JP2010045184A - 熱伝導性プレート部品及びこれを備えた電子部品 - Google Patents

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Yoshito Fukumoto
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Abstract

【課題】耐熱性と熱伝導性に加えて、電気的絶縁性も具えることによって、室温付近(絶対温度〜300K)のみならず、200〜700Kの広い温度範囲で、電子デバイスを絶縁保護しながら機能させるための熱伝導性プレート部品を提供する。
【解決手段】人工ダイヤモンド層2と結晶珪素を含む基材3とが積層された積層構造を有してなる熱伝導性プレート部品1。また、前記人工ダイヤモンド層2及び基材3の厚さt1,t2が夫々20μm以上であって、かつプレートの反りが10μm/mm以下である熱伝導性プレート部品1。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導性と電気的絶縁性が共に高いレベルで求められる、高圧・高電流の電子デバイス用の熱伝導性プレート部品及びこれを備えた電子部品に関するものである。
近年、パワーモジュールや高密度充填の電子回路用に放熱性のパッケージ技術の重要性が高まり、要素技術の一つである熱伝導性基板の開発が進んでいる。この様な熱伝導性基板は、発熱源から発生する熱エネルギーを放熱するヒートシンクとして用いられている。そこで先ず、従来例に係る熱伝導性基板について、以下添付図9を参照しながら説明する。図9は、従来例に係る絶縁伝熱構造体を示す概略断面図である。
従来例に係る絶縁伝熱構造体11としては、図9に示す如く、熱伝導率の大きい層13,14の間にダイヤモンド粒子16と接合層15とを挟み込んで、絶縁体層12を形成した構造が提案されている(特許文献1参照)。また、その他図示はしないが、窒化アルミニウムを基板として、珪素等の材料を介してダイヤモンド膜が形成された高熱伝導性基板(特許文献2参照)や、絶縁性のセラミックスの一方の面にアルムニウム(合金)配線回路、他方の面に金属層を形成した絶縁回路基板と、パワーモジュールとの組合せ(特許文献3参照)等が提案されている。
しかしながら、上記従来例に用いられている材料と構造では、熱伝導性と電気絶縁性は両立しない。例えば、特許文献1に開示された様に、熱伝導性に優れる人工ダイヤモンドを粒子状にしてセラミックスや樹脂材料中に挟み込んでも、平均的な熱伝導性が向上するのみであって、熱伝導を律速する部分は解消できない。熱伝導性向上が効果的に得られる程に高密度に粒子状の高熱伝導材を加えると、焼結体と同等の構成になり、もう一方の電気的絶縁性は全体として見れば向上しない。結果的には、やむなく熱伝導性を担う材料、構造と電気的絶縁性を担う部分とを合体して構成される部品となり、サイズの大きい、かつ総合的には熱伝導に劣るものしかできない。
特開2006-270062号公報 特開2002−356389号公報 特開2006−173591号公報
従って、本発明の目的は、耐熱性と熱伝導性に加えて、電気的絶縁性も具えることによって、室温付近(絶対温度〜300K)のみならず、200〜700Kの広い温度範囲で、電子デバイスを絶縁保護しながら機能させるための熱伝導性プレート部品及びこれを備えた電子部品を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、人工ダイヤモンド層と結晶珪素を含む基材とが積層された積層構造を有してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1に記載の熱伝導性プレート部品において、前記人工ダイヤモンド層及び基材の厚さが夫々20μm以上であって、かつプレートの反りが10μm/mm以下であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1または2に記載の熱伝導性プレート部品において、前記人工ダイヤモンド層中に含まれる窒素濃度が1×1017cm−3以上、1×1020cm−3以下であって、かつ、基板と反対側の前記人工ダイヤモンド層表面の平均粒子径が0.2μm以上、20μm以下であることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品において、前記基材が、結晶珪素層に加えて、酸化珪素、窒化珪素及び炭化珪素のうちから選択された1種以上の材料からなる中間珪素層を有すると共に、この中間珪素層が前記人工ダイヤモンド層と前記結晶珪素層の間に積層されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項4に記載の熱伝導性プレート部品において、前記中間珪素層が酸化珪素または/及び窒化珪素から構成されると共に、前記中間珪素層が酸化珪素または窒化珪素から構成される場合は何れか単独層厚さが、前記中間珪素層が酸化珪素及び窒化珪素から構成される場合は合計した層厚さが0.05μm以上、かつ2μm未満であることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項4に記載の熱伝導性プレート部品において、前記炭化珪素の層厚さが0.05μm以上、かつ10μm未満であることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品において、前記プレートの厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品において、前記プレートの面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であることを特徴とするものである。
本発明の請求項9に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品において、前記プレート温度が350〜550Kの範囲において、このプレートの厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とするものである。
本発明の請求項10に係る熱伝導性プレート部品が採用した手段は、請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品において、前記プレート温度が350〜550Kの範囲において、このプレートの面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であることを特徴とするものである。
本発明の請求項11に係る電子部品が採用した手段は、請求項1乃至10のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品を備えた電子部品であって、前記プレート部品と電子素子及び放熱部材とが接合されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項12に係る電子部品が採用した手段は、請求項11に記載の電子部品において、前記電子素子が、接着層を介して前記プレート部品の人工ダイヤモンド層の表面側に接合されると共に、前記放熱部材が、接着層を介して前記プレート部品の基材表面に接合されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る熱伝導性プレート部品によれば、人工ダイヤモンド層と結晶珪素を含む基材とが積層された積層構造を有してなるので、前記人工ダイヤモンド層の優れた熱伝導性と電気絶縁性とを利用して、この人工ダイヤモンド層が熱伝導層と電気絶縁層とを兼ね備えることができる。
また、本発明の請求項2に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記人工ダイヤモンド層及び基材の厚さが夫々20μm以上であって、かつプレートの反りが10μm/mm以下であるので、前記人工ダイヤモンド層と基材の界面から離間した人工ダイヤモンド層厚さを確保して、優れた熱伝導性と電気絶縁性とを発揮し得る。
更に、本発明の請求項3に係る熱伝導性プレートによれば、前記人工ダイヤモンド層中に含まれる窒素濃度が1×1017cm−3以上、1×1020cm−3以下であって、実質的にボロン、リンは含まず、かつ、基板と反対側の前記人工ダイヤモンド層表面の平均粒子径が0.2μm以上、20μm以下であるので、前者によって400W/mKを越える熱伝導率を確保すると共に、後者によって良好な熱伝導性と電気絶縁性とを同時に満足させることができる。
また更に、本発明の請求項4に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記基材が、結晶珪素層に加えて、酸化珪素、窒化珪素及び炭化珪素のうちから選択された1種以上の材料からなる中間珪素層を有すると共に、この中間珪素層が前記人工ダイヤモンド層と前記結晶珪素層の間に積層されてなるので、前記人工ダイヤモンド層と基材との密着性を阻害することなく、電気絶縁性を高めることができる。
そして、本発明の請求項5に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記中間珪素層が酸化珪素または/及び窒化珪素から構成されると共に、前記中間珪素層が酸化珪素または窒化珪素から構成される場合は何れか単独層厚さが、前記中間珪素層が酸化珪素及び窒化珪素から構成される場合は合計した層厚さが0.05μm以上、かつ2μm未満であるので、前記珪素層内の内部応力に起因する剥離を防止すると共に、熱伝導性の低下を抑止し得る。
また、本発明の請求項6に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記炭化珪素の層厚さが0.05μm以上、かつ10μm未満であるので、上記同様、前記珪素層内の内部応力に起因する剥離を防止すると共に、熱伝導性の低下を抑止し得る。
更に、本発明の請求項7に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記プレートの厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であるので、前記プレートの厚さ方向に必要な平均絶縁破壊電界及び熱伝導率が満足される。
また更に、本発明の請求項8に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記プレートの面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であるので、前記プレートの面内方向に必要な平均絶縁破壊電界が満足される。
そして、本発明の請求項9に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記プレート温度が350〜550Kの範囲において、このプレートの厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であるので、この熱伝導性プレート部品が実際に適用される使用環境においても十分使用に耐え得る。
また、本発明の請求項10に係る熱伝導性プレート部品によれば、前記プレート温度が350〜550Kの範囲において、このプレートの面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であるので、この熱伝導性プレート部品が実際に適用される使用環境においても確実に使用に耐え得る。
本発明の請求項11に係る電子部品によれば、前記プレート部品と電子素子及び放熱部材とが接合されてなるので、室温付近のみならず、200〜700Kの広い温度範囲で、電子部品を絶縁保護しながら良好に放熱可能な熱伝導性プレート部品を備えた電子部品を提供し得る。
本発明の請求項12に係る電子部品によれば、前記電子素子が、接着層を介して前記プレート部品の人工ダイヤモンド層の表面側に接合されると共に、前記放熱部材が、接着層を介して前記プレート部品の基材表面に接合されてなるので、上記同様広い温度範囲に亘って、電子部品を絶縁保護しながら良好に放熱可能な熱伝導性プレート部品を備えた電子部品を提供できる。
先ず、本発明の実施の形態1に係る熱伝導性プレート部品の構成について、添付図1を参照しながら以下に説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る熱伝導性プレート部品の断面を示す模式的断面図である。
本発明の実施の形態1に係る熱伝導性プレート部品(以下、単にプレート部品とも言う)1は、結晶珪素を含む基板(基材)3の表面に、人工ダイヤモンド層(以下、単にダイヤモンド層あるいは人工ダイヤモンドとも言う)2が積層された積層構造を有してなる。この様な積層構造をなすことによって、人工ダイヤモンドの優れた熱伝導性と電気絶縁性とを利用して、前記人工ダイヤモンド層2が熱伝導層と電気絶縁層とを兼ね備えることができる。人工ダイヤモンド層2は、結晶珪素を含む基板3上に形成され、この基板3によって、機械的に自らを保持しにくいダイヤモンド層2を保持する。また、この基板3は、プレート部品1の熱伝導性を担う構成材料でもある。
本発明に係る熱伝導性プレート部品1を構成する人工ダイヤモンドとしては、単結晶ダイヤは含まれず、多結晶の人工ダイヤモンドから構成される。そして、前記人工ダイヤモンド層2の厚さt1、及び結晶珪素を含む基板3の厚さt2が夫々20μm以上であり、かつ熱伝導性プレート1の反りが10μm/mm以下であるのが好ましい。熱伝導層である人工ダイヤモンド2は、厚さ方向だけでなく、層面内方向にも効果的な熱伝導を得るために20μm以上の厚さとするのが好ましい。
即ち、人工ダイヤモンド層2の熱伝導性は厚さ方向に均一ではなく、基板3との界面Sに近い部分は、ダイヤモンドとしての結晶性が劣り粒子径も小さいため、基板3との界面Sから離れた部分ほどの熱伝導性が得られない。そのため、少なくとも10μm、好ましくは20μm以上の層厚さt1を要する。
また、前記人工ダイヤモンド層2は電気的絶縁層の役割も担う。電子デバイスに印加される高電圧にも耐える電気的絶縁性を確保するためにも、20μm以上の層厚さt1とするのが好ましい。人工ダイヤモンドの絶縁破壊電界(10〜10V/m)を考慮すると、少なくとも5μm以上で十分との考え方もあるが、実際にはピンホールを回避し、上記熱伝導性の観点からも20μmの層厚さt1を要する。
一方、基板3に含まれる結晶珪素は、多結晶シリコン及び単結晶シリコンを言う。非晶質珪素は熱伝導性が極端に小さく(人工ダイヤモンドの数%〜数十%の熱伝導率)、ダイヤモンド薄膜と組み合わせる価値がない。結晶珪素は、非晶質珪素やシリコーンとは、結晶配列が明確に異なる。これは熱伝導率にも効いてくる違いであるが、簡易的にはX線回折で区別できる。即ち、結晶性珪素には明確なピークが現れるが、非晶質珪素はブロードな回折カーブしか現れない。
尚、結晶性シリコンには不純物を含む場合もあり、代表的な不純物としては、ホウ素、窒素、アルミ、リン、ヒ素、アンチモン、鉄、ニッケル、銅、タングステン等を挙げることができる。これらの不純物は、結晶珪素の絶縁性を低下する方向に作用するが、本発明に係る熱伝導性プレート部品1の電気的絶縁性はダイヤモンド層2が担うので、結晶珪素中の不純物の存在が致命的な悪影響を及ぼすことはない。
珪素には非晶質珪素等、結晶以外の状態もとれるが、熱伝導性の観点から、基板3は結晶質である結晶珪素層3aのみで構成されることが好ましい。また、熱伝導性の観点からは、珪素層厚さt2は必要最小限であることが好ましい。しかし、基板3は、人工ダイヤモンド層2を形成する際の成膜対象物であり、機械的に自らを保持しにくいダイヤモンド層2を保持する役割も担うため、人工ダイヤモンド層2と同様、20μm以上の層厚さt2とするのが好ましい。
但し、前記人工ダイヤモンド層厚さt1と、結晶珪素層厚さt2についての相対関係は特になく、同程度の厚さであっても、何倍も違う厚さでも良い。この理由は、ダイヤモンド層2と結晶珪素層3aが、夫々別の機能を担っているためである。即ち、ダイヤモンド層1は、本来の特性として熱伝導性が優れているので、厚さが増してもプレート部品1としての熱伝達性は損なわれない。また、このダイヤモンド層1の絶縁耐性を確保するには最低20μm程度の厚さは欲しいが、厚膜化は高コスト化に直結するため、上限値としては300μmもしくは500μm程度が現実的である。
一方、結晶珪素層3aは、第一の機能としてダイヤモンド成膜時の基板としての役割を果たしている。その後のハンドリングの点からは、最低300μm程度の厚さが欲しいところであるが、熱伝導性はダイヤモンドの数分の一から1/10程度と劣るので、プレート部品1としてダイヤモンド層2の熱伝導性と相殺させないために、必要最低限の厚さである20μm程度は確保する必要がある。
一方、熱伝導性プレート部品1の反りは、人工ダイヤモンド2の熱伝導性を支配する要因である内部応力を現す指標である。前記プレート1の反りが10μm/mm以下でないと、熱伝導性の不十分な人工ダイヤモンド層2しか得られていない証左であり、またパワーモジュールや電子回路、ヒートシンク、熱拡散プレートとの接合も、十分な接触面積が得られず、界面熱伝達が阻害され、熱伝導性プレート1として機能しない。
反りの測定は、次に説明する様に、触針計や光干渉計を用いて測定可能である。即ち、触針計による場合は、平坦表面に置いたプレート部品1の表面を、先端の鋭利な測定針でなぞって、高さの変化を測定する。測定針を1mm動かす間に、高さが何μm程度変化するかを調べて、反り量を決めるので、単位はμm/mmとなる。
一方、光干渉法による測定は、レーザー光を走査しながらプレート部品1の表面に照射し、前記プレート部品1から反射した反射光の位相干渉によって、高さの分布を測定するものである。この場合もレーザー光の照射点が1mm動く範囲で、プレート部品1の高さの変化の程度から部品の反りを求めるので、単位はμm/mmとなる。
そして、このプレート部品1の反りは、プレート面内の何れの方向においても10μm/mm以下であるが好ましいが、特に、プレートの長手方向に対して10μm/mm以下であることが肝要である。これは、前記人工ダイヤモンド層と前記結晶珪素層との間に、後述の中間珪素層がある積層構成においても同様である。
また、熱伝導性の観点では、前記人工ダイヤモンド層2中に含まれる窒素濃度が高いほど、熱伝導性は低下するので、窒素が出来るだけ少ない方が好ましく、前記人工ダイヤモンド層2中の窒素濃度が1×1017cm−3以上、1×1020cm−3以下であって、実質的にボロン、リンを含まず(不可避的に混入してくる不純物元素は不可避不純物量である限り許容される)、熱伝導性プレート1の表面側(基板3と反対側)の平均粒子径が0.2μm以上、20μm以下であるのが好ましい。人工ダイヤモンド層2中に制御性良くドープできる不純物は、窒素、ボロン及びリンのみであるが、ダイヤモンドの絶縁耐性を低下させない唯一の不純物は窒素である。
人工ダイヤモンド2の窒素含有濃度は、その熱伝導性に影響を与える要因であり、窒素は元来、ダイヤモンド中に取り込まれやすい物質であるが、人工ダイヤモンド層2の形成時に制御すべきパラメータであることを本発明者等は見出した。具体的には、前記人工ダイヤモンド層2中の窒素濃度が1020cm−3を越えると、その熱伝導率は室温で400W/mK以下となり、人工ダイヤモンド層2に求められる熱伝導性の魅力が薄れるためである。但し、窒素濃度は、1×1017cm−3以上は必要である。熱伝導率の観点では、窒素濃度は低い方が好ましいが、ある程度の濃度の窒素は絶縁破壊電界の向上に寄与するためである。
更に、前記人工ダイヤモンド層2を構成するダイヤモンド粒子の大きさ(その裏返しとして、熱伝導性を阻害する要因であるダイヤモンド粒子界密度の小ささ)が熱伝導性に影響することは周知であるが、これまでに定量的に規定されたことはなく、本発明では計測が可能な表面側の平均粒子径を指標として熱伝導率との相関を調べた結果、0.2μm以上、20μm以下であると所望の熱伝導性と電気的絶縁性が同時に満たされることが見出された。
本発明の実施の形態1に係る熱伝導性プレート部品1の最良の仕様は、下記の通りである。
・人工ダイヤ層の厚さ 50 μm
・結晶珪素層の厚さ 100 μm
・プレートの反り 8 μm/mm
・窒素濃度 1.0×10 cm−3
・平均粒子径 0.5 μm
・厚さ方向絶縁破壊電界 2.0×10 V/m
・厚さ方向熱伝導率 150 W/mK
・面内方向絶縁破壊電界 1.0×10 V/m
この様に、本発明の実施の形態1に係る熱伝導性プレート部品によれば、人工ダイヤモンド層2と結晶珪素を含む基材3とが積層された積層構造を有してなるので、前記人工ダイヤモンド層2の優れた熱伝導性と電気絶縁性とを利用して、この人工ダイヤモンド層2が熱伝導層と電気絶縁層とを兼ね備えたプレート部品1とすることができる。
次に、本発明の実施の形態2に係る熱伝導性プレート部品につき、以下添付図2を参照しながら説明する。図2は本発明の実施の形態2に係る熱伝導性プレート部品の断面を示す模式的断面図である。尚、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは基板の構成に相違があり、その他は全く同構成であるから、前記基板の構成についての説明に止めるものとする。
本発明の実施の形態1においては、基板3は結晶珪素を含む単層構成としたが、本発明の実施の形態2においては、この基板3は、結晶珪素層3aに加えて、酸化珪素、窒化珪素及び炭化珪素のうちから選択された少なくとも1種以上の材料からなる中間珪素層3bを有すると共に、この中間珪素層3bが前記人工ダイヤモンド層2と前記結晶珪素層3aの間に積層された積層構造を有している。
そして、前記中間珪素層3bが酸化珪素または窒化珪素の何れか単独の場合はその単独層厚さt3が、あるいは前記中間珪素層3bが両者を含む場合は合計した層厚さt3が0.05μm以上、かつ2μm未満であるのが好ましい。一方、前記中間珪素層3bが炭化珪素を含む場合は、その層厚さt3が0.05μm以上、かつ10μm未満であるのが好ましいのである。
前記中間珪素層3bを構成する酸化珪素や窒化珪素、炭化珪素は、何れも人工ダイヤモンド層2との界面Sにおける密着性を阻害せずに、電気的絶縁性を高めることができる。但し、前記中間珪素層3bの層厚さt3が一定以上になると、内部応力が大きいために剥離要因となる。また、前記層厚さt3は、熱伝導性の観点から、上記の如く所定の範囲に制御する必要がある。
更に、本発明に係る熱伝導性プレート部品1において、詳しく熱伝導率と絶縁破壊電界について検証した結果、プレート1の厚さ方向と面内方向とでは、熱伝導性、電気的絶縁性に顕著な違いが見出された。
即ち、前記プレート部品1の厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であるのが好ましく、一方、前記プレート部品1の面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であるのが好ましい。これは、人工ダイヤモンド層2の組織構造における異方性が反映された結果である。つまり、人工ダイヤモンド層2は、層厚さt1が小さい段階ではダイヤモンド粒子径も小さいが、層厚さt1の増大に伴って前記粒子径が拡大し、断面観察すると柱状構造が現れる。
ダイヤモンド粒子径の拡大に伴い、熱伝導性は増大する。一方、電気的絶縁性はより複雑な層厚依存性を示す。これは粒界だけでなく、ダイヤモンド結晶内部の欠陥も電気的絶縁性に影響を及ぼすためである。一般に粒径が拡大すると、ダイヤモンド結晶内部の欠陥密度は低減すると考えられがちであるが、実際には層厚さt1の増大に伴う内部応力の蓄積により結晶欠陥が発生するため、「層厚さt1の増大→結晶欠陥密度の低減→電気的絶縁性の向上」とは一概に言えない。
また、本発明者等は種々の試料の高温での特性評価を通じて、プレート温度が350〜550Kの温度範囲において、平均絶縁破壊電界が所定以上の熱伝導性プレート部品1が、長期間に亘る使用においても特性を持続することを見出した。
即ち、プレート温度が350〜550Kの範囲で、熱伝導性プレート部品1の厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であるのが好ましい。また、前記プレート温度範囲において、熱伝導性プレート部品1の面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であるのが好ましい。熱伝導性、電気的絶縁性については、室温付近だけでなく、高温での温度依存性も重要なパラメータである。これは、通常では結晶欠陥の蓄積が加速されるような環境条件においても、人工ダイヤモンド層2では、結晶欠陥の移動蓄積が顕在化しないほど低速度でしか進行しないためと考えられる。
本発明の実施の形態2に係る熱伝導性プレート部品1の最良の仕様は、下記の通りである。
・人工ダイヤモンド層の厚さ 100 μm
・結晶珪素層の厚さ 50 μm
・炭化珪素層の厚さ 3 μm
(酸化または窒化珪素の場合) 0.1 μm
・プレートの反り 10 μm/mm
・窒素濃度 1.0×1020 cm−3
・平均粒子径 2 μm
・厚さ方向絶縁破壊電界 3.0×10 V/m
・厚さ方向熱伝導率 80 W/mK
・面内方向絶縁破壊電界 1.0×10 V/m
以上の通り、本発明の実施の形態2に係る熱伝導性プレート部品1によれば、前記人工ダイヤモンド層2と、結晶珪素層3aに加えて、酸化珪素、窒化珪素及び炭化珪素のうちから選択された少なくとも1種以上の材料からなる中間珪素層3bからなる基板3とが積層された積層構造を有してなるので、前記人工ダイヤモンド層2と基材3との密着性を阻害することなく、電気絶縁性を高めることができる。
次に、本発明に係る熱伝導性プレート部品を試作した後、電子デバイスを搭載して通電した実施例につき、前図1,2も参照しながら以下に説明する。
(1)人工ダイヤモンドの作製
先ず、本発明に係る熱伝導性プレート部品の中核を成す人工ダイヤモンド層の基本的な作製方法につき説明する。基体として、(001)結晶面又は(111)結晶面を有する単結晶シリコンおよび多結晶シリコンを使用して、人工ダイヤモンド層2を基板3上に気相合成した。このダイヤモンド層2はマイクロ波CVD法により作製したが、他にダイヤモンドの気相合成法として知られている、熱フィラメントCVD法、直流プラズマCVD法、プラズマジェット法、及び熱CVD法等を使用することもできる。
次に、マイクロ波CVD法を用いた実施例につき説明する。マイクロ波(商用周波数915MHz及び2450MHz)が、真空容器下部から石英製マイクロ波窓を通して真空容器内に導入されると、基板3上方にプラズマが発生する。原料ガスは真空容器上方から導入され、下部に設置された真空ポンプを通して排出される。途中、プラズマで原料ガスが分解され、一部が基板3上に人工ダイヤモンド層2として蒸着される。基板2は背面から冷却されているが、マイクロ波パワーとのバランスにより、一定の温度に保持される。基板2の表面温度は、真空容器上方より放射温度計を用いて計測した。
下記に示す具体的な作製条件の基に、100mm×(100〜200)mm×200mmの真空容器内領域に基板(典型的には25mm×25mmサイズ)を収納し、成膜速度0.3〜10μm/hで、層厚さ3〜100μmの人工ダイヤモンド層2が得られた。
・マイクロ波パワー:3.5〜60kW
・ガス圧 :6.67〜17.3kPa
・試料表面温度 :450〜1100℃
・水素ガス流量 :0.1〜5リッター/min
・メタンガス流量 :0.02〜0.5リッター/min
・二酸化炭素流量 :0.02〜0.1リッター/min
尚、用いた基板3の表面は、人工ダイヤモンド層2を合成する前に、アルコール洗浄し、表面にダイヤモンド粉末もしくはダイヤモンドペーストを使用したバフ研磨による傷つけ処理または超音波処理による傷つけ処理を施し、人工ダイヤモンド層2の核形成を促進した。
(2)窒素濃度制御と平均粒子径の制御
ダイヤモンドは基本的に優れた絶縁体であり、天然産出の高品質単結晶では絶縁破壊電界が1×10V/mに達するが、人工ダイヤモンドは多結晶体であり、結晶粒と結晶粒の界面(粒界)や、結晶粒内部に積層欠陥、転位などの結晶欠陥が存在するために、上記極限値よりも低い電界で絶縁破壊が見られる。
これに対して本発明では、人工ダイヤモンド層2内に窒素を意図的に導入して、絶縁破壊に対する耐性を向上することができた。尚、ボロン、リンは含有しなかった。具体的には、人工ダイヤモンド層2作製時に、窒素成分を装置内に導入した。窒素含有ガスとして、窒素、空気、アンモニア、尿素、窒素酸化物ガス(NOx)等を試したが、窒素成分を導入しなかった場合と比較して、何れも電気絶縁性向上効果が認められた。酸素成分を含む空気や窒素酸化物ガスは、特に顕著な絶縁破壊電界向上効果が得られた。
これは、酸素成分含有ガスをプロセス中に添加すると、酸素含有ガスが活性種(ラジカル)となって、人工ダイヤモンド層2から、グラファイトに代表される非ダイヤモンド炭素を取り除く役割を果たすためである。結果として、熱伝導性と絶縁耐性に優れる人工ダイヤモンド層2を有するプレート部品1が得られる。
また、人工ダイヤモンド層2の層厚さt1(膜厚)と平均粒子密度は、人工ダイヤモンド作製条件{マイクロ波パワー(マイクロ波CVD法の場合。熱フィラメントCVD法の場合は熱フィラメント温度、直流プラズマCVD法の場合はプラズマパワー等に相当する)、ガス圧、成膜表面温度、ガス組成比、成膜時間}によって制御した。
ここで、平均粒子径とは、得られた人工ダイヤモンド層2の表面を電子顕微鏡で撮影した画像において、粒子と粒子の界面に顕れた粒界の平均間隔(平均距離)として求めたものである。前記平均粒子径が大きいほど、熱伝導性に優れたプレートを形成し易いが、逆に大き過ぎると、表面の凹凸が大き過ぎて電子デバイスと接合できない、更には、プレート部品として反りが過大になる等の問題も顕在化するため、平均粒子径の上限値は20μm程度である。
(3)基材の選別、大きさ、厚さ
ダイヤモンド層2を成膜する基板3の選択は重要である。基板材質として、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、タングステン、チタン、モリブデン、窒化アルミ、窒化チタン、二酸化アルミを用いて試作してみた。その結果、基板3として珪素を含む材質、即ち、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)及び炭化珪素(SiC)のうちから選択された1種以上の材料からなる珪素層3bを、結晶珪素層3a上に形成すると、人工ダイヤモンド層2が良好な密着性で形成できるだけでなく、絶縁破壊電界や熱伝導性に影響を及ぼす結晶性の面でも優れたものが得られることが確認された。
更には、プレート部品1として人工ダイヤモンド層2の熱伝導性を活かすために、これら珪素層3bの層厚さt2も重要である。前記3種の材質からなる珪素層3aの層厚さt2に対する平均絶縁破壊電界、平均熱伝導率の測定結果を図3〜5に示す。即ち、珪素層3bの材質が酸化珪素あるいは窒化珪素の場合は、図3,4に夫々示す如く、層厚さt2が0.05μm以上かつ2μm未満であること、珪素層3bの材質が炭化珪素の場合は、図5に示す如く、層厚さt2が0.05μm以上かつ10μm未満であることが好ましいことが分かる。
一方、人工ダイヤモンドの層厚さt1及び平均粒子径に対する平均絶縁破壊電界の測定結果を図6,7に示す。図6によれば、人工ダイヤモンドの層厚さt1が20μm以上であれば、10V/m以上の平均絶縁破壊電界が得られ、図7によれば、ダイヤモンド層厚さt1が30μmの場合は、平均粒子径が2μm以下であれば、ダイヤモンド層厚さt1が100μmの場合は、平均粒子径が1〜15μmの範囲であれば、10V/m以上の平均絶縁破壊電界が得られる。
(4)絶縁破壊電界、熱伝導率の測定
ここで、上記絶縁破壊電界はJIS規格C2110に準拠して測定した。人工ダイヤモンド2と結晶珪素3aの二層からなるプレート1(結晶珪素厚さ:100μm、サイズ:20mm×20mm)の両表面をアルミニウムで被覆し、熱伝導性プレート部品1とした。前記人工ダイヤモンド2の層厚さt1や平均粒子径を変えた試料を用意し、アルミニウム間に徐々に直流電圧を印加して、急激に電流値が上昇する電圧を求めた。絶縁破壊電界は、その電圧を人工ダイヤモンド2の層厚t1で除した値とした。また、熱伝導性プレート部品1を構成する材質の熱伝導特性は、周期加熱サーモリフレクタンス法に基づく薄膜熱浸透率から求めた。
ここで、平均絶縁破壊電界とは、人工ダイヤモンド層2と結晶珪素を含む基材3(3a)との積層構造体の合計の層厚さ(t1+t2)で、上記で測定された絶縁破壊電界を除した値として、平均熱伝導率とは、熱伝導性プレート部品1全体としての熱伝導率である。単結晶ダイヤモンドの物性値としての絶縁破壊電界の上限は10V/mであり、これ超えることは現状の技術では難しいと予測される。また、プレート部品1としては平均熱伝導率が高いほど好ましいが、単結晶珪素の物性上限値である150W/mKに制約される。
(5)実装による絶縁破壊の確認
次に、前記の如く作成した熱伝導性プレート部品1を用いて、電子デバイスを放熱板に接合し、絶縁破壊の有無を確認した。実装(組立)工程を、添付図8(a)〜(d)を参照しながら説明する。先ず、層厚さt2が約700μmの結晶珪素層3a上に、厚さ50nmの炭化珪素からなる珪素層3bを成膜して基板3を作製した。更に、この珪素層3bの上から厚さ50μmの人工ダイヤモンド層2を成膜して、三層からなるサイズ25mm×25mmの熱伝導性プレート1を作成した(図8(a))。
そして、前記基板3を構成する結晶珪素層3aの裏面を研削加工して、この結晶珪素層3aの層厚さを約50μmの厚さとした後、ダイヤモンド層2の上面にチタン、基板3の下面に銅を夫々スパッタ蒸着した(図8(b))。次いで、このプレート部品1のチタン及び銅蒸着後の上下面に接合用の半田層4を形成した(図8(c))後、半田層4を介して放熱板5及び電子デバイス6を接合した。接合用の半田材は、スズ/銀系またはスズ/銀/銅を主成分としてなる。これらの半田材に、アルミニウム−ニッケルナノ多層膜の自己伝搬発熱反応によって短時間(数秒以内)で接合した。
ここで、上記実施例における各諸元は下記の通りである。
・チタンの厚さ:100nm(好ましい範囲は50〜400nm)
・銅の厚さ : 50nm(好ましい範囲は20〜100nm)
・チタン側半田層の厚さ:50μm(好ましい範囲は10〜150μm)
・銅側半田層の厚さ :50μm(好ましい範囲は10〜150μm)
・放熱板の材質 :アルミニウムまたは銅
・電子デバイス:青色発光ダイオード、青色レーザダイオード、パワトラ
ンジスタ
この様に実装した電子デバイス(ダイオードまたはトランジスタ)6に通電(電力投入)し、電子デバイス6の動作環境(室温≦550K)において、放熱板(アルミニウムまたは銅板)5に漏れ電流が検知されない、即ち、本発明に係る熱伝導性プレート部品1が絶縁破壊しないことが確認された。
以上説明した通り、本発明に係る熱伝導性プレート部品によれば、人工ダイヤモンドと結晶珪素を含む基材とが積層された積層構造を有してなるので、人工ダイヤモンドの優れた熱伝導性と電気絶縁性とを利用して、前記人工ダイヤモンド層が熱伝導層と電気絶縁層とを兼ね備えることができる。また、前記人工ダイヤモンド層及び基材の厚さが夫々20μm以上、かつプレートの反りが10μm/mm以下であるので、前記人工ダイヤモンド層と基材の界面から離間した人工ダイヤモンド層厚さを確保して、より優れた熱伝導性と電気絶縁性とを発揮し得る。
更に、本発明に係る電子部品によれば、前記プレート部品と電子素子及び放熱部材とが接合されてなるので、室温付近のみならず、200〜700Kの広い温度範囲で、電子部品を絶縁保護しながら良好に放熱可能な熱伝導性プレート部品を備えた電子部品が得られる。
本発明の実施の形態1に係る熱伝導性プレート部品の断面を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態2に係る熱伝導性プレート部品の断面を示す模式的断面図である。 本発明の実施例に係り、基板の酸化珪素層厚さに対する平均熱伝導率及び平均絶縁破壊電界の関係を示す図である。 本発明の実施例に係り、基板の窒化珪素層厚さに対する平均熱伝導率及び平均絶縁破壊電界の関係を示す図である。 本発明の実施例に係り、基板の炭化珪素層厚さに対する平均熱伝導率及び平均絶縁破壊電界の関係を示す図である。 本発明の実施例に係り、人工ダイヤモンド層厚さに対する平均絶縁破壊電界の関係を示す図である。 本発明の実施例に係り、人工ダイヤモンド層の平均粒子密度に対する平均絶縁破壊電界の関係を示す図である。 本発明の実施例に係り、熱伝導性プレート部品を用いて、電子デバイスを放熱板に接合する実装工程を説明するための工程図である。 従来例に係る絶縁伝熱構造体を示す概略断面図である。
符号の説明
S:人工ダイヤモンド層と基板の界面
t1:人工ダイヤモンド層厚さ, t2:結晶珪素を含む基板厚さ,
t3:珪素層厚さ,
1:熱伝導性プレート部品, 2:人工ダイヤモンド層,
3:基板(基材), 3a:結晶珪素層, 3b:中間珪素層,
4:半田層, 5:放熱板, 6:電子デバイス

Claims (12)

  1. 人工ダイヤモンド層と結晶珪素を含む基材とが積層された積層構造を有してなることを特徴とする熱伝導性プレート部品。
  2. 前記人工ダイヤモンド層及び基材の厚さが夫々20μm以上であって、かつプレートの反りが10μm/mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性プレート部品。
  3. 前記人工ダイヤモンド層中に含まれる窒素濃度が1×1017cm−3以上、1×1020cm−3以下であって、かつ、基板と反対側の前記人工ダイヤモンド層表面の平均粒子径が0.2μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導性プレート部品。
  4. 前記基材が、結晶珪素層に加えて、酸化珪素、窒化珪素及び炭化珪素のうちから選択された1種以上の材料からなる中間珪素層を有すると共に、この中間珪素層が前記人工ダイヤモンド層と前記結晶珪素層の間に積層されてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品。
  5. 前記中間珪素層が酸化珪素または/及び窒化珪素から構成されると共に、前記中間珪素層が酸化珪素または窒化珪素から構成される場合は何れか単独層厚さが、前記中間珪素層が酸化珪素及び窒化珪素から構成される場合は合計した層厚さが0.05μm以上、かつ2μm未満であることを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性プレート部品。
  6. 前記炭化珪素の層厚さが0.05μm以上、かつ10μm未満であることを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性プレート部品。
  7. 前記プレートの厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品。
  8. 前記プレートの面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品。
  9. 前記プレート温度が350〜550Kの範囲において、このプレートの厚さ方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であり、かつ平均熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品。
  10. 前記プレート温度が350〜550Kの範囲において、このプレートの面内方向の平均絶縁破壊電界が10V/m以上であることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品。
  11. 請求項1乃至10のうちの何れか一つの項に記載の熱伝導性プレート部品を備えた電子部品であって、前記プレート部品と電子素子及び放熱部材とが接合されてなることを特徴とする電子部品。
  12. 前記電子素子が、接着層を介して前記プレート部品の人工ダイヤモンド層の表面側に接合されると共に、前記放熱部材が、接着層を介して前記プレート部品の基材表面に接合されてなることを特徴とする請求項11に記載の電子部品。
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