JP2010054425A - データの精度を向上する方法、および、そのためのシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の検査装置から得られる分析結果について、修正の必要性の有無を分析者が確認し、必要な場合は修正を行った後、上位システムへ結果を報告する臨床検査システム、すなわち、上位システムをサポートするシステム(サブシステム)を開発することで、本課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【選択図】なし
Description
画像を用いる臨床検査では、患部あるいは患者から採取した検体を撮像し、得られた画像を元に疾患の有無や、治療効果の確認が行われる。画像の判定は、医師や検査技師が目視によって行うことも多いが、画像に表示される形態を、形状・大きさ・色などの種々の特性に着目して数値データ化した上で、プログラムを用いて自動的に行うことも可能である。
従来は、上位システムへ検査結果を送信する前に、個々の検査装置において結果の修正や画像のチェックを行うといった対策がとられていた。
[項1]
分析対象検体の画像にもとづく数値データの精度を向上する方法であって、
以下の(1)〜(5)の手段を有することを特徴とする臨床検査システムを、画像およびその画像にもとづく数値データを取得できる装置Aと、上位システムとの間に接続して用いることを特徴とする方法。
(1)装置Aで取得した数値データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
(2)(1)で第一表示部に表示された数値データに対応した画像を第二表示部に同時に表示する手段
(3)上位システムから検体情報を取得する手段
(4)画像および(3)で取得した検体情報から、装置Aで取得した数値データの正確性を検証する手段
(5)(4)における検証が異常であれば上位システムに警告する手段
[項2]
さらに以下の(6)の手段を有する臨床検査システムを、対応する検体中に含まれる成分データを検出できる装置Bに接続して用いる、項1記載の方法。
(6)装置Bで取得した対応する検体の成分データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
[項3]
装置Aが尿中有形成分分析装置であり、装置Bが尿定性検査装置である項1または2記載の方法。
[項4]
上位システムから取得する検体情報が、年齢、性別、過去の検査データより成る群から選択され、選択した検体情報を用いて構築した任意の論理式により、新規に取得したデータを検証し、異常があれば上位システムに警告を表示する手段を有することを特徴とする項1または2記載の方法。
[項5]
装置Aより取得した画像データのYRGB値を検証し、任意に設定された閾値以下である場合、取得した画像に対し、上位システムへアラームを発生させる手段を有することを特徴とする項1または2記載の方法。
[項6]
装置Aより取得したデータを任意に選択して第一表示部に表示し、第二表示部に表示された対応する撮影画像中において、データとして取得された有形成分を座標表示する手段を有することを特徴とする項1または2記載の方法。
[項7]
以下の(1)〜(5)の手段を有することを特徴とする、画像およびその画像にもとづく数値データを取得できる装置Aと、上位システムとの間に接続して用いる分析対象検体の画像にもとづく数値データの精度を向上するための臨床検査システム。
(1)装置Aで取得した数値データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
(2)(1)で第一表示部に表示された数値データに対応した画像を第二表示部に同時に表示する手段
(3)上位システムから検体情報を取得する手段
(4)画像および(3)で取得した検体情報から、装置Aで取得した数値データの正確性を検証する手段
(5)(4)における検証が異常であれば上位システムに警告する手段
[項8]
さらに以下の(6)の手段を有し、かつ、対応する検体中に含まれる成分データを検出できる装置Bに接続して用いる、項7記載の臨床検査システム。
(6)装置Bで取得した対応する検体の成分データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
すなわち、
本発明のサブシステム[100]は、画像およびその画像にもとづく数値データを取得することができる装置A[20]と、制御部[1]において通信回線により接続されている。サブシステムと装置A[20]との通信は、装置A[20]の仕様に従い、任意である。
具体的には、RS−232等を用いたシリアル方式、あるいはLANケーブルを用いたイーサネット(登録商標)を利用した接続形式が好ましいが、特に限定されない。
本発明のサブシステム[100]は、また、上位システム[200](以下、ホストコンピュータ[200]とも呼ぶ。)と、制御部[1]において通信回線により接続されている。通信の仕様はホストコンピュータ[200]に従い、任意である。
(1)装置Aで取得した数値データを任意に選択して第一表示部に表示する手段、および、
(2)(1)で第一表示部に表示された数値データに対応した画像を第二表示部に同時に表示する手段
を、有する。すなわち、
装置A[20]で取得した画像は、サブシステム内のデータベース(画像記憶部[3])に蓄積される。この画像は、任意に選択されて第二表示部[5]に表示されうる。
一方、該画像にもとづいて得られた数値データは、サブシステム内のデータベース(数値データ記憶部[2])に蓄積される。この数値データは、任意に選択されて第一表示部[4]に表示されうる。これらの画像および数値データは、対応するものをそれぞれ第一表示部[4]および第二表示部[5]に同時に表示することができる。
(3)上位システム[200]から検体情報を取得する手段
を、有する。すなわち、
ホストコンピュータ[200]のデータベースには病院内の各診療科から分析を依頼(オーダー)された検体情報が蓄積されている。
サブシステム[100]は、ホストコンピュータ[200]からオーダー情報を受信し、サブシステム内のデータベース(数値データ記憶部[2])に登録する。
検体情報は第一表示部に表示される。検体情報は、任意に設定された項目が表示されるが、検体によって、取得されない項目がある場合は、空欄で表示してもよい。
データベースに登録された検体情報は、数値データとともに、任意に選択されて第一表示部[4]に表示されうる。
(4)上記で取得した画像および検体情報から、装置A[20]で取得した数値データの正確性を検証する手段、および、
(5)(4)における検証が異常であれば上位システム[200]に警告する手段
を、有する。すなわち、データ報告の通信電文に異常を意味するコマンドを入れて送信することによって、ホストコンピュータに異常を警告することができる。
装置A[20]からオーダーの問い合わせを受信し、データベース(数値データ記憶部[2])中のオーダーの有無を確認し、オーダーがあれば「検査する」、オーダーがなければ「検査しない」を返送する。
また、装置A[20]の検査結果を判定してから、もう一方の装置による検査の必要性を判断する設定を行ってもよい。
装置A[20]は、サブシステム[100]から返送されたオーダー情報を受信し、検査を実行して結果を判定する。検査結果および判定は、サブシステムに送信され、コード変換、データ変換処理を行った後、データベース(数値データ記憶部[2])に格納される。
判定部[8]は、取得した画像データおよび数値データの異常の有無を判定する判定手段として機能するものである。
これらの動作はキーボードなどの入力部[6]からの指示によって、制御部[1]を介して行われうる。また、データはプリンタなどの出力部[7]により出力されうる。
(6)対応する検体中に含まれる成分データを検出できる装置B[40]で取得した対応する検体の成分データを任意に選択して第一表示部[4]に表示する手段
を、有していても良い。すなわち、第一表示部において任意の検体に関する検体情報、装置Bから取得された対応する検体の成分データ、さらに装置Aから取得された画像に対応する数値データをすべて同時に表示することができる。
すなわち、本発明の有形成分分析装置は、透光板上の検体を撮像するための撮像ステージと、被検体中の有形成分の標本像を拡大する手段と、標本像を撮像する手段と、撮像された画像を処理して各種成分に識別する手段とを有することが望ましい。
透光板に載置された検体は、被覆透光板で被覆されていても良い。被覆透光板としては、例えばカバーガラスが挙げられる。被覆透光板の材料としては、上記した透光板と同様のものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
あるいは、検体中の成分を定量的に検出可能な生化学検査用自動分析装置や、より高感度な免疫測定用自動分析装置を適用してもよい。
具体的には、装置Aで取得した撮影画像にもとづく有形成分の分析結果と、相関する装置Bで取得可能な定性検査の結果を照合し、設定した許容範囲から外れた場合は異常と判定する。
S=1−3・a/(R+G+B)
H=cos-1(0.5(2R−G−B)/((R−G)2+(R−B)・(G−B))1/2))
a:R,G,Bの最小値
もし、(B/I)>(G/I)ならば、H=360−H
具体的には、座標表示したい細胞成分を第一表示部中から選択し、任意に設定した表示ボタンを押すと、第二表示部に表示された対応する画像中にデータとして認識された細胞成分が表示される。座標表示は、記号によるポインティング、あるいは細胞成分をラインで囲む形式があるが、特に限定されない。
また、表示手段としては、CRT、液晶ディスプレイを用いることができる。検査結果の出力には、前記表示手段以外に、プリンタを用いることもできる。
なお本発明は、以上例示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術範囲に含まれる。
検体情報にもとづいて疾患を有する可能性のある患者のスクリーニングを行った。
サブシステム上で「性別:男性、年齢:40歳以上、尿潜血:+以上、尿沈渣:RBC≧5/HPF」の論理式にもとづいて新規に取得した検査データの検証を行った。
前述の論理式に該当した検体をホストコンピュータに報告し、当該患者の問診を行ったところ、頻尿、喫煙歴があることが判明し、尿路上皮癌が疑われたため、細胞診検査を依頼した結果、異型細胞が確認され、初期の尿路上皮癌を発見することができた。
尿中有形成分分析装置を装置Aとして設定し、装置Aから新規に取得した検査データについて、数値データの前回値との比較を実施した。
尿中有形成分分析装置には、U−SCANNERII(東洋紡績)を用いた。
前回値と大きく異なる数値データが取得された検体について、画像を確認した結果、採取後の過程で尿試料に混入した夾雑物を、尿中有形成分と誤認していたことが判明した。
ただちに結果の修正を行い、ホストコンピュータに報告することができた。
同一検体から装置Aおよび装置Bから取得した検査データの検証を行った。
装置Aとして尿中有形成分分析装置U−SCANNERII(東洋紡績)、装置Bとして尿分析装置クリニテックアトラス−XL(シーメンス)を用いた。
前回値では、装置Aから取得された数値データは「RBC8個/HPF」、装置Bから取得された成分データが「潜血1+」であった。一方、今回、新規に取得されたデータは装置Aから取得された数値データが「RBC6個/HPF」であるのに対し、装置Bから取得された成分データが「潜血3+」であった。
まず、前回値について装置Aのデータと装置Bのデータを検証したところ、装置Aの画像データから得られる数値データと装置Bから得られる成分データが矛盾しないことを確認した。
次に、新規に取得したデータについても、同様に検証した。装置Aの画像データを確認したところ、RBCに関して画像と装置Aの数値データは一致していたが、画像中に細菌の出現が認められたことから、装置Bの成分データにおける「潜血3+」は細菌のペルオキシダーゼによる過酸化物が混入した結果の擬陽性であることが判明した。
上記の検証は、サブシステム上で画像を確認することで、容易に実施可能であり、修正した検査結果を、ただちにホストコンピュータへ送信することができた。
比較例として、装置Aのかわりに画像を取得しないフローサイトメトリー方式の尿中有形分析装置を用いたシステムでの検査データの検証を行った。
装置Aとして全自動尿中有形成分分析装置UF−1000i(シスメックス)、装置Bとして尿分析装置クリニテックアトラス−XL(シーメンス)を用いた。
〔実施例3〕と同様に、装置Aから取得されたデータと装置Bから取得されたデータに乖離の認められた検体について、検証を行った。
前回値では、装置Aから取得された数値データは「RBC25個/μl」、装置Bから取得された成分データは「潜血1+」であった。一方、今回、新規に取得されたデータは装置Aから取得された数値データが「RBC40個/μl」であるのに対し、装置Bから取得された成分データが「潜血1+」であった。
前回値については、装置Aと装置Bの間で矛盾がないこと、また新規に取得されたデータのうち、装置Aから取得された数値データ以外は前回値と比較して大きな変動がないことから、新規に装置Aから取得した数値データに何らかのエラーが生じた可能性が考えられたが、検体の画像が残らないため、正誤判断ができず、後日再検査を行うこととなった。
Claims (8)
- 分析対象検体の画像にもとづく数値データの精度を向上する方法であって、
以下の(1)〜(5)の手段を有することを特徴とする臨床検査システムを、画像およびその画像にもとづく数値データを取得できる装置Aと、上位システムとの間に接続して用いることを特徴とする方法。
(1)装置Aで取得した数値データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
(2)(1)で第一表示部に表示された数値データに対応した画像を第二表示部に同時に表示する手段
(3)上位システムから検体情報を取得する手段
(4)画像および(3)で取得した検体情報から、装置Aで取得した数値データの正確性を検証する手段
(5)(4)における検証が異常であれば上位システムに警告する手段 - さらに以下の(6)の手段を有する臨床検査システムを、対応する検体中に含まれる成分データを検出できる装置Bに接続して用いる、請求項1記載の方法。
(6)装置Bで取得した対応する検体の成分データを任意に選択して第一表示部に表示する手段 - 装置Aが尿中有形成分分析装置であり、装置Bが尿定性検査装置である請求項1または2記載の方法。
- 上位システムから取得する検体情報が、年齢、性別、過去の検査データより成る群から選択され、選択した検体情報を用いて構築した任意の論理式により、新規に取得したデータを検証し、異常があれば上位システムに警告を表示する手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 装置Aより取得した画像データのYRGB値を検証し、任意に設定された閾値以下である場合、取得した画像に対し、上位システムへアラームを発生させる手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 装置Aより取得したデータを任意に選択して第一表示部に表示し、第二表示部に表示された対応する撮影画像中において、データとして取得された有形成分を座標表示する手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 以下の(1)〜(5)の手段を有することを特徴とする、画像およびその画像にもとづく数値データを取得できる装置Aと、上位システムとの間に接続して用いる分析対象検体の画像にもとづく数値データの精度を向上するための臨床検査システム。
(1)装置Aで取得した数値データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
(2)(1)で第一表示部に表示された数値データに対応した画像を第二表示部に同時に表示する手段
(3)上位システムから検体情報を取得する手段
(4)画像および(3)で取得した検体情報から、装置Aで取得した数値データの正確性を検証する手段
(5)(4)における検証が異常であれば上位システムに警告する手段 - さらに以下の(6)の手段を有し、かつ、対応する検体中に含まれる成分データを検出できる装置Bに接続して用いる、請求項7記載の臨床検査システム。
(6)装置Bで取得した対応する検体の成分データを任意に選択して第一表示部に表示する手段
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