JP2010045470A - 損失線路 - Google Patents

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弘和 遠矢
Norihisa Tooya
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Abstract

【課題】ディジタル回路やスイッチング回路において、信号線路間のクロストークを低減させるとともに、整合終端回路が不要で信号品位に関する問題を解決する伝送線路構造を提供する。
【解決手段】損失線路の基本構造は、導体21、絶縁体23、半導体22によって構成されている。損失線路は、スイッチングパルスを伝送する伝送線路構造の一部又は全てを構成する。損失線路は、少なくとも10 [MHz]から100[GHz]の帯域において10[nep/m](ネパー/メートル)以上の減衰定数を有し、損失線路を進行する孤立電磁波の振幅は大幅に減衰するが、損失線路の電位は初期値に保たれる。損失線路を進行する孤立電磁波の波長は保たれるので、信号電圧の上昇/降下時間は初期値に保たれる。損失線路を進行する孤立電磁波の振幅は大幅に減衰するので、クロストークは生じず整合終端回路も不要となる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、スイッチングパルス用の伝送線路に関し、特に、100[ps]以下の上昇または降下時間を有するトランジスタを使用するディジタル回路システムにおけるクロストーク、電源ノイズ、および不要電磁放射を抑圧することが出来る損失線路に関する。
近年、コンピュータを初めとするディジタル回路システムの高性能、小型化の要求が強い。ディジタル回路システムを構成するトランジスタの高速化は、高性能化や小型化に効果があるが、電磁ノイズや消費電力が増えると考えられて来た。
IECにおいては、情報技術装置やマルチメディア機器を対象に新たなEMI規格であるCISPR32の制定に向けた作業が進んでいる。ここでは、装置または機器からの放射妨害波について320[MHz]から6[GHz]まで、電源ラインおよび通信線による伝導妨害波について150[kHz]から30[MHz]までが規制の対象となる。許容値は従来の情報技術装置向けのCISPR22と同様であるが、適用対象がディジタル家電を含むマルチメディア機器まで拡大される。
一方、半導体技術の先端を進む半導体集積回路においてはトランジスタの高速化が進んでいる。非特許文献1によると、2007年のテクノロジノードにおける高性能MPUのPチャネル型電界効果トランジスタの最小上昇時間(ゲートディレー)は0.64[ps](ピコ秒)であり、電源電圧は1.1[V]である。
電磁気学によると、回路の状態には活性状態(exited states)、定常状態(stationary states)および、実用上は定常状態と見なせる準定常状態(quasi
stationary states)が存在する。活性状態とは、回路上の電界と磁界が変化または振動している状態であり交流回路はその一例である。振動する電界と磁界は電磁波となって絶縁体中を進行する。該絶縁体が真空空間の場合は、電磁波は光速で進行する。
定常状態とは、回路上の電界と磁界が静止している状態であり直流回路はその一例である。準定常状態とは、電界と磁界が電磁波となって回路上を進行するが、電磁波の波長が回路長に対して非常に長く回路内での電磁波の挙動が強弱振動だけと見なしても通常の界路設計においてほぼ不都合が生じないと見なされる状態である。低周波アナログ回路や、およそ1[ns]以上の立ち上がり時間を有するトランジスタと10[cm]以下の長さの配線で構成される回路は、実用上、準定常状態と見なすことの出来る回路の一例であるとされて来た。
電磁気学によると、活性状態にある回路の電流はアンペールの法則として定義され次式で示される。
電磁気学によると、電位Vは、電界の及ばない無限遠から導線の一点までの電界の積分値と定義されるが実用的にはグランド面から導線の一点までの電界の積分値として、また、電界Eは電位Vの傾きとしてそれぞれ次式から求められる。
マックスウエルは、磁界に関する理論と電界に関する理論を融合したマックスウエルの方程式を1873年に発表し、続いてこの式をダランベールの波動方程式の形式に変形し、ベクトル波動方程式を導出した。マックスウエルは、1862年頃から主張していた、電磁波と光はともに光速で伝搬することをこの式を用いて理論的に証明し、線形電磁波理論(以下電磁波理論)を完成させ、これにより電磁気学が完成した。ヘルツは、1887年に、実験によって電磁波の存在を実証し、マックスウエルの電磁波理論の正しさを証明した。
電磁気学によると、時間的に変化する電界と磁界は相互に作用しつつ横波となって空間または誘電体中を伝搬する。真空中を伝搬する電磁波の速度は光速である。伝搬する電磁波はポインチングベクトル理論に従って電力を伝搬する。空間を伝搬する電磁波は、周期および極性が一致し振幅ベクトルが進行方向に対して直交する電界波と磁界波とから構成される。この状態の電磁波はTEM(transverse electromagnetic)波と呼ばれる。電磁気学によると、時間的に変化する電界と磁界は相互に作用しつつ横波となって空間または誘電体中を伝搬する。真空中を伝搬する電磁波の速度は光速である。伝搬する電磁波はポインチングベクトル理論に従って電力を伝搬する。空間を伝搬する電磁波は、周期および極性が一致し振幅ベクトルが進行方向に対して直交する電界波と磁界波とから構成される。この状態の電磁波はTEM(transverse electromagnetic)波と呼ばれる。TEM波を構成する電界波の振幅を磁界波の振幅で割った値は波動インピーダンス(surge
impedanceまたはwave impedance)と呼ばれる。
電磁気学によると、電磁波は空間だけでなく媒体中も進行する。損失のない誘電体中を進行する電磁波の速度は、光速に対して比誘電率の平方根だけ遅くなり、波長は比誘電率の平方根だけ短くなる。後者は、波長圧縮と呼ばれる。
電磁気学によると、損失のある媒体中を進行する電磁波は、次式で示される減衰定数γに従い、進行に伴って振幅が減少し位相が変化する。
式(3)において、γの実数項であるαは減衰定数、γの虚数項であるβは位相定数と呼ばれる。αは、nep/m(ネパー/メートル)の単位で表される。1
[nep/m]は、1メートル進行して振幅がexp-1または0.368倍に減衰することを意味する。
電磁気学によると、式(3)中のγ 2を変形して得られる次式の括弧の項は、損失のある誘電体に関する複素誘電率と定義され、虚数部(σ/εω)を実数部(εr)で割った値を誘電体損失の正接と呼び、tanδで表す。但し、tanδは、電磁気学上、深い意味を持たない。
電磁波が導体中を進行する場合は、導体中では電磁波に作用する電荷は存在せず導電率σは ωεに比べて非常に大きいので、γは次式で表される。次式中における減衰定数α の逆数であるδは、表皮厚さと呼ばれる。
電磁気学によると、導体中を進行する電磁波の電界と磁界の比である固有インピーダンスZは、損失のある媒体中の固有インピーダンスにおいて導電率σがωεに比べて非常に大きいとして、次式で与えられる。
回路上の電界と磁界が変化または振動している活性状態または準定常状態においては電磁波理論が回路を支配し、この場合は導体中を電磁波が進むことは困難である。しかし回路上の電界と磁界が静止している定常状態においては、導体中を電荷の移動による電流が流れることが出来る。
物理学によると、導体中には無尽蔵に近い自由電子すなわち電荷が存在する。直流電源に静的負荷が接続されている場合は導体中の電荷の移動による電流が流れるが、一般に、電荷の移動軸方向にはわずかな電界しか印加されないので、電荷の平均移動速度は極めて遅い。
例えば、1平方ミリメートルの断面を有する銅線中を導体中の電荷の速度(dq/dt)で定義される10アンペアの電流が進行しているときの電流の進行速度は、物理学に従って計算すると常温で0.368[mm/s]となる。導体中の電荷は、遅いながらも移動は可能であるので、導体の他端で定常的に電荷が消費される際に導体の一端から同量の電荷が定常的に供給されれば、導体の他端に接続される抵抗器等の定常負荷へのエネルギー供給が支障なく行われる。
伝送線路上の電気信号の進行を扱うのが電気通信工学である。電気通信工学によると、直流的に絶縁された2本の導体間に電気信号を与えると、電気信号は電流波と電圧波となって伝送線路を進行するとしている。
電気通信工学では、交流回路理論と同様に、電流を導体中の電荷の平均速度(dq/dt)すなわち導体電流としている。しかし、電磁気学の基礎を成すマックスウエルの方程式においては、導体電流は、時間の関数ではない電流密度Jに対応させている。
交流回路理論や電気通信工学が電流をdq/dtと定義しているのは以下の理由によると考えられる。交流回路理論を支える重要な法則の一つであるキルヒホッフの法則が発表されたのが1845年で、マックスウエルが電磁波の存在を理論的に証明しヘルツによって実験で電磁波の存在が確認される42年前である。また、電気通信工学を支える重要な理論の一つである電信方程式が開発されたのが1874年で、同様に電磁波の存在が確認される13年前である。従って、交流回路理論および電気通信工学が実用化された当時は、回路の作用を電磁波の作用とする考え方がそもそも存在していなかった。さらに、その後も理論の修正が行われなかった。
電気通信工学の基礎を成す電信方程式において、導体電流が光速で流れることが出来るとしている根拠となっているのはダランベールの波動方程式である。ダランベールの波動方程式では、波動の主体をスカラー量のラプラシアンとするベクトル関数で表現し、波動の主体を特定していない。導体電流が導体間電圧とともに波となることが、電気回路を支配する電磁気学と整合していなので、電圧と電流に関する回路方程式をダランベールの波動方程式に対比させて得られる電信方程式は、電磁気学とは無関係であり、また電磁気学に整合していないことになる。
電流の定義が電磁気学に整合していないとなると、線路の電圧や、インピーダンス、電磁波との関係、さらには伝送損失に関しても電磁気学と矛盾する事態が生じる可能性がある。電気通信工学にはこのような問題が内在するが、歴史が古く伝送線路設計への豊富な適用実績を背景に、従来通りの連続波を対象とする伝送線路設計では電磁気学との矛盾が顕在化しないよう、工夫が施されている。
スイッチング波またはディジタル波のような間欠波を対象とする伝送線路設計においても電気通信工学に基づくと効率的であると言う考え方が支配的である。しかし電気通信工学のディジタル回路への実用実績が少ないため、電磁気学と対比しつつ慎重に設計や解析を行わないと、電磁気学との前記矛盾が顕在化する可能性がある。
電磁気学によれば、絶縁された2本の導体で構成される伝送線路に印加された電磁波は、TEMモードとなって準光速で進行する。絶縁が真空であれば進行速度は高速となる。このとき伝送線路で観測される電流や電圧は、それぞれ式(1)および式(2)から求められ、実態は伝送線路の導体ではなくて絶縁体中を進む電界波と磁界波である。電気通信工学によると、伝送線路上のTEM波を構成する電界波の振幅を磁界波の振幅で割った値が、特性インピーダンスである。
電磁気学と電気通信工学によると、伝送線路上を進行する信号の挙動は、伝送線路の特性インピーダンスと伝搬定数によって決まる。平板導体や絶縁体の材料特性は、伝送線路の特性インピーダンスに対して実用上ほとんど影響を及ぼさない。
電気通信工学によると、直径aの2本の導線の中心間を距離dだけ離して平行に配置した構造の、レッヘル線路の特性インピーダンスは次式から求めることが出来る。
電気通信工学によると、実用的なマイクロストリップ線路ならびに平行板線路の特性インピーダンスは次式から求めることが出来る。
電気通信工学によると、既知の特性インピーダンスZを有する伝送線路を通して未知の特性インピーダンスZを有する伝送線路に電磁波を注入したときの、
前記二つの伝送線路の接続点における反射係数S11は、次式で表される。
電気通信工学によると、反射係数がS11である、線路間の透過係数S21Γは、次式で表される。
電気通信工学によると減衰定数α1を超える損失線路の透過係数S21αは、次式で表される。
電磁気学によると、実用的な伝送線路の減衰定数は、電磁波が損失のある誘電体内を進行するときの減衰と、電磁波が誘電体内を進行する過程でその一部が導体内に侵入して熱になる導体損と、伝送線路外に漏れ出る放射損との和となると考えることが出来る。
高速ディジタルデータ通信機器の配線設計は電気通信工学に従って行われている。しかし、電気通信工学は正弦波等の連続波を扱う伝送線路設計には適するが、前述のようにディジタル信号のような間欠波を扱う伝送線路設計には、電磁気学との矛盾があり適さない。
高速ディジタルデータ通信機器や高周波電力変換器おける直流電源は、回路に電荷を供給すると考えられている。
電磁気学によると、マックスウエルは、単位(試験)点電荷に働く力の原因は、単位点電荷の存在する場所における電界にあるとし、クーロンの法則を修正した。この事実はあまり知られていない。
修正された電磁気学によると、電界に関する静電(electrostatic)エネルギーwは、次式で表される。
このように、静電エネルギーwは電荷が持っているのではなくて電界Eと電束密度Dの積または電界Eとして媒質に蓄積していることになる。
なお、電圧Vが印加された容量Cのコンデンサに蓄積されている静電エネルギーwは、電極距離をd、電極面積をSとすると、次式で表される。
電磁気学によると磁界に関する静磁気(magnetostatic)エネルギーwは磁界と磁束密度の積として媒質に蓄積しているとされ、次式で表される。
電流Iが印加された誘導Lのリアクトルに蓄積されている静磁気エネルギーwは、リアクトルの磁路長をl 、磁路の断面積をSとすると、次式で表される。
非特許文献4および非特許文献5に示される孤立電磁波コンセプトによると、半導体集積回路内のトランジスタは、スイッチングの瞬間に、非線形波動またはソリトンの一種である孤立電磁波を励起する。ディジタル回路システムを構成する回路モジュール内のトランジスタも同様である。
トランジスタのスイッチング動作時の孤立電磁波の励起メカニズムは、1834年にJohn Scott Russell がソリトンを発見する際に行った種々の実験の内の水を貯めた水門(ゲート)を急に開くことによって生じたソリトンの発生メカニズムや、ソリトンの一種であると確認されている津波の生成過程に極めて類似している。
前記孤立電磁波コンセプトによると、トランジスタがオフからオンにスイッチングする瞬間に、トランジスタの電位が前記直流電源の電圧を電源線路と信号線路の特性インピーダンス分割した値になる。従って、電源線路には電圧を分割電圧まで下げる極性の孤立電磁波が、信号線路には電圧を分割電圧まで上げる極性の孤立電磁波がそれぞれ同時に励起され、電磁波理論に従い、互いにその振幅ベクトルが直交する孤立電界波と孤立磁界波を伴って伝送線路上を進行する。
図1は、インバータに関する電磁波等価回路の一例である。
図1において、特性インピーダンスZ0の伝送線路の途中にインバータ1が接続されており、特性インピーダンスZ0の伝送線路5は直流電源4とインバータ1との間に接続されて電源線路を構成し、特性インピーダンスZ0の伝送線路6はインバータ1と整合終端抵抗7との間に接続されて信号線路を構成している。インバータ1は、PチャネルMOS
FET2とNチャネルMOS FET3によるコンプリメンタリー構成である。
図1において、インバータ1のオン状態とは、PチャネルMOS FET2がオンでNチャネルMOS FET3がオフの状態であり、インバータ1のオフ状態はその逆である。伝送線路を進行するTEM波に関する磁界と電流の関係および電界と電位の関係は、電磁気学においてそれぞれアンペアの法則および電位の定義として示される。
図2は、線路上の電源側の電位波形と電界波形の一例である。図3は、線路上の抵抗側の電位波形と電界波形の一例である。
図2は、インバータ1がオン時の伝送線路6上の電位波形9と、電磁気学に示される電位の定義から逆算して求められる伝送線路6上を進む電界波形8とを示す。図3は、インバータ1がオン時の伝送線路5上の電位波形11と、電磁気学に示される電位の定義から逆算して求められる電源側の伝送線路5上を進む電界波形10とを示す。
図2および図3に示すように、インバータ1のスイッチングによって生じる電界の波形は、トランジスタの立ち上がり波形の最大傾斜部の接線を立ち上がり波形と見なして求める立ち上がり時間と円周率との積の逆数として求められる周波数で定義される実効周波数(significant frequency)を有する正弦波の半波形に近似している。実効周波数の考え方を引用すると、前記近似の確かさ(accuracy)は、92%以上と見込まれる。従って、設計だけに限ると実用上、実効周波数で行うことが出来る。
図1から図3において、インバータ1がオンすると、図1中のB点とC点の電位は等しくE/2[V]となる。インバータ1によって励起された、お互い逆極性を有する伝送線路6上を進む孤立電界波8と伝送線路5上を進む孤立電界波10は、それぞれインバータ1に対して反対方向に進む。伝送線路6上を進む孤立電界波8は、伝送線路6の電位を0[V]からE/2[V]に上昇させつつ進み、整合終端抵抗7に向かう。一方、伝送線路5上を進む孤立電界波10は、伝送線路5の電位をE[V]からE/2[V]に降下させつつ直流電源4に向かって、それぞれ伝送線路を構成する絶縁体中を準光速で進行する。
前記孤立電磁波コンセプトによると、伝送線路上を進行する孤立電磁波の波長は次式で定義される。
従来の伝送線路構造については、下記の特許文献や非特許文献に記載されている。その要点は後述される。
特開2001−111184(P2001−111184A) 特開2001−284878(P2001−284878A) 特開2002−43760(P2002−43760A) 特願2003−21220(P2003−21220) 特開平6−243730 特開平8−64037 特開2006−309961(P2006−309961A) TheInternational Technology Roadmap For Semiconductors(ITRS)2007 Edition. H.B.Bakoglu 著 「Circuits, Interconnections,and Packaging for VLSI」、1990、 Addison - WesleyPub. Hirokazu Tohya and Noritaka Toya著 「A Novel Design Methodology of the On - ChipPower Distribution Network Enhancing the Performance and Suppressing EMI of theSoC」、IEEE International Symposium on Circuits and Systems 2007、 pp. 889-892、May 2007. 遠矢弘和、遠矢紀尚 著 「SoCの性能とEMCを大きく改善するオンチップ電源分配回路の新しい設計法」、電子情報通信学会 信学技報、Vol.107、No. 149、 EE2007-20、pp.73-78、2007年7月. S. B. Bulumulla,M. F. Caggiano, D. J. Lischner,R. K. Wolf 著「A Comparison of Large I/O FlipChip and Wire Bonded Packages」、IEEE 2001 Electronic Components and Technology Conference、2001.
解決しようとする問題点の第1は、特許文献1に関する。特許文献1は、個別素子の中の半導体素子で高調波ノイズの発生した信号を高損失層に形成されたノイズ抑制回路に通過させることによって、高調波ノイズを取り除くために、周波数1MHzにおける誘電正接が0.0007以下の低損失誘電体材料からなる低損失層で、周波数1MHzにおける誘電正接が0.001以上の高損失誘電体材料からなる高損失層を挟んで基体を構成し、高周波信号が通過する伝送線路やカップリングコンデンサなどの低損失回路を低損失層に形成し、ノイズ成分を抑制するためのノイズ抑制回路を高損失層に形成し、基体の上部には半導体素子や大容量のコンデンサなどの個別素子を搭載する技術を開示している。
特許文献1において、高損失層にはストリップ線路が形成されロウパスフィルタとして作用させることを目的とし、コンデンサは、低損失層で形成して高損失層のストリップ線路にビアで接続する例を、等価回路を併用して紹介している。特許文献1は、低損失の伝送線路の一部に高損失のロウパスフィルタを接続するというものであって、伝送線路全体または大部分を損失線路で構成するというものではなかった。また特許文献1は集中要素モデルを扱う交流回路理論と分布要素モデルすなわち線路モデルを扱う電気通信工学の考え方を混同して使用している。
不要輻射を抑圧するために信号線路にロウパスフィルタを使用することはよく知られている。特許文献1では不要なノイズを高調波ノイズとしている。一方、ディジタル回路における高調波は、信号である矩形波を形成している要素である。ロウパスフィルタは、設計が最適に成されないと、ディジタル機器の情報処理速度に直結する信号品位(シグナルインテグリティ)を阻害することもよく知られている。特許文献1は、高調波ノイズの抑圧にのみ注目し、信号品位への影響を考慮していない。、従って、開示された技術によって、ディジタル機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第3は、特許文献3に関する。特許文献3は、半導体集積回路素子のような高密度集積された微少な電子回路の高周波伝導ノイズの除去に極めて有効な高周波磁気損失特性に優れた磁気損失材料を備えた、ロウパス機能を有する配線基板を提供するために、信号線の導体パターンを設けた少なくとも一層の基板と、前記基板上又は導体パターン上の少なくとも一部に設けられ磁性薄膜とを備えており、この磁性薄膜についての組成を詳細に開示している。
不要輻射を抑圧するために信号線路にロウパスフィルタを使用することはよく知られている。ロウパスフィルタは、設計が最適に成されないと、ディジタル機器の情報処理速度に直結する信号品位(シグナルインテグリティ)を阻害することもよく知られている。特許文献3は、誘導性の高周波ノイズの抑圧にのみ注目し、それによって阻害される信号品位への影響を考慮していない。従って、開示された技術によって、ディジタル機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁環境適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第4は、特許文献4に関する。特許文献4は、多層プリント回路基板において、ICやLSIのスイッチング時、あるいはこれらが動作している時に電源層とグランド層からなる電源系から発生する放射電磁ノイズを抑えるために、電源層とグランド層の間の絶縁材を、絶縁体磁性材料層を含む多層構造とし、電源層を配線状導体で構成し、かつその電源供給線の長さを、絶縁体磁性材料層の磁性損失が電源層およびグランド層からなる電源系における共振を抑制する長さにした多層プリント基板、あるいは、電源層とグランド層の間の絶縁材を層状の絶縁体磁性材料を含む多層構造とし、電源層は平面導体とし、かつ絶縁体磁性材料の周波数特性に適合するコンデンサを信号層に実装した多層プリント基板を採用する技術を開示している。
特許文献4は、集中要素モデルを扱う交流回路理論と分布要素モデルすなわち線路モデルを扱う電気通信工学の考え方を混同して使用している。このように、アイデアがマックスウエルによって確立された電磁波理論に基づいていないため、開示された技術によって、ディジタル機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁環境適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第5は、特許文献5に関する。特許文献5は、半導体素子(スイッチング素子)のスイッチング動作に伴って誘起される電磁波を原因とする、半導体集積回路内やパッケージ内、又は印刷配線基板内での誘導干渉や信号ケーブルや機器からの電磁放射等の電磁干渉問題を低減するために、該透過率が“0”と見なされ、電磁波の周波数が10〜100[GHz]の周波数帯域に含まれる場合の配線容量が100[pF]以上である線路素子に関する技術を開示している。
特許文献5において、線路素子のインピーダンスを集中定数素子であるコンデンサのインピーダンスを求める式で求めている。配線容量を100[pF]以上とするために絶縁膜を薄くし、これによって線路の透過率が小さくなることをデータで示しているが、電磁波理論または電気通信工学に基づくと、配線容量の増加と透過率の低減との間には直接の関係は無い。以上のように、電磁干渉の低減策がマックスウエルによって確立された電磁気学に基づいていないため、開示された技術によって、ディジタル機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁環境適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第6は、特許文献6に関する。特許文献6は、シールド材をグランドに接地するため別途ドレイン線を設ける必要がなく、製造コストが低廉でシールド性能に優れたフラットケーブルを提供するために、フラットケーブルの表面をシールド材によって被覆し、このシールド材を絶縁層によって絶縁被覆し、前記シールド材を、ドレイン線としてフラットケーブルの導線露出部に布設される接続突片によって接続受け側でグランドに接続する技術を開示している。
特許文献6において、フラットケーブルの表面をシールド材によって被覆し、このシールド材を絶縁層によって絶縁被覆し、さらに前記シールド材を接続受け側でグランドに接続するために、ケーブルの製造コストが上昇する。この技術は外部への電磁波の漏洩防止には効果があると思われるが、ケーブルを構成する配線間のクロストーク防止には効果が無い。また、ケーブルの受信側では線路単位毎の整合終端が必須であった。
解決しようとする問題点の第7は、特許文献7に関する。特許文献7は、高周波領域においても充分なシールド効果を発揮し、かつ端末処理や接続処理の端末加工性にもすぐれたシールド型多心フラットケーブルと、その製造方法を提供するために、導体上に発泡プラスチック絶縁層を具えた絶縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上下より片面に導電層を有する発泡プラスチック体で、上記導電層を内側にしてサンドイッチ状に一体化して成るシールド型多心フラットケーブルとその製造方法を開示している。
特許文献7において、開示された技術を採用すると、ケーブルの製造コストが上昇する。この技術は外部への電磁波の漏洩防止には効果があると思われるが、ケーブルを構成する配線間のクロストーク防止には効果が無い。また、ケーブルの受信側では線路単位毎の整合終端が必須であった。
解決しようとする問題点の第8は、特許文献8に関する。特許文献8は、フラットケーブル2枚を重ねたときにも、両フラットケーブルの導線が互いに近接せず、クロストークノイズを低減して電子機器の誤動作を防止するために、フラットケーブルの絶縁体の一面に、複数の帯状突起部を設け、他のフラットケーブルとは帯状突起部が設けられた面とが対向するようにして重ねることによって両フラットケーブルの間隔を確保しクロストークノイズを低減する技術を開示している。
特許文献8において、開示された技術を採用するとケーブルを重ねたときの厚さが増加する。この技術はクロストーク防止には効果があると思われるが、外部への電磁波の漏洩防止には効果が無い。また、ケーブルの受信側では線路単位毎の整合終端が必須であった。
解決しようとする問題点の第9は、非特許文献5に関する。非特許文献5は、多くのI/O端子を有する大規模ASICのI/O配線の周波数特性を、ワイヤボンディングパッケージとフリップチップパッケージについて比較している。ネットワークアナライザを使用して測定した透過特性である(S21)および反射特性である(S11)から、
フリップチップパッケージの方が、 ワイヤボンディングパッケージより良好な特性を得たとしている。
非特許文献5において、伝送線路特性が良質であるための条件の一つは透過率が高いこととされている。非特許文献5は、ディジタルは、多数の高調波で構成されている歪み波であるという、フーリエ変換の考え方に従った考え方である。この考え方に従うと、単線配線であり周囲の絶縁体の非誘電率が非常に小さいために、電磁界解析を行うと非常に短い長さであるのも関わらず非常に小さい透過率が得られるオンチップインターコネクトで、数ギガヘルツのディジタル波通信が可能であるという事実の合理的な説明が不可能である。従って、開示された技術によって、ディジタル機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁環境適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
電磁気学の定義に従うと、ディジタル信号処理回路の多くは準定常回路に該当すると考えられ、設計には交流回路理論が使用されている。準定常状態の回路は電磁波理論が支配しているが、回路を定常と見なして設計や解析しても実用上の誤差が少ないということを意味する。ディジタル信号処理回路のトランジスタのスイッチング速度が向上すると電磁ノイズが増加し、その対策は非常に難しいとされている。スイッチング周波数が高くなると小型軽量化が計られることはよく知られているが、電磁ノイズの増加が、ディジタル回路システムの高周波化を妨げている大きな要因の一つとなっている。
定常回路を扱う交流回路理論では、電磁波である電磁ノイズの対策は不可能であることは自明である。従って、トランジスタの高速化に伴って発生する電磁ノイズ問題を解決するためには、ディジタル回路システムを構成する配線の設計において、配線の長さにかかわらず電磁波理論を適用する必要があることになる。
アナログ回路は、回路状態の変化が比較的緩やかで始まりと終わりが明確でないことが多い。従って、特に低周波アナログ回路の設計においては、マックスウエルが確立した電磁波理論の代わりに、定常状態の回路を扱う交流回路理論を適用しても、実用上、問題が生じることはほとんど無かった。
一方、クロック回路やディジタル信号処理回路は、アナログ回路と異なり、状態の変化の期間が短く変化の始まりと終わりは明確である。ディジタル信号処理回路の状態の変化は非常に急激であり、急激な電界または磁界の変化は、電磁気学に従い大きなレベルの電磁波を励起する。ディジタル信号処理回路における電界または磁界の変化は一般に間歇的である。さらに、周波数制御型のディジタル信号処理回路においては、スイッチングの周期は不定である。
以上のようにアナログ回路とディジタル信号処理回路は、電磁気学の観点からは大きく異なっている。しかし、クロック回路やディジタル信号処理回路で構成される半導体集積回路の設計や解析には、従来からアナログ回路と同様、交流回路理論が使用されて来た。この原因の一つは、スイッチング波がひずみ波の一種とみなされて来たことに因る。
フーリエ変換法によると、ひずみ波は正弦波である多数の高調波から構成されているとされる。これらの高調波は始まりと終わりが無い多数の正弦波である。そうであるとすれば、回路上の信号を高調波毎に解析してその結果を加算すれば、クロック回路やディジタル信号処理回路の解析が可能となる。このように、フーリエ変換法は、クロック回路やディジタル信号処理回路の設計や解析に従来のアナログ回路に関する手法が適用出来るという、利便性の高い道を開いている。
フーリエ変換法(Fourier transform)と呼ばれ、1812年に提出されアカデミー大賞を受賞した「熱の解析的理論」の中でフランス人のJoseph
Fourierによって最初に使用された。
フーリエ変換法は数学の一手法であり、汎用性はあるが、上位理論である電磁気学との整合性を確認した上で電気電子回路の設計や解析に採用されている訳ではない。
従って、クロック回路やディジタル信号処理回路の設計や解析にフーリエ変換法を適用しているのは、前述の電気通信工学においてダランベールの波動方程式のみに依存して導体電流と導体間電圧が光速でと進行するとしているのと同様、物理学の観点からは誤用と考えるべきである。
スイッチング波形をひずみ波として扱うと、損失を有する損失線路をスイッチング波が進行した場合に、観測結果と解析結果との間で齟齬が生じる。たとえばデューティが1/10で繰り返し周波数が1[GHz]のスイッチング波をフーリエ変換すると振幅の1/10の値の直流成分と1[GHz]を基本波とする高調波とに分解できる。直流電流はほとんど流さないCMOS回路を使用する半導体集積回路内のある長さの配線または伝送線路が、1[GHz]の振幅を1/2に低下させる損失を有しているとすると、配線または伝送線路の終端でのスイッチング波の振幅は、解析結果ではほぼ1/2以下に低下する。
しかし、電磁気学に従うと、スイッチング波の定常振幅は直流電源から供給される静電エネルギーによって維持される。静電エネルギーは波動エネルギーではないので配線または伝送線路の損失の作用は受けない。従って、伝送線路の終端で観測されるスイッチング波の振幅は減衰しないはずである。
この事実は、スイッチング波をひずみ波として扱うことが誤りであることを示している。また、この事実は、フーリエ変換法に基づいて生じる群速度の概念に従う、ディジタル信号配線における信号品位(シグナルインテグリティ)に関する従来の理論には修正が必要であることを意味する。すなわち、この事実は、クロック回路やディジタル信号処理回路の技術の今後の発展のためには、従来の回路理論に代わる理論が必要であることを示唆している。
本発明は、上記問題を根本的に解消する手段を提供することを目的の一つとしている。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、損失線路に係り、一つ以上の一対の導体と、前記一対の導体の間に配置される絶縁体と半導体とから構成され、一対の導体を電極とする平行板伝送線路構造、またはマイクロストリップ伝送線路構造であることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、損失線路に係り、請求項1記載の損失線路において、請求項1記載の損失線路において、第1の前記絶縁体が、前記一対の導体を構成する第1の金属箔に接して配置され、第2の前記絶縁体が、前記一対の導体を構成する第2の金属箔に接して配置され、前記半導体が、前記第1の前記絶縁体と前記第2の前記絶縁体の間に配置されることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項2記載の損失線路において、10 [MHz]から100[GHz]の帯域の少なくとも1つの周波数における該損失線路の特性インピーダンスが、該損失線路と直列に接続される損失の少ない伝送線路の前記少なくとも1つの周波数の特性インピーダンスに等しいか、または実用上等しいと判断できる特性インピーダンスを有していることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項3記載の損失線路において、該損失線路が、少なくとも10 [MHz]から100[GHz]の帯域において10[nep/m](ネパー/メートル)以上の減衰定数を有することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項4記載の損失線路において、前記半導体が、10[S/m]以上の導電率を有することを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項5記載の損失線路において、前記半導体の厚さが100[μm]以下であることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項6記載の損失線路において、前記半導体が、ポリ(p−フェニレン)(22.7°)、またはポリ(p−フェニレンスルフィド)、またはカーボングラファイト、または二酸化マンガン、またはポリアセチレン、またはポリチオフェン、またはポリピロール、またはポリフェニレンビニレン、またはテトラチアフルバレン−テトラキノジメタン(TTF−TCNQ)、またはシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンゲルマニウム合金のいずれか1つ以上で構成されることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項7記載の損失線路において、前記半導体が、バインダー機能を有するペースト状の前記ポリチオフェンまたは前記ポリピロールであることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項8記載の損失線路において、前記半導体が、ポリ(p−フェニレン)(22.7°)、またはポリ(p−フェニレンスルフィド)、またはカーボングラファイト、または二酸化マンガン、またはポリアセチレン、またはポリチオフェン、またはポリピロール、またはポリフェニレンビニレン、またはテトラチアフルバレン−テトラキノジメタン(TTF−TCNQ)、またはシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンゲルマニウム合金のいずれか1つ以上を重量比で50%以上含み、ポリエチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれかのバインダーに混合されて形成されることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項9記載の損失線路において、該損失線路が、スイッチング素子またはスイッチング回路ブロックと信号線路と電源線路から構成されるスイッチング回路システムの信号線路の全て、または前記信号線路の前記スイッチング素子またはスイッチング回路ブロックの近傍の一部に使用され、前記第1の陰極箔が前記電源線路を構成する非グランド導体の線路方向軸に対して直列に挿入され、前記第2の陰極箔が前記漸減線路を構成するグランド導体の線路方向軸に対して並列に接続されて使用されることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、損失線路に係り、請求項1から請求項10記載の損失線路において、該損失線路が、多層印刷配線基板の配線構造、または半導体集積回路のパッケージのリードフレーム構造、または半導体集積回路のパッケージのインターポーザ構造、または半導体集積回路のオンチップインターコネクト構造、またはフラットケーブル構造、または並列線構造、または同軸ケーブル構造、多芯ケーブル構造、またはシャーシ上に配置されるワイヤーハーネス構造、または部品に付属する配線構造、またはグランドプレーン上の絶縁板上に布線される配線構造として形成されることを特徴としている。
スイッチングパルスを利用するクロック回路、ディジタル信号処理回路、ならびにスイッチング電力変換回路に本発明を適用すると、従来は伝送線路に不可欠と考えられていた整合終端抵抗やスナバが不要となる。
スイッチングパルスを利用するクロック回路、ディジタル信号処理回路、ならびにスイッチング電力変換回路に本発明を適用すると、伝送線路の隣接配線間のクロストークが大幅に抑圧されるため、前記回路と伝送線路の構造や配置に関する自由度が大幅に改善される。
スイッチングパルスを利用するクロック回路、ディジタル信号処理回路、ならびにスイッチング電力変換回路に本発明を適用すると、電磁適合性と信号品位が向上するので、前記回路を使用する機器の性能や信頼性が大幅に向上する。
スイッチングパルスを利用するスイッチング電力変換回路の伝送線路に本発明を適用すると、スイッチング周波数を高めることが出来るため小型、軽量化が可能となる。
ディジタル回路システムに本発明を適用すると、電磁波理論に基づく高精度の設計、解析が、従来の時間軸波形に注目していたのとほとんど変わらない方法で可能となるため、設計効率と設計品質が向上する。
以下、本発明に係る 最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図4は、試作した低インピーダンス損失線路の構造の一例である。図5は、試作した低インピーダンス損失線路のS21特性の一例である。図6は、試作した低インピーダンス損失線路部品の構造の一例である。図7は、試作した低インピーダンス損失線路部品のS21特性の一例である。本実施例における低インピーダンス損失線路および低インピーダンス損失線路部品はいずれも公知である。
図6において、本実施例の低インピーダンス損失線路部品は2個の陽極端子18と4個の陰極端子19を有している。低インピーダンス損失線路は銀ペースト層12、陽極箔13、絶縁層14、固体電解質層15、およびカーボンペースト層16で構成されており、全体が気密封止樹脂17で覆われている。図6の右側の1個の陽極端子18および2個の陰極端子19が、陽極箔13および銀ペースト層12の一端にそれぞれ接続され、図6の左側の1個の陽極端子18および2個の陰極端子19が、陽極箔13および銀ペースト層12損失線路の他端にそれぞれ接続されている。
図4において、本実施例の低インピーダンス損失線路は、線路部の幅が1[mm]で実効長さが4[mm]
、8[mm] 、16[mm]、および24[mm]を有するエッチング処理が施されたアルミニウム薄膜が陽極箔13として使用されている。アルミニウム薄膜のエッチング部に化成処理によって形成された約15[nm]の前後厚さの酸化アルミニウム被膜が絶縁層14に相当している。アルミニウム薄膜のエッチング部分に化学重合によって付着させたポリピロールが固体電解質層15に相当し、厚さは約2.5[μm]である。カーボンペーストがポリピロールの上に約30[μm]の厚さに塗布され、その上に熱硬化性銀ペーストによって銀ペースト層12が形成されている。
電磁界シミュレーション結果によると、本実施例の低インピーダンス損失線路の特性インピーダンスは20−30[mΩ]と推定されている。これは、低インピーダンス損失線路を構成する絶縁体5のみをTEM波が進行する場合に比べて3桁ほど大きい値である。従ってTEM波は絶縁体5から固有インピーダンスで決まる比率で半導体9に進入しつつ、進行しているためと推定される。絶縁体5と半導体9の比誘電率は大きく異なるが、半導体中に進入する電磁波は急速に減衰する。
半導体として使用するポリピロールの導電率を3500[S/m]、絶縁体である酸化アルミニウムの厚さを15[nm]、比誘電率を8.5、ポリピロールの塗布厚さを2.5[μm]、比誘電率を1とし、酸化アルミニウムの比誘電率を8.5とする。低インピーダンス損失線路の幅は1[mm]、導体の厚さは100[μm]である。試作結果から、低インピーダンス損失線路の1mm当たりの静電容量は0.7[μF]である。
低インピーダンス損失線路の特性インピーダンスは、ポリピロールの塗布厚さまでTEM波が侵入していると考えると式(8)から32[mΩ]となる。この値は、伝送線路中のポインチングベクトルから求めた電磁界シミュレーション値とほぼ一致する。この値を特性インピーダンスとすれば、50Ωの線路にこの特性インピーダンスを有する低インピーダンス損失線路を接続したときの接続部の透過係数S21αは、式(11)から0.051すなわち−26dBとなる。
低インピーダンス損失線路を構成する酸化アルミニウムとポリピロールをTEM波が進行しているときのポリピロールへの透過係数S21Γは、式(10)のZに式(6)から得られるポリピロールの固有インピーダンス、Zに低インピーダンス損失線路の特性インピーダンス値を代入することによって求められる。
低インピーダンス損失線路を構成する酸化アルミニウムとポリピロールをTEM波が進行しているときの透過係数S21αは、式(5)から得られるポリピロールの減衰定数にポリピロールへの透過係数を掛けた値をαとして、式(11)に代入すると、低インピーダンス損失線路の長さz毎に求めることが出来る。
低インピーダンス損失線路の低周波帯域の特性である静電容量値による50[Ω]の測定系の透過係数S21Cは、式(17)を変形して、次式から求められる。
式(17)において、Zは、静電容量の交流インピーダンス値に、電極の導電率、ここでは半導体であるポリピロールの導電率に従う低周波でのESR値を加えた値と考えることが出来る。ESRは、次式から求められる。
概略の低インピーダンス損失線路の透過係数S21Aは、次式から求めることが出来る。
式(19)から求められる本実施例の低インピーダンス損失線路の透過係数S21Aは、以下の通りであり、測定結果に近い値となっている。
線路長が4[mm]の場合:100[kHz] で−37[dB]、1[MHz]で−53[dB]、10 [MHz]で−73[dB]、100[MHz]で−91[dB]、1[GHz]で−101
[dB]。線路長が8[mm]の場合:100[kHz] で−41[dB]、1[MHz]で−59[dB]、10 [MHz]で−79[dB]、100[MHz]で−97[dB]、1[GHz]で−116
[dB]。線路長が16[mm]の場合:100[kHz] で−46[dB]、1[MHz]で−66 [dB]、10 [MHz]で−86[dB]、100[MHz]で−119[dB]、1[GHz]で−200
[dB]、線路長が24[mm]の場合:100[kHz] で−50[dB]、1[MHz]で−69[dB]、10 [MHz]で−96[dB]、100[MHz]で−164[dB]、1[GHz]で−287[dB]
低インピーダンス損失線路部品は低インピーダンス損失線路の両端にボード搭載用の端子が備えられている。このために、高周波帯域で端子間に電磁波のバイパスが形成されて透過係数が劣化する。この電磁波のバイパスは、静電容量を流れる変位電流または電束電流によると考えることが出来る。本実施例の低インピーダンス損失線路部品の実測値から端子間距離1[m]当たりのバイパス容量を求めると5×10−17[F/m]となる。
端子間の静電容量のインピーダンスをZとすると、直列に接続されている静電容量の透過係数S21Tは、次式から求めることが出来る。
以上から、概略の低インピーダンス損失線路部品の透過係数S21Bは、次式から求めることが出来る。
式(21)から求められる本実施例の低インピーダンス損失線路部品の透過係数S21Bは、以下の通りであり、測定結果に近い値となっている。
線路長が4[mm]の場合:100[kHz] で−37[dB]、1[MHz]で−53[dB]、10
[MHz]で−70[dB]、100[MHz]で−62[dB]、1[GHz]で−42 [dB]。線路長が8[mm]の場合:100[kHz] で−41[dB]、1[MHz]で−59[dB]、10
[MHz]で−76[dB]、100[MHz]で−68[dB]、1[GHz]で−48 [dB]。線路長が16[mm]の場合:100[kHz] で−46[dB]、1[MHz]で−65[dB]、10
[MHz]で−83[dB]、100[MHz]で−74[dB]、1[GHz]で−54 [dB]、線路長が24[mm]の場合:100[kHz] で−50[dB]、1[MHz]で−69[dB]、10
[MHz]で−91[dB]、100[MHz]で−78[dB]、1[GHz]で−58[dB] 。
以上の計算結果は、図5、図7と同様に、10[MHz] 以下では低インピーダンス損失線路と低インピーダンス損失線路部品の透過特性の差はほとんど無く、10[MHz]を超えると、低インピーダンス損失線路部品では端子間のバイパスによる透過特性の劣化現象が見られ、劣化度は端子間の距離にほぼ比例している。以上から、上記計算式は実用的であると判断できる。
(実施の形態2)
図8は、損失線路の一例である。図9は、損失線路の他の一例である。図10は、損失線路の他の一例である。図11は、損失線路の他の一例である。図12は、損失線路の他の一例である。
図8は、損失線路の基本構造であって、導体21、絶縁体23、半導体22によって構成されている。図9は、平行2芯ケーブルの一例であって、絶縁体24、導体25、半導体26によって構成されている。図10は、平行2芯ケーブルの他の一例であって、絶縁体27、半導体28、導体29によって構成されている。図11は、印刷配線基板の一例であって、信号層30、絶縁体31、グランドプレーン32、半導体層33によって構成されている。図12は、フラットケーブルの一例であって、絶縁体34、導体35、半導体層36、グランドプレーン37によって構成されている。
(実施の形態3)
図13は、印刷配線基板に布線で形成した損失線路の一例である。
図13において、電源端子42、グランド端子43、信号端子49を有する半導体集積回路41が、印刷配線基板40上に搭載されている。印刷配線基板40は、信号層44、47、電源層46、グランド層45、ビア48で構成されている。電源端子42は、ビア48によって電源層46に接続されている。グランド端子43はビア48によってグランド層45に接続されている。信号端子49はパッド50に接続されている。布線51は、ビア48によって信号層47に接続されているパッド53に接続されている。布線51と印刷配線基板40の絶縁層54との間には導電性ポリマーペースト52が塗布されている。
図13において、半導体集積回路41が68[nm]テクノロジノードで製造されており、ドライバのPチャネルMOS
FETのτを、半導体集積回路41のコア部のPチャネルMOSFETのτの20倍の32[ps]とする。ドライバのPチャネルMOS
FETによって励起される孤立電界波の実効周波数は10[GHz]である。
図13において、布線51と印刷配線基板40の絶縁層54と導電性ポリマーペースト52は、損失線路を構成している。この構造の損失線路において、導電性ポリマーペースト52の厚さを40[μm]とする。導電性ポリマーペースト52はポリチオフェンを70%以上の重量比で含有し、その導電率を103とする。絶縁層54をFR4基板とし比誘電率を4.34とする。導電性ポリマーペースト52の塗布厚さを20[μm]とする。グランド層45と信号層44との間隔を480[μm]とし、布線51には、絶縁厚0.2[mm]、導体径0.3[mm]のAWG30イラックスHP電線を使用し、長さを20[mm]とする。
本実施例の損失線路の特性インピーダンスは、レッヘル線の特性インピーダンスを求める式(7)の1/2であって、65[Ω]となる。印刷配線基板40の信号線路の特性インピーダンスも65[Ω]であるとすると、パッド50、53間の静電容量静電結合容量を10−18[F/m]とすると、本実施例の損失線路の10[GHz]のときの透過係数S21Aは、式(21)から、−70dBすなわち3.2/10000となる。
(実施の形態4)
図14は、損失線路の作用を説明するための回路図の一例である。図15は、損失線路68上の孤立電界波の一例である。図16は、損失線路63上を低インピーダンス伝送線路に向かう孤立電界波の一例である
図14において、回路は、直流電源60、ドライバ64、レシーバ69、ドライバ64を構成するインバータ65、インバータ65を構成するPチャネルMOS
FET66とNチャネルMOS FET67、低インピーダンス伝送線路62、損失線路63、68、および伝送線路61から構成されている。
図14において、ドライバ64が68[nm]テクノロジノードで製造されておりPチャネルMOS
FET66のτを、MPUコア部のPチャネルMOSFETのτの20倍の32[ps]とする。プリント回路基板の比誘電率を4とすると、ボード上の信号線路上に送信ドライバ65によって励起される孤立電界波の波長λs は7.5[mm]となる。また、孤立電界波の実効周波数は10[GHz]である。また、損失線路63、68、および伝送線路61の特性インピーダンスは65[Ω]、低インピーダンス伝送線路の特性インピーダンスは0.1[Ω]とする。
図14のC点に励起された孤立電界波78は、損失線路68上を、図15のように振幅を減衰させながらD点に向かって進行する。D点からは減衰せずに到達した孤立電磁波78の一部はE点で反射するが、E点の電位変化は無視できる程度である。残りはレシーバ69に向かう。
一方、図14のB点に励起された孤立電界波80は、損失線路63上を、図16のように振幅を減衰させながらA点に向かって進行する。図14のA点には特性インピーダンスが0.1[Ω]の低インピーダンス伝送線路62が接続されている。従って、孤立電界波80は、A点で反射して孤立電界波78と同極性となり、図15と同様に損失線路63上を、振幅を減衰させながらB点に向かって進行する。PチャネルMOS FET66がオンの状態を維持していればさらにC点を通過してD点に向かって進行する。C点以降の孤立電磁波の挙動は、図14のC点に励起された孤立電界波の挙動と同様である。
損失線路63、68上の孤立電界波の振幅の軌跡79、81は、式(11)から求まる減衰曲線となる。しかし、式(16)で定義した孤立電磁波の波長は、比誘電率が等しければ損失線路63および68上で変化することは無い。
図14において、例えば、C点からD点に向かって進行する孤立電界波は、図15に示すように、振幅が減衰する孤立電界波と、減衰する振幅の包絡線の波形の電界が重なっていると考えることが出来る。
すなわち、線路に静電界Eを供給する理想直流電源に直接接続されたトランジスタによって導体間隔rの損失線路の送電側に励起された孤立電磁波が、損失線路上をz方向に進行する時の任意の一点における損失線路の電位V(z)は、電磁気学での電位の定義に基づいて次式から求められる。
式(21)から、損失線路上で孤立電磁波が減衰しても、孤立電磁波は線路の電位を一定に保つことが判る。従って、ドライバ64中のPチャネルMOS
FET66のスイッチングによって励起される孤立電磁波による、損失線路63、68、および伝送線路61の電位は、図1の場合と全く同様の変化をすることになる。さらに、孤立電磁波の波長は、損失線路上で変化することは無いので、電位の上昇時間も図1の場合と全く同様にドライバ64中のPチャネルMOS
FET66のτのみに依存することになる。
電磁気学によると、伝送線路上の電位を変化させることが出来るのは電磁波のみであって、静電磁界は自ら変化することが出来ない。スイッチング波の上昇部または降下部以外は時間的な変化のない電磁界すなわち静電磁界が支配する領域である。または、スイッチング波の上昇部または降下部以外は定常状態すなわち直流の支配する状態である。損失線路は、静電磁界または直流には作用しないので、導体電流による電位降下が無い限り、スイッチング波の上昇部または降下部以外の電位の定常値は、直流電源電圧に等しくなければならない。式(21)は、スイッチング波の上昇部または降下部以外の電位が常に定常値に保たれることを意味している。
図14において、レシーバ69が接続されている。レシーバ69を構成する電界効果トランジスタは静電界で作用する素子であって電磁波は電界効果トランジスタの基本動作には寄与しない。
損失線路68上を進行することによって大きく減衰した孤立電磁波は、レシーバ69のゲート容量を変位電流または電束電流として透過する。透過した孤立電磁波は、もはや電磁干渉を引き起こすほどのエネルギーは保有していない。また、ゲート容量によって直流電源からの静電エネルギーが断たれるので、電界効果トランジスタより先の定常電位を上昇させることは出来ない。レシーバ69に進入するわずかのレベルの孤立電磁波は、内部で吸収され、または空間に放射して消費されてほぼ消滅する。損失線路63、68、および伝送線路61の特性インピーダンス整合は必要であるが、伝送線路61に対する整合終端処理は不要である。
この発明は、スイッチングパルスを利用するクロック回路、ディジタル信号処理回路、ならびにスイッチング電力変換回路をソリトンの一種である孤立電磁波の挙動と見なす孤立電磁波コンセプトに従っている。本発明は、損失線路の設計をスイッチングトランジスタの上昇時間で求められる単一の実効周波数で行うことを可能とする。伝送線路の隣接配線間のクロストークが大幅に抑圧されるため、前記回路と伝送線路の構造や配置に関する自由度が大幅に改善され、電磁適合性と信号品位が向上するので、前記回路を使用する機器の性能や信頼性が大幅に向上する。電磁波理論に基づく高精度の設計、解析が、従来の時間軸波形に注目していたのとほとんど変わらない方法で可能となるため、設計効率と設計品質が向上する。スイッチングパルスを利用するスイッチング電力変換回路の伝送線路に本発明を適用すると、スイッチング周波数を高めることが出来るため小型、軽量化が可能となる。
図1は、インバータに関する電磁波等価回路の一例である。 図2は、線路上の電源側の電位波形と電界波形の一例である。 図3は、線路上の抵抗側の電位波形と電界波形の一例である。 図4は、試作した低インピーダンス損失線路の構造の一例である。 図5は、試作した低インピーダンス損失線路のS21特性の一例である。 図6は、試作した低インピーダンス損失線路部品の構造の一例である。 図7は、試作した低インピーダンス損失線路部品のS21特性の一例である。 図8は、損失線路の一例である。 図9は、損失線路の他の一例である。 図10は、損失線路の他の一例である。 図11は、損失線路の他の一例である。 図12は、損失線路の他の一例である。 図13は、印刷配線基板に布線で形成した損失線路の一例である。 図14は、損失線路の作用を説明するための回路図の一例である。 図15は、損失線路68上の孤立電界波の一例である。 図16は、損失線路63上を低インピーダンス伝送線路に向かう孤立電界波の一例である
符号の説明
1、65 インバータ
2、66 PチャネルMOS
FET
3、67 NチャネルMOS
FET
4、60 直流電源
5、61 伝送線路
7 整合終端抵抗
8 信号線路上の孤立電界波
9 信号線路の電位波形
10 電源線路上の孤立電界波
11 電源側の線路の電位波形
12 銀ペースト層
13 陽極箔
14 絶縁体層
15 固体電解質層
16 カーボンペースト層
17 気密封止樹脂
18 陽極端子
19 陰極端子
21、25、29、35 導体
22、26、28 半導体
23、24、27、31、34 絶縁体
30、44、47 信号層
31 絶縁層
32、37 グランドプレーン
33、36 半導体層
40 印刷配線基板
41 半導体集積回路
42 電源端子
43 グランド端子
45 グランド層
46 電源層
48 ビア
49 信号端子
50、53 パッド
51 布線
52 導電性ポリマーペースト
54 絶縁層
62 低インピーダンス伝送線路
63、68 損失線路
64 ドライバ
69 レシーバ
78、80 孤立電界波
79、81 孤立電界波の振幅の軌跡

Claims (11)

  1. 一つ以上の一対の導体と、前記一対の導体の間に配置される絶縁体と半導体とから構成され、一対の導体を電極とする平行板伝送線路構造、またはマイクロストリップ伝送線路構造であることを特徴とする、損失線路
  2. 請求項1記載の損失線路において、第1の前記絶縁体が、前記一対の導体を構成する第1の金属箔に接して配置され、第2の前記絶縁体が、前記一対の導体を構成する第2の金属箔に接して配置され、前記半導体が、前記第1の前記絶縁体と前記第2の前記絶縁体の間に配置されることを特徴とする、損失線路
  3. 請求項1から請求項2記載の損失線路において、10 [MHz]から100[GHz]の帯域の少なくとも1つの周波数における該損失線路の特性インピーダンスが、該損失線路と直列に接続される損失の少ない伝送線路の前記少なくとも1つの周波数の特性インピーダンスに等しいか、または実用上等しいと判断できる特性インピーダンスを有していることを特徴とする、損失線路
  4. 請求項1から請求項3記載の損失線路において、該損失線路が、少なくとも10 [MHz]から100[GHz]の帯域において10[nep/m](ネパー/メートル)以上の減衰定数を有することを特徴とする、損失線路
  5. 請求項1から請求項4記載の損失線路において、前記半導体が、10[S/m]以上の導電率を有することを特徴とする、損失線路
  6. 請求項1から請求項5記載の損失線路において、前記半導体の厚さが100[μm]以下であることを特徴とする、損失線路
  7. 請求項1から請求項6記載の損失線路において、前記半導体が、ポリ(p−フェニレン)(22.7°)、またはポリ(p−フェニレンスルフィド)、またはカーボングラファイト、または二酸化マンガン、またはポリアセチレン、またはポリチオフェン、またはポリピロール、またはポリフェニレンビニレン、またはテトラチアフルバレン−テトラキノジメタン(TTF−TCNQ)、またはシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンゲルマニウム合金のいずれか1つ以上で構成されることを特徴とする、損失線路
  8. 請求項1から請求項7記載の損失線路において、前記半導体が、バインダー機能を有するペースト状の前記ポリチオフェンまたは前記ポリピロールであることを特徴とする、損失線路
  9. 請求項1から請求項8記載の損失線路において、前記半導体が、ポリ(p−フェニレン)(22.7°)、またはポリ(p−フェニレンスルフィド)、またはカーボングラファイト、または二酸化マンガン、またはポリアセチレン、またはポリチオフェン、またはポリピロール、またはポリフェニレンビニレン、またはテトラチアフルバレン−テトラキノジメタン(TTF−TCNQ)、またはシリコン、またはゲルマニウム、またはシリコンゲルマニウム合金のいずれか1つ以上を重量比で50%以上含み、ポリエチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれかのバインダーに混合されて形成されることを特徴とする、損失線路
  10. 請求項1から請求項9記載の損失線路において、該損失線路が、スイッチング素子またはスイッチング回路ブロックと信号線路と電源線路から構成されるスイッチング回路システムの信号線路の全て、または前記信号線路の前記スイッチング素子またはスイッチング回路ブロックの近傍の一部に使用され、前記第1の陰極箔が前記電源線路を構成する非グランド導体の線路方向軸に対して直列に挿入され、前記第2の陰極箔が前記漸減線路を構成するグランド導体の線路方向軸に対して並列に接続されて使用されることを特徴とする、損失線路
  11. 請求項1から請求項10記載の損失線路において、該損失線路が、多層印刷配線基板の配線構造、または半導体集積回路のパッケージのリードフレーム構造、または半導体集積回路のパッケージのインターポーザ構造、または半導体集積回路のオンチップインターコネクト構造、またはフラットケーブル構造、または並列線構造、または同軸ケーブル構造、多芯ケーブル構造、またはシャーシ上に配置されるワイヤーハーネス構造、または部品に付属する配線構造、またはグランドプレーン上の絶縁板上に布線される配線構造として形成されることを特徴とする、損失線路
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