JP2010045121A - 磁性シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フェライト焼結薄板を仮想分割線を形成しなくとも安定して均一に分割することを可能とし、柔軟性を有し且つ透磁率特性も優れた磁性シートを生産性良く製造可能とする。
【解決手段】 焼結フェライト薄板2を帯状の支持機構11によって支持された状態で走行させ、支持機構11で加圧しながら曲面に沿う形で焼結フェライト薄板2の走行方向を変更することにより焼結フェライト薄板2を分割する。例えば、焼結フェライト薄板2を支持機構11で加圧しながら回転ローラ12に沿わせて走行させ、焼結フェライト薄板2を分割する。回転ローラと対向する位置に、支持機構との間隙を調整可能な基準板が設置されていてもよい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、焼結フェライト薄板を用いた磁性シートの製造方法に関するものであり、特に、焼結フェライト薄板を簡単且つ均等に分割し得る新規な製造方法に関する。
近年、ICタグとリーダ・ライタ間で情報の読み書きを行う非接触認証システム(RFIDシステム)が汎用されるようになってきている。例えば、電磁誘導方式の非接触認証システムでは、ICタグのアンテナ(コイル)とリーダ・ライタのアンテナ(コイル)とを磁束結合させることで、前記情報の授受が行われる。この場合、使用される電磁波の周波数は、例えば135kHzや13.56MHz等が代表的である。
ここで、非接触認証システムの特性は、使用する電磁波の物理的特性に依存し、例えば周波数13.56MHzの電磁波を用いた非接触認証システムでは、アンテナの周囲に存在する金属の影響で磁界が弱められ、通信性能が低下するという問題がある。
前述のような金属による障害に対する対策としては、磁性シートにより磁束を迂回させる方法が検討されており、フェライトシート等の磁性シートを備えたアンテナコイルが使用されている。アンテナコイルと周囲に存在する金属との間に磁性シートを配すれば、磁束は磁性シート内を通り、金属を通過することがなくなる。その結果、渦電流による損失等が生ずることがなくなり、通信特性が向上する。
前記磁性シートとしては、金属磁性粉を樹脂と混合し、これをシート化したもの(金属樹脂複合シート)を使用するのが一般的であるが、この場合には、樹脂を混合した分、金属磁性粉の有効体積が減少するという問題がある。通常、前記金属樹脂複合シートにおいては、金属磁性粉の有効体積が6割程度に止まるために、磁性シートにおける透磁率が低下する。透磁率の低下は、磁束を迂回させる機能の低下に繋がり、これが通信特性の低下に繋がる。
一方、磁性シートとして、フェライト焼結体の薄板を使用することも検討されている。フェライト焼結体は、バルク状態では金属樹脂複合シートよりも優れた透磁率特性を示し、磁束を迂回させる機能が高い。ただし、フェライト焼結体は、可撓性がないことから形状の自由度が低く、また、割れ方によっては透磁率が大きく低下し、アンテナの通信性能が低下するという問題がある。さらに、フェライト焼結体の場合、割れた時に発生する破片や微細粉の脱落の問題もある。
このような状況から、フェライト焼結体シート(薄板)の分割方法について、各方面において種々検討されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3等を参照)。
例えば、特許文献1には、焼結フェライト板の少なくとも一方の表面に粘着材層を設けて成る焼結フェライト基板であって、焼結フェライト板は、少なくとも一方の表面に設けられた少なくとも1つの連続する溝を起点として分割可能に構成されている焼結フェライト基板が開示されており、さらには、粘着材層と反対側の面に保護層を形成することが開示されている。特許文献1記載の焼結フェライト基板は、電子機器の曲面または凹凸面に沿って貼り付けたり、剥がしたりを繰り返すことができ、粉落ちや透磁率の低下も少ないとされている。
特許文献2には、フェライト焼結板と、フェライト焼結板の少なくとも一方の主面に接着して当該主面を覆う保護層を備え、フェライト焼結板には厚さ方向に貫通するとともに両端の開口縁が略円形状を呈する複数の貫通孔が形成され、前記複数の貫通孔は、フェライト焼結板を分割する際の起点となる仮想線上に断続的に配列されているフェライト部品が開示されている。特許文献2記載の発明では、貫通孔を断続的に形成することで、分割や折り曲げに対応することができ、不定形の割れ、欠けや亀裂の拡がり、保護層からの剥離等を防止することができるとされている。
特許文献3には、粘着層の表面にシート状に形成された磁性部材を載置し、載置された磁性部材の表面に応力を付与して、磁性部材を複数の磁性体固片に構成し、構成された複数の磁性体固片の表面に、樹脂を主成分とし、磁性部材に接する樹脂が、外部に露出する樹脂に比べて粘度が低い保護層を設ける磁性シートの製造方法が開示されている。特許文献3記載の発明では、載置された磁性部材の表面全体にローラにより応力を付与して、磁性部材を複数の磁性体固片に粉砕している。
特開2005−15293号公報 特開2007−184492号公報 特開2007−123575号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載の発明のように、寸法を合わせること、割り易くすること、特性を安定化させること等を目的として仮想分割線を設けるプリカット方式を採用した場合、仮想分割線(分割溝やスリット、貫通孔等)を予め焼結前のグリーンシートや焼結後のシートに加工する必要があり、工数が増加し生産性が低下するという問題がある。しかも、分割の状態に方向依存性が発現して特性が不均一となり、または仮想分割線の通りに割れない等の問題が生ずるおそれもある。
一方、特許文献3記載の発明のように、フェライト焼結シートの表面全体にローラにより応力を付与して粉砕する方法では、工数を削減することはできても、フェライト焼結シートを規則的に分割することは難しく、粉砕後の磁性体固片は不定形となるため、特性のバラツキが大きくなり、透磁率の低下も著しい。これを解消するためには、結局は予めスリットを入れる等、前記プリカット方式と同様の工程が必要になり、工数の増加等が問題となる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、フェライト焼結薄板を仮想分割線を形成しなくとも安定して均一に分割することができ、柔軟性を有し且つ透磁率特性も優れた磁性シートを生産性良く製造することが可能な磁性シートの製造方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の磁性シートの製造方法は、焼結フェライト薄板を帯状の支持機構によって支持された状態で走行させ、前記支持機構で加圧しながら曲面に沿う形で前記焼結フェライト薄板の走行方向を変更することにより焼結フェライト薄板を分割することを特徴とする。
焼結フェライト薄板を帯状の支持機構とともに走行させ、支持機構で加圧しながら曲面に沿う形で焼結フェライト薄板の走行方向を変更すると、焼結フェライト薄板が強制的に折り曲げられる形になる。ここで、焼結フェライト薄板の折り曲げ角度が限界に達すると、焼結フェライト薄板が分割されるが、一定速度で支持機構を走行させながら焼結フェライト薄板の分割を行うと、仮想分割線を形成しなくとも、前記走行方向においてほぼ等間隔に分割される。
本発明によれば、仮想分割線を形成しなくても、焼結フェライト薄板を簡便且つ安定して均等に分割することが可能である。したがって、磁性シート製造のための工数を削減することができ、生産性良く磁性シートを製造することが可能である。また、本発明によれば、焼結フェライト薄板は等間隔で規則的に分割されるため、透磁率の低下や変動を抑えることができる。したがって、製造される磁性シートの特性のバラツキを抑えることが可能であり、柔軟性を有し透磁率特性等の品質が安定した磁性シートを製造することが可能である。
以下、本発明を適用した磁性シートの製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、分割前の状態の磁性シート1の基本的な断面構造を模式的に示すものである。本例の場合、分割前の磁性シート1は、焼結フェライト薄板2の片面に第1の保護層3を貼り合わせるとともに、もう一方の面に第2の保護層4を貼り合わせることにより構成されている。
焼結フェライト薄板2の材質としては、軟磁気特性を有するソフトフェライトであれば限定されるものでなく、使用周波数帯域や透磁率等の要求仕様に応じて、Ni−Zn系フェライトやMn−Zn系フェライト等から自由に選択することが可能である。焼結フェライト薄板2は、金属磁性粉を樹脂と混合した金属樹脂複合シートに比べて磁性体が占める割合(有効体積)が大きく、高透磁率を有する。
なお、前記焼結フェライト薄板2には、分割溝やスリット、線状に並んだ凹部や貫通孔等により構成される仮想分割線(分割容易線)は形成されていない。後述の方法で分割する場合、仮想分割線が形成されていなくても均等な分割が可能だからである。勿論、さらなる均等な分割を目的として、焼結フェライト薄板2に仮想分割線を形成しておくことも可能ではあるが、この場合には仮想分割線を形成するための工程が必要である。前記のように仮想分割線を形成しない場合には、仮想分割線を形成するための工程が不要であり、工数を削減する上で有利である。なお、仮想分割線を形成する場合、当該仮想分割線としては、溝やスリット、線状に並んだ凹部や貫通孔(いわゆるミシン目孔)等、分割を容易にし得るものであれば、どのようなものであってもよい。
前記焼結フェライト薄板2は、公知の方法で作製することができる。例えば、フェライト仮焼粉末とバインダ樹脂、添加剤(分散剤、可塑剤、消泡剤等)、溶媒を混合した後、脱泡して支持フィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等)上にドクターブレード等を用いて塗布し、フェライトのグリーンシートを作製する。次いで、これを乾燥し、脱脂処理後に所定の温度で焼成処理を行う。作製される焼結フェライト薄板2の厚さは任意であるが、例えば20μm〜0.3mm程度である。
前記焼結フェライト薄板2の片方の面に貼り合わされる第1の保護層3は、片面に粘着材層5を有するポリエチレンテレフタレートフィルム6であり、他方の面に貼り合わされる第2の保護層4は、両面に粘着材層7,8を有するポリエチレンテレフタレートフィルム9である。前記第1の保護層3や第2の保護層4の構成は、これに限定されるものではなく、フェライト片の粉落ちを防止することができ、適度な屈曲性(柔軟性)を有するものであればよい。例えば支持体として機能するフィルムは、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムに限らず、各種樹脂フィルムが使用可能である。あるいは、前記第1の保護層3や第2の保護層4は、両面粘着テープや接着剤層、樹脂製塗料の層等により形成してもよい。なお、本例では、第2の保護層4の外側の粘着材層8の表面には剥離紙10が貼り付けられており、この剥離紙10を剥離することで、磁性シート1を任意の部材に貼り付けることが可能となっている。
磁性シートの製造に際しては、作製された焼結フェライト薄板2の片面に第1の保護層3(片面粘着剤層4付きのポリエチレンテレフタレートフィルム5)を貼り付け、もう一方の面に第2の保護シート3(両面粘着剤層7,8付きのポリエチレンテレフタレートフィルム9)を貼り付け、これを分割処理に供する。分割処理は、焼結フェライト薄板2を分割するものであり、磁性シート1に可撓性を持たせ、特性の安定化を図るためのものである。
図2は、分割処理のための装置構成を示す模式的な図である。本発明において、焼結フェライト薄板2の分割処理は、焼結フェライト薄板2を帯状の支持機構(加圧機構)によって支持された状態で走行させ、曲面に沿う形で支持機構の走行方向を変更することにより行うが、本実施形態において、分割処理のための装置は、帯状の支持機構11と回転ローラ12とから構成されている。
前記帯状の支持機構11は、回転ローラ12の円筒面に沿って移動(走行)し得るものであり、一方の終端には定荷重バネ13が設けられるとともに、他方の終端には駆動機構14が設置されている。回転ローラ12は、例えば平滑な円筒面を有する金属製のローラであり、支持機構11に向かって圧力を付与する加圧機構を有している。また、支持機構11は、例えば表面の材質を軟質ポリウレタンとすることで摩擦係数を高め、位置ズレや脱落を防止することができる。
帯状の支持機構11は、本実施形態の場合、前記回転ローラ12によって90度方向に曲げられ、曲面(回転ローラ12の円筒面)に沿う形で走行方向が90度変更されている。また、前記支持機構11の走行に際しては、前記定荷重バネ13によって支持機構11に張力が加えられ、回転ローラ12が加圧機構を有することと相俟って、回転ローラ12と支持機構11の間で移動する磁性シート1(焼結フェライト薄板2)に圧力を加えることができる構造とされている。
焼結フェライト薄板2の分割処理は、図2に示すように、前述の帯状の支持機構11によって磁性シート1を支持し、これを走行させることで行う。
磁性シート1を支持機構11に貼り付けた後、支持機構11を矢印方向に走行させる。すると、磁性シート1は支持機構11と共に移動し、回転ロール12の位置に到達する。回転ロール12の設置位置では、図3に示すように、磁性シート1(すなわち焼結フェライト薄板2)も支持機構11とともに回転ロール12の円筒面に沿って走行し、回転ロール12によって90度方向に曲げられる。すなわち、支持機構11を駆動機構14によって引き上げることで、磁性シート1は支持機構11により背面から圧力が加えられた状態で回転ロール12と支持機構11の間を通過する形になり、これに伴い90度方向に曲げられる。
この時、磁性シート1は回転ロール12に押し付けられた状態で回転ロール12と支持機構11の間において回転ロール12上を移動するが、折り曲げによる変形量が限界量を超えた部分から順次焼結フェライト薄板2が分割され、次々に分割される。そして、図4に示すように、磁性シート1が回転ロール12と支持機構11の間を通過することで、焼結フェライト薄板2の走行方向における分割が完了する。
以上によって一方向の分割(1回目の分割処理)を完了した後、磁性シート1を支持機構11に90度回転させて取り付け、同様にして2回目の分割処理を行う。図5は、分割された焼結フェライト薄板2に形成される分割線の様子を示すものである。1回目の分割処理において、磁性シート1(すなわち焼結フェライト薄板2)を矢印A方向に走行させた場合、回転ロール12の回転中心軸方向[支持機構11の走行方向(矢印A方向)と直交する方向]の分割線2aが等間隔に形成され、短冊状に分割される。2回目の分割処理において、90度回転させて矢印B方向に走行させると、やはり回転ロール12の回転中心軸方向[支持機構11の走行方向(矢印B方向)と直交する方向]の分割線2bが等間隔に形成され、焼結フェライト薄板2は正方形の分割片2cの集合体に分割される。
前記分割処理によれば、磁性シート1の焼結フェライト薄板2を均等に分割することができ、不定形となること等もないので、透磁率特性が均一且つ良好で、柔軟性に優れた磁性シート1を得ることができる。例えば、前記1回目の分割処理のみを行えば、分割後の磁性シート1においては、焼結フェライト薄板2に走行方向と直交する方向にのみ分割線2aが形成され、分割線2aと直交する方向(矢印A方向)に一定の曲率半径で一様に湾曲させることができる。2回の分割処理を行うことで、一定の曲率半径で面内の2方向に湾曲させることができ、3次元曲面形状への密着性を向上させることができる。
前述の分割処理を行った磁性シート1は、これを原反とし、例えばRFIDアンテナの形状仕様等に応じて、プレス加工機等で打ち抜き加工を行い、アンテナに貼り付けて使用に供される。前述の分割処理を行えば、1枚の磁性シート1からアンテナ形状に応じて複数枚のシート片への打ち抜きを行った場合にも、打ち抜く場所の違いによるシート片間の特性のバラツキが極めて小さく、アンテナ特性のバラツキを低減することができることが確認されている。
例えば、回転ローラを用いた磁性シート1(焼結フェライト薄板2)の分割方法としては、特許文献3に記載されるように、平坦面上に載置した磁性シートに対して回転ローラを転がす方法も考えられる。この方法では、例えば金属板等の上にシリコンゴム製の緩衝板を敷き、この上に磁性シート1を設置する。そして、磁性シート1の上に回転ローラを載せ、一定の荷重を加えながら磁性シート1の一方向に回転ローラを転がし、焼結フェライト薄板2の分割を行う。さらに、磁性シート1を90度回転させ、直交方向にも同様の分割を行い、焼結フェライト薄板2を分割片に分割する。
このような方法で分割を行った場合、回転ロールの軸方向に近い方向で分割は行われるものの、磁性シート1内で分割線の方向や間隔が揃わず、分割片の大きさや形状にバラツキが大きな状態となる。したがって、アンテナ形状に対応して1枚の磁性シート1から複数枚のシート片を打ち抜くと、打ち抜く場所によってシート片間の特性のバラツキが大きく、アンテナ特性のバラツキが大きくなるという問題が発生した。
これに対して、前述の本発明方法では、分割線2aや分割線2bの方向が平行に揃っており、且つ等間隔に形成することができる。したがって、分割された各分割片2cの大きさや形状のバラツキの分布が小さくすることができ、打ち抜く場所の違いによるアンテナ特性のバラツキを低減することができる。
このように、本発明方法により磁性シート1の面内で焼結フェライト薄板2の均一な分割状態を実現できる理由として、本発明方法では応力が限られた点に集中せず、広い領域に分散して作用することで、焼結フェライト薄板2に不用意に分割が生ずるのを抑制することができ、変形の限度量を越えた部分から順次割れていくためと考えられる。
以上が本発明の磁性シートの製造方法の基本的な実施形態であるが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、前述の実施形態では、回転ロール12による支持機構11(磁性シート1)の曲げ角度を90度としているが、これに限らず、焼結フェライト薄板2を等間隔に分割し得る範囲で変更可能である。図6は、回転ロール12によって支持機構11の走行方向が変更される様子を模式的に示すものである。回転ロール12の手前では、支持機構11は矢印F方向に走行しており、回転ロール12を通過した後は矢印G方向に走行する。
ここで、先の実施形態では、回転ロール12の手前での走行方向(矢印F方向)と回転ロール12を通過した後の走行方向(矢印G方向)とがなす角度θが90度である。この角度θは、90度に限らず、焼結フェライト薄板2の厚みや回転ロール12の半径、加圧力、支持機構11の荷重等に左右され、限界角度が変わる。前述の実施形態に示す範囲では、角度θを概ね30度以上とすれば、焼結フェライト薄板2の均等な分割が可能である。これに対して、前記角度θが限界角度より小さい場合には、応力が集中し均等な分割が困難となったり、焼結フェライト薄板2の変形が不十分になって、折り曲げによる変形量が限界量に到達せず、円滑な分割が実現できなくなったりするおそれがある。
また、前記回転ロール12による焼結フェライト薄板2の曲げにおいて、回転ロール12の曲率半径rがあまり大きい場合には、分割サイズを小さく制御できなくなり、概ね曲率半径10cmが上限と考えられる。逆に小さすぎると、応力の集中が生じ易く、均等な分割が困難となり、概ね0.5cmが曲率半径の下限と考えられる。したがって、回転ロール12の曲率半径rは、0.5cm〜10cmとすることが好ましい。
なお、先の実施形態では、曲面を構成する部材として回転ローラ12を用いたが、これに限らず、円弧状の曲面を有するものであれば、任意のものを使用することが可能である。例えば、角柱の1つの角が円弧面に加工されたものや、円弧状に湾曲させた板材等を使用することも可能である。
さらに、回転ローラ12による加圧力を確実に磁性シート1に加えるために、基準板を設置することも可能である。図7は、回転ローラ12に下方に鉛直方向に位置調整可能な基準板15を設置した装置構造を示すものである。本例では、基準板15の鉛直方向の位置を調整することで、基準板15と帯状の支持機構11の間の隙間量tを調整することが可能である。
例えば、支持機構11が弾性を有する場合、磁性シート1が回転ロール12と支持機構11の間の通過する際に、支持機構11が回転ロール12から離間する方向に逃げてしまうと、磁性シート1に十分な荷重が加わらず、焼結フェライト薄板2の分割に支障をきたす場合がある。このような場合に、前記基準板15を設け、図8に示すように、回転ロール12と支持機構11の間を磁性シート1が通過する際に、支持機構11の背面側から基準板15で支持するような構造とすれば、回転ロール12の加圧力が磁性シート1に十分に加わり、焼結フェライト薄板2の分割を確実に行うことが可能である。
前述の焼結フェライト薄板2の分割においては、回転ローラ12の径(すなわち前記曲率半径r)や加圧力、円筒面の材質、帯状の支持機構11の終端の定荷重バネ13のバネ荷重量等の因子を調整することで、分割サイズを制御することができる。
磁性シート1においては、分割後の分割片2cのサイズが小さいほど打ち抜く場所の違いによる特性のバラツキが低減されることになるが、各分割片2cのサイズが小さくなり過ぎると、第1の保護層3や第2の保護層4による分割片2cの保持が不十分となる問題、または打ち抜き時に端部からの粉落ちの問題が生ずる可能性が高くなる。逆に、各分割片2cのサイズが大き過ぎると、分割線2a,2bの平行な状態からのズレ量が大きくなり、外観不良が生じ易くなり、またはサイズの分布が大きくなって特性のバラツキが大きくなる等の不具合が生ずる可能性がある。
したがって、分割片2cの大きさが適切な範囲になるように前記各因子を調整することが好ましく、それによって本発明の効果を一層向上させることができる。ここで、前記分割片2cのサイズの最適値は、打ち抜くシート片のサイズにもよるが、一辺の平均長さが0.5mm〜5mmである。各分割片2cのサイズが前記範囲内となるように調整して焼結フェライト薄板2を分割することで、特性のバラツキが小さく、3次元曲面形状への密着性に優れた磁性シートとすることができる。
例えば、分割された分割片2cの一辺の平均長さを0.5mm以上とすれば、粘着材層による分割片2cの保持が十分となり、磁性シート1の打ち抜き時に端部から粉落ちが生ずる問題を回避することができる。また、分割された分割片2cの一辺の平均長さを3mm以下とすれば、分割線の平行方向からのズレ量を抑えることができ、外観不良が生じ、およびアンテナ特性のバラツキが大きくなる等の不具合を回避することができる。
前述の実施形態では、磁性シート1とは別に支持機構11を設け、これにより磁性シート1を搬送しながら焼結フェライト薄板2の分割を行うようにしたが、磁性シート1の第1の保護層3あるいは第2の保護層4を前記支持機構として利用することも可能である。この場合には、第1の保護層3あるいは第2の保護層4の一方を長尺状に連続する形態とし、これにより焼結フェライト薄板2の背面側を加圧しながら回転ローラ12に沿って走行させればよい。例えば、前記第1の保護層3と第2の保護層4を長尺状に連続する形態とし、焼結フェライト薄板2へのラミネートから前記分割までを一連の工程で行うようにすれば、生産性を大幅に向上することができる。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
磁性シートの作製1
本実施例で磁性シートの作製に使用した磁性粉末は、Ni−Znフェライトからなるもので、具体的には、Feを48モル%、ZnOを22モル%、NiOを22モル%、CuOを8モル%の組成比率で配合し、700℃〜900℃の範囲で2〜4時間の仮焼成を行った粉末である。このような組成のNi−Znフェライト仮焼粉に、アクリル樹脂系の水溶性バインダと、消泡材、分散材、可塑剤、及び純水を加え、ボールミルにて混練してスラリーを調製した。混練後のスラリーを真空脱泡機で脱泡し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレードを用いてシート成形し、グリーンシートを作製した。得られたグリーンシートを乾燥機で80℃の温度で30分間乾燥させてから、グリーンシートを所定の形状に切断し、1000℃〜1100℃の範囲で2〜5時間焼成し、サイズ100mm×100mm、厚さ約150μmの焼結フェライト薄板を得た。
次に、得られた焼結フェライト薄板の片面に、第1の樹脂材料による保護層として片面に粘着材層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付け、もう一方の面に、第2の樹脂材料による保護層として両面に粘着材層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付け、磁性シートを作製した。
分割実験1
本実験では、図3〜図5に示す装置及び方法に従い、作製した磁性シートについて、分割実験(実施例1〜実施例4)を行った。各実施例においては、回転ロールの径や表面材質、支持機構に加える張力(定荷重バネ荷重)を変えて磁性シートの分割を行った。また、比較のために、磁性シート上に対して回転ローラを転がすことで磁性シートの分割を試みた(比較例1,2)。
分割後の各磁性シートについて、磁気特性評価として、RFIDアンテナコイルを磁性シートに近接させてインピーダンス特性を測定した。アンテナコイルは、外形40mm×30mmの矩形であり、巻回数は5ターンであり、フレキシブルフラットケーブル製のものである。このアンテナコイルを用い、インピーダンスアナライザで13.56MHzのインダクタンスLを測定した。磁性シート(100mm×100mm)に対して、シート面内でアンテナ位置を変えて4箇所測定し、これらデータの平均値と偏差[(最大値−最小値)/平均値]を求めた。また、それぞれの磁性シートの分割された個片(分割片)のサイズを長さ当たりの分割線の本数から求めた。平均の分割片サイズは、正方形と仮定した時の1辺の長さで示した。結果を表1に示す。
Figure 2010045121
以下、各実施例及び比較例について詳述する。
(実施例1)
本実施例では、回転ローラとして直径20mmの金属ローラを使用し、帯状支持機構の終端の定荷重バネのバネ荷重を20Nとして分割を行った。分割後の磁性シートにおいては、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っていた。また、分割後の磁性シートにおける平均分割片サイズは1.0mmであり、表面の凹凸が目立たず、滑らかに、且つ面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.27μHと大きく、偏差も0.6%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(実施例2)
本実施例では、帯状支持機構の終端の定荷重バネのバネ荷重を2Nとし、他は実施例1と同様の条件で分割を行った。分割後の磁性シートでは、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っていることは実施例1と同様であったが、間隔が広がり、平均分割片サイズは1.8mmとなった。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が目立たず、滑らかに、且つ面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.22μHであり、偏差も0.9%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(実施例3)
実施例2の条件の加えて、金属ローラの周りに6mm厚のシリコンゴム(ショアA50)を巻いて円筒面材質を変え、他は実施例2と同様に分割を行った。分割後の磁性シートにおいては、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っており、平均分割片サイズは1.9mmとなった。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が実施例2よりも大きいが、面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.21μHであり、偏差も1.2%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(実施例4)
回転ローラとして直径68mmの金属ローラを使用し、金属ローラの周りに6mm厚のシリコンゴム(ショアA50)を巻いて円筒面材質を変え、帯状支持機構の終端の定荷重バネのバネ荷重を20Nとして分割を行った。分割後の磁性シートにおいては、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っており、平均分割片サイズは2.7mmとなった。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が実施例3と同程度であり、面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.25μHであり、偏差も1.2%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(比較例1)
金属板の上に緩衝材として6mm厚のシリコンゴム(ショアA50)を敷き、作製した磁性シートを設置した。その上に平滑な円筒面を有する回転ローラとして直径20mmの金属ローラを載せ、20Nの荷重を加えながら磁性シートに平行に移動させることで、焼結フェライト薄板の分割を行った。分割線は、回転ローラの回転中心軸方向に近い方向に形成されているが、一部は大きく方向がずれ、斜めに形成されていた。間隔にもムラが見られる状態であった。また、平均分割片サイズは1.8mmであったが、磁性シート内でサイズや形状にバラツキが見られる状態であった。さらに、分割後の磁性シート表面は、凹凸が明らかに確認できる状態であった。湾曲させることは可能であったが、磁性シート内での曲率は一様ではなかった。さらにまた、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値は3.22μHであったが、偏差3.1%とバラツキの大きい状態であった。
(比較例2)
回転ローラとして直径68mmの金属ローラの周りに6mm厚のシリコンゴム(ショアA50)を巻いて円筒面材質を変えたものを用い、他は比較例1と同様に焼結フェライト薄板の分割を行った。分割線は、回転ローラの回転中心軸方向に近い方向に形成されているが、一部は大きく方向がずれ、斜めに形成されていた。間隔にもムラが見られる状態であった。また、平均分割片サイズは3.3mmであったが、磁性シート内でサイズや形状にバラツキが見られる状態であった。さらに、分割後の磁性シート表面は、凹凸が明らかに確認できる状態であった。さらにまた、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値は3.21μHであったが、偏差4.2%とバラツキの大きい状態であった。
以上のように、本発明を適用した実施例1〜4では、いずれも分割後の磁性シートは、一様に且つ一定の曲率半径で湾曲することができ、焼結フェライト薄板について所定の分割状態を実現することができ、磁性シート内の特性のバラツキも抑えることができることが確認された。これに対して、比較例1,2では、磁性シート内で分割線の向きや間隔が揃わず、分割片の大きさのバラツキが大きく特性のバラツキも大きいことが確認され、本発明の有効性が確認された。
磁性シートの作製2
磁性シートの作製1と同様の組成のNi−Znフェライト仮焼粉に、アクリル樹脂系の水溶性バインダと、消泡材、分散材、可塑剤、及び純水を加え、ボールミルにて混練してスラリーを調製した。混練後のスラリーを真空脱泡機で脱泡し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレードを用いてシート成形し、グリーンシートを作製した。得られたグリーンシートを乾燥機で80℃の温度で30分間乾燥させてから、グリーンシートを所定の形状に切断し、1000℃〜1100℃の範囲で2〜5時間焼成し、サイズ100mm×100mm、厚さ約100μmの焼結フェライト薄板を得た。
次に、得られた焼結フェライト薄板の片面に、第1の樹脂材料による保護層として片面に粘着材層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付け、もう一方の面に、第2の樹脂材料による保護層として両面に粘着材層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付け、磁性シートを作製した。
分割実験2
本実験では、図7及び図8に示すように基準板を設置した装置を用い、基準板と支持機構の間の隙間量を調整し、作製した磁性シートについて分割実験(実施例5〜実施例9)を行った。各実施例においては、回転ロールの径や表面材質、支持機構に加える張力(定荷重バネ荷重)を変えて磁性シートの分割を行った。
分割後の磁性シートについて、分割実験1と同様の磁気特性評価を行い、また、それぞれの磁性シートの分割された個片(分割片)のサイズを長さ当たりの分割線の本数から求めた。平均の分割片サイズは、正方形と仮定した時の1辺の長さで示した。結果を表2に示す。
Figure 2010045121
以下、本分割実験における各実施例について詳述する。
(実施例5)
本実施例では、回転ローラとして直径20mmの金属ローラを使用し、帯状支持機構の終端の定荷重バネのバネ荷重を20N、回転ローラ圧力0.2MPa、基準板と支持機構間の隙間量0.35mmとして分割を行った。分割後の磁性シートにおいては、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っていた。また、分割後の磁性シートにおける平均分割片サイズは0.9mmであり、表面の凹凸が目立たず、滑らかに、且つ面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.13μHであり、偏差が1.0%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(実施例6)
本実施例では、回転ローラの直径を50mmに変え、他は実施例5と同様の条件で分割を行った。分割後の磁性シートでは、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っていることは実施例1と同様であったが、間隔が広がり、平均分割片サイズは1.5mmとなった。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が目立たず、滑らかに、且つ面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.13μHであり、偏差も1.3%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(実施例7)
本実施例では、回転ローラの直径を80mmに変え、他は実施例5と同様の条件で分割を行った。分割後の磁性シートでは、分割線が直線状に形成され、ほぼ平行で等間隔に揃っており、平均分割片サイズは1.7mmとなった。分割線は、平行方向から若干のズレが認められた。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が実施例5,6よりも大きいが、面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.13μHであり、偏差も1.6%とバラツキの小さい状態を実現することができた。
(実施例8)
本実施例では、回転ローラの円筒面材質をシリコンゴム(ショアA50)に変え、他は実施例7と同様の条件で分割を行った。分割後の磁性シートでは、分割線が直線状に形成され、ほぼ平行で等間隔に揃っており、平均分割片サイズは3.0mmとなった。分割線は、平行方向からズレがさらに顕著となった。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が実施例7と同様に、面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.14μHであり、偏差も2.3%とバラツキの許容範囲であった。
(実施例9)
本実施例では、基準板と支持機構間の隙間量0.2mmとし、他は実施例5と同様の条件で分割を行った。分割後の磁性シートでは、分割線が直線状に形成され、略平行で等間隔に揃っていることは実施例1と同様であったが、間隔が狭まり、平均分割片サイズは0.5mmとなった。また、分割後の磁性シートは、表面の凹凸が目立たず、滑らかに、且つ面内で一様に湾曲させることが可能であった。さらに、アンテナのインダクタンスLの評価において、平均値が3.07μHであり、偏差も0.9%とバラツキの小さい状態を実現することができた。また、各シート片に打ち抜き後の状態で、分割片が保護層の粘着材で固定されずに浮き上がっている状態は見られず、打ち抜き後の端部からの粉落ちも問題ない状態であった。
以上のように、本発明を適用した実施例5〜9では、いずれも分割後の磁性シートは、一様に且つ一定の曲率半径で湾曲することができ、焼結フェライト薄板について所定の分割状態を実現することができ、磁性シート内の特性のバラツキも抑えることができることが確認された。
したがって、焼結フェライト薄板の分割に際しては、分割片のサイズに最適範囲があり、例えば、分割された分割片の一辺の平均長さを0.5mm以上とすることで、分割片の保持が不十分となったり、打ち抜き時に端部からの粉落ちが生じたりする問題を回避できることがわかる。また、分割された分割片の一辺の平均長さを3mm以下に抑えることができれば、分割線の平行な状態からのズレ量が大きくなったり、外観不良が生じる等の不具合を回避することができ、分割片サイズの分布が大きくなることによってアンテナ特性のバラツキが大きくなることも回避できることがわかった。
磁性シートの構成例を示す概略断面図である。 焼結フェライト薄板を分割するための装置構成例を示す模式図である。 図2に示す装置において、焼結フェライト薄板の分割状態を示す模式図である。 図2に示す装置において、焼結フェライト薄板の分割後の状態を示す模式図である。 分割された焼結フェライト薄板の模式的な平面図である。 支持機構(焼結フェライト薄板)の変更前後の走行方向のなす角度を示す模式図である。 基準板を設けた装置構成例を示す模式図である。 図7に示す装置において、焼結フェライト薄板の分割状態を示す模式図である。
符号の説明
1 磁性シート、2 焼結フェライト薄板、3 第1の保護層、4 第2の保護層、5,7 ポリエチレンテレフタレートフィルム、6,8,9 粘着材層、10 剥離紙、11 支持機構、12回転ローラ、13 定荷重バネ、14 駆動機構、15 基準板

Claims (7)

  1. 焼結フェライト薄板を帯状の支持機構によって支持された状態で走行させ、前記支持機構で加圧しながら曲面に沿う形で前記焼結フェライト薄板の走行方向を変更することにより焼結フェライト薄板を分割することを特徴とする磁性シートの製造方法。
  2. 前記走行に際し、支持機構に所定の張力を加えることを特徴とする請求項1記載の磁性シートの製造方法。
  3. 分割前の焼結フェライト薄板は、分割容易線を有しないことを特徴とする請求項1または2記載の磁性シートの製造方法。
  4. 前記焼結フェライト薄板を支持機構で加圧しながら回転ローラに沿わせて走行させ、前記焼結フェライト薄板を分割することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の磁性シートの製造方法。
  5. 前記回転ローラと対向する位置に支持機構との間隙を調整可能な基準板が設置されており、前記回転ローラは前記基準板に向かって圧力を付与する機構を有することを特徴とする請求項4記載の磁性シートの製造方法。
  6. 前記焼結フェライト薄板の両面に樹脂材料からなる保護層が貼り合わされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の磁性シートの製造方法。
  7. 前記焼結フェライト薄板の一方の保護層を前記支持機構とすることを特徴とする請求項6記載の磁性シートの製造方法。
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