JP2010057114A - 欠陥検出補正装置及び欠陥検出補正方法 - Google Patents

欠陥検出補正装置及び欠陥検出補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用環境等で変化する画素欠陥を高い精度で検出及び補正することを可能にした欠陥検出補正装置を提供できるようにする。
【解決手段】撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出手段と、前記所定の画素がOB部、あるいは、Null部であるか否かを判別する画素種判別手段と、前記画素種判別手段の判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定手段と、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正手段とを設け、画素種に応じて設定された欠陥検出閾値で画素欠陥を行うことができるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は欠陥検出補正装置及び欠陥検出補正方法に関し、特に、撮像素子の欠陥画素の検出及び補正を高精度に行うために用いて好適な技術に関する。
撮像装置に用いるCCDやCMOSなどの固体撮像素子において、使用環境(周囲温度・露出等)で大きく変動する暗電流や、画素構造に起因するノイズの影響で、画素欠陥が発生することが知られている。その現象がオプティカルブラック画素部(OB部)やダミー画素部(Null部)で発生した場合、それぞれのクランプ動作に影響し、水平あるいは垂直方向の筋として画像に現れてしまう。そのため、高品位の画像を得るためには、使用環境や画素構造に応じた欠陥検出を高精度で行い、それを補正する必要がある。ここで、OB部とは、フォトダイオードなどの光電変換素子と、光電変換素子で生成された信号を出力するための層を有しているが、その表面がアルミニウム等によって光学的に遮光されている第1の画素が配置された領域である。Null部とは、光電変換素子を含まない構成か、もしくは、光電変換素子を有していても、その光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素が配置された領域である。
欠陥の検出方法としては、特許文献1に開示されている方法が知られている。この方法では、使用環境で変化する欠陥に対応するために、各画素において欠陥と判別する閾値を撮影モード、シャッタースピード、感度などの撮影条件によって設定している。
また、他の欠陥の検出方法としては、特許文献2に開示されている方法も知られている。この方法では、有効画素部用とOB部用の2つの検出部をもち、それぞれの検出部で検出閾値を別々に設定している。そして、検出した欠陥レベルの結果で、警告を出す温度と露出時間を算出している。
特開2004−222143号公報 特開2001−268448号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、周囲温度の変化による暗電流の増加に対応できない。つまり、使用環境で変化する欠陥レベルに対応した検出閾値を、適切に設定することができない。そのために、高精度で欠陥検出を行うことができず、誤補正が発生し、水平あるいは垂直方向の筋として画像に現れてしまう問題がある。
また、この方法の前提として、使用環境の変化に対してOB部と有効画素部の振る舞いが同様である必要がある。一般に、OB部とNull部と有効画素部は物理的な画素構造の違いがある。そのため、欠陥レベルの温度依存性は必ずしも一致しない。このことからも、使用環境の変化の際に欠陥検出を高精度に行うことができずに誤補正をしてしまうという問題がある。
また、特許文献2に開示されている手法では、設定した閾値を用い素子の合否判定を欠陥レベルのピーク値で行っている。そのため、ひとつでもレベルの大きい画素欠陥があった場合は不合格となってしまう問題がある。
つまり、良好な撮像素子もOB部のひとつの欠陥で不合格になってしまうという問題がある。また、Null部に関しては別の閾値を持たないため、画素構造の違いによる誤補正が発生してしまう問題もある。
本発明は前述の問題点に鑑み、使用環境に従って変化する撮像素子の画素欠陥を高い精度で検出及び補正できるようにすることを目的としている。
本発明の欠陥検出補正装置は、使用環境で変化する暗電流や画素構造に起因するノイズの影響により撮像素子に発生する欠陥画素を検出して補正を行う欠陥検出補正装置であって、前記撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出手段と、前記所定の画素が、光電変換素子と該光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えており表面が光学的に遮光されている第1の画素、あるいは、光電変換素子か光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素に該当するか否かを判別する画素種判別手段と、前記画素種判別手段の判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定手段と、前記所定の画素の欠陥レベルと、前記画素種に応じて設定された欠陥検出閾値とを比較し、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正手段とを有することを特徴とする。
本発明の欠陥検出補正方法は、使用環境で変化する暗電流や画素構造に起因するノイズの影響により撮像素子に発生する欠陥画素を検出して補正を行う欠陥検出補正方法であって、前記撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出工程と、前記所定の画素が、光電変換素子と該光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えており表面が光学的に遮光されている第1の画素、あるいは、光電変換素子か光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素に該当するか否かを判別する画素種判別工程と、前記画素種判別工程における判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定工程と、前記所定の画素の欠陥レベルと、前記画素種に応じて設定された欠陥検出閾値とを比較し、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正工程とを有することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、使用環境で変化する暗電流や画素構造に起因するノイズの影響により撮像素子に発生する欠陥画素を検出して補正を行う欠陥検出補正方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出工程と、前記所定の画素が、光電変換素子と該光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えており表面が光学的に遮光されている第1の画素、あるいは、光電変換素子か光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素に該当するか否かを判別する画素種判別工程と、前記画素種判別工程における判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定工程と、前記所定の画素の欠陥レベルと、前記画素種に応じて設定された欠陥検出閾値とを比較し、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、画素種に応じて設定された欠陥検出閾値で画素欠陥を行うことができるようにしたので、使用環境等で変化する画素欠陥を高い精度で検出及び補正することを可能にした欠陥検出補正装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係わる固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態においては、固体撮像装置としてデジタルスチルカメラを例に説明する。
まず、図1の各部の機能について説明する。図1において、10は固体撮像装置であり、本実施形態では固体撮像装置10としてデジタルスチルカメラを示している。
固体撮像装置10の内部の機能を記述すると、11は被写体からの光を固体撮像素子12へ集光するレンズ、12は光を電気信号に変換する固体撮像素子である。この固体撮像素子12は、OB部、Null部、および、有効画素部を備えている。OB部は、フォトダイオードなどの光電変換素子と、光電変換素子で生成された信号を出力するための層を有しているが、その表面がアルミニウム等によって光学的に遮光されている第1の画素が配置された領域である。Null部は、そもそも光電変換素子を含まない構成か、もしくは、光電変換素子を有していても、その光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素が配置された領域である。有効画素部は、光電変換素子も、光電変換素子で生成された信号を出力するための層も備えており、光電変換素子に入射した光量に応じた信号を出力する画素で構成された領域である。13は固体撮像素子12から入力されるアナログ映像信号をデジタル画像信号へ変換する画像処理回路である。
14は固体撮像素子12を駆動させるパルスを生成するTG(タイミングジェネレーター)である。15は画像処理回路13から入力されるデジタル映像信号をOB部とNull部の信号値を用いて有効画素部の信号値を補正する画像補正処理回路である。画像補正処理回路15は、欠陥検出と欠陥補正を行う欠陥検出補正部15aと、外部から設定される設定値、画像データ等を記憶する第1の記憶部15bを有する。
16aは撮影データ、調整データ、画像データ、補正用データ、欠陥検出閾値設定用データ等を記憶する第2の記憶部であり、本実施形態ではRAMで構成している。16bは調整データ、欠陥検出閾値設定用データ等を記憶する第3の記憶部であり、本実施形態ではROMにより構成している。17はデジタルスチルカメラから取り外し可能な撮像画像記録媒体、ここではコンパクトフラッシュ(登録商標)カードで、記憶部に一時的に記録された画像データが最終的に記録される。
18は固体撮像装置10の全機能を制御する制御部であり、本実施形態においてはCPUを用いて構成している。19は固体撮像素子12の周辺の温度検出を行うサーミスタである。20は固体撮像素子12の露光時間を制御するメカニカルシャッターである。
次に、本実施形態の撮像装置における欠陥検出補正処理の動作の流れを図3のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、静止画撮影において、OB部とNull部の欠陥検出補正の場合を例に挙げて説明する。なお、連続して複数枚の画像を取得する場合、OB部とNull部以外の欠陥検出補正の場合においても好適であり、同様な構成で同様な効果が得られる。
まず、ステップS101で撮影を開始すると、ステップS102において、制御部18が固体撮像素子12及び画像処理回路13及びTG14に設定された撮影時の撮影条件を取得する。ステップS102で取得する撮影条件の中には、撮影モード、シャッタースピード、感度等の設定条件が含まれる。
続いて、ステップS103に進み、制御部18の制御によりサーミスタ19から固体撮像素子12の周囲温度を取得する。サーミスタ19の位置は、固体撮像素子12の画素部により近いほうが好ましい。そして、制御部18がステップS102及びステップS103で取得した情報をもとに、OB部用とNull部用の欠陥検出閾値を画像補正処理回路15に設定する(ステップS104)。具体的には、第2の記憶部16aあるいは第3の記憶部16bにはOB部とNull部の両画素において、撮影条件と素子温度のそれぞれに対して欠陥検出閾値を事前に記憶させておく。
図5は、第3の記憶部16bに記憶されている欠陥検出閾値を説明するための図である。図5では、感度がA0の時の欠陥検出閾値Bを、横方向にシャッター速度Tvを、縦方向に前記サーミスタ温度Tthをとった場合の表で示してある。シャッター速度Tvとサーミスタ温度Tthの変化に対しても閾値を持たせ、階段状に欠陥検出閾値を設定することができる。
図5では、図示の都合上、縦3個×横3個で合計9個所の欠陥検出閾値を示しているが、撮像素子の特性に合わせて撮影条件や素子温度ごとに記憶する欠陥検出閾値の個数を増減させてもよい。そして、制御部18は記憶されている欠陥検出閾値の中から、ステップS102及びステップS103で取得した撮影条件や素子温度等に対応した値を、第2の記憶部16aあるいは第3の記憶部16bから読み出す。そして、画像補正処理回路15内の第1の記憶部15bに記憶させる(ステップS104)。
一方、画像処理回路13は、固体撮像素子12から入力されるアナログ信号を逐次デジタル信号に変換して画像補正処理回路15へ出力する(ステップS105)。制御部18は、撮影に使用するOB部、Null部、有効画素部等のアドレス範囲(図2)、信号レベルの補正を行う対象となる画素のアドレス範囲、補正に使用する指標値を算出する対象となる画素のアドレス範囲等を記憶する。本実施形態においては、画像補正処理回路15内の第1の記憶部15bに、撮影が開始される前までに設定を行う。ここでは、第1の記憶部15bへの設定は制御部18が行うとしたが、工場等の調整工程で設定してもよい。
画像補正処理回路15は、前述したアドレス範囲をもとにして、欠陥レベルを検出しようとしている注目画素が検出範囲内の検出対象画素かどうか画素種判別する(ステップS106)。ステップS106の判別結果、注目画素が欠陥レベル検出対象範囲内の画素と判別された場合にはステップS107に進む。ステップS107においては、画像処理回路13より入力された注目画素の画像信号レベルとその周辺画素の信号レベルを用いて、画像補正処理回路15内の欠陥検出補正部15aにおいて欠陥レベル算出を行う。
具体的な算出方法は、以下に説明する方法により行うことができる。
図4に示すように、欠陥レベルを算出しようとしている画素の信号レベルをPnとする。そして、その画素の水平方向直前同色2画素の信号レベルをそれぞれPn-2、Pn-1、直後同色2画素の信号レベルをPn+1、Pn+2とし、Pn-2、Pn-1、Pn+1、Pn+2の信号レベルの平均値をPaveとする。Pn-2、Pn-1、Pn+1、Pn+2の中でPaveにもっとも値が近い信号レベルを指標値Pcとする。そして、欠陥レベルKは前記のPnとPcの差分、「K=Pn-Pc」で求められる。
ここでは、水平方向の4つの同色隣接画素を用いてその注目画素が欠陥画素であるか否かを判定する場合について説明した。なお、これに限定されず、水平方向の2つ以上の複数画素を用いてもよく、あるいは、垂直方向の2つ以上の複数画素を用いてもよく、あるいは水平方向及び垂直方向の2つ以上の複数画素を用いてもよい。
そして、ステップS107で欠陥レベルKを算出した画素が、OB部であるかNull部であるか、すなわち画素の種類を、第1の記憶部15bに記憶されているアドレス範囲に基いて判別する(ステップS108)。
ステップS108の判別の結果、OB部であった場合にはステップS109に進む。一方、ステップS108の判別の結果、OB部でない場合にはステップS110に進む。ステップS109においては、OB部用の欠陥閾値をレベル設定する。また、ステップS110においては、Null部用の欠陥閾値をレベル設定する。
次に、ステップS111に進み、欠陥検出補正部15aは、ステップS109あるいはステップS110で設定された欠陥検出閾値と、ステップS107で算出された欠陥レベルKとを比較して、欠陥レベルKの値が前記閾値を上回っているかどうかを判定する。この判定の結果、当該画素が欠陥レベルKを上回っている場合に欠陥画素であると判定する。ここでは、第1の記憶部15bに記憶されている欠陥検出閾値を使用することを示したが、画像補正処理回路15が第2の記憶部16a、あるいは第3の記憶部16bに記憶されている欠陥検出閾値を取得し欠陥画素かどうかの判定に使用してもよい。
次に、ステップS112に進み、欠陥検出補正部15aは、欠陥画素と判定された画素に対して、その画素信号の値をステップS107で算出した指標値Pcで置換する。この画素レベルの置換を行うことで、欠陥画素の信号レベルを補正することができる。
次に、ステップS113において、欠陥検出の対象は最終画素か否かを判断する。この判断の結果、最終画素でなかった場合にはステップS105にリターンする。また、ステップS113の判断の結果、最終画素であった場合には欠陥検出補正処理は完了となる。
次に、OB部とNull部のそれぞれに対して、欠陥検出閾値を決定する際に考慮すべき点を説明する。
OB部に関しては、各画素信号に含まれるランダムノイズのレベルは、撮影条件や素子温度によって大きく変化する。シャッター速度が速い場合や素子温度が低い場合等においては、ランダムノイズのレベルが小さいため、欠陥レベルの小さい画素欠陥でも画質に影響を及ぼしてしまう場合がある。
そのため、OB部のDC成分(黒レベル)に近い、小さい欠陥検出閾値を設定し、欠陥レベルの小さい画素欠陥も検出及び補正することが望ましい。具体的に本実施形態においては、標準偏差をσとした場合に、分布の中心(黒レベル)から3σ以上の欠陥を補正することが望ましい。
一方、シャッター速度が遅い場合や素子温度が高い場合等においては、ランダムノイズのレベルが大きいため、黒レベルに近い、小さい欠陥検出閾値だとランダムノイズも欠陥として検出してしまい、誤補正となってしまう。具体的に本実施形態においては、2σ以上に閾値を設定することが望ましい。
つまり、OB部において画質に影響を与える画素欠陥を、誤補正なく高精度に検出するためには、図6に示すようにランダムノイズのレベルの分布において、分布の中心から2σと3σの間に閾値を設定することが望ましい。本実施形態では、2σと3σの間に閾値を設定する例を示したが、撮像素子の特性や画像補正のパラメータ等の変化に合わせて、閾値の設定範囲を調整してもよい。
また、Null部においてもランダムノイズのレベルが小さい場合には、Null部の黒レベルに近い、小さい欠陥検出閾値を設定することが望ましい。しかし、COMSエリアセンサー等の多数の画素が行列状に配置されている固体撮像素子では、列毎に電気的特性にばらつきがあるため、異なるオフセット信号が出力信号レベルに重畳してしまうことがある。そのため、欠陥検出閾値を決定する際には、列オフセット成分の考慮が必要な場合がある。
具体的には、一般的にOB部に比べてNull部のランダムノイズのレベルは小さいため、ランダムノイズの分布をもとに閾値を設定した場合、列オフセット成分より小さい値になってしまう。その際、行方向の隣接画素との比較で欠陥レベルを算出すると、列オフセット成分も欠陥として検出してしまい、誤補正となってしまう。つまり、Null部において画質に影響を与える画素欠陥を、誤補正なく高精度に検出するためには、画質への影響を許容できる画素欠陥レベルを上限値とし、列オフセット成分を下限値として閾値を実験的に求めて設定する必要がある。
つまり、図7のように、OB部とNull部において、誤補正無く欠陥を検出するための有効な閾値を設定できる範囲は必ずしも一致しない。加えて、撮影条件や素子温度によってそれぞれの範囲や位置関係も変化する。このことより、高精度でOBとNull部の欠陥を検出するためには、別々の閾値を設定することが必要である。
次に、前記欠陥補正処理を行った画素信号レベルに対して行う、ノイズ低減処理に関して説明する。
まず、Null部と有効画素部における列オフセット補正処理を例に挙げて説明する。
列ごとのオフセット成分は、列オフセット補正処理を行うことで抑制することができる。具体的には、図8に示すように、欠陥検出補正部15aより出力される欠陥検出補正を行ったNull部の画素信号から、列オフセット成分検出部15cにて、列オフセット成分のみを抽出する。そして、抽出した列オフセット成分を補正のための基準信号として第1の記憶部15bにて保持する。
その後、撮像した有効画素部の画素信号から、第1の記憶部15bにて保持されている基準信号を列オフセット成分補正部15dにて減算する。このようにして、列オフセットの補正を行うことができる。
次に、OB部と有効画素部におけるクランプ処理(OBクランプ)の例を説明する。
OB部の信号レベルのDC成分(黒レベル)は、温度や露光時間等の使用環境によって大きく変化する。この使用環境による黒レベルの変化は、OBクランプ処理を行うことで抑制することができる。
具体的には、図9に示すように黒レベルを補正する行において、欠陥検出補正部15aより出力される欠陥検出補正を行ったOB部の画素信号から、平均値算出部15eにて、平均値を算出し、算出した平均値を補正のための基準信号とする。そして、黒レベル補正部15fにて、算出した基準信号をもとにして、有効画素部の黒レベルを設定する。このようにして、撮影条件の変化によるDC成分を取り除くことができる。
高品位の画像を得るためには、前記両方の補正を行うことが望ましい。しかし、両方の処理において共通する問題として、画素部に欠陥画素が存在した場合、それぞれの処理が誤動作してしまう場合がある。
Null部に欠陥画素があった場合は、列オフセット成分検出部15cで抽出される列オフセット補正の基準信号値に影響を与えてしまい、欠陥画素による影響を受けている基準信号値で列オフセット補正処理を行うと、縦筋状ノイズを作り出してしまう。例えば、基準信号を抽出しようとしている対象の列内に白欠陥があった場合には、実際の基準値より大きい値が抽出されてしまう。このように大きな基準値で補正を行うと暗い縦筋状ノイズを作り出してしまう。
逆に、黒欠陥があった場合は明るい縦筋状ノイズを作り出してしまう。また、OB部に欠陥があった場合は、平均値算出部15eにて算出される平均値に影響を与えてしまい、影響を受けた平均値でOBクランプ処理を行うと、横筋状ノイズを作り出してしまう。OBクランプ処理においても列オフセット補正処理と同様の理由で、白欠陥があった場合は暗い横筋状ノイズを、黒欠陥があった場合は明るい横筋状ノイズを作り出してしまう。
本実施形態においては、前述したような欠陥検出補正処理を行うことで、ノイズ低減処理を行う画素の欠陥を、OB部やNull部等の画素構造によらず高精度で補正することができる。これによって、欠陥画素によって引き起こされる画質不良の発生頻度を大きく低減することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
前述した第1の実施形態では、画素の構造の異なるOB部とNull部で、欠陥検出の閾値を別々に持ち、それぞれの閾値を撮影条件や素子温度で切り替える例を示した。一般的に、OB部とNull部の欠陥レベルの変化に関して、OB部が温度とともに暗電流の影響を受けて大きく変化するのに対して、Null部はほとんど変化しない。
つまり、OB部の欠陥検出閾値はシャッタースピードや素子温度等で切り替える必要があるが、Null部はシャッタースピードや素子温度では切り替えが不必要な場合がある。また、動画等の連続して画像を撮影する場合には、画像補正処理回路15への欠陥検出閾値の設定はブランキング期間中で行う必要がある。この期間中には、他にも画像処理回路13やTG14への通信も行われており、一定期間内にすべての通信を行うためには、通信データ量を抑えることが必要な場合もある。
第2の実施形態での画素の欠陥レベルを検出する手順、画素の種類(アドレス範囲)を判別する手順は、第1の実施形態と同様である。以下では、欠陥検出閾値の記憶部と、欠陥検出閾値を設定する手順に着目して例示する。
欠陥画素か否かを判定する欠陥検出閾値は、撮影条件や素子温度ごとに第2の記憶部16aあるいは第3の記憶部16bに記憶されている。具体的には、OB部用の閾値は感度、シャッタースピード、撮影モード、素子温度のそれぞれの条件に対して記憶されている。一方、Null部用の閾値は感度と撮影モードのそれぞれの条件に対して記憶されている。
つまり、欠陥検出補正部15aでNull部の欠陥検出に使用する欠陥検出閾値は、素子温度とシャッタースピードの変化では切り替えない。このことから、制御部18が画像補正処理回路15に欠陥検出閾値を設定する際の通信量を抑えることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における欠陥検出補正装置を構成する各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した欠陥検出補正方法における各工程を実行するソフトウェアのプログラム(実施形態では図3に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては種々の記録媒体を使用することができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
本発明の実施形態に係わる撮像装置の構成例を示す機能ブロック図である。 欠陥検出補正を行う範囲を表す固体撮像素子の構成図である。 欠陥検出補正の処理手順を説明する示すフローチャートである。 注目画素近傍の画素列を示す図である。 記憶されている欠陥検出閾値の一例を示す図である。 OB部の画素信号値のヒストグラムと有効閾値範囲を表す図である。 OB部とNull部の有効閾値範囲の関係を表す図である。 列オフセット補正処理部の構成例を示す図である。 OBクランプ処理の構成例を示す図である。
符号の説明
10 固体撮像装置
11 レンズ
12 固体撮像素子
13 画像処理回路
14 タイミングジェネレーター(TG)
15 画像補正処理回路
15a 欠陥検出補正部
15b 第1の記憶部
15c 列オフセット成分検出部
15d 列オフセット成分補正部
15e 平均値算出部
15f 黒レベル補正部
16a 第2の記憶部
16b 第3の記憶部
17 撮像画像記録媒体
18 制御部
19 サーミスタ
20 メカニカルシャッター

Claims (8)

  1. 使用環境で変化する暗電流や画素構造に起因するノイズの影響により撮像素子に発生する欠陥画素を検出して補正を行う欠陥検出補正装置であって、
    前記撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出手段と、
    前記所定の画素が、光電変換素子と該光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えており表面が光学的に遮光されている第1の画素、あるいは、光電変換素子か光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素に該当するか否かを判別する画素種判別手段と、
    前記画素種判別手段の判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定手段と、
    前記所定の画素の欠陥レベルと、前記画素種に応じて設定された欠陥検出閾値とを比較し、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正手段とを有することを特徴とする欠陥検出補正装置。
  2. 前記撮像素子の温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記レベル設定手段は、前記温度検出手段により検出された素子温度、または撮影時の撮影条件のうち、少なくともひとつを前記欠陥検出閾値を設定する条件に含むことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出補正装置。
  3. 前記撮影条件には、撮影モード、シャッタースピード、感度のうち少なくともひとつの設定条件を含むことを特徴とする請求項2に記載の欠陥検出補正装置。
  4. 前記欠陥レベルは、前記所定の画素の信号レベルと前記所定の画素の周辺画素の信号レベルとを用いて算出された指標値との差分であり、
    前記補正手段は前記判定手段で欠陥と判定された画素は前記指標値で画素レベルを置き換えることを特徴とする請求項2または3に記載の欠陥検出補正装置。
  5. 前記第2の画素の欠陥検出閾値は、シャッタースピード及び素子温度が変化しても変化させないことを特徴とする請求項3に記載の欠陥検出補正装置。
  6. 使用環境で変化する暗電流や画素構造に起因するノイズの影響により撮像素子に発生する欠陥画素を検出して補正を行う欠陥検出補正方法であって、
    前記撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出工程と、
    前記所定の画素が、光電変換素子と該光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えており表面が光学的に遮光されている第1の画素、あるいは、光電変換素子か光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素に該当するか否かを判別する画素種判別工程と、
    前記画素種判別工程における判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定工程と、
    前記所定の画素の欠陥レベルと、前記画素種に応じて設定された欠陥検出閾値とを比較し、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程において欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正工程とを有することを特徴とする欠陥検出補正方法。
  7. 使用環境で変化する暗電流や画素構造に起因するノイズの影響により撮像素子に発生する欠陥画素を検出して補正を行う欠陥検出補正方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記撮像素子における所定の画素の欠陥に起因して発生する欠陥レベルを所定の画素において算出する欠陥レベル算出工程と、
    前記所定の画素が、光電変換素子と該光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えており表面が光学的に遮光されている第1の画素、あるいは、光電変換素子か光電変換素子で生成された信号を出力するための層を備えていない第2の画素に該当するか否かを判別する画素種判別工程と、
    前記画素種判別工程における判別結果に応じて欠陥検出閾値を設定するレベル設定工程と、
    前記所定の画素の欠陥レベルと、前記画素種に応じて設定された欠陥検出閾値とを比較し、前記所定の画素が欠陥画素であるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程において欠陥画素であると判定された画素の信号レベルを補正する補正工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. 請求項7に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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