JP2010044924A - トランスバース方式の誘導加熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱対象の導体板の両側端付近の温度の落ち込みを従来よりも適切に抑制することができるトランスバース方式の誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】銅製の遮蔽板31に凹部51、52を形成し、この凹部51、52が帯状鋼鈑10のエッジ付近と対向するように遮蔽板31を、上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28と帯状鋼鈑10との間に配置する。これにより、高温に晒されてもエッジ付近における温度の落ち込みを抑制することができる。そして、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚を特定することができる属性情報に応じた周波数の交流電力を上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28に供給する。これにより、帯状鋼鈑10の温度分布を調整することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、トランスバース方式の誘導加熱システムに関し、特に、導体板に交番磁界を略垂直に交差させて当該導体板を誘導加熱するために用いて好適なものである。
従来から、誘導加熱装置を用いて鋼板等の導体板を加熱することが行われている。誘導加熱装置は、コイルから発生した交番磁界(交流磁界)により導体板に誘起される渦電流に基づくジュール熱を当該導体板に発生させ、このジュール熱により当該導体板を加熱するものである。このような誘導加熱装置として、トランスバース方式の誘導加熱装置がある。トランスバース方式の誘導加熱装置は、加熱対象の導体板に交番磁界を略垂直に交差させるようにするものである。
そして、トランスバース方式の誘導加熱装置に関する技術として、特許文献1〜3に記載の技術がある。
特許文献1に記載の技術では、Jの字状の導体を組み合わせてコイルを形成する。そして、このようにして形成された2つのコイルが金属ストリップを介して相互に対向するように、当該2つのコイルを当該金属ストリップの上下に配置する。このとき、Jの字状の導体の湾曲した部分が、金属ストリップの両側端の領域と対向するようにする。このように特許文献1に記載の技術では、Jの字状の導体の湾曲した部分を、金属ストリップの両側端の領域と対向させることによって、金属ストリップの両側端が過加熱になることを抑制することができる。
また、特許文献2に記載の技術では、シートの面と加熱コイルのループ面とが略並行になるように加熱コイルを配置すると共に、加熱コイルとシートとの間の位置であって、シートの両側端の領域と対向する位置に導体板を配置する。また、加熱コイル及び導体板が配置されている側と反対側でシートの両側端の領域と対向する位置に磁性体補償コアを配置する。特許文献2に記載の技術では、導体板が加熱コイルとシートとの電磁結合度を弱めると共に、磁性体補償コアが加熱コイルとシートとの電磁結合度を強めることによって、シートの両側端付近の領域が過加熱及び加熱不足になることを抑制するようにしている。具体的に説明すると、シートの両側端が過加熱になることを抑制し、当該両側端よりも少し内側の領域が加熱不足になることを抑制するようにしている。
また、特許文献3に記載の技術では、2つのコイルが金属ストリップを介して相互に対向するように、当該2つのコイルを当該金属ストリップの上下に配置する。また、コイルと金属ストリップとの間の位置であって、金属ストリップの両側端の領域と対向する位置に、磁気通過材料からなる補助ポールピースを配置する。更に、補助ポールピースと金属ストリップとの間の位置であって、金属ストリップの両側端の領域と対向する位置に、導電体からなる遮蔽板を配置する。特許文献3に記載の技術では、遮蔽板がコイルとシートとの電磁結合度を弱めると共に、補助ポールピースがコイルとシートとの電磁結合度を強めることによって、金属ストリップの両側端付近が過加熱及び加熱不足になることを抑制するようにしている。
特公平7−7704号公報 特公昭61−29114号公報 特表平11−500262号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、金属ストリップの両側端よりも少し内側の領域の加熱が不足し、金属ストリップの両側端付近の温度が落ち込んでしまう虞がある。
また、特許文献2、3に記載の技術では、金属ストリップの両側端付近の温度が落ち込むことを、磁性材料を用いて抑制するようにしている。磁性材料が高温になると、当該磁性材料の磁気特性が急激に低下する。例えば、磁性材料としてフェライトコアを使用した場合には、当該フェライトコアの温度が100〜150[℃]程度になると当該フェライトコアの磁気特性が急激に低下する。したがって、特許文献2、3に記載の技術では、高温に晒されると、磁性材料が機能せず、金属ストリップの両側端付近の領域の温度が落ち込みを抑制することができなくなる虞がある。
以上のように従来の技術では、加熱対象の導体板の両側端付近の温度の落ち込みを適切に抑制することが困難であるという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、加熱対象の導体板の両側端付近の温度の落ち込みを従来よりも適切に抑制することができるトランスバース方式の誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本発明のトランスバース方式の誘導加熱システムは、加熱対象の導体板に交番磁界を垂直に交差させて当該導体板を誘導加熱するトランスバース方式の誘導加熱装置であって、前記導体板の板面とコイル面とが対向するように配置された加熱コイルと、前記加熱コイルが巻き回されるコアと、前記導体板の幅方向におけるエッジ側の領域と、前記加熱コイル及び前記コアとの電磁結合度を調整する遮蔽板であって、比透磁率が1の導体により形成された遮蔽板とを有し、前記遮蔽板には、凹部が形成されており、前記凹部の縁に沿って流れる渦電流と、前記導体板の幅方向におけるエッジ側の領域に流れる渦電流との間に生じる反発力により、当該エッジ側の領域に流れる渦電流を、当該導体板の内側に移動させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、導体板の幅方向におけるエッジ側の領域と、加熱コイル及びコアとの電磁結合度を調整する遮蔽板に凹部を形成する。そして、遮蔽板に形成された凹部の縁に沿って流れる渦電流と、導体板の幅方向におけるエッジ側の領域に流れる渦電流との間に生じる反発力により、当該エッジ側の領域に流れる渦電流を、当該導体板の内側に移動させるようにした。したがって、導体板のエッジ付近の温度が落ち込む領域における電流密度を大きくすることが可能になる。よって、磁性材料を用いなくても導体板のエッジ付近の温度の落ち込みを抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態では、トランスバース方式の誘導加熱装置を、鋼板の連続焼鈍ラインに適用した場合を例に挙げて説明する。尚、以下の説明では、トランスバース方式の誘導加熱装置を、必要に応じて誘導加熱装置と略称する。
図1は、鋼板の連続焼鈍ラインの概略構成の一例を示す図である。
図1において、連続焼鈍ライン1は、第1の容器11と、第2の容器12と、第3の容器13と、第1のシールローラ組立体14と、移送器15と、第2のシールローラ組立体16と、気体供給装置17と、交流電源装置18と、ローラ19a〜19uと、誘導加熱装置20とを有している。
第1のシールローラ組立体14は、第1の容器11と外気とを遮蔽しながら帯状鋼鈑10を第1の容器11内に搬送するものである。この第1のシールローラ組立体14により第1の容器11内に搬送された帯状鋼鈑10は、第1の容器11内のローラ19a、19bによって第2の容器12内に搬送される。第2の容器12内に搬送された帯状鋼鈑10は、第2の容器12の水平部分の上下に配置された誘導加熱装置20によって加熱されながら、ローラ19g、19hによって第1の容器11内に再び搬送される。ここで、誘導加熱装置20は、交流電源装置18に電気的に接続されており、この交流電源装置18から交流電力を受けることにより、帯状鋼鈑10の板面に対して略垂直に交差する交番磁界を発生し、帯状鋼鈑10を誘導加熱する。このように本実施形態では、誘導加熱装置20と、交流電源装置18とを用いることによってトランスバース方式の誘導加熱システムが構成される。尚、誘導加熱装置20の構成の詳細については後述する。また、以下の説明では、「電気的に接続」を必要に応じて「接続」と略称する。
第1の容器11内に戻った帯状鋼鈑10は、ローラ19c〜19fによって、均熱・緩冷ステージを通って移送器15に搬送される。移送器15に搬送された帯状鋼鈑10は、ローラ19i、19jによって、第3の容器13に搬送される。第3の容器13に搬送された帯状鋼鈑10は、ローラ19k〜19uによって上下に蛇行し、第3の容器13内で急冷される。
第2のシールローラ組立体16は、このようにして急冷された帯状鋼鈑10を、第3の容器13と外気とを遮断しながら後工程に送り出す。
以上のような"帯状鋼鈑10の搬送経路"となる"第1の容器11、第2の容器12、第3の容器13、及び移送器15"には、気体供給装置17によって非酸化性の気体が供給されている。そして、外部と内部とを遮断する"第1のシールローラ組立体14及び第2のシールローラ組立体16"によって、第1の容器11、第2の容器12、第3の容器13、及び移送器15は、非酸化性の気体雰囲気が保たれた状態となる。
図2は、誘導加熱装置の構成の一例を示す図である。
具体的に図2(a)は、本実施形態の誘導加熱装置20の一例を示す図であって、帯状鋼板10の長手方向に沿って(図1の上下方向から)切った縦断面図である。図2(a)では、図に向かって右から左の方向に帯状鋼鈑10が搬送されているものとする(図2(a)の右から左に向いている矢印を参照)。また、図2(b)は、本実施形態の誘導加熱装置20の一例を示す図であって、図1のA−A´方向から見た断面図である。図2(a)では、図の手前から奥の方向に帯状鋼鈑10が搬送されている。尚、図2(a)、図2(b)では、寸法[mm]も併せて示している。また、図2(c)は、本実施形態の誘導加熱装置20の一例を示す図であって、誘導加熱装置20の一部を示す斜視図である。図2(c)では、図2(b)に示した右下の領域を、帯状鋼鈑10の上方から俯瞰した様子を示している。
図2において、誘導加熱装置20は、上側誘導器21と、下側誘導器22とを有している。
上側誘導器21は、コア23と、上側加熱コイル24と、遮蔽板31a、31cとを有している。
上側加熱コイル24は、コア21のスロット(ここではコア23の凹み部)を通してコア23に巻き回されたコイルであり、巻数が「1」のコイル(いわゆるシングルターン)である。また、図2(a)に示すように、上側加熱コイル24は、その縦断面の形状が口の字状の部分を有する。この口の字状の部分の中空部分の端面には、水冷パイプが接続されている。この水冷パイプから供給される冷却水が当該口の字状の部分の中空部分に流れ、上側誘導器21が冷却される。また、コア23の底面には、遮蔽板31a、31cが取り付けられている。
下側誘導器22も、上側誘導器21と同様に、コア27と、下側加熱コイル28と、遮蔽板31b、31dとを有している。
下側加熱コイル28も、上側加熱コイル24と同様に、コア27のスロットを通してコア27に巻き回され、巻数が「1」のコイル(いわゆるシングルターン)となっている。更に、下側加熱コイル28は、上側加熱コイル24と同様に、その縦断面の形状が口の字状の部分を有している。そして、この口の字状の部分の中空部分の端面には水冷パイプが接続され、当該口の字状の部分の中空部分に冷却水が流れるようになっている。
そして、上側誘導器21の上側加熱コイル24のコイル面(ループが形成されている面)と、下側誘導器22の下側加熱コイル28のコイル面とが、帯状鋼鈑10を介して対向すると共に、遮蔽板31a〜31dの板面が、帯状鋼鈑10の側端(エッジ)と対向するように、上側誘導器21は、帯状鋼鈑10よりも上側(第2の容器12の水平部分の上面付近)に設けられ、下側誘導器22は、帯状鋼鈑10よりも下側(第2の容器12の水平部分の下面付近)に設けられている。
以上のように、上側誘導器21と、下側誘導器22は、配置する位置が異なるだけであり、同じ構成を有する。
図2に示す本実施形態の誘導加熱装置20では、上側加熱コイル24と下側加熱コイル28との間隔と、上側加熱コイル24の加熱コイル幅と、下側加熱コイル28の加熱コイル幅とを同じ(250[mm])にしている。
ここで、加熱コイル幅とは、スロット内にある上側加熱コイル24(下側加熱コイル28)の幅方向における長さをいう。図2(a)に示す例では、加熱コイル幅は、後述する図3に示す各銅パイプ31a〜31dの幅方向の長さになり、スロットの幅と略同じ値になる。
尚、以下の説明では、上側加熱コイル24の加熱コイル幅や、下側加熱コイル28の加熱コイル幅を、必要に応じて単に加熱コイル幅と称し、上側加熱コイル24と下側加熱コイル28との間隔を、必要に応じてギャップと称する。
図3は、上側加熱コイル24と、下側加熱コイル28の構成の一例を示す図である。尚、図3に示す矢印は、電流の流れる方向の一例を示している。
図3に示すように、上側加熱コイル24は、銅パイプ41a、41bと、銅パイプ41a、41bの基端側に接続されている銅ブスバー(結線板)42bとを有する。また、下側加熱コイル28は、銅パイプ41c、41dと、銅パイプ41c、41dの基端側に接続されている銅ブスバー42fとを有する。
上側加熱コイル24の一端(銅パイプ41aの先端側)は、銅ブスバー42aを介して交流電源装置18の一方の出力端と相互に接続されている。一方、上側加熱コイル24の他端(銅パイプ41bの先端側)は、銅ブスバー42c〜42eを介して下側加熱コイル28の一端(銅パイプ41cの先端側)と相互に接続されている。また、下側加熱コイル28の他端(銅パイプ41dの先端側)は、銅ブスバー42i、42h、42gを介して交流電源装置18の他方の出力端と相互に接続されている。
以上のように、上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28は、銅パイプ41a〜41dと、銅ブスバー42a〜42iとを組み合わせることによって、交流電源装置18に対して直列に接続され、夫々巻数が「1」のコイルを形成している。
尚、ここでは、上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28の構成を分かり易く示すために、図3に示すようにして、銅パイプ41a〜41dと、銅ブスバー42a〜42gとを接続するようにしている。しかしながら、上側加熱コイル24、下側加熱コイル28をコア23、27に巻き回す際には、銅パイプ41a〜41dを、コア23、27のスロットに通す(取り付ける)必要がある。したがって、実際には、銅ブスバー42は、コア23、27に取り付けられる部分を避けて銅パイプ41a〜41dに取り付けられることになる。
図4は、遮蔽板31の構成の一例を示す図である。
具体的に図4(a)は、遮蔽板31をその上方から俯瞰した斜視図である。また、図4(b)は、図2(c)に示した遮蔽板31dの領域を帯状鋼鈑10の真上から俯瞰した図である。尚、図4(b)では、帯状鋼鈑10と遮蔽板31dとの位置関係を説明するのに必要な部分のみを示している。また、図4(c)は、遮蔽板31a、31bと帯状鋼鈑10との間で生じる磁界の様子の概略の一例を示す図である。
図4(a)に示すように、遮蔽板31は、主遮蔽板50aと、背面板50bとを有している。
主遮蔽板50aと背面板50bは、幅と長さが同じ銅板である。ただし、背面板50bは、縦断面及び横断面が一様な板であるのに対し、主遮蔽板50aは、その長手方向に菱形の孔が2つ形成されている。遮蔽板31は、このような主遮蔽板50aと背面板50bとを密着させることにより形成され、長手方向に菱形の凹部(非貫通穴)51、52を2つ有するものとなる。尚、図4(a)では、凹部51、52を配置する位置に関する寸法[mm]も併せて示している。
このような遮蔽板31は、図4(b)、(c)に示すように、凹部51、52を有する面が帯状鋼鈑10の方を向くようにしてコア23の底面とコア27の上面に取り付けられる。
本実施形態では、図4(b)に示すように、帯状鋼鈑10のエッジ10a付近で、遮蔽板31の凹部51、52と帯状鋼鈑10の板面とが対向するようにしている。すなわち、誘導加熱装置20を動作させることによって帯状鋼鈑10に流れる渦電流が最大となる領域である最大電流通過領域56と、帯状鋼鈑10のエッジ10aとの間の領域を含み、且つ最大電流通過領域56よりも当該エッジ10a側の領域と、遮蔽板31の凹部51、52とが相互に対向するようにしている。
特に、本実施形態では、遮蔽板31の凹部51、52の内側の縁51a、52aが、最大電流通過領域56よりもエッジ10a側になるようにすると共に、凹部51、52の外側の縁51b、52bが、帯状鋼鈑10のエッジ10a近傍に流れる渦電流の通過領域であるエッジ電流通過領域57よりもエッジ10a側になるようにしている。
本実施形態では、以上のように配置した遮蔽板31によって、帯状鋼鈑10のエッジ10a付近の温度の落ち込みを抑制するようにしている。以下に、遮蔽板31によって帯状鋼鈑10のエッジ10a付近の温度の落ち込みを抑制するメカニズムを説明する。
図4(c)に示すように、誘導加熱装置20を動作させることによって主磁場58a〜58cが発生し、帯状鋼鈑10のエッジ側に渦電流60a〜60eが流れる。そして、この渦電流60a〜60eにより磁場59iが発生する。また、図4(a)〜図4(c)に示すように、遮蔽板31には、渦電流53〜55が流れる。渦電流53は、遮蔽板31(主遮蔽板50a)の四辺の縁の部分に沿って流れる渦電流である。一方、渦電流54、55は、遮蔽板31の凹部51、52の縁の部分に沿って流れる電流である。このように遮蔽板31では、遮蔽板31の四辺の縁の部分と、遮蔽板31の凹部51、52の縁の部分に渦電流51〜53が集中して流れる。そして、このような渦電流53〜55により磁場59a〜59hが発生する。
そうすると、図4(c)に示すように、遮蔽板31に流れる渦電流54、55と、帯状鋼鈑10に流れる渦電流60との間に反発力が生じ、帯状鋼鈑10のエッジ部分に流れている渦電流60が帯状鋼鈑10の内側(図4(c)の帯状鋼鈑10の下に示す矢印の方向)に押され、従来では温度が落ち込んでいた領域の電流密度が増大する。これにより、帯状鋼鈑10のエッジ付近(エッジよりも少し内側の領域)の温度の落ち込みを抑制することができ、遮蔽板31は、帯状鋼鈑10の幅方向におけるエッジ側の領域と、加熱コイル24、28との電磁結合度を調整することができる。ここで、遮蔽板31は銅製であり、高温であっても必要な特性が維持される。したがって、高温下に晒されても、帯状鋼鈑10のエッジ付近の温度の落ち込みを抑制することができる。
図5は、本実施形態の遮蔽板31との比較例となる遮蔽板61の構成の一例を示す図である。
具体的に図5(a)は、遮蔽板61をその上方から俯瞰した斜視図であり、図4(a)に対応する図である。また、図5(b)は、遮蔽板61を帯状鋼鈑10の上方から俯瞰した斜視図であり、図2(c)に対応する図である。また、図5(c)は、遮蔽板61a、61bと帯状鋼鈑10との間で生じる磁界の様子の概略の一例を示す図であり、図4(c)に対応する図である。
図5(a)に示すように、遮蔽板61は、図4(a)に示した背面板50bと同じものである。すなわち、遮蔽板61は、縦断面及び横断面が一様な銅板である。この遮蔽板61は、遮蔽板31と同じ位置に配置される(図2を参照)。すなわち、遮蔽板61は、その板面が帯状鋼鈑10のエッジと対向するように、コア23の底面とコア27の上面に取り付けられる(図5(b)では、遮蔽板61がコア27の上面に取り付けられている様子のみを示している)。
このような遮蔽板31を図2、図4に示した遮蔽板61の代わりに取り付けた誘導加熱装置を動作させると、図5(c)に示すように主磁場63a〜63bが発生し、帯状鋼鈑10に渦電流65a〜65eが流れる。そして、この渦電流65a〜65eにより磁場64eが発生する。また、図5(a)、図5(c)に示すように、遮蔽板61には、その四辺の縁の部分に沿うようにして渦電流62が流れ、この渦電流62によって磁場64a〜64dが発生する。
以上のように遮蔽板61には凹部が存在しなので、遮蔽板61には図4(a)、図4(c)に示したような渦電流53、54は流れず、遮蔽板61の四辺の縁の部分に渦電流62が集中して流れる。
したがって、帯状鋼鈑10のエッジ近傍に流れている渦電流65は、帯状鋼鈑10の内側に向かう力を受けず、温度が落ち込む領域(帯状鋼鈑10のエッジよりも少し内側の領域)の電流密度は増大しない。よって、帯状鋼鈑10のエッジ付近の温度の落ち込みを抑制することができない。
以上のように本願発明者らは、銅製の遮蔽板31に凹部51、52を形成し、この凹部51、52が帯状鋼鈑10のエッジ付近と対向するように遮蔽板31を配置するようにすることによって、帯状鋼鈑10のエッジ付近の温度の落ち込みを抑制することができることを見出した。
また、本願発明者らは、各種の実験を行って、板幅方向における温度の分布が、誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数や、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚や、ギャップを変えることによってどのように変化するかを調査した。その結果、本願発明者らは、帯状鋼鈑10の温度分布(特にエッジ付近の温度)は、誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数と、加熱対象の帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚と、ギャップの影響を受けることを見出した。
以下に、このような現象が生じる理由について説明する。
まず、帯状鋼鈑10の温度がキュリー温度以上である場合について説明する。
帯状鋼鈑10がキュリー温度以上であると、誘導加熱装置20から発生した主磁場は帯状鋼鈑10を貫通し、帯状鋼鈑10内の渦電流が多くなる。この渦電流は主磁場と反発して帯状鋼鈑10のエッジ付近に片寄り易くなる。このため、帯状鋼鈑10のエッジ付近に高温の領域が生じ易くなる。
ここで、帯状鋼鈑10内の渦電流は、帯状鋼鈑10の断面積と比例関係にあるので、帯状鋼鈑10の板厚が厚い場合には、帯状鋼鈑10の断面積が大きくなり、帯状鋼鈑10内の渦電流が多くなる。
また、帯状鋼鈑10の渦電流は、帯状鋼鈑10の抵抗率と反比例の関係にあるので、帯状鋼鈑10の抵抗率が小さい場合には、帯状鋼鈑10内の渦電流が多くなる。
また、誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数は、誘導加熱装置20から発生した主磁場によって帯状鋼鈑10内に発生する誘導起電力と比例関係にある。帯状鋼鈑10の渦電流は、この誘導起電力と比例関係にあるので、誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数が高い場合には、帯状鋼鈑10内の渦電流が多くなる。
また、ギャップが小さい場合には、誘導加熱装置20から発生した主磁場が大きくなり、この主磁場によって帯状鋼鈑10内に発生する誘導起電力が大きくなるので、帯状鋼鈑10内の渦電流が多くなる。
次に、帯状鋼鈑10の温度がキュリー温度未満である場合について説明する。
帯状鋼鈑10の温度がキュリー温度未満である場合には、帯状鋼鈑10の比透磁率が大きくなるため、誘導加熱装置20から発生した主磁場は、帯状鋼鈑10を貫通しにくくなり、帯状鋼鈑10のエッジ部分を迂回する。これにより、帯状鋼鈑10のエッジ付近に、渦電流の電流密度が大きい領域が存在し、帯状鋼鈑10のエッジ付近に高温の領域が生じることになる。
以上のように、帯状鋼鈑10の温度に影響を与える因子(誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数、加熱対象の帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚、ギャップ)は互いに独立した因子である。これらの因子のうち、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚と、ギャップは、操業条件(加熱対象となる材料・設備のハードウェア的な制約)によって決定される。そこで、本実施形態では、これらの因子のうち、オンラインで制御することができる"誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数"を変更することにより、帯状鋼鈑10の温度を調整するようにしている。
図6は、交流電源装置18の機能的な構成の一例を示す図である。図6に示す各ブロックは、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータと、コンピュータからの指令に基づいて動作する交流電源と、コンピュータと交流電源との接続等を行うインターフェースとを用いることにより実現される。
図6において、交流電源装置18は、加熱対象情報取得部18aと、周波数選択部18bと、周波数設定テーブル18cと、交流電力出力部18dとを有している。
加熱対象情報取得部18aは、加熱対象となる帯状鋼鈑10の属性情報を取得する。例えば、加熱対象情報取得部18aは、外部のコンピュータから属性情報を取得(受信)したり、交流電源装置18が備えるユーザインターフェースに対してユーザが操作した内容に基づいて属性情報を取得(入力)したりすることができる。ここで、帯状鋼鈑10の属性情報とは、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚を特定することができる情報である。例えば、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚そのものを属性情報としたり、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚が仕様により定まっている場合には、その仕様を有する帯状鋼鈑10の名称(商品名等)を属性情報としたりすることができる。
周波数選択部18bは、加熱対象情報取得部18aにより取得された属性情報をキーとして、周波数設定テーブル18cに登録されている周波数を1つ選択する。周波数設定テーブル18cには、属性情報と周波数とが相互に関連付けられて登録されている。
交流電源出力部18dは、周波数選択部18bで選択された周波数の交流電力を誘導加熱装置20に出力する。
図7は、誘導加熱装置により加熱された導体板の板幅方向における温度分布の一例を示す図である。
具体的に図7(a)は、図2、図4に示した遮蔽板31を用いた誘導加熱装置(本実施形態の誘導加熱装置20)についてのグラフである。一方、図7(b)は、図5に示した遮蔽板61を用いた誘導加熱装置についてのグラフである。また、図7に示すグラフの横軸は、導体板の板幅方向における位置を示すものであり、横軸の0の位置が導体板のエッジに対応し、250が導体板の中央に対応する。一方、縦軸は、加熱による導体板の温度上昇分を示す。ここで、図7に示すグラフは、以下の条件で実験を行った結果に基づくものである。
加熱コイル幅 ;250[mm]
コア ;フェライトコア
加熱材料 ;SUS板(幅500[mm]、厚み0.3[mm])
通板速度 ;8[mpm]
加熱温度 ;30〜130[℃](中央昇温量を100[℃])
電源周波数 ;29[kHz]、21[kHz]、10[kHz]
遮蔽板の材質 ;銅
図7(a)に示すように、図2、図4に示した遮蔽板31を用いた誘導加熱装置では、周波数を29[kHz]→21[kHz]→10[kHz]に変更すると、エッジの温度が下がり、エッジ付近における温度の落ち込みが抑制される(板幅方向における温度分布が均一になる)ことが分かる。
一方、図7(b)に示すように、図5に示した遮蔽板61を用いた誘導加熱装置では、周波数を29[kHz]→21[kHz]→10[kHz]に変更すると、エッジの温度は下がるが、それに伴いエッジ付近における温度の落ち込みも大きくなることが分かる。
尚、遮蔽板を設けない場合には、エッジ付近の温度の落ち込みは発生しないが、エッジにおける昇温量は500[℃]程度になり過加熱になる。
以上のように本実施形態では、銅製の遮蔽板31に凹部51、52を形成し、この凹部51、52が帯状鋼鈑10のエッジ付近と対向するように遮蔽板31を、上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28と帯状鋼鈑10との間に配置する。これにより、高温に晒されてもエッジ付近における温度の落ち込みを抑制することができる。そして、帯状鋼鈑10の透磁率・抵抗率・板厚を特定することができる属性情報に応じた周波数の交流電力を上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28に供給する。これにより、帯状鋼鈑10の温度分布を調整(均一化)することができる。
以上により、帯状鋼鈑10を、帯状鋼鈑10のキュリー温度以上の温度で可及的に均一に加熱することができる。ガス加熱は加熱効率が良くないので、ガス加熱を行う場合よりも電気加熱を行った場合の方が、帯状鋼鈑10を目標温度にするための加熱長を短くすることができる。したがって、電気加熱を行うことによって炉長の短い焼鈍炉を形成することができ、焼鈍炉の建設コストの削減や、焼鈍炉のランニングコスト(電気料金やメンテナンス費用等)の削減等を図ることができる。例えば、電気加熱とガス加熱とを併用した焼鈍炉に、本実施形態の誘導加熱装置を適用すれば、ガス加熱を行う工程を電気加熱を行うことによって短くすることができ、焼鈍炉の炉長を短くすることができる。また、電気加熱を行うことにより、加熱スケジュールを柔軟に決定(変更)することができる。
尚、本実施形態では、遮蔽板31を銅製のものとしたが、遮蔽板31は銅製のものに限定されない。すなわち、比透磁率が1の導電体(例えば金属)であれば、どのような材料で遮蔽板31を形成してもよい。例えば、アルミニウムで遮蔽板31を形成することができる。
また、本実施形態では、帯状鋼鈑10と遮蔽板31との位置関係を、図4(b)に示した場合を例に挙げて説明したが、帯状鋼鈑10と遮蔽板31との位置関係は、図4(b)に示したものに限定されない。例えば、図8に示す位置関係にしてもよい。
図8は、帯状鋼鈑10と遮蔽板との位置関係の他の例を示す図である。図8は、図4(b)に対応する部分の図である。
図8において、遮蔽板81、82は、図2、図4に示した遮蔽板31と、菱形の凹部の配置位置と大きさとが異なるだけである。
図8(a)に示すように、遮蔽板81の凹部83、84のうち、帯状鋼鈑10と対向している部分の面積(菱形の破線部)が、帯状鋼鈑10と対向していない部分(菱形の実線部)の面積よりも小さくなっていてもよい。
また、図8(b)に示すように、遮蔽板81の凹部85、86が帯状鋼鈑10のエッジと対向していなくてもよい。
すなわち、最大電流通過領域56よりも当該エッジ10a側の領域で、遮蔽板の凹部と帯状鋼鈑10とが対向するようにしていれば、帯状鋼鈑10と遮蔽板との位置関係は、特に限定されるものではない。ただし、遮蔽板に流れる渦電流と、帯状鋼鈑10に流れる渦電流との間に反発力を確実に生じさせるため、図4(b)、図8に示すように、最大電流通過領域56と帯状鋼鈑10のエッジ10aとの間の領域と、遮蔽板の凹部の少なくとも一部とが対向するようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、遮蔽板に2つの凹部を形成した場合を例に挙げて説明したが、遮蔽板に形成される凹部の数は幾つであってもよい。
また、本実施形態では、凹部51、52の形状を菱形にした場合を例に挙げて示したが、凹部51、52の縁の部分に沿って帯状鋼鈑10に渦電流を流すことができる形状であれば、凹部51、52の形状は、どのような形状であってもよい。凹部51、52の形状を、例えば、楕円、菱形以外の四角形、その他の角形にすることができる。このとき、帯状鋼鈑10の長手方向における長さが、帯状鋼鈑10の幅方向における長さよりも長い凹部を形成すると、凹部の縁の部分に沿って帯状鋼鈑10の長手方向に容易に渦電流を流すことができるので好ましい。また、図9に示すように、遮蔽板の凹部の形状は閉じた図形でなくてもよい。尚、図9に示す矢印は、遮蔽板91に流れる渦電流の一例を示す。
また、通板速度(帯状鋼鈑10の搬送速度)が変化すると、帯状鋼鈑10に速度起電力が発生し、これにより帯状鋼鈑10の温度が変化する。そこで、帯状鋼鈑10の属性情報に加えて、帯状鋼鈑10の搬送速度を特定することができる帯状鋼鈑10の操業情報も加味して、誘導加熱装置20に供給する交流電力の周波数を選択するようにしてもよい。このようにした場合には、例えば、帯状鋼鈑10の属性情報・搬送情報と、周波数とを相互に関連付けて周波数設定テーブル18cに登録することになる。
また、本実施形態では、加熱コイル幅とギャップとを同じにした場合を例に挙げて説明したが、加熱コイル幅とギャップの大きさは、特に限定されるものではない。ただし、加熱コイル幅をギャップ以上にする(又は加熱コイル幅をギャップよりも大きくする)のが好ましい。誘導加熱装置20から発生する主磁場を漏れ磁場よりも多くすることができ、誘導加熱装置20の加熱効率を良好にできるからである。尚、加熱コイル幅の上限値は、誘導加熱装置20を配置するスペースや、誘導加熱装置20に要求される重量やコスト等によって適宜決定することができる。
また、本実施形態では、上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28を、銅を用いて形成するようにしたが、銅以外の導体(金属)を用いて上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、加熱コイル幅の方向と、帯状鋼鈑10の長手方向(搬送方向)とが並行になるように、上側加熱コイル24及び下側加熱コイル28を配置した場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようにする必要はない。
また、誘導加熱装置20の配置箇所は、図1に示したものに限定されない。すなわち、導体板をトランスバース方式で誘導加熱するようにしていれば、誘導加熱装置20をどのように配置してもよい。例えば、第2の容器12内に誘導加熱装置20を配置してもよい。また、連続焼鈍ライン以外に誘導加熱装置20を適用してもよい。
また、図2(a)に示したコア23、27の寸法は、コア23、27が磁気飽和しない範囲で適宜決定することができる。ここで、コア23、27が磁気飽和するかどうかは、加熱コイル24、28に流れる電流に基づく磁界強度[A/m]から検証することができる。
また、本実施形態では、上側誘導器21と下側誘導器22とを設ける場合を例に挙げて示したが、上側誘導器21と下側誘導器22との何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態を示し、鋼板の連続焼鈍ラインの概略構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、誘導加熱装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、上側加熱コイルと、下側加熱コイルの構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、遮蔽板の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、本実施形態の遮蔽板との比較例となる遮蔽板の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、交流電源装置の機能的な構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、誘導加熱装置により加熱された導体板の板幅方向における温度分布の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、帯状鋼鈑と遮蔽板との位置関係の他の例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、遮蔽板の構成の他の例を示す図である。
符号の説明
10 帯状鋼鈑
18 交流電源装置
20 誘導加熱装置
21 上側誘導器
22 下側誘導器
23、27 コア
24 上側加熱コイル
28 下側加熱コイル
31、81、82 遮蔽板
51、52、83〜86 凹部

Claims (4)

  1. 加熱対象の導体板に交番磁界を垂直に交差させて当該導体板を誘導加熱するトランスバース方式の誘導加熱システムであって、
    前記導体板の板面とコイル面とが対向するように配置された加熱コイルと、
    前記加熱コイルが巻き回されたコアと、
    前記導体板の幅方向におけるエッジ側の領域と、前記加熱コイルとの電磁結合度を調整する遮蔽板であって、比透磁率が1の導体により形成された遮蔽板とを備えた誘導加熱装置を有し、
    前記遮蔽板には、凹部が形成されており、
    前記凹部の縁に沿って流れる渦電流と、前記導体板の幅方向におけるエッジ側の領域に流れる渦電流との間に生じる反発力により、当該エッジ側の領域に流れる渦電流を、当該導体板の内側に移動させるようにしたことを特徴とするトランスバース方式の誘導加熱システム。
  2. 前記導体板に流れる渦電流が最大となる領域よりも、当該導体板の幅方向におけるエッジ側で、前記凹部と前記導体板とが相互に対向するように前記遮蔽板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトランスバース方式の誘導加熱システム。
  3. 前記凹部の少なくとも一部が、前記導体板に流れる渦電流が最大となる領域と、当該導体板の幅方向におけるエッジとの間の領域と対向するように前記遮蔽板が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のトランスバース方式の誘導加熱システム。
  4. 前記導体板の透磁率、抵抗率、及び板厚に応じた周波数の交流電力を前記加熱コイルに供給する交流電源装置を更に有し、
    前記周波数の交流電力を前記加熱コイルに供給することによって、前記導体板の幅方向における温度分布を調整することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のトランスバース方式の誘導加熱システム。
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