JP2010044621A - 無効電力補償装置の地絡検出装置 - Google Patents

無効電力補償装置の地絡検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】無効電力補償装置の地絡を検出する。
【解決手段】サイリスタ制御変圧器方式の無効電力補償装置における変圧器10の各相独立した二次巻線の両端子間に接続された、サイリスタ14a〜14cが介挿された単相回路20の各相における対地電圧を測定する複数の電圧測定器17と、無効電力の補償過程における前記サイリスタの点弧制御に起因して各単相回路の各相に現れる特殊な電圧波形を有する各電圧測定器で測定された各対地電圧のピーク電圧値に対して所定の比較演算処理を実施することにより各単相回路の各相に地絡が発性したことを検出する地絡検出部18とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、交流電力系統を通流する交流電力の無効電力をサイリスタ制御リアクトル(Thyristor Controlled Reactor )を用いて補償する無効電力補償装置に係わり、特に、無効電力補償装置自体の配線等の構成部材の地絡を検出する無効電力補償装置の地絡検出装置に関する。
一般に、交流電力系統を通流する交流電力の電圧波形に対する電流波形の位相差に起因する無効電力を補償するための無効電力補償装置として、種々の方式が実用化されているが、図12にサイリスタ制御リアクトル法を採用した無効電力補償装置を示す。
U、V、Wの3相からなる三相交流電力系1aに対してΔ結線されたサイリスタ制御リアクトル2が接続されている。このサイリスタ制御リアクトル2においては、図示するように、一対のコイル3a、3bの中間に互いに逆極性に並列接続された一対のサイリスタ4が介挿された3つの直列回路がΔ結線されている。
また、三相交流電力系1bの各相の電圧をPT(電圧検出器)5で測定してサイリスタ制御部7に送出する。又、三相交流電力系1bの各相の電流をCT(電流検出器)6で測定してサイリスタ制御部7に送出する。サイリスタ制御部7は検出された各相の電圧値と電流値とから必要とする無効電力を実現するためのサイリスタ4の点弧角を算出して、サイリスタ4を通電制御して無効電力を調整する。
また、三相交流電力系1aに零相電圧計8を設けて、得られた零相電圧が許容値を超えると、U、V、Wの3相のいずれか1相が地絡したと判定できる。
さらに、特許文献1においては、コイルとコンデンサとサイリスタが組込まれた静止形無効電力補償装置が提唱されている。
また、図13は、サイリスタ制御リアクトルを採用した他の無効電力補償装置の概略構成図である。この無効電力補償装置においては、U、V、Wの3相からなる三相交流電力系1bに対して遮断器9を介して、高インピーダンスの三相変圧器10の各一次巻線11a、11b、11cが接続されている。この三相変圧器10の各一次巻線11a、11b、11cに対応する各相独立した二次巻線12a、12b、12cには、それぞれ単相回路13a、13b、13cが接続されている。各単相回路13a、13b、13cの中間位置に、互いに逆極性に並列接続された一対のサイリスタ14a、14b、14cが介挿されている。
単相回路13aにおいてはu相とx相とで構成され、単相回路13bにおいてはv相とy相とで構成され、単相回路13cにおいてはw相とz相とで構成されている。
また、この三相変圧器10においては、各一次巻線11a、11b、11cと各二次巻線12a、12b、12cとの間には、静電シールド15が介挿され、各一次巻線11a、11b、11cに印加された電圧が各二次巻線12a、12b、12cに静電誘導により漏れることが抑制される。
サイリスタ制御部7はPT5、CT6で検出された各相の電圧値と電流値とから必要とする無効電力を実現するための各サイリスタ14a、14b、14cの点弧角を算出して、この点弧角で各サイリスタ14a、14b、14cを通電制御して、無効電力を調整する。
特開平8―149694号公報
しかしながら、図13に示すサイリスタ制御リアクトルを採用した無効電力補償装置においてもまだ改良すべき、次のような課題があった。
すなわち、三相交流電力系1bの各相における地絡発生に起因する事故を抑制するために三相交流電力系1bに、図12に示す零相電圧(電流)検出器8を設けて、検出された零相電圧が許容値を超えると、U、V、Wの3相のいずれか1相が地絡したと判定している。
しかし、近年、上述した三相交流電力系1bの地絡検出以外にも、無効電力補償装置自体の配線等の各構成部材における地絡発生に起因して、当該無効電力補償装置の動作不良、故障が生じることを防止する目的で、無効電力補償装置における地絡を検出することが要求されている。
しかし、図13に示した無効電力補償装置においては、各単相回路の各相の地絡を検出する手法として、従来の3相回路の零相電圧を検出する方法が採用できない問題があった。以下、その理由を図14、図15を用いて説明する。
図14に、図13に示す構成の無効電力補償装置における一つの単相回路13aにおけるu相の接地間の電圧Vuの波形(実線)と、x相の接地間の電圧Vxの波形(点線)とを、無効電力補償装置における動作条件毎に記載する。具体的には、
当該単相回路13aにおけるサイリスタ14aに対する通電制御として、
実施せず…(a)(b)、 点弧角100°…(c)(d) 点弧角150°…(e)(f)
の条件を示している。また、地絡の有無として、
u相、x相共に…地絡無し(a)(c)(e) x相のみ…地絡(b)(d)(f)
の条件を示している。さらに、三相変圧器10に対する課電圧の有無として、
課電圧…あり(a)〜(f) 課電圧…無し(g)(h)
の各条件を示している。
また、図15の(i)(j)(k)(l)は、図14における(a)(c)(e)(g)の各条件下において、三相変圧器10の静電シールド15を除去した条件のu相の接地間の電圧Vuの波形(実線)と、x相の接地間の電圧Vxの波形(点線)とを示す。
このように、各単相回路13a、13b、13cのu、x、v、y、w、zの各相の電圧Vu、Vx、Vv、Vy、Vw、Vzの電圧波形は、高インピーダンスの三相変圧器10が課電されていない状態もしくは受電中、サイリス14a、14b、14cが停止中もしくは運転中、さらに運転中には点弧角(100°、150°等)によっても異なる電圧波形となる。
また、図15に示すように、高インピーダンスの三相変圧器10における静電シールド15の有無によっても、各単相回路13a、13b、13cの各相u〜zの電圧Vu〜Vzの波形も大きく異なる。
このように、無効電力補償装置における各動作状態(動作条件)に応じて、検査対象の各相の電圧の電圧波形が大きく変化する。この波形変化は地絡発生有無の波形変化より大きいので、従来の零相電圧測定手法においては、各相の地絡を検出できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、三相変圧器の各二次巻線に接続された各単相回路の各相の電圧のピーク値に対して種々の比較演算を実施することによって、各単相回路の各相の地絡の発生を検出でき装置全体の信頼性を向上できる無効電力補償装置の地絡検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、交流電力系統の各相間に三相変圧器の各一次巻線を接続してこの三相変圧器の各相独立した二次巻線の両端子間にサイリスタが介挿された単相回路を接続し、このサイリスタの点弧角を制御することによって交流電力系統の無効電力を補償する無効電力補償装置における各単相回路の各相の地絡を検出する無効電力補償装置の地絡検出装置である。
そして、上記課題を解消するために、請求項1の地絡検出装置においては、各単相回路の各相における対地電圧を測定する複数の電圧測定器と、無効電力の補償過程におけるサイリスタの点弧制御に起因して各単相回路の各相に現れる特殊な電圧波形を有する各電圧測定器で測定された各対地電圧のピーク電圧値に対して所定の比較演算処理を実施することにより各単相回路の各相に地絡が発生したことを検出する地絡検出部とを備えている。
このように構成された無効電力補償装置の地絡検出装置においては、各単相回路の各相の周波数で定まる1周期(1波長)分の電圧波形は各条件に応じて大きく変化するが、ピーク電圧値は大きく変化しない。その結果、このピーク電圧値に対して、各種の比較演算処理を実施することにより各単相回路の各相の地絡発生を特定できる。
また、請求項2は、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、各電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた下限値以下で、かつ交流電力系統が課電状態時に、当該電圧測定器が設けられた単相回路の相の地絡検出を出力する。
このように構成された地絡検出装置においては、各相の電圧のピーク電圧値が下限値以下の場合は、該当相は地絡していると判断する。
また、請求項3においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、各電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた下限値以下で、かつ交流電力系統が課電状態時に、当該電圧測定器が設けられた単相回路の相の地絡検出を出力する。
このような構成においては、請求項2における、地絡の判定を電圧波形における正側波形と、負側波形とを区別して地絡の判定処理を実施している。
また、請求項4においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた上限値以上のときに、同一単相回路の他方の相の地絡検出を出力する。
このように構成された地絡検出装置においては、一つの単相回路の2つの相の一方相のピーク電圧値が上限値以上のとき、他方の相は地絡していると判断する。
また、請求項5においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた上限値以上のときに、同一単相回路の他方の相の地絡検出を出力する。
このような構成においては、請求項4における、地絡の判定を電圧波形における正側波形と、負側波形とを区別して地絡の判定処理を実施している。
また、請求項6においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた上限値以上のときで、かつ、同一単相回路の他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた下限値以下のとき、他方の相の地絡検出を出力する。
このように構成された地絡検出装置においては、一つの単相回路の2つの相の一方相のピーク電圧値が上限値以上で、他方の相のピーク電圧値が下限値以下の場合は、この他方の相が地絡していると判断している。
また、請求項7においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた上限値以上のときで、かつ、同一単相回路の他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた下限値以下のとき、他方の相の地絡検出を出力する。
このような構成においては、請求項6における、地絡の判定を電圧波形における正側波形と、負側波形とを区別して地絡の判定処理を実施している。
また、請求項8においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、同一の単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値と他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値との偏差電圧値が予め定められた許容値以上のとき、前記単相回路のいずれか1相の地絡検出を出力する。
このような構成においては、一つの単相回路を構成する二つの相の相互間の電圧偏差が許容値以上になると、いずれか一方が地絡していることになる。
また、請求項9においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における地絡検出部は、同一の単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値と他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間における負側のピーク電圧値の絶対値との偏差電圧値が予め定められた許容値以上のとき、又は、一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における負側のピーク電圧値の絶対値と他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値との偏差電圧値が予め定められた許容値以上のとき、単相回路の他方の相の地絡検出を出力する。
このような構成においては、請求項8における、地絡の判定を電圧波形における正側波形と、負側波形とを区別して地絡の判定処理を実施している。
また、請求項10においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における各電圧測定器は、前記各単相回路の各相と接地間に介挿された単相変圧器の二次巻線の両端子間に接続された負担調整用抵抗の両端子間に接続されている。
このように、負担調整用抵抗を設けることによって、単相変圧器の一次巻線から二次巻線への静電誘導による移行電圧の影響を抑制して、各相の電圧を平均化することにより、各相の地絡検出精度を向上できる。
また、請求項11においては、上記発明の無効電力補償装置の地絡検出装置における各電圧測定器で測定された対地電圧に含まれる高調波成分を除去する複数の高調波除去フィルタを備えている。
このように、高調波除去フィルタでもって、電圧測定器で測定された対地電圧に含まれる、前述した無効電力補償装置の動作条件以外の雑音等の高調波成分が除去されるので、各相の地絡検出精度をより一層向上できる。
本発明においては、無効電力補償装置における各単相回路の各相の電圧の電圧波形が無効電力補償装置における種々の動作条件に応じて大幅に変更になったとしても、各単相回路の各相の地絡を確実に検出でき、無効電力補償装置の信頼性を大幅に向上できる。
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わる地絡検出装置が組込まれた無効電力補償装置の全体構成を示す図である。この実施形態の地絡検出装置は図13に示す無効電力補償装置に組込まれている。したがって、図1に示す無効電力補償装置自体は図13の無効電力補償装置と同一構成である。したがって、重複する部分に詳細説明を省略する。
この第1実施形態装置においては、三相交流電力系1に対して遮断器9を介して、三相変圧器10の各一次巻線11a、11b、11cが接続されている。この三相変圧器10の各一次巻線11a、11b、11cに対応する独立した各二次巻線12a、12b、12cには、それぞれ単相回路13a、13b、13cが接続されている。各単相回路13a、13b、13cの中間位置に互いに逆極性に並列接続された一対のサイリスタ14a、14b、14cが介挿されている。
単相回路13aにおいてはu相とx相とで構成され、単相回路13bにおいてはv相とy相とで構成され、単相回路13cにおいてはw相とz相とで構成されている。
また、この三相変圧器10においては、各一次巻線11a、11b、11cと各二次巻線12a、12b、12cとの間には、静電シールド15が介挿されている。
サイリスタ制御部7はPT(電圧計)5、CT(電流計)6で検出された各相の電圧値と電流値から必要とする無効電力を実現するための各サイリスタ14a、14b、14cの点弧角を算出して、この点弧角で各サイリスタ14a、14b、14cを通電制御して、無効電力を調整する。
したがって、各単相回路13a、13b、13cの各相u、x、v、y、w、zの接地間の電圧、Vu、Vx、Vv、Vy、Vw、Vzの電圧波形は、図14,図15に示すように、無効電力補償装置における種々の動作条件に応じて種々に変更する。
次に、このような構成の無効電力補償装置に組込まれた地絡検出装置を説明する。各単相回路13a、13b、13cの各相u、x、v、y、w、zと接地間には、単相変圧器16が介挿されており、この各単相変圧器16の二次巻線に各u、x、v、y、w、zの接地間の各電圧Vu、Vx、Vv、Vy、Vw、Vzを測定する電圧測定器17が接続されている。各電圧測定器17で測定された6個の各電圧Vu、Vx、Vv、Vy、Vw、Vzは、例えば、地絡検出部18へ送出される。
また、課電圧検出回路19は、PT(電圧計)5で電圧が検出されている場合は、三相変圧器10に電圧が課電されているので、地絡検出部18へハイレベルの課電状態信号aを送出する。さらに、課電圧検出回路19は、PT(電圧計)5で電圧が検出されない場合は、三相変圧器10に電圧が課電されていないので、地絡検出部18へローレベルの非課電状態を送出する。地絡検出部18は、各単相回路13a、13b、13cの各相u〜zに地絡を検出すると、各遮断器9へ遮断指令bを出力して、無効電力補償装置を三相交流電力系1から切離す。
地絡検出部18においては、図2に示すように、各単相回路13a、13b、13cの各相u、x、v、y、w、z毎の合計6個の相地絡検出部20が組込まれている。各相地絡検出部20は同一構成であるので、u相の相地絡検出部20を例にして説明する。
各単相回路13aのu相の電圧測定器17で測定されたu相の時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分とを有する電圧波形の電圧Vuは、高調波除去フィルタ35で高周波の雑音成分が除去されたのち、絶対値算出部21及び1サイクル保持部23でもって、三相交流電力系1の1サイクル分(50Hzの場合0.02秒)に相当する期間における電圧波形の片側振幅を示す絶対値|Vu|が算出される。
そして、この1サイクル分(50Hzの場合0.02秒)の時間をかけて算出されたu相の電圧Vuの絶対値|Vu|は、次のレベル検出部22で、この絶対値|Vu|が予め定められた下限値VK以下であるか否かを判定する。すなわち、測定された電圧Vuの交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた下限値VK以下であるかを判定することを示す。
そして、その判定結果は、状態確認部24で、例えば5秒間継続して同一判定結果が出力されることを確認する。前述した、50Hzの場合は、ピーク電圧値が下限値VK以下であることを250回連続した場合に、ハイレベルのu相の地絡信号を次のアンドゲート25の一方の入力端子に印加する。なお、この状態確認部24は、雑音等にて、ピーク電圧値が下限値VK以下になる電圧波形が生じたとしても、誤って地絡発生を出力することを防止する。
アンドゲート25の他方の入力端子には、課電圧検出回路19から課電状態信号aが印加されている。したがって、このアンドゲート25は、三相変圧器10に対する課電状態を示すハイレベルの課電状態信号aが印加されている条件下において、状態確認部24から入力されたハイレベルのu相の地絡信号cをこのu相の相地絡検出部20から出力する。u相の相地絡検出部20から出力されたハイレベルのu相の地絡信号cはオアゲート26を介して遮断出力部27へ入力する、遮断出力部27は、各遮断器9へ遮断指令bを出力して、無効電力補償装置を三相交流電力系1から切離す。
なお、三相変圧器10に電圧が課電されていない状態においては図14(g)、(h)に示すように、電圧Vuは無条件に0であるので、誤って、ハイレベルのu相の地絡信号cが出力されることが防止される。
このように、u相の相地絡検出部20は、u相の電圧測定器17で測定された電圧Vuの交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値としての絶対値|Vu|が下限値VK以下で、かつ交流電力系統1が課電状態時に、当該電圧測定器17が設けられた単相回路13aのu相の地絡検出信号cを出力し、無効電力補償装置を三相交流電力系1から切離す。
図2の地絡検出部18内に組込まれたu相以外の、x、v、y、w、zの各相地絡検出部20もu相の相地絡検出部20と同様に、自己の相の地絡発生を検出する。
このように構成された第1実施形態の無効電力補償装置の地絡検出装置においては、各単相回路13a、13b、13cの各相の電圧波形は図14に示すように各条件に応じて大きく変化するが、ピーク電圧値としての絶対値|Vu|は大きく変化しない。したがって、各相の電圧のピーク電圧値が下限値VM以下の場合は、該当相は地絡していると判定できるので、各相の地絡を確実に検出できる。
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態に係わる地絡検出装置の地絡検出部18内に組込まれたu相の相地絡検出部20aの概略構成図である。図2に示す第1実施形態のu相の相地絡検出部20と同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
この第2実施形態においては、単相回路13aのu相の電圧測定器17で測定されたu相の時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分とを有する電圧波形の電圧Vuは、高調波除去フィルタ35で高周波の雑音成分が除去されたのち、正負分割部28にて、正側電圧Vupと負側電圧Vunとに分割される。
そして、絶対値算出部21a、1サイクル保持部23a、レベル検出部22aで、正側電圧Vupの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vup|が下限値VK以下であるか否かを判定する。また、絶対値算出部21b、1サイクル保持部23b、レベル検出部22bで、負側電圧Vunの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vun|が下限値VK以下であるか否かを判定する。
そして、正側電圧Vup、負側電圧Vunの各判定結果は、オアゲート29で論理和されて、次のアンドゲート25の一方の入力端子に印加される。このアンドゲート25の他方の入力端子には、課電圧検出回路19から課電状態信号aが印加されている。したがって、このアンドゲート25は、三相変圧器10に対する課電状態を示すハイレベルの課電状態信号aが印加されている条件下において、正側電圧Vupのピーク電圧値又は負側電圧Vunのピーク電圧値が下限値VK以下になると、ハイレベルのu相の地絡信号をこのu相の相地絡検出部20aから出力する。
これ以降の動作は、図2に示した第1実施形態のu相の相地絡検出部20と同じである。したがって、先に説明した第1実施形態の地絡検出装置とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
さらに、この第2実施形態においては、各相の地絡判定を電圧波形における正側波形と、負側波形とを区別して実施しているので、より詳細に地絡要因を解明できる。
(第3実施形態)
図4は本発明の第3実施形態に係わる地絡検出装置が組込まれた無効電力補償装置の全体構成を示す図である。図1に示す第1実施形態と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
この第3実施形態の地絡検出装置においては、図1における課電圧検出回路19は設けられていない。
この第3実施形態の地絡検出装置における地絡検出部18においては、図5に示すように、各単相回路13a、13b、13cの各相u、x、v、y、w、z毎の合計6個の相地絡検出部20bが組込まれている。但し、u相の相地絡検出部20bにはx相の電圧Vxが入力され、x相の相地絡検出部20bにはu相の電圧Vuが入力される。このようのに、各相地絡検出部20bには当該相が所属する単相回路に所属する他方の相の電圧が入力される。u相の相地絡検出部20bを例にして説明する。
の時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分とを有する電圧波形の電圧Vxは、高調波除去フィルタ35で高周波の雑音成分が除去されたのち、絶対値算出部21、1サイクル保持部23で1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vx|が求められる。そして、レベル検出部30でこの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vx|が予め定められた上限値VM以上であるか否かを判定する。その判定結果を状態確認部24で5秒間に亘って継続することを確認する。
すなわち、1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vx|が予め定められた上限値VM以上の場合は、図14(a)、(b)に示すように、同一単相回路13aに所属するu相が地絡していると見なせるので、このu相の地絡状態を5秒間継続することを確認ののち、ハイレベルのu相の地絡信号cをこのu相の相地絡検出部20bから出力する。
これ以降の動作は、図2に示した第1実施形態のu相の相地絡検出部20と同じである。したがって、先に説明した第1実施形態の地絡検出装置とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
同様に、単相回路13aのu相の電圧測定器17で測定されたu相の電圧Vuで同一単相回路13aのx相の地絡を検出することができる。
(第4実施形態)
図6は本発明の第4実施形態に係わる地絡検出装置の地絡検出部18内に組込まれたu相の相地絡検出部20cの概略構成図である。図5に示す第3実施形態のu相の相地絡検出部20bと同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。その他の構成は、第1,3実施形態とほぼ同じである。
この第4実施形態においては、単相回路13aのx相の電圧測定器17で測定されたx相の時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分とを有する電圧波形の電圧Vxは、高調波除去フィルタ35で高周波の雑音成分が除去されたのち、正負分割部28にて、正側電圧Vxpと負側電圧Vxnとに分割される。
そして、絶対値算出部21a、1サイクル保持部23a、レベル検出部30aで、正側電圧Vxpの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vxp|が上限値VM以上のであるかを判定する。
同様に、絶対値算出部30b、1サイクル保持部23b、レベル検出部30bで、負側電圧Vxnの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vxn|が上限値VM以上であるかを判定する。
そして、正側電圧Vxp、負側電圧Vxnの各判定結果は、オアゲート29で論理和されて、次の状態確認部24で例えば5秒等の同一判定結果が継続したことを確認する。
すなわち、x相の電圧Vxの正側電圧Vxp又は負側電圧Vxnのいずれか一方のピーク電圧値としての絶対値|Vxp|、|Vxn|が上限値VM以上となると、他方のu相に地絡が発生したことを示すハイレベルのu相の地絡信号cがこのu相の相地絡検出部20cから出力される。
これ以降の動作は、図2に示した第1実施形態のu相の相地絡検出部20と同じである。したがって、先に説明した第1実施形態の地絡検出装置とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図7は本発明の第5実施形態に係わる地絡検出装置の地絡検出部18の概略構成図である。図5に示す第3実施形態のu相の相地絡検出部20bと同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。その他の構成は、第1、3実施形態とほぼ同じである。
この第5実施形態の地絡検出部18においては、各単相回路13a、13b、13cの各相u、x、v、y、w、z毎の合計6個の相地絡検出部20cが組込まれている。但し、u相の相地絡検出部20cにはx相の電圧Vxとu相の電圧Vuが入力され、x相の相地絡検出部20cにはu相の電圧Vuとx相の電圧Vxとが入力される。このようのに、各相地絡検出部20cには当該相が所属する単相回路に所属する2つの相の各電圧が入力される。u相の相地絡検出部20cを例にして説明する。
単相回路13aのx相の電圧測定器17で測定されたx相の時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分とを有する電圧波形の電圧Vxは、高調波除去フィルタ35で高周波の雑音成分が除去されたのち、絶対値算出部21と1サイクル保持部23とで、1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vx|が求められ、レベル検出部30でこの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vx|が予め定められた上限値VM以上であるかを判定する。
また、単相回路13aのu相の電圧測定器17で測定されたu相の時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分とを有する電圧波形の電圧Vuは、高調波除去フィルタ35で高周波の雑音成分が除去されたのち、絶対値算出部21と1サイクル保持部23で、1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vu|が求められ、レベル検出部22でこの1サイクル分のピーク電圧値としての絶対値|Vu|が予め定められた下限値VK以下であるかを判定する。
x相のピーク電圧値が上限値VM以上であり、補しu相のピーク電圧値が下限値以下である場合に、アンドゲート31が成立して、ハイレベルのu相の地絡信号は状態確認部24へ送出される。この状態確認部24は例えば5秒間、ハイレベルのu相の地絡信号が継続することを確認したのち、このu相の相地絡検出部20cから、ハイレベルのu相の地絡信号cを出力する。
このように、同一単相回路に所属する一方の相のピーク電圧値が低くて、他方の相のピーク電圧が高い場合は、ピーク電圧の低い方の相が地絡していると判断して、地絡を検出している。したがって、上述した各実施形態とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。
(第6実施形態)
図8は本発明の第6実施形態に係わる地絡検出装置の地絡検出部18内に組込まれたu相の相地絡検出部20dの概略構成図である。図7に示す第5実施形態のu相の相地絡検出部20cと同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。その他の構成は、第1、3実施形態とほぼ同じである。
この第6実施形態においては、u相の相地絡検出部20dにおいて、x相の電圧測定器17で測定された時間的に変化する例えば図14に示す正側成分と負側成分を有するx相の電圧Vxは、高調波除去フィルタ35で雑音等の高調波成分が除去されたのち、正負分割部28で、正側電圧Vxpと負側電圧Vxnとに分割して、それぞれ、絶対値算出部21a、21b、1サイクル保持部23a、23bで正側電圧Vxp、負側電圧Vxnの1サイクル分のピーク電圧値|Vxp|、|Vxn|を算出する。そして、レベル検出部30a、30bでもって、ピーク電圧値|Vxp|、|Vxn|が上限値VK以上であるかを判定する。
また、u相の電圧測定器17で測定された時間的に変化する例えば図14に示す相地絡検出部20dにおいて正側成分と負側成分を有するu相の電圧Vuは、高調波除去フィルタ35で雑音等の高調波成分が除去されたのち、正負分割部28で、正側電圧Vupと負側電圧Vunとに分割して、それぞれ、絶対値算出部21a、21b、1サイクル保持部23a、23bで正側電圧Vup、負側電圧Vunの1サイクル分のピーク電圧値|Vup|、|Vun|を算出する。そして、レベル検出部22a、22bでもって、ピーク電圧値|Vup|、|Vun|が下限値VK以下であるか否かを判定する。
そして、x相の正のピーク電圧値|Vxp|が上限値VK以上で、かつ、u相の負のピーク電圧値|Vun|が下限値VK以下の場合(アンドゲート31a)に、u相の地絡をオアゲート29を介して、状態確認部24へ送出する。
また、x相の負のピーク電圧値|Vxn|が上限値VK以上で、かつ、u相の正のピーク電圧値|Vup|が下限値VK以下の場合(アンドゲート31b)においても、u相の地絡をオアゲート29を介して、状態確認部24へ送出する。
状態確認部24は、上述した2条件の各u相の地絡判定が、例えば、5秒間以上継続することを確認すると、このu相地絡検出部20dから、u相の地絡検出信号cを出力する。
このように、同一単相回路に所属する一方の相のピーク電圧値が低くて、他方の相のピーク電圧が高い場合は、ピーク電圧の低い方の相が地絡していると判断して、地絡を検出している。したがって、上述した第5実施形態の地絡検出装置とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。
(第7実施形態)
図9は本発明の第7実施形態に係わる地絡検出装置の地絡検出部18の概略構成図である。その他の構成は第1、3実施形態とほぼ同じである。
この第7実施形態の地絡検出部18内には、単相回路13aのu、x相の相地絡検出部20e、単相回路13bのv、y相の相地絡検出部20e、単相回路13cのw、z相の相地絡検出部20eが設けられている。
単相回路13aのu,x相の相地絡検出部20eにおいて、各電圧測定器17で測定された各電圧Vu、Vxは、それぞれ、個別に、高調波除去フィルタ35で雑音等の高調波成分が除去されたのち、1サイクル保持部23、減算部32で、u相の電圧Vuのピーク電圧|Vu|とx相の電圧Vxのピーク電圧|Vx|との偏差電圧|Vd|を求める。
そして、レベル検出部33で、偏差電圧|Vd|が許容値VD以上の場合は、u相,x相のいずれか一方の相に地絡が生じたと判定する。そして、ハイレベルのu、x相の地絡信号は状態確認部24へ送出される。この状態確認部24は例えば5秒間、ハイレベルのu、x相の地絡信号が継続することを確認したのち、このu、x相の相地絡検出部20eから、ハイレベルのu、x相の地絡信号cを出力する。
このような構成の第7実施形態においては、同一単相回路に所属する一対の相の電圧の偏差が許容値以上になると、いずれか一方の相が地絡していると判断して、地絡を検出している。したがって、上述した各実施形態とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。
(第8実施形態)
図10は本発明の第8実施形態に係わる地絡検出装置の地絡検出部18内に組込まれたu相の相地絡検出部20fの概略構成図である。図9に示す第7実施形態のu、x相の相地絡検出部20eと同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。その他の構成は、第1、3実施形態とほぼ同じである。
この第8実施形態においては、図10のu相の相地絡検出部20fにおいて、x相の電圧Vxを高調波除去フィルタ35で雑音等の高調波成分を除去したのち、正負分割部28で、正側電圧Vxpと負側電圧Vxnとに分割する。また、u相の電圧Vuを高調波除去フィルタ35で雑音等の高調波成分を除去したのち、正負分割部28で、正側電圧Vupと負側電圧Vunとに分割する。
そして、それぞれ、絶対値算出部21a、21b、1サイクル保持部23a、23bでもって、正側電圧Vxp、Vup、負側電圧Vxn、Vunの1サイクル分のピーク電圧値|Vxp|、|Vxn|、|Vup|、|Vun|を求める。
そして、減算部32a、32bにて、それぞれの偏差電圧|Vdp|=|Vxp|―|Vun|、偏差電圧|Vdn|=|Vxn|―|Vup|を求める。
次に、各レベル検出器33a、33bにて、偏差電圧|Vdp|、|Vdn|がそれぞれ、許容値VD以上であるか否かを判断する。
そして、x相の正側のピーク電圧値|Vxp|からu相の負側のピーク電圧|Vun|を差引いた偏差電圧|Vdp|が許容値VD以上である場合、及び、x相の負側のピーク電圧値|Vxn|からu相の正側のピーク電圧|Vup|を差引いた偏差電圧|Vdn|が許容値VD以上である場合(オアゲート29)においては、u相に地絡が生じたと判定する。
そして、ハイレベルのu相の地絡信号は状態確認部24へ送出される。この状態確認部24は例えば5秒間、ハイレベルのu相の地絡信号が継続することを確認したのち、このu相の相地絡検出部20fから、ハイレベルのu相の地絡信号cを出力する。
このような構成の第8実施形態においては、同一単相回路に所属する一対の相の電圧における互いに異なる極性(正、負)間の偏差が許容値以上になると、偏差における値が小さい方の相に地絡が発生したと判定している。したがって、上述した各実施形態とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。
(第9実施形態)
図11は本発明の第9実施形態に係わる地絡検出装置が組込まれた無効電力補償装置の全体構成を示す図である。図1に示す第1実施形態と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
この第10実施形態の地絡検出装置においては、各単相回路13a、13b、13cにおける各相u、x、v、y、w、zと接地間に介挿された単相変圧器16の二次巻線の両端子間にそれぞれ負担調整用抵抗34が接続されている。
このように、負担調整用抵抗34を設けることによって、単相変圧器16の一次巻線から二次巻線への静電誘導による移行電圧の影響を抑制して、各相の電圧を平均化することにより、各相の地絡検出精度を向上できる。
本発明の第1実施形態に係わる地絡検出装置が組込まれた無効電力補償装置の全体構成を示す図 同実施形態の地絡検出装置における地絡検出部の構成を示すブロック図 本発明の第2実施形態に係わる地絡検出装置に組込まれたu相の相地絡検出部 本発明の第3実施形態に係わる地絡検出装置が組込まれた無効電力補償装置の全体構成を示す図 同実施形態の地絡検出装置における地絡検出部の構成を示すブロック図 本発明の第4実施形態に係わる地絡検出装置に組込まれたu相の相地絡検出部の構成を示すブロック図 本発明の第5実施形態に係わる地絡検出装置に組込まれた各相の相地絡検出部の構成を示すブロック図 本発明の第6実施形態に係わる地絡検出装置に組込まれたu相の相地絡検出部の構成を示すブロック図 本発明の第7実施形態に係わる地絡検出装置に組込まれた地絡検出部構成を示すブロック図 本発明の第8実施形態に係わる地絡検出装置に組込まれたu相の相地絡検出部の構成を示すブロック図 本発明の第9実施形態に係わる地絡検出装置が組込まれた無効電力補償装置の全体構成を示す図 一般的な無効電力補償装置の構成図 サイリスタ制御リアクトルを採用した無効電力補償装置の概略構成図 同無効電力補償装置における各単相回路の各相の接地間電圧の波形を示す図 同じく各単相回路の各相の接地間電圧の波形を示す図
符号の説明
1,1a、1b…三相交流電力系、5…PT、6…CT、7…サイリスタ制御部、9…遮断器、10…三相変圧器、13a,13b,13c…単相回路、14a,14b,14c…サイリスタ、15…静電シールド、16…単相変圧器、17…電圧測定器、18…地絡検出部、19…課電圧検出回路、20,20a,20b,20d,20e,20f…相地絡検出部、21,21a,21b…絶対値算出部、22,22a,22b、30,30a、30b,33,33a,33b…レベル検出部、23、23a,23b…1サイクル保持部、24…状態確認部、25,31…アンドゲート、26,29…オアゲート、27…遮断出力部、28…正負分割部、32,32a,32b…減算部、34…負荷調整用抵抗、35…高調波除去フィルタ

Claims (11)

  1. 交流電力系統の各相間に三相変圧器の各一次巻線を接続してこの三相変圧器の各相独立した二次巻線の両端子間にサイリスタが介挿された単相回路を接続し、このサイリスタの点弧角を制御することによって前記交流電力系統の無効電力を補償する無効電力補償装置における前記各単相回路の各相の地絡を検出する無効電力補償装置の地絡検出装置であって、
    前記各単相回路の各相における対地電圧を測定する複数の電圧測定器と、
    前記無効電力の補償過程における前記サイリスタの点弧制御に起因して前記各単相回路の各相に現れる特殊な電圧波形を有する前記各電圧測定器で測定された各対地電圧のピーク電圧値に対して所定の比較演算処理を実施することにより前記各単相回路の各相に地絡が発生したことを検出する地絡検出部と
    を備えたことを特徴とする無効電力補償装置の地絡検出装置。
  2. 前記地絡検出部は、
    前記各電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた下限値以下で、かつ前記交流電力系統が課電状態時に、当該電圧測定器が設けられた単相回路の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項1記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  3. 前記各電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた下限値以下で、かつ前記交流電力系統が課電状態時に、当該電圧測定器が設けられた単相回路の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項2記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  4. 前記地絡検出部は、
    前記各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた上限値以上のときに、同一単相回路の他方の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項1記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  5. 前記各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた上限値以上のときに、同一単相回路の他方の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項4記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  6. 前記地絡検出部は、
    前記各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた上限値以上のときで、かつ、同一単相回路の他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値が予め定められた下限値以下のとき、前記他方の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項1記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  7. 前記各単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた上限値以上のときで、かつ、同一単相回路の他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値又は負側のピーク電圧値の絶対値が予め定められた下限値以下のとき、前記他方の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項6記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  8. 前記地絡検出部は、
    同一の単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値と他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間におけるピーク電圧値との偏差電圧値が予め定められた許容値以上のとき、前記単相回路のいずれか1相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項1記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  9. 前記地絡検出部は、
    同一の単相回路の一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値と他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における負側のピーク電圧値の絶対値との偏差電圧値が予め定められた許容値以上のとき、
    又は、前記一方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における負側のピーク電圧値の絶対値と他方の相の電圧測定器で測定された対地電圧の前記交流電力の1周期の期間における正側のピーク電圧値の絶対値との偏差電圧値が予め定められた許容値以上のとき、
    前記単相回路の他方の相の地絡検出を出力すること
    を特徴とする請求項1記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  10. 前記各電圧測定器は、前記各単相回路の各相と接地間に介挿された単相変圧器の二次巻線の両端子間に接続された負担調整用抵抗の両端子間に接続されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
  11. 前記各電圧測定器で測定された対地電圧に含まれる高調波成分を除去する複数の高調波除去フィルタを備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の無効電力補償装置の地絡検出装置。
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