JP2010054624A - 波長可変フィルタおよびそれを用いた光信号モニタ - Google Patents

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Abstract

【課題】透過特性が可変な光干渉回路を構成し、かつ環境温度に対して温度無依存化を達成した波長可変フィルタを提供すること。
【解決手段】本実施例においては、光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ30が実装されている点に特徴がある。図中示すヒータ30は、そのおおよその外形を示したものであり、実際は光学樹脂を局所的に加熱できる外付けしたヒータであればよい。さらに、ヒータ30からは電力を印加するための電気配線40が取り出されている。この時、このAWGを温度無依存化するためには、第1のスラブ導波路12に溝20を形成し光学樹脂21を充填しているが、溝20と光学樹脂21が式(1)を満足するようにAWGを構成する光干渉回路を設計すれば、温度無依存化することが可能である。
【選択図】図7

Description

本発明は、主に光ファイバ通信に用いられる波長可変フィルタおよびそれを用いた光信号モニタである。詳しくは複数の光波長信号を取り扱うWDMシステムで使用される波長可変フィルタおよびそれを用いた光信号モニタに関するものである。
近年の通信容量の増大に伴い、波長多重分割(WDM)技術を用いた光伝送システム(WDMシステム)がバックボーンからメトロエリアの領域において広く導入されている。WDMシステムは、複数の波長からなる光信号を取り扱うため、光波長合分波器や光スイッチ等の光部品から構成されている。これら光部品は、様々な動作原理にもとづいて実用化されているが、そのなかでも石英系平面光波回路(PLC)を用いた光部品は、光回路設計の自由度が高く、信頼性に優れていることから現在最も有力な光部品として注目されている。このようなPLCを用いた光波長合分波器や光スイッチ等の光部品は、基板上に形成されたコアとクラッドから構成される複数の導波路からなる光干渉回路である。
ここでは、PLCを用いた光干渉回路の一例として、光波長合分波器として機能するアレイ導波路回折格子型光合分波器(AWG)を例に挙げて以下に説明する。
図1に、従来の光干渉回路の一例であるアレイ導波路回折格子型光合分波器(AWG)10を示す。AWG10は、第1のスラブ導波路12と、所定の長さずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路13と、第2のスラブ導波路14とで構成される。また、第1のスラブ導波路12には、ひとつもしくは複数の入力導波路11(ここではひとつとして描いている。)が、一方第2のスラブ導波路14には、複数の出力導波路15が接続されている。これら導波路は、図4に示すように通常シリコンの基板1上において石英からなるコア2とクラッド3で構成されている。AWG10において、入力導波路11に、複数の波長が合波されたWDM信号を入射すると、出力導波路15から各々のポートにて入力光信号を分波して取り出すことができる(非特許文献1参照)。
以上述べてきたAWGは、WDMシステムにおいて、各波長信号の光パワーを監視するための光信号モニタの構成部品としても用いられる。具体的には、図2に示すように、AWG10の各々の出力導波路15の端面に受光素子としてフォトダイオード(PD)501を直接実装することで、各波長の光信号パワーをモニタできるコンパクトな光チャンネルモニタ(OCM)が実用化されている(非特許文献2参照)。なお、ここで示すPD501は、筐体502とガラス窓503の中で気密封止されたチップスケールパッケージ型PDアレイ(CSP型PDアレイ)500を用いた例を示している(非特許文献3参照)。CSP型PDアレイ500内に内蔵された各々PD501の受光面は、AWG10の出力導波路15の各々のポートと光学的に結合している。
特許第3436937号公報 特許第3498650号公報 高橋 他、「WDM用アレイ導波路回折格子」、NTT R&D、Vol.46、No.7、pp.685−692、1997 大山 他、「AWGとCSP型PDアレイを用いた40−ch光パワーチャンネルモニタモジュール」、2006年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集1、C−3−78、pp.200 土居 他、「チップスケールパッケージ型PDアレイ(CSP−PD)の開発」、信学技報 EMD2007−36、CPM2007−57、OPE2007−74、LQE2007−3、(2007−08)、pp.39−44 S. Kamei et al., "Recent progress on athermal AWG wavelength multiplexer," Proc. of SPIE, Vol. 6014, 60140H, 2005
WDMシステムの大容量化のひとつの方法として、隣接チャンネルの周波数間隔を狭くしていく方法がある。しかし、周波数間隔が狭くなるほど、システム上要求される波長精度が厳しくなる。そのため、WDMシステムで用いられる光信号モニタを例に挙げると、光パワーのみならず波長情報を検出する機能の実装が求められている。
しかし、先に述べた従来の技術によるAWGを用いた光信号モニタでは、分波された光信号の光パワーしか検出できないという課題があった。もし、AWGの透過波長特性を可変にすることができれば、波長情報を検出することができるようになる。
また従来のAWGでは、環境温度に対して透過特性が大きく変動する。これは、AWGを構成する導波路材料の屈折率の温度変化が存在するためである。そのため、AWGの温度を常に一定に保つ機構を実装するか、もしくはAWGを環境温度に対して温度無依存化する必要があった。特に後者の温度無依存化は、近年のWDMシステムの省電力化、省スペース化を求める上で必須とされている。
一般に、i種類の導波路材料で構成される光干渉回路が、環境温度に対してその光学特性を変動させない温度無依存化条件は、以下の式(1)で表わされる。
ここで、nは、i番目の導波路材料の実効屈折率、ΔLは隣接する光干渉計間の光路長差、Tは温度をそれぞれ表わす。式(1)を計算し、線膨張係数で現れる項が無視できる程小さいとすると、温度無依存条件は、
と考えてよい。
ここでは、AWGを温度無依存化する方法について述べる。図3に示すAWGは、図1のAWGを温度無依存化した形態を示している。また、図4は、図3のA−A’における断面図を示す。すなわち図3の構成では、石英のみを導波路材料(第1の導波路材料)として構成していた図1のAWGに対し、図2のAWGではその光干渉回路を構成する導波路材料(第1の導波路材料)の一部(ここでは、アレイ導波路の一部)を、石英(第1の導波路材料)とは異なる光路長温度係数を有する導波路材料(第2の導波路材料)で置換することにより、AWGの光学特性の温度無依存化を達成する。よって、式(1)を具体的に記述すると、
但し、
を満たせばよい。ここで、α、αは、それぞれ第1の導波路材料の光路長温度係数と第2の導波路材料の光路長温度係数、n、nは、それぞれ第1の導波路材料による実効屈折率と第2の導波路材料による実効屈折率であり、ΔL、ΔLは、それぞれ第1の導波路材料による構成される隣接する光干渉計における行路長差と、第2の導波路材料による隣接する光干渉計(ここではアレイ導波路)における行路長差である。
通常、第1の導波路材料である石英の光路長温度係数α1は、+1.1×10−5[1/℃]である。また光学樹脂21としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、PMMA等が用いられるが、ここでは、光路長温度係数αが、−37×10−5[1/℃]のシリコーン樹脂を第2の導波路材料として用いた(特許文献1参照)。
AWGにおいて、光干渉計を構成するアレイ導波路のうち隣接する導波路間で、L’を、隣接する導波路間のうち一の導波路において第2の導波路材料で構成されている長さの総和とし、L’を、隣接する導波路間のうち他の導波路において第2の導波路材料で構成されている長さの総和とし、Lを、この一の導波路においてL’を除いて第1の導波路材料で構成されている長さとし、Lを、この他の導波路においてL'を除いて第1の導波路材料で構成されている長さとすると、式(11)より、
となり、これを満たすように設計すれば、温度無依存AWGにすることができる。
また、溝による放射損失を低減するために、溝は通常複数に分割されて形成されている(非特許文献4参照)。なお、溝20は、通常フォトリソグラフィーとRIE等を用いた微細加工技術により形成される。また、溝20を形成し光学樹脂21を充填する場所は、ここで説明したアレイ導波路の他に、図5に示すように第1のスラブ導波路12であってもよく、また図6に示すように第2のスラブ導波路14であってもよく、要はAWGを構成する光干渉回路全体で、式(1)を満たすのであれば、その位置は特に問わない。尚、スラブ導波路に光学樹脂21を充填する溝を形成する場合には、入力導波路から出射された光において、スラブ導波路の中央付近を伝搬して光学樹脂が充填された溝を通過する際の屈折角と、スラブ導波路の中心から離れた部分を伝搬して光学樹脂が充填された溝を通過する際の屈折角とが、異なってくるために収差が生じ、その結果AWGの透過特性を劣化させる。そこで、スラブ導波路に形成した溝の形状は、スラブ導波路を伝搬する光の進行方向が、溝において常に光の屈折角が均一となるように溝の形状を湾曲状にすることで、環境温度変化に伴って生じる各波長の光の等位相面の変化をキャンセルすることができるため、最適化されたAWGの透過特性を得ることができる(特許文献2参照)。
以上が、AWGを温度無依存化する方法である。しかし、これらの形態では、あくまで環境温度に対して光学特性の温度無依存化を達成しただけのことであって、AWGの透過波長特性の可変化は実現できていなことは明らかである。
本発明は、従来の技術で生じていた課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、例えば透過特性が可変な光干渉回路を構成し、かつ環境温度に対して温度無依存化を達成した波長可変フィルタを提供することにある。
また、本発明は、AWGを構成する光干渉回路に限定されることなく、たとえばマッハツェンダ干渉計やリング共振器といったその他様々な波長フィルタにおいてもその透過特性を可変化し、かつ環境温度に対して温度無依存化を達成する波長可変フィルタを提供することにある。
さらには、本発明による波長可変フィルタを応用することで、測定光の光パワーの検出に加え、波長、光信号強度比(OSNR)を検出する機能を実装したコンパクトでかつ温環境温度に対して温度無依存化を達成する光信号モニタを提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入力した波長多重光を分波して異なる波長の複数の光を出力する波長可変フィルタにおいて、長さの異なる複数のチャネル導波路であって、前記複数のチャネル導波路間で生じる位相差の波長による変化により前記波長多重光を分波する複数のチャネル導波路と、光の進行方向と交差するように配置され、各波長の光に対する前記位相差の温度による変化をキャンセルする材料と、
前記材料を加熱または冷却する機構とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、所定の長さずつ異なる長さを有した前記複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路回折格子と、前記アレイ導波路回折格子と入力用のチャネル導波路との間に配置された入力側のスラブ導波路と、前記アレイ導波路回折格子と出力用のチャネル導波路との間に配置された出力側のスラブ導波路とを備え、前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、前記入力側または出力側のスラブ導波路は、入力した各波長の光に対して、前記入力側のスラブ導波路から前記アレイ導波路回折格子の複数のチャネル導波路を経て前期出力側のスラブ導波路に至る経路間で生じる位相差の温度による変化をキャンセルする前記材料を、光の進行方向と交差するように湾曲状に形成した溝に充填して含み、前記溝は、前記入力側もしくは出力側のスラブ導波路から前記上部クラッドおよび前記コアを除去することにより形成されるか、または前記入力側もしくは出力側のスラブ導波路から前記上部クラッド、前記コアおよび前記下部クラッドを除去することにより形成され、前記材料は、前記材料が含まれるスラブ導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する材料であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記溝は、前記入力側または出力側のスラブ導波路に形成された、前記材料を充填するための複数の溝であり、前記複数の溝はグループ化され、前記材料を独立に加熱または冷却する機構をグループ毎に備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1において、所定の長さずつ異なる長さを有した前記複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路回折格子と、前記アレイ導波路回折格子と入力用のチャネル導波路との間に配置された入力側のスラブ導波路と、前記アレイ導波路回折格子と出力用のチャネル導波路との間に配置された出力側のスラブ導波路とを備え、前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、前記アレイ導波路回折格子は、入力した各波長の光に対して前記複数のチャネル導波路間で生じる位相差の温度による変化をキャンセルする材料を、前記複数のチャネル導波路に跨り交差するように形成した溝に充填して含み、前記溝は、前記チャネル導波路から前記上部クラッドおよび前記コアを除去することにより形成されるか、または前記チャネル導波路から前記上部クラッド、前記コアおよび前記下部クラッドを除去することにより形成され、前記材料は、前記複数のチャネル導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する材料であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記溝は、前記アレイ導波路回折格子を構成する前記複数のチャネル導波路に跨り交差するように形成した、前記材料を充填するための複数の溝であり、前記複数の溝はグループ化され、前記材料を独立に加熱または冷却する機構をグループ毎に備えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1において、前記複数のチャネル導波路は、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、N+1(Nは、1以上の整数)個の光カプラと隣接する光カプラとに挟まれたN組のアーム導波路であり、前記N組のアーム導波路のそれぞれは、光路長が異なる第1のアーム導波路および第2のアーム導波路で構成され、前記第1のアーム導波路または前記第2のアーム導波路の少なくとも一方に溝が形成され、前記溝は、前記溝が形成されるアーム導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記溝が形成されるアーム導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、前記溝には、前記溝が形成されるアーム導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1において、前記複数のチャネル導波路は、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、1つ又は複数の光分岐カプラを接続して構成された、M(Mは、2以上の整数)ポートの出力を有する第1の光分岐カプラのそれぞれの出力と、1つ又は複数の光分岐カプラを接続して構成された、前記第1の光分岐カプラの出力のポート数と同数の入力のポート数を有する第2の光分岐カプラのそれぞれの入力との間に設けられた、各々が異なる遅延量を有するM本の遅延導波路であり、前記M本の遅延導波路のうちの少なくとも1つの一部に溝が形成され、前記溝は、前記溝が形成される遅延導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記遅延導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、前記溝には、前記溝が形成される遅延導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1において、前記複数のチャネル導波路は、円状のリング導波路、及び1つ又は2つの入出力導波路であり、前記リング導波路は、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、前記リング導波路は、前記リング導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより、または前記リング導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成される溝を備え、前記溝には、前記リング導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の波長可変フィルタの出力部に、1つ又は複数のフォトダイオードを備えることを特徴とする光信号モニタである。
本発明によれば、温度無依存の光干渉回路を局所的に加熱して、温度無依存条件を維持したまま、波長可変フィルタを実現することができる。さらに、出力部にPDを備えることにより、OSNRやピーク波長をモニタすることができる。
(第1の実施例)
図7に、第1の実施の形態を示す。また、図8は、図7のB−B’における断面図を示す。本実施例では、図5に示したように、第1のスラブ導波路12に溝20を形成し、その溝20に光学樹脂21を充填した形態で環境温度に対し温度無依存化したAWGを取り上げて説明する。
本実施例においては、光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ30が実装されている点に特徴がある。図中示すヒータ30は、そのおおよその外形を示したものであり、実際は光学樹脂を局所的に加熱できる外付けしたヒータであればよい。さらに、ヒータ30からは電力を印加するための電気配線40が取り出されている。
この時、このAWGを温度無依存化するためには、第1のスラブ導波路12に溝20を形成し光学樹脂21を充填しているが、溝20と光学樹脂21が先に述べた式(1)を満足するように、AWGを構成する光干渉回路を設計すれば、温度無依存化することが可能である。
よって、式(1)を具体的に記述した式(2)を満たせばよい。すなわち、本実施例においては、
但し、
を満たせばよい。ここで、α、αは、それぞれ第1の導波路材料の光路長温度係数と第2の導波路材料の光路長温度係数、n、nは、それぞれ第1の導波路材料による実効屈折率と第2の導波路材料による実効屈折率であり、ΔL、ΔLは、それぞれ第1の導波路材料による構成される隣接する光干渉計における行路長差と、第2の導波路材料による隣接する光干渉計(ここでは第1のスラブ導波路12)における行路長差である。また、dn/dT、dn/dTは、屈折率温度係数と呼ばれる。
通常、第1の導波路材料は石英であるので、その光路長温度係数α1は、+1.1×10−5[1/℃]である。また、ここでは、光路長温度係数αが、−37×10−5[1/℃]のシリコーン樹脂を第2の導波路材料として用いた。
ここで、AWGにおいて、光干渉計を構成するアレイ導波路のうち隣接する導波路と入力スラブ導波路と出力スラブ導波路とで構成される導波路パス間で、L’を、前記隣接する導波路パスのうち一の導波路パスにおいて、スラブ導波路において第2の導波路材料で構成されている長さの総和とし、L’を、前記隣接する導波路パスのうち他の導波路パスにおいて、スラブ導波路において第2の導波路材料で構成されている長さの総和とし、Lを、前記一の導波路パスにおいてL’を除いて第1の導波路材料で構成されている長さとし、Lを、前記他の導波路においてL’を除いて第1の導波路材料で構成されている長さとすると、式(11)より、
となり、これを満たすように設計すれば、温度無依存AWGにすることができる。
また、溝20による放射損失を低減するために、溝20は通常複数に分割されて形成される。さらには、環境温度変化に伴って生じる各波長の光の等位相面の変化をキャンセルするために、スラブ導波路に形成した溝の形状は、スラブ導波路を伝搬する光の進行方向が、溝において常に光の屈折角が均一となるように溝の形状を湾曲状に配置している。
実際には、以下のとおりAWGを作製した。シリコン基板上にコアとクラッドからなる比屈折率差1.5%の石英系光導波路をPLC技術により形成した。コアのサイズは、4.5μm×4.5μmである。その後、RIEにより光学樹脂を充填する溝を加工した。溝の幅は7μmから60μmへ変化させつつ湾曲状になるように形成した。溝の数は、6分割しており、その溝の間隔は40μm一定とした。溝の深さは、ここではコアよりも深い位置までクラッドをエッチングした。
さて、ヒータ30に電力を印加すると、局所的に光学樹脂21が加熱されてその屈折率が変化する。光学樹脂21の光路長温度係数の絶対値は、石英による導波路のそれよりも大きいため、加熱により光学樹脂20部分での光路長が変化し、その結果AWG10の第2のスラブ導波路14の集光面において波長毎の集光位置が変化する。このことは、AWGの透過波長特性を可変にすることが可能であることを意味している。このように本実施例によれば、従来の環境温度に対して温度無依存化したAWG10において、光学樹脂21が充填された領域にヒータ30を取り付けるだけで、環境温度に対して温度無依存でかつ透過波長可変のAWGを実現することができるようになる。
図9に、チャンネル周波数間隔100GHzのAWG10に、ヒータ30としてセラミックヒータを、光学樹脂21の充填された溝20上に実装して作製したAWG201の、印加電力に対する透過波長特性を示す。印加電力に比例して、AWG201の透過波長特性がその形状に変形を伴うことなく可変であることがわかる。横軸の印加電力はすなわち波長に対応付けることができるので、光学樹脂21を局所的に加熱する手段をAWG10に備えるだけで、容易にAWGの透過波長を可変にすることができる。本実施例における、印加電力に対する透過波長可変効率は、約5[GHz/W]であった。これは、ヒータ30の形状やその実装形態の最適化を行うことで、一層の改善が可能である。
このように、ヒータ30への印加電力に対し透過波長特性が対応するので、入射光に対しAWG201のヒータ30を掃引駆動して、その時出力される光パワーが最大となる印加電力を求めることによって、波長を検出することが可能となる。また、光信号が有する波長成分よりも広い範囲で、本AWG201のヒータを掃引駆動にしつつ光信号光を入射し、その時出力される光パワーの最小と最大の比を取ることにより、OSNRを検出することが可能となる。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
このように波長検出またはOSNR検出を可能する動作は、環境温度に対して温度無依存化されているので、従来と異なって環境温度に対する校正が不要となる特徴を有する。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
尚、透過波長の可変域は、WDMシステムのチャンネル周波数間隔以下の可変域を有する程度の印加電力で掃引駆動できる範囲であればよい。これは、AWGは出力導波路毎に、各々のチャンネル周波数(波長)の光信号を同時に出力することができるためである。このことは、システム上の全波長域にわたって可変フィルタを掃引する方式よりも、読み取り速度を高速にできるといった特徴がある。
本実施例では、ヒータ30にセラミックヒータを用いた例を示したが、局所的に加熱できる機構で実装が可能であればその種類を選ばないことは言うまでもない。例えば、ペルチエ素子、シートヒータ、抵抗発熱体等でもよい。また逆に、局所的に冷却できる機構が実装されてもよい。できれば、印加電力に対するフィルタ可変特性が最大となるような小型な加熱機構もしくは冷却機構であることが望ましい。
印加電力に対する透過波長の可変特性の効率を一層高めるためには、第1の導波路材料(本実施例では石英)中で置換され局所的に加熱もしくは冷却される第2の導波路材料(本実施例ではシリコーン樹脂)の光路長温度係数の絶対値が、第1の導波路材料のそれよりも大きい程よい。また、第2の導波路材料を加熱もしくは冷却する場所は、第2の導波路材料の一部であってもよいし、第2の導波路材料の全体であってよい。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
また、温度変化によって生ずる各波長の光の等位相面の変化をキャンセルする材料、および溝を埋める充填物の構成材としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリメタルメタクリレート樹脂等の各種の光学樹脂、あるいはナトリウム、カリウムおよびカルシウムを含む多成分ガラス材等が使用され、一方、入出力スラブ導波路、入出力チャネル導波路、およびアレイ導波路回折格子を構成するチャネル導波路の構成材としては、多くの場合、石英系材料が使用される。
また、本実施例においては、第1のスラブ導波路12に形成された溝20に充填してある光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ30が実装されている例について説明したが、式(1)に示す温度無依存化の条件を満足するように設計しさえすれば、例えば図10に示すように、第2のスラブ導波路14に溝20を形成し、充填してある光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ31を実装してもよいし、あるいは図11に示すように、アレイ導波路13の部分に溝20を形成し、充填してある光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ30を実装してもよく、あるいは図12に示すように、第1のスラブ導波路14と第2のスラブ導波路の両方に溝20を形成し、充填してある光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ30を実装してもよく、これらの場合についても同様の発明の効果を生むことが可能であることはいうまでもない。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
ここで、溝の形状について述べておく。本実施例においては、第1の導波路材料である石英は、正の光路長温度係数を有し、一方第2の導波路材料であるシリコーン樹脂は、負の光路長温度係数を有し、光路長温度係数の絶対値は第2の導波路材料の方が大きい。この場合、式(1)に示す温度無依存化となる条件において、第2の導波路材料が充填される光軸方向の溝幅は、光路長差が大きい方から小さい方に向かって、その幅が細くなるというだけのことである。すなわち、常に溝の形状はこのとおりというわけではなく、使用される第1の導波路材料と第2の導波路材料に依存して、式(1)に示す温度無依存化条件を満たしたうえで導出される溝の形状は変わるということはいうまでもない。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
また、溝の深さは、コアの下面以上にエッチングされればよい。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
また、ここでは、第1の導波路材料が正の光路長温度係数を有し、第2の導波路材料が負の光路長温度係数を有するといった、お互いが異符号の光路長温度係数を有する組み合わせで述べたが、その他にも材料的に可能であれば、第1の導波路材料が正の光路長温度係数を有し、第2の導波路材料も正の光路長温度係数を有する組み合わせでも良いし、第1の導波路材料が負の光路長温度係数を有し、第2の導波路材料も負の光路長温度係数を有する組み合わせでも良い。すなわち、式(1)に示す温度無依存化条件を満足できればよいのであって、実現可能であれば各材料の光路長温度係数の符号は選ばない。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
(第2の実施例)
図13に、第2の実施の形態を示す。また、図14は、図13のC−C’における断面図を示す。第1の実施例と異なるところは、ヒータ30として、溝21の周辺および溝21と溝21の間のクラッド3上に微細加工プロセスにより薄膜ヒータ32を集積した点である。薄膜ヒータ32にすることにより、第1の実施例でおこなった外付けヒータ30の実装工程を無くすことができるとともに、ヒータ実装による厚さ方向の増大を無くすことができるためモジュール化したとき薄型化を図ることができる。薄膜ヒータ32の材質として、例えばクロム、チタン等が挙げられるが、これらの材質だけになんら限定されるものではない。
実際に作製したAWGは、第1の実施例と同じである。さらに、溝と溝の間のクラッド上に集積したヒータの幅は20μmとした。
本実施例においても、環境温度に対する温度無依存化については、先に述べた式(1)を用いて溝20と光学樹脂21の形状および屈折率を設定し、AWG10を構成する光干渉回路を設計すればよい。
このように本実施例によれば、従来の温度無依存化したAWGにおいて、光学樹脂が充填された領域にヒータを、微細加工技術によって集積することができるため、先の第1の実施例におけるヒータの実装工程をなくすことができるようになり、透過波長可変のAWGを容易に製造することできるようになる。
図15に、チャンネル周波数間隔100GHzで設計したAWG10に、ヒータ30として薄膜ヒータ32を集積して作製したAWGの印加電力に対する中心透過周波数特性を示す。この図から、印加電力に対する透過波長特性の可変効率は、約10[GHz/W]であることがわかる。ヒータ位置を微細加工技術により、光学樹脂21が充填される溝20の直近に集積することが可能となったため、第1の実施例と比較して、低電力で透過波長特性を可変にできる。
図16は、印加電力をパラメータにして、環境温度に対する中心波長を実測した結果を示す。この図は、電力印加による中心波長の変動分を差し引き、環境温度25度を基準にして示している。このように、−10度から+70度の温度範囲において、±0.025nm以内の中心波長変動を実現している。これは、温度無依存化していないAWGが、同じ温度範囲で約0.9nmの中心波長変動を起こすのに対して、十分小さい。すなわち、温度無依存化を実現していることがわかる。
また、第1の実施例でも述べたように、本実施の形態を、第2のスラブ導波路14において実現してもよいし、アレイ導波路13において実現してもよい。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
さらに、式(1)に示す温度無依存化条件を満足した上で、印加電力に対する透過波長特性の可変効率を改善する方策としては、溝20の分割数を多くしていき薄膜ヒータ32を集積できる領域を増やすことで、加熱領域を密に局所化することによって一層の改善を図ることができる。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
また、図13に示す薄膜ヒータ32の接続パターンについて述べる。図17に溝と薄膜ヒータのパターンを抜き出して描いている。このように、図17(a)のように、薄膜ヒータ32を並列接続したパターンであってもよく、図17(b)のように、薄膜ヒータ32を直列接続したパターンであってもよく、あるいは図17(c)のように、並列接続と直列接続を取り混ぜた接続でもよく、これらになんら限定されるものではない。また、薄膜ヒータは、溝と溝の間のクラッド上に常に配置しなければならないということはなく、必要に応じて間隔をあけて配置してもよい。可能であれば、印加電力に対する透過波長特性の可変効率が最大となるようなパターンでヒータを集積することが望ましい。このことは、以下に述べる各実施例においても同様に言えることである。
(第3の実施例)
図18に、第3の実施の形態を示す。また、図19は、図18のD−D’における断面図を示す。第2の実施例と異なるところは、薄膜ヒータ32を溝20の底部に微細加工プロセスにより集積した点である。第2の実施例における薄膜ヒータ32からの発熱は、一旦クラッド3を介して溝20に充填された光学樹脂21に伝導する。一方、本実施の形態によれば、薄膜ヒータ32上に直接光学樹脂21が接して充填されるため、薄膜ヒータ32からの発熱は直接光学樹脂21に伝導する。そのため、第2の実施例と比較して印加電力に対する透過波長特性の可変効率を高めることが可能になる。さらに、式(1)に示す温度無依存化条件を満足した上で、印加電力に対する透過波長特性の可変効率を改善する方策としては、溝20の分割数を多くしていき薄膜ヒータ32を集積できる溝20の数を増やすことで、加熱領域を密に局所化することによって一層の改善を図ることができる。また、可能であれば、溝20の側壁にもヒータを集積してもよい。
(第4の実施例)
図20に、第4の実施の形態を示す。本実施の形態では、以上述べてきた実施の形態と異なって、第1のスラブ導波路12において、光学樹脂21を充填する溝20の配置に特徴がある。すなわち、光学樹脂21が充填される溝20の領域を拡大することで、加熱により光学樹脂部分での光路長の変化量を、第1の実施例よりも大きくできる、すなわち印加電力に対する透過波長特性の可変効率を高めることが可能になる。この領域を、第1の溝部121と呼ぶことにする。また、この第1の溝部121周辺には、局所的な加熱ができるように薄膜ヒータ32が集積してあり、これを第1のヒータ131と呼ぶ。尚、これらを第1のヒータ131の集積方法としては、第1の実施例で述べたようにヒータ30を外付けで取り付けてもよいし、第2の実施例で述べたように、溝20の周辺および溝20と溝20との間のクラッド3上に薄膜ヒータ32を集積してもよいし、第3の実施例で述べたように、溝20の底部に薄膜ヒータ32を集積してもよく、その実現形態になんら制約はない。ここでは、一例として第2の実施例を元に説明するまでのことである。
さて、環境温度に対する温度無依存化を図る場合、単に溝の領域を拡大すると、第1の溝部121だけでは、式(1)の温度無依存条件から外れてしまう。そこで温度無依存化を実現するためには、あらためて条件を満足する分だけの光学樹脂を充填する溝を補償用として配置すればよい。この、補償用の溝を、第2の溝部122と呼ぶことにする。
本実施例においては、第1の導波路材料である石英は、正の光路長温度係数を有し、一方第2の導波路材料であるシリコーン樹脂は、負の光路長温度係数を有し、光路長温度係数の絶対値は第2の導波路材料が第1の導波路材料より大きい。この場合、温度無依存化となる条件においては、第2の導波路材料が充填される光軸方向の溝幅は、形状的には、光路長差が大きい方から小さい方に向かって、その幅が細くなっていくが、それが温度無依存化条件を外れた溝幅分で第1の溝部121が形成されているとする。そこで、形状的には光路長差が大きい方から小さい方に向かってその光軸方向の幅が細くなる第1の溝部121とは逆の形状を有する第2の溝部、すなわち形状的には行路長差が大きい方から小さい方に向かってその光軸方向の幅が太くなる第2の溝部122を、補償する幅分だけ配置すればよい。当然、第2の溝部122にも、第1の溝部121に充填した光学樹脂21を充填する。
尚、第1の溝部121と第2の溝部122の配置は、他にも多様に配置することが可能である。すなわち、図20に示すように、第1の溝部121と第2の溝部122の両方を第1のスラブ導波路12に配置し、かつ第2の溝部122を入力導波路11側に配置した形態でもよいし、第1の溝部121と第2の溝部122の両方を第1のスラブ導波路12に配置し、かつ第1の溝部を入力導波路11側に配置してもよい。さらには、第1の溝部121と第2の溝部122の両方を第2のスラブ導波路14に配置し、かつ第2の溝部122を出力導波路15側に配置した形態でもよいし、第1の溝部121と第2の溝部122の両方を第2のスラブ導波路12に配置し、かつ第1の溝部を出力導波路15側に配置してもよい。さらには、第1の溝部121を第1のスラブ導波路12に配置し、第2の溝部122を第2のスラブ導波路14に配置してもよいし、逆に、第1の溝部121を第2のスラブ導波路14に配置し、第2の溝部122を第1のスラブ導波路12に配置してもよい。さらには、アレイ導波路13の部分に、第1の溝部121と第2の溝部122を配置してもよい。また、レイアウト上可能であれば、第1の溝部121を構成する溝20と第2の溝部122を構成する溝20を織り交ぜながら配置してもよい。
(第5の実施例)
図21に、第5の実施の形態を示す。第4の実施例と異なるところは、第1の溝部121周辺に加え、第2の溝部122周辺にも局所的に加熱ができるようにヒータ32が集積してある点である。第1の溝部121周辺に配置されたヒータを第1のヒータ131、第2の溝部122周辺に配置されたヒータを第2のヒータ132と呼ぶことにする。但し、第1のヒータ131と第2のヒータ132はお互い独立して電力を印加できる電気配線40、41にする。第2のヒータ132を配置したことにより、第2の溝部122に充填された光学樹脂21においても、加熱により屈折率を変えるため光路長が変化し、その結果AWG10の第2のスラブ導波路14の集光面において各波長の集光位置が変化する。しかし、第5の実施例で述べたように、第2の溝部122は第1の溝部121に対して補償する向き、すなわち第1の溝部121に充填された光学樹脂21を加熱して得られる第2のスラブ導波路14の集光面の集光方向とは逆の向きに作用する。この点を応用して、通常は第1のヒータ131を駆動して透過波長特性を可変にして使用するところを、さらに第2のヒータ132を別途駆動することにより、透過波長特性の可変速度を制御することが可能になる。すなわち、第1のヒータ131と第2のヒータ132の制御を関係付けて駆動することにより、波長可変フィルタの掃引速度を可変にしたり、任意の透過波長特性ポイントに高速チューニングすることが可能になる。
ここでは、溝20を分割した構成例を示したが、必ずしも分割する必要はない。しかし、溝を分割することにより、放射損失を低減すること可能であり、かつヒータを局所的に密に集積することにより、透過波長特性の可変効率を高めることができる。また、第1の溝部を構成する各溝20と、第2の溝部を構成する各溝20とは、第1のヒータ131と第2のヒータ132を駆動する機構を独立して実装すれば、それぞれの溝パターンを交互にあるいは複数配置してもよい。
尚、第1のヒータ131と第2のヒータ132の配置は、第4の実施例でも述べたように、第1の溝部121と第2の溝部122の配置位置に対応して配置することは言うまでもない。但し、第1のヒータ131と第2のヒータ132は独立して駆動させるので、相互間の熱干渉を低減させるためには、第1の溝部121と第2の溝部122を別々に離して配置できるように、第1のヒータ131を第1のスラブ導波路12に、第2のヒータ132を第2のスラブ導波路14に配置した方が望ましい。もしくは、第2のヒータ132を第1のスラブ導波路12に、第1のヒータ131を第2のスラブ導波路14に配置してもよい。
また、アレイ導波路13に複数の溝を設けてグループ化し、グループ毎にヒータを配置することもできる。
(第6の実施例)
図22に第6の実施の形態を示す。これは、第1の光カプラ60と第2の光カプラ61と、これらふたつの光カプラを連結する第1のアーム導波路62と第2のアーム導波路63とで構成されるマッハツェンダ光干渉回路である。尚、本実施例では、第1および第2の光カプラを、方向性結合器で構成した例を示す。また、第1のアーム導波路の長さと第2のアーム導波路の長さは異なっており、第1のアーム導波路の長さが第2のアーム導波路の長さより長いとして以下説明する。第1の導波路材料で形成した本マッハツェンダ光干渉回路において、その第1のアーム導波路の一部に溝20を形成して、第1の導波路材料とは異なる第2の導波路材料をそこに充填する。例えば、第1の導波路材料として、温度屈折率係数α1が、+1.1×10−5[1/℃]の石英を、また第2の導波路材料として、光路長温度係数αが、−37×10−5[1/℃]のシリコーン樹脂を用いる。この時、このマッハツェンダ光干渉回路を温度無依存化するためには、先に述べた式(1)を満足するように光干渉回路を設計すれば、温度無依存化することが可能である。
よって、式(1)を具体的に記述した式(2)において、
但し、
を満足して作製すればよい。ここで、α、αは、それぞれ第1の導波路材料の光路長温度係数と第2の導波路材料の光路長温度係数、n、nは、それぞれ第1の導波路材料による実効屈折率と第2の導波路材料による実効屈折率であり、ΔL、ΔLは、それぞれ第1の導波路材料により構成される第1のアーム導波路と第2のアーム導波路との光路長差と、第2の導波路材料により構成される第1のアーム導波路と第2のアーム導波路との光路長差である。また、dn/dT、dn/dTは、屈折率温度係数と呼ばれる。
光干渉計を構成する第1のアーム導波路と第2のアーム導波路間で、L’を、第1の導波路材料を充填した溝の長さの総和とし、Lを、L’を除く前記溝が形成された第1のアーム導波路の長さとし、Lを、前記溝が形成されていない第2のアーム導波路の長さとすると、
となり、これを満たすように設計すれば、温度無依存化することができる。こうすることで、環境温度に依存しない一定の透過波長特性を有したマッハツェンダ光干渉回路を実現することができる。図23に、環境温度−10〜+70度の範囲における透過波長特性を計算した一例を示す。環境温度に依存することなく、その透過波長特性が一定であるこがわかる。
以上の構成において、溝20に充填した光学樹脂21を局所的に加熱するために薄膜ヒータ32を溝周辺に集積する。このヒータに電力を印加すると、透過波長特性が可変のマッハツェンダ光干渉回路を実現することができる。その透過特性を計算した一例を、図24に示す。すなわち、本実施例によれば、環境温度に対して温度無依存でかつ透過波長特性が可変のマッハツェンダ光干渉回路を提供することができるようになる。
尚、本実施例では、第1のアーム導波路が第2のアーム導波路が長い場合で説明をおこなった。この時、本実施例のように負の光路長温度係数を有する第2の光導波路材料を用いる場合には、第1のアーム導波路側に第2の光導波路材料を充填し、一方正の光路長温度係数を有する第2の光導波路材料を用いる場合には、第2のアーム導波路側に第2の光導波路材料を充填することになる。
また、ヒータの集積方法としては、第1の実施例で述べたようにヒータ31を外付けで取り付けてもよいし、第2の実施例で述べたように、溝20と溝20との間のクラッド3上に薄膜ヒータ32を集積してもよいし、第3の実施例で述べたように、溝20の底部に薄膜ヒータ32を集積してもよく、その実現形態になんら制約はない。また、ヒータ等による加熱機構ではなく、冷却機構でもよいことはいうまでもない。
以下に、本実施の形態を実現する上の設計方法について具体的に述べる。図25に示すように、マッハツェンダ光干渉回路が、i種類の光導波路材料から構成されているとすると、その温度無依存化の条件は、以下の式を満たせばよい。(図25は、3種類の光導波路材料で構成される例で示している。)
ここで、nは第iの光導波路材料の屈折率、Liaは第1のアーム導波路における第iの光導波路材料の光路長、Libは第2のアーム導波路における第iの光導波路材料の光路長、Xiは第iの光導波路材料の過剰損失である。
例えば、図22に示した構成は、図26に示すように、第1の導波路材料が石英であり、第1のアーム導波路の一部に充填した第2の導波路材料が光学樹脂であり、第2のアーム導波路にはそのまま石英で作製していると見なせばよい。ここで、光学樹脂の屈折率を1.39のものを使用したとすると、石英により形成される第1のアーム導波路と第2のアーム導波路の長さの差は、1981μmとなり、第2の導波路材料が充填される溝の長さは、46μmとなる。この溝は、必ずしも分割する必要はないが、放射損失を低減するために、通常分割して形成される。分割数については、溝加工プロセスにおけるエッチング条件にも依存するが、例えば、5分割するとすると、溝ひとつあたりの長さは、9.2μmで作製すればよい。
また、図27に示すように、第1のアーム導波路に形成した光学樹脂を充填した溝を第1の溝とすると、第2のアーム導波路側に、さらに第2の溝を形成することにより、両アーム導波路間の損失を均一化してもよい。この場合には、第2の溝が空気であるため、その屈折率を1.0003とすると、石英により形成される第1のアーム導波路と第2のアーム導波路の長さの差は、1989μmとなり、第1の溝の長さは、46.2μmとなり、第2の溝の長さは、11.7μmとなる。これらの溝についても、必ずしも分割する必要はないが、放射損失を低減するために、通常分割して形成する。例えば、第1の溝を5分割するとすると、それを構成する溝ひとつあたりの長さは、9.24μmであり、一方、第2の溝を2分割するとすると、それを構成する溝ひとつあたりの長さは、5.85μmとなる。
さらに、第2の溝に埃などが入り込まないように、マッチングオイル等を充填してもよい。例えば、マッチングオイルの屈折率を1.47とすると、石英により形成される第1のアーム導波路と第2のアーム導波路の長さの差は、1990μmとなり、第1の溝の長さは、78μmとなり、第2の溝の長さは、39.3μmとなる。この第2の溝についても、必ずしも分割する必要はないが、放射損失を低減するために、通常分割して形成する。これらの溝についても、必ずしも分割する必要はないが、放射損失を低減するために、通常分割して形成する。例えば、第1の溝を13分割するとすると、それを構成する溝ひとつあたりの長さは、6μmであり、一方、第2の溝を3分割するとすると、それを構成する溝ひとつあたりの長さは、13.1μmとなる。
また、図28のように第1のアーム導波路に温度無依存化条件を満たす第1の溝部の他に第3の溝部を形成して、このとき第2のアーム導波路にも、第1のアーム導波路に形成した第3の溝部と同じ光路長で第3の溝部を補償のため入れた構成であってもよい。このとき、第1および第3の全ての溝部には同じ光学樹脂を充填することになる。さらに、第1の溝部と第3の溝部の周辺には、共通した加熱冷却機構が実装されている(ここでは、薄膜ヒータを集積した例を示している。)。このように、図26よりも、温度屈折率係数が大きい第2の光導波路材料部分を増やすことによって、より透過波長特性の可変効率を改善することが可能になる。
(第7の実施例)
図29(a)に第7の実施の形態を示す。これは、マッハツェンダ光干渉回路のアーム導波路をM段縦列に接続したM段ラティス光干渉回路である。M段ラティス光干渉回路は、M+1個の光カプラと、当該光カプラの隣接相互間に配置されたM個の遅延部とからなり、当該遅延部は、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路より構成されており、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路の長さの差はΔLに設定されている。
第1の導波路材料で形成した本ラティス光干渉回路において、その第1のアーム導波路の一部に溝を形成し、第1の導波路材料とは異なる第2の導波路材料をそこに充填した。ここでは、第1の導波路材料として、温度屈折率係数α1が、+1.1×10−5[1/℃]の石英を、また第2の導波路材料として、光路長温度係数αが、−37×10−5[1/℃]のシリコーン樹脂を用いた。
M段ラティス光干渉回路の透過スペクトルは、下記式で表される。
ここで、Mは段数、xqは振幅係数、ΔLはアーム導波路間の光路長差、fは光周波数、cは光速である。(尚、M=1の時は、実施例6で述べた1段のマッハツェンダ光干渉回路に相当する。)
この時、このラティス光干渉回路を温度無依存化するためには、先に述べた式(1)を満足するように光干渉回路を設計すれば、温度無依存化することが可能である。
以上の構成において、溝に充填した光学樹脂を局所的に加熱するために薄膜ヒータを第1のアーム導波路に形成した溝周辺に集積する。このヒータに電力を印加することにより、透過波長特性が可変のラティス型光回路を実現した。その透過波長特性を図30に示す。すなわち、本実施例によれば、環境温度に対して温度無依存でかつ透過波長特性が可変のラティス光干渉回路を提供することができる。
なお、本実施形態では、第1から第M遅延部の光路長差を全てΔLに設定したが、多段の遅延部ごとに光路長差を変えても良い。その場合は、遅延量に応じて、先に述べた式(1)を満足するように溝を形成し、樹脂を充填すれば良い。
また、第1のアーム導波路に溝を形成することにより、損失が生じる。そこで、図29(b)に示すように、光学樹脂を充填する第1のアーム導波路と同じ光路長分の溝を形成し、光学樹脂を充填することにより、溝を形成したことによる両アーム導波路間の損失を均一化してもよい。さらには、その溝にマッチングオイルなどの第3の導波路材料を充填してもよい。この考え方は、第6の実施例で図26、図27、図28の説明と同じである。
(第8の実施例)
図31(a)に第8の実施の形態を示す。これは、マッハツェンダ光干渉回路のアーム導波路をM段並列に接続したM段トランスバーサル光干渉回路である。M段トランスバーサル光干渉回路は、入力をM本の導波路に分波する光カプラと、当該光カプラに接続されたM本のアーム導波路と、当該M本のアーム導波路を合波する光カプラより構成されている。第1のアーム導波路に対する第2から第Mのアーム導波路の光路長差は、それぞれ、ΔL+φ、2ΔL+φ、…、(M−1)ΔL+φMに設定されている。ただし、φMは、第Mのアーム導波路の位相である。
第1の導波路材料で形成した本トランスバーサル光干渉回路において、その第1から第M-1のアーム導波路の一部に溝を形成し、第1の導波路材料とは異なる第2の導波路材料をそこに充填した。ここでは、第1の導波路材料として、温度屈折率係数α1が、+1.1×10−5[1/℃]の石英を、また第2の導波路材料として、光路長温度係数αが、−37×10−5[1/℃]のシリコーン樹脂を用いた。
M段トランスバーサル光干渉回路の透過スペクトルは、下記式で表される。
ここで、Mは段数、xqは振幅係数、ΔLはアーム導波路間の光路長差、fは光周波数、cは光速である。
この時、このトランスバーサル光干渉回路を温度無依存化するためには、先に述べた式(1)を満足するように光干渉回路を設計すれば、温度無依存化することが可能である。
以上の構成において、溝に充填した光学樹脂を局所的に加熱するために薄膜ヒータを第1から第M−1のアーム導波路に形成した溝周辺に集積する。このヒータに電力を印加することにより、環境温度に対して温度無依存でかつ透過波長特性が可変のトランスバーサル光干渉回路を実現した。また、図31(b)に示すように、全てのアーム導波路に、同じ光路長分の溝を形成し、光学樹脂を充填することによりアーム導波路間の損失を均一化してもよい。この考え方は、第6の実施例で図26、図27、図28の説明と同じである。
(第9の実施例)
図32(a)に第9の実施の形態を示す。これは、1入力2出力のマッハツェンダ光干渉回路をM段、多段に接続した1×2Mフィルタである。第m段目のマッハツェンダ光干渉回路の光路長差は、2M-m・ΔL+φm,kに設定されている。ただし、φm,kは、m段目の素子のうち、k個目の素子の位相である。例えば、図32の構成では、
1段目、1個目の素子の光路長差は、4ΔL+φ1,1
2段目、1個目の素子の光路長差は、2ΔL+φ2,1
2段目、2個目の素子の光路長差は、2ΔL+φ2,2
3段目、1個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,1
3段目、2個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,2
3段目、3個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,3
3段目、4個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,4
ここで、φ1,1=0、φ2,1=π/2、φ2,2=0、φ3,1=π/4、φ3,2=3π/4、φ3,3=π/2、φ3,4=0に設定した時の、その透過波長特性を図33(a)に示す。
第1の導波路材料で形成した本1×2Mフィルタにおいて、そのアーム導波路の一部に溝を形成し、第1の導波路材料とは異なる第2の導波路材料をそこに充填した。ここでは、第1の導波路材料として、温度屈折率係数α1が、+1.1×10−5[1/℃]の石英を、また第2の導波路材料として、光路長温度係数αが、−37×10−5[1/℃]のシリコーン樹脂を用いた。この時、この1×2Mフィルタを温度無依存化するためには、先に述べた式(1)を満足するように光干渉回路を設計すれば、温度無依存化することが可能である。
以上の構成において、溝に充填した光学樹脂を局所的に加熱するために薄膜ヒータを溝周辺に集積する。
前述したように、温度無依存化を行い、溝に充填した光学樹脂を局所的に加熱した時の入力ポート1、出力ポート1のその透過波長特性を図33(b)に示す。このヒータに電力を印加することにより、環境温度に対して温度無依存でかつ透過波長特性が可変のマッハツェンダ光干渉回路型1×2Mフィルタを実現できる。
尚、ここでは以上の構成において、1×2Mフィルタを構成する素子として、マッハツェンダ光干渉回路を用いたが、先に述べたラティス光干渉回路やトランスバーサル光干渉回路を用いてもよいし、後述するリング光干渉回路など、その他の光干渉回路を用いてもよいし、あるいは複数の異なる光干渉回路を用いても良い。また、図32(b)に示すように、対になるアーム導波路毎に、同じ光路長分の溝を形成し、光学樹脂を充填することによりアーム導波路間の損失を均一化してもよい。この考え方は、第6の実施例で図26、図27、図28の説明と同じである。
(第10の実施例)
図34に第10の実施の形態を示す。これは、ひとつの導波路70とリング導波路71とで構成され、導波路70とリング導波路71との間に方向性結合器72が構成されているリング共振器80である。このリング共振器80は、入力ポートR1からの入力に対して、そのリング導波路71の長さに依存して、その出力ポートR2からの出力特性において、急峻な遮断特性を有する透過波長特性を示す。
このリング導波路71の一部に溝20を形成して、リング導波路71とは異なる光路長温度係数を有する光学樹脂21を充填する。ここで、溝20を形成し光学樹脂21を充填する条件を、式(1)を満足するように設計することによって、環境温度に対して温度無依存化したリング共振器を構成することができる。よって、式(1)を具体的に記述した式(2)をリング導波路において満たせばよい。すなわち、
但し、
を満たせばよい。ここで、α、αは、それぞれリング導波路中の第1の導波路材料の光路長温度係数とリング導波路中の第2の導波路材料の光路長温度係数、n、nは、それぞれリング導波路中の第1の導波路材料による実効屈折率とリング導波路中の第2の導波路媒質による実効屈折率であり、ΔL、ΔLは、それぞれリング導波路中の第1の導波路材料によって構成される導波路による光路長差と、リング導波路中の第2の導波路材料によって構成される導波路による光路長差である。また、dn/dT、dn/dTは、屈折率温度係数と呼ばれる。
光干渉計を構成するリング導波路において、L’を、第1の導波路材料を充填した溝の長さの総和とし、Lを、L’を除く前記溝が形成されたリング導波路の長さとすると、
となり、これを満たすように設計すれば、温度無依存化することができる。
さらに、これら光学樹脂21を局所的に加熱もしくは冷却するための機構が実装されている。ここでは、光学樹脂21を充填した溝20の周辺に薄膜ヒータ32を集積した例で説明する。すなわち、光学樹脂21を加熱することにより、その部分の屈折率が変化しその結果実効的な光路長が変化する。するとリング共振器70の共振周波数(波長)が変化して透過波長特性を可変にすることできる。すなわち、本実施例によれば、可変の透過波長特性を有しかつ環境温度に対し温度無依存化した光導波回路を提供することが可能になる。
(第11の実施例)
図35に第11の実施の形態を示す。これは、先の第10の実施例で述べた光導波回路と異なって、2箇所において導波路70とリング導波路71との間に方向性結合器72を有するリング共振器80である。このリング共振器80は、入力ポートS1からの入力に対して、そのリング導波路の長さに依存して、その出力ポートS2からの出力特性において、急峻な透過波長特性を示す。
本回路でも同様に、このリング導波路71の一部に溝20を形成して、リング導波路71とは異なる光路長温度係数を有する光学樹脂21を充填する。ここでも、溝20を形成し光学樹脂21を充填する条件を、式(1)を満足するように設計することによって、環境温度に対して温度無依存化した可変の透過波長特性を有する光導波回路を提供することが可能になる。
(第12の実施例)
図36に、第12の実施の形態を示す。ここでは、第1の実施例から第5の実施例で述べてきた透過波長特性が可変のAWG201に、PD501を集積することで構成できる光信号モニタ200について述べる。すなわち、本光信号モニタの基本的な構成は、図2に示した従来の技術と同様に、AWG10の出力導波路15の端面に複数のPD501を集積したCSP型PDアレイ500を取り付けたものであるが、異なる点として温度無依存化のために形成した溝の充填された光学樹脂21を局所的に加熱するために、ヒータ30を配置した点にある。ヒータの集積方法は、第1の実施例から第5の実施例にいたって述べたように、外付けでヒータを実装してもよいし、薄膜ヒータを集積してもよく、その形態を問わないことは言うまでもない。図36においては、第1の実施例の図7をもとにして示しているに過ぎない。ここでも、溝を形成し光学樹脂を充填する条件を、先の実施例と同様に環境温度に対して温度無依存になる条件式(1)を満足するようにして設計している。
本構成による光信号モニタ200の動作を以下に説明する。複数の波長信号が合波されたWDM信号を、AWG10の入力導波路11より入力すると、AWGの動作原理に従い、各々の波長信号が出力導波路15毎に出力され、さらにそれぞれ波長信号毎に各PD501で受光されて電気信号に変換されて出力される。この時、ヒータ30に電力を印加すると溝20に充填された光学樹脂21が加熱されて、これまでにも述べてきたようにAWG10の透過波長特性が可動する。この時ヒータ30への印加電力は、AWG10の透過特性の可動範囲を、各チャンネルの透過帯域よりも狭い範囲で掃引できる程度でよい。図37(a)に、ヒータ30を駆動しながら各チャンネルを透過してくる光信号700をモニタする様子を示す。ヒータ30に電力を印加するとそれに比例してAWG10の透過特性701が可動(図中矢印)して、それに対応するPD501からの光電流すなわちモニタ信号702が出力される(図37(b))。ヒータ30に印加する電力は、波長(λ)情報に対応付けることができるので、モニタ信号702がピークとなる印加電力すなわち波長位置(λ)が、そのチャンネルを透過してくる光信号の波長として検出可能である。また、縦軸パワー(P)のピーク値(P)は、光信号700の光パワーとして検出することができる。さらには、モニタ信号702のピーク値(P)とモニタ信号のノイズレベル(P)の値の比は、OSNRとして検出することが可能である。このように、従来の技術では光パワーしか検出できなかった光信号モニタを、本実施の形態でAWGを可変フィルタ化して光信号モニタを構成することにより、光パワーに加えて、ピーク波長とさらにはOSNRもモニタすることができるようになる。
先にも述べたように、透過波長特性の掃引可変域は、AWGのチャンネル周波数間隔以下の可変域を有する程度の印加電力で駆動できる範囲であればよい。これは、AWGは出力導波路毎に、各々のチャンネル周波数(すなわち波長)の光信号を同時に出力することができるためである。よって、本実施例による光信号モニタは、各チャンネルの透過帯域よりも狭い範囲の掃引波長可変域の駆動で、波長チャンネルの全光信号を一括してモニタできるといった特徴がある。このことは、システム上の全波長域にわたって可変フィルタを掃引する方式の光信号モニタよりもパラレルに波長情報を取り出せるので、読み取り速度が高速になるといった特徴がある。
なお、作製するAWG10の透過帯域幅をより狭く設計することによって、光信号の波形をより一層高精度にモニタすることが可能になる。従って、変調された光信号のビットレートの違いや、変調フォーマットの違いによる波形をモニタすることもできる。
以上、本発明においては、特にCSP型PDアレイ500を実装することによって、これまでにないコンパクトで環境温度に対してモニタ特性の変動がない温度無依存のOPMを構成できるという点に特徴がある。
(第13の実施例)
図38に、第13の実施の形態を示す。本実施例が、先の第12の実施例と異なる点は、CSP−PDアレイが第2のスラブ14の端面に取り付けられている点である。こうすることにより、出力導波路部分を無くすことができるので、光信号モニタの小型化をいっそう進めることが可能となる。
(第14の実施例)
図39に、第14の実施の形態を示す。本実施例は、第9の実施例(図32(b)参照。図32(a)の形態でも良い。)において、マッハツェンダ光干渉回路型1×2Mフィルタの出力導波路端面にPD501を取り付けている。PD501は単チャンネルのCSP型PDアレイ500を実装してもよいが、その形態は特には問わない。尚、PDを取り付ける出力ポートは、マッハツェンダ光干渉回路型1×2Mフィルタの設計に依存する。各アーム導波路の一部に形成された溝20に充填された光学樹脂21を、局所的に加熱することにより、透過波長特性を可変にすることができる。ここでも、溝20を形成し光学樹脂21を充填する条件を、環境温度に対する温度無依存化の条件式(1)を満足するように設計している。透過波長特性をヒータ加熱により掃引すると、それに応じてPD501からの光電流すなわちモニタ信号が出力される。透過波長特性の掃引により、光パワーのみならず波長およびOSNRも検出することが可能である。ここで、1×2Mフィルタを構成する素子として、先に述べたラティス光干渉回路やトランスバーサル光干渉回路を用いてもよいし、後述するリング光干渉回路など、その他の光干渉回路を用いてもよいし、あるいは複数の異なる光干渉回路を用いても良い。こうすることにより、環境温度無依存のOPMを構成できるようになる。
(第15の実施例)
図40に、第15の実施の形態を示す。本実施例は、第11の実施例であるリング共振器80の出力ポートS2にPD501を集積した例を示している。PD501は単チャンネルのCSP型PDアレイ500を実装してもよいが、その形態は特には問わない。リング導波路71の一部に形成された溝20に充填された光学樹脂21を、局所的に加熱することにより、その共振周波数(波長)を可変にすることができる。ここでも、溝20を形成し光学樹脂21を充填する条件を、環境温度に対する温度無依存化の条件式(1)を満足するように設計している。透過波長特性をヒータ加熱により掃引すると、それに応じてPD501からの光電流すなわちモニタ信号702が出力される。透過波長特性の掃引により、光パワーのみならずピーク波長およびOSNRも検出することが可能である。
以上、本発明においても、これまでにないコンパクトで環境温度に対してもモニタ特性の変動のない環境温度無依存のOPMを構成できるという点に特徴がある。
従来の光干渉回路の一例であるアレイ導波路回折格子型光合分波器(AWG)を示す図である。 図1のAWGの各々の出力導波路の端面に受光素子としてフォトダイオード(PD)を直接実装した例を示す図である。 図1のAWGを温度無依存化した形態を示す図である。 図3のA-A’線に沿った断面図である。 図1のAWGの変形形態を示す図である。 図1のAWGの変形形態を示す図である。 第1の実施の形態に係るAWGを示す図である。 図7のB-B’線に沿った断面図である。 第1の実施の形態に係るAWGの印加電力に対する透過波長特性を示す図である。 第1の実施の形態に係るAWGの変形形態を示す図である。 第1の実施の形態に係るAWGの変形形態を示す図である。 第1の実施の形態に係るAWGの変形形態を示す図である。 第2の実施の形態に係るAWGを示す図である。 図13のC-C’線に沿った断面図である。 第2の実施の形態に係るAWGの印加電力に対する中心透過周波数特性を示す図である。 第2の実施の形態に係るAWGに対して、印加電力をパラメータにして環境温度に対する中心波長を実測した結果を示す図である。 溝と薄膜ヒータのパターンを抜き出して示す図である。 第3の実施の形態に係るAWGを示す図である。 図18のD-D’線に沿った断面図である。 第4の実施の形態に係るAWGを示す図である。 第5の実施の形態に係るAWGを示す図である。 第6の実施の形態に係る光干渉回路を示す図である。 第6の実施の形態に係る光干渉回路について、環境温度−10〜+70度の範囲における透過波長特性を計算した一例を示す図である。 第6の実施の形態に係る光干渉回路について、透過特性を計算した一例を示す図である。 第6の実施の形態に係る光干渉回路の設計方法を説明するための図である。 図22の構成の具体例を示す図である。 図22の構成の変形形態を示す図である。 図22の構成の変形形態を示す図である。 (a)は第7の実施の形態に係るM段ラティス光干渉回路を示す図であり、(b)は(a)の変形形態を示す図である。 第7の実施の形態に係るラティス光干渉回路の透過波長特性を示す図である。 (a)は第8の実施の形態に係るM段トランスバーサル光干渉回路を示す図であり、(b)は(a)の変形形態を示す図である。 (a)は第9の実施の形態に係る1×2Mフィルタを示す図であり、(b)は(a)の変形形態を示す図である。 第9の実施の形態に係る1×2Mフィルタの透過特性を示す図である。 第10の実施の形態に係るリング共振器を示す図である。 第11の実施の形態に係るリング共振器を示す図である。 第12の実施の形態に係る光信号モニタを示す図である。 第12の実施の形態に係る光信号モニタにおいて、ヒータを駆動しながら各チャンネルを透過してくる光信号をモニタする様子を示す図である。 第13の実施の形態に係る光信号モニタを示す図である。 第14の実施の形態に係る光信号モニタを示す図である。 第15の実施の形態に係る光信号モニタを示す図である。
符号の説明
1 基板
2 コア
3 クラッド(上部クラッド及び下部クラッドに対応)
10 AWG (波長可変フィルタに対応)
11 入力導波路(入力用のチャネル導波路に対応)
12 第1のスラブ導波路(入力側のスラブ導波路に対応)
13 アレイ導波路
14 第2のスラブ導波路(出力側のスラブ導波路に対応)
15 出力導波路(出力用のチャネル導波路に対応)
20 溝
21 光学樹脂(材料に対応)
30 ヒータ(材料を加熱または冷却する機構に対応)
31 (外付け)ヒータ
32 薄膜ヒータ
40 電気配線
60 第1の光カプラ(方向性結合器に対応)
61 第2の光カプラ(方向性結合器に対応)
62 第1のアーム導波路
63 第2のアーム導波路
70 入出力導波路
71 リング導波路
72 方向性結合器
80 リング共振器
121 第1の溝部
122 第2の溝部
131 第1のヒータ
132 第2のヒータ
200 光信号モニタ
201 AWG(波長可変フィルタに対応)
500 CSP型PDアレイ
501 PD(フォトダイオードに対応)
502 筐体
503 ガラス窓
700 光信号
701 AWGの透過特性
702 モニタ信号

Claims (9)

  1. 入力した波長多重光を分波して異なる波長の複数の光を出力する波長可変フィルタにおいて、
    長さの異なる複数のチャネル導波路であって、前記複数のチャネル導波路間で生じる位相差の波長による変化により前記波長多重光を分波する複数のチャネル導波路と、
    光の進行方向と交差するように配置され、各波長の光に対する前記位相差の温度による変化をキャンセルする材料と、
    前記材料を加熱または冷却する機構と
    を備えることを特徴とする波長可変フィルタ。
  2. 所定の長さずつ異なる長さを有した前記複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路回折格子と、
    前記アレイ導波路回折格子と入力用のチャネル導波路との間に配置された入力側のスラブ導波路と、
    前記アレイ導波路回折格子と出力用のチャネル導波路との間に配置された出力側のスラブ導波路と
    を備え、
    前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
    前記入力側または出力側のスラブ導波路は、入力した各波長の光に対して、前記入力側のスラブ導波路から前記アレイ導波路回折格子の複数のチャネル導波路を経て前期出力側のスラブ導波路に至る経路間で生じる位相差の温度による変化をキャンセルする前記材料を、光の進行方向と交差するように湾曲状に形成した溝に充填して含み、
    前記溝は、前記入力側もしくは出力側のスラブ導波路から前記上部クラッドおよび前記コアを除去することにより形成されるか、または前記入力側もしくは出力側のスラブ導波路から前記上部クラッド、前記コアおよび前記下部クラッドを除去することにより形成され、
    前記材料は、前記材料が含まれるスラブ導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する材料であることを特徴とする請求項1に記載の波長可変フィルタ。
  3. 前記溝は、前記入力側または出力側のスラブ導波路に形成された、前記材料を充填するための複数の溝であり、
    前記複数の溝はグループ化され、
    前記材料を独立に加熱または冷却する機構をグループ毎に備えることを特徴とする請求項2に記載の波長可変フィルタ。
  4. 所定の長さずつ異なる長さを有した前記複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路回折格子と、
    前記アレイ導波路回折格子と入力用のチャネル導波路との間に配置された入力側のスラブ導波路と、
    前記アレイ導波路回折格子と出力用のチャネル導波路との間に配置された出力側のスラブ導波路と
    を備え、
    前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
    前記アレイ導波路回折格子は、入力した各波長の光に対して前記複数のチャネル導波路間で生じる位相差の温度による変化をキャンセルする材料を、前記複数のチャネル導波路に跨り交差するように形成した溝に充填して含み、
    前記溝は、前記チャネル導波路から前記上部クラッドおよび前記コアを除去することにより形成されるか、または前記チャネル導波路から前記上部クラッド、前記コアおよび前記下部クラッドを除去することにより形成され、
    前記材料は、前記複数のチャネル導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する材料であることを特徴とする請求項1に記載の波長可変フィルタ。
  5. 前記溝は、前記アレイ導波路回折格子を構成する前記複数のチャネル導波路に跨り交差するように形成した、前記材料を充填するための複数の溝であり、
    前記複数の溝はグループ化され、
    前記材料を独立に加熱または冷却する機構をグループ毎に備えることを特徴とする請求項4に記載の波長可変フィルタ。
  6. 前記複数のチャネル導波路は、
    上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
    N+1(Nは、1以上の整数)個の光カプラと隣接する光カプラとに挟まれたN組のアーム導波路であり、
    前記N組のアーム導波路のそれぞれは、光路長が異なる第1のアーム導波路および第2のアーム導波路で構成され、
    前記第1のアーム導波路または前記第2のアーム導波路の少なくとも一方に溝が形成され、
    前記溝は、前記溝が形成されるアーム導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記溝が形成されるアーム導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、
    前記溝には、前記溝が形成されるアーム導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の波長可変フィルタ。
  7. 前記複数のチャネル導波路は、
    上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
    1つ又は複数の光分岐カプラを接続して構成された、M(Mは、2以上の整数)ポートの出力を有する第1の光分岐カプラのそれぞれの出力と、1つ又は複数の光分岐カプラを接続して構成された、前記第1の光分岐カプラの出力のポート数と同数の入力のポート数を有する第2の光分岐カプラのそれぞれの入力との間に設けられた、各々が異なる遅延量を有するM本の遅延導波路であり、
    前記M本の遅延導波路のうちの少なくとも1つの一部に溝が形成され、
    前記溝は、前記溝が形成される遅延導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記遅延導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、
    前記溝には、前記溝が形成される遅延導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の波長可変フィルタ。
  8. 前記複数のチャネル導波路は、円状のリング導波路、及び1つ又は2つの入出力導波路であり、
    前記リング導波路は、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
    前記リング導波路は、前記リング導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより、または前記リング導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成される溝を備え、
    前記溝には、前記リング導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の波長可変フィルタ。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の波長可変フィルタの出力部に、1つ又は複数のフォトダイオードを備えることを特徴とする光信号モニタ。
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