JP2010052991A - 独楽型石灰焼成炉を用いた石灰石、ドロマイトの焼成方法 - Google Patents

独楽型石灰焼成炉を用いた石灰石、ドロマイトの焼成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】独楽型石灰焼成炉を用いて、安価な固形燃料である廃プラスチックやRPFを燃焼させて石灰石、ドロマイトを焼成するに当たり、前記固形燃料の燃焼効率を上げて使用量を増加させて経済的に石灰石、ドロマイトを焼成する方法の提供。
【解決手段】芯部19を軸として徐徐に水平に回転する炉体17と、炉体17の上面を被う下向きの盆型底高の上蓋18であって、その中央部上側に下向きにバーナー2を備えた上蓋18との間に燃焼室10を構成し、炉体17内のほぼ中央部に設置させて燃焼ガスを炉体17内において循環させるためのデフュザー14を有する独楽型石灰焼成炉20を用いて、バーナー2から燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉17内に吹き込み燃焼させつつ、廃プラスチック21を上蓋18に設置した廃プラスチック投入口5より炉体17内に投入して燃焼させて石灰石および/またはドロマイトを焼成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、独楽型石灰焼成炉を用いた石灰石、ドロマイトの焼成方法に関するものであり、更に詳しくは、独楽型石灰焼成炉を用いて石灰石、ドロマイトを焼成する際に、安価な廃プラスチックまたはごみ固形燃料(以下、RPFと称す。Refuse Paper & Plastic Fuel)を上蓋部より炉内に投入することにより、廃プラスチック、RPFの燃焼効率を上昇させ、その使用量を増加させるために、バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉内に吹き込み燃焼させながら混焼するようにした石灰石、ドロマイトの焼成方法に関するものである。
近年石油、石炭、コークスなどの化石燃料の価格高騰、地球温暖化ガス対策としての二酸化炭素ガスの排出量削減のためこれら燃料の代替が喫緊の課題となっている。
従来、石灰石、ドロマイトなどの焼成炉は縦型炉、ロータリーキルンなどが用いられている。一般的にロータリーキルンでは燃焼室が大きく燃焼空気と燃料との混合が容易にコントロールできることから、固形燃料である可燃性の木材、廃タイヤチップ、廃プラスチックなど代替燃料の燃焼を行っているが、ロータリーキルンは縦型炉に比べて所用エネルギーが高くエネルギー効率が悪いという問題があった。
一方、縦型炉では燃焼バーナーを炉の外周側面に配置し比較的容積の小さな燃焼室を経て炉内に燃焼ガスを導入する。そのため燃料の燃焼をより完全にしかも燃焼速度を速めるために、固形燃料を用いる場合はできるだけ粒径を小さくする必要がある。たとえば石炭では粒径75μm以下の粒子がおよそ80%以上とする。そのためコストアップになるという問題があった。
独楽型石灰焼成炉(特許文献1参照)は、芯部を軸として徐徐に水平に回転する炉体と、前記炉体の上面を被う下向きの盆型底高の上蓋であって、その中央部上側に下向きにバーナーを備えた上蓋との間に燃焼室を構成し、前記炉体内のほぼ中央部に設置させて高温燃焼ガスを炉体内において循環させるためのデフュザーを有する独楽型石灰焼成炉であり、ロータリーキルンと同様、燃焼室が大きいため、石炭、コークス、廃プラスチック燃料などの比較的粒径の大きい固形燃料を使用することが可能である。
縦型焼成炉(独楽型石灰焼成炉)(特許文献2参照)に、粗粒を含む石油コークス、粉炭、プラスチック破砕片、草木質破砕片などの粉粒状可燃物を燃焼するために、原料供給管を通じて外部から空気が流入することを防止、また燃焼に充分な過剰空気を用いなくとも燃焼室内の温度制御さらには取り出す二酸化炭素の濃度の制御を行なうことができることが開示されている。
他の独楽型石灰焼成炉(特許文献3参照)においては、廃プラスチックと燃料油の混焼において、該焼成炉の炉蓋に廃プラスチック吹き込み口をバーナーから離すとともに、吹き込まれた廃プラスチックがバーナーの火炎を通過して炉床上の原石に当たる方向に向けて設けた焼成方法が開示されている。
しかしこれらの方法でも、独楽型石灰焼成炉で重油、微粉炭燃料の一部を廃プラスチックまたはRPF燃料に置き換えて混合燃焼させた場合、廃プラスチックまたはRPFのサイズを比較的小さくたとえば10mm程度の小さいサイズを使用しても該燃料の燃焼スピードが遅いため、燃焼室のみで燃焼が終了せず焼成炉の下部まで続行しいわゆる高温部の焼成帯が下がり、製品である生石灰の排出温度が上昇する。
また燃焼室内は不完全燃焼状態となり、すすの発生、炉蓋温度の上昇などを生じる。
そのために廃プラスチックまたはRPFの使用量が限定されてしまい、代替率が10〜30%程度と低くせざるを得ない。
その対策として燃料を粉砕し粒径を小さくすれば良いが、粉砕に要するコストと同時に粉砕物のカサ密度が著しく小さくなり、かつ供給装置が空気輸送に限定され、しかもタンク貯槽時にブリッジが発生するなど定量供給に問題を有している。
特公昭57−15311号公報 特許第3623016号公報 特許第3443588号公報
RPFは、廃プラスチック類を分別し裁断したもの、また主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及びプラスチックを裁断した後、押し出し成型した、直径6〜60mm、長さ10〜100mmのほぼ円柱状のごみ固形燃料であり、発熱量が5,000kcal〜9,000kcalあり、価格も安く、経済的に優れた代替燃料である。
そこで、本発明の目的は、独楽型石灰焼成炉を用いて石灰石、ドロマイトを焼成する際に、燃料油と安価な廃プラスチックまたはRPFの混焼において、直径6〜10mm、長さ30mm程度の円柱状固形燃料を効率よく燃焼させ、その使用量を増加させて経済的に石灰石、ドロマイトを焼成する方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、独楽型石灰焼成炉の石灰石、ドロマイトの焼成方法において、バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉内に吹き込み燃焼させつつ、直径8mm、長さ30mm程度のサイズの円柱状RPFまたは粒径10mm程度の廃プラスチック燃料を上蓋部より炉内に投入することにより廃プラスチックまたはRPFの燃焼効率を上昇させることができ、本発明の目的を達成できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、芯部を軸として徐徐に水平に回転する炉体と、前記炉体の上面を被う下向きの盆型底高の上蓋であって、その中央部上側に下向きにバーナーを備えた上蓋との間に燃焼室を構成し、
前記炉体内のほぼ中央部に設置させて燃焼ガスを炉体内において循環させるためのデフュザーを有する独楽型石灰焼成炉を用いて、
前記バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉内に吹き込み燃焼させつつ、廃プラスチックを上蓋に設置した廃プラスチック投入口より炉体内に投入して燃焼させて石灰石および/またはドロマイトを焼成することを特徴とする石灰石、ドロマイトの焼成方法である。
本発明の請求項2は、請求項1記載の石灰石、ドロマイトの焼成方法において、前記燃料油がA重油および/または、エンジンオイル、ギヤーオイル、作動油、トランス油などの使用済の油成分を処理して固形分、水分を除去した廃油由来の再生油であることを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の石灰石、ドロマイトの焼成方法 において、前記廃プラスチックがRPFであることを特徴とする。
本発明の請求項1記載の発明は、芯部を軸として徐徐に水平に回転する炉体と、前記炉体の上面を被う下向きの盆型底高の上蓋であって、その中央部上側に下向きにバーナーを備えた上蓋との間に燃焼室を構成し、
前記炉体内のほぼ中央部に設置させて燃焼ガスを炉体内において循環させるためのデフュザーを有する独楽型石灰焼成炉を用いて、
前記バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉内に吹き込み燃焼させつつ、廃プラスチックを上蓋に設置した廃プラスチック投入口より炉体内に投入して燃焼させて石灰石および/またはドロマイトを焼成することを特徴とする石灰石、ドロマイトの焼成方法であり、
独楽型石灰焼成炉を用いて石灰石、ドロマイトなどの焼成に際し、廃プラスチックまたはRPFを上蓋部より炉内に投入することにより廃プラスチックを代替燃料として使用する場合、バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を1000℃以上の高温雰囲気を有する炉内に噴霧すると、水が急激に気化して微爆発することにより油が一層微粒子化し、燃焼空気との接触面積が飛躍的に増加することによって、燃料油および該廃プラスチックまたはRPFの燃焼効率が上昇するので、該廃プラスチックまたはRPFの使用量を増加させて経済的に石灰石、ドロマイトを焼成することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の石灰石、ドロマイトの焼成方法において、前記燃料油がA重油および/または、エンジンオイル、ギヤーオイル、作動油、トランス油などの使用済の油成分を処理して固形分、水分を除去した廃油由来の再生油であることを特徴とするものであり、
廃油由来の安価な再生油を用いることにより、さらに経済的に石灰石、ドロマイトを焼成することができるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の石灰石、ドロマイトの焼成方法 において、前記廃プラスチックがRPFであることを特徴とするものであり、
安価なRPFを用いることにより、さらに経済的に石灰石、ドロマイトを焼成することができるというさらなる顕著な効果を奏する。
次に本発明を図を用いて説明する。
図1は、本発明で用いる独楽型石灰焼成炉の1例を説明する説明図である。
図1に示したように、本発明で用いる独楽型石灰焼成炉20は、芯部19を軸として徐徐に水平に回転する炉体17と、炉体17の上面を被う下向きの盆型底高の上蓋18であって、その中央部上側に下向きにバーナー2を備えた上蓋18との間に燃焼室10を構成し、炉体17内のほぼ中央部に設置させて燃焼ガスを炉体17内において循環させるためのデフュザー14を有している。
本発明においては、独楽型石灰焼成炉20を用いて、バーナー2から燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉17内に吹き込み燃焼させつつ、廃プラスチック21を上蓋18に設置した廃プラスチック投入口5より炉体17内に投入して燃焼させて石灰石および/またはドロマイト(図1中に原石層6として示す)を焼成する。
図1中の、1は原石ビン、3は燃焼空気送気管、4はプッシャー、7は炉体内監視窓、8は焼成帯上部、9は焼成帯下部、11は排気管、12は冷却帯、13はインジェクタノズル、15は冷却空気送気管、16は排鉱機、22は連結管を示す。
原石ビン1から原石(石灰石および/またはドロマイト)を上蓋18の周囲に6本連結した連結管22をを経て自重により炉体17内に落下して原石層6を形成する。焼成された生石灰、軽焼ドロマイトは焼成帯上部8、焼成帯下部9を経て冷却帯12のゾーンで冷却空気送気管15よりルーツブロアーの高圧空気をインジェクタノズル13からデフュザー14を経て炉体17内の燃焼室10に冷却空気を吹込み冷却される。燃焼室10内では原石の粒子の間隙に冷却空気と燃焼高温ガスが混合対流し原石の焼成が行われる。
焼成された製品は炉体17下部に設けられた排鉱機16により所望の生産量に見合った量だけ、間歇的に炉体17外に抜き出す。原石層6の原石レベルは焼成帯上部8の高さを一定に保つように、排鉱機16により排鉱した製品と同一の容量分だけ原石を炉体17内にプッシャー4を調整して押し込む。
製品(例えば生石灰)の焼成度は石灰石の分解に要する熱量と炉体17内の滞留時間により調整可能である。原石投入から焼成物である製品生石灰排出までの滞留時間は5〜12時間程度で運転する。
廃プラスチック21は原料が廃棄物であるので様々な形状をしている。回収された状態で不燃性のゴミ、金属類、塩素含有プラスチック類を分別した後、適度のサイズに解砕し、そのまま、あるいは直径数ミリ〜数十ミリの円柱上に整形し、長さ10mm〜50mm程度に切断したいわゆるRPFといわれる燃料としている。RPFには紙類、木質を混入する場合もあり、発熱量5,000kcal/kg〜8,000kcal/kgに調節している。
比較的大きな燃焼室10を有する独楽型石灰焼成炉20では廃プラスチックまたはRPF21の燃焼において、燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を燃焼し炉体17内の温度を1000〜1200℃に達してから、上蓋18に設置した廃プラスチック投入口5より炉体17内に投入して廃プラスチックまたはRPF燃料21を投入し石灰原石層6上に落下し燃焼する。
この際重要なのは散布を炉体17の内の燃焼室10に均一にすること、プラスチックまたはRPF燃料21の粒度をできるだけ細かくすることである。
しかし、プラスチック類は一般に材料が軟質で機械的に破砕するのが困難で、解砕、切削して細粒化しなければならず、カサ密度も0.1〜0.3程度に低下し流動性が悪くなり、ホッパーに貯留するとブリッジを生じ、排出困難となり定量供給ができない。
その解決策として、直径8mm、長さ30mm程度、カサ密度0.4程度のRPF21を、そのままの形状で独楽型石灰焼成炉20の石灰石、ドロマイトなどの焼成においてRPF21を上蓋18に設置した廃プラスチック投入口5より炉体17内に投入することにより廃プラスチックまたはRPF21を代替燃料として使用する。
そして、バーナー2から燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉体17内に吹き込み噴霧して廃プラスチックまたはRPF21と混焼させることにより、燃焼室10でエマルション燃料中の水が1000℃以上の高温雰囲気中で急激に気化して微爆発することにより油が一層微粒子化し、燃焼空気との接触面積が飛躍的に増加することによって、燃料油および該廃プラスチックまたはRPF21の燃焼効率が上昇するので、廃プラスチックまたはRPF21の使用量を増加させて経済的に石灰石、ドロマイトを焼成することができる。
以下、実施例および比較例をもとに本発明を詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
前記のようにして10mm〜25mmサイズドロマイトを焼成するに当たり、図1に示した独楽型石灰焼成炉20を用い、A重油を燃料として50トン/日の軽焼ドロマイトを焼成する際に、A重油の一部代替として次の表1に示すRPFを使用した。
A重油110〜130l/hの燃料をバーナー2から炉体17内に吹き込み、同時に表1に示すRPFを180kg/hの流量になるようにロータリーバルブの回転数を制御し、ルーツブロアーによる加圧空気にて独楽型石灰焼成炉20、上蓋18に設置した廃プラスチック投入口5に連続的に輸送し、燃焼室10に投入した。
そのときのバーナー2に供給する燃焼空気量は27m3 /分、冷却空気送気管15を経てデュフュザー14から導入する製品の冷却空気量は30m3 /分であった。この条件で操業した日の時間13:00〜21:00において独楽型石灰焼成炉20の燃焼室10の炉蓋温度は、1、256℃〜1,342℃で推移した。
このときのRPF21の燃焼状態を独楽型石灰焼成炉20の燃焼室10の周囲に設置しているのぞき窓17から目視したところ、黒煙が発生し、不完全燃焼により目視できない状態であった。
製品生石灰温度は炉下部の排鉱機16の排出口で測定したところ180℃〜250℃となりRPF混焼に伴い燃焼帯が降下したため製品温度が上昇した。
1時間おきに製品である軽焼ドロマイトの1,000℃1時間保持したときの強熱減量(%)(加熱により未分解の二酸化炭素を放出して重量が減少するので、重量減少を測定し焼成率を推定する)と、製品中のCaO,MgO成分の分析を行なった。結果を表2に示した。
(実施例1〜4)
市販の渦流ポンプを使用し、A重油5l/minに対し、水をポンプの呼び水口から5l/min加えながらポンプ移送しエマルジョン化して、水混入エマルション燃料を調製した。この水混入エマルション燃料は1日放置してA重油と水は分離することなく安定していた。
表3に示すように、該エマルション燃料を220l/hの流量で独楽型石灰焼成炉20の燃焼室10、上蓋18に設置しているバーナー2から、燃焼空気と共に噴霧し燃焼させつつ、比較例1と同様表1に示すRPFを180Kg/hの流量になるよう独楽型石灰焼成炉20、上蓋18に設置した廃プラスチック投入口5に連続的に輸送し、燃焼室10に投入した。そのときの独楽型石灰焼成炉20の炉蓋温度、RPF21の燃焼状態、製品の分析値を表3に示す。なお表1〜3中の%は質量%を示す。
Figure 2010052991
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実施例1〜4いずれのケースでもRPF21の燃焼状態が大幅に良化し燃焼室10において黒煙の発生が減少し、炉体17内レベルが目視可能であった。また炉蓋温度は、比較例1の場合に1、256℃〜1,342℃であったのが、実施例1で1,150〜1、243℃、実施例2で1,161〜1,240℃、実施例3で1,131〜1,225℃、実施例4で1,091〜1,146℃に低下した。
また、製品温度を測定したところ、実施例では冷却空気量が16m3 /分であるにもかかわらず、RPF21の燃焼速度が速くなったため燃焼帯の下降が見られず190℃を超えることはなく操炉は長期間安定していた。
このことは独楽型石灰焼成炉20の燃焼室10にA重油に代えて水混入エマルション燃料を使用したことにより、燃焼室10内にて添加した水が1000℃以上の高温雰囲気中で急激に気化して微爆発することにより油が一層微粒子化し、燃焼空気との接触面積が飛躍的に増加することによって、燃料油および該廃プラスチックまたはRPF21の燃焼効率が上がったものと推察される。
固形燃料であるRPF21の燃焼速度が上昇し、燃焼室10で燃焼が終了して独楽型石灰焼成炉20の下部まで続行しなくなり高温部の焼成帯が下がることなく、製品である生石灰の排出温度が低下した。また燃焼室10内は完全燃焼状態となり、すすの発生がなくなり、上蓋18の温度も低下した。
なおマグネシウム成分の含有量の低い石灰石を原料として焼成する場合は、所要熱原単位はドロマイトに比べて10%程度高くなるが、ドロマイトを原料として焼成した本実施例と同一の結果を得た。
本発明においては、独楽型石灰焼成炉を用いて石灰石、ドロマイトなどの焼成に際し、廃プラスチックまたはRPFを上蓋部より炉内に投入することにより廃プラスチックを代替燃料として使用する場合、バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉内に吹き込み燃焼させ、水混入エマルション燃料との混焼により、燃焼室内にて添加した水が1000℃以上の高温雰囲気中で急激に気化して微爆発することにより油が一層微粒子化し、燃焼空気との接触面積が飛躍的に増加することによって、燃料油および該廃プラスチックまたはRPFの燃焼効率が上り、該廃プラスチックまたはRPFの使用量を増加させて経済的に石灰石、ドロマイトを焼成することができるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本発明で用いる独楽型石灰焼成炉の1例を説明する説明図である。
符号の説明
1 原石ビン
2 バーナー
3 燃焼空気送気管
4 プッシャー
5 排プラスチック投入口
6 原石層
7 炉体内監視窓
8 焼成帯上部
9 焼成帯下部
10 燃焼室
11 排気管
12 冷却帯
13 インジェクタノズル
14 デフュザー
15 冷却空気送気管
16 排鉱機
17 炉体
18 上蓋
19 芯部(軸)
20 独楽型石灰焼成炉
21 排プラスチック
22 連結管

Claims (3)

  1. 芯部を軸として徐徐に水平に回転する炉体と、前記炉体の上面を被う下向きの盆型底高の上蓋であって、その中央部上側に下向きにバーナーを備えた上蓋との間に燃焼室を構成し、
    前記炉体内のほぼ中央部に設置させて燃焼ガスを炉体内において循環させるためのデフュザーを有する独楽型石灰焼成炉を用いて、
    前記バーナーから燃料油に水を分散した水混入エマルション燃料を炉内に吹き込み燃焼させつつ、廃プラスチックを上蓋に設置した廃プラスチック投入口より炉体内に投入して燃焼させて石灰石および/またはドロマイトを焼成することを特徴とする石灰石、ドロマイトの焼成方法。
  2. 前記燃料油がA重油および/または、エンジンオイル、ギヤーオイル、作動油、トランス油などの使用済の油成分を処理して固形分、水分を除去した廃油由来の再生油であることを特徴とする請求項1記載の石灰石、ドロマイトの焼成方法。
  3. 前記廃プラスチックがRPFであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の石灰石、ドロマイトの焼成方法。
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