JP2010047036A - エアバッグ用基布およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性、コンパクト性を有しながら、耐久性を改善したエアバッグ用基布、特にエアバッグに適したエアバッグ用基布を提供する。
【解決手段】単繊維繊度が0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維からなる極細マルチフィラメントを有して織物が構成され、該織物の少なくとも片面に樹脂が被覆されてコート織物が構成され、該コート織物の引張強度がタテ・ヨコ方向のそれぞれにおいて250N/cm以上、かつ、110℃で3000時間乾熱処理後のタテ・ヨコ方向の引張強度T3、4(N/cm)が処理前のタテ・ヨコ方向の引張強度T1、2(N/cm)に対して式1、2で表される引張強度保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であることを特徴とするエアバッグ用基布。式1(タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)式2(ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
【選択図】なし
【解決手段】単繊維繊度が0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維からなる極細マルチフィラメントを有して織物が構成され、該織物の少なくとも片面に樹脂が被覆されてコート織物が構成され、該コート織物の引張強度がタテ・ヨコ方向のそれぞれにおいて250N/cm以上、かつ、110℃で3000時間乾熱処理後のタテ・ヨコ方向の引張強度T3、4(N/cm)が処理前のタテ・ヨコ方向の引張強度T1、2(N/cm)に対して式1、2で表される引張強度保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であることを特徴とするエアバッグ用基布。式1(タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)式2(ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
【選択図】なし
Description
本発明は、優れた柔軟性を有し、かつ、自動車用部材として必要な機械的特性を具備した、エアバッグ用基布に関するものである。
近年、各種交通機関、特に自動車の事故が発生した際に、乗員の安全を確保するために、種々のエアバッグ、シートベルトが開発され、その有効性が認識され、実用化が進んでいる。最近では、これらのエアバッグとシートベルトの機能を同時に兼ね備えたエアバッグ内蔵シートベルト、つまりエアベルトも開発されている。エアベルトは、車両が衝突してから極めて短時間に膨張展開することにより、衝突時に発生する乗員の衝突エネルギーを吸収し、さらに座席に乗員を固定する仕組みになっている。つまり、広く使用されているシートベルトとそれを補助するエアバッグの役割を融合した仕組みになっている。このエアベルトを膨張させる装置としては、高出力、高温ガスを発生させるインフレーターが用いられており、エアベルトを構成するバッグ(本体基布)や縫製糸、カバーが上記ガスに耐えうる構造となっている。しかし、これまで提案されたエアベルトは、通常時には乗員の身体に触れるシートベルトとして機能するものであるにもかかわらず風合いが硬く、重量も増し、嵩高いため、乗員への圧迫感、疲労感を増大させるという問題があった。
例えば特許文献1には、ポリアミド系極細繊維を用いることによって、エアベルトとして十分な装着性を満足し、内圧保持性と難燃性に優れるものとしたエアベルト用基布が開示されている。確かに、極細繊維を用いることで、薄地化に加え、軽量かつ柔軟な織布を得ることができる。しかし、ポリアミド系繊維を極細繊維とすると、マルチフィラメントの表面積が増加するため、単繊維表面のポリマが酸化劣化してマルチフィラメントの強力が低下する。このため、特に乾熱状態で放置した場合には著しい強度劣化が発生し、エアベルト展開時にバッグ破れを誘発する懸念があった。
繊維の老化防止剤としては、ポリアミド繊維に銅化合物を添加することで、耐熱強度保持率を改善する技術が数多く開示されている(例えば特許文献2)。また、特許文献3には酸化防止剤として銅化合物を繊維に含有させたエアバッグが開示されている。しかしながら海島複合紡糸法で得られた極細マルチフィラメントを用いた場合、製織後に海成分を除去する脱海処理を行う必要があるが、脱海工程でアルカリ溶出法を用いると十分な酸化(老化)防止効果、例えば引張強力の低下防止効果が得られなかった。これは、銅化合物は温水で長時間処理した場合順次溶出してしまうからである。
そのため、自動車製造後10年以上の長期間での耐久性を維持かつ乗員保護するためには、エアバッグ用基布を構成する繊維の引張強度保持率が110℃雰囲気下3000時間放置後に70%以上であることが好ましいと考えられるが、従来技術ではかかる要求特性を満足できる風合いの柔らかいエアバッグ用基布を提供することはできなかった。
特開2006−161212号公報
国際公開第01/009416号パンフレット
特開2007−169815号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、柔軟性、コンパクト性を有しながら、耐久性を改善したエアバッグ用基布、特にエアベルトに適したエアバッグ用基布を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するための本発明は、次の構成を特徴とするものである。
単繊維繊度が0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維からなる極細マルチフィラメントで構成された織物の少なくとも片面に樹脂が被覆されてコート織物からなるエアバッグ用基布であって、該コート織物の引張強度がタテ・ヨコ方向のそれぞれにおいて250N/cm以上、かつ、式1、2で表される引張強度保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であることを特徴とするエアバッグ用基布。
式1(タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2(ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
ここで、
T1:処理前のタテ方向引張強度(N/cm)
T2:処理前のヨコ方向引張強度(N/cm)
T3:110℃雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T4:110℃雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm)
式1(タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2(ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
ここで、
T1:処理前のタテ方向引張強度(N/cm)
T2:処理前のヨコ方向引張強度(N/cm)
T3:110℃雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T4:110℃雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm)
本発明によれば、柔軟性、コンパクト性を実現しながら、耐久性を改善したエアバッグ用基布を提供することができる。特に、優れた柔軟性を有することから、エアベルトとした時の装着感、乗員への圧迫感、疲労感を軽減することができるため、エアベルト用基布として特に好適に用いることができる。
本発明のエアバッグ用基布は織物であり、ポリアミド系極細マルチフィラメントで構成される。極細マルチフィラメントを形成するポリマは、機械的特性、耐熱性の点でポリアミドであることが必要であり、好ましくは、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン5,6、ナイロン6,10であり、さらに好ましくは、耐久性、耐融解性の点で実績からも優れているナイロン6,6である。
また、極細マルチフィラメントを構成する繊維は、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレーなどの艶消し剤、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐熱剤、耐侯剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などを含むことも好ましく、銅塩系の老化防止剤を添加すると、砂漠地帯などの高温地域で利用される場合においても、エアバッグの展開に必要な強力を数十年に渡って維持することができる点から特に好ましい。
本発明のエアバッグ用基布における極細ポリアミド系繊維の単繊維繊度は0.05〜1dtexの範囲内であることが必要であり、とりわけ0.08〜0.5detxが好ましく、より好ましくは、0.1〜0.25dtexである。単繊維繊度が0.05dtex未満であると、エアバッグ用基布に必要な強力を引き出すために延伸倍率を上げていくと、毛羽立ちが多くなり基布生産性に悪影響を及ぼすだけでなく、織物の強力も低下する恐れがある。単繊維繊度が1dtexを超えると、エアバッグ用基布としたときの柔軟性が悪く、また数回折り畳んでも収納性を維持できるだけの薄地化が達成できない。
極細マルチフィラメントの総繊度としては150〜350dtexが好ましい。さらに柔軟性の向上、薄地化を図るためには、かかる極細マルチフィラメントの総繊度が200〜300dtexの範囲内であることが好ましい。極細マルチフィラメントの総繊度が150dtex未満であると、極細マルチフィラメントの強力が低下し、エアバッグ用基布として十分な強度を得ることが困難になる。一方、極細マルチフィラメントの総繊度が350dtexを超えると、数回折り畳んでも収納性を維持できるだけの薄地化の達成が困難になる。
かかる極細繊維を得るための手段としては、2成分以上のポリマを海島状に配置して紡糸した後に海成分を溶出して島成分を極細繊維とする海島複合紡糸法、単成分または複数成分のポリマを放射線状に配置して紡糸した後に物理的処理等により割繊して極細繊維を得る割繊法、直接に極細繊維を紡出して得る直接紡糸法等を採用することができる。中でも、単繊維繊度の制御が容易であり、毛羽が発生し難く、品質管理の点からも優れていることから、海島複合紡糸法が好ましい。海島複合紡糸法を採用するにあたって、海成分に使用するポリマとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリカプラミド等のポリアミドや、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、芳香族ポリアミドや、芳香族ポリエステル等が挙げられる。海成分と島成分のポリマの組合せにおいては、島成分をナイロン6,6とした場合、ポリエステルが好ましく、融点付近における溶融粘度を調整し易く、高強度糸を得易く、かつ、溶融紡糸時の安定性に優れる点から、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明のエアバッグ用基布に使用される織組織としては、平組織、斜文組織および朱子組織などを採用することができ、なかでも、均一な機械的特性、大量生産の容易さ、高速生産によるコストダウン、織組織構造の安定性等の点から、平組織が好ましい。
本発明のコート織物に含まれる銅量(銅原子の量)は重量換算で60ppm以上であることが長期耐熱性の点で好ましく、表面積の大きい極細繊維という観点から80〜500ppmの範囲内であることがより好ましい。銅量が60ppm未満の場合には、エアバッグ用基布として必要な長期耐熱性を得られない場合がある。銅は老化防止剤としての効果を発揮させるため、CuI、CuCl、CuCl2等の銅塩として含有させることで、長期耐熱性を向上させることができる。銅塩は、ポリマの重合工程から紡糸延伸工程の間で60〜150ppm程度という、エアバッグ用基布として必要な長期耐熱性が得られる必要量添加されるのが通常である。銅塩を必要量以上すなわち150ppm以上添加すると、紡糸延伸工程における口金やフィルター等の金属類に金属銅が析出し、操業性の悪化を招くだけでなく、毛羽も多く発生するため、製織工程の操業性悪化も引き起こすため、銅塩の添加量は必要最低限とする必要がある。しかしながら、銅塩は水に可溶であるため、海島複合紡糸法で得られたマルチフィラメントを用いた場合、海成分を除去する脱海処理を行う段階で、銅塩が海成分と共に溶出し、銅量として60ppm以上含有させることができない場合がある。しかし、コーティング工程を実施する前に、銅量が重量換算で10ppm以上の銅塩水溶液に織物を浸漬後、乾燥することで銅イオンがアミド結合に配位し、エアバッグ用基布として必要な長期耐熱性を得られることを、本発明者らは鋭意検討の末、見出した。このように、脱海処理後に後付与した銅塩は驚くべきことに、例えば、ポリアミド極細繊維を50℃、湿度95%の多湿状態で3000Hr時間処理しても、強力がさほど低下しないという優れた効果をもたらす。ここで、重合工程から紡糸延伸工程の間での銅塩添加の必要性は無いように思われるかもしれないが、紡糸延伸工程から老化防止剤後付与工程間での保存、乾燥工程での熱に対する耐久性を確実にするためには、やはり、重合工程から紡糸延伸工程の間で銅塩を添加することが好ましい。
ここで、銅量はコート織物を測定する場合には、コート織物1gに対して硫酸3ml、過塩素酸6mlを加えてポリアミド繊維を分解し、ろ過してコート剤と分離する。ろ過した液体を、280℃のホットプレート上で黒色→無色→黄色→無色となるまで処理し、総量100mlとなるまで純水を加えて攪拌し、攪拌後溶液の吸光度を原糸吸光光度計を用いて、予め作成しておいた検量線により銅量を求めることができる。ポリアミド繊維および織物については、上記ろ過の工程
を行うことなく、銅量を測定することができる。
を行うことなく、銅量を測定することができる。
本発明において、織物は少なくとも片面に樹脂が被覆されてなるコート織物であることが乗員を保護するのに必要な低通気性を得るために重要である。該樹脂は、耐熱性、耐寒性、難燃性を有するものが好ましく、例えばシリコーン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂などがあげられる。中でもシリコーン樹脂が耐熱性、耐老化性、汎用性の点から特に好ましい。シリコーン樹脂としては、ジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニル系、フロロ系等のシリコーンを用いることができる。また、該樹脂の塗布量は20〜70g/m2の範囲内であることが、シール剤を用いて縫製部からの空気漏れの抑制と柔軟性を両立するために好ましく、さらに好ましくは25〜50g/m2である。塗布量が20g/m2未満であると、柔軟性は非常に良いが、シール剤を塗布して縫製したエアバッグにおいて、シール剤と樹脂界面における界面剥離が発生し、縫製部における空気漏れが発生する場合がある。塗布量が70g/m2より大きいと、シール剤との接着性が良好になり、縫製部における空気漏れを抑制することはできるが、逆に柔軟性が損なわれる。
本発明において、コート織物の引張強力はタテ・ヨコ方向のそれぞれにおいて250N/cm以上であることが必要である。250N/cm以上であると、エアバッグとして必要な機械特性を有していると言える。すなわち、タテ・ヨコどちらか一方でも250N/cm未満であると、バッグ作成時の裁断方向が制約され、生産の手順が煩雑となるし、タテ・ヨコどちらも250N/cm未満であると、エアバッグの展開に必要な機械特性が不足し、乗員を保護できない恐れがある。
本発明において、コート織物は110℃で3000時間乾熱処理後のタテ方向の引張強度T3(N/cm)・110℃で3000時間乾熱処理後のヨコ方向の引張強度T4(N/cm)が、処理前のタテ方向の引張強度T1(N/cm)・ヨコ方向の引張強度T2(N/cm)に対して式1、2で表される引張強度保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であることが、エアバッグ用基布として用いるために必要である。
式1 (タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2 (ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
該引張強度保持率が70%以上の場合には、過酷な環境下で耐久性を長期間にわたり維持できる。加えて、50℃、湿度95%で3000時間湿熱処理後のタテ方向の引張強力T5(N/cm)・ヨコ方向の引張強力T6(N/cm)が処理前のタテ、ヨコ方向の引張強力T1、T2(N/cm)に対して式3、4で表される保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であると、さらに好ましい。
式3(タテ)=T5(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式4(ヨコ)=T6(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
このように、極細ポリアミド系繊維を用いながら引張強度保持率の高いエアバッグ用基布は、前述のように、銅量を重量換算で60ppm以上とすることによって達成することができる。そして、極細ポリアミド系繊維を用いながら引張強度保持率が高いため、エアベルトに好適に用いることができるのである。
式1 (タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2 (ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
該引張強度保持率が70%以上の場合には、過酷な環境下で耐久性を長期間にわたり維持できる。加えて、50℃、湿度95%で3000時間湿熱処理後のタテ方向の引張強力T5(N/cm)・ヨコ方向の引張強力T6(N/cm)が処理前のタテ、ヨコ方向の引張強力T1、T2(N/cm)に対して式3、4で表される保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であると、さらに好ましい。
式3(タテ)=T5(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式4(ヨコ)=T6(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
このように、極細ポリアミド系繊維を用いながら引張強度保持率の高いエアバッグ用基布は、前述のように、銅量を重量換算で60ppm以上とすることによって達成することができる。そして、極細ポリアミド系繊維を用いながら引張強度保持率が高いため、エアベルトに好適に用いることができるのである。
本発明においては、コート織物の目付けは200g/m2以下とすることで、軽量化の実効が得られるため好ましく、とりわけ、エアベルト用に用いる場合にも、乗員の肩に掛かる負担が軽減されるため好ましい。
本発明においては、コート織物の厚さは0.3mm以下とすることで、薄地化の実効が得られるため好ましく、とりわけ、エアベルトの用いる場合にも、バッグの収納部の厚みが薄くなることから、乗員への圧迫感を軽減できるだけでなく、商品性の面からも好ましい。
本発明においては、コート織物の引裂強力が100N以上であると、縫製部にシール剤を施さないエアバッグの展開において、必要な機械特性を有していると言える。縫製部シール剤を用いる場合には、シール剤が縫製部へ集中する応力を緩和できるため、100N以下のコート織物でも用いることができる場合がある。
本発明においては、コート織物のASTM D4032により測定した剛軟度が6N以下であると、柔軟性に富んだエアバッグ用基布となるため好ましく、とりわけ、エアベルトの用いる場合において、乗員への圧迫感を軽減できるため好適に用いることができる。剛軟度のより好ましい態様としては、4〜1Nの範囲内、さらに好ましくは3.5〜1.5Nの範囲内とすることで、エアベルトに最も適した柔軟性を得られ、かつ、シートベルトとして巻きだし、巻戻しを繰り返す場合においても、収納したエアバッグが捻じれることがない。剛軟度が6Nより大きいと、風合いの硬いエアバッグとなり、とりわけ、エアベルトに用いる場合において、通常のシートベルトとして使用する場合において、乗員が硬いエアベルトに圧迫感を受け、疲労感を募らせることとなる。
本発明においては、コート織物のJIS K 6404−6により測定したもみ試験が4級以上とすることで、エアバッグ作成後に長期間保管しても、コーティング剤が剥がれることなく、低通気性を維持できるため好ましい。
本発明においては、コート織物のJIS L 1096 A法に準じて試験差圧19.6kPaで測定した通気度が0.3L/cm2/min以下とすることで、高速展開を要求される、カーテンエアバッグ、サイドエアバッグ等の側面衝突対応部位およびエアベルトにも好適に用いることができる。
本発明においては、コート織物のFMVSS302法に準じて測定した燃焼速度が、80mm/min以下とすることで、自動車用内装材として用いるために必要な、要求事項を具備したものと言える。
次に、本発明のエアバッグ用基布を得るのに好適な製造方法について説明する。本発明のエアバッグ用布帛の製造方法は、少なくとも以下の第1〜4の工程を順次経由する。
[第1工程]:製織工程
まず、海島型複合繊維マルチフィラメントを製織して織物を作成する。
本第1工程に使用する海島型複合繊維マルチフィラメントの海島比率は海成分比率で15〜30質量%が好ましい。可能な限り海比率を小さくすることで、島比率が相対的に高まり、エアバッグ用基布として必要な引張強度や縫製部強度を得易くなるが、一方で、海比率を小さくし過ぎると、海島の両成分を溶融複合する時に、島成分同士が合流しやすくなる。海島型複合繊維マルチフィラメントは通常の海島複合紡糸法によって得ることができる。なお、当該海島型複合繊維マルチフィラメントの島成分には、予め銅量の重量換算で40ppm以上の銅塩が含まれていることが好ましい。 また、本第1工程前に、複合繊維マルチフィラメントを撚糸することも好ましい。撚糸によりマルチフィラメントの収束性を向上させることができる。特に海島型複合繊維の単繊維繊度が3.0dtex以下の場合には、撚糸により収束性を向上させることが好ましい。撚糸における撚り数としては、30〜150T/mが好ましい。撚り数を30T/m以上とすることで、収束性向上の実効を得ることができる。一方、撚り数を150T/m以下とすることで、撚糸後にヒートセットして繊維に残留するトルクを開放する必要がなく、撚糸工程を煩雑なものとせずに済む。
本第1工程に採用される織機としては、ウォータージェットルーム、レピアルーム、エアージェットルーム等を用いることができる。また、次式で定義されるカバーファクターが1800〜2400の範囲内になるように製織することで、薄地化と機械特性を両立できる。
CF=NW×DW 1/2+NF×DF 1/2
ただし、NW:経糸密度(本/2.54cm)、
DW:経糸繊度(dtex)、
NF:緯糸密度(本/2.54cm)、
DF:緯糸繊度(dtex)
カバーファクターを2400以下とすることで、エアバッグ用布帛として要求される薄地化を達成できる。またカバーファクターを1800以上とすることで、布帛強度などの性能を維持することができる。
まず、海島型複合繊維マルチフィラメントを製織して織物を作成する。
本第1工程に使用する海島型複合繊維マルチフィラメントの海島比率は海成分比率で15〜30質量%が好ましい。可能な限り海比率を小さくすることで、島比率が相対的に高まり、エアバッグ用基布として必要な引張強度や縫製部強度を得易くなるが、一方で、海比率を小さくし過ぎると、海島の両成分を溶融複合する時に、島成分同士が合流しやすくなる。海島型複合繊維マルチフィラメントは通常の海島複合紡糸法によって得ることができる。なお、当該海島型複合繊維マルチフィラメントの島成分には、予め銅量の重量換算で40ppm以上の銅塩が含まれていることが好ましい。 また、本第1工程前に、複合繊維マルチフィラメントを撚糸することも好ましい。撚糸によりマルチフィラメントの収束性を向上させることができる。特に海島型複合繊維の単繊維繊度が3.0dtex以下の場合には、撚糸により収束性を向上させることが好ましい。撚糸における撚り数としては、30〜150T/mが好ましい。撚り数を30T/m以上とすることで、収束性向上の実効を得ることができる。一方、撚り数を150T/m以下とすることで、撚糸後にヒートセットして繊維に残留するトルクを開放する必要がなく、撚糸工程を煩雑なものとせずに済む。
本第1工程に採用される織機としては、ウォータージェットルーム、レピアルーム、エアージェットルーム等を用いることができる。また、次式で定義されるカバーファクターが1800〜2400の範囲内になるように製織することで、薄地化と機械特性を両立できる。
CF=NW×DW 1/2+NF×DF 1/2
ただし、NW:経糸密度(本/2.54cm)、
DW:経糸繊度(dtex)、
NF:緯糸密度(本/2.54cm)、
DF:緯糸繊度(dtex)
カバーファクターを2400以下とすることで、エアバッグ用布帛として要求される薄地化を達成できる。またカバーファクターを1800以上とすることで、布帛強度などの性能を維持することができる。
織組織は、前述のとおり特に限定されないが、本発明の目的からして平織が好ましい。
[第2工程]:脱海工程
海島型複合繊維マルチフィラメントからなる織物の海成分を除去(脱海)して、島成分すなわち極細ポリアミド系繊維からなる織物とする。
海島型複合繊維マルチフィラメントからなる織物の海成分を除去(脱海)して、島成分すなわち極細ポリアミド系繊維からなる織物とする。
極細ポリアミド系繊維を発現させるための処理溶媒としては、海島型複合繊維の海成分がポリエステル、島成分がポリアミドであることから、海成分にのみ反応し溶解する、アルカリ性を示すNaOH水溶液、KOH水溶液等を選択することができる。該アルカリ水溶液の濃度は環境負荷、作業者への安全性、液の取扱性の観点から適宜設定することができるが、NaOH水溶液を使用する場合、NaOH重量換算で2〜10重量%とすると、処理時間をできるだけ短くできため好ましい。
本脱海工程に用いる機械は、液流染色機、ジッガー、ビーム染色機等公知の染色機を用いることができるが、海成分を完全に溶出し、単繊維繊度0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維を完全に発現させるためには、処理時間を十分に取ることができる液流染色機が好ましい。一方、処理温度は100℃以下に設定すると、特別な圧力容器を準備することなく容易に脱海することができる。 [第3工程]:老化防止剤後付与工程
第2工程で得られた織物を銅塩水溶液浸漬処理後、乾燥することで、エアバッグ用に必要な長期耐熱性を後付与することができる。該浸漬処理において、浸漬時間は織物が銅塩水溶液で濡らすことができる時間に設定すればよく、極細ポリアミド系繊維を用いた織物であれば、毛細管現象により素早く銅塩水溶液が浸み込むため、10秒以上浸漬すれば良い。銅塩水溶液の温度は常温でも問題なく銅塩が極細ポリアミド系繊維に付与することができるため、10〜80℃の範囲内で実施することが、特別な装置を用いずとも浸漬―乾燥できるため好ましい。上述のCuIやCuClは水に可溶ではあるが水に溶けにくい性質があるため、銅塩水溶液としては、例えば、酢酸銅とヨウ化カリウムを用いて水溶液を作ることも好ましい一例である。
本脱海工程に用いる機械は、液流染色機、ジッガー、ビーム染色機等公知の染色機を用いることができるが、海成分を完全に溶出し、単繊維繊度0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維を完全に発現させるためには、処理時間を十分に取ることができる液流染色機が好ましい。一方、処理温度は100℃以下に設定すると、特別な圧力容器を準備することなく容易に脱海することができる。 [第3工程]:老化防止剤後付与工程
第2工程で得られた織物を銅塩水溶液浸漬処理後、乾燥することで、エアバッグ用に必要な長期耐熱性を後付与することができる。該浸漬処理において、浸漬時間は織物が銅塩水溶液で濡らすことができる時間に設定すればよく、極細ポリアミド系繊維を用いた織物であれば、毛細管現象により素早く銅塩水溶液が浸み込むため、10秒以上浸漬すれば良い。銅塩水溶液の温度は常温でも問題なく銅塩が極細ポリアミド系繊維に付与することができるため、10〜80℃の範囲内で実施することが、特別な装置を用いずとも浸漬―乾燥できるため好ましい。上述のCuIやCuClは水に可溶ではあるが水に溶けにくい性質があるため、銅塩水溶液としては、例えば、酢酸銅とヨウ化カリウムを用いて水溶液を作ることも好ましい一例である。
本第3工程の銅塩水溶液の銅量を重量換算で10ppm以上とすることで、長期耐熱性を付与することができることを、本発明者らは鋭意検討の末に見出した。すなわち、ポリアミドに含まれるアミド結合に銅イオンが選択的に吸着、配位するため、上述の銅塩水溶液中の銅量が10ppm程度であっても、長期耐熱性の実効に必要である60ppm以上の銅量が織物に付与される。
なお、前述のとおり、海島型複合繊維マルチフィラメントの島成分に、予め銅量の重量換算で40ppm以上の銅塩を含有させておくと、紡糸延伸工程から老化防止剤後付与工程間での保存、乾燥工程での熱に対する耐久性を確実できる。
銅塩水溶液への浸漬処理を行った後、織物を乾燥する。乾燥温度は、銅塩水溶液に浸漬された織物が十分に乾燥する温度であれば良く、80℃以上とすることで、公知の乾燥機であれば十分に該織物を乾燥することができる。
本第3工程により、乾熱状態で放置しても著しい強度劣化のない極細ポリアミド系繊維からなる織物を得ることができる。
[第4工程]:コーティング工程
織物に老化防止剤を後付与した後、コーティングを行いコート織物とする。
コーティング方法としては、少量の樹脂でも均一かつ平滑に薄く塗布できる点で、フローティングナイフコート法が好ましい。樹脂は前述した樹脂を用いることができる。
織物に老化防止剤を後付与した後、コーティングを行いコート織物とする。
コーティング方法としては、少量の樹脂でも均一かつ平滑に薄く塗布できる点で、フローティングナイフコート法が好ましい。樹脂は前述した樹脂を用いることができる。
樹脂コーティングは織物の両面に行ってもよいが、本発明によれば片側面のみの樹脂コートでもエアバッグ用布帛として必要な低通気性、内圧保持性を満足できるので、コストダウンの観点から片側面のみ塗布する方が好ましい。 本発明におけるコート織物に使用する樹脂の粘度が2〜30Pa・sの場合は、2回以上に分けてコートすることが好ましい。つまり、極細繊維使い基布は、構成する繊維の繊維径が極めて小さいため、繊維同士の隙間が極めて微細な孔を形成しており、1回目の塗工においては微細孔を通じて樹脂が基布内部へ入り込みやすくなる。この状態ではまだ樹脂被覆表面の平滑性が低く、そうするとFMVSS302に対応した燃焼試験において燃焼速度が大きくなるため難燃性において好ましくない。そこで1回目の塗工後さらに塗工することにより、基布表面の平滑性が向上し、難燃性が向上する。また、該樹脂の粘度が30Pa・s以上の場合は、基布内部への入り込みが少ないため、1回コートでも十分な難燃性を実現でき、かつ、基布表面の平滑性も問題ない。
本発明のコート織物の樹脂塗布量は、少なくとも片面に樹脂を20〜70g/m2の範囲内とすることで、通気性をゼロに近づけることができ、シール剤等を用いて縫製部の通気度を抑制できる点から好ましい。さらに好ましくは30〜60g/m2である。
[測定方法]
(1)総繊度 JIS L1013:1999 8.3.1 A法に基づき、112.5mの小かせをサンプル数3作り、質量を測定し、その平均値(g)に10000/112.5をかけ、見掛け繊度に換算した。見かけ繊度から、以下の式基づいて正量繊度を算出した。
F0=D×(100+R0)/(100+Re)
F0:正量繊度(dtex)
D :見かけ繊度(dtex)
R0:公定水分率(%)
Re:平行水分率。
(2)織物厚さ
JIS L 1096:1999 8.5に則り、試料の異なる5か所について厚さ測定機を用いて、23.5kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(1)総繊度 JIS L1013:1999 8.3.1 A法に基づき、112.5mの小かせをサンプル数3作り、質量を測定し、その平均値(g)に10000/112.5をかけ、見掛け繊度に換算した。見かけ繊度から、以下の式基づいて正量繊度を算出した。
F0=D×(100+R0)/(100+Re)
F0:正量繊度(dtex)
D :見かけ繊度(dtex)
R0:公定水分率(%)
Re:平行水分率。
(2)織物厚さ
JIS L 1096:1999 8.5に則り、試料の異なる5か所について厚さ測定機を用いて、23.5kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(3)タテ糸・ヨコ糸の織物密度
JIS L 1096:1999 8.6.1に基づき測定した。
試料を平らな台上に置き、不自然なしわや張力を除いて、異なる5か所について2.54cmの区間のタテ糸およびヨコ糸の本数を数え、それぞれの平均値を算出した。
JIS L 1096:1999 8.6.1に基づき測定した。
試料を平らな台上に置き、不自然なしわや張力を除いて、異なる5か所について2.54cmの区間のタテ糸およびヨコ糸の本数を数え、それぞれの平均値を算出した。
(4)織物目付
JIS L 1096:1999 8.4.2に則り、20cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
JIS L 1096:1999 8.4.2に則り、20cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
(5)引張強度
JIS K 6404:1999 3 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、織物のタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、引張試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るまでの最大荷重を測定し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。また、110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率、および、50℃、湿度95%雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率は下記するように算出した。
式1(タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2(ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
式3(タテ)=T5(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式4(ヨコ)=T6(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
T1: 処理前のタテ方向引張強度(N/cm)
T2: 処理前のヨコ方向引張強度(N/cm)
T3: 110℃雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T4: 110℃雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm)
T5: 50℃、湿度95%雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T6: 50℃、湿度95%雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm)
(6)破断伸度
JIS K 6404:1999 3 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、織物のタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、これら試験片の中央部に100mm間隔の標線を付け、引張試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るときの標線間の距離を読み取り、下記式によって、破断伸度を算出し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
E=[(L−100)/100]×100
E:破断伸度(%)、
L:切断時の標線間の距離(mm)。
JIS K 6404:1999 3 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、織物のタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、引張試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るまでの最大荷重を測定し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。また、110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率、および、50℃、湿度95%雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率は下記するように算出した。
式1(タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2(ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
式3(タテ)=T5(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式4(ヨコ)=T6(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
T1: 処理前のタテ方向引張強度(N/cm)
T2: 処理前のヨコ方向引張強度(N/cm)
T3: 110℃雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T4: 110℃雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm)
T5: 50℃、湿度95%雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T6: 50℃、湿度95%雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm)
(6)破断伸度
JIS K 6404:1999 3 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、織物のタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、これら試験片の中央部に100mm間隔の標線を付け、引張試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るときの標線間の距離を読み取り、下記式によって、破断伸度を算出し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
E=[(L−100)/100]×100
E:破断伸度(%)、
L:切断時の標線間の距離(mm)。
(7)引裂強力
JIS K 6404:1999 4 6.試験方法B(シングルタング法)に準じ、長辺200mm、短辺76mmの試験片を織物のタテ、ヨコ、両方にそれぞれ5個の試験片を採取し、試験片の短辺の中央に辺と直角に75mmの切込みを入れ、引張試験機にてつかみ間隔75mm、引張速度200mm/minで試験片が引ききるまで引裂き、その時の引裂き荷重を測定した。得られた引裂き荷重のチャート記録線より、最初のピークを除いた極大点の中から大きい順に3点選び、その平均値をとった。最後にタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、平均値を算出した。
JIS K 6404:1999 4 6.試験方法B(シングルタング法)に準じ、長辺200mm、短辺76mmの試験片を織物のタテ、ヨコ、両方にそれぞれ5個の試験片を採取し、試験片の短辺の中央に辺と直角に75mmの切込みを入れ、引張試験機にてつかみ間隔75mm、引張速度200mm/minで試験片が引ききるまで引裂き、その時の引裂き荷重を測定した。得られた引裂き荷重のチャート記録線より、最初のピークを除いた極大点の中から大きい順に3点選び、その平均値をとった。最後にタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、平均値を算出した。
(8)剛軟度
ASTM D 4032−94:2001に則り、長辺204mm、短辺102mmの試験片を織物のタテ、ヨコ、両方にそれぞれ5個の試験片を採取し測定した。得られた最大荷重(N)について、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
ASTM D 4032−94:2001に則り、長辺204mm、短辺102mmの試験片を織物のタテ、ヨコ、両方にそれぞれ5個の試験片を採取し測定した。得られた最大荷重(N)について、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
(9)もみ試験
JIS K 6404−6:1999に則り、長辺100mm、短辺25mmの試験片を織物のタテ、ヨコ両方にそれぞれ6個の試験片を採取した。スコット形もみ試験機を用いて、コーティング面同士を重ね併せ、つかみ間隔30mm、荷重9.8N、つかみ具移動距離50mm、もみ速さ120回/分で500回もみ試験を行った。得られたサンプルについて等級区分した。等級区分は試験片のコーティング面の状態を目視判断した。
5級 : コーティング剤の剥離なし。
4級 : コーティング層の一部に削れあり、かつ、織物層の露出無し。
3級 : コーティング層の一部に削れあり、かつ、織物層の露出有り。
2級 : コーティング層の一部に剥離あり、かつ、織物層の露出有り。
1級 : コーティング層の大部分に剥離あり、かつ、織物層の露出あり。
JIS K 6404−6:1999に則り、長辺100mm、短辺25mmの試験片を織物のタテ、ヨコ両方にそれぞれ6個の試験片を採取した。スコット形もみ試験機を用いて、コーティング面同士を重ね併せ、つかみ間隔30mm、荷重9.8N、つかみ具移動距離50mm、もみ速さ120回/分で500回もみ試験を行った。得られたサンプルについて等級区分した。等級区分は試験片のコーティング面の状態を目視判断した。
5級 : コーティング剤の剥離なし。
4級 : コーティング層の一部に削れあり、かつ、織物層の露出無し。
3級 : コーティング層の一部に削れあり、かつ、織物層の露出有り。
2級 : コーティング層の一部に剥離あり、かつ、織物層の露出有り。
1級 : コーティング層の大部分に剥離あり、かつ、織物層の露出あり。
(10)通気度
JIS L 1096:1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に準じて、試験差圧19.6kPaで試験したときの通気量を測定した。試料の異なる5か所から約20cm×20cmの試験片を採取し、口径100mmの円筒の一端に試験片を取り付け、取り付け箇所から空気の漏れが無いように固定し、レギュレーターを用いて試験差圧19.6kPaに調整し、そのときに試験片を通過する空気量を流量計で計測し、5枚の試験片についての平均値を算出した。
JIS L 1096:1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に準じて、試験差圧19.6kPaで試験したときの通気量を測定した。試料の異なる5か所から約20cm×20cmの試験片を採取し、口径100mmの円筒の一端に試験片を取り付け、取り付け箇所から空気の漏れが無いように固定し、レギュレーターを用いて試験差圧19.6kPaに調整し、そのときに試験片を通過する空気量を流量計で計測し、5枚の試験片についての平均値を算出した。
(11)燃焼速度
FMVSS302法に基づき測定した。巾102mm、長さ356mmの試験片を織物のタテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて5枚ずつ作成し、試験を行い、次式より燃焼速度を算出した。
B=60×(D/T)
B:燃焼速度(mm/min)
D:炎が進行した距離(mm)
T:炎がDmm進行するために要した時間(秒)
得られた燃焼速度の中で、最も速度の早い値を、本測定の燃焼速度とした。 (12)銅量
正確に秤量した試料1gを200mlの三角フラスコに入れ、硫酸3ml、過塩素酸6mlを加えて280℃のホットプレート上で黒色→無色→黄色→無色となるまで処理した。処理後の溶液を室温まで冷却したのち、総量100mlとなるまで純水を加えて攪拌し、攪拌後溶液の吸光度を原糸吸光光度計(SIMADZU社製 AA−6200)を用いて求め、予め作成しておいた検量線により銅量を求めた。測定はランプ電流10mA、バンドワインドスリット幅0.19nm、波長324.7nm、バーナー高さ0.4cm、空気流量10リットル/分、アセチレンガス流量2.3リットル/分で測定した。なお、検量線作成時には標準試薬として和光純薬工業株式会社製の銅標準溶液(Cu1000)を用いた。
FMVSS302法に基づき測定した。巾102mm、長さ356mmの試験片を織物のタテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて5枚ずつ作成し、試験を行い、次式より燃焼速度を算出した。
B=60×(D/T)
B:燃焼速度(mm/min)
D:炎が進行した距離(mm)
T:炎がDmm進行するために要した時間(秒)
得られた燃焼速度の中で、最も速度の早い値を、本測定の燃焼速度とした。 (12)銅量
正確に秤量した試料1gを200mlの三角フラスコに入れ、硫酸3ml、過塩素酸6mlを加えて280℃のホットプレート上で黒色→無色→黄色→無色となるまで処理した。処理後の溶液を室温まで冷却したのち、総量100mlとなるまで純水を加えて攪拌し、攪拌後溶液の吸光度を原糸吸光光度計(SIMADZU社製 AA−6200)を用いて求め、予め作成しておいた検量線により銅量を求めた。測定はランプ電流10mA、バンドワインドスリット幅0.19nm、波長324.7nm、バーナー高さ0.4cm、空気流量10リットル/分、アセチレンガス流量2.3リットル/分で測定した。なお、検量線作成時には標準試薬として和光純薬工業株式会社製の銅標準溶液(Cu1000)を用いた。
尚、コート織物の銅量を測定する場合は、ホットプレートで処理する前に、コート剤を分離するためにろ過した。銅量を算出する場合に用いる試料の重量は、ろ過されたコート剤の重量を差し引いた重量が試料の重量となる。
実施例1
(紡糸・延伸)
酢酸銅とヨウ化カリウムが、それぞれ銅量とカリウム量で重量換算70ppm含有されたナイロン66を島成分用ポリマとし、ポリエチレンテレフタレートを海成分とした。
(紡糸・延伸)
酢酸銅とヨウ化カリウムが、それぞれ銅量とカリウム量で重量換算70ppm含有されたナイロン66を島成分用ポリマとし、ポリエチレンテレフタレートを海成分とした。
両成分を別個に溶融し、海島型複合紡糸用の口金内で海島型に複合した。用いた海島型複合紡糸用口金において、1孔あたりの島数は16、吐出孔数は60とした。また海成分と島成分との複合比率は質量比で28:72とした。また紡糸温度は300℃とした。
吐出した溶融ポリマを冷却風にて冷却固化し、第一ローラー速度400m/minにて引取り、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸温度230℃にて5.0倍に延伸し、3%の弛緩処理を施して、総繊度305dtexフィラメント数60、単繊維繊度5.1dtex、強度6.2cN/dtex、伸度23.2%の複合繊維フィラメントを得た。
吐出した溶融ポリマを冷却風にて冷却固化し、第一ローラー速度400m/minにて引取り、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸温度230℃にて5.0倍に延伸し、3%の弛緩処理を施して、総繊度305dtexフィラメント数60、単繊維繊度5.1dtex、強度6.2cN/dtex、伸度23.2%の複合繊維フィラメントを得た。
(製織)
得られた複合繊維フィラメントをウォータージェットルームにて、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの平織りに製織した。
得られた複合繊維フィラメントをウォータージェットルームにて、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの平織りに製織した。
(脱海処理)
得られた織物を液流染色機にて、95℃の3wt%水酸化ナトリウム水溶液で150分間アルカリ脱海し、70℃の温度で湯洗いし、水洗し、130℃の温度で乾燥し、150℃にて1分間熱セットした。
得られた織物を液流染色機にて、95℃の3wt%水酸化ナトリウム水溶液で150分間アルカリ脱海し、70℃の温度で湯洗いし、水洗し、130℃の温度で乾燥し、150℃にて1分間熱セットした。
(老化防止剤後付与)
酢酸銅とヨウ化カリウムがそれぞれ銅量およびカリウム量で重量換算30ppmの水溶液に脱海処理後の織物を浸漬し、マングルで絞り、引き続き80℃で乾燥し老化防止剤後付与織物を得た。
酢酸銅とヨウ化カリウムがそれぞれ銅量およびカリウム量で重量換算30ppmの水溶液に脱海処理後の織物を浸漬し、マングルで絞り、引き続き80℃で乾燥し老化防止剤後付与織物を得た。
(コーティング)
老化防止剤後付与織物に、フローティングナイフコーターにより、粘度80Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗布量41g/m2で1回コーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、経糸密度71本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。 実施例2
実施例1の老化防止剤後付与織物を、フローティングナイフコーターにより、粘度15Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗布量28g/m2でコーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、さらに、フローティングナイフコーターにより、粘度15Pa・sの該樹脂液を塗布量15g/m2でコーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、塗布量43g/m2、経糸密度72本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。
老化防止剤後付与織物に、フローティングナイフコーターにより、粘度80Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗布量41g/m2で1回コーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、経糸密度71本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。 実施例2
実施例1の老化防止剤後付与織物を、フローティングナイフコーターにより、粘度15Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗布量28g/m2でコーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、さらに、フローティングナイフコーターにより、粘度15Pa・sの該樹脂液を塗布量15g/m2でコーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、塗布量43g/m2、経糸密度72本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。
実施例3
海島型複合紡糸用口金において、1孔あたりの島数は60、吐出孔数は60とし、総繊度420dtexフィラメント数60、単繊維繊度7.0dtex、強度5.9cN/dtex、伸度24.1%、海島比が72:28の複合繊維フィラメントを用いた以外は、実施例1と同じ手段で経糸密度53本/2.54cm、緯糸密度58本/2.54cmの織物を作成し、脱海した後、塗布量37g/m2、経糸密度61本/2.54cm、緯糸密度53本/2.54cmのコート織物を得た。
海島型複合紡糸用口金において、1孔あたりの島数は60、吐出孔数は60とし、総繊度420dtexフィラメント数60、単繊維繊度7.0dtex、強度5.9cN/dtex、伸度24.1%、海島比が72:28の複合繊維フィラメントを用いた以外は、実施例1と同じ手段で経糸密度53本/2.54cm、緯糸密度58本/2.54cmの織物を作成し、脱海した後、塗布量37g/m2、経糸密度61本/2.54cm、緯糸密度53本/2.54cmのコート織物を得た。
実施例4
酢酸銅とヨウ化カリウムが含有されていないナイロン6,6を用いた以外は、実施例と同じ手段で経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの織物を作成し、脱海した後、塗布量41g/m2、経糸密度71本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。
酢酸銅とヨウ化カリウムが含有されていないナイロン6,6を用いた以外は、実施例と同じ手段で経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの織物を作成し、脱海した後、塗布量41g/m2、経糸密度71本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。
比較例1
海島型複合紡糸用口金において、1孔あたりの島数は60、吐出孔数は60とし、総繊度220dtexフィラメント数60、単繊維繊度3.7dtex、強度6.5cN/dtex、伸度23.1%、海島比が72:28の複合繊維フィラメントとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの織物を作成し、脱海した後、塗布量42g/m2、経糸密度71本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。
海島型複合紡糸用口金において、1孔あたりの島数は60、吐出孔数は60とし、総繊度220dtexフィラメント数60、単繊維繊度3.7dtex、強度6.5cN/dtex、伸度23.1%、海島比が72:28の複合繊維フィラメントとした以外は、実施例1と同様にして、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの織物を作成し、脱海した後、塗布量42g/m2、経糸密度71本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmのコート織物を得た。
比較例2
酢酸銅とヨウ化カリウムが、それぞれ銅量とカリウム量で重量換算70ppm含有されたナイロン66を直接紡糸延伸法により、吐出孔数は72の紡糸口金から吐出し、紡糸温度は300℃で、 吐出した溶融ポリマを冷却風にて冷却固化し、第一ローラー速度400m/minにて引取り、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸温度230℃にて5.0倍に延伸し、3%の弛緩処理を施して、総繊度235dtex、フィラメント数72、単繊維繊度3.3dtex、強度8.5cN/dtexのマルチフィラメントを得た。
(製織)
得られたマルチフィラメントをウォータージェットルームにて、経糸密度60本/2.54cm、緯糸密度60本/2.54cmの平織りに製織した。
酢酸銅とヨウ化カリウムが、それぞれ銅量とカリウム量で重量換算70ppm含有されたナイロン66を直接紡糸延伸法により、吐出孔数は72の紡糸口金から吐出し、紡糸温度は300℃で、 吐出した溶融ポリマを冷却風にて冷却固化し、第一ローラー速度400m/minにて引取り、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸温度230℃にて5.0倍に延伸し、3%の弛緩処理を施して、総繊度235dtex、フィラメント数72、単繊維繊度3.3dtex、強度8.5cN/dtexのマルチフィラメントを得た。
(製織)
得られたマルチフィラメントをウォータージェットルームにて、経糸密度60本/2.54cm、緯糸密度60本/2.54cmの平織りに製織した。
(コーティング)
織物に、フローティングナイフコーターにより、粘度80Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗布量41g/m2で1回コーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度55本/2.54cmのコート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。
織物に、フローティングナイフコーターにより、粘度80Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗布量41g/m2で1回コーティングし、次いで190℃で1分間加硫処理を行い、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度55本/2.54cmのコート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。
本発明のエアバッグ用基布は、特に柔軟性、収納性を求められるエアベルトに好適に用いることができる。
Claims (9)
- 単繊維繊度が0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維からなる極細マルチフィラメントで構成された織物の少なくとも片面に樹脂が被覆されてコート織物からなるエアバッグ用基布であって、該コート織物の引張強度がタテ・ヨコ方向のそれぞれにおいて250N/cm以上、かつ、式1、2で表される引張強度保持率がタテ・ヨコ方向それぞれ70%以上であることを特徴とするエアバッグ用基布。
式1 (タテ)=T3(N/cm)/T1(N/cm)×100(%)
式2 (ヨコ)=T4(N/cm)/T2(N/cm)×100(%)
ここで、
T1:処理前のタテ方向引張強度(N/cm)
T2:処理前のヨコ方向引張強度(N/cm)
T3:110℃雰囲気下で3000時間放置後のタテ方向引張強度(N/cm)
T4:110℃雰囲気下で3000時間放置後のヨコ方向引張強度(N/cm) - コート織物における樹脂の塗布量が20〜70g/m2であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用基布。
- コート織物のASTM D4032により測定した剛軟度が6N以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ用基布。
- コート織物に含有される銅量が重量換算で60ppm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用基布がエアベルトに用いられることを特徴とするエアバッグ用基布。
- 少なくとも次の工程を順次経由することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
第1工程:海成分がポリエステル系であり、島成分がポリアミド系である海島型複合繊維マルチフィラメントを、タテ糸およびヨコ糸とし、カバーファクター1800〜2400の範囲内で製織する工程。
第2工程:第1工程にて得られた織物を脱海処理し、海島型複合繊維マルチフィラメントから単繊維繊度0.05〜1dtexの極細ポリアミド系繊維を発現させる工程。
第3工程:第2工程にて脱海処理した織物を、銅量が重量換算で10ppm以上の銅塩水溶液に浸漬し、引き続き80℃以上で乾燥する工程。
第4工程:第3工程にて脱海処理した織物の少なくとも片面に樹脂を20〜70g/m2の範囲内でコーティングする工程。 - 第3工程における銅塩水溶液に含まれる銅量が重量換算で20ppm以上であることを特徴とする請求項6記載のエアバッグ用基布の製造方法。
- 海島型複合繊維マルチフィラメントの島成分に銅塩が銅量の重量換算で40ppm以上含有されてなることを特徴とする請求項6または7記載のエアバッグ用基布の製造方法。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法によって製造されたエアバッグ用基布がエアベルトに用いられることを特徴とするエアバッグ用基布の製造方法。
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