JP2010036410A - 射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法とその判別機能を備えた射出成形機 - Google Patents

射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法とその判別機能を備えた射出成形機 Download PDF

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Abstract

【課題】スクリュに備えられた逆流防止弁の閉鎖状態を簡単に、より正確に判別できる射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法を提供すること。
【解決手段】射出開始するとスクリュ回転用サーボモータの回転位置を記憶する現在位置レジスタの値を読み出す(SA1)。読み出したスクリュ回転角度を時系列的に記憶する(SA2)。そして、スクリュ移動が終了したか否か判断する(SA3)。スクリュ移動が終了していなければステップSA1に戻り、上述したステップSA1〜ステップSA3の処理を所定サンプリング周期毎実行する。スクリュ移動が終了すると、時系列的に記憶されたスクリュ回転角度の波形を横軸を時間軸として表示装置に表示する(SA4)。作業者はこの波形から逆流防止弁の閉鎖状態を判別できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、射出成形機の逆流防止弁を備えたスクリュを射出方向に駆動させたとき、該逆流防止弁の閉鎖状態を判別する方法、およびその判別機能を備えた射出成形機に関する。
インラインスクリュ式の射出成形機のように、射出時の樹脂の逆流を防止するためにスクリュ先端に逆流防止弁を備えた射出機構を有する射出成形機は、従来から使用されている。
図1は、この逆流防止弁の一例である。スクリュ1の先端に設けられたスクリュヘッド2とスクリュ1の本体部分間に設けられた縮径された部分に、スクリュ軸方向に移動可能にチェックリング3が配置され、この縮径された部分のスクリュ1の本体側には、このチェックリング3と当接密着し、樹脂通路を閉鎖するチェックシート4を備える。スクリュ1の後方からシリンダ7内に供給される樹脂ペレットは、計量時のスクリュ1の回転により発生するせん断熱と、スクリュ1が挿入されているシリンダ7の外側に設けられたヒータ(図示省略)からの熱により溶融される。溶融された樹脂はチェックリング3の後方の樹脂圧力を上昇させ、チェックリング3を前方に押す力を発生させる。チェックリング3が前方に押されると、後方の樹脂がチェックリング3と縮径された部分の間隙を通りチェックリング3の前方に流れ込みスクリュヘッド2前方のシリンダ内の圧力を上昇させる。
チェックリング3の前方の圧力が所定の圧力(背圧)を超えるとスクリュ1が後方に押されて、チェックリング3の前方の圧力が減圧される。更にスクリュ1が回転することでチェックリング3の後方の圧力がチェックリング3の前方の圧力よりも高くなるので、継続して溶融された樹脂がチェックリング3の前方に送り込まれる。所定の量までスクリュ1が後退するとスクリュ回転を停止させ、計量が終了する。
次に射出工程に入るが、樹脂を充填するためにスクリュ1が前進すると、スクリュヘッド2の前方にたまった樹脂圧力が上昇するので、チェックリング3が後退しチェックシート4と密着して樹脂通路を閉鎖し、充填圧により溶融樹脂がスクリュ後退方向に逆流することを防止する。
射出時の逆流防止弁はスクリュ1の前進によりチェックリング3の前方の圧力が後方の圧力よりも高くなることで閉鎖されるが、射出直前の逆流防止弁の後方はフライト5間の溝部6に蓄積された圧縮状態の樹脂より圧力を受けており、この圧力の影響で閉鎖タイミングが変動するという問題がある。射出開始から逆流防止弁閉鎖までの間には逆流防止弁前方から後方に向かって樹脂の逆流が生じるため、この閉鎖タイミングの変動によって、サイクル毎の射出体積に変動が生じ、成形される成形品の品質に影響を与える。従って、チェックリング3が毎サイクル安定したタイミングで閉鎖できるような手段が考察されていると共に、実際にチェックリング3が閉鎖したタイミングを監視する方法が提案されている。そして、このチェックリング3が閉鎖するスクリュ位置や射出開始からの時間を検出することによって、射出速度制御から保圧制御への切換位置や速度切換位置等の成形条件の設定や成形品の良否判別等の材料としている。
例えば、逆流防止弁よりも後方の位置にシリンダ内の樹脂圧力を検出する圧力センサを設け、スクリュ前進中、該圧力センサで検出される圧力変化を元に逆流防止弁の閉鎖を検出し、該検出した逆流防止弁閉鎖位置に基づいて、成形品の良否判別、成形条件の調整を行う発明が知られている(特許文献1、2参照)。
また、逆流防止弁のリングバルブより後方に該リングバルブと対向するように導電性部材を配置し、リングバルブと導電性部材との間の静電容量を検出することによって、リングバルブの位置、すなわち該リングバルブによる樹脂流路閉鎖時を検出するものが知られている(特許文献3参照)。
又、特許文献4には、射出中の逆流防止弁の閉鎖タイミングを検出しているものではないが、射出時にスクリュに作用する回転トルクを検出し、この検出トルクによって逆流防止弁の破損等の異常を検出するものが記載されている。
さらに、スクリュを回転自在にして射出を開始すると、樹脂が逆流してスクリュを回転させるが、逆流防止弁が閉鎖し、樹脂の逆流が停止するとスクリュの回転が停止することを利用して、このスクリュ回転停止を逆流防止弁の閉鎖タイミングとして検出し、さらに、この検出した逆流防止弁閉鎖位置に基づいて射出速度切換位置や保圧への切換位置を補正するようにした発明も知られている(特許文献5参照)。
また、特許文献6には、射出工程中においてスクリュが回転しないようにサーボロックを行った場合、スクリュ回転角度のピーク発生時点を逆流防止弁の閉鎖時点とみなすことができる旨の記載がある。
特開平4−53720号公報 特開平4−201225号公報 特開平3−92321号公報 特開平1−168421号公報 特開2004−216808号公報 特開2008−126533号公報
上述した特許文献1、2に開示された技術は、シリンダ内の圧力変化を検出して逆流防止弁の閉鎖を検出するものであり、この方法では、逆流防止弁後方に圧力センサを追加する必要がある。シリンダの先端から少なくとも最大射出ストローク以上の距離を離して圧力センサを配置する必要がある。このため射出ストロークの大小によって逆流防止弁と圧力センサとの距離には差が生じ、検出精度に差がでる。
また、シリンダの内壁面は樹脂滞留によって炭化物などを生じないように段差部がなく滑らかな流路を形成していることが望ましいが、直接樹脂に接触する圧力センサを取り付けるとシリンダ内壁面に微小な段差部が生じることは不可避であり、樹脂滞留による炭化物が成形品へ混入するなどの悪影響が避けられない。
また、樹脂には直接接触せず間接的にシリンダの歪みを検出することで樹脂の圧力を検出する方式の圧力センサでは、検出精度が犠牲になってしまう。さらに、いかなる方式の圧力センサも高価なうえに取扱いが煩雑で、定期的なメンテナンスや校正を必要とするものが多いなどの問題がある。
また、上述した特許文献3に開示された技術のように、静電容量を検出してリングバルブの閉鎖タイミングを検出する方式では、静電容量を検出するための導電性部材をスクリュに配置し、スクリュの中心には、配線を通すための穴を加工し、さらに、測定信号を取り出すためのスリップリングをスクリュに配置する等の静電容量を測定するための手段を付加しなければならず、構成が複雑となるという欠点がある。
特許文献5に開示された技術は、逆流した樹脂がフライトに作用する力のスクリュ回転方向の分力Fθに着目して、射出中に回転自在にしたスクリュの回転が停止したことを検出して逆流防止弁の閉鎖を検知するものである。特許文献5に開示された技術によれば、回転の停止に基いて逆流防止弁の閉鎖を判別できるが、回転自在にしたスクリュが逆流樹脂によって回転させられるため、スクリュ回転角度を保持するようにした場合に比べて樹脂の逆流量が大幅に増加してしまい、射出による樹脂の充填量が減少したり、樹脂の充填量が不安定になることも有り得る。
特許文献6に開示される技術は、スクリュ回転角度のピーク発生時点を逆流防止弁の閉鎖時点とみなしている。実際の射出成形では、スクリュ回転角度に変化が生じない場合や、スクリュ回転角度の波形が台形状になってピークが発生しない場合や、スクリュ回転角度にピークが発生しても逆流防止弁が閉鎖していない場合がある。このような回転角度波形が観測された場合に逆流防止弁の閉鎖状態を判別することは従来知られていなかった。
そこで、本発明の目的は、特別の装置を使用することなく、かつ、樹脂の逆流を増加させることなく、スクリュに備えられた逆流防止弁の閉鎖状態を簡単に、より正確に判別できる射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法および逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された波形パターンに基いて逆流防止弁の閉鎖状態を判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法である。
請求項2に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された回転角度波形において、スクリュ前進中の所定時点における回転角度を読み取り、該読み取った回転角度が第1の所定角度以上の場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖しなかったと判別し、前記読み取った回転角度が第1の所定角度より小さい場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖したと判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法である。
請求項3に係る発明は、前記所定時点は、スクリュ前進完了時点、または射出速度切り替え時点、または速度制御から圧力制御への切り替え時点、または逆流防止弁の可動ストロークだけスクリュが前進した時点とすることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法である。
請求項4に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された回転角度波形において、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出された回転角度が第2の所定角度を超えていない場合は、逆流防止弁はスクリュ前進開始時点で閉鎖していたと判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法である。
請求項5に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された回転角度波形において、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出された回転角度が第3の所定角度を超えている場合は逆流防止弁の閉鎖が異常であると判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法である。
請求項6に係る発明は、前記スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を保持することを特徴とする請求項1〜5の内いずれか1つに記載の射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法である。
請求項7に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出する回転角度検出手段と、スクリュ前進中の所定時点における回転角度を検出し、該検出した回転角度が第1の所定角度以上の場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖しなかったと判別し、前記読み取った回転角度が第1の所定角度より小さい場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖したと判別する判別手段とを備えたことを特徴とする逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項8に係る発明は、前記所定時点は、スクリュ前進完了時点、または射出速度切り替え時点、または速度制御から圧力制御への切り替え時点、または逆流防止弁の可動ストロークだけスクリュが前進した時点のいずれか1つの時点とすることを特徴とする請求項7に記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項9に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出する回転角度検出手段と、スクリュ前進開始から完了までの間において、前記検出した回転角度と第2の所定角度とを逐次比較する比較手段と、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出した回転角度が第2の所定角度を超えていない場合は、逆流防止弁はスクリュ前進開始時点で閉鎖していたと判別する判別手段とを備えることを特徴とする逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項10に係る発明は、スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出する回転角度検出手段と、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出した回転角度と第3の所定角度とを逐次比較する比較手段と、前記検出された回転角度が第3の所定角度を超えている場合は逆流防止弁の閉鎖が異常であると判別する判別手段とを備えた逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項11に係る発明は、前記判別手段により判別した逆流防止弁の閉鎖状態を表示装置に表示することを特徴とする請求項7〜10の内いずれか1つに記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項12に係る発明は、前記判別手段により判別した逆流防止弁の閉鎖状態に基いて成形品の良否判別を行うことを特徴とする請求項7〜10の内いずれか1つに記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項13に係る発明は、前記判別手段により判別した逆流防止弁の閉鎖状態に基いてアラームを出力することを特徴とする請求項7〜10の内いずれか1つに記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
請求項14に係る発明は、前記スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を保持することを特徴とする請求項7〜13の内いずれか1つに記載の射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機である。
本発明により、特別の装置を使用することなく、かつ、樹脂の逆流を増加させることなく、スクリュに備えられた逆流防止弁の閉鎖状態を簡単に、より正確に判別できる射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法および逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機を提供できる。
逆流防止弁の閉鎖状態によって、スクリュ前進時のスクリュにかかる回転力の波形が変化することを利用して、この波形を表示装置の画面に表示し、この表示波形パターンによって逆流防止弁の閉鎖状態を簡単に把握できる。
まず、本発明の逆流防止弁の閉鎖状態を判別する方法原理について説明する。
本発明は、射出時においてスクリュに作用する回転力によって回転するスクリュの回転角度の変化波形を用いて、スクリュに備えられた逆流防止弁の閉鎖状態を判別するものである。
計量完了後、射出開始前では、スクリュ1の軸方向の移動及びスクリュ回転は停止状態にあり、スクリュ回転角度を所定角度に保持するように制御ループを構成しスクリュの回転角度は保持されている。このとき、スクリュ1の可塑化部分のフライト5には、未溶融/半溶融の樹脂に圧縮を加えた圧縮状態となっている。
このフライト5間の溝部6の圧縮状態にある樹脂からスクリュ1は、図1に示すようにスクリュ回転方向の回転力Fθを受けている。そして射出が開始されスクリュ1が前進を開始すると、このスクリュ1の前進開始と共にチェックリング3とチェックシート4の間隙から溶融樹脂の逆流が始まる。逆流する溶融樹脂は計量工程で計量された溶融樹脂の一部である。この逆流した溶融樹脂の圧力がスクリュ1のフライト5に作用して、スクリュ1を回転させる回転力が加わり、回転力Fθは増大する。
やがて、チェックリング3が移動しチェックシート4と密着することで逆流防止弁が閉鎖する。この逆流防止弁の閉鎖で溶融樹脂の逆流がなくなるために、回転力は減少に転じる。その結果、逆流防止弁が閉鎖した時点で、回転力はピーク値をとり、以後は、フライト5間の溝部6に蓄積された圧縮状態にある樹脂から受ける回転力のみとなる。
上述した回転力のうち、射出開始から逆流防止弁が閉鎖するまでの間は、逆流した溶融樹脂によってスクリュを逆回転させる方向の力が働き、スクリュは逆回転方向に回転させられる。なお、逆回転方向は、計量工程においてスクリュが回転する回転方向と逆方向の回転方向である。
逆流防止弁が閉鎖した時点以降は、溶融樹脂の逆流がなくなるため前記回転力がスクリュに作用しなくなり、スクリュは逆回転方向に回転させられなくなる。よって、射出成形機に備えられた射出開始からのスクリュの回転角度を示す回転角度波形に基いて逆流防止弁の閉鎖状態の判別を行うことができる。
図2に、射出開始からのスクリュ回転角度の波形パターンを示す。図2(a)〜(d)のグラフで、横軸は射出開始からの経過時間を表し、縦軸はスクリュの回転角度を表している。
図2(a)は、逆流防止弁が射出中に閉鎖した場合の波形パターンを示している。この波形パターンはピークの値を有する。また、図2(b)も、逆流防止弁が射出中に閉鎖した場合の波形パターンを示している。射出開始後に逆流防止弁が閉鎖した場合でも、樹脂の種類や成形条件によっては、図2(b)に示されるような単調増加後に緩やかな単調増加に転じ、その後急激に減少する波形パターン(パターン1)、単調増加後に変化しなくなり、その後急激に減少する波形パターン(パターン2)、あるいは単調増加後にわずかに減少傾向に転じ、その後急激に減少する波形パターン(パターン3)となる場合がある。
図2(c)は、逆流防止弁が射出中に閉鎖しなかった場合の波形パターンを示している。逆流防止弁の破損や磨耗などの逆流防止弁の異常、あるいは成形条件の不具合等によって未溶融の樹脂が逆流防止弁の閉鎖を阻害するなどの理由で、逆流防止弁が射出完了時点までに閉鎖しない場合がある。このような場合は、射出開始から完了までの全区間においてスクリュが逆回転させられるため、単調増加となる波形パターン(パターン4)、単調増加後に変化しなくなるような波形パターン(パターン5)、あるいは単調増加後にわずかに減少に転じる波形パターン(パターン6)となる。
図2(d)は、逆流防止弁が射出開始時点で閉鎖していた場合の波形パターンを示している。計量完了から射出開始までの間において逆流防止弁をあらかじめ閉鎖する制御を行った場合、射出開始時点において逆流防止弁が既に閉鎖している場合がある。この場合、射出中にスクリュは逆回転させられないので、図2(d)に示されるように回転角度が変化しない波形パターンが得られる(図2(d)では微小な波形として表示)。
上述したように逆流防止弁の状態によってスクリュ回転角度の波形パターンは異なる。よって、スクリュの回転角度の波形パターンを読み取って逆流防止弁の閉鎖状態を判別することができる。
なお、図2(a)〜図2(d)の横軸は、射出開始からの経過時間に替えて、スクリュ位置(スクリュの軸方向位置)、あるいは射出開始からのスクリュ前進距離を用いてもよい。
次に、所定の基準値を設定して逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する。
図3は、第1の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する図である。図3を用いて、射出開始後の所定時点における回転角度を射出成形機の表示装置の画面から読み取って、読み取ったスクリュの回転角度の値から所定時点における逆流防止弁の閉鎖状態を判別することを説明する。
図3では、所定時点を逆流防止弁の可動ストローク分だけスクリュが移動した時点に設定することが示されている。所定時点において逆流防止弁が閉鎖している場合には、逆流した溶融樹脂による回転力はスクリュに作用しなくなるので、スクリュの回転角度は小さな値となっている。また、所定時点において逆流防止弁が閉鎖していない場合は、逆流した溶融樹脂による回転力がスクリュに作用しスクリュが逆回転させられ、回転角度は大きな値となっている。
よって、逆流防止弁の閉鎖が正常に行われたか否かを判別するには、所定時点におけるスクリュの回転角度を読み取り、該読み取った回転角度が第1の所定角度より小さい場合は、所定時点において逆流防止弁が閉鎖していると判別し、前記読み取った回転角度が第1の所定角度より大きい場合は、逆流防止弁が所定時点において閉鎖していないと判別する。
ここで、第1の所定角度を設定する1つの例を説明する。逆流防止弁が正常に閉鎖した場合の所定時点における回転角度と逆流防止弁が正常に閉鎖しなかった場合の所定時点における回転角度とがそれぞれ既知である場合、前記正常時と前記異常時の回転角度の中間値を第1の所定角度として設定することができる。
実際には、逆流防止弁が異常により正常に閉鎖しなかった場合のスクリュ回転角度は大きく、逆流防止弁が正常に閉鎖した場合のスクリュ回転角度はほぼゼロに近い。したがって、第1の所定角度をほぼゼロの値の回転角度に設定するようにしてもよい。
上述したように、図3では、所定時点を逆流防止弁の可動ストローク分だけスクリュが移動した時点に設定することが示されている。これに替えて、成形条件や成形品ごとに正常時の逆流防止弁の閉鎖時点が既知である場合には、この既知の閉鎖時点を所定時点として、その時点の回転角度を読み取るようにしてもよい。
また、逆流防止弁の閉鎖状態を判別する時点としてはスクリュが逆流防止弁の可動ストローク分だけ前進した時点の他に、射出速度を切り替えた時点や、スクリュ前進を完了した時点や、速度制御から圧力制御に切り替えた時点としてもよい。
通常は射出開始からスクリュが逆流防止弁の可動ストローク分だけ前進した時点までに逆流防止弁が閉鎖する場合が多い。何らかの理由で逆流防止弁の閉鎖が不良の場合は、射出開始からスクリュが逆流防止弁の可動ストローク分だけ前進しても逆流防止弁が閉鎖せず、その後しばらくスクリュ前進した後に逆流防止弁が閉鎖したり、逆流防止弁が最後まで閉鎖しない場合がある。
よって、逆流防止弁の閉鎖が正常であるか否かを判別するには、スクリュが逆流防止弁の可動ストローク分だけ前進した時点の回転角度を読み取り、該読み取った回転角度が第1の所定角度より小さい場合は逆流防止弁の閉鎖が正常であると判断し、前記読み取った回転角度が第1の所定角度より大きい場合は逆流防止弁の閉鎖が異常であると判別するとよい。
図4は、第2の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する図である。計量完了から射出開始までの間において、逆流防止弁をあらかじめ閉鎖させる制御を行った場合、射出開始時点において逆流防止弁が既に閉鎖している場合がある。このような場合は、射出中にスクリュが逆回転させられないので、図2(d)に示したようにスクリュの回転角度は変化しない。
よって、スクリュ前進開始から完了までの間において、前記検出された回転角度が第2の所定角度以上になったことが読み取れる場合は、逆流防止弁はスクリュ前進開始以前に閉鎖していなかったと判別し、前記検出された回転角度が第2の所定角度以上にならなかったことが読み取れる場合は、逆流防止弁はスクリュ前進開始以前に閉鎖していたと判別することができる。
なお、図2(d)に示されるように逆流防止弁が射出開始時点で閉鎖していた場合には、スクリュ回転角度はほぼゼロに近いことから、第2の所定角度をほぼゼロの値の回転角度に設定するようにしてもよい。
図5は、第3の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する図である。逆流防止弁が正常に動作せず、逆流防止弁が閉鎖しない場合では、溶融樹脂の逆流量が極端に多くなることがある。この場合、スクリュに作用する回転力が大きくなるため、スクリュは逆回転方向に大きく回転させられることになる。
よって、スクリュ前進開始から完了までの間において、前記検出された回転角度が第3の所定角度以上になったことが読み取れる場合は、逆流防止弁の閉鎖が異常であると判別し、前記検出された回転角度が第3の所定角度以上にならなかったことが読み取れる場合は、逆流防止弁の閉鎖が正常であると判断することができる。
なお、逆流防止弁が射出中に閉鎖した場合でもスクリュは所定角度分だけ回転している。第3の所定角度はスクリュが正常に閉鎖した場合に回転する回転角度を超える値を選択して設定する。
図6は、本発明の逆流防止弁の閉鎖状態判別方法を適用する射出成形機の一実施形態の要部ブロック図である。
スクリュ1が挿入されたシリンダ7の先端には、ノズル9が装着され、シリンダ7の後端部には樹脂ペレットをシリンダ7内に供給するホッパ15が取り付けられている。スクリュ1の先端には、図1に示されるようにチェックリング3、チェックシート4からなる逆流防止弁を備える。スクリュ1を回転駆動する回転駆動手段としてのスクリュ回転用サーボモータ10により、スクリュ1は伝動機構12を介して回転駆動されるようになっている。さらに、スクリュ1を軸方向に駆動する軸方向駆動手段としての射出用サーボモータ11が、伝動機構13及びボールネジ/ナット等の回転運動を直線運動に変換する変換機構14によって、スクリュ1を軸方向に駆動し、射出及び背圧制御をするように構成されている。
スクリュ回転用サーボモータ10、射出用サーボモータ11にはその回転位置・速度を検出する位置・速度検出器16、17が取り付けられており、この位置・速度検出器によって、スクリュ1の回転位置・速度、スクリュ1の位置(スクリュ軸方向の位置)、移動速度(射出速度)を検出できるようにしている。又、スクリュ1に加わる溶融樹脂からの圧力を検出するロードセル等の圧力センサ18が設けられている。
この射出成形機を制御する制御装置20は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNCCPU22と、プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであるPMCCPU21、サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU25とがバス36で接続されている。
PMCCPU21には射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶したROM26および演算データの一時記憶等に用いられるRAM27が接続され、CNCCPU22には、射出成形機を全体的に制御するプログラム等を記憶したROM28および演算データの一時記憶等に用いられるRAM29が接続されている。
また、サーボCPU25には、位置ループ、速度ループ、電流ループの処理を行うサーボ制御専用の制御プログラムを格納したROM31やデータの一時記憶に用いられるRAM32が接続されている。
更に、サーボCPU25には、スクリュ回転用サーボモータ10用のサーボアンプ34や、射出用サーボモータ11用のサーボアンプ35が接続され、各サーボモータ10、11には位置・速度検出器16、17がそれぞれ取り付けられており、この位置・速度検出器16、17の出力がサーボCPU25に帰還されるようになっている。
サーボCPU25は、CNCCPU22から指令される各軸(スクリュ回転用サーボモータ10又は射出用サーボモータ11)への移動指令と位置・速度検出器16、17からフィードバックされる検出位置、速度に基づいて位置、速度のフィードバック制御を行うと共に、電流のフィードバック制御をも実行して、各サーボアンプ34、35を介して、各サーボモータ10、11を駆動制御する。又、位置・速度検出器16、17からフィードバックされたスクリュ回転用サーボモータ10、射出用サーボモータ11の回転位置を記憶する現在位置レジスタが設けられ、該サーボモータ10、11の回転位置によって、スクリュ1の回転位置(以下、「回転角度」という)、軸方向の位置(射出位置)を検出できるようにされている。又、サーボCPU25には、圧力センサ18での検出信号をA/D変換器33でデジタル信号に変換した検出樹脂圧力(スクリュ1にかかる樹脂圧力)が入力されている。
なお、型締機構やエジェクタ機構を駆動するサーボモータやサーボアンプ等も設けられているものであるが、これらのものは本願発明と直接関係していないことから、図6では省略している。
液晶やCRTで構成される表示装置付き入力装置30は表示回路24を介してバス36に接続されている。さらに、不揮発性メモリで構成される成形データ保存用RAM23もバス36に接続され、この成形データ保存用RAM23には射出成形作業に関する成形条件と各種設定値、パラメータ、マクロ変数等を記憶する。
以上の構成により、PMCCPU21が射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNCCPU22がROM28の運転プログラムや成形データ保存用RAM23に格納された成形条件等に基づいて各軸のサーボモータに対して移動指令の分配を行い、サーボCPU25は、各軸(スクリュ回転用サーボモータ10や射出用サーボモータ11等の各駆動軸のサーボモータ)に対して分配された移動指令と位置・速度検出器で検出された位置および速度のフィードバック信号等に基づいて、従来と同様に位置ループ制御、速度ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行する。
上述した構成は従来の電動式射出成形機の制御装置と変わりはなく、従来の制御装置と異なる点は、スクリュ前進中に、スクリュ1の回転角度と位置を対応付けて測定し記憶し、表示させる回転角度表示機能など、後述するアルゴリズムを示すフローチャートの処理によって実現する機能が追加されている点である。
図7は、本発明の一実施形態において実行される、スクリュ前進中のスクリュ回転角度の測定とその表示処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
射出が開始されると、制御装置20のCNCCPU22は図7に示すスクリュ回転角度の計測と表示処理を実行する。スクリュ回転角度は、スクリュ回転用サーボモータ10に取り付けられた位置・速度検出器16によって検出できる。実際には、図6で説明したように、スクリュ回転用サーボモータ10の回転位置を記憶する現在位置レジスタの値を読み出す(ステップSA1)。
読み出したスクリュ回転角度を時系列的にRAM29に記憶する(ステップSA2)。そして、スクリュ移動が終了したか否か判断する(ステップSA3)。スクリュ移動が終了していなければステップSA1に戻り、上述したステップSA1〜ステップSA3の処理を所定サンプリング周期毎実行する。したがって、スクリュ回転角度はサンプリング周期の間隔で時系列的にRAM29に記憶される。
スクリュ移動が終了すると、RAM29に記憶されているスクリュ回転角度を表示装置/入力装置30の表示画面に、横軸を時間軸としてスクリュ回転角度を縦軸にして、図2に示されるようにスクリュ回転角度の波形を表示し(ステップSA4)、この処理を終了する。
作業者は、この表示されたスクリュ回転角度の波形のパターンより、逆流防止弁の閉鎖状態を判別する。すなわち、図2(a)〜図2(d)に示したように、逆流防止弁の閉鎖状態に応じて、このスクリュ回転角度の波形のパターンは変化することから、この表示された波形パターンによって、逆流防止弁の閉鎖状態が判別できる。
波形表示は、スクリュ回転角度の波形のパターンを複数成形サイクル分、重ねて描画するようにしてもよく、この場合、最新の成形サイクルにおける波形は表示色等の表示属性を変えて表示して、最新の波形であることを明確にするようにすればよい。
また、上述した実施形態では、横軸を時間軸としてスクリュ回転角度の波形を表示するようにしたが、位置の関数としてスクリュ前進中の位置とともにスクリュ回転角度の波形を表示するようにしてもよい。
この場合には、射出用サーボモータ11の回転位置を記憶する現在位置レジスタからスクリュ位置を読み込み、スクリュ位置とスクリュ回転角度とを対応させてRAM29に記憶する処理を行い、横軸をスクリュ位置としたスクリュ回転角度の波形を表示することになる。
なお、前述した実施形態は、射出開始からのスクリュ回転角度を計測し記憶する例を説明したが、射出開始前にスクリュを前進させる制御を行って、逆流防止弁を閉鎖するようにした制御を行う場合もある。このような場合には、この射出前のスクリュ前進工程時にスクリュ回転角度を測定し、その波形を表示するようにしてもよいものである。
次に、図8〜図10を用いて、前述の第1の所定角度、第2の所定角度、および第3の所定角度に基づく閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを説明する。
図8は、第1の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
射出が開始されると、制御装置20のCNCCPU22は図8に示すアルゴリズムのフローチャートの処理を開始する。
スクリュ位置を現在位置レジスタより読み込み、読み込んだスクリュ位置が所定時点であるか否か判断し、所定時点でなければステップSB1に戻り、所定時点であれば、スクリュの回転角度を現在位置レジスタより読み込む(ステップSB1〜ステップSB3)。
次に、ステップSB3で取得したスクリュの回転角度は第1の所定角度より小さいか否かを判断し、小さい場合には逆流防止弁は所定時点まで移動する間に閉鎖したと判断し、小さくない場合には逆流防止弁は所定時点まで移動する間には閉鎖しなかったと判断し、それぞれの場合の判断結果を表示し処理を終了する(ステップSB4〜ステップSB7)。
前記所定時点は前述のとおり、所定時点を逆流防止弁の可動ストローク分だけスクリュが移動した時点、または成形条件や成形品ごとに正常時の逆流防止弁の閉鎖時点が既知である場合にはこの既知の閉鎖時点、またはスクリュ前進完了時点、または射出速度切り替え時点、または速度制御から圧力制御への切り替え時点を、所定時点として設定してもよい。
次に、図9に示される、第2の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを示すフローチャートについて説明する。以下、各ステップに従って説明する。
射出が開始されると、制御装置20のCNCCPU22は図9に示すアルゴリズムのフローチャートの処理を開始する。
スクリュ位置とスクリュの回転角度をそれぞれ対応する現在位置レジスタより読み込み、スクリュ回転角度が第2の所定角度より小さいか否か判断し、小さいと判断された場合にはスクリュ移動終了か否か判断し、スクリュ移動終了でなければステップSC1へ戻り、上述したステップSC1〜ステップSC4の処理を所定サンプリング周期毎実行する(ステップSC1〜ステップSC4)。
ステップSC3で第2の所定角度より小さくないと判断された場合(換言すれば、第2の所定角度以上と判断された場合)には、射出開始時点で逆流防止弁は閉鎖していなかったと判断し、ステップSC6へ移行する(ステップSC7)。ステップSC4でスクリュ移動終了と判断された場合には、射出開始時点で逆流防止弁は閉鎖していたと判断し、ステップSC6へ移行する(ステップSC5)。そして、ステップSC5での判断結果あるいはステップSC7での判断結果を、表示装置に表示し処理を終了する(ステップSC6)。
次に、図10に示される、第3の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを示すフローチャートについて説明する。以下、各ステップに従って説明する。
射出が開始されると、制御装置20のCNCCPU22は図10に示すアルゴリズムのフローチャートの処理を開始する。
スクリュ位置とスクリュの回転角度をそれぞれ対応する現在位置レジスタより読み込み、スクリュ回転角度が第3の所定角度より小さいか否か判断し、小さいと判断された場合にはスクリュ移動終了か否か判断し、スクリュ移動終了でなければステップSD1へ戻り、上述したステップSD1〜ステップSD4の処理を所定サンプリング周期毎実行する(ステップSD1〜ステップSD4)。
ステップSD3で第3の所定角度より小さくないと判断された場合(換言すれば、第3の所定角度以上と判断された場合)には、逆流防止弁は射出中に閉鎖しなかったと判断し、ステップSD6へ移行する(ステップSD7)。ステップSD4でスクリュ移動終了と判断された場合には、逆流防止弁は射出中に閉鎖したと判断し、ステップSD6へ移行する(ステップSD5)。そして、ステップSD5での判断結果あるいはステップSD7での判断結果を、表示装置に表示し処理を終了する(ステップSD6)。
上述した図7、図8、図9、および図10における判断結果の表示として、「正常/異常」、「閉鎖した/閉鎖しない」、あるいは「○/×」などのように区別がつけられる表示方法であればよい。
また、上述した図7、図8、図9、および図10に示されるフローチャートでは、スクリュ回転角度の表示、あるいは逆流防止弁の閉鎖状況の表示を行うようにしているが、これに加えて、逆流防止弁の閉鎖状態に基いて成形品の良否判別を行う判断およびその判断結果を出力するステップを付加してもよい。逆流防止弁が正常に閉鎖しなかった場合は、射出中の樹脂充填量が計量された樹脂量より減少したり、1ショットごとに樹脂充填量が不安定になる。よって、逆流防止弁が正常に閉鎖していないときには、その成形サイクルの成形品は不良品と判別することができる。さらに付加的に、逆流防止弁の閉鎖状態に基いてアラームを出力するステップを付加してもよい。アラームにより作業者は速やかに逆流防止弁の閉鎖異常を認識できる。
また、上述した各実施形態においては、逆流防止弁が閉鎖してスクリュに回転力が作用しなくなったら、スクリュ回転の角度を元の回転角度に戻す作用を有する制御系を備えることが望ましい。例えば、スクリュ回転角度に関して位置ループを構成する制御系を備えるようにしてもよいし、スクリュ回転速度に関して積分器を含む速度ループを構成する制御系を備えるようにしてもよい。
さらに、上述した各実施形態は、電動モータによりスクリュを回転させる射出成形機の例で説明したが、油圧モータによってスクリュを回転させる場合にも本発明は適用できるものである。
スクリュ先端に設けられた逆流防止弁と射出中に発生する樹脂の逆流を説明する説明図である。 射出開始からのスクリュ回転角度の波形パターンの説明図である。 第1の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する図である。 第2の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する図である。 第3の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する実施形態を説明する図である。 本発明の逆流防止弁の閉鎖状態判別方法を適用する射出成形機の一実施形態の要部ブロック図である。 本発明の一実施形態において実行される、スクリュ前進中のスクリュ回転角度の測定とその表示処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第1の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第2の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第3の所定角度を基準として逆流防止弁の閉鎖状態を判別する処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
符号の説明
1 スクリュ
2 スクリュヘッド
3 チェックリング
4 チェックシート
5 フライト
6 溝部
7 シリンダ
10 スクリュ回転用サーボモータ
11 射出用サーボモータ
20 制御装置

Claims (14)

  1. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された波形パターンに基いて逆流防止弁の閉鎖状態を判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法。
  2. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された回転角度波形において、スクリュ前進中の所定時点における回転角度を読み取り、該読み取った回転角度が第1の所定角度以上の場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖しなかったと判別し、前記読み取った回転角度が第1の所定角度より小さい場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖したと判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法。
  3. 前記所定時点は、スクリュ前進完了時点、または射出速度切り替え時点、または速度制御から圧力制御への切り替え時点、または逆流防止弁の可動ストロークだけスクリュが前進した時点とすることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法。
  4. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された回転角度波形において、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出された回転角度が第2の所定角度を超えていない場合は、逆流防止弁はスクリュ前進開始時点で閉鎖していたと判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法。
  5. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出し、該検出された回転角度の変化を表示装置の画面上にスクリュ位置またはスクリュ前進中の時間経過とともに波形表示し、該表示装置の画面に表示された回転角度波形において、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出された回転角度が第3の所定角度を超えている場合は逆流防止弁の閉鎖が異常であると判別するようにした射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法。
  6. 前記スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を保持することを特徴とする請求項1〜5の内いずれか1つに記載の射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別方法。
  7. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    スクリュ前進中の所定時点における回転角度を検出し、該検出した回転角度が第1の所定角度以上の場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖しなかったと判別し、前記読み取った回転角度が第1の所定角度より小さい場合は逆流防止弁は所定時点までに閉鎖したと判別する判別手段とを備えたことを特徴とする逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  8. 前記所定時点は、スクリュ前進完了時点、または射出速度切り替え時点、または速度制御から圧力制御への切り替え時点、または逆流防止弁の可動ストロークだけスクリュが前進した時点のいずれか1つの時点とすることを特徴とする請求項7に記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  9. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    スクリュ前進開始から完了までの間において、前記検出した回転角度と第2の所定角度とを逐次比較する比較手段と、
    スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出した回転角度が第2の所定角度を超えていない場合は、逆流防止弁はスクリュ前進開始時点で閉鎖していたと判別する判別手段とを備えることを特徴とする逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  10. スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を検出する回転角度検出手段と、スクリュ前進開始から完了までの全区間において、前記検出した回転角度と第3の所定角度とを逐次比較する比較手段と、
    前記検出された回転角度が第3の所定角度を超えている場合は逆流防止弁の閉鎖が異常であると判別する判別手段とを備えた逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  11. 前記判別手段により判別した逆流防止弁の閉鎖状態を表示装置に表示することを特徴とする請求項7〜10の内いずれか1つに記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  12. 前記判別手段により判別した逆流防止弁の閉鎖状態に基いて成形品の良否判別を行うことを特徴とする請求項7〜10の内いずれか1つに記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  13. 前記判別手段により判別した逆流防止弁の閉鎖状態に基いてアラームを出力することを特徴とする請求項7〜10の内いずれか1つに記載の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
  14. 前記スクリュ前進中においてスクリュの回転角度を保持することを特徴とする請求項7〜13の内いずれか1つに記載の射出成形機の逆流防止弁閉鎖状態判別機能を備えた射出成形機。
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