JP5866048B1 - エレベータ遠隔保守システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータの輸送性能の維持や向上に活用することができる遠隔保守システムを提供する。【解決手段】遠隔保守装置103が通信ネットワーク102を介して複数の階間を就役する隣り合う2台のエレベータを1組として前記の1組ないし複数組のエレベータを群管理制御しているエレベータシステムと接続されて遠隔から保守を行うエレベータ遠隔保守システムであって、前記エレベータシステムの群管理制御装置104は、乗り場制御装置105から送られた呼びの登録に関する情報、及び号機制御装置106から送られた情報により前記群管理制御装置104が前記乗り場制御装置105へ送る呼びの消去タイミングに関する情報に基づいて呼び未応答時間を算出する第1の算出手段と、呼び未応答時間に基づいて各階の時間帯毎の平均待ち時間及び長待ち率を推定する第1の推定手段と、推定したデータを前記遠隔保守装置103へ送信する第1の送信手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータを遠隔から保守するエレベータの遠隔保守システムに関する。
地震、火災、停電、故障など何らかの異常事態が発生してエレベータの運転が階間の途中で停止した場合、かご内に乗客がいるとエレベータが復旧するまでの間は外に出ることができずに閉じ込められることになる。
乗客がかご内に閉じ込められた場合、一刻も早く救出できるように、かご内には非常呼びボタンが設置されており、乗客がボタンを押して備え付けのインターホンを利用して管理人室にいる管理人などと通話して、異常事態の発生を通知することができる対策が採られている。
また、閉じ込められた乗客によるインターホンなどからの通知がなくても、異常事態の発生がないかエレベータの状態を常に監視して、何らかの異常事態が発生した場合には、その旨を担当者に通知して直ちに救出のために現場に急行できるような対策が採られていることもある。そして、その場合に担当者が遠隔地にいても異常事態の発生を把握して迅速な対応ができるようにするため、通信ネットワークを利用した様々な遠隔システムが提供されている。
例えば、通報時の音声が途切れ易い状況にあっても、かご内の利用者が必要最小限の安心を得られるエレベータの遠隔監視システムを提供することを目的として、エレベータかご内に設けられた通話装置と、エレベータの運転状況を含む各種状況を監視するとともに、かご内の乗客の不安を解消するためのアナウンスメッセージを記憶する監視装置と、監視装置に接続された高速移動通信機器と、高速移動通信機器及び高速移動通信網を介して通信接続されたエレベータ保守会社の情報センターとを備え、かご内で閉じ込めが発生して監視装置から情報センターへ通報され、かつ情報センターからの通話データが遅延した場合、通話装置に向けた通話データにかご内の乗客の不安を解消するためのアナウンスメッセージを重畳させ、かご内の乗客の不安を解消するためのアナウンスメッセージは、少なくとも情報センターに通報が受理され、保守員に出動指示を行ったことを表現するアナウンスメッセージを含むエレベータの遠隔監視システムが提供されている(特許文献1を参照)。これは、遠隔からエレベータに異常事態が発生していないかを監視して、異常事態が発生した場合は、かご内にアナウンスを出力したり、保守担当者を直ちに派遣したりするものである。
また、遠隔地からエレベータの各階ドアの開閉点検を実施し、事前にエレベータドアの開閉異常を検知し、ひいては安全を確保することを提供することを目的として、エレベータドアを開閉するドアモータのトルク値を計測するトルク計測手段と、遠隔ドア点検指示データを送信し、各建物に設置されるエレベータのドア開閉異常を点検監視するドア開閉トルク点検監視処理部を設けた遠隔監視装置と、この遠隔監視装置から遠隔ドア点検指示データを受けたとき、乗りかごを順次各階に走行着床させつつエレベータドアを開閉し、そのドア開時及びドア閉時に前記トルク計測手段で計測されるトルク値を取り込み、予め定めるドアトルク判定しきい値と比較し、前記エレベータドア開閉時の異常を判定し、前記遠隔監視装置に通知するドア開閉トルク計測運転処理部を設けたエレベータ制御盤とを備えたことを特徴とするエレベータドアの遠隔点検オペレーションシステムも提供されている(特許文献2を参照)。これは、エレベータ機器の故障を遠隔から点検するものである。
特開2014−201420号公報 特開2013−170031号公報
しかし、従来の遠隔監視システムは異常事態発生時の閉じ込めを解消することを目的とするものであり、遠隔点検システムはエレベータ機器の故障の検出を省力化することを目的とするものであった。そのため、エレベータの輸送性能の維持や向上のために遠隔システムを活用することがなされていないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、エレベータの輸送性能の維持や向上のために活用することができる遠隔保守システムを提供することである。
上記の課題を解決するために本願発明は、遠隔保守装置が通信ネットワークを介して複数の階間を就役する隣り合う2台のエレベータを1組として前記の1組ないし複数組のエレベータを群管理制御しているエレベータシステムと接続されて遠隔から保守を行うエレベータ遠隔保守システムであって、前記エレベータシステムの群管理制御装置は、前記エレベータの乗り場制御装置から送られた呼びの登録に関する情報、及び前記エレベータの号機制御装置から送られた情報により前記群管理制御装置が前記乗り場制御装置へ送る呼びの消去タイミングに関する情報に基づいて呼び未応答時間を算出する第1の算出手段と、前記第1の算出手段によって算出された呼び未応答時間に基づいて各階の時間帯毎の平均待ち時間及び長待ち率を推定する第1の推定手段と、前記第1の推定手段によって推定したデータを前記遠隔保守装置へ送信する第1の送信手段とを備え、前記平均待ち時間は、呼び未応答時間の2乗の総和/2/呼び未応答時間の総和、の式で算出した値を推定値として用いることを特徴とする。
また、前記長待ち率は、呼び未応答時間(秒)>60の時はX=呼び未応答時間(秒)−60とし、呼び未応答時間(秒)≦60の時はX=0として、Xの総和/呼び未応答時間(秒)の総和×100、の式で算出した百分率の値を推定値として用いることを特徴とする。
また、前記エレベータシステムの群管理制御装置は、前記呼びの消去タイミングに関する情報及び前記呼びの登録に関する情報に基づいて呼び未発生時間を算出する第2の算出手段と、前記第2の算出手段によって算出された呼び未発生時間に基づいて各階の時間帯毎かつ出発階と行先階の組合せ毎の乗客の平均到着率を推定する第2の推定手段と、前記第2の推定手段によって推定したデータを前記遠隔保守装置へ送信する第2の送信手段をさらに備えることを特徴とする。
また、前記平均到着率は、出発階がi階、行先階がj階の呼び未発生時間のサンプル平均の逆数を平均到着率λijの最尤推定値として用いることを特徴とする。
また、前記エレベータシステムの群管理制御装置は、前記号機制御装置から送られた情報に基づいて各階の戸開時間及び戸閉時間の平均値と標準偏差、並びに各階間の走行時間の平均値と標準偏差を算出する第3の算出手段と、前記第3の算出手段によって算出したデータを前記遠隔保守装置へ送信する第3の送信手段をさらに備えることを特徴とする。
また、前記呼びの登録は、前記隣り合う2台のエレベータの乗り場に設置された行先階を登録する行先階登録釦によって行われることを特徴とする。
また、前記エレベータシステムは、建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当する群管理制御システム及び前記建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当する群管理制御システムであって、前記各群は群管理制御装置と複数の階間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されており、前記建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当する前記群管理制御装置、並びに、前記建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当し、前記建物の基準階以外のサービス階を分割しない場合は、全ての呼びを分担し、2セクターに分割する場合は全ての呼びを2分割して2群に分担させ、3セクターに分割する場合は全ての呼びを3分割して3群に分担させ、4セクターに分割する場合は全ての呼びを4分割して4群に分担させ、それぞれの群が分担する基準階への呼びを含まない呼びに応答しながら運転する2台のエレベータを群管理制御するための群管理制御装置が設置されているタイプの異なる群のエレベータを制御するシステムであり、前記のそれぞれの群が分担する呼びには基準階への呼びが含まれていないことを特徴とする。
また、前記エレベータシステムは、建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通と基準階以外の階間のエレベータの交通とを担当する群管理制御システムであって、前記各群は群管理制御装置と複数の階間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されており、前記建物の基準階以外のサービス階を分割しない場合は全ての呼びを分担させ、2セクターに分割する場合は全ての呼びを2分割して2群に分担させ、3セクターに分割する場合は全ての呼びを3分割して3群に分担させ、4セクターに分割する場合は全ての呼びを4分割して4群に分担させ、それぞれの群が分担する呼びに応答しながら運転する2台のエレベータを群管理制御するための群管理制御装置が設置されているタイプの異なる群のエレベータを制御するシステムであり、前記のそれぞれの群が分担する呼びには基準階への呼びが含まれていることを特徴とする。
平均待ち時間や長待ち率などのエレベータの輸送性能の維持や向上のために活用することができる情報を、遠隔から取得することができるという効果が発生する。
全体のシステム構成を示した説明図である。 管理サーバ101の内部構成を示したブロック図である。 群管理制御装置104の内部構成を示すブロック図である。 各エレベータの乗り場制御装置105の内部構成を示すブロック図である。 各エレベータの号機制御装置106の内部構成を示すブロック図である。 群管理制御装置104における処理手順を示したフローチャート図である。 管理サーバ101における処理手順を示したフローチャート図である。 号機制御装置106における処理手順を示したフローチャート図である。 乗り場制御装置105における処理手順を示したフローチャート図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
図1は、本願のエレベータ遠隔保守システム全体のシステム構成を示した説明図である。
本願のエレベータ遠隔保守システムは、図1に示すように、エレベータの実際の保守を担当している保守会社やエレベータの運用計画立案などのコンサルティングを担当しているコンサルタント会社などに設置された遠隔保守装置103、エレベータの群管理を制御するためにエレベータに設置された群管理制御装置104、エレベータの行先階入力などを制御するためにエレベータに設置された乗り場制御装置105、エレベータの号機の走行などを制御するためにエレベータに設置された号機制御装置106、及び管理サーバ101が、通信ネットワーク102を介して相互に接続されている。
なお、図1に示したエレベータ遠隔保守システムにおいては、管理サーバ101、群管理制御装置104は、いずれも1つとして示されているが、これらは各々複数あってもよい。ただし、1台の群管理制御装置104の下には、それぞれ1台の乗り場制御装置105と2台の号機制御装置106が設置されて、群管理制御装置104と通信できるように接続されている。
また、遠隔保守装置103は、2つとして示されているが、3以上あってもよい。
通信ネットワーク102は、インターネット、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)など、種々のネットワークを利用することが可能である。
管理サーバ101は、CPUなどの制御部とRAMやROMなどの記憶部やインターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えたコンピュータである。
そして、遠隔保守装置103は、図示しないが、CPUなどの制御部とRAMやROMなどの記憶部と液晶画面などの表示部やキーボードなどの入力部、インターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えた情報処理機器であり、この中にはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PHS、PDA、専用端末などが含まれる。
管理サーバ101は、各種の情報を管理する複数の情報管理部などを有する。図2は、管理サーバ101の内部構成を示したブロック図である。
その具体的な内部構成は、エレベータの保守を依頼している顧客の名称、住所、連絡先などの顧客に関する情報が記憶保存されている顧客情報管理部201、保守対象のエレベータが設置されている施設の名称、住所、連絡先などの施設に関する情報が記憶保存されている施設情報管理部202、群管理されているエレベータの具体的な群に関する情報が記憶保存されている群情報管理部203、エレベータの仕様や保守履歴などのエレベータに関する情報が記憶保存されているエレベータ情報管理部204、保守会社やコンサルタント会社などに通知する保守対象であるエレベータに関する具体的な保守情報を出力する情報出力部205、そして遠隔保守装置103、群管理制御装置104などの各装置との送受信を実行する通信部206、から構成されている。
図3は、群管理制御装置104の内部構成を示すブロック図である。
群管理制御装置104は、呼び未応答時間や呼び未発生時間などを算出する算出部301、平均待ち時間、長待ち率、平均到着率などを推定する推定部302、群管理制御装置104が故障などで休止しているかどうかを検出する運転休止検出部303、管理サーバ101、乗り場制御装置105、号機制御装置106などとの通信を行う通信部304、各種の入力信号を元に制御を行う制御部305、記憶手段であって半導体メモリあるいは磁気ディスク装置などの記憶装置によって構成されて呼びの割り当てなどの情報が記憶されている記憶部306、時間を計時して制御部305からの指令に基づいて現在時間に基づく情報を制御部305に出力する計時部307、呼びの割り当てを行う呼び割当部308、エレベータホールなどに設けられて各種の情報を表示する情報出力部309などから構成されている。
記憶部306に記憶される情報には、制御部305によって実行されるプログラム、保守のために用いられる保守情報、及び建物を複数のセクターに分割するためのセクター分割情報などを含む。
また、情報出力部309に表示される表示情報は、例えば、かごの状況に関する情報であり、かごの到着の予告を示す到着予告情報、開いている扉が閉じるまでの時間を表す戸開待機時間情報、移動中のかごが現在位置している階を示す現在階情報、行先の停止予定階を示す行先階情報、かごが停止している階を示す停止階情報、扉が複数ある場合その複数の扉のうちいずれの扉が開いているかを示す戸開方向情報、故障に関する故障情報、及び保守のために用いられる保守情報などを含む。
図4は、各エレベータの乗り場制御装置105の内部構成を示すブロック図である。
乗り場制御装置105は、群管理制御装置104との通信を行う通信部401、各種の入力信号を元に制御を行う制御部402、記憶手段であって半導体メモリあるいは磁気ディスク装置などの記憶装置によって構成されて行先階呼びなどの情報が記憶されている記憶部403、時間を計時して制御部402からの指令に基づいて現在時間に基づく情報を制御部402に出力する計時部404、乗客が行先階を入力する行先階入力部405、乗り場に設けられて行先階などの情報を表示する情報出力部406などから構成されている。
記憶部403に記憶される情報には、制御部402によって実行されるプログラム、行先階入力部405によって入力された呼びの登録に関する情報、保守のために用いられる保守情報、及び建物を複数のセクターに分割するためのセクター分割情報などを含む。
また、行先階入力部405は、行先階入力手段であって、各階床に設けられ、具体的には、かごが停止する階の2台のエレベータの出入り口の間などに設置される。そして、例えばタッチパネルによって構成され、液晶ディスプレイなどの表示画面に情報を表示することができる表示部と、表示画面に表示された操作ボタンを利用者が触ることによって、触られた操作ボタンに対応する入力情報を入力することができる入力部とを有する。行先階入力部405の入力部、つまりタッチパネルに表示される操作ボタンは、少なくとも行先階を選択するための行先階選択釦を含み、好ましくは、各種設定をする設定画面を選択する画面を表示させるためのメニュー表示ボタン、及びメニューの中の項目を選択するためのメニュー選択ボタンを含む。
図5は、各エレベータの号機制御装置106の内部構成を示すブロック図である。
号機制御装置106は、かごの位置を検出するかご位置検出部501、かごの移動方向である行先方向を検出するかご方向検出部502、かごの移動速度を検出するかご速度検出部503、号機制御装置106が故障などで休止しているかどうかを検出する運転休止検出部504、かごが応答する呼びがなくなり乗り捨てられた状態を検出する空かご検出部505、群管理制御装置104との通信を行う通信部506、各種の入力信号を元に制御を行う制御部507、記憶手段であって半導体メモリあるいは磁気ディスク装置などの記憶装置によって構成されて行先階呼びなどの情報が記憶されている記憶部508、時間を計時して制御部507からの指令に基づいて現在時間に基づく情報を制御部に出力する計時部509、エレベータの駆動源であるモータを駆動する駆動部510、ブレーキを働かせることによってモータの回転を制動する制動部511、戸開の開始及び終了並びに戸閉の開始及び終了を制御する扉制御部512、かご内などに設けられて情報を表示する情報出力部513などから構成されている。
記憶部508は、制御部507によって実行されるプログラム、保守のために用いられる保守情報、建物を複数のセクターに分割するためのセクター分割情報、行先階入力部405によって入力された行先階を入力された時刻や出発階と関連付けて記憶したり、かご位置検出部501によるかご位置情報、扉制御部512による戸開閉情報、未応答や応答中などの応答状態、乗車や降車などの乗降状態、出発階が属するセクター、行先階が属するセクターなどに関する情報を記憶する。
また、情報出力部513は、例えば各種の情報を表示する案内表示手段によって実現される。案内表示手段が出力する情報として、移動中のかごが現在位置している階を示す現在階情報、行先の停止予定階を示す行先階情報、故障に関する故障情報、及び保守のために用いられる保守情報を含む。
ところで、現在、乗用エレベータで一般的なのは、乗り場に上昇及び下降用の呼び釦を設置して、上昇運転時には上昇呼び釦を押した乗客を乗り合いさせて輸送し、下降運転時には下降呼び釦を押した乗客を乗り合いさせて輸送する「セレコレ(セレクティブ・コレクティブ)」と呼ばれる運転操作方式である。
このセレコレ方式は、乗り合いする乗客数が多いほど乗客一人当たりに必要なサービス時間が短くなって効率的になるという特長がある。そして、高層ビルでは、サービス階10〜15階床を1ゾーンとして、ゾーン毎に呼び釦に応答する4〜8台のエレベータが設置されている。その理由は、多くの乗客が乗り合いして高層ビルをサービスすると、平均一周時間が長くなるので、平均待ち時間を短くするために多くのエレベータが必要になるためである。ところで、台数が多くなると、乗客は押し釦を押して待っている位置から、自分が乗るべきエレベータが到着した時に、そのエレベータに乗るために移動する距離が長くなる。その移動距離の制限から、一列に設置できるエレベータは4台が限界とされている。そのために、4台ずつ対面設置した8台が呼びに応答する1群のエレベータの台数の上限になっている。
また、押し釦を押すと、どのエレベータが応答するか予報するものもあり、応答予定のエレベータのところまで余裕を持って移動できるようになっている。しかし、エレベータが到着するのは、数10秒先であるため、その間にいくつかの呼びが新規に発生して、予報していたエレベータの到着が想定外に大幅に遅れる場合などに、応答かごの割り当ての変更が少なからず発生し、その時は、新しく予報され直したエレベータまで急いで移動し直す必要がある。このように、従来の群管理システムは、台数が多くなると、車椅子利用者・老人・身体の不自由な人達にとっては、利用が困難なものである。また、台数が多くなるとエレベータが対面設置となり、呼びに応答する台数が多い場合はエレベータ乗車時に廊下を横切ることになり、エレベータの待ち客ではない通行人と交錯して危険なので廊下に沿ってエレベータを設置することができないという問題がある。
そこで、出願人は、特許第4293629号公報及び特許第4849651号公報において、輸送能力を高めると共に、あるグループが故障あるいは保守点検のために休止した場合でも、その分担しているセクター内の目的階へエレベータを利用して行くことができるエレベータシステムを提供することを目的として、複数の階床間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されているタイプの異なる複数群のエレベータを制御するエレベータシステムであって、2台の号機制御装置は各運転フェーズからなる一連の運転を行う運転制御手段を備え、各群を制御する群管理制御装置は、サービスするセクターの各階床に設けられた乗客の行先階を入力する行先階入力手段と、行先階呼びの出発階床及び行先階床、並びにそれらの応答状態とを相互に関連して記憶する記憶手段と、各号機に対して所定の呼びを割り当てる割当手段と、変化する毎に変化後の運転フェーズの呼びに呼びの割り当てを切り替える割当切替手段とを備えるエレベータシステム(M方式)を開示している。
このエレベータシステムは、建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通と基準階以外の階間のエレベータの交通とを担当する群管理制御システムであって、前記各群は群管理制御装置と複数の階間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されており、建物の基準階以外のサービス階を分割しない場合は全ての呼びを分担させ、2セクターに分割する場合は全ての呼びを2分割して2群に分担させ、3セクターに分割する場合は全ての呼びを3分割して3群に分担させ、4セクターに分割する場合は全ての呼びを4分割して4群に分担させ、それぞれの群が分担する呼びに応答しながら運転する2台のエレベータを群管理制御するための群管理制御装置が設置されているタイプの異なる群のエレベータを制御するシステムであり、前記のそれぞれの群が分担する呼びには基準階への呼びが含まれている。
そして、特許第4849651号公報においてはM0、並びに特許第4293629号公報においてはM1+M2、M3+M4+M5、及びM6+M7+M8+M9の各M方式を開示している。
ここで、M0の方式では、表1に示すように、基準階(L)を除くサービス階を2セクター(セクター1,セクター2)に分割して、まず基準階またはセクター1→基準階またはセクター1、セクター2→セクター2の各呼びをM0の2台の各かごに分担させる。初期状態では一方のかごがセクター1にいる時に、他方のかごはセクター2におり、それぞれ基準階及びセクター1を分担するかご、セクター2を分担するかごとなる。この状態が通常状態となる。この通常状態中に、異なるセクターへの行先階呼び、即ち、出発階床が基準階又はセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼び、又は出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階又はセクター1内の階床である行先階呼びが発生した時点で、遷移準備状態へと移行する。この遷移準備状態中に、基準階及びセクター1を分担するかごが出発階床が基準階又はセクター1内の階床であって行先階床がセクター2内の階床である行先階呼びに応答するか、セクター2を分担するかごが出発階床がセクター2内の階床であって行先階床が基準階又はセクター1内の階床である行先階呼びに応答した時点で遷移状態へと移行する。そして、両方のかごが遷移可能状態になった時点で、それぞれ他のセクターへと移動し、今度は移動後のセクターを分担セクターとして、各かごは分担するセクター内の上昇運転と下降運転を繰り返す通常状態へと移行する
Figure 0005866048
M1+M2の方式では、表2に示すように、基準階(L)を除くサービス階を2セクター(セクター1,セクター2)に分割して、セクター1→セクター1、セクター2→セクター2、L→セクター1、セクター1→Lの各呼びをM1の2台の群に分担させ、セクター1→セクター2、セクター2→セクター1、L→セクター2、セクター2→Lの各呼びをM2の2台の群に分担させている。
Figure 0005866048
M3+M4+M5の方式では、表3に示すように、基準階(L)を除くサービス階を3セクター(セクター1,セクター2,セクター3)に分割して、セクター1→セクター1、セクター1→セクター2、セクター2→セクター1、L→セクター1、セクター1→Lの各呼びをM3の2台の群に分担させ、セクター2→セクター2、セクター2→セクター3、セクター3→セクター2、L→セクター2、セクター2→Lの各呼びをM4の2台の群に分担させ、セクター3→セクター3、セクター1→セクター3、セクター3→セクター1、L→セクター3とセクター3→Lの各呼びをM5の2台の群に分担させている。
Figure 0005866048
M6+M7+M8+M9の方式では、表4に示すように、基準階(L)を除くサービス階を4セクター(セクター1,セクター2,セクター3,セクター4)に分割して、セクター1→セクター1、セクター2→セクター2、セクター1→セクター2、セクター2→セクター1、L→セクター1,セクター1→Lの各呼びをM6の2台の群に分担させ、セクター3→セクター3、セクター4→セクター4、セクター3→セクター4,セクター4→セクター3、L→セクター3、セクター3→Lの各呼びをM7の2台の群に分担させ、セクター1→セクター3、セクター2→セクター3、セクター3→セクター1、セクター3→セクター2、L→セクター2、セクター2→Lの各呼びをM8の2台の群に分担させ、セクター1→セクター4、セクター2→セクター4、セクター4→セクター1、セクター4→セクター2、L→セクター4、セクター4→Lの各呼びをM9の2台の群に分担させている。
Figure 0005866048
このM方式では、各群が分担する呼びに応答するエレベータは呼び釦の左右の2台だけなので、呼び釦を押して2台の間で待っている乗客が各群の2台が廊下に沿って設置されても廊下を横切ることはなく、廊下の通行人と交錯することがなく安全である。
また、出願人は、特許第4293631号公報において、基準階以外の階間を移動する交通と、基準階と基準階を除くサービス階の間を移動する交通に2分するエレベータシステム(L+A方式)を開示している。より具体的には、本エレベータシステムは、建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当する群管理制御システム(Lシステム:ローカルシステム)及び建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当する群管理制御システム(Aシステム:アクセスシステム)から構成されている。
そして、前記各群は群管理制御装置と複数の階間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されており、前記建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当する前記群管理制御装置、並びに、前記建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当し、建物の基準階以外のサービス階を分割しない場合は、全ての呼びを分担し、2セクターに分割する場合は全ての呼びを2分割して2群に分担させ、3セクターに分割する場合は全ての呼びを3分割して3群に分担させ、4セクターに分割する場合は全ての呼びを4分割して4群に分担させ、それぞれの群が分担する基準階への呼びを含まない呼びに応答しながら運転する2台のエレベータを群管理制御するための群管理制御装置が設置されているタイプの異なる群のエレベータを制御するシステムであり、前記のそれぞれの群が分担する呼びには基準階への呼びが含まれていない。
本エレベータシステムについて、特許第4293631号公報においては、Aシステム、並びにL0、L1+L2、L3+L4+L5、及びL6+L7+L8+L9の各Lシステムを開示している。
ここで、L0の方式では、表5に示すように、基準階(L)を除くサービス階を2セクター(セクター1,セクター2)に分割して、まずセクター1→セクター1、セクター2→セクター2の各呼びをL0の2台の各かごに分担させ、通常状態となる。そして、この通常状態中に異なるセクターへの行先階呼びが発生した時点で、遷移準備状態へと移行し、この遷移準備状態中に異なるセクターへの行先階呼びに応答した時点でさらに遷移状態へと移行するという、ダイナミックな分散待機を行うものである。例えばセクター2を分担するかごが出発階床がセクター2内の階床であって行先階床がセクター1内の階床である行先階呼びに応答した場合は、分担するセクター内で降車する乗客がなくなり遷移可能状態となった時点、即ちセクター2からセクター1への乗客だけになった時点において、他方のかごが遷移可能状態だった場合は、それまでセクター2を分担していたかごはセクター1に移動してセクター1を分担するかごになる。同時に、それまでセクター1を分担していたかごはセクター2に移動してセクター2を分担するかごになって、各かごは分担するセクター内の上昇運転と下降運転を繰り返す通常状態に戻る。
Figure 0005866048
L1+L2の方式では、表6に示すように、基準階(L)を除くサービス階を2セクター(セクター1,セクター2)に分割して、セクター1→セクター1、セクター2→セクター2の各呼びをL1の2台の群に分担させ、セクター1→セクター2、セクター2→セクター1の各呼びをL2の2台の群に分担させている。
Figure 0005866048
L3+L4+L5の方式では、表7に示すように、基準階(L)を除くサービス階を3セクター(セクター1,セクター2,セクター3)に分割して、セクター1→セクター1、セクター1→セクター2、セクター2→セクター1の各呼びをL3の2台の群に分担させ、セクター2→セクター2、セクター2→セクター3、セクター3→セクター2の各呼びをL4の2台の群に分担させ、セクター3→セクター3、セクター1→セクター3、セクター3→セクター1の各呼びをL5の2台の群に分担させている。
Figure 0005866048
L6+L7+L8+L9の方式では、表8に示すように、基準階(L)を除くサービス階を4セクター(セクター1、セクター2、セクター3、セクター4)に分割して、セクター1→セクター1、セクター2→セクター2、セクター1→セクター2、セクター2→セクター1の各呼びをL6の2台の群に分担させ、セクター3→セクター3、セクター4→セクター4、セクター3→セクター4、セクター4→セクター3の各呼びをL7の2台の群に分担させ、セクター1→セクター3、セクター2→セクター3、セクター3→セクター1、セクター3→セクター2の各呼びをL8の2台の群に分担させ、セクター1→セクター4、セクター2→セクター4、セクター4→セクター1、セクター4→セクター2の各呼びをL9の2台の群に分担させている。
Figure 0005866048
L+A方式の場合も、各群が分担する呼びに応答するエレベータは呼び釦の左右の2台だけなので、呼び釦を押して2台の間で待っている乗客が各群の2台が廊下に沿って設置されても廊下を横切ることはなく、廊下の通行人と交錯することがなく安全である。
このエレベータシステムの特長としては、第1にエレベータシステムのトータルの電動機容量が従来のセレコレの群管理システムと同等になる。第2にRTTが従来の半分になるので、交通を輸送するために必要な消費電力量[kWh]が半減できる。第3にLシステムとAシステムが独立しており、必要な輸送能力をAシステムの群数だけを増加することで実現できる。第4に超高層ビルでも、スカイロビー方式よりもレンタブル比が向上でき、スカイロビー方式の問題点(乗り換えの不便さ、スカイロビーでの乗客が溢れる)を回避できる。第5に超高層ビルでも、乗り換えなしで避難階に直行できる。平均待ち時間が従来のセレコレの群管理システムよりも短くなる。第6に輸送能力が高いので、昼食時においても利便性が向上するなどがあげられる。
Aシステムにおいては、1〜4階床のセクター毎に、セクターと基準階の間を運転する2台のポストセレコレを等間隔制御する群管理システムが設置されている。ポストセレコレは、乗り場に行き先階登録釦を設置して、個々の乗客の行き先階を予め把握した上で、サービス階床を上方階床と下方階床の2層に分割して逆方向の乗客も乗り合いさせることで、平均一周時間(RTT)がセレコレと等しいとしても、セレコレと比較して、平均待ち時間を短縮し、乗客が乗り場に到着してから目的階で降車するまでの時間である平均サービス完了時間を短縮するものである。
次に、本発明におけるエレベータシステムの群管理制御装置104が有する機能について詳しく説明する。なお、本エレベータシステムは、複数の階間を就役する隣り合う2台のエレベータを1組として前記の1組ないし複数組のエレベータを群管理制御しているエレベータシステムである。
図6は、群管理制御装置104における処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS101)、エレベータの乗り場制御装置105から呼びの登録に関する情報を通信部304により受信する(ステップS102)。
次に、エレベータの号機制御装置106から、かご位置検出部501によるかご位置情報や扉制御部512による戸開閉情報などを通信部304により受信する(ステップS103)。
次に、エレベータの乗り場制御装置105から送られた呼びの登録に関する情報、及びエレベータの号機制御装置106から送られた情報により群管理制御装置104が乗り場制御装置105へ送る呼びの消去タイミングに関する情報に基づいて、呼び未応答時間を算出部301により算出する(ステップS104)。呼び未応答時間は、呼びが登録されてから該呼びが消去されるまでの時間である。
そして、ステップS104で算出された呼び未応答時間に基づいて各階の時間帯毎の平均待ち時間を推定部302により推定する(ステップS105)。なお、平均待ち時間は、呼び未応答時間の2乗の総和/2/呼び未応答時間の総和、の式で算出した値を推定値として用いる。
次に、ステップS104で算出された呼び未応答時間に基づいて各階の時間帯毎の長待ち率を推定部302により推定する(ステップS106)。なお、長待ち率は、呼び未応答時間(秒)>60の時はX=呼び未応答時間(秒)−60とし、呼び未応答時間(秒)≦60の時はX=0として、Xの総和/呼び未応答時間(秒)の総和×100、の式で算出した百分率の値を推定値として用いる。
次に、呼びの消去タイミングに関する情報及び呼びの登録に関する情報に基づいて呼び未発生時間を算出部301により算出する(ステップS107)。呼び未発生時間は乗客発生数が0の時間であるので、呼びが消去されてから新たな呼びが登録されるまでの時間である。
そして、ステップS107で算出された呼び未発生時間に基づいて各階の時間帯毎かつ出発階と行先階の組合せ毎の乗客の平均到着率を推定部302により推定する(ステップS108)。なお、平均到着率は、出発階がi階、行先階がj階の呼び未発生時間のサンプル平均の逆数を平均到着率λijの最尤推定値として用いる。
次に、号機制御装置106から送られた情報に基づいて各階の戸開時間及び戸閉時間の平均値と標準偏差を算出部301により算出する(ステップS109)。
続いて、同じく号機制御装置106から送られた情報に基づいて各階間の走行時間の平均値と標準偏差を算出部301により算出する(ステップS110)。
ステップS109及びステップS110における号機制御装置106から送られた情報は、より具体的には、扉制御部512による戸開開始・戸開終了・戸閉開始・戸閉開始・戸閉終了、かご速度検出部503によるかご加速開始・かご停止などの状態遷移情報やかご位置検出部501によるかご位置やかご方向検出部502によるかご方向に関する情報である。
そして、平均待ち時間及び長待ち率の推定値、乗客の平均到着率の推定値、輸送能力、戸開閉時間及び走行時間の平均値・標準偏差などの輸送性能やサービス性能に関する情報を保守情報として通信部304により管理サーバ101や遠隔保守装置103へ送信し(ステップS111)、終了となる(ステップS112)。
本実施例における保守情報としては、輸送性能情報とサービス性能情報の2種類がある。その内、サービス性能情報は、輸送性能の変化の原因を把握するために必要な情報である。
輸送性能情報として、群管理制御装置104は平均待ち時間と長待ち率の情報を管理サーバに送信する。より具体的には、各階の時間帯毎行先階毎の平均待ち時間と長待ち率、時間帯毎各階毎の平均待ち時間と長待ち率、及び建物全体の時間帯毎の平均待ち時間と長待ち率である。
本実施例において、平均待ち時間は、呼び未応答時間の2乗の総和/2/呼び未応答時間の総和、の式で算出した値を推定値として用いる。また、長待ち率は、呼び未応答時間(秒)>60の時はX=呼び未応答時間(秒)−60とし、呼び未応答時間(秒)≦60の時はX=0として、Xの総和/呼び未応答時間(秒)の総和×100、の式で算出した百分率の値を推定値として用いる。ここで、呼び未応答時間は、エレベータの乗り場制御装置105から送られた呼びの登録に関する情報、及びエレベータの号機制御装置106から送られた情報により群管理制御装置104が乗り場制御装置105へ送る呼びの消去タイミングに関する情報に基づいて算出する。
なお、平均待ち時間は平均運転間隔に比例するが、平均運転間隔は平均一周時間RTTをエレベータの稼働台数で割ったものである。エレベータ稼働台数はエレベータ台数に稼働率を乗じた値になるが、従来技術における点検では、稼働率に関する、休止していないかどうか、故障していないかどうかについては点検しているものの、エレベータによる輸送で実際にどの位の時間がかかっているかについてまでは点検できていない。
次に、サービス性能情報としては、各号機制御装置106から群管理制御装置104に送られてくる状態遷移(戸開開始、戸開終了、戸閉開始、戸閉開始、戸閉終了、加速開始、停止)情報やかご位置や方向に関する情報に基づいて、戸開時間、戸閉時間、走行時間などを算出した上で、各階の戸開時間及び戸閉時間の平均値と標準偏差並びに各階間の走行時間の平均値と標準偏差を算出して管理サーバ101や遠隔保守装置103に送信する。
待ち行列理論に従うと、乗客の平均待ち時間は、ρ/(1−ρ)に比例する。ここで、ρはトラフィック密度と呼ばれる輸送能力に対する交通量の割合を示す数値である。そして、トラフィック密度は、ρ=λ/μで表される。λは乗客の平均到着率(単位時間当たりに到着するエレベータ乗客の平均人数)であり、μは平均サービス率(単位時間当たりにエレベータで輸送できる平均人数)である。その平衡条件はλ<μであり、これを満たさないと乗り場の待ち客数は時間と共に増加して、待ち客が乗り場に溢れることになる。そのために、平常時以上の交通量の時は、一人当たりのサービス時間を短くして、μ>λを満たさざるを得なくなる。
また、エレベータが到着した時点で既に待っている乗客全ての待ち時間の平均が、乗客の平均待ち時間となる。 ρ/(1−ρ)の式によれば、ρの値が0から1に近づくに従って平均待ち時間が長くなり、しかもρが1により近づけば近づくほど平均待ち時間は急激に上昇する。そのため、ρの値が所定の上限値以上にならないように調整することで、平均待ち時間を所定の時間以下に抑えることができる。ρの値を低下させるには、λを小さくするか、μを大きくすることになる。なお、μはエレベータの輸送能力に相当し、λは乗客の平均到着率でありエレベータの交通量に相当する。
上記のように、トラフィック密度ρが1に近づくにつれて平均待ち時間は長くなるが、特に、トラフィック密度ρが0.8位から急に長くなってくるので、通常、システムを作成する時は、トラフィック密度が0.8以下になるように設計することにより、平均待ち時間が長くならないシステムを設計することができる。
ところで、エレベータの輸送性能は、交通量と輸送能力によって決定される。交通量は、各階の時間帯毎かつ出発階と行先階の組合せ毎の乗客の平均到着率に相当し、本実施例では、呼び未発生時間から推定値を得る。そして、呼び未発生時間を呼びの消去タイミングに関する情報及び呼びの登録に関する情報に基づいて算出して、出発階がi階、行先階がj階の呼び未発生時間のサンプル平均の逆数を平均到着率λijの最尤推定値として用いる。
単位時間当たりにエレベータで輸送できる平均人数である平均サービス率μは、r/RTTで表すことができる。ここで、rは平均乗車人数を意味する。RTTは平均一周時間を意味し、着目している階から着目している方向で出発してから一周して再び着目している階から着目している方向に出発するまでの時間のことである。そして、rがエレベータの定員の時にr/RTT即ちμは最大となり、それが輸送能力に相当する。
本実施例において輸送性能を改善する対策を確実に実施するためには、上述したエレベータシステム(M方式)やエレベータシステム(L+A方式)のように、建物内の交通を予め分割して、分割された全ての交通のそれぞれを分担する群管理システムを組み合わせて構成されるエレベータシステムが適用されていることが望ましい。
その理由は、エレベータの交通量と輸送能力によって決定される輸送性能を改善するために、交通量を減らさなければならない場合が出てくるからである。保守対象のエレベータが前記の群管理システムを組み合わせて構成されるエレベータシステムであれば、問題になっている群の乗客を他の群を利用して迂回させることによって目的階へ移動できるようにするなどの対策をとることにより、問題になっている群の交通量を減らすことができる。
また、サービス性能を上げるためにはエレベータを高速化しなければならない場合が出て来るが、前記の群管理システムを組み合わせて構成されるエレベータシステムの場合はカウンターウエイトの調整などによる高速化対策を立てやすいので、その意味からも保守対象のエレベータに該エレベータシステムが適用されていることが望ましい。
また、輸送能力はRTTに反比例するが、そのRTTを決定しているのは戸の開閉時間、走行時間、及び乗車人数である。そして、乗車人数は交通量に比例し、交通量は建物内の居住人口に比例する。建物内の居住人口が増加すると、乗車人数が増加してRTTが増加し、平均運転間隔が長くなり、平均待ち時間が長くなるという傾向にある。
エレベータの設置後、時間の経過によって機器が劣化して来たり、潤滑が悪くなり摩擦が増加したりして、エレベータの走行時間や戸の開閉時間が長くなる。その結果、RTTが長くなり、平均運転間隔が長くなり、平均待ち時間が悪化することになる。通常は建物の完成後、時間の経過と共に一般的に居住人口が増える傾向にあること、及びサービス性能が悪化する傾向にあることから、それに伴って輸送性能が悪化する傾向にある。
本実施例では、エレベータの輸送性能を維持・向上させることを目的としているので、輸送性能の悪化原因を適確に把握しなければならない。そのため、呼び未発生時間に基づいて平均到着率に関する情報、呼び未応答時間に基づいて平均待ち時間及び長待ち率に関する情報を取得する。特に、平均待ち時間などは年々悪化して行く傾向にあるが、その悪化原因がどこにあるのかも把握できるようになる。
こうして原因を効果的に追求することによって、エレベータの輸送性能を向上するための対策を具体的に策定できるようになり、建物の所有者に対して、各テナントの入居階について交通量が偏って過大になるのを未然に防止するための助言や、交通量に偏りが生じた場合に、輸送性能向上のため、複合群管理における各群が分担する交通の調整を行うための助言を適切に行うことができるのである。
本実施例においては、群管理制御装置104が号機制御装置106の2台及び乗り場制御装置105の1台に対応して1台が設置されている。そして、群管理制御装置104が本来の群管理制御機能に加えて遠隔保守管理のための遠隔保守情報収集とサービス技術者派遣が必要な各かごの閉じ込めや休止の検出(遠隔監視)やセンターのオペレータが乗客の安全を確認するため、センターからの指令に基づく各かご内とのビデオ通話の切り替えなどを行う。
次に、本発明における管理サーバ101が有する機能について詳しく説明する。
図7は、管理サーバ101における処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS201)、各階の時間帯毎の平均待ち時間の推定値を通信部206により群管理制御装置104から受信してエレベータ情報管理部204に記憶保存する(ステップS202)。
次に、各階の時間帯毎の長待ち率の推定値を通信部206により群管理制御装置104から受信してエレベータ情報管理部204に記憶保存する(ステップS203)。
次に、各階の時間帯毎かつ出発階と行先階の組合せ毎の乗客の平均到着率の推定値を通信部206により群管理制御装置104から受信してエレベータ情報管理部204に記憶保存する(ステップS204)。
次に、各階の戸開時間及び戸閉時間の平均値と標準偏差を通信部206により群管理制御装置104から受信してエレベータ情報管理部204に記憶保存する(ステップS205)。
次に、各階間の走行時間の平均値と標準偏差を通信部206により群管理制御装置104から受信してエレベータ情報管理部204に記憶保存する(ステップS206)。
最後に、エレベータ情報管理部204に記憶保存した各種の保守情報を通信部206により遠隔保守装置103へ送信し(ステップS207)、終了となる(ステップS208)。
次に、本発明における号機制御装置106が有する機能について詳しく説明する。
図8は、号機制御装置106における処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS301)、運転休止検出部504により異常事態などの発生によってエレベータが稼働せずにかごが非常停止しているかどうかを制御部507で判断する(ステップS302)。
もし、かご非常停止している場合は、判断結果は「YES」となり、かごの休止情報を通信部506により群管理制御装置104へ送信し(ステップS303)、ステップS302に戻る。
一方、かごが非常停止していない場合は、判断結果は「NO」となり、ステップS304へ進む。
次に、扉制御部512によるかごの戸の開閉があるかどうかを制御部507で判断する(ステップS304)。
もし、戸の開閉がなかった場合は、判断結果は「NO」となり、ステップS306へ進む。
一方、戸の開閉があった場合は、判断結果は「YES」となり、戸開又は戸閉の開始又は終了の情報を通信部506により群管理制御装置104へ送信する(ステップS305)。
次に、かご速度検出部503によりかごが移動しているかどうかを制御部507で判断する(ステップS306)。
もし、かごが移動していない場合は、判断結果は「NO」となり、かごの停止情報を通信部506により群管理制御装置104へ送信し(ステップS307)、ステップS310へ進む。
一方、かごが移動している場合は、判断結果は「YES」となり、かご速度検出部503によりかごの加速開始情報を通信部506により群管理制御装置104へ送信する(ステップS308)。
続いて、かご方向検出部502によるかごの方向情報を通信部506により群管理制御装置104へ送信する(ステップS309)。
次に、かご位置検出部501によるかごの位置情報を通信部506により群管理制御装置104へ送信し(ステップS310)、ステップS302に戻る。
次に、本発明における乗り場制御装置105が有する機能について詳しく説明する。
図9は、乗り場制御装置105における処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS401)、行先階入力部405による呼びの登録があるかどうかを制御部402で判断する(ステップS402)。なお、呼びの登録は、隣り合う2台のエレベータの乗り場に設置された行先階を登録する行先階登録釦などの行先階入力部405によって行われる。
もし、呼びの登録がなかった場合は、判断結果は「NO」となり、ステップS404へ進む。
一方、呼びの登録があった場合は、判断結果は「YES」となり、呼びの登録情報を通信部401により群管理制御装置104へ送信する(ステップS403)。
次に、呼びの消去指示を群管理制御装置104から通信部401により受信したかどうかを制御部402で判断する(ステップS404)。
もし、呼びの消去指示を群管理制御装置104から通信部401により受信していなかった場合は、判断結果は「NO」となり、ステップS402に戻る。
一方、呼びの消去指示を群管理制御装置104から通信部401により受信していた場合は、判断結果は「YES」となり、記憶部403に記憶されていた行先階入力部405によって入力された呼びの登録に関する情報を制御部402により消去し(ステップS405)、ステップS402に戻る。
次に、建物内の交通を予め分割して、分割された全ての交通のそれぞれを分担する群管理システムを組み合わせて構成されるエレベータシステムが適用されている場合の輸送性能を向上させるための対策について、エレベータシステム(L+A方式)の場合を例に詳しく説明する。
エレベータシステム(L+A方式)において、輸送性能を向上させるための対策が必要になるのは交通量が多い建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当するAシステムである。Aシステムの輸送性能が悪化した場合、まず対象となるエレベータのカウンターウエイトの重量が可変である時は、カウンターウエイトの重量を変えることによりアンバランス負荷を0に調整できるので、高速化によって輸送能力を向上させることができる。
次に、エレベータのカウンターウエイトの重量が可変ではなく固定である場合は、問題となっている群の交通を一部迂回して移動させることによって、輸送性能が悪化しているセクタを分担している群の輸送能力を向上させて、輸送性能を改善することができる。
例えば、11階建の建物において、基準階が1階、セクタ1が2階〜6階、セクタ2が7階〜11階に分割されており、建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当するL1及びL2のLシステム並びに基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当するAシステムからなるL+A方式のエレベータシステムが適用されていたとする。
そして、該エレベータシステムで基準階から2階〜6階への交通の輸送性能が悪いが、基準階から7階〜11階への交通及びセクタ2からセクタ1への交通の輸送性能は問題ないというような場合、出発階が1階で行先階が6階の乗客については、Aタイプのエレベータを利用して1階から7階に一旦移動してもらい、7階でL2タイプのエレベータに乗り換えて7階から本来の行先階である6階へと移動してもらうようにする対策の策定などが可能となる。
このように、行先階の上方の階で交通量が少ない階に一旦移動してもらい、次に、その階からLシステムを利用して下方にある当初の行先階に移動してもらうことにより、問題となっている部分の交通量を調整することが可能となり、RTTを短縮して輸送能力を向上させることができる。乗客の内の一部だけに移動してもらえば輸送性能は良くなるので、その一部の人を特定して手順も明確にした適切な運用計画立案をすることができる。
なお、建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当するLシステムにおいても、設置後の時間の経過による走行性能劣化などにより一時的に輸送能力不足になった場合は、同様に一部の乗客に迂回移動してもらって、分担する交通量を低減することにより、輸送性能を改善することができる。
輸送性能についてクレームがつく状況、即ち平均待ち時間が35秒以上のケースが発生した場合、交通量を減少させる、若しくは輸送能力を増加させることによって、トラフィック密度(=交通量/輸送能力)が低減され、輸送性能は大きく改善する。このように一部の交通が迂回することで、群が分担する交通量が減少すると共に、停止回数が減少するためにRTTが短くなり、輸送能力が増加する。これによって、トラフィック密度がクリティカルポイント(トラフィック密度=1)から離れることにより、平均待ち時間が大幅に改善する。
次に、エレベータシステム(M方式)の場合について説明する。
例えば、16階建の建物において、基準階が1階、セクタ1が2階〜6階、セクタ2が7階〜11階、セクタ3が12階〜16階に分割されており、建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通と基準階以外の階間のエレベータの交通とを担当するM3+M4+M5のM方式のエレベータシステムが適用されていたとする。
そして、該エレベータシステムで基準階からセクタ2への交通の輸送性能が悪いが、基準階からセクタ3への交通及びセクタ3からセクタ2への交通の輸送性能は問題ないというような場合、出発階が1階で行先階がセクタ2内の11階の乗客については、M5タイプのエレベータを利用してセクタ3内の12階に一旦移動してもらい、12階でM4タイプのエレベータに乗り換えて12階から本来の行先階である11階へと迂回して移動してもらうようにする対策の策定などが可能となる。これによって、基準階からセクタ2への一部の交通量を減らすことにより、基準階からセクタ2への交通の輸送性能を向上させることが可能となる。
なお、本発明の目的は、上記の実施例1の機能を実現するソフトウェアのプログラムをシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータが記憶媒体に記録されたソフトウェアのプログラムを読出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、当該プログラムやそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
ソフトウェアのプログラムを記録するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、USBメモリ、SDメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ブルーレイディスク、DVD、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、システム又は装置のコンピュータに挿入された機能拡張用のボードやコンピュータに接続された機能拡張用のユニットに備えられたメモリに書き込まれた後、当該プログラムの指示に基づき、その機能拡張用のボードやユニットに備えられたCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって上記の機能が実現される場合も含まれる。
本実施例における効果について、説明する。
第1に、平均待ち時間や長待ち率などのエレベータの輸送性能の維持や向上のために活用することができる情報を、遠隔から取得することができる。
第2に、呼び未応答時間だけに基づいて各階の時間帯毎のエレベータの平均待ち時間や長待ち率を推定することができる。
第3に、呼び未発生時間だけに基づいて各階の時間帯毎かつ出発階と行先階の組合せ毎のエレベータの乗客の平均到着率を推定することができる。
第4に、エレベータの輸送性能が悪い時に限らず、定期的に輸送性能に関する情報と、階毎の戸開時間及び戸閉時間の平均と標準偏差や、階間の走行時間の平均と標準偏差などのサービス性能に関する情報を取得して、遠隔にいてもコンサルタントなどがエレベータの定期診断と適切な運用計画立案をすることができる。
第5に、従来の遠隔システムは、エレベータが故障して休止することによって輸送性能が急激に悪化するのを防ぐ消極的メンテナンスを目的とするものであったが、本実施例の遠隔保守システムによれば、エレベータが時間の経過と共に機器が劣化したりして徐々に輸送性能が悪化してくるのを防いで輸送性能を維持したり、エレベータの運用の改善などにより輸送性能を向上させたりする積極的メンテナンスを実現することができる。
第6に、エレベータの平均待ち時間が長い交通が発生した場合は、問題となっている交通に関して、その内の一部の交通を平均待ち時間が短い交通を利用して迂回して乗客を当初の目的階へ移動させるようにすることで、問題となっている群の交通量が減少すると共に、エレベータの停止回数が減少するためにRTTが短くなり、輸送能力を増加させることができる。
101 管理サーバ
102 通信ネットワーク
103 遠隔保守装置
104 群管理制御装置
105 乗り場制御装置
106 号機制御装置
201 顧客情報管理部
202 施設情報管理部
203 群情報管理部
204 エレベータ情報管理部
205、309、406、513 情報出力部
206、304、401、506 通信部
301 算出部
302 推定部
303、504 運転休止検出部
305、402、507 制御部
306、403、508 記憶部
307、404、509 計時部
308 呼び割当部
405 行先階入力部
501 かご位置検出部
502 かご方向検出部
503 かご速度検出部
505 空かご検出部
510 駆動部
511 制動部
512 扉制御部


Claims (8)

  1. 遠隔保守装置が通信ネットワークを介して複数の階間を就役する隣り合う2台のエレベータを1組として前記の1組ないし複数組のエレベータを群管理制御しているエレベータシステムと接続されて遠隔から保守を行うエレベータ遠隔保守システムであって、
    前記エレベータシステムの群管理制御装置は、
    前記エレベータの乗り場制御装置から送られた呼びの登録に関する情報、及び前記エレベータの号機制御装置から送られた情報により前記群管理制御装置が前記乗り場制御装置へ送る呼びの消去タイミングに関する情報に基づいて呼び未応答時間を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段によって算出された呼び未応答時間に基づいて各階の時間帯毎の平均待ち時間及び長待ち率を推定する第1の推定手段と、
    前記第1の推定手段によって推定したデータを前記遠隔保守装置へ送信する第1の送信手段とを備え、
    前記平均待ち時間は、呼び未応答時間の2乗の総和/2/呼び未応答時間の総和、の式で算出した値を推定値として用いることを特徴とするエレベータ遠隔保守システム。
  2. 前記長待ち率は、
    呼び未応答時間(秒)>60の時はX=呼び未応答時間(秒)−60とし、呼び未応答時間(秒)≦60の時はX=0として、Xの総和/呼び未応答時間(秒)の総和×100、の式で算出した百分率の値を推定値として用いることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ遠隔保守システム。
  3. 前記エレベータシステムの群管理制御装置は、
    前記呼びの消去タイミングに関する情報及び前記呼びの登録に関する情報に基づいて呼び未発生時間を算出する第2の算出手段と、
    前記第2の算出手段によって算出された呼び未発生時間に基づいて各階の時間帯毎かつ出発階と行先階の組合せ毎の乗客の平均到着率を推定する第2の推定手段と、
    前記第2の推定手段によって推定したデータを前記遠隔保守装置へ送信する第2の送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ遠隔保守システム。
  4. 前記平均到着率は、
    出発階がi階、行先階がj階の呼び未発生時間のサンプル平均の逆数を平均到着率λijの最尤推定値として用いることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ遠隔保守システム。
  5. 前記エレベータシステムの群管理制御装置は、
    前記号機制御装置から送られた情報に基づいて各階の戸開時間及び戸閉時間の平均値と標準偏差、並びに各階間の走行時間の平均値と標準偏差を算出する第3の算出手段と、
    前記第3の算出手段によって算出したデータを前記遠隔保守装置へ送信する第3の送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエレベータ遠隔保守システム。
  6. 前記呼びの登録は、前記隣り合う2台のエレベータの乗り場に設置された行先階を登録する行先階登録釦によって行われることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエレベータ遠隔保守システム。
  7. 前記エレベータシステムは、建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当する群管理制御システム及び前記建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当する群管理制御システムであって、
    前記各群は群管理制御装置と複数の階間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されており、
    前記建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通を担当する前記群管理制御装置、並びに、前記建物の基準階以外の階間のエレベータの交通を担当し、前記建物の基準階以外のサービス階を分割しない場合は、全ての呼びを分担し、2セクターに分割する場合は全ての呼びを2分割して2群に分担させ、3セクターに分割する場合は全ての呼びを3分割して3群に分担させ、4セクターに分割する場合は全ての呼びを4分割して4群に分担させ、それぞれの群が分担する基準階への呼びを含まない呼びに応答しながら運転する2台のエレベータを群管理制御するための群管理制御装置が設置されているタイプの異なる群のエレベータを制御するシステムであり、
    前記のそれぞれの群が分担する呼びには基準階への呼びが含まれていないことを特徴とする請求項6に記載のエレベータ遠隔保守システム。
  8. 前記エレベータシステムは、建物の基準階と基準階以外の階との間のエレベータの交通と基準階以外の階間のエレベータの交通とを担当する群管理制御システムであって、
    前記各群は群管理制御装置と複数の階間を就役するそれぞれに号機制御装置が設置されている2台の号機のエレベータで構成されており、
    前記建物の基準階以外のサービス階を分割しない場合は全ての呼びを分担させ、2セクターに分割する場合は全ての呼びを2分割して2群に分担させ、3セクターに分割する場合は全ての呼びを3分割して3群に分担させ、4セクターに分割する場合は全ての呼びを4分割して4群に分担させ、それぞれの群が分担する呼びに応答しながら運転する2台のエレベータを群管理制御するための群管理制御装置が設置されているタイプの異なる群のエレベータを制御するシステムであり、
    前記のそれぞれの群が分担する呼びには基準階への呼びが含まれていることを特徴とする請求項6に記載のエレベータ遠隔保守システム。



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