JP2010059488A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜すべき薄膜と同じ材料のコーティング膜を母材の表面に形成した触媒体により還元ガスを活性化することにより、不純物元素の汚染がない低抵抗のタングステン膜を効率的に形成することが可能な成膜方法を提供する。
【解決手段】被処理体Sの表面に薄膜を形成する成膜方法において、真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガスと還元ガスとを供給すると共に、還元ガスを、触媒作用を有する母材94Aの表面に薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜94Bが形成されて通電により加熱された触媒体94により活性化させて成膜する成膜工程を行うようにする。これにより、不純物元素の汚染がない低抵抗のタングステン膜を効率的に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タングステン膜やタングステン窒化膜等の薄膜を形成する成膜方法及び成膜装置に関する。
一般に、半導体集積回路の製造工程においては、被処理体である半導体ウエハ表面に配線パターンを形成するために或いは配線間等の凹部を埋め込むためにW(タングステン)、WN(タングステンナイトライド)、WSi(タングステンシリサイド)、Ti(チタン)、TiN(チタンナイトライド)、TiSi(チタンシリサイド)等の金属或いは金属化合物を堆積させて薄膜を形成することが行なわれている。
また上記金属膜の下地として、下層との密着性等を向上させる目的でバリヤ膜を形成する場合があるが、このバリヤ膜としてはタングステン窒化膜やチタン窒化膜等が用いられる。ここで金属膜としてタングステン膜を成膜する場合を例にとって説明する。このタングステン膜を形成する場合には、一般的には主にWF (六フッ化タングステン)ガスが使用される(特許文献1、2及び3)。
このような金属薄膜を形成する一般的な成膜装置の概略構成図は図12に示されており、例えばアルミニウム等により筒体状に成形された処理容器2内には、例えば薄いカーボン素材或いはアルミ化合物により成形された載置台4が設けられており、この下方には、石英製の透過窓6を介してハロゲンランプ等の加熱手段8を配置している。
そして、加熱手段8からの熱線は透過窓6を透過して載置台4に至り、これを加熱し、この上に配置されている半導体ウエハSを所定の温度に間接的に加熱維持する。これと同時に、載置台4の上方に設けたシャワーヘッド部10からはプロセスガスとして例えばWFと還元ガスであるSiH等がウエハ表面上に均等に供給され、ウエハ表面上にW(タングステン)の金属膜が形成されることになる。
上記両ガスを供給する態様としては、両ガスを同時に供給してCVD法によりW膜を形成する方法や、WF ガスとSiH ガスとを交互に間欠的に繰り返して供給して厚さ数ÅのW膜の薄膜を多層に形成するALD(Atomic Layered Deposition)法等が知られている。また上記SiH ガスに代えて還元ガスであるB ガスを上述したと同様に用いる場合もある。また、タングステン窒化膜を形成する場合には、WF ガスと一般的にはNH ガスとを用い、CVD法により形成している。
特開平6−89873号公報 特開2003−96567号公報 特開2007−308735号公報
ところで、上述した従来のタングステン膜の成膜方法にあっては、還元ガスとしてSiH ガスやB ガスを使用しているために、堆積したタングステン膜中にSi(シリコン)原子やB(ボロン)原子が取り込まれることは避けられない。このSi原子やB原子の混入量は、高々数%程度ではあるが、このSi元素やB元素の不純物元素の混入によりタングステン膜の抵抗値が上昇してしまって高抵抗化する、という問題があった。
この場合、上記還元ガスとして不純物元素の混入の恐れのないH ガスを用いることも考えられるが、この場合には、H ガスの還元性が、上記SiH ガスやB ガスと比較してかなり弱いので、十分な成膜レートを稼ぐことができず、実用的ではない。特に、成膜初期には成膜の核となるべき初期核がウエハの表面に形成され、この時形成された初期核形成膜(Nucleation膜)を起点として成膜が進行して行くが、上記還元性の低いH ガスを用いた場合には、この初期核形成膜の堆積が非常に遅くなり、スループットを大幅に低下させてしまう、という問題があった。
このため、上記H ガスの還元性を補う目的で、プラズマにより活性化されたH ガスを処理容器内へ導入する、いわゆるリモートプラズマ方式や、処理容器内でプラズマを立ててガスを活性化するプラズマ活性化方式を採用することも考えられる。しかし、上記リモートプラズマ方式の場合には、活性化されたガスが処理容器までの輸送経路を構成する材料と衝突することにより失活してしまうので、効率が非常に低下してしまう。またプラズマ活性化方式では、処理容器内のウエハの上方でプラズマを形成するので、ウエハ自体がプラズマダメージを受け易くなって好ましくない。
また、上記ガスを活性化させる他の手法として、例えば特開昭63−40314号公報に開示されているように、加熱触媒体を用いる方法が存在するが、この場合には、原料ガス自体がこの加熱触媒体により分解されてしまって、ここにパーティクルの原因となる膜が付着してしまう、という問題があった。
そこで、本出願人は、特許文献3に示すようにタングステンやプラチナ等よりなる触媒体を加熱し、この触媒体によりH ガスを活性化させた成膜を行う成膜方法を提案した。しかしながら、この場合、タングステン膜を成膜する時に、タングステンよりなる触媒体を用いると、クリーニングの時にこの触媒体自体も削り取られて触媒体が消滅してしまうので好ましくなく、また、他の金属、例えばプラチナを触媒体として用いると、ウエハ表面に堆積するタングステン膜中にプラチナが不純物として混入されて金属汚染が生じてしまう、といった問題があった。またタングステン窒化膜を形成する場合にも、上記したと同様な不純物の汚染が生じてしまう、という問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、成膜すべき薄膜と同じ材料のコーティング膜を母材の表面に形成した触媒体により還元ガスを活性化することにより、不純物元素の汚染がない低抵抗のタングステン膜を効率的に形成することが可能な成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、成膜すべき薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜を母材の表面に形成した触媒体により、窒化ガスを活性化することにより、不純物元素の汚染がないタングステン窒化膜を効率的に形成することができる成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガスと還元ガスとを供給すると共に、前記還元ガスを、触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により加熱された触媒体により活性化させて成膜する成膜工程を行うようにしたことを特徴とする成膜方法である。
このように、触媒作用を有する母材の表面に、被処理体の表面に形成する薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜を形成した触媒体を用いて、還元ガスを活性化させるようにしたので、不純物元素の汚染がない低抵抗のタングステン膜を効率的に形成することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記還元ガスはH ガスであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記成膜工程では、前記タングステン含有ガスと還元ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記還元ガスを供給する時に前記触媒体の温度を700〜1200℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項の発明において、前記薄膜は、タングステン膜であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項の発明において、成膜すべき最初の被処理体に対して成膜を行う前に、前記母材の表面に前記コーティング膜を形成するためのコーティング膜形成工程を行い、次に前記成膜工程を繰り返し行って所定の枚数の被処理体に対して成膜を行った後に、前記処理容器内へクリーニングガスを流して前記処理容器内に付着している不要な薄膜を除去するクリーニング工程を行い、前記クリーニング工程を行った後に、前記コーティング膜形成工程を再度行うようにしたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記コーティング膜形成工程では、前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスと還元ガスとを同時に供給すると共に、前記母材の温度を400〜500℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記コーティング膜形成工程では、前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスと還元ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記還元ガスを供給する時に前記母材の温度を700〜1200℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項の発明において、前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項の発明において、前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項の発明において、前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか一項の発明において、前記触媒体の母材は、Pt、Ir、Ru、Re、カーボンワイヤよりなる群より選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項12に係る発明によれば、被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガスと窒化ガスとを供給すると共に、前記窒化ガスを、触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により加熱された触媒体により活性化させて成膜する成膜工程を行うようにしたことを特徴とする。
このように、触媒作用を有する母材の表面に、被処理体の表面に形成する薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜を形成した触媒体を用いて、窒化ガスを活性化させるようにしたので、純物元素の汚染がないタングステン窒化膜を効率的に形成することができる。
請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記窒化ガスはNガスで あることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項12又は13の発明において、前記成膜工程では、前記タングステン含有ガスと窒化ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記還元ガスを供給する時に前記触媒体の温度を1000〜2000℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項12乃至14のいずれか一項の発明において、前記薄膜は、タングステン窒化膜であることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項12乃至15のいずれか一項の発明において、成膜すべき最初の被処理体に対して成膜を行う前に、前記母材の表面に前記コーティング膜を形成するためのコーティング膜形成工程を行い、次に前記成膜工程を繰り返し行って所定の枚数の被処理体に対して成膜を行った後に、前記処理容器内へクリーニングガスを流して前記処理容器内に付着している不要な薄膜を除去するクリーニング工程を行い、前記クリーニング工程を行った後に、前記コーティング膜形成工程を再度行ようにしたことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項16の発明において、前記コーティング膜形成工程では、前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスと窒化ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記窒化ガスを供給する時に前記母材の温度を1000〜2000℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項16の発明において、前記コーティング膜形成工程では、還元ガスと前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスとを同時に供給すると共に、前記母材の温度を400〜500℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項12乃至18のいずれか一項の発明において、前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項12至19のいずれか一項の発明において、前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項12乃至20のいずれか一項の発明において、前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項12乃至21のいずれか一項の発明において、前記触媒体の母材は、Ir、Ru、Re、カーボンワイヤよりなる群より選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項23に係る発明は、被処理体の表面に薄膜を形成する成膜装置において、真空引き可能になされた処理容器と、前記処理容器内で前記被処理体を載置する載置台と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、前記処理容器内へタングステン含有ガスと還元ガスとを供給するガス供給手段と、前記還元ガスを活性化するために触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により発熱する触媒体と、前記触媒体に通電を行うために接続された触媒用電源と、を備えたことを特徴とする成膜装置である。
請求項24の発明は、請求項23の発明において、前記還元ガスはH ガスであることを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項23又は24の発明において、前記薄膜は、タングステン膜であることを特徴とする。
請求項26の発明は、請求項23乃至25のいずれか一項に記載の発明において、前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする。
請求項27の発明は、請求項23乃至26のいずれか一項に記載の発明において、前記触媒体の母材は、Ir、Ru、Re、Pt、カーボンワイヤよりなる群より選択される1の材料よりなることを特徴とする。
請求項28の発明は、請求項23乃至27のいずれか一項に記載の発明において、前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする。
請求項29の発明は、請求項23乃至28のいずれか一項に記載の発明において、前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする。
請求項30に係る発明は、被処理体の表面に薄膜を形成する成膜装置において、真空引き可能になされた処理容器と、前記処理容器内で前記被処理体を載置する載置台と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、前記処理容器内へタングステン含有ガスと窒化ガスとを供給するガス供給手段と、前記窒化ガスを活性化するために触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により発熱する触媒体と、前記触媒体に通電を行うために接続された触媒用電源と、を備えたことを特徴とする成膜装置である。
請求項31の発明は、請求項30の発明において、前記窒化ガスはN ガスであることを特徴とする。
請求項32の発明は、請求項30又は31の発明において、前記薄膜は、タングステン窒化膜であることを特徴とする。
請求項33の発明は、請求項30乃至32のいずれか一項に記載の発明において、前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする。
請求項34の発明は、請求項30乃至33のいずれか一項に記載の発明において、前記触媒体の母材は、Ir、Ru、Re、カーボンワイヤよりなる群より選択される1の材料よりなることを特徴とする。
請求項35の発明は、請求項30乃至34のいずれか一項に記載の発明において、前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする。
請求項36の発明は、請求項30乃至35のいずれか一項に記載の発明において、前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする。
本発明に係る成膜方法及び成膜装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
請求項1乃至11及び23乃至29に係る発明によれば、被処理体の表面に薄膜を形成するに際して、触媒体用を有する母材の表面に、被処理体の表面に形成する薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜を形成した触媒体を用いて、還元ガスを活性化させるようにしたので、不純物元素の汚染がない低抵抗のタングステン膜を効率的に形成することができる。
請求項12乃至22及び30乃至36に係る発明によれば、触媒体用を有する母材の表面に、被処理体の表面に形成する薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜を形成した触媒体を用いて、窒化ガスを活性化させるようにしたので、不純物元素の汚染がないタングステン窒化膜を効率的に形成することができる。
以下に、本発明に係る成膜方法及び成膜装置の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る成膜装置の第1の実施形態を示す構成図、図2は触媒体の配設状況を示す平面図、図3は触媒体の断面を示す拡大断面図である。ここでは成膜装置の第1の実施形態としてタングステン(W)膜を形成する場合を例にとって説明する。
図示するように、この成膜装置12は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等により円筒状或いは箱状に成形された処理容器14を有している。この処理容器14内には、容器底部より起立させた支柱16上に、例えば断面L字状の保持部材18を介して被処理体としての半導体ウエハSを載置するための載置台20が設けられている。この支柱16及び保持部材18は、熱線透過性の材料、例えば石英により構成されており、また、載置台20は、厚さ1mm程度の例えばカーボン素材、アルミ化合物等により構成されている。
この載置台20の下方には、複数本、例えば3本のリフタピン22が設けられ、各リフタピン22の基端部は、円弧状の支持部材24により支持されている。そして、この支持部材24を容器底部に貫通して設けられた押し上げ棒26により上下動させることにより、上記リフタピン22を載置台20に貫通させて設けたピン孔28に挿通させてウエハSを持ち上げ得るようになっている(図示例ではリフタピン22を2本のみ記す)。
上記押し上げ棒26の容器底部に対する貫通部には、処理容器14内の気密状態を保持するために伸縮可能なベローズ30が設けられ、この押し上げ棒26はアクチュエータ32により昇降される。上記載置台20の周縁部には、ウエハSの周縁部を保持してこれを載置台20側へ固定するためのリング状のセラミック製クランプリング34が設けられており、このクランプリング34は、支持棒36を介してリフタピン22側に連結されており、このリフタピン22と一体的に昇降するようになっている。これらのリフタピン22、支持棒36及び保持部材18も石英等の熱線透過部材により構成されている。
また、載置台20の直下の容器底部には、石英等の熱線透過材料よりなる透過窓38がOリング等のシール部材40を介して気密に設けられており、この下方には、透過窓30を囲むように箱状の加熱室42が設けられている。この加熱室42内には加熱手段として複数の加熱ランプ44が反射鏡も兼ねる回転台46に取り付けられており、この回転台46は、回転モータ48により回転される。従って、この加熱ランプ44より放出された熱線は、透過窓38を透過して載置台20の下面を照射してこれを加熱し得るようになっている。尚、加熱手段として加熱ランプ44に代えて、載置台20に埋め込んだ抵抗加熱ヒータを用いるようにしてもよい。
また、載置台20の外周側には、多数の整流孔50を有するリング状の整流板52が、上下方向に環状に成形された支持コラム54により支持させて設けられている。整流板52の内周側には、クランプリング34の外周部と接触してこの下方にガスが流れないようにするリング状の石英製アタッチメント56が設けられる。整流板52の下方の底部には排気口58が設けられ、この排気口58には、途中に圧力調整弁60や真空ポンプ62が介設された排気路64が接続されており、処理容器14内を真空引きしつつ所定の圧力を維持し得るようになっている。また処理容器14の側壁には、処理容器14内に対してウエハSを搬出入するための開口66が設けられ、この開口66にはゲートバルブ68が設けられている。
一方、この処理容器14には、この中へ所定のガスを供給するガス供給手段70が設けられる。このガス供給手段70は、容器天井部に設けたシャワーヘッド部72を有している。具体的には、このシャワーヘッド部72は、例えばアルミニウム合金等により円形箱状に成形され、この天井部にはガス導入口74が設けられている。
このガス導入口74には、ガス通路76が接続され、このガス通路は複数、例えば3つの分岐路に分岐される。そして、各分岐路には、それぞれタングステン含有ガス源78、還元ガス源80、及びクリーニングガス源82が接続されている。ここではタングステン含有ガスとしてWF が用いられ、還元ガスとしてH ガスが用いられ、クリーニングガスとしてClF ガスが用いられる。尚、図示されないが、他にパージガスとして不活性ガス、例えばN ガスも供給できるようになっている。また、上記各分岐路にはそれぞれマスフローコントローラのような流量制御器84A、84B、84C及び開閉弁86A、86B、86Cが介設されている。
上記シャワーヘッド部72の下面であるガス噴射面72Aには、このシャワーヘッド部72内へ供給された上記各ガスを放出するための多数のガス孔88が面内に均等に形成されており、ウエハ表面の上方の処理空間92に対して均等にガスを放出するようになっている。そして、このシャワーヘッド部72内には、多数のガス分散孔90Aを有する拡散板90が配設されており、このシャワーヘッド部72内へ導入されたガスを拡散してウエハ面に、より均等にガスを供給するようになっている。
そして、この処理容器14内の処理空間92に、上記還元ガスであるH ガスを活性化するために本発明の特徴とする触媒体94が設けられている。具体的には、上記触媒体94は、通電により発熱する材料よりなり、図2(A)にも示すように、載置台20の直径方向に沿って設けられている。
すなわち、処理容器14の天井部には、これより上記載置台20の外周側の処理空間92に向けて貫通された複数の導電性の支持ロッド98が設けられている。この支持ロッド98は、載置台20の直径方向に沿ってその両端側に2本互いに対向させるようにして設けられており、各支持ロッド98の天井貫通部には、それぞれ絶縁材100を介在させてあり、処理容器14に対して絶縁させている。そして、上記対向する支持ロッド98間に、上記触媒体94を掛け渡して接続するようにしており、上記シャワーヘッド部72により供給されたガスが、上記触媒体94と効率的に接触し得るようになっている。
尚、図2(A)に示す場合は、1本の触媒体94を設けたが、これに限定されず、複数本設けてもよい。例えば図2(B)では7本の触媒体94を並行に配列している。すなわち、図2(B)に示す場合には、この支持ロッド98は、載置台20を挟むようにして、その両端側にそれぞれ複数本、例えば7本ずつ対向させて配置している。そして、対向する各支持ロッド98間に上記触媒体94をそれぞれ掛け渡して接続するようにしている。従って、これにより図2(B)では7本の触媒体94が載置台20の上方において所定の間隔で水平方向へ平行に配列された状態となっており、シャワーヘッド部72より供給されたガスと触媒体94とを一層効率的に接触させるようになっている。
そして、上記触媒体94の両端は、それぞれ給電線102、104に接続されており、この給電線102、104に触媒用電源106が接続され、触媒体94に加熱用の電圧を印加してジュール熱で触媒体94を所定の温度に加熱するようになっている。尚、図2(B)に示す場合は、各触媒体94は並列に接続されている。ここで、この触媒用電源106の出力は可変になされており、所望の電力で触媒体94を加熱することができるようになっており、また加熱温度も変えられるようになっている。
ここで上記触媒体94は、図3に示すように、例えば断面円形の母材94Aの表面の全周に、ここで半導体ウエハに堆積させる薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜94Bが形成されている。具体的には、上記母材94Aとしては、これを設けた処理容器14内をクリーニングガスによりクリーニング処理する際にこのクリーニングガスによりエッチングされ難い材料、ここでは例えばプラチナにより形成されている。そして、上記コーティング膜94Bとしては、ここではタングステン膜よりなる薄膜をウエハ表面に成膜することからタングステン膜が用いられることになる。これにより、上記母材94Aはタングステン膜よりなるコーティング膜94Bにより覆われているので、ウエハ表面へのタングステン膜の成膜の際に上記母材94Aである異種金属のプラチナによる金属汚染の発生を防止するようにしている。
そして、上記母材94Aの直径D1は、例えば0.1〜1.0mmの範囲内、例えば0.5mm程度に設定されている。また上記コーティング膜94Bの厚さL1は、ウエハSに対する成膜処理の際に母材94Aの構成金属であるプラチナの汚染が生じないような厚さ、例えば300nm以上に設定する。このようなコーティング膜94Bは、後述するように、処理容器14内のクリーニングの際に削り取られてしまうので、半導体ウエハを処理容器14内に収容しない状態で成膜ガスを流す、いわゆるコーティング膜形成処理によって形成するようにすればよい。
そして、このような装置全体の動作、すなわち各ガスの流量制御、触媒体94の温度制御、処理容器14内の圧力制御、ウエハSの温度制御、各処理工程の移行制御等は、例えばコンピュータ等よりなる制御部108により制御される。また、この制御部108は、この装置全体の動作を制御するためのプログラムを記憶するための例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、ハードディスク等よりなる記憶媒体110を有している。
次に、以上のように構成された成膜装置12を用いて行われる本発明の成膜方法を、図4及び図5も参照して説明する。図4は本発明方法を実施する時の各工程を示すフローチャート、図5は本発明方法の成膜工程とコーティング膜形成工程における各ガスの供給形態と触媒体への電力の供給態様を示すタイミングチャートである。
まず、処理すべき最初のウエハへの成膜を行う前に、触媒体へのコーティング処理を行う。このコーティング膜形成工程S1では、処理容器14内にウエハSを収容していない状態で、後述する成膜工程S2と同様に成膜ガスを流してプロセス温度及びプロセス圧力も成膜工程S2と略同じように設定し、処理容器14内の内壁面や内部構造物の表面にタングステン膜をプリコート膜として形成する。このプリコート膜により、処理容器14内の熱的条件が整えられることにもなる。
これと同時に上記母材94Aの表面にも、このタングステン膜よりなるコーティング膜94Bが形成されることになり、ここでは主としてこのコーティング膜94Bが前述したような所定の厚さになるまでコーティング膜形成処理を行う。このようにして、コーティング膜形成工程S1が完了したならば、成膜工程S2へと移行する。
本発明の特徴的な工程は、成膜工程S2であり、この成膜工程S2では、真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガス、例えばWF と還元ガス、例えばH とを供給すると共に、上記還元ガスを、触媒作用を有する母材94Aの表面に上記薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜94Bが形成されて通電により加熱された触媒体94により活性化させて成膜する成膜工程を行って成膜するようにしている。
そして、実際の成膜処理では、図4に示すように、上記成膜工程S2を繰り返し行って所定の枚数に到達するまで行う(S3のNO)。この成膜処理では、後述するように触媒体94を加熱してこの触媒作用によって還元ガスであるH ガスを活性化させる。そして、ウエハSの処理枚数が所定の処理枚数に達したならば(S3のYES)、次にクリーニング工程を行う(S4)。このクリーニング工程S4では、クリーニングガスを処理容器14内に流して処理容器14内に付着している不要な薄膜であるタングステン膜をエッチングにより除去し、パーティクルの発生を防止する。
このクリーニング処理によって、上記触媒体94のコーティング膜94Bも除去されてしまうので、未処理のウエハがまだ残っているときには(S5のNO)、次にコーティング膜形成工程を行う(S1)。このようにして上記S1〜S5を繰り返し、全てのウエハの処理が行われて未処理のウエハがなくなったならば(S5のYES)、処理を終了することになる。
次に、以上の各工程を具体的に説明する。まず、コーティング膜形成工程は、上記した母材94Aの全表面にタングステン膜よりなるコーティング膜94Bを形成すると同時に、処理容器14の内面や容器内の各部材の表面にも僅かにタングステン膜を形成して処理容器14内の熱的条件を整える、いわゆるプリコート処理の機能を併せ持つものである。
このコーティング膜形成工程では、載置台20上には半導体ウエハSを載置しないで空の状態にして処理容器14内を密閉し、加熱室42内の加熱ランプ44を回転させながら点灯駆動し、熱エネルギーを放射する。この放射された熱線は、透過窓38を透過した後、載置台20の裏面を照射してこれを加熱する。また、これと同時に、上記処理容器14内を真空引きしつつ成膜用の各ガス源78、80から所定のタイミングで各ガスを流量制御しつつ供給し、更に、触媒用電源106をオン又はオフして触媒体94に電流を間欠的に流してこれを所定の温度に加熱して触媒体94の母材94Aの全表面にタングステン膜を堆積させる。この場合、各ガスの供給の態様、触媒体94(母材94A)への通電による加熱は、例えば図5に示すように行えばよい。
すなわち、上記タングステン含有ガスであるWF ガスと還元ガスであるH ガスとを、図5(A)及び図5(B)に示すように、互いに交互に間欠的に繰り返してパルス状に供給する。そして、図5(C)に示すように、触媒用電源106は間欠的にオン・オフしているが、H ガスの供給時に電力を供給するようにする。これによりH ガスの供給時に触媒体94(母材94A)は、所定温度に設定され、H ガスのみを活性化する。この結果、活性化された水素が母材94Aの表面に付着しているWF ガスを還元してタングステン膜が形成される。1回のWF ガスのパルス状の供給から次のパルス状の供給までが1サイクルであり、1サイクル毎に所定の厚さでタングステン膜が堆積するので、必要なサイクル数を繰り返すことにより、所望の膜厚のタングステン膜よりなるコーティング膜94Bを得ることになる。
上記母材94Aの温度範囲は、ここではPtよりなる母材94Aを用いていることから、700〜1200℃程度の範囲内、例えば1000℃となるように設定する。上記母材94Aの温度が1200℃よりも高くなると、Ptよりなる母材94Aの耐熱性が急激に劣化するので好ましくなく、また母材94Aの温度が700℃よりも低過ぎると、H ガスが活性化しなくなるので、タングステン膜の成膜がほとんど見られなくなってしまう。尚、母材94Aに間欠的ではなく、連続的に通電することも考えられるが、この場合には、WF ガスの供給時にも母材94Aが高温になっていることから、このWF ガスが熱分解して粉状の品質の低いタングステン膜がコーティング膜やプリコート膜として形成されるので好ましくない。
ここでプロセス条件について説明すると、プロセス圧力は50〜1000Pa程度、WF ガスの供給期間T1は1.5sec程度、H ガスの供給期間T2は1.5sec程度、両ガスの供給の停止期間T3、T4は共にそれぞれ10sec程度である。この停止期間T3、T4中には、何らガスを供給しないで真空引きのみを継続的に行ってもよいし、或いは、不活性ガス、例えばN ガスやArガス等を供給して残留ガスの排出(パージ)を促進させるようにしてもよい。
またこの時のWF ガスの供給量は例えば200sccm程度、H ガスの供給量は例えば1000sccm程度である。尚、ここでは図5(C)に示すように、触媒用電源106を、H ガスの供給期間に完全に同期させて間欠的にオン状態に設定したが、これに限らず、母材94Aの昇降温に要する時間に鑑みて、WFガスの供給を停止したならばすぐに触媒用電源106をオン状態にするよ うにしてもよい。
この場合、上記コーティング膜94Bの厚さL1は、成膜工程においてウエハSに対する上記母材94Aの構成金属であるプラチナの汚染が生じないような厚さ、例えば300nm以上となるように設定する。また、この厚さL1の上限は、ウエハ処理のスループットの観点から、コーティング膜形成工程に要する時間を短くする必要があるため、500nm以下である。
ここで、コーティング膜形成工程で母材94Aの表面に堆積するタングステン膜の成膜レートと、成膜工程で半導体ウエハSの表面に堆積するタングステン膜の成膜レート、例えば0.5Å/サイクルとを比較すると、母材94Aの表面に堆積する場合の成膜レートの方が略10倍程度大きい。その理由は、原料ガスであるWF を流す時には、触媒用電源106はオフなので母材94Aの温度が低くてこれに多量のWF ガスが付着し、更に還元作用の強い水素の活性種は母材94Aの近傍で生成されるために母材94Aの表面ではタングステン膜の形成が活発に行われることになるからである。
従って、コーティング膜形成工程では、1サイクルで5Å程度の膜厚のタングステン膜が形成されるので、上記300nmの膜厚のコーティング薄膜94Bを得るためには、600サイクル程度の成膜処理を行えばよいことになる。また、このようにコーティング膜形成工程を行うことにより、前述したように同時に処理容器14の内面や容器内の他の各部材の表面にもタングステン膜が形成されることにより、プリコート処理が行われて次の成膜工程のために処理容器14内の熱的条件を整えることができる。
尚、上記コーティング膜形成工程では、図5(A)に示すように、成膜用のガスであるWF ガスとH ガスとを交互に間欠的に供給し、且つH ガスの供給時のみ触媒用電源106をオンにして加熱するようにしたが、これに限定されず、図6に示すようにしてもよい。図6はコーティング膜形成工程における各ガスの供給形態と触媒体(母材)への電力の供給態様の他の一例を示すタイミングチャートである。
ここではWF ガスとH ガスとを同時に供給し、且つ触媒用電源106もオン状態を継続し、CVD(Chemical Vapor Deposition)により母材94Aの表面にタングステン膜よりなるコーティング膜94Bを形成している。この場合、母材94Aの温度は、先のALD法による700〜1200℃よりも低い400〜500℃程度の温度範囲に設定すればよい。この理由は、CVD法の場合には、上述のような低温でもWF ガスを十分に還元してタングステン膜を成膜できるからである。以上のようにしてコーティング膜形成工程S1が終了したならば、成膜工程S2を行うことになる
成膜工程S2が開始されると、ウエハSの表面にタングステン膜の成膜処理を施す場合には、処理容器14の側壁に設けたゲートバルブ68を開いて搬送アーム(図示せず)により処理容器14内にウエハSを搬入し、リフタピン22を押し上げることによりウエハSをリフタピン22側に受け渡す。そして、リフタピン22を、押し上げ棒26を下げることによって降下させ、ウエハSを載置台20上に載置すると共に更に押し上げ棒26を下げることによってウエハSの周縁部をクランプリング34で押圧してこれを固定する。そして、上記ゲートバルブ68を閉じることによって、処理容器14内を密閉する。
この時に、加熱室42内の加熱ランプ44を回転させながら点灯駆動し、熱エネルギーを放射する。この放射された熱線は、透過窓38を透過した後、載置台20の裏面を照射してこれを加熱する。この載置台20は、前述のように1mm程度と非常に薄いことから迅速に加熱され、従って、この上に載置してあるウエハSを迅速に所定の温度まで加熱することができる。このウエハSの温度を、例えば400〜500℃程度の範囲に維持する。
また、これと同時に、上記処理容器14内を真空引きしつつ成膜用の各ガス源78、80から所定のタイミングで各ガスを流量制御しつつ供給し、更に、触媒用電源106をオン又はオフして触媒体94に電流を間欠的に流してこれをジュール熱によって所定の温度に加熱する。尚、ここではすでに触媒体94の母材94Aの表面にはタングステン膜よりなるコーティング膜94Bが十分な膜厚で被覆するように形成されている。
この時、上記タングステン含有ガスであるWF ガスと還元ガスであるH ガスの供給形態は、図5(A)及び図5(B)に示すように、互いに交互に間欠的に繰り返してパルス状に供給する。そして、図5(C)に示すように、触媒用電源106は間欠的にオン・オフしているが、H ガスの供給時に電力を供給するようにする。これによりH ガスの供給時に触媒体94は、所定温度に設定され、H ガスのみを活性化する。これにより、活性化された水素がウエハの表面に付着しているWF ガスを還元してタングステン膜が形成される。1回のWF ガスのパルス状の供給から次のパルス状の供給までが1サイクルであり、1サイクル毎に0.5Å程度の厚さでタングステン膜が堆積するので、必要なサイクル数を繰り返すことにより、所望の膜厚のタングステン膜を得ることになる。
このような成膜方法をALD法と称す。ここでは、上記触媒体94によりH ガスが十分に活性化されるので、膜形成の核となる初期核形成膜が容易に堆積し、迅速且つ効率的にタングステン膜を形成することができる。また、触媒体94の表面は、成膜される膜種と同じ材料のタングステン膜よりなるコーティング膜94Bで覆われているので、ウエハSの表面に堆積されるタングステン膜中に、母材94Aを形成する異種金属であるPtが混入することがなく、金属汚染が発生することを抑制することができる。
上記触媒体94の温度範囲は、触媒体94の材料として、ここではPtよりなる母材94Aを用いていることから、700〜1200℃程度の範囲内、例えば1000℃となるように設定する。上記触媒体94の温度が1200℃よりも高くなると、Ptよりなる母材94Aの耐熱性が急激に劣化するので好ましくなく、また触媒体94の温度が700℃よりも低過ぎると、H ガスが活性化しなくなるので、タングステン膜の成膜がほとんど見られなくなってしまう。尚、触媒体94に間欠的ではなく、連続的に通電することも考えられるが、この場合には、WF ガスの供給時にも触媒体94が高温になっていることから、このWF ガスが熱分解して粉状の品質の低いタングステン膜がウエハ表面に形成されるので好ましくない。
ここでプロセス条件について説明すると、プロセス圧力は50〜1000Pa程度、WF ガスの供給期間T1は1.5sec程度、H ガスの供給期間T2は1.5sec程度、両ガスの供給の停止期間T3、T4は共にそれぞれ10sec程度である。この停止期間T3、T4中には、何らガスを供給しないで真空引きのみを継続的に行ってもよいし、或いは、不活性ガス、例えばN ガスやArガス等を供給して残留ガスの排出(パージ)を促進させるようにしてもよい。
またこの時のWF ガスの供給量は例えば200sccm程度、H ガスの供給量は例えば5000sccm程度である。また、このようなALD法を用いることにより、例えばウエハSの表面に形成されている凹部の埋め込み性(ステップカバレッジ)が高い状態で凹部を埋め込むことができる。
このように、真空排気が可能になされた処理容器14内へタングステン含有ガスであるWF ガスと還元ガスであるH ガスとを供給すると共に、還元ガスを、触媒作用を有する母材94Aの表面に薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜94Bが形成されて加熱された触媒体94により活性化させるようにしたので、不純物元素の汚染がない低抵抗のタングステン膜を効率的に形成することができる。
尚、ここでは図5(C)に示すように、触媒用電源106を、H ガスの供給期間に完全に同期させて間欠的にオン状態に設定したが、これに限らず、触媒体94の昇降温に要する時間に鑑みて、WFガスの供給を停止したならばすぐに 触媒用電源106をオン状態にするようにしてもよい。
上記したような成膜工程が繰り返されて(S3のNO)、ウエハ処理枚数が所定の処理枚数に達すると(S3のYES)、処理容器14内の内面や各部材の表面にパーティクルの原因となる不要な付着膜が堆積して、これが限界膜厚に達するので、この不要な付着膜を除去するためにクリーニングガスを流してクリーニング処理(クリーニング工程)が行われる(S4)。この場合、図1に示すように、ここではクリーニングガス源82からクリーニングガスとしてClF ガスを処理容器14内へ供給し、上記したクリーニング処理を行う。また、このクリーニングガスとしては、ClF の他に例えばNF 等を用いてもよい。
このように、クリーニング処理を行うと、処理容器14の内面や容器内の各部材の表面に付着している不要な付着膜であるタングステン膜がエッチングにより除去されるのは勿論のこと、上記触媒体94のコーティング膜94Bもタングステン膜により形成されているので、このタングステン膜もエッチングにより除去されてプラチナよりなる母材94Aが露出した状態となってしまう。
このように、触媒体94の母材94Aが露出した状態でウエハSに対する成膜処理を行うと、前述したように、堆積するタングステン膜中に異種金属であるプラチナ元素の不純物が混入し金属汚染の原因となるので好ましくない。そこで、ここではクリーニング処理が終了し未処理ウエハが残っているときには、次にコーティング膜形成処理(コーティング膜形成工程)S1を行う。
以上のようにして上述したステップS1〜S5を繰り返し行って、全てのウエハの処理が完了したならば(S5のYES)、これにより成膜処理を終了することになる。
<本発明のコーティング膜の評価>
次に、本発明のコーティング膜に対する評価を行ったので、その評価結果について説明する。ここでは触媒体94としてプラチナ(Pt)の母材94Aを露出させたものと、本発明のようにプラチナの母材94Aの表面をコーティング膜94Bで覆ったもの(3種類のコーティング膜厚をもつもの)を用いて行った。評価内容は、Ptの金属汚染に関し、真空引きされた処理容器内の載置台にウエハを載置しつつ、各触媒体を所定の温度に加熱(1000℃)し、水素ガスを処理容器内に1時間供給した。その後ウエハを取り出し、ウエハ上に堆積したPt原子量を測定した。
図7はその時のウエハ上のPt汚染量を示すグラフである。図7の横軸は、各触媒体のコーティング膜形成工程におけるサイクル数(膜厚に相当)を示し、縦軸はウエハ上のPt汚染量(対数目盛)を示す。測定にはTXRF(蛍光X線分析器)を用いた。上記グラフの横軸において、前述したようにコーティング膜形成工程における1サイクルで形成される膜厚は5Å/サイクル程度なので、このサイクル数はコーティング膜の膜厚に対応する。
図7に示すように、コーティング膜無しの場合には、プラチナの母材94Aが露出された状態で触媒体が加熱されているので、何度膜処理を行っても、ウエハ表面には例えば1012〜1013atoms/cm 程度のPt汚染が存在しており、好ましくなかった。
これに対して、コーティング膜有りの場合では、200サイクル、350サイクル、600サイクルの3種類の異なる膜厚のコーティング膜を形成した触媒体を加熱させつつ水素を流しており、このグラフから明らかなように、サイクル数が増加するに従ってPt汚染は略直線的に低減している。そして、600サイクルではPt汚染量は測定器の検出下限値、すなわち1010atoms/cm 以下になっている。一般に、現状の半導体集積回路の製造工程における許容される不純物汚染の下限値は上記測定器の検出下限値であるので、上記グラフより、コーティング膜94Bの厚さは300nm以上(=600×0.5Å/サイクル)に設定すればよいことが判る。
<本発明の評価>
次に、本発明方法と従来方法により実際にタングステン膜を形成する実験を行ったので、その評価結果について説明する。ここでは従来方法として、原料ガスとしてWF ガスを用い、還元ガスとしてSiH ガスを用いた場合と、還元ガスとしてB ガスを用いた場合についてそれぞれ行った。また、本発明方法としては、前述したようにWF ガスとH ガスとを用い、300nm以上の膜厚のコーティング膜94Bが形成された触媒体94によりH ガスを活性化させた。
図8は成膜された各タングステン膜の比抵抗を示すグラフ、図9は成膜された各タングステン膜中の不純物濃度を示すグラフ、図10は成膜された各タングステン膜の結晶性を示すグラフ、図11は成膜された各タングステン膜の格子歪を示すグラフである。また、”H *”は本発明の触媒体により活性化された水素であることを示す。
まず、図8では横軸は還元ガスの種類を示している。図8に示すグラフから明らかなように、還元ガスにSiH を用いた従来方法の場合は、比抵抗は200μΩcm程度、還元ガスにB ガスを用いた従来方法の場合は160μΩcm程度とそれぞれ非常に高い比抵抗であるのに対して、本発明の場合には、比抵抗は60μΩcm程度になっており、非常に低くて良好であることが理解できる。
図9は各タングステン膜中の不純物濃度(対数目盛)を示しており、ここで測定器はSIMS(二次イオン質量分析器)を用いて計測を行った。図9に示すグラフから明らかなように、還元ガスとしてSiH を用いた従来方法の場合には、タングステン膜中にはSi元素が5×1021atoms/cm 程度、F元素が3×1021atoms/cm 程度の高い濃度でそれぞれ含まれており、また還元ガスとしてB を用いた従来方法の場合には、タングステン膜中にはB元素が5×1022atoms/cm 程度、F元素が5×1020atoms/cm 程度の高い濃度でそれぞれ含まれており、共にあまり好ましくない。
これに対して、”H *”を用いた本発明の場合には、不純物濃度は測定器の検出限界値以下であり、不純物濃度が低くて良好であることを確認することができた。ここで本発明方法の場合に、タングステン膜中にWF ガスの”F元素”の不純物も含まれていない理由は、水素の活性種のエネルギーがかなり高いことから、膜中に含まれているF元素の成分が水素活性種と接合して”HF”となって気体として抜けて行くためであると考えられる。
ここで、参考までに各ガスのギブス自由エネルギーについて記すと、350℃、大気圧にて、H (分子)は−27kcal/mol、B は−195kcal/mol、SiH は−211kcal/mol、H *(活性種)は−296kcal/molであり、水素の活性種のエネルギーが最も高いことが判る。
図10は成膜された各タングステン膜の結晶性を示しており、X線の反射回折スペクトルにより測定している。ここでは結晶性が高い程、ピーク値の揮度(Intensity)が高くなっている。グラフの横軸には”2theta(2θ)[回析角]をとっている。また各グラフは見易くするために上下方向へ位置ズレさせて重ならないように表している。
図10から明らかなように、還元ガスとしてSiH を用いた従来方法ではピークの数が少なく、且つピーク値も低くなっており、結晶性が低くて好ましくないことが判る。また、還元ガスとしてB を用いた従来方法では略直線的でピークはほとんど出現しておらず、この場合にはタングステン膜は結晶ではなくアモルファス状態になっていて、好ましくないことが理解できる。
これに対して、”H *”を用いた本発明方法の場合には、4つのピークが見られ、しかも各ピーク値は、従来方法の場合よりも遥かに高くなっており、タングステン膜は結晶性が非常に高くて良好な膜質となっていることが判る。
図11は成膜された各タングステン膜の格子歪を示すグラフであり、ここでは図10に示す各ピークの回折角の基準値からのズレに基づいて格子歪を求めている。尚、還元ガスがB の場合には上述したようにアモルファス状態なので、図11中には記載されていない。図11に示すように、還元ガスとしてSiH を用いた従来方法の場合には、結晶部分の格子歪はかなり大きく、−1.6〜−1.7%程度(マイナスは縮む方向の歪であることを示す)に達しているのに対して、”H *”を用いた本発明方法の場合には、結晶部分の格子歪は略ゼロに近く、格子歪が非常に小さくて良好であることが判る。
<第2の実施形態>
以上説明した第1の実施形態では、タングステン膜を形成する場合を例にとって説明したが、第2の実施形態として、上記タングステン膜に代えて、タングステン窒化膜(WN)を形成する場合にも、本発明を適用することができる。この場合には、図1に示す成膜装置において還元ガスに代えて窒化ガスを用いればよいので、H を貯留する還元ガス源80に代えて窒化ガスを貯留する窒化ガス源(図示せず)を設ければよい。この場合、窒化ガスとしてN ガスを用いることができるので、パージ用のN ガスを用いれば、別途、窒化ガス源を設ける必要がない。
この場合には、堆積する膜種がタングステン膜からタングステン窒化膜に変わった点を除いて第1の実施形態で説明したと同様な作用効果を示す。すなわち、ここでは還元ガスに代わって、窒化ガスであるN ガスを活性化してN ガスを分解し、これをWF ガスと反応させてタングステン窒化膜を堆積する。
この場合には、触媒体94としては1000〜2000℃に加熱する必要があるので、プラチナに代えて例えばカーボンワイヤよりなる母材94Aの表面に、半導体ウエハSの表面に成膜する薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜94Bを形成する。具体的には、ここでは半導体ウエハSの表面に薄膜としてタングステン窒化膜(WN)を形成するので、母材94Aの表面に上記コーティング膜94Bとしては上記薄膜と同じ材料であるタングステン窒化膜や、薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料であるタングステン膜を形成する。これによれば、ウエハSの表面に形成される薄膜中に異種金属であるプラチナが混入することがないので、金属汚染が発生することを防止することができる。
すなわち、真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガスと窒化ガスとを供給すると共に、窒化ガスを加熱された触媒体により活性化させるようにしたので、窒化ガスを活性化することにより、不純物汚染のないタングステン窒化膜を効率的に形成することができる。
この第2の実施形態における成膜工程での各ガスの供給形態や各種のプロセス条件等は、H ガスをN ガスに変更した点、及び触媒体の温度を1000〜2000℃に変更した点を除いて第1の実施形態において説明した内容と全て同じである。また本実施形態におけるコーティング膜形成工程での各ガスの供給形態や各種のプロセス条件等は、コーティング膜がタングステン膜である場合には、第1の実施形態において説明した内容と全て同じである。さらにコーティング膜がタングステン窒化膜である場合には、H ガスをN ガスに変更した点、及び触媒体の温度を1000〜2000℃に変更した点を除いて第1の実施形態において説明した内容と全て同じである。
尚、上記第1及び第2の実施形態では、タングステン含有ガスとしてWF ガスを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、例えばW(CO) ガスも用いることができる。
また触媒体94の母材94Aを構成する材料としてはプラチナやカーボンワイヤを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、この母材94Aの材料としてはPt(プラチナ)、Ir(イリジウム)、Ru(ルテニウム)、Re(レニウム)、カーボンワイヤよりなる群より選択される1以上の材料を用いることができる。
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、この半導体ウエハにはシリコン基板やGaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体基板も含まれ、更にはこれらの基板に限定されず、液晶表示装置に用いるガラス基板やセラミック基板等にも本発明を適用することができる。
本発明に係る成膜装置の第1の実施形態を示す構成図である。 触媒体の配設状況を示す平面図である。 触媒体の断面を示す拡大断面図である。 本発明方法を実施する時の各工程を示すフローチャートである。 本発明方法の成膜工程とコーティング膜形成工程における各ガスの供給形態と触媒体への電力の供給態様を示すタイミングチャートである。 コーティング膜処理工程における各ガスの供給形態と触媒体(母材)への電力の供給態様の他の一例を示すタイミングチャートである。 ウエハ上のPt汚染量を示すグラフである。 成膜された各タングステン膜の比抵抗を示すグラフである。 成膜された各タングステン膜中の不純物濃度を示すグラフである。 成膜された各タングステン膜の結晶性を示すグラフである。 成膜された各タングステン膜の格子歪を示すグラフである。 金属薄膜を形成する一般的な成膜装置を示す概略構成図である。
符号の説明
12 成膜装置
14 処理容器
20 載置台
44 加熱ランプ(加熱手段)
70 ガス供給手段
72 シャワーヘッド部
78 タングステン含有ガス源
80 還元ガス源
82 クリーニングガス源
94 触媒体
94A 母材
94B コーティング膜
106 触媒用電源
108 制御部
110 記憶媒体
S 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (38)

  1. 被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、
    真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガスと還元ガスとを供給すると共に、前記還元ガスを、触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により加熱された触媒体により活性化させて成膜する成膜工程を行うようにしたことを特徴とする成膜方法。
  2. 前記還元ガスはH ガスであることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記成膜工程では、前記タングステン含有ガスと還元ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記還元ガスを供給する時に前記触媒体の温度を700〜1200℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の成膜方法。
  4. 前記薄膜は、タングステン膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の成膜方法。
  5. 成膜すべき最初の被処理体に対して成膜を行う前に、前記母材の表面に前記コーティング膜を形成するためのコーティング膜形成工程を行い、次に前記成膜工程を繰り返し行って所定の枚数の被処理体に対して成膜を行った後に、前記処理容器内へクリーニングガスを流して前記処理容器内に付着している不要な薄膜を除去するクリーニング工程を行い、前記クリーニング工程を行った後に、前記コーティング膜形成工程を再度行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法。
  6. 前記コーティング膜形成工程では、前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスと還元ガスとを同時に供給すると共に、前記母材の温度を400〜500℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする請求項5記載の成膜方法。
  7. 前記コーティング膜形成工程では、前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスと還元ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記還元ガスを供給する時に前記母材の温度を700〜1200℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする請求項5記載の成膜方法。
  8. 前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の成膜方法。
  9. 前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の成膜方法。
  10. 前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか一項に記載の成膜方法。
  11. 前記触媒体の母材は、Pt、Ir、Ru、Re、カーボンワイヤよりなる群より選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の成膜方法。
  12. 被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、
    真空排気が可能になされた処理容器内へタングステン含有ガスと窒化ガスとを供給すると共に、前記窒化ガスを、触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により加熱された触媒体により活性化させて成膜する成膜工程を行うようにしたことを特徴とする成膜方法。
  13. 前記窒化ガスはN ガスであることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  14. 前記成膜工程では、前記タングステン含有ガスと窒化ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記窒化ガスを供給する時に前記触媒体の温度を1000〜2000℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする請求項12又は13記載の成膜方法。
  15. 前記薄膜は、タングステン窒化膜であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の成膜方法。
  16. 成膜すべき最初の被処理体に対して成膜を行う前に、前記母材の表面に前記コーティング膜を形成するためのコーティング膜形成工程を行い、次に前記成膜工程を繰り返し行って所定の枚数の被処理体に対して成膜を行った後に、前記処理容器内へクリーニングガスを流して前記処理容器内に付着している不要な薄膜を除去するクリーニング工程を行い、前記クリーニング工程を行った後に、前記コーティング膜形成工程を再度行うようにしたことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の成膜方法。
  17. 前記コーティング膜形成工程では、前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスと窒化ガスとを交互に繰り返し供給すると共に、前記窒化ガスを供給する時に前記母材の温度を1000〜2000℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする請求項16記載の成膜方法。
  18. 前記コーティング膜形成工程では、還元ガスと前記成膜工程で用いる前記タングステン含有ガスとを同時に供給すると共に、前記母材の温度を400〜500℃の範囲内に維持するようにしたことを特徴とする請求項16記載の成膜方法。
  19. 前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか一項に記載の成膜方法。
  20. 前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか一項に記載の成膜方法。
  21. 前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする請求項12乃至20いずれか一項に記載の成膜方法。
  22. 前記触媒体の母材は、Ir、Ru、Re、カーボンワイヤよりなる群より選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項12乃至21のいずれか一項に記載の成膜方法。
  23. 被処理体の表面に薄膜を形成する成膜装置において、
    真空引き可能になされた処理容器と、
    前記処理容器内で前記被処理体を載置する載置台と、
    前記被処理体を加熱する加熱手段と、
    前記処理容器内へタングステン含有ガスと還元ガスとを供給するガス供給手段と、
    前記還元ガスを活性化するために触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜と同じ材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により発熱する触媒体と、
    前記触媒体に通電を行うために接続された触媒用電源と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  24. 前記還元ガスはH ガスであることを特徴とする請求項23記載の成膜装置。
  25. 前記薄膜は、タングステン膜であることを特徴とする請求項23又は24に記載の成膜装置。
  26. 前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする請求項12乃至14いずれか一項に記載の成膜装置。
  27. 前記触媒体の母材は、Ir、Ru、Re、Pt、カーボンワイヤよりなる群より選択される1の材料よりなることを特徴とする請求項23乃至26のいずれか一項に記載の成膜装置。
  28. 前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする請求項23乃至27のいずれか一項に記載の成膜方法。
  29. 前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする請求項23乃至28のいずれか一項に記載の成膜装置。
  30. 被処理体の表面に薄膜を形成する成膜装置において、
    真空引き可能になされた処理容器と、
    前記処理容器内で前記被処理体を載置する載置台と、
    前記被処理体を加熱する加熱手段と、
    前記処理容器内へタングステン含有ガスと窒化ガスとを供給するガス供給手段と、
    前記窒化ガスを活性化するために触媒作用を有する母材の表面に前記薄膜に含まれる金属と同じ金属を含む材料よりなるコーティング膜が形成されて通電により発熱する触媒体と、
    前記触媒体に通電を行うために接続された触媒用電源と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  31. 前記窒化ガスはN ガスであることを特徴とする請求項30記載の成膜装置。
  32. 前記薄膜は、タングステン窒化膜であることを特徴とする請求項30又は31に記載の成膜装置。
  33. 前記タングステン含有ガスは、WF 又はW(CO) であることを特徴とする請求項30乃至32いずれか一項に記載の成膜装置。
  34. 前記触媒体の母材は、Ir、Ru、Re、カーボンワイヤよりなる群より選択される1の材料よりなることを特徴とする請求項30乃至33のいずれか一項に記載の成膜装置。
  35. 前記コーティング膜の厚さは、前記被処理体に対して前記母材の構成金属の汚染が生じないような厚さに設定されていることを特徴とする請求項30乃至37のいずれか一項に記載の成膜方法。
  36. 前記コーティング膜の厚さは、300nm以上であることを特徴とする請求項30乃至35のいずれか一項に記載の成膜装置。
  37. 請求項23乃至29のいずれか一項に記載の成膜装置を用いて被処理体の表面に薄膜を形成するに際して、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の成膜方法を実施するように前記成膜装置を制御する、コンピュータに読み取り可能なコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
  38. 請求項30乃至36のいずれか一項に記載の成膜装置を用いて被処理体の表面に薄膜を形成するに際して、
    請求項12乃至22のいずれか一項に記載の成膜方法を実施するように前記成膜装置を制御する、コンピュータに読み取り可能なコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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