JP2018166737A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像表示用のプロセッサの温度が高くなった場合には、温度に対応した処理を実行することができる遊技機を提供する。
【解決手段】起動(例えば、電源投入後のリセット解除)してから所定時間が経過するまでの間に限りファンの動作異常を判定し、ファンの動作異常を判定した場合にファン異常処理を実行する一方、処理プロセッサの温度が異常であると判定した場合には、当該判定に応じてファン異常処理とは異なる異常時処理を実行する。
【選択図】図42

Description

遊技機に関する。
近年の遊技機は、遊技の進行を司る主制御部と、演出の制御を司る副制御部とを有する。特に、近ごろでは、演出効果を高めるために、画像表示装置に表示する画像の解像度を高くしたりフレームレートを高くしたりして、演出画像を画像表示装置に表示する遊技機が増えつつある。
特許第4683528号
前述したように、近年の遊技機では、画像表示装置に表示する画像の解像度を高めたり、フレームレートを高めたりしており、高解像度や高フレームレートに対応可能なプロセッサ(CPU,GPUなど)が採用されることが多くなってきている。このような高解像度や高フレームレートの処理は、プロセッサにとって負荷が重く、プロセッサから発せられる熱量が多くなってきている。このようなプロセッサの発熱により、プロセッサの温度が高くなり、プロセッサ自身が破損したり、周囲の電子素子を誤動作させたりする可能性が高くなってきている。
本態様に係る遊技機は、
処理プロセッサ(例えば、後述するCPUICCなど)と、
冷却するためのファン(例えば、後述するファンICFなど)と、
前記処理プロセッサの温度を検出する温度検出部(例えば、後述する温度センサ(サーマルダイオードなど)など)と、
前記ファンが正常に作動しているか否かを検出するファン動作検出手段(例えば、後述するCPUICCなど)と、
前記ファン動作検出手段の検出結果及び前記温度検出部の検出結果を監視する監視部(例えば、後述するCPUSMCなど)と、
を備え、
前記監視部は、
起動(例えば、電源投入後のリセット解除)してから所定時間が経過するまでの間に限り前記ファン動作検出手段の検出結果に基づいて前記ファンの動作が異常であるか否かを判定し(例えば、後述する図41のステップ4111など)、
前記ファンの動作が異常であると判定した場合にファン異常処理を実行する一方(例えば、後述する図41のステップ4113など)、
前記温度検出部の検出結果を常時に又は定期的に監視して前記温度検出部の検出結果に基づいて前記処理プロセッサの温度が異常であるか否かを判定し(例えば、後述する図42のステップ4213、4219など)、
前記処理プロセッサの温度が異常であると判定した場合には、当該判定に応じて前記ファン異常処理とは異なる異常時処理を実行する(例えば、後述する図42のステップ4217、4221、4223など)ことを特徴とする。
また、本態様に係る遊技機は、
処理プロセッサ(例えば、後述するCPUICCなど)と、
前記処理プロセッサの温度を検出する温度検出部(例えば、後述する温度センサ(サーマルダイオードなど)など)と、
前記温度検出部によって検出された温度に基づいて温度異常を判断し、判断結果を出力する温度異常判断部(例えば、後述するCPUICCなど)と、を有する第1の制御手段(例えば、後述する画像制御基板ICBなど)と、
前記処理プロセッサとは異なるプロセッサにより制御されるとともに、前記温度異常判断部から出力された判断結果に基づいて前記処理プロセッサの温度を監視する監視部(例えば、後述するCPUSMCなど)を有する第2の制御手段(例えば、後述するサブ面制御基板SMなど)と、を備え、
前記温度異常判断部は、
前記処理プロセッサの温度が第1の温度と前記第1の温度よりも高い第2の温度との夫々に達したことを判断可能であり(例えば、後述する図40のステップ4015、4017、4019など)、
前記処理プロセッサは、
前記温度異常判断部により前記処理プロセッサが前記第1の温度に達したと判断された場合には、前記第2の制御手段から送信されたコマンドに依らずに温度の上昇を抑えるための処理を実行し(例えば、後述する図40のステップ4023、4027など)、
前記第2の制御手段は、
前記処理プロセッサが前記第2の温度に達したと前記温度異常判断部が判断した判断結果が前記監視部に入力された場合には(例えば、後述する図42のステップ4219など)、
所定の条件を満たしたことに基づいて前記処理プロセッサを再起動するための信号を前記処理プロセッサに出力する(例えば、後述する図42のステップ4223など)ことを特徴とする。
画像表示用のプロセッサの温度が高くなった場合には、温度に対応した処理を実行することができる。
図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の正面図である。 図2は、本実施形態に係る回胴式遊技機の扉を開いた状態の正面図である。 図3は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、メダル投入口内部の斜視図である。 図4は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、メダル払出装置の正面図及び上面図である。 図5は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、基本仕様一覧である。 図6は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、リール配列一覧である。 図7は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧1である。 図8は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧2である。 図9は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、図柄組み合わせ一覧3である。 図10は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、条件装置一覧である。 図11は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、小役、再遊技役及びボーナス出現率一覧である。 図12は、本実施形態に係る回胴式遊技機の電気的全体構成図である。 図13は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのメインフローチャートである。 図14は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での設定変更装置制御処理のフローチャートである。 図15は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での復帰不可能エラー処理のフローチャートである。 図16は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(1枚目)のフローチャートである。 図17は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(2枚目)のフローチャートである。 図18は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。 図19は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での内部抽選実行処理のフローチャートである。 図20は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのAT状態移行制御処理のフローチャートである。 図21は、本実施形態に係る回動式遊技機における、主制御基板側でのAT抽選実行処理のフローチャートである。 図22は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での条件装置番号管理処理のフローチャートである。 図23は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのゲーム数上乗せ実行処理のフローチャートである。 図24は、本実施形態に係る回動式遊技機における、主制御基板側でのフリーズ抽選実行処理のフローチャートである。 図25は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのリール回転開始準備処理のフローチャートである。 図26は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での残りゲーム数管理処理のフローチャートである。 図27は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのRT状態移行制御処理のフローチャートである。 図28は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、RT状態遷移図である。 図29は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのAT中状態開始制御処理のフローチャートである。 図30は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、AT状態遷移図である。 図31は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での遊技区間移行制御処理のフローチャートである。 図32は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側でのタイマ割り込み時処理のフローチャートある。 図33は、本実施形態に係る回胴式遊技機における、主制御基板側での電源断時処理のフローチャートである。 図34は、演出・画像ユニットPIUと演出・画像ユニットPIUのカバーに形成されたファンICF(通風孔UVH)を示す正面図(A)と、演出・画像ユニットPIUの内部の構成を示す正面図(B)とである。 図35は、演出・画像ユニットPIUと演出・画像ユニットPIUのカバーに形成された通風孔UVHを示す斜視図(A)と、演出・画像ユニットPIUの内部の構成を示す斜視図(B)とである。 図36は、副制御装置Sにおけるリセット信号の送受信の概略を示すためのブロック図である。 図37は、サブメイン制御基板SMにおけるソフトウエアリセット信号出力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図38は、副制御装置Sにおけるファンアラート信号と温度アラート信号の出力の概略を示すためのブロック図である。 図39は、ファン回転数監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図40は、CPU温度監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図41は、サブメイン制御基板SMで実行される起動時監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図42は、サブメイン制御基板SMで実行される起動後監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図43は、副制御装置Sにおける第1のシリアル通信と第2のシリアル通信の送受信の概略を示すためのブロック図である。 図44は、演出制御基板PCBで実行される役物制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図45は、画像制御基板ICBで実行されるコマンド送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図46は、画像制御基板ICBで実行されるコマンド送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図47は、副制御装置Sにおける差動信号の送受信とシングルエンド信号の送受信の概略を示すためのブロック図である。 図48は、差動信号の処理のための構成を示すブロック図である。 図49は、シングルエンド信号の処理のための構成を示すブロック図である。 図50は、ツイストペアケーブルの構成を示す概略図である。 図51は、サブメイン制御基板SMにおける信号及び状態の変化、並びに画像制御基板ICBにおける信号及び状態の変化を示すタイムチャートである。 図52は、サブメイン制御基板SMに搭載された部品や素子などの配置を示す概略図である。 図53は、演出表示装置S40の上側に設けられた上側役物MAUと、下側に設けられた下側役物MABとを示す破断正面図(A)と、上側役物MAU及び下側役物MABが移動した状態を示す正面図(B)とである。 図54は、上側役物MAUが移動した状態を示す正面図(A)及び(B)である。 図55は、下側役物MABが移動した状態を示す正面図(A)及び(B)である。 図56は、上側役物MAU及び下側役物MABの回転部材の回転の状態を示す図である。 図57は、ホッパモータH80の駆動に係る回路構造を示すブロック図である。 図58は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。 図59は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的全体構成図である。
実施するための形態
<<<<回胴式遊技機>>>>
はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「乱数」とは、回胴式遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、CPUを含む主制御チップによって生成された内蔵乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技に移行するための特別役や入賞役(小役、再遊技役)と関連した「当選乱数」、等を挙げることができる。「CPU」とは、当業界において周知であるものと同義であり、使用されているアーキテクチャ(CISC、RISC、ビット数等)や処理性能等には何ら限定されない。「電断(電源断)」とは、遊技機に設けられた電源スイッチの操作実行有無に係らず、遊技機に供給される電源電圧が一定レベル以下となったことを指し、例えば、電源供給ユニットの破損や停電等による不測の事態による電源供給の遮断をも包含する。「ROM」とは、当業界において周知であるものと同義であり、情報を物理的に保持する(例えば、データ読み出し用の電流を与えた場合、導通する素子構成であれば「1」、導通しない素子構成であれば「0」となる)。RAMとは、当業界において周知であるものと同義であり、情報を電気的に保持する(例えば、データ読み出し用の電流を与えた場合、蓄電されていれば「1」、蓄電されていなければ「0」となる。尚、RAM内で保持されているデータの一部又はすべてに対して、電断時にはバックアップ電源が供給されるよう構成されていることが一般的である)。「遊技状態」とは、例えば、遊技メダルが獲得容易であり遊技者にとって有利な特別遊技状態(いわゆる大当り遊技であり、ボーナス遊技や第1種BB・第2種BB等と呼ばれるものが該当する)、再遊技役の当選率があらかじめ定められた値である通常遊技状態よりも再遊技役の当選率が高い(又は低い)状態である再遊技確率変動遊技状態(RT状態)、当選した役を入賞させるためのリールの停止順、停止位置を報知し得るAT(アシストタイム)中状態、前記RT状態とAT中状態とが複合したART(アシストリプレイタイム)状態、等が挙げられる。また、通常遊技状態においても、RT状態、AT中状態、ART中状態への移行抽選確率が異なる、高確率通常遊技状態、低確率通常遊技状態、等(本例では、抽選状態と称している)が挙げられる。また、遊技状態は複合しても問題ない{更に、これらの遊技状態や機能(例えば、AT中状態への移行抽選や、リールの停止順に係る報知指示の出力等)は、遊技進行を制御する主制御基板側ですべて実装してしまっても問題ない}。また、本例においては、ATに関する状態とRT状態とを個別に記載し、RT状態が「RT1」且つATに関する状態が「通常遊技状態」等と称しているが、RT状態とATに関する状態とを纏めてARTに関する状態としてARTに関する状態が「通常遊技状態」等と称してもよい。「当選役」とは、内部抽選により当選した条件装置の種類(又は、条件装置番号)である。「報知状態」とは、後述する押し順ナビを実行可能なATに関する状態であり、リール停止順によって入賞する役が相違しないために押し順ナビが実行されない条件装置が当選したゲームであっても、ATに関する状態が押し順ナビを実行可能な状態であれば「報知状態」とするよう構成している。「カウンタ値」とは「報知遊技実行可能数」とも称し、後述する、AT残りゲーム数もしくはATカウンタM60のカウンタ値である。例えば、「報知遊技実行可能数」が1以上(「0」となった当該遊技も含めても良い)である場合には後述する押し順ナビが実行され得る。また、「報知遊技実行可能数」として、小役(主に、押し順ベル役)が当選したことに基づいて得られる遊技媒体の差枚数(払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)や、押し順ベル役の当選回数、を採用しても良い。また、「特殊報知状態」とは、ATに関する状態のうち遊技者に最も有利となる状態であり、本例では、「上乗せ特化状態」と称している。また、「特定条件」とは、ATカウンタ値を減算し得る条件であり、例えば、1ゲームが終了した、所定役(例えば、押し順ベル役)が当選した、等が特定条件となる。「第1種特別役物」とは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものであり、RB(レギュラーボーナス)と称することがある。「第1種特別役物連続作動装置」とは、第1種特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動しあらかじめ定められた場合に作動を終了するものであり、BB(ビッグボーナス)や第1種BBと称することがある。「第2種特別役物」とは、役抽選の結果に拘らず入賞に係る条件装置を作動させることとなる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了するものであり、CB(チャレンジボーナス)と称することがある。「第2種特別役物連続作動装置」とは、第2種特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動しあらかじめ定められた場合に作動を終了するものであり、MB(ミドルボーナス)や第2種BBと称することがある。「普通役物」とは、規定数毎の入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は、規定数毎の入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了することとされているものであり、SB(シングルボーナス)と称することがある。「オールJACINタイプ」とは、第1種BB役が入賞した場合にJACINしたものとみなし、第1種BBの実行中においては常にRB中とする構成である。また、「JACIN抽選タイプ」とは、第1種BBの実行時にて非RB中とRB中とを繰り返し実行する構成である。また、「無制御リール」とは、停止操作を行った後に実行され得る引込み制御が実行されない状態のリールであり、停止操作を受け付けたリール位置から停止し得る最も近いリール位置にて停止する状態のリールである。「オールCBタイプ」とは、第2種BBの実行時にて常にCB中となる構成である。「CB移行抽選タイプ」とは、第2種BBの実行時にて非CB中とCB中とを繰り返し実行する構成である。
尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。
(本実施形態)
ここで、各構成要素について説明する前に、本実施形態に係る回胴式遊技機Pの特徴(概略)を説明する。以下、図面を参照しながら、各要素について詳述する。
まず、図1(一部の構成については図2)を参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機Pの前面側の基本構造を説明する。回胴式遊技機Pは、主に前扉(フロントドアとも称す)と、裏箱(キャビネット、基体とも称す)と裏箱内に設置されたリールユニット、ホッパ装置(ホッパHPとメダル払出装置Hとを含む)、電源供給ユニットE、主制御基板M(CPUMCを含む主制御チップCが搭載されている基板)、副制御装置S(CPUSC100を含む副制御チップSCが搭載されているサブメイン制御基板SM、演出・画像ユニットPIU)で構成される。以下、これらを順に説明する。
<前扉DU>
前扉DUは、遊技状態を視認可能にするための機構、遊技媒体の入力を可能にするための機構、リールユニットを操作するための機構、その他の機構等を含む。具体的には、遊技状態を視認可能にするための機構として、リール窓D160、投入数表示灯D210、操作状態表示灯D180、特別遊技状態表示装置D250、クレジット数表示装置D200、払出数表示装置(押し順表示装置)D270(押し順表示装置D270と称することもある)、ATカウンタ値表示装置D280、有利区間表示器YH等が取り付けられている。また、遊技媒体の投入や賭け数(ベット数)の入力を可能にするための機構として、メダル投入口D170、ベットボタンD220、投入された遊技媒体の払い出しを可能にするための機構として、精算ボタンD60が取り付けられている。そして、リールを操作するための機構として、スタートレバーD50、停止ボタンD40が取り付けられている。なお、本実施形態における回胴式遊技機は、スタートレバーD50、停止ボタンD40、メダル投入口D170、ベットボタンD220、精算ボタンD60、サブ入力ボタンSB等が取り付けられている遊技者側にせり出した形状の操作卓を備えている。以下、各要素について詳述する。
<遊技状態を視認可能にするための機構>
次に、遊技状態を視認可能にするための機構の要部について説明する。リール窓D160は、前扉DUの一部を構成する合成樹脂等によって形成された透明な部材であり、リール窓D160を通して遊技機枠内に設置されたリールユニットを視認可能に構成されている。また、投入数表示灯D210は、LEDによって構成されており、現在ベット(一の遊技を開始するために必要な遊技メダルを投入すること)されているメダル数と同数のLEDが点灯するよう構成されている。また、操作状態表示灯D180は、LEDによって構成されており、現在の操作状態(メダル受付可否状態、再遊技停止状態、遊技開始ウェイト状態等)に応じて点灯・消灯するよう構成されている。また、特別遊技状態表示装置D250は、7セグメントディスプレイによって構成されており、特別遊技中に払い出された払出数の総数が表示されるよう構成されている。尚、特別遊技状態表示装置D250を設けない構成としてもよく、そのように構成した場合には、後述する演出表示装置S40(第二情報表示部とも称することがある)にて当該払出数の総数を表示するよう構成することで遊技者は特別遊技中に払い出された払出数の総数を認識することができユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。また、クレジット数表示装置D200は、7セグメントディスプレイによって構成されており、遊技者の持ちメダルとして遊技機内に貯留されているメダル数の総数(クレジット数)が表示されるよう構成されている。また、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、7セグメントディスプレイによって構成されており、現在払出されている遊技メダル数及びリール停止順(左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43の停止順)によって入賞する役が相違し得る条件装置{いわゆる押し順役(押し順あり役とも称することがある)であるが、入賞する役や停止表示される図柄組合せが相違した場合には、遊技者に付される利益率(払出枚数、その後のRT状態等)が異なり得るよう構成されているものが一般的である}が成立したゲームにて、遊技者に最も有利となるリール停止順を報知し得るよう構成されている(当該報知を押し順ナビと称することがある)。このように、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、現在払出されている遊技メダル数と遊技者に最も高利益となるリール停止順との2つの表示を実行し得るよう構成されており、実行されている表示が2つの表示のうちいずれであるかを遊技者が誤認しないような表示態様となっており、当該表示態様の詳細は後述することとする。また、ATカウンタ値表示装置D280は、ATに関する状態(詳細は後述する)のうち、押し順表示装置D270(第一情報表示部とも称することがある)に表示された押し順ナビ表示に従って遊技を進行した場合に保障されることとなる遊技者にとって有利なATに関する状態(本例では、押し順ナビ状態、報知遊技とも称することがあり詳細は後述する)に滞在し得るゲーム数を表示し得るよう構成されている。尚、ATカウンタ値表示装置D280を設けない構成としてもよく、そのように構成した場合には、AT中状態に滞在し得るゲーム数を演出表示装置S40にて表示するよう構成することで遊技者は当該有利なATに関する状態が保障されているゲーム数を認識することができユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。尚、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、払出数表示装置と押し順表示装置との2つの装置に分けるよう構成してもよい。
また、有利区間表示器YHは、LEDによって構成されており、「有利区間」である場合には点灯し、「有利区間」でない場合には消灯するよう構成されている(点灯及び消灯タイミングについては後述する)。ここで、本例に係る回胴式遊技機においては、従来の回胴式遊技機と同様に、遊技メダルが獲得容易であり遊技者にとって有利な特別遊技状態(いわゆる大当り遊技であり、ボーナス遊技や第1種BB・第2種BB等と呼ばれるものが該当する)、再遊技役の当選率があらかじめ定められた値である通常遊技状態よりも再遊技役の当選率が高い(又は低い)状態である再遊技確率変動遊技状態(RT状態)、当選した役を入賞させるためのリールの停止順、停止位置を報知し得るAT(アシストタイム)中状態、前記RT状態とAT中状態とが複合したART(アシストリプレイタイム)状態、等を採り得るが、これらの「遊技状態」とは別に、「通常区間」、「待機区間」及び「有利区間」という3つの「遊技区間」のいずれかを設定可能となっている。このうち、「有利区間」が他の「遊技区間」よりも、遊技者にとって相対的に有利となるものとして位置付けられており、例えば、「遊技状態」がAT中状態やART状態であることと「有利区間」とが対応付けされている。即ち、「遊技状態」がAT中状態やART状態であると、有利区間表示器YHが点灯するのであるが、後述するように、「遊技区間」の設定制御も「遊技状態」の設定制御と同様に、遊技進行を制御する主制御基板側で行われるため、有利区間表示器YHの点灯/消灯状況によって、遊技進行状況が遊技者にとって相対的に有利なものとなっているか否かが、嘘偽りなく遊技者に対して伝達可能となっている。尚、後述するように、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定されるのであるが、その際には、残存するATに関する状態も強制的に終了させられる(AT中状態を維持するための情報がクリア・初期化される)ため、設定される「遊技区間」の変更が「遊技状態」の移行にも影響を与え得るものとなっており、それにより比較的設計自由度の高いAT中状態やART状態等の「遊技状態」によって、著しく射幸性が高まってしまうことを自動的に抑制できるものとなっているのである。尚、上述したように、「有利区間」が所定の上限ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達するまで継続すると「通常区間」が強制的に設定される、即ち、「有利区間」が終了することとなるが、「有利区間」の終了条件はこれには限定されない。本例に係る回胴式遊技機における「有利区間」の終了条件は、「押し順役(押し順あり役)を構成する小役の中で、払出し枚数が最も多い小役を獲得可能な押し順ナビ1回の実行(例えば、押し順役を構成する小役として、7枚、3枚、1枚の小役がある場合、払出し枚数が最も多い7枚が獲得可能な押し順ナビであって、押し順により7枚、又は1枚が獲得可能な押し順役と、押し順により3枚が獲得可能な押し順役があれば、3枚が獲得可能な押し順ナビは、ここでいう押し順ナビには該当しない)」、又は、「BB、RB、MB、のいずれかに当選」を満たし、且つ、「任意の終了条件(40G1セットのループ抽選に非当選(AT)、固定32G経過(ガセ前兆)等)」、又は、「有利区間1500G」を満たすことが終了条件となっている。尚、押し順ベル役が存在しないような仕様(例:RT状態を移行するためのリプレイの押し順は存在するが、押し順によって払出し枚数が異なる小役が存在しない仕様)の場合には、「払出し枚数が最も多い小役を獲得可能な押し順ナビ1回」という有利区間を終了するための条件は除外される。また、本実施形態では、押し順役を構成する小役として11枚役に対応する小役と1枚役に対応する小役を含む小役により構成されているため、「払出し枚数が最も多い小役を獲得可能な押し順ナビ1回の実行」とは、11枚のメダルが獲得可能(11枚役が入賞可能)な押し順を報知することを指す。
<遊技媒体の入力を可能にするための機構>
次に、遊技媒体の入力を可能にするための機構の要部について説明する。メダル投入口D170は、遊技メダルの投入口であり、メダル受付可能状態である状況下において当該投入口に投入された遊技メダルは遊技機内部へと誘導される。また、図2に示すように、遊技機内部にはメダルの投入を検出するセンサとして、投入受付センサD10sと、第1投入センサD20sと、第2投入センサD30sと、が設けられており、遊技機内部へと誘導された遊技メダルが正常に投入されたと判断した場合に、投入されたメダルをベットされたメダルとして検出し得るよう構成されている。また、ベットボタンD220は、遊技者によって操作可能に構成されており、操作によって、貯留されているメダル(クレジットのメダル)をベットすることができるよう構成されている。また、精算ボタンD60は、遊技者によって操作可能に構成されており、操作によって、貯留されているメダル(クレジットのメダル)及び/又はベットされているメダルを遊技者に払い戻すことが可能となっている。尚、精算ボタンD60の操作によって払い戻された遊技メダルは、放出口D240に払い出されるよう構成されている。
<リールユニットを操作するための機構>
次に、スタートレバーD50は、遊技者によって操作可能に構成されており、操作によってリールの動作を開始可能に構成されている。また、停止ボタンD40は、遊技者によって操作可能な左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43を備えており、夫々の停止ボタンを操作することによってリールの動作を順次停止可能に構成されている。
<前扉DUに設けられたその他の機構>
次に前扉DUに設けられたその他の機構の要部について、前扉DUを開いて回胴式遊技機Pの内部の構成を示した図2も参照しつつ説明する。前扉DUには、遊技の興趣性を高めるための機構として、予告演出や背景演出等の演出を表示するための演出表示装置S40、様々な点灯態様にて点灯し得る遊技効果ランプD26(不図示)、信号中継用の扉基板D、投入されたメダルの検出等を行なうメダルセレクタDS、サウンドを出力し得るスピーカS20、合成樹脂等によって形成された部材である、中パネル(中装飾パネル)、上パネルD130及び下パネルD140、等が設けられている。演出表示装置S40は、上パネルに形成された透視領域を介して演出等を表示する表示部が視認可能となるように前扉DUの裏面側上部に取り付けられている。なお、演出表示装置S40の背面には、詳細は後述するが、副制御装置Sの一部として機能する演出・画像ユニットPIU(画像制御基板ICB、演出制御基板PCB等)がケースに収容されて演出表示装置S40に重なるように取り付けられている。また、前述した上パネルD130の上側、右側及び左側の各々には、LEDランプS10が設けられており、LEDランプS10は、回胴式遊技機Pの遊技の進行に応じて発光する発光源を有している。次に、前扉DUの背面におけるリール窓D160の下方には、扉基板Dが取り付けられており、この扉基板Dには、前述した停止ボタンD40や、スタートレバーD50、精算ボタンD60等の入力信号が入力され、入力された信号を直接或いは加工して後述する主制御基板Mに出力する中継基板の機能を有している。また、メダル投入口D170に対応し、前扉DUの背面における扉基板Dの付近には、詳細後述するメダルセレクタDSが設けられており、メダル投入口D170から投入されたメダルの検出並びに簡易的な真贋を行ない、適正なメダルを後述するホッパHPに案内し、不適正なメダルを後述するメダル受け皿D230に返却する機能を有している。更に、扉基板Dの下方の左右にスピーカS20が夫々1つずつ設けられている。中パネルは、操作卓の上側、上パネルD130の下側の部分であり、前述したリール窓を含むパネル部分である。また、前述した操作卓D190に取り付けられているサブ入力ボタンSBとは、ボタン連打演出等に用いる部材であり、遊技者のサブ入力ボタンSBの操作により、ミニゲーム(例えば、「AT中状態」への突入の成否の演出)等の進行を実行し得るよう構成された部材である。なお、回胴式遊技機Pの前扉DUには、放出口D240から放出された遊技メダル(或いは単にメダルと呼ぶことがある)を受けるメダル受け皿D230、前扉DUの開閉状態を検出可能な扉スイッチD80が設けられている。また、前扉DUには鍵穴D260が設けられており、鍵穴D260の形状と整合するキー(ドアキー)を鍵穴D260に差し込む{加えて、所定の方向(例えば、時計回り)に捻る}ことで、前扉DUを開放し得るよう構成されている。更に、本実施形態においては、ドアキーを鍵穴D260に差し込む{加えて、所定の方向(例えば、反時計回り)に捻る}ことで、エラー状態(ドア開放エラー等)を解除し得るよう構成されている。
また、図53〜図56に示すように、演出表示装置S40の上側には上側役物MAUが揺動可能に配置され、下側には、下側役物MABが揺動可能に配置されている。上側役物MAUが動作していないときには、演出表示装置S40の上部の上パネルD130の裏側の領域に収納され、下側役物MABが動作していないときには、演出表示装置S40の下部の上パネルD130の裏側の領域に収納されている。上側役物MAU及び下側役物MABが動作するときには、上パネルD130の裏側から移動して演出表示装置S40の前面に現われる。なお、上側役物MAU及び下側役物MABの動きについては後述する(図53〜図56参照)。
次に裏箱(キャビネット、基体とも称す)並びに、裏箱内に設置される各装置について説明する。
裏箱の略中央には、リール窓D160を介してその一部が視認可能となるようにリールユニットが取付られている。リールユニットは、リールM50とリールM50の駆動源(ステッピングモータ等)とを備えている。また、リールM50は、左リールM51、中リールM52、右リールM53を備えている。ここで、夫々のリール部は合成樹脂等により形成され、リール部の外周上(リール帯上)には複数の図柄が描かれている。そして、スタートレバーD50及び停止ボタンD40における各停止ボタンの操作に基づき、夫々のリール部の回転動作及び停止動作を可能とするよう構成されている。また、図示しないが、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の内部にはLED(以下、リールバックライトと呼ぶことがある)が設けられており、LEDが点灯した際にはリール部外周を透過した光によって、リール部外周が点灯したように視認できるよう構成されている。また、リールM50の上方には、各リール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)を駆動するための後述する回胴基板Kが格納されている。
また、リールM50の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板Mが格納され、リールM50の左方には、詳細は後述するが、図1に示した演出表示装置S40、LEDランプS10、スピーカS20等を用いて行われる各種演出の制御を司る副制御装置Sの一部として機能するサブメイン制御基板SMが格納されている。なお、主制御基板Mには、後述する設定変更装置制御処理を実行するため(設定変更を行うため)に使用する設定キースイッチM20、設定値の変更やエラー解除等を実行し得る設定/リセットボタンM30が接続されている。図2において、設定キースイッチM20、設定/リセットボタンM30については何れも不図示としているが、主制御基板Mの基板上等の適宜位置に設けられていればよい(即ち、前扉DUを開かなければ人為的なアクセスが困難な位置に設けられていればよい)。
リールM50の下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパHPや、遊技メダルを払い出すメダル払出装置Hが設けられており、回胴式遊技機P全体に電源を供給するための電源基板Eが格納されている。メダル払出装置Hから払い出された遊技メダルは、コインシュータD90を通って、放出口D240から払い出されるようになっている。また、電源基板E(電源供給ユニットEとも称することがある)の前面には、回胴式遊技機Pの電源を投入するための電源スイッチE10も設けられている。なお、メダル払出装置Hの詳細については後述する。
<メダルセレクタDS>
次に、メダルセレクタDSについて、図3を交えつつ詳細に説明する。図3は、回胴式遊技機P内部における、メダル投入口D170に投入された遊技メダルの経路(セレクタ)を示した斜視図である。メダルセレクタDSは、扉基板Dの付近にメダル投入口D170から投入された遊技メダルの通路となる投入受付センサD10sが設けられており、投入受付センサD10sの下方には、遊技メダルを放出口D240に導くためのコインシュータD90などが設けられている。投入受付センサD10sは、メダル投入口D170から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有しており、この機能により適合しないと判断されたメダル(又は、その他の異物)は、ブロッカD100により放出口D240に払い戻されるよう構成されている。遊技者がスタートレバーD50を操作する前に(遊技メダルの投入が有効である状態にて)遊技メダルを投入すると、遊技メダルは投入受付センサD10sによって選別され、規格を満足しているものだけがホッパHP内に投入され、規格を満たしていないメダルは、コインシュータD90を通って、放出口D240に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバーD50が操作された後に(遊技メダルの投入が有効でない状態にて)遊技メダルが投入された場合は、規格を満たしているか否かに拘らず、投入された遊技メダルはコインシュータD90を通って、放出口D240に返却される。また、投入受付センサD10sの内部(流路の奥)には、詳細後述するメダル投入に係るセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルが通過すると、第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sによって検出されて、その信号が後述する主制御基板Mに供給されるようになっている。
次に、メダル投入に係るセンサについて詳述する。メダル投入口D170に投入された遊技メダルは、まず投入受付センサD10sを通過する。投入受付センサD10sは機械式のダブルセンサになっており、遊技メダルが通過することによって、2つの突起した機構が押下されることによりオンとなり遊技メダルが正常に通路を通過することができることとなる。また、このような構成により、遊技メダルではない異物(規格を満足していない異物であり、例えば、遊技メダルよりも径が小さいもの)が投入された場合には、2つの突起した機構が押下されない。このようなメダルは、起立した状態をメダルが維持できないため、通路を通過できず(メダルが倒れこむ)、前述したようにコインシュータD90を通って放出口D240に払い戻されることとなる。そのほかにも、投入受付センサD10sは、オンとなっている時間が所定時間以上連続した場合等にも、エラーであると判定し得る(その結果、ブロッカD100がオフとなり得る)よう構成されている。
遊技メダルがブロッカD100を正常に通過した場合に、通過直後に第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sを通過することとなる。この投入センサ(第1投入センサD20s及び第2投入センサD30s)は2つのセンサで構成されており(遊技メダルの規格上の直径よりも小さい間隔で隣接配置されており)、夫々のセンサのオン・オフ状況(第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sのオン・オフの組み合わせの遷移していく順序、等)及びオン・オフとなっている時間を監視することにより様々なエラーを検出可能に構成されている。
<メダル払出装置H>
次に、図4のメダル払出装置Hの正面図及び上面図を用いてメダル払出装置Hを詳細に説明する。メダル払出装置Hは、クレジット(遊技機内部に電子的に貯留されている遊技メダル)又はベットされているメダル(遊技を開始するために投入されたメダル)が存在する状態で、精算ボタンが操作された、又は、入賞により遊技メダルが払い出される場合に作動することとなる。作動する場合には、まず、ホッパモータH80が駆動することにより、ディスク回転軸H50aを中心にディスクH50が回転する。回転によりメダル払出装置H内の遊技メダルは放出付勢手段H70を変位させて遊技メダル出口H60から放出口D240に向かって流下していくこととなる。尚、払出センサ(第1払出センサH10s及び第2払出センサH20s)は2つのセンサで構成されており、夫々のセンサのオン・オフ状況(第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sのオン・オフの組み合わせの遷移していく順序、等)及びオン・オフとなっている時間を監視することにより様々なエラーを検出可能に構成されている。より具体的には、例えば、遊技メダル出口H60を正常に通過する際には、放出付勢手段H70の変位により、第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オフの状態から、第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オフ→第1払出センサH10s=オン・第2払出センサH20s=オフ→第1払出センサH10s=オン・第2払出センサH20s=オン→第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オン→第1払出センサH10s=オフ・第2払出センサH20s=オフ、というセンサ状態遷移となるため、このセンサ状態遷移と反する動きを検出した場合には、エラーとするよう構成することを例示することができる。このように、メダル払出装置Hは、利益に直結する構造物であるため、不正防止を図るべく払出センサ(第1払出センサH10s及び第2払出センサH20s)の入力異常等を検出しているが、本実施例においては、ホッパモータH80の駆動に係る回路構造等に新たな対策を講じている。この点については、別途後述する(図57参照)。
次に、図5は、本実施形態における、回胴式遊技機の基本仕様一覧である。本実施形態に係る回胴式遊技機は、規定数(1ゲームにてベットできる遊技メダルの最大枚数)が3枚、左リールM51、中リールM52及び右リールM53のコマ数はいずれも20コマ、入賞判定される有効ラインは「左リールM51上段、中リールM52中段、右リールM53下段」の1ラインとなっている。尚、最大払出枚数は11枚、最小払出枚数は1枚(入賞役と払出枚数との対応付けは後述)である。また、優先入賞順(引き込み優先順)は、「再遊技役→小役(ベル、スイカ、等)→ボーナス」となっており、例えば、再遊技役とボーナスが同時に成立している場合には、再遊技役となる図柄組み合わせが停止表示し且つボーナスは入賞不能である。また、ベルとスイカが成立している場合には、どちらも引き込める位置(入賞する停止位置まで4コマ以内の位置)で停止ボタンを押した場合には払出枚数が多い小役を優先して引きこむよう構成されている。尚、同図に示した構成はあくまで一例であり、各リールのコマ数を変更(例えば、21コマに変更)したり、有効ラインの構成を変更(例えば、横3ライン、斜め2ラインの5ラインに変更、左リールM51下段、中リールM52中段、右リールM53上段の1ラインに変更)しても何ら問題ない。また、特に押し順によって遊技者にとって異なる利益が付与される押し順小役が当選したときの引き込み制御としては、予め定められた正解の押し順で操作された場合には払出し枚数の多い小役を優先して引き込むように制御(枚数優先制御)しており、正解の押し順とは異なる不正解の押し順で操作された場合には停止表示可能な(停止操作から4コマ以内の位置に配置されている)図柄のうち入賞可能性を高める(入賞可能な複数図柄組合せのうち入賞する可能性が最も多くなる)図柄を引き込む制御(個数優先制御)を行っている。
次に、図6は、本実施形態における、回胴式遊技機のリール配列一覧である。同図に示されるように、左リールM51、中リールM52及び右リールM53のコマ数はいずれも20コマ(0番〜19番)であり、図柄は「黒セブン」、「白セブン」、「羊」、「ブランク」、「ベル」、「リプレイA」、「リプレイB」、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」の10種類となっている。ここで、「ブランク」は、その他の図柄と同様に当選役を構成する図柄組み合わせに含まれる図柄であり、当選役を構成しない図柄という意味ではなく、「ブランク」を含む当選役を構成する図柄組み合わせとしては、例えば、「スイカB・リプレイA・ブランク」で再遊技02となっている。尚、同図に示した構成はあくまで一例であり、図柄の種類を増減・変更しても何ら問題ない。
次に、図7〜図9は、本実施形態における図柄組み合わせ一覧1〜3である。本実施形態においては、夫々の条件装置に対して複数の図柄組み合わせが存在しており、後述するように、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の停止順番や停止位置に応じて、いずれか一の図柄組み合わせが有効ライン(前述した1ライン)上に停止表示されるよう構成されている。尚、有効ライン上に同一種類の図柄が揃っていない場合にも遊技者から見ると有効ライン以外のライン上にて一列に同一の図柄が揃いやすく構成されている(スイカの場合には中段に横一直線に揃う等、リール上のいずれかに一直線にスイカ図柄が3つ揃うよう構成されている)。また、本実施形態においては、第1種BB役(いわゆる第1種特別役物に係る役物連続作動装置であるが、以下、単にBB役と呼ぶことがある)となる図柄組み合わせして、1種BB‐A(RB−Aを連続作動させ、264枚を超える払出で終了)となる「羊・羊・羊」と、1種BB‐B(RB−Bを連続作動させ、132枚を超える払出で終了)となる「黒セブン・黒セブン・黒セブン」と、1種BB‐C(RB−Bを連続作動させ、132枚を超える払出で終了)となる「白セブン・白セブン・白セブン」との3つの図柄組み合わせを有している。尚、本実施形態においては、第1種BB役が入賞し、BBが実行された(役物が作動した)場合には、当該BB実行中においては、BB中のすべてのゲームにおいて、1つの抽選テーブルを参照して、役物以外の当選役(小役、再遊技役)を抽選するよう構成されている(1回のBBの実行中において役抽選の際に参照するテーブルを切り替えない方式であり、以下、オールJACINタイプと呼ぶことがある)。尚、第1種BB役の形式に関しては、これには限定されず、1回のBBの実行中において役抽選の際に参照するテーブルを切り替え得るよう構成してもよい。また、RT状態が「RT1」である場合に14番〜16番に対応する再遊技04となる図柄組み合わせが停止表示されると、RT0に移行するよう構成されている(RT状態の詳細については後述する)。尚、「RT1」よりも「RT0」の方が遊技者に不利なRT状態であるため、「RT1」から「RT0」に移行することを転落すると称することがある。また、17番に対応する再遊技05となる図柄組み合わせが停止表示されると、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の下段に「黒セブン」が停止表示され得ることとなり、18番に対応する再遊技05となる図柄組み合わせが停止表示されると、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の下段に「白セブン」が停止表示され得ることとなる(詳細は後述することとする)。また、後述する「入賞‐A1」〜「入賞‐A6」の条件装置である押し順ベルが当選した場合には、遊技者にとって最も有利な押し順にてリールを停止させると、21番〜27番に対応する「入賞01」〜「入賞03」となる図柄組み合わせが停止表示され、11枚の遊技メダルが払い出される一方、遊技者にとって最も有利な押し順とは異なる押し順にてリールを停止させると、39番〜56番に対応する「入賞08」〜「入賞11」となる図柄組み合わせが停止表示され、1枚の遊技メダルが払い出されることとなる。尚、同図における「‐」はいずれの図柄が停止表示されてもよい旨を示しており、例えば、23番に対応する「ベル・‐・ベル」は左リールM51及び右リールM53の有効ライン上にベルが停止表示されれば中リールM52の有効ライン上にはどの図柄が停止表示されても11枚の遊技メダルが獲得できる。
次に、図10は、本実施形態における条件装置一覧である。尚、同図においては、条件装置番号を当選番号と称しており、以降においても条件装置番号を当選番号と称することがある。本実施形態においては、再遊技役は再遊技‐A〜再遊技‐D3(当選番号1〜6)まで設けられており、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の停止順番や停止位置に応じて、停止表示する再遊技役が相違し得るよう構成されている。ここで、本実施形態においては、最も右の列である「条件装置」の項目に図示されているように、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の停止順番や停止位置に応じて複数種類の条件装置が停止表示され得るよう構成されており、当該複数種類の条件装置のうち同一の当選番号となる条件装置を纏めて、右から3番目の列である「条件装置(名称)」の項目にて図示している。具体的には、例えば、当選番号1に対応する条件装置である「再遊技‐A」においては、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の停止順番や停止位置に応じて、「再遊技01」、「再遊技02」、「再遊技03」の3種類の条件装置が停止表示され得るよう構成されている。尚、「条件装置(名称)」を単に条件装置を称することがある。また、「再遊技01」等の再遊技に関する条件装置を再遊技役と称することがあり、「入賞01」等の入賞することで遊技メダルが払い出される条件装置を小役と称することがあり、「1種BB‐A」等の停止表示されることによりBBが開始することとなる条件装置をBB役と称することがある。また、当選番号21〜23及び25〜27に当選した場合には、BB役と小役とが重複して当選することとなり、そのような場合には、当選した小役に対応する図柄が停止表示し得る位置にて左停止ボタンD41、中停止ボタンD42及び右停止ボタンD43を操作するとBB役に対応する図柄が停止表示せずに小役に対応する図柄が停止表示する一方、小役に対応する図柄が停止表示しない(引き込めない)位置にて左停止ボタンD41、中停止ボタンD42及び右停止ボタンD43を操作すると小役に対応する図柄が停止表示せずにBB役に対応する図柄が停止表示するよう構成されている。具体的には、例えば、当選番号21の条件装置である「1種BB‐B+入賞‐C」に当選した場合には、「入賞12」又は「入賞13」であるチェリーと、「1種BB‐B」である黒セブンとのいずれかが停止表示し得ることとなる。より具体的には、左リールM51→中リールM52→右リールM53の順番にリールを停止させる場合において、(1)第1停止にて左リールM51の上段に図柄番号0〜4番(図6のリール配列を参照)が位置している操作タイミングにて左停止ボタンD41を操作した場合には、左リールM51の上段に「入賞12」に対応する図柄番号4番が停止し、中リールM52及び右リールM53の停止位置に拘らず、「入賞12」が停止表示される。(2)第1停止にて左リールM51の上段に図柄番号5〜12番が位置している操作タイミングにて左停止ボタンD41を操作した場合には、左リールM51の上段に「入賞13」に対応する図柄番号6番、11番、又は16番が停止し、中リールM52及び右リールM53の停止位置に拘らず、「入賞13」が停止表示される。(3‐1)第1停止にて左リールM51の上段に図柄番号13〜19番が位置している操作タイミングにて左停止ボタンD41を操作した場合には、左リールM51の上段に「1種BB‐B」に対応する図柄番号17番又は19番が停止する。(3‐2)第2停止にて中リールM52の中段に図柄番号14〜18番が位置している操作タイミングにて中停止ボタンD42を操作した場合には、中リールM52の中段に「1種BB‐B」に対応する図柄番号18番が停止し、その後、第3停止にて右リールM53の下段に図柄番号13〜17番が位置している操作タイミングにて右停止ボタンD43を操作した場合には、右リールM53の下段に「1種BB‐B」に対応する図柄番号17番が停止し、BB役が停止表示されることとなる。(3‐3)第2停止にて中リールM52の中段に図柄番号19〜13番が位置している操作タイミングにて中停止ボタンD42を操作した場合には、中リールM52の中段に「1種BB‐B」に対応する図柄番号18番が停止できず、いずれの条件装置も停止表示されないこととなる。
次に、「役割」の項目には、「条件装置(名称)」がどのような役割となっているかを図示しており、当選番号1に対応する「通常リプレイ」は、停止ボタンの押し順に拘らず、RT状態が移行しない再遊技役が停止表示される再遊技に係る条件装置であり、当選番号2に対応する「逆押し白7揃いリプレイ」は、停止ボタンの押し順に拘らず、RT状態が移行しない再遊技役が停止表示される再遊技に係る条件装置であるが、逆押し(右リールM53→中リールM52→左リールM51の順にリールを停止させること)にて、右リールM53の図柄番号18〜2番の範囲、中リールM52の図柄番号9〜13番の範囲、左リールM51の図柄番号5〜10番の範囲が各リールの下段に位置している操作タイミングにて停止ボタンを操作することにより、右リールM53、中リールM52及び左リールM51の下段に「白セブン」が停止表示され、遊技者から見ると白セブンが下段に揃っているように見えるよう構成されている。尚、再遊技‐Bに当選し、AT上乗せ抽選に当選したゲームにおいて、逆押しで「白セブン」を狙うよう指示する演出(詳細は後述する)を実行することにより、AT上乗せ抽選に当選した旨を遊技者に報知し得るよう構成されている。当選番号3に対応する「順押し黒7揃いリプレイ」は、停止ボタンの押し順に拘らず、RT状態が移行しない再遊技役が停止表示される再遊技に係る条件装置であるが、順押し(左リールM51→中リールM52→右リールM53の順にリールを停止させること)にて、左リールM51の図柄番号13〜19番の範囲、中リールM52の図柄番号14〜18番の範囲、右リールM53の図柄番号13〜17番の範囲が各リールの下段に位置している操作タイミングにて停止ボタンを操作することにより、左リールM51、中リールM52及び右リールM53の下段に「黒セブン」が停止表示され、遊技者から見ると黒セブンが下段に揃っているように見えるよう構成されている。尚、再遊技‐Cに当選し、AT上乗せ抽選に当選したゲームにおいて、順押しで「黒セブン」を狙うよう指示する演出(詳細は後述する)を実行することにより、AT上乗せ抽選に当選した旨を遊技者に報知し得るよう構成されている。
また、当選番号4に対応する「RT維持RP1**(3択)」は第1停止リールを左リールM51と中リールM52と右リールM53とのいずれにするか(いずれの停止ボタンを操作するか)によって、停止表示される再遊技役が相違し得る条件装置であり、第1停止リールを左リールM51とした場合には、RT状態が移行しない再遊技01、再遊技02又は再遊技03が停止表示され、第1停止リールを中リールM52又は右リールM53とした場合には、RT状態が「RT1」から「RT0」に移行し得る再遊技04が停止表示される。また、当選番号5に対応する「RT維持RP*1*(3択)」は第1停止リールを左リールM51と中リールM52と右リールM53とのいずれにするか(いずれの停止ボタンを操作するか)によって、停止表示される再遊技役が相違し得る条件装置であり、第1停止リールを中リールM52とした場合には、RT状態が移行しない再遊技03が停止表示され、第1停止リールを左リールM51又は右リールM53とした場合には、RT状態が「RT1」から「RT0」に移行し得る再遊技04が停止表示される。また、当選番号6に対応する「RT維持RP**1(3択)」は第1停止リールを左リールM51と中リールM52と右リールM53とのいずれにするか(いずれの停止ボタンを操作するか)によって、停止表示される再遊技役が相違し得る条件装置であり、第1停止リールを右リールM53とした場合には、RT状態が移行しない再遊技01又は再遊技03が停止表示され、第1停止リールを左リールM51又は中リールM52とした場合には、RT状態が「RT1」から「RT0」に移行し得る再遊技04が停止表示される。
また、当選番号7〜12に対応する、「押し順ベル123」〜「押し順ベル321」は、リール停止順を6択のいずれとするかによって入賞する小役が相違し得る条件装置であり、例えば、「左リールM51:1、中リールM52:2、右リールM53:3」となっており「123」の場合「左リールM51→中リールM52→右リールM53」の押し順で停止させるという意味であり、例えば、「入賞A‐1」(当選番号7)の場合には、「123」=「左→中→右」の順に停止させる(押し順に正解する)と最大獲得枚数である11枚の遊技メダルが獲得できる「入賞01」となる図柄組み合わせが停止表示することとなる。尚、「押し順ベル123」の「123」等はその当選番号における最大獲得枚数を獲得可能な押し順(リール停止順)を示している。尚、最大獲得枚数を獲得可能な押し順以外の押し順にてリールを停止させた場合には、即ち、押し順に正解できないと1枚の払出となるよう構成されており、このように構成することで、「AT中状態」等のATに関する状態にて再遊技役の押し順やベルの押し順をナビ(押し順表示装置D270にて最高利益となる押し順を表示)し、「通常遊技状態」等のATに関する状態には押し順をナビしないという遊技者の利益率が異なる複数の遊技状態を創出することができる。尚、ATに関する状態については後述する。
また、当選番号13に対応する、「共通ベル」は、入賞04〜入賞07のいずれが停止しても最大獲得枚数である11枚の遊技メダルが獲得できる、即ち、押し順に拘らず最大利益が獲得できる条件装置であり、押し順不問ベルと称することがある。また、当選番号15に対応する、「スイカA」は、平行ラインにスイカ(スイカAとスイカBのいずれか)が3つ揃いし易いよう構成されており、例えば、図9における60番の入賞14は各リール中段にスイカAが3つ揃いすることとなる。また、当選番号16に対応する、「スイカB」は、斜めラインにスイカ(スイカAとスイカBのいずれか)が3つ揃いし易いよう構成されており、例えば、図9における66番の入賞16は左リールM51上段にスイカB、中リールM52中段にスイカB、右リールM53下段にスイカAのように、斜め右下がりにスイカが3つ揃いすることとなる。また、当選番号17に対応する、「BB中弱レア小役(斜めベル揃い)」は、有効ライン上にベルが3つ揃いし得る条件装置であり、詳細は後述するが、BB中に当選することによってAT上乗せ抽選が実行される条件装置である。また、当選番号18に対応する、「BB中強レア小役(V字ベル揃い)」は、左リールM51上段、中リールM52中段、右リールM53上段にベルが停止表示され得る条件装置であり、詳細は後述するが、BB中に当選することによってAT上乗せ抽選が実行される条件装置である。
次に、「ボーナス当選情報」の項目には、0〜3までの数値が当選番号毎に振り分けられている。本実施形態においては、ボーナス(BB役)が含まれない当選番号はボーナス当選情報を0とし、ボーナス(BB役)が含まれる当選番号として、1種BB‐Aが含まれる当選番号(19)のボーナス当選情報を1、1種BB‐Bが含まれる当選番号(20〜23)のボーナス当選情報を2、1種BB‐Cが含まれる当選番号(24〜27)のボーナス当選情報を3としている。ボーナス当選情報を主制御基板Mが記憶することによっていずれのBB成立の有無やいずれのBB役に当選したかに係る情報を記憶することができる。尚、ボーナス当選情報の詳細については後述する。
次に、「入賞・再遊技当選情報」の項目には、0〜18までの数値が当選番号毎に振り分けられている。本実施形態においては、再遊技役と小役とが含まれない当選番号(ハズレに対応する当選番号0とボーナスに対応する当選番号19・20・24)は入賞・再遊技当選情報を0とし、再遊技役又は小役が含まれる当選番号に対して1〜18入賞・再遊技当選情報を条件装置毎に振り分けている。入賞・再遊技当選情報を主制御基板Mが記憶することによっていずれの再遊技役又は小役に当選したかに係る情報を記憶することができる。尚、入賞・再遊技当選情報の詳細については後述する。
次に、「演出グループ番号」の項目には、0〜11までの数値が当選番号毎に振り分けられている。演出グループ番号を主制御基板M側から副制御装置S側に送信することによって、副制御装置S側が実行する演出を決定することができるよう構成されている。尚、演出グループ番号の詳細については後述する。
次に、「出玉グループ番号」の項目には、0〜13までの数値が当選番号毎に振り分けられている。出玉グループ番号を主制御基板Mが記憶し、当該記憶した出玉グループ番号をATに関する抽選(例えば、AT抽選、AT上乗せ抽選)を実行する際に使用することにより、ATに関する抽選処理を実行するためのプログラム、データ容量を削減することができる。尚、出玉グループ番号が0となる条件装置が当選してもAT抽選及びAT上乗せ抽選は実行されない。一方、出玉グループ番号が0でない条件装置が当選した場合には、AT抽選又はAT上乗せ抽選が実行され得ることとなる。尚、出玉グループ番号の詳細については後述する。また、出玉グループ番号が0となる条件装置が当選した場合にも、AT抽選又はAT上乗せ抽選が実行され得るよう構成してもよく、そのように構成した場合には、出玉グループ番号が0となる条件装置が当選してAT抽選又はAT上乗せ抽選が実行された場合には、当該抽選結果がかならずハズレ(非当選)となるよう構成することが好適である。
次に、図11は、本実施形態における小役、再遊技役に関する当選番号(条件装置番号、当選役とも称す)及びボーナス(BB、BB役とも称す)が役抽選手段により決定される抽選確率(当選率とも称する)を示す一覧である。同図においては、当選番号の当選率を図示している。
まず、BB未作動時である「RT0」、「RT1」、「RT2」及び「RT3」における抽選確率について詳述する。本実施形態においては、RT状態によって当選役(特に、再遊技役)の出現率(抽選確率)が相違し得るよう構成されており、「再遊技役」(すべての再遊技役を合計した出現率)は「RT1」の場合においてその他のRT状態よりも出現率が高くなっている。また、当選番号4〜6にて停止表示し得る「再遊技04」(いわゆる転落再遊技役であり、「RT1」であり且つボーナスが当選していない状況下において当該再遊技役に対応する図柄組合せが停止表示されると、以降「RT0」に移行することとなる)は「RT1」にて主に当選し、「RT0」及び「RT3」においてはほぼ出現しないようになっている。尚、「RT2」においては、当選番号4〜6にて停止表示し得る「再遊技04」が出現し得ることとなるが、「再遊技04」が停止表示されてもRT状態は移行しない。尚、「RT1」において「再遊技04」が停止表示された場合には、「RT0」に移行した、即ち、RT状態が転落した旨を報知する演出である転落演出(例えば、演出表示装置S40に「残念」と表示)を実行し、「RT0」において「再遊技04」が停止表示された場合には、転落演出を実行しないよう構成してもよい。そのように構成することにより、「再遊技04」が停止表示されたにも拘らず、転落演出が実行されなかったことにより、BBに当選していることを認識することができ、遊技の興趣性を高めることができる。尚、そのように構成した場合には、「再遊技04」が停止表示されたことにより出力される効果音と「再遊技04」以外の再遊技役(例えば、RT状態が移行しない「再遊技01」)が停止表示されたことにより出力される効果音とが相違するよう構成してもよく、そのように構成することにより、「再遊技04」が停止表示されたことを遊技者が認識し易く構成することができる。また、押し順ナビが発生しないATに関する状態(例えば、「通常遊技状態」であり、非AT遊技状態と称することがある)である場合と押し順ナビが発生し得るATに関する状態(例えば、「AT中状態」であり、AT遊技状態と称することがある)である場合との両方の場合において「RT1」に滞在することがある。このとき、「RT1」から「RT0」へ移行(転落)する可能性がある当選番号が当選したとき、非AT遊技状態のときにはRT状態が転落する可能性があることを示す特殊な効果音をスタートレバーD50の操作に基づいて出力しないように構成されていても良い。これにより、非AT遊技状態においては「RT0」に転落する可能性があることを遊技者に悟らせることなく、遊技状態を移行させることが可能となる。一方、AT遊技状態のときにはRT状態が転落する可能性があることを示す特殊な効果音をスタートレバーの操作に基づいて出力する(且つ、RT状態が転落しない再遊技役が停止表示される押し順ナビを報知する)ように構成されていても良い。これにより、RT状態が転落しないよう遊技者は気を付けて、特殊な効果音が報知された以降の停止ボタンD40の操作を行なうことが可能となる。また、当選番号2又は3にて停止表示し得る「再遊技05」(AT状態にて停止表示された場合にAT上乗せ抽選に当選した旨を報知し得る再遊技役)は主に「RT1」で出現し、その他のRT状態ではほぼ出現しないようになっている。尚、これら再遊技役となる図柄組み合わせの停止表示に伴うRT状態に関する状態の遷移については後述する。また、後述するように、本実施形態においては、遊技者に最も有利となるリール停止順を報知する押し順ナビを押し順表示装置D270及び演出表示装置S40にて実行し得るよう構成されている。尚、当該抽選確率を適宜変更しても何ら問題ない。また、本実施形態においては、ボーナスは小役と重複し得るよう構成されており、スイカA、スイカB、チェリーの一部と重複している。具体的には、当選番号21〜23及び当選番号25〜27がボーナスと小役とが重複している条件装置となっている。尚「RT0」と「RT3」とでは、再遊技役の当選確率や当選する再遊技役の種類が類似しており、副制御装置S側で実行される演出傾向も類似するよう構成することにより、RAMクリア実行後に「RT3」となり、その後、全遊技を通して最も滞在比率が高いRT状態である「RT0」に移行する場合にも、遊技者は常に「RT0」に滞在しているように感じ易く、違和感なく遊技を進行することができることとなる。
また、「RT2」である状況においては、BBに当選しており、且つ、BBが未作動である状況であるため、当選番号20及び24のBB役(小役とは重複していない単独のBB役であり、単独BB役、単独BBと称することがある)に当選した場合には、BB役の新たな当選は無効となり、小役の当選のみが有効となる。具体的には、例えば、「RT2」であり、且つ、1種BB‐Aに当選している(持ち越している)状況下、当選番号24の「1種BB‐C」に当選した場合には、当該当選番号24に係る1種BB‐Cは無効となる。即ち、当選番号0の「ハズレ」に当選した場合と同様の状況となる。尚、持ち越している1種BB‐Aは当選している状態が継続される。また、「RT2」である状況においては、BBに当選しており、且つ、BBが未作動である状況であるため、当選番号21〜23及び当選番号25〜27の小役とBB役とが重複している条件装置に当選した場合には、BB役の新たな当選は無効となり、小役の当選のみが有効となる。具体的には、例えば、「RT2」であり、且つ、1種BB‐Aに当選している(持ち越している)状況下、当選番号21の「1種BB‐B+入賞C」に当選した場合には、当該当選番号21に係る1種BB‐Bは無効となり、入賞Cのみが有効となる。即ち、当選番号14の「入賞‐C」に当選した場合と同様の状況となる。尚、持ち越している1種BB‐Aは当選している状態が継続される。尚、ボーナスとの重複は小役に限られるものでなく、再遊技役の一部とで重複していても良い。例えば、当選番号4〜6の再遊技役の一部でボーナス役と重複しても良い。このように、ボーナスがRT移行リプレイ(RT状態が移行し得る再遊技役)を含む条件装置とも重複するようにすることで、RT移行リプレイを含む条件装置が当選したときにもボーナスが当選する可能性があり、RT移行リプレイが停止表示されても、ボーナスの否定をしないこととなるため、遊技者に期待を持たせることが可能となる。なお、このように構成した場合には、RT移行リプレイが停止表示されてもRT状態は移行しないように制御する。これにより、遊技者はRT状態が移行(リプレイ確率が相対的に低いRT状態に移行)しているはずであるのにリプレイ確率が低確率になっていない(頻繁にリプレイに当選する)こと等から、ボーナスに当選している可能性が高いかもしれないといった遊技に関する興趣を高めることが可能となる。
次に、BB作動時である「1種BB‐A,B,C」における抽選確率について詳述する。本実施形態においては、BB作動中においては、当選番号13の「共通ベル」と当選番号17の「BB中弱レア小役(斜めベル揃い)」と当選番号18の「BB中強レア小役(V字ベル揃い)」との3つの小役が当選し得るよう構成されており、「AT中状態」にて当選したBBの作動中において「BB中弱レア小役(斜めベル揃い)」又は「BB中強レア小役(V字ベル揃い)」に当選した場合にはAT上乗せ抽選が実行されるよう構成されている(詳細は後述することとする)。
また、同図上段においては、設定値が1である場合の小役出現率を例示しており、共通ベル(当選番号13)においては、RT状態に拘らず出現率が一律となっているが、同図下段に示すように、共通ベルの出現率は設定値(本例では、6段階)によって相違するよう構成されている。具体的には、設定1における置数が3204、設定2における置数が3404、設定3における置数が3604、設定4における置数が3904、設定5における置数が4204、設定6における置数が4504、となっており、設定値が高くなる程出現率が高くなるよう構成されている。このように構成することにより、例えば、遊技者が共通ベルの出現回数(当選回数)を計測しながら遊技を進行した場合、共通ベルに頻繁に当選することにより、遊技している遊技機に係る設定値が相対的に高い設定値であることに期待を抱きながら遊技を進行することができる。また、設定値が高くなるほど1遊技当たりにおける期待値が高くなり、設定値が高くなるほど出玉率が高くなるように構成されている。なお、共通ベルの出現率は設定値によって相違するよう構成されているが、当該共通ベルの当選によっては、後述するAT抽選、AT上乗せ抽選、及び、高確率状態移行抽選は実行されないので、ATに関する状態の移行抽選(ATに関する抽選とも称する。)には影響を及ぼさないよう構成されている。
また、同図中段は、押し順ナビあり時における期待値一覧である。同図においては、「AT中状態」等の押し順表示装置D270及び演出表示装置S40にて押し順ナビが実行され得る状態において押し順ナビが実行された場合に、当該ナビに従ってリールを停止させた場合の1遊技あたりの平均払出数(入賞した小役によって払い出される平均のメダルの枚数であり、1ゲームで得られる遊技媒体の期待数とも称する)と、1遊技あたりのメダル増減期待値(3枚ベットにて遊技した場合のメダル投入枚数に対するメダル払出枚数の比率であり、1より大きい場合には期待値がプラスとなりメダルが増加していくこととなる一方、1より小さい場合には期待値がマイナスとなりメダルが減少していくこととなる)とを図示している。尚、1遊技あたりの平均払出数は、「再遊技役の置数の総和(当選番号1〜6についての置数の総和)×再遊技役における払出枚数(3枚)+小役(11枚役)の置数(小役出現率)の総和(当選番号7〜16についての置数の総和)×小役(11枚役)における払出枚数(11枚)/すべての置数の総和(65536)」のようにして算出することができる。また、1遊技あたりのメダル増減期待値は、「1遊技あたりの平均払出数/1遊技あたりのメダル投入枚数(3枚)」のようにして算出することができる。尚、1ゲームあたりのメダル投入数(1ゲームを行う際の遊技媒体の投入数)は3枚となっており、1遊技あたりの平均払出数が3より大きい場合に1遊技あたりのメダル増減期待値が1より大きくなるよう構成されている。同図に示されるように、本実施形態においては、「RT1」が1遊技あたりのメダル増減期待値が相対的に最も大きくなっている。尚、同図における数値はボーナスによるメダルの増減は考慮していない。即ち、押し順ナビが発生する状況において遊技を進行した場合(最適操作態様で操作された場合、有利操作態様で操作された場合とも称す)、「RT1」ではメダルが増えていくこととなる。尚、「RT0」及び「RT2」においては、不図示であるが、押し順ナビが発生していない状況下においては、1遊技あたりのメダル増減期待値は1より小さい値となっており、メダルが減少していくこととなる。尚、本実施形態においては、「RT0」又は「RT2」においても押し順ナビあり時においては1遊技あたりのメダル増減期待値が1より大きくなっているが、これには限定されず、「RT0」又は「RT2」における押し順ナビあり時の1遊技あたりのメダル増減期待値が1より小さくなるよう構成してもよい。尚、再遊技役となる図柄組み合わせが停止表示した場合には実際には前回遊技における賭け枚数(3枚)が自動ベットされるが、本実施形態におけるメダル増減期待値を算出するにあたっては、メダル3枚の払出しと仮定して算出している。尚、1遊技を1ゲームと称することがある。
また、各RT状態における、1遊技あたりの平均払出数は、RT状態が「RT0」の場合には3.511291504であり、RT状態が「RT1」の場合には4.737915039であり、RT状態が「RT2」の場合には3.67137146となっている。また、各RT状態における、1遊技あたりのメダル増減期待値は、RT状態が「RT0」の場合には1.170430501であり、RT状態が「RT1」の場合には1.579305013でありRT状態が「RT2」の場合には1.223790487となっており、押し順ナビあり時においては、RT状態が「RT1」の場合が遊技者にとって最も有利なRT状態となっている。尚、当該数値は設定1である場合の値となっている。尚、上記小役、再遊技役に関する当選番号及びボーナスの抽選確率はあくまで一例であり、例えば、BBが内部成立中となる「RT2」における1遊技あたりのメダル増減期待値(押し順ナビあり時のメダル増減期待値)が1未満となるよう構成してもよい。そのように構成することにより、押し順ナビが発生する状況且つ「RT2」である場合(BBが内部成立中である場合)に、ボーナスを揃えることができるゲームにてボーナスを揃えなかった場合にも、徐々に持ちメダルが減少していくこととなり、押し順ナビが発生する状況且つ「RT2」である場合(BBが内部成立中である場合)に、ボーナスを揃えることができるゲームにて故意にボーナスを揃えないことにより持ちメダルを増加させていくような攻略を防止することができる。具体的には、「RT2」においてハズレとなる確率を、「RT2」において当選する全ての小役(入賞−A1〜入賞−I)の当選確率よりも高くなるように設計することが好ましく、そのように設計されるように再遊技役の当選確率を定めることが好ましい(再遊技役の当選確率を高く設計するとその分ハズレとなる確率が低くなってしまうため、再遊技役の当選確率が高くなる過ぎないように設計することが好ましい)。尚、本例の「RT2」においては、すべての小役を合算した当選確率は18784/65536であり、すべての再遊技の合算した当選確率は、12501/65536であり、ハズレとなる確率は、34251/65536となっており(図11参照)、ハズレとなる確率の方がすべての小役を合算した当選確率よりも高くなるように設計されている。
次に、図12のブロック図を参照しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機Pの電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技の進行を制御する主制御基板Mを中心として、副制御装置S(サブメイン制御基板SM,演出・画像ユニットPIU)、扉基板D、回胴基板K、電源基板E、中継基板IN、設定キースイッチM20、設定/リセットボタンM30等がデータをやり取り可能に接続されて構成されている。尚、図中の実線部がデータのやり取りに関する動きを示したものであり、図中の破線部が電源供給ルートを示したものである。尚、電源供給ルートはこれに限られたものではなく、例えば電源基板Eから主制御基板を介さずに中継基板INや扉基板Dに電源を供給しても良い。
主制御基板(主制御手段、主基板、メイン制御手段、メイン基板、主遊技部と称することがある)Mは、回胴式遊技機Pで行われる遊技全体の進行を司る基板である。主制御基板Mには、主制御チップCが搭載されており、主制御チップCには、CPUC100、内蔵ROMC110、内蔵RAMC120等がバスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて搭載されている。そして、主制御基板Mは、前扉DUに搭載された扉基板Dから、スタートレバーD50等が操作されたことを示す信号等を受け取って、副制御装置Sや、扉基板D、回胴基板K等に向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種基板の動作を制御している{例えば、副制御装置Sに向かって指示番号(押し順番号、指示情報、操作情報とも称する)を出力することにより、副制御装置Sは演出表示装置S40上で押し順ナビを実行することが可能となっている}。
また、副制御装置S(副制御基板、副基板、サブ制御手段、サブ基板、副遊技部と称することがある)は、サブメイン制御基板SMと、演出・画像ユニットPIUとに分割構成されており、サブメイン制御基板SMにも、前述した主制御基板Mと同様に、1チップマイコンとして構成されている副制御チップSCが搭載されており、副制御チップSCには、CPUSC100や、ROM、RAM等が設けられていて、バスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて構成されている。また、副制御装置Sには、各種LEDランプS10、スピーカS20、演出表示装置S40、回胴バックライト(バックランプとも称する)S30等が接続されている。ここで回胴バックライトS30とは、左リールM51、中リールM52、右リールM53夫々の内部に設けられ、リールの表面に描かれた図柄を裏側から照らすライトである。副制御装置Sは、主制御基板Mから受け取った制御コマンドを解析して、各種LEDランプS10、スピーカS20、演出表示装置S40、回胴バックライトS30等にそれぞれ駆動信号を出力することにより、各種の演出を行っている。
扉基板Dには、前述した投入受付センサD10s、第1投入センサD20s、第2投入センサD30s、回転しているリールM50を停止するための停止ボタンD40、リールM50の回転を開始するためのスタートレバーD50、貯留されている遊技メダル(クレジット)や投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタンD60、遊技の状態を表示する各種の表示パネルD70{不図示であるが、前述した、投入数表示灯D210、操作状態表示灯D180、特別遊技状態表示装置D250、払出数表示装置(押し順表示装置)D270は、クレジット数表示装置D200、有利区間表示器YH、等の表示装置の集合体}、前扉の開閉判定やエラーの解除や設定値の変更を実行するための扉スイッチD80、投入された後に適合しないと判断された遊技メダル(又は、その他の異物)を放出口D240に払い戻すためのブロッカD100等が接続されている。また、この扉基板Dは、前述した主制御基板Mとデータをやり取り可能に接続されている。このため、前扉DUに設けられたスタートレバーD50や、停止ボタンD40、精算ボタンD60等を操作すると、扉基板Dを介して、操作に係る信号が主制御基板Mに供給されるようになっている。また、投入受付センサD10sが遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板Dを介して主制御基板Mに供給される。
また、回胴基板Kには、リールM50を回転させるための回胴モータK10と、リールM50の回転位置を検出するための回胴センサK20等が接続されている。回胴基板Kは、当該回胴センサK20によって、リールM50の回転位置を検出しながら回胴モータK10を駆動することにより、リールM50を、決定された停止位置で停止させることが可能となっている。また、本実施形態の回胴式遊技機においては、回胴モータK10には、所謂ステップモータ(ステッピングモータ)が使用されている。尚、ステップモータは、リールM50が1回転するステップ数として、480ステップが設定されている。また、各リール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)には略均一の大きさで所定数(例えば、20個)の図柄が設定されており、1図柄分に相当するステップ数としては、24ステップ(=480/20)が設定されている。尚、ステップ数、リール1周あたりの図柄の数は変更しても何ら問題ない。
また、メダル払出装置Hは、中継基板INを介して、主制御基板Mに接続されており、主制御基板Mからの制御信号に基づいて、所定枚数(例えば、10枚)の遊技メダルを払い出す動作を行う。尚、メダル払出装置Hにはメダルが正常に払い出されたか否かの判定や払い出された遊技メダルの数の計測を実行する第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sと、ディスクH50を回転させるためのホッパモータH80と、が接続されている。
これら各種制御基板、及び基板で消費される電力は、電源基板E(電源スイッチE10により電源供給の有無を制御する基板)から供給されている。図12では、電源基板Eから電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板Mおよび副制御装置Sには、電源基板Eから電力が直接供給されており、各種基板(扉基板D、回胴基板K、中継基板IN)には、主制御基板Mを介して電力が供給されている。電源基板Eには所定量(例えば、100V)の交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、夫々の制御基板及び基板に供給している。
また、主制御基板Mには、後述する設定変更装置制御処理を実行するため(設定変更を行うため)に使用する設定キースイッチM20、設定値の変更やエラー解除等を実行し得る設定/リセットボタンM30、が接続されている。また、主制御基板Mは、リールM50(左リールM51、中リールM52、右リールM53)の回転や停止を制御するリール制御手段と、遊技者にとって有利なATに関する状態である「AT中状態」に移行するためのAT移行抽選を実行するAT抽選手段と、「AT中状態」に滞在可能なゲーム数であるAT残りゲーム数(又は、ATカウンタM60のカウンタ値)を増加させるAT上乗せ抽選を実行するAT上乗せ抽選手段と、を有している。
次に、図13〜31は、本実施形態における、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したフローチャートである。
尚、フローチャートは主に、処理ステップ(長方形にて図示)、判断(ひし形にて図示)、流れ線(矢印)、開始・終了・復帰等を示す端子(角丸長方形にて図示)によって構成されている。また、処理ステップの内、別のフローチャートにて詳細を図示している場合、当該別のフローチャートを参照するものをサブルーチン(左右の線が二重線である長方形にて図示)として図示している。ここで、遊技機の開発段階においては、スペック違いの遊技機を同時に開発することも行われているが、本例においては、メイン側の処理内に、スペック違いの遊技機で実行するサブルーチン(通常は使用しないサブルーチン)を残さないよう構成しており、ノイズや不正行為によって、通常時には実行されない未使用サブルーチンに係る処理が実行されることを防止している。
まず、図13は、回胴式遊技機Pの電源を投入した後(或いはシステムリセットやユーザリセット時において)、主制御基板MのCPUC100にて初めて実行される処理の流れを示したフローチャートである。まず、ステップ1000で、回胴式遊技機Pの電源を投入した後、ステップ1002で、主制御基板MのCPUC100は、タイマ割り込みをセットする(ここでは、タイマ割り込みが開始されるのではなくタイマ割り込みの種類をセットするのみであり、以降の処理において、タイマ割り込みが開始されると定期的に後述するタイマ割り込み時処理に係るフローチャートが実行される)。次に、ステップ1004で、主制御基板MのCPUC100は、主制御チップCの機能設定としてシリアル通信の設定(速度、データの長さ、データ送信方法の設定)等を実行する。次に、ステップ1006で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域の先頭アドレスからチェックサム領域直前のアドレスまでのチェックサムを算出する。次に、ステップ1008で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域をチェックし(例えば、当該算出したチェックサムとチェックサム領域に保持されているチェックサムデータとに基づき、電源断・電源断復帰により内蔵RAMC120に格納されているデータが正しく保持されているか否かをチェックし)、電源断復帰データを生成する。次に、ステップ1010で、主制御基板MのCPUC100は、設定キースイッチM20のスイッチ状態を確認する。次に、ステップ1014で、主制御基板MのCPUC100は、設定キースイッチM20がオフであるか否かを判定する。
ステップ1014でYesの場合、ステップ1016で、主制御基板MのCPUC100は、RAM内の電源断処理済みフラグのオン・オフ(ステップ1904でオンとなる)及び全RAMのチェックサム状態(ステップ1006でのチェック結果)を参照し、RAM内の電源断復帰データは正常であるか否かを判定する。ステップ1016でYesの場合、ステップ1020で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1018にて決定された初期化範囲で、RAM領域の初期化を実行する。次に、ステップ1022で、主制御基板MのCPUC100は、電源断時の処理(ステップ1902)にて保存したスタックポインタに係るデータに基づき、スタックポインタを復帰する。次に、ステップ1036で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内を参照し、RAM領域内の設定値に係るデータは正常範囲内(本例では、0〜5)であるか否かを判定する。ステップ1036でYesの場合、ステップ1038で、主制御基板MのCPUC100は、入力ポートの読み込みを実行する。次に、ステップ1040で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1002にてセットしたタイマ割り込みを開始する。次に、ステップ1042で、主制御基板MのCPUC100は、電源断処理済みフラグをオフにし、復帰したスタックポインタに従い電源断時の処理に復帰する。
また、ステップ1016でNoの場合、ステップ1024で、主制御基板MのCPUC100は、バックアップエラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にエラー番号をセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、復帰不可能エラー処理を実行する。
また、ステップ1036でNoの場合、ステップ1046で、主制御基板MのCPUC100は、設定値エラー表示(例えば、払出数表示装置D270に表示されることとなる)をセットする(例えば、レジスタ領域内にセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、後述する復帰不可能エラー処理を実行する。
また、ステップ1014でNoの場合、ステップ1028で、主制御基板MのCPUC100は、RAM内の電源断処理済みフラグのオン・オフ(ステップ1904でオンとなる)及び全RAMのチェックサム状態(ステップ1006でのチェック結果)を参照し、RAM内の電源断復帰データは正常であるか否かを判定する。ステップ1028でYesの場合、ステップ1030で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの初期化範囲をRAM内の設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域を除く所定範囲に決定してセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1034に移行する。RAMの初期化範囲に含まれない範囲は、設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域のみには限定されず、「有利区間」の総累計ゲーム数、遊技区間の総累計(有利区間+通常区間+待機区間)ゲーム数、「有利区間」の滞在割合を算出した結果、等もRAMの初期化範囲に含まれない範囲となっている。このように構成することにより、遊技における「有利区間」に滞在している比率(有利区間比率)を算出及び表示することができることとなる。また、有利区間比率の算出処理は、単位遊技が終了するタイミングで算出するよう構成されている。また、有利区間比率は、遊技機の電源が投入されると表示される(例えば、4桁の7セグメントディスプレイに表示される)。具体的な表示態様としては、「有利区間比率→6000ゲームあたりの連続役物比率→6000ゲームあたりの役物比率→累積の連続役物比率→累積の役物比率」の順に5秒間隔で繰り返し表示される。尚、連続役物比率とは「RBが作動している状態での払出し数/総払出し数」であり、役物比率とは「RB、CB、又はSBが作動している状態での払出し数/総払出し数」である。他方、ステップ1028でNoの場合、ステップ1032で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの初期化範囲をRAM内の設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域を含む特定範囲に決定してセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1034に移行する。次に、ステップ1034で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1030又はステップ1032にて決定された初期化範囲で、RAM領域の初期化を実行する。次に、ステップ1100で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、設定変更装置制御処理を実行する。
尚、不図示ではあるが、主制御基板Mが搭載する一時記憶領域(RAM領域等)の初期値(処理開始時の値)は、特別遊技が実行される値とならないよう構成することが好適である(プログラムの処理開始直後に、ノイズや不正行為により、特別遊技の実行判定を行う処理を実行してしまった場合に特別遊技が誤って実行されることを防止するため)。また、不図示ではあるが、主制御基板MのRAM領域内に当選乱数等の乱数を記憶する場合には、専用の記憶領域を確保し、乱数に係る情報を記憶しているバイト内には当該乱数に係る情報のみを記憶する(各種タイマ値等、その他の情報を記憶しない)よう構成することが好適である(同じ1バイト内に記憶した別のデータを操作する際に、ノイズ等によって乱数に係る情報が書き換わってしまうことを防止するため)。
次に、図14は、図13におけるステップ1100のサブルーチンに係る、設定変更装置制御処理のフローチャートであり、設定変更モードとも称する。まず、ステップ1102で、主制御基板MのCPUC100は、スタックポインタをセットする(当該処理の先頭アドレスで初期化する)。次に、ステップ1104で、主制御基板MのCPUC100は、タイマ割り込みを起動する。次に、ステップ1106で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内の設定値(設定値データ)は正常範囲内(本例では、0〜5)ではないか否かを判定する。尚、設定値(設定値データ)を1〜6で管理していた場合、RAMの初期化を実行し設定値が「0」となったときに「1」に戻す処理が必要となる。そこで、本例においては、設定値(設定値データ)の正常範囲を0〜5として管理することにより、RAMの初期化を実行した後の設定値(設定値データ)の補正処理(ステップ1106及びステップ1108の処理)を不要とすることができ、処理時間を短縮することや処理の容量を削減することが可能となる。ステップ1106でYesの場合、ステップ1108で、主制御基板MのCPUC100は、設定値(設定値データ)に所定値(例えば、0=遊技者にとって最も不利となる値)をセットし、ステップ1110に移行する。他方、ステップ1106でNoの場合にもステップ1110に移行する。次に、ステップ1110で、主制御基板MのCPUC100は、エラー表示LED(例えば、払出数表示装置D270)に設定変更装置作動中である旨(例えば、全セグメントを点灯させる「88」)を表示し、設定表示LED(不図示)に設定値を表示(設定値に係る表示はRAM内で保持している設定値(設定値データ)に1を加算した数値となっている)し、ステップ1112に移行する。尚、前述したように、払出数表示装置D270は押し順を報知する際にも使用される。そのように構成されているため、例えば、7セグLEDの一部に故障が発生している(点灯できないセグがある)ような場合において押し順を報知する際、誤った情報を報知することがあり得る。このような事態を防止するため、設定変更装置作動中において払出数表示装置D270に7セグメントを全点灯「88」させることにより、7セグメントが故障しているか否かが確認でき、遊技者に不利益等を与えることを防止できる。また、設定値の表示に係る構成として、設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域における設定値(設定値データ)に1を加算したデータを記憶しておく設定値表示用のRAMの記憶領域を有し、当該記憶領域を参照して設定値を表示するよう構成しても良い。尚、不図示であるが、ステップ1110の処理を実行した後、副制御装置S側に設定変更モードに移行していることを示すコマンドを送信するための処理を実行している。
次に、ステップ1112で、主制御基板MのCPUC100は、設定/リセットボタンM30がオフからオンに切り替わったか否かを判定する。ステップ1112でYesの場合、ステップ1114で、主制御基板MのCPUC100は、現在の設定値(設定値データ)に1を加算し(加算した結果設定値(設定値データ)が5を超過した場合には、設定値(設定値データ)は0となる)、ステップ1116に移行する。尚、ステップ1112でNoの場合にも、ステップ1116に移行する。次に、ステップ1116で、主制御基板MのCPUC100は、スタートレバーD50がオフからオンに切り替わったか否かを判定する。ステップ1116でNoの場合には、ステップ1112に移行し、ステップ1112〜ステップ1116の処理をループする。ステップ1116でYesの場合、ステップ1118で、主制御基板MのCPUC100は、設定キースイッチM20がオンからオフに切り替わったか否かを判定する。ステップ1118でNoの場合には、ステップ1118の処理をループする。他方、ステップ1118でYesの場合、ステップ1120で、主制御基板MのCPUC100は、エラー表示LED(不図示)に設定変更装置の作動が終了した旨を表示し、設定表示LED(不図示)の設定値(設定値データ)の表示を消去する。次に、ステップ1122で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のRT状態を「RT3」に決定する。尚、「RT3」とはRAMクリア実行後に移行することとなるRT状態であり、「RT3」である状況にて、押し順ベルの溢し目が停止表示されることにより「RT0」に移行することとなる(RT状態の移行については詳述することとする)。次に、ステップ1124で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「低確率状態」に決定する。次に、ステップ1126で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を通常区間に決定する。次に、ステップ1128で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間表示器YHを消灯し(電源断の時点で消灯しており新たに点灯せずに消灯を維持する)、ステップ1200の遊技進行制御処理に移行する。このように、本実施形態においては、設定変更装置制御処理が実行された場合、換言すると、RAMクリアが実行された場合には、RT状態が「RT3」、ATに関する状態が「低確率状態」、遊技区間が「通常区間」となるよう構成されている。尚、不図示であるが、ステップ1128の処理を実行した後、副制御装置S側に設定変更モードを終了することを示すコマンドを送信するための処理を実行している。
ここで、ステップ1122、ステップ1124、ステップ1126及びステップ1128の処理を、前述した図13のステップ1034の処理(決定された初期化範囲でRAMの初期化を実行する処理)によって実行するよう構成してもよい。具体的には、ステップ1034の処理として、(1)RT状態を管理するアドレス(記憶領域)に「0」(「RT3」に対応するデータ)を記憶する、(2)ATに関する状態を管理するアドレス(記憶領域)に「0」(「低確率状態」に対応するデータ)を記憶、(3)遊技区間を管理するアドレス(記憶領域)に「0」(「通常区間」に対応するデータ)を記憶、(4)有利区間表示器YHの点灯・消灯を管理するアドレスに「0」(有利区間表示器YHの消灯に対応するデータ)を記憶、の4つの処理が含まれるよう構成してもよい。尚、RT状態を管理するアドレス(記憶領域)は、ステップ1028でYesと判定した場合の初期化範囲(所定範囲)とステップ1028でNoと判定した場合の初期化範囲(特定範囲)とのいずれにも含まれるよう構成してもよいし、ステップ1028でYesと判定した場合の初期化範囲(所定範囲)には含まれないがステップ1028でNoと判定した場合の初期化範囲(特定範囲)には含まれるよう構成してもよい。また、ステップ1034のRAM初期化の処理をステップ1118の後の処理にて実行するよう構成してもよく、具体的には、ステップ1028でYesの場合には、ステップ1102〜ステップ1118の処理を実行した後に設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域を除く所定範囲に対してRAMの初期化を実行し、ステップ1028でNoの場合には、設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域に対してRAMの初期化を実行し、その後ステップ1102〜ステップ1118の処理を実行した後に設定値(設定値データ)を記憶する記憶領域を除く所定範囲に対してRAMの初期化を実行するよう構成してもよい。
なお、本実施形態では、遊技区間を管理するアドレス(記憶領域)に「0」が記憶されているときが「通常区間」、「1」が記憶されているときが「有利区間」、「2」が記憶されているときが「待機区間」に対応しているものとする。
次に、図15は、図13におけるステップ1300の(及び他のフローチャートにおいて呼び出された)サブルーチンに係る、復帰不可能エラー処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、主制御基板MのCPUC100は、割り込みを禁止する(以降は、後述するタイマ割り込み時処理に係るフローチャートが実行されない)。次に、ステップ1304で、主制御基板MのCPUC100は、出力ポートアドレス及び出力ポート数をセットする。次に、ステップ1306で、主制御基板MのCPUC100は、出力ポート(本例では、0〜6であり、各種LEDへの表示出力や各種モータへの駆動出力)をオフにする。次に、ステップ1308で、主制御基板MのCPUC100は、次のポート出力アドレスをセットする(この繰り返しにより、各種LEDへの表示出力や各種モータへの駆動出力が順次停止される)。次に、ステップ1310で、主制御基板MのCPUC100は、各出力ポートへの出力が終了したか否かを判定する。ステップ1310でYesの場合には、ステップ1312で、主制御基板MのCPUC100は、セットされているエラー表示を実行し(本処理を実行する際には何らかのエラーが発生している)、当該処理の実行を繰り返し、電源電圧が低下することでリセット信号が入力されて終了する。(即ち、無限ループに突入するので、復帰を促す一切の操作を受け付けない)。尚、ステップ1310でNoの場合には、ステップ1306に移行する。尚、ステップ1306〜ステップ1310の処理は、LED・モータへの出力をクリアする処理である(但し、外部出力信号はクリアしないので、エラーに関する情報やエラー発生時における遊技進行状況等をホールコンピュータ側へ出力することは可能である)。
次に、図16は、図14におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技進行制御処理(1枚目)のフローチャートである。まず、ステップ1202で、主制御基板MのCPUC100は、スタックポインタをセットする(当該処理の先頭アドレスで初期化する)。次に、ステップ1203で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに必要なRAM領域内のデータ(例えば、ベット上限数、入賞の有効ライン、等)をセットする。尚、ステップ1203は、前回の遊技で使用したデータ{例えば、条件装置番号(当選番号)、演出グループ番号、指示情報}をクリアするためのデータ(RAMのアドレスをクリアするための「0」のデータ)をRAMにセットする処理も含まれる。尚、条件装置番号、演出グループ番号、指示情報等はクリアせずに、次遊技が実行された際に選択された番号を上書きするように構成するようにしても良い。次に、ステップ1204で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにおけるRT状態(例えば、「RT0」等)をセットする(図27のステップ1704で決定したRT状態をセットする)。なお、設定変更後(RAMクリア後)の最初の遊技におけるRT状態は、「RT3」である。次に、ステップ1205で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1204でセットしたRT状態に関するコマンド(サブ側へのコマンド)をセットする。尚、RT状態をセットする処理は、図25のステップ1704にて実行してもよい。また、ステップ1704にてRT状態に関するコマンド(サブ側へのコマンド)をセットしても良い。また、RT状態をサブ側に送信する場合には常時送信する必要はなく、遊技区間が「有利区間」である場合にのみRT状態をサブ側に送信するよう構成してもよい。次に、ステップ1206で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにおけるATに関する状態(例えば、「AT中状態」等)をセットする(図20のステップ1416、ステップ1428、ステップ1438、ステップ1444、及び、図21のステップ3006、ステップ3012、ステップ3014で決定したATに関する状態をセットする)。なお、設定変更後(RAMクリア後)の最初の遊技におけるATに関する状態は、「低確率状態」である。次に、ステップ1207で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1206でセットしたATに関する状態に関するコマンド(サブ側へのコマンド)をセットする。また、ATに関する状態をセットする処理は、図20のステップ1416、ステップ1428、ステップ1438、ステップ1444にて実行してもよい。また、ATに関する状態をサブ側に送信する場合には常時送信する必要はなく、遊技区間が「有利区間」である場合にのみATに関する状態をサブ側に送信するよう構成してもよい。次に、ステップ1208で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにおける遊技区間(例えば、「有利区間」等)をセットする(図31のステップ3504、ステップ3510、ステップ3512、ステップ3518、ステップ3520、ステップ3528、ステップ3532で決定した遊技区間をセットする)。なお、設定変更後(RAMクリア後)の最初の遊技における遊技区間は、「通常区間」である。次に、ステップ1208‐1で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1208でセットした遊技区間に関するコマンド(サブ側へのコマンド)をセットする。次に、ステップ1209で、主制御基板MのCPUC100は、メダル払出装置Hが遊技メダルで満杯ではないか否かを判定する。具体的には、メダル払出装置Hから溢れ出たメダルを格納するサブタンク(不図示)を備え、サブタンクに設けられた複数の満杯検知センサによる電流の導通/非導通にて判定する(メダルを介して電流が導通した場合には、満杯と判定する)。ステップ1209でYesの場合、ステップ1218に移行する。
他方、ステップ1209でNoの場合、ステップ1210で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーフラグをオンにする(例えば、RAM領域のメダル満杯エラーフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1212で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーに対応したエラー番号の表示を7セグLED(例えば、貯留表示LED又は獲得枚数LED)で実行する。次に、ステップ1214で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーが解除されたか否か(例えば、サブタンクによる電流が非導通、且つ、設定/リセットボタンM30が押下されたか否か)を判定する。ステップ1214でYesの場合、ステップ1216で、主制御基板MのCPUC100は、メダル満杯エラーフラグをオフにし(例えば、RAM領域のメダル満杯エラーフラグ領域内をオフに相当する値で更新し)、ステップ1218に移行する。他方、ステップ1214でNoの場合には、ステップ1212に移行する。次に、ステップ1218で、主制御基板MのCPUC100は、メダル投入受付を許可し(再遊技役の次ゲームにおいては自動にて投入動作が実行されることとなる)、次の処理(ステップ1220の処理)に移行する。ここで、ステップ1218では、ブロッカD100のオン処理(メダル流路が形成する処理)を行う。具体的には、前回遊技で再遊技役が成立した場合には、現在の貯留数(クレジット)が所定値(本例では、50枚)未満であることを条件として、ブロッカD100のオン処理を実行する。換言すると、現在の貯留数(クレジット)が所定値である場合には、ブロッカD100のオン処理を実行しない。一方、前回遊技で再遊技役が成立しなかった場合には、一律にブロッカD100のオン処理を実行するようにしている。このように構成することにより、再遊技役が成立した場合であっても貯留数(クレジット)が所定値に達していない場合には、遊技メダルが投入できるように構成され、「RT1」等のRT状態よりも再遊技役の当選確率の高いRT状態(例えば、「RT1」)に滞在しているときや、見た目では再遊技役とは分かり辛い再遊技役(小役に見せかけた再遊技:無効ライン上にベル−ベル−ベルや、左リールにチェリーが停止した図柄組合せ)が停止した場合であっても、遊技者はリズム良く(違和感なく)遊技を行うことができる。
次に、図17は、図14におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技進行制御処理(2枚目)のフローチャートである。まず、ステップ1220で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルがベットされていない、且つ、クレジットが存在していないか否かを判定する。ステップ1220でYesの場合、ステップ1221で、主制御基板MのCPUC100は、設定表示条件を充足している(例えば、扉スイッチD80、設定キースイッチM20がすべてオンとなると当該条件を充足する)か否かを判定する。ステップ1221でYesの場合、ステップ1222で、主制御基板MのCPUC100は、設定表示LED(不図示だが、払出数表示装置D270、クレジット数表示装置D200、投入数表示灯D210としてもよい)に設定値(設定値データ)を表示し(設定確認モードに移行し)、設定キースイッチM20がオフとなったことを条件にステップ1221に移行する。尚、設定変更モードの移行条件を満たしたときには、副制御装置S側に設定変更モードを開始することを示すコマンドを送信するための処理、設定変更モードの終了条件を満たしたときに設定変更モードを終了することを示すコマンドを送信するための処理を実行している。ステップ1220又はステップ1221でNoの場合、ステップ1224で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルの投入及び精算に係る管理を実行する。次に、ステップ1225で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルの受付可能枚数を確認する。次に、ステップ1226で、主制御基板MのCPUC100は、ブロッカD100がオンか否かを判定する。ステップ1226でYesの場合、ステップ1227で、主制御基板MのCPUC100は、第1投入センサD20s又は第2投入センサD30sがオンであるか否かを判定する(本実施形態においてはメダルの投入を検出するための投入センサを2つ有しており、第1投入センサD20s又は第2投入センサD30sがオンとなると、遊技メダルを1枚受け付けたと判定する)。ステップ1227でYesの場合、ステップ1230で、主制御基板MのCPUC100は、第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sがオフであるか否かを判定する(第1投入センサD20s又は第2投入センサD30sがオンとなった後、第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sがオフとなると、受け付けた1枚の遊技メダルが第1投入センサD20s及び第2投入センサD30sを通過したと判定する)。ステップ1230でYesの場合、ステップ1231で、主制御基板MのCPUC100は、1枚の正常な遊技メダルの投入を受け付けたと判定する。不図示であるが、ステップ1231の後、主制御基板MのCPUC100は、クレジットが上限数(本例では、50)、且つ、ベット数が最大数(本例では、3)であるか否かを判定し、Yesと判定した場合にはブロッカD100をオフ(メダル流路を形成しない状態)に制御する。尚、ステップ1230でNoの場合には、ステップ1230の処理を繰り返し、ステップ1226またはステップ1227でNoの場合には、ステップ1232に移行する。
次に、ステップ1232で、主制御基板MのCPUC100は、精算ボタンD60の操作があったか否かを判定する。ステップ1232でYesの場合、ステップ1233で、主制御基板MのCPUC100は、クレジットの残り枚数又はベットされている遊技メダルが存在するか否かを判定する。ステップ1233でYesの場合、ステップ1234で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグ(RAM領域内のフラグであり、ホッパモータH80を駆動している際にオンとするフラグ)をオンにし、遊技メダル1枚の払出を実行する。次に、ステップ1236で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンであるか否かを判定する(本実施形態においてはメダルの払出を検出するための払出センサを2つ有しており、第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなると、遊技メダル1枚の払出動作が行われていると判定する)。ステップ1236でYesの場合、ステップ1247に移行する。ここで、フローチャート上には明記してはいないが、前回遊技が再遊技役であった場合にはクレジットの残り枚数のみが精算の対象となる。
他方、ステップ1236でNoの場合、ステップ1241で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動後(ステップ1234の処理のタイミング後)から所定時間(例えば、5秒)経過したか否かを判定する。具体的には、ホッパ駆動信号をホッパモータH80に送信している(ホッパモータH80が回転している)のにもかかわらず、メダルが払い出されていないと判定している状況が所定時間継続したか否かを判定する。ステップ1241でYesの場合、ステップ1242で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオンにする(例えば、メダル空エラーフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1244で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラー表示を実行する。次に、ステップ1245で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーが解除されたか否か(例えば、設定/リセットボタンM30が押下されたか否か)を判定する。ステップ1245でYesの場合、ステップ1246で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオフにし(例えば、RAM領域のメダル空エラーフラグ領域内をオフに相当する値で更新し)、ステップ1247に移行する。他方、ステップ1245でNoの場合、ステップ1244に移行する。
次に、ステップ1247で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフであるか否かを判定する(第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなった後、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフとなると、払出動作が行われていた1枚の遊技メダルの払出動作が完了したと判定する)。ステップ1247でYesの場合、ステップ1248で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグをオフにし、ステップ1233に移行する。尚、ステップ1241又はステップ1247でNoの場合には、ステップ1236に移行する。
他方、ステップ1232又はステップ1233でNoの場合、ステップ1251で、主制御基板MのCPUC100は、スタートレバーD50が有効であり(例えば、ゲームを開始するための規定枚数の遊技メダルが投入された等)、且つ、当該スタートレバーD50の操作があったか否かを判定する。ステップ1251でYesの場合、ステップ1253で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内の設定値(設定値データ)は正常範囲内(本例では、0〜5)であるか否かを判定する。ステップ1253でYesの場合、ステップ1254で、主制御基板MのCPUC100は、乱数の取得、ブロッカD100をオフにする処理を実行した後に、次の処理(ステップ3600の処理)に移行する。他方、ステップ1253でNoの場合、ステップ1256で、主制御基板MのCPUC100は、設定値エラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にエラー番号をセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、復帰不可能エラー処理を実行する。尚、ステップ1251でNoの場合には、ステップ1220に移行する。
次に、図18は、図14におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技進行制御処理(3枚目)のフローチャートである。まず、ステップ3600で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、内部抽選実行処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、AT状態移行制御処理を実行する。次に、ステップ1450で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、条件装置番号管理処理を実行する。次に、ステップ1259で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態はAT上乗せ抽選可能な状態であるか否かを判定する。ここで、本実施形態に係るAT上乗せ抽選を実行可能なATに関する状態は、「AT中状態」、「上乗せ特化状態」、「特化前兆状態」、「有利BB状態」となっており、「有利BB内部中遊技」においては、ATカウンタ値が0より大きい状態となり得るがAT上乗せ抽選は実行しないよう構成されている。これは、「有利BB内部中遊技」において、遊技者が敢えてBBの図柄組合せを揃えさせないことの方が、遊技者にとって有利となってしまうことを防止するためである。尚、「有利BB内部中遊技」にてAT上乗せ抽選を実行し得るよう構成してもよく、そのように構成した場合には、「有利BB内部中遊技」にてAT上乗せ抽選に当選してもすぐには報知せずに、その後BBが終了したタイミングでAT上乗せ抽選に当選した旨、又は、ATゲーム数が上乗せされた後のAT残りゲーム数を報知するよう構成してもよい。ステップ1259でYesの場合、ステップ1500で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、ゲーム数上乗せ実行処理を実行し、ステップ3100に移行する。他方、ステップ1259でNoの場合にもステップ3100に移行する。このゲーム数上乗せ実行処理は、ATに関する状態に応じて異なる抽選テーブルを用いて抽選を実行することも可能であるが、設定値に応じては抽選確率が異ならない(同一の抽選テーブルを用いて抽選を実行する)ことが好適である。次に、ステップ3100で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、フリーズ抽選実行処理を実行し、ステップ1550に移行する。
ここで、本例におけるATに関する状態を列挙し詳述する(図30のAT状態遷移図でも示されている)。(1)「低確率状態」とは、ATに当選していない(「AT中状態」に移行する権利を獲得していない)状態であり、且つ、ボーナス役に当選していない状態である。尚、「低確率状態」とは、所謂「通常状態」であるため、「通常状態」と称することもある。(2)「通常BB内部中遊技」とは、「低確率状態」においてBB役に当選した、且つ、BB役が入賞していない、且つ、AT抽選に当選していない状態である。(3)「通常BB状態」とは、「低確率状態」においてBB役に当選し、且つ、AT抽選に当選していない状況にて、BB役に対応する図柄組合せが停止表示されたとき、又は、「通常BB内部中遊技」においてBB役に対応する図柄組合せが停止表示されたときに実行される状態である。(4)「高確率状態」とは、AT抽選に当選していない(「AT中状態」に移行する権利を獲得していない)状態であり、且つ、ボーナス役に当選していない状態であり、前述した「低確率状態」よりもATに当選し易い状態である。(5)「AT中状態」とは、AT(押し順ナビ)を行い、且つ、AT残りゲーム数(ATカウンタ値)の減算を行う状態である。(6)「特化前兆状態」とは、「AT中状態」よりもATゲーム数が相対的に上乗せされ易い状態である「上乗せ特化状態」に移行する権利を獲得している状態である。(7)「上乗せ特化状態」とは、「AT中状態」よりもATゲーム数が相対的に上乗せされ易い状態である。(8)「有利BB内部中遊技」とは、「高確率状態」、「AT中状態」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」においてBB役に当選し、且つ、BB役が入賞していない状態である。(9)「待機BB内部中遊技」とは、「低確率状態」においてBB役に当選し、且つ、BB役によってAT抽選に当選しており、且つ、BB役が入賞していない状態である。(10)「有利BB状態」とは、「高確率状態」、「AT中状態」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」においてBB役に当選しBB役に対応する図柄組合せが停止表示されたとき、又は、「有利BB内部中遊技」においてBB役に対応する図柄組合せが停止表示されたときに実行される状態、又は、「低確率状態」においてBB役に当選し、且つ、BB役によってAT抽選に当選しており、且つ、BB役に対応する図柄組合せが停止表示されたとき、又は、「待機BB内部中遊技」においてBB役に対応する図柄組み合わせが停止表示された時に実行される状態である。
次に、ステップ1550で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、リール回転開始準備処理を実行する。次に、ステップ1260で、主制御基板MのCPUC100は、全リールの回転を開始する。次に、ステップ1261‐1で、主制御基板MのCPUC100は、引き込みポイント作成要求(回転している左リールM51、中リールM52、右リールM53の停止位置を決定するために要求され、停止順番や他のリールの停止位置に応じて適宜要求される)があったか否かを判定する。ステップ1261‐1でYesの場合、ステップ1261‐2で、主制御基板MのCPUC100は、「BB内部中遊技」ではないか否かを判定する。ここで、「BB内部中遊技」とは、「通常BB内部中遊技」と「有利BB内部中遊技」との総称であり、BB役に当選し、且つ、BBが入賞していない状態である。ステップ1261‐2でYesの場合にはステップ1262に移行する。他方、ステップ1261‐2でNoの場合、ステップ1261‐3で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は押し順ベル(入賞‐A1〜入賞‐A6)であるか否かを判定する。ステップ1261‐3でYesの場合、ステップ1261‐4で、主制御基板MのCPUC100は、最大払出枚数(本例では、11枚)となる引き込みポイントを作成し、ステップ1263に移行する。尚、ステップ1261‐3でNoの場合には、ステップ1262に移行する。次に、ステップ1262で、主制御基板MのCPUC100は、引き込みポイントを作成し、ステップ1263に移行する。他方、ステップ1261‐1でNoの場合にも、ステップ1263に移行する。このように、「BB内部中遊技」においては、押し順ベルに当選したゲームにおいて、停止ボタンを11枚の払出となる正解の押し順にて停止させなかった(例えば、入賞‐A1の場合には停止ボタンを「左→中→右」の順で停止させなかった)場合(不正解の押し順にてリールを停止させた場合)にも、リールの停止制御によって11枚の払出となる図柄組み合わせが入賞するよう構成されている。次に、ステップ1263で、主制御基板MのCPUC100は、リール停止受付可否チェックを実行する。次に、ステップ1264で、主制御基板MのCPUC100は、いずれかの停止ボタン(左停止ボタンD41、中停止ボタンD42、右停止ボタンD43)の操作があったか否かを判定する。ステップ1264でYesの場合、ステップ1265で、主制御基板MのCPUC100は、操作があった停止ボタンに対応したリール(例えば、左停止ボタンD41には左リールM51が対応)の停止位置を決定し、ステップ1266に移行する。他方、ステップ1264でNoの場合にも、ステップ1266に移行する。次に、ステップ1266で、主制御基板MのCPUC100は、全リール停止チェック処理を実行する。次に、ステップ1267で、主制御基板MのCPUC100は、すべてのリール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)が停止したか否かを判定する。ステップ1267でYesの場合、ステップ1268で、主制御基板MのCPUC100は、RAM内の図柄停止位置データと、内部当選役停止可能位置データとを比較する。次に、ステップ1269で、主制御基板MのCPUC100は、表示された図柄の組み合わせが正常であるか否かを判定する(内部抽選によって決定された入賞可能となる役と一致していなければ異常であると判定される)。ステップ1269でYesの場合にはステップ1274に移行する。他方、ステップ1269でNoの場合、ステップ1270で、主制御基板MのCPUC100は、表示判定エラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、復帰不可能エラー処理を実行する。他方、ステップ1267でNoの場合、ステップ1261に移行する。
次に、ステップ1274で、主制御基板MのCPUC100は、入賞による遊技メダルの払出処理を実行する。次に、ステップ1275で、主制御基板MのCPUC100は、遊技メダルを払い出す入賞があったか否かを判定する{入賞によって獲得した遊技メダルが、クレジットの最大数(本例では、50)を超過した場合に、遊技メダルの払出が実行される}。ステップ1275でYesの場合、ステップ1276で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグ(ホッパモータH80を駆動している際にオンとするフラグ)をオンにし、遊技メダル1枚の払出を実行する。次に、ステップ1277で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンであるか否かを判定する(第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなると、遊技メダル1枚の払出動作が行われていると判定する)。ステップ1277でYesの場合にはステップ1286に移行する。
他方、ステップ1277でNoの場合、ステップ1279で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動後(ステップ1276の処理のタイミング後)から所定時間(例えば、5秒)経過したか否かを判定する。ステップ1279でYesの場合、ステップ1280で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオンにする(例えば、RAM領域のメダル空エラーフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1281で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラー表示を7セグLEDで実行する。次に、ステップ1282で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーが解除されたか否か(例えば、設定/リセットボタンM30が押下されたか否か)を判定する。ステップ1282でYesの場合、ステップ1283で、主制御基板MのCPUC100は、メダル空エラーフラグをオフにし(例えば、RAM領域のメダル空エラーフラグ領域内をオフに相当する値で更新し)、ステップ1286に移行する。他方、ステップ1282でNoの場合、ステップ1281に移行する。
次に、ステップ1286で、主制御基板MのCPUC100は、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフであるか否かを判定する(第1払出センサH10s又は第2払出センサH20sがオンとなった後、第1払出センサH10s及び第2払出センサH20sがオフとなると、払出動作が行われていた1枚の遊技メダルの払出動作が完了したと判定する)。ステップ1286でYesの場合、ステップ1288で、主制御基板MのCPUC100は、ホッパ駆動フラグをオフにし、ステップ1290に移行する。尚、ステップ1279又はステップ1286でNoの場合には、ステップ1277に移行する。次に、ステップ1290で、主制御基板MのCPUC100は、当該入賞(ステップ1275でYesとなった入賞)に対応した払出が完了したか否かを判定する。ステップ1290でYesの場合にはステップ3400に移行する。尚、ステップ1286でNoの場合には、ステップ1277に移行し、ステップ1275でNoの場合には、ステップ3400に移行し、ステップ1290でNoの場合には、ステップ1276に移行する。
次に、ステップ3400で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、残りゲーム数管理処理を実行する。次に、ステップ1700で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、RT状態移行制御処理を実行する。次に、ステップ1750で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、AT中状態開始制御処理を実行する。次に、ステップ3500で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、遊技区間移行制御処理を実行する。次に、ステップ1293で、主制御基板MのCPUC100は、遊技終了処理(例えば、ベット数のクリア、遊技状態の移行処理等)を実行し、次の処理(ステップ1202の処理)に移行する。
次に、図19は、本実施形態における、図18のステップ3600のサブルーチンに係る、内部抽選実行処理のフローチャートである。まず、ステップ3602で、主制御基板MのCPUC100は、内部抽選テーブル(当選番号や取得した乱数と比較するための置数等が記憶されている、内部抽選を実行する際に用いるテーブル)をセットし、ステップ3604に移行する。次に、ステップ3604で、主制御基板MのCPUC100は、セットされている内部抽選テーブルアドレスに係る当選番号を取得する。尚、当選番号から入賞・再遊技当選情報を生成することができる。また、ボーナスと小役とが重複して当選したり、ボーナスと再遊技役とが重複して当選したりした場合には、当選番号から入賞・再遊技当選情報とボーナス当選情報との双方の当選情報を生成することができる。具体的な生成の処理については、後述する。次に、ステップ3606で、主制御基板MのCPUC100は、セットされている内部抽選テーブルアドレスに係る繰り返し回数を取得する。ここで、繰り返し回数とは、出玉グループ番号が同一であり、且つ、取得した乱数と比較するための置数が同一である連続した当選番号の数であり、主制御基板MのROMに予め記憶されている。例えば、出玉グループ番号2は、当選番号4〜12の9個の当選番号が含まれており、押し順再遊技役である当選番号4〜6の連続する3個については前記置数が同一となっており、押し順ベル役である当選番号7〜12の連続する6個については前記置数が同一となっているため、押し順再遊技役に係る繰り返し回数は3となり、押し順ベル役に係る繰り返し回数は6となる。尚、押し順再遊技役である当選番号4〜6を取得した際に用いる抽選テーブルと押し順ベル役である当選番号7〜12を取得した際に用いる抽選テーブルとは単一の抽選テーブルとして構成されている。次に、ステップ3608で、主制御基板MのCPUC100は、セットされている内部抽選テーブルアドレスに係る出玉グループ番号を取得し、ステップ3610に移行する。
次に、ステップ3610で、主制御基板MのCPUC100は、設定値データを取得する。次に、ステップ3612で、主制御基板MのCPUC100は、指定アドレスデータを取得する。次に、ステップ3614で、主制御基板MのCPUC100は、内部抽選に当選したか否か(取得した乱数が今回検索した内部抽選テーブル内に存在したか否か)を判定する。ステップ3614でYesの場合には、内部抽選に当選したと判定したため、その後の内部抽選テーブルアドレスに関しては判定(抽選)を実行せずに、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。他方、ステップ3614でNoの場合、ステップ3616で、主制御基板MのCPUC100は、繰り返し回数を更新する。次に、ステップ3618で、主制御基板MのCPUC100は、残っている繰り返し回数があるか否かを判定する。ステップ3618でYesの場合、ステップ3610に移行し、残っている繰り返し回数がなくなる又は内部抽選に当選するまで、ステップ3610〜ステップ3618の処理を繰り返し実行する。尚、ステップ3618でNoの場合、ステップ3620で、主制御基板MのCPUC100は、内部抽選テーブルアドレスを更新(次の出玉グループ番号に係るアドレスに更新)し、ステップ3604に移行してステップ3604以降の処理を実行する。尚、内部抽選の具体的な処理については後述することとなる。
次に、図20は、本実施形態における、図18のステップ1400のサブルーチンに係る、AT状態移行制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1402で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は、AT抽選を実行可能なATに関する状態であるか否かを判定する。尚、本実施形態においては、AT抽選を実行可能なATに関する状態は、「低確率状態」及び「高確率状態」となっている。「高確率状態」にてBBに当選した場合には「有利BB内部中遊技」に移行し、その後BB役が入賞することにより、「有利BB状態」に移行し、実行されたBBが終了することにより、「AT中状態」に移行すると共に、ATカウンタにATゲーム数の初期値である50回がセットされることとなる。また、「低確率状態」にてBBに当選した場合の1/5で、「待機BB内部中遊技」に移行して、その後BB役が入賞することにより、「有利BB状態」に移行し、実行されたBBが終了することにより、「AT中状態」に移行すると共に、ATカウンタにATゲーム数の初期値である50回がセットされることとなる。尚、「通常遊技状態」にてBBに当選すると共にAT抽選にも当選し、且つ、BBを揃えていない内部中の状態においては、遊技区間を「有利区間」としてもよいし、「待機区間」としてもよい。ステップ1402でYesの場合、ステップ3000で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、AT抽選実行処理を実行し、ステップ1408に移行する。他方、ステップ1402でNoの場合にも、ステップ1408に移行する。尚、本実施形態においてはATに関する状態が相違した場合にAT抽選に係るAT当選率(AT抽選に当選し易いか当選し難いか)が相違するよう構成されているが、ATに関する状態が同一である場合には、設定値が相違してもAT抽選に係るAT当選率は同一となっている(「高確率状態」にてBBに当選した場合には設定値に拘らず必ずATに当選する=その後「AT中状態」に移行する)。
次に、ステップ1408で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は「低確率状態」であるか否かを判定する。ステップ1408でYesの場合、ステップ1410で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は状態昇格役(当選することによって「低確率状態」から「高確率状態」に移行し得る小役であり、本例では、チェリー)であるか否かを判定する。ステップ1410でYesの場合、ステップ1412で、主制御基板MのCPUC100は、所定確率(本例では、1/2であり、設定値によって相違していなければ変更しても問題ない)にて当選する高確率状態移行抽選を実行する。次に、ステップ1414で、主制御基板MのCPUC100は、当該実行した高確率状態移行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ1414でYesの場合、ステップ1416で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「高確率状態」に決定し、ステップ1430に移行する。
また、ステップ1408でNoの場合、ステップ1418で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は「高確率状態」であるか否かを判定する。ステップ1418でYesの場合、ステップ1420で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は状態転落役(当選することによって「高確率状態」から「低確率状態」に移行し得る役であり、本例では、再遊技-A)であるか否かを判定する。ステップ1420でYesの場合、ステップ1422で、主制御基板MのCPUC100は、所定確率(本例では、1/5であり、設定値によって相違していなければ変更しても問題ない)にて当選する低確率状態移行抽選を実行する。次に、ステップ1424で、主制御基板MのCPUC100は、当該実行した低確率状態移行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ1424でYesの場合、ステップ1426で、主制御基板MのCPUC100は、低確率移行条件を充足しているか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、ATに関する状態が「高確率状態」である場合には遊技区間が「有利区間」となっており、遊技区間が「有利区間」である場合には、押し順ナビが1回以上実行される、又は、所定ゲーム数(本例では、1500ゲーム)「有利区間」が継続することを充足しなければ「有利区間」が終了しないよう構成されている(即ち、低確率状態移行抽選に当選したとしても、押し順ナビが1回以上実行されていない等により低確率移行条件を充足していない場合には、「高確率状態」が終了しないよう構成されている)。尚、「有利区間」中にBB役が当選し、BBを実行した場合には、「有利区間」にて押し順ナビを1回も実行していなくても「有利区間」を任意のタイミングで終了し得るように構成されていても良い。ステップ1426でYesの場合、ステップ1428で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「低確率状態」に決定し、ステップ1430に移行する。尚、ステップ1410、ステップ1414、ステップ1418、ステップ1420、ステップ1424又はステップ1426でNoの場合にもステップ1430に移行する。尚、このような抽選方式はあくまで一例であり、例えば、「高確率状態」に移行してから10ゲーム間は低確率状態移行抽選を実行せず(「高確率状態」の滞在が保障される)、当該10ゲーム経過後から毎ゲームで所定の確率(例えば、1/20)で「高確率状態」から「低確率状態」に移行する抽選を実行するよう構成してもよい。尚、AT抽選役(低確AT抽選役、高確AT抽選役)、状態昇格役は、全設定値において同一の当選確率となっている。
次に、ステップ1430で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は「AT中状態」であるか否かを判定する。ステップ1430でYesの場合、ステップ1431で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタM60のカウンタ値は所定値(本例では、11)以上であるか否か判定する。ここで、本実施形態においては、ATに関する状態が「AT中状態」である場合において、ATカウンタ値が11以上である、換言するとAT残りゲーム数が11ゲーム以上である場合においては、スイカBに当選した際の1/2の確率で「上乗せ特化状態」への移行権利を獲得し、「特化前兆状態」に移行し得る一方、ATに関する状態が「AT中状態」である場合において、ATカウンタ値が10以下である、換言するとAT残りゲーム数が10ゲーム以下である場合においては、スイカBに当選しても「上乗せ特化状態」への移行権利を獲得する抽選(特化状態移行抽選とも称することがある)を実行せず、「特化前兆状態」及び「上乗せ特化状態」に移行しないよう構成されている。尚、これには限定されず、ATカウンタ値が10以下である場合であっても、スイカBに当選して「上乗せ特化状態」への移行権利を獲得する抽選(特化状態移行抽選とも称することがある)を実行し得るよう構成してもよく、そのように構成し、ATカウンタ値が10以下である状況にてスイカBに当選して「上乗せ特化状態」への移行権利を獲得する抽選に当選した場合には、当該抽選に当選した次ゲームから「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」となり得る(に移行し得る)よう構成してもよいし、ATカウンタ値が所定値(例えば、1又は0)となったときに「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」となり得る(に移行し得る)よう構成してもよいし、当該抽選に当選した遊技から所定数の遊技の実行後に「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」となり得る(に移行し得る)よう構成してもよい。また、「上乗せ特化状態」に移行する場合には、必ずしも「特化前兆状態」を経由する必要はなく、例えば、「AT中状態」から「上乗せ特化状態」に直接移行し得るよう構成してもよい。ステップ1431でYesの場合、ステップ1432で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は特化移行役(「上乗せ特化状態」への移行権利を獲得する抽選を実行し得る小役であり、本例では、スイカB)であるか否かを判定する。ステップ1432でYesの場合、ステップ1434で、主制御基板MのCPUC100は、所定確率(本例では、1/2)で当選する特化状態移行抽選を実行する。次に、ステップ1436で、主制御基板MのCPUC100は、当該実行した特化状態移行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ1436でYesの場合、ステップ1438で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を「特化前兆状態」に決定し、ステップ1440に移行する。尚、ステップ1430、ステップ1431、ステップ1432又はステップ1436でNoの場合にも、ステップ1440に移行する。
次に、ステップ1440で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態が決定されていないか否かを判定する。ステップ1440でYesの場合、ステップ1442で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関する状態の移行条件を充足したか否かを判定する(例えば、図30にて示されるように、「特化前兆状態」にて前兆ゲーム数である10ゲームを消化した場合に充足する)。ステップ1442でYesの場合、ステップ1444で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を決定し(例えば、図30にて示されるように、「特化前兆状態」にて前兆ゲーム数を消化した場合には「上乗せ特化状態」に決定)し、次の処理(ステップ1450の処理)に移行する。尚、ステップ1440でNoの場合にも、次の処理(ステップ1450の処理)に移行する。
尚、本実施形態においては、抽選状態によってAT当選率が相違するよう構成されており、「低確率状態」にてBB役に当選した場合には1/5でAT抽選に当選する(当選した場合にはその後「AT中状態」に移行する)一方、「高確率状態」にてBB役に当選した場合にはかならずAT移行抽選に当選する(その後「AT中状態」に移行する)よう構成したが、これには限定されず、所定の条件装置である条件装置AをAT抽選役とし、「有利区間」であるATに関する状態として「高確率状態A」と「高確率状態B」とを有するよう構成した場合に、「高確率状態A」にて条件装置Aに当選した場合には1/10でAT移行抽選に当選し、「高確率状態B」にて条件装置Aに当選した場合には1/2でAT移行抽選に当選するよう構成してもよい。尚、AT移行抽選に当選した場合には、ATに関する状態として「AT中状態」へ移行するまでの準備状態である「AT準備状態」に移行し、その後所定の終了条件(例えば、「AT準備状態」に移行してから10ゲーム経過)を充足した場合に「AT中状態」に移行するよう構成してもよい。
次に、図21は、本実施形態における、図20のステップ3000のサブルーチンに係る、AT抽選実行処理のフローチャートである。まず、ステップ3002で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置はAT抽選役(本例では、BB役)であるか否かを判定する。尚、小役とBB役が重複している条件装置も含まれている。ステップ3002でYesの場合、ステップ3004で、主制御基板MのCPUC100は、現在の遊技状態は高確率状態であるか否かを判定する。ステップ3004でYesの場合、ステップ3006で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を有利BB内部中遊技に決定し、次の処理(ステップ1408の処理)に移行する。ここで、移行契機となったBBが終了するとATカウンタに初期値(本例では、50)がセットされAT中状態に移行する。他方、ステップ3004でNoの場合、ステップ3008で、主制御基板MのCPUC100は、所定確率(本例では、1/5)で当選するAT抽選を実行する。次に、ステップ3010で、主制御基板MのCPUC100は、AT抽選に当選したか否かを判定する。ステップ3010でYesの場合、ステップ3012で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を待機BB内部中遊技に決定し、次の処理(ステップ1408の処理)に移行する。ここで、移行契機となったBBが終了するとATカウンタに初期値(本例では、50)がセットされAT中状態に移行する。他方、ステップ3010でNoの場合、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降のATに関する状態を通常BB内部中遊技に決定し、次の処理(ステップ1408の処理)に移行する。尚、ステップ3002でNoの場合にも、次の処理(ステップ1408の処理)に移行する。
次に、図22は、本実施形態における、図18のステップ1450のサブルーチンに係る、条件装置番号管理処理のフローチャートである。まず、ステップ1451で、主制御基板MのCPUC100は、現在の遊技区間は「有利区間」であるか否かを判定する。ステップ1451でYesの場合、ステップ1452で、主制御基板MのCPUC100は、入賞・再遊技当選情報に係るコマンド(副制御装置S側のコマンドであり、例えば、当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報に係るコマンド)をセットする。次に、ステップ1454で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置は押し順あり役(押し順によって入賞する役が相違する条件装置であり、例えば、入賞‐A1等)であるか否かを判定する。ステップ1454でYesの場合、ステップ1458で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報に基づき、当該ゲーム中における指示番号(押し順番号とも称す)を決定し、指示番号を記憶するためのRAMアドレス(押し順ナビを表示するためRAMアドレスとは異なるアドレス)に記憶する。尚、指示番号とは押し順に係る情報であり、本例においては、主制御基板Mが決定し、副制御装置Sに送信されることとなる(詳細は後述する)。また、副制御装置Sは当該指示番号を受信することにより演出表示装置S40上で押し順ナビを表示することができることとなる。尚、押し順ナビを実行しない場合にも指示番号が決定(不図示であるが指示番号をクリアすることに基づいて指示番号が初期値となる)されるよう構成されている。尚、押し順当てゲームを実行する場合には、押し順当てゲーム専用の所定の指示番号(例えば、AX)を決定するよう構成してもよい。次に、ステップ1460で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る指示番号に基づいて押し順表示装置D270にて押し順ナビ表示を実行する。次に、ステップ1466で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ1458で決定した指示番号に係るコマンド(サブ側へのコマンド)をセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1472に移行する。尚、本例では、押し順表示装置D270及び演出表示装置S40にて遊技者に最も高利益となるリールの停止順を表示することを押し順ナビ、押し順ナビ表示を表示する、等と称している。尚、本実施形態においては指示番号に基づいて押し順ナビを表示しており、例えば、「左→中→右」の押し順は押し順表示装置D270にて「=1」で表示するよう構成されており、押し順ベルの場合も押し順再遊技の場合もいずれも「=1」で表示するよう構成している。尚、これには限定されず、押し順ベルに係るゲームにて「左→中→右」の押し順ナビを押し順表示装置D270に表示する場合と、押し順再遊技に係るゲームにて「左→中→右」の押し順ナビを押し順表示装置D270に表示する場合とで異なる表示態様となるよう構成してもよい。即ち、押し順表示装置D270に表示される押し順ナビの表示態様の種類数は入賞・再遊技当選情報の種類数と同数となるよう構成してもよい。
また、ステップ1451でNoの場合、換言すると、遊技区間が「通常区間」又は「待機区間」である場合、又はステップ1454でNoの場合、ステップ1468で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームの入賞・再遊技当選情報にマスク処理を実行し、マスク処理をした情報をRAMの所定アドレスに記憶する。ここで、当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報を副制御装置S側に送信した場合に、不正な行為により当該入賞・再遊技当選情報が認識されてしまうと、当該ゲームに係る高利益となる押し順(リール停止順)が認識されてしまうこととなる。そこで、本例においては、当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報にマスク処理{入賞・再遊技当選情報(特に押し順に係る情報)を秘匿的にする処理}を実行してから副制御装置Sに送信するよう構成することにより、高利益な押し順が認識できないよう構成している。尚、本実施形態における、マスク処理の方法としては、複数の入賞・再遊技当選情報(同様の役割を持った入賞・再遊技当選情報が好適であり、例えば、押し順によってRT状態が移行する再遊技役となる図柄組み合わせが停止表示し得る複数の入賞・再遊技当選情報)を1つの演出グループ番号(例えば、入賞・再遊技当選情報4〜6を演出グループ4とする等)として、演出グループ番号を副制御装置S側に送信するよう構成している。尚、マスク処理の方法としては、これには限定されず、例えば、設けられている入賞・再遊技当選情報(本例では、0〜18)の後に、新たにマスク処理後の入賞・再遊技当選情報を設けるよう構成してもよい。また、そのような場合にも、演出グループ番号のように既存の入賞・再遊技当選情報のうち複数の入賞・再遊技当選情報を1つの入賞・再遊技当選情報としてマスク処理後の入賞・再遊技当選情報を設けるよう構成することが望ましい(例えば、入賞・再遊技当選情報4〜6を、マスク処理後の入賞・再遊技当選情報である入賞・再遊技当選情報19(新たに設けた入賞・再遊技当選情報)とする等)。尚、主制御基板MにおけるATに関する状態等に基づき、操作情報(押し順ナビ)を報知する遊技であると判断した場合には、副制御装置S側に入賞・再遊技当選情報を送信し、操作情報を報知しない遊技では副制御装置S側に演出グループ番号を送信するようにしても良い。このように構成した場合、指示番号に係るコマンドを副制御装置S側に送信しても良いし、送信しないように構成しても良い。
次に、ステップ1470で、主制御基板MのCPUC100は、当該マスク処理を実行した後の演出グループ番号に係るコマンド(サブ側へのコマンド)をセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、ステップ1472に移行する。次に、ステップ1472で、主制御基板MのCPUC100は、ボーナス当選情報(ボーナスに当選したか否かがサブ側で認識できることとなる)に係るコマンド(サブ側へのコマンド)をセット(例えば、レジスタ領域内にセット)し、次の処理(ステップ1259の処理)に移行する。尚、本実施形態においては、当選番号から入賞・再遊技当選情報とボーナス当選情報とを導出するよう構成されているが、当該導出方法については後述することとする。また、同図下段に示すように、押し順ナビの表示例としては、「AT中状態」の場合には、(1)転落再遊技役が含まれる場合→転落再遊技役が停止表示されない押し順をナビ、(2)ベル(1枚役・11枚役)の場合→最も払出枚数が多くなる押し順をナビ、等のように構成されている。このように、本実施形態においては、遊技区間が「有利区間」である場合には、副制御装置S側に入賞・再遊技当選情報(当選役の種類と遊技者にとって最も有利な押し順とを特定できる番号)や指示番号(遊技者にとって最も有利な押し順を特定できる番号)を送信し得るよう構成されている一方、遊技区間が「通常区間」である場合には、副制御装置S側に演出グループ番号(当選役の概要のみ特定できる番号)を送信し得るよう構成されている。即ち、「有利区間」においては、押し順によって遊技の結果及び遊技者の利益が相違する入賞・再遊技当選情報を含めた、当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報をそのまま副制御装置S側に送信し得る一方、「有利区間」でない遊技区間においては、当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報は送信せずに、押し順によって遊技の結果及び遊技者の利益が相違する入賞・再遊技当選情報の場合には押し順に係る情報を秘匿した演出グループ番号を副制御装置S側に送信するよう構成されている。
尚、遊技区間が「有利区間」でない場合(「通常区間」、「待機区間」)等においては、主制御基板Mで決定された入賞・再遊技当選情報を副制御装置Sに送信する際にマスク処理を実行して演出グループ番号を決定し、当該演出グループ番号を副制御装置Sに送信するよう構成している。尚、演出グループ番号とは入賞・再遊技当選情報を、同様の役割となる当選役(例えば、転落再遊技役が含まれる再遊技役、押し順ベル、等)に係る入賞・再遊技当選情報をグループ化して、番号を振り分けたものである。当該ゲームに係る入賞・再遊技当選情報にマスク処理{入賞・再遊技当選情報(特に押し順に係る情報)を秘匿的にする処理}を実行してから副制御装置Sに送信するよう構成することにより、不正な行為により当該入賞・再遊技当選情報に係る情報が認識され、当該ゲームに係る高利益となる押し順(リール停止順)が認識されてしまう事態を防止している。
次に、図23は、本実施形態における、図18のステップ1500のサブルーチンに係る、ゲーム数上乗せ実行処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関する状態は「AT中状態」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」であるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る出玉グループ番号はAT中上乗せ役(「AT中状態」において、残りATゲーム数を上乗せし得る当選番号であり、本例では、再遊技‐B、再遊技‐C、入賞‐Dとなっている)に関する出玉グループ番号(本例では、1、3)であるか否かを判定する。ステップ1504でYesの場合にはステップ1514に移行する。また、ステップ1502でNoの場合、換言すると、ATに関する状態が有利BB状態であった場合、ステップ1512で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに関する出玉グループ番号はBB中上乗せ役(「有利BB状態」において、残りATゲーム数を上乗せし得る当選番号であり、本例では、入賞‐H、入賞‐I)に関する出玉グループ番号(本例では、5、6)であるか否かを判定する。ステップ1512でYesの場合には、ステップ1514に移行し、ステップ1512でNoの場合には、ステップ1518に移行する。また、ステップ1504でNoの場合、ステップ1506で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関する状態は「上乗せ特化状態」であるか否かを判定する。ステップ1506でYesの場合、ステップ1508で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに関する出玉グループ番号は特化中上乗せ役(「上乗せ特化状態」において、残りATゲーム数を上乗せし得る且つ「AT中状態」においては残りATゲーム数を上乗せしない当選番号であり、本例では、再遊技‐A、再遊技‐D1〜D3、入賞‐A1〜A6となっている)に関する出玉グループ番号(本例では、2、13)であるか否かを判定する。ステップ1508でYesの場合、ステップ1514に移行する。尚、ステップ1506又はステップ1508でNoの場合にはステップ1518に移行する。
次に、ステップ1514で、主制御基板MのCPUC100は、当選時上乗せゲーム数抽選テーブルを参照し、当該ゲームに係る出玉グループ番号に基づいてAT上乗せゲーム数を決定する(例えば、欄外にて示す抽選テーブルにおいて、ラッチした乱数値がいずれの範囲内に収まっているか否かで判定する)。尚、AT上乗せゲーム数を決定することをAT上乗せ抽選を実行するとも称する。次に、ステップ1516で、主制御基板MのCPUC100は、当該決定したAT上乗せゲーム数をATカウンタM60のカウンタ値に加算し、当該加算後のATカウンタ値をATカウンタM60にセットする。次に、ステップ1517で、主制御基板MのCPUC100は、当該決定したAT上乗せゲーム数に係るコマンド(副制御装置S側へのコマンドであり、副制御装置Sは当該コマンドを受信することにより、ATゲーム数上乗せが実行されたか否かと上乗せゲーム数が何ゲームであるかを認識することができる)をセットし、ステップ1518に移行する。尚、ボーナスが含まれる当選番号(当選番号19〜27)に係る出玉グループ番号である、出玉グループ番号7〜11の場合にもATに関する抽選(AT抽選、AT上乗せ抽選)が実行され得る。
ここで、同図欄外にて示す抽選テーブルは、当選時上乗せゲーム数抽選テーブルの一例であり、本実施形態においては、押し順ナビが実行されるATに関する状態の一部(本例では、「AT中状態」、「特化前兆状態」、「上乗せ特化状態」、「有利BB状態」)にて当選時上乗せ役が当選した場合には、当該ゲームに係る出玉グループ番号に基づいて、AT上乗せゲーム数は「0」〜「300」が抽選によって決定され、当該決定された値がATカウンタM60のカウンタ値に加算されることとなる。尚、「0」が決定された場合にはAT残りゲーム数は増加しないこととなる(「0」が決定された場合には、AT上乗せ抽選に非当選と称することがある)。
また、当選時上乗せ役に当選した場合のAT上乗せゲーム数の平均値(期待値)は、図示されるような値となっており、具体的な算出方法としては、当選役がスイカAである場合には、{置数(600)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(100)×AT上乗せゲーム数(10)+置数(300)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(100)}/置数の総数(1024)=12.1(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が再遊技‐B又は再遊技‐Cである場合には、{置数(500)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(200)×AT上乗せゲーム数(50)+置数(300)×AT上乗せゲーム数(100)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(300)}/置数の総数(1024)=46.1(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役が再遊技‐A又は再遊技‐D1〜D3、入賞‐A1〜A6である場合には、{置数(300)×AT上乗せゲーム数(10)+置数(600)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(124)×AT上乗せゲーム数(50)}/置数の総数(1024)=26.61(ゲーム)、のようにして算出することができる。尚、当選役が再遊技‐A又は再遊技‐D1〜D3、入賞‐A1〜A6である場合にATゲーム数が上乗せされるのはATに関する状態が「上乗せ特化状態」である場合のみとなっている。
次に、当選役がBB中弱レア役である場合には、{置数(800)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(100)×AT上乗せゲーム数(10)+置数(100)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(100)}/置数の総数(1024)=6.3(ゲーム)、のようにして算出することができる。
次に、当選役がBB中強レア役である場合には、{置数(300)×AT上乗せゲーム数(0)+置数(300)×AT上乗せゲーム数(30)+置数(400)×AT上乗せゲーム数(50)+置数(24)×AT上乗せゲーム数(300)}/置数の総数(1024)=35.4(ゲーム)、のようにして算出することができる。
尚、本実施形態においては、AT上乗せ抽選を実行した場合には、当選役の種類によってAT上乗せゲーム数の平均値が相違し得るよう構成されているが、設定値によってはAT上乗せゲーム数の平均値は相違しないよう構成されている。ここで、当選番号に基づいてAT上乗せ抽選を実行するよう構成する場合には、例えば、当選番号7と当選番号8とでAT上乗せ抽選として同一の処理を実行する場合、当選番号が7であるか8であるかを判断する処理を実行しなければならないが、本実施形態のように、出玉グループ番号に基づいてAT上乗せ抽選を実行するよう構成することにより、当選番号7と当選番号8とでAT上乗せ抽選として同一の処理を実行する場合には、出玉グループ番号が2であるかを判断するのみで当選番号7と当選番号8とのいずれのAT上乗せ抽選に関する処理も実行することができることとなる。
フローチャートの説明に戻ると、次に、ステップ1518で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る当選番号(又は入賞・再遊技当選情報、又は出玉グループ番号、等で判断してもよい)は再遊技‐B(逆押しで停止させることによって無効ラインに白セブンが一直線になり得る再遊技である逆押し白7リプレイ)に関する当選番号であるか否かを判定する。ステップ1518でYesの場合、ステップ1520で、主制御基板MのCPUC100は、再遊技‐BによるATゲーム数上乗せがあったか否か、換言すると、再遊技‐Bに当選したことによるAT上乗せゲーム数は0ではなかったか否かを判定する。ステップ1520でYesの場合、ステップ1522で、主制御基板MのCPUC100は、逆押し指示コマンド(副制御装置S側へのコマンドであり、逆押し(「右→中→左」)にて無効ラインに白セブンを揃えるよう指示する演出を実行することとなる)をセットし、ステップ1526に移行する。他方、ステップ1520でNoの場合、ステップ1524で、主制御基板MのCPUC100は、逆押し回避コマンド(副制御装置S側へのコマンドであり、逆押し(「右→中→左」)以外の押し順を指示し、無効ラインに白セブンを揃えないようにする演出を実行することとなる)をセットし、ステップ1526に移行する。尚、ステップ1518でNoの場合にも、ステップ1526に移行する。次に、ステップ1526で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る当選番号(又は入賞・再遊技当選情報、又は出玉グループ番号、等で判断してもよい)は再遊技‐C(順押しで停止させることによって無効ラインに黒セブンが一直線になり得る再遊技である順押し黒7リプレイ)であるか否かを判定する。ステップ1526でYesの場合、ステップ1528で、主制御基板MのCPUC100は、再遊技‐CによるATゲーム数上乗せがあったか否か、換言すると、再遊技‐Cに当選したことによるAT上乗せゲーム数は0ではなかったか否かを判定する。ステップ1528でYesの場合、ステップ1530で、主制御基板MのCPUC100は、順押し指示コマンド(副制御装置S側へのコマンドであり、順押し(「左→中→右」)にて無効ラインに黒セブンを揃えるよう指示する演出を実行することとなる)をセットし、次の処理(ステップ3100の処理)に移行する。他方、ステップ1528でNoの場合、ステップ1532で、主制御基板MのCPUC100は、順押し回避コマンド(副制御装置S側へのコマンドであり、順押し(「左→中→右」)以外の押し順を指示し、無効ラインに黒セブンを揃えないようにする演出を実行することとなる)をセットし、次の処理(ステップ3100の処理)に移行する。尚、ステップ1526でNoの場合にも、次の処理(ステップ3100の処理)に移行する。尚、本実施形態においては、逆押し指示コマンド、逆押し回避コマンド、順押し指示コマンド、順押し回避コマンドを副制御装置Sに送信し、副制御装置Sがこれらコマンドを受信することによって、副制御装置S側にて押し順ナビに関する演出を実行し得るよう構成したが、これには限定されず、AT上乗せ抽選に当選した場合に、AT上乗せ抽選に当選した旨及びAT上乗せゲーム数に係るコマンド(例えば、ステップ1517の処理に係るAT上乗せゲーム数に係るコマンド)を副制御装置S側に送信し、副制御装置S側が当該コマンドを受信した場合に、副制御装置S側で押し順ナビに関する演出の実行タイミングや演出態様を決定するよう構成してもよい。一例としては、再遊技‐Bが当選した遊技であって、副制御装置S側で前記コマンドを受信したゲーム(ATゲーム数上乗せがあるゲーム)にて逆押しを指示する演出態様を選択して実行するよう構成してもよいし、副制御装置S側で前記コマンドを受信したゲームでは逆押しを指示する演出を実行せず、その後の所定条件(例えば、特定の再遊技役(例えば、再遊技‐B又はC)に当選した)を充足したゲームにて無効ラインにて7揃いが可能な押し順を指示する演出を実行するよう構成してもよい。又は、再遊技‐Bが当選した遊技であって、副制御装置S側で前記コマンドを受信したゲーム(ATゲーム数の上乗せがあるゲーム)では、逆押しを指示する演出を実行せず、その後の所定条件(例えば、所定ゲーム数後(同時に連続演出を実行しても良く、その場合には連続演出の最終ゲーム)を充足したゲームにてATゲーム数上乗せ演出(演出表示装置S40にて表示されるAT残りゲーム数に係る表示が増加する演出であり、例えば、「+30G」と表示)を実行しても良い。尚、本例においては、演出表示装置S40においても、AT残りゲーム数に係る表示を表示し得るよう構成されており、当該表示と主制御基板側で記憶しているAT残りゲーム数とは同一であってもよいし、相違していてもよい。尚、再遊技‐Bが当選した遊技であって、副制御装置S側で前記コマンドを受信したゲーム(ATゲーム数の上乗せがあるゲーム)で、逆押しを指示する演出を実行せず、その後の所定条件を充足したゲームにてATゲーム数上乗せ演出を実行する場合の例としては、副制御装置S側でボーナスの当選を煽る特別な演出(例えば、所定の連続演出)を実行しているとき(ボーナス内部中では再遊技‐Bの当選確率が低い(0%も含む)ため、7揃いが可能な押し順を報知してしまうとボーナス当選していないことが遊技者に認識されてしまう)等、副制御装置S側が特別な演出を実行しているときが挙げられる。尚、主制御基板M側にてAT上乗せ抽選に当選し、AT残りゲーム数の上乗せがあったことを副制御装置S側が判断する情報としては、(1)AT残りゲーム数に関する情報をAT上乗せ抽選後に主制御基板M側から副制御装置S側に送信する。その後、副制御装置S側で、前回送信されたAT残りゲーム数に関する情報と今回送信されたAT残りゲーム数に関する情報との差分を算出し、AT上乗せ抽選で当選したAT上乗せゲーム数を把握する、(2)主制御基板M側のAT上乗せ抽選の結果として得られたAT上乗せゲーム数に関するコマンドを副制御装置S側に送信する。また、AT上乗せ抽選に当選しなかった場合には、AT上乗せ抽選に当選しなかった旨に係るコマンドを副制御装置S側に送信し、副制御装置S側が当該コマンドを受信した場合に、副制御装置S側で押し順ナビに関する演出の演出態様を決定するよう構成してもよい。一例としては、再遊技‐Bが当選した遊技であって、副制御装置S側で前記コマンドを受信したゲーム(ATゲーム数上乗せがなかったゲーム)にて中押し(第1停止として中停止ボタンを操作することであり、7揃いを回避する押し順)を指示する演出態様を選択して実行するよう構成してもよい。尚、主制御基板M側にてAT上乗せ抽選が実行されたが、AT残りゲーム数の上乗せがなかったことを副制御装置S側が判断する情報としては、(1)AT残りゲーム数に関する情報をAT上乗せ抽選後に主制御基板M側から副制御装置S側に送信する。その後、副制御装置S側で、前回送信されたAT残りゲーム数に関する情報と今回送信されたAT残りゲーム数に関する情報との差分を算出し、AT上乗せ抽選で当選したAT上乗せゲーム数を把握する(前回送信されたAT残りゲーム数に関する情報から今回送信されたAT残りゲーム数に関する情報を減算した値が1である場合にAT上乗せ抽選に当選しなかったと判断する)、(2)主制御基板M側のAT上乗せ抽選の結果としてAT上乗せゲーム数が0ゲームである旨に関するコマンドを副制御装置S側に送信する。
次に、図24は、本実施形態における、図18のステップ3100のサブルーチンに係る、フリーズ抽選実行処理のフローチャートである。本フローチャートはフリーズ演出のうち特定のフリーズ演出の実行を決定するための処理を示しており、フリーズ演出が同図において示している演出のみであるということではなく、あくまでフリーズ演出の一例として図示している。まず、ステップ3102で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームのATに関する状態は「高確率状態」であるか否かを判定する。このように、本実施形態においては、特定のフリーズ演出は「有利区間」でのみ実行され、「通常区間」及び「待機区間」では実行されないよう構成されている。また、フリーズ演出とは、スタートレバーが操作されてから所定時間(本例では、60秒)が経過するまでは停止ボタンが操作可能とならない(ステップ1554以降の処理を実行しない)ようにする主制御基板M側にて制御する演出であり、フリーズ演出実行中においては、リールが停止したままとしてもよいし、全リールが低速回転したり高速回転したり逆回転したりするよう構成してもよい。尚、本実施形態においては特定のフリーズ演出として「有利区間」においてのみ実行されるフリーズ演出を例示しているが、フリーズ演出の実行態様はこれには限定されず、特定のフリーズ演出とは異なるフリーズ演出を、「有利区間」以外の遊技区間にて実行し得るよう構成してもよいし、特定のフリーズ演出が「有利区間」以外の遊技区間においても実行され得る、かつ、特定のフリーズ演出は「有利区間」以外の遊技区間(「通常区間」、「待機区間」)よりも「有利区間」の方が実行され易い(実行される確率が高い)よう構成してもよい。即ち、フリーズ演出として複数種類のフリーズ演出を実行可能に構成してもよいし、所定のフリーズ演出が複数種類の遊技区間にて実行され得るよう構成してもよいし、所定のフリーズ演出が複数種類の遊技区間にて実行され得るよう構成した場合における遊技区間毎の(所定のフリーズ演出の)実行確率を相違させてもよい。また、所定のフリーズ演出が複数種類のATに関する状態にて実行され得るよう構成した場合におけるATに関する状態毎の(所定のフリーズ演出の)実行確率を相違させてもよいし、所定のフリーズ演出が複数種類のRT状態にて実行され得るよう構成した場合におけるRT状態毎の(所定のフリーズ演出の)実行確率を相違させてもよい。また、フリーズ演出は、遊技者にとって相対的に高利益となる遊技にて実行するよう構成することが好適であり、そのように構成することにより、フリーズ演出が終了して停止ボタンが操作可能となるまでの期間(フリーズ演出実行期間)にて当該ゲームの結果に期待感を抱くことができることとなる。ステップ3102でYesの場合、ステップ3104で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る条件装置はAT抽選役(「AT中状態」に移行する権利を獲得し得る条件装置であり、本例では、BB役)であるか否かを判定する。ステップ3102とステップ3104とでは、「AT中状態」に移行する権利を獲得した場合(本例では、AT抽選に当選した場合)であるか否かを判定している。ステップ3104でYesの場合、ステップ3106で、主制御基板MのCPUC100は、所定確率(本例では、1/20)で当選するフリーズ実行抽選(フリーズ演出を実行するか否かの抽選)を実行する。次に、ステップ3108で、主制御基板MのCPUC100は、ステップ3106の処理にて実行したフリーズ実行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ3108でYesの場合、ステップ3110で、主制御基板MのCPUC100は、フリーズ実行フラグ(当該フラグがオンとなることにより、当該ゲームにてフリーズ演出が実行されることとなる)をオンにする。次に、ステップ3112で、主制御基板MのCPUC100は、フリーズ実行コマンド(副制御装置S側へのコマンドであり、当該ゲームにてフリーズ演出を実行する旨に関するコマンド)をセットし、次の処理(ステップ1550の処理)に移行する。尚、ステップ3102、ステップ3104又はステップ3108でNoの場合にも、次の処理(ステップ1550の処理)に移行する。
次に、図25は、本実施形態における、図18のステップ1550のサブルーチンに係る、リール回転開始準備処理のフローチャートである。まず、ステップ1568で、主制御基板MのCPUC100は、フリーズ実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1568でYesの場合、ステップ1570で、主制御基板MのCPUC100は、フリーズ実行フラグをオフにする。次に、ステップ1572で、主制御基板MのCPUC100は、フリーズ実行タイマFZt(フリーズ演出の実行期間を計測するためのタイマであり、デクリメントタイマ)に、フリーズ実行時間(本例では、60秒)をセットして当該タイマをスタートする。次に、ステップ1574で、主制御基板MのCPUC100は、フリーズ実行タイマFZtのタイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ1574でYesの場合、ステップ1552に移行する。他方、ステップ1574でNoの場合にはフリーズ実行タイマFZtのタイマ値が0になるまで、ステップ1574の処理を繰り返し実行することとなる。尚、ステップ1568でNoの場合には、ステップ1552に移行する。次に、ステップ1552で、主制御基板MのCPUC100は、遊技間隔最小時間タイマM70(減算タイマ)のタイマ値が0であるか否かを判定する。ここで、遊技間隔最小時間タイマM70は、あるゲーム開始タイミング(リール回転開始タイミング)から次のゲーム開始タイミング(リール回転開始タイミング)までに担保されるべき時間(本例では、4.1秒)を計測するタイマである。ステップ1552でYesの場合、ステップ1554で、主制御基板MのCPUC100は、遊技間隔最小時間タイマM70のタイマ値に新たに最小時間(本例では、4.1秒)をセットしてスタートする。他方、ステップ1552でNoの場合、主制御基板MのCPUC100は、無限ループ処理を実行する。次に、ステップ1556で、主制御基板MのCPUC100は、終了したゲームに係るリール停止順に係る情報及び押し順に係る情報をクリアする。次に、ステップ1558で、主制御基板MのCPUC100は、終了したゲームに係るリール停止中に係る情報及び引き込みポイント作成要求をクリアする。次に、ステップ1560で、主制御基板MのCPUC100は、終了したゲームに係る図柄停止位置データを初期化する。次に、ステップ1562で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係るリール回転開始待機時の出力要求をセットする。次に、ステップ1564で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係るリール制御コマンドをセットする。換言すると、ステップ1562及びステップ1564の処理によって、副制御装置Sにリールが回転開始することを示すためのコマンドが送信可能となる。次に、ステップ1566で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内に記憶されているリール駆動状態をリール停止状態からリール回転開始待機状態に更新し、次の処理(ステップ1260の処理)に移行する。
次に、図26は、本実施形態における、図18のステップ3400のサブルーチンに係る、残りゲーム数管理処理のフローチャートである。まず、ステップ3402で、主制御基板MのCPUC100は、現在の遊技区間は「有利区間」であるか否かを判定する。尚、詳細は後述することとなるが、「有利区間」とは遊技区間のうちの1つであり、ATに関する状態が「AT中状態」である場合などの遊技者にとって有利である遊技の状況にてセットされ易い遊技区間となっている。ステップ3402でYesの場合、ステップ3404で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1(デクリメントカウンタであり、「有利区間」に滞在し得る最大ゲーム数である1500が初期値としてセットされ、「有利区間」である期間にて毎ゲーム減算され得るカウンタ)のカウンタ値を1減算する。
次に、ステップ3408で、主制御基板MのCPUC100は、現在のATに関する状態は「AT中状態」であるか否かを判定する。ステップ3408でYesの場合、ステップ3410で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタ値を1減算し、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。尚、ステップ3402又はステップ3408でNoの場合にも、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。このように、本実施形態においては、押し順ナビが表示し得るATに関する状態として「AT中状態」である場合には、毎ゲームATカウンタ値が減算されるが、「有利BB状態」、「有利BB内部中遊技」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」である場合には、ゲームが実行されてもATカウンタ値は減算されないよう構成されている。即ち、ATカウンタ値が残存している(1以上残っている)状況にて「AT中状態」から「特化前兆状態」に移行した場合には、ATカウンタ値を維持したまま、「AT中状態」→「特化前兆状態」→「上乗せ特化状態」と遷移(移行)することができるよう構成されている。尚、ATに関する状態が「AT中状態」であっても、その遊技でボーナス役を含む当選番号が決定された場合に、ATカウンタ値を1減算しないようにすることができる。このとき、例えば、主制御基板MのRAMに記憶されるATカウンタ値は減算しないが、副制御装置Sによって制御される演出表示装置S40に表示される残りATゲーム数は減算するように表示を制御しても良い。例えば、ATカウンタ値が「30」で、演出表示装置S40に表示されている残りAT残りゲーム数が「30」のときに遊技が実行され且つボーナスが当選した場合、ATカウンタ値は「30」を維持、又は当該遊技に係るAT上乗せ抽選により得られた値「α」を加算した値である「30+α」を記憶するが、スタートレバーD50の操作を契機に、演出表示装置S40に表示されているAT残りゲーム数として「29」、又はAT上乗せ抽選により得られた値「α」を加算した値である「29+α」を表示しても良い(尚、上乗せ抽選により得られた「α」は、当該遊技で報知せずに、当該遊技以降の特定の遊技(ボーナス遊技開始時、ボーナス遊技中、ボーナス遊技終了時、又はボーナス遊技終了後から所定の条件を満たした遊技)において「α」を報知しても良い)。そして、演出表示装置S40に表示されているAT残りゲーム数は、「有利BB内部中遊技」においても遊技毎に1ずつ減算し、ボーナス確定を示唆する演出(例えば、ボーナス確定画面)を出力するまでAT残りゲーム数が遊技毎に減算されるように構成することができる。このように構成することによって、「AT中状態」等の押し順ナビが実行され得る状態にてボーナスに当選した場合において、ボーナス当選を遊技者に直ぐに把握されないようにすることができる。つまり、ボーナス役を含む当選番号が決定された後に、ボーナスに当選したか否かを煽る複数遊技に亘る連続演出を演出表示装置S40等を用いて実行し、遊技の興趣を高めることができる。尚、ボーナス遊技が終了した後に演出表示装置S40に表示されるATの残りゲーム数は「30」又はAT上乗せ抽選の結果上乗せに当選し上乗せした結果を報知する場合は、「30」以上の値を表示するように制御するようにすることができる。尚、ATカウンタ値が「1」で、且つ演出表示装置S40に表示されている残りATゲーム数が「1」のときに遊技が実行されボーナスが当選した場合、演出表示装置S40に表示されているAT残りゲーム数に係る表示は「0」となるが、この状態を維持したまま、ボーナスに当選したか否かを煽る複数遊技に亘る連続演出を実行し、ATカウンタ値が「1」で、演出表示装置S40に表示されているAT残りゲーム数が「1」のときに遊技が実行され且つAT上乗せ抽選が実行され得る当選番号(又は入賞・再遊技当選情報、又は出玉グループ番号)が当選し、且つ、AT上乗せ抽選に当選しなかった場合には、ATゲーム数が「0」となるとともに演出表示装置S40に表示されているATゲーム数は「0」となる。また、AT残りゲーム数が少ない場合には、AT残りゲーム数が多い場合よりも連続演出を実行する確率を低く(0%も含む)設定するように構成しても良い。
次に、図27は、本実施形態における、図18のステップ1700のサブルーチンに係る、RT状態移行制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1702で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにてRT状態移行可能条件が充足したか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、RT状態移行可能条件は、所定条件を満たしたとき(具体的には、電源がオフの状況下で設定キースイッチがオンとなり、その後電源がオンとなったときに実行される設定変更装置制御処理開始前、又は、設定変更装置制御処理終了時)のRAMクリアの実行(RAMの初期化)、再遊技の停止表示(本例では、再遊技04の停止表示)、BBの当選・開始・終了にて充足し得るよう構成されている。ステップ1702でYesの場合、ステップ1704で、主制御基板MのCPUC100は、当該充足したRT移行可能条件に基づきRT状態移行可否及び次ゲーム以降のRT状態を決定(図28のRT状態遷移図を参照)し、次の処理(ステップ1750の処理)に移行する。尚、ステップ1702でNoの場合にも次の処理(ステップ1750の処理)に移行する。尚、本実施形態においては、全リールの停止後にRT状態移行制御処理を実行しているが、「RT1」に移行する場合には当該移行タイミングはレバーオン時に移行しても良い。RT状態を移行する(RT番号をRAMに記憶する)タイミングは、適宜定めることができる。
次に、図28は、本実施形態における、RT状態遷移図である。本実施形態においては、「RT0」〜「RT3」及び「1種BB‐A,B,C」の5つのRT状態が存在しており、図中の矢印に示される条件を満たすことによってRT状態が移行することとなる。RT状態の具体的な移行例としては、RAM初期化が実行された場合には「RT3」となる。また、RT状態が「RT3」である場合に、押し順ベル溢し目が停止表示されると「RT0」となる。押し順ベル溢し目とは、例えば、「入賞A‐1」(正解の押し順は、「左→中→右」)に当選した場合に、正解の押し順以外の押し順(例えば、「中→左→右」)にてリールを停止させた場合に停止表示され、1枚の遊技メダルが払い出されることとなる(図8又は図9参照)。具体的には、入賞08〜入賞11の図柄組合せが押し順ベル溢し目に対応する。
また、RT状態が「RT1」である場合に、再遊技04が停止表示された場合には「RT0」に移行する。再遊技04が停止表示とは、一例としては、RT状態が「RT1」である状況にて「再遊技‐D1」に当選した場合に、第一停止として左停止ボタンを操作した場合には、再遊技01〜03が停止表示し、RT状態として「RT1」が維持される。一方、RT状態が「RT1」である状況にて「再遊技‐D1」に当選した場合に、第一停止として中停止ボタン又は右停止ボタンを操作した場合には、再遊技04が停止表示し、RT状態は「RT1」から「RT0」に移行する。また、先に記載した押し順ベル溢し目(入賞08〜11)が停止表示されると、「RT1」から「RT0」に移行する。
また、RT状態が「RT0」、「RT1」又は「RT3」の場合に、BB役に当選し、当該当選したゲームにてBB役を入賞させない(1種BB‐A〜Cに係る条件装置が作動する)とRT状態が「RT2」に移行する。また、「RT2」にてBB役を入賞させる(1種BB‐A〜Cが作動する)と「1種BB‐A,B,C」に移行する。また、「1種BB‐A,B,C」にてBBが終了(1種BB‐A〜Cの作動が終了)すると「RT1」に移行する。尚、ATに関する状態が「低確率状態」である場合にBBに当選し、且つ、当該BBの当選に基づくAT抽選に当選せずに、BBが終了した場合には、RT状態は遊技者にとって高利益な「RT1」に移行することとなるが、ATに関する状態は押し順ナビが発生しない状態であるため、「再遊技‐D1〜D3」に当選した際に不正解の押し順(第1停止が左ボタン、中ボタン、右ボタンの3択であり、3択のうち1つが正解の押し順であり再遊技04以外の再遊技が停止表示され、3択のうち2つが不正解の押し順であり再遊技04が停止表示される)にてリールを停止させることにより再遊技04が停止表示してしまい、「RT1」から「RT0」に移行することとなる。また、ATに関する状態が「高確率状態」、「AT中状態」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」である場合にBBに当選、又は、ATに関する状態が「低確率状態」である場合にBBに当選し、且つ、当該BBの当選に基づくAT抽選に当選し、BBが終了した場合には、RT状態は遊技者にとって高利益な「RT1」に移行することとなると共に、ATに関する状態は押し順ナビが発生する状態であり、「再遊技‐D1〜D3」に当選した際にも、再遊技04が停止表示しない正解の押し順をナビしてくれるため、「RT1」を維持することができることとなる。「待機区間」において、ATに関する抽選は実行されないよう構成されている。
次に、図29は、本実施形態における、図18のステップ1750のサブルーチンに係る、AT中状態開始制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1752で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームにてAT状態移行可能条件が充足したか否かを判定する。尚、AT状態移行可能条件とは、例えば、「高確率状態」にて当選したBBが終了した場合、又は、「低確率状態」にてAT抽選に当選することとなったBBが終了した場合に充足し、次回のゲームから「AT中状態」に移行する場合に充足することとなる(図30参照)。ステップ1752でYesの場合、ステップ1760で、主制御基板MのCPUC100は、新たに「AT前兆状態」に移行したことを契機として、AT初期ゲーム数(本例では、50であり、「AT中状態」に移行した後から減算が開始されるゲーム数)をATカウンタM60にセットし、次の処理(ステップ3500の処理)に移行する。尚、ステップ1752でNoの場合にも、次の処理(ステップ3500の処理)に移行する。尚、「高確率状態」にてBBに当選し「有利BB内部中遊技」に移行した後、BBを入賞させることにより「有利BB状態」に移行し、当該「有利BB状態」にてATゲーム数が上乗せされた場合には、BBが終了し「有利BB状態」から「AT中状態」に移行した時点で、ATカウンタにセットされる初期値は50を超過していることとなる。具体的には、「有利BB状態」でATゲーム数が30ゲーム上乗せされた後、「AT中状態」に移行した場合には、ATカウンタに80(初期値50+上乗せ30)がセットされることになる。このとき、「有利BB状態」において30ゲーム上乗せされたことを遊技者に報知する演出を行った場合、「AT中状態」の開始時に、AT初期ゲーム数として80ゲームである旨を遊技者に報知するのが望ましいが、別の報知方法として、あえて、「有利BB状態」において30ゲーム上乗せされたことを遊技者に報知する演出を行わずに、「AT中状態」の開始時に初期値である50ゲームを遊技者に提示した後、AT中(例えば、「AT中状態」の開始直後や、演出表示装置S40におけるAT残りゲーム数が少ない状態)に30ゲーム上乗せされたことを遊技者に報知する演出を行う報知方法も考えられる。このようにすることで、遊技者は「有利BB状態」でATゲーム数上乗せが行われたのか、または、何ゲームのゲーム数上乗せが行われたのか、を明確に把握することができないため、AT中(押し順ナビが発生し得る状態)にて原因不明で突如発生する上乗せ演出に対する興趣を高めることができる。尚、本例においては、ステップ1760にてAT初期ゲーム数をATカウンタM60にセットするよう構成しているが、AT初期ゲーム数をセットする処理の実行タイミングは本例のものには限定されず、前述したステップ3000のAT抽選実行処理を実行するタイミングにAT初期ゲーム数をATカウンタM60にセットするよう構成してもよい。また、ATカウンタM60にセットされたゲーム数(AT初期ゲーム数)は、BBが終了した後の遊技(ATに関する状態が「AT中状態」)になったときから減算されるよう構成されている(BB中には減算開始しない)。また、ATカウンタM60のカウンタ値は主制御基板MのRAMの記憶領域に記憶されるよう構成されている。
次に、図30は、本実施形態における、AT状態遷移図である。本実施形態においては、「低確率状態」、「通常BB内部中遊技」、「通常BB状態」、「高確率状態」、「AT中状態」、「特化前兆状態」、「上乗せ特化状態」、「有利BB内部中遊技」、「有利BB状態」、「待機BB内部中遊技」の10つのATに関する状態が存在しており、図中の矢印に示される条件を満たすことによってATに関する状態が移行することとなる。例えば、「AT中状態」にてスイカBに当選し、1/2で当選する特化状態移行抽選に当選した場合には「特化前兆状態」に移行する。また、「特化前兆状態」に移行してから10ゲームが経過(消化)した場合には「上乗せ特化状態」に移行するよう構成されている。尚、遊技区間としては、「低確率状態」、「通常BB内部中遊技」、「通常BB状態」の3つのATに関する状態が「通常区間」に設定され、「待機BB内部中遊技」が「待機区間」に設定され、「高確率状態」、「AT中状態」、「特化前兆状態」、「上乗せ特化状態」、「有利BB内部中遊技」、「有利BB状態」の6つのATに関する状態が「有利区間」に設定される。即ち、「有利区間」となる6つのATに関する状態を遷移(移行)していても、「通常区間」に設定せずに1500ゲーム経過した場合には「有利区間」は強制的に終了して「通常区間」に設定される。また、押し順ナビが表示される報知遊技状態である「AT中状態」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」である場合に、再遊技04が停止表示された場合であっても、遊技状態は維持される。
尚、ATに関する状態は本実施形態のものには限定されず、例えば、「低確率状態」又は「高確率状態」にて所定の当選番号に当選することによってAT抽選が実行され、当該AT抽選に当選することにより「前兆状態」に移行し、16〜32ゲーム経過後に「AT中状態」に移行するよう構成してもよいし、そのように構成した場合には、前記所定の条件装置に当選することによってAT抽選が実行され、当該AT抽選に当選しなかった場合には、「ガセ前兆状態」に移行し、16〜32ゲーム経過後に「低確率状態」又は「高確率状態」に移行するよう構成してもよい。また、本実施形態においては、遊技区間として「待機区間」が設けられており、「低確率状態」にてBBに当選し、当該BBに基づくAT抽選に当選した場合に「待機区間」となるよう構成されている。また、BB役以外の条件装置によってAT抽選に当選し得るよう構成してもよく、例えば、「チェリー」に当選することによってAT抽選が実行される遊技性とした場合に、BBとチェリーが重複した「BB+チェリー」に当選し、AT抽選に当選した場合には、「BB+チェリー」の「BB」が入賞するまでのBB内部中の状態を「待機区間」とするよう構成してもよい。このように、「待機区間」を設けることにより、「低確率状態」にてBBに当選、且つ、AT抽選に非当選である場合と、「低確率状態」にてBBに当選、且つ、AT抽選に当選している場合とのいずれの場合も、BBの図柄組合せが揃うまで(有利区間表示器が点灯するまで)の期間においては、有利区間表示器YHが消灯しているため、AT抽選に当選しているか否かを遊技者に期待させることで煽ることができる。尚、「待機区間」においても、有利区間表示器YHを点灯させるよう構成してもよいし、有利区間表示器YHが点灯する場合と消灯する場合のいずれも実行され得るよう構成してもよい(有利区間表示器YHの点灯・消灯に基づいて副制御装置Sにて実行する演出を決定するよう構成してもよい)。また、「上乗せ特化状態」においてBBが当選した場合には、当該BB終了後に「上乗せ特化状態」が再開するよう構成してもよく、そのように構成した場合には、当該BB中は「上乗せ特化状態」において当選したBBとして「AT中状態」にて当選したBBとは異なるAT上乗せ抽選を実行する(例えば、「AT中状態」にて当選したBBよりもAT上乗せ抽選に当選し易い、ATゲーム数上乗せ1回あたりのゲーム数が相対的に多い)よう構成してもよい。また、「特化前兆状態」においてBBが当選した場合には、当該BB終了後に「上乗せ特化状態」に移行するよう構成してもよく、そのように構成した場合には、当該BB中は「上乗せ特化状態」において当選したBBと同様にAT上乗せ抽選が実行されるよう構成してもよい。
次に、図31は、本実施形態における、図18のステップ3500のサブルーチンに係る、遊技区間移行制御処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態においては、遊技の状態に係る区間として遊技区間を有しており、遊技区間としては、相対的に遊技者にとって低利益な「通常区間」と、相対的に遊技者にとって高利益な区間である「有利区間」と、の2つの遊技区間を有している。フローチャートの説明としては、まず、ステップ3502で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る遊技区間は「通常区間」であるか否かを判定する。ステップ3502でYesの場合、ステップ3504で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を、決定しているATに関する状態及び現在の遊技の状況に基づいて決定し、ステップ3534に移行する。他方、ステップ3502でNoの場合、ステップ3506で、主制御基板MのCPUC100は、当該ゲームに係る遊技区間は「待機区間」であるか否かを判定する。ステップ3506でYesの場合、ステップ3508で、主制御基板MのCPUC100は、BBが作動したか否かを判定する。ステップ3508でYesの場合、ステップ3510で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「有利区間」に決定し、ステップ3534に移行する。他方、ステップ3508でNoの場合、主制御基板MのCPUC100は、ステップ3506で、次ゲーム以降の遊技区間を「待機区間」に決定し、ステップ3534に移行する。他方、ステップ3506でNoの場合、ステップ3522で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0であるか否か、換言すると、「有利区間」が継続可能な最大ゲーム数に到達したか否かを判定する。ステップ3522でYesの場合、ステップ3526で、主制御基板MのCPUC100は、ATに関連する情報をすべてクリアする(それにより、ATカウンタ値が0となり、「特化前兆状態」の滞在ゲーム数といったものも0となる)。他方、ステップ3522でNoの場合、ステップ3524で、主制御基板MのCPUC100は、任意の有利区間終了条件を充足していないか否かを判定する。ここで、任意の有利区間終了条件とは、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0となった場合以外の「有利区間」の終了条件であり、例えば、ATカウンタ値が0となった場合や、押し順ナビが所定回数実行された場合等となっている。ステップ3524でYesの場合、ステップ3532で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「有利区間」に決定し、ステップ3534に移行する。他方、ステップ3524でNoの場合、即ち、任意の有利区間終了条件を充足した場合にはステップ3526に移行する。このように、本実施形態においては、「有利区間」が終了して次ゲーム以降に「通常区間」に設定する場合には、ATに関連する情報(AT継続ゲーム数、AT残りゲーム数、等に係る情報)をすべてクリアするので、以降の「通常区間」において再度「有利区間」となる際の条件が緩和されることがなくなる。尚、ステップ3526の処理(有利区間終了時の処理)によりクリアするATに関連する情報としては、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値、遊技状態を示すフラグ等がある。また、これらの情報は設定変更時のRAMクリアによってもクリアされることとなるが、設定変更時のRAMクリアによっては、「役物連続作動装置(BB)に係る条件装置」や「RT状態」、「貯留枚数」等に係る情報もクリアするのに対し、ステップ3526の処理(有利区間終了時の処理)によっては、「役物連続作動装置(BB)に係る条件装置」や「RT状態」、「貯留枚数」等に係る情報はクリアされない。このように、設定変更時のRAMクリア範囲と「有利区間」終了時(例えば、ステップ3526の処理実行時)のクリア範囲は相違している。尚、設定変更時のRAMクリアによって、「役物連続作動装置(BB)に係る条件装置」や「RT状態」を保持するように構成していても良い。また、「有利区間」終了時にクリアする範囲のアドレスは連続している。このように「有利区間」終了時にクリアする範囲のアドレスを連続させることにより、クリア処理時にクリアする先頭アドレスと、クリアするアドレスの範囲を指定するという簡易的な処理でクリアすることができる。また、「有利区間」が終了した場合には、「有利区間」が終了した旨に係るコマンドを主制御基板Mから副制御装置Sに送信する。但し、副制御装置S側は当該コマンドを受信しても、「有利区間」であった旨や、「AT中状態」を何ゲーム実行したかに係る情報等の遊技履歴は消去しないよう構成されている。但し、設定変更時のRAMクリアを実行した場合には、副制御装置S側における、「有利区間」であった旨や、「AT中状態」を何ゲーム実行したかに係る情報等の遊技履歴も消去されることとなる。
尚、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0となったために「有利区間」が終了した場合には、(1)現在のATに関する状態が「高確率状態」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「低確率状態」となる、(2)現在のATに関する状態が「有利BB内部中遊技」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「通常BB内部中遊技」となる、(3)現在のATに関する状態が「有利BB状態」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「通常BB状態」となる、(4)現在のATに関する状態が「AT中状態」、「特化前兆状態」又は「上乗せ特化状態」であった場合には、次ゲームにてATに関する状態が「低確率状態」となるよう構成されている(ATに関連する情報がクリアされるため)。
次に、ステップ3528で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲーム以降の遊技区間を「通常区間」に設定し、ステップ3530に移行する。次に、ステップ3530で、主制御基板MのCPUC100は、「有利区間」が終了したため有利区間表示器YHを消灯し、ステップ3534に移行する。尚、「有利区間」が終了して「通常区間」に設定する際に有利区間表示器YHを消灯するよう構成されているが、詳細な消灯のタイミングは本実施形態のタイミングには限定されず、例えば、「有利区間」が終了して「通常区間」となるゲームに係る遊技メダル投入時に有利区間表示器YHを消灯するよう構成してもよい。換言すると、次遊技が開始可能となるスタートレバーD50が操作される前に有利区間表示器YHを消灯するように構成していれば良い。
次に、ステップ3534で、主制御基板MのCPUC100は、次ゲームにて新たに「有利区間」に設定することが決定した(「通常区間」から「有利区間」に設定することが決定した)か否かを判定する。ステップ3534でYesの場合、ステップ3536で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1に所定値をセットする。尚、当該有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1にセットする所定値は、すべての設定値において共通する固定の数値(本例では、1500)となっている。次に、ステップ3538で、主制御基板MのCPUC100は、有利区間表示器YHを点灯し、次の処理(ステップ1293の処理)に移行する。尚、ステップ3534でNoの場合にも、次の処理(ステップ1293の処理)に移行する。尚、本実施形態においては、ステップ3538のタイミングにて有利区間表示器YHの点灯処理を実行したが、有利区間表示器YHの点灯タイミングはこれには限定されず、有利区間表示器YHの点灯タイミングは新たに「有利区間」となる前のゲーム(「通常区間」のゲーム)におけるスタートレバーの操作タイミングから新たに「有利区間」となるゲームにおける遊技メダル投入可能となるタイミングまで(新たに「有利区間」となる前のゲームが再遊技に係るゲームであった場合には、新たに「有利区間」となるゲームにおけるスタートレバーの操作が有効となるタイミングまで)の期間にて適宜設定してもよい。
尚、「有利区間」の継続ゲーム数が1500ゲームに近い場合にBBが実行された場合を例示すると、有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が5の場合(有利区間の継続ゲーム数が1495の場合)にBBが実行開始され、その後BBの実行中に有利区間残りゲーム数カウンタYKc‐1のカウンタ値が0(有利区間の継続ゲーム数が1500)となった時点で、「通常区間」となる。
次に、図32は、本実施形態におけるステップ1600のサブルーチンに係る、タイマ割り込み時処理のフローチャートである。当該サブルーチンの処理は、ステップ1040又はステップ1104の処理にて、タイマ割り込みが開始された場合に実行開始され、以降、所定時間(本例では、Tとしているが、例えば、2ms程度の時間が設定される)を周期として定期的に実行されるよう構成されている。
まず、ステップ1602で、主制御基板MのCPUC100は、割り込み開始時の処理(例えば、CPUC100内のレジスタで保持されているデータの退避、電源断検知信号の入力ポートチェック等)を実行する。次に、ステップ1604で、主制御基板MのCPUC100は、現在(今回の割り込み処理にて)電源断を検知していないか否かを判定する。ステップ1604でNoの場合、ステップ1900で、主制御基板MのCPUC100は、後述する、電源断時処理を実行する。他方、ステップ1604でYesの場合、ステップ1606で、主制御基板MのCPUC100は、タイマ計測(ソフトウエアで管理する各種タイマの更新処理)を開始する。次に、ステップ1608で、主制御基板MのCPUC100は、入力ポートデータを生成して、当該データを記憶する(RAM領域内の各入力ポートデータの格納領域を更新する)。ここで、入力ポートデータとは、精算ボタンD60、スタートレバーD50、停止ボタンD40、扉スイッチD80、設定キースイッチM20、設定/リセットボタンM30、電源断検知信号、投入受付センサD10s、第1投入センサD20s、第2投入センサD30s、第1払出センサH10s、第2払出センサH20s、等の検出に係る情報である(即ち、これらの操作部材での操作有無やセンサ検知状態が、割り込み間隔Tでサンプリングされる)。
次に、ステップ1610で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域内の入力ポートデータを参照し、各入力ポートデータのサンプリング結果に応じて、扉スイッチフラグ、設定キースイッチフラグのオン・オフを切り替える(例えば、扉スイッチD80のスイッチ状態が複数回のサンプリングに亘って連続してオンである場合に、扉スイッチフラグをオンとすることで、ノイズの影響を受けることなく前扉DUが開状態であることを検出することもできる)。次に、ステップ1611で、主制御基板MのCPUC100は、全リール(左リールM51、中リールM52、右リールM53)の回胴駆動制御処理(リールM50の駆動の制御に係る処理)を実行する。次に、ステップ1612で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタM60を参照し、当該カウンタ値が0より大きいか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、ステップ1613で、主制御基板MのCPUC100は、ATカウンタ値表示装置D280にてAT残りゲーム数(ATゲーム数)を表示し、ステップ1614に移行する。尚、ステップ1612でNoの場合にもステップ1614に移行する。尚、主制御基板Mで制御されるATカウンタ値表示装置D280を備えていない場合には、ステップ1612及びステップ1613の処理は不要である。次に、ステップ1614で、主制御基板MのCPUC100は、出力データを出力ポートに出力する。ここで、出力データとは、リールM50、ブロッカD100、等を駆動するためのデータである。次に、ステップ1616で、主制御基板MのCPUC100は、すべてのエラーフラグがオフ(不図示であるが、投入メダル逆流エラーフラグ、投入枚数エラーフラグ、投入メダル滞留エラーフラグ、投入異常エラーフラグ、払出異常エラーフラグ、払出メダル滞留エラーフラグ、扉スイッチフラグ、等のエラーに係るフラグが全てオフ)であるか否かを判定する。ステップ1616でYesの場合、ステップ1618で、主制御基板MのCPUC100は、エラー未検出コマンド(サブ側へのコマンドであり、エラーが検出されていない旨に係るコマンド)をセットし(例えば、レジスタ領域内にセットし)、ステップ1622に移行する。他方、ステップ1616でNoの場合、ステップ1620で、主制御基板MのCPUC100は、エラー検出コマンド(サブ側へのコマンドであり、エラーが検出されている旨に係るコマンド)をセットし(例えば、レジスタ領域内にセットし)、ステップ1622に移行する。尚、ステップ1620においては、オンとなっているエラーフラグに対応したエラー(現在発生しているエラー)に係る情報がサブ側に送信されるよう構成されている。また、エラー未検出コマンドはエラーが発生していた状態からエラーが解除された場合にのみ(フラグがオフになったと判定された場合にのみ)セットしても良いし、エラー未検出のときには当該情報のセット処理を実行しなくても良い(ステップ1618が無くても良い)。更に、エラー検出コマンドはエラーが発生していない状態からエラーが発生した場合にのみセット処理を実行しても良いし、第1のエラー(例えば、投入メダル滞留エラー)が発生している状態から第2のエラー(例えば、払出メダル滞留エラー)のようにエラーの種類が変わった場合にセット処理を実行してもよい。
次に、ステップ1622で、主制御基板MのCPUC100は、制御コマンド(サブ側のコマンド)を送信する(例えば、ステップ1618やステップ1620でレジスタ領域内にセットされている場合には、そのセットされた制御コマンドを送信することとなる)。ここで、副制御装置Sに送信するコマンドとして、スタートレバー操作タイミングに係るコマンド(スタートレバー操作直後に送信される)、第1リール停止受付タイミングに係るコマンド(第1停止として停止ボタンを操作した直後に送信される)、第2リール停止受付タイミングに係るコマンド(第2停止として停止ボタンを操作した直後に送信される)、第3リール停止受付タイミングに係るコマンド(第3停止として停止ボタンを操作した直後に送信される)、全リールが停止した直後に送信される)、演出グループ番号に係るコマンド(スタートレバーD50の操作直後に送信される)、入賞・再遊技当選情報に係るコマンド(スタートレバー操作直後に送信される(有利区間中に限る))、ボーナス当選情報に係るコマンド(スタートレバー操作直後に送信される)、RT状態に係るコマンド(全リールが停止してから次のゲームが開始されるまでの間に送信される)、ATに関する状態に係るコマンド(全リールが停止してから次のゲームが開始されるまでの間に送信される)、AT残りゲーム数に係るコマンド(全リールが停止してから次のゲームが開始されるまでの間、又は、スタートレバー操作直後に送信される)、順押し指示コマンド(スタートレバー操作直後に送信される)、順押し回避コマンド(スタートレバー操作直後に送信される)、逆押し指示コマンド(スタートレバー操作直後に送信される)、逆押し回避コマンド(スタートレバー操作直後に送信される)、フリーズ実行コマンド(主制御基板M側でフリーズ演出が実行される旨に関するコマンドであり、スタートレバー操作力後に送信される)、遊技区間に関するコマンド(全リールが停止してから次のゲームが開始されるまでの間に送信される)、等がある。次に、ステップ1624で、主制御基板MのCPUC100は、外部端子信号(回胴式遊技機Pから外部のホールコンピュータ等へ情報伝達するための信号)を出力する。尚、当該外部信号にて出力されるエラーに係る情報としては、不図示であるが、ドア開放エラー、投入異常エラー、払出異常エラー、投入受付センサ滞留エラー、等が出力される。尚、ドア開放エラーは、前扉DUが開放されドアスイッチフラグがオンとなった場合にエラーとなるよう構成されており、投入受付センサ滞留エラーは投入受付センサが遊技メダルの滞留を検出した場合にエラーとなるよう構成されている。次に、ステップ1626で、主制御基板MのCPUC100は、LED(7セグLEDランプ、等)の出力データ(例えば、複数の7セグLEDユニットのうち、所定の7セグLEDユニットを点灯させ、7セグの所定のセグメントを点灯させる)を出力する(所謂、ダイナミック点灯)。次に、ステップ1628で、主制御基板MのCPUC100は、LEDの点灯態様(例えば、LEDの点灯色を変更)を実行する。尚、ステップ1628は実行されなくてもよい。次に、ステップ1630で、主制御基板MのCPUC100は、ソフト乱数管理処理(ソフトウエアで管理する乱数値の更新処理等)を実行する。次に、ステップ1632で、主制御基板MのCPUC100は、内部情報レジスタデータを取得する(内部情報レジスタには、乱数発生回路に異常が出ると異常フラグ用ビットが立つ領域が存在している)。次に、ステップ1634で、主制御基板MのCPUC100は、乱数更新用クロックの周波数は正常であるか否か(当該周波数異常を示す異常フラグ用ビットが立っていないか否か)を判定する。具体的には、乱数更新用クロックの周波数が所定値を下回った場合に異常用フラグビットが立つ。ステップ1634でYesの場合、ステップ1636で、主制御基板MのCPUC100は、内蔵乱数の更新状態は正常であるか否か(当該更新状態異常を示す異常フラグ用ビットが立っていないか否か)を判定する。ステップ1636でYesの場合、ステップ1638で、主制御基板MのCPUC100は、割り込み終了処理を実行し、次の処理(ステップ1602の処理)に移行する。他方、ステップ1634又はステップ1636でNoの場合には、ステップ1640で、主制御基板MのCPUC100は、内蔵乱数エラー表示をセットする(例えば、レジスタ領域内にエラー番号をセットする)。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUC100は、前述した、復帰不可能エラー処理を実行する。
次に、図33は、図32におけるステップ1900のサブルーチンに係る、電源断時処理のフローチャートである。まず、ステップ1902で、主制御基板MのCPUC100は、スタックポインタを保存する。次に、ステップ1904で、主制御基板MのCPUC100は、電源断処理済みフラグをオンにする(例えば、RAM領域の電源断処理済みフラグ領域内をオンに相当する値で更新する)。次に、ステップ1906で、主制御基板MのCPUC100は、RAM領域の先頭アドレスからチェックサム領域直前アドレスまでのチェックサムを算出し、当該算出したチェックサムに基づく誤り検出用情報(例えば、当該算出したチェックサムにおける下位1バイト、或いは、その補数となるもの)をチェックサム領域にてセットする。次に、ステップ1912で、主制御基板MのCPUC100は、RAMの書き込みを禁止し、ステップ1914に移行する。次に、ステップ1914で、主制御基板MのCPUC100は、リセットを待機するための無限ループ処理を実行する。
以上のように、主制御基板Mが行う処理に基づいて遊技が制御される回胴式遊技機Pにおいて、前述したように副制御装置Sは、主制御基板Mから受け取った制御コマンドを解析して、各種LEDランプS10、スピーカS20、演出表示装置S40、回胴バックライトS30、上側役物MAU及び下側役物MAB(図53〜図56参照)等にそれぞれ駆動信号を出力することにより、各種の演出を行う。以下では、副制御装置Sについて詳述する。
<<副制御装置Sの構成>>
副制御装置Sは、前述したとおり、裏箱の左側面に取り付けられたサブメイン制御基板SMと、演出表示装置S40の背面に設けられた演出・画像ユニットPIUを主として構成されている(図2参照)。このように、サブメイン制御基板SMは裏箱に取り付けられ、演出・画像ユニットPIUは前扉DUの裏側に取り付けられており、サブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIUとは、離隔した位置に配置され、後述するように、サブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIUとは、ハーネス(図50参照)によって電気的に接続されて、各種のデータやコマンドを互いに送受信することができる。以下、図34〜図56を参照しつつこれらについて説明する。
<サブメイン制御基板SMの構成>
サブメイン制御基板SMは、副制御装置Sの統括制御的な役割を果たす制御基板であり、サブメイン制御基板SMには、サブメイン制御基板SMの制御を司る副制御チップSCが搭載されている(図12参照)。前述したように、副制御チップSCは、1チップマイコンとして構成されており、副制御チップSCには、演算処理や判断処理などの各種の処理が実行されるCPUSC100や、CPUSC100が使用するROM(リードオンリーメモリ)やRAM(ランダムアクセスメモリ)も搭載されている(図示せず)。CPUSC100は、ROMに記憶されているプログラムや定数を読み出したり、RAMに各種のデータを一時的に記憶させたり記憶させたデータを読み出したりすることで各種の処理を実行する。
具体的には、サブメイン制御基板SMは、主制御基板M(図示せず)と通信可能に接続されており、主制御基板Mから受信したコマンドに応じて、演出の実行の有無や、どのような画像演出や音声演出を実行させるかを決定し、決定した演出内容に関する各種のコマンドを演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBに出力することで、これらの制御基板に具体的な演出の制御(画像の制御や音声の制御やランプの制御や役物の制御)を実行させる等、画像や音声やランプや役物等、各種の演出を統括的に制御する。
<<演出・画像ユニットPIU及びその周辺の構成>>
演出・画像ユニットPIUは、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBによって、主に構成されており、以下、図34及び図35を用いつつ説明する。
図34(A)は、演出・画像ユニットPIUと、演出・画像ユニットPIUのカバー部材UCPに形成されたファンICF(通風孔UVH)とを示す正面図である。図34(B)は、演出・画像ユニットPIUの内部の構成を示す正面図である。図35(A)は、演出・画像ユニットPIUと演出・画像ユニットPIUのカバー部材UCPに形成された通風孔UVHとを示す斜視図である。図35(B)は、演出・画像ユニットPIUの内部の構成を示す斜視図である。
図34(A)及び図35(A)に示すように、演出・画像ユニットPIUは、演出・画像ユニットPIUを保護するためのカバー部材UCPを有する。前述の通り(図34(B)及び図35(B)参照)、演出・画像ユニットPIUは、演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとからなり、演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとが隣り合うように配置されている。
<演出制御基板PCB>
演出制御基板PCBは、主に、スピーカS20から出力される音声や、役物(上側役物MAUや下側役物MAB)(図53〜図56参照)などの演出を制御する制御基板であり、CPUPCC(図43参照)などの各種の電子部品が搭載されている。また、演出制御基板PCBは、サブメイン制御基板SMとハーネス(図50参照)によって通信可能に接続され、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとの間でデータやコマンドを送受信する。具体的には、演出制御基板PCBは、サブメイン制御基板SMから送信されたコマンドに応じて、スピーカS20から出力される音声の内容や出力のタイミングや、ランプ(例えばLEDランプS10)の点灯や点滅や消灯、役物(例えば、上側役物MAUや下側役物MAB)の出力(動作)内容や出力タイミングを制御する等、具体的な演出動作の制御を行う。
<画像制御基板ICB>
画像制御基板ICBは、主に、演出表示装置S40に表示される画像演出を制御する制御基板であり、CPUICCやROMICRや音声制御回路がモジュール化された音声制御基板SCBなどの各種の電子部品が搭載されている。また、画像制御基板ICBは、演出制御基板PCBと同様にサブメイン制御基板SMとハーネス(図50参照)によって通信可能に接続され、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの間でデータやコマンドを送受信する。具体的には、画像制御基板ICBは、サブメイン制御基板SMから送信されたコマンドに応じて、演出表示装置S40で表示する演出画像の内容や表示タイミングを制御する等、具体的な演出表示の制御を行う。なお、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの詳細な構成及び機能については後述する。
<ファンICF(通風孔UVH)>
前述のとおり、演出制御基板PCBには、CPUPCC(図43参照)などの各種の電子部品が搭載され、画像制御基板ICBには、CPUPCCやROMICRや音声制御基板SCBなどの各種の電子部品が搭載されている。このため、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの電子部品が動作することで熱を発し、演出・画像ユニットPIUの内部が高温になりやすい。演出・画像ユニットPIUの内部が高温になった場合には、CPUPCCやCPUICCなどが誤動作する可能性が高まる。このため、演出・画像ユニットPIUを収容するケースを構成するカバー部材UCPに通風孔UVHを設けるとともに、画像制御基板ICBのCPUICCの直上に空冷用のファンICFを設けることで、内部で生じた熱を演出・画像ユニットPIUの外部に排出することができる。
図34(B)に示す例では、画像制御基板ICBにCPUICCが搭載されており、CPUICCの直上に空冷用のファンICF(図34(A)参照)が配置されている。空冷用のファンICFは、カバー部材UCPの裏側に取り付けられており、空冷用のファンICFを駆動するためのモータ(図示せず)には画像制御基板ICBから電源が供給される。また、モータから出力される信号(回転数に比例するパルス信号)が、画像制御基板ICBに供給される。
カバー部材UCPの通風孔UVHは、ファンICFの排気出面(図示せず)と重なるように形成されている。ファンICFの駆動によって形成された気流により、CPUICCから発せられた熱により暖められた空気は、CPUICCから離れる方向に向かって流れ、カバー部材UCPの通風孔UVHを通過してファンICFの排気出面から演出・画像ユニットPIUの外部に排出される。なお、ファンICFの制御や温度の検出などについては、後述する(図38〜図42参照)。
<<<リセット信号処理>>>
前述したとおり、副制御装置Sではサブメイン制御基板SMからの制御コマンドに基づいて演出・画像ユニットPIU(演出制御基板PCB・画像制御基板ICB)が各種の演出装置を制御しているが、これらの制御基板には個別のプロセッサ(CPUやVDP等)が搭載されており、プロセッサに入力されるリセット信号に基づいて起動がなされている。ここでは、夫々のプロセッサに供給されるリセット信号について図36を用いて説明する。
図36は、副制御装置Sを構成するサブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIUとの間におけるリセット信号の送受信の概略を示すブロック図である。
<ハードウエアリセット信号>
図36に示すように、サブメイン制御基板SMには、CPUSC100の他に、リセットICSCRが搭載されている。なお、リセットICSCRもCPUSC100とともに前述した副制御チップSCに搭載されており、図36では、副制御チップSCを省略して示した。
リセットICSCRは、電源電圧を監視し、監視している電源電圧が所定値以下である場合には、機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)を出力し、電源電圧が所定値以上である場合には、機器がリセットされない信号(リセットが解除される)(ハイレベルの信号H)を出力する。換言すると、電源遮断時にローレベルの信号Lが供給されることで機器がリセット状態になり、電源投入時には、電源が正常な電圧になったことでハイレベルの信号Hが供給されることで機器のリセット状態が解除されるようにリセットICSCRから信号が出力される。なお、本明細書中においては便宜上、両信号(リセットを解除するための信号である「ハイレベルの信号H」と、リセットをするための信号である「ローレベルの信号L」)とを組み合わせ、「ローレベルの信号L」によって、機器を一旦リセットした後に、「ハイレベルの信号H」によって、機器のリセットを解除するための信号をリセット信号と称する。
リセットICSCRから出力されるリセット信号は、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICB並びにCPUSC100に出力される。以下では、演出制御基板PCBに出力されるリセット信号を第1のハードウエアリセット信号と称し、画像制御基板ICBに出力されるリセット信号を第2のハードウエアリセット信号と称し、サブメイン制御基板SMのCPUSC100に出力されるリセット信号を第3のハードウエアリセット信号と称する。これらの第1のハードウエアリセット信号〜第3のハードウエアリセット信号は、リセットICSCRから同時に出力され、演出制御基板PCB、画像制御基板ICB及びサブメイン制御基板SMのCPUSC100に略同時に供給される。
第1のハードウエアリセット信号は、ゲートXRGを介して演出制御基板PCB(CPUICC)のリセット端子に供給される。第2のハードウエアリセット信号は、ゲートXRGを介して画像制御基板ICB(CPUPCC)のリセット端子に供給される。なお、ゲートXRGを介して各リセット端子に供給される信号は、ハードウエアリセット信号の論理レベルと、後述するソフトウエアリセット信号の論理レベルとに応じて異なるが、説明を簡潔にするため、以下(ハードウエアリセット信号の項目)では、ソフトウエアリセット信号としてリセットが解除される信号(ハイレベルの信号H)が出力されてゲートXRGに供給されているものとして説明する。
演出制御基板PCB(CPUICC)は、第1のハードウエアリセット信号として機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)が供給されるとリセットされ、その後、第1のハードウエアリセット信号としてリセットが解除される信号(ハイレベルの信号H)が供給されると再起動する。同様に、画像制御基板ICB(CPUPCC)は、第2のハードウエアリセット信号として機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)が供給されるとリセットされ、その後、第2のハードウエアリセット信号としてリセットが解除される信号(ハイレベルの信号H)が供給されると再起動する。
また、第3のハードウエアリセット信号は、サブメイン制御基板SMのCPUSC100に供給され、サブメイン制御基板SM(CPUSC100)は、供給されている第3のハードウエアリセット信号が、機器をリセットする信号(ローレベルの信号L)からリセットを解除する信号(ハイレベルの信号H)に変化したことに基づいて起動する。
<ソフトウエアリセット信号>
サブメイン制御基板SMは、起動した後、所定の動作を実行することで、CPUSC100の第1の出力ポートからリセット信号を出力し、CPUSC100の第2の出力ポートからリセット信号を出力できるように構成されている。以下では、第1の出力ポートから出力されるリセット信号を第1のソフトウエアリセット信号と称し、第2の出力ポートから出力されるリセット信号を第2のソフトウエアリセット信号と称する。
第1のソフトウエアリセット信号は、ゲートXRGを介して演出制御基板PCB(CPUICC)のリセット端子に供給される。サブメイン制御基板SMが、所定の動作により第1のソフトウエアリセット信号として機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)を出力した際には、第1のハードウエアリセット信号の論理状態(ハイレベルH又はローレベルL)に関わらず、機器がリセットされる信号が演出制御基板PCB(CPUICC)のリセット端子に供給される。また、サブメイン制御基板SMが、所定の動作により第1のソフトウエアリセット信号として機器のリセットが解除される信号(ハイレベルの信号H)を出力した際には、第1のハードウエアリセット信号として機器のリセットが解除される信号(ハレベルの信号H)が出力されていることを条件に、機器のリセットが解除される信号が演出制御基板PCB(CPUICC)のリセット端子に供給されるように論理構築されている。このため、第1のハードウエアリセット信号として機器のリセットが解除される信号が出力されていることを条件に、演出制御基板PCB(CPUICC)は、第1のソフトウエアリセット信号に応じて、演出制御基板PCBをリセットして再起動することができる。
第2のソフトウエアリセット信号も、ゲートXRGを介して画像制御基板ICB(CPUPCC)のリセット端子に供給される。このため、画像制御基板ICBが第2のソフトウエアリセット信号を受信すると、演出制御基板PCB(CPUICC)と同様の条件のもと、画像制御基板ICB(CPUPCC)はリセットされて再起動する。
なお、いずれのゲートXRGにおいても、ハードウエアリセット信号又はソフトウエアリセット信号のいずれかの信号によって、機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)が出力された場合には制御基板(CPU)に機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)を供給するように構成されており、いずれの出力元からも機器をリセットすることができるように構成されている。但し、ハードウエアリセット信号によって、機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)を出力している場合には、電源が不安定な状態であることになるため、たとえソフトウエアリセット信号によって、リセットが解除される信号(ハイレベルの信号H)を出力したとしてもハードウエアリセット信号が機器のリセットを解除する信号(ハイレベルの信号H)を出力するまでは、リセット解除信号が出力されないようになっている。
上述したように、第1のソフトウエアリセット信号及び第2のソフトウエアリセット信号を出力する機能を備えることにより、サブメイン制御基板SMは、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBの暴走を検知し、演出制御基板PCBが暴走したと判断したときには、第1のソフトウエアリセット信号を演出制御基板PCBに送信し、画像制御基板ICBが暴走したと判断したときには、第2のソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信する。
以下では、特に区別する必要がない場合には、第1のハードウエアリセット信号、第2のハードウエアリセット信号及び第3のハードウエアリセット信号を単にハードウエアリセット信号と称し、第1のソフトウエアリセット信号及び第2のソフトウエアリセット信号を単にソフトウエアリセット信号と称する。
<演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの起動>
演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBに対して、本実施例のようにハードウエアリセット信号を供給せずに、サブメイン制御基板SMから供給するソフトウエアリセット信号のみで、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBを起動する場合には、次のような処理を経る必要がある。まず、ハードウエアリセット信号がサブメイン制御基板SMのCPUSC100に供給されることでCPUSC100がリセットされ、CPUSC100の起動後に、CPUSC100が所定の動作を実行することで、ソフトウエアリセット信号が、サブメイン制御基板SMから出力され、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBに供給される。ソフトウエアリセット信号のみでは、このようなサブメイン制御基板SMの起動処理を必要とするため、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの起動は、サブメイン制御基板SMの起動よりも遅くなり、演出表示装置S40に画像が表示されるタイミングが遅れることになる。
これに対して、図36に示した構成にすることで、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBには、サブメイン制御基板SMのCPUSC100から出力されるソフトウエアリセット信号だけでなく、リセットICSCRから出力されるハードウエアリセット信号も供給することができ、ソフトウエアリセット信号又はハードウエアリセット信号のうち、最初に受信したリセット信号によって演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBをリセットして迅速に起動させることができる。特に、演出制御基板PCBを迅速に起動させることで、所望する画像を演出表示装置S40に表示するタイミングを早めることができる。
<演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの暴走の対応>
前述したように、リセットICSCRから出力されるハードウエアリセット信号は、電源が投入されたときの電源電圧の変化を検出して出力されるため、電源投入時に演出制御基板PCBや画像制御基板ICBを迅速に起動することができる。しかしながら、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBが起動した後に暴走したような場合には、リセットICSCRからのハードウエアリセット信号のみでは、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBを再起動させることができない。このため、図36に示したように、ソフトウエアリセット信号を併用することで、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBが暴走したと判断したときには、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBにソフトウエアリセット信号を送信することで、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBを再起動させて、暴走状態を解除することができる。
このように、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBは、ハードウエアリセット信号でもソフトウエアリセット信号でも、いずれかのリセット信号を受信すれば、演出制御基板PCBのCPU(図示せず)及び画像制御基板ICBのCPU(図示せず)がリセットされ、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBを起動(再起動)させることができる。
なお、図36では、サブメイン制御基板SMにリセットICSCRを搭載した例を示したが、リセットICSCRは、他の制御基板に搭載しても、独立した基板に搭載してもよい。
<ソフトウエアリセット信号出力処理>
図37は、サブメイン制御基板SMにおけるソフトウエアリセット信号出力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ3711で、ソフトウエアリセット信号出力条件を充足したか否かを判断する。このソフトウエアリセット信号出力条件には、主に2つがある。
まず、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが起動して初期化処理が実行され、初期化処理が完了したときには、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBは、完了信号をサブメイン制御基板SMに出力する。サブメイン制御基板SMは、完了信号を受信することで、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが正常に起動したと判断することができる。しかしながら、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが正常に起動できなかった場合には、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBは、完了信号を出力することはない。そこで、サブメイン制御基板SMは、起動後の所定時間内(画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが正常に起動するのに必要かつ十分な時間を加味した時間)に完了信号を受信しなかった場合には、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが正常に起動できなかったと判断することができる。すなわち、第1のソフトウエアリセット信号出力条件は、サブメイン制御基板SMの起動後に画像制御基板ICBや演出制御基板PCBからの初期化処理の完了信号を受信しなかったことである。
また、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが起動した後に、発熱などの各種の理由で、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが暴走する場合がある。第2のソフトウエアリセット信号出力条件は、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが暴走したことである。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ3711の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ3713の判断処理で、ソフトウエアリセット信号(機器がリセットされる信号)をCPUSC100の出力ポートから出力し、本サブルーチンを終了する。前述したように、CPUSC100の第1の出力ポートからは、第1のソフトウエアリセット信号が出力され、CPUSC100の第2の出力ポートからは、第2のソフトウエアリセット信号が出力される。また、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ3711の判断処理でNOであると判断した場合には、直ちに、本サブルーチンを終了する。
CPUSC100の第1の出力ポートから出力された第1のソフトウエアリセット信号は、XORゲートXRGを介して、演出制御基板PCBに供給される。CPUSC100の第2の出力ポートから出力された第2のソフトウエアリセット信号は、XORゲートXRGを介して、画像制御基板ICBに供給される。これらのソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBや演出制御基板PCBに供給することで、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが正常に起動しなかったり暴走したりした場合であっても、強制的に起動させることができる。
なお、サブメイン制御基板SMの起動(再起動)の際には、リセットICSCRから出力されたハードウエアリセット信号が画像制御基板ICBや演出制御基板PCBに供給されることで、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが起動(再起動)し、前述したソフトウエアリセット信号出力条件を満たさない限り、ソフトウエアリセット信号によって画像制御基板ICBや演出制御基板PCBが起動(再起動)されることはない。すなわち、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBは、原則として、ハードウエアリセット信号によって起動され、ソフトウエアリセット信号出力条件を満たした場合に、例外的に、ソフトウエアリセット信号によって起動(再起動)される。このように、画像制御基板ICBや演出制御基板PCBの起動は、ソフトウエアリセット信号よりもハードウエアリセット信号を優先して用いられる。
また、ステップ3713の処理で出力されるソフトウエアリセット信号は、夫々の制御基板が有効なリセット信号であると認識できる期間(例えば、夫々のCPUの基準クロックの10パルス分程度)に亘って、機器がリセットされる信号(ローレベルの信号L)を出力したのち、機器のリセットを解除する信号(ハイレベルの信号H)を出力するように構成された信号であり、これらのローレベルの信号Lとハイレベルの信号Hとにより、ソフトウエアリセット信号が供給された制御基板が再起動されるのである。なお、制御基板(CPU)によってリセット信号と認識するために必要な期間が異なるため、個々の制御基板に合わせて当該期間を設定しても良いし、認識に要する時間が長い方の制御基板に合わせた共通時間に設定しても良い。前者の場合には、わずかではあるが、再起動に要する時間の短縮が図れることになり、後者の場合には、リセット信号の出力処理(タイマデータ等)の共通化によりプログラム容量を削減できる。
<<<熱アラート処理>>>
図38は、副制御装置Sにおけるファンアラート信号と温度アラート信号との送受信の概略を示すブロック図である。前述のとおり、副制御装置Sは、サブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIU(演出制御基板PCBと画像制御基板ICB)とからなり(図36も参照)、本実施例においては、画像制御基板ICBの発熱を抑止するファンICFが設けられ、また、画像制御基板ICBとサブメイン制御基板SMにおいて、発熱に対応した熱アラート処理を実行すべく、ファン異常に基づくファンアラート信号と温度異常に基づく温度アラート信号とが画像制御基板ICBからサブメイン制御基板SMに向けて出力されるように構成されている。以下では、副制御装置Sにおける熱アラート処理に関する部分に関する機能や処理を中心に説明する。
<ファンICF>
画像制御基板ICBには、演出表示装置S40に各種の画像を表示制御するためのCPUICCが搭載されている。近頃では、解像度を高くかつ高速に画像を演出表示装置S40に表示するために、CPUICCの処理の負荷が高くならざるを得ず、CPUICCが高温になりやすく発熱が増えてきている。このため、CPUICCを冷却するためのファンICFがCPUICCの直上に設けられている。ファンICFは、画像制御基板ICBの電源の投入とともに回転し始め、周囲の空気をCPUICCに供給し、CPUICCの熱によって暖められた空気を排出する。
<ファン回転数監視処理>
ファンICFを駆動するモータ(図示せず)は、回転数に比例するパルス信号を出力し、パルス信号はCPUICCに供給される。例えば、モータの所定の回転角度で1つのパルス信号が出力されるように構成され(インデックスパルスの出力など)、モータが1回転する度に1つのパルス信号が出力される。出力されたパルスの数を、カウンタICなどを用いて一定の期間(例えば、1分間など)で計数し、計数したパルスの数からモータの回転数を算出することができる。また、一のパルス信号が発せられたときから次にパルス信号が発せられたときまでの時間から回転数を算出してもよい。このように、画像制御基板ICBのCPUICCは、モータから出力されたパルス信号によって回転数を算出し、回転数の大きさを判断することで、ファンICFが正常動作しているか否かを判断することができる。図39は、ファン回転数監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、画像制御基板ICBのCPUICCは、ステップ3911で、ファンICFの回転数を検出(算出)するタイミングであるか否かを判断する。ファンICFの回転数を検出(算出)するタイミングは、タイマ割り込み処理などによって決定することができ、具体的には、常時や、5秒毎や、1分毎や、1時間毎など、ファンICFのモータなどの特性に応じて適宜に定めることができ、所定期間(例えば、1分間)において検出されたパルス数から回転数を算出(検出)する。
CPUICCは、ステップ3911の判断処理でYESと判別したときには、ステップ3913で、ファンICFの回転数を検出する。次に、CPUICCは、ステップ3915で、検出したファンICFの回転数が所定の回転数以下であるか否かを判断する。例えば、ファン検出タイミングが1分毎であり、モータが1回転する毎に1パルスを出力する場合には、その期間に検出されたパルス数が100パルスであれば、正常な状態のファンICFのモータは100rpmで回転していることが把握できる。そして、正常な場合の回転数を100回転以上に設定していれば、マージンを取った90回転以下であるか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ3915の判断処理でYESと判別したとき、すなわち、ファンICFの回転数が所定の回転数以下であり、ファンICFに異常が生じたと判断したときには、ステップ3917で、ファンアラート信号を出力し、本サブルーチンを終了する。CPUICCから出力されたファンアラート信号は、サブメイン制御基板SMのCPUSC100(図38)に送信される。一方、上述したステップ3911でNOと判別した場合、又はステップ3915でNOと判別した場合には、直ちに本サブルーチンを終了する。
<CPU温度監視処理>
画像制御基板ICBのCPUICCは、温度センサ(例えば、サーマルダイオードなど)を内蔵しており、CPUICCの温度をCPUICC自身が検出し、温度が正常の範囲内にあるか否かを判断することができる。CPUICCは、温度が正常の範囲内にないと判断したときには、温度アラート信号を出力する。図40は、CPU温度監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、画像制御基板ICBのCPUICCは、ステップ4011で、CPU温度検出タイミングであるか否かを判断する。CPUICCの温度を検出するタイミングは、タイマ割り込み処理などによって決定することができ、例えば、常時や、0.1秒毎や、1秒毎や、10秒毎など、CPUICCの動作周波数などによって適宜に定めることができる。なお、ステップ4011のように判断することなく、定常的に実行されるメインルーチン処理や通常のタイマ割込み処理の中で実行することもでき、その場合には直接次のステップ4013の処理に進むことになる。
CPUICCは、ステップ4011の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4013で、CPUICCの温度を検出する。
次に、CPUICCは、ステップ4015で、検出した温度が第1の温度以上であるか否かを判断する。第1の温度は、例えば、95℃にすることができる。CPUICCは、ステップ4015の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4017で、検出した温度が第2の温度以上であるか否かを判断する。第2の温度は、第1の温度よりも高い温度であり、例えば、110℃にすることができる。
CPUICCは、ステップ4017の判断処理でYESであると判断したとき、すなわち、検出した温度が第2の温度以上であると判断したときには、ステップ4019で、検出した温度が第3の温度以上であるか否かを判断する。第3の温度は、第2の温度よりも高い温度であり、例えば、115℃にすることができる。
CPUICCは、ステップ4019の判断処理でYESであると判断したとき、すなわち、検出した温度が第3の温度以上であると判断したときには、本サブルーチンを終了し、CPUICCのシャットダウン処理を実行する。CPUICCを自分自身の判断で強制的にシャットダウンさせることにより、熱によるCPUICCの破壊を未然に防止することができる。
一方、CPUICCは、ステップ4019の判断処理でNOであると判断したとき、すなわち、検出した温度が第2の温度以上かつ第3の温度未満であると判断したときには、ステップ4021で、第2温度アラート信号を出力し、次いで、ステップ4023で、ブラックアウト処理を実行するとともに、その後の画像表示処理を禁止して本サブルーチンを終了する。ブラックアウト処理によって、演出表示装置S40の画面が消えた状態となり、更に、その後の画像表示処理が禁止されることによりCPUICCの処理の負荷を抑え温度上昇を低減させることができ、演出表示装置S40の画面が消えることにより画像制御基板ICBのCPUICCの温度が第2の温度以上かつ第3の温度未満になったことを示唆(報知)することができる。
CPUICCは、ステップ4017の判断処理でNOであると判断したとき、すなわち、検出した温度が第1の温度以上かつ第2の温度未満であると判断したときには、ステップ4025で、第1温度アラート信号を出力し、次いで、ステップ4027で、CPUICCの動作周波数を低下させ、本サブルーチンを終了する。
また、上述したステップ4011の判断処理でNOであると判断したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。また、ステップ4015の判断処理でNOであると判断したとき、すなわち、検出した温度が第1の温度未満であり温度異常は生じていないと判断したときにも、直ちに本サブルーチンを終了する。
前述したように、CPUICCは、互いに異なる少なくとも3つの温度を閾値として分岐させて異なる処理を実行する。前述したように、CPUICCは、最も高い温度である第3の温度以上である場合は、シャットダウンする。次に、第2の温度以上かつ第3の温度未満である場合には、第2温度アラート信号をサブメイン制御基板SMのCPUSC100(図38)に出力するとともに、ブラックアウト処理及びその後の画像表示処理を禁止する処理を実行する。さらに、第1の温度以上かつ第2の温度未満である場合には、第1温度アラート信号をサブメイン制御基板SMのCPUSC100(図38)に出力するとともに、CPUICCの動作周波数を低下させる。
上述した第1の温度、第2の温度及び第3の温度の具体的な数値は一例に過ぎず、他の温度にすることができ、例えば、画像制御基板ICBのCPUICCの型式やCPUICCの動作周波数や画像制御基板ICBの使用環境などに応じて適宜に決めることができる。但し、ファンの排気部に近接する部分にPP(ポリプロピレン)等の比較的溶融温度が低い合成樹脂や防振ゴム等を使用する場合には、排熱によってこれらに影響を与えないように第1、第2の温度を低めに設定することが望ましい。
<起動時監視処理>
図41は、サブメイン制御基板SMで実行される起動時監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
画像制御基板ICBが起動し、初期化処理が実行されて完了したときには、画像制御基板ICBは、初期化処理が完了したことを示す完了信号をサブメイン制御基板SMに送信する。サブメイン制御基板SMは、完了信号の受信により、画像制御基板ICBが正常に起動したと判断することができる。図41に示す起動時監視処理のサブルーチンの処理は、サブメイン制御基板SMが起動され、さらに、画像制御基板ICBから送信された完了信号を受信したとき(完了信号を受信してから画像制御基板が最初にファンアラートの結果を出力するのに必要な時間経過後)に実行される処理であり、一度、ファンアラートの結果が正常であると判断された後(原則として、サブメイン制御基板SMの全ての初期化処理が完了した後)には実行されない。なお、図41に示すサブルーチンは、1回のみ実行するだけでなく、サブメイン制御基板SMの初期化処理が完了する前であれば、複数回繰り返し実行するように構成してもよい。
まず、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4111で、ファンアラート信号を受信したか否かを判断する。CPUSC100は、ステップ4111の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4113で、ソフトウエアリセット信号(前述した第2のソフトウエアリセット信号)を画像制御基板ICBに送信し、本サブルーチンを終了する。一方、CPUSC100は、ステップ4111の判断処理でNOであると判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップ4113の処理で、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信することにより、画像制御基板ICBは再起動されることになる。なお、画像制御基板ICBが再起動された後に、再び、ファンICFの異常が生じた場合には、ファンアラート信号がサブメイン制御基板SMに送信され、サブメイン制御基板SMは、再度、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信し、画像制御基板ICBは再起動される。このように、ファンICFの異常が解消しない限り、画像制御基板ICBは再起動を繰り返すことになる。
なお、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信した回数を計数し、所定の回数以上になった場合には、音声やランプの発光などによってアラートを報知するように構成してもよい。
また、副制御装置Sは、画像制御基板ICBのみにソフトウエアリセット信号を送信するので、演出制御基板PCBなどの他の制御基板は、そのまま処理を続行し、稼動状態を維持することができる。
<起動後監視処理>
図42は、サブメイン制御基板SMで実行される起動後監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、サブメイン制御基板SMが起動されて定常動作を開始した後の所定のタイミングで呼び出されて実行される。図42のサブルーチンを実行するタイミングは、タイマ割込によって呼び出して実行しても、第1の温度アラート信号や第2の温度アラート信号を受信したことを条件にした割込処理によって呼び出して実行してもよい。いずれにしても、図42に示す起動後監視処理のサブルーチンを繰り返し実行できるようにして、画像制御基板ICBのCPUICCの温度を監視できればよい。
まず、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4211で、ソフトウエアリセット信号送信済みフラグがオンであるか否かを判断する。ソフトウエアリセット信号の送信は、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が第2の温度以上かつ第3の温度未満であるために、画像制御基板ICBから送信された第2温度アラート信号を受信した場合に、後述するステップ4223の処理で実行され、さらに、ソフトウエアリセット信号を送信したときには、ステップ4223の処理でソフトウエアリセット信号送信済みフラグがオンになる。このように、ステップ4211の判断処理は、現時点で本サブルーチンを実行しているよりも前の過去に本サブルーチンが実行されたときに、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が第2の温度以上かつ第3の温度未満となったことでソフトウエアリセット信号を送信しているか否かを判断する処理である。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4211の判断処理でNOであると判断したときには、ステップ4213で、第1の温度アラート信号を受信したか否かを判断する。サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4213の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4215で、画像制御基板ICBのCPUICCが高負荷となる処理を実行しているか否かを判断する。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4215の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4217で、画像制御基板ICBのCPUICCが低負荷となる処理に切り替えるための切替コマンドを画像制御基板ICBに送信し、本サブルーチンを終了する。画像制御基板ICBのCPUICCは、切替コマンドを受信すると、画像制御基板ICBのCPUICCにとって低負荷となる処理に切り替える。例えば、解像度の低い画像を演出表示装置S40に表示したり、フレームレートを下げて演出表示装置S40に表示したりする。このように、低負荷となる処理に切り替えることで、画像制御基板ICBのCPUICCの発熱を抑えることができる。
なお、第1の温度アラート信号が受信中であることを示すフラグを設けておき、このフラグが成立している場合(すなわち、第1の温度アラート中の場合であり、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が第1の温度以上かつ第2の温度未満である場合)には、サブメイン制御基板SM内、或いは画像制御基板ICB内で、高負荷処理を伴う演出パターン(演出態様)を選択しないような演出選択テーブルを用いることも可能であり、これによっても画像制御基板ICBのCPUICCの発熱を抑えることができる。
また、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4215の判断処理でNOであると判断したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
CPUSC100は、ステップ4213の判断処理でNOであると判断したときには、ステップ4219で、第2の温度アラート信号を受信したか否かを判断する。CPUSC100は、ステップ4219の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4221で、画像制御基板ICBへのコマンド送信を停止し、ステップ4223で、ソフトウエアリセット信号(図38参照)を画像制御基板ICBに送信し、ステップ4224で、ソフトウエアリセット信号送信済みフラグをオンにし、本サブルーチンを終了する。
ステップ4221の処理で、画像制御基板ICBへのコマンド送信を停止することで、画像制御基板ICBのCPUICCで実行する処理を減らして、CPUICCの負荷を低くし、CPUICCの発熱を抑えることができる。さらに、ステップ4223の処理で、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信することで、画像制御基板ICBを再起動することができる。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4211の判断処理でNOであると判断したとき、すなわち、ソフトウエアリセット信号を既に送信していると判断したときには、ステップ4225の処理で、ソフトウエアリセット信号を送信した時点から所定時間経過したか否かを判断する。なお、ステップ4223の処理でソフトウエアリセット信号を送信するとともにタイマを起動しておくことで(図示せず)、ステップ4225の処理で所定時間経過したか否かを判断することができる。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4225の判断処理でNOであると判断したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4225の判断処理でYESであると判断したとき、すなわち、所定時間経過したと判断したときには、ステップ4226の処理で、ソフトウエアリセット信号送信済みフラグをオフにする。ソフトウエアリセット信号送信済みフラグをオフにすることで、一旦、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が第2の温度以上になった場合であっても、再び、ステップ4213の判断処理を実行することで、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が第1の温度よりも低くなったか否かを判断することができる。
次に、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4227で、画像制御基板ICBが復帰したか否かを判断する。前述したように、ステップ4223の処理によってソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信し、さらに、ステップ4225の処理によって所定時間が経過したことを条件にしているので、画像制御基板ICBが再起動した後に、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が低下し、画像制御基板ICBが正常な状態に復帰していることもある。例えば、サブメイン制御基板SMは、暴走監視信号(後述する図51参照)などを受信することで、画像制御基板ICBが正常な状態に復帰しているかを判断することができる。
サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4227の判断処理でYESであると判断したとき、すなわち、画像制御基板ICBが正常な状態に復帰したと判断した場合には、前述したステップ4219に処理を移す。このようにすることで、画像制御基板ICBが再起動した後に、画像制御基板ICBのCPUICCの温度が、第2の温度未満まで低下したか否かを判断することができる。
また、サブメイン制御基板SMのCPUSC100は、ステップ4227の判断処理でNOであると判断したとき、すなわち、画像制御基板ICBが正常な状態に復帰していないと判断した場合には、前述したステップ4221に処理を移す。このようにすることで、再び、画像制御基板ICBへのコマンド送信を停止し、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信して、画像制御基板ICBのCPUICCの負荷を低くしつつ画像制御基板ICBを再起動することができる。
図38に示した構成では、画像制御基板ICBにCPUICCが搭載されている例を示したが、表示する画像の処理速度や解像度や画像の種類などに応じて、GPU(グラフィックス・プロセッシング)やAPU(アクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット)やVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)などを画像制御基板ICBに搭載してもよく、GPUやAPUやVDPから熱を発する場合には、上述したような構成及び処理を実行することによって、発熱に対応することができる。なお、本実施例では第2の温度アラート信号を受信した場合、ステップ4224の処理で、ソフトウエアリセット信号を出力するように構成したが、ステップ4221の処理で、単に画像制御基板ICBへのコマンド送信を停止する処理を行なった状態で、一定時間後(画像制御基板ICBのリセットからの復帰に要する時間に代えて)にアラート状態が復帰したかを確認するように構成しても良い。また、前述したステップ4224の処理では、ソフトウエアリセット信号を出力するように構成したが、ソフトウエアリセット信号の代わりにアラート解除コマンド(図38参照)を画像制御基板ICBに送信してもよい。このようにすることで、ファン及び温度に関するアラート状態を初期化し、ファン異常や温度異常が発生しているか否かを改めて判断することができる。
<<<役物処理(副制御装置S内のコマンド送受信処理)>>>
図43は、副制御装置Sを構成するサブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIUとの間における第1のシリアル通信と第2のシリアル通信の送受信の概略を示すためのブロック図である。
<サブメイン制御基板SMの構成>
図36に示した構成と同様に、副制御装置Sは、サブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIUとからなる。さらに、演出・画像ユニットPIUは、演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとからなり、サブメイン制御基板SMと画像制御基板とは2組のシリアル通信ポート(第1のシリアル通信ポートと第2のシリアル通信ポート)を用いて相互通信が可能に接続され、また、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとも、前述のシリアル通信ポート(第1のシリアル通信ポートと第2のシリアル通信ポート)とは異なる2組のシリアル通信ポート(第3のシリアル通信ポートと第4のシリアル通信ポート)を用いて相互通信が可能に接続されている。なお、第2のシリアル通信ポートは、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBのみならず演出制御基板PCBとの通信も可能に構成されている。また、前述したとおり、演出制御基板PCBは、スピーカS20及び役物(上側役物MAU及び下側役物MAB)の動作を制御する機能を有しており、これらと電気的に接続されている。以下では、相違する機能や処理などについて説明する。
<シリアル通信ポート>
サブメイン制御基板SMは、第1のシリアル通信ポート〜第4のシリアル通信ポートの4つのシリアル通信ポートを有する。それぞれのシリアル通信ポートは、送信用端子TxD及び受信用端子RxDを有する。さらに、必要に応じて信号接地Gなどの各種の信号用の端子も有する(図示せず)。
また、画像制御基板ICBには、第1のシリアル通信ポートの送信用端子TxD及び受信用端子RxDに対応する送信用端子TxD及び受信用端子RxDを有し、第2のシリアル通信ポートの送信用端子TxD及び受信用端子RxDに対応する送信用端子TxD及び受信用端子RxDを有する。
また、演出制御基板PCBには、第3のシリアル通信ポートの送信用端子TxD及び受信用端子RxDに対応する送信用端子TxD及び受信用端子RxDを有し、第4のシリアル通信ポートの送信用端子TxD及び受信用端子RxDに対応する送信用端子TxD及び受信用端子RxDを有する。また、詳細は後述するが、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの通信で使用する第2のシリアル通信ポートの信号も入出力されるように構成されている。以下では、第1のシリアル通信ポートを用いる通信を第1のシリアル通信と称し、第2のシリアル通信ポートを用いる通信を第2のシリアル通信と称し、第3のシリアル通信ポートを用いる通信を第3のシリアル通信と称し、第4のシリアル通信ポートを用いる通信を第4のシリアル通信と称する。
<第1のシリアル通信>
第1のシリアル通信は、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの間でコマンドやデータを送受信するためのシリアル通信である。サブメイン制御基板SMの送信用端子TxDと画像制御基板ICBの受信用端子RxDとが第1の信号線により電気的に接続され、サブメイン制御基板SMから画像制御基板ICBにデータやコマンドを送信することできる。主に、演出表示装置S40に画像を表示するためのコマンドやデータなどが、サブメイン制御基板SMから画像制御基板ICBに送信される。また、画像制御基板ICBの送信用端子TxDとサブメイン制御基板SMの受信用端子RxDとが第2の信号線により電気的に接続され、画像制御基板ICBからサブメイン制御基板SMにデータやコマンドを送信することできる。
ここで、第1のシリアル通信では、サブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBに向けて制御に関する要求や情報を示す信号を、第1の信号線を用いて送信し、画像制御基板ICBは、第1の信号線を用いて送信された情報を正常に受信したことを示す情報(アクノリッジ信号(肯定応答))や正常に受信したかを判断するための情報(受信した情報と同じ情報等)を、サブメイン制御基板SMに向けて第2の信号線を用いて送信する。即ち、本実施例では、第1のシリアル通信は、第1の信号線及び第2の信号線によって双方向通信可能な構成でありながら、第1の信号線を用いてサブメイン制御基板SMから送信した情報に対する受信確認に係る信号を、第2の信号線を用いてサブメイン制御基板SMにフィードバックするために用いられており、第1の信号線を主の役割に割り当て、第2の信号線を従の役割に割り当てている点で、双方向が同等の関係で構成される通常の双方向通信と異なっている。
<第2のシリアル通信>
第2のシリアル通信は、主に、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの間でコマンドやデータを送受信するためのシリアル通信である。画像制御基板ICBの送信用端子TxDとサブメイン制御基板SMの受信用端子RxDとは、第3の信号線により電気的に接続され、画像制御基板ICBからサブメイン制御基板SMにデータやコマンドを送信することできる。また、サブメイン制御基板SMの送信用端子TxDと画像制御基板ICBの受信用端子RxDとは、第4の信号線により電気的に接続され、サブメイン制御基板SMから画像制御基板ICBにデータやコマンドを送信することができる。
ここで、第2のシリアル通信では、画像制御基板ICBは、サブメイン制御基板SMに向けて画像制御基板ICBの状態に関する情報等を示す信号を、第3の信号線を用いて送信し、サブメイン制御基板SMは画像制御基板ICBに向けて、第3の信号線を用いて送信された情報を正常に受信したことを示す情報(アクノリッジ信号)や正常に受信したかを判断するための情報(受信した情報と同じ情報等)を、第4の信号線を用いて送信する。即ち、本実施例では、第2のシリアル通信は、第3の信号線及び第4の信号線によって双方向通信可能な構成でありながら、第3の信号線を用いて画像制御基板ICBから送信した情報に対する受信確認に係る信号を、第4の信号線を用いて画像制御基板ICBにフィードバックするために用いられており、第3の信号線を主の役割に割り当て、第4の信号線を従の役割に割り当てている点で、双方向が同等の関係で構成される通常の双方向通信と異なっている。
<第2のシリアル通信の共用>
さらに、第2のシリアル通信は、画像制御基板ICBとサブメイン制御基板SMとの間だけでなく、画像制御基板ICBと演出制御基板PCBとの間でもコマンドやデータを送受信できるように共用されている。すなわち、演出制御基板PCBの受信用端子RxDは、第3の信号線を介して画像制御基板ICBの送信用端子TxDに電気的に接続されるとともに、電気的接点PCPと第3の信号線とを介してサブメイン制御基板SMの受信用端子RxDに電気的に接続されている。さらに、演出制御基板PCBの送信用端子TxDは、第4の信号線を介して画像制御基板ICBの受信用端子RxDに電気的に接続されるとともに、ORゲートPRGと第4の信号線とを介してサブメイン制御基板SMの送信用端子TxDに電気的に接続されている。このように第2のシリアル通信を共用することによって、画像制御基板ICBから演出制御基板PCB(CPUPCC)にもデータやコマンドを送信することできる。
第2のシリアル通信の第3の信号線を共用することで、画像制御基板ICBは、電気的接点PCPを介して演出制御基板PCBとサブメイン制御基板SMとの双方に電気的に接続されており、画像制御基板ICBから出力されたデータやコマンドを、電気的接点PCPで分岐させて、演出制御基板PCBとサブメイン制御基板SMとの双方に送信することができる。また、第2のシリアル通信の第4の信号線を共用することで、画像制御基板ICBは、ORゲートPRGを介して演出制御基板PCBとサブメイン制御基板SMとの双方に電気的に接続されており、演出制御基板PCBから出力されたデータやコマンドや、サブメイン制御基板SMから出力されたデータやコマンドを、ORゲートPRGを介して画像制御基板ICBに送信することができる。
第2のシリアル通信を共用することで、画像制御基板ICBは、演出制御基板PCBとサブメイン制御基板SMとの双方に向けて画像制御基板ICBの状態に関する情報等を示す信号を、第3の信号線を用いて送信し、演出制御基板PCB及びサブメイン制御基板SMは画像制御基板ICBに向けて、第3の信号線を用いて送信された情報を正常に受信したことを示す情報(アクノリッジ信号)や正常に受信したかを判断するための情報(受信した情報と同じ情報等)を、第4の信号線を用いて送信する。このように、第2のシリアル通信を共用する構成とした場合でも、第3の信号線及び第4の信号線によって双方向通信可能な構成でありながら、第3の信号線を用いて画像制御基板ICBから送信した情報に対する受信確認に係る信号を、第4の信号線を用いて画像制御基板ICBにフィードバックするために用いられており、第3の信号線を主の役割に割り当て、第4の信号線を従の役割に割り当てている点で、双方向が同等の関係で構成される通常の双方向通信と異なっている。
前述したように、画像制御基板ICBから送信される要求や情報等は、第2のシリアル通信の第3の信号線を介し電気的接点PCPで分岐されて、演出制御基板PCBとサブメイン制御基板SMとの双方で受信される。このため、画像制御基板ICBから送信される要求や情報等には、演出制御基板PCBに向けた要求や情報等(演出制御基板PCB用コマンド)と、サブメイン制御基板SMに向けた要求や情報等(サブメイン制御基板SM用コマンド)との2種類がある。演出制御基板PCB用コマンド及びサブメイン制御基板SM用コマンドの各々は、演出制御基板PCBに向けたものであるか、サブメイン制御基板SMに向けたものであるかを識別可能に構成されている。演出制御基板PCB及びサブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBから送信された要求や情報等を受信したときには、演出制御基板PCB用コマンドであるか、サブメイン制御基板SM用コマンドであるかを判断し、自身に向けたコマンドであると判断した場合にのみ、アクノリッジ信号(肯定応答)を第2のシリアル通信の第4の信号線を介して送信し、そのコマンドに応じた処理を実行する。
例えば、演出制御基板PCB用コマンド及びサブメイン制御基板SM用コマンドが1バイト(8ビット)で構成されている場合には、上位の4ビットを演出制御基板PCB用に用い、下位の4ビットをサブメイン制御基板SM用に用いることができる(図43参照)。演出制御基板PCBが、第2のシリアル通信の第3の信号線及び電気的接点PCPを介して、要求や情報等を受信したときに、上位の4ビットのデータが、演出制御基板PCBで用いる所定のコマンドであると判断したときには、受信したコマンドは、演出制御基板PCB用コマンドであるとして、第2のシリアル通信の第4の信号線を介してアクノリッジ信号を送信し、そのコマンドに応じた処理を実行する。同様に、サブメイン制御基板SMが、第2のシリアル通信の第3の信号線及び電気的接点PCPを介して、要求や情報等を受信したときに、下位の4ビットのデータが、サブメイン制御基板SMで用いる所定のコマンドであると判断したときには、受信したコマンドは、サブメイン制御基板SM用コマンドであるとして、第2のシリアル通信の第4の信号線を介してアクノリッジ信号を送信し、そのコマンドに応じた処理を実行する。
一方、画像制御基板ICBは、演出制御基板PCBやサブメイン制御基板SMに要求や情報等を送信した後、アクノリッジ信号を受信したか否かを判断する。前述したように、アクノリッジ信号は、演出制御基板PCBやサブメイン制御基板SMから第2のシリアル通信の第4の信号線及びORゲートPRGを介して画像制御基板ICBに送信される。画像制御基板ICBは、アクノリッジ信号を受信した場合には、要求や情報等を正常に相手に送信することができたと判断する。例えば、画像制御基板ICBが、演出制御基板PCB用コマンドを送信した後、アクノリッジ信号を受信した場合には、演出制御基板PCBに演出制御基板PCB用コマンドを正常に送信できたと判断して通信を完了する。同様に、画像制御基板ICBが、サブメイン制御基板SM用コマンドを送信した後、アクノリッジ信号を受信した場合には、サブメイン制御基板SMにサブメイン制御基板SM用コマンドを正常に送信できたと判断して通信を完了する。
一方、画像制御基板ICBが、演出制御基板PCBやサブメイン制御基板SMに要求や情報等を送信した後に、アクノリッジ信号を受信しなかった場合には、正常に送信することができなかったと判断する。画像制御基板ICBは、要求や情報等を正常に送信できないと判断した場合には、要求や情報等を再び相手に送信する(リトライ処理)。このリトライ処理については後述する。
なお、アクノリッジ信号についても、演出制御基板PCBから送信されたアクノリッジ信号であるのか、サブメイン制御基板SMから送信されたアクノリッジ信号であるのかを識別できるように、上位の4ビットを演出制御基板PCB用に用い、下位の4ビットをサブメイン制御基板SM用に用いることができる。
<第3のシリアル通信>
また、図43に示すように、第3のシリアル通信は、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとの間でコマンドやデータを送受信するためのシリアル通信である。サブメイン制御基板SMの送信用端子TxDと演出制御基板PCBの受信用端子RxDとが第5の信号線により電気的に接続され、サブメイン制御基板SMから演出制御基板PCBにデータやコマンドを送信することできる。主に、スピーカS20から出力する音声や、LEDランプS10の点灯や、役物の動作に関するコマンドやデータなどが、サブメイン制御基板SMから演出制御基板PCBに送信される。また、演出制御基板PCBの送信用端子TxDとサブメイン制御基板SMの受信用端子RxDとが第6の信号線により電気的に接続され、演出制御基板PCBからサブメイン制御基板SMにデータやコマンドを送信することできる。
第3のシリアル通信でも、サブメイン制御基板SMは、演出制御基板PCBに向けて制御に関する要求や情報を示す信号を、第5の信号線を用いて送信し、演出制御基板PCBは、第5の信号線を用いて送信された情報を正常に受信したことを示す情報(アクノリッジ信号(肯定応答))や正常に受信したかを判断するための情報(受信した情報と同じ情報等)を、サブメイン制御基板SMに向けて第6の信号線を用いて送信する。即ち、本実施例では、第3のシリアル通信は、第5の信号線及び第6の信号線によって双方向通信可能な構成でありながら、第5の信号線を用いてサブメイン制御基板SMから送信した情報に対する受信確認に係る信号を、第6の信号線を用いてサブメイン制御基板SMにフィードバックするために用いられており、第5の信号線を主の役割に割り当て、第6の信号線を従の役割に割り当てている点で、双方向が同等の関係で構成される通常の双方向通信と異なっている。
<第4のシリアル通信>
第4のシリアル通信は、主に、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとの間でコマンドやデータを送受信するためのシリアル通信である。演出制御基板PCBの送信用端子TxDとサブメイン制御基板SMの受信用端子RxDとは、第7の信号線により電気的に接続され、演出制御基板PCBからサブメイン制御基板SMにデータやコマンドを送信することできる。また、サブメイン制御基板SMの送信用端子TxDと演出制御基板PCBの受信用端子RxDとは、第8の信号線により電気的に接続され、サブメイン制御基板SMから演出制御基板PCBにデータやコマンドを送信することができる。
この第4のシリアル通信でも、演出制御基板PCBは、サブメイン制御基板SMに向けて演出制御基板PCBの状態に関する情報等を示す信号を、第7の信号線を用いて送信し、サブメイン制御基板SMは演出制御基板PCBに向けて、第7の信号線を用いて送信された情報を正常に受信したことを示す情報(アクノリッジ信号)や正常に受信したかを判断するための情報(受信した情報と同じ情報等)を、第8の信号線を用いて送信する。即ち、本実施例では、第4のシリアル通信は、第7の信号線及び第8の信号線によって双方向通信可能な構成でありながら、第7の信号線を用いて演出制御基板PCBから送信した情報に対する受信確認に係る信号を、第8の信号線を用いて演出制御基板PCBにフィードバックするために用いられており、第7の信号線を主の役割に割り当て、第8の信号線を従の役割に割り当てている点で、双方向が同等の関係で構成される通常の双方向通信と異なっている。
<サブメイン制御基板SMで実行されるコマンド送受信処理>
サブメイン制御基板SMは、主制御基板Mから送信されるコマンドと、サブメイン制御基板SMの制御状況とに基づいて、第1のシリアル通信の第1の信号線を用いて画像制御基板ICBに対して主に画像表示に関する制御コマンド(要求や情報等)を送信し、第1のシリアル通信の第2の信号線を用いて画像制御基板ICBからのアクノリッジ信号(受信完了信号)の受信に基づいて当該制御コマンドの送信が正常に行なわれたことを判定している。また、サブメイン制御基板SMは、第2のシリアル通信の第3の信号線を用いて画像制御基板ICBから送信されてくる画像制御基板ICBの状況を示すコマンドを受信し、第2のシリアル通信の第4の信号線を用いて画像制御基板ICBにアクノリッジ信号(受信完了信号)を送信することで、画像制御基板ICBとのコマンド送受信処理が実行されている。
同様に、サブメイン制御基板SMは、主制御基板Mから送信されるコマンドと、サブメイン制御基板SMの制御状況とに基づいて、第3のシリアル通信の第5の信号線を用いて演出制御基板PCBに対して、主に画像と同期的に作動させない役物や音声に関する制御コマンドや、今後予定している役物や音声に関する制御コマンド等を送信し、第3のシリアル通信の第6の信号線を用いて演出制御基板PCBからのアクノリッジ信号(受信完了信号)の受信に基づいて当該制御コマンドの送信が正常に行なわれたことを判定している。また、サブメイン制御基板SMは、第4のシリアル通信の第7の信号線を用いて演出制御基板PCBから送信されてくる演出制御基板PCBの状況を示すコマンドを受信し、第4のシリアル通信の第8の信号線を用いて演出制御基板PCBにアクノリッジ信号(受信完了信号)を送信することで、演出制御基板PCBとのコマンド送受信処理が実行されている。
このように、第1のシリアル通信は、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの間で送受信するための通信であり、第1のシリアル通信の第1の信号線による通信は、主として機能する通信であり、第1のシリアル通信の第2の信号線による通信は、主である第1の信号線の通信に応答する通信であり、従として機能する通信である。同様に、第2のシリアル通信は、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの間で送受信するための通信であり、第2のシリアル通信の第3の信号線による通信は、主として機能する通信であり、第2のシリアル通信の第4の信号線による通信は、主である第3の信号線の通信に応答する通信であり、従として機能する通信である。
また、第3のシリアル通信は、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとの間で送受信するための通信であり、第3のシリアル通信の第5の信号線による通信は、主として機能する通信であり、第3のシリアル通信の第6の信号線による通信は、主である第5の信号線の通信に応答する通信であり、従として機能する通信である。同様に、第4のシリアル通信は、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとの間で送受信するための通信であり、第4のシリアル通信の第7の信号線による通信は、主として機能する通信であり、第4のシリアル通信の第8の信号線による通信は、主である第7の信号線の通信に応答する通信であり、従として機能する通信である。
<シリアル通信の優先処理>
前述したように、サブメイン制御基板SMと画像制御基板ICBとの間では、第1のシリアル通信及び第2のシリアル通信の双方でデータやコマンドの送受信を行うことができる。第1のシリアル通信は、主に、画像制御基板ICBに対してデータやコマンドを送信するための通信であり、第2のシリアル通信は、主に、画像制御基板ICBからのデータやコマンドを受信するための通信である。サブメイン制御基板SMにおいては、第1のシリアル通信に関する処理と第2のシリアル通信に関する処理との優先順位は適宜に定めることができるが、第1のシリアル通信に関する処理を優先することで、画像制御基板ICBの制御を迅速に進めることができる。
同様に、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBとの間では、第3のシリアル通信及び第4のシリアル通信の双方でデータやコマンドの送受信を行うことができる。第3のシリアル通信は、主に、演出制御基板PCBに対してデータやコマンドを送信するための通信であり、第4のシリアル通信は、主に、演出制御基板PCBからのデータやコマンドを受信するための通信である。サブメイン制御基板SMにおいては、第3のシリアル通信に関する処理と第4のシリアル通信に関する処理との優先順位は適宜に定めることができるが、第3のシリアル通信に関する処理を優先することで、演出制御基板PCBの制御を迅速に進めることができる。
さらに、前述したように、第1のシリアル通信は、主に、画像制御基板ICBに対してデータやコマンドを送信するための通信であり、第3のシリアル通信は、主に、演出制御基板PCBに対してデータやコマンドを送信するための通信である。サブメイン制御基板SMにおいて、第1のシリアル通信に関する処理と第3のシリアル通信に関する処理との優先順位も適宜に定めることができるが、本実施例では画像制御基板ICBから演出制御基板PCBに制御コマンドを送信している点から、第3のシリアル通信よりも第1のシリアル通信を優先とすることが望ましい。
前述した例では、第1のシリアル通信〜第4のシリアル通信の各々は、2本の信号線、すなわち、1対の信号線によって構成されている場合(例えば、全二重)を示したが、第1のシリアル通信〜第4のシリアル通信の各々を1本の信号線(例えば、半二重)によって構成してもよい。伝送を時分割して交互に伝送方向を切り換えることで、送受信することができる。1本の信号線によって構成することによって信号線の数を減らすことができるとともに、結線作業を簡素にしたり、接続ミスを低下させたりすることできる。
<演出制御基板PCBで実行される制御処理>
図44は、前述した第2のシリアル通信によって受信したデータやコマンドに基づいて、演出制御基板PCBで実行される制御処理(CPUPCCの制御処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、前述したように、演出制御基板PCBは、第3のシリアル通信によって受信したデータやコマンドに基づいても、役物や、ランプの発光や、音声の出力等の各種の制御処理も実行する(図44のステップ4429参照)。
まず、演出制御基板PCBのCPUPCCは、ステップ4411で、コマンドを受信したか否かを判断する。CPUPCCは、ステップ4411の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4413で、演出制御基板PCB用コマンドを受信したか否かを判断する。
CPUPCCは、ステップ4413の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4415で、アクノリッジ信号を送信する。
次に、CPUPCCは、ステップ4417で、演出制御基板PCB用コマンドが演出制御用コマンドであるか否かを判断する。この判断は、画像制御基板ICB又はサブメイン制御基板SMのいずれかから演出制御をするためのコマンドが送信されたか否かを判断する処理である。画像制御基板ICBから演出制御をするためのコマンドが送信された場合には、YESと判断し、サブメイン制御基板SMから演出制御をするためのコマンドが送信された場合には、NOと判断する。
CPUPCCは、ステップ4417の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4419で、演出制御基板PCB用コマンドが役物制御コマンドであるか否かを判断する。
CPUPCCは、ステップ4419の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4421で、役物制御コマンドに応じて役物を制御し、本サブルーチンを終了する。
CPUPCCは、ステップ4419の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4423で、演出制御基板PCB用コマンドが音声制御コマンドであるか否かを判断する。
CPUPCCは、ステップ4423の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4425で、音声制御コマンドに応じて音声を制御し、本サブルーチンを終了する。
CPUPCCは、ステップ4423の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4427で、その他の制御、例えば、LEDランプS10の点灯、消灯、点滅などの処理を実行し、本サブルーチンを終了する。
CPUPCCは、ステップ4413の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4429で、サブメイン制御基板SMから送信されたコマンドに応じて、役物やランプや音声の制御をし、本サブルーチンを終了する。
CPUPCCは、ステップ4411の判断処理でNOであると判断した場合、ステップ4413の判断処理でNOであると判断した場合、ステップ4417の判断処理でNOであると判断した場合には、直ちに本サブルーチンを終了する。
上述した例では、ステップS4413の判断処理で、演出制御基板PCBに向けて送信されたコマンドであるのか、サブメイン制御基板SMに向けて送信されたコマンドであるのかを判断したが、第2のシリアル通信ポートによるコマンドの受信の段階で、演出制御基板PCBに向けられたコマンドのみを自動的に受信するようにしてもよい(以下、マルチプロセッサ通信機能と称する)。このようにすることで、コマンドを受信した後、直ちに、受信したコマンドに対応する処理を実行することができる。
前述したマルチプロセッサ通信機能は、サブメイン制御基板SM、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの各々に受信用にIDを割り当て、IDを送信するID送信サイクルと、実際のコマンドを送信するコマンド送信サイクルとの一対の送信サイクルによってコマンドを送信する。送信する側は、ID送信サイクルのときには、IDにマルチプロセッサビット1を付加した通信データを送信し、次いで、コマンド送信サイクルとして、コマンドにマルチプロセッサビット0を付加した通信データを送信する。受信する側は、マルチプロセッサビット1であるときに、IDから自分宛であるか否かを判断し、自分宛である場合には、続いて送られてくる通信データを受信し、自分宛でない場合には、続いて送られてくる通信データを読み飛ばす。このように受信の段階でコマンドを選択することによって、処理を簡素化かつ迅速化することができる。
<画像制御基板ICBにおける第2のシリアル通信を用いたコマンド送信処理>
図45は、画像制御基板ICBで実行される第2のシリアル通信を用いたコマンド送信処理(以下、第1のコマンド送信処理ともいう)のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、画像制御基板ICBが、演出制御基板PCBやサブメイン制御基板SMに対して、所望するコマンドを送信する必要が生じたときに、呼び出されて実行される。
まず、画像制御基板ICBのCPUICCは、ステップ4511で、リトライ回数を初期化する。リトライ回数は、コマンドの送受信が正常に行われなかった場合に画像制御基板ICBから同じコマンドを繰り返し送信し直す回数である。
次に、CPUICCは、ステップ4513で、処理に応じた所望のコマンド(送信先の情報が含まれるコマンド)を送信する。
次に、CPUICCは、ステップ4515で、演出制御基板PCBにコマンドを送信したか否か(所望のコマンドの送信先が演出制御基板PCBであったか否か)を判断する。
次に、CPUICCは、ステップ4515の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4517で、アクノリッジ信号を受信したか否かを判断する。この判断処理は、演出制御基板PCBから送信されたアクノリッジ信号を受信したか否かを判断する処理である。
CPUICCは、ステップ4517の判断処理でYESであると判断した場合、すなわち、アクノリッジ信号を受信したことで、ステップ4513の処理で送信したコマンドが演出制御基板PCBで正常に受信されたと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、CPUICCは、ステップ4517の判断処理でNOであると判断した場合、すなわち、アクノリッジ信号を受信しない場合には、ステップ4519で、ステップ4513の処理でコマンドを送信した時点から所定の時間が経過したか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4519の判断処理でNOであると判断したときには、ステップ4517に処理を戻す。このようにすることで、アクノリッジ信号を受信したか否かを繰り返し判断することができ、画像制御基板ICBと演出制御基板PCBと間の通信速度などの通信環境が変化した場合であっても、アクノリッジ信号を的確に受信することができる。
CPUICCは、ステップ4519の判断処理でYESであると判断したときには、ステップ4521でリトライ回数を加算する。
次に、CPUICCは、ステップ4523で、ステップ4513の処理で送信したコマンドが演出制御用のコマンド、例えば画像表示と同期的な制御を要求するコマンドであったか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4523の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4525で、リトライ回数が最大リトライ回数の2に達したか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4525の判断処理でYESであると判断した場合には、演出制御基板PCBが暴走したと判断し、直ちに本サブルーチンを終了する。
また、CPUICCは、ステップ4523の判断処理でNOであると判断した場合、すなわち、ステップ4513の処理で送信したコマンドが、演出制御用以外のコマンド(画像表示と同期的な制御を要求するコマンドと異なり、例えば制御状態を示すコマンド等)であると判断した場合には、ステップ4527で、リトライ回数が最大リトライ回数の5に達したか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4527の判断処理でYESであると判断した場合には、演出制御基板PCBが暴走したと判断し、直ちに本サブルーチンを終了する。
CPUICCは、ステップ4525の判断処理でNOであると判断した場合、又はステップ4527の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4513に処理を戻す。このようにすることで、リトライ回数が最大リトライ回数に達するまで、コマンドを演出制御基板PCBに繰り返し送信することができ、ノイズなどの影響によって通信環境が悪化した場合でも、コマンドを演出制御基板PCBに的確に送信することができる。
CPUICCは、ステップ4515の判断処理でNOであると判断した場合、すなわち、ステップ4513の処理で送信したコマンドは、サブメイン制御基板SMに対するものであると判断した場合には、ステップ4529で、サブメイン制御基板SMから送信されるアクノリッジ信号の受信処理を実行し、本サブルーチンを終了する。なお、ステップ4529の処理の詳細は説明を省略するが、例えば、本サブルーチンのステップ4517以降でステップ4523の分岐が存在しない処理と同様のものを採用することができる。
<副制御装置S内のコマンド送受信処理・役物処理に関するまとめ>
前述のとおり、画像制御基板ICBは、主に、演出表示装置S40に表示する画像を制御する。また、演出制御基板PCBは、役物の動作や、各種の音声の出力(内容やタイミングなど)や、ランプの点灯、消灯、点滅などを制御する。サブメイン制御基板SMで処理する演出として、演出表示装置S40に表示する画像の内容や動きやタイミングなどに合わせて、役物を動かしたり音声を出力したりするものがある。このように、演出表示装置S40の画像と、役物や音声などとを同期させた演出を実行するために、これまでは、サブメイン制御基板SMを介して、画像制御基板ICBから演出制御基板PCBにコマンドを送信していた。すなわち、画像制御基板ICBは、所定のタイミングがくると、まず、サブメイン制御基板SMにコマンドに送信し、次いで、サブメイン制御基板SMが、そのコマンドに基づいて、演出制御基板PCBにコマンドを送信することで演出のタイミングを合わせていた。このように、サブメイン制御基板SMを介する構成としたことで、2つの通信経路を経由する必要があるとともに、サブメイン制御基板SMの処理を必要としていたため、役物の動作のタイミングが、演出表示装置S40の画像の動きのタイミングよりも遅れる可能性があった。
このような点を踏まえ、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとの3つの基板間で第2のシリアル通信を共用するように構成することで、サブメイン制御基板SMを介すことなく、画像制御基板ICBから演出制御基板PCBにコマンドを直接に送信することができ、役物の動作のタイミングを演出表示装置S40の画像の動きのタイミングに近づけて、役物を迅速に動作させることができ、整合性を高めた演出を実行することができる。
また、前述したように、演出制御用コマンドの場合の最大リトライ回数は2であり、演出制御用コマンド以外のコマンドの場合の最大リトライ回数は5である。リトライ回数を増やすことによって、演出制御基板PCBがコマンドを的確に受信できる可能性を高めることができる。しかしながら、演出制御用コマンドの場合には、リトライ回数が増えるに従って、演出制御基板PCBがコマンドを受信するタイミングが遅れていくため、その結果、役物の動作のタイミングが、演出表示装置S40の画像の動きのタイミングよりも遅れる可能性が高まる。
このため、演出制御用コマンドの最大リトライ回数を、演出制御用コマンド以外のコマンドの最大リトライ回数よりも少なく定めることによって、リトライが生じた場合であっても、役物の動作のタイミングの遅れを防止することができる。演出制御用コマンドの最大リトライ回数は、2に限られず、1(リトライなし)でもよい。また、演出制御用コマンド以外のコマンドの最大リトライ回数は、5に限られず、5未満でも、5より大きくてもよい。演出制御用コマンドの最大リトライ回数が、演出制御用コマンド以外のコマンドの最大リトライ回数よりも少なければよい。
図45に示したように、リトライ回数が、最大リトライ回数に達した場合には、本サブルーチンを終了することで、直ちに次の処理を実行できるようにした。このように構成することで、コマンドの送信に異常が生じたときには、今回のコマンドの送信は無視する(コマンドを送信したとみなす)ことによって、遅れの発生を防止したり遅れの時間を短くしたりすることができる。
<<画像制御基板ICBにおける第2のシリアル通信を用いたコマンド送信処理の変形例>>
図46は、第1のコマンド送信処理の変形例であり、画像制御基板ICBで実行されるコマンド送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、演出制御基板PCBやサブメイン制御基板SMに、所望するコマンドを送信する必要が生じたときに、呼び出されて実行される。図45に示したコマンド送信処理のサブルーチンは、コマンドの送信をリトライ回数で制御するものであったが、図46に示すコマンド送信処理のサブルーチンは、コマンドの送信をリトライの時間で制御するものである。なお、図45に示したサブルーチンと同様の処理のステップについては、同一の符号を付した。以下では、主に、図45に示したサブルーチンの処理と異なる処理について説明する。
画像制御基板ICBのCPUICCは、図46のステップ4517の判断処理でNOであると判断した場合、すなわち、アクノリッジ信号を受信していない場合には、ステップ4631で、ステップ4513の処理で送信したコマンドが演出制御用のコマンドであるか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4631の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4633の処理で、ステップ4513の処理のコマンドを送信した時点から第1所定時間(例えば、50ミリ秒)が経過したか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4633の判断処理でYESであると判断した場合には、ステップ4635の処理で、リトライ回数を加算する。
次に、CPUICCは、ステップ4637の処理で、リトライ回数が、最大リトライ回数に達したか否かを判断する。最大リトライ回数は、例えば、5回などにすることができる。
CPUICCは、ステップ4637の判断処理でYESであると判断した場合には、演出制御基板PCBが暴走したと判断し、直ちに本サブルーチンを終了する。
CPUICCは、ステップ4637の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4513に処理を戻す。このようにすることで、リトライ回数が最大リトライ回数に達するまで、コマンドを演出制御基板PCBに繰り返し送信することができ、ノイズなどの影響によって通信環境が悪化した場合でも、コマンドを演出制御基板PCBに的確に送信することができる。
CPUICCは、ステップ4631の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4639の処理で、ステップ4513の処理のコマンドを送信した時点から第2所定時間(例えば、100ミリ秒)が経過したか否かを判断する。
CPUICCは、ステップ4639の判断処理でYESであると判断した場合には、前述したステップ4635に処理を移す。
CPUICCは、ステップ4633の判断処理でNOであると判断した場合、又はステップ4639の判断処理でNOであると判断した場合には、ステップ4517に処理を戻す。このようにすることで、繰り返しアクノリッジ信号を受信したか否かを判断することができ、画像制御基板ICBと演出制御基板PCBと間の通信速度などの通信環境が変化した場合であっても、アクノリッジ信号を的確に受信することができる。
図46も図45の処理と同様に、リトライ回数が、最大リトライ回数に達した場合には、本サブルーチンを終了することで、直ちに次の処理を実行できるようにした。このように構成することで、コマンドの送信に異常が生じたときには、今回のコマンドの送信は無視する(コマンドを送信したとみなす)ことによって、遅れの発生を防止したり遅れの時間を短くしたりすることができる。
前述したように、ステップ4513の処理で送信したコマンドが演出制御用のコマンドである場合には、ステップ4633の処理で、コマンドを送信した時点から第1所定時間(例えば、50ミリ秒)が経過したか否かを判断する。一方、ステップ4513の処理で送信したコマンドが演出制御用のコマンド以外のコマンドである場合には、ステップ4639の処理で、コマンドを送信した時点から第2所定時間(例えば、100ミリ秒)が経過したか否かを判断する。このように、演出制御用のコマンドを送信する場合のリトライの時間間隔は、演出制御用のコマンド以外のコマンドを送信する場合のリトライの時間間隔よりも短い。このようにすることで、リトライ回数が増えた場合であっても、演出制御基板PCBがコマンドを受信できるタイミングを早めることができ、役物の動作のタイミングの遅れを防止することができる。なお、コマンドの再送信を行なう時間は、正常にコマンドが送受信されるときに、送信先から返信されてくるアクノリッジ信号の受信までに要する時間(例えば30ms)よりも長く設定されている。
<<<差動信号の送受信及びシングルエンド信号の送受信>>>
図47は、副制御装置Sにおける差動信号及びシングルエンド信号の送受信の概略を示すブロック図である。前述したように、副制御装置Sは、サブメイン制御基板SMと演出・画像ユニットPIU(演出制御基板PCBと画像制御基板ICB)とからなる(図36、図38及び図43も参照)。以下では、副制御装置Sにおける差動信号及びシングルエンド信号の送受信に関する部分に関する機能や処理を中心に説明する。
本実施例においては、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとの間では、差動信号による通信とシングルエンド信号による通信との双方の通信によってコマンドやデータの送受信が行われている。差動信号は,2本の信号線を用い、2本の信号線の電圧差によって一つの信号を伝える信号で、2本の信号線にノイズが重畳してもノイズ信号を打ち消しあうことができる。一方、シングルエンド信号は、グランド(ゼロボルト)を基準にした電圧信号である。
例えば、シングルエンド信号には、前述したハードウエアリセット信号及びソフトウエアリセット信号のリセット信号(図36参照)、ファンアラート信号、第1温度アラート信号や第2温度アラート信号など(図38参照)のほかに、後述する暴走監視信号(図51参照)などがある。また、差動信号には、前述した第1のシリアル通信〜第4のシリアル通信の信号(図43参照)などがある。
図47に示すように、図43に示した第1のシリアル通信は第1の差動信号通信に対応し、同様に、第3のシリアル通信は第3の差動信号通信に対応する。すなわち、第1のシリアル通信の第1の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのTXD1+と画像制御基板ICBのRXD1+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのTXD1−と画像制御基板ICBのRXD1−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成され、第1のシリアル通信の第2の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのRXD1+と画像制御基板ICBのTXD1+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのRXD1−と画像制御基板ICBのTXD1−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成される。
同様に、第3のシリアル通信の第5の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのTXD3+と画像制御基板ICBのRXD3+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのTXD3−と画像制御基板ICBのRXD3−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成され、第3のシリアル通信の第6の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのRXD3+と画像制御基板ICBのTXD3+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのRXD3−と画像制御基板ICBのTXD3−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成される。
なお、図47では、第2のシリアル通信及び第4のシリアル通信(図43参照)については省略したが、第2のシリアル通信は、第2の差動信号通信に対応し、第4のシリアル通信は、第4の差動信号通信に対応する(図示せず)。具体的には、第2のシリアル通信の第3の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのTXD2+と画像制御基板ICBのRXD2+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのTXD2−と画像制御基板ICBのRXD2−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成され、第2のシリアル通信の第4の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのRXD2+と画像制御基板ICBのTXD2+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのRXD2−と画像制御基板ICBのTXD2−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成される(図示せず)。
同様に、第4のシリアル通信の第7の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのTXD4+と画像制御基板ICBのRXD4+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのTXD4−と画像制御基板ICBのRXD4−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成され、第7のシリアル通信の第8の信号線は、2本の差動信号線(サブメイン制御基板SMのRXD4+と画像制御基板ICBのTXD4+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのRXD4−と画像制御基板ICBのTXD4−とを接続する信号線との1対の信号線)によって構成される(図示せず)。
また、図48は、差動信号の処理のための構成を示すブロック図である。図49は、シングルエンド信号の処理のための構成を示すブロック図である。図48及び図49は、簡略のため、サブメイン制御基板SMから、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBに差動信号やシングルエンド信号が送信される構成を示した。即ち、図48に示した差動信号は、第1のシリアル通信の第1の信号線(サブメイン制御基板SMのTXD1+と画像制御基板ICBのRXD1+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのTXD1−と画像制御基板ICBのRXD1−とを接続する信号線との1対の信号線)と、第3のシリアル通信の第5の信号線(サブメイン制御基板SMのTXD3+と画像制御基板ICBのRXD3+とを接続する信号線と、サブメイン制御基板SMのTXD3−と画像制御基板ICBのRXD3−とを接続する信号線との1対の信号線)のみを示した。図48では、他の第1のシリアル通信の第2の信号線、第2のシリアル通信の第3の信号線及び第4の信号線、第3のシリアル通信の第6の信号線、並びに第4のシリアル通信の第7の信号線及び第8の信号線については省略したが、第1のシリアル通信の第1の信号線及び第3のシリアル通信の第5の信号線と同様の構成を有し同様に機能する。したがって、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBから副制御装置Sへも、同様の構成によって差動信号を送信することができ、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBとの間でコマンドやデータの送受信が行われる。
前述したように、シングルエンド信号には、リセット信号(図36参照)、ファンアラート信号、第1温度アラート信号や第2温度アラート信号など(図38参照)のほかに、後述する暴走監視信号(図51参照)などがある。図48に示したシングルエンド信号は、これらのシングルエンド信号のうち、サブメイン制御基板SMから演出制御基板PCBや画像制御基板ICBにデータやコマンドを送信する2本のシングルエンド信号の信号線のみを代表として示した。演出制御基板PCBや画像制御基板ICBからサブメイン制御基板SMにデータやコマンドを送信するシングルエンド信号の信号線も同同様の構成を有し同様に機能する。
このように、差動信号及びシングルエンド信号によって通信できるように構成することで、図43で示したように、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBとの間でコマンドやデータの送受信が行われる。
<差動信号通信>
図47及び図48に示すように、サブメイン制御基板SMは、第1の差動信号通信用の送信用端子TxD1及び受信用端子RxD1を有し、第2の差動信号通信用の送信用端子TXD3及び受信用端子RXD3を有する。また、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBは、第1の差動信号通信用の送信用端子TxD1及び受信用端子RxD1を有し、第2の差動信号通信用の送信用端子TxD1及び受信用端子RxD1を有する。
さらに、送信用端子TxD1及びTXD3は、図48に示すように、差動信号生成ドライバに接続されている。差動信号生成ドライバは、シングルエンド信号から差動信号を生成するためのドライバである。
差動信号生成ドライバによって、送信用端子TxD1を通過した信号から2つのTXD1+及びTXD1−の信号が生成される。2つの信号TXD1+及びTXD1−によって第1の差動信号通信が行われる。同様に、差動信号生成ドライバによって、送信用端子TXD3を通過した信号から2つのTXD3+及びTXD3−の信号が生成される。2つの信号TXD3+及びTXD3−によって第2の差動信号通信が行われる。
差動信号生成ドライバは、コモンモードフィルタに接続されている。コモンモードフィルタは、2つのチョークコイルからなる構造を有し、コモンモード(同相)のノイズを除去するためのフィルタである。第1の差動信号TXD1+及びTXD1−並びに第2の差動信号TXD3+及びTXD3−は、コモンモードフィルタによってノイズが除去された後、コネクタを介して、サブメイン制御基板SMから出力される。
サブメイン制御基板SMのコネクタと、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBのコネクタとは、ツイストペアケーブルによって電気的に接続されている。ツイストペアケーブルは、2本の信号線を撚り合わせて形成されたケーブルである(図50参照)。第1の差動信号通信用のツイストペアケーブルは、TXD1+の信号線とTXD1−の信号線との差動信号線同士を撚り合わせて形成されたケーブルであり、第2の差動信号通信用のツイストペアケーブルは、TXD3+の信号線とTXD3−の信号線との差動信号線同士を撚り合わせて形成されたケーブルである。2本の差動信号線同士を撚り合わせることで、平行線よりノイズの影響を受けにくくすることができる。
サブメイン制御基板SMから出力された第1の差動信号TXD1+及びTXD1−並びに第2の差動信号TXD3+及びTXD3−は、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBにコネクタを介して入力される。以下、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBに入力された第1の差動信号TXD1+及びTXD1−を第1の差動信号RXD1+及びRXD1−と称し、第2の差動信号TXD3+及びTXD3−を第1の差動信号RXD3+及びRXD3−と称する。第1の差動信号RXD1+及びRXD1−並びに第2の差動信号RXD3+及びRXD3−は、コモンモードフィルタによってノイズが除去された後、差動信号レシーバに供給される。差動信号レシーバは、2つの差動信号を通常のシングルエンドの信号に変換する。差動信号レシーバによって、第1の差動信号RXD1+及びRXD1−は、シングルエンド信号に変換され、受信用端子RxD1に供給され、第2の差動信号RXD3+及びRXD3−は、シングルエンド信号に変換され、受信用端子RXD3に供給される。
このように、第1の差動信号通信及び第2の差動信号通信は、差動信号による通信をすることでノイズの影響を受けにくくし、さらに、コモンモードフィルタによってノイズを除去し、さらに、ツイストペアケーブルを用いて接続することで、ノイズの影響をさらに受けにくくすることで、全体としてノイズの影響を低減することができ、通信速度を維持しつつ、的確にコマンドやデータを送受信することができる。
<シングルエンド信号による通信>
図47及び図49に示すように、サブメイン制御基板SMは、第1のシングルエンド信号通信用の送信用端子TD1及び受信用端子RD1を有し、第2のシングルエンド信号通信用の送信用端子TD2及び受信用端子RD2を有する。また、演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBは、第1のシングルエンド信号通信用の送信用端子TD1及び受信用端子RD1を有し、第2のシングルエンド信号通信用の送信用端子TD1及び受信用端子RD1を有する。
送信用端子TD1は、コモンモードフィルタに接続されている。前述したように、コモンモードフィルタは、2つのチョークコイルからなり、コモンモード(同相)のノイズを除去することができる。送信用端子TD1を通過したシングルエンド信号は、コモンモードフィルタに供給され、コモンモードフィルタによってノイズが除去された後、コネクタを介して、サブメイン制御基板SMから出力される。
同様に、送信用端子TD2を通過したシングルエンド信号も、コモンモードフィルタに供給され、コモンモードフィルタによってノイズが除去された後、コネクタを介して、サブメイン制御基板SMから出力される。
サブメイン制御基板SMのコネクタと、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBのコネクタとは、ツイストペアケーブルによって電気的に接続されている。ツイストペアケーブルは、2本の信号線を撚り合わせて形成されたケーブルである(図50参照)。第1のシングルエンド信号通信用のツイストペアケーブルは、TD1の信号線と、グランドに接続された線とを撚り合わせて形成されたケーブルであり、第2のシングルエンド信号通信用のツイストペアケーブルは、TD2の信号線と、グランドに接続された線とを撚り合わせて形成されたケーブルである。2本の信号線を撚り合わせることで、平行線よりノイズの影響を受けにくくすることができる。
サブメイン制御基板SMから出力された第1のシングルエンド信号及び第2のシングルエンド信号は、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBにコネクタを介して入力される。演出制御基板PCBや画像制御基板ICBに入力された第1のシングルエンド信号及び第2のシングルエンド信号は、コモンモードフィルタによってノイズが除去された後、第1のシングルエンド信号は受信用端子RD1に供給され、第2のシングルエンド信号は受信用端子RD2に供給される
このように、第1のシングルエンド信号通信及び第2のシングルエンド信号通信は、コモンモードフィルタによってノイズを除去し、さらに、ツイストペアケーブルを用いて接続することで、ノイズの影響をさらに受けにくくすることで、全体として、ノイズの影響を低減することができ、的確にコマンドやデータを送受信することができる。
<<サブメイン制御基板SMにおける処理及び画像制御基板ICBにおける処理>>
図51は、サブメイン制御基板SMにおける信号及び状態の変化、並びに画像制御基板ICBにおける信号及び状態の変化を示すタイムチャートである。図51の水平な破線よりも上側は、画像制御基板ICBの状態を示し、図51の水平な破線よりも下側は、サブメイン制御基板SMの状態を示す。
<時刻T1〜T2>
まず、時刻T1で電源が投入されると、時刻T2で、サブメイン制御基板SMのリセットICから、リセット用の信号(リセット解除信号)が、サブメイン制御基板SMのCPU及び、画像制御基板ICBに供給される。前述したように、機器をリセットするための信号は、ローレベルの信号Lであり、リセットを解除するためのリセット解除信号は、ハイレベルの信号Hであり、時刻T2でローレベルの信号Lからハイレベルの信号Hに変化する信号を画像制御基板ICBに送信することで、画像制御基板ICBを起動することができる。なお、ここでのリセット信号は、上述したリセットICから出力されるハードウエアリセット信号である(図36参照)。
<時刻T2〜T3>
画像制御基板ICBは、サブメイン制御基板SMから送信されたリセット信号(リセット解除信号)によって、時刻T2〜T3にかけて起動処理(ブート)を実行する。
一方、サブメイン制御基板SMは、リセット信号(リセット解除信号)に基づいて自身の初期設定が完了してから直ちに画像制御基板ICBの起動の監視を開始する。なお、サブメイン制御基板SM自身の初期設定処理の時間が短いため、図51では、便宜的に時刻T2と同タイミングとしている。図51では、画像制御基板ICBの起動の監視が有効な状態(監視を実施している状態)をハイレベル(H)で示し、画像制御基板ICBの起動の監視が無効な状態(監視を実施していない状態)をローレベル(L)で示す。画像制御基板ICBの起動の監視は、時刻T2で有効となる。
<時刻T3〜T5>
画像制御基板ICBは、起動処理が完了すると暴走監視信号の出力を開始する(時刻T3)。暴走監視信号は、一定の時間毎にローレベル(L)とハイレベル(H)とが交互に変化する信号であり、サブメイン制御基板SMに送信される。画像制御基板ICBが、暴走せずに正常動作している場合には、暴走監視信号は、ローレベル(L)とハイレベル(H)とが交互に変化するため、サブメイン制御基板SMは、ローレベル(L)とハイレベル(H)との交互の変化を検出することで、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断することができる。一方、画像制御基板ICBが、暴走などにより正常に動作していない場合には、暴走監視信号は、ローレベル(L)とハイレベル(H)との交互の変化がなくなり、サブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBが正常に動作していないと判断することができる。
前述したように、サブメイン制御基板SMは、時刻T2から画像制御基板ICBの起動の監視を開始しており、暴走監視信号のローレベル(L)とハイレベル(H)との交互の変化を検出する。サブメイン制御基板SMは、暴走監視信号の立上がりエッジと立下がりエッジとを検出して暴走監視信号の変化の回数を計数し、計数した回数が所定の回数に達したことで、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断する。図51に示した例では、サブメイン制御基板SMは、時刻T3から計数し始めた立ち上がりの回数が、所定の回数(例えば、2回)に達した(時刻T5)ことで、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断し、画像制御基板ICBの起動の監視を終了する。
<時刻T4>
画像制御基板ICBは、時刻T4から常駐画像を表示するための画像データの転送を開始する。常駐画像は、例えば、「画面準備中」などの各種の文字情報を表示する画像にすることができる。画像データは、画像制御基板ICBのROMICRに予め記憶されており、画像データの転送は、画像制御基板ICBのROMICRから画像データを読み出し、演出表示装置S40のVRAM(グラフィックスメモリ又はビデオメモリなど)の所定の領域に書き込む処理である。図51に示した例では、常駐画像の画像データの転送している状態をハイレベル(H)で示し、転送していない状態をローレベル(L)で示す。なお、画像データの転送は、時刻T6で終了する。
<時刻T5>
サブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断したことを契機に、時刻T5から転送終了監視を開始する。図51に示した例では、転送終了の監視が有効な状態(監視を実施している状態)をハイレベル(H)で示し、転送終了の監視が無効な状態(監視を実施していない状態)をローレベル(L)で示す。
さらに、サブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断したことを契機に、時刻T5からシリアル通信が可能な状態になる。図51に示した例では、シリアル通信が許可されている状態をハイレベル(H)で示し、シリアル通信が禁止されている状態をローレベル(L)で示す。
さらにまた、サブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断したことを契機に、時刻T5からサウンド系コマンド等の各種コマンドの通信が可能な状態となる。図51に示した例では、コマンドの通信が許可されている状態をハイレベル(H)で示し、コマンドの通信が禁止されている状態をローレベル(L)で示す。つまり、時刻T5を契機として、サブメイン制御基板と画像制御基板とは、画像表示自体はできないものの、それ以外の制御コマンド等の送受信の実行が可能となる。また、時刻T5でサウンド系コマンド等の通信を許可することによって、サブメイン制御基板SMは、サウンド系コマンドの通信許可コマンドを演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBに送信することで(図示せず)、演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとの間においてもサウンド系コマンドの通信を行うことが可能となる。
<時刻T6>
前述したように、画像制御基板ICBでは、常駐画像の画像データの転送は、時刻T6で終了する。画像制御基板ICBは、常駐画像の画像データの転送の終了を契機に、画像表示可能信号をローレベルからハイレベルに変化させる。これにより、演出表示装置S40に各種の演出画像を表示することが可能になり、先ず、常駐画像が演出表示装置S40に表示される。
<時刻T6〜T7>
前述したように、画像制御基板ICBでは、時刻T6で常駐画像の画像データの転送が終了して画像表示可能信号がローレベルからハイレベルに変化する。この画像表示可能信号がローレベルからハイレベルに変化したことを契機に、暴走監視信号の変化の回数を計数し、計数した回数が所定の回数に達したか否かを判断する。図51に示した例では、サブメイン制御基板SMは、時刻T6から計数し始めた立ち上がりの回数が、所定の回数(例えば、2回)に達した(時刻T7)ことで、転送終了監視を終了する。すなわち、サブメイン制御基板SMは、画像制御基板ICBにおいて常駐画像の画像データの転送が終了して、画像制御基板ICBが正常に動作していると判断して、転送終了監視を終了する。
<時刻T7>
サブメイン制御基板SMは、転送終了監視の終了を契機にして、時刻T7でウォッチドッグタイマ(以下、WDTと称する)の監視を起動する。図51に示した例では、WDTの監視が有効な状態をハイレベル(H)で示し、WDTの監視が無効な状態をローレベル(L)で示す。
サブメイン制御基板SMは、転送終了監視の終了を契機にして、時刻T7で画像系コマンドの通信が可能な状態となる。図51に示した例では、画像系コマンドの通信が許可されている状態をハイレベル(H)で示し、画像系コマンドの通信が禁止されている状態をローレベル(L)で示す。
以上の時刻T1〜T7の処理によって、サブメイン制御基板SM及び画像制御基板ICBの起動処理(初期化処理)が完了する。以下の時刻T8〜T10では、サブメイン制御基板SM及び画像制御基板ICBは、起動処理が完了して定常動作をしているときの状態について説明する。
<時刻T8>
前述したように、画像制御基板ICBが暴走したときには、暴走監視信号のローレベル(L)とハイレベル(H)との交互の変化が停止する。例えば、図51に示した例では、時刻T8で、暴走監視信号のローレベル(L)とハイレベル(H)との交互の変化が停止する。サブメイン制御基板SMは、時刻T8で、暴走監視信号を検出することで、画像制御基板ICBが暴走した可能性があると判断し、時刻T8から3秒が経過するまで(時刻T9)、暴走監視信号を検出する。
<時刻T9〜T10>
サブメイン制御基板SMは、時刻T8から3秒が経過するまで、暴走監視信号の変化がないことを条件に(時刻T9)、画像制御基板ICBが暴走したと判断し、リセットするためのパルス信号(前述したソフトウエアリセット信号)を画像制御基板ICBに送信する(時刻T9〜T10)。前述したように、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信することによって、画像制御基板ICBを再起動させることができる。さらに、サブメイン制御基板SMは、時刻T8から3秒が経過したことを契機にして、WDTの動作を終了し、シリアル通信ができない状態にし、サウンド系コマンド及び画像系コマンドの通信ができない状態にする。
<<状態報知用LED>>
図52は、サブメイン制御基板SMに搭載された部品や素子などの配置を示す概略図である。
サブメイン制御基板SMには、各種のIC(集積回路)やLED(発光ダイオード)やコネクタなどが搭載されている。なお、サブメイン制御基板SMには、その他に抵抗やコンデンサなどの各種の素子も搭載されている(図示せず)。
<LED>
サブメイン制御基板SMには、互いに発光色が異なる複数のLEDが搭載されている。図52に示す例では、LED1、LED2及びLED3の3つのLEDが搭載されている。例えば、LED1は、発光色が赤色のLEDであり、LED2は、発光色が緑色のLEDであり、LED3は、発光色が橙色のLEDである。これらのLED1〜LED3は、サブメイン制御基板SMにおける動作状態に応じて点灯したり消灯したりする。例えば、発光色が緑色のLED2は、サブメイン制御基板SMが起動しているときに点灯するように制御される。また、発光色が赤色のLED1は、遊技状態に応じて点灯するように制御される。
また、LED1〜LED3は、互いに離隔するように配置されている。例えば、LED1〜LED3を互いに離隔するように配置することで、各々のLEDの発光状態を視認しやすくできる。また、サブメイン制御基板SMの所定の領域内に含まれるようにLED1〜LED3を配置することで、視線を移動させることなく一目見るだけで複数のLEDの全てを視認することができ、サブメイン制御基板SMの状態を把握することができる。
サブメイン制御基板SMには、LED1〜LED3の各々に隣接して抵抗R1〜R3が搭載されている。抵抗R1〜R3は、LED1〜LED3の各々に流れる電流を制限するための電流制限抵抗である。LED1の近傍には抵抗R1が搭載され、抵抗R1は、LED1と電気的に接続されている。LED2の近傍には抵抗R2が搭載され、抵抗R2は、LED2と電気的に接続されている。LED3の近傍には抵抗R3が搭載され、抵抗R3は、LED3と電気的に接続されている。これらの抵抗R1〜R3に流れる電流は、LED1〜LED3の各々の仕様によって異なり、最適化された電流が抵抗R1〜R3に流れる。抵抗R1〜R3に電流が流れることにより、R1〜R3から熱が発せられる。抵抗R1〜R3から発せられる熱は、抵抗R1〜R3の消費電力(電流)によって異なる。
このため、LED1及びR1と、LED2及びR2と、並びにLED3及びR3とは、消費電力に応じた位置にサブメイン制御基板SMに配置するのが好ましい。すなわち、消費電力が大きい場合には、CPUSC100からなるべく離隔した位置に配置し、消費電力が小さい場合には、CPUSC100に近い位置に配置することができる。
図52に示す例では、消費電力が大きいLED3及びR3は、発熱量が多く、CPUSC100から離隔した位置に配置するのが好ましい。一方、消費電力が小さいLED1及びR1は、発熱量が少なく、CPUSC100の近くに配置することができる。このように、R1〜R3の消費電力に応じてCPUSC100からの距離を定めてLED1及びR1と、LED2及びR2と、LED3及びR3とを分散させて配置することで、サブメイン制御基板SMの状態によって全てのLED1〜LED3が発光した場合であっても、CPUSC100に対する抵抗R1〜R3の発熱の影響を低減することができる。
<<役物の動作の例>>
図53〜図55は、役物の動作の例を示す図であり、前述した図44のステップ4421の処理によって実行される役物の動作の具体例である。図53(A)は、演出表示装置S40の上側に設けられた上側役物MAUと、下側に設けられた下側役物MABとを示す正面図であり、図53(B)は、上側役物MAU及び下側役物MABが移動した状態を示す正面図である。図54は、上側役物MAUが移動した状態を示す正面図(A)及び(B)である。図55は、下側役物MABが移動した状態を示す正面図(A)及び(B)である。
図53(A)及びに示すように、上側役物MAUが動作していないときには、演出表示装置S40の上部に収納され、下側役物MABが動作していないときには、演出表示装置S40の下部に収納されており、演出表示装置S40と重ならないように配置されている。このように、上側役物MAU及び下側役物MABを収納することで、演出表示装置S40に表示される画像の全体を視認することができる。
図53(B)並びに図54(A)及び(B)に示すように、上側役物MAUが動作すると、回転中心MCUを中心にして揺動し、演出表示装置S40の上部から下方に向かって移動する。上側役物MAUが下方に移動することにより、演出表示装置S40の前面で重なるように配置される。上側役物MAUは、揺動部材MSUと回転部材MRUとを有する。揺動部材MSUは、モータなど(図示せず)の駆動装置によって、回転中心MCUを中心にして揺動可能に構成された部材であり、回転部材MRUは、モータや歯車やリンク機構など(図示せず)の各種の伝達機構によって、揺動部材MSUの先端部を回転中心にして回転可能に構成された部材である(図54(B)参照)。回転部材MRUの動作については、後述する。
また、図53(B)並びに図55(A)及び(B)に示すように、下側役物MABが動作すると、回転中心MCBを中心にして揺動し、演出表示装置S40の下部から上方に向かって移動する。下側役物MABが上方に移動することにより、演出表示装置S40の前面で重なるように配置される。下側役物MABは、揺動部材MSBと回転部材MRBとを有する。揺動部材MSBは、モータなど(図示せず)の駆動装置によって、回転中心MCBを中心にして揺動可能に構成された部材であり、回転部材MRBは、モータや歯車やリンク機構など(図示せず)の各種の伝達機構によって、揺動部材MSBの先端部を回転中心にして回転可能に構成された部材である(図55(B)参照)。回転部材MRBの動作については、後述する。
図56は、上側役物MAUの回転部材MRU又は下側役物MABの回転部材MRBの回転の状態を示す図である。回転部材MRU及び回転部材MRBは、演出表示装置S40に表示される画像の動きに合わせて回転する。例えば、回転部材MRU及び回転部材MRBが回転することによって生ずる気流や渦AFを示すような画像などを演出表示装置S40に表示することで、回転部材MRU及び回転部材MRBの動きの臨場感を高めることができる。
本実施例では、前述したように(図43及び図44参照)、サブメイン制御基板SMと演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとの3つの基板間においては、第2のシリアル通信の共用によって、サブメイン制御基板SMを介すことなく、画像制御基板ICBから演出制御基板PCBにコマンドを直接に送信することで、役物の動作のタイミングを演出表示装置S40の画像の動きのタイミングに近づけて、役物を迅速に動作させることができ、整合性を高めた演出を実行することができる。このように構成するとともに制御することにより、図53〜図55に示した例においても、画像制御基板ICBは、演出表示装置S40に表示する画像の内容や表示のタイミングなどを図りつつ、演出制御基板PCBにコマンドを直接に送信することで、演出表示装置S40に表示する画像の動きに合わせて、役物である回転部材MRU及び回転部材MRBを動作させることができ、画像の動きと役物の動きとの整合を高め、両者の動きを同期させたり、一方の動きを他方の動きに応答させたりすることで、両者のタイミングがずれて変な動きにとならないようにして演出を実行することができる。なお、画像制御基板ICBから演出制御基板PCBにコマンドを直接に送信することによって、役物の動きのみならず、スピーカS20から出力する音声の内容やタイミングや、LEDランプS10の点灯、点滅、消灯のタイミングなどについても同様に整合性を高めた演出を実行することができる。
<<ホッパモータH80の駆動に係る回路構造>>
前述したように、本実施例の回胴式遊技機Pにおいては、特にメダル払出装置Hの不正を抑止するために新たな対策が講じられており、この点について詳細に説明する。
<前提技術>
前述したとおり、本実施例にかかる回胴式遊技機Pは、主制御基板Mにおいて役の入賞判定が行なわれ、入賞判定の結果に応じて所定のメダルの払出を実行する。ここで、貯留装置(所謂クレジット)への電子的な払出が不可能な状態、すなわち、貯留装置の機能を未使用として遊技が行なわれた場合や貯留装置の貯留上限(例えば50枚)に達している場合には、主制御基板Mはメダル払出装置Hに駆動要求信号を出力することによりホッパモータH80を駆動させてメダルを払い出す払出処理が行われる。
ところで、主制御基板Mとメダル払出装置H(本実施例では、メダル払出装置内に駆動回路が添設されている。)とは物理的に離間しているため、ハーネス等を用いて主制御基板Mからの駆動要求信号をメダル払出装置H(駆動回路)に供給することになる。このため、ホッパモータH80を駆動する駆動要求信号を供給するハーネス等が断線・短絡等が生じる恐れがある。このような場合、実際には払出要求を行なっていない(駆動要求信号の出力を行なっていない)にも関わらず、駆動要求信号が出力された(駆動要求信号がホッパモータH80側に入力された)と判断してホッパモータH80を駆動し、メダルが払い出されてしまう不具合が考えられる。また、駆動要求信号に電波等の電気信号が混入する可能性も考えられ、このような場合にも、同様にメダルが払い出されてしまう恐れがある。
そこで、本実施例における回胴式遊技機Pでは、上記問題を解決すべく、メダル払出装置Hの駆動回路等に対策が講じられており、図57を用いて、具体的に説明する。
<具体的な構成>
図57は、主制御基板Mからメダル払出装置H(駆動回路)に至る信号の流れ、並びに主要な回路を概略的に示した説明図である。なお、図57では、主制御基板Mの制御処理により生成される駆動要求信号の出力端から先を示しており、図57上におけるR1、2、4〜6の抵抗値は10kΩ、R3の抵抗値は2.4kΩである。また、IC1はモータドライバIC(例えば、東芝製 TB67H400)であり、端子PWMAに「H(5V)信号」が入力され、且つ、端子INA2に「L(0V)信号」が入力されたときにメダルが払い出される方向にホッパモータH80を駆動するように構成されている。
主制御基板Mがメダル払出装置H(ホッパモータH80)の駆動要求信号を出力すると、その信号により主制御基板Mに設けられているトランジスタQ1がオフとなり、点Aの電位は、主制御基板M及びメダル払出装置H(駆動回路)に設けられたR1〜R4等により分圧されることで、約2Vとなる。一方、主制御基板Mがメダル払出装置H(駆動回路)の駆動要求信号を出力していない場合には、トランジスタQ1がオンとなり点Aの電位は約5Vとなる。すなわち、駆動要求信号が出力された場合には、主制御基板M及び駆動回路に設けられたR1〜R4によりロジック電源とGNDとの中間電位である約2Vの電圧がメダル払出装置H(駆動回路)に出力され、駆動要求信号が出力されていない場合には、ロジック電源と略同じ約5Vが出力される。
ハーネスHNを介してメダル払出装置H(駆動回路)に供給された信号は、駆動回路内に設けられた抵抗R2〜R4により分圧されてトランジスタQ2及びQ3に供給される。ここで、点Bの電圧は、駆動要求信号を出力している場合、すなわち点Aの電圧が約2Vの場合にはR2〜R4の分圧によりトランジスタQ2をオンすることができない0.3V程度となり、駆動要求信号を出力していない場合には、すなわち、点Aの電圧が約5Vの場合にはトランジスタQ2をオンすることができる1V程度となる。つまり、トランジスタQ2のコレクタに接続されているIC1のPWMA端子は、駆動要求信号を出力している場合には5Vの電圧の信号(「H」レベルの信号)が入力され、駆動要求信号を出力していない場合には0Vの電圧の信号(「L」レベルの信号)が入力されることになる。
一方、点Cの電圧は、ハーネスHNが正常に接続されていれば、駆動要求信号を出力しているか否かに関わらず2V以上となるため、トランジスタQ3はオンとなる。従って、トランジスタQ3のコレクタに接続されているIC1のINA2端子は、ハーネスHNが接続されていれば駆動要求信号を出力しているか否かに関わらず0Vの電圧の信号(「L」レベルの信号)が入力されることになる。
以上のように、図57に示す回路構成では、主制御基板Mとメダル払出装置(駆動回路)とのハーネスHNが断線している場合には、トランジスタQ3がオンとならずにIC1がホッパモータH80によりメダルを払い出すための駆動信号の出力条件を満足せず、ハーネスが短絡している場合にはトランジスタQ2がオンとなってIC1がホッパモータH80によりメダルを払い出すための駆動信号の出力条件を満足しない。換言すると、ハーネスが正常に接続されている前提で駆動要求信号が出力されたこと(中間電圧が供給されたこと)を条件としてIC1が駆動信号を出力するように形成されている。このため、不正により意図的に駆動要求信号を供給するハーネス(例えば主制御基板Mとメダル払出装置H(駆動回路)を接続するハーネスHN)を断線させたり、短絡させたりしてもホッパモータH80がメダルを払い出すように駆動することがない。特に本実施例では、中間電位として約2Vという遊技機内で生成しない電圧を採用しているため、他の制御装置に供給する電源ラインとの短絡によっても誤動作することがない。
また、本実施例では、トランジスタQ2がオフであることを条件にIC1がホッパモータH80によりメダルを払い出すための駆動信号の出力条件を満足する、すなわち、ホッパモータH80にメダルを払い出すための駆動信号を出力するようになっている。このため、メダル払出装置H(駆動回路)やハーネスHNに電波等を印加する不正を働いてもトランジスタQ2がオンになるだけで、IC1がホッパモータH80によりメダルを払い出すための駆動信号を出力する可能性が極めて低い。このように、本実施例では、断線・短絡だけでなく電波によっても誤動作をし難い駆動回路を実現している。
さらに、本実施例では、1の中間電位の信号線から汎用トランジスタと抵抗でIC1がホッパモータH80によりメダルを払い出すための駆動信号の出力条件である「H」レベルの信号と「L」レベルの信号を作り出している。このため、ハーネスの本数が少なくて済み、また、安価でスペースを取らない電子部品で構成される回路を実現している。
<<<<ぱちんこ遊技機>>>>
図58は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。図58を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。以下、これらを順に説明する。
<<ぱちんこ遊技機の構成>>
はじめに、ぱちんこ遊技機の遊技機枠は、外枠D12、前枠D14、透明板D16、扉D18、上球皿D20、下球皿D22及び発射ハンドルD44を含む。まず、外枠D12は、ぱちんこ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠D14は、外枠D12の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠D12に開閉可能に取り付けられる。前枠D14は、遊技球を発射する機構、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構等を含む。透明板D16は、ガラス等により形成され、扉D18により支持される。扉D18は、図示しないヒンジ機構を介して前枠D14に開閉可能に取り付けられる。上球皿D20は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿D22への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿D22は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、上球皿D20と下球皿D22の間にはスピーカD24が設けられており、遊技状態等に応じた効果音が出力される。
次に、遊技盤は、外レールD32と内レールD34とにより区画された遊技領域D30が形成されている。そして、当該遊技領域D30には、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口の他、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20、演出表示装置SG、補助遊技図柄表示装置H20、センター飾りD38及びアウト口D36が設置されている。以下、各要素を順番に詳述する。
次に、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備える。ここで、第1主遊技始動口入球検出装置A11sは、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1主遊技始動口入球情報を生成する。
次に、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技始動口入球検出装置B11sと、第2主遊技始動口電動役物B11dと、を備える。ここで、第2主遊技始動口入球検出装置B11sは、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2主遊技始動口入球情報を生成する。次に、第2主遊技始動口電動役物B11dは、第2主遊技始動口B10に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該通常状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。
ここで、本実施形態においては、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが重なるように配置されており、第1主遊技始動口A10の存在により、第2主遊技始動口B10の上部が塞がれている。また、遊技領域D30を流下する遊技球が、右側と左側とのどちらからでも第1主遊技始動口A10及び第2主遊技始動口B10に誘導され得るよう構成されている。
尚、本実施形態では、第2主遊技始動口B10側に電動役物を設けるよう構成したが、これには限定されず、第1主遊技始動口A10側に電動役物を設けるよう構成してもよい。更には、本実施形態では、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが重なるように配置されているが、これには限定されず、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが離隔して配置されるよう構成してもよい。また、第2主遊技始動口として、第2主遊技始動口Aと第2主遊技始動口Bとの2つを設けて、第2主遊技始動口Aには遊技領域D30左側を流下する遊技球が入球し易く遊技領域D30右側を流下する遊技球が入球し難いよう構成し、第2主遊技始動口Bには遊技領域D30左側を流下する遊技球が入球し難く遊技領域D30右側を流下する遊技球が入球し易いよう構成してもよい。また、第1主遊技始動口と第2主遊技始動口とを横に並べて配置し、流下してくる遊技球を左右方向に交互に振り分ける振分部材によって第1主遊技始動口と第2主遊技始動口とに交互に入球するよう構成してもよい。
次に、補助遊技始動口H10は、補助遊技始動口入球検出装置H11sを備える。ここで、補助遊技始動口入球検出装置H11sは、補助遊技始動口H10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す補助遊技始動口入球情報を生成する。尚、補助遊技始動口H10への遊技球の入球は、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを拡開させるための抽選の契機となる。
ここで、本実施形態においては、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が補助遊技始動口H10に誘導され易く、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が補助遊技始動口H10に誘導され難くなるよう構成されている。補助遊技始動口H10の配置は本例のものには限定されず、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が補助遊技始動口H10に誘導され易くなるよう配置してもよいし、補助遊技始動口H10を2つ設けて、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下すると、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球とのいずれもが、補助遊技始動口H10に誘導され易くなるよう構成してもよい。
次に、アウト口D36の右上方には、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20とが設けられており、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球は、アウト口D36に到達する前に、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20が配置されている領域を通過し易いよう構成されている。
次に、第1大入賞口C10は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口C10は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置C11sと、第1大入賞口電動役物C11d(及び第1大入賞口電動役物ソレノイドC13)と、を備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置C11sは、第1大入賞口C10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報を生成する。第1大入賞口電動役物C11dは、第1大入賞口C10に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第1大入賞口C10を可変させる(第1大入賞口電動役物ソレノイドC13を励磁して可変させる)。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカ−)や、遊技球が転動可能な通路上の開口部を大入賞口とし、当該開口部を閉鎖する状態と開放する状態とを採り得る態様(いわゆる、スライド式アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
次に、第2大入賞口C20は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第2大入賞口C20は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口入賞検出装置C21sと、第2大入賞口電動役物C21d(及び第2大入賞口電動役物ソレノイドC23)と、を備える。ここで、第2大入賞口入賞検出装置C21sは、第2大入賞口C20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入球情報を生成する。そして、第2大入賞口C20内に入球した遊技球は、第2大入賞口入賞検出装置C21sによって検出されるよう構成されている。次に、第2大入賞口電動役物C21dは、第2大入賞口C20に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに第2大入賞口C20を可変させる。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカー)や、遊技球が転動可能な通路上の開口部を大入賞口とし、当該開口部を閉鎖する状態と開放する状態とを採り得る態様(いわゆる、スライド式アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
次に、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技(第2主遊技)に対応する第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)に関連した表示等を実行する装置である。具体的構成としては、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)と、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)とを備える。ここで、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、第1主遊技(第2主遊技)に係る乱数の保留数(実行されていない主遊技図柄の変動数)に相当する。尚、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)は、例えば7セグメントLEDで構成され、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は、「0」〜「9」の10種類の数字及びハズレの「−」で表示される{但し、これには限定されず、いずれの主遊技図柄が表示されたのかを遊技者が認識困難となるよう、7セグメントLEDを用いて記号等によって表示することが好適である。また、保留数表示においても、4個のランプから構成されていることには限定されず、最大4個分の保留数を表示可能に構成(例えば、1個のランプから構成されており、保留数1:点灯、保留数2:低速点滅、保留数3:中速点滅、保留数4:高速点滅、するよう構成)されていればよい}。
尚、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本実施形態では、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)自体に演出的な役割を持たせて第1装飾図柄(第2装飾図柄)を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置SGのような液晶ディスプレーに、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)を表示させるように構成してもよい。
次に、演出表示装置SGは、第1主遊技図柄・第2主遊技図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の表示等を実行する装置である。ここで、具体的構成としては、演出表示装置SGは、装飾図柄の変動表示等を含めて演出が実行される表示領域SG10を備える。ここで、表示領域SG10は、主遊技保留情報を表示する第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)と、例えば、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄変動の動画像を表示する装飾図柄表示領域SG11と、を有している。尚、演出表示装置SGは、本実施形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)は、4個のランプから構成され、当該ランプは、主遊技図柄の保留ランプと連動している。
次に、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄に関する表示等を実行する装置である。具体的構成としては、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄表示部H21gと、補助遊技図柄保留表示部H21hとを備える。ここで、補助遊技図柄保留表示部H21hは、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、補助遊技図柄変動の保留数(実行されていない補助遊技図柄変動の数)に相当する。
次に、センター飾りD38は、演出表示装置SGの周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置SGの保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果ランプD26は、遊技領域D30又は遊技領域D30以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
次に、サブ入力ボタンSBは、副制御装置Sと電気的に接続された、操作(押下)することによって当該操作に基づく演出が実行されることとなる操作部材である。尚、サブ入力ボタンSBの操作態様として、単発押し(短時間の1回のみサブ入力ボタンSBを押下する操作態様)と、連打(複数回サブ入力ボタンSBを押下する操作態様)と、長押し(所定期間サブ入力ボタンSBを押し続ける操作態様)と、を有するよう構成してもよい。また、副制御装置Sと電気的に接続された、操作(押下)することによって当該操作に基づく演出が実行されることとなる操作部材はサブ入力ボタンSBのみには限定されず、上、下、左、右の4つの操作部を有しており、当該操作部を操作することにより、実行する演出(予告演出等)を選択可能に構成される十字キー、手前に引くことにより演出(可動体役物が作動する、等)が実行されるレバー、等を有するよう構成してもよい。
<<ぱちんこ遊技機の電気的構成の概略>>
次に、図59のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、前述したように、遊技の進行を制御する主制御基板Mと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて遊技球の払出を制御する賞球払出制御基板KHと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果ランプD26の点灯、エラー報知等の実行を制御する副制御装置S(後述するサブメイン制御部SM及びサブサブ制御部SS)と、これらの制御基板を含む遊技機全体に電源を供給する電源供給ユニットEと、を主体として構成されており、上述した各制御基板により制御され、或いは制御基板に入力される各種の機器・装置が遊技機の適宜箇所に設けられている。
前述したサブメイン制御部SMは、装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出や、スピーカD24からの音声の出力や、遊技効果ランプD26の点灯などのほか、演出表示装置SG、スピーカD24及び遊技効果ランプD26を用いたエラー報知を制御する。また、サブサブ制御部SSは、演出表示装置SG上での装飾図柄の変動表示・停止表示及び保留表示や予告表示等の各種の表示処理を実行する。
ここで、主制御基板M、賞球払出制御基板KH、サブメイン制御部SM及びサブサブ制御部SSには、様々な演算処理を行うCPU、CPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAMが搭載されている。以下、各基板の概略構成及び各基板・装置間の電気的な接続態様について概説する。
まず、主制御基板Mは、各第1主遊技関連電気部材の電気部材、各第2主遊技関連電気部材の電気部材、各第1・第2共用主遊技部材の電気部材、各補助遊技関連電気部材の電気部材等の遊技の進行に必須となる電気部材(入出力装置)と電気的に接続され、各入力装置からの入力信号に基づいて遊技の進行を制御している。なお、各主遊技関連電気部材、補助遊技関連電気部材の電気部材については後述する。更に、主制御基板Mは、賞球払出制御基板KHと、副制御装置S(サブメイン制御部SM・サブサブ制御部SS)とも電気的に接続されており、遊技進行に基づいて、賞球払出等に関する情報(コマンド)を賞球払出制御基板KHに、演出・遊技の進行状態等に関する情報(コマンド)を副制御装置Sにそれぞれ送信可能に構成されている。尚、主制御基板Mは、外部接続端子(不図示)を介してホールコンピュータHC等と接続可能となっており、外部接続端子を介してホールコンピュータHCと配線接続することで、主制御基板Mから外部の装置に対して遊技関連情報を出力できるよう構成されている。
また、本実施形態では、図59の矢印表記の通り、主制御基板Mと賞球払出制御基板KHとは、双方向通信が可能となるよう構成されている一方、主制御基板Mとサブメイン制御部SMとは、主制御基板Mからサブメイン制御部SMへの一方向通信が可能となるよう構成されている(通信方法は、シリアル通信、パラレル通信のいずれを用いてもよい)。尚、制御基板間(制御装置間)の通信については一方向通信でも双方向通信でもよい。
次に、賞球払出制御基板KHは、遊技球の払出を実行する賞球払出装置KEと、遊技者によって操作可能な装置であって遊技球の貸出要求を受付けて賞球払出制御基板KHに伝達する遊技球貸出装置Rと発射装置(ハンドルユニットHU100・球発射ユニットBU100等)を制御する発射制御基板LBとに接続されている。尚、本実施形態では、遊技球貸出装置Rを別体として遊技機に隣接する形態を採用しているが、遊技機と一体としてもよく、その場合には、賞球払出制御基板KHにより貸出制御及び電子マネー等貸出用の記録媒体の管理制御等を統括して行ってもよい。
次に、副制御装置Sは、装飾図柄や予告演出等を表示する演出表示装置SGと、スピーカD24と、遊技効果ランプD26と、サブ入力ボタンSBと接続されており、これらを制御する。尚、本実施形態では、副制御装置Sを構成するサブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとは、別基板として構成されており、図50に示したハーネスと同様のハーネスを介して通信可能に接続されている。また、両制御部での作業分担についても、例えばサブサブ制御部SSにより音声制御を実行させる(VDPに音声制御回路が一体化されたものを採用する場合に好適)等、適宜変更できる。また、賞球として物理的な賞球を付与せずに電子的な価値を付与してもよい。ここで、サブメイン制御部SMにより制御される演出は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動と時間的に同期の取れた形での装飾図柄の変動を含め、遊技の結果に影響を与えない情報のみの表示に係るものである。
次に、遊技関連電気部材について説明する。同図に示すように、本実施形態に係る遊技機においては、遊技関連電気部材として、第1主遊技側の遊技関連電気部材である第1主遊技関連電気部材Aと、第2主遊技側の遊技関連電気部材である第2主遊技関連電気部材Bと、第1主遊技側と第2主遊技側との共用の遊技関連電気部材である第1・第2主遊技共用関連電気部材Cと、補助遊技側の遊技関連電気部材である補助遊技関連電気部材Hと、を有している。主制御基板Mは、これらの第1主遊技関連電気部材Aと、第2主遊技関連電気部材Bと、第1・第2主遊技共用関連電気部材Cと、補助遊技関連電気部材Hとに電気的に接続されている。主制御基板Mは、第1主遊技関連電気部材Aや第2主遊技関連電気部材Bや第1・第2主遊技共用関連電気部材Cや補助遊技関連電気部材Hに制御信号や駆動信号などの各種の信号を出力したり、第1主遊技関連電気部材Aや第2主遊技関連電気部材Bや第1・第2主遊技共用関連電気部材Cや補助遊技関連電気部材Hから出力されたセンサ信号などを各種の信号が主制御基板Mに入力されたりする。以下、これらの遊技関連電気部材を順番に説明する。
まず、第1主遊技関連電気部材Aとは、第1主遊技に関連する電気部材である。例えば、第1主遊技関連電気部材Aの電気部材として、第1主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第1主遊技図柄表示装置A20や、第1主遊技始動口A10への入球を検出可能な第1主遊技始動口入球検出装置A11sなどがある。主制御基板Mは、第1主遊技図柄表示装置A20に制御信号を出力する。また、第1主遊技始動口入球検出装置A11sから出力された検出信号は、主制御基板Mに入力される。
次に、第2主遊技関連電気部材Bとは、第2主遊技に関連する電気部材である。例えば、第2主遊技関連電気部材Bの電気部材として、第2主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第2主遊技図柄表示装置B20や、第2主遊技始動口B10への入球を検出可能な第2主遊技始動口入球検出装置B11sなどがある。主制御基板Mは、第2主遊技図柄表示装置B20に制御信号を出力する。また、第2主遊技始動口入球検出装置B11sから出力された検出信号は、主制御基板Mに入力される。
次に、第1・第2主遊技共用電気部材Cとは、第1主遊技と第2主遊技とのいずれにも関連する電気部材である。例えば、第1・第2主遊技共用電気部材Cとして、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物ソレノイドC13(図示せず)や、第2大入賞口C20の第2大入賞口電動役物ソレノイドC23(図示せず)などがある。また、第1・第2主遊技共用電気部材Cとして、第1大入賞口C10への遊技球の入球を検出するセンサである第1大入賞口入賞検出装置C11sや、第2大入賞口C20への遊技球の入球を検出するセンサである第2大入賞口入賞検出装置C21sもある。主制御基板Mは、第1大入賞口電動役物ソレノイドC13や第2大入賞口電動役物ソレノイドC23に駆動信号を出力する。また、第1大入賞口入賞検出装置C11sや第2大入賞口入賞検出装置C21sから出力されたセンサ信号は、主制御基板Mに入力される。
次に、補助遊技関連電気部材Hとは、補助遊技に関連する電気部材である。例えば、補助遊技関連電気部材Hとして、第2主遊技始動口B10に設けられた第2主遊技始動口電動役物B11dを駆動するソレノイド(図示せず)や、補助遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な補助遊技図柄表示装置H20や、補助遊技始動口H10への入球を検出可能な補助遊技始動口入球検出装置H11sなどがある。主制御基板Mは、第2主遊技始動口電動役物B11dを駆動するソレノイドに駆動信号を出力したり、補助遊技図柄表示装置H20に制御信号を出力したりする。また、補助遊技始動口入球検出装置H11sから出力された検出信号は、主制御基板Mに入力される。
尚、第1主遊技図柄表示装置A20の電気部材、第2主遊技図柄表示装置B20の電気部材及び補助遊技図柄表示装置H20の電気部材は、主制御基板Mと情報伝達可能に接続されている。また、演出表示装置SGを構成する電気部材は、サブサブ制御部SSを介してサブメイン制御部SMと情報伝達可能に接続されている。即ち、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20及び補助遊技図柄表示装置H20は、主制御基板Mにより制御され、演出表示装置SGは、サブメイン制御部SMにより制御されることを意味する。尚、主制御基板Mと片方向通信(一方向通信)により制御される他の制御基板を介して、別の遊技周辺機器を制御するように構成してもよい。
<<リセット信号処理、熱アラート処理、役物処理並びに差動信号の送受信及びシングルエンド信号の送受信処理のぱちんこ遊技機への適用>>
前述した図59に示したように、ぱちんこ遊技機の副制御装置Sは、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを有する。前述したように、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとは、図50に示したハーネスと同様のハーネスを介して通信可能に接続されている。サブメイン制御部SMは、演出表示装置SG、スピーカD24及び遊技効果ランプD26を制御するためのデータやコマンドをサブサブ制御部SSに送信する。サブサブ制御部SSは、サブメイン制御部SMから送信されたデータやコマンドに基づいて演出表示装置SGに画像を表示したり、スピーカD24から音声を出力したり、遊技効果ランプD26を点灯させたりする。
このように、ぱちんこ遊技機のサブメイン制御部SMは、図36、図38、図43、図47に示した回胴遊技機のサブメイン制御基板SMと同等の機能及び処理を実行する。また、ぱちんこ遊技機のサブサブ制御部SSは、回胴遊技機の演出・画像ユニットPIUと同等の機能及び処理を実行する。ぱちんこ遊技機においても、演出・画像ユニットPIUを演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとからなるように構成することができる。さらに、サブサブ制御部SSには、回胴遊技機の演出・画像ユニットPIU(図34及び図35参照)と同様に空冷用のファンICFを設けることができる。
したがって、ぱちんこ遊技機においても、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SS(演出制御基板PCB及び画像制御基板ICBの双方)との間を、図50に示したハーネスとで接続することで通信可能に構成することができ、図36〜図56と同様の構成及び処理を適用することができ、ぱちんこ遊技機においても、前述したリセット信号処理、熱アラート処理、役物処理並びに差動信号の送受信及びシングルエンド信号の送受信処理を実行することができる。
<<<各種の変形例>>>
以下では、変形例について説明する。
<<リセット信号処理の変形例>>
<変形例1>
前述した図36に示した構成は、CPUSC100は、ソフトウエアリセット信号を出力するための第1の出力ポートと第2の出力ポートとの別個の2つの出力ポートを有し、第1の出力ポートから出力される第1のソフトウエアリセット信号を演出制御基板PCBに送信し、第2の出力ポートから出力される第2のソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信する例を示した。これに限られず、CPUSC100は、ソフトウエアリセット信号を出力するための1つの出力ポートを共用し、出力ポートから出力されたソフトウエアリセット信号を、選択素子などによって演出制御基板PCB又は画像制御基板ICBのいずれか一方の基板に切り替えて出力するようにしてもよい。選択素子による切り替えを短時間にすることで、演出制御基板PCBと画像制御基板ICBとの双方に対して略同時にソフトウエアリセット信号を供給することができる。
<<熱アラート処理の変形例>>
<変形例1>
前述した図39に示した構成及び処理では、ファンICFの回転数によって、ファンICFが正常動作しているか否かを判断する例を示したが、ファンICFの駆動モータから出力されるパルス信号を所定のタイミング毎に検出可能に構成し、パルス信号の有無によってファンICFが正常動作しているか否かを判断してもよい。このように構成することで、回転数に変換する処理を省くことができ、構成や処理を簡素化することができる。パルス信号の検出のタイミングは、ソフトウエアによるタイマでもハードウエアによるタイマでもよい。ウォッチドッグタイマのようなタイマを使用し、所定のタイミング毎にウォッチドッグタイマをリセットするような構成にしてもよい。
<変形例2>
前述した図38〜図42に示した構成及び処理では、画像制御基板ICBのCPUICCの温度を第1の温度と第2の温度と第3の温度との互いに異なる3つの温度によって判断する例を示したが、判断に用いる温度の数は、これより少なくしても多くしてもよい。画像制御基板ICBのCPUICC自身の判断によって、CPUICCの負荷を軽くできる処理の種類に応じて、判断に用いる温度の数を定めることができる。
例えば、第1の温度及び第3の温度のみを用いるように構成して、第1の温度によって、第1温度アラート信号をサブメイン制御基板SMに出力するとともに、画像制御基板ICBのCPUICCの動作周波数を低下させ、第3の温度によって、直ちに画像制御基板ICBのCPUICCをシャットダウンさせるようにできる。
また、第2の温度及び第3の温度のみを用いるように構成して、第2の温度によって、第2温度アラート信号をサブメイン制御基板SMに出力するとともに、演出表示装置S40をブラックアウトさせ、第3の温度によって、直ちに画像制御基板ICBのCPUICCをシャットダウンさせるようにできる。
さらに、第3の温度のみを用いるように構成して、第3の温度によって、直ちに画像制御基板ICBのCPUICCをシャットダウンさせるようにできる。
さらにまた、第1の温度及び第2の温度のみを用いるように構成してもよい。
また、第1温度アラート信号及び第2温度アラート信号の2つのアラート信号によって判断する例を示したが、判断に用いる信号の数は、これより少なくしても多くしてもよい。CPUICCの負荷を軽くできる処理の内容や種類に応じて、判断に用いるアラート信号の数を定めることができる。
例えば、サブメイン制御基板SMは、第1温度アラート信号のみを用いて、低負荷の処理に切り替える切替コマンドを画像制御基板ICBに送信するようにしてもよい。また、第2温度アラート信号のみを用いて、画像制御基板ICBへのコマンド送信を停止するとともに、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信するようにしてもよい。なお、画像制御基板ICBへのコマンド送信を停止する処理と、ソフトウエアリセット信号を画像制御基板ICBに送信する処理とのいずれか一方の処理のみを実行するようにしてもよい。いずれにしても、画像制御基板ICBのCPUICCの温度を的確にかつ効率よく下げることができる処理を実行すればよい。
さらにまた、前述した第3の温度によって第3温度アラート信号を画像制御基板ICBからサブメイン制御基板SMに送信し、サブメイン制御基板SMは、第3温度アラート信号に対応する処理のコマンドを画像制御基板ICBに送信するように構成してもよい。
また、前述した構成及び処理では、第1温度アラート信号及び第2温度アラート信号の2つのアラート信号をサブメイン制御基板SMに送信し、サブメイン制御基板SMのCPUSC100に判断させる例を示したが、アラート信号をサブメイン制御基板SMに送信せずに、全ての判断を画像制御基板ICBのCPUICCが実行してもよい。通信速度に影響されることなく、直ちに判断し判断結果に対応する処理を実行することができる。
<変形例3>
さらに、前述した例では、ファンアラート信号や温度アラート信号などのアラート信号を画像制御基板ICBからサブメイン制御基板SMに出力する場合を示したが、画像制御基板ICBからファンICFの回転数や、画像制御基板ICBのCPUICCの温度などの具体的な状態を示す情報をサブメイン制御基板SMに出力し、サブメイン制御基板SMが判断するようにしてもよい。
<<役物処理の変形例>>
<変形例1>
図45に示したコマンド送信処理におけるリトライの処理は、リトライ回数が最大リトライ回数に達したか否かのみを判断していたが、最大リトライ回数に達した回数を計数して判断してもよい。画像制御基板ICBのCPUICCは、リトライ回数が最大リトライ回数に達した回数を計数するようにし、計数した回数が所定の回数以上になった場合には、演出制御基板PCBが暴走したと判断し、まず、画像制御基板ICBが、リセット要求コマンドをサブメイン制御基板SMに送信し、次いで、サブメイン制御基板SMが演出制御基板PCBにソフトウエアリセット信号を送信するようにする。このようにすることで、演出制御基板PCBの暴走をサブメイン制御基板SMだけでなく画像制御基板ICBも判断することができ、演出制御基板PCBを迅速に再起動させることができる。
<変形例2>
図45に示した第1のコマンド送信処理は、演出制御用のコマンドとそれ以外のコマンドとで、最大リトライ回数を異ならしめて判断する例であり、図46に示した第2のコマンド送信処理は、演出制御用のコマンドとそれ以外のコマンドとで、リトライの待機時間を異ならしめて判断する例である。これらに限られず、リトライ回数による判断と、リトライの待機時間による判断とを混在させてもよい。例えば、演出制御用のコマンドについては、リトライ回数によって終了させるか否かを判断し、演出制御用以外のコマンドについては、リトライの待機時間によって終了させるか否かを判断するようにできる。逆に、演出制御用のコマンドについては、リトライの待機時間によって終了させるか否かを判断し、演出制御用以外のコマンドについては、リトライ回数によって終了させるか否かを判断するようにできる。
さらに、判断の初期は、リトライ回数によって判断し、所定の回数に達してからは、リトライの待機時間によって判断するようにしてもよい。逆に、判断の初期は、リトライの待機時間によって判断し、所定の回数に達してからは、リトライ回数によって判断するようにしてもよい。
いずれにしても、演出制御用のコマンドのリトライについては、役物の動作のタイミングの遅れを防止できる処理であればよい。
(まとめ)
尚、以上の実施例において示した構成に基づき、以下のような概念を抽出(列記)することができる。但し、以下に列記する概念はあくまで一例であり、これら列記した概念の結合や分離(上位概念化)は勿論のこと、以上の実施例において示した更なる構成に基づく概念を、これら概念に付加してもよい。
本態様(1)に係る遊技機(例えば、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機など)は、
リセットをするためのリセット信号が入力可能に構成された第1のリセット端子を有し、リセット信号が前記第1のリセット端子に入力されたことに基づいて行われる初期化処理に第1の時間を要する第1制御部(例えば、サブメイン制御基板SMなど)と、
リセットをするためのリセット信号が入力可能に構成された第2のリセット端子を有し、リセット信号が前記第2のリセット端子に入力されたことに基づいて行われる初期化処理に前記第1の時間よりも長い第2の時間を要するとともに前記第1制御部から送信される制御要求信号に基づいて所定の遊技装置の制御を実行する第2制御部(例えば、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBなど)と、
電源が投入された後に、前記第1のリセット端子及び前記第2のリセット端子に略同一のタイミングでリセット信号(例えば、ハードウエアリセット信号など)を供給するリセット信号供給手段(例えば、リセットICSCRなど)と、
を備え、
前記第2制御部は、
前記第2制御部の初期化処理が完了したときに、初期化処理の完了を示す初期化完了情報を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部は、
前記初期化完了情報を所定期間内に受信しなかった場合には、前記第2のリセット端子にリセット信号(例えば、ソフトウエアリセット信号など)を出力する処理を実行することを特徴とする。
このように構成することにより、遊技機の起動時や再起動時において、他の制御部(制御基板)に比べ、立ち上がりが遅い制御部(制御基板)があった場合でも、その制御部(制御基板)の立ち上がりを極力早めて、遊技機全体を迅速に起動させることができる。
本態様(2)に係る遊技機(例えば、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機など)は、
処理プロセッサ(例えば、後述するCPUICCなど)と、
冷却するためのファン(例えば、後述するファンICFなど)と、
前記処理プロセッサの温度を検出する温度検出部(例えば、後述する温度センサ(サーマルダイオードなど)など)と、
前記ファンが正常に作動しているか否かを検出するファン動作検出手段(例えば、後述するCPUICCなど)と、
前記ファン動作検出手段の検出結果及び前記温度検出部の検出結果を監視する監視部(例えば、後述するCPUSMCなど)と、
を備え、
前記監視部は、
起動(例えば、電源投入後のリセット解除)してから所定時間が経過するまでの間に限り前記ファン動作検出手段の検出結果に基づいて前記ファンの動作が異常であるか否かを判定し(例えば、後述する図41のステップ4111など)、
前記ファンの動作が異常であると判定した場合にファン異常処理を実行する一方(例えば、後述する図41のステップ4113など)、
前記温度検出部の検出結果を常時に又は定期的に監視して前記温度検出部の検出結果に基づいて前記処理プロセッサの温度が異常であるか否かを判定し(例えば、後述する図42のステップ4213、4219など)、
前記処理プロセッサの温度が異常であると判定した場合には、当該判定に応じて前記ファン異常処理とは異なる異常時処理を実行する(例えば、後述する図42のステップ4217、4221、4223など)ことを特徴とする。
このように構成することにより、負荷が重く、プロセッサから発せられる熱量が多くなり、プロセッサの温度が高くなった場合でも、温度上昇の原因に対応した適切な処理を実行することができる。
本態様(3)に係る遊技機(例えば、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機など)は、
処理プロセッサ(例えば、CPUICCなど)と、
前記処理プロセッサの温度を検出する温度検出部(例えば、温度センサ(サーマルダイオードなど)など)と、
前記温度検出部によって検出された温度に基づいて温度異常を判断し、判断結果を出力する温度異常判断部(例えば、CPUICCなど)と、を有する第1の制御手段(例えば、画像制御基板ICBなど)と、
前記処理プロセッサとは異なるプロセッサにより制御されるとともに、前記温度異常判断部から出力された判断結果に基づいて前記処理プロセッサの温度を監視する監視部(例えば、CPUSC100など)を有する第2の制御手段(例えば、サブメイン制御基板SMなど)と、
を備え、
前記温度異常判断部は、
前記処理プロセッサの温度が第1の温度と前記第1の温度よりも高い第2の温度との夫々に達したことを判断可能であり(例えば、図40のステップ4015、4017、4019など)、
前記処理プロセッサは、
前記温度異常判断部により前記処理プロセッサが前記第1の温度に達したと判断された場合には、前記第2の制御手段から送信されたコマンドに依らずに温度の上昇を抑えるための処理を実行し(例えば、図40のステップ4023、4027など)、
前記第2の制御手段は、
前記処理プロセッサが前記第2の温度に達したと前記温度異常判断部が判断した判断結果が前記監視部に入力された場合には(例えば、図42のステップ4219など)、
所定の条件を満たしたことに基づいて前記処理プロセッサを再起動するための信号を前記処理プロセッサに出力する(例えば、図42のステップ4223など)ことを特徴とする。
このように構成することにより、負荷が重く、プロセッサから発せられる熱量が多くなり、プロセッサの温度が高くなった場合でも、処理プロセッサ以外の処理手段により温度上昇の段階に対応した適切な処理を実行することができる。
本態様(4)に係る遊技機(例えば、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機など)は、
第1の制御装置(例えば、サブメイン制御基板SMなど)と第2の制御装置(例えば、画像制御基板ICBなど)とが互いに送受信可能に構成され、
前記第1の制御装置と前記第2の制御装置とは、送受信可能な信号線を含む第1の通信ポート(例えば、第2のシリアル通信ポートなど)と、前記第1の通信ポートとは別の送受信可能な信号線を含む第2の通信ポート(例えば、第1のシリアル通信ポートなど)と、の2つの通信ポートを用いて送受信可能であり、
前記第1の制御装置は、
前記第2の制御装置への要求を出力する際には前記第1の通信ポートを用いて要求信号を送信する一方、
前記第2の制御装置は、
前記第1の制御装置への要求を出力する際には前記第2の通信ポートを用いて要求信号を送信し、
前記第1の制御装置は、第1の通信ポートを用いた出力処理を、前記第2の通信ポートを用いた通信処理よりも優先することを特徴とする遊技機。
このように、例えば、第1の制御装置から送信する情報と、その情報の受信に対応するアクノリッジ信号などの応答処理を取り扱う送受信ポートと、第2の制御装置から送信する情報と、その情報の受信に対応するアクノリッジ信号などの応答処理を取り扱う送受信ポートとを設けることにより、夫々のポートのビジー状態を把握する必要性が少なくなり、2の制御装置間の情報(データやコマンド)を適切に送受信することができる。
本態様(5)に係る遊技機(例えば、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機など)は、
第1の制御装置(例えば、サブメイン制御基板SMなど)と、第2の制御装置(例えば、演出制御基板PCBなど)及び第3の制御装置(例えば、画像制御基板ICBなど)とが、通信信号線を介して互いに送受信可能に構成され、
前記第1の制御装置と前記第3の制御装置とは、
送受信可能な信号線を含む第1の通信ポート(例えば、第1のシリアル通信ポートなど)と、前記第1の通信ポートとは別の送受信可能な信号線を含む第2の通信ポート(例えば、第2のシリアル通信ポートなど)との2つの通信ポートを用いて送受信可能であり、
前記第1の制御装置は、
前記第3の制御装置への要求を出力する際には前記第1の通信ポートを用いて要求信号を送信する一方、
前記第3の制御装置は、
前記第1の制御装置への要求を出力する際には前記第2の通信ポートを用いて要求信号を送信し、
前記第2の制御装置には、前記第1の制御装置と前記第3の制御装置との夫々からの制御要求コマンドが送信され、
前記第3の制御装置から前記第2の制御装置へ送信される制御要求コマンドは、
前記第2の制御装置から前記第1の制御装置に送信するための前記第2の通信ポートを共用して前記第3の制御装置から前記第2の制御装置に送信されることを特徴とする。
このように、例えば、第1の制御装置から送信する情報と、その情報の受信に対応するアクノリッジ信号などの応答処理を取り扱う送受信ポートと、第2の制御装置から送信する情報と、その情報の受信に対応するアクノリッジ信号などの応答処理を取り扱う送受信ポートとを設け、更に1つの送受信ポートを第3の制御装置と共用することにより、夫々のポートのビジー状態を把握する必要性が少なくなり、2の制御装置間の情報(データやコマンド)を適切に送受信することができ、更には1の送受信ポートを複数の制御装置で共用することにより配線等、物理的な構成の簡素化を図ることができる。
本態様(6)に係る遊技機(例えば、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機など)は、
制御装置(例えば、サブメイン制御基板SMなど)と他の装置(例えば、演出制御基板PCBや画像制御基板ICBなど)とがハーネス(例えば、図50に示すハーネスなど)を介して電気的に接続される遊技機であって、
前記制御装置と前記他の装置とのうちの少なくとも一方の装置には、他方の装置にシングルエンド信号を出力する出力部(例えば、図49に示すTD1及びTD2のコネクタなど)が形成されており、
前記ハーネスは、
前記出力部から出力されるシングルエンド信号を供給するためのシングルエンド配線と、グランドに接続されたグランド配線と、を撚り合わせて形成されたシングルエンドツイストペアハーネス(例えば、ツイストペアケーブルなど)を含むことを特徴とする。
このように構成することにより、遊技機の内部から誘導ノイズなどの各種のノイズが発生したり、遊技機外部からノイズが混入したりする場合に、制御装置を離隔した位置に配置せざるを得ないようなときに、特に長い配線長のハーネスにより制御装置間を接続した場合にも、データやコマンドなどを的確に送受信することができる。
以上、遊技機として、回胴式遊技機やぱちんこ遊技機を例示したが、ゲーム機やカジノマシン等の様々な遊技用の機種に適用できる。また、本実施例に記載されている通信処理等については複数の遊技機間の通信等にも適用できる。
P 回胴式遊技機、DU 前扉(ドア)
D 扉基板、D10s 投入受付センサ
D20s 第1投入センサ、D30s 第2投入センサ
D40 停止ボタン、D41 左停止ボタン
D42 中停止ボタン、D43 右停止ボタン
D50 スタートレバー、D60 精算ボタン
D70 表示パネル、D80 扉スイッチ
D90 コインシュータ、D100 ブロッカ
D130 上パネル、D140 下パネル
D160 リール窓
D170 メダル投入口、D180 操作状態表示灯
D200 クレジット数表示装置、D210 投入数表示灯
D220 ベットボタン、D230 メダル受け皿
D240 放出口、D250 特別遊技状態表示装置
D260 鍵穴、D270 払出数表示装置(押し順表示装置)
D280 ATカウンタ値表示装置
M 主制御基板
M20 設定キースイッチ、M30 設定/リセットボタン
C 主制御チップ、M50 リール
M51 左リール、M52 中リール
M53 右リール、M60 ATカウンタ
M70 遊技間隔最小タイマ
S 副制御装置、S10 LEDランプ
S20 スピーカ、S30 回胴バックライト
S40 演出表示装置、SC 副制御チップ
E 電源基板、E10 電源スイッチ
H メダル払出装置、H10s 第1払出センサ
H20s 第2払出センサ、HP ホッパ
H50 ディスク、H50a ディスク回転軸
H60 遊技メダル出口、H70 放出付勢手段
H80 ホッパモータ
K 回胴基板、K10 回胴モータ
K20 回胴センサ
IN 中継基板、SB サブ入力ボタン
FZt フリーズ実行タイマ
SCR リセットIC、XRG XORゲート
PIU 演出・画像ユニット、UCP カバー部材、UVH 通風孔
PCB 演出制御基板、PCC CPU
MAU 上側役物、MCU 回転中心、MSU 揺動部材、MRU 回転部材
MAB 下側役物、MCB 回転中心、MSB 揺動部材、MRB 回転部材
PRG ORゲート、PCP 電気的接点
ICB 画像制御基板、SCB 音声制御基板
ICC CPU、ICR ROM、ICF ファン

Claims (2)

  1. 処理プロセッサと、
    冷却するためのファンと、
    前記処理プロセッサの温度を検出する温度検出部と、
    前記ファンが正常に作動しているか否かを検出するファン動作検出手段と、
    前記ファン動作検出手段の検出結果及び前記温度検出部の検出結果を監視する監視部と、
    を備え、
    前記監視部は、
    起動してから所定時間が経過するまでの間に限り前記ファン動作検出手段の検出結果に基づいて前記ファンの動作が異常であるか否かを判定し、
    前記ファンの動作が異常であると判定した場合にファン異常処理を実行する一方、
    前記温度検出部の検出結果を常時に又は定期的に監視して前記温度検出部の検出結果に基づいて前記処理プロセッサの温度が異常であるか否かを判定し、
    前記処理プロセッサの温度が異常であると判定した場合には、当該判定に応じて前記ファン異常処理とは異なる異常時処理を実行することを特徴とする遊技機。
  2. 処理プロセッサと、
    前記処理プロセッサの温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部によって検出された温度に基づいて温度異常を判断し、判断結果を出力する温度異常判断部と、を有する第1の制御手段と、
    前記処理プロセッサとは異なるプロセッサにより制御されるとともに、前記温度異常判断部から出力された判断結果に基づいて前記処理プロセッサの温度を監視する監視部を有する第2の制御手段と、
    を備え、
    前記温度異常判断部は、
    前記処理プロセッサの温度が第1の温度と前記第1の温度よりも高い第2の温度との夫々に達したことを判断可能であり、
    前記処理プロセッサは、
    前記温度異常判断部により前記処理プロセッサが前記第1の温度に達したと判断された場合には、前記第2の制御手段から送信されたコマンドに依らずに温度の上昇を抑えるための処理を実行し、
    前記第2の制御手段は、
    前記処理プロセッサが前記第2の温度に達したと前記温度異常判断部が判断した判断結果が前記監視部に入力された場合には、
    所定の条件を満たしたことに基づいて前記処理プロセッサを再起動するための信号を前記処理プロセッサに出力することを特徴とする遊技機。
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