JP2010047411A - 乗客コンベアの掃除装置 - Google Patents

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Toshiaki Matsuo
利昭 松尾
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Abstract

【課題】潤滑油によって踏段が汚損されることを防止することができる乗客コンベアの掃除装置を提供する。
【解決手段】無端状の踏段鎖に連結されて循環移動する複数台の踏段1と、1踏段の両端部外側に並設された一対の前輪レールと、踏段1の両端部内側に並設された一対の後輪レール8と、踏段1に取り付けられて前輪レールに案内される一対の前輪ローラと、踏段1に取り付けられて後輪レール8に案内される一対の後輪ローラ6とを備え、後輪レール8は、後輪ローラ6が走行する走行面11と、走行面11の外側端部に設けられた起立壁12と、走行面11の内側端部に起立形成された傾斜部13とを備え、踏段1の構成部材であるブラケット15に清掃具16を取り付け、この傾斜部13に清掃具16を接触させた。
【選択図】図5

Description

本発明は、無端状に連結された複数台の踏段を備えた乗客コンベアの掃除装置に係わり、特に、踏段に備えられた後輪ローラを案内する後輪レールを清掃する掃除装置に関するものである。
一般に、多くの人に利用される乗客コンベアは、無端状の踏段鎖と、この踏段鎖に連結された複数台の踏段と、踏段が走行する一対の前輪レール及び後輪レールを備えており、この踏段鎖を移動させることによって踏段が前輪レール及び後輪レール上を循環走行するようになっている。踏段は、人が乗降する踏台と、この踏台を支持する踏段枠と、この踏段枠に踏段軸を介して装着されて前輪レール上を走行する一対の前輪ローラと、踏段枠にそれぞれ取り付けられて後輪レール上を走行する一対の後輪ローラとからなり、前輪レール及び後輪レールは、前輪レールが走行する走行面と、走行面の外側端部に設けられた起立壁とから構成されている。
また、踏段鎖は踏段の両端部外側に延びた踏段軸の左右両側にそれぞれ取り付けられ、一対の前輪ローラはこの踏段軸の左右両端にそれぞれ取り付けられるので、これらの前輪ローラを案内する一対の前輪レールは、踏段の両側方にそれぞれ設置されている。そのため、一対の後輪ローラを案内する一対の後輪レールは、この踏段鎖が駆動されることを阻害しないように、踏段の両端部内側に互いに対向するように設置されている。そして、踏段鎖を移動させることによって前輪ローラが前輪レールの走行面上で転動し、これに伴って後輪ローラが後輪レールに案内されることにより、踏段の傾きが維持されている。
このように構成された乗客コンベアが長期間に渡って使用されると、これらの前輪レールと後輪レールの走行面上に塵埃が堆積し、前輪ローラと後輪ローラが円滑に走行することができなくなる。そのため、これらの前輪レールと後輪レールの走行面上は適時清掃される必要がある。
そこで、乗客コンベアの前輪レールの走行面上を清掃するために、ブラシ等の清掃具を踏段鎖もしくはリンクに取り付け、踏段を循環走行させることにより、清掃具を前輪レールの走行面上で摺動走行させて清掃する乗客コンベアの掃除装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭59−140264号公報
ところで、乗客コンベアにおいては、踏段の両端部外側に延びた踏段軸の左右両側に取り付けられる踏段鎖へ潤滑油が供給されるため、乗客コンベアの長期間の使用によって、踏段の両端部外側に設置された前輪レール及び踏段の両端部内側に設置された後輪レールの走行面上に潤滑油が飛散することがある。そして、このように飛散した潤滑油が前輪レール及び後輪レールの走行面上の内側端部から走行面裏側に移り、油滴となって滴下した場合、特に潤滑油が後輪レールの走行面裏側から滴下した場合において、後輪レールは踏段の内側に設置されているので、踏段が反転して帰路側を走行する際に滴下した油滴により、踏段が汚損される虞がある。したがって、このような後輪レールの走行面上に飛散した潤滑油を清掃する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示された従来例の乗客コンベアの掃除装置は、踏段鎖もしくはリンクに取り付けられた清掃具を踏段と共に乗客コンベアの前輪レールの走行面上で摺動走行させることにより、この前輪レールの走行面上に堆積した塵埃を清掃することはできるが、前輪レール及び後輪レールの走行面上に飛散した流動性のある潤滑油については認識されていないために、潤滑油が後輪レールの走行面上の内側端部から走行面裏側に移り、油滴となって踏段へ滴下することによって踏段が汚損される虞があることに変わりはない。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、潤滑油によって踏段が汚損されることを防止することができる乗客コンベアの掃除装置を提供することにある。
本発明による乗客コンベアの掃除装置は、無端状の踏段鎖に連結されて循環移動する複数台の踏段と、前記踏段の両端部外側に並設された一対の前輪レールと、前記踏段の両端部内側に並設された一対の後輪レールと、前記踏段に取り付けられて前記前輪レールに案内される一対の前輪ローラと、前記踏段に取り付けられて前記後輪レールに案内される一対の後輪ローラとを備え、前記後輪レールは、前記後輪ローラが走行する走行面と、前記走行面の外側端部に設けられた起立壁と、前記走行面の内側端部に起立形成された傾斜部とを備え、前記踏段の構成部材に清掃具を取り付け、前記傾斜部に前記清掃具を接触させたことを特徴としている。
このように構成された乗客コンベアの掃除装置では、一対の後輪レールの走行面の内側端部に起立形成された傾斜部によって、潤滑油が後輪レールの走行面上から走行面裏側へ移ることを堰き止め、さらに踏段の構成部材に取り付けられた清掃具をこれらの傾斜部に接触させて踏段とともに走行させることにより、これらの傾斜部に堰き止めされた潤滑油及び堆積した塵埃を清掃することができ、潤滑油がこの堆積した塵埃を介して後輪レールの走行面上から走行面裏側へ移ることを防止することができる。
本発明の乗客コンベアの掃除装置は、一対の後輪レールの走行面の内側端部に傾斜部を起立形成し、踏段の構成部材に取り付けられた清掃具をこれらの傾斜部に接触させて踏段とともに走行させることにより、これらの傾斜部に堰き止めされた潤滑油及び堰き止めされて堆積した塵埃を清掃することができるので、この堆積した塵埃を介して潤滑油が後輪レールの走行面上から走行面裏側へ移り、踏段へ滴下することを防ぐことができる。これにより、踏段が潤滑油によって汚損されることを防止することができる。
本発明の実施の形態に先立って、本発明の実施形態の理解を容易にするための参考例を図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は参考例に係る乗客コンベアの踏段の走行状態を示す側面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図2のB部の拡大図、図4は図3の後輪レールの傾斜部に塵埃が堆積した場合の説明図である。
図1から図3に示すように、乗客コンベアは無端状の図示しない踏段鎖と、この踏段鎖に連結された複数台の踏段1とを備え、この踏段1は、人が乗降する踏台2と、この踏台2を支持する踏段枠3と、この踏段枠3内部に挿入される踏段軸4と、この踏段軸4の左右両端に装着された一対の前輪ローラ5と、踏段枠3にそれぞれ取り付けられた一対の後輪ローラ6とから構成され、この踏段軸4の両側に一対の踏段鎖が取り付けられている。また、これら一対の前輪ローラ5を案内する前輪レール7が踏段1の両端部外側にそれぞれ並設されており、これら一対の後輪ローラ6を案内する後輪レール8が踏段1の両端部内側に並設されている。また、これら前輪レール7は、前輪ローラ5が走行する走行面9と、この走行面9の外側端部に設けられた起立壁10とから構成され、同様に後輪レール8は、後輪ローラ6が走行する走行面11と、この走行面の外側端部に設けられた起立壁12とから構成されている。さらに、一対の後輪レール8の走行面11の内側端部を折り曲げて起立形成することによって、後輪レール8の走行面11の内側端部に傾斜部13を設けている。このように設置された前輪レール7及び後輪レール8の走行面9、11上を踏段鎖に連結された複数台の踏段1が循環走行するようになっている。
このような参考例に係る乗客コンベアの踏段軸4の左右両側に取り付けられる一対の踏段鎖には、潤滑油が供給されるため、乗客コンベアの長期間の使用によって、踏段1の両端部内側に設置された後輪レール8の走行面11上に潤滑油が飛散する。この飛散した潤滑油は後輪レール8の走行面11上から内側端部を回り込んで走行面11裏側へ流れようとするが、走行面11の内側端部に設けた傾斜部13によって走行面11上から走行面11裏側へ流れることを堰き止め、踏段1へ滴下することを防止している。しかし、図4に示すように、走行面11の内側端部においては後輪ローラ6が接触しないため、塵埃が堆積し易く、この堆積した塵埃14が潤滑油を吸収することによって、潤滑油がこの塵埃14を介して走行面11裏側へ移り、油滴となって滴下し、踏段1を汚損してしまう。
次に、本発明の実施形態を図5を用いて説明する。図5は本発明の実施形態に係る乗客コンベアの掃除装置の構成図である。なお、本発明の実施形態に係る乗客コンベアは上述した本発明の参考例に係る乗客コンベアと基本的に同じ構成であり、重複する説明は省略する。
図5に示すように、本発明の実施形態に係る乗客コンベアの掃除装置は、踏段枠3を構成する部材の一つであるブラケット15に清掃具16を螺子17で締結固定している。また、この清掃具16は先端にブラシ18を備えており、このブラシ18を傾斜部13に接触させている。
このように構成された乗客コンベアの掃除装置において、踏段1を循環走行させると、清掃具16のブラシ18が後輪レール8の傾斜部13を接触走行し、この傾斜部13に堰き止めされた潤滑油及び堆積した塵埃14を清掃することができるので、潤滑油が塵埃14を介して後輪レール8の走行面11上から走行面11裏側へ移ることを防ぎ、踏段1へ滴下することを防止することができる。その際に、後輪レール8の内側端部を鈍角に折り曲げて傾斜部13を形成したことによって、ブラケット15に固定したブラシ18を傾斜部13の内面側に確実に当接させることができる。これにより、後輪レール8の傾斜部13に常に塵埃がない状態を保つことができ、踏段1が反転して帰路側を走行しても潤滑油の油滴で汚損されることを防止することができる。
参考例に係る乗客コンベアの踏段の走行状態を示す側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図2のB部の拡大図である。 図3の後輪レールの内側端部に塵埃が堆積した場合の説明図である。 本発明の実施形態に係る乗客コンベアの掃除装置の構成図である。
符号の説明
1 踏段
2 踏み台
3 踏段枠
4 踏段軸
5 前輪ローラ
6 後輪ローラ
7 前輪レール
8 後輪レール
9、11 走行面
10、12 起立壁
13 傾斜部
14 塵埃
15 ブラケット
16 清掃具
17 螺子
18 ブラシ

Claims (1)

  1. 無端状の踏段鎖に連結されて循環移動する複数台の踏段と、前記踏段の両端部外側に並設された一対の前輪レールと、前記踏段の両端部内側に並設された一対の後輪レールと、前記踏段に取り付けられて前記前輪レールに案内される一対の前輪ローラと、前記踏段に取り付けられて前記後輪レールに案内される一対の後輪ローラとを備え、
    前記後輪レールは、前記後輪ローラが走行する走行面と、前記走行面の外側端部に設けられた起立壁と、前記走行面の内側端部に起立形成された傾斜部とを備え、前記踏段の構成部材に清掃具を取り付け、前記傾斜部に前記清掃具を接触させたことを特徴とする乗客コンベアの掃除装置。
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