JP2010036969A - 蒸気抜き包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電子レンジ等の加熱に適した蒸気抜き包装袋を提供する。
【解決手段】
積層フィルムを重ね合わせ、一方の積層フィルムにはV字形状の内側折返部と外側折返部とを備え、その重ね合わせフィルムの端部周囲を、積層フィルムの内面のシーラント層にてヒートシールして密封する包装袋であって、前記折り返し重ね合わせ部には各々未シール部を有する、連続する左右パターンシール部および中央パターンシール部からなるパターンシール部が設けられ、さらにその折り返し重ね合わせ部の内面には、易剥離性を示す剥離性テープ材がシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部の未シール部には剥離性テープ材に亘って所定の蒸気抜き孔が貫設されていることを特徴とする蒸気抜き包装袋。
【選択図】図1

Description

本発明は、調理済みあるいは半調理状態の食品等を密封した包装袋に関するものであって、より詳しくは、電子レンジなどの調理機内で加熱に伴って加圧された包装体内部の水蒸気などの気体が、包装袋に形成された蒸気抜き孔からスムーズに抜け、かつ保存中の内容物の劣化の少ない蒸気抜き包装袋に関する。
近年、食品加工技術および包装技術の発達や電子レンジの普及等によって、電子レンジ用パウチが大量に生産され、使用されている。
ここで、電子レンジは、高周波(極超短波)の照射によって食品に含まれる水分子等を振動させ、この水分子の振動によって生じる摩擦熱で食品を加熱するものである。この電子レンジによる高周波加熱に伴って水蒸気が発生するが、この水蒸気によって、プラスチックフィルムで形成された通常の密封袋は、膨脹し、破裂してしまう。
そこで、従来の電子レンジ用パウチにおいては、電子レンジの高周波加熱によって袋内部に生じる水蒸気を袋外部へ排出するために、パウチ本体の一部を加熱時に開封するか、パウチ本体に透孔を設けておくか、あるいは水蒸気調節穴を開けてこの水蒸気調節穴を粘着シールでシールし、加熱前にシールを剥がすようにするか、または加熱によってパウチ本体内の蒸気圧が高まると容易にシール部が開くようにするか、弁が開くようにするか等していた。
しかし、上記電子レンジ用パウチのうち、電子レンジに入れる前にパウチ本体の一部を開封するものにあっては、それだけ開封するという手間がかかり、パウチ本体に透孔を設けておくものにあっては、収納された内容物は常に外気と接触することから、保管、流通に問題を残す。また、加熱前にシールを剥がすものにあっては、シール部は通常一ヵ所であるため水蒸気の抜けが不十分な場合があり、またシール部の粘着剤が食品に触れるため衛生上問題があり、シールを貼付するための特殊な機械が必要となるという欠点もある。一方、蒸気圧によってシール部が開くものにあっては、シールの貼付強度の調整が難しく、流通段階においてシール部が開いてしまうおそれがある。さらに、弁が開くものにあっては、別途弁を用意してこれを取り付ける必要がある。
このように、加熱調理用包装食品の包装に関しては、電子レンジにより加熱すると、加熱時に食品等から発生する蒸気圧等の内圧により包装袋が破裂して内容物が飛散し、電子レンジ内部を汚染するという問題の対策として、なんらかの方法で、蒸気抜きをする必
要があり、蒸気抜きの手間と煩わしさがあった。
そのために、例えば、図10に示すように、積層フィルム100を筒状にして、そのフィルムの対向する両端部101の同一面側を合掌状に互いに重ね合わせ、図11に示すように、その重ね合わせ面を、その長手方向の全長に亘って、その一部領域に易剥離領域を形成してヒートシールにて接合し、所定幅のヒートシール部102を設けて筒体を形成し、該ヒートシール部102を筒体の一端側に片寄らせた後に、ヒートシール部102の下辺部を除いて、筒体の下辺部をヒートシールして底部ヒートシール部103を設けて製袋した後、筒体の上辺部の開口部から内容物を充填し、その後、図12に示すように、ヒートシール部102の上辺部を除いて筒体の上辺部をヒートシールし、上部ヒートシール部104を設けて密封包装した包装袋106が提案されている(特許文献1参照)。
図12に示す包装袋106は、加熱により袋内部の蒸気圧力が上昇したときに、ヒートシール部102の一部領域に設けた易剥離領域が剥離して蒸気抜きすることによって破袋を防止するというものである。
しかしながら、このような包装袋を採用しても、加熱後の状況を見ると、包装袋160のヒートシール部102の一部領域に設けた易剥離領域に内容物の飛散が発生するため、完全な状態で内容物の飛散を回避し、電子レンジ内部の汚損を回避する点で問題を残していた。
この問題の対応策として、たとえば、図13と図14に示すように、第1積層フィルム1Aと第2積層フィルム2Aとを重ね合わせ、前記第2積層フィルム2Aには、V字形状の内側折返部2Abと外側折返部2Aaとを備え、その重ね合わせフィルムの端部周囲を、その重ね合わせ積層フィルム内面のシーラント層にてヒートシールして密封する包装袋であって、前記内側折返部2Abと外側折返部2Aaとが折り返し重ね合わさり、その折り返し重ね合わせ部には未シール部4Aaを有する左パターンシール部4A、未シール部3Aaを有する中央パターンシール部3A、未シール部5Aaを有する右パターンシール部5Aの3つの離れた領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられ、さらに、その折り返し重ね合わせ部の内面には、シーラント層に対して、包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性テープ材6Aが、前記左右および中央パターンシール部からなるパターンシール、およびサイドシール部8Aでシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部3Aの未シール部3Aaには剥離性テープ材6Aに亘って所定の蒸気抜き孔7Aが貫設されており、前記外側折り返し端部10Aからの位置を特定することによって、電子レンジ等で加熱調理しても加熱により生じた水蒸気等の気体による包装体の内部圧力をスムーズに逃がすことができ、袋の周囲や電子レンジ内が汚損されることがない蒸気抜き包装袋が提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−150864号公報 特開2006−160308号公報
上記の蒸気抜き包装袋は、電子レンジ等で加熱調理しても加熱により生じた水蒸気等の気体による包装体の内部圧力をスムーズに逃がすことができ、袋の周囲や電子レンジ内が汚損されることがなく、かつ、蒸気抜き後包装袋の蒸気抜き孔を下側にした場合であっても内容物が漏れ難く、内容物の逆止効果を奏するという点で優れたものではあるが、実際に使用してみると、極まれに内容物保存性の面で問題がでることが判明した。
図を参照してこの問題を説明する。
図13は上記の蒸気抜き包装袋の一例を示す模式図であり(a)はその平面図、(b)は(a)のZ−Z’での断面図である。図14は図13(a)のシール間の領域G−G’での断面拡大模式図である。
剥離性テープ材6Aは図13(a)に示すように、包装袋の幅方向全体にわたって6’Aの位置で積層フィルム1Aと積層フィルム2Aにはさまれて介在しており、内容物を収納する部分と蒸気抜き孔の存在する折り返し部分との内部の連通状況は包装袋の幅方向の位置によって異なる。
領域3A、4A、5Aを含む包装袋の縦方向断面は、包装袋の幅方法略中心の位置(図13のZ−Z’線)では図13(b)のEに示したような状態になっており、内側折返部
2Abの近辺で中央パターンシール部3Aの領域で積層フィルム2Aの内面2Asと剥離性テープ材6Aがシールされており、中央パターンシール部の未シール部3Aaを含む部分はこのシール部3Aのシールにより包装袋内部と隔てられている。包装袋の幅方向略中心の位置以外の位置でも領域3A、4A、5Aを含む包装袋の縦方向断面の状況は包装袋内部と未シール部を含む部分との隔離関係に関しては同様である。
これに対して、領域3A、4A、5Aを含まない包装袋の縦方向断面は、たとえば、図13の(a)のG−G’線の断面は、図14に示したような、剥離性テープ材6Aが積層フィルム2Aの内側折返部2Abと外側折返部2Aaで形作られた空間の内部で、幅方向両端を中央パターンシール部3Aと左パターンシール部4Aに支えられて空間の内壁に不安定に変形や接触をしながら存在する状態になっている。このような断面の状態は、たとえば、図14の3Abのような包装袋内部と隔離された空室を不規則に生み出し、その結果、レトルト殺菌のときに水分が空室に行き届かずにいわゆる乾熱殺菌状態となることによって殺菌効率を低下させ、レトルト殺菌後も菌が生存して保存時に内容物が腐敗してしまう可能性が高くなる。
ここで、乾熱殺菌とは、液体がない状態で熱処理を行った際に、伝熱性がないために殺菌効率が落ちた状態を意味する。
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであり、電子レンジ等で加熱調理して
も加熱により生じた水蒸気等の気体による包装体の内部圧力をスムーズに逃がすことができ、袋の周囲や電子レンジ内が汚損されることがなく、かつ、レトルト殺菌処理時に殺菌が不十分になる可能性がある個所をなくした蒸気抜き包装袋を提供することが課題である。
本発明の請求項1の発明は、第1積層フィルム1と第2積層フィルム2とを重ね合わせ、前記第2積層フィルム2には、V字形状の内側折返部2bと外側折返部2aとを備え、その重ね合わせフィルムの端部周囲を、その重ね合わせ積層フィルム内面のシーラント層にてヒートシールして密封する包装袋であって、前記内側折返部2bと外側折返部2aとが折り返し重ね合わさり、その折り返し重ね合わせ部には未シール部4aを有する左パターンシール部4、未シール部3aを有する中央パターンシール部3、未シール部5aを有する右パターンシール部5の連続した3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられ、さらに、その折り返し重ね合わせ部の内面には、シーラント層に対して、包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性テープ材6が、前記左右および中央パターンシール部からなるパターンシール、およびサイドシール部8,8でシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部3の未シール部3aには剥離性テープ材6に亘って所定の蒸気抜き孔7が貫設されており、前記外側折り返し端部10から、前記左パターンシール部4および右パターンシール部5の包装袋中央側端部におけるシール部の外側上端までの距離を各々B、C、また、中央パターンシール部3の内側下端までの距離をA、中央パターンシール部3の未シール部3aに設けた蒸気抜き孔7までの距離をDで表したとき、下記(1)式
A>B,C≧D・・・・(1)
の関係を満たすことを特徴とする蒸気抜き包装袋である。
本発明の請求項2の発明は、前記第1積層フィルム1および第2積層フィルムが、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、一般式R'Si(OR)3(R':アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル基など)で表わせる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなるプライマー層と厚さ5〜300nmの無機酸化物
からなる蒸着薄膜層を順次積層したガスバリア積層フィルム層と、シーラント層とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気抜き包装袋である。
本発明の請求項3の発明は、前記剥離性テープ材6が、包装袋内面のシーラント層に対して接着性を示す接着性樹脂層と包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性樹脂層との2層からなることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気抜き包装袋である。
本発明の請求項4の発明は、前記の連続した中央パターンシール部3、左パターンシール部4および右パターンシール部5のパターンシール形状および位置が、包装袋縦中央線Oに対して線対称となるように配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋である。
本発明の請求項5の発明は、前記の連続した中央パターンシール部3、左パターンシール部4および右パターンシール部5における各々の未シール部3a,4a,5aの形状が略矩形形状であり、かつ中央パターンシール部のシール形状が略矩形形状であり、一方左パターンシール部の外側上端が包装袋左サイド側から包装袋中央側へ直線状に傾斜する形状であり、右パターンシール部の外側上端が包装袋右サイド側から包装袋中央側へ直線状に傾斜する形状からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋である。
本発明の請求項6の発明は、前記サイドシール部8,8の包装袋上部に開封用のノッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋である。
本発明の請求項7の発明は、前記蒸気抜き孔7の形状が、外側折り返し端部10の直線ラインに対して平行な直線形状の両端に斜めもしくは垂直下向きの短い直線を備える略コの字型形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋である。
第1積層フィルム1と第2積層フィルム2とを重ね合わせ、前記第2積層フィルム2には、V字形状の内側折返部2bと外側折返部2aとを備え、その重ね合わせフィルムの端部周囲を、その重ね合わせ積層フィルム内面のシーラント層にてヒートシールして密封する包装袋であって、前記内側折返部2bと外側折返部2aとが折り返し重ね合わさり、その折り返し重ね合わせ部には未シール部4aを有する左パターンシール部4、未シール部3aを有する中央パターンシール部3、未シール部5aを有する右パターンシール部5の連続した3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられ、さらに、その折り返し重ね合わせ部の内面には、シーラント層に対して、包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性テープ材6が、前記左右および中央パターンシール部からなるパターンシール、およびサイドシール部8,8でシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部3の未シール部3aには剥離性テープ材6に亘って所定の蒸気抜き孔7が貫設されており、前記外側折り返し端部10から、前記左パターンシール部4および右パターンシール部5の包装袋中央側端部におけるシール部の外側上端までの距離を各々B、C、また、中央パターンシール部3の内側下端までの距離をA、中央パターンシール部3の未シール部3aに設けた蒸気抜き孔7までの距離をDで表したとき、下記(1)式
A>B,C≧D・・・・(1)
の関係を満たすことを特徴とする蒸気抜き包装袋であることから、電子レンジなどで加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により中央パターンシール部に応力がかかり、あ
る程度までシール剥離後退が起こる。そして、中央パターンシール部の未シール部に設けられた蒸気抜き孔が貫設孔として細線スリット状(または極細線スリット状)に刻切形成されているために、通常は蒸気抜き孔の貫設された刻切線を挟んで両側のフィルム端縁は互いに密閉して閉鎖状態で開口しているため、蒸気抜き孔内への外部異物の混入を回避でき、電子レンジなどで加熱して発生する水蒸気等の気体による袋内の内圧によって蒸気抜き孔の貫設された刻切線を挟んで両側のフィルム端縁が開口径を立体的に拡げて水蒸気等の気体がスムーズに排出される。そして、蒸気抜き後には扁平に閉鎖状態にすることができ、蒸気抜き孔からの外部の異物混入を回避することができる。また、蒸気抜き後に内容物が収納された状態で蒸気抜き孔を下側にしてしまった場合であっても、蒸気抜き孔の貫設された刻切線を挟んで両側のフィルム端縁は互いに密閉して閉鎖状態となり、蒸気抜き孔部分から内容物が漏れ難く、内容物の逆止効果を奏する構造の蒸気抜き包装袋である。
本発明の蒸気抜き包装袋にでは、上記内側折返部2bと外側折返部2aとが折り返し重ね合わさり、その折り返し重ね合わせ部には未シール部4aを有する左パターンシール部4、未シール部3aを有する中央パターンシール部3、未シール部5aを有する右パターンシール部5の連続した3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられ、さらに、その折り返し重ね合わせ部の内面には、シーラント層に対して、包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性テープ材6が、前記左右および中央パターンシール部からなるパターンシール、およびサイドシール部8,8でシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部3の未シール部3aには剥離性テープ材6に亘って所定の蒸気抜き孔7が貫設されており、包装袋の縦方向断面が、剥離性テープ材6が積層フィルム2の内側折返部2bと外側折返部2aで形作られた空間の内部で、幅方向両端を中央パターンシール部3と左パターンシール部4に支えられて空間の内壁に不安定に変形や接触をしながら存在する状態になっている部分がないので、包装袋内部と隔離された空室を不規則に生み出しことがない。その結果、レトルト殺菌のときに水分が空室に行き届かずにいわゆる乾熱殺菌状態となることが防止できるので、いわゆる乾熱殺菌状態になってレトルト殺菌後も菌が生存して保存時に内容物が腐敗してしまうという可能性が低くなる。
図3は図1の本発明の蒸気抜き包装袋のG−G’線での、図14は図13のG−G’線での従来の蒸気抜き包装袋のそれぞれ断面の例を示す説明図である。図14では剥離性テープ6が空間に支持のない状態で存在しており、ズレやよじれによって積層フィルム2の内壁に不規則に接触している様子を示し、図3ではそれに対してパターンシール部によって剥離性フィルム6のズレやよじれが抑えられている様子を示した。
また、本発明の蒸気抜き包装袋は、細線スリット状(または極細線スリット状)に貫設された前記蒸気抜き孔の刻切形状を、コの字状形状等にすることにより、極細スリット線状であっても、内圧により蒸気抜き孔の開口径を立体的に拡げて蒸気内圧をスムーズに抜くことができるとともに、蒸気抜き後には偏平に閉鎖状態になることから、蒸気抜き孔からの外部の異物混入を回避することができ、かつ蒸気抜き後に内容物が収納された状態で蒸気抜き孔を下側にした場合であっても、蒸気抜き孔部分から内容物が漏れ難く、内容物の逆止効果を奏する。
また、本発明の蒸気抜き包装袋は、易剥離性を有する剥離性テープ材を介在して、第1積層フィルムと第2積層フィルムとを重ね合わせフィルムの端部周囲を、その重ね合わせ積層フィルムの内面のシーラント層と前記剥離性テープ材のシーラント層に対して接着性を有する接着樹脂層とがヒートシールして、前記剥離性テープ材に剥離性樹脂層が存在していてもヒートシール強度に優れるサイドシール部が形成できる。
以下、本発明の一実施例としての実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の蒸気抜き包装袋の一例を示す模式図である。(a)は、その平面模式図であり、(b)は、(a)に示したZ−Z’方向における断面模式図である。図2は、図1(a)に示したZ−Z’方向における断面拡大模式図である。図3は、図1(a)に示したG−G’方向における断面拡大模式図である。
本発明の蒸気抜き包装袋は、第1積層フィルム1と第2積層フィルム2とを重ね合わせ、前記第2積層フィルム2には、V字形状の内側折返部2bと外側折返部2aとを備え、その重ね合わせフィルムの端部周囲を、その重ね合わせ積層フィルム内面のシーラント層にてヒートシールして密封する包装袋であって、前記内側折返部2bと外側折返部2aとが折り返し重ね合わさり、その折り返し重ね合わせ部には未シール部4aを有する左パターンシール部4、未シール部3aを有する中央パターンシール部3、未シール部5aを有する右パターンシール部5の連続した3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられ、さらに、その折り返し重ね合わせ部の内面には、シーラント層に対して、包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性テープ材6が、前記左右および中央パターンシール部からなるパターンシール、およびサイドシール部8,8でシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部3の未シール部3aには剥離性テープ材6に亘って所定の蒸気抜き孔7が貫設されている蒸気抜き包装袋である。
この包装袋のパターンシール部および蒸気抜き孔の位置関係は、外側折り返し端部10から、前記左パターンシール部4および右パターンシール部5の包装袋中央側端部におけるシール部の外側上端までの距離を各々B、C、また、中央パターンシール部3の内側下端までの距離をA、中央パターンシール部3の未シール部3aに設けた蒸気抜き孔7までの距離をDで表したとき、下記(1)式
A>B,C≧D・・・・(1)
の関係を満たすことが必要であり、前記蒸気抜き孔の形状は小孔、切り欠き、スリットのいずれでもかまわない。
本発明の蒸気抜き包装袋は、折り返し重ね合わせ部に未シール部4aを有する左パターンシール部4、未シール部3aを有する中央パターンシール部3、未シール部5aを有する右パターンシール部5の連続した3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられていることによって、折り返し重ね合わせ部の断面はたとえば図3に示すように包装袋内部と連通する部分の先端はかならず積層フィルム2と剥離性テープ材6が重ねてシールされており、剥離性テープ材6の固定を行っているのみでなく、仮に先端部で乾熱殺菌状態が生じた場合でも包装袋内部との連通がシール部分で遮断されて内容物の変化を引き起こすことがない。この点でたとえば従来の折り返し重ね合わせ部に未シール部4aを有する左パターンシール部4、未シール部3aを有する中央パターンシール部3、未シール部5aを有する右パターンシール部5の離れた3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられている場合(図14参照)に比べて内容物保存性が格段に向上している。
本発明の蒸気抜き包装袋では、前記中央パターンシール部3、左パターンシール部4および右パターンシール部5における各々の未シール部3a,4a,5aの形状は矩形形状であり、かつ中央パターンシール部のシール形状が略矩形形状であり、一方左パターンシール部の外側上端が包装袋左サイド側から包装袋包装袋中央側へ直線状に傾斜する形状であり、右パターンシール部の外側上端が包装袋右サイド側から包装袋包装袋中央側へ直線状に傾斜する形状からなることが望ましい。
また、本発明の蒸気抜き包装袋には開封用のノッチや印刷等の通常の包装袋で適用され
るような加工が施されていても良いことはもちろんである。
本発明の蒸気抜き包装袋の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明すれば、図1に示すように、第1積層フィルム1と、第2積層フィルム2とを重ね合わせ、その重ね合わせ内面に積層形成されている熱接着性のシーラント層1s、2sにて、その重ね合わせフィルムの端部周囲をヒートシールして、下端シール部9、両側端のサイドシール部8,8が形成されて、上端開口部11から内容物を収納した後シールされて、液体、固体等の内容物が密封包装される蒸気抜き包装袋である。
それぞれ前記第1積層フィルム1と第2積層フィルム2とは、一例として、図7に示すように、包装袋外面となる面には、プラスチック材料からなる基材17の少なくとも片面に、一般式R'Si(OR)3(R':アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル
基など、R:アルキル基など)で表せる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなる透明プライマー層18、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層19、ガスバリア性被膜層20を順次積層したガスバリア積層フィルム21(後に詳細に説明する。)等を備え、包装袋内面となる面に、例えば、低融点の主にポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂による熱接着性シーラント層23(フィルム又はコーティング膜)を備え、その中間に中間層22として延伸ナイロンフィルム等を積層した積層フィルムにより構成されている。
前記第2積層フィルム2には、V字形状に折り返された内側折返部2bと、外側折返部2aとを備えていて、その外側折返部2aの折返し内面には、図8に示すように、第1、2積層フィルム1、2のシーラント層1s、2sに対して接着性を示す接着性樹脂層24と、そのシーラント層1s、2sに対して蒸気圧により剥離性を示す剥離性樹脂層25の2層構成の剥離性テープ材6が、パターンシール部3,4,5と、サイドシール部8,8にてヒートシールされて介在している。
また、剥離性テープ材6の上端部領域は、図2に示すように、V字形状に折り返された内側折返部2bよりも上方に長く延設されていて、その延設部分である剥離性テープ材6の上部領域(図面の上側)は、その上端部領域の接着性樹脂層24面と対面する第2積層フィルム2の外側折返部2aの内側にある第2積層フィルム2内面のシーラント層2s面にヒートシールされていて、蒸気圧による剥離が不能な状態に接着しており、その剥離性テープ材6の下部領域(図面の下側)領域は、対面する第2積層フィルム2内面のシーラント層2s面に対してヒートシールされておらず、未シール部内で非接着状態となっている。
このように、剥離性テープ材6の接着性樹脂層24面は、内側折返部2bのV字形状折返外側にある第2積層フィルム2内面のシーラント層2sに蒸気圧による剥離が不能な状態にヒートシールされており、剥離性テープ材6の剥離性樹脂層25面は内側折返部2aのV字形状折返内側にある第2積層フィルム2内面のシーラント層2sに蒸気圧による剥離が可能な状態にヒートシールされている。
本発明の包装袋の中央パターンシール部3の未シール部3a領域内には、図2に示すように、外
側折返部2aの第2積層フィルム2と、その外側折返部2a内面の剥離性テープ材6に亘って、細線スリット状(または極細線スリット状)の蒸気抜き孔7が貫設されている。蒸気抜き孔7の形状が、外側折り返し端部10の直線ラインに対して平行な直線形状の両端に斜めもしくは垂直下向きの短い直線を備える略コの字型形状であることから、開口径を立体的に拡げて水蒸気がスムーズに排出される構造を有している。なお、開口径を立体的
に拡げて水蒸気がスムーズに排出される構造であれば、上記の略コの字型形状に限定されるものではない。
本発明の蒸気抜き包装袋の蒸気抜き孔7は、図4に示すように、包装袋内への内容物14充填前及び充填密封包装後の常温下(通常雰囲気下)においては、中央パターンシール部3にて封鎖され密封されているが、電子レンジ等の加熱手段の加熱室内に、包装袋を外側折返部2a側を上面にして水平に載置して加熱することにより、図5に示すように、包装袋内の気圧や蒸気圧など内圧が上昇し、包装袋が膨張して膨張力が発生する。その膨張力により、中央パターンシール部3がシール剥離後退を生じ、第2積層フィルム2の外側折返部2b面と剥離性テープ材6の剥離性樹脂層25面とが剥離して、蒸気抜き孔7を介して包装袋内部と未シール部3aと外部とが連通する。そして、開口径を立体的に拡げて蒸気抜き孔7から、膨張した包装袋内の加熱蒸気や気体が放出されて、包装袋を破裂させずに内容物を加熱したり加熱調理したりすることができるものである。
上記蒸気抜き後、図6に示すように、本発明の蒸気抜き包装袋の外側折返部2aすなわち蒸気抜き孔を下側にしてしまった場合であっても、蒸気抜き孔7の貫設された刻切線を挟んで両側のフィルム端縁は互いに密閉して閉鎖状態となり、蒸気抜き孔7部分から内容物が漏れ難く、内容物の逆止効果を奏する構造の蒸気抜き包装袋である。
なお、本発明の蒸気抜き包装袋の内容物を充填する前の状態は、図1に示すように、包装袋の上端を開口部として未シール状態で開口しており、図4に示すように、開口部から包装袋内に、液体、固体等の内容物14を充填した後に開口部をヒートシールして上端シール部15を形成し、充填密封包装する。
次に、本発明の蒸気抜き包装袋の製袋工程の一例を図9(a)〜(e)に基づいて以下
に説明する。
まず、図9(a)、長尺状(巻き取り状)の第2積層フィルム2を水平方向(図面表裏方向)に巻き出し送行させながら、そのフィルム幅方向の両端部2c、2cを、折りガイド板(図示せず)にてVの字状に下側面に順に互いに逆方向に折り返して内側折返部2bと外側折返部2aとを形成する。
続いて、内側折返部2bと外側折返部2aとを形成した第2積層フィルム2を巻き出し送行させながら、図9(b)、第2積層フィルム2の下側に、長尺状(巻き取り状)の第1積層フィルム1を第2積層フィルム2と同じ送行速度で水平方向(図面表裏方向)に、第2フィルム2の両端部2c、2cに整合させて巻き出し送行させながら、各々外側折返部2aの折り返し内面に、長尺状の剥離性テープ材6を水平に(図面表裏方向に)巻き出し送行させながら、その接着性樹脂層24を上面に剥離性樹脂層25を下面にして挿入する。
そして、図9(b)、易剥離性テープ材6の挿入と共に、第1積層フィルム1の各々端部1c、1cと第2積層フィルム2の各々端部2c、2cの間から水平に第1積層フィルム1と第2積層フィルム2(各々内側折返部2b、2bよりフィルム内方)の重ね合わせ内面に遮蔽板26(金属製等の耐熱性の熱遮蔽板)を挿入する。
そして、第1、第2積層フィルム1、2を一旦停止させた後(又は第1、第2積層フィルム1、2を巻き出し送行させながら)、第2積層フィルム2の上側から剥離性テープ材6に向かってパターンヒートシーラー27(袋巾方向左右パターンシール部4,5および中央シー
ル部3を有するパターン状のフィルム送行方向に長いヒートシールバー)を下降動作させて(または、フィルム送行速度と同じ速度で移動させながら下降動作させて)、第1積層
フィルム1と、第2積層フィルム2の重ね合わせ内面のシーラント層2sと、剥離性テープ材6とを、遮蔽板26を介して加熱押圧する。
これにより、剥離性テープ材6の接着性樹脂層24面は、第2積層フィルム2内面のシーラント層2s面に、蒸気圧による剥離が不能な状態にヒートシールされ、一方、剥離性テープ材6の接着性樹脂層25面は、第2積層フィルム2内面のシーラント層2s面に、蒸気圧により容易に剥離が可能な状態で連続する左右パターンシール部4,5および中央パターンシール部3を有するパターン状にヒートシールされる。
続いて、第1、第2積層フィルム1、2を同じ速度で巻き出し送行させながら、図9(c)、第2積層フィルム2の各々端部2c、2cの上側から、第2積層フィルム2の各々内側折返部2b、2bのVの字状折返内面に遮蔽板(打抜遮蔽板)28を挿入する。
続いて、図9(c)に示すように、V字状の内側折返部2b内に打抜遮蔽用の遮蔽板24が挿入されている状態で、外側折返部2aの上方より打抜刃29により打ち蒸気抜き孔7を抜き形成する。
続いて、第1、第2積層フィルム1、2の各々端部1c、2cの領域から前記遮蔽板26、28を回避させて第1、第2積層フィルム1、2を一旦停止させた後(または、第1、第2積層フィルム1、2を巻き出し送行させながら)、図9(d)に示すように、第1、第2積層フィルム1、2の幅方向両端の各々端部1c、2cの上側から各々受台30、30に向かって下端ヒートシーラー31(フィルム送行方向に長いヒートシールバー)を下降動作させて、第1、2積層フィルム1、2の重ね合わせ内面のシーラント層1s、2sを、各々受板30、30との間で加熱押圧してヒートシールする。
これにより、第1、第2積層フィルム1、2の幅方向両端の各々端部1c、2cがヒートシールされて図1に示すような下端シール部9を形成する。
続いて、図9(e)、第1、第2積層フィルム1、2の巻き出し送行方向に対して直交する方向に設置したサイドシーラー(サイドシール幅を備えたフィルム幅方向に細長いヒートシールバー、図示せず)を、第1、第2積層フィルム1、2の巻き出し送行方向に対して直交する方向に、巻き出し方向に対して等間隔にサイドシール受台31に向かって下降動作させ、第1、第2積層フィルム1、2内面のシーラント層1s、2sと、第2積層フィルム2における内側折返部2bのV字状折返内面及び外側折返部2aの内面およびその外側折返部2a内面の剥離性テープ材6を加熱押圧する。
これにより重ね合わせた第1、第2積層フィルム1、2には、巻き出し方向に対して直交する方向に等間隔にサイドシール部8(図1参照)が形成される。
このようにしてヒートシール形成された第1、第2積層フィルム1、2は、図9(e)に示すように、そのフィルム幅方向の中心部の断裁線Fに沿ってフィルム巻き出し送行方向に平行に断裁されて、図1に示す本発明の包装袋の上端シール部に相当する開口部11が未シール状態で開口した、内容物を充填する前における本発明の蒸気抜き包装袋が製袋される。
また、図1(a)に示す本発明の蒸気抜き包装袋は正面図に示すように、包装袋に設けた中央パターンシール部3、左パターンシール部4および右パターンシール部5のパターンシール形状および位置が、包装袋縦中央線Oに対して線対称となるように配設されている。
本発明の蒸気抜き包装袋を構成する積層フィルム1,2は、少なくとも基材フィルム層とシーラント層を積層して構成される。
基材フィルム層としては、包装袋の基材となる層であり、シート状またはフィルム状のものであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリイミド等)、あるいはこれらの高分子の共重合体など、通常包装材料として用いられる比較的耐熱性を有するプラスチックフィルムもしくはシートが使用できる。
この基材フィルム層には、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。
さらに、基材フィルム層の表面をコロナ放電処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、後述するシーラント層32等との接着性を向上させることができる。また、必要に応じて基材フィルム層の表面または裏面に印刷層(図示せず)を形成することができる。
包装袋の落下強度、突き刺し強度や、ガスバリア性を向上させる必要がある場合には、基材フィルム層とシーラント層との間にポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、直線カット性を有するバリアナイロンなどの中間層を介在させることができる。
本発明の蒸気抜き包装袋を構成する積層フィルムのガスバリア性をアルミニウム箔なみに向上させるために、酸化アルミニウムや酸化珪素などの無機化合物の薄膜を物理蒸着あるいは化学蒸着などの蒸着法により、20〜100nm程度の膜厚に設けた無機化合物蒸着プラスチックフィルムを用いることもでき、特に、ガスバリア蒸着フィルムとしては、例えば、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、一般式R'Si(OR)3
(R':アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル基など)
で表せる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなるプライマー層、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層を順次積層したガスバリア積層フィルムが好適に用いられる。
以下に上記のガスバリア積層フィルムについて詳しく説明する。
まず、図7に示す積層フルム1(2)の21がガスバリア積層フィルム層である。ガスバリア積層フィルム21における基材17はプラスチック材料からなるフィルムであり、その上に3官能オルガノシラン及びアクリルポリオール、イソシアネート化合物等の複合物よりなるプライマー層18、無機酸化物からなる蒸着薄膜層19、ガスバリア性被膜層20が順次積層されている。この場合、ガスバリア性被膜層20は、要求されるバリア性の程度によっては設けなくても構わない。
上述した基材17はプラスチック材料であり、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。またこの基材17の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されて
いても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
基材17の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、プライマー層18及び無機酸化物からなる蒸着薄膜層19、ガスバリア性被膜層20を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましい。
プライマー層18は、プラスチック材料からなる基材17上に設けられ、基材17と無機酸化物からなる蒸着薄膜層19との間の密着性を高め、食品包装分野でのレトルト殺菌等の加熱後のデラミネーション(剥離)の発生等を防止することを目的とする。
プライマー層18のためのプライマー樹脂として用いることができるのは、3官能オルガノシランあるいはその加水分解物と、アクリルポリオール及びイソシアネート化合物等との複合物が挙げられる。
さらに、プライマー層18を構成する複合物について詳細に説明する。前記3官能オルガノシランは、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシランなど一般式R'Si(OR)3(R'はアルキル基、ビニル
基、グリシドオキシプロピル基等、Rはアルキル基等)で表せるもの、あるいはその加水分解物である。なかでもR'中にエポキシ基が含まれているグリシドオキシトリメトキシ
シランやエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等が特に好ましい。加水分解物を得る方法は、3官能オルガノシランに直接酸やアルカリ等を添加して加水分解を行う方法など既知の方法で得ることができる。
また、アクリルポリオールとは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物もしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物のうち、末端にヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものである。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオールが好ましく用いられる。またイソシアネート化合物との反応性を考慮するとヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
アクリルポリオールと3官能オルガノシランの配合比は、重量比で1/1から100/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1から50/1の範囲にあることである。溶解および希釈溶媒としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独および任意に配合されたものを用いることができる。しかし、3官能オルガノシラン等を加水分解するために塩酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることがより好ましい。
また、3官能オルガノシランとアクリルポリオールの配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加してもよい。添加される触媒としては、反応性および重合安定性の点から塩化錫(SnCl2、SnCl4)、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2Cl2)、錫アルコキシド等の錫化合物であることが好ましい。これらの触媒は、配合時に直接添
加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加しても良い。添加量は、少なすぎても多すぎても触媒効果が得られないため、3官能オルガノシランに対してモル比で1/10〜1/10000の範囲が好ましく、更に望ましくは1/100〜1/2000の範囲であることがより好ましい。
さらに、混入するイソシアネート化合物とは、アクリルポリオールと反応してできるウレタン結合により基材17や無機酸化物からなる蒸着薄膜層19との密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するためにイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が用いられ、これらが単独かまたは混合物等として用いられる。
アクリルポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるものではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。そこでアクリルポリオールとインソシアネート化合物との配合比としては、イソシアネート化合物由来のNCO基がアクリルポリオール由来のOH基の50倍以下であることが好ましく、特に好ましいのはNCO基とOH基が当量で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
さらに、上記複合物に調液時に液安定性を向上させるために、金属アルコキシドまたはその加水分解物を加えてもよい。この金属アルコキシドとはテトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリプロポキシアルミニウム〔Al(OC373〕など一般式M(OR)n(MはSi,Al,Ti,Zr等の金属、RはCH3,C25等のアルキル基)で表せるもの、あるいはその加水分解物である。これらの中でもテトラエトキシシラン、トリプロポキシアルミニウムあるいは両者の混合物が、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。この金属アルコキシドの加水分解物を得る方法は前記3官能オルガノシランとともに加水分解を行っても良いし、また金属アルコキシドの加水分解物を加えることも可能である。
3官能オルガノシランと金属アルコキシドの配合比は、液安定性の点からモル比で10:1から1:10の範囲であることが望ましい。好ましくは両者が等モルで配合されることが望ましい。
複合物の被膜は、このような3官能オルガノシランをあらかじめ加水分解反応させたもの、または3官能オルガノシランを金属アルコキシドとともに加水分解反応させたもの(このとき上述した反応触媒を用いても構わない)を、アクリルポリオールやイソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製するか、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを溶媒中あらかじめ混合しておき(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)加水分解反応を行ったもの、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを混合しただけのもの(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)の中に、イソシアネート化合物を加え複合溶液を作製したものを基材17にコーティングして形成する。
この複合物に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加することも可能である。
プライマー層18の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく、密着性が低下する場合がある。また厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。特に好ましいのは0.05〜0.5μmの範囲内にあることである。
プライマー層18の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層19は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。これらの中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が好ましい。ただし本発明の蒸着薄膜層は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
蒸着薄膜層19の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。蒸着薄膜層19の厚さは、好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層19をプライマー層18上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
ガスバリア性被膜層20は、要求品質によりアルミ箔並の高いガスバリア性を付与するために無機酸化物からなる蒸着薄膜層19上に設けられるものである。
上記ガスバリア性被膜層20は、水溶性高分子と(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層19にコーティング、加熱乾燥し形成される。コーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳細に説明する。
本発明でガスバリア性被膜層のコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、P
VAと略す)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
また、塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
さらに、金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイ
ソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2'−C373〕などの一般式M(OR)n(M
:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C25等のアルキル基)で表せるもの
である。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2
個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μmを越えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
中間層22は破袋強度を高めるために設けられるもので、一般的に機械強度及び
熱安定性の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内から選ばれるが直線カット性等の特性が必要な場合はこの限りではない。厚さは、材質や要求品質等に応じて決められるが、一般的には10〜30μmの範囲である。形成方法としては2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方法により積層できる。
ヒートシール層23は包装袋などを形成する際に接着層として設けられるものである。熱融着性のある樹脂であれば使用できるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。食品包装におけるレトルト殺菌適性等を考慮すると、ポリプロピレン樹脂がより好ましく使用できる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるがいずれも公知の方法により積層することができる。
本発明において使用される剥離性テープ材6としては、例えば、図8に示すように、包装袋内面のシーラント層に対して接着性を示す接着性樹脂層24と包装袋を加熱して発生
する蒸気の蒸気圧により易剥離性を示す剥離性樹脂層25との2層からなるテープ材等を挙げることができる。
上記の包装袋内面のシーラント層に対して接着性を示す接着性樹脂層24としては、既に上述した積層フィルム1,2の内面シーラント層を構成する熱融着可能な接着性熱可塑性樹脂をそのまま使用することができるが、CPPと称されるプロピレン系重合体(コポリマーやターポオリマー)や、LLDPEまたはLLDと称される直鎖状低密度ポリエチレンからなる層が好適に用いられる。そしてその厚みは、20〜150μmとすることが多い。
また、上記の包装袋内面のシーラント層に対して易剥離性を示す剥離性樹脂層25としては、例えば、ブロックポリプロピレン系コポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマー、エチレン/酢酸ビニル等のエチレン系共重合体などが好適に用いられる。エチレン系共重合体としては、特にエチレン成分含有量が85〜98重量%の共重合体が望ましい。
ここで、ブロックポリプロピレン系コポリマーの代表例はポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマーの代表例はプロピレン−エチレンランダムコポリマーである。
上記の接着性樹脂層24と剥離性樹脂層25の積層方法は、特に限定されず、例えば
、ドライラミネート、エクストルージョンコーティング、共押出などの周知の方法が挙げられる。
以下、本発明を具体例を挙げて説明する。
図7に示す積層フィルム1および2を使用して製袋し、図1に示す本発明の蒸気抜き包装袋を作製した。
積層フィルム1および2は次のようにして作製した。すなわち、基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム17の片面に、プライマー層18として下記組成の複合溶液をグラビアコート法により乾燥後厚さが0.2μmになるように形成した。次いで、プライマー層18上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ20nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層19を形成した。さらに、その上に下記組成のコーティング剤をバーコーターで塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmのガスバリア性被膜層20を形成し、ガスバリア積層フィルム21を作製した。
<プライマー用複合溶液の組成>
希釈溶媒中、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン(以下EETMSと略す)とアクリルポリオールをEETMSに対し、重量比で5.0倍量取り混合し、さらに触媒として塩化錫(SnCl2)/メタノール溶液(0.003mol/gに調液したもの)をEETMSに対し1/135molになるように添加し攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(以下TDIと略す)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を所定の濃度に希釈して複合溶液を作成した。
<ガスバリア性被覆層用コーティング剤の組成>
下記(1)液と下記(2)液を重量比で60/40に混合したものを作成した。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO2換算)の加水分解溶液。
(2)液:ポリビニルアルコールの3重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
ガスバリア積層フィルム21とラミネートする中間層22として厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムを使用した。
さらに、シーラントフィルム23として、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東レ社製、「ZK93KM」)を使用した。
上記ガスバリア蒸着フィルム21に2液硬化型ウレタン系樹脂からなる接着剤を用いて、順次、上記中間層22、シーラントフィルム23をドライラミネート法により貼り合わせて積層フィルム1と積層フィルム2を得た。
この積層フィルム1と積層フィルム2を製袋して図1に示す蒸気抜き包装袋を作成した。なお、剥離性テープ材6として、東セロ社製イージーピールフィルム(CMPS 013C)を使用した。
この蒸気抜き包装袋に内容物としてお粥200gを充填し、開口部11をシールした後に120℃30分の処理条件にてレトルト殺菌処理を行った。
本発明の蒸気抜き包装袋と性能を比較するための比較例として、実施例1において、図1の中央パターンシール部3、左パターンシール部4、右パターンシール部5がそれぞれ連続したパターンに代えて、それぞれが離れたパターンすなわち図13に示すようなパターンにした他は実施例1と同様にして蒸気抜き包装袋を作製した。
この蒸気抜き包装袋に実施例1と同様にして、内容物としてお粥200gを充填し、開口部11をシールした後に120℃30分の処理条件にてレトルト殺菌処理を行った。
上記実施例および比較例で得られた蒸気抜き包装袋についてその電子レンジ加熱適性および内容物保存性を中心とした項目について比較評価を行った。その結果を表1に示す。
表1より、実施例1で得られた本発明の蒸気抜き包装袋は、電子レンジ加熱適性、蒸気抜き孔の数、通蒸手段、生産性、電子レンジ加熱時通蒸性、充填加工性については比較例1で得られた蒸気抜き包装袋と変わらないにもかかわらず、蒸気抜き孔を囲むシール部分が包装袋の幅方向に連続することによって、乾熱殺菌状態の箇所がなくなり、レトルト殺菌後の腐敗も発生率が減少した。
このように本発明の蒸気抜き包装袋によれば、電子レンジ等で加熱調理しても加熱により生じた包装体の内部圧力をスムーズに逃がすことができ、かつ、包装袋の乾熱乾燥状態の箇所をなくすことによって内容物保存性も改良された蒸気抜き包装袋を提供することができる。
本発明の蒸気抜き包装袋の一例を示す模式図。(a)はその平面図(b)は、 (a)に示すZ−Z’方向の断面模式図。 図1(a)に示すZ−Z’方向の断面拡大模式図。 図1(a)に示すG−G’方向の断面拡大模式図。 本発明の蒸気抜き包装袋の開口部から内容物を充填密封した包装袋の外側折返 部側を上面にして水平に載置して、常温下での状態を示したもので、(a)はその断 面模式図(b)は、V字形状の内側折返部と外側折返部を含む断面拡大模式図。 本発明の蒸気抜き包装袋の開口部から内容物を充填密封した包装袋の外側折返 部側を上面にして水平に載置して、電子レンジ等により包装袋を加熱した状態を示し たもので、(a)はその断面模式図(b)はV字形状の内側折返部と外側折返部を含 む断面拡大模式図。 本発明の蒸気抜き包装袋において、内容物を充填密封して蒸気抜き後、蒸気抜 き孔を下側にした状態を示す模式説明図。 本発明の蒸気抜き包装袋を構成する積層フィルムの一例を示す断面模式図。 本発明の蒸気抜き包装袋に使用する剥離性テープ材の構成の一例を示す断面模 式図。 本発明の蒸気抜き包装袋の製袋方法の一例を説明する模式説明図。 従来の蒸気抜き包装袋の一例を説明する模式説明図。 従来の蒸気抜き包装袋の一例を説明する模式説明図。 従来の蒸気抜き包装袋の一例を説明する模式説明図。 従来の蒸気抜き包装袋の他の一例を示す模式説明図。(a)はその平面図( b)は、(a)に示すZ−Z’方向の断面模式図。 従来の蒸気抜き包装袋の他の一例を示す模式説明図。V字形状の内側折返部 と外側折返部を含む図13(a)に示すG−G’方向の断面拡大模式図。
符号の説明
1…積層フィルム1
1s…積層フィルム1の内面(シーラント層)
1c…積層フィルム1の両端部
2…積層フィルム2
2s…積層フィルム2の内面(シーラント層)
2a…外側折返部
2b…内側折返部
2c…積層フィルム2の両端部
3…中央パターンシール部
3a…中央パターンシール部の未シール部
3b…隔離された空室部
4…左パターンシール部
4a…左パターンシール部の未シール部
5…右パターンシール部
5a…右パターンシール部の未シール部
6…剥離性テープ材
6…剥離性テープ材の上端位置
7…蒸気抜き孔
8…サイドシール部
9…下端シール部
10…外側折返端部
11…内容物充填開口部
1A…積層フィルム1A
1As…積層フィルム1Aの内面(シーラント層)
1Ac…積層フィルム1Aの両端部
2A…積層フィルム2A
2As…積層フィルム2Aの内面(シーラント層)
2Aa…外側折返部
2Ab…内側折返部
2Ac…積層フィルム2の両端部
3A…中央パターンシール部
3Aa…中央パターンシール部の未シール部
3Ab…隔離された空室部
4A…左パターンシール部
4Aa…左パターンシール部の未シール部
5A…右パターンシール部
5Aa…右パターンシール部の未シール部
6A…剥離性テープ材
6’A…剥離性テープ材の上端位置
7A…蒸気抜き孔
8A…サイドシール部
9A…下端シール部
10A…外側折返端部
11A…内容物充填開口部
12…蒸気抜き孔
13…ノッチ
14…内容物
15…内容物充填開口部のシール部
16…電子レンジ等による加熱によって発生する水蒸気等の気体
17…ガスバリア積層フィルム基材
18…プライマー層
19…無機酸化物からなる蒸着薄膜層
20…ガスバリア性被膜層
21…ガスバリア積層フィルム
22…中間層
23…シーラント層
24…接着性樹脂層
25…易剥離性樹脂層
26、28…遮蔽板
27…ヒートシーラー
29…打抜刃
30、31…受台
100…積層フィルム
101…積層フィルムの両端部
102…ヒートシール部
103…底部ヒートシール部
104…上部ヒートシール部
106…包装袋
A…外側折り返し端部から中央パターンシール部の内側下端までの距離
B…外側折り返し端部から左パターンシール部の包装袋中央側端部におけるシール部の外側上
端までの距離
C…外側折り返し端部から右パターンシール部の包装袋中央側端部におけるシール部の外側上
端までの距離
D…外側折り返し端部から中央パターンシール部の未シール部に設けた蒸気抜き孔までの距離
F…断裁線

Claims (7)

  1. 第1積層フィルム(1)と第2積層フィルム(2)とを重ね合わせ、前記第2積層フィルム(2)には、V字形状の内側折返部(2b)と外側折返部(2a)とを備え、その重ね合わせフィルムの端部周囲を、その重ね合わせ積層フィルム内面のシーラント層にてヒートシールして密封する包装袋であって、前記内側折返部(2b)と外側折返部(2a)とが折り返し重ね合わせ、その折り返し重ね合わせ部には未シール部(4a)を有する左パターンシール部(4)、未シール部(3a)を有する中央パターンシール部(3)、未シール部(5a)を有する右パターンシール部(5)の連続した3つの領域からなるパターン状にシールされてなるパターンシール部が設けられ、さらに、その折り返し重ね合わせ部の内面には、シーラント層に対して、包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性テープ材(6)が、前記左右および中央パターンシール部からなるパターンシール、およびサイドシール部(8),(8)でシールされて介在して、少なくとも前記中央パターンシール部(3)の未シール部(3a)には剥離性テープ材(6)に亘って所定の蒸気抜き孔(7)が貫設されており、前記外側折り返し端部(10)から、前記左パターンシール部(4)および右パターンシール部(5)の包装袋中央側端部におけるシール部の外側上端までの距離を各々(B)、(C)、また、中央パターンシール部(3)の内側下端までの距離を(A)、中央パターンシール部(3)の未シール部(3a)に設けた蒸気抜き孔(7)までの距離を(D)で表したとき、下記(1)式
    A>B,C≧D・・・・(1)
    の関係を満たすことを特徴とする蒸気抜き包装袋。
  2. 前記第1積層フィルム(1)および第2積層フィルム(2)が、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、一般式R'Si(OR)3(R':アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル基など)で表わせる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなるプライマー層と厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層を順次積層したガスバリア積層フィルム層と、シーラント層とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気抜き包装袋。
  3. 前記剥離性テープ材(6)が、包装袋内面のシーラント層に対して接着性を示す接着性樹脂層と包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示す剥離性樹脂層との2層からなることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気抜き包装袋。
  4. 前記の連続した中央パターンシール部(3)、左パターンシール部(4)および右パターンシール部(5)のパターンシール形状および位置が、包装袋縦中央線(O)に対して線対称となるように配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋。
  5. 前記の連続した中央パターンシール部(3)、左パターンシール部(4)および右パターンシール部(5)における各々の未シール部(3a),(4a),(5a)の形状が略矩形形状であり、かつ中央パターンシール部のシール形状が略矩形形状であり、一方左パターンシール部の外側上端が包装袋左サイド側から包装袋中央側へ直線状に傾斜する形状であり、右パターンシール部の外側上端が包装袋右サイド側から包装袋中央側へ直線状に傾斜する形状からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋。
  6. 前記サイドシール部(8),(8)の包装袋上部に開封用のノッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋。
  7. 前記蒸気抜き孔(7)の形状が、外側折り返し端部(10)の直線ラインに対して平行な直線形状の両端に斜めもしくは垂直下向きの短い直線を備える略コの字型形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気抜き包装袋。

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