JP2010058969A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】輸送能力を高めると共に、あるグループが故障あるいは保守点検のために休止した場合でも、その分担しているセクター内の目的階へエレベータを利用して行くことができるエレベータシステムを提供する。
【解決手段】複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる2群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、2台の号機制御装置は各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段を備え、各群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、各号機に対して所定の呼びを割り当てる割当手段と、変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の階床間を就役する2台のエレベータを1組として複数組のエレベータを制御するエレベータシステムに関する。
現在、乗用エレベータで一般的なのは、乗り場に上昇及び下降用の呼び釦を設置して、上昇運転時には上昇呼び釦を押した乗客を乗り合いさせて輸送し、下降運転時には下降呼び釦を押した乗客を乗り合いさせて輸送する「セレコレ(セレクティブ・コレクティブ)」と呼ばれる運転操作方式である。
この方式は、乗り合いする乗客数が多いほど乗客一人当たりに必要なサービス時間が短くなって効率的になるという特長がある制御方式である。高層ビルでは、サービス階10〜15階床を1ゾーンとして、ゾーン毎に呼び釦に応答する4〜8台のエレベータが設置されている。その理由は、多くの乗客が乗り合いして高層ビルをサービスすると、平均一周時間(RTT)が長くなるので、平均待ち時間を短くするために多くのエレベータが必要になるためである。台数が多くなると、乗客は押し釦を押して待っている位置から、自分が乗るべきエレベータが到着した時に、そのエレベータに乗るために移動する距離が長くなる。その移動距離の制限から、一列に設置できるエレベータは4台が限界とされている。そのために、4台ずつ対面設置した8台が呼びに応答する1群のエレベータの台数の上限になっている。
また、押し釦を押すと、どのエレベータが応答するか予報するものもあり、応答予定のエレベータのところまで余裕を持って移動できるようになっている。しかし、エレベータが到着するのは、数10秒先であるため、その間にいくつかの呼びが新規発生して、予報していたエレベータの到着が想定外に大幅に遅れる場合などに、応答かごの割り当ての変更が少なからず発生し、その時は、新しく予報され直したエレベータまで急いで移動する必要がある。このように、従来の群管理システムは、台数が多くなると、車椅子の利用者や老人や身体の不自由な人達にとっては、利用が困難なものである。
このセレコレを改良したものとしては、乗り場に行き先階登録釦を設置し、サービス完了時間の最大値が最小になる経路を選択して応答するものがある(特許文献1を参照)。これによれば、運転方向と逆方向の呼びも乗り合い可能になって、平均待ち時間が運転方向の呼びだけが乗り合いする従来のセレコレの半分にでき、交通量が少ない時は途中階で反転する経路を選択できて平均乗車時間が抑えられる。しかし、通過された呼びや応答せずに反転された呼びは待ち時間が長くなるため、交通量が増加すると途中階で反転することが困難になる。そのため、昼食時や混雑時のように交通量が増加すると、行き先階の方向とは逆方向の乗車時間が増加して、平均乗車時間がセレコレの2倍になってしまい、平均サービス完了時間がセレコレと変わらない欠点がある。また、呼びの数が増えると組合せ爆発を起こして実時間で制御できないこともあり、交通量が多い場合への適用に問題がある。
この点を改良したものとして、ポストセレコレと呼ばれるものがある(特許文献2を参照)。ポストセレコレは乗り場に行き先階登録釦を設置して、個々の乗客の行き先階を予め把握した上で、サービス階床を上方階床と下方階床の2層に分割して逆方向の乗客も乗り合いさせることで、平均一周時間(RTT)がセレコレと等しいとしても、セレコレと比較して、平均待ち時間を短縮し、乗客が乗り場に到着してから目的階で降車するまでの時間である平均サービス完了時間も短縮するものである。
その具体的な制御手段は、記憶手段に記憶される未応答の複数の行先階呼びを、出発階床と行先階床と行先方向とに基づいて、複数のグループに分割する。そして、下方階床内の上昇運転と下降運転、及び上方階床内の上昇運転と下降運転の各場合に関して、予め定める各グループの行先階呼びに関して応答する。一方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、反転後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させる。従って、本発明では、上方階床と下方階床とに基づいて各行先階呼びをグループ毎に分割しているので、逆呼びに応答する場合であっても、反転して走行する時間を短くすることができる。このように特許文献1に記載の技術では膨大な経路に基づいてサービス完了時間が最小となるような経路を求めているが、本発明では上方階床及び下方階床に基づいて停止階床に昇順、又は降順で応答するので、応答順序を決定することが容易である。従って、制御手段は簡単な演算で応答順序を決定することができ、また平均サービス完了時間を特許文献1に記載の技術よりも短くすることができる。
特公平4−66788号公報 特開2008−150208号公報
しかし、この特許文献2に記載の先行技術では、グループがセクター数あり、分担するセクターが決まっている。そして、各グループが、出発階は全サービス階であって行先階は分担セクター内にあるセクター数の種類の呼びを分担している。
従って、あるグループが故障あるいは保守点検のために休止すると、その分担しているセクターへ行けるグループが他にないので、そのセクターへはエレベータで行けなくなるという課題がある。特に車椅子の利用者は、階段で移動することができないので、この場合は目的階へ行く手段がなくなることになる。
また、全サービス階が昇降行程になるので、エレベータ占有面積が多くなり、レンタブル比が低いという課題もある。
従って、本発明の目的は、輸送能力を高めると共に、あるグループが故障あるいは保守点検のために休止した場合でも、その分担しているセクター内の目的階へエレベータを利用して行くことができるエレベータシステムを提供することである。
上記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、建物の基準階以外のサービス階床を2つのセクターに分割し、各群がその内の2つのセクターを分担する2群のエレベータをそれぞれ管理制御する2個の群管理制御装置が設置され、かつ、各群は複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる2群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、第1のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する2台の号機制御装置の内1台は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター1における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行い、他の1台はセクター2における上昇運転、セクター2における下降運転の各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第2のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第1のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する2台の号機の内1台に対して、未応答の行先階呼びの内、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びからなる第1のグループの呼びを、他の1台に対して、未応答の行先階呼びの内、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びからなる第2のグループの呼びを割り当てる割当手段と、第2のタイプの群を制御する群管理制御装置又は第2のタイプの群を構成する2台のエレベータのすべての号機制御装置の休止を検出した場合に、前記第1のタイプの群を構成する各号機に割り当てられた第1のグループ又は第2のグループの呼びを他方のグループの呼びに切り替える割当切替手段とを備え、第2のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、建物の基準階以外のサービス階床を3つのセクターに分割し、各群がその内の2つのセクターを分担する3群のエレベータをそれぞれ管理制御する3個の群管理制御装置が設置され、かつ、各群は複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる3群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、第1のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター1における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第2のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター2における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第3のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター3における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第1のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、第2のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、第3のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼びを、セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、建物の基準階以外のサービス階床を4つのセクターに分割し、各群がその内の2以上のセクターを分担する4群のエレベータをそれぞれ管理制御する4個の群管理制御装置が設置され、かつ、各群は複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる4群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、第1のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第2のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター3における上昇運転、セクター4における上昇運転、セクター4における下降運転、セクター3における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第3のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター2における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第4のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター4における上昇運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、第1のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを、セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを、セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、第2のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼びを、セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である呼びを、セクター4における下降運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、及び出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である呼びを、セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、第3のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、第4のタイプの群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを割り当てる割当手段と、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータシステムであって、前記の群管理制御装置は、当該タイプのエレベータ群を構成する2台の号機の前後の運転間隔が等しくなるように制御する運転間隔制御手段をさらに備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータシステムであって、前記の群管理制御装置は、当該タイプのエレベータ群を構成する各号機の一周時間を一定時間測定して、そのサンプル平均の時間を算出し、複数の運転フェーズの開始時に後続かごが前記サンプル平均の時間の1/2より遅れている場合は、後続かごに当該運転フェーズを開始させることによって、各号機の前後の運転間隔が等しくなるように制御する運転間隔制御手段をさらに備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のエレベータシステムであって、前記の号機制御装置は、前記割当手段によって割り当てられた未応答の行先階呼びの出発階床及び応答中の行先階呼びの行先階床に、前記運転制御手段の上昇運転においては昇順に、下降運転においては降順に停止する停止制御手段を備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベータシステムであって、前記の号機制御装置は、前記停止制御手段によって決定される行先階呼びに基づく情報を出力する情報出力手段をさらに備えることを特徴とする。
第1に、本願発明にかかるエレベータシステムによれば、各群を構成する各号機の平均一周時間が短くなったことや各群を構成する2台の号機の前後の運転間隔が等しくなるように制御することにより、従来の場合と比較すると、エレベータの乗客の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間が短縮するという効果がある。
第2に、本願発明にかかるエレベータシステムによれば、各組のエレベータが分担する階床が予め定められているので、各組のエレベータは担当する階床において、与えられる行先階呼びに対して、停止回数を減少し、乗客一人当たりのサービス時間が短くなるように制御される。これによって輸送能力が高まり、また保守・点検時のバックアップ運転の効率が良くなるという効果がある。
第3に、本願発明にかかるエレベータシステムによれば、各セクターを行き先セクターにする呼びを分担するグループを複数設けていることから、あるグループがエレベータの故障や保守点検などの理由により運転を休止している場合でも、その分担しているセクターへ、他のグループを乗り継いで目的階へ行くことができるという効果がある。これによって、階段で移動することができない車椅子の利用者などであっても、目的階へ行くことが可能となる。
第4に、本願発明にかかるエレベータシステムによれば、2セクター分しかエレベータホールが必要でないために、サービス階を3分割以上にした場合に、昇降行程が短くなること、及び急行区間のセクターが生まれることによって、エレベータ占有面積を削減でき、レンタブル比を向上することができるという効果がある。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための複数の形態について説明する。各形態において、先行する形態で説明している事項に対応している部分には、重複する説明を省略する場合がある。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。
図1は、各群の群管理制御装置の内部構成を示すブロック図である。群管理制御装置は、行先階を入力する行先階入力部11、群管理制御装置が故障などで休止しているかどうかを検出する運転休止検出部12、他の群管理制御装置や号機制御装置との通信を行う通信部13、各種の入力信号を元に制御を行う制御部14、行先階呼びなどの情報が記憶されている記憶部15、時間を計時する計時部16、未応答の呼びの割り当てを行う割り当て部17、エレベータホールなどに設けられて情報を表示する情報出力部18などから構成されている。
図2は、各エレベータの号機制御装置の内部構成を示すブロック図である。号機制御装置は、かごの位置を検出するかご位置検出部21、かごの移動方向である行先方向を検出するかご方向検出部22、かごの移動速度を検出するかご速度検出部23、号機制御装置が故障などで休止しているかどうかを検出する運転休止検出部24、群管理制御装置との通信を行う通信部25、各種の入力信号を元に制御を行う制御部26、行先階呼びなどの情報が記憶されている記憶部27、時間を計時する計時部28、エレベータの駆動源であるモータを駆動する駆動部29、ブレーキを働かせることによってモータの回転を制動する制動部30、かご内などに設けられて情報を表示する情報出力部31などから構成されている。
行先階入力部11は、行先階入力手段であって、各階床に設けられ、具体的には、かごが停止する階の2台のエレベータの出入り口の間などに設置される。従って、本実施例では、行先階を入力するための手段は、階床にのみ設置され、かご内には設置されない。行先階入力部11は、例えばタッチパネルによって構成され、液晶ディスプレイなどの表示画面に情報を表示することができる表示部と、表示画面に表示された操作ボタンあるいは数字と記号とを含む文字入力キーを利用者が触ることによって、触られた操作ボタン又は文字入力キーに対応する入力情報を入力することができる入力部とを有する。行先階入力部11の入力部、つまりタッチパネルに表示される操作ボタンは、少なくとも行先階を選択するための行先階選択ボタンを含み、好ましくは、扉が開いている時間を延長するための開延長ボタン、各種設定をする設定画面を選択する画面を表示させるためのメニュー表示ボタン、及びメニューの中の項目を選択するためのメニュー選択ボタンを含む。このように、本実施例では、行先階入力部11を2台のエレベータの出入り口の間などに設置することにより、乗客は行先階を入力した後、そのまま2台のエレベータの間で待っていて、左右どちらかの先に到着したエレベータに乗車すれば良いことから、乗車時の移動距離が大きくならずに済むというメリットがある。
情報出力部18又は31に表示される表示情報は、例えば、かごの状況に関する情報であり、かごの移動経路、かごが到着するまでの予測時間を示す予測時間情報、かごの到着の予告を示す到着予告情報、開いている扉が閉じるまでの時間を表す戸開待機時間情報、移動中のかごが現在位置している階を示す現在階情報、行先の停止予定階を示す行先階情報、かごが停止している階を示す停止階情報、扉が複数ある場合その複数の扉のうちいずれの扉が開いているかを示す戸開方向情報、故障に関する故障情報、及び保守のために用いられる保守情報を含む。
情報出力部31は、行先階呼びに対する停止順序に基づく情報を出力する出力手段としての機能を有する。
情報出力部18又は31は、例えば案内音声を出力する案内音声出力手段及び各種の情報を表示する案内表示手段によって実現される。案内音声出力手段が出力する音声として、例えば行先階呼びに対する停止順序に基づいて、かごが2階から出発し、行先階呼び2→3、4→5、4→2に応答して、3階、4階、5階、2階の順に走行する場合、2階出発時に、「次は、3階、4階、5階、2階の順に止まります。」と出力し、3階到着時に、「3階に止まります」と出力し、3階出発時に、「次は、4階、5階、2階の順に止まります。」と出力し、4階到着時に、「4階に止まります」と出力し、4階出発時に、「次は、5階、2階、1階の順に止まります。」と出力し、5階到着時に、「5階に止まります」と出力し、5階出発時に、「次は、2階に止まります。」と出力し、2階到着時に、「2階に止まります。」と出力する。このように4階にて逆方向の乗客も乗車させた場合でも、到着順序を出力することによって、乗客の不安を緩和することができる。また案内音声出力手段及び案内表示手段が出力する情報として、移動中のかごが現在位置している階を示す現在階情報、行先の停止予定階を示す行先階情報、行先階までの停止回数を示す停止回数情報、行先階までの移動時間を示す移動時間情報、かごが停止している階を示す停止階情報、故障に関する故障情報、及び保守のために用いられる保守情報を含む。
記憶部15及び27は、記憶手段であって、例えば半導体メモリあるいは磁気ディスク装置などの記憶装置によって構成される。
記憶部15は、行先階入力部11によって入力された行先階呼びを、入力された階床及び入力された時刻と関連付けて記憶する。行先階呼びは、発生時刻順に、発生時刻と、出発階、未応答や応答中などの応答状態、乗車や降車などの乗降状態、出発階が属するセクター、行先階が属するセクター、などに関する情報が、リストとして記憶部15に記憶される。そして、乗客が降車後は、リストから削除される。
また記憶部15又は27に記憶される情報には、制御部14又は26によって実行されるプログラム、かごが停止している時間が予め定める時間を越えた時にかごを移動させる基準階を表す基準階情報、予め定める時間である復帰時間を表す復帰時間情報、保守のために用いられる保守情報、及び建物を複数のセクターに分割するためのセクター分割情報なども含む。基準階は、複数の階床のうち基準となる基準階床が予め1つ設定される。このような基準階は、かごの交通パターンに合わせて設定される。計時部16又は28は、時間を計時して、制御部14又は26からの指令に基づいて、現在時間に基づく情報を制御部14又は26に出力する。
また本実施例では、情報出力部31は、制御部26によって決定される停止順序に基づく情報を出力する。これによってかごに乗車した乗客は、停止順序を認識することができる。従って、従来のセレコレのような方向に従った停止順序ではなく、逆方向の乗客も乗車させる場合もあるので、乗車かごの停止順序を出力することによって、乗客は自分がいつ降車するのかを前もって認識することができる。これによって、ポストセレコレのように停止順序が適宜決定される構成であっても、乗客は安心してエレベータを利用することができる。
図2は、本実施例の号機制御装置による停止順序決定処理を示すフローチャートである。
実施の開始後(ステップS101)、かご位置検出部21、かご方向検出部22、かご速度検出部23によってかごの位置・方向・速度を検出する(ステップS102)。
次に、検出したかごの位置・方向・速度の情報を元にかごの運転フェーズを確認する(ステップS103)。
次に、通信部25を介して群管理制御装置の通信部13と通信を行う(ステップS104)。
そして、群管理制御装置の記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼びの内、当該運転フェーズに該当する呼びを読み出し(ステップS105)、次に、記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びの内、当該運転フェーズに該当する呼びを読み出す(ステップS106)。
そして、制御部26によって停止順序を決定する(ステップS107)。具体的には、ステップS105及びステップS106において読み出した呼びに対応する停止階を、上昇運転においては昇順に、下降運転においては降順に並び替えて停止順序を決定する。
最後に、決定された停止順序に基づいて、制御部26から駆動部29又は制動部30へ駆動信号又は制動信号を出力して(ステップS108)、終了となる(ステップS109)。
本実施例では、基準階以外のサービス階を2分割する。この2分割した時のセクターをセクター1、セクター2とすると、出発階床又は行先階床が基準階以外の呼びは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、という6種類がある。
この場合、本システムは、セクター内の呼びを分担するM1タイプ、セクター間の呼びを分担するM2タイプからなるエレベータ群で構成する。
具体的には、M1タイプは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼び、の4種類の呼びを分担する。
そして、M2タイプは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、の2種類の呼びを分担する。
Figure 2010058969
表1において、Lは基準階、Sはセクターを表している。
なお、本実施例に対応するセレコレの場合は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転していることになる。
従って、セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、基準階を除いた運転フェーズは4あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/4となる。
M1タイプについて、さらに詳しく説明する。M1タイプは2台の号機から構成されており、各号機にセクター1又はセクター2を分担させる。
そして、本タイプを構成するセクター1を分担するエレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター1における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。
また、本タイプを構成するセクター2を分担するエレベータの号機制御装置は、セクター2における上昇運転、セクター2における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。2台の号機ともに、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、セクター1を分担するエレベータの号機制御装置は、出発階がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びがなく、行先階がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの降車がすべて終了し、割り当て部17によってセクター2内に出発階がある未応答の行先階呼びが割り当てられると、セクター2を分担するエレベータの号機制御装置に切り替わる。
また、セクター2を分担するエレベータの号機制御装置は、出発階がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びがなく、行先階がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの降車がすべて終了し、割り当て部17によってセクター1内に出発階がある未応答の行先階呼びが割り当てられると、セクター1を分担するエレベータの号機制御装置に切り替わる。
本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する2台の号機の内1台に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びからなる第1のグループの呼びを、 他の1台に対して、未応答の行先階呼びの内、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びからなる第2のグループの呼びを割り当て部17によって割り当てる。
さらに、本タイプの群管理制御装置の運転休止検出部12が第2のタイプの群を制御する群管理制御装置又は第2のタイプの群を構成する2台の号機の号機制御装置の休止を検出した場合、割り当て部17は前記第1のタイプの群を構成する各号機に割り当てられた第1のグループ又は第2のグループの呼びを他方のグループの呼びに、呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備える。
次に、M1タイプを利用する乗客の乗降車について、具体的に説明する。
セクター1を分担するエレベータの号機制御装置は、基準階では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼びを押した乗客の降車と、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを押した乗客の乗車の制御を行う。
セクター1における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを押した乗客の降車と、セクター1における下降運転中に乗車した出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを押した乗客の降車と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを押した乗客の乗車と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを押した乗客の乗降車の制御を行う。
セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼びを押した乗客の乗車と、セクター1における上昇運転中に乗車した出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを押した乗客の降車と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを押した乗客の乗車と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを押した乗客の乗降車の制御を行う。
また、セクター2を分担するエレベータの号機制御装置では、まず、セクター2における上昇運転では、セクター2における下降運転中に乗車した出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを押した乗客の降車と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを押した乗客の乗車と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを押した乗客の乗降車の制御を行う。
次に、セクター2における下降運転では、セクター2における上昇運転中に乗車した出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを押した乗客の降車と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを押した乗客の乗車と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを押した乗客の乗降車の制御を行う。
エレベータは動いており、6階床以下のマンション等で使用される低速の分速60mのエレベータでも0.1秒間には10cm移動する。乗り場で戸開するためには、レベル±10cmで着床しなければならない。その範囲内で着床できないと、乗客は閉じ込められてしまう。また、安全装置作動後の動作遅れを最小限に抑えようとすれば、0.1秒の遅れ時間でも大きい。「セレコレ」「ポストセレコレ」の運転制御は各エレベータの号機制御装置が処理しており、起動、減速、停止のタイミングがこれによって影響を受けるので、安全上からも、遅れ時間は最小限に止める必要がある。そのためにも、制御規則はできるだけシンプルにする必要がある。
次に、M1タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セクター1における上昇運転中に、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、セクター1における下降運転中に、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、セクター2における上昇運転中に、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、セクター2における下降運転中に、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床とに停止するのは、いわゆる逆呼びに応じたものである。
言い換えると、ある方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、その後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させることになる。これによって、停止回数を減らして、結果的にサービス完了時間を短縮することができる一因となる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、本タイプにおけるセクター1又はセクター2における上昇運転、セクター1又はセクター2における下降運転の各運転サービス時間は、RTT/4に相当する。そして、RTT/4毎に各階に乗車可能なかごが到着する。従って、平均到着間隔はRTT/4となり、平均待ち時間はRTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、第1に、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である場合、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である場合、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である場合、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である場合の各場合は、順呼びとして応答されるとRTT/8、逆呼びとして応答されるとRTT/4となる。
そして、順呼びと逆呼びの確率を各1/2として、これらの場合の平均乗車時間を計算すると、RTT/16+RTT/8=3RTT/16となる。
第2に、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/8となる。
第3に、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である場合、セクター1における下降運転で乗車する場合はRTT/8、セクター1における上昇運転で乗車する場合は3RTT/8となる。各場合の確率は共に1/2と考えられるので、第3の場合の平均乗車時間は、セクター1における下降運転で乗車する場合とセクター1における上昇運転で乗車する場合の平均乗車時間のそれぞれに1/2を乗算したものを加算してRTT/4となる。
上記の第1から第3までの3つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合、即ち第1の場合の確率は1/2となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
3RTT/32+RTT/32+RTT/16=3RTT/16
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、5RTT/16となる。
次に、M2タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に、変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M2タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
ここで、セクター2における上昇運転中に、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床とに停止するのは、いわゆる逆呼びに応じたものである。
言い換えると、ある方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、その後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させることになる。これによって、停止回数を減らして、結果的にサービス完了時間を短縮することができる一因となる。
ところで、出発階床があるセクター内の階床であって行先階床が同じセクター内の上方又は下方の階床である行先階呼びの当該セクターにおける停止確率は、出発階と行先階が一致しないので、出発階、行先階での停止確率をpとすると2pになる。言い換えると、出発階床があるセクター内の階床であって行先階床が同じセクター内の上方又は下方の階床である行先階呼び、即ち同じセクター間の行先階呼びによる当該セクターにおける停止数は、出発階床があるセクター内の階床であって行先階床が他のセクター内の階床である行先階呼び、即ち他のセクター間の行先階呼びによる停止数の倍となる。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは2個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは2個の合計6個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター1における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは0個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計6個の行先階呼びに応答する。
出発階床又は行先階床が基準階以外の行先階呼びの内容を見ると、同じ4個ずつではあっても、セレコレでは、同じセクター間の行先階呼びは2個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは2個である。一方、本タイプでは、同じセクター間の行先階呼びは0個であり、4個すべてが基準階を除く他のセクター間の行先階呼びである。上記の通り、同じセクター間の行先階呼びによる当該セクターにおける停止数は、他のセクター間の行先階呼びによる停止数の倍であるので、セレコレの方が、本タイプより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、2分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは4あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/4となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは2あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/4の2倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、セクター2における上昇運転から基準階に到着するまでの走行時間が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT2は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター1における上昇運転からセクター2における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター1における上昇運転開始からRTT2/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター2における上昇運転から基準階に到着している場合に、先行かごのセクター2における上昇運転開始からRTT2/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター2における上昇運転を開始する。ただし、RTT2は、建物の高さやセクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT2とする。
このように、2台のかご各々のセクター1における上昇運転開始時及びセクター1における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT2/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT2/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/4+RTT/8=3RTT/8となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/8となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/8+RTT/8=RTT/4となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/8+RTT/8=RTT/4となる。
これらの4つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、2つの場合があることから、各々の場合の確率は1/4となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
3RTT/32+RTT/32+RTT/16+RTT/16=RTT/4
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、3RTT/8となる。
セレコレの場合は、上昇運転中に下降呼びを乗車させることができないので、M2タイプを例にとると、セクター2における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを押した乗客の降車と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを押した乗客の乗車を同時に行うことができない。
セレコレで実現する場合は、一方がセクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転と、上昇運転し、他方がセクター2における下降運転、セクター1における下降運転と、下降運転しなければならないので、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、そして基準階と運転し、RTT/2で等間隔制御した時に、平均待ち時間が最小となって、平均待ち時間をRTT/4にできることになる。
M1タイプが故障や保守点検などの理由により運転を休止した時、セクター1内のA階から、同じセクター1内のB階へ行きたい乗客は、一旦M2タイプで、セクター1内のA階から、セクター2内のいずれかの階へ行き、再びM2タイプを利用して、そのセクター2内のいずれかの階から、セクター1内のB階へ行くことによって、階段を使用することなく目的階へ行くことができる。
次に、M2タイプが運転を休止した時、M1タイプでセクター1を分担していたエレベータの号機制御装置は次にセクター2を分担し、セクター2を分担していたエレベータの号機制御装置は次にセクター1を分担するという具合に、分担セクターを交互に切り替える。
そして、セクター2内の階から同じセクター2内の別の階の呼びがあれば、M1タイプは、その呼びの停止階を乗り継ぎ階とし、なければセクター2の端階を乗り継ぎ階として停止する。
従って、セクター1内のA階からセクター2内のB階へ行きたい乗客は、セクター1内のA階でM1タイプに乗車し、セクター2内のいずれかの階を乗り継ぎ階として降車して、そこから目的階であるセクター2内のB階への呼びを登録し、乗り継ぎ階でM1タイプのかごに再び乗車して、目的階であるセクター2内のB階で降車することができる。
表2は、本実施例の場合の平均一周時間などをまとめたものである。表中の従来技術の場合とは、特許文献2に開示されている場合を指している。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、従来技術の2台の場合は、平常時や混雑時には1台が上昇運転、もう1台が下降運転をして、それを交互に繰り返すことから、平均半周時間がRTT/2となり、平均一周時間はRTTとなる。そして、行先階登録方式の場合は即時予報の割り当て変更ができないものの、群の台数を2台にすれば即時予報は必要なくなるので、呼びに応答するかごを2台にできることから、平均待ち時間はRTT/4となる。さらに、かごが2台あるので平均乗車時間はRTT/4となることから、平均待ち時間と平均乗車時間の合計となる平均サービス完了時間はRTT/2となる。
この表から明らかなように、M1タイプ、M2タイプの場合ともに、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間が従来技術の場合と比較すると短くなる。
Figure 2010058969
本実施例では、各群が分担するセクターの階数は、互いに等しくなるように設定される場合に限ることはない。また、各群が分担するセクターの階は、基本的には、連続する階にて設定されるが、これに限ることはない。例えば、建物の利用状況に応じて、分担するセクターを設定してもよい。
本実施例では、基準階は、最下階に設定されるが、このような最下階に限定されるものではなく、かごの交通パターンに合わせて設定してもよい。
次に、基準階以外のサービス階を3分割する場合の実施例2について説明する。
3分割した時のセクターをセクター1、セクター2、セクター3とすると、出発階床又は行先階床が基準階以外の呼びは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、という12種類がある。
この場合、本システムは、4種類ずつの呼びを分担するM3タイプ、M4タイプ、M5タイプからなるエレベータ群で構成する。
具体的には、M3タイプは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、の4種類の呼びを分担する。
M4タイプは、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、の4種類の呼びを分担する。
M5タイプは、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、の4種類の呼びを分担する。
Figure 2010058969
表3において、Lは基準階、Sはセクターを表している。
表3から明らかなように、M3タイプの場合は、最上のセクターであるセクター3の部分にエレベータの昇降路自体を設ける必要がない。また、M4タイプ場合はセクター1が、M5タイプ場合はセクター2が、上昇及び下降時に急行区間となるため、それらのセクターにエレベータホールを設ける必要がない。従って、セレコレの場合及び特許文献2の場合よりも、エレベータ占有面積を削減でき、レンタブル比を向上することができる。
このように、3セクターに分割して3グループで応答する場合、全ての呼びについて、その呼びに応答するある群が休止しても、各グループが2セクターを分担しているために、残りのグループを乗り継いで、1回の乗換えで目的階に行くことができる。
なお、本実施例に対応するセレコレの場合は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター3における下降運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転していることになる。
従って、セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、基準階を除いた運転フェーズは6あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/6となる。
本実施例における群管理制御装置及び号機制御装置の内部構成、並びに各エレベータの号機制御装置の制御部26による停止順序決定処理を示すフローチャートは、前述した実施例1と同じなので、説明を省略する。
次に、M3タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター1における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M3タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター1における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セクター2における上昇運転中に、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床に停止するのは、いわゆる逆呼びに応じたものである。
言い換えると、ある方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、その後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させることになる。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター1における下降運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは3個、同じセクター間の行先階呼びは3個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは6個の合計12個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター1における下降運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、に応答する。
即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは2個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計8個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは1個、同じセクター間の行先階呼びは1個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは2個の合計4個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、3分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは6あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/6となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは3あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/6の3倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、セクター2における上昇運転からセクター3における上昇運転に移行するまでの走行時間、セクター3における上昇運転からセクター2における下降運転に移行するまでの走行時間、が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT3は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター1における上昇運転からセクター2における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター1における上昇運転開始からRTT3/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター1における下降運転から基準階に到着している場合に、先行かごのセクター1における下降運転開始からRTT3/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における下降運転を開始する。ただし、RTT3は、セクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT3とする。
このように、2台のかご各々のセクター1における上昇運転開始時及びセクター1における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT3/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT3/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である場合は、セクター1における下降運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/12+RTT/12=RTT/6となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/12+RTT/12=RTT/6となる。
出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター1における下降運転で乗車するので、RTT/12となる。
これらの6つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、4つの場合があることから、各々の場合の確率は1/8となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
RTT/96+RTT/96+RTT/48+RTT/48+RTT/48+RTT/48=5RTT/48
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、11RTT/48となる。
次に、M4タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター2における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M4タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セクター3における上昇運転中に、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床に停止するのは、いわゆる逆呼びに応じたものである。
言い換えると、ある方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、その後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させることになる。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター3における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター2における下降運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは3個、同じセクター間の行先階呼びは3個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは6個の合計12個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター3における上昇運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター2における下降運転で、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、に応答する。
即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは2個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計8個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは1個、同じセクター間の行先階呼びは1個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは2個の合計4個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、3分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは6あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/6となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは3あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/6の3倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、セクター2における上昇運転からセクター3における上昇運転に移行するまでの走行時間、セクター3における上昇運転からセクター2における下降運転に移行するまでの走行時間、が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT4は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター2における上昇運転からセクター3における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター2における上昇運転開始からRTT4/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター2における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター2における下降運転から基準階に到着している場合に、先行かごのセクター2における下降運転開始からRTT4/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター2における下降運転を開始する。ただし、RTT4は、建物の高さやセクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT4とする。
このように、2台のかご各々のセクター2における上昇運転開始時及びセクター2における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT4/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT4/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である場合は、セクター2における下降運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/12+RTT/12=RTT/6となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/12+RTT/12=RTT/6となる。
出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター2における下降運転で乗車するので、RTT/12となる。
これらの6つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、4つの場合があることから、各々の場合の確率は1/8となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
RTT/96+RTT/96+RTT/48+RTT/48+RTT/48+RTT/48=5RTT/48
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、11RTT/48となる。
次に、M5タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター3における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼びを、セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M5タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター3における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター3における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター3における下降運転で、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは3個、同じセクター間の行先階呼びは3個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは6個の合計12個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター1における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター3における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター3における下降運転で、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは2個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計8個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは1個、同じセクター間の行先階呼びは1個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは2個の合計4個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、3分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは6あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/6となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは3あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/6の3倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、セクター1における上昇運転からセクター3における上昇運転に移行するまでの走行時間、セクター3における下降運転から基準階に到着するまでの走行時間、が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT5は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター1における上昇運転からセクター3における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター1における上昇運転開始からRTT5/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における上昇運転を開始する。ただし、後続かごに出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である乗客が乗車している場合は、本タイプにはセクター1における下降運転のフェーズがないことから、当該乗客の乗車時間を長くしないために出発を保留しない。さらに、先行かごがセクター3における下降運転から基準階に到着している場合に、先行かごのセクター3における下降運転開始からRTT5/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター3における下降運転を開始する。ただし、RTT5は、建物の高さやセクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT5とする。
このように、2台のかご各々のセクター1における上昇運転開始時及びセクター3における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT5/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT5/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である場合は、セクター3における下降運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/12+RTT/12=RTT/6となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、セクター3における下降運転で乗車するので、RTT/12+RTT/12=RTT/6となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター3における下降運転で乗車するので、RTT/12となる。
出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/6+RTT/12=RTT/4となる。
これらの6つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、4つの場合があることから、各々の場合の確率は1/8となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
RTT/96+RTT/96+RTT/48+RTT/48+RTT/48+RTT/16=7RTT/48
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、13RTT/48となる。
表4は、本実施例の場合の平均一周時間などをまとめたものである。表中の従来技術の場合とは、特許文献2に開示されている場合を指している。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、従来技術の2台の場合は、平常時や混雑時には1台が上昇運転、もう1台が下降運転をして、それを交互に繰り返すことから、平均半周時間がRTT/2となり、平均一周時間はRTTとなる。そして、行先階登録方式の場合は即時予報の割り当て変更ができないものの、群の台数を2台にすれば即時予報は必要なくなるので、呼びに応答するかごを2台にできることから、平均待ち時間はRTT/4となる。さらに、かごが2台あるので平均乗車時間はRTT/4となることから、平均待ち時間と平均乗車時間の合計となる平均サービス完了時間はRTT/2となる。
この表から明らかなように、M3タイプ、M4タイプ、M5タイプの場合ともに、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間が従来技術の場合と比較すると短くなる。
Figure 2010058969
本実施例では、各群が分担するセクターの階数は、互いに等しくなるように設定される場合に限ることはない。また、各群が分担するセクターの階は、基本的には、連続する階で設定されるが、これに限ることはない。例えば、建物の利用状況に応じて、分担するセクターを設定してもよい。
また、本実施例では、基準階は最下階に設定されるが、このような最下階に限定されるものではなく、かごの交通パターンに合わせて設定してもよい。
次に、基準階以外のサービス階を4分割する場合の実施例3について説明する。
4分割した時のセクターをセクター1、セクター2、セクター3、セクター4とすると、出発階床又は行先階床が基準階以外の呼びは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、という20種類がある。
この場合、本システムは、M6タイプとM7タイプが6種類ずつ、M8タイプとM9タイプが4種類ずつ呼びを分担するM6タイプ、M7タイプ、M8タイプ、M9タイプからなるエレベータ群で構成する。
具体的には、M6タイプは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、の6種類の呼びを分担する。
M7タイプは、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、の6種類の呼びを分担する。
M8タイプは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、の4種類の呼びを分担する。
M9タイプは、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、の4種類の呼びを分担する。
Figure 2010058969
表5において、Lは基準階、Sはセクターを表している。
表5から明らかなように、M6タイプの場合はセクター3及び4の部分、M8タイプの場合はセクター4の部分に、エレベータの昇降路自体を設ける必要がない。また、M7タイプ場合はセクター1及び2の部分、M9タイプ場合はセクター3が、上昇及び下降時に急行区間となるためにエレベータホールを設ける必要がない。従って、セレコレの場合及び特許文献2の場合よりも、エレベータ占有面積を削減でき、レンタブル比を向上することができる。
このように、4セクターに分割して4グループで応答する場合、全ての呼びについて、その呼びに応答するある群が休止しても、各グループが2セクター以上を分担しているために、残りのグループを乗り継いで、1回の乗換えで目的階に行くことができる。
なお、本実施例に対応するセレコレの場合は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター4における上昇運転、セクター4における下降運転、セクター3における下降運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転していることになる。
従って、セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、基準階を除いた運転フェーズは8あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/8となる。
本実施例における群管理制御装置及び号機制御装置の内部構成、並びに各エレベータの号機制御装置の制御部26による停止順序決定処理を示すフローチャートは、前述した実施例1と同じなので、説明を省略する。
次に、M6タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを、セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを、セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M6タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
セクター1における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター2における下降運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター1における下降運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは4個、同じセクター間の行先階呼びは4個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは12個の合計20個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター2における下降運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター1における下降運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは4個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計10個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは0個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは8個の合計10個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、4分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは8あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/8となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは4あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/8の4倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
この運転サービス時間の減少時間を、計算を簡略化するために無視すると、本タイプの平均一周時間は、RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、この運転サービス時間の減少時間を無視するものとする。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT6は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター1における上昇運転からセクター2における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター1における上昇運転開始からRTT6/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター2における下降運転からセクター1における下降運転に入っている場合に、先行かごのセクター2における下降運転開始からRTT6/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター2における下降運転を開始する。ただし、RTT6は、セクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT6とする。
このように、2台のかご各々のセクター1における上昇運転開始時及びセクター2における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT6/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT6/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、
出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター1における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である場合は、セクター1における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、セクター2における下降運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である場合は、セクター2における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
これらの8つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、6つの場合があることから、各々の場合の確率は1/12となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
RTT/64+RTT/64+RTT/192+RTT/192+RTT/96+RTT/96+RTT/192+RTT/192=7RTT/96
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、19RTT/96となる。
次に、M7タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター3における上昇運転、セクター4における上昇運転、セクター4における下降運転、セクター3における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼びを、セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である呼びを、セクター4における下降運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、及び出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である呼びを、セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M7タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター3における上昇運転では、出発階床が基準階床であって行先階床がセクター3内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター4における下降運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
セクター3における下降運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター3における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター4における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター4における下降運転で、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター3における下降運転で、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは4個、同じセクター間の行先階呼びは4個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは12個の合計20個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター3における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター4における上昇運転で、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター4における下降運転で、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター3における下降運転で、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは4個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計10個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは0個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは8個の合計10個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、4分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは8あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/8となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは4あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/8の4倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、基準階からセクター3における上昇運転に移行するまでの走行時間、セクター3における下降運転から基準階に到着するまでの走行時間、が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT7は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター3における上昇運転からセクター4における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター3における上昇運転開始からRTT7/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター3における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター4における下降運転からセクター3における下降運転階に入っている場合に、先行かごのセクター4における下降運転開始からRTT7/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター4における下降運転を開始する。ただし、RTT7は、建物の高さやセクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT7とする。
このように、2台のかご各々のセクター3における上昇運転開始時及びセクター4における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT7/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT7/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター3における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である場合は、セクター4における上昇運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である場合は、セクター4における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、セクター4における下降運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である場合は、セクター3における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
これらの8つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、6つの場合があることから、各々の場合の確率は1/12となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
RTT/64+RTT/64+RTT/192+RTT/192+RTT/96+RTT/96+RTT/192+RTT/192=7RTT/96
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、19RTT/96となる。
次に、M8タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター2における下降運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M8タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、に降順に停止するように制御する。
ここで、セクター3における上昇運転中に、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に停止するのは、いわゆる逆呼びに応じたものである。
言い換えると、ある方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、その後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させることになる。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター3における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター2における下降運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは4個、同じセクター間の行先階呼びは4個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは12個の合計20個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、
セクター1における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター3における上昇運転で、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、セクター2における下降運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは0個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは8個の合計10個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは4個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは4個の合計10個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、4分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは8あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/8となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは4あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/8の4倍、即ちRTT/2から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、セクター3における上昇運転からセクター2における下降運転に移行するまでの走行時間、セクター2における下降運転から基準階に到着するまでの走行時間、が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT8は略RTT/2であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略RTT/4にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター1における上昇運転からセクター2における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター1における上昇運転開始からRTT8/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター2における下降運転から基準階に到着している場合に、先行かごのセクター2における下降運転開始からRTT8/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター2における下降運転を開始する。ただし、RTT8は、セクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT8とする。
このように、2台のかご各々のセクター1における上昇運転開始時及びセクター2における下降運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT8/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT8/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略RTT/2となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、RTT/8となる。
さらに、平均乗車時間は、
出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/8+RTT/16=3RTT/16となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター2における下降運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/8+RTT/16=RTT/4となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、セクター3における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
これらの6つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、4つの場合があることから、各々の場合の確率は1/8となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
3RTT/64+RTT/64+RTT/32+RTT/64+RTT/64+RTT/64=9RTT/64
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、17RTT/64となる。
次に、M9タイプについて、詳しく説明する。
本タイプを構成する各エレベータの号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター4における上昇運転、の各運転フェーズを順に繰り返すように運転を制御する。そして、ある運転フェーズから、再び同じ運転フェーズに戻った時点で一周運転となる。
そして、本タイプの群を制御する群管理制御装置は、当該群を構成する各号機に対して、記憶部15に記憶されている既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを割り当て部17によって割り当てる。
これらの各運転フェーズ毎に割り当てられた呼びは、各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに割り当て部17による呼びの割り当てを切り替えられる。
次に、M9タイプを利用する乗客による呼び、即ち記憶部15に記憶されている行先階呼びの未応答の呼び、及び記憶部27に記憶されている行先階呼びの応答中の呼びに対して、制御部26がどのように停止順序を決定して制御するかについて各運転フェーズ毎に具体的に説明する。
基準階では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である応答中の行先階呼び、及び出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である未応答の行先階呼びに停止するように制御する。
セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
セクター4における上昇運転では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である応答中の行先階呼びの行先階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に昇順に停止するように制御する。
ここで、セクター4における上昇運転中に、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である未応答の行先階呼びの出発階床と、
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である未応答の行先階呼びの出発階床と、に停止するのは、いわゆる逆呼びに応じたものである。
言い換えると、ある方向に運転中に逆方向の呼びの出発階にも停止して、逆方向の乗客も乗り合いさせ、その後の逆方向の運転時にそれらの行先階呼びの行先階にも停止して、それらの乗客を降車させることになる。
ここで、セレコレの場合と本タイプの場合での基準階以外での停止数を比較すると、次の通りとなる。
セレコレでは、セクター1における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、セクター4における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは3個、同じセクター間の行先階呼びは3個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは9個の合計15個の行先階呼びに応答する。
これに対して、本タイプでは、セクター1における上昇運転で、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、セクター2における上昇運転で、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、セクター4における上昇運転で、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である行先階呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、に応答する。即ち、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは2個、同じセクター間の行先階呼びは0個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは8個の合計10個の行先階呼びに応答する。
従って、セレコレの方が、出発階床又は行先階床が基準階である行先階呼びは1個、同じセクター間の行先階呼びは3個、基準階を除く他のセクター間の行先階呼びは1個の合計5個の行先階呼びにより多く応答して停止する。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、4分割の場合、基準階を除いた運転フェーズは8あるので、各運転フェーズの運転サービス時間はRTT/8となる。そして、本タイプの場合、基準階を除いた運転フェーズは3あるので、合計の運転サービス時間は、RTT/8の3倍、即ち3RTT/8から、上記のセレコレより停止数が少ないことによる運転サービス時間の減少時間を減算した時間となる。
しかし、本タイプの場合、実際には各運転フェーズにおける運転サービス時間の他に、セクター2における上昇運転からセクター4における上昇運転に移行するまでの走行時間、セクター4における上昇運転から基準階に到着するまでの走行時間、が発生しているので、これらを追加時間として加算しなければならない。
ここで、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすと、本タイプの平均一周時間は、略3RTT/8となる。なお、以下の平均待ち時間、平均乗車時間、平均サービス完了時間の計算においても、計算を簡略化するために、上記の減少時間と追加時間を略等しいとみなすものとする。ただし、実際には、停止する時間である減少時間の方が、停止せずに走行している時間である追加時間より大である。
運転間隔制御手段としては、2台のかごの運転間隔が等しくなるように、つまり等間隔運転制御を実施する。
本タイプの平均一周時間RTT9は略3RTT/8であるから、2台のかごを等間隔で運転するためには、2台のかごの運転間隔を略3RTT/16にすれば良い。
具体的には、先行かごがセクター1における上昇運転からセクター2における上昇運転に入っている場合に、先行かごのセクター1における上昇運転開始からRTT9/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター1における上昇運転を開始する。さらに、先行かごがセクター4における上昇運転から基準階に到着している場合に、先行かごのセクター4における上昇運転開始からRTT9/2以上遅れた場合は、後続かごがセクター4における上昇運転を開始する。ただし、RTT9は、建物の高さやセクタリングの仕方や呼びの発生状況で変化するので、一般化するために、各かごの一周時間を随時測定し、そのサンプル平均をRTT9とする。
このように、2台のかご各々のセクター1における上昇運転開始時及びセクター4における上昇運転開始時の2つのタイミングにおいて、2台のかごの運転間隔がRTT9/2以上開いている場合は運転間隔を縮めるように制御することによって等間隔運転を実現する。逆に言うと、2台のかごの運転間隔がRTT9/2未満の場合は、運転間隔制御を行わない。つまり、この運転間隔制御は、運転間隔を縮める方向でのみ実施されることになる。
次に、本タイプの場合の平均サービス完了時間について、説明する。
まず、上記の通り、本タイプの平均一周時間は、略3RTT/8となる。
そして、平均待ち時間は、1台の場合は平均一周時間の1/2となるが、本タイプは2台のかごで構成されているので平均一周時間の1/4となるので、3RTT/32となる。
さらに、平均乗車時間は、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である場合は、基準階で乗車するので、RTT/8+RTT/8+RTT/16=5RTT/16となる。
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である場合は、セクター4における上昇運転で乗車するので、RTT/16となる。
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である場合は、セクター4における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である場合は、セクター4における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/8+RTT/16=RTT/4となる。
出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である場合は、セクター1における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/8+RTT/16=RTT/4となる。
出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である場合は、セクター2における上昇運転で乗車するので、RTT/16+RTT/16=RTT/8となる。
これらの6つの場合の確率であるが、出発階床又は行先階床が基準階の場合の確率を全体の1/2とすると、出発階床が基準階の場合の確率、行先階床が基準階の場合の確率は、各々1/4となる。そして、これら以外の場合の確率は1/2となり、4つの場合があることから、各々の場合の確率は1/8となる。
従って、各々の場合の平均乗車時間に各々の確率を乗じたものを加算して本タイプの平均乗車時間を算出すると、
5RTT/64+RTT/64+RTT/64+RTT/32+RTT/32+RTT/64=3RTT/16
となる。
よって、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間は、9RTT/32となる。
表6は、本実施例の場合の平均一周時間などをまとめたものである。表中の従来技術の場合とは、特許文献2に開示されている場合を指している。
セレコレの場合の平均一周時間をRTTとすると、従来技術の2台の場合は、平常時や混雑時には1台が上昇運転、もう1台が下降運転をして、それを交互に繰り返すことから、平均半周時間がRTT/2となり、平均一周時間はRTTとなる。そして、行先階登録方式の場合は即時予報の割り当て変更ができないものの、群の台数を2台にすれば即時予報は必要なくなるので、呼びに応答するかごを2台にできることから、平均待ち時間はRTT/4となる。さらに、かごが2台あるので平均乗車時間はRTT/4となることから、平均待ち時間と平均乗車時間の合計となる平均サービス完了時間はRTT/2となる。
この表から明らかなように、M5タイプ、M6タイプ、M7タイプ、M8タイプの場合ともに、平均待ち時間と平均乗車時間の合計である平均サービス完了時間が従来技術の場合と比較すると短くなる。
Figure 2010058969
本実施例では、各群が分担するセクターの階数は、互いに等しくなるように設定される場合に限ることはない。また、各群が分担するセクターの階は、基本的には、連続する階にて設定されるが、これに限ることはない。例えば、建物の利用状況に応じて、分担するセクターを設定してもよい。
本実施例では、基準階は、最下階に設定されるが、このような最下階に限定されるものではなく、かごの交通パターンに合わせて設定してもよい。
各群の群管理制御装置の内部構成を示すブロック図である。 各エレベータの号機制御装置の内部構成を示すブロック図である。 各エレベータの号機制御装置の制御部26による停止順序決定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
11 行先階入力部
12、24 運転休止検出部
13、25 通信部
14、26 制御部
15、27 記憶部
16、28 計時部
17 割り当て部
18、31 情報出力部
21 かご位置検出部
22 かご方向検出部
23 かご速度検出部
29 駆動部
30 制動部

Claims (7)

  1. 建物の基準階以外のサービス階床を2つのセクターに分割し、各群がその内の2つのセクターを分担する2群のエレベータをそれぞれ管理制御する2個の群管理制御装置が設置され、かつ、各群は複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる2群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、
    第1のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する2台の号機制御装置の内1台は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター1における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行い、他の1台はセクター2における上昇運転、セクター2における下降運転の各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第2のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第1のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する2台の号機の内1台に対して、未応答の行先階呼びの内、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼び、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びからなる第1のグループの呼びを、
    他の1台に対して、未応答の行先階呼びの内、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びからなる第2のグループの呼びを割り当てる割当手段と、
    第2のタイプの群を制御する群管理制御装置又は第2のタイプの群を構成する2台のエレベータのすべての号機制御装置の休止を検出した場合に、前記第1のタイプの群を構成する各号機に割り当てられた第1のグループ又は第2のグループの呼びを他方のグループの呼びに切り替える割当切替手段とを備え、
    第2のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、
    セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、
    セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えることを特徴とするエレベータシステム。
  2. 建物の基準階以外のサービス階床を3つのセクターに分割し、各群がその内の2つのセクターを分担する3群のエレベータをそれぞれ管理制御する3個の群管理制御装置が設置され、かつ、各群は複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる3群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、
    第1のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター1における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第2のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター2における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第3のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター3における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第1のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、
    セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを、
    セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、
    セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、
    第2のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、
    セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを、
    セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、
    セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、
    第3のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、
    セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、
    セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼びを、
    セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えることを特徴とするエレベータシステム。
  3. 建物の基準階以外のサービス階床を4つのセクターに分割し、各群がその内の2以上のセクターを分担する4群のエレベータをそれぞれ管理制御する4個の群管理制御装置が設置され、かつ、各群は複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる4群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、
    第1のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター2における下降運転、セクター1における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第2のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター3における上昇運転、セクター4における上昇運転、セクター4における下降運転、セクター3における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第3のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター3における上昇運転、セクター2における下降運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第4のタイプの群を構成するエレベータの各号機を制御する号機制御装置は、基準階、セクター1における上昇運転、セクター2における上昇運転、セクター4における上昇運転、そして基準階に戻る各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段と、
    第1のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター1内の階床である呼びを、
    セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の上方の階床である呼びを、
    セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の上方の階床である呼びを、
    セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が同じセクター2内の下方の階床である呼びを、
    セクター1における下降運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター1内の階床であって行先階床が同じセクター1内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、
    第2のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、
    セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の上方の階床である呼びを、
    セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の上方の階床である呼びを、
    セクター4における下降運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼び、及び出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が同じセクター4内の下方の階床である呼びを、
    セクター3における下降運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が基準階である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床が同じセクター3内の下方の階床である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、
    第3のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、
    セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、
    セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター3内の階床である呼びを、
    セクター3における上昇運転では、出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター3内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを、
    セクター2における下降運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備え、
    第4のタイプの群を制御する群管理制御装置は、
    サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、
    前記行先階入力手段によって入力された行先階呼びに基づいて、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、
    当該群を構成する各号機に対して、既に通過した階床が出発階床である背後呼び以外の未応答の行先階呼びの内、
    基準階では、出発階床が基準階であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、
    セクター1における上昇運転では、出発階床がセクター1内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、
    セクター2における上昇運転では、出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター4内の階床である呼びを、
    セクター4における上昇運転では、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床が基準階である呼び、出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である呼び、及び出発階床がセクター4内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である呼びを割り当てる割当手段と、
    各号機の運転フェーズが変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えることを特徴とするエレベータシステム。
  4. 前記の群管理制御装置は、当該タイプのエレベータ群を構成する2台の号機の前後の運転間隔が等しくなるように制御する運転間隔制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータシステム。
  5. 前記の群管理制御装置は、当該タイプのエレベータ群を構成する各号機の一周時間を一定時間測定して、そのサンプル平均の時間を算出し、複数の運転フェーズの開始時に後続かごが前記サンプル平均の時間の1/2より遅れている場合は、後続かごに当該運転フェーズを開始させることによって、各号機の前後の運転間隔が等しくなるように制御する運転間隔制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータシステム。
  6. 前記の号機制御装置は、前記割当手段によって割り当てられた未応答の行先階呼びの出発階床及び応答中の行先階呼びの行先階床に、前記運転制御手段の上昇運転においては昇順に、下降運転においては降順に停止する停止制御手段を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のエレベータシステム。
  7. 前記の号機制御装置は、前記停止制御手段によって決定される行先階呼びに基づく情報を出力する情報出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベータシステム。
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