<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図である。
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施例において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXメダル投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160a〜cはスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。全面扉102の下部に設けられたタイトルパネル162は、遊技台を装飾するためのものであり、前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置200が配設されている。
この演出装置200は、垂直方向に移動可能な垂直可動部材202と、水平方向に移動自在な水平可動部材204と、これらの可動部材202、204の奥側に配設された液晶表示装置157を備えており、液晶表示装置157が演出表示を行うと共に、垂直可動部材202および水平可動部材204が液晶表示装置157の手前で演出動作を行う構造となっている。
なお、図示は省略するが、スロットマシン100の電源を投入するための電源スイッチ(電源基板の操作部)、およびスロットマシン100の設定を変更するための設定スイッチは、本体101の内部のリール110〜112の右下方に配設されている。すなわち、これらの電源スイッチおよび設定スイッチは、ドアキーを使用して前面扉102のロックを解除し、前面扉102を開かなければ、操作することができないようになっている。
<演出装置>
次に、図2〜6を用いて、演出装置200について詳細に説明する。
図2(a)は、演出装置200のカバー部材210の斜視図であり、同図(b)は、演出ユニット220の斜視図である。これらの図に示されるように、演出装置200は、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204を備える演出ユニット220と、この演出ユニット220を前方(手前側)から覆うカバー部材210から構成されている。
図3は、カバー部材210の分解斜視図である。同図に示されるように、カバー部材210は、正面が大きく開口した枠状の枠部材212と、透明な素材から構成された略平板状の化粧パネル214から構成されている。
枠部材212は、不透明な樹脂等から構成されており、正面の開口部212aを通して後方(奥側)の液晶表示装置157および各可動部材202、204を視認可能にすると共に、その他の遊技者には視認させたくない部分を隠蔽するためのものである。枠部材212は、背面の左右両端2箇所に係止舌片212bが形成されており、この係止舌片212bを係止させることによって前面扉102の上部に固定される。また、枠部材212の正面上部の左右両側2箇所には音孔160aが形成されており、この音孔160aの背後には、スピーカ218がそれぞれ配設される。
化粧パネル214は、枠部材212の正面外側に配設され、後方(奥側)の液晶表示装置157および各可動部材202、204に遊技者が直接触れないように保護するためのものである。化粧パネル214は、四隅のネジ216によって枠部材212に固定される。また、化粧パネル214の上部の左右両側2箇所には、枠部材212の音孔160aと対応する位置に音孔160aが形成されている。また、化粧パネル214の枠部材212の開口部212aに対応する部分の上部および下部には、半透明に着色された上部遮蔽領域214aおよび下部遮蔽領域214bがそれぞれ設けられており、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204の一部を遮蔽するようになっている。
図4は、演出ユニット220の分解斜視図である。同図に示されるように、演出ユニット220は、枠状のフレーム221と、このフレーム221に固定される液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204を有して構成されている。
フレーム221は、左右両端に設けられたブラケット221aを介して前面扉102に固定される。そして、液晶表示装置157は、ブラケット221bを介してフレーム221の前方に固定され、各可動部材202、204は、液晶表示装置157の前方に位置することとなる。
フレーム221の左端部および右端部には、上下方向に直線移動可能に構成された左スライダ230、右スライダ232がそれぞれ配設されている。この左右スライダ230、232には、垂直可動部材202の左右両端が揺動自在にそれぞれ接続されており、垂直可動部材202は、左右スライダ230、232の移動に伴って動作するようになっている。さらに、フレーム221の上端部には、左右方向に直線移動可能に構成されると共に水平可動部材202が固定された上スライダ234が配設されている。従って、水平可動部材は、上スライダ234の移動に伴って動作するようになっている。なお、フレーム221の下端部には、左右方向に直線移動可能に構成された下スライダ236がオプションとして配設されているが、本実施例ではこの下スライダ236を使用していない。
フレーム221の内部には、左スライダを駆動する左モータ240が内側面左下部に、右スライダ232を駆動する右モータ242が内側面右上部に、上スライダ234を駆動する上モータ244が内側面左上部に、下スライダ236を駆動する下モータ246が内側面右下部にそれぞれ配設されている。なお、本実施例では、下モータ246は、下スライダ236と共にオプションとなっている。
図示は省略するが、各モータ240〜246の駆動軸は、フレーム221の内部から外側に向けてそれぞれ突出されており、各スライダ230〜236が固定された無端ベルトをプーリを介して駆動し、走行させるようになっている。すなわち、各スライダ230〜236は、無端ベルトの走行に伴って移動するように構成されている。また、各モータ240〜246は、本実施例ではステッピングモータであり、各スライダ230〜236を任意の位置まで移動させて停止させることが可能である。なお、無端ベルトの代わりに、ラックアンドピニオン機構やネジ伝動機構を採用してもよい。
垂直可動部材202は、宇宙船のコックピットにおける計器盤の模型であり、液晶表示装置157と略同じ幅に構成されている。垂直可動部材202は、左方に向けて突出した左ブラケット202aを介して左スライダ230に接続されると共に、右方に向けて突出した右ブラケット202bを介して右スライダ232に接続されている。また、垂直可動部材202の中央部には、略四角形状の開口部202cが形成されており、前方の遊技者がこの開口部202cを通して奥側の液晶表示装置157の表示を視認することができるようになっている。演出では、液晶表示装置157によって開口部202cの後方に遊技者に対するメッセージが表示される。
水平可動部材204は、宇宙船のコックピットにおける照準器の模型であり、液晶表示装置157の上部に配設されている。水平可動部材204は、上方に向けて突出した上ブラケット204aを介して上スライダ234に接続されている。水平可動部材204の中央部には、内部に2つの同心円および十字線が形成された円形状の開口部204bが形成されており、遊技者はこの開口部204bを通して奥側の液晶表示装置157の表示を視認することが可能となっている。
フレーム221の背面には、演出装置200を制御する回路基板が配設される基板固定部材250、および基板固定部材250に固定された回路基板を覆う基板カバー部材260が配設される。基板固定部材250には、液晶表示装置157を制御する副制御部500、および各可動部材202、204を制御する副制御部600(共に詳細は後述する)を構成する回路基板がそれぞれ配設される。
本実施例では、このように各可動部材202、204を動作させるための各モータ240〜246をフレーム221の内部に配設すると共に、演出装置200を制御する副制御部500、600を構成する回路基板をフレーム221の背面に配設することで、演出ユニット220をコンパクトに構成している。これにより、スロットマシン100内部の限られたスペースを効率的に活用し、液晶表示装置157および各可動部材202、204を備える演出装置200をスロットマシン100に設けることを可能としている。
図5(a)は、基板固定部材250および基板カバー部材260を背面側から見た斜視図であり、同図(b)は、基板固定部材250、副制御部500、600、および基板カバー部材260の分解斜視図である。
基板固定部材250は、これらの図に示されるように、略平板状の部材である。副制御部500および副制御部600は、四隅をネジ252で固定されることによって基板固定部材250の背面側に左右に並べて配設される。基板固定部材250上部の左右両側には、基板カバー部材260を固定するための係止フック256がそれぞれ設けられている。また、基板固定部材250には、空気を流通させて副制御部500、600が発する熱を放熱するための複数の通気スリット254が形成されている。
副制御部500および副制御部600は、それぞれCPU、ROM、RAM等を備える回路基板である。副制御部500および副制御部600は、それぞれの基板上に実装されたコネクタ502、およびコネクタ602によって半ば一体的に接続されている。副制御部500には、液晶表示装置157に表示する画像を描画(生成)するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)534が実装されている(VDPの詳細は後述する)。このVDP534は、副制御部500、600に実装されたICの中で最も負荷の高いICであるため、その上部(背面側)に冷却装置270が配設されている。冷却装置270の詳細については、後述する。
基板カバー部材260は、これらの図に示されるように、副制御部500、600を背面側から覆うトレイ状の部材である。基板カバー部材260には、基板固定部材250と同様に複数の通気スリット262が形成されている。さらに、冷却装置270に対応する位置には、冷却装置270と干渉しないように一部を外側に向けて直方体状に膨出させた膨出部264が形成されている。この膨出部264の頂面には、冷却装置270からの送風を外部に排出するための排気スリット264aが複数形成されている。
基板カバー部材260は、上端の左右両側2箇所に設けられた係止ピン266を基板固定部材250の係止フック256に係止させた上で、下端の左右両側2箇所をネジ252で固定することにより、基板固定部材250に取付けられる。基板カバー部材260は、透明な素材から構成されているため、基板固定部材250に取付けられた状態で内部の副制御部500、600の様子を外部から視認することができるようになっている。
図6は、冷却装置270、ならびに副制御部500および副制御部600の分解斜視図である。なお、冷却装置270については、副制御部500、600側(回路基板側)を下として以下の説明を行う。同図に示されるように、冷却装置270は、VDP534の上(ここでは、回路基板側を下として説明する)に配設されるシリコンシート272と、シリコンシート272の上に配設されるヒートシンク274と、ヒートシンク274の上に配設される冷却ファン276から構成されている。
シリコンシート272は、熱伝導性に優れる素材からなり、VDP534とヒートシンク274の間で両者を密着させ、VDP534の動作に伴って発生した熱をスムーズにヒートシンク274へ伝達するためのものである。シリコンシート272は、予めシート状に形成されたものであってもよいし、VDP534上面に塗布されるペースト状のものであってもよい。
ヒートシンク274は、熱伝導性に優れる金属やセラミック等の素材からなり、VDP534が発した熱を吸熱して放熱するためのものである。ヒートシンク274の上部には、放熱性を高めるために複数の放熱フィンが設けられている。ヒートシンク274は、VDP534およびシリコンシート272を挟んだ状態で、4つのプッシュピン278によって副制御部500(回路基板)に固定される。
プッシュピン278は、副制御部500に設けられた孔504に挿通されて係止するパイプ状の係止部材278aと、係止部材278aに外挿されてヒートシンク274を下方に向けて付勢するコイルスプリング278bと、係止部材278aの内部に挿通されて係止部材278aの孔504への係止が外れないように固定するロックピン278cから構成されている。
本実施例では、ヒートシンク274の固定にプッシュピン278を使用することで、コイルスプリング278bの付勢力によってヒートシンク274を均等にVDP534に向けて押圧し、両者を均一に密着させることを可能としている。これにより、VDP534からヒートシンクへの熱伝達性が向上し、VDP534が発した熱を速やかにヒートシンク274に移動させることができる。また、ヒートシンク274およびVDP534等の熱膨張をコイルスプリング274bによって吸収することができるため、熱膨張によってヒートシンク274やVDP534等に過大な力が加わりこれらの部品に不具合が生じるのを防止することができる。
冷却ファン276は、ファンモータ276aを内蔵した軸流型の送風ファンであり、ヒートシンク274周囲の空気を流動させてヒートシンク274からの放熱を促進すると共に、ヒートシンク274によって加熱された空気を排気スリット264aから排出することで、VDP534の冷却効率を高めるものである。冷却ファン276は、2つのステー279を介してヒートシンク274にネジ279aで固定される。なお、冷却ファン276は、外部の空気をヒートシンク274に向けて送風するものであってもよい。
本実施例では、VDP534は、通常166MHzの動作周波数(処理速度)で動作するようになっている。VDP534は、166MHzの動作周波数で動作する場合の消費電力は最大8Wとなっている。また、VDP534は、消費電力1W当たり約3.5℃温度が上昇し、ジャンクション温度(VDP534に異常が生じる温度)は105℃となっている。従って、動作中のVDP534は、チップ表面温度(周囲温度)を77(=105−(3.5×8))℃以下に維持する必要がある。このため、本実施例の冷却装置270は、VDP534の表面温度を77℃以下に保持することが可能な冷却能力を備えて構成されている。
なお、図示は省略するが、ファンモータ276aは、回転を検知するホール素子を備えており、本実施例では、このホール素子を利用してファンモータ276aが何らかの原因で異常に停止したこと、すなわち、冷却装置270によるVDP534の冷却度合いが低下したことを検出するようにしている。ホール素子および異常停止検出の詳細については後述する。
<制御部>
次に、図7〜図12を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンド(制御コマンドとも言う)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、副制御部500より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部600と、によって構成されている。
<主制御部300>
まず、図7を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は、主制御部300の回路ブロック図である。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口141の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
なお、メダル投入ボタン132は、演出用投入ボタンとしても機能する。すなわち、メダル投入ボタン132は、遊技者の操作を介入させる演出を行う場合に、遊技者による演出操作を受け付けるためのボタンとしても機能するようになっている。具体的には、遊技者によるスタートレバー135の操作から全てのリール110〜112が停止するまでの間に、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合、CPU310は、遊技者による演出操作があったもの(演出用投入ボタンの受付)と判断し、遊技者の操作に対応した処理を実行する。そして、全てのリール110〜112の停止から遊技者によりスタートレバー135が操作されるまでの間に、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合、CPU310は電子的に貯留メダルを3枚投入する。
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンド(例えば、ボーナスや小役の内部当選を示すコマンド、演出用投入ボタン受付コマンド等)を送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部400>
次に、図8を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は、副制御部400の回路ブロック図である。
副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。さらに、CPU410には、データバスを介して主制御部300から信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461が接続されている。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483(スピーカ218等)から出力する。
また、CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461、入出力インタフェース470、時計IC422、が接続されている。CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。
さらに、入出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、入出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ、受皿ランプ、等)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプである。
CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理を自ら実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース470を介して副制御部500に送信する。また、CPU410は、演出処理において入出力インタフェース470を介して副制御部600からのコマンドを受信する。
<副制御部500>
次に、図9を用いて、スロットマシン100の副制御部500について説明する。なお、同図は、副制御部500の回路ブロック図である。
副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。このCPU510は、副制御部400のCPU410からの信号(コマンド)を入出力インタフェース520を介して受信し、副制御部500全体を制御する。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP534が接続されている。ROM512には、副制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。
VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM535、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU510からの信号をもとにCG−ROM535に記憶された画像データを読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して液晶表示装置157の表示画面に画像を表示する。なお、液晶表示装置157には、CPU510によって液晶表示装置157の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
また、CPU510には、主制御部300および副制御部400と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路550が接続されており、アドレスデコード回路550には、入出力インタフェース520が接続されている。入出力インタフェース520は、副制御部400からコマンドを受信すると共に副制御部600にコマンドを送信するためのインタフェースである。CPU510は、入出力インタフェース520を介して副制御部400から受信したコマンドに基づいて、液晶表示装置157の表示を制御する処理を実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース520を介して副制御部600に送信する。
さらに、CPU510には、バスを介して、入出力インタフェース522が接続されている。この入出力インタフェース522には、波形整形回路(フィルタ部)560を介して冷却ファン制御装置570が接続されている。波形整形回路560は、冷却ファン制御装置570から送信された信号からノイズや歪みを除去して信号波形を整えるものである。
<冷却ファン制御装置>
次に、図10および11を用いて、冷却ファン制御装置570について詳細に説明する。
図10は、副制御部500の一部、および冷却ファン制御装置570の回路ブロック図である。同図に示されるように、冷却ファン制御装置570は、ドライバIC572と、ドライバIC572に接続されるホール素子574およびコンデンサ(Ct)576から構成されている。
ドライバIC572は、駆動制御回路572aと、充放電回路572bと、ファン停止検出回路572cから構成されている。駆動制御回路572aは、冷却ファン276のファンモータ276aの回転を制御するものであり、ファンモータ276aのコイル578が接続されている。充放電回路572bはコンデンサ576を充電または放電させる回路であり、コンデンサ576が接続されている。異常停止検出回路572cは、詳細は後述するが、コンデンサ576の電圧値から276aの異常停止を検出する回路である。
ホール素子574は、ホール効果を利用した磁気センサであり、磁石や電流によって発生する磁場を電気信号に変換して出力するものである。具体的には、ホール素子574は、磁場から受けるローレンツ力によって素子内部の電子が一方に偏ることで生じた電位差を出力電圧として信号を出力する。ホール素子574はモータ276に配設されると共にドライバIC572の駆動制御回路572aに接続されており、モータ276のコイル578によって発生する磁場に応じた信号を駆動制御回路572aに出力する。
ホール素子574周囲の磁場は、ファンモータ276aの回転に伴って周期的に変化する。従って、ファンモータ276aの回転中はホール素子574の出力電圧が周期的に変化し、正弦波状の信号が駆動制御回路572aに出力されることとなる。一方、例えばファンとケーシングの間にゴミが詰る等して、ファンモータ276aが強制的に停止された状態(異常停止状態)となると、ホール素子574周囲の磁場は一定の状態に保たれる。すると、ホール素子574からは、一定の出力電圧の信号が駆動制御回路572aに出力されることとなる。
本実施例の冷却ファン制御装置570は、ファンモータ276aが正常に動作(回転)している場合のホール素子574の出力信号と、ファンモータ276aが異常停止した場合の出力信号の違いから、冷却ファン276の異常停止を検出するように構成されている。
図11は、冷却ファン制御装置570による冷却ファン276の異常停止検出の概要を示した図である。なお、同図においては、図の右方向に時間軸をとっている。
上述のように、ファンモータ276aが正常に回転している場合、ホール素子574は、正弦波状のホール素子信号を駆動制御回路572aに出力する。駆動制御回路572aは、受信したホール素子信号に基づいて、駆動信号をファンモータ276aに出力する。また、駆動制御回路572aは、パルス状の信号であるトリガパルス信号をホール素子信号の周期と同一の周期で充放電回路572bに出力する。
充放電回路572bは、受信したトリガパルス信号がHiレベルまたはLoレベルで一定である間にコンデンサ576を充電し、トリガパルス信号がエッジ切替(HiレベルからLoレベルに変化、またはLoレベルからHiレベルに変化)されたときにコンデンサ576を放電させる。従って、ファンモータ276aが正常に回転している場合、同図に示されるように、コンデンサ(Ct)576のCt端子電圧は鋸歯状に変化することとなる。異常停止検出回路572cは、このCt端子電圧を監視する。
あるタイミングで、ファンモータ276aが異常停止(モータロック)すると、ホール素子574は、一定電圧のホール素子信号を出力し続けることとなる。駆動制御回路572bは、ホール素子信号が一定となったことに基づいて、HiまたはLoレベルで一定のトリガパルス信号を出力する(図11ではHiレベルで一定となった例を示している)。これにより、充放電回路572bは、コンデンサ576を充電し続けることとなるため、コンデンサ576のCt端子電圧は上昇し続けることとなる。
異常停止検出回路572cは、Ct端子電圧が上昇して所定の電圧(Ct充電電圧)に到達したことを検出すると、異常停止検出信号を副制御部500に向けて送信すると共に、出力停止信号を駆動制御回路572aに向けて送信する。異常停止検出信号を受信した副制御部500は、VDP534の動作周波数を変更して発熱を抑えると共に、近傍の他の発熱源である可動部材202、204駆動用の各モータ240〜246を停止させる旨のコマンドを副制御部600に送信する(詳細は後述する)。また、出力停止信号を受信した駆動制御回路572aは、ファンモータ276aへの駆動信号の出力を停止する。
充放電回路572bは、Ct端子電圧がCt充電電圧に到達するとコンデンサ576の充電を停止する。これにより、コンデンサ576は自然放電し、Ct端子電圧は徐々に下降することとなる。Ct端子電圧が自然放電により下降して所定の電圧(Ct放電電圧)に到達すると、充放電回路572bは、トリガパルス信号に基づくコンデンサ576の充電を再び開始する。このとき、同図のCt放電電圧に到達(1回目)に示されるように、ファンモータ276aの異常停止状態が継続している場合、再びCt端子電圧は上昇し続けることとなる。
異常停止検出回路572cは、自然放電によりCt端子電圧が下降してCt放電電圧に到達したことを検出すると、ファンモータ276aへの駆動信号の出力を再開する旨の信号を駆動制御回路572aに送信し、これを受信した駆動制御回路572aは駆動信号を再びファンモータ276aに出力する。
本実施例では、このように、異常停止を検出したときからコンデンサ576のCt充電電圧までの充電、およびCt充電電圧からCt放電電圧までの放電に要する所定の時間だけファンモータ276aの駆動を停止した後に、再びファンモータ276aの駆動を試みるようにしている。この所定の時間経過後に異常停止の原因が解消されていた場合(例えば、詰まっていたゴミ等が自然に脱落したような場合)には、ホール素子信号に基づくファンモータ276aの正常な駆動が再開されることとなる。また、この所定の時間経過後に異常停止の原因が解消されていない場合には、Ct端子電圧がCt充電電圧に到達したときにファンモータ276aの駆動が停止される。
なお、図11では、ファンモータ276aの異常停止後、Ct端子電圧が2回目にCt放電電圧に到達したときに、異常停止の原因が解消された場合を示している。また、同図においては、Ct端子電圧が2回目にCt放電電圧に到達してからファンモータ276aが正常動作に復帰するまでのホール素子信号、トリガパルス信号およびCt端子電圧の波形を、簡略化して示しているが、実際には異常停止解消時のファンモータ276aの状態に応じた乱れた波形となる場合がある。
異常停止検出回路572cは、異常停止を検出した後、ファンモータ276aの正常動作が再開されてCt端子電圧が所定の最低値まで下降したことを検出するまでは、異常停止検出信号を副制御部500に送信し続ける。副制御部500は、後述する演出実行処理において、約33ms(1秒間に30回)の周期で、異常停止検出信号の受信の有無を判定する。そして、電源投入時以外においては、連続して30回異常停止検出信号を受信したと判定した場合、すなわち、約1秒間にわたって異常停止状態が継続していると判断した場合に、液晶表示装置157にファンエラー表示を出力する処理を実行する。なお、このファンエラー表示は、ファンモータ276aの異常停止が解消された後も電源が再投入(電源を一度落とした後に再び投入)されるまで、液晶表示装置157に継続して表示される。異常停止検出における副制御部500の処理の詳細については後述する。
<副制御部600>
次に、図12を用いて、スロットマシン100の副制御部600について説明する。なお、同図は、副制御部600の回路ブロック図である。
副制御部600は、演算処理装置であるCPU610や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路614は、水晶発振器611から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU610に供給する回路である。このCPU610は、副制御部500のCPU510からの信号(コマンド)を入出力インタフェース620を介して受信し、副制御部600全体を制御する。
また、CPU610にはタイマ回路615がバスを介して接続されている。CPU610は、所定のタイミングでデータバスを介してROM612の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路615に送信する。タイマ回路615は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU610に送信する。CPU610は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU610には、バスを介して、ROM612およびRAM613が接続されている。ROM612には、副制御部600全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM613は、CPU610で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。
また、CPU610には、副制御部400および副制御部500と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路650が接続されており、アドレスデコード回路650には、入出力インタフェース620、入力インタフェース660および出力インタフェース670が接続されている。
入出力インタフェース620は、副制御部500からコマンドを受信すると共に副制御部400にコマンドを送信するためのインタフェースである。CPU610は、入出力インタフェース620を介して副制御部500から受信したコマンドに基づいて、演出装置200の各モータ240〜244を制御する処理を実行すると共に、コマンドを入出力インタフェース620を介して副制御部400に送信する。
入力インタフェース660には、演出装置200が備える左センサA661、左センサB662、右センサA663、右センサB664、上センサA665、上センサB666、下センサA667および下センサB668が接続されている。これらのセンサ661〜668は、演出装置200が備える各スライダ230〜236の動作範囲の限界位置(一方の限界位置は基準位置となる)を検出するものである。
なお、本実施例では、左センサA661および右センサA663が垂直可動部材202(左スライダ230および右スライダ232)の基準位置を検出し、上センサA665が水平可動部材204(上スライダ234)の基準位置を検出するようになっている。また、本実施例では、上述のように下スライダ236を使用していないため、下スライダ236の限界位置を検出する下センサA667、および下センサB668は使用していない。
出力インタフェース670には、演出装置200の各駆動機構が備える各モータ240〜246がドライバを介して接続されている。具体的には、左モータドライバ671を介して左モータ240、右モータドライバ672を介して右モータ242、上モータドライバ673を介して上モータ244、そして下モータドライバ674を介して下モータ246が接続されている。なお、本実施例では、下スライダ236を駆動するための下モータ675は使用していない。
なお、本実施例の各制御部300〜600では、主制御部300と副制御部400の間の情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、主制御部300からはコマンドを副制御部400へ送信することができるが、副制御部400からはコマンドを主制御部300へ送信することはできない。
また、副制御部400と副制御部500、副制御部500と副制御部600、および副制御部600と副制御部400の間の直接的な情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、副制御部400から副制御部500へ、副制御部500から副制御部600へ、および副制御部600から副制御部400へは、直接的にコマンドを送信することができるが、副制御部500から副制御部400へ、副制御部600から副制御部500へ、および副制御部400から副制御部600へは、直接的にコマンドを送信することができない。従って、副制御部500から副制御部400へコマンドを送信する場合は、副制御部600を介して副制御部400へコマンドを送信するようになっている。同様に、副制御部600から副制御部500へ信号を送信する場合は、副制御部400を介して副制御部500へコマンドを送信し、副制御部400から副制御部600へ信号を送信する場合は、副制御部500を介して副制御部600へコマンドを送信する。
<図柄配列>
次に、図13を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施例では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施例では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施例では、左リール110の番号1のコマには「BB1図柄」、中リール111の番号0のコマには「CHANCE図柄(チャンス図柄)」、右リール112の番号2のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図14を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は、入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出枚数、および各入賞役の作動を示した図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役1(BB1)と、特別役2(BB2)と、特別役3(RB)と、小役1〜4(CHANCE、ベル、スイカ、チェリー)と、再遊技役(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。また、本実施例において、特別役1(BB1)はボーナス役1(BB1)と言うことがあり、特別役2(BB2)はボーナス役2(BB2)と言うことがあり、特別役3(RB)はボーナス役3(RB3)と言うことがある。また、これら特別役1〜3を総称してボーナス役と言うことがある。
本実施例における入賞役のうち、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)および特別役3(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく前回遊技で投入した枚数と同じ枚数のメダルを投入したものとする再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施例における「入賞役」には、作動役である、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)および再遊技役1、再遊技役2が含まれる。
また、「入賞」とは、入賞役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されることをいうが、本実施例における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)、再遊技役への入賞が含まれる。
「特別役1(BB1)、特別役2(BB2)」(以下、特別役1(BB1)および特別役2(BB2)を「ビッグボーナス(BB)」と総称する場合がある)は、入賞によりビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」である。
また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組合せ「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2に対応する図柄組合せ「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」が、有効ライン上に揃って入賞する状態にある。
「特別役3(RB)」(以下、特別役3(RB)を「レギュラーボーナス」と称する場合がある。)は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに自動的に開始させる設定としてもよい。
なお、本実施例では、上述したビッグボーナス遊技(BB遊技)およびレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を合わせて特別遊技又は単にボーナス遊技と言うことがある。また特別遊技は、通常遊技よりも遊技媒体の獲得率が高く、遊技者に有利な遊技状態である。
「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、小役4(チェリー)」(以下、単に「CHANCE」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、CHANCEが「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」、ベルが「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、スイカが「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、チェリーが「チェリー図柄−ANY−ANY」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。
なお、「チェリー図柄−ANY−ANY」とは、左リール110の図柄が「チェリー図柄」であれば中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよいことを示している。「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、および小役4(チェリー)」」を一般役と言う。
「再遊技役(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技状態(RT0モード)と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)と、BB遊技とRB遊技を含むボーナス遊技(RT2モード)と、再遊技変動遊技(RT3モード)と、に大別することができる。
<通常遊技状態(RT0モード)>
通常遊技状態(RT0モード)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が複数回の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいい、本実施例では、後述する特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)、ボーナス遊技(RT2モード)、および再遊技変動遊技(RT3モード)以外の遊技状態をいう。
この通常遊技状態(RT0モード)では、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。また、再遊技変動遊技(RT3モード)が終了した場合には、通常遊技状態(RT0モード)に移行する。
<特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)>
この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、特別役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、通常遊技状態(RT0モード)において、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)、または後で説明する再遊技変動遊技(RT3モード)において、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施例では、5ゲーム)を消化した場合に移行する。
また、BB1、BB2またはRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、入賞した特別役(特別役1〜3)の種類に応じて、次に説明するBB遊技(BB1遊技、BB2遊技)やRB遊技に移行する。
<BB遊技(RT2モード)>
BB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施例では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。BB遊技の一つであるBB1遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技の一つであるBB2遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB2に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。
また、BB遊技(BB1遊技またはBB2遊技)は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、BB遊技中のRB遊技の開始条件は、RB遊技を開始する役(例えば、リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技(RT2モード)>
RB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施例では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。RB遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。
また、RB遊技は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、104枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、予め定めた所定の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」、「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた所定の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた所定の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了するようにしてもよい。
<再遊技変動遊技(RT3モード)>
再遊技変動遊技(RT3モード)の内容は特に限定されないが、本実施例では、再遊技役の内部当選確率を、通常遊技状態(RT0モード)における再遊技役(例えば、再遊技役1(リプレイ))の内部当選確率(本実施例では、約1/7.3)よりも上昇させる変動を行う遊技状態である。再遊技変動遊技状態(RT3モード)は、通常遊技状態(RT0モード)において、CHANCEに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。
また、再遊技変動遊技状態(RT3モード)では、BB1、BB2またはRBのいずれの特別役にも内部当選しなかった場合(重複役による内部当選を含む)、且つ所定の遊技数(本実施例では、5ゲーム)を消化した場合に通常遊技状態(RT0モード)に移行し、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施例では、5ゲーム)を消化した場合に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。
なお、本実施例では、再遊技変動遊技をリプレイタイムとも言う。また、本実施例で特典遊技とは、例えばRT準備状態やRT状態をいうが、これに限定されず通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典が付与される遊技であればよい。したがって、例えば、AT(アシストタイム:入賞役の内部当選等をランプ等で遊技者に報知する機能)、ART(アシストリプレイタイム:上述のATとRTを併せ持つ機能)、ST(ストックタイム:ボーナス役の内部当選フラグを一時的に貯留し、一定の条件を満たした場合にボーナス役の内部当選フラグを放出する機能)等でもよい。
<主制御部の処理>
次に、図15を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。そして、各処理の実行によって得られた情報は、所定のタイミングで副制御部400に適宜送信される。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、主制御部メイン処理のステップS101において各種の初期化処理が実行され、各種の初期設定が行われる。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。また、ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、副制御部400に対してスタート信号(コマンド)を送信する。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定し、ステップS104では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、現在の遊技状態に応じてROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う(抽選手段)。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。また、このステップS105では、入賞役内部抽選の結果、入賞役に内部当選したと判定した場合には入賞役に対応するコマンドを、ハズレ(入賞役の非当選)と判定した場合にはハズレに対応するコマンドを、副制御部400に送信する。
ステップS106では、ROM312に格納されているリール停止制御データ選択テーブルを参照し、ステップS105の内部抽選結果等に基づいて候補となるリール停止制御データを選択する。ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS108では、演出用投入ボタン受付処理を行う。ここでは、操作有効期間中(スタートレバー135が操作されてから全てのリール110〜112が停止されるまでの間)に遊技者による演出用投入ボタン132の操作を受け付けた場合に、その旨を示す演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。なお、副制御部400〜600は、この演出用投入ボタン受付コマンドの受信に基づいた所定の演出処理を実行する。
ステップS109では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。また、このステップS109では、全てのリール110〜112が停止した場合に、副制御部400に対して第3停止コマンドを送信する。
ステップS110では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、このステップS110では、入賞判定の結果、入賞役に入賞したと判定した場合に、入賞役に対応するコマンドを副制御部400に送信する。
ステップS111では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS112では、遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部400の処理>
次に、図16(a)〜(d)を用いて、副制御部400の処理について説明する。図16(a)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM413内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS202では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。
ステップS203では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データ等の更新を行う。ステップS204では、ステップS203で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430、スピーカ483等)のドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS205へ進み、該当しない場合はステップS206に進む。ステップS205では、副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。
ステップS206では、ステップS203で更新した演出データの中に副制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS207へ進み、該当しない場合はステップS202に戻る。ステップS207では、副制御部500に制御コマンド(例えば、特別役内部当選コマンドや演出用投入ボタン受付コマンドを主制御部300から受信した旨のコマンド等)を送信してステップS202に戻る。
次に、図16(b)を用いて、副制御部400のコマンド入力処理について説明する。同図は、副制御部400のコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。ステップS301では、RAM413に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述するストローブ割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS302へ進み、該当しない場合はステップS301に戻る。ステップS302では、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得して解析し、解析結果に応じた処理を実行する。なお、取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
次に、図16(c)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400のストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が制御コマンドの送信とともに出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS401では、主制御部300が出力した制御コマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図16(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機としてタイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理のステップS601では、RAM413の所定記憶領域に記憶した汎用タイマを更新する。なお、本実施例では、割込み処理を5回行う毎に汎用タイマを1つ加算することによって汎用タイマの更新周期を10ms(=2ms×5回)に設定している。
<副制御部500の処理>
次に、図17〜21を用いて、副制御部500の処理について説明する。
<副制御部500のメイン処理>
まず、図17を用いて、副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、CPU510のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込みマスクの設定、入出力インタフェースの初期設定、RAM513に記憶する各種変数の初期設定等を行う。また、後述する割込み処理を定期毎に実行するための周期の設定や、所定の入出力インタフェースからクリア信号を出力する処理、RAM513への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS602では、パラメータ値の設定を行う。ここでは、VDP534の動作周波数パラメータiを166に設定する。すなわち、VDP534を166MHzの動作周波数(処理速度)で動作させるように設定する。ステップS603では、1.5s(秒)のウェイトを行う。ここでは、冷却ファン制御装置570のドライバIC572の起動、およびコンデンサ576の放電に要する時間を考慮して1.5sのウェイトを行う。
ステップS604では、冷却ファン制御装置570の異常停止検出回路572cから異常停止検出信号を受信したか否かを判定する。ここでは、異常停止検出信号の受信を100μsの間待ち受け、この間に異常停止信号を受信した場合はステップS605に進み、そうでない場合は後述する異常停止検出信号用のカウンタを0にクリアしてステップS607に進む。
ステップS605では、異常停止検出信号を受信したと連続3回判定したか否かを判定する。具体的には、異常停止検出信号を受信した場合に、RAM513の所定の領域に設けられた異常停止検出信号用のカウンタの数値に1を加えた数値を新たに記憶し、この新たに記憶した数値が3となったか否かを判定する。本実施例では、電源投入直後は、ファンモータ276aが停止状態からの回転動作(回転負荷のない状態で1.5s待っても回転しない状態=異常状態)であると共に、ノイズもほとんど発生しない状態であるため、異常停止検出信号受信の確認回数を3回、確認時間を300μs(=100μs×3回)とし、いずれも後述する通常時(確認回数30回、確認時間1s=約33ms×30回)よりも少なくしている。なお、電源投入直後の異常停止検出信号受信の確認回数および確認時間は上記した値に限定されるものではなく、VDP534や冷却装置270の特性等に応じて適宜に設定すればよい。異常停止検出信号受信を連続3回判定した場合はステップS606に進み、そうでない場合はステップS604に戻る。
ステップS606では、ファンストップエラー処理を行う。ファンストップエラー処理の詳細については後述する。
ステップS607では、RAMチェックを行い、RAM513に異常があるか否かを判定する。RAM513に異常がある場合はステップS608に進み、そうでない場合はステップS609に進む。ステップS608では、RAMエラー処理を行う。ここではRAMクリア等を実行してRAM513の異常を解消する処理を行う。
ステップS609では、強制RAMクリア信号がオンであるか否かを判定する。具体的には、最初に電源基板の操作部(電源スイッチ)を遊技店の店員等が操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)はステップS610に進み、そうでない場合はステップS612に進む。
ステップS610では、初期状態遊技開始処理を行う。ここでは、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM513の全ての記憶領域の初期化等を行う。また、CG−ROM535に記憶した画像データやカラーパレットデータのうち、使用頻度の多いデータをVRAM536に転送する処理等を行う。また、このステップS610では、後述するファンストップエラー処理におけるステップS702でオンにセットされたファンストップエラーフラグをオフにリセットする。この結果、詳細は後述するが、副制御部500は、通常の演出処理(副制御部400から受信したコマンドに基づいた演出処理)を実行することとなるため、それまで液晶表示装置157に表示されていたファンエラー表示は終了される。
ステップS611では、演出実行処理を行う。演出実行処理の詳細については後述する。ステップS612では、復帰処理を行う。ここでは、電断時にRAM513に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM513に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込み許可の設定を行う。以降、CPU510が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、副制御部500は電源断時の状態に復帰する。すなわち、後述する演出実行処理における電断直前に行った所定の命令の次の命令から処理を再開する。
<ファンストップエラー処理>
次に、図18を用いて、副制御部500のメイン処理におけるステップS606のファンストップエラー処理について説明する。なお、同図は、ファンストップエラー処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS701では、パラメータ値の再設定を行う。ここでは、VDP534の発熱量を抑えるために、動作周波数(処理速度)パラメータiを133に再設定する。すなわち、VDP534の動作周波数を166MHzから133MHzに変更し、それまでよりも低速で動作させるように設定する。
ステップS702では、ファンストップエラーフラグをセットする。ここでは、RAM513の所定の領域に設定されたファンストップエラーフラグをオンにセットする。ステップS703では、可動部材202、204駆動用の各モータ240〜246を停止させるための異常停止要求コマンドを副制御部600に送信するための準備を行う。ステップS704では、液晶表示装置157に表示するファンストップエラー表示の演出データ(画像データ等)を予約設定する。このファンストップエラー表示とは、冷却ファン276が異常停止状態となったことを報知するための表示であり、プログラム上でエンドレス設定(次回の指示があるまで継続される)されている。
<演出実行処理>
次に、図19を用いて、副制御部500のメイン処理におけるステップS611の演出実行処理について説明する。なお、同図は、演出実行処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801では、コマンド入力処理を行う。ここでは、まず、RAM513に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述する副制御部500の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。そしてコマンド記憶領域に未処理の制御コマンドが格納されている場合には、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得して解析し、解析結果に応じた処理を実行する。なお、取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
ステップS802では、演出データ更新処理を行う。ここでは、受信した制御コマンド等に基づき、液晶表示装置157に表示する画像データ等の演出データの更新を行う。なお、上記ファンストップエラー処理におけるステップS704でファンストップエラー表示の演出データが予約設定されている場合は、演出データをこれに更新する。また、このステップS802では、副制御部600へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて演出のための制御データ等の更新を行う。
ステップS803では、液晶演出処理を行う。ここでは、CPU510は、液晶表示装置157に表示する演出用画像の描画および表示処理を、VDP534に実行させる処理等を行う。なお、VDP534は、CPU510からの命令に基づいて、ROM512、CG−ROM535から画像データ等をロードし、VRAM536に設定された2つのフレームバッファの一方に画像を描画(生成)する処理を行う。また、VDP534は、他方のフレームバッファに既に描画された画像を液晶表示装置157に表示する処理等を行う。このとき、VDP534は、上記副制御部500のメイン処理においてステップS606のファンストップエラー処理が実行された場合は133MHzの動作周波数で動作し、そうでない場合は上記副制御部500のメイン処理におけるステップS602で設定された166MHzで動作する。
ステップS804では、ファン駆動監視処理を行う。ファン駆動監視処理の詳細については、後述する。ステップS805では、ステップS802で更新した演出データの中に副制御部600に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS806に進み、該当しない場合はステップS801に戻る。ステップS806では、副制御部600に制御コマンドを送信する。ここでは、垂直可動部材202および水平可動部材204を動作させる演出を行う場合に、各モータ240〜244を制御するためのモータコマンド等を副制御部600に送信する。
ステップS806を実行した後はステップS802に戻り、上記ステップS801〜S806の処理を繰り返す。なお、本実施例では、1秒間に30フレームの画像を液晶表示装置157に表示させる。従って、上記ステップS801〜S806の処理は、1/30秒ごと、すなわち約33msの周期で実行される。
<ファン駆動監視処理>
次に、図20を用いて、上記演出実行処理におけるステップS804のファン駆動監視処理について説明する。なお、同図は、ファン駆動監視処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、冷却ファン制御装置570から異常停止検出信号を受信したか否かを判定する。異常停止検出信号を受信した場合はステップS902に進み、受信していない場合はステップS903に進む。
ステップS902では、RAM513の所定の領域に記憶された異常停止検出信号用のカウンタの数値に1を加えた数値を新たに記憶する。なお、異常停止検出信号用のカウンタは、副制御部500のメイン処理のステップS610において初期値が0に設定されている。ステップS903では、異常停止検出信号用のカウンタの数値をクリアする(初期値の0に再設定する)。
ステップS904では、異常停止検出信号用のカウンタの数値が30であるか否か、すなわち、ステップS901において異常停止検出信号を受信したと判定した回数が30回に達したか否かを判定する。上述のように、演出実行処理は1秒間に30回繰り返される(約33msの周期)ため、ここでは、冷却ファン276の異常停止状態が約1秒間継続したか否かを判定するようになっている。カウンタの数値が30である場合は副制御部500のメイン処理におけるステップS606のファンストップエラー処理にジャンプし、そうでない場合は処理を終了する。
このように、本実施例では、演出実行処理の処理サイクル(約33msの周期)を利用することによって、別の割込み処理を使用することなく、冷却ファン276の約1秒間の異常停止状態を判定可能となっている。なお、本実施例では、VDP534および冷却装置270の特性、具体的には、冷却ファン276の停止から約1秒後にVDP534の温度上昇が始まるという実験結果に基づき、冷却ファン276が約1秒間異常停止状態となった場合に上記ファンストップエラー処理を実行するようにしているが、この確認時間は1秒間に限定されるものではないことは言うまでもない。
<副制御部500の割込み処理>
次に、図21を用いて、副制御部500の割込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部500の割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部500は、所定の周期(本実施例では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部500割込み処理を実行する。
ステップS1001では、副制御部400からの受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部400からコマンドを受信した場合はステップS1002に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS1002では、上記ファンストップエラー処理におけるステップS702でファンストップエラーフラグがオンにセットされているか否かを判定する。ファンストップエラーフラグがオンである場合はステップS1003に進み、ファンストップエラーフラグがオフである場合はステップS1004に進む。
ステップS1003では、副制御部400からの受信コマンドを破棄して処理を終了する。すなわち、副制御部500は、ファンストップエラーフラグがオンである場合には、遊技の進行につれて副制御部400から随時送信されるコマンドを全て破棄し、上記ファンストップエラー処理におけるステップS704で予約設定されたファンストップエラー表示の演出データのみに基づいて上記演出実行処理におけるステップS803の液晶演出処理を実行する。これにより、液晶表示装置157には、電源が再投入されて副制御部500のメイン処理におけるステップS610の初期状態遊技開始処理が実行されるまで、ファンストップエラー表示(詳細は後述する)が表示され続けることとなる。
ステップS1004では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM513のコマンド記憶領域に記憶して処理を終了する。すなわち、ファンストップエラーフラグがオフである場合には、副制御部400から送信されるコマンドに基づいた通常の液晶演出処理が実行される。
<副制御部600の処理>
次に、図22〜25を用いて、副制御部600の処理について説明する。
<副制御部600のメイン処理>
まず、図22を用いて、副制御部600のメイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部600のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS1101で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM613内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、左モータ240、右モータ242および上モータ244を制御して、垂直可動部材202および水平可動部材204を基準位置(原点)に移動させる処理を行う。なお、本実施例では、垂直可動部材202基準位置は下限位置、水平可動部材204基準位置は左限位置となっている。また、このステップS1101では、後述するステップS1111で設定された割込み禁止指令を解除する処理を行う。
ステップS1102では、RAM613のコマンド記憶領域に未処理コマンド(後述する副制御部600の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。未処理コマンドがある場合はステップS1103に進み、そうでない場合はステップS1104に進む。ステップS1103では、未処理コマンドの内容を解析して判定する。
ステップS1104では、未処理コマンドがモータコマンドであるか否かを判定する。未処理コマンドが、左モータ240、右モータ242および上モータ244を制御するためのモータコマンドである場合はステップS1105に進み、そうでない場合はステップS1106に進む。ステップS1105では、動作停止の要求を行う。ここでは、後述するインターバルタイマ割込み処理に対して動作停止を要求する。具体的には、RAM613の所定の領域に動作停止を要求する旨の情報を記憶する。
ステップS1106では、未処理コマンドが異常停止要求コマンドであるか否かを判定する。未処理コマンドが冷却ファン276の異常停止に基づく異常停止要求コマンドである場合はステップS1107に進み、そうでない場合はステップS1108に進む。ステップS1107では、異常時停止の要求を行う。ここでは、RAM613の所定の領域に異常時停止を要求する旨の情報を記憶し、後述するインターバル割込み処理に対して異常時停止を要求する。
ステップS1108では、後述するインターバルタイマ割込み処理におけるステップS1201の駆動停止処理においてパーツリストデータの要求がされたか否かを判定する。具体的には、RAM613の所定の領域にパーツリストデータの取得を要求する旨の情報が記憶されているか否かを判定する。本実施例では、後述するステップS1109において、受信したモータコマンドに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツリストデータを参照して制御情報を取得する。そして、後述するインターバルタイマ割込み処理において、取得したパーツリストデータに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツデータを参照してより詳細な制御情報を取得する。
なお、副制御部500から送信されるモータコマンドは、2byte×4の合計8byte長のデータによって構成されており、先頭から2byteごとに、左モータ240、右モータ242、上モータ244および下モータ246についてどのパーツリストデータを参照するかを示した情報(各々のパーツリストデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。なお、本実施例では、下モータ246は使用していないのでモータコマンドの下モータ246の領域には無効コマンドが格納されているが、下モータ246の領域に無効コマンドを格納するのではなく、モータコマンドを2byte×2の合計4byte長のデータで構成してもよい。
パーツリストデータは、例えば「動作パターン」、「動作回数」、「データ数(N)」および「データ1〜N」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施例では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は基準位置を基準とする絶対座標動作を示し、1が格納されている場合は直前の停止位置を基準とする相対座標動作を示している。また、「動作回数」の領域には、0〜65535の範囲で動作回数が格納されている(0の場合は無限ループとなる)。「データ数」の領域には、0〜65535の範囲でデータ1〜Nの総数(N)が格納されている(0の場合は無効(無視)となる)。「データ1〜N」の領域には、パーツデータを参照するためのアドレス(各々のパーツデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。すなわち、パーツリストデータは最小単位の制御情報である複数のパーツデータを時系列的に組み合わせることで、様々な連続動作の制御を実行可能に構成されている。
パーツデータは、例えば「動作パターン」、「移動位置(停止ポジション)」、「移動に要する時間」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施例では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作を示し、1が格納されている場合は相対座標動作を示している。「移動位置」の領域には、移動位置(移動先の位置)の座標に関する情報(例えば、基準位置から移動先までのモータのステップ数)が格納されている。「移動に要する時間」の領域には、0〜65535msの範囲で移動に要する時間が格納されている(0の場合は最速動作となる)。
ステップS1109では、モータコマンドに基づくパーツリストデータの受渡しを行う。ここでは、まず、RAM613に設定されたパーツリストデータ記憶領域に記憶されていたパーツリストデータを消去する。そして、今回の未処理コマンド(モータコマンド)に基づいてROM612から取得したパーツリストデータをパーツリストデータ記憶領域に記憶する。
ステップS1110では、後述する異常時停止処理におけるステップS1506で割込み禁止の要求がされたか否かを判定する。詳細は後述するが、本実施例では、異常停止要求コマンドを受信した場合に、後述する異常時停止処理において各可動部材202、204を原点復帰させた上で全ての割込み処理を実行しないように要求する。ここでは、RAM613の所定の領域に割込み禁止を要求する旨の情報が記憶されているか否かを判定し、割込み禁止の要求がされた場合はステップS1111に進み、要求がされていない場合はステップS1112に進む。ステップS1111では、全ての割込み処理を禁止する割込み禁止指令を設定した後に無限ループとなる。なお、ここで設定された割込み禁止令は、電源を再投入して上記ステップS1101を実行することによって解除される。
ステップS1112では、副制御部400へコマンドを送信するか否かを判定する。副制御部400へコマンドを送信する場合はステップS1113に進み、そうでない場合は、ステップS1102に戻る。ステップS1113では、副制御部400へコマンドを送信した後にステップS1102に戻る。副制御部600メイン処理では、割込み禁止要求がされた場合を除いて、上記ステップS1102〜S1113の処理を繰り返し実行する。
<インターバルタイマ割込み処理>
次に、図23(a)を用いて、インターバルタイマ割込み処理について説明する。なお、同図は、インターバルタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部600は、所定の周期(本実施例では、0.3msに1回)でインターバルタイマ割込み処理を実行する。
ステップS1201では、駆動停止処理を行う。ここでは、可動部材202、204を駆動する各モータ240〜244の駆動を停止させる処理を行う。駆動停止処理の詳細については後述する。ステップS1202では、後述する駆動停止処理におけるステップS1405で駆動停止フラグがオンにセットされたか否かを判定する。なお、駆動停止フラグとは、モータを一時停止させるか否かを示す情報であり、RAM613の所定の領域に記憶されている。駆動停止フラグがオンである場合はステップS1204に進み、駆動停止フラグがオフである場合はステップS1203に進む。
ステップS1203では、駆動処理を行う。ここでは、まず、後述するステップS1205においてRAM613の絶対座標動作用の指定記憶領域に記憶されたパーツデータを参照して駆動情報を更新設定する。具体的には、各モータ240、242、244を駆動させるために各モータドライバ671、672、673に出力する駆動情報(1パルスの信号)の設定を行う。
この駆動情報は、現在の各スライダ230、232、234の座標位置(各モータ240、242、244のステップ数)、ならびにパーツデータの「移動位置」および「移動に要する時間」に基づいて設定される。駆動情報は、例えば「励磁」、「トルク」、「CW/CCW(回転方向)」の項目から構成されている。ここで、「励磁」は、使用する励磁(1−2相または2相等)を設定するものである。「トルク」は、モータの駆動トルクを設定するものであり、通常は100に設定される。「CW/CCW」はモータの回転方向を設定するものであり、現在のステップ数が移動先のステップ数より小さいならば正回転に、現在のステップ数が移動先のステップ数より大きいならば負回転に設定される。設定された駆動情報はRAM613の所定の領域に記憶され、RAM613の所定の領域にそれまで記憶されていた駆動情報は消去される。
次に、各モータドライバ671、672、673に信号を出力するタイミングであるか否かを判定し、信号を出力するタイミングである場合は、設定した駆動情報を示す信号を各モータドライバ671、672、673に出力する。具体的には、駆動情報を示す1パルスのデジタル信号を各モータドライバ671、672、673に出力する。なお、駆動情報を示す信号を受信した各モータドライバ671、672、673は、受信した信号をアナログ信号に変換した上で各モータ240、242、244に出力する。各モータ240、242、244は、1パルスのデジタル信号によって、2相励磁ならば1ステップ回転し、1−2相励磁ならば1/2ステップ回転する。
ステップS1204では、パーツリストデータの受渡しがされたか否かを判定する。ここでは、副制御部600のメイン処理におけるステップS1109でRAM613のパーツリストデータ記憶領域にパーツリストデータが新たに記憶されたか否かを判定し、パーツリストデータが記憶された場合はステップS1205に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS1205では、データ更新記憶処理を行う。ここでは、まず、RAM613のパーツリストデータ記憶領域に記憶されたパーツリストデータを参照し、これに基づいてROM612に予め記憶されたパーツデータを抽出して取得する。そして、取得したパーツデータをRAM613の絶対座標動作用の指定記憶領域、または相対座標動作用の指定記憶領域に記憶する。このとき、それまで指定記憶領域に記憶されていたパーツデータは消去される。また、このステップS1205では、駆動停止フラグをオフにリセットする。
<副制御部600の割込み処理>
次に、図23(b)を用いて、副制御部600の割込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部600の割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部600は、所定の周期(本実施例では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部600の割込み処理を実行する。
ステップS1301では、受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部500からコマンドを受信した場合はステップS1302に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS1302では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM613のコマンド記憶領域に記憶する。
<駆動停止処理>
次に、図24を用いて、駆動停止処理について説明する。なお、同図は、駆動停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1401では、駆動停止フラグがオンであるか否かを判定する。駆動停止フラグがオンである場合はステップS1402に進み、駆動停止フラグがオフである場合はステップS1403に進む。
ステップS1402では、駆動停止情報として中励磁情報を設定する。駆動停止情報とは、各モータ240、242、244の駆動を一時停止させるために各モータドライバ671、672、673に出力する1パルスの信号であり、例えば「励磁」、「トルク」、「CW/CCW(回転方向)」の項目から構成されている。本実施例では、「トルク」を100(最大値)に設定した駆動停止情報を強励磁情報、「トルク」を50に設定した駆動停止情報を中励磁情報としている。ここでは、後述するステップS1404で設定した強励磁情報に基づいてステップS1407で停止させた各モータ240、242、244の停止状態を、次の割込みにおいて中程度のトルクによる保持に変更するために、中励磁情報を駆動停止情報に設定する。設定された中励磁情報は、RAM613の所定の領域(上記駆動情報とは異なる領域)に記憶され、所定の領域にそれまで記憶されていた駆動停止情報は消去される。
ステップS1403では、動作停止の要求があるか否かを判定する。ここでは、副制御部600のメイン処理におけるステップS1105でRAM613の所定の領域に動作停止を要求する旨の情報が記憶されたか否かを判定する。動作停止を要求する旨の情報が記憶されている場合はステップS1404に進み、そうでない場合はステップS1408に進む。
ステップS1404では、駆動停止情報として強励磁情報を設定する。ここでは、各モータ240、242、244を通常のトルクで停止させるために、駆動停止情報として強励磁情報を設定する。ステップS1405では、RAM613の所定の領域に設定された駆動停止フラグをオンにセットする。ステップS1406では、RAM613の所定の領域にパーツリストデータの取得を要求する旨の情報を記憶し、パーツリストデータの要求を行う。
ステップS1407では、設定した駆動停止情報を1パルスの信号として各モータドライバ671、672、673に出力した後に処理を終了する。なお、駆動停止情報を受信した各モータドライバ671、672、673は、次の信号(駆動停止情報または駆動情報)を受信するまで、当該駆動停止情報に基づく信号を各モータ240、242、244に出力し続ける。
ステップS1408では、副制御部600のメイン処理におけるステップS1107でRAM613の所定の領域に異常時停止を要求する旨の情報が記憶されたか否かを判定する。異常停止の要求がされた場合はステップS1409に進み、そうでない場合は処理を終了する。ステップS1409では、異常時停止処理を行う。
<異常時停止処理>
次に、図25を用いて、上記駆動停止処理におけるステップS1409の異常時停止処理について説明する。なお、同図は、異常時停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1501では、駆動停止情報として強励磁情報を設定し、各モータドライバ671、672、673に出力する。これにより、各可動部材202、204を停止させる。ステップS1502では、100ms経過するまで待ち受け、100ms経過したならば、ステップS1503に進む。ここでは、各可動部材202、204がいずれの速度で動作中であっても必ず停止可能な時間として100msのウェイトを設定している。
ステップS1503では、原点復帰情報を示す信号を駆動情報として設定し、各モータドライバ671、672、673に出力する。これにより、各可動部材202、204を原点(基準位置)に移動させる。本実施例では、このように、各可動部材202、204を原点に移動させることで、液晶表示装置157に表示したファンストップエラー表示が各可動部材202、204によって遮られることがないようにしている。
ステップS1504では、各可動部材202、204が原点(基準位置)に復帰したか否かを判定する。具体的には、左センサA661が左スライダ230が原点にあることを検出したか否か、右センサA663が右スライダ232が原点にあることを検出したか否か、上センサA665が上スライダ234が原点にあることを検出したか否かをそれぞれ判定する。ここでは、各センサ661、663、665によって各スライダ230、232、234が原点にあることを検出されるまで待ち受け、全てのスライダ230、232、234が原点にあると判定したならばステップS1505に進む。
ステップS1505では、励磁出力なし情報を駆動停止情報として設定し、各モータドライバ671、672、673に出力する。ここでは、上記駆動停止処理のステップS1402とは異なり、各可動部材202、204を駆動する各モータ240、242、244を励磁させないで停止状態を維持させる。これにより、各モータ240、242、244が発熱しないようにしている。
ステップS1506では、RAM613の所定の領域に割込み禁止を要求する旨の情報を記憶し、割込み禁止を要求する。これにより、各モータ240、242、244を駆動する処理が実行されなくなるため、各モータ240、242、244は発熱しない非励磁状態を維持することとなる。
本実施例では、演出ユニット220をコンパクトに構成しているため、VDP534を備える副制御部500の近傍に各可動部材202、204を駆動する各モータ240、242、244が配設されている。従って、VDP534を冷却する冷却装置270の冷却ファン276が異常停止した場合には、これらの各モータ240、242、244が駆動時に発する熱によってVDP534が加熱されないように、各モータ240、242、244を非励磁状態で停止させるようにしている。
なお、中励磁情報に基づく停止保持状態における各モータ240、242、244の発熱量が十分少ない場合には、ステップS1505において中励磁情報を駆動停止情報に設定するようにしてもよい。
<ファンモータが異常停止した場合の演出ユニット>
次に、図26(a)〜(c)を用いて、ファンモータ276aが異常停止した場合の演出ユニット220の動作について説明する。なお、同図は、ファンモータ276aが異常停止した場合の演出ユニットの動作の一例を示した図である。
まず、電源投入後、垂直可動部材202および水平可動部材204は、同図(a)に示されるように、一旦基準位置に復帰する。すなわち、垂直可動部材202は左スライダ230および右スライダ232が下限の基準位置にある状態、水平可動部材204は上スライダ234が左限の基準位置にある状態となる。また、液晶表示装置157は、通常表示として複数の星を含む宇宙空間の画像を表示する。
そして、この状態から、各可動部材202、204は遊技の進行に応じた各種演出動作を行い、液晶表示装置157は各種演出表示を行う。例えば、垂直可動部材202の右端および左端を交互に上下させて、垂直可動部材202をゆらゆらと揺れるように動作させることで、宇宙船が揺れながら宇宙空間を飛行する様子を表現する。
このように、演出ユニット220による演出を実行中に、演出ユニット220の背部に配設された冷却ファン276に何らかの異常が発生して異常停止状態が約1秒間継続した場合、同図(b)に示されるように、演出動作中の垂直可動部材202および水平可動部材204は、副制御部600による上記異常時停止処理のステップS1501によって動作の途中で強制的に停止させられる。そして、垂直可動部材202および水平可動部材204は、同図(c)に示されるように、上記異常時停止処理のステップS1503によって原点に復帰させられる。
また、液晶表示装置157には、副制御部500による上記演出実行処理のステップS803によって、同図(c)に示されるように、各可動部材202、204の停止および原点復帰と略同じタイミングで、ファンストップエラー表示が表示される。同図に示したファンストップエラー表示の例では、遊技者の前の遊技台が煙を出している画像と共に「ファンストップエラー」および「店員をお呼びください。」というメッセージが表示される。このとき、垂直可動部材202および水平可動部材204は原点に復帰しているため、ファンストップエラー表示は遊技者から明確に視認されるようになっている。これにより、冷却ファン276に異常停止状態となったことを遊技者に明確に報知することができる。
なお、冷却ファン276が約1秒間継続して異常停止状態となった場合、上述のように副制御部500は副制御部400からのコマンドを全て破棄するため、液晶表示装置157はファンストップエラー表示を表示し続けることとなる。また、副制御部600は、全ての割込み処理を禁止すると共に、メイン処理が無限ループとなるため、各可動部材202、204は原点で動作を停止することとなる。すなわち、冷却ファン276が異常停止状態となった後は、演出ユニット220による演出は行われないこととなる。
しかし、主制御部300および副制御部400による処理は、冷却ファン276が異常停止状態となった後も通常通り実行されるため、遊技者は遊技を進行することが可能となっている。また、副制御部400が制御する演出デバイス(スピーカ483、演出ランプ430等)による演出は通常通り行われる。従って、ファンストップエラー表示では、「*液晶演出がない状態ですが、遊技操作は行えますので、店員が到着するまで遊技をお楽しみください。」というメッセージを表示することで、遊技は継続可能であることを遊技者に報知するようにしている。すなわち、本実施例では、冷却ファン276が異常停止状態となった場合は、遊技を継続したままで遊技店の店員を呼ぶように遊技者に示唆することが可能となっている。このようにすることで、遊技者が遊技を中止させることによる不利益を被ることがないようにすることができる。また、スロットマシン100の稼働率を低下させないため、冷却ファン276の不具合によって遊技店に損害を与えないようにすることができる。
また、本実施例では、一度冷却ファン276が約1秒間継続して異常停止状態となった場合には、この異常停止状態が解消され、冷却ファン276が正常動作を再開した後も、ファンストップエラー表示を継続して液晶表示装置157に表示すると共に、各可動部材202、204の原点における停止状態を継続するようになっている。このようにすることで、冷却ファン276が不具合の兆候を時折示すような不安定な状態となったことを、遊技店の店員に確実に把握させることができる。これにより、早期に清掃や故障チェック等のメンテナンスを行うことが可能となり、冷却ファン276が完全に作動不能となるような大きな故障を未然に防ぐことができる。結果として、スロットマシン100の稼働率を高めることとなり、遊技店に利益をもたらすことができる。なお、スロットマシン100の電源を再投入することによって、演出装置200を通常の動作状態に戻すことができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例は、上記実施例1に係る演出装置およびVDP用冷却ファンの異常停止に関する処理をパチンコ機1000に適用したものである。このため、同一部分についてはその説明を省略する。以下、図27〜34を用いて、パチンコ機1000について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図27および28を用いて、パチンコ機1000の全体構成について説明する。なお、図27はパチンコ機1000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1000は、ガラス製または樹脂製の透明板部材1152および透明部材保持枠(ガラス枠)1154からなる扉部材1156の奥側に視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)1102を備えている。
扉部材1156の下方には、後述する発射モータ1602によって回動する発射杆1138と、この発射杆1138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域1104に向けて打ち出す発射槌1140と、この発射槌1140によって打ち出す球を後述する外レール1106に導くための発射レール1142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール1142に供給するための貯留皿1144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置1110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン1146を配設している。
また、発射杆1138および発射槌1140の下方には、発射杆1138を制御して遊技領域1104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル1148を配設していると共に、貯留皿1144の下方には、貯留皿1144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿1150を設けている。
なお、図示は省略するが、パチンコ機1000の電源を投入するための電源スイッチ(電源基板の操作部)は、発射杆1138および発射槌1140の後方に配設されており、ドアキーを使用してロックを解除し、扉部材1156と共に前枠1158を開かなければ、操作することができないようになっている。
図28は、遊技盤1102を正面から見た略示正面図である。遊技盤1102には、外レール1106と内レール1108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域1104を区画形成している。
遊技盤1102の略中央には、演出装置1200を配設している。この演出装置1200は、垂直方向に移動可能な垂直可動部材1202と、水平方向に移動自在な水平可動部材1204と、これらの可動部材1202、1204の奥側に配設された液晶表示装置である装飾図柄表示装置1110を備えている。また、垂直可動部材1202および水平可動部材1204の手前側には、装飾図柄表示装置1110、垂直可動部材1202および水平可動部材1204を覆うようにして透明なカバー部材1205を配設している。このカバー部材1205の上部および下部には、半透明に着色された上部遮蔽領域1206および下部遮蔽領域1208をそれぞれ設けており、装飾図柄表示装置1110、垂直可動部材1202および水平可動部材1204の一部を遮蔽している。
装飾図柄表示装置1110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成している。この装飾図柄表示装置1110は、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110b、右図柄表示領域1110cおよび演出表示領域1110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110bおよび左図柄表示領域1110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域1110a、1110b、1110c、1110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
演出装置1200は、各可動部材1202、1204を動作させるためのモータが内部に配設された演出ユニットを備え、この演出ユニットの背面に、後述する副制御部1500、1600を配設している。また、副制御部1500には、上記実施例1と同様にVDPを冷却するために、冷却ファンを備えた冷却装置が配設されている。演出装置1200の構成は、上記実施例1に係る演出装置200と同様であるため、説明は省略する。
演出装置1200の下方には、普通図柄表示装置1112と、特別図柄表示装置1114と、普通図柄保留ランプ1116と、特別図柄保留ランプ1118と、高確中ランプ1120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
普図表示装置1112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置1114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ1116は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ1118は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ1120は、遊技状態が高確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率よりも高く設定した遊技状態)であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率に設定した遊技状態)から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
遊技領域1104には、一般入賞口1122と、普図始動口1124と、第1特図始動口1126と、第2特図始動口1128と、可変入賞口1130を配設している。一般入賞口1122は、本実施例では遊技盤1102に複数配設しており、この一般入賞口1122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1122に入賞した場合)、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として貯留皿1144に排出する。貯留皿1144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1122に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤1102の左側に1つ配設している。普図始動口1124を通過した球は一般入賞口1122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機1000は、普図表示装置1112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口1126は、本実施例では遊技盤1102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として貯留皿1144に排出するとともに、特図表示装置1114による特図変動遊技を開始する。また、第1特図始動口1126への入球を所定の球検出センサが検出した場合には、内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合には、特図表示装置1114および装飾図柄表示装置1110に当選したことを示す図柄を停止表示すると共に、大当たり遊技を開始する。この大当り遊技は、後述する可変入賞口1130に入球する確率が高くなるため、通常遊技(電源投入後に最初に開始される遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。なお、第1特図始動口1126に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口1128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口1126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として貯留皿1144に排出するとともに、特図表示装置1114による特図変動遊技を開始する。また、第2特図始動口1128への入球を所定の球検出センサが検出した場合には、内部抽選が行われ、この内部抽選に当選した場合には、特図表示装置1114および装飾図柄表示装置1110に当選したことを示す図柄を停止表示すると共に、大当り遊技を開始する。なお、第2特図始動口1128に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤1102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置1114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口1130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として貯留皿1144に排出する。なお、可変入賞口1130に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1132や、遊技釘1134を複数個、配設していると共に、内レール1108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口1136を設けている。
また、演出装置1200の左方から下方にかけては、ワープ装置1230が配設されている。ワープ装置1230は、演出装置1200の左方に設けた入球口1232に入った遊技球を演出装置1200の前面下方の前面ステージ1234に排出し、さらに、前面ステージ1234に排出した遊技球が前面ステージ1234の中央部後方に設けた第2の入球口1236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口1126の上方に設けた排出口1238から第1特図始動口1126に向けて排出するものである。この排出口1238から排出した遊技球は特図始動口1126に入球しやすくなっている。
このパチンコ機1000は、遊技者が貯留皿1144に貯留している球を発射レール1142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル1148の操作量に応じた強度で発射モータ1602を駆動し、発射杆1138および発射槌1140によって外レール1106、内レール1108を通過させて遊技領域1104に打ち出す。そして、遊技領域1104の上部に到達した球は、打球方向変換部材1132や遊技釘1134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1122、可変入賞口1130)や始動口(第1特図始動口1126、第2特図始動口1128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1124を通過するのみでアウト口1136に到達する。
<制御部>
次に、図29を用いて、このパチンコ機1000の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機1000の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて、主に演出の制御を行う副制御部1400と、主に装飾図柄表示装置1110の制御を行う副制御部1500と、主に各可動部材1202、1204の制御を行う副制御部1600と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1560と、パチンコ機1000に供給される電源を制御する電源管理部1650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1000の主制御部1300について説明する。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発信器1314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1302には、水晶発信器1314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口1124、1126、1128、一般入賞口1122の入り口および可変入賞口1130の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ1318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1316および基本回路1302に出力するためのセンサ回路1320と、特図表示装置1114の表示制御を行うための表示回路1322と、普図表示装置1112の表示制御を行うための表示回路1324と、各種状態表示部1326(普図保留ランプ1116、特図保留ランプ1118、高確中ランプ1120等)の表示制御を行うための表示回路1328と、第2特図始動口1128や可変入賞口1130等を開閉駆動する各種ソレノイド1330を制御するためのソレノイド回路1332を接続している。
なお、第1特図始動口1126に球が入賞したことを球検出センサ1318が検出した場合には、センサ回路1320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路1316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路1316は、第1特図始動口1126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路1316は、第2特図始動口1128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口1128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口1128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1334を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1652にパチンコ機1000の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300には、電源管理部1500から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1336を設けており、この電圧監視回路1336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300は、副制御部1400に信号(コマンド)を送信するための出力インタフェースと、払出制御部1550に信号(コマンド)を送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部1400および払出制御部1550との通信を可能としている。なお、主制御部1300と副制御部1400および払出制御部1550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は副制御部1400および払出制御部1550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部1400および払出制御部1550からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1000の副制御部1400について説明する。
副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発信器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1402には、スピーカ1416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1418と、各種ランプ1420の制御を行うための表示回路1422と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)1110の制御を行うための副制御部1500と、チャンスボタン1146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路1380を接続している。
副制御部1500は、図示は省略するが、演算処理装置であるCPUや、ROMやRAM等の各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えている。副制御部1500のCPUは、副制御部1400のCPU1404からの信号(コマンド)を入出力インタフェースを介して受信し、副制御部1500全体を制御する。また、CPUには、バスを介して、VDPが接続されている。このVDPには、水晶発信器が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM、VRAMが接続されている。VDPは、CPUからの信号をもとにROMに記憶された画像データを読み出すと共に、RAMのワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータを介して装飾図柄表示装置1110の表示画面に画像を表示する。なお、装飾図柄表示装置1110には、CPUによって装飾図柄表示装置1110の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。副制御部1500のCPUは、入出力インタフェースを介して副制御部1400から受信したコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置1110の表示を制御する処理を実行する。
また、副制御部1500のCPUには、バスを介して、入出力インタフェースが接続され、この入出力インタフェースには、波形整形回路を介して冷却ファン制御装置が接続されている。この冷却ファン制御装置はVDPを冷却する冷却装置の冷却ファンを制御するためのものである。
副制御部1600は、図示は省略するが、演算処理装置であるCPUや、ROMやRAM等の各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えている。副制御部1600のCPUは、副制御部1400からの信号(コマンド)を入出力インタフェースを介して受信し、副制御部1600全体を制御する。
また、副制御部1600のCPUには、外部の機器から信号を受信するための入力インタフェース、および外部の機器へ信号を送信するための出力インタフェースが接続されている。入力インタフェースには、演出装置1200が備える左センサA1661、左センサB1662、右センサA1663、右センサB1664、上センサA1665および上センサB1666が接続されている。なお、本実施例の副制御部1600は、オプションとしてさらに下センサA1667、および下センサB1668が接続されている。
出力インタフェースには、演出装置1200が備える各モータが駆動部を介して接続されている。具体的には、左モータ駆動部1671を介して左モータ1672、右モータ駆動部1673を介して右モータ1674、上モータ駆動部1675を介して上モータ1676が接続されている。なお、本実施例の副制御部1600は、オプションとしてさらに下モータ駆動部1677を介して下モータ1678が接続されている。
また、副制御部1600のCPUには、副制御部1400と信号(コマンド)を送受信するための入出力インタフェースが接続されている。副制御部1600のCPUは、入出力インタフェースを介して副制御部1400から受信したコマンドに基づいて、演出装置200の各可動部材1202、1204を制御する処理を実行する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機1000の払出制御部1550、発射制御部1560、電源管理部1650について説明する。
払出制御部1550は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1552を制御すると共に、払出センサ1554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部1556を介して、パチンコ機1000とは別体で設けられたカードユニット1654との通信を行う。
発射制御部1560は、払出制御部1550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル1148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル1148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1138および発射槌1140を駆動する発射モータ1562の制御や、貯留皿1144から発射レール1142に球を供給する球送り装置1564の制御を行う。
電源管理部1650は、パチンコ機1000に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、副制御部1400等の各制御部や払出装置1552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部1650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<図柄の種類>
次に、図30(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置、装飾図柄表示装置、普図表示装置が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図30(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口または第2特図始動口に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図30(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口または第2特図始動口に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置の左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域の各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域に大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。
なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域に大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図30(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<主制御部メイン処理>
次に、図31を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割込みによりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS1601では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込みマスクの設定、I/Oポート1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDT1313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS1602では、WDT1313のカウンタの値をクリアし、WDT1313による時間計測を再始動する。
ステップS1603では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1336が、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS1602に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1604に進む。
ステップS1604では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ1312に設定する処理、I/O1310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部1400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM1308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS1605では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部1300の基本回路1302を初期状態にする場合)にはステップS1607に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1607に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部(電源スイッチ)を遊技店の店員等が操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1607に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM1308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1607に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM1308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS1606に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1000を初期状態にすべくステップS1607に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1607に進む。
ステップS1606では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM1308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM1308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込み許可の設定を行う。以降、CPU1304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1000は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS1608、ステップS1609内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS1607では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM1308の全ての記憶領域の初期化等を行う。
ステップS1608では、割込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM1308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込み許可の設定を行ってステップS1609に進む。
ステップS1609では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部1300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込み処理を行っている間を除いて、ステップS1608およびS1609の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込み処理>
次に、図32を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部1300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割込み信号を発生するカウンタタイマ1312を備えており、このタイマ割込み信号を契機として主制御部タイマ割込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS1701では、タイマ割込みスタート処理を行う。このタイマ割込みスタート処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理等を行う。
ステップS1702では、WDT1313のカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1703では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポートを介して、上述の透明部材保持枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ1318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施例では、前々回のタイマ割込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS1703では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口1122、可変入賞口1130)や始動口(第1特図始動口1126、第2特図始動口1128)への入球、または普図始動口1124の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口1122への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口1122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口1122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口1122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS1704およびステップS1705では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記主制御部メイン処理におけるステップS1608で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部1300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM1308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM1308に設けている。
ステップS1706では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部1300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS1707では、タイマ更新処理を行う。詳細は後述するが、このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置1112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置1114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間等を計時するためのタイマ等を含む各種タイマを更新する。
ステップS1708では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口1122、第1、第2特図始動口1126、1128、および可変入賞口1130)に入賞(入球)があった場合に、RAM1308に入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS1709では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口1126、1128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路1316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM1308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口1124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM1308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口1126、1128、普図始動口1124、または可変入賞口1130の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口1126、1128、普図始動口1124、および可変入賞口1130の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS1710では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部1550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS1711では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図30(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図30(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口1128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1712に移行するようにしている。
ステップS1712では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口1128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM1308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置1112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM1308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM1308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS1713では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置1114に図30(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置1114に図30(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図30(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS1715)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM1308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1715)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口1130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口1130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1715)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口1130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1715)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM1308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1715)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1714に移行するようにしている。
ステップS1714では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口1130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、大当たり判定テーブル、高確率状態移行判定テーブル、タイマ番号決定テーブル等を使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS1709で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM1308に設定することを大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM1308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM1308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口1126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。また、第2特図始動口1128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS1709で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM1308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM1308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS1715)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS1707のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(例えば5回)のタイマ割込み処理の実行ごと(例えば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS1715では、コマンド設定送信処理を行う。なお、副制御部1400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示す等コマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号等を示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値等を含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値等を含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数等を含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口1126への入賞の有無、第2特図始動口1128への入賞の有無、可変入賞口1130への入賞の有無等を含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM1308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置1110、各種ランプ1420、スピーカ1416等に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置1110、各種ランプ1420、スピーカ1416等に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1716では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1334を介してパチンコ機1000とは別体の情報入力回路1652に出力する。
ステップS1717では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS1703において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、透明部材保持枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無等を監視し、透明部材保持枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、透明部材保持枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド1330を駆動して第2特図始動口1128や、可変入賞口1130の開閉を制御したり、表示回路1322、1324、1328を介して普図表示装置1112、特図表示装置1114、各種状態表示部1326等に出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS1710)で設定した出力予定情報を出力ポート1310を介して副制御部400に出力する。
ステップS1718では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1720に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1719に進む。
ステップS1719では、タイマ割込みエンド処理を行う。このタイマ割込みエンド処理では、ステップS1701で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込み許可の設定等を行う。
ステップS1720では、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部の処理>
次に、図33および34を用いて、副制御部1400、1500、1600の処理について説明する。図33は、副制御部1400、1500、1600の処理の概要を示した図であり、図34(a)〜(c)は、冷却ファンが異常停止した場合の装飾図柄表示装置1110の表示の一例を示した図である。なお、副制御部1400、1500、1600の処理は、実施例1に係る副制御部400、500、600の処理と同様であるため、概略のみ説明する。
副制御部1500は、冷却ファン制御装置から異常停止検出信号を受信したと、連続30回判定した場合(冷却ファンが約1秒間継続して異常停止状態となった場合)に、ファンストップエラー処理を行う。副制御部1500のファンストップエラー処理では、VDPの動作速度(動作周波数)を166MHzから133MHzに再設定すると共に、装飾図柄表示装置1110にファンストップエラー表示を表示する。このファンストップエラー表示は、図34(a)に示されるように、遊技者の前の遊技台が煙を出している画像と共に「ファンストップエラー」、「店員をお呼びください。」および「遊技操作は行えますので、店員が到着するまでは遊技をお楽しみください。」というメッセージが表示されるものであり、パチンコ機1000の電源が再投入されるまで装飾図柄表示装置1110の演出表示領域1110dに表示される。また、副制御部1500は、ファンストップエラー処理において異常停止要求コマンドを副制御部1400に送信する。
副制御部1400は、副制御部1500から異常停止要求コマンドを受信すると、副制御部1500と同様に、ファンストップエラー処理を行う。副制御部1400のファンストップエラー処理では、副制御部1600に異常停止要求コマンドを転送すると共に、エラー対応の変動パターンを選択する設定を行う。このエラー対応の変動パターンとは、装飾図柄の変動表示をVDPの動作速度の再設定に対応させた簡素な変動パターンとしたものである。
上記実施例1と同様に、冷却ファンが約1秒間継続して異常停止状態となった後も、遊技者は遊技を継続することができる。従って、冷却ファンの約1秒間の異常停止後であっても、第1、第2特図始動口1126、1128に遊技球が入球した場合には、主制御部1300は、装飾図柄の変動表示を行うべく、副制御部1400に変動表示情報を送信する。主制御部1300から変動表示情報を受信した副制御部1400は、上記設定により、異常停止要求コマンドを受信した後から電源が再度投入されるまでの間は常にエラー対応の変動パターンのみを選択することとなる。そして、選択した変動パターンを含む変動表示情報を副制御部1500に送信する。
副制御部1500は、受信した変動表示情報に基づく装飾図柄の変動表示を実行するため、ファンストップエラー処理を実行した後は、常にエラー対応の変動パターンに基づく装飾図柄の変動表示を実行することとなる。
このエラー対応の変動パターンの変動表示では、図34(b)に示されるように、ファンストップエラー表示を演出表示領域1110dに表示したまま、通常よりも小さく設定された左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110b、右図柄表示領域1110cに、通常よりも低速で装飾図柄の変動表示を行う。なお、同図では変動表示を下向きの矢印で簡略化して示している。そして、変動表示の開始から所定の時間が経過した後に、図34(c)に示されるように、左図柄表示領域1110a、右図柄表示領域1110c、中図柄表示領域1110bの順に所定のタイミングで装飾図柄を停止表示する。大当たりを遊技者に報知する場合は、各図柄表示領域1110a〜1110cに所定の同一の装飾図柄が表示される。
副制御部1600は、副制御部1400から異常停止要求コマンドを受信すると、実施例1に係る副制御部600と同様に、各可動部材1202、1204の動作を中断して基準位置(原点)に復帰させ、基準位置で停止状態を維持させる。また、全ての割込み処理の禁止を設定する処理を実行する。
このように、本実施例では、VDPの冷却ファンが約1秒間継続して異常停止した後に遊技を継続する場合に、簡素な装飾図柄の変動表示を行うことで遊技者に遊技結果を報知することができるようになっている。これにより、遊技者が遊技結果を認識できないことによる不利益を被るのを防ぐことができる。また、本実施例では、上記同様に簡素なパターンを選択することによって、大当たり遊技中にファンエラー表示と共に遊技操作を示唆する表示を行うことが可能となっている。これにより、VDPの冷却ファンが異常停止した場合であっても、遊技者に損をさせないようにすることができる。また、パチンコ機1000の稼働率を低下させないため、冷却ファンの不具合によって遊技店に損害を与えないようにすることができる。
また、本実施例では、上記実施例1と同様に、一度冷却ファンが約1秒間継続して異常停止状態となった場合には、この異常停止状態が解消され、冷却ファンが正常動作を再開した後も、ファンストップエラー表示を継続して装飾図柄表示装置1110に表示すると共に、各可動部材1202、1204の原点における停止状態を継続するようになっている。このようにすることで、冷却ファンが完全に作動不能となるような大きな故障を未然に防ぐことができる。また、パチンコ機1000の稼働率を高め、遊技店に利益をもたらすことができる。
以上説明したように、本発明に係る遊技台(実施例1ではスロットマシン100、実施例2ではパチンコ機1000)は、遊技に関して設けられた遊技装置(上記実施例では、冷却装置270)と、遊技装置の動作状態を監視する監視手段(上記実施例では、主に冷却ファン制御装置570の異常停止検出回路572c、副制御部500のメイン処理におけるステップS604の処理、およびファン駆動監視処理におけるステップS901〜S903の処理)と、監視手段の監視結果に基づいて、遊技装置が正常な動作をしていない異常動作状態であることを特定する特定手段(上記実施例では、主に副制御部500のメイン処理におけるステップS605の処理、およびファン駆動監視処理におけるステップS904の処理)と、特定手段により遊技装置が異常動作状態であると特定されたことに基づいて、遊技装置が異常動作状態であることを示す異常動作情報(上記実施例では、ファンストップエラー表示)の出力処理を行う情報出力手段(上記実施例では、VDP534)と、を備え、情報出力手段は、異常動作情報の出力処理中に遊技装置の動作状態が異常動作状態から正常な動作状態となった場合に、異常動作情報の出力処理を継続して行う。
このため、一度異常が発生したことを確実に把握することができ、早期に適切なメンテナンス等を行うことで遊技台に大きな故障が発生するのを未然に防ぐことができる。
また、遊技装置は、遊技に関連した制御を行う遊技制御部(上記実施例では、VDP534)を冷却する冷却装置である。このような遊技制御部を冷却する空冷方式または水冷方式等の冷却装置においては、ファンやポンプ等を駆動するモータが完全に停止状態となる前に、停止、駆動を繰り返すことが多い。また、ファンやポンプにはゴミ等が付着しやすく、そのゴミ等の影響でモータの回転数が変化して冷却度合いが低下することが多い。従って、本発明は、このような冷却装置の異常を確実に把握するのに好適である。
また、異常動作状態とは、冷却装置の冷却度合いが低下した冷却低下状態であるため、熱の影響で遊技装置が破壊される前に、冷却装置の冷却度合いが低下したことをいち早く把握することができる。
また、遊技台の電源が投入された場合に情報出力手段の処理速度を第1の処理速度(上記実施例では166MHzの動作周波数)に設定し、特定手段により遊技装置が異常動作状態であると特定された場合に情報出力手段の処理速度を第1の処理速度よりも低速な第2の処理速度(上記実施例では133MHzの動作周波数)に設定する処理速度設定手段(上記実施例では、主に副制御部500のメイン処理におけるステップS602の処理、およびファンストップエラー処理におけるステップS701の処理)をさらに備え、情報出力手段は、処理速度設定手段により設定された処理速度に基づいて、出力処理を行う。
このため、遊技装置が異常動作状態となった場合に、省電力で異常動作情報を出力することができる。また、本発明は、遊技装置が情報出力手段を冷却する冷却装置である場合に特に好適である。
また、監視手段は、遊技装置の動作が停止したことを示す停止動作信号(上記実施例では、異常停止検出信号)を検出する検出手段(上記実施例では、主に異常停止検出回路572c、入出力インタフェース522、副制御部500のメイン処理におけるステップS604の処理、およびファン駆動監視処理におけるステップS901の処理)を備え、特定手段は、検出手段による停止動作信号の検出が所定の期間連続して複数回なされた場合に、異常動作状態であると特定する。これにより、ノイズ等による誤検出を防ぐことが可能となり、遊技装置の異常動作状態を正確に検出することができる。
また、特定手段は、遊技台の電源が投入された後の初回の特定タイミングにおいては、検出手段による停止動作信号の検出が第1の回数(上記実施例では3回)なされた場合に異常動作状態であると特定し、初回の後の特定タイミングにおいては、第1の回数よりも多い第2の回数(上記実施例では30回)の検出がなされた場合に異常動作状態であると特定する。このように、遊技の進行によりノイズが発生しやすい通常時と、遊技が開始されておらずノイズが発生しにくい電源投入時とを分けて条件を設定することで、遊技装置の異常動作状態を正確に検出することができる。また、電源投入時には、遊技店の店員が近傍にいるタイミングで異常動作情報を出力することができるため、遊技店の営業開始前にメンテナンス等を行うことができる。
また、異常動作情報の出力処理を終了させる操作(上記実施例では、電源の再投入)を受け付ける操作受付手段(上記実施例では、電源スイッチ)をさらに備え、情報出力手段は、操作受付手段により操作が受け付けられたことに基づいて、異常動作情報の出力処理を終了する。これにより、遊技装置が異常動作状態であることを確実に把握させた上で、異常動作情報の出力を終了することができる。
また、情報出力手段は、遊技の制御に応じて送信される遊技制御情報(上記実施例では、例えば、特別役内部当選コマンドや演出用投入ボタン受付コマンド等)に基づいて、遊技の演出情報の出力処理を行うことが可能に構成され、遊技台は、特定手段により遊技装置が異常動作状態であると特定されたことに基づいて、送信された遊技制御情報を破棄する状態に設定する破棄設定手段(上記実施例では、主に副制御部500の割込み処理におけるステップS1002〜S1003の処理)をさらに備えている。このように、演出情報の出力処理と異常動作情報の出力処理を1つの情報出力手段で行うことで、新たな装置を備えることなく異常動作情報の出力を行うことができる。また、破棄設定手段を備えることにより、送信された遊技制御情報によって異常動作情報が上書きされることがないため、最優先で異常動作情報を出力することができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、遊技台全体、または遊技台を構成する装置もしくは部材等の形状、構成および配置は、上記実施例において示したものに限定されず、その他の形状、構成および配置であってもよい。
また、本発明に係る遊技装置は、上記実施例で示したVDPを冷却する冷却装置に限定されるものではなく、例えば、主制御部または副制御部等の回路基板や液晶表示装置等を冷却する冷却装置であってもよいし、冷却装置以外の装置、例えば、副制御部等の回路基板自体や液晶表示装置自体等であってもよい。
また、本発明に係る異常動作状態は、動作が停止した状態に限定されるものではなく、例えば、動作が緩慢になった状態や、断続的に停止、動作を繰り返すような状態であってもよいし、急激に動作する暴走状態であってもよい。
また、本発明に係る情報出力手段は、液晶表示装置等に表示する画像情報の出力を処理する装置に限定されるものではなく、音声情報の出力を処理するものや、ランプ等の点灯や点滅による情報の出力を処理するものであってもよいし、遊技店のホールコンピュータ等の外部の機器に対する情報の出力を処理するものであってもよい。従って、本発明に係る異常動作情報は、画像情報以外に音声情報や電子情報その他の情報であってもよい。
また、上記実施例1では、冷却ファン276の動作状態の監視を副制御部500が行っているが、主制御部300や副制御部400、600、または他に設けた監視制御部等によって冷却ファン276の動作状態を監視するようにしてもよい。
また、上記実施例1では、冷却ファン276を備える空冷方式の冷却装置270を示したが、本発明の冷却装置はこれに限定されるものではなく、ポンプ等を備える水冷方式等、その他の方式の冷却装置であってもよい。
また、本発明に係る異常動作情報の出力処理を終了させる操作は、上記実施例で示した電源の再投入に限定されるものではなく、電源を落とさずに各制御部を再起動させるリセット操作であってもよい。また、電源の再投入と同時(または、再投入の前後)に他の操作手段(例えば、設定スイッチやリセットスイッチ等)を操作することによって異常動作情報の出力処理を終了させるようにしてもよい。
また、上記実施例1では、副制御部500の割込み処理におけるステップS1002、S1003において、ファンストップエラーフラグがオンである場合に受信コマンドを破棄することで、ファンストップエラー表示を継続するようになっているが、副制御部600と同様に割込み禁止指令を設定することで、ファンストップエラー表示を継続するようにしてもよい。
また、上記実施例1では、副制御部600のメイン処理におけるステップS1111で割込み禁止指令を設定するようになっているが、割込み禁止指令を設定する代わりに、副制御部500と同様に受信コマンドを全て破棄するようにしてもよい。
また、本発明に係る遊技台は、上記パチンコ機1000(1種)以外に、パチンコ機(2種、3種)、封入式パチンコ機、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、およびカジノマシン等にも適用することができる。
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。