JP2010043426A - スレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法 - Google Patents

スレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法 Download PDF

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Abstract

【課題】アスベスト繊維成分を含有するスレート建材(屋根材あるいは外壁材などのように外気に接する建材)に対するアスベスト飛散防止処理工法を提供すること。
【解決手段】施工中におけるアスベストの飛散を防止するため、施工部分を湿潤化し、施工部分をHEPA付き真空掃除機あるいは水循環式掃除機などにより清掃する清掃工程と、付着力を確保するべく下地調整層として作用する第1のアスベスト処理剤、スレート建材中のアスベスト成分を封じ込めるべくベースコート層として作用する第2のアスベスト処理剤を準備する工程と、清掃後におけるスレート建材の施工部分に、第1のアスベスト処理剤を、0.01〜1kg/m塗布して、プライマー層を形成する工程と、第2のアスベスト処理剤を、0.1〜10kg/m塗布して、ベースコート層を形成する工程とを含むスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法。
【選択図】図2

Description

この発明は、アスベスト繊維成分を含有するスレート建材(例えば、屋根材あるいは外壁材などのように外気に接する建材)に対するアスベスト飛散防止処理工法に関するものである。
周知のように、アスベスト繊維成分を含有するスレート建材は、波形スレート、平形スレート、化粧スレートなどとして、既存建造物(公共施設建造物、会社工場、倉庫、学舎、駅舎、あるいは一般家屋など)の屋根材および外壁材などに多用され、その多くが既存する状況にある。
この種のスレート建材は、長年月の間に、酸性雨、二酸化イオウ、大気汚染などによって、経年劣化するものであり、アスベスト繊維成分がスレート表面に露呈してきているため、風雨により周辺に飛散し易い状況になっており、人体におよぼす危険の度合いは、極めて多大である。このような一般建材としても多用されているアスベスト含有スレートに対するアスベスト飛散防止処理を施すことは、「アスベスト災禍」から周辺住民を守るという点において大変意義のあることであるものの、充分な知識なくして、アスベスト処理を行うと、かえってアスベストを飛散させてしまうという大きな問題点を有するものである。
一例において、26年間使用した屋根用化粧スレートの表面の塗装を塗り替える際、充分な知識なく高圧洗浄を行った場合、その作業中におけるアスベスト気中濃度を測定した結果、作業者の位置で、平均43.4本/リットル、2m離れた位置でも、平均11.6本/リットルのアスベスト成分が測定され、環境省が定める隣地境界線上の基準値である10本/リットルを上まわり、その洗浄水からもアスベスト成分が検出されるというものであった。このように、高圧洗浄では、かえってアスベストを飛散させてしまう結果を招来してしまうものであった。
これらのことから、現在のところ、このアスベスト繊維成分を含有するスレート屋根建材ならびにスレート外壁建材に対するアスベスト飛散防止処理工法についての効果的な提案は、ほとんどなされていないのが実情である。
そこで、この発明は、上記するアスベスト繊維成分を含有するスレート屋根建材ならびにスレート外壁建材に対し、諸々の要因による劣化により、アスベスト繊維成分が露呈し、ひいては飛散してしまうという極めて危険な状況に鑑み、このアスベストの飛散防止を極めて効果的になし得るスレート建材用アスベスト飛散防止処理剤を供する一方で、まず、特筆すべき点は、上記処理剤により処理する前に、処理施工部を充分に湿潤化しておき、しかる後、HEPA付き真空掃除機あるいは水循環式掃除機などにより清掃するという工程を経ることにより、処理すべき処理施工部からのアスベスト飛散を確実に抑えておくことができ、アスベスト飛散防止処理の工期中のアスベスト飛散、並びに当然のことながら処理後のアスベスト飛散を確実に防止するスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法を提供することにある。
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、施工中におけるアスベストの飛散を防止するため、施工部分を湿潤化し、その後、該施工部分をHEPA付き真空掃除機あるいは水循環式掃除機などにより清掃する清掃工程と、
前記スレート建材からのアスベスト成分の飛散を防止するとともに、付着力を確保するべく下地調整層として作用する第1のアスベスト処理剤を準備する工程と、
前記スレート建材中のアスベスト成分を封じ込めるべくベースコート層として作用する第2のアスベスト処理剤を準備する工程と、
前記清掃後におけるスレート建材の施工部分に、第1のアスベスト処理剤を、0.01〜1kg/m塗布して、プライマー層を形成する工程と、
前記第2のアスベスト処理剤を、0.1〜10kg/m塗布して、ベースコート層を形成する工程とを含むものからなることを特徴とするスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法を構成するものである。
さらに、この発明において、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法であって、前記第1のアスベスト処理剤が、合成樹脂エマルジョン水溶液であり、前記第2のアスベスト処理剤が、主として、金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、天然の糊または樹脂バインダーと、軽量骨材と、水とを混合してなる混合液であることを特徴とするものである。
さらに、この発明において、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法であって、前記第2のアスベスト処理剤の処理後のスレート建材に塗布することにより、トップコート層として作用する第3のアスベスト処理剤を準備する工程を含み、
前記第2のアスベスト処理によってベースコート層を形成する工程の後に、前記第3のアスベスト処理剤を、0.01〜0.5kg/m塗布して、トップコート層を形成する工程を含むものからなることを特徴とするものである。
さらに、この発明において、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法であって、前記第3のアスベスト処理剤が、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を水中に分散させたエマルジョン、または、それらの樹脂を有機溶剤に溶解した溶液であることを特徴とするものである。
さらに、この発明において、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法であって、前記第2のアスベスト処理剤が、30〜60重量%の金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、5〜25重量%の天然の糊または樹脂バインダーと、0.5〜10重量%の軽量骨材と、必要に応じて加えられる0〜3重量%の繊維材と、10〜60重量%の水とを混合してなる封着性の高いアスベスト処理剤であることを特徴とするものである。
以上の構成になるこの発明のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法によれば、
(1)施工中におけるアスベストの飛散を防止するため、施工部分を湿潤化し、その後、該施工部分をHEPA付き真空掃除機あるいは水循環式掃除機などにより清掃する清掃工程、
(2)スレート建材からのアスベスト成分の飛散を防止するとともに、付着力を確保するべく下地調整層として作用する合成樹脂エマルジョン水溶液からなる第1のアスベスト処理剤を準備する工程、
(3)スレート建材中のアスベスト成分を封じ込めるべくベースコート層として作用する第2のアスベスト処理剤を準備する工程、
(4)清掃後におけるスレート建材の施工部分に、第1のアスベスト処理剤を、0.01〜1kg/m塗布して、プライマー層を形成する工程、
(5)第2のアスベスト処理剤を、0.1〜10kg/m塗布して、ベースコート層を形成する工程
とによって構成されるものであり、
特に、上記処理剤により処理する前に、処理施工部を充分に湿潤化しておき、しかる後、HEPA付き真空掃除機あるいは水循環式掃除機などにより清掃するという工程を経ることにより、処理すべき処理施工部からのアスベスト飛散を確実に抑えておくことができ、アスベスト飛散防止処理の工期中におけるアスベスト飛散、並びに、当然のことながら処理後のアスベスト飛散を確実に防止することができるという点において極めて有効に作用するものといえる。
さらに、この発明では、経年劣化し、表面にアスベスト繊維成分が露呈する状況にあるスレート建材に対し、第1のアスベスト処理剤、第2のアスベスト処理剤、ならびに第3のアスベスト処理剤を順次塗布処理することによって、アスベスト繊維成分をスレート建材内に、確実に封じ込み処理することができ、スレート建材内のアスベスト繊維成分の飛散防止を図るとともに、経年劣化したスレート建材自体の断熱性ならびに耐火性などを高め、該スレート建材の再生を図り得るという点において極めて有効に作用するものといえる。
以下、この発明になるスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法について詳細に説明する。
まず、この発明になるスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法に用いられるスレート建材用アスベスト飛散防止処理剤の具体的な実施例について説明する。この発明の好ましい実施例において、このスレート建材用アスベスト飛散防止処理剤は、スレート建材における施工すべき部分(通常は、スレート建材の全体)を、湿潤し、清掃した後、当該スレート建材に対して塗布することにより、アスベスト繊維成分の飛散防止を図るとともに、下地調整してプライマー層を形成する第1のアスベスト処理剤と、該第1のアスベスト処理剤の塗布後に、塗布処理することによって、スレート建材内にアスベスト繊維成分を確実に封じ込めて、その飛散防止を図るべくベースコート層として作用する第2のアスベスト処理剤と、さらに、必要に応じて塗布処理することによって、トップコート層として作用する第3のアスベスト処理剤とを含むものによって構成される。
この発明において、スレート建材とは、アスベスト繊維成分を含有する建材であって波形スレート建材、平形スレート建材、化粧スレート建材などとして提供され、屋根建材、あるいは、外壁建材として適用されている建材をいう。
この発明になるスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法に用いられる第1のアスベスト処理剤は、前記スレート建材からのアスベスト繊維成分の飛散を防止するとともに、付着力を確保するべく下地調整層として作用する合成樹脂エマルジョン水溶液からなる。より具体的には、前記第1のアスベスト処理剤は、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ウレタン樹脂などによるものである。
第2のアスベスト処理剤は、前記スレート建材中のアスベスト成分を封じ込めるべくベースコート層として作用するものであって、主として、金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、天然の糊または樹脂バインダーと、軽量骨材と、必要に応じて加えられる繊維材と、水とを混合したものによって構成されている。
上記する第2のアスベスト処理剤は、好ましくは、30〜60重量%の金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、5〜25重量%の天然の糊または樹脂バインダーと、0.5〜10重量%の軽量骨材と、必要に応じて加えられる0〜3重量%の繊維材と、10〜60重量%の水とを混合したものからなっている。
この発明に適用されるアスベスト処理剤のより好ましい具体的な実施例によれば、前記第2のアスベスト処理剤としては、45重量%の炭酸カルシウムと、5重量%の石灰と、15重量%のアクリル樹脂と、1重量%の軽量骨材と、1.5重量%の耐アルカリガラス繊維と、32.5重量%の水とを混合したものである。
一方、この発明に適用される前記第2のアスベスト処理剤中には、植物性または動物性の天然の糊が添加される。前記天然の糊としては、澱粉、銀杏、つのまたなどの植物性の糊、または、ゼラチン、コラーゲン、にかわなどの動物性の糊が有効である。前記有機または無機の繊維としては、麻、マニラ麻、セルロースなどの天然繊維、レーヨン、ナイロン、ポリプロピレン、アラミド繊維などの有機繊維、または、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維が有効である。
さらに、この発明においては、上記する構成により得られるアスベスト処理剤に対して、適量の合成樹脂を添加したものであってもよいし、あるいは、さらに、微量の天然ゴムあるいは合成ゴムを添加したものであってもよい。
前記合成樹脂としては、例えば、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが有効であり、合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴムなどが有効である。
前記第2のアスベスト処理剤には軽量骨材が混入される。この軽量骨材としては、例えば、パーライト、シラスバルーン、ビーズ発泡スチロールなどが有効である。
この発明に適用される前記第3のアスベスト処理剤は、前記第2のアスベスト処理剤の塗布処理後に、必要に応じて塗布処理することによって、トップコート層として作用する処理剤であり、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を水中に分散させたエマルジョン、または、それらの樹脂を有機溶剤に溶解した溶液により構成されるものである。
次いで、この発明にかかるスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法について、その手順にそって詳細に説明する。
この発明では、上記する構成になる第1、第2および第3のアスベスト処理剤が予め準備される。前記第1のアスベスト処理剤は、スレート建材からのアスベスト成分の飛散を防止するとともに、付着力を確保するべく下地調整層として作用する合成樹脂エマルジョン水溶液からなっている。前記第2のアスベスト処理剤は、スレート建材中のアスベスト成分を確実に封じ込めるべくベースコート層として作用する、主として、金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、天然の糊または樹脂バインダーと、軽量骨材と、必要に応じて添加される繊維材と、水とを混合してなる封着性の高いアスベスト処理剤である。前記第3のアスベスト処理剤は、第2のアスベスト処理剤の処理後のスレート建材に対して、必要に応じて塗布することにより、トップコート層として作用するものである。
この発明になるアスベスト飛散防止処理工法では、まず、上記する第1および第2のアスベスト処理剤、並びに必要に応じて第3のアスベスト処理剤を準備する。この各アスベスト処理剤を準備した上で、施工現場において、アスベスト飛散防止処理すべきスレート建材に対し、当該施工部分を全体的に充分に湿潤化する。この施工部分の湿潤化は、水などを流すことによって行うものであり、圧水の吹き付けなどを避け、アスベスト成分が飛散しないような注意が必要である。施工部分を充分に湿潤化させた後、大きなゴミならびに土砂などを取り除き、HEAPフィルター付き真空掃除機、水循環式掃除機、水還流式掃除機などを用いて、アスベスト成分が飛散しないように充分注意して、当該スレート建材の施工部分を掃除する。この発明において、上記する施工部分の湿潤化並びに掃除は、極めて重要な工程の一つであり、この工程を除くことは決してできない。施工部分の湿潤化は、施工部分の掃除段階におけるアスベスト成分の飛散防止に多大に貢献し、施工部分の掃除は、次工程における第1のアスベスト処理材の塗布処理を容易化並びに確実化するという点において、多大に貢献する。
上記する清掃が終わった後、前記第1のアスベスト処理剤の塗布作業が行われる。この第1のアスベスト処理剤の塗布作業は、予め準備されている上記第1のアスベスト処理剤(無稀釈液)を、刷毛、ローラー、あるいはスプレーガンを用いて、基準として、約0.01〜1kg/m 塗布し、施工部分の表面近傍を固め、プライマー層を形成する。
上記する第1のアスベスト処理剤の塗布作業の後、当該第1のアスベスト処理剤が乾燥した段階で、スレート建材に対し、第2のアスベスト処理剤の塗布作業が行われる。この第2のアスベスト処理剤の塗布作業は、予め準備されている上記第2のアスベスト処理剤を、圧送式吹き付け機、リシンガンまたはテコなどを用いて、基準約0.1〜10kg/m 塗布し、アスベスト含有建材を補修・補強する。この発明では、前記スレート建材に対して第2のアスベスト処理剤を吹き付けることによって、スレート建材にベースコート層を形成する。
その後、必要に応じて、スレート建材に対し、第3のアスベスト処理剤の塗布作業が行われる。この第3のアスベスト処理剤の塗布作業は、予め準備されている上記第3のアスベスト処理剤を、刷毛またはローラー、あるいはスプレーガンを用いて、基準として、約0.01〜0.5kg/m 塗布し、トップコート層を形成する。
次いで、この発明になるアスベスト飛散防止処理剤により処理された試験体に対する各種試験を行った結果について説明する。
1.付着強度試験
(1)試験方法
厚さ6mmのスレート平板から、250mm×200mmの板を4枚切り出 し、上記する第1、第2および第3のアスベスト処理剤による処理(以下、本 案3層コーティングという)を施し、1週間風乾後、30mm×30mmの付 着試験用治具を瞬間接着剤で接着し、硬化後に、建研式引張試験機で付着力を 測定した。
比較のため、現在市販の遮熱塗料(M社製品、3層コーティング)について も試験を行った。
(2)試験結果
試験結果を表1に示す。この試験の結果、本案3層コーティングは、スレー ト建材に対して、十分な付着力を有することがわかった。
Figure 2010043426
2.曲げ強度試験
(1)試験方法
厚さ6mmのスレート平板から、幅19mm×長さ150mmの板を5枚切 り出し、上記する本案3層コーティング処理を施し、1週間風乾後、オートグ ラフにより、スパン長50mm、載荷速度10mm/分で曲げ試験を行った。 比較のため、現在市販の遮熱塗料(M社製品、3層コーティング)および無 処理のスレート板についても試験を行った。
(2)試験結果
試験結果を表2に示す。この試験の結果、本案3層コーティングを施すこと により、スレート板の強度は、約10%増加することがわかった。
Figure 2010043426
2.遮熱性試験
(1)試験方法
厚さ6mmのスレート平板から、250mm×300mmの板を切り出し、 上記する本案3層コーティングを施し、1週間風乾後、図1に示す装置の受熱 台(受熱面の大きさ160mm×230mm)にセットした。試験体から25 0mm離れた位置に200Wの熱源をおき、2時間熱を照射する。試験対表面 と離面(裏面の場合14mm離れた位置)に温度センサーをセットし、温度変 化を測定した。
比較のため、現在市販の遮熱塗料(M社製品、3層コーティング)および無 処理のスレート板についても試験を行った。
2時間後の裏面温度の比較を行いスレート板との遮熱性の指標とした。
再現性を見るために、スレート板については6回、他の試験体については2回 同じ試験を行った。
(2)試験結果
図2に3種類の試験体の温度変化を現し、表3に遮熱性試験結果を示す。
この試験の結果、本案3層コーティングは無処理のスレート板に対して裏面温 度を6℃下げる効果のあることが認められた。
Figure 2010043426
これらの試験結果をまとめると、この発明になるスレート建材用アスベスト飛散防止処理剤は、スレート板に対して充分な付着強度を持っていること、スレートいたの曲げ強度を約10%増加させること、また裏面温度を約6℃下げる効果のあることがわかった。
図1は、この発明になるスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法により処理されたスレート板に対する遮熱性試験を行った際の遮熱性試験装置の例を示す概略的な説明図である。 図2は、遮熱性試験において、3種類の試験体の温度変化をあらわすグラフであり、図2Aは、この発明になるスレート建材用アスベスト飛散防止処理剤を施した試験体の温度変化をあらわすグラフ、図2Bは、市販遮熱塗料を施した試験体の温度変化をあらわすグラフ、図2Cは、全く処理をしていないスレート板の温度変化をあらわすグラフである。

Claims (5)

  1. アスベスト繊維成分を含有するスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法であって、
    施工中におけるアスベストの飛散を防止するため、施工部分を湿潤化し、その後、該施工部分をHEPA付き真空掃除機あるいは水循環式掃除機などにより清掃する清掃工程と、
    前記スレート建材からのアスベスト成分の飛散を防止するとともに、付着力を確保するべく下地調整層として作用する第1のアスベスト処理剤を準備する工程と、
    前記スレート建材中のアスベスト成分を封じ込めるべくベースコート層として作用する第2のアスベスト処理剤を準備する工程と、
    前記清掃後におけるスレート建材の施工部分に、第1のアスベスト処理剤を、0.01〜1kg/m塗布して、プライマー層を形成する工程と、
    前記第2のアスベスト処理剤を、0.1〜10kg/m塗布して、ベースコート層を形成する工程とを含むものからなることを特徴とするスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法。
  2. 前記第1のアスベスト処理剤が、合成樹脂エマルジョン水溶液であり、前記第2のアスベスト処理剤が、主として、金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、天然の糊または樹脂バインダーと、軽量骨材と、水とを混合してなる混合液であることを特徴とする請求項1に記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法。
  3. 前記第2のアスベスト処理剤の処理後のスレート建材に塗布することにより、トップコート層として作用する第3のアスベスト処理剤を準備する工程を含み、
    前記第2のアスベスト処理によってベースコート層を形成する工程の後に、前記第3のアスベスト処理剤を、0.01〜0.5kg/m塗布して、トップコート層を形成する工程を含むものからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法。
  4. 前記第3のアスベスト処理剤が、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を水中に分散させたエマルジョン、または、それらの樹脂を有機溶剤に溶解した溶液であることを特徴とする請求項3に記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法。
  5. 前記第2のアスベスト処理剤が、30〜60重量%の金属の水酸化物および/または強塩基と弱酸の金属塩と、5〜25重量%の天然の糊または樹脂バインダーと、0.5〜10重量%の軽量骨材と、必要に応じて加えられる0〜3重量%の繊維材と、10〜60重量%の水とを混合してなる封着性の高いアスベスト処理剤であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスレート建材に対するアスベスト飛散防止処理工法。
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