JP2010055817A - ガラスペースト組成物、及び、プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマディスプレイの製造に用いるガラスペースト組成物であって、(メタ)アクリル(共)重合体、ガラス微粒子及び高沸点溶剤を含有し、前記(メタ)アクリル(共)重合体は、側鎖末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーに由来するセグメントを有し、ガラス転移温度が−10℃以下であるガラスペースト組成物。
【選択図】なし
Description
背面ガラス基板にはプラズマから電極を保護する目的で電極上に誘電体層が形成され、更にその表面に蛍光体層を塗工するガラスリブが形成されている。また、蛍光体層の表面積を稼ぐために、ガラスリブは、サンドブラストを用いて凹型ストライプ状に成形されている。背面ガラス基板表面に誘電体層とガラスリブとが形成されたものを背面板という。
このような生産プロセスにおいて用いられるDFRとしては、例えば、特許文献2に開示されているように、耐サンドブラスト性を有するDFRが用いられている。
また、このような方法では、DFRの露光、現像、除去、乾燥といった工程が必要となり、背面板製造効率が非常に悪いという問題があった。更に、DFRを除去する工程として、燃焼工程又はアルカリ洗浄工程等が必要となり、結果的に背面板の製造単価の上昇や、製造効率の低下を招いていた。
以下に本発明を詳述する。
しかしながら、従来のガラスペースト組成物をこのような方法に用いた場合、ガラスリブ層にシートアタックが発生するという問題や、サンドブラスト工程においてガラスペースト組成物の部分が切削されてしまうという問題があった。
本発明では、上記側鎖末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーに由来するセグメントを有することで、上記(メタ)アクリル(共)重合体の水酸基密度が高められ、ガラス微粒子の表面との間で強い相互作用を発揮し、溶剤乾燥後、強度の高い被膜を形成することができる。これにより、耐サンドブラスト性やガラスリブとの密着性及び耐シートアタック性にも優れるものとなる。
なお、本発明における(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
DFRに代えてガラスペースト組成物を用いた場合、(メタ)アクリル(共)重合体に、側鎖末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーに由来するセグメント、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなるセグメントを含有させた樹脂は、耐サンドブラスト性は良好であるが、サンドブラスト加工後の焼結工程において、ガラスペースト組成物層がガラスリブ層から一部剥がれるという問題があった。その結果、焼結時の加熱によって、ガラスリブ層との線膨張率の差により界面に応力が集中していた。これに対して、上記(メタ)アクリル(共)重合体のガラス転移温度を−10℃以下とすることで、塗布界面の応力を緩和することができるとともに、ガラスリブ層との間で強い接着性を発現させることができ、例えば、背面板の製造において歩留まりを改善させることが可能となった。
上記ガラス転移温度が−10℃を超えると、ガラスリブ層との密着性が低下するため、ガラスリブ層上へガラスペースト組成物を印刷し、乾燥させる工程において、ガラスペースト組成物が剥離する。上記ガラス転移温度の好ましい上限は−20℃である。また、上記ガラス転移温度の好ましい下限は、−100℃である。上記ガラス転移温度が−100℃未満であると、サンドブラスト時に問題が発生することがある。また、塗工が可能となる粘度とするために、大量の(メタ)アクリル(共)重合体が必要となるため、脱脂、焼成の際に時間を要することがある。
上記共重合可能な他の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、分解性に優れることから炭素数が10以下のアルキル(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
なお、ポリスチレン換算による数平均分子量の測定は、カラムとして例えばSHOKO社製カラムLF−804を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
上記ガラス粉末の組成としては特に限定されず、例えば、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、亜鉛ガラス、ボロンガラス、CaO−Al2O3−SiO2系無機ガラス、MgO−Al2O3−SiO2系無機ガラス、LiO2−Al2O3−SiO2系無機ガラス等の各種ガラスが挙げられる。特に、融点が600℃以下の低融点ガラスであることが好ましい。
上記無機微粒子としては特に限定されず、例えば、銅、銀、ニッケル、パラジウム、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、BaMgAl10O17:Eu、Zn2SiO4:Mn、(Y、Gd)BO3:Eu等の蛍光体、カーボンブラック、染料や顔料等の着色用微粒子、金属錯体等が挙げられる。
上記高沸点溶剤は、沸点が150℃以上、300℃未満であることが好ましい。沸点が150℃未満であると、本発明のガラスペースト組成物を塗工する際に溶剤が揮発してしまうため、粘度が変わり安定した塗工ができないことがあり、沸点が300℃以上であると、塗工後、ペースト中の溶剤を乾燥させる段階で多大な時間や熱エネルギーが必要となることがある。より好ましくは280℃以下である。
なかでも、特にシートアタックを生じにくいことから誘電率が25以上であることが好ましく、誘電率が25以上の溶剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド等が挙げられる。特に、毒性も低く、200℃以下で乾燥することができるため、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトンが好適である。なお、これらの溶剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記密着促進剤としては、特に限定されないが、アミノシラン系シランカップリング剤が好適に用いられる。
上記アミノシラン系シランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノシラン系シランカップリング剤以外にも、グリシジルシラン系シランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を用いてもよい。また、その他のシランカップリング剤として、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等も好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
すなわち、シートアタックを生じないという特徴を活かし、今まで個別に焼結プロセスが必要であったグリーンシート上に導電ペーストでパターンを描く工程、電極シート上に誘電体ペーストをカバーする工程、リブシート上に蛍光体ペーストをスクリーン印刷する工程等を簡略化することが可能である。
また、未焼結リブ上にインクジェットで蛍光体ペーストを印刷したり、オフセット印刷で電極を印刷した上に誘電体層をスクリーン印刷したりする等、異なる印刷法を組み合わせるときにも応用することができる。例えば、サンドブラストレジストパターンをフォトリソ工程で描く工程をスクリーン印刷に置き換える等である。
なお、各工程については、本発明のガラスペースト組成物を用いて印刷、乾燥を行うことと、レジスト現像、除去工程を無くすこと以外は、従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法と同様の操作を行うことができる。また、ガラスリブ形成用のガラスペーストとしては、本発明のガラスペースト組成物に含有される溶剤と反応しにくいものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)100重量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン、有機溶剤として工業用アルコール100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
このようにして得られた(メタ)アクリル(共)重合体のアルコール溶液に対し、表1に記載した溶剤にて溶剤置換を行い、表1の組成比になるように配合し、高速分散機で分散させてビヒクル組成物を作製した。
モノマー混合比を表1のように変更したこと以外は実施例1と同じ方法にてビヒクル組成物及びガラスペースト組成物を作製した。なお、表1の2−HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学社製)を表し、4−HBAは4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製)、MAはメチルアクリレート(日本触媒社製)、MMAはメチルメタアクリレート(日油社製)、2−HPAは2−ヒドロキシプロピルアクリレート(共栄社化学社製)、n−BAはn−ブチルアクリレート(日油社製)を表す。
実施例及び比較例で得られたビヒクル組成物、及び、ガラスペースト組成物について以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示した。
エチルセルロース(シグマアルドリッチ社製、STD100)をテルピネオール溶液中に溶解させ、樹脂固形分が16%のエチルセルロース含有ビヒクル組成物を作製した。次いで、軟化点が約550℃のガラスフリットとエチルセルロース含有ビヒクル組成物とをガラスフリットが50重量%、エチルセルロース含有ビヒクル組成物が50重量%となるよう混合した後、高速攪拌機で混練し、3本ロールミルを用いて滑らかになるまで処理することで、ガラスペーストを作製した。
得られたガラスペーストをアプリケーターを用い、5ミルの設定で15cm×15cmのソーダガラス基板に塗工し、120℃オーブンにて30分乾燥させ、ガラス層が形成された評価用基板を作製した。
評価用基板に実施例及び比較例で作製したビヒクル組成物を、スポイトを用いて1滴塗布し、オーブンにて150℃、60分乾燥させ、溶剤を除去した。その後、評価用基板のガラス層の状態を顕微鏡を用いて観察し、以下の基準で評価した。
○ ガラス層の亀裂が無く、周辺の緻密な乾燥膜に変化がなかった
× エチルセルロース樹脂の溶解によりガラス層に亀裂が見られなかった
ライン&スペースが30/600μmのスクリーン版を用いて、実施例及び比較例で得られたガラスペースト組成物を、評価用基板上に印刷した。オーブンにて150℃、60分乾燥させ溶剤を除去することで30μm幅の印刷像を有する評価用サンプルAを得た。
得られたサンプルをNa2CO3の5重量%溶液に5分間浸漬し、取り出した後、オーブンにて120℃、30分間乾燥させ、硬化させた印刷像の剥がれ状態を観察し、以下の基準で評価した。
○ 剥がれが生じなかった
× 剥がれが生じた
実施例及び比較例で得られたガラスペースト組成物を、評価用基板上にアプリケーターを用い、5ミルの設定で15cm×15cmのソーダガラス基板に塗工した。オーブンにて150℃、60分乾燥させ評価用ガラス基板Bを得た。
得られた評価用基板Bに対し、上記ガラス層上に、不二製作所株式会社製サンドブラスト機(ニューマブラスターSMC−1ADE−401)を用いて0.04Mpaの圧力下に、研磨剤として不二製作所社製PDP用サンドブラストメディアS9#1200にて噴射量200g/minにてサンドブラスト処理しリブ隔壁を形成した。顕微鏡にて誘電体表面に傷が生じた物を×、傷が生じなかった物を○とした。
また、サンドブラストによる削れにくさを定量的に評価するため以下に示す評価を行った。
スライドグラス上の中央に直径300μmの真鍮線をセロハンテープにて両端を評価用基板から浮きの無い様固定し、実施例及び比較例で得られたガラスペースト組成物を、6ミルの設定で塗工し、オーブンにて150℃、60分間乾燥させ溶剤を除去し、加熱することで、乾燥させ、真鍮線を埋め込んだ硬化ガラス粉膜Cを得た。
その後、引張試験機にて真鍮の剥離角度を90°になるスライドジグを用いて真鍮線を引張速度200mm/分で剥離する試験を行い、溝を形成する際に必要な抵抗値を定量し以下の基準で評価した。
○ 剥離試験力が0.9N以上
× 剥離試験力が0.9N未満
実施例1〜4、比較例1〜2で得られたガラスペースト組成物をガラス基板にアプリケーターを用いて5ミルの設定にて塗工し、150℃設定の送風オーブンで30分間乾燥させ、ガラス基板を作製した。作製したガラス基板を600℃設定の電気炉にて30分間焼成し、焼き色を目視することにより有機物残渣状態を確認し、以下の基準で評価した。
○ 無色であった
△ 淡黄色の色が付いた
× 茶色く焼き色が付いた
Claims (6)
- プラズマディスプレイの製造に用いるガラスペースト組成物であって、
(メタ)アクリル(共)重合体、ガラス微粒子及び高沸点溶剤を含有し、
前記(メタ)アクリル(共)重合体は、側鎖末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーに由来するセグメントを有し、ガラス転移温度が−10℃以下である
ことを特徴とするガラスペースト組成物。 - 側鎖末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート及び4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のガラスペースト組成物。
- (メタ)アクリル(共)重合体は、更に、他の(メタ)アクリレートモノマーに由来するセグメントを含有し、前記他の(メタ)アクリレートモノマーに由来するセグメントの含有量が5〜30重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のガラスペースト組成物。
- 高沸点溶剤は、比重が1.0以上1.35未満であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のガラスペースト組成物。
- 高沸点溶剤は、誘電率が25以上であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のガラスペースト組成物。
- ガラスペーストを塗工し、乾燥させることにより、ガラスリブ前駆体を形成した後、前記ガラスリブ前駆体上に請求項1、2、3、4又は5記載のガラスペースト組成物を所定のパターンとなるように印刷し、乾燥させる工程、加熱によって硬化させた後、サンドブラストにより前記ガラスリブ前駆体に凹型形状を形成させる工程、及び、前記ガラスリブ前駆体を加熱して脱脂、焼成する工程を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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