内径可変構造の変形例として、シールリングを軸方向の切断線と周方向の切断線により切断して凹状部と凸状部を形成し、周方向で凹状部と凸状部が嵌合した分割部として構成した例を示す。
その他、本発明に係るニードル軸受はその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
そして、上述の各実施例ではシールリングを樹脂製としているが、シールリングは樹脂製に限られず、金属製とすることもできる。
また、シールリングの内径可変構造は上述の各実施例に示した、階段状の分割部あるいはスリットによる構成に限られない。図11にシールリングの内径可変構造の変形例として、シールリングを軸方向の切断線と周方向の切断線により切断して凹状部と凸状部を形成し、周方向で凹状部と凸状部が嵌合した分割部として構成した例を示す。
その他、本発明に係るニードル軸受はその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
10 ニードル軸受
12 外輪
14 鍔
15 側面
16 ニードル
18 保持器
20 シールリング
22 側面
23 端部
24 分割部
26 スリット
28 突起
30 軸体
40 ニードル軸受
42 外輪
44 鍔
45 側面
46 ニードル
48 保持器
50 シールリング
52 側面
53 端部
54 分割部
60 軸体
70 ニードル軸受
72 外輪
74 鍔
75 内径縮径部
76 ニードル
78 保持器
80 シールリング
82 外径縮径部
84 側面
86 スリット
90 軸体
12 外輪
14 鍔
15 側面
16 ニードル
18 保持器
20 シールリング
22 側面
23 端部
24 分割部
26 スリット
28 突起
30 軸体
40 ニードル軸受
42 外輪
44 鍔
45 側面
46 ニードル
48 保持器
50 シールリング
52 側面
53 端部
54 分割部
60 軸体
70 ニードル軸受
72 外輪
74 鍔
75 内径縮径部
76 ニードル
78 保持器
80 シールリング
82 外径縮径部
84 側面
86 スリット
90 軸体
Claims (5)
- 外輪の内径面にニードルとシールリングが軸方向に並列配置されているニードル軸受であって、
前記外輪の軸方向の両端のうち、少なくとも前記シールリングが配置される側の端には該外輪に鍔が形成されており、
前記シールリングは周方向の一箇所で分割された有端リングで、弾性により内径の寸法を変化させることができる内径可変構造となっており、該シールリングは軸受の軸方向に移動可能な状態で内輪又は軸体の外径側に組込まれる構成とされており、
軸受における軸方向の潤滑油の流れが軸方向に並列配置されたニードル側からシールリング側に向けて流れる構成とされており、
潤滑油の流れにより油圧が発生した状態では、前記シールリングが前記外輪に接触状態となる構成とされており、かつ、該シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態又は非接触の近接状態となる構成とされていることを特徴とするニードル軸受。 - 請求項1に記載のニードル軸受であって、
前記シールリングの軸受外方側の側面は径方向外方に向かってシールリングの軸方向の幅が狭くなる傾斜面とされており、該シールリングの自由状態における内径はニードルの内径側軌道面とされる内輪又は軸体の外径よりも大きく設定されており、
潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングが油圧により軸方向に押されてシールリングの側面が外輪の鍔に対して接触状態となり、該シールリングに内径側に縮む方向の力が働いて該シールリングが縮径し、該シールリングの内径が内輪又は軸体の外径に対して接触状態となることを特徴とするニードル軸受。 - 請求項1に記載のニードル軸受であって、
前記シールリングの自由状態における内径は前記ニードルの内径側軌道面とされる内輪又は軸体の外径よりも小さく設定されており、該シールリングが内輪又は軸体に嵌合された状態では、該シールリングの内径と内輪又は軸体の外径は摺動可能な接触状態とされており、
潤滑油の流れにより油圧が発生すると、シールリングが油圧により軸方向に押されて、内輪又は軸体の外径に接触した状態で軸方向に移動し、シールリングの端面が外輪の鍔に対して接触状態となることを特徴とするニードル軸受。 - 請求項1に記載のニードル軸受であって、
前記外輪の内径面とシールリングの外径面は、前記潤滑油の流れに応じて軸方向に相対移動可能な嵌合構造とされていると共に、該両者の嵌合部の少なくとも軸方向の一部において前記潤滑油の軸方向の流れ方向に漸次縮径するテーパ状の嵌合構造とされていることを特徴とするニードル軸受。 - 請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載のニードル軸受であって、
前記シールリングの内径面にスリット又は突起が形成されていることを特徴とするニードル軸受。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133833A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Ntn Corp | シェル形針状ころ軸受 |
WO2017179470A1 (ja) * | 2016-04-12 | 2017-10-19 | Ntn株式会社 | 転がり軸受ユニット |
-
2008
- 2008-09-03 JP JP2008225903A patent/JP2010060042A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017179470A1 (ja) * | 2016-04-12 | 2017-10-19 | Ntn株式会社 | 転がり軸受ユニット |
CN108884875A (zh) * | 2016-04-12 | 2018-11-23 | Ntn株式会社 | 滚动轴承单元 |
CN108884875B (zh) * | 2016-04-12 | 2020-06-12 | Ntn株式会社 | 滚动轴承单元 |
US11105374B2 (en) | 2016-04-12 | 2021-08-31 | Ntn Corporation | Rolling bearing unit |
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A072 | Dismissal of procedure |
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