JP2010047795A - 転炉出湯孔スリーブおよび溶湯の製造方法 - Google Patents

転炉出湯孔スリーブおよび溶湯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特開平11−293323号公報により開示された全長テーパスリーブよりも、寿命を延長しながら出湯速度を高めることができる転炉出湯孔スリーブを提供する。
【解決手段】筒状体3により構成される転炉出湯孔スリーブ1である。筒状体3は、円筒であって第1の開口4aを含む第1の部分4と、溶湯流出方向へ向けて先細りであって第2の開口5aを含む第2の部分5とからなる。第1の開口4aの直径Rは150mm以上300mm以下であり、第2の開口5aの直径Rに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/R)は1.10以上1.50以下であり、筒状体3の長さLに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/L)は0.12以上0.17以下であり、さらに、筒状体3の長さLに対する第2の部分5の長さYの比(Y/L)は0.10以上0.90以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、転炉出湯孔スリーブと、この転炉出湯孔スリーブを装着された転炉を用いる溶湯の製造方法とに関する。
転炉には溶銑や溶鋼などの溶湯を円滑に流出するために、転炉出湯孔スリーブが設けられている。この転炉出湯孔スリーブには、生産性を高めるために、転炉から溶湯を円滑かつ迅速に流出させて出湯時間を短縮することが求められている一方で、精錬後のスラグが溶湯と混じって排出されることを抑制するために、溶湯の流出速度を所定の範囲内に収めることも求められている。また、転炉からの出鋼中には合金鉄を添加して成分調整を行うため、そのために最低限必要となる出鋼時間がある。
しかし、この転炉出湯孔スリーブの内径は、使用に伴う摩耗や溶損により次第に拡大するため、これに伴って出鋼時間が短くなる。また、スリーブの形状が不適切になると出湯流が乱れてスリーブの損耗を助長するほか、転炉からの出湯作業に支障を生ずるようにもなる。
このため、使用に伴う摩耗や溶損によってこの出湯作業に適切でなくなった転炉出湯孔スリーブは、寿命に達したものとして、新たなものに交換される。もちろん、それ以前に入口の開口部付近の溶損が激しくなって入口の開口の内径がその外径(通常310mm程度)に達した場合にも、寿命に達したものとして新たなものに交換される。
このように、転炉出湯孔スリーブには、転炉から溶湯を円滑かつ迅速に流出させて出湯時間を短縮できることと、使用に伴う摩耗や溶損に起因する交換作業を減少させるために長寿命であることとが、ともに求められる。
例えば特許文献1には、出湯孔の内径を、入口の開口から出口の開口にかけてその全長にわたりテーパ状に次第に減少させた転炉出湯孔スリーブ(本明細書ではこのような形状のスリーブを「全長テーパスリーブ」ともいう)が開示されている。この転炉出湯孔スリーブは、出湯孔の内径が一定であるストレート型の転炉出湯孔スリーブ(本明細書ではこのような形状のスリーブを「全長ストレートスリーブ」ともいう)と比較すると、溶湯が出湯口の内壁面に沿って流れ易くなるので溶湯の乱流の発生が抑制され、これにより、出湯速度の向上のみならず、乱流の発生に起因する内壁面の損傷の抑制、すなわち寿命の延長を図ることができるとされている。
特開平11−293323号公報
しかし、本発明者の検討結果によれば、特許文献1により開示された全長テーパスリーブによる、出湯速度の向上や寿命の延長の程度は十分に満足できるものではなく、よりいっそうの改善が求められる。
転炉出湯孔スリーブから溶湯を排出する速度を高めるには、一般的に、転炉出湯孔スリーブの内径を大きく設定することが有効である。ところが、転炉の出湯孔の大きさは転炉鉄皮の形状によって制約されていて、その鉄皮の改造には多大な費用を必要とする。このような制約の中で、特許文献1により開示された全長テーパスリーブの平均内径(全長テーパスリーブの場合には、その溶湯通過部分の容積及び全長が同じである全長ストレートスリーブの内径を意味する)を大きく設定しようとすると、テーパの影響で必然的に転炉出湯孔スリーブの入口の開口付近の肉厚が薄くなってしまい、これにより、転炉出湯孔スリーブの寿命が低下する。
本発明の目的は、全長テーパスリーブよりも、寿命を延長しながら出湯速度を高めることができる転炉出湯孔スリーブを提供し、かつ、この転炉出湯孔スリーブを装着された転炉を用いて生産性を高めながら溶湯を製造する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
(i)特許文献1により開示された転炉出湯孔スリーブのように軸方向の全域で内壁面をテーパ状に形成するのではなく、溶湯が流入する入口側の内壁面がテーパ状に形成されずに通常のストレート状に形成されるとともに、入口から出口への途中から出口へ向けての内壁面がテーパ状に形成されるスリーブ(本明細書ではこのような形状のスリーブを「ストレート及びテーパスリーブ」ともいう)を用いることによって、全長テーパスリーブよりも、寿命を延長しながら出湯速度を高めることができること、及び
(ii)ストレート及びテーパスリーブの出湯速度の向上には、その軸方向について内壁面をテーパ状に形成する範囲に、好適な範囲があること
を知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、図1に例示されるように、溶湯流出方向へ向けて内壁2の内径が一定乃至先細りの形状を有する筒状体3により構成される転炉出湯孔スリーブ1であって、この筒状体3が、円筒であってその軸方向の一方の端部に形成されて転炉内の溶湯が流入する第1の開口4aを含む第1の部分4と、溶湯流出方向へ向けて先細りであって第1の部分4に連続するとともに軸方向の他方の端部に形成されて溶湯が流出する第2の開口5aを含む第2の部分5とからなり、
(a)第1の開口4aの直径Rが150mm以上300mm以下であり、
(b)第2の開口5aの直径Rに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/R)が1.10以上1.50以下であり、かつ、
(c)筒状体3の軸方向への長さLに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/L)が0.12以上0.17以下であること
を特徴とする転炉出湯孔スリーブ1である。
この本発明に係る転炉出湯孔スリーブ1では、筒状体3の軸方向への長さLに対する第2の部分5の軸方向への長さ(Y)の比(Y/L)が0.10以上0.90以下であることが望ましく、0.15以上0.88以下であることがより望ましく、0.25以上0.82以下であることが特に望ましい。
別の観点からは、本発明は、これらの本発明に係る転炉出湯孔用スリーブを装着された転炉から、この転炉出湯孔スリーブを介して溶湯を排出する工程を含むことを特徴とする溶湯の製造方法である。
本発明によれば、全長テーパスリーブよりも、脱りん溶銑や溶鋼といった転炉内の溶湯の出湯速度を高めることができる。また、本発明によれば、全長テーパスリーブよりも寿命を延長することができるので、その交換頻度を低減して生産性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の転炉出湯孔スリーブ1を示す断面図である。
同図に示すように、この転炉出湯孔スリーブ1は、耐火レンガ製の筒状体3により構成される。
この筒状体3は、その軸方向(図1における上下方向)について第1の部分4と第2の部分5とからなる。第1の部分4は、円筒であって筒状体3の軸方向の一方の端部に形成されて転炉内の溶湯が流入する第1の開口4aを含んで構成される。また、第2の部分5は、溶湯流出方向へ向けて先細りであって第1の部分4に連続するとともに筒状体3の軸方向の他方の端部に形成されて溶湯が流出する第2の開口5aを含んで構成される。
転炉出湯孔スリーブ1では、第1の開口4aの直径Rが150mm以上300mm以下である。一般的な転炉サイズである160〜380(トン/チャージ)クラスの転炉においては、直径Rが150mm未満であると出湯時間が長くなり所望の生産性を維持できなくなり、一方、直径Rが300mmを超えると、転炉鉄皮を改造しない場合には第1の開口4a付近の筒状体耐火物の肉厚を薄くせざるを得ず、スリーブの寿命が低下するからである。
また、第2の開口5aの直径Rに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/R)が1.10以上1.50以下である。
このように、転炉出湯孔スリーブ1は、円筒に溶湯流出方向へ向けて先細りの筒状体を継ぎ足した形状を有するストレート及びテーパスリーブである。ここで、第1の部分4は直円筒を基本とするが、それが溶湯流出方向へ向けて内壁2のテーパが1°など多少先細りであっても、実質的に本発明と同一の目的を達成することができ、かつ同一の効果を奏することができる。
これにより、第1の開口4aにおける直径Rが同一であっても、平均内径(この転炉出湯孔スリーブ1と溶湯通過部分の容積及び全長が同じである全長ストレートスリーブの内径を意味する)を、全長テーパスリーブの平均内径よりも、大きくすることができる。
また、スリーブ1の内壁2を全体として先細りにすることにより、溶湯がスリーブ1の内壁2の表面に沿って流れ易くなるので、第2の部分5のみならず第1の部分4においても溶湯の乱流の発生を抑制でき、これによりスリーブ1全体の損傷を抑制して寿命を延長することができる。
さらに、筒状体3の軸方向への長さLに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/L)が0.12以上0.17以下である。比(R/L)が0.12未満である場合には出湯抵抗が基本的に大き過ぎるために出湯に時間を要しているのであるから、本発明を適用する効果は小さい。一方、比(R/L)が0.17超である場合には出湯速度に対してスリーブ全長が短か過ぎるために、やはり本発明を適用する効果は小さくなるからである。
図2は、図1に示す転炉出湯孔スリーブ1の第1の開口4aの内壁2の縁に面取り部6を形成した場合を示す説明図である。
第1の開口4aの内壁2の縁に面取り部6を形成することにより、転炉内の溶湯が転炉出湯孔スリーブ1に流入する際に第1の開口4aの内壁2の縁に衝突して転炉出湯孔スリーブ1の内部に円滑に流入しなくなることに起因して出湯速度が低下することを、防ぐことができる。
このような効果を得るためには、図2に示す断面において、面取り部6の表面と、スリーブ1全体の軸方向とがなす角度θが、30度以上60度以下であることが望ましい。
次に、本発明者が行った水モデル試験について説明する。
本発明者は、内径が500mmの円筒状のアクリル製容器の底部に穿設した排水口に、(1)軸方向の全長について内径が一定であるアクリル製の全長ストレートスリーブ、(2)図1に示す断面形状を有するアクリル製のストレート及びテーパスリーブ、(3)内径が、入口から出口にかけてその全長にわたりテーパ状に次第に減少するアクリル製の全長テーパスリーブを装着し、このアクリル製容器に収容される水がこれらのスリーブから排水される際の排水速度を比較する水モデル試験を行った。
この水モデル試験は、転炉出湯孔スリーブからの溶鋼の排出挙動を、スリーブの大きさを実物の1/16〜1/15倍に小型化したモデルを用いてシミュレーションするものである。水と溶鋼とは、それぞれの動粘度(=粘度/密度)の値が近く、比較的近い流動状態を示すとともに流動性が高いことから、実物の1/16〜1/15倍程度の大きさのモデルであれば、ほぼ幾何学的に相似な流動挙動を示すことが知られている。この水モデル試験では、図1における第1の開口4aの直径Rと、第2の開口5aの直径Rとの比(R/R)を1.00以上1.60以下とするとともに、第1の開口4aの直径Rと筒状体3の長さLとの比(R/L)を0.11以上0.18以下とし、さらに、第1の開口4aの直径Rを14mm以上16mm以下とするとともに筒体3の全長Lを89〜145mmとした。
そして、上記(1)〜(3)の3種のスリーブの先端にシリコンゴム製の栓を装着しておき、アクリル製容器に上方から水を入れて浴深を50mmとし、その後に直ちに栓を抜いて排水し、浴深が40mmから20mmになるまでの水浴面の低下速度を、浴面の上方に配置した超音波距離計によって測定した。
表1には、この水モデル試験で用いる3種のスリーブの各部寸法(R、R、θ、θ、L、Y、平均内径)と、測定した水浴面の低下速度Vとをまとめて示す。なお、表1における水浴面の低下速度Vは、内径が16mmの全長ストレートスリーブを用いた場合の低下速度により除した値により示す。
ここでθとθはそれぞれ第1の部分4、第2の部分5に関し、筒状体3の内壁2の表面とこの筒状体3の半径方向とがその筒状体3の軸方向を含む断面においてなす角度である。
また、図3は、図1に示す転炉出湯孔スリーブ1において第1の開口4aの直径R=16.0mm、かつ第2の開口5aの直径R=12.9mmの場合における、第2の部分5の長さYと浴面の低下速度との関係を示すグラフである。このグラフでは、●印は図1に示す本発明例のストレート及びテーパスリーブを示し、◇印は全長ストレートスリーブを示し、さらに、△印は特許文献1により開示された全長テーパスリーブを示す。
Figure 2010047795
表1におけるスリーブNo.1〜5の全長ストレートスリーブでは、内径R(=R)の減少、すなわち平均内径の減少に伴って浴面の低下速度Vも低下する。
また、入口の開口部4aの内径Rを16mmで一定とするとともに出口の開口部5aの内径Rを小さくしたスリーブNo.11〜15の全長テーパスリーブでは、内径Rが12.9mmすなわち平均内径が14.5mmとなるまでは、平均内径が減少しても浴面の低下速度が増加する。
さらに、図3のグラフにも示すように、△印により示す全長テーパスリーブは、◇印により示す全長ストレートスリーブよりも、浴面の低下速度が4%程度高いことがわかる。
詳細な機構は現段階では不明であるが、出口の開口部5aから吐出する水流を観察すると、全長ストレートスリーブでは水流の状態(水流表層部の乱れ、等)がある頻度で変化していた。この水流の乱れが抵抗となり、浴面の低下速度が小さいものと推定される。
一方、全長テーパスリーブでは、水流の状態が比較的安定し、全長ストレートスリーブほどの水流の乱れは観察されなかった。すなわち、スリーブの内壁面をテーパ状に形成することによって水流の乱れが抑制され、これにより、浴面の低下速度が増加したものと推定される。
これに対し、図3のグラフにおいて●印により示すストレート及びテーパスリーブは、全長テーパスリーブを比べると、入口開口部から途中までストレート形状にすることにより平均内径を大きくすることができ、平均内径が大きいほど排水速度、すなわち浴面の低下速度が増加すると考えられる。
そして、途中から出口の開口部5aまでテーパを付与することにより、上述したように全長ストレートスリーブで発生した水流の乱れを抑制できることも排水速度(浴面の低下速度)が増加した一因と考えられる。
ストレート及びテーパスリーブは、特に、内壁面2aがテーパ状に形成される第2の部分5の長さYを、全長Lの10%以上とすると、浴面の低下速度は、△印により示す全長テーパスリーブの浴面の低下速度の最大値より大きくなり、さらに、全長Lの75%とすると浴面の低下速度は最大となり、浴面の低下速度が、◇印により示す全長ストレートスリーブよりも約10%増加する。
しかし、このストレート及びテーパスリーブでは、筒状体3の軸方向への長さLに対する第2の部分5の長さYの比(Y/L)が0.75を超えると浴面の低下速度が急激に低下し始め、0.90になると、全長テーパスリーブの浴面低下速度と同程度になった。比(Y/L)が0.75を超えると浴面の低下速度が急激に低下する原因は、ストレート部が長すぎることにより水流の乱れを生じてしまうことと、出口の開口部の近傍で急激にスリーブ内径が小さくなることにより水流が乱れたことであると考えられる。
また、筒状体3の軸方向への長さLに対する第2の部分5の長さYの比(Y/L)が小さ過ぎると、第2の開口5a付近において溶湯が内壁面2aから剥離して乱流状態となり、それが抵抗になって出湯速度が低下する。
さらに、この水モデル実験では、全長ストレートスリーブであるスリーブNo.5と、ストレート及びテーパスリーブであるスリーブNo.6〜10と、全長テーパスリーブであるスリーブNo.11とについて、図2に示す角度θB=45°として第1の開口4aの内壁2の縁に面取り部6を形成して第1の開口4aの内径を5mm増加し、上述した手順により水浴面の低下速度を測定した。
水浴面の低下速度の測定結果を、図4にグラフで示す。なお、図4のグラフにおける●印は面取り部6を形成しないものを示し、○印は面取り部6を形成したものを示す。
図4のグラフに示すように、面取り部6を形成することにより、水流が入側開口部の内壁2の縁に衝突せずにスリーブ内へスムーズに流入できるようになったため、水浴面の低下速度が約10%程度向上することがわかる。
図3、4のグラフに示すように、浴面の低下速度、すなわち出湯速度を高めるためには、比(Y/L)は0.10以上0.90以下であることが望ましく、0.15以上0.88以下であることがより望ましく、0.25以上0.82以下であることが特に望ましい。
以上の結果から、図1に示す断面形状を有するストレート及びテーパスリーブの浴面の低下速度を、全長テーパスリーブの浴面の低下速度よりも高めるためには、
(a)第1の開口4aの直径Rを150mm以上300mm以下とすること、
(b)第2の開口5aの直径Rに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/R)を1.10以上1.50以下とすること、
(c)内壁面2aと、筒状体3の半径方向に平行な方向とがなす角度を、第1の部分4ではθ=90°とするとともに第2の部分5ではθを90°よりも小さい角度のテーパ管とすること、及び
(d)筒状体3の軸方向への長さLに対する第1の開口4aの直径Rの比(R/L)を0.12以上0.17以下とすること
が有効であり、さらに
(e)筒状体3の軸方向への長さLに対する第2の部分5の軸方向への長さYの比(Y/L)を0.10以上0.90以下とすること
が望ましいことがわかる。
この場合に、図3に示すグラフから、比(Y/L)を、0.15以上0.88以下であることがより望ましく、0.25以上0.82以下であることが特に望ましいことがわかる。
このようにして、本実施の形態の転炉出湯孔スリーブ1によれば、例えば特許文献1により開示された全長テーパスリーブよりも、脱りん溶銑や溶鋼といった転炉内の溶湯の出湯速度を高めることができるとともに、全長テーパスリーブよりも寿命を延長することができるのでその交換頻度を低減して生産性を高めることができる。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
転炉で溶鋼280トンを溶製した後、以下に示す形状を有する2種の転炉出湯孔スリーブを用いて、溶鋼の排出時間を比較した。
(1)全長テーパスリーブ(入口の開口の内径:225mm、出口の開口の内径:177mm、全長:1600mm)
(2)図1に示す断面形状のストレート及びテーパスリーブ(第1の開口4aの内径R:225mm、第2の開口5aの内径R:177mm、全長L:1600mm、距離Y:800mm)
なお、両スリーブともに、入口の開口の内壁縁にR30(mm)で面取り部6を形成してあるとともに、外径は310mmで一定である。
溶鋼の排出時間の測定結果を図5にグラフにまとめて示す。なお、図5における○印は全長テーパノズルを示し、●印はストレート及びテーパノズルを示す。
図5にグラフで示すように、全長テーパスリーブでは、孔回数(スリーブ使用回数)が少ない時期の出鋼時間が、本発明に係るストレート及びテーパスリーブを用いた場合よりも長いこと、すなわち溶鋼の排出速度が遅いことがわかる。すなわち、本発明に係るストレート及びテーパスリーブは、全長テーパスリーブよりも、転炉内の溶湯の出湯速度を高められることがわかる。
また、図5のグラフに示すように、全長テーパスリーブでは、孔回数が増加すると、出鋼時間が急激に短くなるが、本発明に係るストレート及びテーパスリーブでは、出鋼時間は僅かしか短くならないことがわかる。これは、全長テーパスリーブのほうが本発明に係るストレート及びテーパスリーブよりも、内壁面の溶損量が大きいためにスリーブの平均内径増加速度が大きいためである。すなわち、(ストレート+テーパ)スリーブのほうが全長テーパスリーブよりもリーブの内壁2の溶損量が少なく、寿命が長いことがわかる。
例えば、最低限必要となる出鋼時間が4.5分とすると、図5に示すグラフから、全長テーパスリーブの寿命は孔回数で約150回となるが、本発明に係るストレート及びテーパスリーブでは、孔回数150回では入り口の開口の内径は310mmには達しておらず、寿命に達していない。すなわち、本発明に係るストレート及びテーパスリーブは、全長テーパスリーブよりも、寿命を延長することができるので、その交換頻度を低減して生産性を高めることができる。
図1は、実施の形態の転炉出湯孔スリーブを示す断面図である。 図2は、図1に示す転炉出湯孔スリーブの第1の開口の内壁縁に面取り部を形成した場合を示す説明図である。 図3は、図1に示す転炉出湯孔スリーブにおいて第1の開口の直径R=16.0mm、かつ第2の開口の直径R=12.9mmの場合における、第2の部分の長さYと浴面の低下速度との関係を示すグラフである。 図4は、水浴面の低下速度の測定結果を示すグラフである。 図5は、実施例の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 転炉出湯孔スリーブ
2 内壁
2a 内壁面
3 筒状体
4 第1の部分
5 第2の部分
6 面取り部

Claims (3)

  1. 筒状体により構成される転炉出湯孔スリーブであって、
    該筒状体は、その軸方向の一方の端部に形成されて転炉内の溶湯が流入する第1の開口を含む第1の部分と、該第1の部分に連続するとともに前記軸方向の他方の端部に形成されて溶湯が流出する第2の開口を含む第2の部分とからなり、
    前記第1の部分は円筒であってその第1の開口の直径(R)は150mm以上300mm以下であり、
    前記第2の部分は溶湯流出方向へ向けて先細りであってその第2の開口の直径(R)に対する前記第1の開口の直径(R)の比(R/R)は1.10以上1.50以下であり、かつ、
    前記筒状体の前記軸方向への長さ(L)に対する前記第1の開口の直径(R)の比(R/L)は0.12以上0.17以下であること
    を特徴とする転炉出湯孔スリーブ。
  2. 前記筒状体の前記軸方向への長さ(L)に対する前記第2の部分の前記軸方向への長さ(Y)の比(Y/L)は0.10以上0.90以下である請求項1に記載された転炉出湯孔スリーブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載された転炉出湯孔用スリーブを装着された転炉から、該転炉出湯孔スリーブを介して溶湯を排出する工程を含むことを特徴とする溶湯の製造方法。
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