JP2010052258A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷媒体の安定した搬送を実現する印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置としてのインクジェットプリンタ1は、搬送方向に分割配設されたヘッドユニット17,18と、ヘッドユニット17,18の搬送方向の上流側に設けられたローラ搬送手段(送りローラ14、圧接ローラ15)と、ヘッドユニット17,18の搬送方向の下流側に設けられたベルト搬送手段(搬送ベルト2)と、搬送方向に分割配設された搬送方向上流側のヘッドユニット17と搬送方向下流側に配設されたヘッドユニット18との間に配設された中間搬送手段(中間ローラ19、中間圧接ローラ20)と、を備え、ローラ搬送手段の搬送力と搬送速度をF1とV1、中間搬送手段の搬送力と搬送速度をF2とV2、ベルト搬送手段の搬送力と搬送速度をF3とV3として、F1>F2>F3に設定し、且つV1<V2<V3に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷媒体に液体を吐出して画像等の印刷を行なう印刷装置に関する。
印刷装置の一つであるインクジェットプリンタは、印刷媒体と液体吐出ヘッド(インクジェットヘッドとも呼ぶ)とを相対移動させながら、インクジェットヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)し、印刷媒体上に微小なインクドットを形成することによって画像等を描画(印刷)する。インクジェットプリンタには、インクジェットヘッドをキャリッジと呼ばれる移動体に載せて印刷媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるマルチパス型インクジェットプリンタや、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に長尺な(一体である必要はない)インクジェットヘッドにより、いわゆる1パスでの印刷が可能なラインヘッド型インクジェットプリンタ等がある。
このようなインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドから吐出されるインク滴を印刷媒体の所定の位置に適切に付着(着弾)させることにより、高い印字品質を得ることが必要である。そのためには、印刷媒体の印刷中の平面度を確保し、安定した搬送を実現することが重要な課題となっていた。
特許文献1では、インクジェット記録装置の用紙搬送装置において、給紙ローラの用紙搬送力F1と、用紙吸着搬送ベルトの用紙搬送力F2と、排紙ローラの用紙搬送力F3を、F1>F3>F2に設定し、給紙ローラの用紙搬送速度V1と、用紙吸着搬送ベルトの用紙搬送速度V2と、排紙ローラの用紙搬送速度V3を、V3>V2>V1に設定することにより、用紙にテンションを与え、印字中の平面度を確保しつつ印字を行なうことが開示されている。
特許文献2では、記録紙上にライン単位の印画記録を行なう画像記録装置において、供給側搬送手段の用紙搬送力F1と、従動ベルトの用紙搬送力F2と、排紙側搬送手段の用紙搬送力F3を、F3≧F1>F2に設定し、供給側搬送手段の用紙搬送速度V1と、従動ベルトの用紙搬送速度V2と、排紙側搬送手段の用紙搬送速度V3を、V3≧V1≧V2に設定することにより、用紙にテンションを与え、印字中の平面度を確保しつつ印字を行なうことが開示されている。
特開2000−211762号公報 特開2005−74773号公報
しかしながら、特許文献1に開示される用紙搬送装置、及び特許文献2に開示される画像記録装置においては、用紙搬送順が2番目となる搬送手段(用紙吸着搬送ベルト、従動ベルト)の搬送力が最も小さく設定される構成となっている。そのため、用紙が第1搬送手段(給紙ローラ、供給側搬送手段)から第2搬送手段(用紙吸着搬送ベルト、従動ベルト)に入ったとき、また、用紙が第2搬送手段(用紙吸着搬送ベルト、従動ベルト)から第3搬送手段(排紙ローラ、排紙側搬送手段)に入ったとき等において、搬送負荷変動が大きくなる。搬送負荷変動が大きくなった場合、搬送駆動部(駆動用モータ等)の定常回転性能に外乱として作用し、定常回転制御が乱れ、用紙搬送が不安定となる。その結果、例えば、印刷媒体の印字画像上にバンディング(ランダムな濃淡の縞模様)が発生しやすくなり、印字品質を低下させる原因となる。従って、印刷媒体の安定した搬送を実現する印刷装置が要望されていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る印刷装置は、印刷媒体搬送方向に分割配設されたヘッドユニットと、ヘッドユニットの印刷媒体搬送方向の上流側に設けられたローラ搬送手段と、ヘッドユニットの印刷媒体搬送方向の下流側に設けられたベルト搬送手段と、印刷媒体搬送方向に分割配設された印刷媒体搬送方向上流側のヘッドユニットと印刷媒体搬送方向下流側に配設されたヘッドユニットとの間に配設された中間搬送手段と、を備え、ローラ搬送手段の搬送力と搬送速度をF1とV1、中間搬送手段の搬送力と搬送速度をF2とV2、ベルト搬送手段の搬送力と搬送速度をF3とV3として、F1>F2>F3に設定し、且つV1<V2<V3に設定することを特徴とする。
この印刷装置によれば、ヘッドユニットとローラ搬送手段とベルト搬送手段と中間搬送手段とを備え、F1(ローラ搬送手段の搬送力)>F2(中間搬送手段の搬送力)>F3(ベルト搬送手段の搬送力)に設定し、且つV1(ローラ搬送手段の搬送速度)<V2(中間搬送手段の搬送速度)<V3(ベルト搬送手段の搬送速度)に設定している。これにより、搬送力が用紙搬送順に小さくなり、従来のように用紙搬送順の2番目となる搬送手段が最も小さく設定される構成ではない。従って、印刷媒体が第1搬送手段(ローラ搬送手段)から第2搬送手段(中間搬送手段)に入ったとき、また、印刷媒体が第2搬送手段(中間搬送手段)から第3搬送手段(ベルト搬送手段)に入ったとき等における搬送負荷変動を小さく抑えることができる。また、印刷媒体が第1搬送手段(ローラ搬送手段)から出たとき、また、印刷媒体が第2搬送手段(中間搬送手段)から出たとき等における搬送負荷変動も小さく抑えることができる。そのため、搬送駆動部への外乱も少なく、定常回転制御が安定して行なわれる。その結果、印刷媒体に適切なテンションを付与すると共に、印刷媒体の安定した搬送を実現できる。
[適用例2]上記適用例に係る印刷装置において、中間搬送手段は、印刷媒体の印刷媒体搬送方向上流側のヘッドユニットから液体が吐出される領域以外の領域に当接する中間圧接ローラを備えることが好ましい。
この印刷装置によれば、中間搬送手段の中間圧接ローラは、印刷媒体の印刷済面に当接しないので、中間圧接ローラへの液体付着による印刷媒体の印刷面の汚損を防止することができ、且つ印刷領域の平面度を向上することができる。
[適用例3]上記適用例に係る印刷装置において、ヘッドユニットは、印刷媒体搬送方向と交差する方向に離間した平面視千鳥状に配設され、中間圧接ローラは、印刷媒体搬送方向と交差する方向の隣り合う印刷媒体搬送方向上流側のヘッドユニットとの間で、且つ印刷媒体搬送方向上流側のヘッドユニットと印刷媒体搬送方向下流側のヘッドユニットとの間に配設してもよい。
[適用例4]上記適用例に係る印刷装置において、ベルト搬送手段は搬送ベルトを備え、搬送ベルトは、静電気力で印刷媒体を吸着することでもよい。
[適用例5]上記適用例に係る印刷装置において、ベルト搬送手段は搬送ベルトを備え、搬送ベルトは、空気負圧で印刷媒体を吸着することでもよい。
以下、印刷装置の一例として、インクを吐出して印刷用紙等の印刷媒体に画像等を印刷するインクジェットプリンタについて説明する。以下に述べるインクジェットプリンタは、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に配列された複数のインクジェットヘッド(ヘッドユニット)によって、いわゆる1パスでの印刷が可能なラインヘッド型のインクジェットプリンタである。実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図1(a)は、インクジェットプリンタの側面図であり、図1(b)は、インクジェットプリンタの平面図である。図2は、ヘッドユニット群を構成するヘッドユニットの説明図である。図3は、中間圧接ローラの説明図であり、図3(a)は、中間圧接ローラの図であり、図3(b)は、中間圧接ローラのコーナ部に面取りを施した図である。図1〜図3を参照して、インクジェットプリンタ1の構成及び動作を説明する。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、インク等の液体を滴状に吐出(噴射)するヘッドとしてのヘッドユニット群6を備えている。また、インクジェットプリンタ1は、ヘッドユニット群6の印刷媒体搬送方向の下流側で印刷用紙等の印刷媒体Pを搬送するための無端搬送ベルトとして形成される搬送ベルト2を備えている。なお、以降の説明では、印刷媒体搬送方向を、適宜、搬送方向とも呼称する。
この搬送ベルト2は、図1中の左端部に配設された駆動ローラ3と、図1中の右端部に配設された従動ローラ4と、それらの中央部下方に配設されたテンションローラ5とに巻回されている。駆動ローラ3は、図示省略する駆動ローラ用駆動部によって図1の矢印方向に回転駆動され、後述する帯電ローラ7で帯電された搬送ベルト2に印刷媒体Pを静電吸着した状態で、当該印刷媒体Pを図の右方から左方に、つまり矢印方向に搬送する。従動ローラ4は、後述する帯電ローラ7の当接部分との間に搬送ベルト2を挟持して電圧を印加するために接地されている。テンションローラ5は、搬送ベルト2の内部に配設され、図示省略するテンション付与機構によって下方に付勢されており、これにより搬送ベルト2に張力を付与している。この搬送ベルト2が、ベルト搬送手段を構成する。
搬送ベルト2には、従動ローラ4に対向するようにして、帯電手段としての帯電ローラ7が当接されている。帯電ローラ7には、10〜50Hz程度の交流電源8が接続されている。帯電ローラ7は、搬送ベルト2への印刷媒体Pの送給位置の直前に配設される。帯電ローラ7は、中・高抵抗体からなる搬送ベルト2の表面に電荷を充電して帯電させ、その電荷によって印刷媒体Pに誘電分極を発生させ、誘電分極による印刷媒体Pの電荷と搬送ベルト2の表面の誘電部の電荷とによる静電気力で印刷媒体Pを搬送ベルト2の表面に吸着する。なお、帯電ローラ7は、図示省略するバネによって搬送ベルト2に押圧されている。
ヘッドユニット群6は、例えば図2に示すように、搬送方向と交差する方向の長さが30〜40mm程度の比較的小さなヘッドユニット17,18が搬送方向に少し離間して平面視で千鳥配列されている。また、各々のヘッドユニット17,18には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のノズル列が形成され、各色のノズル列は搬送方向にずらされて配設されている。各ヘッドユニット17,18のノズル列の搬送方向と交差する方向の端部のノズルは、千鳥状に並んだ隣のヘッドユニット17,18のノズル列の搬送方向端部のノズルと搬送方向に重合するように配設されている。
そして、それらのノズルから同時に必要箇所(所定位置)に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体P上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行なうことにより、搬送ベルト2に吸着された印刷媒体Pを一度通過させるだけで、いわゆる1パスによる印刷を行なうことができる。即ち、このヘッドユニット群6(ヘッドユニット17,18)の配設領域が印刷領域に相当する。なお、以降の説明では、千鳥状に配列されたヘッドユニット17,18のうち、搬送方向上流側のヘッドユニット17を上流側ヘッドユニット17、下流側のヘッドユニット18を下流側ヘッドユニット18とも呼称する。
一般的に、インクジェットヘッド(ヘッドユニット)の各ノズルからインク滴を吐出する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式等がある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動パルスを与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化が生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出される方式のものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動パルスを与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化が生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出されるという方式のものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出される方式のものである。本実施形態では、いずれのインク滴吐出方法にも適用可能である。
給紙部12には、給紙前の印刷媒体Pが貯留されている。給紙部12の搬送方向先方には、給紙部12の印刷媒体Pを給紙する補助ローラ10d,10f及びフィードローラ13d,13fが配設されている。フィードローラ13d,13fの搬送方向先方には、送りローラ14及び圧接ローラ15が配設されている。
送りローラ14及び圧接ローラ15は、ローラ搬送手段を構成している。送りローラ14及び圧接ローラ15は、フィードローラ13d,13fによって突き当てられた印刷媒体Pの姿勢を補正すると共に、印刷媒体Pの搬送タイミングを調整し、その調整された搬送タイミングで印刷媒体Pを印刷領域、即ちヘッドユニット群6(ヘッドユニット17,18)の下方に搬送するためのものである。なお、送りローラ14には、摩擦係数を高くして印刷媒体Pの搬送力を大きくするために、例えばウレタンやセラミック粒子を表面塗装する等してもよい。
送りローラ14及び圧接ローラ15と搬送ベルト2との間、即ちヘッドユニット群6(ヘッドユニット17,18)の下方には、プラテンと呼ばれる平板状の平面規制体9が配設されている。この平面規制体9は、ヘッドユニット群6(ヘッドユニット17,18)の下方の印刷領域に搬送される印刷媒体Pの平面度を規制するものであり、本実施形態のようなラインヘッド型のヘッドユニット群6では、所定位置へのインク滴の吐出及び印刷媒体Pとの隙間の確保の点で特に重要な働きを行なう。
また、平面規制体9の下方には、少なくともヘッドユニット群6からのインク滴吐出範囲を覆う一連のインク受け11が配設されている。また、平面規制体9には、ヘッドユニット群6から吐出されるインク滴を通過させてインク受け11で受けるための貫通孔16が形成されている。従って、平面規制体9の各貫通孔16の上方に印刷媒体Pがない状態で、ヘッドユニット群6からインク滴を吐出すると、そのインク滴は平面規制体9の貫通孔16を通過してインク受け11で受けられる。
インクジェットプリンタ1における縁無し印刷は、印刷媒体Pの外形より、若干、外側までインク滴を吐出することで行なわれる。本実施形態では、印刷媒体Pの外形より外側に吐出されたインク滴は、平面規制体9の貫通孔16を通過してインク受け11で受けられるため、インクが平面規制体9の上面や印刷媒体Pの印刷面と反対側の面に付着することがなく、印刷媒体Pの印刷面と反対側の面が汚損することがない。なお、貫通孔16は、例えば印刷媒体Pがヘッドユニット群6の下方にない状態で吐出されるインク滴もインク受け11に受けさせることができるため、いわゆる空打ちによってヘッドユニット群6のノズルの吐出性能の回復を狙うフラッシングにも用いることができる。
また、本実施形態では、ヘッドユニット群6を構成する上流側ヘッドユニット17と下流側ヘッドユニット18との間に、中間搬送手段を構成する中間ローラ19及び中間圧接ローラ20が配設されている。中間ローラ19は印刷媒体搬送ラインの下方に、中間圧接ローラ20は印刷媒体搬送ラインの上方に配設されている。
中間ローラ19及び中間圧接ローラ20は、送りローラ14及び圧接ローラ15と同様に、両者の間に印刷媒体Pを挟持して搬送するためのものである。中間ローラ19及び中間圧接ローラ20が上流側ヘッドユニット17と下流側ヘッドユニット18との間に設けられている理由は、特に、下流側ヘッドユニット18の下方での印刷媒体Pの平面度の規制、並びに下流側ヘッドユニット18と印刷媒体Pとの隙間の確保を目的としている。
中間圧接ローラ20は、例えば図3(a)に示すように、1本のローラ軸25に対し、搬送方向と交差する方向に隣り合う上流側ヘッドユニット17の間にのみ、飛び飛びに取り付けられている。中間圧接ローラ20及び中間ローラ19は、上述したように、下流側ヘッドユニット18の手前で印刷媒体Pをガイドし、印刷媒体Pの平面度を規制するためのものである。
しかし、後述するように、中間圧接ローラ20が、上流側ヘッドユニット17から吐出されたインク滴の部分に接触したのでは、そのインクが中間圧接ローラ20自身に付着したり、その付着したインクが次の印刷媒体Pに付着したりして、汚損してしまう。そのため、印刷媒体Pの印刷面側に当接する中間圧接ローラ20は、搬送方向と交差する方向に隣り合う上流側ヘッドユニット17の間にのみ配設されている。
なお、上述したように、各ヘッドユニット17,18のノズル列の搬送方向と交差する方向の端部のノズルは、千鳥状に並んだ隣のヘッドユニット17,18のノズル列の搬送方向端部のノズルに搬送方向に重合するように配設されている。従って、中間圧接ローラ20は、搬送方向と交差する方向に隣り合う上流側ヘッドユニット17の端部のノズル間に配設されていれば、上流側ヘッドユニット17から吐出されたインクに触れることはない。つまり、中間圧接ローラ20は、搬送方向上流側のヘッドユニット17(上流側ヘッドユニット17)から液体が噴射される領域以外の領域に当接して圧接する。
なお、中間ローラ19は、いわゆるストレートローラであってもよいし、中間圧接ローラ20と同様に、隣り合う上流側ヘッドユニット17の間にのみ配設してもよい。なお、中間圧接ローラ20には、図3(b)に示すように、コーナ部に面取りを施してもよい。また、中間ローラ19に相対する平面規制体9の領域は、平面規制体9が除去され、中間ローラ19と中間圧接ローラ20と間に印刷媒体Pを挟持して搬送する。
図4は、圧接ローラとヘッドユニットと中間圧接ローラとの位置関係及びヘッドユニットによる印刷状態を示す平面図である。なお、図4は、上流側ヘッドユニット17から吐出された印刷領域(インク領域)をハッチングで、下流側ヘッドユニット18から吐出された印刷領域(インク領域)をクロスハッチングで示している。
図4に示すように、中間圧接ローラ20は、搬送方向と交差する方向に隣り合う上流側ヘッドユニット17の間に相当する位置で且つ上流側ヘッドユニット17と下流側ヘッドユニット18との間に配設されている。これにより、中間圧接ローラ20が上流側ヘッドユニット17から吐出されたインクに触れることがなく、従ってインク付着による汚損を回避することができる。
図1に戻り、印刷媒体Pに対する搬送手段の動作を説明する。
上述したインクジェットプリンタ1によれば、給紙部12から補助ローラ10d,10fによって印刷媒体Pを1枚取出し、それをフィードローラ13d,13fに受け渡して送りローラ14及び圧接ローラ15のニップ部に送給する。印刷媒体Pの搬送方向先端部(以降、先端部と呼称する)が送りローラ14及び圧接ローラ15のニップ部に当接してからも、フィードローラ13d,13fによって印刷媒体Pを所定量だけ送る。この動作により、印刷媒体Pに撓みが生じる。
撓みが生じた後、フィードローラ13d,13fによる印刷媒体Pの搬送力、具体的には挟持力を解放すると、印刷媒体Pの先端部が送りローラ14及び圧接ローラ15のニップ部に突き当たった状態で印刷媒体Pの姿勢が補正される。印刷媒体Pの姿勢が補正された後、送りローラ14及び圧接ローラ15を回転させて印刷媒体Pを平面規制体9の上方に送給する。
なお、送りローラ14、中間ローラ19、及び駆動ローラ3は、図示省略する搬送駆動部としての送りローラ用駆動部、中間ローラ用駆動部、及び駆動ローラ用駆動部により、各々駆動されて回転を行ない、印刷媒体Pを搬送する。また、送りローラ用駆動部、中間ローラ用駆動部、及び駆動ローラ用駆動部は、図示省略する各制御部により、所定の回転速度(搬送速度)となるようにフィードバック制御されている。
ここで、本実施形態では、送りローラ14が圧接ローラ15との協働も含めて、送りローラ用駆動部及び制御部により駆動及び制御される搬送力(F)と搬送速度(V)を、F1とV1とする。従って、ローラ搬送手段(送りローラ14、圧接ローラ15)の搬送力(F)と搬送速度(V)を、F1とV1とする。
また、同様に、中間ローラ19が中間圧接ローラ20との協働も含めて、中間ローラ用駆動部及び制御部により駆動及び制御される搬送力(F)と搬送速度(V)を、F2とV2とする。従って、中間搬送手段(中間ローラ19、中間圧接ローラ20)の搬送力(F)と搬送速度(V)を、F2とV2とする。
また、駆動ローラ3が、従動ローラ4、テンションローラ5、及び搬送ベルト2との協働、そして、本実施形態では、搬送ベルト2の上面の静電気力も含めて、駆動ローラ用駆動部及び制御部により駆動及び制御される搬送力(F)と搬送速度(V)を、F3とV3とする。従って、ベルト搬送手段(搬送ベルト2)の搬送力(F)と搬送速度(V)を、F3とV3とする。
そして、上述した搬送力(F)及び搬送速度(V)において、本実施形態では、F1>F2>F3で、且つV1<V2<V3となるように設定している。
従って、印刷媒体Pの姿勢が補正された後、送りローラ14及び圧接ローラ15(ローラ搬送手段)を回転させた場合、印刷媒体Pは、ローラ搬送手段の搬送力F1、搬送速度V1で、平面規制体9の上方に送給される。そして、上流側ヘッドユニット17の必要なノズルからインク滴を吐出して印刷媒体Pに印刷が行なわれる。
上流側ヘッドユニット17によって印刷が行なわれた印刷媒体Pの先端部は、中間ローラ19及び中間圧接ローラ20のニップ部に送給される。なお、中間搬送手段(中間ローラ19、中間圧接ローラ20)は、搬送力F2と搬送速度V2で回転を行なっており、中間搬送手段の搬送力F2は、ローラ搬送手段の搬送力F1よりも小さく(F2<F1)、中間搬送手段の搬送速度V2は、ローラ搬送手段の搬送速度V1よりも大きい(V2>V1)。従って、中間ローラ19及び中間圧接ローラ20のニップ部に送給された印刷媒体Pは、中間搬送手段上(中間ローラ19と中間圧接ローラ20との当接する面上)をスリップしながら、ローラ搬送手段の搬送速度V1で搬送方向下流側となる平面規制体9の上方に送給する。これにより、印刷媒体Pは、ローラ搬送手段と中間搬送手段との間で、テンションが付与されることにより、平面度を確保して平面規制体9の上面を滑って搬送される。そして、下流側ヘッドユニット18の必要なノズルからインク滴を吐出して印刷媒体Pに印刷が行なわれる。
次に、上流側ヘッドユニット17及び下流側ヘッドユニット18によって印刷が行なわれた印刷媒体Pの先端部は、平面規制体9の上面を滑って搬送ベルト2の上面に送給される。搬送ベルト2は、交流電源8及び帯電ローラ7によって、搬送方向に交互に逆極性の電荷が付与されているため、その上面に印刷媒体Pが送給されると、上述した誘電分極の作用によって印刷媒体Pは搬送ベルト2の上面に静電気力で吸着される。
この静電気力を含んだ状態で、ベルト搬送手段(搬送ベルト2)は、搬送力F3と搬送速度V3で回転を行なっており、ベルト搬送手段の搬送力F3は、中間搬送手段の搬送力F2よりも小さく(F3<F2)、ベルト搬送手段の搬送速度V3は、中間搬送手段の搬送速度V2よりも大きい(V3>V2)。また、上述したように、中間搬送手段の搬送力F2は、ローラ搬送手段の搬送力F1よりも小さく(F2<F1)、中間搬送手段の搬送速度V2は、ローラ搬送手段の搬送速度V1よりも大きい(V2>V1)。
従って、平面規制体9の上面を滑って搬送ベルト2の上面に送給された印刷媒体Pは、ベルト搬送手段上(搬送ベルト2の面上)と中間搬送手段上(中間ローラ19と中間圧接ローラ20との当接する面上)とにおいてスリップしながら、ローラ搬送手段の搬送速度V1で搬送方向下流側に送給される。これにより、印刷媒体Pは、ローラ搬送手段とベルト搬送手段との間で、テンションが付与されることにより、平面度を確保して平面規制体9の上面及び搬送ベルト2の上面を滑って搬送される。
そして、印刷媒体Pは、図示省略する排紙部に向けて搬送される。なお、印刷媒体Pが排紙部に到達した場合、例えば図示省略する分離装置で印刷媒体Pを搬送ベルト2の表面から分離しながら排紙部に排紙する。この場合、搬送ベルト2は印刷媒体Pの印刷面と反対側の面を静電吸着するだけで、印刷媒体Pの印刷面に触れるものがないため、インク付着による汚損を回避している。
なお、印刷媒体Pの搬送方向後端部(以降、後端部と呼称する)がローラ搬送手段(送りローラ14及び圧接ローラ15)を通過した後の状態では、印刷媒体Pは、中間搬送手段とベルト搬送手段とで搬送される。詳細には、印刷媒体Pの後端部がローラ搬送手段を通過した後の状態では、印刷媒体Pは、中間搬送手段の搬送力F2が、ベルト搬送手段の搬送力F3よりも大きく(F2>F3)、中間搬送手段の搬送速度V2が、ベルト搬送手段の搬送速度V3よりも小さい(V2<V3)ことにより、ベルト搬送手段においてスリップしながら、中間搬送手段の搬送速度V2で搬送方向下流側に送給される。また、印刷媒体Pの後端部が中間搬送手段(中間ローラ19及び中間圧接ローラ20)を通過した後の状態では、印刷媒体Pは、ベルト搬送手段の搬送速度V3で搬送方向下流側に送給される。
上述したように、印刷媒体Pの先端部が中間搬送手段に送給された(入った)状態となった場合、この状態の変化(搬送負荷変動)は、中間ローラ用駆動部の定常回転性能に外乱として作用する。また、印刷媒体Pの先端部がベルト搬送手段に送給された(入った)状態となった場合、この状態の変化(搬送負荷変動)は、駆動ローラ用駆動部の定常回転性能に外乱として作用する。
また、印刷媒体Pの後端部がローラ搬送手段を通過した(出た)状態となった場合、印刷媒体Pは、ローラ搬送手段の搬送速度V1から中間搬送手段の搬送速度V2に変化する。この変化(搬送負荷変動)は、中間ローラ用駆動部の定常回転性能に外乱として作用する。また、印刷媒体Pの後端部が中間搬送手段を通過した(出た)状態となった場合、印刷媒体Pは、中間搬送手段の搬送速度V2からベルト搬送手段の搬送速度V3に変化する。この変化(搬送負荷変動)は、駆動ローラ用駆動部の定常回転性能に外乱として作用する。
上述した実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の印刷装置としてのインクジェットプリンタ1によれば、ヘッドユニット17,18とローラ搬送手段と中間搬送手段とベルト搬送手段とを備え、F1(ローラ搬送手段の搬送力)>F2(中間搬送手段の搬送力)>F3(ベルト搬送手段の搬送力)で、且つV1(ローラ搬送手段の搬送速度)<V2(中間搬送手段の搬送速度)<V3(ベルト搬送手段の搬送速度)に設定されている。これにより、搬送力が用紙搬送順に小さくなり、従来のように用紙搬送順の2番目となる搬送手段が最も小さく設定される構成ではない。従って、印刷媒体Pの先端部が、ローラ搬送手段(第1搬送手段)から中間搬送手段(第2搬送手段)に入ったとき、また、印刷媒体Pの先端部が、中間搬送手段(第2搬送手段)からベルト搬送手段(第3搬送手段)に入ったとき等における搬送負荷変動を小さく抑えることができる。また、印刷媒体Pの後端部が、ローラ搬送手段(第1搬送手段)から出たとき、また、印刷媒体Pの後端部が、中間搬送手段(第2搬送手段)から出たとき等における搬送負荷変動を小さく抑えることができる。言い換えると、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、搬送力が搬送順に小さくなり(F1>F2>F3)、搬送速度が搬送順に大きくなる(V1<V2<V3)設定としている。従って、搬送順とはならない従来の設定に比べて、印刷媒体Pが搬送されることによって生じる各搬送手段に加わる搬送負荷変動を、小さく抑えることができる。そのため、搬送駆動部(送りローラ用駆動部、中間ローラ用駆動部、駆動ローラ用駆動部)への外乱も少なく、定常回転制御が安定して行なわれる。その結果、印刷媒体Pに適切なテンションを付与すると共に、印刷媒体Pの安定した搬送を実現できる。その結果、印刷媒体Pの印字画像上にバンディングが発生しにくくなることを含め、印字品質を向上させることができる。
(2)本実施形態の印刷装置としてのインクジェットプリンタ1によれば、中間搬送手段は、印刷媒体Pの上流側ヘッドユニット17からインクが吐出される領域以外の領域に当接する中間圧接ローラ20を備えている。これにより、中間搬送手段の中間圧接ローラ20は、上流側ヘッドユニット17から吐出されるインクによる印刷媒体Pの印刷済面に当接しないので、中間圧接ローラ20へのインク付着による印刷媒体Pの印刷面の汚損を防止することができ、且つ印刷領域の平面度を向上することができる。
(3)本実施形態の印刷装置としてのインクジェットプリンタ1によれば、ヘッドユニット17,18は、搬送方向と交差する方向に離間した平面視千鳥状に配設される。そして、中間圧接ローラ20は、搬送方向と交差する方向の隣り合う搬送方向上流側のヘッドユニット17との間で、且つ搬送方向上流側のヘッドユニット17と搬送方向下流側のヘッドユニット18との間に配設している。これにより、中間圧接ローラ20は、上流側ヘッドユニット17から吐出されたインクに触れることがなく、従ってインク付着による汚損を回避することができる。また、印刷領域の平面度を向上することができる。
(4)本実施形態の印刷装置としてのインクジェットプリンタ1によれば、ベルト搬送手段は搬送ベルト2を備え、搬送ベルト2は、静電気力で印刷媒体Pを吸着している。これにより、印刷領域の平面度を向上することができる。また、ベルト搬送手段の搬送力F3は、ローラ搬送手段の搬送力F1及び中間搬送手段の搬送力F2に比較して最も小さく設定されるため、静電吸着力も小さくてよい。従って、静電気力を付与する装置(帯電ローラ7や交流電源8等)も小型でよく、省エネを可能にする。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図5(a)は、インクジェットプリンタの側面図であり、図5(b)は、インクジェットプリンタの平面図である。ここで、第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付記し、その詳細な説明は省略する。図5を参照して、第2実施形態について説明する。
本実施形態と第1実施形態との異なる構成は、第1実施形態での搬送ベルト2は静電気力で印刷媒体Pを吸着して搬送しているのに対し、本実施形態では、空気負圧を用いて印刷媒体Pを搬送ベルト2に吸着して搬送させる構成となっていることである。
そのため、本実施形態では、搬送ベルト帯電手段である第1実施形態の交流電源8や帯電ローラ7が除去されている。これに代えて、搬送ベルト2の内周面のうち、印刷媒体Pを搬送する上側面の直下には、例えば上面がメッシュからなる薄い箱状のダクト22が配設され、そのダクト22の先端に吸引ファン23が接続されている。
また、本実施形態では、搬送ベルト2のうち、少なくとも印刷媒体Pを吸引しなければならない領域に多数の小穴が開設されている。なお、小穴開設に代えて、該当部分をメッシュ状にしてもよい。そのため、吸引ファン23を駆動してダクト22内の空気を吸引すると、小穴を通じて搬送ベルト2の外周面に空気負圧が生じ、当該搬送ベルト2の外周面に送給された印刷媒体Pが空気負圧によって搬送ベルト2に吸引される。従って、印刷面に印刷がなされた印刷媒体Pは、汚損することなく搬送ベルト2に吸引されて排紙部に排紙される。
なお、第1実施形態での静電気力で印刷媒体Pを吸着して搬送する構成の場合におけるベルト搬送手段の搬送力F3及び搬送速度V3は、本実施形態のように、空気負圧で印刷媒体Pを吸着して搬送する構成の場合においても同様であり、本実施形態のベルト搬送手段の搬送力F3及び搬送速度V3は第1実施形態と同様に設定される。
上述した実施形態によれば、第1実施形態との同一構成部分においては第1実施形態と同様の効果が得られる他、次の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の印刷装置としてのインクジェットプリンタ1によれば、ベルト搬送手段は搬送ベルト2を備え、搬送ベルト2は、空気負圧で印刷媒体Pを吸着している。これにより、印刷領域の平面度を向上することができる。また、ベルト搬送手段の搬送力F3は、ローラ搬送手段の搬送力F1及び中間搬送手段の搬送力F2に比較して最も小さく設定されるため、空気負圧による吸着力も小さくてよい。従って、空気負圧を付与する装置(ダクト22や吸引ファン23等)も小型でよく、省エネ・低騒音を可能にする。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態のインクジェットプリンタの概略構成を示す側面図である。ここで、第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付記し、その詳細な説明は省略する。図6を参照して、第3実施形態について説明する。
本実施形態と第1実施形態との異なる構成は、第1実施形態での中間搬送手段が中間ローラ19であったのに対し、本実施形態では、中間搬送手段として中間搬送ベルト21を用いる構成となっていることである。そして、中間搬送ベルト21は印刷媒体搬送方向に長尺なので、中間搬送ベルト21の印刷媒体搬送方向両端部に各々中間圧接ローラ20を配設し、またインク受け11や平面規制体9を中間搬送ベルト21の印刷媒体搬送方向上流側と下流側とに分割した。なお、中間圧接ローラ20を拍車にしてもよい。
なお、第1実施形態での中間ローラ19を用いる構成の場合における中間搬送手段の搬送力F2及び搬送速度V2は、本実施形態のように、中間搬送ベルト21を用いる構成の場合においても同様であり、本実施形態の中間搬送手段の搬送力F2及び搬送速度V2は第1実施形態と同様に設定される。そして、本実施形態のインクジェットプリンタ1の場合にも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図7は、インクジェットプリンタの概略構成図であり、図7(a)は、インクジェットプリンタの平面図であり、図7(b)は、インクジェットプリンタの中間搬送手段を搬送方向上流から見た側面図である。なお、図7(a)は、図4と同様の図を示しているため、図7(a)の説明は省略する。
ここで、図7を参照して、ヘッドユニット17,18から吐出されるインクによる印刷媒体Pへの影響と課題に関して説明する。
上述した第1実施形態から第3実施形態において、上流側ヘッドユニット17で印刷媒体Pに印刷する場合において、上流側ヘッドユニット17の各ノズルから吐出されるインク量は、4色のインクを使用するために多くなっている。また、インクは、水系の成分で構成されるため、印刷媒体Pにインクを吐出した際には、印刷媒体Pを構成するセルロースがインクの水分を吸収し、加水分解することにより、図7(b)に矢印で示す方向に伸びが生じる。
このため、上流側ヘッドユニット17の印字幅は、所定の印字幅より大きくなり、下流側ヘッドユニット18での印字領域に食い込んでしまう。その結果、上流側ヘッドユニット17と下流側ヘッドユニット18との印字接合領域では、ずれて重なり合うために、色の濃い筋となって印刷されてしまうという課題がある。
更に、下流側ヘッドユニット18に相当する非印字部では、寸法変化はない。このため、連続体である印刷媒体Pに伸びのある領域と、伸びのない領域とが発生し、印刷媒体Pにゆがみが発生する。また、印刷媒体Pは、基本的に、ヘッドユニット17,18側に向かって膨らむように変形する。それにより、下流側ヘッドユニット18での印字時に印刷媒体Pの平面度が保てず、着弾位置がずれたり、下流側ヘッドユニット18とこすれが発生するという課題がある。
このような課題を解決するために、第1実施形態から第3実施形態では、中間搬送手段により、印刷媒体Pの伸びを抑制すると共に、下流側ヘッドユニット18の印字直前で、印刷媒体Pの平面度を確保し、印刷媒体Pの正確な位置に印字を行なっている。詳細には、第1、第2実施形態の中間搬送手段は、中間ローラ19と中間圧接ローラ20で構成されて、印刷媒体Pの伸びを抑制すると共に、下流側ヘッドユニット18の印字直前で、印刷媒体Pの平面度を確保している。また、第3実施形態の中間搬送手段は、中間搬送ベルト21と中間圧接ローラ20で構成されて、印刷媒体Pの伸びを抑制すると共に、下流側ヘッドユニット18の印字直前で、印刷媒体Pの平面度を確保している。なお、第1実施形態から第3実施形態における中間搬送手段は、言い換えると、インクによる印刷媒体Pの伸びを規制する用紙変形規制手段ともいえる。
以降に、上記の課題の一部を解決する別の実施形態として第4実施形態を説明する。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図8(a)は、インクジェットプリンタの平面図であり、図8(b)は、インクジェットプリンタの中間搬送手段を搬送方向上流から見た側面図である。ここで、第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付記し、その詳細な説明は省略する。図8を参照して、第4実施形態について説明する。
図8に示すように、本実施形態と第1実施形態との異なる構成は、第1実施形態での中間圧接ローラ20が配設されるローラ軸25に対し、本実施形態では、中間圧接ローラ20の他に、搬送方向と交差する方向に隣り合う上流側ヘッドユニット17に相対する位置に、飛び飛びに、スターホイール28が取り付けられていることである。従って、本実施形態では、スターホイール28は、上流側ヘッドユニット17の印刷領域に配設され、ローラ軸25に対して、中間圧接ローラ20とスターホイール28とが交互に配設される形態となっている。また、スターホイール28は、中間圧接ローラ20が中間ローラ19の回転に従動して回転することにより回転する。
スターホイール28は、詳細には、周方向に交互に並ぶ山部と谷部を有する外周部が形成され、印刷媒体Pと転がり接触する輪郭星形を有している。また、本実施形態のスターホイール28は、中間圧接ローラ20の直径より小さい直径をなしてローラ軸25に配設されている。従って、印刷媒体Pの上面(印刷面)との間に、若干のクリアランス(本実施形態では、約0.2mm)を有している。このスターホイール28は、上流側ヘッドユニット17から吐出されたインクにより印刷媒体Pの上面(印刷面)の膨らんだ部分を転がり接触することにより、膨らんだ部分を凹ませる働きを有している。
なお、上流側ヘッドユニット17から印刷媒体Pにインクを吐出した際には、図7(b)に示すと同様に、図8(b)に矢印で示す方向(幅方向)に伸びが生じる。
図9は、スターホイールの動作を示す説明図であり、図9(a)は、印刷媒体の印刷面が膨らんだ部分を模擬的に示す図であり、図9(b)は、膨らんだ部分をスターホイールにより凹ませた状態を模擬的に示す図である。
図9(a)に示すように、上流側ヘッドユニット17から印刷媒体Pにインクを吐出した際には、印刷媒体Pの上面(印刷面)が膨らんだ状態となる。そして、中間搬送手段により、印刷媒体Pが搬送され、この膨らんだ部分に対し、その上部をスターホイール28が回転しながら通過する。この動作により、図9(b)に示すように、膨らんだ部分の上部が凹んだ状態(形状)となる。
本実施形態のスターホイール28により、膨らんだ部分の上部が凹んだ形状となることにより、過度の膨らみとなることを抑制(規制)でき、印字後の平面度を所定の範囲内に抑えられる。従って、印刷媒体Pの印刷面において、吐出されたインクが乾燥した場合に波打ったように膨らみとして残る現象であるコックリングの程度を抑制(規制)でき、印刷媒体Pの印字品質を損なうことを抑えることができる。
また、本実施形態のスターホイール28は、上述したように、中間圧接ローラ20の直径より小さい直径をなし、印刷媒体Pの上面(印刷面)との間に、クリアランスを有している。これにより、印刷媒体Pの印刷面にスターホイール28の通過した痕が残ることを防止している。なお、スターホイール28の直径が中間圧接ローラ20の直径以上である場合には、印刷媒体Pの印刷面にスターホイール28の通過した痕が残ってしまう。
本実施形態におけるスターホイール28も前記第1実施形態から第3実施形態と同様に、中間搬送手段を構成している。また、本実施形態のように、中間搬送手段としてスターホイール28を用いる構成の場合においても、第1実施形態での中間搬送手段の搬送力F及び搬送速度Vと同様に、搬送力F2及び搬送速度V2に設定される。従って、本実施形態のインクジェットプリンタ1の場合にも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態における中間搬送手段は、言い換えると、インクによる印刷媒体Pの伸びを規制する用紙変形規制手段ともいえる。
第1実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、(a)はインクジェットプリンタの側面図であり、(b)はインクジェットプリンタの平面図。 ヘッドユニット群を構成するヘッドユニットの説明図。 中間圧接ローラの説明図であり、(a)は中間圧接ローラの図であり、(b)は中間圧接ローラのコーナ部に面取りを施した図。 圧接ローラとヘッドユニットと中間圧接ローラとの位置関係及びヘッドユニットによる印刷状態を示す平面図。 第2実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、(a)はインクジェットプリンタの側面図であり、(b)はインクジェットプリンタの平面図。 第3実施形態のインクジェットプリンタの概略構成を示す側面図。 インクジェットプリンタの概略構成図であり、(a)はインクジェットプリンタの平面図であり、(b)はインクジェットプリンタの中間搬送手段を搬送方向上流から見た側面図。 第4実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、(a)はインクジェットプリンタの平面図であり、(b)はインクジェットプリンタの中間搬送手段を搬送方向上流から見た側面図。 スターホイールの動作を示す説明図であり、(a)は印刷媒体の印刷面が膨らんだ部分を模擬的に示す図であり、(b)は膨らんだ部分をスターホイールにより凹ませた状態を模擬的に示す図。
符号の説明
1…インクジェットプリンタ、2…搬送ベルト、3…駆動ローラ、4…従動ローラ、5…テンションローラ、6…ヘッドユニット群、7…帯電ローラ、8…交流電源、9…平面規制体、11…インク受け、14…送りローラ、15…圧接ローラ、16…貫通孔、17…上流側ヘッドユニット、18…下流側ヘッドユニット、19…中間ローラ、20…中間圧接ローラ、21…中間搬送ベルト、22…ダクト、23…吸引ファン、25…ローラ軸、28…スターホイール、F…搬送力、P…印刷媒体、V…搬送速度。

Claims (5)

  1. 印刷媒体搬送方向に分割配設されたヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットの前記印刷媒体搬送方向の上流側に設けられたローラ搬送手段と、
    前記ヘッドユニットの前記印刷媒体搬送方向の下流側に設けられたベルト搬送手段と、
    前記印刷媒体搬送方向に分割配設された印刷媒体搬送方向上流側の前記ヘッドユニットと印刷媒体搬送方向下流側に配設された前記ヘッドユニットとの間に配設された中間搬送手段と、を備え、
    前記ローラ搬送手段の搬送力と搬送速度をF1とV1、前記中間搬送手段の搬送力と搬送速度をF2とV2、前記ベルト搬送手段の搬送力と搬送速度をF3とV3として、F1>F2>F3に設定し、且つV1<V2<V3に設定することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記中間搬送手段は、前記印刷媒体の前記印刷媒体搬送方向上流側の前記ヘッドユニットから液体が吐出される領域以外の領域に当接する中間圧接ローラを備えることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドユニットは、前記印刷媒体搬送方向と交差する方向に離間した平面視千鳥状に配設され、
    前記中間圧接ローラは、前記印刷媒体搬送方向と交差する方向の隣り合う前記印刷媒体搬送方向上流側の前記ヘッドユニットとの間で、且つ前記印刷媒体搬送方向上流側の前記ヘッドユニットと前記印刷媒体搬送方向下流側の前記ヘッドユニットとの間に配設されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記ベルト搬送手段は搬送ベルトを備え、
    前記搬送ベルトは、静電気力で前記印刷媒体を吸着することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記ベルト搬送手段は搬送ベルトを備え、
    前記搬送ベルトは、空気負圧で前記印刷媒体を吸着することを特徴とする印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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