JP2010034764A - 音響再生システム - Google Patents

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博之 小林
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Abstract

【課題】音響の聴取環境に制限がある場所でも必要最小限の個数のスピーカを用いて、かつ、簡単な信号処理で定位感、広がり感、臨場感のある音響再生システムを提供する。
【解決手段】この音響再生システムは、聴取者の左真横方向から後方の第1の設置範囲内、聴取者の右真横方向から後方の第2の設置範囲内及び聴取者の正面側の第3の設置範囲内にそれぞれに配置される左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ及びセンタースピーカ3と、左右のチャンネルの音声信号を加算する加算回路13と、センタースピーカ3、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2からの第1〜第3の音波がそれぞれ聴取者に到達するまでの第1〜第3の時間が等しくなるように、左チャンネルスピーカ1への音声信号を遅延する時間補正回路15と、第1〜第3の時間が等しくなるように、右チャンネルスピーカ2への音声信号を遅延する時間補正回路16とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車の車内など、音波の聴取環境に制限がある場所に用いて好適な音響再生システムに関する。
従来の車載用立体音場再生装置には、着座した聴取者の左右外耳に対応して、背あて上面のヘッドレスト近傍に設け、外耳近傍に音場を形成する少なくとも2つ以上のスピーカと、音源からの出力信号を立体音場信号に変換して、各スピーカのそれぞれに供給する立体信号処理手段とを備えているものがある(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
また、従来のシートオーディオシステムの音響調整方法には、車室内に配設された複数のシートのそれぞれに、該シートに着座した聴取者の左耳に対してLチャンネルの音響信号(音声信号)を出力する第1スピーカが設けられるものがある。このシートオーディオシステムの音響調整方法は、音響信号出力ステップと、録音ステップと、特性算出ステップと、設定値決定ステップと、イコライザ適用ステップとを有している。
まず、音響信号出力ステップでは、複数のシートのうちいずれか一のシートの第1スピーカと、該一のシートの真正面側、背面真後側、および左側隣席に配設されるシートに設置される全スピーカとから音響信号を出力する。次に、録音ステップでは、出力された該音響信号を一のシートに設置したマイクにより録音する。次に、特性算出ステップでは、録音された音響信号の周波数特性を求める。さらに、設定値決定ステップでは、求められた周波数特性を平坦化する、もしくは希望の特性に合わせるようにイコライザの設定値を決定する。そして、イコライザ適用ステップでは、決定されたイコライザの設定値に基づいて第1スピーカより出力される音響信号に対してイコライザを適用する(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
国際公開第02/098170号パンフレット 特開2007−065038号公報
上記した第1の従来例は、聴取者の耳の近傍にスピーカを配置し、音場の改善は信号処理回路で行っている。したがって、聴取者は、スピーカという実音源による音像の定位感を得ることができないという問題があった。また、車両のシートのヘッドレスト近傍という極めて限定された場所に設置することが前提であるため、汎用性が低いという問題があった。さらに、上記した第1の従来例では、両耳で6つ以上のスピーカを用いなければ精度の良い音場が再現できない(特許文献1の明細書第10頁第8行目〜第10行目参照)。このため、装置が高価になるとともに、音源からの出力信号を立体音場信号に変換するのに複雑な信号処理が必要であるため、信号処理の過程で信号に歪みが生じたり、雑音が混入するおそれがあるという問題があった。
上記した第2の従来例も、車両の各シートにスピーカ及びマイクを設置することが前提であるため、汎用性が低いという問題があった。また、上記した第2の従来例では、全スピーカからの音響信号の録音、録音された信号の周波数特性算出、イコライザの設定値決定という複雑な信号処理が必要であるため、上記した第1の従来例と同様、信号処理の過程で信号に歪みが生じたり、雑音が混入するおそれがあるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題を解決することを課題の一例とするものであり、これらの課題を解決することができる音響再生システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る音響再生システムは、聴取者の左真横方向から後方の第1の設置範囲内に配置され、左チャンネルの音声信号が供給される左チャンネルスピーカと、前記聴取者の右真横方向から後方の第2の設置範囲内に配置され、右チャンネルの音声信号が供給される右チャンネルスピーカと、前記聴取者の正面側の第3の設置範囲内に配置されているセンタースピーカと、前記左チャンネルの音声信号と前記右チャンネルの音声信号とを加算して前記センタースピーカに供給する加算回路と、前記センタースピーカから放射された第1の音波が前記聴取者に到達するまでの第1の時間と、前記左チャンネルスピーカから放射された第2の音波が前記聴取者に到達するまでの第2の時間と、前記右チャンネルスピーカから放射された第3の音波が前記聴取者に到達するまでの第3の時間とが等しくなるように、前記左チャンネルスピーカの音声信号を遅延する第1の時間補正回路と、前記第1の時間と、前記第2の時間と、前記第3の時間とが等しくなるように、前記右チャンネルスピーカの音声信号を遅延する第2の時間補正回路とを備えていることを特徴としている。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明は、音響の聴取環境に制限がある場所でも必要最小限の個数のスピーカを用いて、かつ、簡単な信号処理で定位感、広がり感、臨場感のある音響再生システムを提供することを目的とする。そのために、本発明者らは、スピーカ用振動板の材質面や製造面などから鋭意検討した結果、聴取者の左真横方向から後方の第1の設置範囲内に左チャンネルスピーカを、聴取者の右真横方向から後方の第2の設置範囲内に右チャンネルスピーカを、聴取者の正面側の第3の設置範囲内にセンタースピーカをそれぞれ配置するとともに、センタースピーカから放射された第1の音波が聴取者に到達するまでの第1の時間と、左チャンネルスピーカから放射された第2の音波が聴取者に到達するまでの第2の時間と、右チャンネルスピーカから放射された第3の音波が聴取者に到達するまでの第3の時間とが等しくなるように、左チャンネルスピーカに供給される音声信号を遅延する第1の時間補正回路と、上記した第1〜第3の時間が等しくなるように、右チャンネルスピーカに供給される音声信号を遅延する第2の時間補正回路とを備えることにより、上記の目的を達成できることを見出して本発明を完成した。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照してより詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態1に係る音響再生システムは、左チャンネルスピーカ1と、右チャンネルスピーカ2と、センタースピーカ3と、特性補正回路(第1の時間補正回路)11と、特性補正回路(第2の時間補正回路)12と、加算回路13と、低域減衰回路14と、時間補正回路(第1の時間補正回路)15と、時間補正回路(第2の時間補正回路)16とを有している。
特性補正回路11は、外部から供給される左チャンネルの音声信号Sの低域成分のパワーを強調する(ブースト)とともに、高域成分のパワーを減衰させて出力する。特性補正回路12は、外部から供給される右チャンネルの音声信号Sの低域成分のパワーを強調する(ブースト)とともに、高域成分のパワーを減衰させて出力する。この特性補正回路11及び12は、例えば、カットオフ周波数が約80Hzであり、+4dBの特性を有している。
加算回路13は、左チャンネルの音声信号Sと右チャンネルの音声信号Sとを加算して、加算結果であるモノラルの和信号SL+Rを低域減衰回路14に供給する。低域減衰回路14は、和信号SL+Rの低域成分のパワーを減衰させて低域減衰信号SLAとして出力し、センタースピーカ3に供給する。この低域減衰回路14は、例えば、カットオフ周波数が約1.2kHzであり、−6dB/octの特性を有している。
時間補正回路15は、特性補正回路11から供給される信号を所定時間(例えば、2.3msec)だけ遅延して左側時間補正信号SLTCとして出力し、左チャンネルスピーカ1に供給する。時間補正回路16は、特性補正回路12から供給される信号を所定時間(例えば、2.3msec)だけ遅延して右側時間補正信号SRTCとして出力し、右チャンネルスピーカ2に供給する。
以下、時間補正回路15及び16を設けている理由について説明する。本実施の形態1に係る音響再生システムでは、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2を聴取者の耳に近接させるのに対し、センタースピーカ3は聴取者の正面にある程度距離を隔てて設置することを前提としている。したがって、左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3から音波が同時に放射された場合、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2からの音波の方が、センタースピーカ3からの音波の方が聴取者の耳に到達する。このため、聴取者は、自然な音場感を得ることが難しい。
そこで、本発明の実施の形態1に係る音響再生システムでは、チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2のそれぞれに供給する音声信号を、センタースピーカ3からの音波と同時に聴取者の耳に到達させるために、入力信号を所定時間だけ遅延する時間補正回路15及び16を設けているのである。
ここで、時間補正回路15及び16の遅延時間(補正遅延時間)CDTについて説明する。まず、聴取者からセンタースピーカ3の音波放射面までの距離を距離a、聴取者から左チャンネルスピーカ1の音波放射面までの距離を距離b1、聴取者から右チャンネルスピーカ2の音波放射面までの距離を距離b2とする。そして、音速を音速c(20℃の空気中で約343m/秒)とすると、音波が1mだけ進む時間は1/c秒であるから、補正遅延時間CDTは、式(1)で表される。
CDT=(a−b1)/c ・・・(1)
式(1)において、aを1mとし、b1を0.2mとした場合、20℃の空気中では、補正遅延時間CDTは約2.3msとなる。
このように、時間補正回路15及び16の補正遅延時間CDTを設定することにより、左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3から音波が同時に放射された場合、この音響再生システムでは、左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3からのそれぞれ音波が聴取者の耳に同時に到達する。このため、聴取者は、より自然な音場感を得ることができる。
左チャンネルスピーカ1は、時間補正回路15から供給される左側時間補正信号SLTCを音響に変換して出力する。右チャンネルスピーカ2は、時間補正回路16から供給される右側時間補正信号SRTCを音響に変換して出力する。センタースピーカ3は、低域減衰回路14から供給される低域減衰信号SLAを音響に変換して出力する。
次に、上記構成の音響再生システムの動作について説明する。
今、例えば、図示せぬCDプレーヤで楽曲が記録されたCDが再生され、左チャンネルの音声信号S及び右チャンネルの音声信号Sがこの音響再生システムに供給されたとする。これにより、特性補正回路11は、上記左チャンネルの音声信号Sの低域成分のパワーを強調する(ブースト)とともに、高域成分のパワーを減衰させた後、時間補正回路15に供給する。一方、特性補正回路12は、上記右チャンネルの音声信号Sの低域成分のパワーを強調する(ブースト)とともに、高域成分のパワーを減衰させた後、時間補正回路16に供給する。また、加算回路13は、上記左チャンネルの音声信号Sと上記右チャンネルの音声信号Sとを加算した後、加算結果であるモノラルの和信号SL+Rを低域減衰回路14に供給する。
次に、低域減衰回路14は、上記和信号SL+Rの低域成分のパワーを減衰させた後、低域減衰信号SLAとしてセンタースピーカ3に供給する。また、時間補正回路15は、特性補正回路11から供給される信号を所定時間(例えば、2.3msec)だけ遅延した後、左側時間補正信号SLTCとして左チャンネルスピーカ1に供給する。一方、時間補正回路16は、特性補正回路12から供給される信号を所定時間(例えば、2.3msec)だけ遅延した後、右側時間補正信号SRTCとして右チャンネルスピーカ2に供給する。
これにより、左チャンネルスピーカ1は、時間補正回路15から供給される左側時間補正信号SLTCを音響に変換して出力する。一方、右チャンネルスピーカ2は、時間補正回路16から供給される右側時間補正信号SRTCを音響に変換して出力する。さらに、センタースピーカ3は、低域減衰回路14から供給される低域減衰信号SLAを音響に変換して出力する。
このように、本発明の実施の形態1に係る音響再生システムによれば、音響の聴取環境に制限がある場所でも必要最小限の個数のスピーカを用いて、かつ、簡単な信号処理で、聴取者は、定位感、広がり感、臨場感を得ることができる。また、本発明の実施の形態1に係る音響再生システムによれば、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2を聴取者の耳に近接させているので、小型で小振幅なスピーカであっても、充分な低域の音響を再生することができる。さらに、この音響再生システムによれば、90dB(1m)=70dB(10cm)であるため、低域の音響は主に左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2から放射することが可能であり、別途サブウファを設ける必要がない。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。図2において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図2に示す音響再生システムが図1に示す音響再生システムと異なる点は、逆位相信号による補正回路(第1の逆位相信号による補正回路)17及び逆位相信号による補正回路(第2の逆位相信号による補正回路)18が新たに設けられている点と、上記左チャンネルの音声信号Sと逆位相信号による補正回路17の出力信号とが混合されて時間補正回路15に供給されているとともに、上記右チャンネルの音声信号Sと逆位相信号による補正回路18の出力信号とが混合されて時間補正回路16に供給されている点とである。
逆位相信号による補正回路17は、右チャンネルの音声信号Sを位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力し、時間補正回路15に供給する。逆位相信号による補正回路18は、左チャンネルの音声信号Sを位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力し、時間補正回路16に供給する。逆位相信号による補正回路17及び18は、例えば、低域側カットオフ周波数が約160Hz、高域側のカットオフ周波数が約1kHzであり、約0Hz〜約160Hzの間では−18dB/oct、約160Hz〜約1kHzの間では−8dB/oct、約1kHz以上では−18dB/octの特性を有している。
特性補正回路11から供給される信号と、逆位相信号による補正回路17から供給される信号とは、時間補正回路15の前段で混合されている。特性補正回路12から供給される信号と、逆位相信号による補正回路18から供給される信号とは、時間補正回路16の前段で混合されている。
以下、逆位相信号による補正回路17及び18を設けている理由と、特性補正回路11から供給される信号と逆位相信号による補正回路17から供給される信号とを時間補正回路15に供給する前に混合するとともに、特性補正回路12から供給される信号と逆位相信号による補正回路18から供給される信号とを時間補正回路16に供給する前に混合している理由とについて説明する。
上記実施の形態1に係る音響再生システムでは、センタースピーカ3に供給すべき音声信号である和信号SL+Rの低域成分のパワーを減衰させて出力し、左チャンネルの音声信号S及び右チャンネルの音声信号Sのそれぞれの高域成分のパワーを減衰させるとともに、低域成分のパワーを強調(ブースト)している。したがって、供給される音声信号に含まれている音響成分(例えば、楽器)の主周波数によって音像の定位が決まってしまう傾向にある。
また、上記実施の形態1に係る音響再生システムでは、左チャンネルの音声信号Sと右チャンネルの音声信号Sとを加算回路13により加算することにより、センタースピーカ3に供給される音声信号を生成している。したがって、逆に言えば、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号及び右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号のいずれにも、センタースピーカ3に供給される音声信号(センターチャンネルの音声信号)の成分が含まれていることになる。
つまり、純粋な意味でのセンターチャンネルの音声信号は存在しないことになる。このように、上記実施の形態1に係る音響再生システムでは、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号及び右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号のいずれにも、センターチャンネルの音声信号が含まれている。したがって、上記実施の形態1に係る音響再生システムでは、以上説明したことが、脳内定位や、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号と右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号との分離(セパレーション)が低下することに繋がっていると思われる。
そこで、本発明の実施の形態2に係る音響再生システムでは、上記したように、左チャンネルの音声信号Sに反対チャンネルである右チャンネルの音声信号Sの逆位相信号を混合するとともに、右チャンネルの音声信号Sに反対チャンネルである左チャンネルの音声信号Sの逆位相信号を混合することにより、当該チャンネルの音声信号に含まれているセンターチャンネルのモノラルの音声信号成分を相対的に減少させているのである。
これにより、上記した脳内定位が解消され、左右セパレーションの向上及びセンター前方の音像定位も明確となる。多くの場合、低域成分は左チャンネルの音声信号S及び右チャンネルの音声信号Sに同成分の信号が含まれていることが多い。そこで、本実施の形態2では、逆位相信号による補正回路17及び18において、補正に用いる逆位相信号には、低域成分のパワーを減衰させること及び全帯域のパワーを低減することなどの信号処理が好ましい。
次に、上記構成の音響再生システムの動作について説明する。
今、例えば、図示せぬCDプレーヤで楽曲が記録されたCDが再生され、左チャンネルの音声信号S及び右チャンネルの音声信号Sがこの音響再生システムに供給されたとする。これにより、特性補正回路11は、上記左チャンネルの音声信号Sの低域成分のパワーを強調する(ブースト)とともに、高域成分のパワーを減衰させた後、時間補正回路15に供給する。一方、特性補正回路12は、上記右チャンネルの音声信号Sの低域成分のパワーを強調する(ブースト)とともに、高域成分のパワーを減衰させた後、時間補正回路16に供給する。また、加算回路13は、上記左チャンネルの音声信号Sと上記右チャンネルの音声信号Sとを加算した後、加算結果であるモノラルの和信号SL+Rを低域減衰回路14に供給する。
また、逆位相信号による補正回路17は、上記右チャンネルの音声信号Sを位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させた後、時間補正回路15に供給する。一方、逆位相信号による補正回路18は、上記左チャンネルの音声信号Sを位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させた後、時間補正回路16に供給する。
次に、低域減衰回路14は、上記和信号SL+Rの低域成分のパワーを減衰させた後、低域減衰信号SLAとしてセンタースピーカ3に供給する。また、時間補正回路15は、混合された、特性補正回路11から供給される信号及び逆位相信号による補正回路15から供給される信号を所定時間(例えば、2.3msec)だけ遅延した後、左側時間補正信号SLTCとして左チャンネルスピーカ1に供給する。一方、時間補正回路16は、混合された、特性補正回路12から供給される信号及び逆位相信号による補正回路18から供給される信号を所定時間(例えば、2.3msec)だけ遅延した後、右側時間補正信号SRTCとして右チャンネルスピーカ2に供給する。
これにより、左チャンネルスピーカ1は、時間補正回路15から供給される左側時間補正信号SLTCを音響に変換して出力する。一方、右チャンネルスピーカ2は、時間補正回路16から供給される右側時間補正信号SRTCを音響に変換して出力する。さらに、センタースピーカ3は、低域減衰回路14から供給される低域減衰信号SLAを音響に変換して出力する。
このように、本発明の実施の形態2に係る音響再生システムによれば、音響の聴取環境に制限がある場所でも必要最小限の個数のスピーカを用いて、かつ、簡単な信号処理で、聴取者は、定位感、広がり感、臨場感を得ることができる。また、この音響再生システムによれば、一方のチャンネルの音声が当該スピーカと対向した聴取者の耳と反対側の耳に回り込むクロストークを相殺(キャンセル)することができる。
また、外部から供給される音声信号の製作者は、従来のステレオシステムで確認しながら録音する音のバランスを調整している。この音響再生システムによれば、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号と右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号との分離(セパレーション)が極めて良好なため、上記製作者の意図に忠実でない場合も起こり得る。そこで、この音響再生システムでは、上記した状況を回避するために、上記したように、特性補正回路11から供給される信号と逆位相信号による補正回路17から供給される信号とを時間補正回路15に供給する前に混合するとともに、特性補正回路12から供給される信号と逆位相信号による補正回路18から供給される信号とを時間補正回路16に供給する前に混合している。この結果、この音響再生システムでは、より忠実な製作意図を再現することが可能となる。
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。図3において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図3に示す音響再生システムが図2に示す音響再生システムと異なる点は、上記右チャンネルの音声信号Sに換えて上記和信号SL+Rが逆位相信号による補正回路17に供給されている点と、上記左チャンネルの音声信号Sに換えて上記和信号SL+Rが逆位相信号による補正回路18に供給されている点とである。
この音響再生システムを上記のような構成としたのは、以下に示す理由による。すなわち、上記本発明の実施の形態2に係る音響再生システムでは、上記したように、特性補正回路11から供給される信号と逆位相信号による補正回路17から供給される信号とを時間補正回路15に供給する前に混合するとともに、特性補正回路12から供給される信号と逆位相信号による補正回路18から供給される信号とを時間補正回路16に供給する前に混合している。
したがって、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号の中に右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号の差成分が残留したり、右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号の中に左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号の差成分が残留する可能性がある。このような事態が発生した場合、聴取者は、自然な音場感を得ることが難しいと思われる。
そこで、この音響再生システムでは、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号及び右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号のいずれからも、センタースピーカ3に供給されるモノラルの音声信号を減少させるために、上記したように、加算回路13から出力される和信号SL+Rそのものを逆位相信号による補正回路17及び18に供給するとともに、特性補正回路11から供給される信号と逆位相信号による補正回路17から供給される信号とを時間補正回路15に供給する前に混合し、特性補正回路12から供給される信号と逆位相信号による補正回路18から供給される信号とを時間補正回路16に供給する前に混合している。何故なら、音声信号の低域成分の大部分は、モノラルの音声信号だからである。
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。図4において、図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図4に示す音響再生システムが図3に示す音響再生システムと異なる点は、逆位相信号による補正回路21及び22並びに時間補正回路23及び24が新たに追加されている点である。
逆位相信号による補正回路21は、右チャンネルの音声信号Sを位相反転するとともに、全帯域成分のパワーを減衰させて出力し、時間補正回路23に供給する。逆位相信号による補正回路22は、左チャンネルの音声信号Sを位相反転するとともに、全帯域成分のパワーを減衰させて出力し、時間補正回路24に供給する。逆位相信号による補正回路21及び22の特性は、上記した逆位相信号による補正回路17及び18の特性と略同様である。
時間補正回路23は、逆位相信号による補正回路21から供給される信号を所定時間(例えば、0.59msec)だけ遅延して出力し、左チャンネルスピーカ1に供給する。時間補正回路24は、逆位相信号による補正回路22から供給される信号を所定時間(例えば、0.59msec)だけ遅延して出力し、右チャンネルスピーカ2に供給する。時間補正回路23及び24の遅延時間を0.59msecとするのは、左チャンネルスピーカ1から聴取者の左耳までの距離と、右チャンネルスピーカ2から聴取者の右耳までの距離とが音響工学的に等しくなるようにすることにより、聴取者の両耳に到達する音波が同相になるようにするためである。この場合、音速が340m/secであるとすると、時間補正回路23及び24の遅延時間が0.59msecであるので、左チャンネルスピーカ1から聴取者の左耳までの距離及び右チャンネルスピーカ2から聴取者の右耳までの距離は、340m/sec×0.59msec=約20cmとなる。これに対し、時間補正回路15及び16の遅延時間が2.3msecであるので、左チャンネルスピーカ1から聴取者の左耳までの距離及び右チャンネルスピーカ2から聴取者の右耳までの距離は、340m/sec×2.3msec=約78cmとなる。
この音響再生システムを上記のような構成としたのは、以下に示す理由による。まず、左チャンネルスピーカ1に供給される音声信号及び右チャンネルスピーカ2に供給される音声信号のいずれからも、センタースピーカ3に供給されるモノラルの音声信号を減少させるために、上記本発明の実施の形態3に係る音響再生システムと同様の構成を採用している。また、この本発明の実施の形態4に係る音響再生システムでは、上記クロストークを相殺(キャンセル)するために、逆位相信号による補正回路21及び22並びに時間補正回路23及び24を設けている。すなわち、この本発明の実施の形態4に係る音響再生システムは、上記本発明の実施の形態2に係る音響再生システムと、上記本発明の実施の形態3に係る音響再生システムとのそれぞれの利点を合わせ持った構成となっている。
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。図5において、図4の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図5に示す音響再生システムが図4に示す音響再生システムと異なる点は、上記右チャンネルの音声信号Sに換えて上記和信号SL+Rが逆位相信号による補正回路17に供給されている点と、上記左チャンネルの音声信号Sに換えて上記和信号SL+Rが逆位相信号による補正回路18に供給されている点とである。
この音響再生システムを上記のように構成することにより、上記本発明の実施の形態2に係る音響再生システムと、上記本発明の実施の形態3に係る音響再生システムと、上記本発明の実施の形態4に係る音響再生システムとのそれぞれの利点を合わせ持った構成となっている。
以下、本発明の実施例、特に、左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3からなるスピーカシステムの具体的な構成について、さらに詳細に説明する。しかし、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1.
図6は、本発明の実施例1に係るスピーカシステムを構成する左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3と聴取者Aとの位置関係の一例を示す概略平面図である。左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3は、フレームと、振動板とエッジとボイスコイルとを備えた振動体と、磁石とヨークとを備えた磁気回路とを有する一般的な構造のもので良い。左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3の指向特性は良好であることが好ましい。ここで、スピーカの指向特性が良好であるとは、例えば、正面に対して約30°方向の特性は正面方向の特性とほぼ同じ特性を示し、約60°方向の特性もごく高音域を除いて正面方向の特性に近い特性を示し、約90°方向の特性は正面方向の特性に比べて約10dB以上低下している特性をいう。
左チャンネルスピーカ1は、図6に示すように、聴取者Aの左真横方向から後方の設置範囲SRL内に配置されている。設置範囲SRLは、具体的には、以下の通りであることが好ましい。すなわち、聴取者Aの頭の中心を通り、かつ、設置範囲SRLと接する複数の直線(以下、「接線群TL」という。)のうち、設置範囲SRLの前方寄りの接線TL1と、聴取者Aの左耳と右耳を通る直線LN1とがなす角度θ1Lは、例えば、約10°以上とする。一方、上記接線群TLのうち、設置範囲SRLの後方寄りの接線TL2と、上記直線LN1とがなす角度θ2Lは、例えば、約45°以下とする。ここで、聴取者Aの左真横方向とは、上記直線LN1上であって、聴取者Aの左耳から遠ざかる方向をいう。
右チャンネルスピーカ2は、図6に示すように、聴取者Aの右真横方向から後方の設置範囲SRR内に配置されている。設置範囲SRRは、具体的には、以下の通りであることが好ましい。すなわち、聴取者Aの頭の中心を通り、かつ、設置範囲SRRと接する複数の直線(以下、「接線群TR」という。)のうち、設置範囲SRRの前方寄りの接線TR3と、上記直線LN1とがなす角度θ1Rは、例えば、約10°とする。一方、上記接線群TRのうち、設置範囲SRRの後方寄りの接線TR4と、上記直線LN1とがなす角度θ2Rは、例えば、約45°とする。ここで、聴取者Aの右真横方向とは、上記直線LN1上であって、聴取者Aの右耳から遠ざかる方向をいう。
ここで、角度θ1L及びθ1Rをそれぞれ例えば、約10°以上と設定する理由は、以下の通りである。角度θ1L及びθ1Rのそれぞれが例えば、約10°以上である場合、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2が聴取者Aの視界に入らないため、聴取者Aは左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2の存在を気にすることなく、快適に音波を聴取することができる。
一方、角度θ2L及びθ2Rをそれぞれを例えば、約45°以下と設定する理由は、以下の通りである。すなわち、角度θ2L及びθ2Rがそれぞれ例えば、約45°より大きい場合、聴取する位置において左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2の音響特性の乱れが激しく、一方のチャンネルの音声が当該スピーカと対向した聴取者Aの耳と反対側の耳に回り込む(クロストーク)ため、聴取者Aが方向性を感じられないおそれがあるからである。
センタースピーカ3は、図6に示すように、聴取者Aの正面側の設置範囲SRC内に配置されている。設置範囲SRCは、具体的には、以下の通りであることが好ましい。すなわち、聴取者Aの頭の中心を通り、かつ、設置範囲SRCと接する複数の直線(以下、「接線群TC」という。)のうち、設置範囲SRCの左寄りの接線TC1と、上記直線LN1と直交し、かつ、聴取者Aの頭の中心を通る直線LN2とがなす角度θ1Cは、例えば、約0°〜約45°とする。同様に、上記接線TCのうち、設置範囲SRCの右寄りの接線TC2と、上記直線LN2とがなす角度θ2Cは、例えば、約0°〜約45°とする。
ここで、角度θ1C及びθ2Cをそれぞれ例えば、約0°〜約45°と設定するのは、発明者らが実験することにより、このような角度に設定すれば聴取者Aの前方に音像の定位をとることができることが判明したからである。
次に、聴取者Aからセンタースピーカ3の音波放射面までの距離a1、聴取者Aから左チャンネルスピーカ1の音波放射面までの距離b1及び聴取者Aから右チャンネルスピーカ2の音波放射面までの距離b2の関係の一例について説明する。距離a1と、距離b1及び距離b2との間には、式(3)及び式(4)に示す関係があることが必要である。
a1>3×b1 ・・・(3)
a1>3×b2 ・・・(4)
まず、距離b1及び距離b2が距離a1よりも短くするのは、以下に示す理由による。すなわち、音波の聴取環境に制限がある場所では、センタースピーカ3のように、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2を聴取者Aから遠ざけて設置することができない場合がある。そこで、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2を聴取者Aに近づけて設置するのである。このように左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2を設置することにより、音波の聴取環境に制限がある場所において限られたスペースを有効に利用することができる。
次に、距離a1を距離b1及び距離b2の3倍より大きいとするのは、発明者らが実験することにより、このような関係に設定すれば、センタースピーカ3が約0°〜約45°程度で、前方に音像の定位をとることができることが判明したからである。また、センタースピーカ3を聴取者Aの正面から遠ざけて設置することにより、聴取者Aは、視覚的に圧迫を感じることなく、快適に音波を聴取することができるのである。
このように、本発明の実施例1に係るスピーカシステムは、例えば、自動車の車内など、聴取者Aの前方にスピーカを設置するスペースがない場合など、音波の聴取環境に制限がある場所に用いて好適である。
また、このスピーカシステムでは、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2が聴取者Aの耳に近接している。したがって、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2は、大きな音を放射する必要がないため、他の領域への音漏れが少なくて済む。このため、このスピーカシステムを用いた上記実施の形態1〜5のいずれかに係る音響再生システムは、例えば、図7に示すような、家庭などで個人が楽しむためのAVシステム(パーソナルAVシステム)に適用することができる。図7は、本発明の実施例1に係るスピーカシステムを構成する左チャンネルスピーカ1、右チャンネルスピーカ2及びセンタースピーカ3と聴取者Aとの位置関係の一例を示す概略斜視図である。このように構成した場合でも、多くの音は聴取者Aの耳元で再生されるため、近隣にいる他の人に迷惑が掛かることはない。なお、図7の例では、表示装置4の下部にセンタースピーカ3が取り付けられている。表示装置4の例としては、テレビ受像機又はモニタが挙げられる。
また、このスピーカシステムによれば、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2が聴取者Aの耳に近接しているので、外来雑音に対し充分なマスキング効果が得られるため、本来の音響の明瞭度が従来に比べて高い。さらに、このスピーカシステムによれば、主要な音響の大部分は聴取者Aの耳に近接した左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2から放射されるため、音響の聴取環境に起因する音響の反射や響きの影響を受けにくく、音声信号をより忠実に再生することが可能となる。
また、このスピーカシステムは、大入力、高感度である必要がないため、小型化、高音質化を図ることができるとともに、設計も容易であり、かつ、小型のスピーカからでも充分な音量の低域音響を放射することが可能となる。さらに、このスピーカシステムを用いた上記実施の形態1〜5のいずれかに係る音響再生システムでは、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2が聴取者Aに対し充分な開き角度であって、やや後方に設置されていることにより、聴取者Aは、従来に比べて左右方向への音の広がりや後方までの音の広がりを感じることができる。
また、このスピーカシステムでは、聴取者Aの正面にモノラルの音声信号専用のセンタースピーカ3が設置されている。したがって、聴取者Aの耳に近接した左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2だけを設置した場合に比べて、脳内に音場が定位する脳内定位を避けることができるとともに、聴取者Aが充分な距離感、左右方向への音の広がり感を容易に得ることができる。さらに、このスピーカシステムでは、音像の前方センター定位が明確になるため、聴取者Aはよりリアルな臨場感を得ることができる。以上説明したように、本発明の実施例1に係るスピーカシステムを用いた上記実施の形態1〜5のいずれかに係る音響再生システムによれば、音響の聴取環境に制限がある場所でも必要最小限の個数のスピーカを用いて、かつ、簡単な信号処理で定位感、広がり感、臨場感のある音響再生システムを提供することができる。
実施例2.
上述の実施例1では、センタースピーカ3は、聴取者Aの正面側の設置範囲SRC内に配置する例を示したが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、仮に音像のセンター定位に大きな影響を及ぼすセンタースピーカ3を聴取者Aの正面に設置できない場合でも、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2の音量バランスを調整することにより、仮想的なセンタースピーカ3'を聴取者Aの正面に形成することができ、明確な前方センター定位を得ることが可能である。この場合、右チャンネルスピーカ2から放射される音波の音圧は、左チャンネルスピーカ1から放射される音波の音圧より高く設定する。このようなスピーカの配置によれば、例えば、自動車の車内の運転席乗員は最適な定位感、広がり感、臨場感が得られる。
したがって、例えば、図9に示すように、本実施例2に係るスピーカシステムを複数個並列にした場合、センタースピーカ3を共用することも可能である。すなわち、仮想的なセンタースピーカ3'を聴取者A1の正面に形成するとともに、仮想的なセンタースピーカ3''を聴取者A2の正面に形成することができ、各聴取者A1及びA2ごとに明確な前方センター定位を得ることが可能である。
図9の例では、左チャンネルスピーカ1から放射される音波の音圧は、右チャンネルスピーカ2から放射される音波の音圧より高く設定する。一方、右チャンネルスピーカ2から放射される音波の音圧は、左チャンネルスピーカ1から放射される音波の音圧より高く設定する。このように構成しても、聴取者A1側から隣接する聴取者A2側への音漏れ及び、聴取者A2側から隣接する聴取者A1側への音漏れも少ない。この例は、例えば、自動車の車内に設ける音響再生システムに適用して好適である。
実施例3.
上述の各実施例では、聴取者Aの動きには特に対応しない例を示したが、これに限定されない。例えば、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2のそれぞれに、対応するスピーカと聴取者Aとの距離を計測する距離センサを内蔵しても良い。例えば、左チャンネルスピーカ1と聴取者Aとの距離が右チャンネルスピーカ2と聴取者Aとの距離よりも大きい場合には、左チャンネルスピーカ1から放射される音波の音圧は、右チャンネルスピーカ2から放射される音波の音圧より高く設定する。また、左チャンネルスピーカ1と聴取者Aとの距離及び右チャンネルスピーカ2と聴取者Aとの距離のいずれも大きい場合には、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2からそれぞれ放射される音波の音圧は、センタースピーカ3から放射される音波の音圧より高く設定する。このように構成すれば、音像の前方センター定位が常時明確になるため、聴取者Aはよりリアルな臨場感を得ることができる。
実施例4.
上述の各実施例では、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2は、聴取者Aの真横方向からやや後方に配置されている。したがって、聴取者Aの頭部形状及び外耳形状に応じて音波の周波数特性が変化する可能性がある。このような音波の周波数特性変化という情報は、聴取者Aが左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2等の音源に対して高さ、後方など両耳の位置差(位相差・音圧差)により判断がつきにくい方向感を得るための情報と類似している。
したがって、上述の各実施例に係るスピーカシステムでは、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2に供給される信号に、外部から供給される音声信号の製作者が意図しない方向感が加わってしまうおそれがある。そこで、このような事態を回避するために、聴取者Aの頭部形状及び外耳形状に応じた音波の周波数特性変化の伝達関数を測定するとともに、この測定結果を逆関数で処理した信号を用いて、左チャンネルスピーカ1及び右チャンネルスピーカ2に供給される信号を補正することもできる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態3では、図3に示すように、加算回路13から出力される和信号SL+Rそのものを逆位相信号による補正回路17及び18に供給するとともに、特性補正回路11から供給される信号と逆位相信号による補正回路17から供給される信号とを時間補正回路15に供給する前に混合し、特性補正回路12から供給される信号と逆位相信号による補正回路18から供給される信号とを時間補正回路16に供給する前に混合するである例を示したが、これに限定されない。例えば、図3に示す時間補正回路15及び16に供給される信号に対し、それまで行った信号処理により減少した信号の低域を補うように構成しても良い。
また、図3に示す逆位相信号による補正回路17及び18において、モノラルの和信号SL+Rの高域成分をそれぞれ通過させた後、特性補正回路11及び12からそれぞれ供給される信号と時間補正回路15及び16に供給する前に混合しても良い。
また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
本発明の実施の形態1に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る音響再生システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るスピーカシステムを構成する左チャンネルスピーカ、右チャンネルスピーカ及びセンタースピーカと聴取者との位置関係の一例を示す概略平面図である。 本発明の実施例1に係るスピーカシステムを構成する左チャンネルスピーカ、右チャンネルスピーカ及びセンタースピーカと聴取者との位置関係の一例を示す概略斜視図である。 本発明の実施例2に係るスピーカシステムを構成する左チャンネルスピーカ、右チャンネルスピーカ及びセンタースピーカと聴取者との位置関係の一例を示す概略平面図である。 本発明の実施例2に係るスピーカシステムを構成する左チャンネルスピーカ、右チャンネルスピーカ及びセンタースピーカと聴取者との位置関係の他の例を示す概略平面図である。
符号の説明
1…左チャンネルスピーカ、1'…仮想的な左チャンネルスピーカ、2…右チャンネルスピーカ、2'…仮想的な右チャンネルスピーカ、3…センタースピーカ、3',3''…仮想的なセンタースピーカ、11,12…特性補正回路、13…加算回路、14…低域減衰回路、15,16,23,24…時間補正回路、17,18,21,22…逆位相信号による補正回路

Claims (9)

  1. 聴取者の左真横方向から後方の第1の設置範囲内に配置され、左チャンネルの音声信号が供給される左チャンネルスピーカと、
    前記聴取者の右真横方向から後方の第2の設置範囲内に配置され、右チャンネルの音声信号が供給される右チャンネルスピーカと、
    前記聴取者の正面側の第3の設置範囲内に配置されているセンタースピーカと、
    前記左チャンネルの音声信号と前記右チャンネルの音声信号とを加算して前記センタースピーカに供給する加算回路と、
    前記センタースピーカから放射された第1の音波が前記聴取者に到達するまでの第1の時間と、前記左チャンネルスピーカから放射された第2の音波が前記聴取者に到達するまでの第2の時間と、前記右チャンネルスピーカから放射された第3の音波が前記聴取者に到達するまでの第3の時間とが等しくなるように、前記左チャンネルスピーカの音声信号を遅延する第1の時間補正回路と、
    前記第1の時間と、前記第2の時間と、前記第3の時間とが等しくなるように、前記右チャンネルスピーカの音声信号を遅延する第2の時間補正回路と
    を備えていることを特徴とする音響再生システム。
  2. 前記右チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第1の逆位相信号による補正回路と、
    前記左チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第2の逆位相信号による補正回路とを備え、
    前記左チャンネルの音声信号と前記第1の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第1の時間補正回路に供給され、
    前記右チャンネルの音声信号と前記第2の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第2の時間補正回路に供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響再生システム。
  3. 前記加算回路の出力信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第3の逆位相信号による補正回路と、
    前記加算回路の出力信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第4の逆位相信号による補正回路とを備え、
    前記左チャンネルの音声信号と前記第3の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第1の時間補正回路に供給され、
    前記右チャンネルの音声信号と前記第4の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第2の時間補正回路に供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響再生システム。
  4. 前記右チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第1の逆位相信号による補正回路と、
    前記左チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第2の逆位相信号による補正回路と、
    前記右チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第5の逆位相信号による補正回路と、
    前記左チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第6の逆位相信号による補正回路と、
    前記左チャンネルの音声信号と前記第1の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第1の時間補正回路に供給され、
    前記右チャンネルの音声信号と前記第2の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第2の時間補正回路に供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響再生システム。
  5. 前記加算回路の出力信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第3の逆位相信号による補正回路と、
    前記加算回路の出力信号を位相反転するとともに、低域成分のパワーを減衰させ、さらに全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第4の逆位相信号による補正回路と、
    前記右チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第5の逆位相信号による補正回路と、
    前記左チャンネルの音声信号を位相反転するとともに、全帯域成分のパワーを減衰させて出力する第6の逆位相信号による補正回路とを備え、
    前記左チャンネルの音声信号と前記第3の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第1の時間補正回路に供給され、
    前記右チャンネルの音声信号と前記第4の逆位相信号による補正回路の出力信号とが混合されて前記第2の時間補正回路に供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響再生システム。
  6. 前記第5の逆位相信号による補正回路の出力信号を所定時間だけ遅延して出力する第3の時間補正回路と、
    前記第6の逆位相信号による補正回路の出力信号を所定時間だけ遅延して出力する第4の時間補正回路と
    を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の音響再生システム。
  7. 外部から供給される左チャンネルの音声信号の低域成分のパワーを強調するとともに、高域成分のパワーを減衰させて出力し、前記第1の時間補正回路に供給する第1の特性補正回路と、
    外部から供給される右チャンネルの音声信号の低域成分のパワーを強調するとともに、高域成分のパワーを減衰させて出力し、前記第2の時間補正回路に供給する第2の特性補正回路と
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の音響再生システム。
  8. 前記加算回路の出力信号の低域成分のパワーを減衰させて出力する低域減衰回路を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の音響再生システム。
  9. 前記第1の設置範囲は、前記聴取者の中心を通り、かつ、前記第1の設置範囲と接する第1の接線群のうち、前記第1の設置範囲の前方寄りの第1の接線と、前記聴取者の左耳と右耳を通る第1の直線とがなす角度が約10°以上であって、前記第1の接線群のうち、前記第1の設置範囲の後方寄りの第2の接線と、前記第1の直線とがなす角度が約45°以下であり、
    前記第2の設置範囲は、前記聴取者の中心を通り、かつ、前記第2の設置範囲と接する第2の接線群のうち、前記第2の設置範囲の前方寄りの第3の接線と、前記第1の直線とがなす角度が約10°以上であって、前記第2の接線群のうち、前記第2の設置範囲の後方寄りの第4の接線と、前記第1の直線とがなす角度が約45°以下であり、
    前記第3の設置範囲は、前記聴取者の中心を通り、かつ、前記第3の設置範囲と接する第3の接線群のうち、前記第3の設置範囲の左寄りの第5の接線と、前記第1の直線と直交し、かつ、前記聴取者の中心を通る第2の直線とがなす角度が約0°〜約45°であり、前記第3の接線群のうち、前記第3の設置範囲の右寄りの第6の接線と、前記第2の直線とがなす角度が約0°〜約45°であり、
    前記聴取者から前記センタースピーカの音波放射面までの第1の距離は、前記聴取者から前記左チャンネルスピーカの音波放射面までの第2の距離及び前記聴取者から前記右チャンネルスピーカの音波放射面までの第3の距離のそれぞれ3倍よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の音響再生システム。
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