JP2010041362A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 緊急地震速報に含まれる情報の重要度が低い場合は通話回線の強制切断や一部機能の停止等を行わず、通常時と同じように使用することが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】本発明の通信装置は、地震情報に含まれる推定震度が予め定められた閾値を超えるか否かを判定する震度判定部を備えている。また、震度判定部の判定結果に基づいて報知部の制御を行う報知制御部を備えている。報知制御部は、緊急地震速報が受信され、且つ推定震度が閾値を下回ると判定された場合に、報知部に対して地震情報の報知処理を禁止する。また報知部は、地震情報算出部が緊急地震速報を受信してから所定時間内において、通信装置が備える所定機能、例えば通話機能等を停止させる機能停止処理を行う。ただし震度判定部により推定震度が閾値を下回ると判定された場合、報知制御部は報知部に対して機能停止処理の禁止を行う。これにより、所定機能の動作が行われる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、広域通信網に接続されて通信を行う通信装置に関するものであり、特に気象庁が配信する緊急地震速報を受信して避難指示を行う通信装置に関する。
近年、通信インフラの発達により、通信に関する様々な付加サービスが普及するようになってきた。例えば電話装置においては、一般電話回線以外に、IP電話網やインターネット等の広域通信網に接続して、データ通信サービス等の様々なサービスを受けることが可能な電話装置が普及している。
このような通信装置が備える機能の一つとして、地震発生時に気象庁が配信する緊急地震速報の受信機能が存在する。緊急地震速報とは、日本では西暦2007年10月1日より実施が開始された情報配信サービスである。使用者は緊急地震速報に対応する通信装置を購入し、且つ緊急地震速報の配信サービス会社と契約することにより、このサービスを利用することができる。
地震発生時に緊急地震速報を受信した通信装置は、通信装置に予め記録されている地域情報、例えば通信装置が設置されている場所の緯度/経度情報等を用いて、予測震度や主要動(=地震動のうち、人体に最も強く感じられる部分。通常はS波)が到達する予測時刻等を算出する。
算出結果は、例えば液晶パネルによる画像表示や、スピーカによる音声出力により、使用者に通知される。これにより使用者は、震源地から主要動が到達するまでの間に、机の下に隠れたり火の元を消したりする等の避難行動をとることができる。
上記のような緊急地震速報を受信可能な装置として特許文献1においては、専用の地震情報表示装置等を用いることなく、構内電話システムを利用して、地震事前情報等を音声により通知すると共に、当該利用者へ避難経路を案内する機能を有する構内電話システムが開示されている。
特開2008−42320号公報
上記の特許文献1によれば、緊急地震速報を受信することにより二次災害を防止することや、主要動が到達するまでの時間に注意喚起や車両の停止措置等を行うことができる。また、予測震度や到達予測時刻を用いた避難指示を行うことができる。
しかしながら上記のように、緊急地震速報受信機能と音声通話機能とが同一の通信装置又は通信システムにより実現されている場合、緊急地震速報の受信時に報知処理を優先するため、通信回線を強制切断したり、一部機能を使用できないようにしていた。しかしながら、緊急地震速報に含まれる情報の重要度が低い場合、例えば推定震度が震度1のように小さい場合等は、重要度が低いにも係わらず通話処理等が行えなくなるため、ユーザに不便さを感じさせるという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、緊急地震速報の受信時において、緊急地震速報に含まれる情報の重要度が低い場合は通話回線の強制切断や一部機能の停止等を行わず、通常時と同じように使用することが可能な通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の通信装置は、通信網に接続可能な第一通信部と、前記第一通信部により通信網から受信した緊急地震速報に基づき地震情報を算出する地震情報算出部と、前記地震情報に基づく報知処理を行う報知部とを備えた通信装置において、前記地震情報に含まれる推定震度が閾値を超えるか否かを判定する震度判定部と、前記地震情報算出部により緊急地震速報が受信され、且つ前記震度判定部により前記推定震度が予め定められた閾値を下回ると判定された場合に、前記報知部に対して前記報知処理を禁止する報知制御部を備えたことを特徴としている。
この構成によると、本発明の通信装置は、通信網に接続可能なネットワークカードや無線LAN装置等を含む第一通信部を備えている。また第一通信部を用いてインターネット等の広域通信網から気象庁の配信する緊急地震速報を受信して予測震度や主要動の予測到達時刻を含む地震情報を算出する地震情報算出部を備えている。また、算出された地震情報に基づき、推定震度や推定到達時刻等を表示部やスピーカ等により報知する報知部を備えている。
さらに、地震情報に含まれる推定震度が予め定められた閾値を超えるか否かを判定する震度判定部を備えている。また、震度判定部の判定結果に基づいて報知部の制御を行う報知制御部を備えている。報知制御部は、緊急地震速報が受信され、且つ推定震度が閾値を下回ると判定された場合に、報知部に対して地震情報の報知処理を禁止する。
また上記目的を達成するために本発明の通信装置は、前記報知部が、前記地震情報算出部が緊急地震速報を受信してから予め定められた時間の間、前記通信装置が備える機能のうち、予め定められた機能を停止させる機能停止処理を行い、前記報知制御部が、前記地震情報算出部により緊急地震速報が受信され、且つ前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回ると判定された場合に、前記報知部に対して前記機能停止処理を禁止することを特徴としている。
この構成によると、報知部は、地震情報算出部が緊急地震速報を受信してから所定時間内において、通信装置が備える所定機能、例えば通話機能等を停止させる機能停止処理を行う。ただし震度判定部により推定震度が閾値を下回ると判定された場合、報知制御部は報知部に対して機能停止処理の禁止を行うため、上記所定時間内であっても、所定機能の動作が行われる。
また上記目的を達成するために本発明の通信装置は、予め定められた機能の動作中に前記地震情報算出部が緊急地震速報を受信し、且つ前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回ると判定された場合に、前記機能の動作終了時において、緊急地震速報を受信したことを示す受信通知を前記報知制御部が行うことを特徴としている。
この構成によると、所定機能の動作中において緊急地震速報が検知され、且つ推定震度が所定値を下回る場合に、所定機能の動作が継続され、報知処理が行われない。そして所定機能の動作が終了した時点で、報知制御部は、所定機能の動作中に緊急地震速報が受信されていたことを示す受信通知を行う。
また上記目的を達成するために本発明の通信装置は、前記報知部が、前記機能停止処理の処理対象として、通話機能、電子メール送受信機能、及びFAX送受信機能を含んでいることを特徴としている。
この構成によると、報知部は、緊急地震速報を受信してから所定時間内おいて動作を停止させる所定機能の中に、通話機能、電子メール送受信機能、及びFAX送信機能を含んでいる。
また上記目的を達成するために本発明の通信装置は、情報を記録する記録部と、前記閾値の指定を受け付け、指定された前記閾値を前記記録部に記録する閾値設定部とを備え、前記震度判定部が、前記推定震度と前記記録部より読み出した前記閾値との比較を行うことにより、前記推定震度が前記閾値を超えるか否かを判定することを特徴としている。
この構成によると、本発明の通信装置は、メモリ等の記録部と、閾値の指定を操作部等により受け付けて記録部に記録する閾値設定部とを備えている。震度判定部は、推定震度と閾値との比較を行う際に、記録部より閾値を読み出して判定を行う。
また上記目的を達成するために本発明の通信装置は、前記第一通信部と、前記地震情報算出部と、前記震度判定部と、前記報知部と、前記報知制御部とを備えた主通信装置と、前記主通信装置と通信可能な第二通信部を備えた副通信装置とを含む通信装置において、前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回る判定された場合に、前記報知制御部が、前記主通信装置及び前記副通信装置における報知処理及び前記機能停止処理を禁止することを特徴としている。
この構成によると、本発明の通信装置は、親機(=主通信装置)と子機(=副通信装置)とを含むように構成されている。親機は、上述の第一通信部、地震情報算出部、震度判定部、報知部、及び報知制御部を備えている。これに対して子機は、親機と通信可能な第二通信部を備えている。震度判定部により推定震度が閾値を下回ると判定された場合、報知制御部は親機及び子機における報知処理を禁止する。併せて、所定機能を停止させる機能停止処理の実行を禁止する。
また上記目的を達成するために本発明の通信装置は、前記第一通信部と、前記地震情報算出部とを備えた主通信装置と、前記主通信装置と通信可能な第二通信部と、前記報知部と、前記報知制御部と、前記震度判定部とを備えた副通信装置とを含む通信装置において、前記主通信装置が、前記地震情報算出部が算出した地震情報を前記第一通信部により前記副通信装置に送信し、前記地震情報を前記第二通信部により受信した前記副通信装置の前記震度判定部が、前記地震情報に含まれる推定震度が前記閾値を超えるか否かを判定し、前記報知制御部が、前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回ると判定された場合に、前記報知部に対して報知処理及び前記機能停止処理を禁止することを特徴としている。
この構成によると、本発明の通信装置は、親機と子機とを含むように構成されている。親機は、上述の第一通信部、及び震度判定部を備えている。これに対して子機は、親機と通信可能な第二通信部、報知部、報知制御部、及び震度判定部を備えている。親機において緊急地震速報が受信されると、算出された地震情報を子機に送信する。これを受けた子機の震度判定部は、推定震度と閾値の比較を行う。比較の結果、推定震度が閾値を下回ると判定された場合、報知制御部は報知部に対して、報知処理及び機能停止処理を禁止する。
本発明の構成によれば、緊急地震速報が受信され、且つ推定震度が閾値を下回ると判定された場合に、地震情報の報知を禁止する。従って、推定震度が比較的小さく、地震情報の重要度が低い場合には、報知が行われない。このため、不要な報知が装置使用の妨げとなるのを回避でき、ユーザに不便さを感じさせることがない。また、震度が比較的大きい場合は通常の報知処理を行うため、安全性が損なわれることもない。
また本発明の構成によれば、推定震度が閾値を下回ると判定された場合、報知制御部は報知部に対して機能停止処理の禁止を行う。このため、緊急地震速報受信後の所定時間内であっても、所定機能の動作が行われる。このため、緊急地震速報受信から所定時間内であっても、ユーザは通信装置による通信処理等を実施することができる。
また本発明の構成によれば、所定機能の動作中、例えば通話処理中等において緊急地震速報が検知され、且つ推定震度が閾値を下回ることにより報知処理が行われなかった場合に、所定機能の動作終了時、例えば通話終了時において、緊急地震速報を受信していたことを示す受信通知を行う。このためユーザは、通話終了時において、通話中に緊急地震速報が受信されていたことを認識できるため、利便性が向上する。
また本発明の構成によれば、報知部は、緊急地震速報を受信してから所定時間内に動作を禁止する機能に、通話機能、電子メール送受信機能、及びFAX送受信機能を含んでいる。このため、これらの機能を停止させることにより、ユーザが報知に対してより注意を払うようにすることができる。
また本発明の構成によれば、メモリ等の記録部と、閾値の値を受け付けて記録部に記録する閾値設定部とを備えている。震度判定部は、推定震度と閾値との比較を行う際に、記録部より閾値を読み出して判定を行う。このため、閾値の値を運用の形態にあわせて、適宜変更可能である。
また本発明の構成によれば、通信装置が、通信網を介して相互に通信を行う親機及び子機を含むように構成されている。このため本発明を親子電話に適応することが可能である。従って、ユーザが親子電話の使用中に推定震度の小さい緊急地震速報を受信したとしても、ユーザは親子電話の使用を妨げられることなく、通話等を継続することができる。
また本発明の構成によれば、通信装置に含まれる子機が、報知部、報知制御部、及び震度判定部を備えている。従って本発明を親子電話の子機のみに適応し、親機では従来と同様の報知処理を行うようにすることが可能である。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
[実施の形態1]
〈1−1.電話システムの構成について〉
図1は、本発明のコードレス電話装置(=通信装置)を含む電話システムの構成を示すブロック図である。本システムは少なくとも、親機1(=主通信装置)、子機2(=副通信装置)、有線LAN41、無線通信網42、IP電話ルータ51、ブロードバンドルータ52、ゲートウェイ53、IP電話網61、インターネット62、PSTN網63(=Public Switched Telephone Network:公衆電話交換網)、及び加入者電話装置71を含むように構成されている。
本発明のコードレス電話装置は、IP通信網に接続可能なコードレス電話装置であり、図中の親機1及び複数の子機2(子機A2a〜子機C2c)がこれに該当する。親機1は、有線LAN41に接続されることにより、電話網を介した音声通信が可能であるIP電話装置である。また親機1は、有線LAN41と無線通信網42との通信を中継する中継機能を持っている。これにより後述する子機2は、親機1を中継してIP電話網61やPSTN網63を介した通話を行うことが可能である。また親機1は、インターネット62を介して、気象庁が配信する緊急地震速報を受信する機能を持つ。なお、親機1の内部構造の詳細については後述する。
子機2は、後述する無線通信網42に接続されて親機1と通信を行うことにより、IP電話網61やPSTN網63を介して他の電話装置と音声通信を行うことが可能な無線通話装置である。なお、子機2の内部構成の詳細については後述する。
有線LAN41は、親機1、IP電話ルータ51、ブロードバンドルータ52、及びゲートウェイ53等が有線接続されたローカルのネットワークである。前記の各装置は有線LAN41に接続されることにより、相互に通信が可能となっている。なお、有線LAN41を構成する物理的な手段としては、例えばツイストペアケーブルを用いた10BASE−T(IEEE802.3iとして標準化)や100BASE−TX(IEEE802.3uとして標準化)等があげられる。
無線通信網42は、親機1と、複数の子機2とが無線接続された小規模の通信網である。具体的には例えば、2.4GHz(ギガヘルツ)の周波数帯の電波を利用したFHSS−WDCT(Frequency Hopping Spread Spectrum - Worldwide Digital Cordless Telephone)準拠の通信方式等を用いて相互に通信を行う。
IP電話ルータ51、及びブロードバンドルータ52は、複数のIPネットワークを相互接続するためのネットワーク中継装置である。具体的には、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルでいうネットワーク層(第3層)やトランスポート層(第4層)の一部のプロトコルを解析して転送を行う。本実施形態では、IP電話ルータ51は有線LAN41とIP電話網61との二つのIPネットワークを相互に接続する役割を持つ。またブロードバンドルータ52は、有線LAN41とインターネット62との二つのIPネットワークを相互に接続する役割を持つ。
ゲートウェイ53は、プロトコル体系が異なるネットワーク間を相互接続するためのプロトコル変換器である。ゲートウェイ53は例えば、有線LAN41とPSTN網63とを接続し、SIP等のシグナリングプロトコルを用いてシグナル変換を行うことにより、両ネットワーク間での通信を可能とする。
IP電話網61は、電話網の一部もしくは全てにVoIP(Voice over Internet Protocol)技術を利用した通信網であり、用いる通信回線としてはFTTH(Fiber To The Home)やADSL(Asymmetric DigiGal Subscriber Line)等の、いわゆるブロードバンド回線が利用される。なおVoIPとは、音声を各種符号化方式で圧縮してパケットに変換し、IPネットワークでリアルタイム伝送する技術である。これによりIP電話網61は音声通話サービスの他、画像の送受信を行うテレビ電話サービス等も提供可能である。
インターネット62は、通信プロトコルによるネットワークを相互接続して構築された広域通信網である。大小様々なコンピュータネットワークを相互に連結させて、国際的な通信ネットワークが構築されている。通信プロトコルとしては主に、TCP/IPが標準的なプロトコルとして採用されている。
PSTN網63は、一般の加入者電話回線ネットワークである。末端に電話装置を接続し、回線交換方式で通信相手に接続して音声通話を行うのに用いられる。加入者電話装置71は、電話加入者がPSTN網63を用いて他の加入者電話装置やIP電話装置と音声通話を行うための電話装置である。
〈1−2.親機の内部構成について〉
図2は、本発明の第一の実施形態に係る親機1の内部を示すブロック図である。親機1は少なくとも、制御部11、メモリ12、表示部13、入力部14、通信制御部15(=第一通信部)、アンテナ装置16、音声信号処理部17、スピーカ18、マイク19、時計回路20、及びフラッシュメモリ31(=記録部)を含むように構成されている。
制御部11は、親機1の各部を制御することにより通信制御処理(音声データの送受信、発呼の実施、或いは着呼の検知等)を統括制御するための中央処理装置である。また制御部11は、制御部11が備える演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現される機能部として、地震情報算出部11a、報知部11b、震度判定部11c、及び報知制御部11dを備えている。
地震情報算出部11aは、通信制御部15を用いてインターネット62から緊急地震速報を受信する。緊急地震速報には、地震検知時刻、地震識別番号、震央地名コード、震源の緯度/経度、震源の深さ、マグニチュード、最大予測震度、データの正確性(測定に使用したシステムや処理手法等)等のデータが含まれている。ただし緊急地震速報に含まれる予測震度及び主要動到達までの予測時間は大まかなものであり、地域毎の詳細な予測震度等は受信装置側で算出する必要がある。
算出処理には大きく分けて、単独観測点処理と、複数観測点処理との二つが存在する。単独観測点処理は、例えばP波検測やレベル法といった、観測点の近くで地震が発生したことを前提とした、局地的な一点型の測定処理である。複数観測点処理は、複数の単独測定点処理の結果を用いて、特定地の予測震度や主要動到達時刻を算出するためのものである。代表的な処理方法としては、テリトリー法やグリッドサーチ法が存在する。
地震情報算出部11aは、緊急地震速報に含まれる単独観測点処理結果と、メモリ12に記録されている緯度/経度情報に基づき、複数観測点処理を行う。具体的には例えば、まず複数の単独観測点処理結果から地震の三要素(震央:X、Y、時間:T、大きさ:M )を求める。さらに特定地の震央距離(震央X、Yから特定地X0、Y0までの距離)D、及び地震の大きさMから有感半径Rを求める。なおここでいう特定地とは、親機1が存在する緯度/経度を意味する。
地震情報算出部11aは、震央距離Dと、地震の大きさMと、震源の深さHとから、特定地での標準強度Sr を求める。そして地質状況などによる特定地における増幅係数Aを求め、標準強度Sr と増幅係数Aとを用いて主要動(S波)の予測強度、最大速度、最大加速度、最大変位、及び到達予測時刻等を求める。なお、地震情報算出部11aが用いる算出方法は上記内容に限定されるものではなく、運用の形態や緊急地震速報に含まれるデータ内容に応じて適宜変更可能である。
報知部11bは、地震情報算出部11aが算出した地震情報に基づいて、地震に関する報知処理を行う。例えば、主要動の到達予測時刻や、推定震度等を示す画像を表示部13に表示する。また、主要動の到達予測時刻や推定震度等を示す音声を音声信号処理部17及びスピーカ18により出力する。
さらに報知部11bは、緊急地震速報が受信されてから所定時間の間、報知処理を優先するため、予め定められた所定機能を停止させた状態(以下、「機能停止状態」という)へ親機1及び子機2を移行させる。なお停止対象とする機能としては、例えば通信制御部15等による通話機能やメール送受信機能等が含まれる。
震度判定部11cは、地震情報算出部11aにより算出された推定震度(以下、「推定震度G」という)が、予め定められた閾値(以下、「閾値Ga」という)を超えるか否かの比較を行う。比較結果は、次の報知制御部11dに与えられる。
なお、震度判定部11cが用いる閾値Gaの値は、例えば工場出荷時においてフラッシュメモリ31等の記録媒体に記録されている。或いは、使用者が設定画面等において設定できる形態でもよい。これは例えば、制御部11が所定のプログラムを実行することにより実現される機能部として、閾値設定部(不図示)を備えることにより可能である。
閾値設定部は、設定画面等で入力された閾値Gaをフラッシュメモリ31に記録する。また閾値設定部は、閾値を上げすぎると安全性が低下するため、予め定められた上限を超えるか否かを判定する。上限を超える場合は、設定を拒否し、エラーメッセージの出力等を行う。
報知制御部11dは、震度判定部11cより与えられる比較結果が、G<Gaを示すものである場合に、報知部11bに対して報知処理、及び所定機能の停止処理を禁止する。つまり、機能停止状態への移行を禁止する。なお、既に機能停止状態になっている場合は、機能停止状態の解除を行う。これにより、例えば緊急地震速報の受信時にユーザが通話を行っていた場合に、報知部11bにより通話処理が中断されないため、ユーザは通話を継続することができる。
メモリ12は、親機1が保持する各種データを一時的に記録する媒体であり、例えば書込可能なRAM(Random Access Memory)等により構成されている。メモリ12は制御部11によって各種通信制御処理が行われる際の処理データや、使用者から受けた指示命令等を一時的に記録しておくためのバッファメモリとしての役割を持つ。
表示部13は、親機1が保持する各種情報(例えば着信時における発信側電話番号等)を使用者に対して表示する。表示部13は例えば、液晶パネル等の小型で消費電力の少ない表示装置を用いる。入力部14は、使用者が親機1を用いて通信を行うための各種操作(例えば通話を行う相手の電話番号の入力等)を行うためのものである。入力部14は通常、数字ボタンやリダイヤルボタン等の複数の操作ボタンから構成されている。
通信制御部15は、親機1を有線LAN41に接続するための通信インタフェースである。通信制御部15は、有線LAN41に接続された呼制御サーバ(不図示)と通信を行うことにより、IP電話システムにおける着信処理や発信処理等を実施することが可能である。また通信制御部15は、アンテナ装置16による無線通信網42を介した無線通信の制御を行う。
アンテナ装置16は、子機2との間で無線通信電波の送受信を行うための無線通信装置である。アンテナ装置16は、所定の通信規格、例えばFHSS−WDCT(Frequency Hopping Spread Spectrum - Worldwide Digital Cordless Telephone)準拠の通信方式等に則って、無線通信を行う。これにより、子機2との間で音声通信やデータ通信等を行うことが可能である。
音声信号処理部17は、通信制御部15により入力された音声データの復号処理を行い、音声信号としてスピーカ18に与える。また音声信号処理部17は、マイク19より入力された音声信号に所定の符号化処理を施して音声データを作成し、通信制御部15に与える。これにより音声データは有線LAN41、無線通信網42、或いはIP電話網61等を通じて接続される他の電話装置へ送信される。
時計回路20は、現在時刻を計時するための回路であり、例えば所定の周波数による発振出力を行う水晶振動子を用いて計時を行う。また時計回路20は、時刻情報だけではなく、現在の月日や曜日といった暦に関連する暦情報の管理を行うことも可能である。
フラッシュメモリ31は、親機1が保持する各種データを一時的に記録する記録装置である。フラッシュメモリ31は、例えば音声信号処理部17が音声信号を生成するための音声情報や、各種制御よって発生する処理データ、設定データ、ユーザデータ等を記録する役割を持つ。フラッシュメモリ31は不揮発の記録媒体であるが、1バイト単位の書き換えが不可能であり、セクタ単位、或いはブロック単位でしか書き換えを行うことができない。
〈1−3.子機の内部構成について〉
図3は、本発明の第一の実施形態に係る子機2の内部を示すブロック図である。子機2は少なくとも、制御部21、メモリ22、表示部23、入力部24、通信制御部25(=第二通信部)、アンテナ装置26、音声信号処理部27、スピーカ28、マイク29、及びバッテリ部30を含むように構成されている。
制御部21は、子機2の各部を制御することにより通信制御処理(音声データの送受信、発呼の実施、或いは着呼の検知等)を統括制御するための中央処理装置である。メモリ22は、子機2が保持する各種データを一時的に記録する媒体であり、例えば書込可能なRAM(Random Access Memory)等により構成されている。
表示部23は、子機2が保持する各種情報(例えば着信時における発信側電話番号等)を使用者に対して表示する。表示部23は例えば、液晶パネル等の小型で消費電力の少ない表示装置を用いる。入力部24は、使用者が子機2を用いて通信を行うための各種操作(例えば通話を行う相手の電話番号の入力等)を行うためのものである。入力部24は通常、数字ボタンやリダイヤルボタン等の複数の操作ボタンから構成されている。
通信制御部25は、アンテナ装置26による無線通信の制御を行う。これにより子機2は、無線通信網42に接続された親機1との通信を行うことが可能である。また、親機1を中継して、PSTN網63を介した着信処理や発信処理等を実施することが可能である。
アンテナ装置26〜マイク29については、親機1のアンテナ装置16〜マイク19と同一の構成であるため、ここでは説明を省略する。バッテリ部30は、外部電源(不図示)より電力の供給を受け、電力を一時的に備蓄しておく。具体的には例えば、充電式アルカリ電池やリチウムイオンバッテリ等が用いられる。
〈1−4.報知制御処理について〉
ここで、本発明の第一の実施形態における報知制御処理について、図1〜図3のブロック図と、図4のフロー図とを用いながら説明する。
図4は、本実施形態における親機1の処理フローである。図4に示す処理フローは、親機1の電源が起動し、且つ有線LAN41等を介した緊急地震速報の受信が可能となった段階で開始される。本処理の開始後、地震情報算出部11aはステップS110において、緊急地震速報の受信を検知したか否かの判定を行う。検知していない場合、再びステップS110に移行し、継続して監視を行う。
緊急地震速報を検知した場合、地震情報算出部11aはステップS120において、受信した緊急地震速報に含まれる情報と予め親機1に設定されている情報、例えば地域情報等に基づき、親機1が設置されている地域における推定震度Gや、主要動の推定到達時刻等を算出する。
次に震度判定部11cはステップS120において、推定震度Gと、予めフラッシュメモリ31に記録されている閾値Gaとの比較を行う。そして比較の結果に基づき、ステップS140において処理の分岐を行う。
G>Gaである場合、つまり推定震度が閾値より大きく、比較的危険度が高い場合、報知部11bはステップS150において、通話回線の強制切断を行う。なお、通話回線が接続されていない場合は、特に切断処理を行う必要はない。
次に報知部11bはステップS160において、動作中の機能のうち所定機能の動作を停止させることにより、親機1及び子機2を機能停止状態へ移行させる。これにより例えば、実行中であった通話処理、メール作成処理、FAX送信処理等が強制中断される。
次に報知部11bはステップS170において、緊急地震速報の報知処理を開始する。なお、報知処理の詳細については、従来技術と同様であるため、ここでは説明を省略する。次に地震情報算出部11aはステップS180において、新たな緊急地震速報が検知されたか否かの判定を行う。
検知された場合、再びステップS120に移行し、新しい緊急地震速報に基づく推定震度Gの算出を行う。検知されていない場合、報知部11bはステップS190において、緊急地震速報の報知を開始してから予め定められた所定時間が経過したか否かを判定する。
所定時間が経過していない場合、再びステップS180に移行する。所定時間が経過している場合、報知部11bはステップS200において、報知処理を終了し、親機1及び子機2を通常状態へ移行させる。これにより、動作を停止されていた所定機能が動作可能となる。ステップS200が終了すると、再びステップS110に移行する。
説明をステップS140に戻すと、ステップS140においてG<Gaと判定された場合、つまり推定震度が閾値より小さく、比較的危険度が低い場合、ステップS141に移行する。報知制御部11dはステップS141において、報知部11bに対して緊急地震速報の報知処理を禁止する。そしてステップS142において、動作中の機能のうち所定機能の動作を継続させる。なおこの際、既に機能停止状態となっている場合は機能停止状態の解除を行う。これにより例えば、緊急地震速報受信後の所定時間内であっても、通話処理等が可能となる。
次に報知制御部11dはステップS143において、地震情報算出部11aが新たな緊急地震速報を受信したか否かを判定する。受信した場合、ステップS120に移行する。受信していない場合、報知制御部11dはステップS144において、動作中であった所定機能の動作が完了したか否かを判定する。例えば通話終了により通話回線が切断されたり、電子メールの作成及び送信が完了した場合等に、動作が完了したとみなされる。
動作が完了していない場合、ステップS143に移行する。動作が完了した場合、報知制御部11dはステップS145において、上記所定機能の動作中に緊急地震速報を受信していた旨を示す通知を行う。通知方法としては例えば、表示部13に通知のための文字画像を表示したり、音声処理部17及びスピーカ18を用いて通知音声を生成して出力する。通知が完了すると、再びステップS110へ移行する。
なお、以上に説明した本処理は、親機1の電源が停止された場合や、通信制御部15による通信が正常に行えなくなった場合等において、任意のタイミングで終了することが可能である。
以上に説明した本実施形態によれば、推定震度が比較的小さく、報知を行う必要性が低いと推定される場合において、報知処理の実施、及び所定機能の動作停止を行わない。これによりユーザは、重要度の低い報知によって実行中の操作を邪魔されることがないので、利便性が向上する。また、推定震度が閾値を超える場合は報知を行うため、安全性が損なわれることもない。
また以上に説明した本実施形態によれば、推定震度が比較的小さいため報知を行わなかった場合に、所定機能の動作完了後に、緊急地震速報を受信していたことを通知する。このためユーザは、緊急地震速報受信に関する最低限の情報を、後から知ることができる。
次に、本発明の第二の実施形態ついて、図面を参照しつつ説明する。なお本実施形態は、実施の形態1とは異なり、本発明の報知制御処理の処理主体を子機2に適応した場合の実施形態を示している。
[実施の形態2]
〈2−1.電話システムの構成について〉
実施の形態1と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈2−2.親機の内部構成について〉
構成要素は実施の形態1と同内容であるが、地震情報算出部11aの機能が一部異なる。本実施形態の地震情報算出部11aは、算出した地震情報を通信制御部15により子機2の制御部21へ送信する。
〈2−3.子機の内部構成について〉
本実施形態の子機2は、制御部21が備える演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現される機能部として、報知部21a、震度判定部21b、及び報知制御部21cを備えている。また、閾値Gaを記録するための記録媒体として、フラッシュメモリ32(=記録部)を備えている。
報知部21aは、親機1の地震情報算出部11aが算出した地震情報を通信制御部25により受信し、地震情報に基づいて、地震に関する報知を行う。また、報知処理を優先するため所定時間の間、子機2を機能停止状態へ移行させる。なお、報知処理の詳細については親機1の報知部11bと同内容であるため、ここでは説明を省略する。
震度判定部21bは、親機1より受信した地震情報に含まれる推定震度Gが、予め定められた閾値Gaを超えるか否かの比較を行う。なお、閾値Gaはフラッシュメモリ32から読み出したものを使用する。比較結果は、次の報知制御部21cに与えられる。
報知制御部21cは、震度判定部21bより与えられた比較結果が、G<Gaを示すものである場合に、報知部21aに対して報知処理、及び所定機能の停止処理を禁止する。つまり、機能停止状態への移行を禁止する。なお、既に機能停止状態になっている場合は、機能停止状態の解除を行う。これにより、例えば緊急地震速報の受信時にユーザが子機2による通話を行っていた場合に、報知部21aにより通話処理が中断されないため、ユーザは通話を継続することができる。
〈2−4.報知制御処理について〉
ここで、本発明の第二の実施形態における報知制御処理について、図5のブロック図と、図6のフロー図とを用いながら説明する。
図6は、本実施形態における子機2の処理フローである。図6に示す処理フローは、親機1及び子機2の電源が起動し、且つ無線LAN42を介して親機1との相互通信が可能となった段階で、開始される。本処理の開始後、震度判定部21bはステップS210において、親機1より地震情報を受信したか否かの判定を行う。受信していない場合、再びステップS210に移行し、継続して監視を行う。
地震情報を受信した場合、震度判定部21bはステップS220において、推定震度Gと、予めフラッシュメモリ32に記録されている閾値Gaとの比較を行う。そして比較の結果に基づき、ステップS230において処理の分岐を行う。
G>Gaである場合、つまり推定震度が閾値より大きく、比較的危険度が高い場合、報知部21aはステップS240において、動作中の機能のうち所定機能の動作を停止させることにより、子機2を機能停止状態へ移行させる。
次に報知部21aはステップS250において、緊急地震速報の報知処理を開始する。なお、報知処理の詳細については、従来技術と同様であるため、ここでは説明を省略する。次に震度判定部21bはステップS260において、新たな地震情報を親機1より受信したか否かの判定を行う。
受信した場合、再びステップS220に移行し、新しい地震情報に含まれる推定震度Gと閾値Gaとの比較を行う。受信していない場合、報知部21aはステップS270において、地震情報の受信を検知してから予め定められた所定時間が経過したか否かを判定する。
所定時間が経過していない場合、再びステップS260に移行する。所定時間が経過している場合、報知部21aはステップS280において、報知処理を終了し、子機2を通常状態へ移行させる。これにより、動作を停止されていた所定機能が動作可能となる。ステップS280が終了すると、再びステップS210に移行する。
説明をステップS230に戻すと、ステップS230においてG<Gaと判定された場合、つまり推定震度が閾値より小さく、比較的危険度が低い場合、ステップS231に移行する。報知制御部21cはステップS231において、報知部21aに対して緊急地震速報の報知処理を禁止する。そしてステップS232において、動作中の機能のうち所定機能の動作を継続させる。なおこの際、既に機能停止状態となっている場合は機能停止状態の解除を行う。
次に報知制御部21cはステップS233において、震度判定部21bが新たな地震情報を親機1より受信したか否かを判定する。受信した場合、ステップS220に移行する。受信していない場合、報知制御部21cはステップS234において、動作中であった所定機能の動作が完了したか否かを判定する。
動作が完了していない場合、ステップS233に移行する。動作が完了した場合、報知制御部21cはステップS235において、上記所定機能の動作中に緊急地震速報を受信していた旨を示す通知を行う。通知が完了すると、再びステップS210へ移行する。
なお、以上に説明した本処理は、子機2の電源が停止された場合や、通信制御部25による親機1との通信が正常に行えなくなった場合等において、任意のタイミングで終了することが可能である。
以上に説明した本実施形態によれば、本発明の報知制御処理が親機1ではなく、個々の子機2において実行される。このため、特定の子機2においてのみ、報知制御処理を実施することが可能である。また、子機2が接続される親機1が変更されたとしても、本発明の報知制御処理を行うための機能部が子機2に備えられているため、変更後も同様の報知制御処理を行うことができる。また、子機2毎に閾値Gaを個別に設定できるため、報知処理を優先する子機2と、優先しない子機2とを使い分けることが可能である。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、親機1が緊急地震速報を受信するための通信回線として、有線LAN41、及びインターネット62を使用しているが、これ以外の通信網、例えば専用回線やケーブルテレビ回線から緊急地震速報を受信する形態であってもよい。また、地上デジタル放送やBSデジタル放送のような、放送波から緊急地震速報を取得する形態であってもよい。
(B)本実施形態では、避難指示処理に関わる各機能部が親機1及び子機2内部に備わっている構成を例として説明したが、これらの機能部の一部が電話網やLAN等のネットワークを介して接続された外部装置により実現される形態であってもよい。例えば、震度判定部11cが用いる閾値Gaが、フラッシュメモリ31ではなく、ネットワーク上に存在する情報処理装置(ネットワークサーバ等)に記録されている形態であってもよい。これにより例えば、閾値Gaの値を変更したい場合に、複数の通信装置が用いる閾値Gaを一括して変更することが可能である。従って、一台毎に閾値Gaの値を変更する手間を省くことができる。
(C)本実施形態では、本発明の緊急地震速報通知機能を備えた通信装置として、親機1及び子機2を含むコードレス電話機を例にあげているが、広域通信網に接続して緊急地震速報を受信可能な通信装置であれば、これ以外の装置において本発明を実施する形態でもよい。例えば、無線LAN接続機能付き携帯電話、インターネット電話、IP通信が可能な子機を備えたIP電話、通話機能を搭載したパソコン上で実行されるアプリケーション等において実施する形態であってもよい。
(D)本実施形態では、本発明の報知制御処理に関わる親機1及び子機2の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
(E)本実施形態では、本発明の報知制御処理を実施する副通信装置として無線通信機能を備えた子機2を例に説明しているが、無線通信機能を持たない有線通信のみ可能な子機において、本発明の報知制御処理を行う形態であってもよい。
(F)本実施形態では、推定震度が閾値を下回る場合に、報知を行わず、且つ機能停止状態への移行を禁止しているが、閾値を下回る場合に、報知を行った上で、機能停止状態への移行を禁止する形態でもよい。これにより、報知処理と所定機能の実行とを並行して実施することができる。ただしこの場合、音声報知は通話機能等の妨げとなるため、画像による報知やランプ(不図示)の点灯による報知のみとすることが望ましい。
(G)上記に関連して、動作中の機能に応じて、報知方法を変更する形態でもよい。例えば音声通話を行っている場合は画像による報知、メール作成を行っている場合は音声による報知を行うことにより、各機能の動作の妨げとなりにくい報知を実施することが可能である。
(H)本実施形態では、緊急地震速報の受信後に機能停止状態とする時間の長さに付いては特に規定していないが、例えば予め使用者設定により、30秒、一分、二分のように時間指定で設定する形態でもよい。或いは、工場出荷時に固定値が定められており、使用者変更できない形態でもよい。
(I)本実施形態では、緊急地震速報の受信時に動作停止する機能として通話機能、メール送受信機能、及びFAX送受信機能を例に説明を行っているが、これ以外の機能についても、緊急地震速報の受信時において機能停止する形態でもよい。
は、本発明の電話システムの構成を示すブロック図である。 は、本発明の第一の実施形態に係る通信装置の親機の構成を示すブロック図である。 は、本発明の第一の実施形態に係る通信装置の子機の構成を示すブロック図である。 は、本発明の第一の実施形態に係る報知処理の処理フローを示すフロー図である。 は、本発明の第二の実施形態に係る通信装置の子機の構成を示すブロック図である。 は、本発明の第二の実施形態に係る報知処理の処理フローを示すフロー図である。
符号の説明
1 親機(主通信装置)
11a 地震情報算出部
11b 報知部
11c 震度判定部
11d 報知制御部
15 通信制御部(第一通信部)
2 子機(副通信装置)
21a 報知部
21b 震度判定部
21c 報知制御部
25 通信制御部(第二通信部)
31 フラッシュメモリ(記録部)
32 フラッシュメモリ(記録部)

Claims (7)

  1. 通信網に接続可能な第一通信部と、前記第一通信部により通信網から受信した緊急地震速報に基づき地震情報を算出する地震情報算出部と、前記地震情報に基づく報知処理を行う報知部と、を備えた通信装置において、
    前記地震情報に含まれる推定震度が閾値を超えるか否かを判定する震度判定部と、
    前記地震情報算出部により緊急地震速報が受信され、且つ前記震度判定部により前記推定震度が予め定められた閾値を下回ると判定された場合に、前記報知部に対して前記報知処理を禁止する報知制御部を備えたことを特徴とする通信装置。
  2. 前記報知部が、前記地震情報算出部が緊急地震速報を受信してから予め定められた時間の間、前記通信装置が備える機能のうち、予め定められた機能を停止させる機能停止処理を行い、前記報知制御部が、前記地震情報算出部により緊急地震速報が受信され、且つ前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回ると判定された場合に、前記報知部に対して前記機能停止処理を禁止することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 予め定められた機能の動作中に前記地震情報算出部が緊急地震速報を受信し、且つ前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回ると判定された場合に、前記機能の動作終了時において、緊急地震速報を受信したことを示す受信通知を前記報知制御部が行うことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記報知部が、前記機能停止処理の処理対象として、通話機能、電子メール送受信機能、及びFAX送受信機能を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  5. 情報を記録する記録部と、前記閾値の指定を受け付け、指定された前記閾値を前記記録部に記録する閾値設定部とを備え、前記震度判定部が、前記推定震度と前記記録部より読み出した前記閾値との比較を行うことにより、前記推定震度が前記閾値を超えるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の通信装置。
  6. 前記第一通信部と、前記地震情報算出部と、前記震度判定部と、前記報知部と、前記報知制御部とを備えた主通信装置と、前記主通信装置と通信可能な第二通信部を備えた副通信装置とを含む通信装置において、
    前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回る判定された場合に、前記報知制御部が、前記主通信装置及び前記副通信装置における報知処理及び前記機能停止処理を禁止することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  7. 前記第一通信部と、前記地震情報算出部とを備えた主通信装置と、前記主通信装置と通信可能な第二通信部と、前記報知部と、前記報知制御部と、前記震度判定部とを備えた副通信装置と、を含む通信装置において、
    前記主通信装置が、前記地震情報算出部が算出した地震情報を前記第一通信部により前記副通信装置に送信し、前記地震情報を前記第二通信部により受信した前記副通信装置の前記震度判定部が、前記地震情報に含まれる推定震度が前記閾値を超えるか否かを判定し、前記報知制御部が、前記震度判定部により前記推定震度が前記閾値を下回ると判定された場合に、前記報知部に対して報知処理及び前記機能停止処理を禁止することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
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