JP2010059994A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝器の低速領域における減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができる緩衝器を提供することである。
【解決手段】緩衝器D内の二つの圧力室R1,R2を減衰通路3a,3bを迂回して連通するとともに途中に減衰バルブVを備えたバイパス路Bを設け、当該減衰バルブVが、内周あるいは外周の一方が固定されて固定端とされ内周あるいは外周の他方を自由端として撓みが許容されるとともにバイパス路Bの途中に設けられる環状弁体13と、環状弁体13の内周あるいは外周の他方との間に環状隙間14を形成する対向部材15とを備えて、流体がバイパス路Bを双方向に通過することを許容するとともに、環状弁体13と対向部材15との間を通過する流体の流れに抵抗を与えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
この種の緩衝器にあっては、シリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、当該ピストンに設けたポートの外周に配置される環状弁座に着座する環状のリーフバルブとを備え、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、この緩衝器では、リーフバルブの外周側を撓ませることによりポートを開閉するようになっており、ピストン速度が低い場合には、作動液体は、リーフバルブの外周に設けた切欠によって形成されるオリフィスを通過して、圧縮される圧力室から拡大される圧力室へ移動する。
したがって、この緩衝器は、ピストン速度が低い場合に、オリフィス特有の自乗特性となる減衰特性(ピストン速度に対する減衰力変化)にて減衰力が発揮され、ピストン速度(緩衝器が伸縮する際のシリンダに対するピストンの速度)が極低い領域にあるときには充分な減衰力を得難く、また、ピストン速度変化に対して減衰力変化が大きくピストン速度が低速領域を脱してリーフバルブが環状弁座から離座するようになると減衰特性がそれまでのオリフィス特有の減衰特性からリーフバルブによる減衰特性に変わるため、減衰特性が急激に変化してしまう。
そこで、低速領域においてピストン速度に対して減衰力をリニアに変化させるべく、弁座に着座するリーフバルブと、リーフバルブに積層されるサブリーフバルブの一部に切欠を設けるとともに、最上部に積層されるサブリーフバルブで切欠の大部分を閉塞してチョーク通路を構成するバルブを備えた緩衝器の提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。また、ピストンにポートとは別にピストンを上下に貫くチョーク通路を形成するバルブを備えた緩衝器の提案もある(たとえば、特許文献2参照)。
特開2001−165224号公報 特開2007−132389号公報
しかしながら、ピストン速度が低速領域にある際の減衰力を上記したチョーク通路によって発生させる場合、緩衝器内の液体の粘度が温度等の影響によって低下すると、緩衝器の発生減衰力が低下してしまい減衰力不足を生じて、車両における乗り心地を損なう場合がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器の低速領域における減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができる緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、二つの圧力室を連通するとともに通過する流体に抵抗を与える減衰通路とを備えた緩衝器において、減衰通路を迂回するとともに減衰バルブが設置されるバイパス路を設け、当該減衰バルブは、内周あるいは外周の一方が固定されて固定端とされ内周あるいは外周の他方を自由端として撓みが許容されるとともにバイパス路の途中に設けられる環状弁体と、環状弁体の内周あるいは外周の他方との間に環状隙間を形成する対向部材とを備え、流体がバイパス路を双方向に通過することを許容するとともに、環状弁体と対向部材との間を通過する流体の流れに抵抗を与えることを特徴とする。
本発明の緩衝器のバルブによれば、ピストン速度が低速領域にある際の減衰力を減衰通路を迂回する減衰バルブにて発揮することができるので、チョーク通路を用いることなく減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができる。
すなわち、この緩衝器によれば、チョーク通路を用いることなく減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができ、緩衝器内の流体の粘度変化の影響を受けづらく、温度上昇によって発生減衰力が低下して減衰力不足を招くことが無いので、車両における乗り心地を向上することができる。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の一部縦断面図である。図2は、一実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。図3は、一実施の形態における緩衝器の減衰特性を示した図である。
一実施の形態における緩衝器Dは、図1および図2に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を二つの圧力室R1,R2に区画するピストン2と、二つの圧力室R1,R2を連通するとともに通過する流体に抵抗を与える減衰通路3a,3bと、減衰通路3a,3bを迂回するとともに減衰バルブVが設置されるバイパス路Bと、図1中下端となる先端がピストン2に連結されるピストンロッド4と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内に気体室Gを区画するフリーピストン5とを備え、シリンダ1の上端がピストンロッド4を摺動自在に軸支するヘッド部材6によって閉塞されるとともに下端がボトムキャップ7によって閉塞され、圧力室R1,R2内には流体、具体的には作動油が充填され、気体室G内には気体として、たとえば、窒素等の不活性ガスが充填されている。
なお、この緩衝器Dの場合、単筒型の緩衝器として構成されているのでシリンダ1内に挿入したフリーピストン5で気体室Gを形成して、シリンダ1内にピストンロッド4が出入りすることによるシリンダ内容積変化を補償するようにしているが、上記シリンダ内容積変化を補償するリザーバをシリンダ1外に設ける構成とされてもよい。
以下、各部について詳細に説明すると、ピストンロッド4は、その図1中下端となる先端が小径とされて小径部4aが形成され、当該小径部4aの下端側には螺子部4bが形成されている。また、ピストンロッド4には、小径部4aより上方から開口して小径部4aの下端へ通じるロッド内通路4cが設けられている。
ピストン2は、環状に形成されるとともに、その内周側にピストンロッド4の小径部4aが挿入されている。また、このピストン2には、図1中上方側の圧力室R1と下方側の圧力室R2とを連通する減衰通路3a,3bが設けられ、減衰通路3aの図1中上端は減衰力発生要素であるリーフバルブ8にて閉塞され、他方の減衰通路3bの図1中下端も減衰力発生要素であるリーフバルブ9によって閉塞されている。
このリーフバルブ8,9は、共に環状に形成され、内周側にはピストンロッド4の小径部4aが挿入され、リーフバルブ8,9の撓み量をそれぞれ規制する環状のバルブストッパ10,11とともにピストン2に積層されている。
そして、リーフバルブ8は、緩衝器Dの収縮する際に下方側の圧力室R2と上方側の圧力室R1の差圧が開弁圧に達すると撓んで開弁し減衰通路3aを開放して圧力室R2から圧力室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与えるとともに、緩衝器Dの伸長時には減衰通路3aを閉塞するようになっており、他方のリーフバルブ9は、リーフバルブ8とは反対に、緩衝器Dの伸長する際に上方側の圧力室R1と下方側の圧力室R2の差圧が開弁圧に達すると減衰通路3bを開放し、収縮時には減衰通路3bを閉塞する。
すなわち、リーフバルブ8は、緩衝器Dの収縮時における圧側減衰力を発生する減衰力発生要素であり、他方のリーフバルブ9は、緩衝器Dの伸長時における伸側減衰力を発生する減衰力発生要素である。このように、減衰通路を一方通行とする場合には、緩衝器Dのように、減衰通路3a,3bを設けてそれぞれを緩衝器Dの伸長時あるいは収縮時のみ流体が通過するように構成してもよく、また、減衰通路が双方向流れを許容する場合には一つのみを設けて途中に絞り等の減衰力発生要素を設けるようにしてもよい。なお、リーフバルブ8,9は、ともに、環状のリーフを複数枚積層されて構成され、当該リーフの積層枚数および外径を変更することによって撓み剛性を容易に変更できるようになっているが、発生させる減衰力の設定によってリーフの枚数は任意であって単数に設定されてもよい。また、この実施の形態の場合、ピストン2に減衰通路3a,3bを設けてリーフバルブ8,9によって流体の流れに抵抗を与えるようになっているが、減衰通路3a,3bに設ける減衰力発生要素としてはリーフバルブ8,9以外のバルブを採用することも可能である。
さらに、この実施の形態の場合、後述するバイパス路Bによって圧力室R1と圧力室R2とが連通状態におかれるため、リーフバルブ8,9で完全に減衰通路3a,3bを閉塞することもでき、リーフバルブ8,9に切欠を設けたりリーフバルブ8,9が着座する弁座に打刻オリフィスを設けたりピストン2に別途の通路を設けたりすることを要しない。なお、このことは、リーフバルブ8,9への切欠の形成や上記弁座へ打刻オリフィスの設置を妨げる趣旨ではなく、また、リーフバルブ8,9の上記弁座への張付や吸着を防止するうえで切欠や打刻オリフィスを設けるようにしてもよい。
戻って、ピストンロッド4の螺子部4bには、上記バルブストッパ11の下方から減衰バルブVが収容されるバルブハウジング12が螺着され、このバルブハウジング12によって、上記したピストン2、リーフバルブ8,9およびバルブストッパ10,11がピストンロッド4に固定されている。このように、バルブハウジング12は、内部に減衰バルブVを収容するだけでなく、ピストン2をピストンロッド4に固定する役割をも果たしている。
そして、減衰バルブVは、図2に示すように、外周が固定されて固定端とされ内周を自由端として撓みが許容されるとともにバイパス路Bの途中に設けられる環状弁体13と、環状弁体13の内周との間に環状隙間14を形成する対向部材15とを備えて構成され、流体がバイパス路Bを双方向に通過することを許容するとともに、環状弁体13と対向部材15との間を通過する流体の流れに抵抗を与えるようになっている。
また、バルブハウジング12は、ピストン2が連結されるピストンロッド4の小径部4aに螺着される軸部材16と、軸部材16の外周に固定される筒部材17とを備えて構成さえ、減衰バルブVにおける環状弁体13は、上記筒部材17によって外周が保持され、対向部材15は上記軸部16によって保持されている。
詳しくは、軸部材16は、ピストンロッド4の小径部4aの螺子部4bに螺着される有底筒状のナット部16aと、ナット部16aの底部から図2中垂下するようにして伸びる軸部16bとを備えて構成され、ナット部16aの底部にはこれを貫く透孔16cが複数設けられ、軸部16bの図2中下端にはナット18が螺着される螺子部16dが設けられている。なお、透孔16cの設置数は、任意である。
筒部材17は、軸部材16におけるナット部16aの底部外周に嵌合する第一筒17aと、軸部材16の軸部16bの外周に嵌合する第二筒17bとを備えて構成されている。なお、第二筒17bにはこれを上下に貫く透孔17cが複数設けられており、軸部材16と筒部材17とで形成される空間Rは透孔17cを介して図2中下方側の圧力室R2へ連通され、また、上記空間Rは、透孔16cおよびピストンロッド4に形成したロッド内通路4cを介して図2中上方側の圧力室R1へ連通されている。
したがって、この実施形態の場合、バイパス路Bは、透孔16c,17c、軸部材16と筒部材17とで形成される空間R、およびロッド内通路4cによって形成されている。
そして、減衰バルブVにおける環状弁体13は、その外周が図2中上下に積層される間座19,20とともに第一筒17aと第二筒17bとで挟持され、対向部材15は、その内周が図2中上下に積層される間座21,22と上方に積層されるスペーサ23とともに第二筒17bと軸部材16とで挟持され、ナット18によって締付けられてバルブハウジング12に固定されるようになっている。
環状弁体13は、この場合、単一の環状板でなり、対向部材15に対向して環状隙間14を形成しており、外周側が間座19,20に挟持されて固定端とされ、内周側が自由端とされている。また、間座19,20の内径は、環状弁体13の内径より大径に設定されており、環状弁体13に圧力室R1,R2間の差圧が作用すると、環状弁体13は間座19,20の内周縁を支点として撓んで、対向部材15とで形成する環状隙間14の面積を増大させるようになっている。
したがって、環状弁体13の内周は、図2中上方へも下方へも撓むことができ、ピストン2がシリンダ1に対して図2中上方へ移動する緩衝器Dが伸長する際には、バイパス路Bを介して上方側の圧力室R1から下方側の圧力室R2へ向かう流体の圧力の作用によって下方へ撓み、反対に、ピストン2がシリンダ1に対して図2中下方へ移動する緩衝器Dが圧縮される際には、バイパス路Bを介して下方側の圧力室R2から上方側の圧力室R1へ向かう流体の圧力の作用によって上方へ撓み、対向部材15と環状弁体13との間の環状隙間14を通過する流体の流れに抵抗を与え、緩衝器Dに減衰力を発生させる。
つまり、この実施の形態における減衰バルブVは、双方向の流体の流れを許容しつつ、当該流体の流れに抵抗を与えることができるようになっている。
なお、この実施の形態の場合、環状弁体13は、単一の環状板で構成されているが、複数の環状板を積層して構成されてもよく、また、複数の環状板で構成する場合、全ての環状板の内径を同じに設定しなくともよく、たとえば、対向部材15と協働して環状隙間14を形成するための環状板を一つ設けておき、その環状板の上下に環状板を積層するようにする場合、上下に積層される環状板の内径を上下で異なるようにしておけば、環状隙間を形成する環状板の撓み剛性を上下で異ならしめて緩衝器Dの伸長側と圧縮側の減衰特性(ピストン速度に対して発生される減衰力の特性)を異ならしめることが可能である。
また、間座19,20の内径長さの設定によって、環状弁体13における撓みの支点を変更することができ、環状弁体13の撓み剛性を変更することできるとともに、間座19,20の外径をそれぞれ異ならしめることで環状弁体13の上方への撓み剛性と下方への撓み剛性を異ならしめて、緩衝器Dの伸長側と圧縮側の減衰特性を異ならしめることが可能である。
他方、対向部材15は、環状であって軸部材16の軸部16bの外周に装着され環状弁座13の内周に対向して環状隙間14を形成しているが、軸部16bの一部を外周へ膨出させて環状弁体13に対向させてこれを対向部材としてもよいし、また、この実施の形態の場合、筒部材17における第二筒17bの内周から筒状の立上部17dが設けられているので、当該立上部17dの外周を環状弁体13側へ膨出させてこれを対向部材としてもよい。また、スペーサ23は、軸部材16の軸部16bに一体化されてもよい。
なお、この実施の形態では、対向部材15は、間座21,22によって挟持されており、軸方向となる図2中上下方向位置を間座21,22の厚みや数によって簡単に調節することができるようになっており、環状弁体13にあっても、間座19,20の厚みや数によって軸方向となる図2中上下方向位置を簡単に調節することができるようになっている。
したがって、図2に示すように、対向部材15の外周端15aの厚みと、当該外周端15aに対向する環状弁体13の位置を調節することによって、流体の流れの方向によって減衰バルブVにて与える抵抗の特性を異ならしめることが可能である。
つまり、図2中、対向部材15の外周端15aの上端と環状弁体13の上端との軸方向距離h1と、対向部材15の外周端15aの下端と環状弁体13の下端との軸方向距離h2とを違えることにより、環状弁体13が対向部材15の外周端15aに対して撓む量が同じでも流路面積が上下で異なるようにすることができる。したがって、この減衰バルブVでは、緩衝器Dの伸長側と圧縮側の減衰特性を環状弁体13と対向部材15の相対位置の設定によって異ならしめることも可能である。なお、図示したところでは、対向部材15の外周端15aの軸方向の厚さをこれに対向する環状弁体13の厚さより大きく設定しているが、逆にすることも可能である。なお、環状弁体13の軸方向位置を調整する必要がない場合には、環状弁体13の撓みの支点を形成する間座19,20をそれぞれ筒部材17における第一筒17aと第二筒17bに一体化するようにしてもよい。同様に、対向部材15を挟持する間座21,22をそれぞれ第二筒17bと軸部16bに一体化するようにしてもよい。また、環状弁体13だけでなく、対向部材15も撓むように設定されてもよい。
さて、このように構成された緩衝器Dにあっては、ピストン速度が低速であるときには減衰通路3a,3bに設けたリーフバルブ8,9が減衰通路3a,3bを開放せずにこれを通じて流体が圧力室R1と圧力室R2とを行き来することができないようになっており、流体はバイパス路Bを優先的に通過して圧力室R1,R2を行き来するようになっている。
そして、減衰バルブVは、上述のように、環状弁体13と対向部材15との間に環状隙間14を形成してバイパス路Bにおける連通を確保し、圧力室R1と圧力室R2との差圧の増大に伴って環状弁体13の撓み量も増加して環状隙間14の断面積を増大させる。したがって、緩衝器Dが伸縮する際のピストン速度が低速領域にあるときには、緩衝器Dは、ピストン速度の増大に伴って減衰力を比例的に増大させる図3に示すが如くの減衰特性にて減衰力を発生させる。なお、図3中の破線は、オリフィスによって低速領域の減衰力を発揮する従来の緩衝器の減衰特性を示している。
また、上述のようにバイパス路Bを優先的に通過するピストン速度の低速領域の上限は、任意に設定することができるが、経験上、一般的な四輪自動車であれば0.2m/s以下で任意に設定されるとよく、四輪自動車に適した減衰特性を実現できる。また、減衰バルブVにおける環状弁体13が撓むことによって環状隙間14の断面積が大きくなりすぎる場合、バイパス路Bの任意の部分、たとえば、透孔16c,17cやロッド内通路4cの一部でバイパス路Bの最大断面積を規制するようにしてもよい。
つづいて、ピストン速度が速くなって低速領域を脱して高速領域に達すると、今度は、リーフバルブ8,9が減衰通路3a,3bを開放するようになり、減衰通路3a,3bを通過する流量が多くなり、緩衝器Dの減衰特性は、図3に示すように、リーフバルブ8,9による特性が支配的となり、傾きが減少する。
このように本実施の形態における緩衝器Dにあっては、ピストン速度が低速領域にある際の減衰力を減衰通路3a,3bを迂回する減衰バルブVにて発揮するようにしたので、チョーク通路を用いることなく減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができる。
すなわち、この緩衝器Dによれば、チョーク通路を用いることなく減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができ、緩衝器D内の流体の粘度変化の影響を受けづらく、温度上昇によって発生減衰力が低下して減衰力不足を招くことが無いので、車両における乗り心地を向上することができる。
また、充分なチョーク特性を得ようとすると通路を非常に長く設定する必要があるチョーク通路を用いずに上記減衰特性を実現でき、減衰バルブVが軸方向に幅を取らない環状弁体13と対向部材15とで構成されて双方向の流れに対して流体の流れに抵抗を与えるようになっているので、緩衝器Dのピストン部に減衰バルブVを設けても当該ピストン部(バルブストッパ10からバルブハウジング12の下端まで)を過度に大型化させることないので、ストローク長の確保が容易となる。
なお、減衰通路3a(3b)がそれぞれ複数設けられる場合、各減衰通路3a(3b)の開口端に設けられる窓が独立窓とされて互いに連通されずにリーフバルブ8(9)にて個々開閉されるように設定されると、開弁圧に達するとリーフバルブ8(9)の減衰通路3a(3b)に通じる窓に対向している部位が部分的に撓んで半開きとなって減衰通路3a(3b)をごく僅か開放するようになるので、ピストン速度が低速領域の減衰特性と高速領域の減衰特性との境で滑らかに減衰係数が変化するようにすることができ、車両における乗り心地をより一層向上させることができる。
また、この実施の形態の場合、リーフバルブ8,9は開弁圧にならないと減衰通路3a,3bを開放しないように設定されているが、たとえば、減衰バルブVにおける環状弁体13における撓み剛性をリーフバルブ8,9における撓み剛性に対して小さくしておき、ピストン速度が低速領域にあるときリーフバルブ8,9が減衰通路3a,3bを開放しても、減衰通路3a,3bの流路面積より減衰バルブVで制限するバイパス路Bの流路面積の方が充分に大きく、減衰通路3a,3bに優先してバイパス路Bを流体が通過するようであれば、緩衝器Dが伸縮するとピストン速度に限らずリーフバルブ8,9が減衰通路3a,3bを開放するようにしてもよい。
さらに、この実施の形態の場合、減衰バルブVにおける環状弁体13をバルブハウジング12における筒部材17へ固定し、対向部材15を軸部材16に固定するようにしているが、逆に、環状弁体13の内周を軸部材16に固定して外開きに設定し対向部材15を筒部材17に固定する構成を採用することもできるが、減衰バルブVにおける環状弁体13を内開きに設定しているので、環状弁体13の撓み動作を許容するスペースを軸部材16の至近に設けることができるとともに、この環状弁体13の撓み動作によってバイパス路Bの流路面積を減少させてしまう虞が無いので、バルブハウジング12をピストンロッド4の先端となる小径部4aに固定する構成を採用しても軸方向長さをより短くすることができる。
また、バルブハウジング12の構成は、一例であって、バイパス路Bの構成上、バルブハウジングの設置が不要であるような場合には、単にバイパス路Bの途中に環状弁体13と対向部材15を設置する構成を採用してもよい。
またさらに、バイパス路Bは、ピストンロッド4内に設置することで、緩衝器Dのシリンダ1内に、バイパス路Bと減衰バルブVを収容することができるので、緩衝器Dの外形の大型化を招かない利点があるが、バイパス路Bをシリンダ1外に設置する構成を採用することも可能である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器の一部縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器の減衰特性を示した図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
3a,3b 減衰通路
4 ピストンロッド
4a ピストンロッドの先端となる小径部
4b 螺子部
4c ロッド内通路
5 フリーピストン
6 ヘッド部材
7 ボトムキャップ
8,9 リーフバルブ
10,11 バルブストッパ
12 バルブハウジング
13 環状弁体
14 環状隙間
15 対向部材
15a 対向部材における外周端
16 バルブハウジングにおける軸部材
16a 軸部材におけるナット部
16b 軸部材における軸部
16c 軸部材における透孔
16d 軸部材における螺子部
17 バルブハウジングにおける筒部材
17a 筒部材における第一筒
17b 筒部材における第二筒
17c 筒部材における透孔
18 ナット
19,20,21,22 間座
23 スペーサ
B バイパス路
D 緩衝器
R1,R2 圧力室
V 減衰バルブ

Claims (5)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、二つの圧力室を連通するとともに通過する流体に抵抗を与える減衰通路とを備えた緩衝器において、減衰通路を迂回するとともに減衰バルブが設置されるバイパス路を設け、当該減衰バルブは、内周あるいは外周の一方が固定されて固定端とされ内周あるいは外周の他方を自由端として撓みが許容されるとともにバイパス路の途中に設けられる環状弁体と、環状弁体の自由端との間に環状隙間を形成する対向部材とを備え、流体がバイパス路を双方向に通過することを許容するとともに、上記環状隙間を通過する流体の流れに抵抗を与えることを特徴とする緩衝器。
  2. 0.2m/s以下の値を上限として設定されるシリンダに対するピストンの速度範囲では、流体が減衰通路に優先してバイパス路を通過するように設定されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. ピストンが連結されるピストンロッドの先端に螺着されるとともに環状弁体あるいは対向部材の一方を保持する軸部材と、環状弁体あるいは対向部材の他方を保持して軸部材の外周に固定される筒部材とを備えたバルブハウジングを設け、バイパス路がピストンロッドの側部から先端へ通じるロッド内通路と当該バルブハウジング内によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 減衰通路は、ピストンに設けられるポートと、ポートを開閉するリーフバルブとを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器。
  5. 軸部材が有底筒状であってピストンロッドの先端に螺着されるナット部と、ナット部の底部から伸びて環状弁体あるいは対向部材の一方を保持する軸部とを備え、ナット部のピストンロッドの先端への螺着によってピストンが当該ピストンロッドの先端へ固定されることを特徴とする請求項3または4に記載の緩衝器。
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