JP2010045407A - ガス供給部材及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスを滞留させることなくチャンバ内に供給することができるガス供給部材を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置10が備えるチャンバ11に配置されるガス供給部材であるガス導入シャワーヘッド32は、チャンバ11の内部空間に対向する平面と、この平面と直交するように穿孔された複数のガス穴が連結されたスリット35aを備える。スリット35aの前記平面における外縁部は、噴出されたガスの流れに対応する斜面を有する。前記スリットは前記平面上において同心円状に形成され、前記斜面は平面及び曲面の少なくともいずれかを含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、ガス供給部材及びプラズマ処理装置に関する。
通常、半導体ウエハやフラットディスプレイパネル等の基板に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置は、基板を収容する収容室(以下、「チャンバ」という。)を備える。このプラズマ処理装置は、ガス供給部材としてのガス導入シャワーヘッドからチャンバ内に処理ガスを導入し且つチャンバ内に高周波電力を印加することによって処理ガスからプラズマを発生させ、該プラズマによって基板にプラズマ処理を施す。
ガス導入シャワーヘッドのチャンバ対向部には、処理ガスを噴出するガス穴が複数開口した平板が用いられるが、このチャンバ内に高周波電力を印加するとき、ガス導入シャワーヘッドのガス穴の外縁部で電界の集中が起き易く、異常放電が発生することがある。この異常放電は、基板やチャンバ内に配置された構成部品にダメージを与える。具体的には、基板としての半導体ウエハの表面にクラックやノッチ等を発生させ、又は、構成部品を焼損させる。
そこで、従来より、プラズマ処理装置では、ガス噴出し孔の外縁部に曲面を形成し、異常放電の原因となる外縁部における電界の集中を防ぐことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭59−4011号公報
しかしながら、従来のプラズマ処理装置のガス導入シャワーヘッドのチャンバ対向部では、各ガス穴間に平面部が存在するので、当該平面部が存在する各ガス穴間の中間位置においてガス穴から噴出された処理ガスの流れが弱くなり滞留する。チャンバ内で発生したパーティクルは、ガス穴から噴出された処理ガスの分子との衝突によるガス粘性力、イオンとの衝突によるイオン粘性力、及びパーティクルにかかる静電気力が釣り合う部分に移動するので(図8)、処理ガスの流れが弱く、ガス粘性力が小さくなる各ガス穴間の中間位置に滞留する。また、プリカーサーであるラジカルも、パーティクルと同様に各ガス穴間の中間位置に滞留するので(図9)、当該位置にデポが堆積し易く、堆積したデポが剥がれてパーティクルとなって半導体ウエハに付着する。さらに、デポが堆積することによってチャンバ内での反応プロセスが変動する(メモリ効果)。
本発明の目的は、ガスを滞留させることなくチャンバ内に供給することができるガス供給部材及びプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載のガス供給部材は、プラズマ処理装置が備えるチャンバに配置されるガス供給部材であって、前記チャンバの内部空間に対向する平面と、前記平面と直交するように穿孔された複数のガス穴とを備え、前記複数のガス穴から前記内部空間にガスを供給するガス供給部材において、前記複数のガス穴のうち隣接する前記ガス穴の前記平面における外縁部が連結されてスリットが形成され、前記スリットの前記平面における外縁部は、前記ガス穴から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有すると共に、前記スリットは前記平面上において同心円状に形成され、前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
請求項3記載のガス供給部材は、プラズマ処理装置が備えるチャンバに配置されるガス供給部材において、前記チャンバの内部空間に対向する平面と、前記平面において開口し且つ前記内部空間にガスを供給するガス流路とを備え、前記ガス流路の前記平面における外縁部は、前記ガス流路から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有し、前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
請求項5記載のプラズマ処理装置は、被処理体を収容するチャンバと、前記チャンバに配置され且つ前記チャンバの内部空間にガスを供給するガス供給部材とを備えるプラズマ処理装置において、前記ガス供給部材は、前記内部空間に対向する平面と、前記ガスを前記内部空間に供給するために前記平面と直交するように穿孔された複数のガス穴とを備え、前記複数のガス穴のうち隣接する前記ガス穴の前記平面における外縁部が連結されてスリットが形成され、前記スリットの前記平面における外縁部は、前記ガス穴から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有すると共に、前記スリットは前記平面上において同心円状に形成され、前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
請求項6記載のプラズマ処理装置は、被処理体を収容するチャンバと、前記チャンバに配置され且つ前記チャンバの内部空間にガスを供給するガス供給部材とを備えるプラズマ処理装置において、前記ガス供給部材は、前記内部空間に対向する平面と、前記平面において開口し且つ前記内部空間にガスを供給するガス流路とを備え、前記ガス流路の前記平面における外縁部は、前記ガス流路から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有し、前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
請求項1記載のガス供給部材及び請求項5記載のプラズマ処理装置によれば、チャンバの内部空間に対向する平面上に穿孔された複数のガス穴のうち隣接するガス穴の平面における外縁部が連結されてスリットを形成し、スリットの平面における外縁部は、ガス穴から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有すると共に、スリットは平面状において同心円状に形成され、斜面は平面及び曲面の少なくともいずれかを含むので、噴出されたガスを隣接するガス穴間に滞留させることなくチャンバ内に供給することができると共に、ガス供給部材を容易に製造することができ、もってガス供給部材のコストを低減することができる。
請求項3記載のガス供給部材及び請求項6記載のプラズマ処理装置によれば、チャンバの内部空間に対向する平面において開口し且つチャンバ内にガスを供給するガス流路の平面における外縁部は、ガス流路から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有し、斜面は平面及び曲面の少なくともいずれかを含むので、噴出されたガスの流れが弱くなる箇所を無くすことができ、これにより、噴出されたガスを隣接するガス流路間に滞留させることなくチャンバ内に供給することができる。
請求項2,4記載のガス供給部材によれば、斜面は、錐面、球面、及び放物面のいずれか又はこれらの組合せを含む面であるので、噴出されたガスの流れが弱くなる箇所をより無くすことができる。
本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。 図1におけるガス導入シャワーヘッドの概略構成を示す拡大断面図である。 図2のガス導入シャワーヘッドをチャンバ対向部側から見た平面図である。 細管の筒口から噴出されたガス分子の分布をシミュレートした結果及び実測した結果を示すグラフであり、(A)は、ガス分子の平均自由行程を筒口径で割ったクヌッセン数Knが8.93×10−3のときのものであり、(B)は、Knが8.93×10−2のときのものであり、(C)は、Knが0.893のときのものであり、(D)は、Knが8.93のときのものである。 図2における各ガス穴の形成方法を示す工程図である。 ガス導入シャワーヘッドの変形例の概略構成を示す拡大断面図である。 ガス導入シャワーヘッドの変形例のチャンバ対向面側から見た平面図であり、(A)は、径が2mmのガス穴が夫々5mm間隔で配設される場合を示し、(B),(C)は、径が2mmのガス穴が夫々4mm間隔で配設される場合を示し、(D),(E)は、径が1.5mmのガス穴が夫々3.5mm間隔で配設される場合を示し、(F),(G)は、径が1mmのガス穴が夫々3mm間隔で配設される場合を示す。 従来のプラズマ処理装置におけるチャンバ内のガス流を説明する図である。 従来のプラズマ処理装置におけるチャンバ内に発生したパーティクルを説明する図である。 (a)は、ガス導入シャワーヘッドに形成されるスリットを説明する平面図であり、(b)は、ガス導入シャワーヘッドの別の変形例をチャンバ対向部側から見た平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、所望のプラズマ処理としてのドライエッチング(Reactive Ion Etching)(以下、「RIE」という。)処理を半導体デバイス用のウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wに施すプラズマ処理装置10は、金属製、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼製の円筒型チャンバ11を有し、該チャンバ11内には、例えば、直径が300mmのウエハWを載置する載置台(ステージ)としての円柱状のサセプタ12が配置されている。
プラズマ処理装置10では、チャンバ11の内側壁とサセプタ12との側面によって、サセプタ12上方の気体分子をチャンバ11の外へ排出する流路として機能する排気路13が形成される。この排気路13の途中にはプラズマの漏洩を防止する環状のバッフル板14が配置される。また、排気路13におけるバッフル板14より下流の空間は、サセプタ12の下方へ回り込み、可変式バタフライバルブである自動圧力制御弁(Automatic Pressure Control Valve)(以下、「APC」という。)15に連通する。APC15は、真空引き用の排気ポンプであるターボ分子ポンプ(Turbo Molecular Pump)(以下、「TMP」という。)16に接続され、さらに、TMP16を介して排気ポンプであるドライポンプ(以下、「DP」という。)17に接続されている。APC15、TMP16及びDP17によって構成される排気流路を以下、「本排気ライン」と称するが、この本排気ラインは、APC15によってチャンバ11内の圧力制御を行い、さらにTMP16及びDP17によってチャンバ11内をほぼ真空状態になるまで減圧する。
また、上述した排気路13のバッフル板14より下流の空間は、本排気ラインとは別の排気流路(以下、「粗引きライン」という。)にも接続されている。この粗引きラインは、上記空間とDP17とを連通する、直径が例えば、25mmである排気管18と、排気管18の途中に配置されたバルブ19とを備える。このバルブ19は、上記空間とDP17とを遮断することができる。粗引きラインはDP17によってチャンバ11内の気体を排出する。
サセプタ12には下部電極用の高周波電源20が給電棒21及び整合器(Matcher)22を介して接続されており、該下部電極用の高周波電源20は、所定の高周波電力をサセプタ12に供給する。これにより、サセプタ12は下部電極として機能する。また、整合器22は、サセプタ12からの高周波電力の反射を低減して高周波電力のサセプタ12への供給効率を最大にする。
サセプタ12の内部上方には、導電膜からなる円板状の電極板23が配置されている。電極板23には直流電源24が電気的に接続されている。ウエハWは、直流電源24から電極板23に印加された直流電圧により発生するクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)力によってサセプタ12の上面に吸着保持される。また、サセプタ12の上方には、サセプタ12の上面に吸着保持されたウエハWの周りを囲うように円環状のフォーカスリング25が配設される。このフォーカスリング25は、後述する空間Sに露出し、該空間Sにおいて生成されたイオンやラジカルをウエハWの表面に向けて収束し、RIE処理の効率を向上させる。
また、サセプタ12の内部には、例えば、円周方向に延在する環状の冷媒室26が設けられる。この冷媒室26には、チラーユニット(図示せず)から冷媒用配管27を介して所定温度の冷媒、例えば、冷却水が循環供給され、当該冷媒の温度によってサセプタ12上面に吸着保持されたウエハWの処理温度が制御される。
サセプタ12の上面においてウエハWが吸着保持される部分(以下、「吸着面」という。)には、複数の伝熱ガス供給孔28及び伝熱ガス供給溝(図示せず)が配されている。これらの伝熱ガス供給孔28等は、サセプタ12内部に配置された伝熱ガス供給ライン29を介して伝熱ガス供給部30に接続され、該伝熱ガス供給部30は伝熱ガス、例えば、Heガスを、吸着面とウエハWの裏面との間隙に供給する。また、伝熱ガス供給部30は、排気管18に接続されてDP17により吸着面とウエハWの裏面との間隙を真空引き可能に構成されている。
サセプタ12の吸着面には、サセプタ12の上面から突出自在なリフトピンとしての複数のプッシャーピン31が配置されている。これらのプッシャーピン31は、モータ(図示せず)とボールねじ(図示せず)を介して接続され、ボールねじによって直線運動に変換されたモータの回転運動に起因して図中上下方向に移動する。ウエハWにRIE処理を施すためにウエハWを吸着面に吸着保持するときには、プッシャーピン31はサセプタ12に収容され、RIE処理が施されたウエハWをチャンバ11から搬出するときには、プッシャーピン31はサセプタ12の上面から突出してウエハWをサセプタ12から離間させて上方へ持ち上げる。
チャンバ11の天井部には、サセプタ12と対向するようにガス導入シャワーヘッド32が配置されている。ガス導入シャワーヘッド32には整合器33を介して上部電極用の高周波電源34が接続されており、上部電極用の高周波電源34は所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド32に供給するので、ガス導入シャワーヘッド32は上部電極として機能する。なお、整合器33の機能は上述した整合器22の機能と同じである。
ガス導入シャワーヘッド32は、多数のガス穴35を有する下面の電極板36と、該電極板36を着脱可能に支持する電極支持体37とを有する。また、該電極支持体37の内部にはバッファ室38が設けられ、このバッファ室38には処理ガス供給部(図示せず)からの処理ガス導入管39が接続されている。この処理ガス導入管39の途中には配管インシュレータ40が配置されている。この配管インシュレータ40は絶縁体からなり、ガス導入シャワーヘッド32へ供給された高周波電力が処理ガス導入管39によって処理ガス供給部へリークするのを防止する。ガス導入シャワーヘッド32は、処理ガス導入管39からバッファ室38へ供給された処理ガスをガス穴35を経由してチャンバ11内へ供給する。
また、チャンバ11の側壁には、プッシャーピン31によってサセプタ12から上方へ持ち上げられたウエハWの高さに対応する位置にウエハWの搬入出口41が設けられ、搬入出口41には、該搬入出口41を開閉するゲートバルブ42が取り付けられている。
このプラズマ処理装置10のチャンバ11内では、上述したように、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド32に高周波電力を供給して、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド32の間の空間Sに高周波電力を印加することにより、該空間Sにおいてガス導入シャワーヘッド32から供給された処理ガスから高密度のプラズマを発生させ、該プラズマによってウエハWにRIE処理を施す。
具体的には、このプラズマ処理装置10では、ウエハWにRIE処理を施す際、先ずゲートバルブ42を開弁し、加工対象のウエハWをチャンバ11内に搬入し、さらに、直流電圧を電極板23に印加することにより、搬入されたウエハWをサセプタ12の吸着面に吸着保持する。また、ガス導入シャワーヘッド32より処理ガス(例えば、所定の流量比率のC48ガス、O2ガス及びArガスから成る混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ11内に供給すると共に、APC15等によりチャンバ11内の圧力を所定値にする。さらに、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド32によりチャンバ11内の空間Sに高周波電力を印加する。これにより、ガス導入シャワーヘッド32より導入された処理ガスをプラズマ化して、空間Sにおいてイオンやラジカルを生成し、該生成されるラジカルやイオンをフォーカスリング25によってウエハWの表面に収束し、ウエハWの表面を物理的又は化学的にエッチングする。
図2は、図1におけるガス導入シャワーヘッドの概略構成を示す拡大断面図である。
図2のガス導入シャワーヘッド32は、各ガス穴35のチャンバ対向部側の外縁部に斜面201を有する。斜面201は、ガス穴35の中心軸に関して(360/n)°回転させたときにその形状が変わらないn回回転対称性を有する(但し、nは2以上の自然数。)、すなわち、回転前と回転後の形状が一致する穴を構成する斜面に該当する。本実施の形態では、n=∞、すなわち斜面201はガス穴35の中心軸に関して軸対称であるが、nは2以上の自然数であれば何でもよい。斜面201の傾斜角は、図2における横方向、すなわち、平板状の電極板36の空間Sに対向する面(以下、「電極板空間対向面」という。)に対して20°である。したがって、各ガス穴35は空間Sに向かって円錐状に開口する。ここで、処理ガス202は各ガス穴35から図中下方(空間S)に向けて噴出され、該処理ガス202と空間におけるパーティクルとの衝突によるガス粘性力、該パーティクルと空間Sにおけるイオンとの衝突によるイオン粘性力、及びパーティクルにかかる静電気力が釣り合う部分にパーティクル雲203が発生する。また、ガス穴35は、径が2mmであり、夫々の間隔が5mmになるように六角形状に配設される(図3)。
以下、本実施の形態にかかる基板処理装置において、各ガス穴35の斜面201の傾斜角を電極板空間対向面に対して20°に設定する根拠について説明する。
図4は、細管の筒口から噴出されたガス分子の分布をシミュレートした結果及び実測した結果を示すグラフであり、図4(A)は、ガス分子の平均自由行程を筒口径で割ったクヌッセン数Knが8.93×10−3のときのものであり、図4(B)は、Knが8.93×10−2のときのものであり、図4(C)は、Knが0.893のときのものであり、図4(D)は、Knが8.93のときのものである。平均自由行程は、平均熱速度、気体定数、圧力、温度、及びガス粘性の関数であり、運動を妨げられた後に運動を再開したガス分子が再び運動を妨げられるまでの移動距離である。
図4のグラフにおいて、横軸は平面に対応し、該横軸上の点「P」はガス分子が噴出される筒口Pに対応する。縦軸は該平面が対向する空間、すなわち、筒口Pからガス分子が噴出される空間における平面からの距離を示す。また、「○」は、筒口Pからガス分子としての窒素ガス分子を噴出させたときの分布の実測結果を示し、実線で示される略楕円は、筒口Pから窒素ガスを噴出させたときの分布のシミュレーション結果を示す。各グラフの上方に窒素ガス分子を噴出している筒口Pは、図2下方に処理ガスを噴出するガス穴35の電極板空間対向面側の開口部に対応し、横軸はガス導入シャワーヘッド32の電極板空間対向面に対応する。
図4のグラフによれば、シミュレーション結果、実測結果のいかんを問わず、Knがどの値であっても、筒口Pから噴出されたガス分子は、筒口Pを中心として図4のグラフ中の横方向に対して20°以上の範囲に分布しており、20°未満の範囲には、ガス分子はほとんど分布していない。すなわち、20°未満の範囲は、ガスの流れが無視できる程小さい。
そこで、図2のガス導入シャワーヘッド32では、ガス穴35の外縁部における斜面201の傾斜角が、電極板空間対向面に対して20°となるように設定されている。これにより、ガス穴35から噴出された処理ガス202の流れが弱くなる空間を無くすことができ、処理ガス202を各ガス穴35間の中間位置(以下、単に「中間位置」という。)に滞留させることなく空間S内に供給することができる。したがって、中間位置にパーティクルが滞留するのを防ぐことができる。同様に、プリカーサーであるラジカルが中間位置に滞留するのも防ぐことができる。以上により、当該中間位置にデポが堆積するのを防止して剥離したデポに起因するパーティクルがウエハWに付着することを防ぐことができる。
次に、ガス穴35の斜面201の形成方法を以下に示す。
図5は、図2における各ガス穴の形成方法を示す工程図である。
まず、2mm径のドリルによって夫々の間隔が5mmになるように、電極板36に複数のガス穴35を穿孔し(図5(A))、次に、中心軸上に直径がほぼ2mmのガイドが延設され、テーパ角度が140°のテーパ刃付きドリル500を用いてガス穴35のチャンバ対向部側外縁部を削り取る。具体的には、上記ガイドを穿孔されたガス穴35に挿入してドリル500の中心軸とガス穴35の中心軸とを一致させ、さらに、ドリル500を、そのテーパ刃が電極36の厚みの途中まで進入するように、図中上方に上昇させる。これにより、ガス穴35における空間Sへの開口部を円錐状に成形する。このとき、ドリル500のテーパ刃のテーパ角度が140°であることから、電極板空間対向面に対するガス穴35における開口部の斜面201の傾斜角は20°となる(図5(B))。
次いで、円錐状の開口部が形成されたガス穴35に隣接するガス穴35に、図5(A)及び(B)と同じ工程を施す。このとき、ガス穴35間において電極板空間対向面が存在しなくなるように、当該ガス穴35における開口部の斜面201を形成する(図5(C))。以上の工程を繰り返して全ガス穴35に円錐状の開口部を形成し、ガス導入シャワーヘッド32を完成させて、本処理を終了する(図5(D))。
上述した本実施の形態では、ガス穴35の開口部を円錐状に形成したが、傾斜角が20°のV字型の溝を格子状に掘り、夫々の溝の交点にガス穴35を穿孔することによってガス導入シャワーヘッド32を作製してもよい。
本実施の形態では、ガス導入シャワーヘッド32は、チャンバ対向部に円錐状の開口部が複数配設される構造であったが、開口部の形状は円錐状に限ることはなく、半球状(図6)、四角錐状、及び放物面状であってもよく、またこれらを組合せた形状であってもよい。
本実施の形態では、また、ガス穴35の斜面201の傾斜角は、20°であったが、図4のグラフから分かるように、20°に限ることはなく、20°以上であればよい。
本実施の形態では、さらに、ガス導入シャワーヘッド32には、径が2mmのガス穴35が夫々5mm間隔で配設されたが、これに限ることはなく、径が2mmのガス穴35が夫々5mm間隔(図7(A))で配設されてもよく、また、径が2mmのガス穴35が夫々4mm間隔(図7(B),(C))、径が1.5mmのガス穴35が夫々3.5mm間隔(図7(D),(E))で配設されてもよく、さらに、径が1mmのガス穴35が夫々3mm間隔(図7(F),(G))で配設されてもよい。これらのうち、特に図7(B)乃至(G)のガス導入シャワーヘッドでは、ガス穴35の間隔を狭くすることができ、もって各ガス穴35間の中間位置にパーティクルが滞留するのを確実に防ぐことができる。
本実施の形態では、各ガス穴35は個別に開口部を有していたが、隣接する各ガス穴の開口部が連結されてスリットを形成してもよい。図10(a)は、このスリットを説明する平面図であり、図3と同じ視点で描かれている。このとき、スリット35aの断面形状は、例えばV字状を呈し、チャンバ対向部側外縁部は、スリットの中央に関して左右対称になるような斜面から成る。よって、図10(a)のAA断面図は、図2と同様となる。当該斜面の傾斜角は、電極板空間対向面に対して20°である。
また、スリット35aは電極板36の平面視中心に関して同心となるように複数形成される。図10(b)は、その一例を示す図であり、図3と同じ視点で描かれている。これにより、隣接するスリット間にパーティクルが滞留するのを防ぐことができる。同心円状のスリットは容易に形成することができるため、ガス導入シャワーヘッド32を容易に製造することができ、もってガス導入シャワーヘッド32のコストを低減することができる。
本実施の形態では、ガス導入シャワーヘッド32は、複数のガス穴35を備えていたが、ガス穴35に限らず、電極板36を貫くように形成されて電極板空間対向面において開口するガス流路(不図示)であればよい。当該ガス流路のチャンバ対向部側外縁部は、ガス穴35と同様に斜面を有し、当該斜面の傾斜角は、電極板空間対向面に対して20°である。これにより、処理ガス202を滞留させることなく空間Sへ供給することができると共に、ガス流路も容易に形成することができるため、ガス導入シャワーヘッド32を容易に製造することができ、もってガス導入シャワーヘッド32のコストを低減することができる。
また、本発明のガス導入シャワーヘッド32によれば、ガス穴35の外縁部に20°の傾斜を有するので、ガス穴35から噴出した処理ガス202を空間S内に万遍なく拡散させることができる。
10 プラズマ処理装置
11 チャンバ
12 サセプタ
32 ガス導入シャワーヘッド
35 ガス穴
201 斜面
S 空間
W ウエハ

Claims (6)

  1. プラズマ処理装置が備えるチャンバに配置されるガス供給部材であって、前記チャンバの内部空間に対向する平面と、前記平面と直交するように穿孔された複数のガス穴とを備え、前記複数のガス穴から前記内部空間にガスを供給するガス供給部材において、
    前記複数のガス穴のうち隣接する前記ガス穴の前記平面における外縁部が連結されてスリットが形成され、
    前記スリットの前記平面における外縁部は、前記ガス穴から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有すると共に、前記スリットは前記平面上において同心円状に形成され、
    前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とするガス供給部材。
  2. 前記斜面は、錐面、球面、及び放物面のいずれか又はこれらの組合せを含む面であることを特徴とする請求項1記載のガス供給部材。
  3. プラズマ処理装置が備えるチャンバに配置されるガス供給部材において、
    前記チャンバの内部空間に対向する平面と、前記平面において開口し且つ前記内部空間にガスを供給するガス流路とを備え、
    前記ガス流路の前記平面における外縁部は、前記ガス流路から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有し、
    前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とするガス供給部材。
  4. 前記斜面は、錐面、球面、及び放物面のいずれか又はこれらの組合せを含む面であることを特徴とする請求項3記載のガス供給部材。
  5. 被処理体を収容するチャンバと、前記チャンバに配置され且つ前記チャンバの内部空間にガスを供給するガス供給部材とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記ガス供給部材は、前記内部空間に対向する平面と、前記ガスを前記内部空間に供給するために前記平面と直交するように穿孔された複数のガス穴とを備え、
    前記複数のガス穴のうち隣接する前記ガス穴の前記平面における外縁部が連結されてスリットが形成され、
    前記スリットの前記平面における外縁部は、前記ガス穴から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有すると共に、前記スリットは前記平面上において同心円状に形成され、
    前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 被処理体を収容するチャンバと、前記チャンバに配置され且つ前記チャンバの内部空間にガスを供給するガス供給部材とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記ガス供給部材は、前記内部空間に対向する平面と、前記平面において開口し且つ前記内部空間にガスを供給するガス流路とを備え、
    前記ガス流路の前記平面における外縁部は、前記ガス流路から噴出されたガスの流れに対応する斜面を有し、
    前記斜面は、平面及び曲面の少なくともいずれかを含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
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