JP2010042132A - テープ型使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】おむつ替えの際にテープ位置がわかりやすいテープ型使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、吸収体と、トップシートと、バックシートと、前記後身頃の左右の側縁に少なくとも1つずつ配置された、前記後身頃と前記前身頃とを固定する止着テープと、前記前身頃に形成された、前記止着テープを止め付ける止着領域と、を備えたテープ型使い捨ておむつであって、前記止着テープは、基材部と複数の突起部を有するフック材とから構成されており、前記基材部は白色のhシートであり、前記フック材は有色であって、前記基材部の前記フック材を配置する部位の裏側には、透明または半透明の領域が形成されているテープ型使い捨ておむつである。
【選択図】図1

Description

本発明は、テープ型使い捨ておむつに関する。更に詳しくは、フック材の部位が止着テープの裏面からもわかりやすいテープ型使い捨ておむつに関する。
一般に、テープ型使い捨ておむつは、例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1のように、吸収体と、吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ10を更に備えている(例えば、特許文献1および2参照)。
このようなテープ型使い捨ておむつ1によれば、着用者の排泄物はトップシート18の液透過性の部分を透過して吸収体に吸収されるとともに、通常、液不透過性の材料で構成されるバックシート20によって外部への漏洩が防止され、排泄物をおむつ内部に保持することができる。また、止着テープ10によっておむつの前身頃2と後身頃6とを相互に固定することで、着用者に容易に装着させることができるという利点をも有するものである。
ところで、従来、テープ型使い捨ておむつのファスニングシステムとしては、粘着剤の粘着力により固定を行う粘着ファスナーが汎用されていたが、近年では、凸部材(フック材)と凹部材(ループ材)の機械的結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)への移行が進行しつつある。このような止着テープは、図5に示すように、上記したメカニカルファスナーのフック材44を、基材48の表面に付設させることによって形成されている。
このようなおむつを装着するときと場所によっては、必ずしも十分な明るさが確保できているとは限らず、止着テープを視認し難い場合もある。このような場合に備えて、止着テープに暗所視認処理を施す技術(特許文献1)や止着テープを着色する技術(特許文献2)が提案されている。
特開2003−290286号公報 特開2007−143870号公報
しかしながら、上記のような技術では、止着テープの擦れ等により色落ちする場合があるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、おむつ替えの際にテープ位置がわかりやすいテープ型使い捨ておむつであって、擦れ等によっても色落ちせず、視認性を保持し得るテープ型使い捨ておむつを提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、有色のフック材を採用する一方、止着テープの基材を、透明または半透明の領域を形成し、この領域を通して有色のフック材を視認可能となるよう形成することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の止着テープ、及びテープ型使い捨ておむつが提供される。
[1] 前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置された、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置された、液不透過性材料からなるバックシートと、前記後身頃の左右の側縁に少なくとも1つずつ配置された、前記後身頃と前記前身頃とを固定する止着テープと、前記前身頃に形成された、前記止着テープを止め付ける止着領域と、を備えたテープ型使い捨ておむつであって、前記止着テープは、基材部と複数の突起部を有するフック材とから構成されており、前記基材部は白色のシートであり、前記フック材は有色であって、前記基材部の前記フック材を配置する部位には、全光線透過率40%以上の透明または半透明の領域が形成されているテープ型使い捨ておむつ。
[2] 前記基材部が熱可塑性樹脂不織布であり、透明または半透明の領域が熱エンボス加工による溶融によって形成されている上記[1]に記載のテープ型使い捨ておむつ。
[3] 前記基材部が微多孔フィルムもしくは不織布またはこれらを二層以上積層した積層シートであり、透明または半透明の領域が、前記基材部に浸透することにより不透明度を下げることが可能な透明化物質を塗布することによって形成されている上記[1]に記載の使い捨ておむつ。
[4] 前記透明化物質が、ホットメルトであり、主成分として(A)スチレン−ブロック共重合体またはその水素添加物、及び(B)粘着付与樹脂、及び(C)可塑剤、を有する上記[3]に記載の使い捨ておむつ。
[5] 前記基材部に形成された透明または半透明領域の形状が左右で異なる上記[1]〜[4]のいずれかに記載のテープ型使い捨ておむつ。
[6] 前記基材部に形成された透明または半透明領域の形状が表意形状である上記[1]〜[5]のいずれかに記載のテープ型使い捨ておむつ。
本発明においては、止着テープは、基材部と複数の突起部を有するフック材とから構成されており、前記基材部は白色の熱可塑性樹脂製不織布であり、前記フック材は有色であって、前記基材部の前記フック材を配置する部位には、透明または半透明の領域が形成されているので、前記フック材の背面の少なくとも一部が前記基材の前記透明または半透明の領域から視認可能である。したがって、おむつ替えの際にテープ位置がわかりやすい。また、止着テープに透明または半透明の領域を形成して、有色のフック材を視認可能としているため、止着テープのフック材が配置されていない面に印刷を施す場合と異なり、擦れなどによって色落ちすることもない。さらに、透明または半透明の領域から直接フック材の有無を確認することができるため、事故等によりフック材が脱落している場合にもひと目でわかる。
以下、本発明のテープ型使い捨ておむつを実施するための最良の形態について、具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備えるテープ型使い捨ておむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書中において「フック材」とは、メカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)の凸部材であり、凹部材であるループ材との機械的結合により固定を行うことができるものである。このフック材は基材の表面に付設される。「フック材」としては、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状、錨状等)が形成されたものが用いられる。
「基材」とは、一方の端部付近にフック材が付設され、且つ他方の端部が、例えば使い捨ておむつの後身頃の左右の各側縁に固定されることによって、止着テープの本体として機能するものである。
「テープ型使い捨ておむつ」とは、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、後身頃6を前身頃2に対して固定するための止着テープ10を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
本発明のテープ型使い捨ておむつは、前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置された、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置された、液不透過性材料からなるバックシートと、前記後身頃の左右の側縁に少なくとも1つずつ配置された、前記後身頃と前記前身頃とを固定する止着テープと、前記前身頃に形成された、前記止着テープを止め付ける止着領域と、を備えたテープ型使い捨ておむつであって、前記止着テープは、基材部と複数の突起部を有するフック材とから構成されており、前記基材部は白色のシートであり、前記フック材は有色であって、前記基材部の前記フック材を配置する部位には、透明または半透明の領域が形成されているテープ型使い捨ておむつである。
図5は本発明の一実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの概略平面図である。また、図2は図5の一点鎖線部を拡大し、止着テープ10をおむつの内側(着用者の身体と接する側)に折り込んだ様子を示す概略平面図である。さらに、図1は図2のA−A’断面を示す概略断面図である。
[1]止着テープ:
本発明の止着テープは、図5に示される止着テープ10のように、おむつの前身頃2と後身頃6とを固定するために用いられ、基材48と、この基材48の表面に付設されたメカニカルファスナーのフック材44とを備えて形成されている。
なお、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、止着テープ10の基材48にメカニカルファスナーのフック材44が付設されている。一方、前身頃2には、メカニカルファスナーのループ材52からなるフロントパッチ12が配置されており、フック材44を固定することが可能なように構成されている。
このような構成によって、おむつの後身頃6を前身頃2に対して固定することができ、おむつを着用者に装着させることが可能となる。
なお、このようなフック材の素材としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(いわゆるナイロン)、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維を用いることができる。特に、ポリエチレンやポリプロピレンを好適に用いることができる。本発明においては、フック材として、有色のものを採用する。ここで有色とは、白色以外のものを意味する。
「基材」は、フック材を付設し、且つ止着テープ10を後身頃6の左右の各側縁6a,6bに固定することによって、止着テープ10の本体として機能するものである。本発明においては、基材部は白色のものを採用する。
この基材の素材としては、スパンボンド、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)、カードエンボス、レジンボンド等の各種不織布からなるシート材を用いることができる。強度の面を考慮すると、スパンボンド不織布からなるシート材を用いることが好ましい。
不織布の構成材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(いわゆるナイロン)、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維を挙げることができる。この場合、合成繊維は単繊維であってもよいし、芯鞘構造等を有する複合繊維であってもよい。一般に、単繊維を使用する場合は、ポリオレフィンが多く用いられるが、強度の面を考慮するとポリエステルを用いることも好ましい。
また、基材の素材として、複数の不織布やフィルムを積層した積層体を用いることもできる。
本発明においては、基材にフック材を固着する前、基材にフック材を固着する際、または基材にフック材を固着した後に、基材のフック材を配置する/した部位に透明または半透明の領域を形成させる。図1および図2に示すとおり、基材48におけるフック材44に対応する部位には透明または半透明の領域が形成されている。このようにして形成された止着テープ10はサイドシート19に接合される。
本発明においては、透明または半透明の領域の全光線透過率は40%以上であるのが好ましい。全光線透過率が40%未満の場合、フック材の色の視認性が十分ではなくなる傾向にある。ここで全光線透過率とは、JIS K 7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第一部:シングルビーム法)に準じて測定した値を意味する。また、全光線透過率は数値が大きいほうが、透明度が高いことを表す。
透明または半透明の領域を形成する方法として、基材の熱可塑性樹脂不織布を熱エンボス加工により溶融する方法や、微多孔フィルムまたは不織布またはこれらを二層以上積層した積層シートに浸透することにより不透明度を下げることが可能な透明化物質を塗布する方法が挙げられる。
熱エンボス加工の方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、所定の形状のパターンロールを使用して熱圧着することにより形成することができる。
透明化物質としては、ホットメルトが好適に用いられる。このホットメルトは、5〜90質量%のスチレン−ブロック共重合体又はその水素添加誘導体と、5〜90質量%の粘着付与樹脂、さらに5〜50質量%の可塑剤が主成分であり、その他の成分には必要に応じてエチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体、ポリプロピレン−ポリエチレン−ブテン1共重合体などのプロピレン系共重合体、充填剤(酸化チタン、炭酸カルシウムなど)、ワックス、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を配合することが出来る。また、粘着付与剤としては、従来公知のもの、例えば、石油樹脂、水素添加石油樹脂、ロジン系樹脂、水素添加ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂等が用いられる。さらに、可塑剤も、従来公知のもの、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が用いられる。
本発明においては、透明または半透明の領域の形状を左右の止着テープで異なったものとしても良い。この場合、テープ型使い捨ておむつの左右の確認が容易となるため好ましい。
本発明においては、また、透明または半透明の領域の形状を表意形状としても良い。ここで、表意形状とは、星や動物のシルエット、アルファベット、数字などの意味のある形状である。このような形状とすることにより、乳幼児用のテープ型使い捨ておむつに採用した場合に、乳幼児に対する知育に資する。
図3および図4は、本発明の一実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの止着テープの概略拡大平面図である。図3は、エンボス加工により形成された透明または半透明の領域(エンボス加工部54a)の形状をくまのシルエット形状としたものであり、また、図4は、エンボス加工により形成された透明または半透明の領域(エンボス加工部54b)の形状をハート型としたものである。
[2]テープ型使い捨ておむつ:
本発明のテープ型使い捨ておむつは、その止着テープとして、既に説明した止着テープを備えるものである。より具体的には、吸収体と、吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えるとともに、前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成されており、後身頃の左右の各側縁から延出するように配置され、前身頃と後身頃とを固定するための止着テープを更に備え、その止着テープが、上記した止着テープであるテープ型使い捨ておむつである。
[2−1]止着テープ:
本発明のテープ型使い捨ておむつは、その止着テープとして、既に説明した止着テープを備えるものであれば、他の構成について制限はない。但し、後身頃の左右の各側縁に、止着テープが少なくとも1個ずつ配置されていることが好ましい。
例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、後身頃6の左右の各側縁6a,6bに、止着テープ10が1個ずつ配置されたものである。
止着テープをおむつ本体に接合する方法としては、ホットメルト接着剤による接合や融着による接合が挙げられる。例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、おむつ本体の後身頃6の側縁6a,6b、より具体的にはサイドシート19によって構成されるサイドフラップの両側縁に、ホットメルト接着剤によって止着テープ10を接合した例である。
[2−2]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装される。より具体的には、吸収体は少なくとも股下部に介装され、この吸収体が前身頃や後身頃にまで及んでいてもよい。
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、吸収体22として、矩形状の吸収体を用いた例である。
なお、吸収体には、その表面側に(例えば、吸収体とトップシートとの間に)、尿や体液等の液体を拡散させるためのシート(セカンドシート)を付帯的に配置してもよい。このセカンドシートを付設すると、着用者の姿勢等に起因して、トップシート裏面側の空間が十分に形成されないような場合でも、尿や体液等の吸収速度が低下し難く、吸収速度の低下による尿や体液等の漏れを防止することが可能となる。
セカンドシートを構成する材料としては、親水性で液透過性の材料、例えば、織布、不織布、多孔性プラスチック、フラッフパルプ等を挙げることができる。これらの構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプ、或いはこれらの複合繊維等を挙げることができる。パルプとしては、カーリーセルロースファイバー等のけん縮繊維を好適に用いることができる。
[2−3]トップシート:
トップシートは、吸収体の表面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。通常、少なくとも吸収体の表面近傍については、着用者の尿や体液を透過させ得る液透過性の材料によって構成される。少なくとも一部が液透過性材料により構成されている限り、必ずしもトップシート全体が液透過性材料で構成されている必要はない。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。不織布の種類についても特に制限はなく、エアースルー(カード熱風)、カードエンボス、スパンボンド等の各種製法によって製造された従来公知の不織布を好適に用いることができる。
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、吸収体の表面部に配置されるトップシートと、サイドフラップの部分に配置されるトップシートとを異なるシートによって構成する形態もよく利用される。図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート18(センターシート)を配置し、おむつのサイドフラップ部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるサイドシート19を配置した例である。
[2−4]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
その配置方法については特に制限はないが、例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1のように、おむつの外形と一致するように、バックシート20を配置する構成を採用することができる。但し、必ずしもこのような構成を採用する必要はなく、吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分に液不透過性材料からなるバックシートを配置してもよい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[2−5]立体ギャザー:
着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを備えていてもよい。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性のシート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
なお、立体ギャザーは、トップシートやバックシートとは全く別個のシート材により形成してもよいが、センターシートやサイドシート等のトップシートを折り返すことにより形成してもよい。例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、サイドシート19を折り返すことにより立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。但し、立体ギャザーは、セカンドシート等のトップシート以外の部材を折り返すことにより形成してもよい。
この立体ギャザーは、股下部からの漏れを防止するため、少なくとも股下部に形成されていればよいが、前身頃や後身頃に形成されていてもよい。例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、おむつの長手方向に沿って、股下部4から前身頃2と後身頃6の双方にかけて連続的に、一対の立体ギャザー26(26a,26b)が形成された例を示すものである。また、立体ギャザーは、少なくとも一対形成する必要があるが、二対以上形成してもよい。
立体ギャザーはおむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザーであってもよいし、おむつの外側に向かって傾倒する外倒しギャザーであってもよい。また、高さ方向の一部に、曲げ部や折り返し部を形成した立体ギャザー(C折りギャザーやZ折りギャザー等)とすることもできる。例えば、図1に示すテープ型使い捨ておむつ1は、立体ギャザー26(26a,26b)を内倒しギャザーとした例である。
[2−6]各種伸縮材:
テープ型使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り伸縮材を配置すると、おむつを交換する際に吸収体の両側で脚周り伸縮材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
例えば、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、おむつの長手方向に沿って、直線的に二本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムによって構成されている。但し、脚周り伸縮材は、必ずしも直線的に配置する必要はなく、例えば、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に配置してもよい。
なお、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、脚周り伸縮材40の形状、配置位置、配置数等を左右対称とした例を示したが、これらが左右非対称なものも本発明の範囲に含まれる。そして、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1では、脚周り伸縮材40が片側につき三本配置された例を示したが、一本または二本だけ配置されていてもよいし、四本以上配置されていてもよい。また、複数の脚周り伸縮材を用いる場合、その太さや伸張率等も目的に応じて適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
なお、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1は、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、110〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[3]テープ型使い捨ておむつの製造方法:
以下、本発明のテープ型使い捨ておむつの製造方法を、図5に示すテープ型使い捨ておむつ1を製造する場合の例で説明する。まず、バックシート20の材料となる長尺のシート材(バックシート材)の表面に、親水性シートに包まれた吸収体22、脚周り伸縮材40及びウエスト周り伸縮材42を載置し、更にその表面にトップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)を載置することにより、おむつの中間体となる積層体(おむつ連続体)を得る。この際、トップシート材は、センターシート18に相当するトップシート材と、サイドシート19に相当するトップシート材の2種類が使用される。サイドシート19に相当するシート材には折り返し部分を設けることによって、立体ギャザー26が形成されている。
前記のようにして得られたおむつ連続体のおむつ後身頃6の側縁6a,6bに、本発明の止着テープ10を付設した後、おむつの脚周り開口部に相当する部分を円弧状に切り抜いて切除し(Rカット)、脚周り開口部を形成する。おむつ連続体を個々のおむつに切断することにより、テープ型使い捨ておむつ1を製造する。
なお、上記のような方法の他、予めトップシート材に止着テープを付設しておき、バックシート材の表面に、親水性シートに包まれた吸収体及び脚周り伸縮材を載置し、更にその表面に止着テープが付設されたトップシート材を載置することにより、おむつ連続体を得てもよい。また、前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、テープ型使い捨ておむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
本発明のテープ型使い捨ておむつは、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして好適に利用することができる。
本発明の一実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの止着テープの概略拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの止着テープの概略拡大平面図である。 本発明の他の実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの止着テープの概略拡大平面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの止着テープの概略拡大平面図である。 本発明の一実施形態に係るテープ型使い捨ておむつの概略平面図である。
符号の説明
1:テープ型使い捨ておむつ、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、10:止着テープ、12:フロントパッチ、18:トップシート、19:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、26,26a,26b:立体ギャザー、36,36a,36b:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:フック材、48:基材、52:ループ材、54,54a,54b:エンボス加工部。

Claims (6)

  1. 前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置された、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置された、液不透過性材料からなるバックシートと、前記後身頃の左右の側縁に少なくとも1つずつ配置された、前記後身頃と前記前身頃とを固定する止着テープと、前記前身頃に形成された、前記止着テープを止め付ける止着領域と、を備えたテープ型使い捨ておむつであって、
    前記止着テープは、基材部と複数の突起部を有するフック材とから構成されており、前記基材部は白色のシートであり、前記フック材は有色であって、前記基材部の前記フック材を配置する部位には、全光線透過率40%以上の透明または半透明の領域が形成されているテープ型使い捨ておむつ。
  2. 前記基材部が熱可塑性樹脂不織布であり、透明または半透明の領域が熱エンボス加工による溶融によって形成されている請求項1に記載のテープ型使い捨ておむつ。
  3. 前記基材部が微多孔フィルムもしくは不織布またはこれらを二層以上積層した積層シートであり、透明または半透明の領域が、前記基材部に浸透することにより不透明度を下げることが可能な透明化物質を塗布することによって形成されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記透明化物質が、ホットメルトであり、主成分として(A)スチレン−ブロック共重合体またはその水素添加物、及び(B)粘着付与樹脂、及び(C)可塑剤、を有する請求項3に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記基材部に形成された透明または半透明領域の形状が左右で異なる請求項1〜4のいずれか一項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
  6. 前記基材部に形成された透明または半透明領域の形状が表意形状である請求項1〜5のいずれか一項に記載のテープ型使い捨ておむつ。
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