JP2010037236A - シスチン−コラーゲンペプチド複合体およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】コラーゲンペプチドの機能とシスチンの機能とを共に備えた、優れた機能性材料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】コラーゲンペプチドに対して10倍量以下のシスチンを含有することを特徴とするシスチン−コラーゲンペプチド複合体。該シスチン−コラーゲンペプチド複合体は、シスチンをpH10以上のアルカリ溶液に溶解する工程と、得られたシスチン溶液とコラーゲンペプチド溶液とを混合・撹拌することによりpH10未満の溶液中で複合体を形成させる工程を経て製造される。
【選択図】なし

Description

本発明はコラーゲンペプチドに新たな性質を付加することに関し、さらに詳しくはコラーゲンペプチドに含硫アミノ酸であるシスチンを付与し、pH依存的に沈殿物を形成するシスチン−コラーゲンペプチド複合体であり、従来コラーゲンペプチドを原料として製造してきた素材の代わりに用いることができる、シスチン−コラーゲンペプチド複合体に関する。
コラーゲンペプチドは、肌・骨・関節といった部位に対する効果が比較的体感しやすいことから、健康食品・サプリメント市場において消費者に広く認知され、受け入れられている。原料としては豚・牛・魚などが挙げられるが、コラーゲンペプチドでは豚原料が大半を占める。コラーゲンペプチドは、皮・骨・鱗などを加熱抽出して得られるゼラチンを、酵素や酸/アルカリで加水分解し、精製を行ったものである。ゼラチンよりも分子量が低く、低温にしてもゲル化しないという特性をもつ。コラーゲンペプチドは分子量数千程度であることが多く、2000〜10000程度の大きさをもったペプチドの集合体である。最終製品は乾燥させた粉末・顆粒や溶液の形で提供される。
コラーゲンペプチドの元となるコラーゲンはヒトを含めた多細胞動物の体内に最も多量に含まれる繊維状タンパク質であり、生体の全タンパク質の約25%を占めている。皮膚・骨・軟骨・腱など結合組織の主要構成成分であり、身体や臓器を形成し、保持・補強する構造材として、また細胞同士を接着するための土台として働いている。全コラーゲンの40%は皮膚に、20%が骨・軟骨に含まれ、他に血管や内臓など全身に広く分布している。
コラーゲンペプチドの機能性は物理的機能と生理的機能に大別される。物理的機能としては保水性・保護コロイド性・結着性、増粘性・結晶析出抑制といった特性が挙げられる。またゼラチンと同様に両電解質であることから、pH緩衝材的な作用ももつ。生理的特性としては、栄養素としての働きや、生理活性・生体調節機能としての働きが挙げられる。栄養学的特性は基本的にゼラチンのものに準じ、アミノ酸組成としてGly(グリシン)が全体の1/3を占め、Pro(プロリン)・Hyp(ヒドロキシプロリン)といったイミノ酸が多く含まれるという特徴をもつ。しかしながら、Cys(システイン/シスチン)はほとんどあるいは全く含まれず、必須アミノ酸であるTrp(トリプトファン)は全く含まれない(非特許文献1)。
シスチンは2分子のシステインがチオール基(−SH)の酸化により生成するS−S結合(ジスルフィド結合)を介してつながった構造をもつアミノ酸である。ポリペプチド中のシステイン間のジスルフィド結合はタンパク質の2次構造の維持に必要であり、毛髪においては、ケラチン中のシステイン間のジスルフィド結合が巻き髪の度合いを決める。毛髪中には種々の蛋白質が存在するがおもな蛋白質はケラチンと呼ばれ約18種類のアミノ酸からできている。絹や繊維など他の蛋白質にはほとんど含まれていないシスチンを14〜18%も含むことを特徴としている(非特許文献2)。さらには、毛髪に存在するケラチンは、爪にも存在し、そのアミノ酸組成は毛髪と類似しており、シスチンを多く含有する。ケラチン繊維中のシステイン残基間でジスルフィド結合が形成されてシスチンとなり、ケラチン繊維の強度の向上に寄与する。
そこで毛髪用化粧品の分野ではシスチンの有する特性を付加したシスチン導入ペプチドが開発されており(特許文献1)、その技術を用いて毛髪の損傷を防止し損傷した毛髪を回復させるための毛髪保護剤(特許文献2)や、パーマネントウェーブ時の毛髪の損傷を防止し、毛髪に優れたウェーブを付与でき、処理後の毛髪に艶・潤いなどを付与することができるパーマネントウェーブ用第1剤(特許文献3)が提供される。また組織工学並びにバイオテクノロジーの分野で、インプラント等の生体材料への応用を目的として、チオール基の付加等の修飾によるコラーゲンの改質を行い、ジスルフィド結合を介して架橋可能なコラーゲン誘導体(特許文献4)が開発されている。またチオール基を有する有機化合物(特許文献5)が開発され、縫合糸・生体代用物・接着剤として提供されている。上記の通り毛髪化粧品および組織工学並びにバイオテクノロジーの分野ではシスチンの有する特性を付加した素材の開発において進展が見られるが、それ以外の飲食品等の分野では見られず、シスチンの有する特性を付加した素材の開発が期待されていた。
前記の通り2種の化合物の結合により両者の特性を併せもつ素材の開発において、コラーゲンペプチドに別の化合物を結合させた修飾コラーゲンペプチドの開発も進んでいる。例えば皮膚外用剤の分野では、細胞賦活性や抗酸化性に優れるカロチノイドに生体適合性に優れるコラーゲンペプチドを付与し、カロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体(特許文献6)が製剤の生体適合性や安定性の改善を目的として提供されている。また組織工学並びにバイオテクノロジーの分野では、デキストラン硫酸及びゼラチンの共沈殿による生体適合凝集性高分子ゲル(特許文献7)が開発され、縫合糸・生体代用物・接着剤として提供されている。上記の通り皮膚外用剤および組織工学並びにバイオテクノロジーの分野ではコラーゲンペプチドの有する特性を付加した素材の開発において進展が見られるが、それ以外の飲食品・化粧品等の分野では見られず、コラーゲンペプチドの有する特性を付加した素材の開発が期待されていた。
シスチン・システイン・メチオニン・タウリン等の含硫アミノ酸あるいは含硫アミノ酸を有するタンパク質加水分解物をコラーゲンペプチドと混合した飲食品・化粧品が、養毛育毛効果、美爪効果の向上を目的として提供されている(特許文献8、特許文献9)。しかしながら含硫アミノ酸あるいは含硫アミノ酸を有するタンパク質加水分解物をコラーゲンペプチドと結合した形で含有する飲食品・化粧品は存在せず、含硫アミノ酸あるいは含硫アミノ酸を有するタンパク質加水分解物の有する特性を付加した、飲食品・化粧品等の分野でも利用できる素材の開発が望まれていた。
特開平10−287697号公報 特開平11−269045号公報 特開平11−269047号公報 特開平6−80935号公報 特表平9−503490号公報 特開2007−238564号公報 特表2006−506110号公報 特許第3407064号公報 特開2001−321125号公報 食品工業2008−5.30 株式会社光琳発行 「健康・機能性食品素材の開発I 機能性コラーゲンペプチドの開発とその効果」 「Science of Wave」日本パーマネントウェーブ液工業組合編 新美容出版
本発明は、コラーゲンペプチドの機能とシスチンの機能とを共に備えた、優れた機能性材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
さらに具体的には、皮膚のかさつき防止・保水性などのコラーゲンペプチド特有の機能と毛髪や爪の増強作用などのシスチン特有の機能とを備える機能性能性に優れた材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、シスチンとコラーゲンペプチドという機能性材料に着目し、L−シスチンをpH10以上のアルカリ溶液に溶解し、次いでコラーゲンペプチド溶液と混合・攪拌することにより、pH10未満の溶液中で何らかの形で複合体を形成させることができ、しかもこの方法によれば従来の複雑な化学合成を経ることなく、合成過程で使用する試薬を除去して精製する必要がないので、飲食品・化粧品等の安全性への留意を要する製品にも容易に添加することができ、また、沈殿物として回収することにより、溶液以外の形で使用することのできるシスチン−コラーゲンペプチド複合体を製造し、新規コラーゲンペプチドとして提供することをもって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)コラーゲンペプチドに対して10倍量以下のシスチンを含有することを特徴とするシスチン−コラーゲンペプチド複合体、
(2)シスチンをpH10以上のアルカリ溶液に溶解する工程と、
得られたシスチン溶液とコラーゲンペプチド溶液とを混合・撹拌することによりpH10未満の溶液中で複合体を形成させる工程からなる
前記(1)に記載のシスチン−コラーゲンペプチド複合体の製造方法、
(3)前記(1)に記載のシスチン−コラーゲンペプチド複合体を含有する飲食品又は化粧品
に関する。
コラーゲンペプチドに限らず、これまで蛋白質は経口摂取した後腸管でアミノ酸にまで分解されて吸収されると考えられてきたが、近年研究が進むにつれてジ‐(2個)、トリ‐(3個)、あるいはさらに大きいオリゴペプチドとして吸収される場合もあることが明らかにされた。そこで本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体を飲料等に添加することで摂取することで、システイン・メチオニン・シスチン等の毛髪、爪および皮膚を構成する蛋白質の材料となる含硫アミノ酸あるいは含硫アミノ酸を有するタンパク質加水分解物をコラーゲンペプチドと結合した形で摂取することは、含硫アミノ酸による表皮でのケラチン線維の保持・補強と、コラーゲンペプチドによる真皮でのコラーゲン線維の保持・補強の両者における相乗効果を期待することができ、その結果として毛髪・爪・皮膚の損傷を防止し損傷した毛髪・爪・皮膚を回復し、艶・なめらかさを付与することが期待できる。
また、本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体を化粧品に添加して、毛髪・爪・皮膚に塗布することにより、コラーゲンペプチドの生体適合性により、上皮からシスチンを効率的に吸収させて、ケラチン線維の保持・補強を期待することができ、その結果として毛髪・爪・皮膚の損傷を防止し損傷した毛髪・爪・皮膚を回復し、艶・なめらかさを付与することが期待できる。
本発明で使用する「コラーゲンペプチド」の原料は、豚・牛・鶏等動物や魚の骨や皮・筋等から調製したコラーゲン蛋白質を用いることができ、製造法としては、酸・アルカリ・酵母による発酵及び酵素による直接又はバイオリアクター法による分解により製造することができる。本発明で用いることができるコラーゲンペプチドは、分子量によらず、好ましくは粘性の低いものを使用する。
本発明で使用する「シスチン」とは、含硫アミノ酸であるシステイン2分子がS−S結合(ジスルフィド結合)を介してつながった構造を持つものであり、好ましくは天然に多く存在するL体が用いられる。
本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体中において、前記コラーゲンペプチドに対して前記シスチンが1〜10倍量(重量換算)含有されていればよい。
前記の構成を有する本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体は、シスチンのアルカリ溶液とコラーゲンペプチド溶液とを混合することで製造することができる。
本発明で使用する「アルカリ」とは、pH10以上の水溶液として用いることができ、例えば、炭酸カリウム・炭酸ナトリウムを用いることができる。
本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体の製造方法は、
シスチンをpH10以上のアルカリ溶液に溶解する工程と、
前記シスチン溶液とコラーゲンペプチド溶液とを混合・撹拌することにより
pH10未満の溶液中で複合体を形成させる工程を有する。
前記シスチン溶液中のシスチンの含有量としては、2重量%以下が好ましい。また、シスチンのアルカリ溶液中への溶解時には、加温していることが好ましい。
また、前記コラーゲンペプチド溶液中のコラーゲンペプチドの含有量としては、50重量%以下が好ましい。前記コラーゲンペプチド溶液のpHとしては4〜5が好ましい。
なお、前記シスチン溶液とコラーゲンペプチド溶液との混合は、常温であってもよく、加温された状態であってもよいが、常温であることが好ましい。
両液の混合割合は、コラーゲンペプチドあたり重量換算で10倍量以下、好ましくは1〜10倍量のシスチンが混合されるように調整されていればよい。
また、得られるシスチン−コラーゲンペプチド複合体は、遠心分離等によって沈殿物として回収したり、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝液や水によって洗浄することで精製することができる。
上記のようにして得られるシスチン−コラーゲンペプチド複合体は、シスチンとコラーゲンペプチドのいずれの特性をも備えた機能性材料であり、シスチン及びコラーゲンペプチドの代替品として使用できるだけでなく、マスキング剤としても有用である。である。
したがって、本発明は、前記シスチン−コラーゲンペプチド複合体を含有する飲食品又は化粧品に関する。前記飲食品又は化粧品中におけるシスチン−コラーゲンペプチド複合体の含有量は、特に限定はなく、前記複合体の機能が発揮できる量であればよい。
また、本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体を含有する飲食品は、増粘多糖類を含有することが好ましい。
本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体を含有する飲料は、増粘多糖類の添加によりシスチン−コラーゲンペプチド複合体の沈降が抑制されており、シスチン−コラーゲンペプチド複合体が液体中に分散した飲料として提供され、シスチンとコラーゲンペプチドを同時に容易に摂取することができる。
前記飲料中における増粘多糖類の含有量としては、シスチン−コラーゲンペプチド複合体の沈殿防止の観点から、0.1〜0.2重量%が好ましく、0.05〜0.1重量%がより好ましい。
前記飲食品としては、シスチン−コラーゲンペプチド複合体を配合可能な飲料、食品等が挙げられる。また前記化粧品としては、例えば、化粧水、乳液、洗顔料、クリーム等の基礎化粧品、ファンデーション、口紅、白粉、マニキュア等の仕上げ化粧品、整髪料、ヘアトニック等の頭髪用の化粧品が挙げられる。
つぎに実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお以下の実施例などにおいて、溶液などの濃度を示す%は特にその単位を付記していないかぎり重量%である。
実施例1
シスチン−コラーゲンペプチド複合体は、L−シスチンをまず90℃において、pH10以上の炭酸カリウム溶液に溶解して2%シスチン溶液を作製する。これを室温(25℃)に戻し、それにコラーゲンペプチドの50%水溶液を徐々に添加して撹拌する。用いるコラーゲンペプチド溶液としては、平均分子量3000の豚原料由来のコラーゲンペプチド(新田ゼラチン株式会社製)の50%水溶液(pH4.6)を作製し、上記の2%シスチン溶液に添加する。室温(25℃)において、2%シスチン溶液5gに上記コラーゲンペプチド(新田ゼラチン株式会社製)の50%溶液32gを徐々に混合・攪拌して、pHを9まで下げたところ、白濁を生じた。その後30分間続けて室温で放置して反応させ、反応終了後、1Mリン酸緩衝液8gを添加してpHを7に調整した。この反応液を49000×g(20000rpm)で遠心分離して上清を除去した後、残存する上清と沈殿物を0.1Mリン酸緩衝液で洗浄し、縣濁液を49000×g(20000rpm)で遠心分離して上清を除去し、乾燥させてシスチン−コラーゲンペプチド複合体の沈殿物を11mg得た。
比較例
実施例1の対照として、室温(25℃)において、2%シスチン−2%炭酸カリウム溶液5gに対して、1Mリン酸ニ水素ナトリウム溶液7gを混合・攪拌して、pHを下げたところ、白濁を生じた。その後30分間続けて室温で放置して反応させ、反応終了後、1Mリン酸緩衝液7gを添加してpHを7に調整し、平均分子量3000の加水分解コラーゲンペプチドの50%溶液32gを徐々に混合・攪拌した。この反応液を49000×g(20000rpm)で遠心分離して上清を除去した後、残存する上清と沈殿物を0.1Mリン酸緩衝液で洗浄し、縣濁液を49000×g(20000rpm)で遠心分離して上清を除去し、乾燥させてシスチンの沈殿物を10mg得た。
実施例2
実施例1で得られた沈殿物の一部をダーラム管に取り、脱気して150℃1時間、酸加水分解した後、アミノ酸分析機でアミノ酸組成分析を行ったところ、シスチンとシステインの合計量がハーフシスチン(アミノ酸分析においてシスチンとシステインとを合せた含量)として22.5モル%検出された。さらにグリシンとして18.2モル%、プロリンとして5.2モル%検出された。対照とした実施例2で得られた沈殿物の一部をダーラム管に取り、脱気して150℃1時間、酸加水分解した後、アミノ酸分析機でアミノ酸組成分析を行ったところ、グリシンとプロリンは微量しか検出されなかった。
実施例1及び比較例で得られた結果から算出した、遊離のアミノ酸を除外した、シスチンと反応して沈殿したアミノ酸の割合を、それらの結果を豚皮ゼラチンのアミノ酸組成(新田ゼラチン株式会社 ウェブサイト ゼラチン研究室「ゼラチンの一般的特性」参照)とともに、アミノ酸含有率として図1に示す。図1において、含有されるGly(グリシン)の割合を1としたときの各アミノ酸の含有率を表す。原料のコラーゲンペプチドにおいてCys(シスチン)の割合は0とされており(新田ゼラチン株式会社 ウェブサイト ゼラチン研究室「ゼラチンの一般的特性」参照)、図1には示していない。
図1から明らかなようにシスチン−コラーゲンペプチド反応実験で得られた沈殿物において、Cys(シスチン)以外のアミノ酸としてGly(グリシン)・Pro(プロリン)・Ala(アラニン)・Hyp(ヒドロキシプロリン)の割合が高い。豚皮ゼラチンのアミノ酸組成と比較したところ、沈殿物中のCys(シスチン)を除くアミノ酸組成が豚皮ゼラチンのアミノ酸組成とほぼ同じであった。以上より沈殿物中のシスチンは、コラーゲンペプチドと複合体を形成していることが明らかになった。
前記のシスチン−コラーゲンペプチド反応実験において、pH10以上のシスチン溶液にコラーゲンペプチドを添加したときに、コラーゲンペプチドを含有する沈殿物が形成され、pH7に調整した後の沈殿物を含むシスチンにコラーゲンペプチドを添加したときに、コラーゲンペプチドを含有する沈殿物が形成されなかった。以上よりpHの変化を伴う反応により形成された沈殿物において検出されたコラーゲンペプチドは、シスチンと複合体を形成していることを明らかになった。
また、実施例1で得られたシスチン−コラーゲンペプチド複合体の機能性(肌・毛髪・爪への効き目)について、5名のモニターを対象として、シスチン−コラーゲンペプチド含有飲料(100mg相当の前記シスチン−コラーゲンペプチド複合体を含有する)を配布し、1日1本の試飲を2週間継続して摂取してもらった。2週間の3日目、7日目、10日目、14日目の各時期に、肌・毛髪・爪への効き目を実感したかどうかに関する質問(改善項目)に答えてもらい、5段階評価で効き目を定量した。その結果を図2〜4に示す。図2〜4におけるプラセボとはコラーゲンペプチドのみを含有する飲料を意味する。図中の評価は平均値である。
図2〜4の結果から、本発明品であるシスチン−コラーゲンペプチド複合体には、シスチンに特有の機能である毛髪や爪への効き目と、コラーゲンペプチドに特有の機能である肌への効き目とがともに実感できるものであることがわかった
実施例3
下記の処方により各成分を混合して、化粧料(クリーム)を作製した。
実施例4
下記の処方により各成分を混合して、飲料を作製した。
また、シスチン−コラーゲンペプチド複合体におけるシスチン含量の臨界性に関して試験をしたところ、シスチン100mgに対して過剰量のコラーゲンペプチド(平均分子量3000)16gを添加・混合する実験において、コラーゲンペプチド10mgが吸着するという結果を得た。当該実験の結果において、過剰量のコラーゲンペプチド16gのうち或る分子量分布のコラーゲンペプチド10mgに対して100mgのシスチンが吸着したことから、この場合においてはコラーゲンペプチド:シスチン=1:10の比率で複合体を形成していると考える。また予備的な実験において、シスチン200mgにコラーゲンペプチド11g(平均分子量3000)を反応させた場合において、シスチン200mgに対して或る分子量分布のコラーゲンペプチド50mgが吸着するという結果を得た。この場合において、コラーゲンペプチド:シスチン=1:4の比率で複合体を形成していると考える。以上の結果から、本発明の製造方法では、コラーゲンペプチド及びシスチンの混合比により、シスチン−コラーゲンペプチド複合体に含有されるシスチンとコラーゲンペプチドの量は変化しうるものの、或る分子量分布のコラーゲンペプチドに対して多くとも10倍量のシスチンが吸着されると考える。
本発明のシスチン−コラーゲンペプチド複合体は、前記のようにコラーゲンペプチドとシスチンの機能とを共に備えた機能性に優れたものであるため、皮膚のカサツキ防止・保水、毛髪や爪の増強、シミ・そばかすの原因となるメラニンの生成抑制・排出、抗酸化作用、活性酸素の不活性化、さらには、重金属等の有害物質の排出補助、肝臓におけるアルコール分解補助、肝機能改善を目的として、飲食品又は化粧品中に有効成分として好適に使用することができる。
図1は、実施例1及び比較例で得られたシスチンと反応して沈殿したアミノ酸の割合を、それらの結果を豚皮ゼラチンのアミノ酸組成とともに、アミノ酸含有率として示したグラフである。 図2は、実施例1で得られたシスチン−コラーゲンペプチド複合体とプラセボの肌への効き目を評価した結果を示すグラフである。 図3は、実施例1で得られたシスチン−コラーゲンペプチド複合体とプラセボの毛髪への効き目を評価した結果を示すグラフである。 図4は、実施例1で得られたシスチン−コラーゲンペプチド複合体とプラセボの爪への効き目を評価した結果を示すグラフである。

Claims (3)

  1. コラーゲンペプチドに対して10倍量以下のシスチンを含有することを特徴とするシスチン−コラーゲンペプチド複合体。
  2. シスチンをpH10以上のアルカリ溶液に溶解する工程と、
    得られたシスチン溶液とコラーゲンペプチド溶液とを混合・撹拌することによりpH10未満の溶液中で複合体を形成させる工程からなる
    請求項1に記載のシスチン−コラーゲンペプチド複合体の製造方法。
  3. 請求項1に記載のシスチン−コラーゲンペプチド複合体を含有する飲食品又は化粧品。
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