JP2010052052A - 研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物の凸部が形成された側の面を保持して当該被加工物の他方の面を研削する場合において、被加工物を安定した状態で支持しつつ、研削後の被加工物のハンドリングを容易にすると共に、洗浄工程も不要とし、被加工物を所望の厚さに仕上げることを可能にする。
【解決手段】被保持面10に凸部100が形成された被加工物1の被保持面10を保持テープ2に貼着し、保持テープ2を介して被加工物1を研削装置のチャックテーブル5に吸引保持して被加工物1の露出面11を研削する場合に、被加工物1の凸部100を収容するための逃げ部40が形成された介在部材4の当該逃げ部40に、保持テープ2に貼着された被加工物1の凸部100を収容させ、介在部材4及び保持テープ2を介して被加工物1をチャックテーブル5に吸引保持して被加工物1の露出面11を研削する。
【選択図】図2
【解決手段】被保持面10に凸部100が形成された被加工物1の被保持面10を保持テープ2に貼着し、保持テープ2を介して被加工物1を研削装置のチャックテーブル5に吸引保持して被加工物1の露出面11を研削する場合に、被加工物1の凸部100を収容するための逃げ部40が形成された介在部材4の当該逃げ部40に、保持テープ2に貼着された被加工物1の凸部100を収容させ、介在部材4及び保持テープ2を介して被加工物1をチャックテーブル5に吸引保持して被加工物1の露出面11を研削する。
【選択図】図2
Description
本発明は、少なくとも一方の面に凸部が形成された被加工物の当該一方の面を保持した状態で他方の面を研削する方法に関するものである。
研削対象の被加工物の少なくとも一方の面に凹凸があり、その凹凸がある方の面を保持して薄化研削をする場合においては、被加工物を安定的に支持するために、凹凸を吸収できる方法によって被加工物を支持した状態で研削を行っている。
凹凸を吸収できる方法としては、分厚い粘着層を有する粘着テープの当該粘着層に凸部を埋没させることにより粘着テープによって被加工物を支持する方法、シフトワックス等で凹凸を埋めて支持基板に固着することにより被加工物を支持する方法などが用いられている。そして、被加工物が固着された粘着テープまたは支持基板が研削装置のチャックテーブルに保持され、被加工物の露出面に砥石を作用させることにより露出面が研削され、被加工物が所望の厚さに形成される(例えば特許文献1参照)。
しかし、テープの分厚い粘着層に凸部を埋没させて固着する方法、シフトワックス等で凹凸を埋めて支持基板に固着する方法のいずれを用いたとしても、薄化後の被加工物を損傷させずに粘着テープや支持基板から剥離するのは困難であり、ハンドリングも容易であるとは言い難い。
また、薄化後の被加工物をテープや支持基板から剥離すると、テープ等に固着されていた側の面にテープの粘着材やシフトワックスが残留してしまうため、剥離後の被加工物を洗浄する工程が必要となるという問題がある。
更に、分厚い粘着層を有するテープやシフトワックスを用いる方法では、被加工物の張り付け状態にバラツキが生じやすいため、研削時に被加工物の露出面(被研削面)の高さに基づいて被加工物の厚さを計測すると、研削後の仕上がり厚さにバラツキが生じ、被加工物を所望の厚さに仕上げることが困難になるという問題もある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、凸部が形成された側の面を保持して被加工物の他方の面を研削する場合において、被加工物を安定した状態で支持しつつ、研削後の被加工物のハンドリングを容易にすると共に、洗浄工程も不要とし、被加工物を所望の厚さに仕上げることを可能にすることである。
本発明は、被保持面に凸部が形成された被加工物の当該被保持面を保持テープに貼着し、保持テープを介して被加工物を研削装置のチャックテーブルに吸引保持して被加工物の露出面を研削する研削方法に関するもので、被加工物の凸部を収容するための逃げ部が形成された介在部材の当該逃げ部に、保持テープに貼着された被加工物の凸部を収容させ、介在部材及び保持テープを介して被加工物をチャックテーブルに吸引保持し、被加工物の露出面を研削するようにしたものである。
介在部材の逃げ部が介在部材の表裏を貫通する場合は、逃げ部及び保持テープを介して被加工物を吸引保持する。
本発明では、被加工物が貼着された保持テープとチャックテーブルとの間に介在部材を介在させ、介在部材に形成された逃げ部に被加工物の凸部を収容するようにしたため、分厚い粘着層を有するテープに被加工物を貼着したりシフトワックスによって支持基板に被加工物を固着したりしなくても、被加工物を安定的に支持することができる。したがって、薄化後の被加工物を保持テープから剥離する際のハンドリングが容易で損傷させるおそれがなく、粘着材を被加工物から除去するための洗浄工程も不要であり、被加工物の露出面の高さに基づいて被加工物の厚さを計測しても、被加工物を所望の厚さに仕上げることができる。
また、介在部材の逃げ部が介在部材の表裏を貫通し、逃げ部及び保持テープを介して被加工物を吸引保持する場合は、逃げ部が被加工物を吸引するための吸引孔としても機能するため、介在部材に吸引のための孔を別途形成する必要がない。
最初に、本発明の第一の例について図1及び図2を参照して説明する。図1に示す被加工物1は、一方の面である被保持面10が伸縮性のある保持テープ2の粘着面20に貼着され、他方の面が上方に露出して露出面11となっている。露出面11は、研削される方の面である。被保持面10には、下方に突出した複数の凸部100が形成されている。保持テープ2の粘着面20の外周部分にはリング状の保持フレーム3が貼着されており、被加工物1は、保持テープ2を介して保持フレーム3と一体となって支持された状態となっている。なお、被加工物1が例えば半導体パッケージである場合、凸部100は下側に突出した電極を樹脂封止したもの等である。
保持テープ2に貼着された被加工物1は、介在部材4を介してチャックテーブル5に吸引保持される。チャックテーブル5は、研削装置において被加工物を吸引保持するテーブルであり、図示の例では円形の吸引部50が枠体51によって囲繞され、吸引部50の上面と枠体51の上面とが面一に形成されている。吸引部50は、ポーラスセラミックス等の多孔質部材によって形成されている。
介在部材4は、金属、シリコン等によって形成された円板状の硬質部材であり、チャックテーブル5の吸引部50より外径が大きく形成されており、吸引部50全体を覆うように介在部材4を載置することにより、吸引部50におけるエアーのリークを生じさせることなく吸引部50によって吸引保持される。介在部材4には、被加工物1の被保持面10に形成された凸部100を収容するための逃げ部40が形成されている。逃げ部40は、凸部100に対応する位置に、凸部100を収容できる形状及び大きさで形成されている。図示の例における逃げ部40は、介在部材4の表裏を貫通した溝状の貫通孔となっている。
図2に示すように、介在部材4の表面に保持テープ2を密着させることにより、保持テープ2に貼着された被加工物1を保持テープ2を介して介在部材4の上に載置する。載置時には、被保持面10に形成された凸部100が逃げ部40に収容されるように位置合わせをする。保持テープ2のうち凸部100に貼着されている部分も、凸部100によって押し込まれるかたちで凸部100と共に逃げ部40に収容される。
チャックテーブル5の吸引部50は吸引源52に連通しており、吸引源52から吸引部50に吸引力を作用させると、逃げ溝40にも吸引力が作用するため、保持テープ2が吸引され、保持テープ2に貼着された凸部100も吸引され、これによって被加工物1が吸引保持される。また、保持フレーム3は、被加工物1の露出面11よりも低い位置においてチャックテーブル5の外周側に配設された固定部53によって固定される。
こうして被加工物1が吸引保持された状態で、図2に示すように、回転する砥石6が被加工物1の露出面11に接触して露出面11が研削される。研削時は、チャックテーブル5を回転させ、砥石6が常に被加工物1の回転中心と接触するようにする。被加工物1は保持テープ2に貼着されていると共に、凸部100が逃げ部40に収容されているため、研削中に被加工物1に対して砥石6から力が加わっても、被加工物1が上下方向や左右方向に動くことがなく、安定的に支持された状態で研削を行うことができる。しかも、逃げ部40が形成されていることで凸部100と被保持面10との段差が吸収されるため、保持テープ2として粘着層の厚いものを使用する必要もない。このように、逃げ部40は、凸部100を収容すると共に被加工物1を吸引するための吸引力の伝達部としての機能も有する。
被加工物1を所望の厚さに仕上げるために、研削中においては、被加工物1の厚さが計測される。例えば図2に示すように、触針子7をチャックテーブル5の表面に接触させたときと被加工物1の露出面11に接触させたときの触針子7の高さ方向の座標値の差から被加工物1の厚さを求める場合は、求めた差の値から介在部材4及び保持テープ2の厚さを引いて求めた値が被加工物1の厚さになる。介在部材4は硬質でありその厚さが変化することはなく、保持テープ2も従来のように粘着層が薄く弾性が小さいため、粘着層が計測対象である露出面11の高さに与える影響は小さい。また、シフトワックスも使用しないために被加工物1と介在部材4との位置関係にバラツキが生じることもない。したがって、求めた被加工物1の厚さの計測値の確度は高い。なお、触針子7を用いる場合だけでなく、非接触式の厚さ計測器を用いる場合も同様である。
研削により被加工物1が所望の厚さに形成されると、砥石6を上方に引き上げて研削を終了し、固定部53における保持フレーム3の固定状態を解除すると共に、吸引源52から吸引部50への吸引力の供給を止める。そうすると、保持テープ2を介在部材4から容易に離脱させることができる。
更に、被加工物1を保持テープ2から剥離するが、粘着テープ2の粘着層は厚くないため、被加工物1を損傷させずに容易に剥離することができる。また、保持テープ2の粘着層が厚くないため、剥離後の被加工物1に粘着剤が残留するおそれがない。したがって、剥離後に洗浄を行う必要がない。
なお、介在部材4として金属製のものを使用すると、研削中に砥石6と被加工物1との摩擦によって生じた熱をチャックテーブル5に逃がすことができるため、研削品質が良好となる。
次に、本発明の第二の例について図3を参照して説明する。図3に示す被加工物1は、図1,2に示したものと同様であり、被保持面10に凸部100が形成されている。被保持面10は保持テープ2の粘着面20に貼着され、他方の面が上方に露出して露出面11となっている。保持テープ2の粘着面20の外周部分にはリング状の保持フレーム3が貼着されており、被加工物1は、保持テープ2を介して保持フレーム3と一体となって支持された状態となっている。
保持テープ2に貼着された被加工物1は、介在部材8を介してチャックテーブル5に吸引保持される。チャックテーブル5は、図1,2の例と同様に、円形の吸引部50が枠体51によって周囲から囲繞された構成となっている。吸引部50は、ポーラスセラミックス等の多孔質部材によって形成されている。
介在部材8は、金属、シリコン等によって形成された硬質の円板状部材であり、チャックテーブル5の吸引部50より外径が大きく形成されており、吸引部50全体を覆うように介在部材8を載置することにより、吸引部50におけるエアーのリークを生じさせることなく吸引部50によって吸引保持される。
介在部材8には、被加工物1の被保持面10に形成された凸部100を収容するための逃げ部80が形成されている。逃げ部80は、凸部100に対応する位置に、凸部100を収容できる形状及び大きさで形成されている。逃げ部80は、深さが凸部100の高さよりも深く形成された穴であり、底部を有する。底部には吸引部50と密着する側の面である裏面へと貫通する吸引孔81が複数形成されている。更に、吸引孔81のほかに、介在部材8の表裏を貫通する吸引孔82も複数形成されている。
図3に示すように、介在部材8の表面に保持テープ2を密着させることにより、保持テープ2に貼着された被加工物1を保持テープ2を介して介在部材8の上に載置する。載置時には、被保持面10に形成された凸部100が逃げ部80に収容されるように位置合わせをする。保持テープ2のうち凸部100に貼着されている部分も、凸部100によって押し込まれるかたちで凸部100と共に逃げ部80に収容される。
そして、チャックテーブル5の吸引部50に吸引力を作用させると、吸引孔81を介して逃げ溝80にも吸引力が作用するため、保持テープ2を介して被加工物1の凸部100の部分が吸引される。また、吸引部50における吸引力は、吸引孔82にも作用し、保持テープ2を介して被保持面10の凸部100が形成されていない部分も吸引するため、被加工物1がより強固に保持される。更に、保持フレーム3は、被加工物1の露出面11よりも低い位置においてチャックテーブル5の外周側に配設された固定部53によって固定される。
こうして被加工物1が吸引保持された状態で、回転する砥石6が被加工物1の露出面11に接触して露出面11が研削される。研削時は、チャックテーブル5を回転させ、砥石6が常に被加工物1の回転中心と接触するようにする。被加工物1は保持テープ2に貼着されていると共に、凸部100が逃げ部80に収容されているため、研削中に被加工物1に対して砥石6から力が加わっても、被加工物1が上下方向や左右方向に動くことがなく、安定的に支持された状態で研削を行うことができる。しかも、逃げ部80に凸部100を収容することができるため、保持テープ2として粘着層の厚いものを使用する必要もない。研削中に被加工物1の厚さを計測する場合において被加工物1の厚さの計測値の確度は高い点も、第一の例の場合と同様である。
また、研削後に固定部53における保持フレーム3の固定状態を解除すると共に、吸引源52からの吸引力の作用を止めることで、保持テープ2を介在部材8から容易に離脱させることができる点、被加工物1を保持テープ2から剥離するにあたり、粘着テープ2の粘着層が厚くないために被加工物1を損傷させずに容易に剥離することができる点も、第一の例と同様である。
保持テープ2の粘着層が厚くないために、剥離後の被加工物1に粘着剤が残留するおそれがなく、剥離後に洗浄を行う必要がない点、介在部材8として金属製のものを使用すると、研削中に砥石6と被加工物1との摩擦によって生じた熱をチャックテーブル5に逃がすことができ、研削品質が良好となる点も、第一の例と同様である。
1:被加工物
10:被保持面 100:凸部
11:露出面
2:保持テープ 20:粘着面
3:保持フレーム
4:介在部材 40:逃げ部
5:チャックテーブル
50:吸引部 51:枠体 52:吸引源 53:固定部
6:砥石 7:触針子
8:介在部材 80:逃げ部 81,82:吸引孔
10:被保持面 100:凸部
11:露出面
2:保持テープ 20:粘着面
3:保持フレーム
4:介在部材 40:逃げ部
5:チャックテーブル
50:吸引部 51:枠体 52:吸引源 53:固定部
6:砥石 7:触針子
8:介在部材 80:逃げ部 81,82:吸引孔
Claims (2)
- 被保持面に凸部が形成された被加工物の該被保持面を保持テープに貼着し、該保持テープを介して該被加工物を研削装置のチャックテーブルに吸引保持して該被加工物の露出面を研削する研削方法において、
該被加工物の該凸部を収容するための逃げ部が形成された介在部材の該逃げ部に、該保持テープに貼着された該被加工物の該凸部を収容させ、該介在部材及び該保持テープを介して該被加工物を該チャックテーブルに吸引保持し、該被加工物の露出面を研削する研削方法。 - 前記逃げ部が前記介在部材の表裏を貫通し、該逃げ部及び前記保持テープを介して前記被加工物を吸引保持する
請求項1に記載の研削方法。
Priority Applications (1)
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JP2008216481A JP2010052052A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | 研削方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012121096A (ja) * | 2010-12-08 | 2012-06-28 | Disco Corp | 研削装置 |
JP2014116374A (ja) * | 2012-12-06 | 2014-06-26 | Shindengen Electric Mfg Co Ltd | 半導体ウェーハの研削方法、半導体ウェーハ保持用のチャックテーブル及び半導体装置 |
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JPH03187223A (ja) * | 1989-12-15 | 1991-08-15 | Fujitsu Ltd | バンプ付き基板の研削方法 |
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2008
- 2008-08-26 JP JP2008216481A patent/JP2010052052A/ja active Pending
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