JP2021004855A - 地絡検出方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリッド内の地絡の有無のみならず、地絡発生区間を高精度に特定することができる地絡検出方法および装置を提供する。【解決手段】上記課題は、直流線路と交流線路とが電力変換器を介して接続されたグリッドの地絡検出方法であって、交流線路上に接地点を設けるステップと、接地点と電力変換器との間にある交流線路上の第1の位置において、第1の零相電流を測定するステップと、接地点に対して第1の位置の反対側にある交流線路上の第2の位置において、第2の零相電流を測定するステップと、第1の零相電流および第2の零相電流の大きさから、直流線路および交流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定するステップとを含む地絡検出方法等により、解決することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、地絡検出方法および装置に関し、特に、交流線路と直流線路が電力変換器を介して接続されたグリッド内の地絡検出方法および装置に関する。
電力自由化や、太陽光発電システムや電気自動車(EV)などの普及に伴い、独自の発電施設を有する大規模工場から、雨天時や災害時に近郊の宅地に電力を送電する地産地消型のグリッドが検討されている。このようなグリッドでは、従来の商用電力網のような交流線路だけではなく、直流線路が含まれる。このようなグリッドで生じる地絡事故を検出するためには、交流線路と直流線路の双方について地絡検出を行うことが必要となる。ところが、非接地系の直流線路の場合、地絡電流の帰路経路が存在しないために、地絡検出が困難であった。この対策として、太陽光発電システムの太陽電池パネルとパワーコンディショナ(PCS)との間の地絡検出技術を応用することが考えられる。このような地絡検出には、受動方式と能動方式の2つの地絡検出が利用されている。
図9は、受動方式の地絡検出回路100の例である。図に示す直流線路は高圧線110と低圧線111を有する。高圧線110には、太陽光発電システムなどで構成された直流電源101の高圧側が、低圧線111には、低圧側がそれぞれ接続されている。高圧線110と低圧線111は、直流電力と交流電力とを変換するPCS104の入力に接続されている。PCS104の出力は交流線路112に接続されている。地絡検出回路100は、直列接続された高抵抗の2つの抵抗器102、103を備える。直列接続された抵抗器102、103は、直流電源101やPCS104と並列に接続されている。すなわち、抵抗器102の一端が高圧線110に、抵抗器103の一端が低圧線111にそれぞれ接続され、抵抗器102の他端と抵抗器103の他端とが、ともに接地された中性点nに接続される。
直流線路に地絡がない場合には、2つの抵抗器102、103には直流電源101からの電流は流れるが、中性点nから接地点への電流Iは、帰路経路が存在しないために流れない。このため、2つの抵抗器102、103の抵抗値が等しい場合には、高圧線110側の抵抗器102の両端子間電圧Vと、低圧線111側の抵抗器103の両端子間電圧Vとは等しくなる。また、高圧線110を流れる電流Iと低圧線111を流れる電流Iも等しくなる。
これに対して、直流線路のf点で地絡が発生すると、図の等価回路で示すように地絡抵抗120を介して低圧線111が接地された状態となる。すると、中性点nから大地への経路が帰路経路となって閉回路が形成され、地絡電流Iが流れる。このため、高圧線110を流れる電流Iと低圧線111を流れる電流Iとは等しくならず、また抵抗器102の両端子間電圧Vと抵抗器103の両端子間電圧Vも等しくならない。
受動方式の地絡検出回路100は、抵抗器102の両端子間電圧Vや抵抗器103の両端子間電圧V、高圧線110を流れる電流Iと低圧線111を流れる電流Iとの電流差(I−I)などを測定して監視することにより、直流線路の地絡を検出する。受動方式の地絡検出回路100は簡単な構成で地絡検出することができるため、部品点数が少なくやコストが抑えられるという利点がある。
図10に、能動方式の地絡検出回路150の例を示す。上述した受動方式の例と同様に、直流線路の高圧線110と低圧線111は、直流電源101とPCS104とを接続する。能動方式の地絡検出回路150では、直列接続された2つのコンデンサ151、152と、信号発生器153とを備える。直列接続されたコンデンサ151、152は、直流電源101やPCS104と並列に接続されている。すなわち、コンデンサ151の一端が高圧線110に、コンデンサ152の一端が低圧線111にそれぞれ接続され、コンデンサ151とコンデンサ152の他端どうしが中間点mで互いに接続される。中間点mは交流信号を発生する信号発生器153を介して接地される。
直流線路に地絡がない場合には、帰路経路が存在しないために、中間点mと接地点との間の電流Iは流れない。これに対して、直流線路のf点で地絡が発生すると、図の等価回路で示すように地絡抵抗120を介して低圧線111が接地された状態となる。すると、中間点mから信号発生器153を介して接地された経路が帰路経路となって閉回路が形成され、地絡電流Iが流れる。
能動方式の地絡検出回路150は、地絡電流Iを測定して監視することにより、直流線路の地絡を検出する。能動方式の地絡検出回路150では、地絡検出に信号発生器153で発生された交流を用いており、直列接続された2つのコンデンサ151、152には直流電源101からの供給される直流が流れないという利点がある。
しかしながら、近年、同一グリッド内に多くの電力変換器が存在し、直流線路が互いに並列接続された複数の分岐線路を有するものが一般的になってきている。このようなグリッドの地絡検出を行う場合、それぞれの分岐線路上に上述した地絡検出回路を適用すると、地絡検出回路の接地点どうしが閉回路を形成してしまう。このため、地絡事故が発生していなくとも地絡検出回路には電流Iが流れ、実際の地絡事故発生を検出することが難しくなるという問題がある。
この対策として、引用文献1に記載されているような、直流線路の高圧線と低圧線とを零相変流器(ZCT)41で監視する地絡検出方法が考えられる。地絡がない場合には、高圧線と低圧線とには逆方向で大きさが等しい電流が流れるため、高圧線を流れる電流によって発生する磁束と低圧線を流れる電流で発生する磁束とが相殺され、ZCT41で検出される磁束は0となる。これに対して、地絡が発生すると、高圧線と低圧線とは異なる電流の大きさの電流が流れるため、ZCT41で検出される磁束は0にはならない。よって、ZCT41で検出される磁束の大きさを監視することによって、地絡を検出することができる。
引用文献1に記載の検出回路では接地点が存在しないため、互いに並列接続された複数の分岐線路のそれぞれに地絡検出回路を設けても、地絡検出回路どうしが閉回路を形成することがない。しかしながら、ZCT41よりも電力変換装置2側で発生した地絡を検出できない。
この対策として、引用文献2に記載されたように交流線路側にZCT20を設けたり、引用文献3に記載されたように直流線路と交流線路の両方にZCT41、43P、43Nを設ける地絡検出方法が考えられる。
特開平11−122819号公報 特開平9−84254号公報 特開2011−196729号公報
しかしながら、引用文献1〜3に記載されたいずれの検出方法でも交流線路の地絡を検出することができない。また、分岐線路など複雑な構成を有する最近のグリッドでは、単にグリッド内の地絡の有無を判定するだけでなく、グリッド上のどの区間において地絡が発生しているかを簡便かつ精度よく検出することが必要となる。
このため、地絡が発生した区間を高精度に特定することができる地絡検出方法や地絡検出装置が望まれていた。
上記課題を解決するために、本発明の地絡検出方法は、直流線路と交流線路とが電力変換器を介して接続されたグリッドの地絡検出方法であって、交流線路上に接地点を設けるステップと、接地点と電力変換器との間にある交流線路上の第1の位置において、第1の零相電流を測定するステップと、接地点に対して第1の位置の反対側にある交流線路上の第2の位置において、第2の零相電流を測定するステップと、第1の零相電流および第2の零相電流の大きさから、直流線路および交流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定するステップとを含む。すなわち、交流線路上に接地点を設け、接地点の両側で零相電流を測定することにより、接地点より電力変換器側で測定された零相電流の大きさからは直流線路の地絡が、接地点に対して反対側、すなわち交流負荷や交流電源が接続される端子側で測定された零相電流の大きさからは交流線路の地絡を検出することができ、グリッド内の地絡発生区間を精度よく検出することができる。なお、本願において「反対側」とは、接地点を挟んで位置することを意味し、必ずしも接地点に対して対称の位置関係にある必要はない。
また、グリッド内の交流電力の昇圧/降圧のために、交流線路中にトランスが設けらることが多い。このような電力変換器に一次側が接続されたトランスを含むグリッドの地絡検出においては、接地点をトランスの二次側に設けることが望ましい。電力変換器とトランスの一次側との間は、高圧の交流電流が流れていることが多いため、安全上の観点からこの区間に接地点を設けることは望ましくないからである。また、第1の零相電流は、電力変換器とトランスの一次側との間の位置で測定することが望ましい。トランスには直流をカットする働きがあるため、直流線路の地絡を検出するための零相電流を、トランスよりも電力変換器側で測定することにより、精度の高い地絡検出が可能となる。
また、直流線路が、直流線路上の分岐点から分岐して互いに並列に接続される複数の分岐線路を有するグリッドの地絡検出においては、第1の零相電流に加え、少なくとも1つの分岐線路上において第3の零相電流を測定し、第1の零相電流と第3の零相電流の大きさから、第3の零相電流を測定した分岐線路の地絡と、当該分岐線路以外の直流線路の地絡を検出することができる。これにより、分岐線路を有するグリッドの地絡事故が発生している区間を精度よく特定することが可能となる。
また、グリッド上の直流線路と交流線路とを直流的に分離する目的で、絶縁トランスを備えた絶縁型の電力変換器が用いられることがある。絶縁型の電力変換器を有するグリッドの地絡検出においては、測定した第1の零相電流から所定の周波数以下の低周波成分を除去した零相電流で、直流線路の地絡判定を行うことが望ましい。絶縁トランスにより地絡電流の直流成分がカットされるため、地絡判定には、零相電流のうちの交流成分、特に地絡時に流れる地絡サージ電流(地絡電流パルス)を検出する必要がある。測定された零相電流の低周波成分のノイズを除去することにより、地絡電流パルスを精度よく検出し、地絡判定を行うことが可能となる。なお、本願において「除去」とは、完全に取り除くことのみならず、該当する成分を抑制ないしは低減することも含む。
また、絶縁トランスを備えない非絶縁型の電力変換器の場合、測定した第1の零相電流から、所定の周波数以上の高周波成分を除去した零相電流で、地絡判定を行うことが望ましい。非絶縁型の電力変換器では、地絡電流の直流成分がカットされることがないため、零相電流の高周波成分を除去することにより高周波ノイズ成分をカットして、より精度よく地絡判定を行うことが可能となる。
また、上記課題は、直流線路と交流線路とが電力変換器を介して接続され、直流線路と交流線路とが電力変換器を介して接続され、交流線路上に接地点が設けられたグリッドの地絡を検出する地絡検出装置であって、接地点と電力変換器との間の交流線路上に配置され、第1の零相電流を測定する第1の電流センサと、接地点に対して第1の電流センサと反対側の交流線路上に配置され、第2の零相電流を測定する第2の電流センサと、第1の零相電流および第2の零相電流のそれぞれの大きさから、直流線路および交流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定する判定部とを備える地絡検出装置により解決することができる。すなわち、接地点の両側で零相電流を測定することにより、接地点より電力変換器側で測定された零相電流の大きさからは直流線路の地絡が、接地点に対して反対側で測定された零相電流の大きさからは交流線路の地絡を検出することができ、グリッド内の地絡発生区間を精度よく検出することができる。
また、一次側が電力変換器に接続され、二次側に接地点が設けられたトランスを備える交流線路を有するグリッドの地絡検出を行う地絡検出装置においては、第1の電流センサを、電力変換器とトランスの一次側との間に配置することが望ましい。電力変換器とトランスの一次側との間は、高圧の交流電流が流れていることが多いため、安全上の観点からこの区間に接地点を設けることは望ましくないからである。また、第2の電流センサを、接地点に対してトランスと反対側の交流線路上に配置することが望ましい。トランスには直流をカットする働きがあるため、直流線路の地絡を検出するための零相電流を、トランスよりも電力変換器側で測定することにより、より精度の高い地絡検出が可能となる。
また、直流線路上の分岐点から分岐して互いに並列に接続される複数の分岐線路を備える直流線路を有するグリッドの地絡検出を行う地絡検出装置においては、複数の分岐線路のうちの少なくとも1つの分岐線路上において、第3の零相電流を測定する第3の電流センサをさらに備え、判定部はさらに、第1の零相電流および第3の零相電流の大きさから、第3の零相電流を測定した分岐線路および当該分岐線路を除く直流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定する機能を有することが望ましい。第1の零相電流と分岐線路の第3の零相電流の大きさから、第3の零相電流を測定した分岐線路と当該分岐線路以外の直流線路の地絡を検出することができ、分岐線路を有するグリッドの地絡事故が発生している区間を精度よく特定することが可能となる。
また、絶縁型の電力変換器を有するグリッドの地絡検出を行う地絡検出装置においては、第1の電流センサは、第1の零相電流から所定の周波数以下の低周波成分を除去するハイパスフィルタを備えることが望ましい。絶縁トランスにより地絡電流の直流成分がカットされるため、地絡判定には、零相電流のうちの交流成分、特に地絡時に流れる地絡サージ電流(地絡電流パルス)を検出する必要がある。測定された零相電流の低周波成分のノイズを除去することにより、地絡電流パルスを精度よく検出し、地絡判定を行うことが可能となる。
また、非絶縁型の電力変換器を有するグリッドの地絡検出を行う地絡検出装置においては、第1の電流センサが、測定した零相電流から所定の周波数以上の高周波成分を除去するローパスフィルタを備えることが望ましい。非絶縁型の電力変換器は地絡電流の直流成分をカットしないことから、零相電流の高周波成分を除去することにより高周波ノイズ成分を除去して、より精度よく地絡判定を行うことが可能となる。
本発明の一実施態様である地絡検出装置を適用したグリッドの概略構成図である。 地絡電流の流れの説明図である。 本発明の一実施態様である地絡検出方法のフローチャートである。 本発明の一実施態様である地絡検出装置を、トランスが設置されたグリッドに適用したときの概略構成図である。 分岐線路を有するグリッドの地絡電流の流れの説明図である。 本発明の一実施態様である地絡検出方法のフローチャートである。 ハイパスフィルタを備える地絡検出装置を適用したグリッドの概略構成図である。 ローパスフィルタを備える地絡検出装置を適用したグリッドの概略構成図である。 従来の受動方式の地絡検出回路の説明図である。 従来の能動方式の地絡検出回路の説明図である。
本発明の一実施態様である地絡検出装置1を用いてグリッド10の地絡検出を行うときの概略構成を図1に示す。
地絡検出装置1は、2つの電流センサ17、18と各電流センサ17、18に接続された判定部19とを備える。電流センサ17、18は、零相電流を測定する電流センサである。より具体的には、電流センサ17、18は零相変流器により、交流線27、28、29の零相電流を測定する電流センサである。各交流線27、28、29に流れる電流が完全に平衡状態にある場合には、交流線27、28、29から発生する磁束は相殺されて、合成磁束は0となり、電流センサ17、18で測定される零相電流は0となる。これに対して、交流線27、28、29を流れる電流が非平衡状態となった場合には、磁束は完全に相殺されずに、電流センサ17、18にはコモンモードの大きさに応じた零相電流が測定される。電流センサ17、18は、測定した零相電流を、アナログ信号として、またはデジタル信号に変換して出力する。
なお、電流センサ17、18は、他の手段で零相電流を測定する電流センサであってもよい。例えば、交流線27、28、29ごとに電流計を設け、各交流線27、28、29を流れる電流の方向と大きさを測定し、これらを加算して零相電流を測定してもよい。各交流線27、28、29を流れる交流電流の向きと大きさは、時間とともに変化するが、完全に平衡状態にある場合には、3つの線27、28、29を流れる電流を合成すると、互いに相殺して合成零相電流は常に0となる。これに対して、交流線27、28、29を流れる電流が非平衡状態にある場合には、完全に相殺されずに、コモンモードの大きさに応じた大きさの零相電流が測定される。
判定部19は、電流センサ17、18で測定された零相電流のアナログまたはデジタル信号を受信し、測定された零相電流の大きさから、地絡の有無と地絡発生区間とを判定する手段である。判定部19は、A/D変換器などの信号処理手段、測定値や閾値などを記憶するメモリ、信号処理手段とメモリとに接続されたプロセッサなどの演算処理手段などを備える。判定部19は、電流センサ17、18からの受信信号がアナログ信号である場合にはA/D変換器によりデジタル信号に変換する。そして、受信した零相電流と予め定められた閾値と比較し、零相電流が閾値よりも大きな場合には、地絡があると判定し、地絡発生区間を判定する。地絡判定方法の詳細は後述する。
次に、地絡検出装置1を用いてグリッド10の地絡検出を行うときの概略構成を説明する。グリッド10は、直流線路11と交流線路12とが、直流電力と交流電力とを変換する電力変換器13を介して接続されている。直流線路11は、共通線路50と、共通線路50から分岐点dで分岐する2つの分岐線路51、52を有する。2つの分岐線路51、52は、それぞれ対応するDC/DCコンバータ16に接続されている。DC/DCコンバータ16は、太陽光発電システム、蓄電池、EVの急速充電器などの、直流電源または直流負荷20に接続されている。DC/DCコンバータ16は、分岐線路51、52により伝送される直流電力を昇圧または降圧して直流負荷20に供給し、また直流電源20からの直流電力を昇圧または降圧して分岐線路51、52に供給する双方向デバイスである。
交流線路12は、一端が電力変換器13に、他端が交流電源または交流負荷21に接続された単相3線式の線路である。交流線路12は電力変換器13の近傍に接地点nを設けることができる。接地点nで接地された中性線N28を挟んだ2系統の単相100V(27−28、28−29)の交流や1系統の単相200V(27−29)の交流として利用することができる。
電力変換器13は、インバータ・コンバータ14とトランス15とが直列接続されている。インバータ・コンバータ14は、直流線路11から入力された直流電力を交流電力に変換して、トランス15を介して、交流線路12の3つの交流線27、28、29に出力し、また、各交流線27、28、29からトランス15を介して入力された交流電力を、直流電力に整流して直流線路11に出力する双方向デバイスである。
地絡検出装置1の2つの電流センサ17、18は、接地点nを挟んで交流線路12の両側に配置する。すなわち、第1の電流センサ17は、接地点nと電力変換器13との間にある交流線路12上の第1の位置に配置され、第2の電流センサ18は、接地点nに対して第1の電流センサ17の反対側にある交流線路12上の第2の位置に配置される。第1の電流センサ17は、接地点nよりも直流線路11側の交流線路12の零相電流を測定し、第2の電流センサ18は、接地点nよりも交流電源または交流負荷21側の交流線路12の零相電流を測定する。
次に、図2と図3を参照しながら、本発明にかかる地絡検出方法の一実施態様を説明する。図2(a)は直流線路11に地絡が発生したときの地絡電流の流れの説明図、図2(b)は交流線路12に地絡が発生したときの地絡電流の流れの説明図である。図2(a)と図2(b)において、地絡電流の流れは破線で示した。また、図3は、地絡検出のフローチャート80である。
まず、交流線路12上に接地点nを設ける(ステップ81)。本実施態様の交流線路12は、単相3線式の線路であるため、接地銅管などにより常時接地された中性線N28を有するが、常時接地されている線がない交流線路を有するグリッドの地絡検出を行う場合には、地絡検出時に一時的に接地点nを設けてもよい。接地点nは、地絡電流の帰路経路となり、地絡箇所判定の基準点となることから、可能な限り直流線路11に近い交流線路12上の位置に配置することが望ましい。例えば、電力変換器13の交流線路12側出力端子の近傍や、電力変換器13と交流線路12のケーブルの結合部の近傍に設けることが望ましい。
次に、接地点nと電力変換器13との間にある第1の位置に配置された第1の電流センサ17で第1の零相電流を測定する(ステップ82)。また、接地点nに対して第1の位置の反対側にある交流線路12の第2の位置、すなわち接地点nよりも交流負荷/交流電源21側の位置に配置された第2の電流センサ18で第2の零相電流を測定する(ステップ83)。グリッド10内に地絡が無い場合には、接地点nで接地電流は流れないため、交流線路12の各交流線27、28、29を流れる電流は、どの位置でも平衡状態となる。このため、第1の電流センサ17で測定される第1の零相電流と、第2の電流センサ18で第2の零相電流はともに0になる。
これに対して、グリッド10内に地絡が有る場合には、接地点nの経路が帰路経路となって閉回路が形成され、地絡電流が流れる。例えば、図2(a)に示すように直流線路11の点fで地絡が発生したときは、破線で示したような地絡電流が流れる。地絡電流は、地絡抵抗30と大地、中性線28、電力変換器13を経由して流れる。図から明らかなように、第1の電流センサ17で測定する中性線28には地絡電流が流れるため、非平衡状態となる。このため、第1の零相電流は0にはならない。一方、第2の電流センサ18で測定する中性線28には地絡電流が流れないため、平衡状態が維持される。このため、第2の零相電流は0である。したがって、第1の零相電流の大きさから直流線路11の地絡の有無を判定することができる。実際の測定ではノイズなどの影響を受けるため、地絡が発生していない状態でも微小な零相電流が測定される。このため、判定部19で地絡の判定を行う際には、第1の零相電流と予め設定された閾値とを比較して(ステップ84)、第1の零相電流が閾値よりも大きな場合には、直流線路11に地絡が発生したと判定する(ステップ85)。
また、図2(b)で示したように交流線29の点fで地絡が発生したときは、破線で示したような地絡電流が流れる。地絡電流は、地絡抵抗31と大地、中性線28、電力変換器13、交流線29を経由して流れる。図から明らかなように、第2の電流センサ18で測定する交流線29には地絡電流が流れるため、非平衡状態となる。このため、第2の零相電流は0にはならない。一方、第1の電流センサ17で測定する交流線路12にも地絡電流は流れるが、中性線28と交流線29とには同じ大きさの地絡電流が逆向きに流れるため、交流線路12全体としては平衡状態となる。このため、第1の零相電流は0である。したがって、第2の零相電流の大きさから交流線路12の地絡の有無を判定することができる。実際の測定ではノイズなどの影響を受けるため、地絡が発生していない状態でも微小な零相電流が測定される。このため、判定部19で地絡の判定を行う際には、第2の零相電流と予め設定された閾値とを比較して(ステップ86)、第2の零相電流が閾値よりも大きな場合には、交流線路12に地絡が発生したと判定する(ステップ87)。最後に、接地点nを一時的に設けた場合には、交流線28を非接地として、地絡検出を終了する。
以上のようにして、第1の零相電流および第2の零相電流の大きさから、直流線路および交流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定することができ、グリッド内の地絡の有無のみならず、地絡が発生した区間を特定することができる。
ところで、交流電力の伝送は交流電圧が高いほうが効率がよくなるために、図4のように交流線路12中に交流電力を昇圧/降圧するためのトランス40が設置されることがある。図において、トランス40の一次側には6kVの三相3線交流の交流線路が、二次側には接地点nで接地された中性線28を含む単相3線式の交流線路が接続されている。このようなタイプのグリッド10の地絡検出を行う場合には、接地点nをトランス40の二次側の交流線路12上に設ける。電力変換器とトランスの一次側との間は、高圧の交流電流が流れているため、この区間に接地点nを設けて地絡電流を流すことは安全上の観点から望ましくないからである。他方で、上述したように接地点nは、地絡箇所判定の基準点となることから、可能な限り直流線路11に近い交流線路12内の位置に配置することが望ましい。このため、接地点nはトランス40の二次側の近傍の交流線路12上に設ける。例えば、トランス40の二次側端子を接地してもよいし、トランス40の二次側と交流線路とのケーブルの結合部を接地してもよい。
また、第1の電流センサ17は、電力変換器13とトランス40の一次側との間に配置する。第1の電流センサ17は直流線路11の地絡電流を検出するためのセンサであるが、図4に示すように直流線路11の点fで地絡が発生したときは、破線で示すように地絡電流は、地絡抵抗30と大地、中性線28、トランス40、電力変換器13を経由して流れる。トランス40には直流をカットする働きがあるため、トランス40よりも直流線路11に近い電力変換器13側の交流線路12上で第1の零相電流を測定することにより、より精度の高い地絡検出が可能となる。
第2の電流センサ18は、前述したように接地点nに対して第1の電流センサと反対側の交流線路上に設ける。図4のグリッド10ではトランス40の二次側に接地点nがあるため、接地点nに対してトランス40と反対側の交流電源または交流負荷21が接続される端子側に配置される。
ところで、複数の直流電源や直流負荷を、互いに並列に接続される複数の分岐線路を介して接続するグリッドでは、直流線路のうちのどの区間で地絡が発生しているのかを特定できることが望ましい。このような複数の分岐線路を有するグリッドの、地絡検出方法および地絡検出装置の実施態様について、図5および図6を参照しながら説明する。
地絡検出装置2は、4つの電流センサ17、18、41、42と各電流センサ17、18、41、42に接続された判定部19’とを備える。電流センサ17、18は、図1の地絡検出装置1の電流センサ17、18と同様な構成を有する。電流センサ41、42も零相変流器により、零相電流を測定する電流センサである。ただし、測定対象は、3本の交流線ではなく、直流線路11の高圧線25と低圧線26である。地絡電流がない場合には、高圧線25と低圧線26とには、大きさが同じで方向が逆の電流が流れる。このため、高圧線25と低圧線26から発生する磁束は相殺されて、合成磁束は0となり、電流センサ41、42で測定される零相電流は0となる。これに対して、地絡電流が加わって高圧線25と低圧線26とに流れる電流の大きさに違いがでると、磁束は完全に相殺されずに、電流センサ41、42には電流差に応じた零相電流が測定される。電流センサ41、42は、測定した零相電流を、アナログ信号として、またはデジタル信号に変換して出力する。
なお、電流センサ41、42は他の手段で零相電流を測定する電流センサであってもよい。例えば、高圧線25と低圧線26とのそれぞれに電流計を設け、高圧線25と低圧線26とのそれぞれを流れる電流の方向と大きさを測定し、これらを加算して零相電流を測定してもよい。高圧線25と低圧線26とに流れる電流の大きさが同じであれば、高圧線25と低圧線26から発生する磁束は相殺されて、合成磁束は0となり、電流センサ41、42で測定される零相電流は0となる。これに対して、地絡電流が加わって高圧線25と低圧線26とに流れる電流の大きさに違いがでると、磁束は完全に相殺されずに、電流センサ41、42は電流差に応じた零相電流が測定される。
判定部19’は、電流センサ17、18、41、42で測定された零相電流のアナログまたはデジタル信号を受信し、測定された零相電流の大きさから、地絡の有無や地絡発生区間を判定する手段である。判定部19’は、A/D変換器などの信号処理手段、測定値や閾値などを記憶するメモリ、信号処理手段とメモリとに接続されたプロセッサなどの演算処理手段などを備える。判定部19’は、電流センサ17、18、41、42から受信した信号がアナログ信号である場合にはA/D変換器によりデジタル信号に変換する。そして、受信した各零相電流と予め定められた閾値と比較し、零相電流が閾値よりも大きな場合には、地絡があると判定し、地絡発生区間を判定する。
直流線路11側に配置する電流センサ41、42は、地絡検出を行う分岐線路上に配置する。例えば、分岐線路51の地絡を検出したい場合には、分岐点dよりもDC/DCコンバータ16側の分岐線路51上に電流センサ41を配置する。これにより、分岐線路51の地絡と、分岐線路51を除く直流線路11上の地絡とを区別して検出することができる。同様に、分岐線路52上の分岐点dよりもDC/DCコンバータ16側に電流センサ42を配置すると、分岐線路52の地絡と、分岐線路52を除く直流線路11上の地絡とを分けて検出することができる。図5(a)〜(c)に示す実施態様では、分岐線路51、52の双方にそれぞれ第3の電流センサ41および第4の電流センサ42が設けらていることから、分岐線路51、分岐線路52、共通線路50(分岐線路51および分岐線路52を除く直流線路)のいずれの区間で地絡が発生しているかを検出することができる。
なお、電流センサ41、42は、できる限り分岐点dに近い位置に設置することが望ましい。分岐点dと電流センサ41、42との間で発生した地絡は、分岐線路に設けた電流センサで検出することができないためである。
次に、図5および図6を参照しながら、直流線路内の地絡発生区間の特定が可能な地絡検出方法の実施態様を説明する。図5(a)は、分岐線路51に地絡が発生したときの地絡電流の流れの説明図、図5(b)は分岐線路52に地絡が発生したときの地絡電流の流れの説明図、図5(c)は共通線路50に地絡が発生したときの地絡電流の流れの説明図である。また、図6は、地絡検出のフローチャート90である。
まず、交流線路12上に接地点nを設ける(ステップ91)。本実施態様の交流線路12は、トランス40を含む交流線路12であるため、トランス40の二次側近傍に接地点nを設ける。トランス40の二次側には、単相3線式の線路が接続されているため、接地銅管などにより常時接地された中性線N28を有するが、常時接地されている線がない交流線路を有するグリッドの地絡検出を行う場合には、地絡検出時に一時的に接地点nを設けてもよい。
次に、第1の電流センサ17、第2の電流センサ18、第3の電流センサ41および第4の電流センサ42で、それぞれ第1の零相電流、第2の零相電流、第3の零相電流および第4の零相電流を測定する(ステップ92)。グリッド10内に地絡が無い場合には、接地点nで接地電流は流れないため、グリッド10内を流れる電流は、どの位置でも平衡状態となる。このため、各電流センサ17、18、41、42で測定される零相電流はいずれも0になる。
これに対して、グリッド10内に地絡が有る場合には、接地点nが帰路経路となって閉回路が形成され、地絡電流が流れる。例えば、図5(a)に示すように分岐線路51上の点fで地絡が発生したときは、破線で示したような地絡電流が流れる。地絡電流は、地絡抵抗32と大地、中性線28、トランス40、電力変換器13および分岐線路51の高圧線25を経由して流れる。図から明らかなように、第1の電流センサ17および第3の電流センサ41で測定する線路には地絡電流が流れるため、非平衡状態となる。このため、第1の零相電流および第3の零相電流は0にはならない。一方、第2の電流センサ18および第4の電流センサ42で測定する線路には地絡電流が流れないため、平衡状態となる。このため、第2の零相電流および第4の零相電流は0である。したがって、第1の零相電流および第3の零相電流の大きさから分岐線路51の地絡の有無を判定することができる。
また、図5(b)に示すように分岐線路52上の点fで地絡が発生したときは、破線で示したような地絡電流が流れる。地絡電流は、地絡抵抗33と大地、中性線28、トランス40、電力変換器13および分岐線路52の高圧線25を経由して流れる。図から明らかなように、第1の電流センサ17および第4の電流センサ42で測定する線路には地絡電流が流れるため、非平衡状態となる。このため、第1の零相電流および第4の零相電流は0にはならない。一方、第2の電流センサ18および第3の電流センサ41で測定する線路には地絡電流が流れないため、平衡状態となる。このため、第2の零相電流および第3の零相電流は0である。したがって、第1の零相電流および第4の零相電流の大きさから分岐線路52の地絡の有無を判定することができる。
さらに、図5(c)に示すように共通線路50上の点fで地絡が発生したときは、破線で示したような地絡電流が流れる。地絡電流は、地絡抵抗34と大地、中性線28、トランス40、電力変換器13および高圧線25を経由して流れる。図から明らかなように、第1の電流センサ17で測定する交流線路で測定する直流線路には地絡電流が流れるため、非平衡状態となる。このため、第1の零相電流は0にはならない。一方、第2の電流センサ18、第3の電流センサ41および第4の電流センサ42で測定する線路には地絡電流が流れないため、平衡状態となる。このため、第2の零相電流、第3の零相電流および第4の零相電流は0である。したがって、第1の零相電流、第3の零相電流および第4の零相電流の大きさから共通線路50の地絡の有無を判定することができる。
以上をまとめると、下表のようになる。
表中で、〇印は対応する電流センサで測定される零相電流が0でない(零相電流が検出される)ことを、×印は対応する電流センサで測定される零相電流が検出されないことを示す。例えば、分岐線路51に地絡がある場合には、電流センサ17、41で零相電流が検出され、電流センサ18、42では零相電流が検出されない。表から明らかなように、電流センサ17により直流線路11の地絡を、電流センサ18により交流線路12の(より正確にはトランス40二次側にある接地点nより交流電源/負荷21側の)地絡を判定することができ、直流線路11の地絡がある場合には、さらに分岐路上に配置された電流センサ41、42で測定される零相電流の大きさにより、共通線路50、分岐線路51、分岐線路52のいずれに地絡があるかを判定することができる。
実際の測定ではノイズなどの影響を受けるため、地絡が発生していない状態でも微小な零相電流が検出される。このため、判定部19’は、測定された零相電流と予め設定された閾値とを比較して(ステップ93)、零相電流が閾値よりも大きな場合には零相電流が有ると判断し、表1に示したような関係に基づいて地絡発生区間を特定する(ステップ94)。最後に、接地点nを一時的に設けた場合には、交流線28を非接地として、地絡検出を終了する。
ところで、電力変換器13内のトランス15が絶縁トランスである絶縁型の電力変換器13を含むグリッド10の地絡検出を行う場合、直流線路11の系と交流線路12の系とが直流的に分離されるため、直流線路11で発生した地絡電流の直流成分を交流線路12側で測定することができない。このため、地絡判定には、地絡時に発生する地絡サージ電流などの地絡電流パルスを測定する必要があるが、地絡電流パルスはパルス状の信号であるためノイズに弱い。このため、このような絶縁型の電力変換器13を有するグリッド10の地絡検出を行う場合には、図7に示すように、第1の電流センサ17と判定部19とをハイパスフィルタ(HPF)45を介して接続した地絡検出装置3を用いることが望ましい。HPF45は、第1の電流センサ17で測定された零相電流を受信して、受信した零相電流の低周波成分(所定のカットオフ周波数以下の周波数成分)を除去して、判定部19に向けて出力する。HPF45により、低周波ノイズが除去された測定信号で地絡判定を行うことができるため、地絡電流パルスの検出精度を向上させることができる。なお、地絡電流パルスを検出して地絡検出を行うときには、図3のステップ84、86や図6のステップ93で示した閾値を地絡電流パルスの大きさに応じた値に設定する。
また、図8に示すように、絶縁トランスを備えない非絶縁型の電力変換器13’を有するグリッド10の地絡検出を行う場合には、地絡電流が流れる経路で直流成分がカットされることがない。このため、非絶縁型の電力変換器13’を有するグリッド10の地絡検出を行う場合には、図に示すように、第1の電流センサ17と判定部19とをローパスフィルタ(LPF)46を介して接続した地絡検出装置4を用いる。LPF46は、第1の電流センサ17で測定された零相電流を受信して、受信した零相電流の高周波成分(所定のカットオフ周波数以上の周波数成分)を除去して、判定部19に向けて出力する。LPF46により、高周波ノイズが除去された測定信号で地絡判定を行うことができるため、検出精度を向上させることができる。図8では第1の電流センサ17のみをLPF46を介して判定部19と接続しているが、電流センサ17以外の電流センサ、例えば第2の電流センサ18や、直流線路11の地絡を測定する電流センサ(図5(a)の電流センサ41、42など)をLPFを介して判定部19に接続するようにしてもよい。
以上、本願発明にかかる地絡検出方法および装置に関する説明を行ったが、本発明は上記の実施の形態に係る地絡検出方法および地絡検出装置に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。例えば、図3や図6に示した実施態様においては、判定部19は、量子化した零相電流を予め定められた閾値とを比較することにより地絡の有無を判定しているが、アナログ測定信号をそのままコンパレータにより比較して判定するようにしてもよい。また、閾値は予め定められた固定値である必要はなく、測定信号の平均的な大きさや中央値の数倍の大きさに設定するといったように、ノイズの大きさに応じて相対的に決定された閾値を用いてもよい。さらに、判定部19は、複数の分岐線路を有する交流線路について、各交流線路上で測定された零相電流の大きさに基づいて交流線路上の地絡発生区間を判定するようにしてもよい。このように、判定部は、零相電流の大きさからグリッド上の所望の区間の地絡を判定する機能を有するハードウェアやソフトウェアで実現することが可能であり、本願における「判定部」はこれらの態様を広く含む。
1、2、3、4 地絡検出装置
10 グリッド
11 直流線路(DCグリッド)
12 交流線路(ACグリッド)
13、13’ 電力変換器(DC/AC)
14 インバータ・コンバータ
15 トランス
16 DC/DCコンバータ
17、18、41、42 電流センサ
19、19’ 判定部
20 直流電源または直流負荷
21 交流電源または交流負荷
25 高圧線
26 低圧線
27 交流線
28 交流線(中性線N)
29 交流線
30、31、32、33 地絡抵抗
40 トランス
45 ハイパスフィルタ
46 ローパスフィルタ
50 共通線路
51、52 分岐線路
100 受動方式の地絡検出回路
101 直流電源
102、103 抵抗器
104 パワーコンディショナ(電力変換器)
110 高圧線
111 低圧線
112 交流線路
120 地絡抵抗
150 能動方式の地絡検出回路
151、152 コンデンサ
153 信号発生器

Claims (10)

  1. 直流線路と交流線路とが電力変換器を介して接続されたグリッドの地絡検出方法であって、
    前記交流線路上に接地点を設けるステップと、
    前記接地点と前記電力変換器との間にある前記交流線路上の第1の位置において、第1の零相電流を測定するステップと、
    前記接地点に対して前記第1の位置の反対側にある前記交流線路上の第2の位置において、第2の零相電流を測定するステップと、
    前記第1の零相電流および前記第2の零相電流の大きさから、前記直流線路および前記交流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定するステップと、
    を含む、地絡検出方法。
  2. 前記交流線路は、前記電力変換器が一次側に接続されたトランスを含み、
    前記接地点は、前記トランスの二次側に設けられ、
    前記第1の零相電流を測定する前記第1の位置は、前記電力変換器と前記トランスの一次側の間に位置する、
    請求項1に記載の地絡検出方法。
  3. 前記直流線路は、前記直流線路上の分岐点から分岐して、互いに並列に接続される複数の分岐線路を備え、
    前記地絡検出方法は、
    前記複数の分岐線路のうちの少なくとも1つの分岐線路上において、第3の零相電流を測定するステップと、
    前記第1の零相電流および前記第3の零相電流の大きさから、前記少なくとも1つの分岐線路および前記少なくとも1つの分岐線路を除く前記直流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定するステップと、
    をさらに含む、
    請求項1または2に記載の地絡検出方法。
  4. 前記電力変換器は絶縁型の電力変換器であり、
    前記第1の零相電流を測定するステップは、測定した前記第1の零相電流から所定の周波数以下の低周波成分を除去するステップをさらに含む、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の地絡検出方法。
  5. 前記電力変換器は非絶縁型の電力変換器であり、
    前記第1の零相電流を測定するステップは、測定した前記第1の零相電流から所定の周波数以上の高周波成分を除去するステップを含む、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の地絡検出方法。
  6. 直流線路と交流線路とが電力変換器を介して接続され、前記交流線路上に接地点が設けられたグリッドの地絡を検出する地絡検出装置であって、
    前記接地点と前記電力変換器との間の前記交流線路上に配置され、第1の零相電流を測定する第1の電流センサと、
    前記接地点に対して前記第1の電流センサと反対側の前記交流線路上に配置され、第2の零相電流を測定する第2の電流センサと、
    前記第1の零相電流および前記第2の零相電流のそれぞれの大きさから、前記直流線路および前記交流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定する判定部と、
    を備える、地絡検出装置。
  7. 前記交流線路は、一次側が前記電力変換器に接続され、かつ、二次側に前記接地点が設けられたトランスを含み、
    前記第1の電流センサは、前記電力変換器と前記トランスの一次側との間に配置され、
    前記第2の電流センサは、前記接地点に対して前記トランスと反対側の前記交流線路上に配置される、
    請求項6に記載の地絡検出装置。
  8. 前記直流線路は、前記直流線路上の分岐点から分岐して、互いに並列に接続される複数の分岐線路を備え、
    前記地絡検出装置は、前記複数の分岐線路のうちの少なくとも1つの分岐線路上において、第3の零相電流を測定する第3の電流センサをさらに備え、
    前記判定部はさらに、前記第1の零相電流および前記第3の零相電流の大きさから、前記少なくとも1つの分岐線路および前記少なくとも1つの分岐線路を除く前記直流線路のそれぞれにおいて、地絡が発生しているか否かを判定する、
    請求項6または7に記載の地絡検出装置。
  9. 前記電力変換器は絶縁型の電力変換器であり、
    前記第1の電流センサは、前記第1の零相電流から所定の周波数以下の低周波成分を除去するハイパスフィルタを備える、
    請求項6から8までのいずれか1項に記載の地絡検出装置。
  10. 前記電力変換器は非絶縁型の電力変換器であり、
    前記第1の電流センサは、測定した零相電流から所定の周波数以上の高周波成分を除去するローパスフィルタを備える、
    請求項6から8までのいずれか1項に記載の地絡検出装置。
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