JP2010053189A - エポキシ樹脂組成物及びフレキシブルプリント配線板用材料 - Google Patents

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陽介 石川
Takayoshi Koseki
高好 小関
Shinji Okuno
真司 奥野
Yoshiaki Ezaki
義昭 江崎
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Abstract

【課題】Tgを著しく低下させることなく、室温での弾性率を低下させて、樹脂割れや粉落ちの低減を図ることができるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミド、(D)難燃剤とを含有して成るエポキシ樹脂組成物において、(D)難燃剤として、6個の置換基のうち2から4個がメチル置換基を有するフェノキシ基で置換された特定の液状ホスファゼンを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた樹脂付き金属箔、カバーレイ、プリプレグ、樹脂シートなどのフレキシブルプリント配線板用材料に関するものである。
近年、デジタル家電の活況に伴い、製品のさらなる高機能化・小型化が要求されている。その中で、薄くて屈曲可能なフレキシブルプリント配線板(FPC)はその要求に応えるための重要なパーツであり、デジタルカメラや携帯電話機などの小型デジタル家電には必要不可欠なものとなっている。
ところで、電子材料用途の絶縁性樹脂接着剤には、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することが多いが、エポキシ樹脂は一般的に電気的・力学的特性には優れている反面、硬くて脆いという性質を持つ。そのため、樹脂割れや粉落ちの原因となる場合があるため、エポキシ樹脂単独ではFPC用材料の用途としては使用できない。通常、樹脂割れや粉落ちの対策としては、高分子の熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂に混合して低弾性化を図ることが一般的である。
一方、電子機器の薄型化が進む中で、それに使用されるFPC用材料のカバーレイや樹脂付き金属箔などの薄型化も進められており、抜き打ち加工時等の粉落ちやハンドリング時の樹脂割れなどの改善要求が拡大している。通常、その改善要求を実現するためには、熱可塑性樹脂等の成分の増量や、より高分子の樹脂の選択などを行って、樹脂割れや粉落ちの低減を図っているが(例えば、特許文献1参照)、それによりTg(ガラス転移温度)が低下してしまうため、耐薬品性や耐熱性などの低下を引き起こしていた。
特開平11−140164号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、Tgを著しく低下させることなく、室温での弾性率を低下させて、樹脂割れや粉落ちの低減を図ることができるエポキシ樹脂組成物及びフレキシブルプリント配線板用材料を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミド、(D)難燃剤とを含有して成るエポキシ樹脂組成物において、(D)難燃剤として下記一般式(1)で表される液状ホスファゼンを含有して成ることを特徴とするものである。
Figure 2010053189
本発明の請求項2に係るエポキシ樹脂組成物は、請求項1において、(D)難燃剤の含有量が(A)エポキシ樹脂と(B)エポキシ樹脂硬化剤と(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミドの合計量に対して10〜25質量%であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るフレキシブルプリント配線板用材料は、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物を成形して成ることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、上記の一般式(1)の反応性の低い液状ホスファゼンの難燃剤を用いることによって、半硬化物のTgを著しく低下させることなく半硬化物の室温での弾性率を低下させることができるものであり、半硬化物の室温での柔軟性が向上して樹脂割れや粉落ちを低減することができるものである。
請求項2の発明では、所定量の(D)難燃剤を含有することによって、上記効果を確実に得ることができるものである。
請求項3の発明では、フレキシブルプリント配線板用材料の室温での柔軟性が向上して樹脂割れや粉落ちを低減することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミド、(D)上記一般式(1)に示す難燃剤を必須成分として含有する。
(A)成分であるエポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、酸化型エポキシ樹脂等を用いることができる。このうちグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂等を例示することができる。またグリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、ヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂等を例示することができる。またグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、芳香族アミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等を例示することができる。また酸化型エポキシ樹脂としては、脂環型エポキシ樹脂等を例示することができる。さらにナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラックエポキシ樹脂)、リン変性エポキシ樹脂(後述)等を用いることができるが、ハロゲンは含有しないものを用いるのが好ましい。特に(A)成分としては、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いると、フレキシブルプリント配線板の耐熱性、耐マイグレーション性、耐薬品性を高めることができるものである。中でもナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂としては、下記構造式(2)〜(4)で表されるもののうちの少なくとも1種類を用いるのが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いると、その他のエポキシ樹脂を用いる場合に比べて、フレキシブルプリント配線板の耐熱性、耐マイグレーション性、耐薬品性をさらに高めることができるものである。
Figure 2010053189
(B)成分であるエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、ポリアミン、変性ポリアミン、酸無水物、ヒドラジン誘導体、ポリフェノール等を用いることができる。このうちポリアミン系の硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン等を例示することができる。さらにこのうち脂肪族ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等を例示することができる。また脂環式ポリアミンとしては、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ラロミン等を例示することができる。また芳香族ポリアミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン等を例示することができる。また酸無水物としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、脂肪族二塩基酸ポリ無水物等を例示することができる。またポリフェノール系の硬化剤としては、フェノールノボラック、キシレンノボラック、ビスAノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラック等を例示することができる。さらにアミノトリアジンノボラック樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等を用いることができる。特に(B)成分としては、下記構造式(5)で表されるアミノトリアジンノボラック樹脂を用いるのが好ましい。このようなエポキシ樹脂硬化剤を用いると、フレキシブルプリント配線板の難燃性、耐薬品性を高めることができるものである。
Figure 2010053189
(C)成分であるカルボジイミド変性可溶性ポリアミドは、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを、溶媒の存在下又は不存在下で、50〜250℃の反応温度で反応させて得られたものを用いることができる。
上記の可溶性ポリアミドは、アルコール及び芳香族系及び/又はケトン系等の有機溶媒の混合物100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上が完全に溶解可能なものである。
上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を挙げることができ、上記芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等を挙げることができ、上記ケトン系溶媒としては、例えば、シクロヘキサノン、2−ブタノン、シクロペンタノン等を挙げることができる。これらのアルコール、芳香族系溶媒及びケトン系溶媒は、沸点が130℃以下であるものが好ましい。
可溶性ポリアミドは、ポリアミドを可溶化することによって得ることができる。この可溶化の方法としては、例えば、各種ポリアミドのアミド結合の水素原子をメトキシメチル基で一部置換する方法を挙げることができる。ポリアミドにメトキシ基を導入するとアミド基が有する水素結合能力が失われ、ポリアミドの結晶性が阻害されるため、溶媒への溶解性が増大する。また、上記可溶化の方法としては、例えば、可溶化前のポリアミドの分子中にポリエーテルやポリエステルを導入して共重合体とする方法も挙げることができる。可溶化前のポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46等を挙げることができる。
可溶性ポリアミドの具体例としては、「Zytel 61」(デュポン株式会社製)、「Versalon」(ゼネラルミルズ社製)、「アミランCM4000」(東レ株式会社製)、「アミランCM8000」(東レ株式会社製)、「PA−100」(富士化成工業株式会社製)、「トレジン」(ナガセケムテックス株式会社製)等を挙げることができる。
カルボジイミド化合物とは、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するもので、モノカルボジイミド化合物、ポリカルボジイミド化合物等を挙げることができ、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応により合成することができる。
上記モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を例示することができ、これらの中では、特に工業的に入手が容易であるという面から、ジシクロヘキシルカルボジイミド、あるいはジイソプロピルカルボジイミドが好適である。
また、上記ポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には、従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、J.Org.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review 1981,Vol.81No.4、p619−621 参照)により、製造されたものを用いることができる。
ポリカルボジイミド化合物を製造する際の合成原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルジイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
中でも、可撓性や耐湿性の向上効果などの観点から、脂肪族系(脂環族を含む)有機ジイソシアネートが好ましく、特にイロホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートやこれらの混合物がより好ましい。
また、上記ポリカルボジイミド化合物を製造する際には、冷却等により重合反応を途中で停止させて適切な重合度に制御することができる。この場合、末端はイソシアネート基となる。さらに、適切な重合度に制御するには、モノイソシアネート化合物等の、ポリカルボジイミド化合物の末端イソシアネート基と反応する化合物を用いて、残存する末端イソシアネート基の全て又は一部を封止する方法もある。重合度を制御することにより、可溶性ポリアミドとの相溶性や保存安定性を高めることができ、品質向上の点で好ましい。
このようなポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御するためのモノイソシアネート化合物としては、例えば、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等を挙げることができる。
また、ポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御する末端封止剤としては、上記モノイソシアネート化合物に限定されるものではなく、イソシアネート基と反応し得る活性水素化合物、例えば、(i)脂肪族、芳香族又は脂環族化合物であって、−OH基を有する、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル;(ii)=NH基を有するジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン;(iii)−NH基を有するブチルアミン、シクロヘキシルアミン;(iv)−COOH基を有するコハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸;(v)−SH基を有するエチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール;(vi)エポキシ基を有する化合物;(vii)無水酢酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸のような酸無水物等を挙げることができる。
上記有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応は、適当なカルボジイミド化触媒の存在下で行うものであり、使用し得るカルボジイミド化触媒としては、有機リン系化合物、有機金属化合物〔一般式M−(OR)[Mは、チタン(Ti)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)やバリウム(Ba)等を示し、Rは、炭素数1〜20までのアルキル基又はアリール基を示し、nはMの価数を示す]で表されるもの〕が好適であり、特に活性の面から、有機リン系化合物ではフォスフォレンオキシド類が好ましく、また、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコキシド類が好ましい。
上記フォスフォレンオキシド類としては、具体的には、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド又はこれらの二重結合異性体を例示することができ、中でも工業的に入手の容易な3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドが好ましい。
カルボジイミド化合物としては、上記のような機能を有する分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するものであれば、特に限定されるものではないが、反応性や耐加水分解安定性の向上効果などの点から、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド等の、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物が好ましく、脂肪族系又は脂環族系ポリカルボジイミド化合物がより好ましい。また、重合度は2〜30が好ましく、2〜20がより好ましい。重合度が2以上であると耐熱性の点で好ましく、重合度が20以下であると相溶性の点で好ましい。
カルボジイミド変性可溶性ポリアミドは、上記可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを溶媒の存在下又は不存在下で反応させ、可溶性ポリアミドが有するカルボキシル基やアミノ基等の反応性官能基と、これらと反応可能なカルボジイミド化合物のカルボジイミド基やイソシアネート基とが反応することにより得られる。
上記可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを反応させる方法は、特に限定されるものではないが、溶媒の存在下又は不存在下で行うことができる。
溶媒の存在下で反応させる方法としては、例えば、可溶性ポリアミド及びカルボジイミド化合物を溶媒に溶解させた後に反応させる方法を挙げることができ、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを加熱攪拌して反応させる方法が好ましく、可溶性ポリアミドを溶媒に溶解して得られた溶液にカルボジイミド化合物を添加し、リフラックス下で加熱攪拌して反応させる方法がより好ましい。このようにして得られた溶液から溶媒を常圧下ないし減圧下において除去することによって、カルボジイミド変性可溶性ポリアミドを得ることができる。
溶媒の不存在下で反応させる方法としては、例えば、可溶性ポリアミドを融点以上に溶融させた後にカルボジイミド化合物を混合して反応させる方法や、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物を二軸押出機により溶融混練させながら反応させる方法を挙げることができる。
可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを反応させる際には、反応系にカルボジイミド変性を阻害する化合物が存在しないことが好ましく、反応系にカルボジイミド化合物、可溶性ポリアミド及び必要に応じて用いられる溶媒のみが存在することがより好ましい。上記カルボジイミド変性を阻害する化合物の具体例としては、エポキシ樹脂、アミン系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
上記可溶性ポリアミドをカルボジイミド化合物と反応させる時間は、使用する可溶性ポリアミドやカルボジイミド化合物の種類、反応方法、反応温度等により異なるが、例えば、1〜500分程度であり、5〜200分であることが好ましい。
上記可溶性ポリアミドをカルボジイミド化合物と反応させる温度も、使用する可溶性ポリアミドやカルボジイミド化合物の種類、反応方法、反応温度等により異なるが、例えば、50〜250℃であり、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを溶媒の存在下で反応させる場合には、50〜150℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。また、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物とを溶媒の不存在下で反応させる場合には、130〜250℃であることが好ましく、150〜220℃であることがより好ましい。反応温度が50℃未満であると、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物との反応が遅く、可溶性ポリアミドの変性に時間がかかって工業的に好ましくなく、250℃を超えると樹脂の分解などによる劣化が起こりやすくなる。
なお、上述のように可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物を反応させることで、可溶性ポリアミドが変性され、カルボジイミド変性可溶性ポリアミドとなる。例えば、上述の反応が進行するのに伴い、カルボジイミド化合物が有するカルボジイミド基が減少するため、赤外線測定によって反応物と生成物を比較すると、反応物で観測されるカルボジイミド基のピークが生成物では減少している。また、反応物と生成物に対して示差熱熱重量測定を行うと、反応物の吸熱ピークはアミド樹脂起因・カルボジイミド樹脂起因など複数観測されるが、生成物の吸熱ピークは1つに集約される。以上により、可溶性ポリアミドが変性されたことを確認することができる。
上述のようにして得られたカルボジイミド変性可溶性ポリアミドは、可溶性ポリアミドとカルボジイミド化合物からなる組成物と比較して、保存安定性に優れている。すなわち、上記組成物の場合は、溶液化した際に溶液の増粘が起こり、更にはゲル化に至るのに対し、変性をしたものは溶液状態でも増粘などの変化を示さず、その状態で長期間保管することが可能である。
カルボジイミド化合物の添加量は、可溶性ポリアミド100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。添加量が0.5質量部未満であると、耐湿性や耐熱性が十分に向上しないおそれがあり、20質量部を超えると、可塑性が高くなり過ぎたり耐衝撃性が損なわれたりするおそれがある。
(D)成分である難燃剤は上記一般式(1)で表される化合物である。この液状ホスファゼン(環状ホスファゼン化合物)はハロゲンフリーであり、且つリン含有率が高いため配合量が少なくても優れた難燃効果を発揮するものである。また、上記の一般式(1)の液状ホスファゼンは反応性の低い化合物であるため、本発明のエポキシ樹脂組成物の半硬化物(Bステージ状態)のTgを著しく低下させることなくエポキシ樹脂の架橋密度を低下させることができ、半硬化物の室温での弾性率を低下させることができるものであり、半硬化物の室温での柔軟性が向上して樹脂割れや粉落ちを低減することができるものである。この(D)成分の6個のXのうち、2〜4個が上記の式(1’)で示されるメチルフェノキシ基であり、残りの2〜4個がフェノキシ基であり、この場合、液状ホスファゼンとなる。(D)成分の6個のXのうち、1個が上記の式(1’)で示されるメチルフェノキシ基であり、残りの5個がフェノキシ基である場合や、(D)成分の6個のXのうち、5個が上記の式(1’)で示されるメチルフェノキシ基であり、残りの1個がフェノキシ基である場合は固形ホスファゼン(粉体)となる。尚、(D)成分部には式(1’)で示されるメチルフェノキシ基が2個のものと、3個のものと、4個のものは任意に割合で含まれている。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(A)(B)(C)成分の配合割合は、(A)成分が20〜60質量部、(B)成分が10〜45質量部、(C)成分が20〜70質量部にすることができ、かつ(A)(B)(C)成分の合計量を100質量部とするのが好ましい。(C)成分であるカルボジイミド変性可溶性ポリアミドの含有量が(A)(B)(C)成分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の範囲内であると、フレキシブルプリント配線板の屈曲性、耐薬品性を高めることができるものである。しかし、(C)成分の含有量が20質量部未満であると、屈曲性が低下するおそれがあり、逆に(C)成分の含有量が70質量部を超えると、難燃性や耐熱性が低下するおそれがある。特に、(C)成分のうち、分子量が2万以上のカルボジイミド変性可溶性ポリアミドの含有量が(A)(B)(C)成分の合計量100質量部に対して20〜60質量部であることが好ましく、この場合、エポキシ樹脂の熱硬化性樹脂としての性能が発揮されて、高い耐熱性、絶縁性、銅箔引き剥がし性を有することができる。また、(D)成分の含有量は(A)(B)(C)成分の合計量に対して10〜25質量%の範囲であることが好ましい。(D)成分の含有量が10質量%未満であると、エポキシ樹脂組成物の半硬化物や硬化物の難燃性を維持しながら屈曲性を高くすることが難しくなるおそれがあり、(D)成分の含有量が25質量%を超えると、エポキシ樹脂組成物の半硬化物や硬化物の難燃性を維持しながらTgの低下を抑制することが難しくなるおそれがある。
エポキシ樹脂組成物中に配合される難燃剤が上記(D)成分のみであれば、ガラス転移温度の低下を抑制する作用が著しい。また、エポキシ樹脂組成物には(D)成分以外の難燃剤としてリン酸エステル等の有機リン化合物を含有させても良い。有機リン化合物はエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度の低下を招くが、(D)成分を併用することによりこのガラス転移温度の低下は緩和される。この(D)成分以外の難燃剤の使用量は、充分な難燃性が確保されると共にガラス転移温度の低下が充分に抑制されるように適宜調整されることが望ましい。
また、エポキシ樹脂組成物には、上記(A)〜(D)成分のほか、フェノキシ樹脂を含有させても良い。フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA/ビスフェノールF型共重合型フェノキシ樹脂等を用いることができる。このフェノキシ樹脂によって、フレキシブルプリント配線板の屈曲性をさらに高めることができる。なお、フェノキシ樹脂の含有量はプリント配線板用エポキシ樹脂組成物全量に対して5〜30質量%であることが好ましい。また、エポキシ樹脂組成物中には、必要に応じて2−エチル−4−メチルイミダゾール等の硬化促進剤を含有させても良い。
エポキシ樹脂組成物は上記のような成分を配合することによって調製することができる。このようにして得られたエポキシ樹脂組成物にあっては、上記の通り(D)成分である上記式(1)の構造を有する液状ホスファゼンを含有することで、ハロゲンを含有しなくてもエポキシ樹脂組成物に優れた難燃性が付与される。しかも、この液状ホスファゼンはリン含有率が高いため配合量が少なくても優れた難燃効果を発揮する。また、この液状ホスファゼンはエポキシ樹脂組成物の半硬化物のTgを著しく低下させることなくエポキシ樹脂の架橋密度を低下させることができ、半硬化物の室温での弾性率を低下させることができるものであり、半硬化物の室温での柔軟性が向上して樹脂割れや粉落ちを低減することができるものである。
また、(C)成分である可溶性ポリアミドも含有することでエポキシ樹脂組成物の絶縁性が向上すると共に、難燃性、耐熱性、耐薬品性が更に優れたものとなり、しかもエポキシ樹脂組成物に優れた柔軟性が付与され、高い屈曲性が維持される。特に(C)成分として、ポリアミドの未反応基(アミノ基やカルボキシル基)をカルボジイミドと反応させて得られたカルボジイミド変性可溶性ポリアミドを使用すると、エポキシ樹脂組成物の保存安定性、密着性、屈曲性、充填性をいずれも高めることができるものである。すなわち、ポリアミドの原料に起因する未反応基(アミノ基やカルボキシル基)をカルボジイミドと反応させることにより、ポリアミド樹脂とエポキシ樹脂との低温での反応促進を防ぎ、ワニス保存安定性を保つと共に、塗工・乾燥で得られる各種シート(後述の樹脂シート、プリプレグ、金属箔付き樹脂シート、カバーレイ等)の保存安定性及びプレス成形性を満足させることができるものである。そして、プリント配線板用エポキシ樹脂組成物のワニス及びシート作業性、加工性(保存安定性やプレス成形性)と、フレキシブルプリント配線板の各種特性(密着性、屈曲性、充填性など)とを両立させることができるものである。
上記エポキシ樹脂組成物を適宜ワニスとして用いてフレキシブルプリント配線板用材料を成形することができる。ここで、フレキシブルプリント配線板用材料とは、樹脂シート、プリプレグ、金属箔付き樹脂シート、カバーレイなどのことを意味し、これらを用いて、フレキシブルプリント配線板を製造することができるものである。
樹脂シートは、エポキシ樹脂組成物をフィルム状に成形すると共に、これを半硬化状態(Bステージ状態)となるまで加熱乾燥することによって製造することができる。また、プリプレグは、プリント配線板用エポキシ樹脂組成物をガラスクロス等の基材に含浸させ、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥することによって製造することができる。また、金属箔付き樹脂シートは、エポキシ樹脂組成物を銅箔等の金属箔に塗布し、これを加熱乾燥して半硬化状態の接着性樹脂層を形成することによって製造することができる。また、ポリイミドフィルム等のプラスチックシートの一面にエポキシ樹脂組成物を塗布し、これを加熱乾燥して半硬化状態の接着性樹脂層を形成することによってカバーレイを製造することができる。また、上記金属箔付き樹脂シートを、シールド機能を持ち合わせたカバーレイとして用いることもできる。さらにフレキシブルプリント配線板は、ソルダーレジスト組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔付き樹脂シート、カバーレイのうちの少なくとも1種類を用いて製造される。
具体的には、例えばポリイミドフィルム等の一面又は両面に回路形成を施すなどしてフレキシブルプリント配線板を製造し、ソルダーレジスト組成物を前記フレキシブルプリント配線板の回路形成面にパターン状に塗布し、加熱成膜することで、ソルダーレジスト被膜を有するフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
また、ポリイミドフィルム等をコア材として用い、このコア材の片面又は両面に樹脂シート、プリプレグ、金属箔付き樹脂シートのうちのいずれかのものを貼り合わせた後、適宜回路形成及び層間接続を行うことによって、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。また、これらの樹脂シート、プリプレグ又は金属箔付き樹脂シートの積層と回路形成、相間接続等とを順次繰り返すことで、多層のフレキシブルプリント配線板を製造することもできる。
また、フレキシブルプリント配線板の回路形成面にカバーレイの接着樹脂層を重ね、必要に応じて接着樹脂層を加熱硬化するなどして、カバーレイを有するフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
このようにして得られた樹脂シート、プリプレグ、金属箔付き樹脂シート、カバーレイ、フレキシブルプリント配線板にあっては、いずれも上記エポキシ樹脂組成物を材料として製造されているので、ハロゲンを使用することなく優れた難燃性が付与される。また、ガラス転移温度の低下を起こしにくくなって、高い耐熱性、耐薬品性が維持される。更に、(C)成分である可溶性ポリアミドによって絶縁性が向上すると共に、難燃性、耐熱性、耐薬品性が更に優れたものとなり、しかも優れた柔軟性が付与され、高い屈曲性が維持される。また、特に(C)成分がカルボジイミド変性可溶性ポリアミドであると、更に密着性、屈曲性、充填性をいずれも高めることができるものであり、更に高温プレス成形時にはエポキシ基とカルボジイミド基との反応も進むために、耐熱性、耐薬品性などに優れるフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(カルボジイミド化合物の合成)
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート590g、シクロヘキシルイソシアネート62.6g及びカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)6.12gを180℃で48時間反応させることによって、カルボジイミド化合物として4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド樹脂(重合度=10)を得た。
((C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミドの合成)
1リットルのセパラブルフラスコにエステル共重合アミド樹脂(商品名:「CM8000」、東レ株式会社製)50.0gとイソプロピルアルコールとトルエンとの混合溶媒(質量混合比4:6)450.0gとを加えて撹拌することにより溶解させた。こうして得られた溶液に上記カルボジイミド化合物(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド樹脂)5.0gを加え、フラスコを120℃のオイルバスに浸漬させてリフラックス下で3時間加熱撹拌した後に、減圧乾燥して溶媒を除去することにより、(C)成分となるカルボジイミド変性可溶性ポリアミドを得た。
上記のようにして得られた(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミドに対して赤外分光光度測定を行ったところ、2120cm−1にカルボジイミド基の存在を示す吸収ピークが認められた。さらに上記(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミドに対して示差走査熱量測定を行ったところ、1つの吸熱ピークが観測された。なお、上記(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミドのガラス転移温度は120℃、5%重量減温度は320℃、溶液の粘度は860mPa・sであった。
次に下記[表1]に記載の配合組成に従い、実施例1〜4及び比較例1〜4のエポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。なお、下記[表1]の配合は全て固形分比率である。
(実施例及び比較例)
各実施例及び比較例につき、表1に示される各成分を容器に混合することで、エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。表中の各成分の使用量は全て固形分比率で示され、(A)成分、(B)成分及び(C)成分は表中に示される質量比で使用し、他の成分は(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量に対する配合割合が表中に示されるものになるように使用した。
なお、下記表1に示す各成分は以下の通りである。
・(A)ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(構造式(2)):ハロゲンを含有せず、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC−7000L」、上記構造式(2)で表されるもの)
・(B)フェノールノボラック型アミノトリアジンノボラック樹脂(構造式(5)、R=H):フェノールノボラック型のアミノトリアジンノボラック樹脂(DIC株式会社製「LA−7052」、上記構造式(5)で表され、RがHであるもの)であって、メチルエチルケトンに溶解したものであり、樹脂固形分は60質量%であった。
・(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミド:既述のように合成したものを使用した。なお、これは、イソプロピルアルコールとトルエンの混合溶媒(質量混合比4:6)に溶解したものであり、固形分濃度は11質量%であった。
・(D)難燃剤(液状ホスファゼン、上記一般式(1)の構造を有し、式(1’)の官能基Xが2〜4個であり、その他の官能基Xがフェノキシ基のもの、大塚化学株式会社製のSPB−100)
・フェノキシ樹脂:フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製「YP−50」)であって、メチルエチルケトンに溶解したもの、樹脂固形分65質量%
・硬化促進剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製「2E4MZ」)
・固体ホスファゼン(上記一般式(1)の構造を有し、式(1’)の官能基Xが1個以下であり、その他の官能基Xがフェノキシ基のもの、伏見製薬所製のFP−100)
・固体ホスファゼン(上記一般式(1)の構造を有し、式(1’)の官能基Xが5個以上であり、その他の官能基Xがフェノキシ基のもの、伏見製薬所製)
次に、コンマコーター及びこれに接続された乾燥機を用いて、厚み12μmの銅箔の片面に上記のようにして得られたワニスを塗工・乾燥し、乾燥後の厚みが50μmの接着性樹脂層を形成することによって、銅箔付き樹脂シートを製造した。
そして、このようにして得られた銅箔付き樹脂シートについて、樹脂割れ及び粉落ち、難燃性、屈曲性、ガラス転移温度(Tg)、ワニス保存性、耐薬品性、銅箔引き剥がし強度、半田耐熱性、回路充填性、耐マイグレーション性を評価した。これらの各評価に用いたサンプルの作製条件及び評価条件を以下に示し、評価結果を下記[表1]に示す。
樹脂割れ及び粉落ち試験は、厚み40μm、10cm角のエポキシ樹脂組成物をカッターナイフで端から5mm幅に切り出す。これを10回繰り返し、切り出した端面から発生した樹脂粉の重量を測定した。発生した樹脂粉の重量が10mg未満であれば「OK」と評価し、10mg以上であれば「NG」と評価した。
難燃性は、UL94に準じて94VTMの難燃性の判定基準により、VTM−0を満たすものを「OK」、VTM−0を満たさないものを「NG」と評価した。
屈曲性は、MIT法によって試験を行い、測定条件をR=0.38mm、荷重500g、毎分175回の割合で折り曲げるように設定し、回路の導通が取れなくなるまでの折り曲げ回数により評価した。
ガラス転移温度は、DMA法(引張り法)によって、損失正接ピークより求めた。
ワニス保存性は、初期の粘度と25℃で7日間保存した後の粘度とを測定し、粘度変化が10%未満であったワニスを「OK」、10%以上変化したワニスを「NG」とした。
耐薬品性は、次のようにして評価した。すなわち、銅箔付き樹脂シートを2枚用い、これらの接着性樹脂層が形成された面同士を貼り合わせ、180℃で1時間加熱加圧成形することによってサンプルを作製した後、このサンプルの銅箔をエッチングにより除去した。次にこのサンプルを水酸化ナトリウム3質量%、温度40℃の水溶液に3分間浸漬させた後取り出し、水で洗い、乾燥した清浄な布で水分を十分に拭き取った。その後直ちにサンプルの変色、膨れ、はがれ等の外観の変化を目視にて観察した。そして、外観変化のないものを「OK」とし、外観変化のあるものを「NG」とした。
銅箔引き剥がし強度は、厚み25μmのポリイミドフィルムの両面に銅箔付き樹脂シートの接着性樹脂層が形成された面を貼り合わせ、180℃で1時間加熱加圧成形することによってサンプルを作製し、このサンプルの銅箔を90°方向に引き剥がしたときの引き剥がし強度により評価した。
半田耐熱性は、厚み25μmのポリイミドフィルムの両面に銅箔付き樹脂シートの接着性樹脂層が形成された面を貼り合わせ、180℃で1時間加熱加圧成形することによってサンプルを作製し、これを260℃と288℃に加熱した半田浴にそれぞれ60秒間浸漬した後、外観を観察することにより評価した。膨れやはがれ等の外観異常の発生がないものを「OK」とし、これ以外のものを「NG」とした。
回路充填性は、片面35μm厚みの圧延銅箔のフレキシブルプリント配線板に櫛形パターンを設けて形成した試験片に、銅箔付き樹脂シートの接着性樹脂層が形成された面を貼り合わせ、180℃で1時間加熱加圧成形することによってサンプルを作製し、このサンプルの外観を目視にて観察することにより評価した。パターン間が全て樹脂で充填されているものを「OK」とし、これ以外のものを「NG」とした。
耐マイグレーション性は、片面フレキシブルプリント配線板に櫛形電極を設けた試験片に、銅箔付き樹脂シートの接着性樹脂層が形成された面を貼り合わせ、180℃で1時間加熱加圧成形することによってサンプルを作製し、このサンプルを用いて85℃/85%RHの環境下で10Vの電圧を250時間印加するテストを行うことによって評価した。そしてこのテスト後のマイグレーション度合いを目視にて評価した。マイグレーションが発生していないものを「OK」とし、これ以外のものを「NG」とした。
Figure 2010053189
液状ホスファゼンを含有する実施例1〜4は、固体ホスファゼンを含有する比較例1〜3と対比して、樹脂割れ及び粉落ちの評価が高くなった。また、比較例4は実施例1〜4と同様の樹脂割れ及び粉落ちの評価を有するが、Tgが低下しすぎるために耐薬品性が低下した。
また、実施例2、3では(D)成分が所定の範囲内にあるため、屈曲性及びTgのバランスが良好であるが、(D)成分が少ない実施例1では屈曲性の低下が大きくなる傾向にあり、(D)成分が多い実施例4ではTgの低下が大きくなる傾向にあった。

Claims (3)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミド、(D)難燃剤とを含有して成るエポキシ樹脂組成物において、(D)難燃剤として下記一般式(1)で表される液状ホスファゼンを含有して成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010053189
  2. (D)難燃剤の含有量が(A)エポキシ樹脂と(B)エポキシ樹脂硬化剤と(C)カルボジイミド変性可溶性ポリアミドの合計量に対して10〜25質量%であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物を成形して成ることを特徴とするフレキシブルプリント配線板用材料。
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