JP2010041304A - スライド回転ヒンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯電話機などの表示部筐体と操作部筐体をスライド動作と回転動作でつなぐヒンジ装置のロック機構を単純化して、ヒンジ装置を薄くして携帯電話機などを薄くする。
【解決手段】表示部筐体にスライダープレート1が固定されている。操作部筐体に回転プレート14が固定されている。中間プレート13は、スライダープレート1にスライド可能に取り付けられて、回転プレート14に回転軸12で回転可能に取り付けられている。スライダープレート1には、スライド動作中の回転動作を阻止するように回転軸12に当たる直線状凸部21と、回転動作中のスライド動作を阻止するように回転軸12に当たる傾斜状凸部22が設けてある。筐体を開くときは、表示部筐体を操作部筐体に対してスライドさせて伸張させる。TV視聴のときは、伸張状態で、表示部筐体を操作部筐体に対して90度まで面内回転させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スライド回転ヒンジに関し、特に、携帯電話機やPDAや携帯ゲーム機などの携帯電子機器の表示部をスライドさせて回転させるスライド回転ヒンジに関する。
従来、表示部筐体を操作部筐体に対してスライドさせて伸張状態にするスライド機構と、表示部筐体を縦長状態から横長状態に回転する回転機構を備えた携帯電話機がある。携帯電話機でTVを視聴する場合などに、表示部筐体を横長状態にする。図10に、特許文献4に開示された従来の携帯電話機を例として示す。図10(a)に、表示部筐体と操作部筐体の閉状態を示す。図10(b)に、スライドして全開にする直前の状態を示す。図10(c)に、表示部筐体を45度回転させた状態を示す。図10(d)に、表示部筐体を90度回転させた状態を示す。図10(e)に、携帯電話機の分解斜視図を示す。図11に、ロックユニットの分解斜視図を示す。
この携帯電話機は、図10(e)に示すように、液晶画面などの表示部が設けられた表示部筐体と、入力キーなどの操作部が設けられた操作部筐体とが、重ねられて構成されている。表示部筐体と操作部筐体は、ヒンジ装置によって連結されている。ヒンジ装置は、表示部筐体の背面に固定されるレールユニットと、操作部筐体に固定される固定ユニットと、レールユニット上を上下方向にスライド移動し、固定ユニットを回転可能に支持する中間体とで構成されている。表示部筐体は長方形であり、その背面にレールユニットを収納できる程度の凹部が設けられている。操作部筐体は、表示部筐体と同一サイズの長方形であり、その長手方向端部の近傍に、固定ユニットを収納できる凹部が設けられている。
中間体は、スライド移動するスライド移動ユニットと、スライド移動すると共に所定位置でスライド移動をロックするロックユニットとが、スライド移動方向に並べて配置され、スライド移動ユニットの背面に回転ユニットが配置されている。レールユニットと中間体と固定ユニットに設けられている孔にケーブルを通して、表示部筐体内の電子回路と操作部筐体内の電子回路とを電気的に接続する。レールユニットは、表示部筐体より一回り小さいサイズの長方形の板状ベースに各部品が取り付けられている。レールユニットのベースの2つの長辺には、一直線のガイドレールが互いに平行に設けられている。各ガイドレールの両端には、抜け止め防止体がそれぞれ設けられている。
図11に示すように、ロックユニットのベースは、スライド幅方向に長い長方形で、左右両端にコの字型のガイド係止部が設けられている。各ガイド係止部には、樹脂材で形成された断面コの字型のガイド部材が左右対称に取り付けられている。ガイド部材には、スライド方向に一直線のガイド溝が内側に形成されている。2つのガイド部材のガイド溝は、ガイド部材がガイド係止部に取り付けられた状態で互いに平行になるように構成されている。ロックユニットのベースの右上方位置には、上方へ向かって突出するコの字型の回転規制突起が設けられている。ロック部材の左右方向の内側面には、スライドロック用のスライドロック凹部が形成されている。ロックユニットのベースの右側上面には、押圧部材を左右方向に一直線移動可能に取り付けるガイド孔と、回転部材を回転可能に取り付ける軸支孔が、内側から外側へ順に設けられている。
押圧部材は、左側面(内側面)に、スライド方向へ一直線の押圧面が形成され、右側面下側に湾曲した湾曲ガイド面が形成されている。押圧部材の背面には、ロックユニットのベースのガイド孔に係合するガイド突起が形成されている。ガイド突起がガイド孔に係合することにより、押圧部材が回転することなく左右に一直線移動する。回転部材は、円形の一部を切り欠いた形状に形成されており、その切り欠き部分から円外周に繋がる位置に凸状の押圧ガイド面が形成されている。回転部材の背面には、リンクアームと連動するための連動突起が形成されている。リンクアームの基部側の端部には、連動凹部が設けられている。この連動凹部は、回転部材の連動突起と係合し、これによってリンクアームと回転部材が必ず連れ回りするように構成されている。
図10(a)に示す閉状態のとき、操作部筐体の上方に位置している中間体に対して、レールユニットの上方位置が係合している状態となる。このとき、中間体のロックユニットとスライド移動ユニットは分離不可に連結されており、回転ベースに対して回転カムが回転不可に回転規制されている。回転規制部材は回転規制バネによって右方へ付勢されており、回転規制部材の右側方の回転規制突起が、ロック部材の右上方の回転規制突起のコの字部分の内側に当接している。このため、両回転規制突起が互いにロックされ、ロックユニットとスライド移動ユニットがスライド方向へ分離できないように一体化される。
ここで、ロックユニットとスライド移動ユニットは、回転ユニットおよび固定ユニットを介してリンクアームにより接続されている。このため、ロックユニットとスライド移動ユニットが分離移動した際に回転ユニットおよびリンクアームが連動して回転することになる。しかし、ロックユニットとスライド移動ユニットが分離できない状態では、回転ユニットおよびリンクアームが回転できず、これらの回転が規制される。
図10(b)に示すように、操作部筐体に対して表示部筐体を上方へスライド移動させると、中間体にガイドされたレールユニットが上方へスライド移動する。このスライド移動の間、回転規制部材による回転規制が継続して行われるため、中間体に対して固定ユニットが回転できないこととなる。また、スライド付勢バネにより、中間点に到達するまでは閉方向に付勢されており、この状態で利用者が手を離すと閉状態へスライド移動する。中間点を越えると開方向に付勢され、利用者が手を離しても自動で全開状態へスライド移動する。ここで、スライド開動作が完了する直前になって、ロック部材と押圧部材の間の空間にロック部材が挟まり始める。
レールユニットが最上方までスライド移動してスライド開動作が完了すると、ロック部材と押圧部材の間の空間にロック部材が完全に挟まり、これらが一連に機能できる状態となる。また全開に移行するとき、回転規制解除突起が回転規制部材の傾斜面に当接し、ここからさらにスライド方向に一直線移動させることで、回転規制解除突起が回転規制バネの付勢力に逆らって回転規制部材を幅方向左側へ一直線移動させ、全開の状態に移行する。これにより、回転規制部材の回転規制突起が、ロックユニットの回転規制突起と接触しなくなり、ロックユニットとスライド移動ユニットが分離可能な状態となる。このため、リンクアームおよび回転ユニットが動作できる状態となり、スライド移動ユニットと固定ユニットが回転ユニットにより回転可能な状態となる。この状態に移行することで、入力側筐体に対して表示部筐体を回転させることが可能になる。
回転ベースに対して回転カムが回転し始めると、角度規制部材が幅方向外側へ移動し、ローラーが凹部からガイド面に乗り上げる。このとき、回転カムの回転により、回転カムに固定された固定ベースも回転し、固定ベースに一端が軸支されたリンクアームもヒンジ装置の幅方向一直線の状態からリベットを中心に回転する。つまり、固定ベースの回転中心と、固定ベースとリンクアームの先端部とが回転可能に軸支されるリベットの回転中心と、リンクアームの基部がロックユニットに回転可能に軸支されるリベットの回転中心とをこの順で結ぶヘの字型のリンクが構成されているため、このリンク機能により、固定ベースが回転するとリンクアームも回転する。
リンクアームが回転すると、リンクアームの連動凹部に連動突起が係合している回転部材が、連れ回りする。この回転部材の回転により、回転部材の押圧ガイド面が押圧部材の湾曲ガイド面を押圧し、これによって押圧部材がロック部材へ近づく方向に幅方向へ移動する。押圧部材が移動すると、押圧部材の押圧面にロック部材が押圧されてロック部材のスライドロック凹部へ近づく方向に幅方向へ移動し、ロック部材のロック凸部がロック部材のスライドロック凹部に当接し嵌合する。これにより、レールユニットに設けられたロック部材と、ロックユニットに設けられたロック部材とが引っかかり、ロックユニットがスライド移動しないようにレールユニットにスライドロックされる。
図10(c)に示すように、表示部筐体と操作部筐体をさらに回転させると、リンクアームの働きによってスライド移動ユニットがレールユニットに対してさらにスライド移動する。図10(d)に示すように、表示部筐体と操作部筐体をさらに回転させると、リンクアームの働きによってスライド移動ユニットがレールユニットに対してさらにスライド移動し、スライド移動ユニットに回転可能に取り付けられている固定ユニットの回転中心がレールユニットの中央位置に位置する。
このとき、ローラーは回転カムの凹部に嵌まり込み、90度回転した状態で固定される。また、リンクアームも90度回転してヒンジ装置のスライド方向に一直線の状態となる。なお、バンパーバネの付勢力の働きにより、回転角度が90度に近づいた状態からは、ガイド面に乗り上げていたローラーが凹部に落ち込もうとするため、自然に回転して90度の回転角度に落ち着くことになる。このようにして、携帯電話機全体がT字型の視聴状態となる。この視聴状態から開状態へ戻る際は、これと逆の動作を行う。図10(d)に示す視聴状態から図10(c)に示す回転状態を経て開状態となる。
開状態から閉状態へ戻る際は、上記と逆の動作を行う。開状態から図10(b)に示すスライド状態を経て、図10(a)に示す閉状態となる。開状態から閉状態へ向けてスライド移動し始めると、回転規制解除突起により左側へ押圧されていた回転規制部材が、回転規制解除突起の押圧から開放される。このとき、回転規制バネの付勢力によって回転規制部材は回転規制突起に係合し、ロックユニットとスライド移動ユニットが分離不可能な状態にロックされる。このため、リンクアームおよび回転ユニットが動作できない回転規制状態となる。この回転規制状態でスライド移動し、中間体がレールユニットの中間点までスライド移動するまでは、バネの付勢力によって開状態へ戻ろうとし、中間体がレールユニットの中間点を超えるとバネの付勢力によって閉状態へ自動でスライドする。
このようにして、表示部筐体と操作部筐体とのスライド開閉と、表示部筐体の90度回転を実現できる。表示部筐体と操作部筐体とがスライド移動している間は、回転規制部材等の働きによって回転規制されるため、表示部筐体が意図せず回転してしまうことなく、安定してスライド開閉を行うことができる。また、全開状態に移行した後は、操作部筐体に対して表示部筐体を回転させることができる。このとき、ロックユニットのロックと、リンクアームの働きにより、スライド移動ユニットが戻り方向にスライド移動しながら回転するため、90度回転した状態で表示部筐体の長手方向中心位置が操作部筐体に取り付けられている状態となり、表示部筐体が左右対称となる。
この状態では、表示部が横長となるため、利用者はテレビなどを見やすい状態で視聴できる。このように、表示部筐体が左右の一方に突出したような回転となることがなく、携帯電話機全体がT字型となるバランスの良い視聴状態にできる。全開状態から90度回転した視聴状態まで回転する間は、リンクアームによってスライド移動量が規制されるため、安定した回転およびスライドを実現できる。表示部筐体の背面側に回転支持するための支持ユニットが不要である。外観上は表示部筐体と操作部筐体が見えるだけであり、ヒンジ装置が外に現れないため、シンプルで美しい携帯電話機となる。以下に、表示部のスライド回転機構に関連する従来技術の例をいくつかあげる。
特許文献1に開示された「携帯通信端末」は、TV受信などで画面を横長とするときに、画面中央部の下側に操作部を位置させて、操作性をよくしたものである。図12(a)に示すように、操作部を有する第1の筐体部に対して表示画面部を有する第2の筐体部を回転操作可能に支持する支軸は、第2の筐体部に対して、この支軸に略々直交する方向に移動操作可能となされている。
特許文献2に開示された「携帯電話機」は、表示部の向きを変えることができるものである。図12(b)に示すように、本体部は、表示部を回転可能に支持している。表示部を回転して向きを変えると、操作部がスライド移動して、本体部から突出する。表示部を回転して向きを元に戻すと、操作部が本体部内に収納される。
特許文献3に開示された「スライド装置」は、操作部に対して表示部がスムーズにスライドして回転し、所定位置でクリック係合して位置決めされるものである。図12(c)に示すように、操作部と表示部とをスライド自在に連結するスライド装置である。表示部にガイドレールを設け、ガイドレールに案内されてスライドするスライド部を、操作部に設ける。ガイドレールの所定位置に、クリック係合部を設ける。クリック係合部に係合する係合ピンを、スライド部に設ける。係合ピンを、ピン弾圧部で弾性的に押圧する。
特許文献4に開示された「ヒンジ機構」は、液晶画面を縦長状態と横長状態とに変化させることができるものである。表示部筐体と操作部筐体とが重なる部分に、表示部筐体と操作部筐体とを接続するヒンジ機構を設ける。表示部筐体に、スライドレールを固定する。中間体が、スライドレールに係合してスライドレール上をスライド移動する。操作部筐体に、固定部を固定する。回転接続部で、固定部を中間体に回転可能に接続する。
特開2005-109971号公報 特開2006-080713号公報 特開2007-088746号公報 特開2008-092264号公報
しかし、上記従来のスライド回転ヒンジでは次のような問題がある。スライド動作中に回転を阻止し、回転中にスライド動作を阻止するロック機構が複雑であり、ヒンジ装置を薄くすることができない。したがって、携帯電話機を薄くすることが困難である。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、携帯電話機などの表示部筐体と操作部筐体をスライド動作と回転動作でつなぐヒンジ装置のロック機構を単純化して、ヒンジ装置を薄くして携帯電話機などを薄くすることである。
上記の課題を解決するために、本発明では、第1筐体に固定されたスライダープレートと、第2筐体に固定された回転プレートと、スライダープレートにスライド可能に取り付けられて回転プレートに回転軸で回転可能に取り付けられた中間プレートとを具備し、第1筐体を第2筐体に対してスライド可能に保持するとともに、第1筐体を第2筐体に対して所定角度まで面内回転可能とするスライド回転ヒンジのスライダープレートに、スライド動作中の回転動作を阻止するように回転軸に当たる直線状凸部と、回転動作中のスライド動作を阻止するように回転軸に当たるスライド阻止凸部とを備えた構成とした。スライダープレートと回転軸が対向する面の少なくとも一方は、保護部材で覆われている。
または、回転プレートに、スライド動作中の回転動作を阻止するための回転阻止ピンを備え、中間プレートに、回転動作中に回転プレートの回転軸に当たってスライド動作を阻止するスライド阻止ピンと、スライド動作中の回転動作を阻止するように回転阻止ピンと係合する回転阻止板とを備え、スライダープレートに、最大伸張状態において回転阻止板を回転阻止ピンから外す切り起こし突起部を設けた構成とした。
さらに、中間プレートが回転プレートに対向する面のうち、外部に露出する部分は、他の部分より回転プレートから離れるように凹ませた。中間プレートに、目隠し用のL字状端部を設けた。回転軸の中心部に、上筐体と下筐体を電気的につなぐケーブルを通す貫通孔を設けた。
上記のように構成したことにより、スライドと回転を行うヒンジ装置のロック機構が単純になってヒンジ装置が薄くなり、携帯電話機などを薄くできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1は、スライド動作中は、スライダープレートの直線状凸部の縁が回転プレートの回転軸の直線状切り欠き部に当たって、回転プレートの回転動作を阻止し、筐体の最大伸張状態では、直線状凸部の縁が回転軸から離れて、回転プレートが回転可能になり、回転動作中では、スライド阻止凸部の縁が回転軸に当たって、スライドプレートのスライド動作を阻止するスライド回転ヒンジである。
図1は、本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジの概念図と分解斜視図である。図2は、スライド回転ヒンジのスライド動作を示す概念図である。図3は、スライド回転ヒンジの回転動作を示す概念図である。図4は、スライド回転ヒンジの伸張状態を示す概念図である。図5は、スライド回転ヒンジの横長状態を示す概念図である。
図1〜図5において、スライダープレート1は、表示部筐体に固定される基板である。ガイドレール2は、スライダープレートの両サイドに固定されている案内部材である。組ばね4は、スライダープレートと中間プレートをつなぐ1組のコイルばねである。ばね留ピン5は、スライダープレートに組ばねの一端を固定するピンである。ばね留ピン6は、中間プレートに組ばねの他端を固定するピンである。回転案内ピン7は、中間プレートの溝に可動的に保持されていて回転プレートの溝に案内されるピンである。回転軸12は、中間プレートを貫通して回転プレートに固定されている回転動作の回転軸である。スライド動作中の回転を阻止するために、円の一部分が直線状にカットされた直線状切り欠き部がある不完全円盤状をしている。中心部には、ケーブルを通す貫通孔がある。
中間プレート13は、回転プレートとスライダープレートをスライド動作と回転動作でつなぐ部材である。回転プレート14は、操作部筐体に固定されている基板である。回転用ばね15は、一端が回転プレートに固定されており、他端が中間プレートに固定されていて、回転動作を援けるばねである。ばね留ピン16は、回転用ばねを回転プレートに固定しているピンである。スリーブ17は、回転案内ピンを通す筒である。タップピン18は、回転プレートに固定されているねじ穴である。曲線溝19は、回転案内ピンを案内するために回転プレートに設けた溝である。直線状凸部21は、スライダープレートに設けた凸部のうち、縁がスライドレールに平行な直線状の部分であり、スライド動作中に縁が回転軸の直線状切り欠き部に当たって回転を阻止するための部分である。傾斜状凸部22は、スライダープレートに設けた凸部のうち、縁がスライドレールに対して斜めになっている部分であり、回転動作中に縁が回転軸に当たってスライド動作を阻止するための部分である。円弧状凸部23は、スライダープレートに設けた凸部のうち、縁が円弧状になっている部分であり、回転動作中に縁が回転軸に当たってスライド動作を阻止するための部分である。目隠し部24は、中間プレートの端に設けたL字状の折り曲げ部であり、内部が見えないようにする目隠しのための部分である。
上記のように構成された本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジの機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、スライド回転ヒンジの概要を説明する。表示部筐体を操作部筐体に重ねた状態(全閉状態)は、図1(a)に示すようになる。表示部筐体を操作部筐体に対してスライドさせて、最大伸張状態にすると、図1(b)に示すようになる。この状態で、表示部筐体を90度だけ面内回転させると、図1(c)に示すようになる。図1(d)、(e)に示すスライダープレート1は、表示部筐体に固定されている。スライダープレート1に複数設けられた貫通穴へネジ等を通して、スライダープレート1を表示部筐体へ取り付けて固定する。中間プレート13のスライド動作を案内するガイドレール2が、スライダープレート1に固定されている。
図1(e)に示す回転プレート14は、操作部筐体に固定されている。スライダープレート1を操作部筐体に固定して、回転プレート14を表示部筐体に固定してもよい。図1(d)、(e)に示す中間プレート13は、スライダープレート1に摺動可能に組み合わされており、スライダープレート1に対してスライド移動可能である。中間プレート13は、回転プレート14に固定された回転軸12に回転可能に結合されており、回転プレート14に対して回転可能である。回転動作の軸である回転軸12は、中間プレート13を貫通し、回転プレート14にかしめ等で固定されている。回転プレート14には、タップピン18がかしめ等で固定されており、タップピン18の中穴にはタップ溝がある。タップピン18を使って回転プレート14を操作部筐体にねじで固定する。
回転案内ピン7は、中間プレート13の溝に揺動可能に保持されており、回転プレート14の曲線溝19と回転用ばね15とスリーブ17をこの順で貫通して、スリーブ17を介して回転用ばね15の一端に連結されている。回転用ばね15の他端は、ばね留ピン16で回転プレート14に固定されている。回転案内ピン7は、中間プレート13の溝に沿って動きながら、回転プレート14の曲線溝19に沿って動き、中間プレート13の回転を案内する。曲線溝19の形状に応じて、回転用ばね15のたわみ量が変わる。回転案内ピン7が曲線溝19の両端にあるときは、回転用ばね15が回転案内ピン7を曲線溝19の端に押し付けているので、安定に保持される。回転案内ピン7が曲線溝19の中央部にあるときは、回転用ばね15が圧縮されていて、回転案内ピン7を曲線溝19のいずれかの端の方向に押す作用を果たし、回転操作を援ける。
組ばね4の一端は、スライダープレート1にばね留ピン5によりかしめ等で固定されている。組ばね4の他端は、中間プレート13にばね留ピン6でかしめ等で固定されている。全閉状態と伸張状態にあるときは、組ばね4が中間プレート13をスライダープレート1の端に押し付けているので、安定に保持される。中間プレート13がスライダープレート1の中央部にあるときは、組ばね4が圧縮されていて、中間プレート13をスライダープレート1のいずれかの端の方向に押す作用を果たし、スライド操作を援ける。
スライド動作中は、回転軸12と直線状凸部21により回転動作が阻止されているが、最大伸張状態となるスライド位置で回転可能となる。回転動作中は、回転軸12と傾斜状凸部22によりスライド動作が阻止されているが、縦長状態となる回転位置でスライド可能となる。
回転動作を阻止するときやスライド動作を阻止するときに、スライダープレート1に回転軸12が当たるので、スライダープレート1を傷つけることがある。スライダープレート1の外観面(外部に露出している面)に傷が付くことを防止するために、スライダープレート1と回転軸12が対向する面の少なくとも一方を、樹脂などの保護部材で覆う。また、回転プレート14の回転動作によって、中間プレート13の外観面(外部に露出している面)に傷が付くことを防止するために、中間プレート13が回転プレート14に対向する面のうち、外部に露出する部分は、他の部分より回転プレート14から逃がすように凹ませて離してある。
次に、図2を参照しながら、スライド動作について説明する。図2(a)に示す全閉状態では、組ばね4が開いた状態にあり、中間プレート13をスライダープレート1の上方に押し付けている。したがって、表示部筐体と操作部筐体は、安定に閉じた状態を維持している。このとき、スライダープレート1の凸部が回転軸と接した状態にあるので、スライダープレート1は回転できない状態にある。
表示部筐体と操作部筐体に力を加えてスライドさせると、図2(b)に示すように、スライダープレート1が図の上方に移動し、組ばね4が少し閉じられる。したがって、表示部筐体と操作部筐体をさらにスライドさせるためには、さらに力を加える必要がある。このときも、スライダープレート1の凸部が回転軸と接した状態にあるので、スライダープレート1は回転できない状態にある。
スライド操作を続けて、スライドストロークの中間部を越えると、組ばね4が開く方向に変わるので、組ばね4はスライド操作を援ける方向に力を加える。弱い力を加えるだけで、あるいは力を加えなくても、スライド操作ができて、図2(c)に示す伸張状態になる。組ばね4が開いた状態になり、中間プレート13をスライダープレート1の下方に押し付けている。したがって、表示部筐体と操作部筐体は、安定に開いた状態を維持する。このとき、スライダープレート1の直線状凸部21が回転軸12に当たらなくなるので、中間プレート13の回転動作が可能となる。
図2(d)の断面図に示すように、全閉状態とスライド途中では、スライダープレート1の直線状凸部21の縁に回転軸12が接している。この状態で回転させようとすると、回転軸12に直線状凸部21の縁がぶつかってしまうので、回転動作が阻止される。図2(e)の断面図に示すように、伸張状態では、スライダープレート1の直線状凸部21の縁も傾斜状凸部22の縁も回転軸12から離れているので、回転動作もスライド動作も可能となる。また、回転途中の状態では、スライダープレート1の傾斜状凸部22の縁が回転軸12に接しているので、スライド動作が阻止される。
次に、図3を参照しながら、回転動作について説明する。伸張状態において、表示部筐体を操作部筐体に対して面内回転させるように力を加えると、図3(a)に示すように、スライダープレート1と中間プレート13は、回転プレート14に対して回転する。回転案内ピン7は、回転プレート14の曲線溝19をたどって移動する。このとき、図3(c)に示すように、スライダープレート1の傾斜状凸部22の縁が回転軸12に当たるので、スライド動作はできない。回転案内ピン7が曲線溝19の中央部にあるときは、回転用ばねが圧縮されていて、回転案内ピン7を曲線溝19のいずれかの端の方向に押して、回転操作を援ける。表示部筐体をさらに回転させると、図3(b)に示すように、横長状態になる。回転案内ピン7が曲線溝19の端にくると、回転用ばねが回転案内ピン7を曲線溝19の端に押し付けるので、安定に保持される。
回転動作中のスライド動作を阻止するための構造として、傾斜状凸部22を設ける例を説明したが、この部分は、図3(d)に示すような円弧状でもよい。あるいは、直線状凸部の縁に直角や鋭角でつながる直線状や曲線状の縁でもよい。すなわち、回転軸12の回転を妨げず、直線状凸部21の先端が回転軸12の円周部に接する形状のものであればよい。これを総称してスライド阻止凸部とよぶことにする。また、スライド阻止凸部を設ける位置は、最大伸張状態で回転軸12が来る位置の例を説明したが、全閉状態で回転軸12が来る位置にしてもよいし、両方の位置に設けてもよい。さらに、中間の位置に設けることもできる。ただし、中間の位置で回転させるようにすると、回転途中でスライドを完全に阻止することができないので、スライド動作を抑えるように、クリックストップなどの機構を設けておく必要がある。
回転角度は、90度の例を説明したが、90度より小さくてもよい。例えば60度だけ回転させるようにするには、曲線溝19を60度の分だけの長さにすればよい。180度とか360度のように、90度より大きな角度まで回転させるようにするには、中間プレート13や回転プレート14の形状を変えて曲線溝19を回転角度に応じた長さにする。または、レバーやリンク機構やクランク機構などを利用して、短い曲線溝19でも大きな角度まで回転できるようにする。
次に、図4を参照しながら、スライダープレートの外観面の保護について説明する。スライダープレート1の裏側の上半分は、最大伸張状態では表示部筐体の裏側として見える部分(外観面)となる。この部分は、スライド動作の際に筐体が撓むと、回転軸12と接触する可能性がある。接触すればスリキズがついてしまい、見栄えが悪くなる。これを避けるために、回転軸12とスライダープレート1が対向する面を、樹脂などの保護材で覆う。例えば、フッ素樹脂でコーティングする。両方を覆ってもよいし、片方のみでもよい。また、スライダープレート1の直線状凸部21やスライド阻止凸部の縁は、回転やスライドを阻止する作用をするために、回転軸と強く当たってキズがつくことがある。これを避けるために、縁と回転軸の双方または一方に樹脂膜を被せる。樹脂膜の弾力性により、金属部材にキズがつくことを防ぐことができる。
次に、図5を参照しながら、中間プレートの外観面の保護について説明する。図5(a)に示す横長状態では、中間プレート13の裏側の約半分は、図5(b)に示すように、表示部筐体の裏側として見える部分(外観面)となる。この部分は、回転動作の際に回転プレート14と接触するので、スリキズがついて見栄えが悪くなる。これを避けるために、中間プレート13が回転プレート14に対向する面のうち、図5(b)に示すように、外観面となる部分を回転プレート14から逃がすように、他の部分より凹ませて離す。接する部分と凹ませた部分の境界は、図5(b)、(c)に示すようになる。また、中間プレート13の端にL字状端部の目隠し部24を設けて、目隠しとする。中間プレート13の内部が見えなくなるので、見栄えがよくなる。また、回転軸12の中心部に貫通孔を設けて、上筐体と下筐体を電気的につなぐケーブルを通すようにする。
上記のように、本発明の実施例1では、スライド回転ヒンジを、スライド動作中は、スライダープレートの直線状凸部の縁が回転プレートの回転軸の直線状切り欠き部に当たって、回転プレートの回転動作を阻止し、筐体の最大伸張状態では、直線状凸部の縁が回転軸から離れて、回転プレートが回転可能になり、回転動作中では、スライド阻止凸部の縁が回転軸に当たって、スライドプレートのスライド動作を阻止する構成としたので、スライドと回転を行うヒンジ装置のロック機構が単純になってヒンジ装置が薄くなり、携帯電話機などを薄くできる。
本発明の実施例2は、スライド動作中は、回転プレートの回転阻止ピンに回転阻止板が係合して回転動作を阻止し、最大伸張状態では、スライダープレートに設けた切り起こし突起部が回転阻止板を回転阻止ピンから外して回転可能にし、回転動作中では、スライド阻止ピンが回転プレートの回転軸に当たってスライド動作を阻止するスライド回転ヒンジである。
図6は、本発明の実施例2におけるスライド回転ヒンジの概念図である。図7は、スライド回転ヒンジの分解図である。図8は、スライド回転ヒンジの組立て説明図である。図9は、スライド回転ヒンジの動作説明図である。
図6〜図9において、スライダープレート1は、表示部筐体に固定される基板である。ガイドレール2は、スライダープレートの両サイドに固定されている案内部材である。スライド阻止ピン3は、スライダープレートに固定されていて、回転状態でのスライド動作を阻止するためのピンである。組ばね4は、スライダープレートと中間プレートをつなぐ1組のコイルばねである。ばね留ピン5は、スライダープレートに組ばねの一端を固定するピンである。ばね留ピン6は、中間プレートに組ばねの他端を固定するピンである。
回転案内ピン7は、中間プレートの溝に可動的に保持されていて回転プレートの溝に案内されるピンである。軸ピン8は、回転阻止板の回転軸であり、回転阻止板を貫通して中間プレートに固定されている。回転阻止ピン9は、回転プレートに固定されていて、スライド動作中は回転阻止板に係合して回転動作を阻止するピンである。回転阻止板10は、スライド動作中は回転阻止ピンに係合して回転動作を阻止する部材である。保持ばね11は、一端が中間プレートに固定され、他端が回転阻止板に固定されていて、回転阻止板を回転阻止ピンに押し付けているばねである。回転軸12は、中間プレートを貫通して回転プレートに固定されている回転動作の回転軸である。中心部には、ケーブルを通す貫通孔がある。
中間プレート13は、回転プレートとスライダープレートをスライド動作と回転動作でつなぐ部材である。回転プレート14は、操作部筐体に固定されている基板である。回転用ばね15は、一端が回転プレートに固定されており、他端が中間プレートに固定されていて、回転動作を援けるばねである。ばね留ピン16は、回転用ばねを回転プレートに固定しているピンである。スリーブ17は、回転案内ピンを通す筒である。タップピン18は、回転プレートに固定されているねじ穴である。曲線溝19は、回転案内ピンを案内するために回転プレートに設けた溝である。弧状溝20は、回転阻止ピンが動けるように中間プレートに設けた溝である。目隠し部24は、中間プレートの端に設けたL字状の折り曲げ部であり、内部が見えないようにする目隠しのための部分である。
上記のように構成された本発明の実施例2におけるスライド回転ヒンジの機能と動作を説明する。最初に、図6を参照しながら、スライド回転ヒンジの概要を説明する。スライド回転ヒンジは、表示部筐体を操作部筐体に対してスライド可能に保持するとともに、最大伸張状態で表示部筐体を操作部筐体に対して90度までの面内回転を可能にする。スライド回転ヒンジは、全閉状態では、図6(a)に示す斜視図のようになる。スライダープレート1の上に表示部筐体が取り付けられる。ヒンジ部の裏面は、図6(b)に示す斜視図のようになる。回転プレート14の上に操作部筐体が取り付けられる。スライダープレート1に、中間プレート13がスライド可能に取り付けられており、さらに、回転プレート14に回転軸12で回転可能に取り付けられている。中間プレート13には、回転機構が搭載されている。回転機構は、スライド動作中の回転動作を阻止するように、回転プレート14の回転阻止ピンと係合する回転阻止板と、回転動作中に回転プレート14の回転軸12に当たってスライド動作を阻止するスライド阻止ピン3とを備えている。最大伸張状態において、回転阻止板を回転阻止ピンから外す切り起こし突起部を、スライダープレート1に設けてある。
図6(c)に示すように、中間プレート13の端にL字状端部の目隠し部24を設けて、目隠しとする。中間プレート13の内部が見えなくなるので、見栄えがよくなる。また、回転軸12の中心部に貫通孔を設けて、上筐体と下筐体を電気的につなぐケーブルを通すようにする。
次に、図7と図8を参照しながら、スライド回転ヒンジの各部品の機能を説明する。スライダープレート1に複数設けられた貫通穴へネジ等を通して、スライダープレート1を表示部筐体へ取り付けて固定する。中間プレート13のスライド動作を案内するガイドレール2が、スライダープレート1に固定されている。スライド動作中にスライダープレート1が回転しないように回転を阻止する回転阻止ピン9と回転阻止板10が設けてある。回転阻止ピン9は、図8(a)に示すように、中間プレート13の円弧形状の溝を貫通し、かしめ等で回転プレート14に固定されている。回転動作中は、中間プレート13に設けられた円弧形状の溝を自由に行き来するが、スライド動作中は、回転阻止板10に設けられた凹部によって動けなくなるため、回転動作が阻止される。
スライダープレート1の一部をL字状に折り曲げた切り起こし突起部を設けてあり、スライド動作して最大伸張状態になったとき、切り起こし突起部が回転阻止板10を押して、回転阻止状態が解除される。回転動作時は、スライダープレート1は、中間プレート13と一緒に回転する。回転動作中にスライダープレート1がスライドしないように、スライド阻止ピン3が、スライダープレート1にかしめ等で固定されている。回転動作中にスライド動作させようとしても、スライド阻止ピン3が回転軸12にぶつかるため、スライド動作は阻止される。回転軸12が小判形状にカットされているため、スライド動作時には、スライド阻止ピン3は回転軸12の側面を通過できる。
回転動作の軸である回転軸12は、図8(a)に示すように、中間プレート13を貫通し、回転プレート14にかしめ等で固定されている。回転プレート14には、タップピン18がかしめ等で固定されており、タップピン18の中穴にはタップ溝がある。タップピン18を使って回転プレート14を操作部筐体にねじで固定する。中間プレート13は、スライド動作中は回転阻止ピン9と回転阻止板10により回転プレート14に保持されて、スライダープレート1に対してスライド移動する。回転動作時は、スライド阻止ピン3と回転軸12によりスライダープレート1に保持されて、回転プレート14に対して回転する。
回転案内ピン7は、図8(b)に示すように、中間プレート13の溝に揺動可能に保持されており、回転プレート14の曲線溝19と回転用ばね15とスリーブ17をこの順で貫通して、スリーブ17を介して回転用ばね15の一端に連結されている。回転用ばね15の他端は、ばね留ピン16で回転プレート14に固定されている。回転案内ピン7は、中間プレート13の溝に沿って動きながら、回転プレート14の曲線溝19に沿って動き、中間プレート13の回転を案内する。曲線溝19の形状に応じて、回転用ばね15のたわみ量が変わる。回転案内ピン7が曲線溝19の両端にあるときは、回転用ばね15が回転案内ピン7を曲線溝19の端に押し付けているので、安定に保持される。回転案内ピン7が曲線溝19の中央部にあるときは、回転用ばね15が圧縮されていて、回転案内ピン7を曲線溝19のいずれかの端の方向に押す作用を果たし、回転操作を援ける。
図8(c)に示すように、組ばね4の一端は、スライダープレート1にばね留ピン5によりかしめ等で固定されている。組ばね4の他端は、中間プレート13にばね留ピン6でかしめ等で固定されている。全閉状態と伸張状態にあるときは、組ばね4が中間プレート13をスライダープレート1の端に押し付けているので、安定に保持される。中間プレート13がスライダープレート1の中央部にあるときは、組ばね4が圧縮されていて、中間プレート13をスライダープレート1のいずれかの端の方向に押す作用を果たし、スライド操作を援ける。
回転阻止板10は、図8(d)に示すように、軸ピン8を回転軸として回転動作が可能なように、中間プレート13に止められている。軸ピン8は、中間プレート13にかしめ等で固定されている。保持ばね11は、図8(e)に示すように、一端が中間プレート13に固定され、他端が回転阻止板10に固定されている。回転阻止板10が回転阻止ピン9から外れないように、回転阻止板10を回転阻止ピン9の方向に押している。スライド動作中は、図8(e)に示すように、回転阻止板10の凹部が回転阻止ピン9と嵌合して、中間プレート13の回転動作を阻止している。スライドして最大伸張状態まで達すると、図8(f)に示すように、スライダープレート1の切り起こし突起部に回転阻止板10の一端が押されて少し回動し、回転阻止板10の凹部が回転阻止ピン9から外れて、中間プレート13の回転動作が可能となる。
次に、図9を参照しながら、スライド動作と回転動作を説明する。図9では、説明のために、スライダープレート1を透明なものとして描いてある。図9(a)に示すように、全閉状態では、組ばね4が開いた状態にあり、中間プレート13をスライダープレート1の上方に押し付けている。したがって、表示部筐体と操作部筐体は、安定に閉じた状態を維持している。このとき、回転阻止板10の凹部に回転阻止ピン9が嵌っているので、中間プレート13は回転プレート14に保持されている。したがって、スライダープレート1も回転できない状態にある。
表示部筐体と操作部筐体に力を加えてスライドさせると、図9(b)に示すように、スライダープレート1が図の上方に移動し、組ばね4が少し閉じられる。したがって、表示部筐体と操作部筐体をさらにスライドさせるためには、さらに力を加える必要がある。このときも、回転阻止板10の凹部に回転阻止ピン9が嵌っているので、中間プレート13は回転プレート14に保持されていて、スライダープレート1も回転できない。
スライド操作を続けて、スライドストロークの中間部を越えると、組ばね4が開く方向に変わるので、組ばね4はスライド操作を援ける方向に力を加える。弱い力を加えるだけで、あるいは力を加えなくても、スライド操作ができて、図9(c)に示す伸張状態になる。組ばね4が開いた状態になり、中間プレート13をスライダープレート1の下方に押し付けている。したがって、表示部筐体と操作部筐体は、安定に開いた状態を維持する。このとき、スライダープレート1の切り起こし突起部に回転阻止板10の一端が押されて少し回動し、回転阻止板10の凹部が回転阻止ピン9から外れて、中間プレート13の回転動作が可能となる。伸張状態では、回転案内ピン7が曲線溝19の端にあり、回転用ばね15が回転案内ピン7を曲線溝19の端に押し付けているので、安定に保持されている。回転用ばね15は、図9では見えていない。
伸張状態において、表示部筐体を操作部筐体に対して面内回転させるように力を加えると、図9(d)に示すように、スライダープレート1と中間プレート13は、回転プレート14に対して回転する。回転阻止ピン9は、中間プレート13の弧状の溝を移動し、回転案内ピン7は、回転プレート14の曲線溝19をたどって移動する。このとき、スライド阻止ピン3は回転軸12の円周に接していて、スライド方向の自由度がないため、スライド動作はできない。回転案内ピン7が曲線溝19の中央部にあるときは、回転用ばね15が圧縮されていて、回転案内ピン7を曲線溝19のいずれかの端の方向に押して、回転操作を援ける。表示部筐体をさらに回転させると、図9(e)に示すように、横長状態になる。回転案内ピン7が曲線溝19の端にくると、回転用ばね15が回転案内ピン7を曲線溝19の端に押し付けるので、安定に保持される。
回転角度は、90度の例を説明したが、90度より小さくてもよい。例えば60度だけ回転させるようにするには、曲線溝19を60度の分の長さだけにすればよい。180度とか360度のように、90度より大きな角度まで回転させるようにするには、中間プレート13や回転プレート14の形状を変えて曲線溝19を回転角度に応じた長さにする。または、レバーやリンク機構やクランク機構などを利用して、短い曲線溝19でも大きな角度まで回転できるようにする。
中間プレートの外観面の保護について説明する。横長状態では、中間プレート13の裏側の約半分は、表示部筐体の裏側として見える部分(外観面)となる。この部分は、回転動作の際に回転プレート14と接触するので、スリキズがついて見栄えが悪くなる。これを避けるために、中間プレート13が回転プレート14に対向する面のうち、外観面となる部分を回転プレート14から逃がすように、他の部分より凹ませて離す。また、中間プレートの端にL字状端部を設けて、目隠しとする。中間プレートの内部が見えなくなるので、見栄えがよくなる。
上記のように、本発明の実施例2では、スライド動作中は、回転プレートの回転阻止ピンに回転阻止板が係合して回転動作を阻止し、最大伸張状態では、スライダープレートに設けた切り起こし突起部が回転阻止板を回転阻止ピンから外して回転可能にし、回転動作中では、スライド阻止ピンが回転プレートの回転軸に当たってスライド動作を阻止する構成としたので、スライドと回転を行うヒンジ装置のロック機構が単純になってヒンジ装置が薄くなり、携帯電話機などを薄くできる。
本発明のスライド回転ヒンジは、携帯電子機器の表示部をスライドさせて回転させるヒンジとして最適である。
本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジの概念図である。 本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジのスライド状態を示す概念図である。 本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジの回転状態を示す概念図である。 本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジのスライダープレートの概念図である。 本発明の実施例1におけるスライド回転ヒンジの中間プレートの概念図である。 本発明の実施例2におけるスライド回転ヒンジの概念図である。 本発明の実施例2におけるスライド回転ヒンジの分解図である。 本発明の実施例2におけるスライド回転ヒンジの組立て説明図である。 本発明の実施例2におけるスライド回転ヒンジの動作説明図である。 従来の携帯電話機の表示部回転動作の説明図である。 従来の携帯電話機のヒンジ装置のロックユニットの分解斜視図である。 従来の表示部回転機構を備えた携帯電話機の概念図である。
符号の説明
1 スライダープレート
2 ガイドレール
3 スライド阻止ピン
4 組ばね
5 ばね留ピン
6 ばね留ピン
7 回転案内ピン
8 軸ピン
9 回転阻止ピン
10 回転阻止板
11 保持ばね
12 回転軸
13 中間プレート
14 回転プレート
15 回転用ばね
16 ばね留ピン
17 スリーブ
18 タップピン
19 曲線溝
20 弧状溝
21 直線状凸部
22 傾斜状凸部
23 円弧状凸部
24 目隠し部

Claims (6)

  1. 第1筐体に固定されたスライダープレートと、第2筐体に固定された回転プレートと、前記スライダープレートにスライド可能に取り付けられて前記回転プレートに回転軸で回転可能に取り付けられた中間プレートとを具備し、前記第1筐体を前記第2筐体に対してスライド可能に保持するとともに、前記第1筐体を前記第2筐体に対して所定角度まで面内回転可能とするスライド回転ヒンジにおいて、前記スライダープレートは、スライド動作中の回転動作を阻止するように前記回転軸に当たる直線状凸部と、回転動作中のスライド動作を阻止するように前記回転軸に当たるスライド阻止凸部とを備えたことを特徴とするスライド回転ヒンジ。
  2. 前記スライダープレートと前記回転軸が対向する面の少なくとも一方は、保護部材で覆われていることを特徴とする請求項1記載のスライド回転ヒンジ。
  3. 第1筐体に固定されたスライダープレートと、第2筐体に固定された回転プレートと、前記スライダープレートにスライド可能に取り付けられて前記回転プレートに回転軸で回転可能に取り付けられた中間プレートとを具備し、前記第1筐体を前記第2筐体に対してスライド可能に保持するとともに前記第1筐体を前記第2筐体に対して所定角度まで面内回転可能とするスライド回転ヒンジにおいて、前記回転プレートは、スライド動作中の回転動作を阻止するための回転阻止ピンを備え、前記中間プレートは、回転動作中に前記回転プレートの回転軸に当たってスライド動作を阻止するスライド阻止ピンと、スライド動作中の回転動作を阻止するように前記回転阻止ピンと係合する回転阻止板とを備え、前記スライダープレートに、最大伸張状態において前記回転阻止板を前記回転阻止ピンから外す切り起こし突起部を設けたことを特徴とするスライド回転ヒンジ。
  4. 前記中間プレートが前記回転プレートに対向する面のうち、外部に露出する部分は、他の部分より前記回転プレートから離れるように凹ませたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライド回転ヒンジ。
  5. 前記中間プレートに、目隠し用のL字状端部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライド回転ヒンジ。
  6. 前記回転軸の中心部に、上筐体と下筐体を電気的につなぐケーブルを通す貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライド回転ヒンジ。
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