JP2009209497A - エアバッグ用基布 - Google Patents

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Abstract

【課題】110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率を改善したエアバッグ用基布を提供する。
【解決手段】織物を構成するマルチフィラメントがポリアミドで構成され、該マルチフィラメントの単繊維繊度が1dtex以下であって、該織物の110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率が70%以上であることを特徴とする風合いの柔らかいエアバッグ用基布を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた柔軟性を有し、かつ、自動車用部材として必要な機械的特性を具備した、エアバッグ用基布に関するものである。
近年、各種交通機関、特に自動車の事故が発生した際に、乗員の安全を確保するために、種々のエアバッグ、シートベルトが開発され、その有効性が認識され、実用化が進んでいる。最近では、これらのエアバッグとシートベルトの機能を同時に兼ね備えたシートベルト内臓エアバッグ、つまりエアベルトに関するものも開発されている。エアベルトは、車両が衝突してから極めて短時間に膨張展開することにより、衝突時に発生する乗員の衝突エネルギーを吸収し、さらに座席に乗員を固定する仕組みになっている。つまり、広く使用されているシートベルトとそれを補助するエアバッグの役割を融合した仕組みになっている。このエアベルトを膨張させる装置としては、高出力、高温ガスを発生させるインフレーターが用いられており、エアベルトを構成するバッグ(本体基布)や縫製糸、カバーが上記ガスに耐えうる構造となっている。しかし、これまで提案されたエアベルトは、常に乗員の身体に触れるシートベルトに比べ風合いが硬く、重量も増し、嵩高いため、乗員への圧迫感、疲労感を増大させるという問題があった。
例えば特許文献1には、極細繊維を用いることによって、エアベルトとして十分な装着性を満足し、内圧保持性と難燃性に優れるものとしたエアベルト用基布が開示されている。確かに、極細繊維を用いることで、薄地化に加え、軽量かつ柔軟な織布を得ることができる。しかし、極細繊維を用いると、マルチフィラメントの表面積が増加するため、単繊維表面のポリマが酸化劣化し、マルチフィラメントの強力が低下するため、特に乾熱状態で放置した場合には著しい強度劣化が発生し、エアベルト展開時にバッグ破れを誘発する懸念があった。
繊維の老化防止剤としては、ポリアミド繊維に銅化合物を添加することで、耐熱強度保持率を改善する技術が数多く開示されている(例えば特許文献2)。また、特許文献3には酸化防止剤として銅化合物を繊維に含有させたエアバッグが開示されている。しかしながら海島複合紡糸法で得られたマルチフィラメントを用いた場合、製織後に海成分を除去する脱海処理を行う必要があるが、脱海工程でアルカリ溶出法を用いると銅化合物は温水で長時間処理した場合順次溶出してしまうため、酸化劣化による引張強力の低下防止が十分ではない。そのため、自動車の寿命年数である10年程度の長期間での耐久性を維持するためには、エアバッグ用基布を構成する繊維の引張強度保持率が110℃雰囲気下3000時間放置後に70%以上であることが好ましいと考えられるが、従来技術ではかかる要求特性を満足できる風合いの柔らかいエアバッグ用基布を提供することはできなかった。
特開2006−161212号公報 国際公開第01/009416号パンフレット 特開2007−169815号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、柔軟性、コンパクト性を有しながら、単繊維繊度を極細化したとき、機械特性が低下するのを改善したエアバッグ用基布を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するための本発明は、次の構成を特徴とするものである。
織物を構成するマルチフィラメントがポリアミドで構成され、該マルチフィラメントの単繊維繊度が1dtex以下であって、該織物の110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率が70%以上であることを特徴とするエアバッグ用基布。
本発明によれば、柔軟性、コンパクト性を実現しながら、単繊維繊度を極細化したとき、機械特性が低下するのを改善したエアバッグ用基布を提供することができる。特に、優れた柔軟性を有することから、エアベルトとした時の装着感、乗員への圧迫感、疲労感を軽減することができるため、エアベルト用基布として特に好適に用いることができる。
本発明のエアバッグ用基布は、マルチフィラメントで構成される。マルチフィラメントを形成するポリマは、機械的特性、耐熱性の点でポリアミドであることが必要であり、好ましくは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン56であり、さらに好ましくは、耐久性、耐融解性の点で実績からも優れているナイロン66である。
また、マルチフィラメントを構成する繊維は、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレーなどの艶消し剤、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐熱剤、耐侯剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などを含むことも好ましい。
本発明のエアバッグ用基布におけるマルチフィラメントは、単繊維繊度が1dtex以下であることが必要である。単繊維繊度が1dtexを超えると、エアバッグ用基布としたときの柔軟性が悪く、また数回折り畳んでも収納性を維持できるだけの薄地化が図れず、特にエアベルトとした場合、装着感が悪く乗員に疲労感や圧迫感を与えることとなる。さらに柔軟性の向上、薄地化を図るためには、かかるマルチフィラメントの総繊度が350dtex以下であることが好ましい。一方、単繊維繊度が0.05dtexおよび総繊度が150dtex未満であると、マルチフィラメントの強力が低下し、エアバッグ用基布として十分な強度を得られない恐れがある。極細繊維の単繊維繊度としては、0.08〜0.5detxが好ましく、より好ましくは、0.1〜0.25dtexである。マルチフィラメントの総繊度としては190〜320dtexが好ましい。
かかる極細繊維を得るための手段としては、2成分以上のポリマを海島状に配置して紡糸した後に海成分を溶出して島成分を極細繊維とする海島複合紡糸法、2成分以上のポリマを放射線状に配置して紡糸した後に物理的処理等により割繊して極細繊維を得る割繊法、直接に極細繊維を紡出して得る直接紡糸法等を採用することができる。中でも、単繊維繊度の制御が容易であり、毛羽が発生し難く、品質管理の点からも優れていることから、海島複合紡糸法が好ましい。海島複合紡糸法を採用するにあたって、海成分に使用するポリマとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリカプラミド等のポリアミドや、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、芳香族ポリアミドや、芳香族ポリエステル等が挙げられる。中でも、島成分ポリマとして好適に用いられるナイロン66との組み合わせにおいてはポリエチレンが好ましく、融点付近における溶融粘度をほぼ同じに調整することができるため、高強度糸を得易く、かつ、溶融紡糸時の安定性に優れる点から、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明のエアバッグ用基布に使用される織組織としては、平組織、斜文組織および朱子組織などを採用することができ、なかでも、均一な機械的特性、大量生産の容易さ、高速生産によるコストダウン、織組織構造の安定性等の点から、平組織が好ましい。
本発明のエアバッグ用基布は、海島複合紡糸法で得られたマルチフィラメントを用いた場合、製織後に海成分を除去する脱海処理を行う必要がある。海成分にポリエステル、島成分にポリアミドを用いた場合には、ポリアミドは不溶で、ポリエステルは溶解するアルカリ水溶液で脱海するアルカリ溶出法が好ましい。
本発明のエアバッグ用基布を構成するポリアミドマルチフィラメントの単繊維は、シリコーン樹脂より酸素透過率が小さい樹脂により包囲されていることが必要である。樹脂を被覆させることで空気遮断性を持たせ、酸化劣化を防止することができる。
酸素透過率の小さい樹脂としては、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。中でも、島成分ポリマとして好適に用いられるナイロン66との組み合わせにおいては、メラミン系樹脂が好ましい。
また、該単繊維を包囲する酸素透過率の小さい樹脂の態様は、単繊維1本1本を包囲するように被膜を形成されてなることが、110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率を70%以上とするために好ましい。該樹脂をマルチフィラメント全体を包囲するように形成させ、かつ、エアベルトに使用した場合には、シートベルトとして使用された時に捻じれ、擦れ、揉まれ等の作用が加わることにより、該樹脂層に割れが発生する場合がある。該割れが発生した場合、該樹脂層に被覆されていないフィラメントが酸化劣化し、110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率が70%より小さくなる場合がある。該引張強度保持率が70%以上の場合には、過酷な環境下で耐久性を長期間にわたり維持できる。
該樹脂が単繊維を包囲するように被覆させる方法としては、メラミン系化合物を使用する場合を以下に記すが、特に限定されるものではない。まず、メラミン樹脂モノマーと酸化ケイ素を混合した水系液(水に溶解または分散)を、織物に付与した後、熱処理を行う。織物に水系液を付与する方法としては、該樹脂を水に溶解または分散させた水系液を作成し織物を浸漬した後、目的とする付着量となるようにマングルなどで絞るか、あるいはスプレーで必要量を付着する方法などを採用することができる。水系液の付着量は、繊維の表面積により適宜調整し、一般的には織物重量に対し0.5〜5wt%である。水系液を付与した後、縮重合のために50〜180℃の温度で、0.1〜30分間の条件で熱処理を行う。かかる熱処理は、乾熱処理および蒸熱処理のいずれでも繊維表面に均一な被膜を形成することができる。引き続き、未反応物や不純物を除去するために、洗浄しシワ等を除去するために熱セットすることも好ましい。
本発明のエアバッグ用基布はさらに、織物の少なくとも片側面に樹脂が被覆されたコート織物であることが低通気性、ひいては高速展開性と内圧保持性を達成するために好ましい。
コート織物における樹脂としては、耐熱性、耐寒性、難燃性を有するものが好ましく、例えばシリコーン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂などがあげられる。中でもシリコーン樹脂が耐熱性、耐老化性、汎用性の点から特に好ましい。シリコーン樹脂としては、ジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニル系、フロロ系等のシリコーンを用いることができる。 極細繊維使いの態様における織物の表面に設けられるコート層の樹脂量としては、10〜50g/m2の範囲内にあることが好ましい。10g/m2以上とすることで、低通気性、ひいては拘束装置に必要な高速展開性、内圧保持性を達成するための実効を得ることができる。また、50g/m2以下とすることで、エアベルト用に適した柔軟性および収納性を得ることができる。
コート樹脂を塗布する方法としては、公知のフローティングナイフコート法、リバースロールコート法、ロールオンナイフコート法、スプレーコート法等を採用することができるが、少量のコート樹脂でも均一かつ平滑に塗布できる点で、フローティングナイフコート法が好ましい。
本発明のエアバッグ用基布の厚みとしては、収納性の点から0.30mm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.27mm以下である。一方、基布強度や縫製部強度を維持して展開時のエアバッグの破裂等を防ぐ点からは、0.15mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.19mm以上である。
本発明のエアバッグ用基布は、引張強度がタテ・ヨコ方向のそれぞれについて250N/cm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、300N/cm以上である。250N/cm以上とすることで、展開時のエアバッグの破裂を防ぐことができる。 本発明のエアバッグ用基布は、JIS L 1096:1999 A法(フラジール形法)による通気量が0.1mL/cm・sec以下であることがエアベルト用途にも適した高速展開性と内圧保持性を得るために好ましく、より好ましくは0.05mL/cm・sec以下である。
また、本発明のエアバッグ用基布は、コート織物のFMVSS302により測定した燃焼性が120mm/min以下であることが、車輌内装剤として用いる上で好ましく、より好ましくは90mm/min以下である。
本発明のエアバッグ用基布は、ASTM D 4032−94:2001による剛軟度が7.0N以下であることがエアベルト用途に適した柔軟性を得るために好ましく、より好ましくは5.0N以下である。
本発明のエアバッグ用基布は、 JIS K 6404−6:1999に則り測定したサンプルの等級区分が4級以上であることがエアベルト用途に適した高速展開性と内圧保持性を得るために好ましい。
[測定方法]
(1)総繊度 JIS L1013:1999 8.3.1 A法に基づき、112.5mの小かせをサンプル数3作り、質量を測定し、その平均値(g)に10000/112.5をかけ、見掛け繊度に換算した。見かけ繊度から、以下の式基づいて正量繊度を算出した。
F0=D×(100+R0)/(100+Re)
F0:正量繊度(dtex)
D :見かけ繊度(dtex)
R0:公定水分率(%)
Re:平行水分率。 (2)織物厚さ
JIS L 1096:1999 8.5に則り、試料の異なる5か所について厚さ測定機を用いて、23.5kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(3)タテ糸・ヨコ糸の織物密度
JIS L 1096:1999 8.6.1に基づき測定した。
試料を平らな台上に置き、不自然なしわや張力を除いて、異なる5か所について2.54cmの区間のタテ糸およびヨコ糸の本数を数え、それぞれの平均値を算出した。
(4)織物目付
JIS L 1096:1999 8.4.2に則り、20cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(5)引張強度
JIS K 6404:1999 3 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、織物のタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、引張試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るまでの最大荷重を測定し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。また、110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率は下記するように算出した。
Dh=[T2/T1] ×100
Dh:110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率(%)
T1:110℃雰囲気下で3000時間放置前の引張強度(N/cm)
T2:110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度(N/cm)。
(6)破断伸度
JIS K 6404:1999 3 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、織物のタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、これら試験片の中央部に100mm間隔の標線を付け、引張試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るときの標線間の距離を読み取り、下記式によって、破断伸度を算出し、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
E=[(L−100)/100]×100
E:破断伸度(%)、
L:切断時の標線間の距離(mm)。
(7)引裂強力
JIS K 6404:1999 4 6.試験方法B(シングルタング法)に準じ、長辺200mm、短辺76mmの試験片を織物のタテ、ヨコ、両方にそれぞれ5個の試験片を採取し、試験片の短辺の中央に辺と直角に75mmの切込みを入れ、引張試験機にてつかみ間隔75mm、引張速度200mm/minで試験片が引ききるまで引裂き、その時の引裂き荷重を測定した。得られた引裂き荷重のチャート記録線より、最初のピークを除いた極大点の中から大きい順に3点選び、その平均値をとった。最後にタテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて、平均値を算出した。
(8)剛軟度
ASTM D 4032−94:2001に則り、長辺204mm、短辺102mmの試験片を織物のタテ、ヨコ、両方にそれぞれ5個の試験片を採取し測定した。得られた最大荷重(N)について、タテ方向及びヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
(9)もみ試験
JIS K 6404−6:1999に則り、長辺100mm、短辺25mmの試験片を織物のタテ、ヨコ両方にそれぞれ6個の試験片を採取した。スコット形もみ試験機を用いて、コーティング面同士を重ね併せ、つかみ間隔30mm、荷重9.8N、つかみ具移動距離50mm、もみ速さ120回/分で500回もみ試験を行った。得られたサンプルについて等級区分した。等級区分は試験片のコーティング面の状態を目視判断した。
5級 : コーティング剤の剥離なし。
4級 : コーティング層の一部に削れあり、かつ、織物層の露出無し。
3級 : コーティング層の一部に削れあり、かつ、織物層の露出有り。
2級 : コーティング層の一部に剥離あり、かつ、織物層の露出有り。
1級 : コーティング層の大部分に剥離あり、かつ、織物層の露出あり。
(10)通気度
JIS L 1096:1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に準じて、試験差圧19.6kPaで試験したときの通気量を測定した。試料の異なる5か所から約20cm×20cmの試験片を採取し、口径100mmの円筒の一端に試験片を取り付け、取り付け箇所から空気の漏れが無いように固定し、レギュレーターを用いて試験差圧19.6kPaに調整し、そのときに試験片を通過する空気量を流量計で計測し、5枚の試験片についての平均値を算出した。
(11)燃焼速度
FMVSS302法に基づき測定した。巾102mm、長さ356mmの試験片を織物のタテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて5枚ずつ作成し、試験を行い、次式より燃焼速度を算出した。
B=60×(D/T)
B:燃焼速度(mm/min)
D:炎が進行した距離(mm)
T:炎がDmm進行するために要した時間(秒)
得られた燃焼速度の中で、最も速度の早い値を、本測定の燃焼速度とした。
[実施例1]
(紡糸・延伸)
ナイロン66を島成分用ポリマとし、ポリエチレンテレフタレートを海成分とした。
両成分を別個に溶融し、海島型複合紡糸用の口金内で海島型に複合した。用いた海島型複合紡糸用口金において、1孔あたりの島数は16、吐出孔数は60とした。また海成分と島成分との複合比率は質量比で28:72とした。また紡糸温度は300℃とした。
吐出した溶融ポリマを冷却風にて冷却固化し、第一ローラー速度400m/minにて引取り、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸温度230℃にて5.0倍に延伸し、3%の弛緩処理を施して、総繊度305dtexフィラメント数60、単繊維繊度5.1dtexの複合繊維フィラメントを得た。
(製織)
得られた複合繊維フィラメントをウォータージェットルームにて、経糸密度65本/2.54cm、緯糸密度65本/2.54cmの平織りに製織した。
(脱海処理)
得られた織物を液流染色機にて、95℃の3wt%水酸化ナトリウム水溶液で150分間アルカリ脱海し、70℃の温度で湯洗いし、水洗し、130℃の温度で乾燥し、150℃にて1分間熱セットした。
(被膜形成処理)
シリコーン樹脂よりも酸素透過率の小さい「スミテックスレジン」(登録商標)M3(トリメチロールアミン80wt%濃度品、住友化学製)8wt%水溶液に、触媒として過硫酸アンモニウムを0.2wt%の濃度になるように添加し、これに、熱セット後の織物を浸漬し、水溶液の付着量が3wt%になるようにマングルで絞り、105℃の飽和水蒸気雰囲気中で5分間の処理を行った。引き続き、70℃の温度で湯洗い、水洗し、120℃の温度で乾燥し、150℃の温度で熱セットした。
(コーティング)
次いでこの織物に、フローティングナイフコーターにより、粘度12Pa・s(12,000cP)の無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を塗工量41g/mでコーティングし、次いで190℃で2分間加硫処理を行い、コート織物を得た。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。
[比較例1]
実施例1の脱海処理後の織物に、被膜形成処理を行わず、コーティングを行った。これについて各物性を評価し、結果を表1にまとめた。
Figure 2009209497
本発明のエアバッグ用基布は、特に柔軟性、収納性を求められるエアベルトに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 織物を構成するマルチフィラメントがポリアミドで構成され、該マルチフィラメントの単繊維繊度が1dtex以下であって、該織物の110℃雰囲気下で3000時間放置後の引張強度保持率が70%以上であることを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. シリコーン樹脂よりも酸素透過率の小さい樹脂が単繊維を包囲していることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 前記織物の少なくとも片面に、樹脂層が被覆してなることを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ用基布。
  4. 前記織物の引張強度が250N/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のエアバッグ用基布。
  5. エアベルト用であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のエアバッグ用基布。
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