JP2010034540A - 太陽電池用電極基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 太陽電池組み立てをより簡易化でき、インターコネクター若しくは集電電極又はこれらの両方のための金属配線層を有する電極基材を提供するものである。
【解決手段】 樹脂層及び、集電電極又はインターコネクターのための金属配線層を有する電極基材であって、金属配線層は、断面形状が台形形状であるもの又は断面形状が台形形状の上部を有するものであって、少なくとも、上記金属配線の最大幅となる部分が、上記樹脂層に埋没している太陽電池用電極基材。太陽電池の取出電極のそれぞれに対応するその金属配線層上に、取出電極を接続するための導電性を有する接続部材層が形成されていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池用の集電電極又はインターコネクターとして有用な太陽電池用電極基材に関する。
太陽光エネルギを直接的に電気エネルギに変換する太陽電池は、近年では特に地球環境問題の観点から、次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を使ったもののように様々な種類もあるが、現在において主流となっているのはシリコン結晶を用いたものである。現在において最も多く生産されて販売されている太陽電池では、太陽光を受ける受光面にn(負)電極が設けられ、裏面にはp(正)電極が設けられている。受光面側に設けられたn(負)電極は電流の取り出しのために必要不可欠であるが、その電極下の基板には太陽光が入射しないので、その領域では発電を生じない。したがって、n(負)電極面積が大きければ、光電変換効率
が低下する。このような受光面側の電極による光損失は、シャドウロスと呼ばれている。
受光面側に電極が設けられていない裏面電極型太陽電池(なお、バックコンタクト型太陽電池とも言われる)では、受光面電極によるシャドウロスがなく、入射する太陽光の100%を太陽電池内に取り込むことができるので、原理的に高い光の利用効率の実現が可能である。このような太陽電池の公知例として米国特許第4,927,770号明細書があるが、その太陽電池の構造が、特許文献1の図5(a)の模式的断面図において図解されており、次の説明がある。
上記「図5(a)の太陽電池では、シリコン基板10の裏面側において、複数のp拡散層12と複数のn拡散層13とが交互に設けられている(図5(a)においては、一対のp拡散層12とn拡散層13のみが示されている)。基板10の両主面上にはパッシベーション層11が形成されており、これによって電荷キャリアの表面再結合が抑制されている。裏面側に設けられたコンタクトホール16、17を介してp拡散層12にはp(正)電極14が接続され、n拡散層17にはn(負)電極15が接続されており、これらの電極14、15から電流が取り出される。受光面上にあるパッシベーション層11は、反射防止膜としての働きも兼ねている。図5(a)からわかるように、p(正)電極14と(負)電極15の両方が基板10の裏面側に形成されており、基板10の表面(受光面)側には光を遮るものがないので、入射する太陽光の100%を基板10内に取り込むことができる。」
集光型の裏面電極型太陽電池では、太陽光を数十〜数百倍の強度に集光するので、非常に大きな光電流が発生する。そこで、裏面電極は配線抵抗による損失を最小限にするために2層金属構造にされることが多く、特許文献1の裏面電極型太陽電池においてもそのような構造が採用されている。2層金属構造の形成においては、まずpとnの各拡散層と接続するように拡散層のパターンに合わせて微細なパターニングを施した1層目の金属層を形成し、そしてp(正)電極とn(負)電極とが短絡しないように絶縁層を形成して、1層目の金属層上に外部回路の接続をするための2層目の金属層が形成される。このような2層金属構造を採用することによって、電極金属の配線抵抗による損失を最小限にすることができる。しかし、この2層金属構造は、その形成工程が複雑になる。
他方、集光型でない場合は、発生する光電流がそれほど大きくないので、配線抵抗による損失も比較的少ない。その場合は、複雑な工程を要する2層金属構造を採用する必要性は少なく、1層だけで電極層を形成した方がコスト的に有利である。そのような場合の電極パターンの例が、特許文献1の図5(b)の模式的平面図に示されている。この図5(b)において、pとnの拡散層パターンに対応したpとnのフィンガー電極21、23が交互に配置され、それぞれがpとnのバスバー電極22、24に接続されており、概略的に櫛歯状のp電極とn電極がかみ合ったような電極パターンとなっている。
さらに、「太陽電池はその一枚だけで得られる電力が小さいので、複数の太陽電池を相互に接続して使うことが普通である。一般に、一枚の太陽電池をセルと呼び、セルの数枚〜数十枚を接続したものをモジュールと呼ぶ。複数のセルを並列に接続すればモジュール全体の電流が大きくなって配線抵抗による損失が大きくなるので、複数のセルを直列に接続するのが普通である。図5(c)の模式的平面図において、裏面電極型太陽電池セルを直列接続した例が示されている。pバスバー電極22とnバスバー電極24がインターコネクタ20を介して接続されており、これによってセル同士が相互に直列に接続されている。インターコネクタは太陽電池セル同士を接続するための導電材であり、銅などの低抵抗金属箔にハンダメッキなどを施して形成されている。そのようなインターコネクタとバスバー電極とをハンダ付けすることによって、セル間で物理的かつ電気的な接続が行われる。」ことが特許文献1に開示される。
特許文献1の図6(a)〜(e)において、パターン化された金属電極を形成するリフトオフ法の一例が模式的断面図で図解されている。この方法では、図6(a)において、基板10の裏側のパターン面51の全面にレジスト52を均一にコーティングする。次に、図6(b)において、パターン面51に対面してマスクを正確にセットして金属電極形成箇所54のみを露光すれば、その露光によってレジスト52が台形状に重合する。そして、図6(c)において、非露光部分を除いてレジストのエッチング除去を行えば、電極形成箇所54が露出されて、電極非形成箇所53がレジスト52で覆われたままになる。さらに、図6(d)において、パターン面51の全面上に金属を蒸着またはスパッタリングし、電極形成箇所54とレジスト52の上に金属膜55、56が形成される。最後に、図6(e)において、レジスト溶解用薬液をパターン面51上に散布して、レジスト52が溶解除去される。その結果、レジスト52の支持がなくなった金属蒸着膜56は、パターン面51から浮き上がった状態になって脱離する。すなわち、図6(e)においては、電極非形成箇所53上の金属膜56が脱離して、電極形成箇所54上に金属膜55が電極として形成されている状態が示されている。
特許文献1には、半導体基板の裏面上にp(正)とn(負)の電極が形成される裏面電極型太陽電池の製造方法は、p(正)とn(負)のフィンガー電極パターンのそれぞれに対応する概略長方形形状の複数の開口部を有するメタルマスクを位置合せして半導体基板の裏面に相対して配置する工程と、メタルマスクの開口部を介して半導体基板の裏面上に電極金属膜を蒸着またはスパッタリングによって形成する工程と、それらの工程によって形成されたp(正)とn(負)の電極を有する基板の複数をインターコネクタを介して相互に直列接続する工程を含む方法が提案されている。
また、特許文献2には、両面に電極を有する太陽電池の裏面電極として、出力取出電極と集電電極からなるものが記載されているが、非受光面に出力取り出し電極を設けたバックコンタクト構造であってもよいとされる。
電極形成は、「半導体基板1の表面側および裏面側には、表面電極と裏面電極とを形成する電極形成工程にて表面電極6と裏面電極7とを形成する。これらの電極の製法としては、主にAgなどの金属粉末、ガラスフリット、有機溶剤、バインダーを含んだペーストを用いた印刷法などの厚膜による成膜プロセスや、スパッタ法、蒸着法などの真空プロセスを用いた成膜プロセスを用いることができる。」と記載され、裏面の集電電極の形成は、具体的には、アルミニウムペーストの全面塗布が開示される。
特開2006−324590号公報 特開2008−34583号公報
特許文献1及び特許文献2の記載からも明らかなように、太陽電池における集電のための電極の形成は、従来、蒸着又はスパッタリング、塗布などにより行われており、さらに生産性の良い電極形成法が望まれている。また、太陽電池における集電のための電極及びそれを含む構造体には、過酷な条件で使用されるものとして、さらなる信頼性の向上が望まれる。
本発明は、太陽電池の組み立てをより簡易化でき、その生産性向上に役立ち、高い性能と信頼性を有する金属配線層を含む電極基材を提供するものである。
本発明は次のものに関する。
1. 樹脂層及び、集電電極又はインターコネクターのための金属配線層を有する電極基材であって、金属配線層は、断面形状が台形形状であるもの又は断面形状が台形形状の上部を有するものであって、少なくとも、上記金属配線層の最大幅となる部分が、上記樹脂層に埋没している太陽電池用電極基材。
2. 太陽電池の取出電極のそれぞれに対応するその金属配線層上に、取出電極を接続するための導電性を有する接続部材層が形成されている項1に記載の太陽電池用電極基材。
3. 金属配線層がp(正)とn(負)の取出電極パターンのそれぞれに対応する金属配線層である項1又は2のいずれかに記載の太陽電池用電極基材。
4. p(正)とn(負)の電極を有する基板の複数を相互に直列接続するためのインターコネクト部を有する項1又は2のいずれかに記載の太陽電池用電極基材。
5. 樹脂層及び金属配線層を有する電極基材であって、金属配線層は、断面形状が台形形状であるもの又は断面形状が台形形状の上部を有するものであって、少なくとも、上記金属配線の最大幅となる部分が、上記樹脂層に埋没している、半導体基板の裏面上にp(正)とn(負)の電極が形成される裏面電極型の太陽電池用電極基材。
6. 金属配線層が、p(正)とn(負)のフィンガー電極パターンのそれぞれに対応する複数の概略長方形形状を有するパターン状に形成されており、その金属配線層上に、金属配線層と半導体基板の裏面に形成されたp(正)部とn(負)部を接続するための導電性を有する接着剤層が形成されている項5に記載の裏面電極型の太陽電池用電極基材。
7. 金属配線層が、p(正)とn(負)の電極を有する前記基板の複数を相互に直列接続するためのインターコネクト部を有する項5又は6に記載の裏面電極型太陽電池用の電極基材。
8. 上記金属配線層を形成する形態において、(A)導電性基材の表面に絶縁層が形成されており、その絶縁層に開口方向に向かって幅広となった、めっきを形成するための凹部のパターンが形成されているめっき用導電性基材にめっきをする金属配線層作製工程、(B)上記導電性基材の凹部に析出した金属を樹脂層を含む別の基材に転写する転写工程を含み、上記転写工程において又はその後に、少なくとも金属配線層の最大幅となる部分から下の部分を上記樹脂層に埋没させることを特徴とする太陽電池用電極基材の製造方法。
本発明に係る、太陽電池用電極基材を使用すれば、太陽電池の集電電極やインターコネクタ等の配線構造を太陽電池に容易に組み込むことができ、太陽電池の生産性の向上に役立つ。また、該電極基材は、配線自体の密着性、耐湿試験等に対する信頼性が高くなり、さらに、太陽電池の要素である正又は負の電極や取出電極に対する金属配線層の密着性も優れているので、この点からも太陽電池の信頼性を向上させることができる。
電極基材又は取出電極の一例示す一部平面図。 太陽電池の一部断面図。 金属配線層の一部を切り取った斜視図。 図3(b)に示す金属層配線層の幅方向の断面図。 図3(b)に示す金属層配線層の幅方向の他の例の断面図。 金属配線層の横断面図。 金属配線層の横断面図。 金属配線層が樹脂層に埋設されている状態を示す部分断面図。 金属配線層が樹脂層に埋設されている状態を示す部分断面図。 本発明のめっき用導電性基材の一例を示す斜視図。 図1のA−A断面図。 めっき用導電性基材の製造方法を示す工程の一例を断面図。 中間層を有するめっき用導電性基材とその前駆体の断面図。 金属配線層付き基材の作製例の前半を示す断面図。 金属配線層付き基材の作製例の後半を示す断面図。 めっき用導電性基材の凹部内にめっきにより金属配線層を形成した状態を示す断面図。 図16に示す凹部内の金属配線層を転写して得られた金属配線層付き基材の断面図。 回転体を用いて金属配線層付き基材を連続的に作製するための装置の概念断面図。 フープ状のめっき用導電性基材を用いて金属配線層付き基材を連続的に作製するための装置の概念断面図。
本発明に係る電極基材は、樹脂層及び集電電極又はインターコネクターのための金属配線層を有するものであるが、その電極基材の一例を図面を用いて説明する。図1は、電極基材又は取出電極の一例示す一部平面図である。図1(a)は、本発明に係る取出電極のための金属配線を有する電極基材の一例を示す平面図である。電極基材1は樹脂層2上に取出電極3,4(二重斜線部分)が形成されている。これらの電極で図面で横方向の配線は主に集電電極の役割を担い、縦方向の配線は集電電極をインターコネクトする役目を担っている。図1(b)は本発明に係る電極基材の一例が、集電電極に積層されている平面図を示す。樹脂層2上にインターコネクトのための配線5(二重斜線部分)が形成されている。インターコネクトのための配線は、その下の集電電極に接している。図1(c)はこの集電電極(二重斜線部分)の平面図を示している。
図2は、太陽電池の一部断面図である。図2(a)は裏面電極型太陽電池である。シリコン基板10の裏面側において、p拡散層12とn拡散層13が設けられている。全体の太陽電池としては、これらは交互に複数個設けらる。基板10の両主面上にはパッシベーション層11が形成され、裏面側に設けられたコンタクトホールを介してp拡散層12にはp(正)電極14が接続され、n拡散層13にはn(負)電極15が接続されており、これらの電極14、15から電流が取り出される。図2(b)は、汎用型の太陽電池で、アモルファスシリコン層16の上下にn型層17及びp型層18が形成されており、それぞれに接して表面取出電極19及び裏面取出電極20が複数個形成されている。n型層17の表面には反射防止層21が形成されている。
図2(a)(b)に示すような太陽電池の取出電極と図1(a)、(b)に示すような本発明に係る電極基材の配線とが導電ペースト、導電性を有する接着剤、ハンダ等の導電性を有する接続部材を介して接続されることが好ましい。
本発明の電極基材における金属配線層は、太陽電池の裏面又は表面の取出電極を含むものであってもよく、その場合は、取出電極と太陽電池のp拡散層(p型層)又はn拡散層(n型層)は導電ペースト、導電性を有する接着剤、ハンダ等の導電性を有する接続部材で導通的に接合されることが好ましい。
本発明の電極基材は太陽電池の表面又は裏面に適用される。
本発明における電極基材のための基材は、その表面のうち金属配線層を埋設する側に金属配線層を埋設するための樹脂層を有する。
この樹脂層は、熱可塑性樹脂でもよいが、硬化性樹脂が硬化した硬化樹脂であることが好ましい。
また、この樹脂層は、支持基材上に積層されていることが好ましいが、樹脂層だけで基材を構成していてもよい。
支持基材としては、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラス等のガラス、プラスチック板、樹脂フィルム等がある。中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、色素増感型太陽電池のセルやモジュールの取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。
樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等の透明な樹脂が使用される。
樹脂フィルムとしては、厚さ50〜300μmの単層フィルム又は前記樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
また、支持基材の金属配線層を埋設する樹脂層を形成する面とは反対の面には、耐候性や耐擦傷性を付与するための樹脂を積層していてもよい。
樹脂層を形成するための樹脂としては、前記の通り、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が使用される。
上記の熱可塑性樹脂として代表的なものとして以下のものがあげられる。たとえば天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、ポリ−1,3−ブタジエン)などの(ジ)エン類のポリマー、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリビニルエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、フェノキシ樹脂、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂などが使用可能である。これらのポリマを構成するモノマーは、必要に応じて、2種以上共重合させて得られるコポリマとして用いてもよいし、以上のポリマ又はコポリマを2種類以上ブレンドして使用することも可能である。
前記硬化性樹脂のうち、活性エネルギー線で硬化する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等をベースポリマとし、各々にラジカル重合性あるいはカチオン重合性官能基を付与させた材料が例示できる。ラジカル重合性官能基として、アクリル基(アクリロイル基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、ビニル基,アリル基などの炭素−炭素二重結合があり、反応性の良好なアクリル基(アクリロイル基)が好適に用いられる。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基(グリシジルエーテル基、グリシジルアミン基)が代表的であり、高反応性の脂環エポキシ基が好適に用いられる。具体的な材料としては、アクリルウレタン、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ポリブタジエン、エポキシ変性ポリエステル、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が利用される。
活性エネルギー線が紫外線の場合、紫外線硬化時に添加される光増感剤あるいは光開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロニウム塩等の公知の材料を使用することができる。
また、前記硬化性樹脂のうち、熱硬化性樹脂としては、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブテン、カルボキシゴム、ネオプレン、ポリブタジエン等の樹脂と架橋剤としての硫黄、アニリンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、リグリン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、金属酸化物、金属塩化物、オキシム、アルキルフェノール樹脂等の組み合わせで用いられるものがある。なおこれらには、架橋反応速度を増加する目的で、汎用の加硫促進剤等の添加剤を使用することもできる。
熱硬化性樹脂として、硬化剤を利用するものとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、不飽和炭化水素基等の官能基を有する樹脂とエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、チオール基等の官能基を有する硬化剤あるいは金属塩化物、イソシアネート、酸無水物、金属酸化物、過酸化物等の硬化剤との組み合わせで用いられるものがある。なお、硬化反応速度を増加する目的で、汎用の触媒等の添加剤を使用することもできる。具体的には、硬化性アクリル樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物等が例示される。
さらに、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線で硬化する樹脂としては、アクリル酸又はメタクリル酸の付加物が好ましいものとして例示できる。
アクリル酸又はメタクリル酸の付加物としては、エポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。
なお、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線で硬化する樹脂には、汎用の熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
また、樹脂層には、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤などの添加剤が配合されていてもよい。
前記樹脂層の厚さは、少なくとも、金属配線層を埋設させる厚さよりも厚いことが必要である。より確実に金属配線層を樹脂中に埋没させるためには、樹脂層の厚さは、金属配線層を埋設させる厚さの1.5倍以上であることがさらに好ましい。また、樹脂層の厚さは、100μm以下が好ましい。必要以上に厚くしても無駄になるだけある。
本発明における金属配線層は、断面形状が台形状のもの又は断面形状が台形状の上部とこれに連続した下部からなる。
図面を用いて説明する。図3は、金属配線層の一部を切り取った斜視図である。図3(a)は、断面形状が台形状の金属配線層であり、図3(b)は、断面形状が台形状の上部とこの上部より幅広の下部からなる金属配線層30である。図4は、図3(b)に示す金属配線層30の幅方向の断面図であり、断面が台形状の上部31とこの上部に連続しており、この上部より幅広な摧円形状の下部32からなり、上部31の台形状の底辺と下部32の摧円形の弦の部分で一体となっている。図3(b)及び図4において、下部は断面形状が摧円形であるが、これにかぎらない。図3(b)及び図4に示されるような場合には、下部32の上部底辺から突出したような肩部33は、一つの特徴となりうる。なお、上記の摧円形とは、必ずしも真円を切り取った形だけでなく、楕円又は楕円や真円を変形させたような形状を切り取ったものを包含する。例えば、図5(図3(b)に示す金属層配線層の幅方向の断面図の他の例)の(a)、(b)又は(c)であらわされるような形状であってもよい。
また、図3及び図4において、下部の最大幅(したがって金属配線層の最大幅)は、平面部にそってあるが、肩部より下部に最大幅が存在する形状であってもよい。
さらに、金属配線層は、その横断面において、前記したような上部に対し連続している下部が、上部の最大幅よりも狭い最大幅を有するものであってもよい。また、下部の断面形状が矩形状であってもよい。
金属配線層の寸法として、金属配線層全体の厚さは0.1〜30μmであることが好ましい。1μm未満では、十分に低い抵抗を得ることが困難となる傾向があり、30μmを越えると、抵抗はほとんど変化しないため、材料費、工程時間が増え、コスト的に不利になる。また、以上を考慮して3〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。
また、金属配線層の上面幅は30μm以上が好ましく50μm以上がさらに好ましい。金属配線層の幅が狭すぎると取出電極との接触が不十分になる傾向があり、表面抵抗が上昇する傾向がある。また、金属配線層の上面幅及びその最大幅は、取出電極、インターコネクター等の配線や太陽電池自体の設計によって適宜決定される。特に制限はないが、最大値として上面幅又は最大幅は5mm以下であることが好ましい。
金属配線層の寸法を図面を用いてさらに説明する。
図6は、金属配線層の横断面図を示す。図6(a)は台形状であり、図6(b)は、台形状の上部とこの上部より幅広な摧円形状の下部が一体となったものである。両者において、上面幅(台形状の上辺の長さ)L1、金属配線層の断面形状における最大幅Lは、それぞれ前記したとおりである。
金属配線層の厚さTは、前記の通り、0.1〜30μmであることが好ましく、3〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。
図6(b)における形状である場合、台形形状の上部の厚さT1と下部の厚さT2の合計厚さTが0.1〜30μmの範囲となっていれば、T1とT2の値に制限はないが、樹脂層と金属配線層との密着性をより高めるためには、T2が0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがさらに好ましい。
また、図6の(a)又は(b)における形状である場合、金属配線層の最大幅L及び上面の幅L1は、前記したとおりである上部台形形状の上底の幅(上面の幅)L1と下底の幅L2は、L1が前記の通りであれば、台形形状の側辺の角度が後記する条件を満たすようにL2が決定される。図6(b)における形状である場合、下部が完全に埋没し、樹脂層が肩部及び上部の一部を被覆するようになると、金属配線層と樹脂層の密着性が向上することになるが、この観点からは、最大幅Lと上部台形形状の下底の幅L2の差は、1.0μm以上であることが好ましい。
図6の(a)及び(b)において、台形状であることは、条件としてその側辺が内側に傾きを持つということであるが、樹脂層に金属配線層を埋設した場合に、上面のみが露出している場合だけでなく、上部の一部が露出している場合にも、その上に積層される透明導電層を、いわゆる、段切れによる未被覆部分の形成がなく、良好な被覆状態が実現されているので、電解液に対する耐腐食性、電極の低抵抗化にとって好ましい。台形状の側辺の傾きは、左右のぞれぞれの内角αが30°以上90°未満が好ましく、30度以上80度以下がより好ましく、30度以上60度以下がさらに好ましく、40度以上60度以下が特に好ましい。台形形状の角度が小さいと、台形形状の高さに対して幅が広くなるため、最大幅が広く成りすぎる傾向がある。また、角度が大きくなるほど、製法上、下記するように不具合の出る可能性がある。台形状の側辺の傾きは、左右のぞれぞれの内角は、等しくなくてもよい。
また、金属配線層の断面形状が台形の部分は、その幅が、上面に向かって全体として狭まっていればよい。上記図面のよう勾配αで一定勾配で狭まっている必要は必ずしもなく、上面に向かって広がっておらず全体として狭まっていればよい。特に、側面が上面に対して垂直となっている部分がないようにすることが好ましい。
前記の金属配線層の断面形状が台形状の部分に相当する側面は、必ずしも平面ではない。この場合には、図7にその金属配線層の横断面図を示すように、前記の勾配αは、台形の高さhと台形の側辺の幅s(水平方向で台形の側辺の幅方向)を求め、
Figure 2010034540
によってαを決定する。
αは、角度で30度以上90度未満が好ましく、30度以上80度以下がより好ましく、30度以上60度以下がさらに好ましく、40度以上60度以下が特に好ましい。
金属配線層のライン間隔は50μm以上の範囲とすることが好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過率は向上する。本発明における金属配線層の開口率は50%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。ライン間隔が大きくなり過ぎると、表明抵抗の低下効果が低下するため、ライン間隔は2000μm(2mm)以下とするのが好ましく、特に100〜1000μmであることが好ましい。
本発明における、金属配線層は、少なくとも上面が露出した状態で全体又は一部が樹脂層に埋設されていることが好ましい。これにより、アンカー効果が発現するので金属配線層の透明基材への密着性が向上する。
図8及び図9に、金属配線層が樹脂層に埋設されている状態を示す部分断面図である。
図8(a)では、段目形状が台形の金属配線層30が一部、樹脂層34に埋設されている状態を示し、図8(b)は、上面が樹脂層34からは露出しながら金属配線層30全体が樹脂層34に埋設されている状態を示す。図9(a)は、断面が台形状の上部31とこの上部より幅広な下部32が、上部31の台形状の底辺と下部32の摧円形の弦の部分で一体となっている金属配線層の下部32全体が樹脂層12に埋設されている状態を示す。図9(b)は、同様の金属配線層が上部32の上面を含む一部が樹脂層34からは露出した状態で樹脂層34に埋設されている状態を示す。また、図9(c)は、同様の金属配線層が上部31の上面のみ樹脂層12からは露出した状態で樹脂層34に埋設されている状態を示す。これらの何れの場合も金属配線層の最大幅の部分は、樹脂層34に埋設されている。
本発明に係る電極基材の製造法について、説明する。
本発明に係る電極基材は、まず、めっき用導電性基材上に金属配線層をめっきにより形成する金属配線層作製工程、その後、めっき用導電性基材上に形成された金属配線層を前記の透明基材に転写する転写工程を含む方法により行われる。樹脂層に金属配線層を埋設する工程は、前記の転写工程において行われるか又は転写工程の後に行われる。
上記金属配線層作製工程に使用されるめっき用導電性基材は、パターン状のめっき部を有する導電性基材であって、導電性基材の表面に絶縁層が形成されており、その絶縁層に開口方向に向かって幅広なめっきを形成するための凹部(めっき部)が形成されている。この凹部の底面には導電性材料が露出している。
上記導電性基材に用いられる導電性材料は、その露出表面に電解めっきで金属を析出させるために十分な導電性を有するものであり、金属であることが特に好ましい。また、その基材は表面に電解めっきにより形成された金属層を接着性支持体に転写させることができるように、その上に形成された金属層との密着力が低く、容易に剥離できるものであることが好ましい。このような導電性基材の材料としてはステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料、ニッケルなどが特に好ましい。
前記の導電性基材の形状としては、シート状、プレート状、ロール状、フープ状等がある。ロール状の場合は、シート状、プレート状のものを回転体(ロール)に取り付けたものであってもよい。フープ状の場合は、フープの内側の2箇所から数箇所にロールを設置し、そのロールにフープ状の導電性基材を通すような形態等が考えられる。ロール状、フープ状ともに金属箔を連続的に生産することが可能であるため、シート状、プレート状に比較すると、生産効率が高く、好ましい。導電性基材をロールに巻きつけて使用する場合、ロールとして導電性のものを使用し、ロールと導電性基材が容易に導通するようにしたものが好ましい。
絶縁層の厚さは、凹部の深さに対応する。凹部の深さは、析出するめっきの厚さとも関係するため、目的に応じて適宜決定される。絶縁層の厚さは、0.10μm以上100μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下の範囲であることがより好ましい。絶縁層が薄すぎると絶縁層にピンホールが発生しやすくなるため、めっきした際に、絶縁層を施した部分にも金属が析出しやすくなる。絶縁層の厚さは、1〜5μmであることが特に好ましい。
上記の絶縁層は、ダイヤモンドに類似したカーボン薄膜、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCとする)薄膜のうち、絶縁性を有するものにて形成することができる。DLC薄膜は、特に、耐久性、耐薬品性に優れているため、特に好ましい。
さらに、絶縁層をAl、SiOのような無機材料で形成することもできる。
凹部又は絶縁層の形状は、目的応じて適宜決定されるが、平面形状が、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形(nは3以上の整数)、円、だ円、星型などの幾何学図形があり、これらを適宜組み合わせた模様としてもよい、これらの単位は、単独で又は2種類以上組み合わせて繰り返されることが可能である。一つのめっき用導電性基材において、凹部の形状と絶縁層の形状は、互いに対応した形状となる。
太陽電池用の電極基材の作製の観点からは、溝状の凹部がストライプ状、格子状又は櫛形状になるように絶縁層を形成することが好ましい。
本発明の一例を図面を用いて説明する。
図10は、本発明におけるめっき用導電性基材の一例を示す部分斜視図である。図11は、図10のA−A断面図を示す。図11の(a)は凹部の側面が平面的であるが、(b)は凹部の側面になだらかな凹凸がある場合を示す。めっき用導電性基材51は、導電性基材52の上に絶縁層53が積層されており、絶縁層53に凹部54が形成されており、凹部54の底部は、導電性基材52が露出している。凹部54の底部は、導電性基材に導通している導体層であってもよい。
この例においては、絶縁層53は、幾何学図形としては正方形であり、この正方形の周りに溝状の凹部54が格子状に形成されている。しかし、この形状は、目的に応じて適宜決定される。例えば、図1(a)の金属配線層、(b)のインターコネクターのためのは緯線に対応した凹部の形状が施される。
導電性基材52と絶縁層53の間には、絶縁層53の接着性の改善等を目的として、導電性又は絶縁性の中間層(図示せず)が積層されていてもよい。または、凹部54は、その幅が、開口方向に向かって全体として幅広になっている。図面のよう勾配αで一定に幅広になっている必要は必ずしもない。めっきにより形成される金属配線層の剥離に問題がなければ、凹部は、開口方向に向かって幅が狭くなっている部分があってもよいが、このような部分がない方が良く、凹部は開口方向に向かって狭まっておらず全体として広がっていることが好ましい。特に、凹部の一側面がその対面と共に、底面に対して垂直となっている部分がないようにすることが好ましいが、高さ方向で1μm以上そのような部分が続かないようにすることでもよい。このようなめっき用導電性基材であれば、それを用いてめっきを行った後、析出した金属層をめっき用導電性基材から剥離するに際し、金属配線層と絶縁層との間の摩擦又は抵抗を小さくすることができ、その剥離がより容易になる。
凹部の側面は、必ずしも平面ではない。この場合には、図11(b)に示すように、前記の勾配αは、凹部の高さh(図11(b)において、これは、絶縁層の厚さとなる)と凹部の側面の幅s(水平方向で凹部の側面の幅方向)を求め、
Figure 2010034540
によってαを決定する。
αは、角度で30度以上90度未満が好ましく、30度以上80度以下がより好ましく、30度以上60度以下が特に好ましい。この角度が小さいと作製が困難となる傾向があり、大きいと凹部にめっきにより形成し得た金属配線層(導体層パターン)を剥離する際、又は、透明基材に転写する際の抵抗が大きくなる傾向がある。
本発明のめっき用導電性基材における絶縁層の平面形状及びその厚さ若しくは凹部の深さは、本発明のめっき用導電性基材を用いて得られる金属配線層にとって好ましい形状を考慮して適宜決定される。
また、絶縁層の厚さは、前記と同様であるが、これに対応するように、本発明のめっき用導電性基材における凹部4の深さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが特に好ましい。
本発明のめっき用導電性基材において、図11に示すような凹部54の幅は、底部の幅d′が1〜40μmで有ることが好ましい。d′が小さすぎると作製が難しくなり、大きすぎると線福が大きくなる傾向がある。開口部の幅dは、d′、絶縁層の厚さ及び角度αから決まるが、1〜40μmが好ましい。また、凹部54の開口部の幅dは10〜25μm、底部の幅d′は5〜20μmであることが特に好ましい。凹部54の中心間隔(ラインピッチ)は50〜2000μmであることが好ましく、特に100〜1000μmであることが好ましい。
本発明におけるめっき用導電性基材の製造方法としては、導電性基材の表面に、導電性基材を露出させている凹部によって幾何学図形が描かれるように絶縁層を形成する工程を含む。
この工程は、(A)導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程、(B)除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、絶縁層を形成する工程及び
(C)絶縁層が付着している凸状のパターンを除去する工程を含む。
上記(A)導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程は、フォトリソグラフ法を利用して、レジストパターンを形成する方法を利用することができる。
この方法(a法)は、
(a−1)導電性基材の上に感光性レジスト層を形成する工程、
(a−2)感光性レジスト層を金属配線層(導体層パターン)に対応したマスクを通して露光する工程及び
(a−3)露光後の感光性レジスト層を現像する工程
を含む。
また、上記(A)導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程は、レーザを利用する方法により行うことができる。この方法(b法)は、
(b−1)導電性基材の上に感光性レジスト層を形成する工程、
(b−2)感光性レジスト層に導体層パターンに対応した部分にマスクをせずレーザー光を照射する工程及び
(b−3)レーザー光を照射後の感光性レジスト層を現像する工程を含む。
感光性レジストとしては、よく知られたネガ型レジスト(光が照射された部分が硬化する)を使用することができる。また、このとき、マスクもネガ型マスク(凹部に対応する部分は光が通過する)が使用される。また、感光性レジストとしてはポジ型レジストを用いることができる。これらの方式に対応して上記a法及びb法における光照射部分が適宜決定される。
具体的方法として、導電性基材上にドライフィルムレジスト(感光性樹脂層)をラミネートし、マスクを装着して露光することにより、凸状パターンとして残存させる部分を硬化状態に不要部を現像可能状態とし、不要部を現像して除去することにより形成することができる。また、凸状パターンは、導電性基材に液状レジストを塗布した後に溶剤を乾燥するかあるいは仮硬化させた後、マスクを装着して露光することにより、凸状パターンとして残存させる部分を硬化状態に不要部を現像可能状態とし、不要部を現像して除去することにより形成することもできる。液状レジストは、スプレー、ディスペンサー、ディッピング、ロール、スピンコート等により塗布できる。
上記において、ドライフィルムレジストをラミネートし、又は液状レジストを塗布した後に、マスクを介して露光する代わりにレーザー光などでマスクを使用せず直接に露光する方法を採用することもできる。光硬化性樹脂にマスクを介して又は介さずして活性エネルギー線を照射することでパターニングできればその態様は問わない。
導電性基材のサイズが大きい場合などはドライフィルムレジストを用いる方法が生産性の観点からは好ましく、導電性基材がめっきドラムなどの場合は、ドライフィルムレジストをラミネートし、又は液状レジストを塗布した後にマスクを介さずにレーザー光などで直接に露光する方法が好ましい。
前記において、感光性レジストの代わりに熱硬化性樹脂を用い、レーザー光の照射により熱硬化性樹脂の不要部を除去する方法によっても行うことができる。
印刷法を用いてレジストパターン(凸状パターン)を形成することができるが、この場合には、レジストパターンの印刷方法としては様々な方法を用いることができる。例えば、スクリーン印刷、凸版印刷、凸版オフセット印刷、凸版反転オフセット印刷、凹版印刷、凹版オフセット印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷などを用いることができる。レジストとしては光硬化性又は熱硬化性の樹脂が使用できる。印刷後、光照射又は熱によりレジストを硬化させる。
本発明におけるめっき用導電性基材の製造方法の一例を図面を用いて説明する。
図12は、めっき用導電性基材の製造方法を示す工程の一例を断面図で示したものである。
導電性基材52の上に感光性レジスト層(感光性樹脂層)55形成されている(図12(a))。この積層物の感光性レジスト層(感光性樹脂層)55に対し、フォトリソグラフ法を適用して感光性レジスト層55をパターン化する(図12(b))。パターン化は、パターンが形成されたフォトマスクを感光性レジスト層55の上に載置し、露光した後、現像して感光性レジスト層55の不要部を除去して突起部56を残すことにより行われる。突起部56の形状とそれからなる凸状パターンは、導電性基材52上の凹部54とそのパターンに対応するよう考慮される。
この時、突起部56の断面形状において、その側面は、導電性基材に対して垂直であること、又は、突起部6が導電性基材52に接する端部に対して、突起部56の側面上方の少なくとも一部がその端部に覆い被さるような位置にあることが好ましい。突起部56の幅で言う場合は、凸状パターン幅の最大値dは、凸状パターンと導電性基材52に接する幅dと等しいか大きくすることが好ましい。これは、形成される密着性のよい絶縁層の凹部幅はdによって決定されるからである。ここで、突起部56の断面形状で、突起部56の幅の最大値dが突起部6と導電性基材2に接する幅dと等しいか大きくする方法としては、突起部6の現像時にオーバ現像するか、形状がアンダーカットとなる特性を有するレジストを使用すれば良い。dは凸部の上部で実現されていることが好ましい。
除去可能な凸部のパターンを形成する突起部56の形状は、凹部の形状に対応づけられるが、その作製の容易性から、最大幅1μm以上、間隔が1μm以上、高さが1〜50μmであることが好ましい。めっき用導電性基材を、光透過性電磁波遮蔽部材用の導体層パターンを作製するために使用するときは、突起部6は、最大幅1〜40μm、間隔が50〜1000μm及び高さ1〜30μmであることがそれぞれ好ましい。特に最大幅3〜10μm、間隔が100〜400μmであることが好ましい。また、めっき用導電性基材を、穴明き金属箔を作製するために使用するときは、前記したような絶縁層53が形成されるように、平面形状が適宜の大きさの円形又は矩形である突起部を適当な間隔に配置する。
前記した(B)除去可能な凸状パターンが形成されている導電性基材の表面に、絶縁層を形成する工程について、説明する。
突起部56からなる凸状パターンを有する導電性基材52の表面に絶縁層57を形成する(図3(c))。
絶縁層としてDLC薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク放電法、イオン化蒸着法等の物理気相成長法、プラズマCVD法等の化学気相成長法等のドライコーティング法を採用し得るが、成膜温度が室温から制御できる高周波やパルス放電を利用するプラズマCVD法が特に好ましい。
上記DLC薄膜をプラズマCVD法で形成するために、原料となる炭素源として炭化水素系のガスが好んで用いられる。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン系ガス類、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン系ガス類、ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類、アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系ガス類、ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香族炭化水素系ガス類、シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系ガス類、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン系ガス類、メタノール、エタノール等のアルコール系ガス類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系ガス類、メタナール、エタナール等のアルデヒド系ガス類等が挙げられる。上記
ガスは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。また、元素として炭素と水素を含有する原料ガスとして上記した炭素源と水素ガスとの混合物、上記した炭素源と一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみからなる化合物のガスとの混合物、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみから構成される化合物のガスと水素ガスとの混合物、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の炭素と酸素のみからなる化合物のガスと酸素ガスまたは水蒸気との混合物等が挙げられる。更に、これらの原料ガスには希ガスが含まれていてもよい。希ガスは、周期律表第0属の元素からなるガスであり、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等が挙げられる。これらの希ガスは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
絶縁層は、その全体を、上述した絶縁性のDLC薄膜によって形成してもよいが、当該DLC薄膜の、金属板等の導電性基材に対する密着性を向上させて、絶縁層の耐久性をさらに向上させるためには、この両者の間に、Ti、Cr、W、Siもしくはそれらの窒化物又は炭化物から選ばれる一種以上の成分又はその他よりなる中間層を介挿することが好ましい。
上記SiまたはSiCの薄膜は、例えば、ステンレス鋼などの金属との密着性に優れる上、その上に積層する絶縁性のDLC薄膜との界面においてSiCを形成して、当該DLC薄膜の密着性を向上させる効果を有している。
中間層は、前記したようなドライコーティング法により形成させることができる。
中間層の厚みは、1μm以下であることが好ましく、生産性を考慮すると0.5μm以下であることが更に好ましい。1μm以上コーティングするには、コーティング時間が長くなると共に、コーティング膜の内部応力が大きくなるため適さない。
絶縁層をAl、SiOのような無機材料で形成する場合にも、スパッタリング法、イオンプレーティング法といった物理的気相成長法やプラズマCVDといった化学気相成長法を用いることができる。例えばスパッタリング法で形成する場合には、ターゲットをSiまたはAlにして反応性ガスとして酸素、窒素などの導入することでSiO、Siなどの酸化物、窒化物を成膜することができる。また、イオンプレーティング
法を用いる場合にはSiやAlを原料とし、電子ビームをこれらに照射することで蒸発させ、基板に成膜することができる。その際に、酸素、窒素、アセチレンといった反応性ガスを導入することで酸化物、窒化物、炭化物を成膜することができる。
また、CVD法で成膜する場合には金属塩化物、金属水素化物、有機金属化合物などのような化合物ガスを原料とし、それらの化学反応を利用して成膜することでできる。酸化シリコンのCVDは、例えばTEOS、オゾンを用いたプラズマCVDで行える。窒化シリコンのCVDは、例えばアンモニアとシランを用いたプラズマCVDで行える。
次に、前記した(C)絶縁層が付着している凸状パターンを除去する工程について説明する。絶縁層57が付いている状態(図12(c)参照)で、突起部56からなる凸状パターンを除去する(図12(d)参照)。
絶縁層の付着しているレジストの除去には、市販のレジスト剥離液や無機、有機アルカリ、有機溶剤などを用いることができる。また、パターンを形成するのに使用したレジストに対応する専用の剥離液があれば、それを用いることもできる。
剥離の方法としては、例えば薬液に浸漬することでレジストを膨潤、破壊あるいは溶解させた後これを除去することが可能である。液をレジストに十分含浸させるために超音波、加熱、撹拌等の手法を併用しても良い。また、剥離を促進するためにシャワー、噴流等で液をあてることもできるし、柔らかい布や綿棒などでこすることもできる。
また、絶縁層の耐熱が十分高い場合には高温で焼成してレジストを炭化させて除去することもできるし、レーザーを照射して焼き飛ばす、といった方法も利用できる。
剥離液としては、例えば、3%NaOH溶液を用い、剥離法としてシャワーや浸漬が適用できる。
導電性基材52上に形成される絶縁層と、突起部56の側面に形成される絶縁層とでは、性質又は特性が異なるようにする。すなわち、硬度が、前者の方が後者より大きい。DLC膜をプラズマCVD法で形成するときは、このようになる。一般に絶縁膜を形成するときに、絶縁材料の移動速度が例えば90度の角度で異なるような場合に、上記のように形成される膜の性質又は特性が異なるようになる。
導電性基材に形成される絶縁層と凸状パターンの側面に形成される絶縁層との境界面の凸状パターンの側面(基材に対して垂直面として)からの距離が、凸状パターンの立位方向に向かって小さくなっておらず、全体として大きくなっていることが好ましい。
凸状パターンの側面(導電性基材に対して垂直面として)とは、凸状パターンの側面が基材に対して垂直面であれば、その面であるが、凸状パターンの側面が基材側に覆い被さるような場合は、凸状パターンの側面が導電性基材で終わる地点から垂直に立ち上げた垂直面である。
突起部56を除去するとき、絶縁層は、この境界で分離され、その結果、凹部の側面が、傾斜角αを有するようになる。傾斜角αは、角度で30度以上90度未満が好ましく、30度以上80度以下がより好ましく、30度以上60度以下がさらに好ましく、40度以上60度以下が特に好ましく、DLC膜をプラズマCVDで作製する場合、ほぼ40〜60度に制御することが容易になる。すなわち、凹部54は、開口方向に向かって幅広になるように形成される。傾斜角αの制御方法としては、突起部56の高さを調整する方法が好ましい。突起部56の高さが大きくなるほど、傾斜角αを大きく制御しやすくなる。
上記の絶縁層の形成において、導電性基材はレジストの影にならないので、導電性基材上の絶縁層は性質が均一である。これに対し、凸状パターンの側面への絶縁層の形成は、凸状パターンの側面が導電性基材上の膜厚方向に対し角度を有しているため、形成される絶縁層(特にDLC膜)は、導電性基材上の絶縁層と同じ特性(例えば、同じ硬度)の絶縁層が得られない。このような異質な絶縁層の接触面においては、絶縁層の成長に伴い絶縁層の境界面が形成され、しかも、その境界面は絶縁層の成長面であることから、滑らかである。このため、突起部からなる凸状パターンを除去するとき、絶縁層(特にDLC膜)は、この境界で容易に分離される。さらに、この境界面、即ち、凹部側面となる傾斜角αは、導電性基材上の膜厚方向に対し突起部の側面で絶縁層の成長が遅れるため、結果として、境界面の傾斜角は、上記のように制御される。
本発明において導電性基材上に形成された絶縁層の硬度は、10〜40GPaであることが好ましい。硬度が10GPa未満の絶縁層は軟質であり、本導電性基材をめっき用版として用いる際に、繰り返し使用における耐久性が低くなる。硬度が40GPa以上では、導電性基材を折り曲げ等の加工をした際に基材の変形に追随できなくなり、絶縁層にひびや割れが発生しやすくなる。導電性基材上に形成される絶縁層の硬度は、より好ましくは12〜30GPaである。
これに対して、凸部側面に形成される絶縁層の硬度は1〜15GPaであることが好ましい。凸部側面に形成される絶縁層は、少なくとも導電性基材上に形成される絶縁層の硬度よりも低くなるように形成しなければならない。そうすることにより両者間に境界面が形成され、後の絶縁層の付着した突起部からなる凸状パターンを剥離する工程を経た後に、幅広な凹部が形成されることになる。突起部側面に形成される絶縁層の硬度は1〜10GPaであることがより好ましい。
絶縁層の硬度は、ナノインデンテーション法を用いて測定することができる。ナノインデンテーション法とは、先端形状がダイヤモンドチップから成る正三角錐(バーコビッチ型)の圧子を薄膜や材料の表面に押込み、そのときの圧子にかかる荷重と圧子の下の射影面積から硬度を求める。ナノインデンテーション法による測定として、ナノインデンターという装置が市販されている。導電性基材上に形成された膜の硬度はそのまま導電性基材上から圧子を押し込んで測定することができる。また、凸部側面に形成される膜の硬度を測定するためには、導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、断面から凸部側面に形成された絶縁層に圧子を押し込んで測定することができる。通常ナノインデンテーション法では圧子に1〜100mNの微少荷重をかけて硬度測定を行うが、本発明では3mNの荷重で10秒間負荷をかけて測定した値を硬度の値として記載している。
このようにして、めっき用導電性基材1を作製することができる。
図13は、中間層を有するめっき用導電性基材とその前駆体の断面図を示す。
突起部6からなる凸状パターンが形成された導電性基材52の表面に、絶縁層57を形成する前に、中間層58を形成することが好ましい(図13(c′))。中間層としては、前記したものが使用でき、その形成方法も前記したとおりである。中間層58を形成した場合、得られるめっき用導電性基材は、凹部54の底部は、導電性基材52が露出しており、それ以外では、中間層58の上に絶縁層57が形成されている(図13(d′))。また、中間層は、凸状パターン56の形成前に、導電性基材52の表面に形成しても良い。この後、その表面に、前記したように導電性基材を露出させている凹部によって幾何学図形が描かれるように絶縁層を形成する工程を行っても良い。この場合、中間層として、電界めっきが十分可能な程度に導電性のものを使用した場合、凹部の底部はその中間層のままでよいが、十分な導電性を有していない場合は、ドライエッチング等の方法により、凹部の底部の中間層を除去し、導電性基材52を露出させる。
前記金属配線層作製工程において適用されるめっき法は公知の方法を採用することができる。めっき法としては、電解めっき法、無電解めっき法その他のめっき法を適用することができるが、めっき速度や材料コストを考慮すると、電解めっき法が最も好ましい。
電解めっきについてさらに説明する。例えば、電解銅めっきであれば、めっき用の電解浴には硫酸銅浴、ほうふっ化銅浴、ピロリン酸銅浴、または、シアン化銅浴などを用いることができる。このときに、めっき浴中に有機物等による応力緩和剤(光沢剤としての効果も有する)を添加すれば、より電着応力のばらつきを低下させることができることが知られている。また、電解ニッケルめっきであれば、ワット浴、スルファミン酸浴などを使用することができる。これらの浴にニッケル箔の柔軟性を調整するため、必要に応じてサッカリン、パラトルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタリントリスルホン酸ナトリウムのような添加剤、及びその調合剤である市販の添加剤を添加して
もよい。さらに、電解金めっきの場合は、シアン化金カリウムを用いた合金めっきや、クエン酸アンモニウム浴やクエン酸カリウム浴を用いた純金めっきなどが用いられる。合金めっきの場合は、金−銅、金−銀、金−コバルトの2元合金や、金−銅−銀の3元合金が用いられる。他の金属に関しても同様に公知の方法を用いることができる。電界めっき法としては、例えば、「現場技術者のための実用めっき」(日本プレーティング協会編、1986年槇書店発行)第87〜504頁を参照することができる。
めっきによって出現又は析出する金属としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、ニッケル、鉄、クロム等の導電性を有するものが使用されるが、20℃での体積抵抗率(比抵抗)が20μΩ/cm以下の金属を少なくとも1種類以上含むことが望ましい。本発明により得られる構造体を電磁波遮蔽シートとして用いる場合には電磁波を電流としてアースするためにこれを構成する金属は導電性が高い方が電磁波遮蔽性に優れるためである。このような金属としては、銀(1.62μΩ/cm)、銅(1.72μΩ/cm)、金(2.4μΩ/cm)、アルミニウム(2.75μΩ/cm)、タングステン(5.5μΩ/cm)、ニッケル(7.24μΩ/cm)、鉄(9.0μΩ/cm)、クロム(17μΩ/cm、全て20℃での値)などがあるが特にこれらに限定するものではない。できれば体積抵抗率が10μΩ/cmであることがより好ましく、5μΩ/cmであることがさらに好ましい。金属の価格や入手の容易さを考慮すると銅を用いることが最も好ましい。これらの金属は単体で用いてもよく、さらに機能性を付与するために他の金属との合金でも構わないし、金属の酸化物であってもよい。ただし、体積抵抗率が20μΩ/cmである金属が成分として最も多く含まれていることが導電性の観点から好ましい。
前記した導電性基材の凹部にめっきにより形成される金属配線層の厚さ(めっき厚さ)、幅、間隔等の調整は、前記した金属配線層について説明したとおりである。凹部へのめっきの程度は、めっき液の選択、めっき液組成(例えば、光沢剤の選択や使用量)、めっき時間、電流密度等を適宜調整することによって行うことができる。
本発明における金属配線層は、前記しためっき用導電性基材の表面形状に対応した形状となる。その形状及び寸法については前記したとおりである。
析出する金属層の厚さに対して相対的に凹部がより深くなることにより、析出する金属層をより形状的に規正することができるという観点から、めっきにより形成される金属箔の厚さを絶縁層の高さの2倍以下とすることが好ましく、特に1.5倍以下、さらに1.2倍以下とすることが好ましいが、これに制限されるものではない。
めっきの程度を、析出する金属層(金属配線層)が凹部内に存在する程度とすることができる。このような場合であっても、凹部形状が開口方向に幅広であるため、さらには、絶縁層により形成される凹部側面の表面を平滑にできるため、金属箔パターンの剥離時のアンカー効果を小さくできる。また、析出する金属層の幅に対する高さの割合を高くすることが可能となり、透過率をより向上させることができる。
本発明における金属配線層は、前記しためっき用導電性基材の表面形状に対応した形状となる。その形状及び寸法については前記したとおりである。
前記した導体層のL3とT1の関係が式(2)〔より好ましくは式(3)〕の関係になるようにするためには、例えば、めっき液として、硫酸銅浴を使用する場合、次の配合からなるものが好ましい。
硫酸銅(五水和物) 50〜400 g/L(銅分として12〜100 g/L)
硫酸 50〜200 g/L
を含み、必要に応じて、
塩素イオン(塩酸または塩化ナトリウム) 20〜100 mg/L
光沢剤(3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸塩など) 適量
界面活性剤(ポリエチレングリコール類など) 適量
を溶解・配合した水溶液が用いられる。
光沢剤及び界面活性剤に替わる薬剤として
高分子多糖類
低分子膠
を用いても対応可能である。
前記した金属配線層作成工程において、めっき用導電性基材上に作製された金属配線層は、次の転写工程において、基材に転写される。
基材については前記したとおりであるが、転写工程においては、その樹脂層は、粘着性を有しているもの又は粘着性を示すもの(以下、これらを、「粘着剤」という)からなる。この粘着剤には、必要に応じて、架橋剤、硬化剤、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤や粘着付与剤などの添加剤を配合していてもよい。なお、上記「粘着性」とは、「接着性」を包含する。
粘着材層(樹脂層)の厚さは、薄すぎると十分な強度が得られないため、めっきで形成された金属配線層を転写する際に、金属配線層が粘着材層に密着せず、転写不良が発生することがある。したがって、粘着材層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、量産時の転写信頼性を確保するためには3μm以上であることが更に好ましい。また、粘着材層の厚さが厚いと、粘着材層の製造コストが高くなるとともに、ラミネートした際に、粘着材層の変形量が多くなるため、粘着材層の厚みは30μm以下が好ましく、15μm以下がさらに好ましい。
透明基材を、めっき用導電性基材の金属配線層が形成されている面に貼り合わせる際には、粘着剤層の特性に応じて、特に、粘着剤層が適度な流動性又は粘着性を発揮するために、必要ならば加熱される。透明基材を粘着剤層を保持する支持基材を有する場合、支持基材は、このような加熱に際しても形状を維持する程度に十分な耐熱性を有することが好ましい。
上記のめっき用導電性基材を用いた電極基材の作製例を次に示す。
図14は、電極基材の作製例の前半を示す断面図である。また、図15はその後半を示す断面図である。
上記のめっき用導電性基材1上に、前記しためっき工程により、凹部54内にめっきを施し、金属配線層59を形成する(図14(e))。ついで、別個に準備された転写用基材である透明基材60、これは、透明な支持基材61に粘着剤層62が積層されている。金属配線層(導体層パターン)58が形成されためっき用導電性基材51に透明基材60を粘着剤層62を向けて圧着する準備を行う(図14(f))。
ついで、導体層パターンが形成されためっき用導電性基材51に透明基材60を粘着剤層62を向けて圧着する(図15(g))。このとき、粘着剤層62が絶縁層57に接触してもよい。
ついで、支持基材60を引きはがすと金属配線層59は、その粘着剤層62に接着してめっき用導電性基材51の凹部54から剥離され、この結果、金属配線層付き基材63が得られる(図15(h))。
図16は、めっき用導電性基材の凹部内にめっきにより金属配線層59を形成した状態を示す断面図、図17は、その凹部内の金属配線層59を転写して得られた金属配線層付き基材63の断面図を示す。
めっき用導電性基材にめっきした際、めっきは等方的に生長するため、導電性基材の露出部分から始まっためっきの析出は、それが進むと凹部からあふれて絶縁層に覆い被さるように突出して析出する。透明基材への貼着の観点から、突出するようにめっきを析出させることが好ましい。しかし、このとき、めっきの析出を凹部54内に収まる程度に施しても良い。この状態を図16に示す。この場合でも、図17に示すように、透明基材を圧着することにより、金属配線層59を粘着剤層62に転着して、めっき用導電性基材51から金属配線層59を剥離して、金属配線層付き基材63を作製することができる。
図15(h)又は図16で得られた金属配線層付き基材63の別の基材61を他の基材に交換してもよい。このときには、金属配線層付き基材63の金属配線層が存在する面にフィルムその他の剥離可能な基材を貼り付け、その面を保護することが好ましい。このとき、粘着剤層62の粘着性は適宜調整される。交換される基材としては、初期の別の基材61としては、プラスチックフィルムを使用することが、ロールトゥロール方式を利用することができるなどの理由により金属配線層付き基材63の製造上好ましく、作製された金属配線層付き基材63のプラスチックフィルムを適宜ガラス板、プラスチック板等に使用目的に応じて交換して使用に供すことができる。また、交換される新しい基材を貼り合わせるに際して別個の粘着剤を介して行っても良い。このような支持基材の交換は、金属配線層付き基材63を太陽電池の要素に貼り合わせるなどして太陽電池に組み込んだ後に行うこともできる。また、図15(h)又は図16で得られた金属配線層付き基材63において別の基材61を剥離したものを新たに金属配線層付き基材としてもよい。別の基材61の剥離は、太陽電池に組み込んだ後で行ってもよい。
本発明により得られる金属配線層付き基材の金属配線層を黒化処理して、黒化処理された金属配線層を有する金属配線層付き基材とすることができる。このためには、上記図14(h)又は図16に示すような金属配線層付き基材63又はこれらの金属配線層付き基材で金属配線層の埋設厚さを調整したものの金属配線層59を黒化処理する方法、導電性基材52の凹部54に形成された金属配線層59をそれが剥離・転写される前に黒化処理する方法及びこれらの両方の黒化処理を行う方法がある。
上記の黒化処理の方法は、金属パターンに黒色層を形成する手法であるが、このためには、金属層にめっきや酸化処理、印刷などの様々な手法を用いることができる。
また、本発明で用いられるめっき用導電性基材として、回転体(ロール)を用いることができることは前記したが、さらに、この詳細を説明する。回転体(ロール)は金属製が好ましい。さらに、回転体としてはドラム式電解析出法に用いるドラム電極などを用いることが好ましい。ドラム電極の表面を形成する物質としては上述のようにステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料などのめっき付着性が比較的低い材料を用いることが好ましい。導電性基材として回転体を用いることにより連続的に作製して巻物として金属配線層付き基材を得ることが可能となるため、この場合、生産性が飛躍的に大きくなる。
回転体を用いて、電界めっきにより形成されたパターンを連続的に剥離しながら、構造体を巻物として得る工程を、図18を用いて説明する。図18は、導電性基材としてドラム電極を用いた場合に、ドラム電極を回転させつつ、金属を電界めっきにより連続的に析出させ、また、析出した金属を連続的に剥離する装置の概念を示す断面図(一部正面図)である。
すなわち、電解浴100内の電解液101が陽極102とドラム電極などの回転体103の間のスペースに配管104とポンプ105により供給されるようになっている。陽極102と回転体103の間に電圧をかけ、回転体103を一定速度で回転させると、回転体103の表面に金属が電解析出し、電解液101の外で、回転体103表面の導電性の凹部に析出した金属配線層106に、粘着材層を積層した可撓性で透明な支持基材(例えば、フィルム)である透明基材107の粘着材層を圧着ロール108で圧着し、連続的に回転体103から金属配線層106を剥離しつつ粘着層を形成した支持基材107にその金属配線層106を転写し、金属配線層付き基材109とする。これはロール(図示せず)に巻き取ることができる。このようにして金属配線層付き基材109を製造することができる。なお、上記の回転体103の表面には、凹部とそれにより描かれている幾何学図形状の絶縁層が形成されている。また、回転中の回転体103から、凹部に析出した金属配線層106が剥離させられた後で、電解液101に浸かる前に、回転体103表面をエッチング洗浄したり(図示せず)してもよい。なお、図示していないが陽極102の上端には高速で循環している電解液が上方へ噴出するのを防ぐために水切りロールを設置しても良く、水切りロールによってせき止められた電解液は陽極102の外部から下の電解液の浴槽へと戻り、ポンプにより循環される。また、図示しないがこの循環の間に消費された銅イオン源や添加剤等を必要に応じて追加する態様を加えることが好ましい。
さらに、本発明で用いられるめっき用導電性基材として、フープ状のめっき用導電性基材を用いることができることは前記したが、さらに、この詳細を説明する。
フープ状のめっき用導電性基材は、帯状の導電性基材の表面に絶縁層と凹部を形成した後、端部をつなぎ合わせるなどして作製できる。導電性基材の表面を形成する物質としては上述のようにステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料などのめっき付着性が比較的小さい材料を用いることが好ましい。フープ状の導電性基材を用いた場合には、黒化処理、防錆処理、転写等の工程を、1つの連続した工程で処理可能となるため導電性パターン付き基材の生産性が高く、また、導電性パターン付き基材を連続的に作製して巻物として製品とすることができる。フープ状の導電性基材の厚さは適宜決定すればよいが、100〜1000μmであることが好ましい。
フープ状の導電性基材を用いて、電界めっきにより形成された金属配線層を連続的に剥離しながら、構造体を巻物として得る工程を、図19を用いて説明する。図19は、導電性基材としてフープ状導電性基材を用いた場合に、連続的に金属配線層を電界めっきにより析出させながら剥離する装置の概念図である。
フープ状の導電性基材110を、搬送ロール111〜128を用い、前処理槽129、めっき槽130、水洗槽131、黒化処理槽132、水洗槽133、防錆処理槽134、水洗槽135を順次とおり、周回運動するように設置する。前処理槽129で導電性基材110の脱脂もしくは酸処理等の前処理を行う。その後、めっき槽130で、導電性基材110上に金属を析出させる。この後に、水洗槽131、黒化処理槽132、水洗槽133、防錆処理槽134、水洗槽135を順次通して、それぞれで、導電性基材110上に析出した金属の表面を黒化し、さらに防錆処理する。各処理工程後にある水洗槽は、1槽しか図示していないが、必要に応じて複数の槽を用いたり、各処理工程の前に他の前処理槽等があってもよい。次いで、接着層(樹脂層)を積層した可撓性で透明は支持基材(例えば、プラスチックフィルム)である透明基材136を導電性基材110の導電性の凹部に析出した金属配線層が転写されるように搬送ロール128上の導電性基材110と圧着ロール137の間を通し、上記金属配線層を透明基材136に転写して、金属配線層付き基材138を連続的に製造することができる。得られる金属配線層付き基材138は、ロール状に巻き取ることができる。必要に応じて、圧着ロール137を加熱することもできるし、図示はしないが、透明基材136を、圧着ロールを通過させる前にプレヒート槽を通して予備加熱してもよい。また、金属配線層が転写された透明基材の巻取りには、必要に応じて、離型PET等を挿入してもよい。さらに、金属が転写された後、フープ状導電性基材は、上記の工程を繰り返すこととなる。このようにして、連続的に、高い生産性で金属配線層付き基材を製造することができる。
また、本発明における金属配線層付き基材は、上記のような回転ロールやフープを利用した連続的なめっき方法に限らず枚葉で作製することも可能である。枚葉で行った場合、めっき用導電性基材の作製時の取扱が容易であり、同一のめっき用導電性基材を繰り返し使用した後に一箇所だけ絶縁層が剥離した、といった場合でもドラム状やフープ状の基材であると特定部分だけの抜き取りあるいは交換は困難であるが、枚葉であれば不良が発生しためっき用導電性基材のみを抜き取りあるいは交換することが可能である。このように枚葉で作製することにより、めっき用導電性基材に不具合が発生したときの対応が容易である。枚葉状の導電性基材の厚みは適宜決定すればよいが、めっき槽内で液の攪拌等に左右されない十分な強度を持たせることを考慮すると厚みは20μm以上が好ましい。厚すぎると重量が増え取扱が困難であるため10cm以下の厚みであることが好ましい。
透明基材に転写された金属配線層は、その一部又は上面を露出した状態で全部が透明基材の樹脂層に埋設されていることが好ましい。その態様は前記したとおりであるが、そのために、前記転写工程において、金属配線層を樹脂層に埋設するか又は転写工程の後で金属配線層を樹脂層に埋設する工程を行う。
本発明における金属配線層の樹脂層への埋設方法を記載するが、これに限るものではない。上記の金属配線層付き基材は、樹脂層への埋設状態を調節されて、本発明おける電極基材とされる。
まず、めっき用導電性基材の凹部に析出しためっきを透明基材に転写した直後においては、金属配線層の少なくとも最大幅となる部分以下が既に樹脂層に埋没していてもよいし、埋没していなくてもよい。転写した直後において金属配線層の少なくとも最大幅となる部分以下を既に埋没させるためには、転写時における透明基材の樹脂層の流動性を高くする必要がある。それには、例えば、ラミネート温度を高くする方法、樹脂層の組成として反応性の低分子量物を添加しておく方法、樹脂層として液状樹脂を使用する方法等がある。また、この場合、透明基材がめっき用導電性基材に接触している状態で、樹脂層を硬化反応又は個化させてから、透明基材を剥離することが好ましい。硬化反応は、加熱、紫外線等の活性エネルギー線の照射などによるものであるが、瞬時に硬化させた方が生産性が向上するので、紫外線等の活性エネルギー線の照射による硬化が好ましい。
また、金属配線層を透明基材に転写した直後において、未だ金属配線層の最大幅となる部分が樹脂層に埋没していない場合(全く又はほとんど埋設されていない場合を含む)には、別工程で金属配線層を樹脂層中に少なくとも金属配線層の最大幅となる部分以下を樹脂層に埋没させる必要がある。そのためには、金属配線層を透明基材に転写後、金属配線層の付いている透明基材をロールラミネータやプレスなどで、必要に応じて加熱又は活性エネルギー線を照射しながら、加圧して少なくとも金属配線層の少なくとも最大幅の部分以下を樹脂中に埋没させる。このとき、必要に応じて加熱又はエネルギー線を照射して硬化反応を同時に行ってもよく、加熱は流動性を高めるために行ってもよい。また、この場合、表面を保護したり、加圧工程又は後工程で樹脂を紫外線硬化する場合の酸素遮断を目的に、別途フィルムその他の剥離可能な基材を金属配線層の付いている透明基材の金属配線層の上から積層しても良い。樹脂層に硬化性樹脂を使用した場合は、加圧と同時に硬化させない場合は、上記の加圧後に加熱又は活性エネルギー線を照射するなどして樹脂層を硬化させることが好ましい。
また、樹脂層に硬化性樹脂を用いた場合には、基材を上記の転写に供する前、転写後の埋設工程に供する前に、樹脂層の流動性を調整するために、部分的に硬化反応を行っても良いが、転写前に行うときには、転写に必要な粘着性を損なわない程度に行われる。
基材の樹脂層は、転写の際にめっき用導電性基材の絶縁層に接触するため、樹脂厚が厚くなると密着性が高くなり、引き剥がしが困難になったり、引き剥がし時にハンチングが発生しめっき折れが発生することがあるので、厚さとしては、100μm以下が好ましく、50μm以下がさらに好ましいといえるが、この場合樹脂層が硬化性樹脂であるなら、透明基材を転写に供する前に密着性又は流動性を調整するために部分硬化させてもよい。
また、図8(a)、(b)、図9の(b)、(c)において、金属配線層の上部の台形形状の全部(上面を除く)又はその一部までが樹脂層に覆われれている。これは転写時又は転写後の埋設工程で、加圧して(さらに、必要に応じて加熱して)樹脂を流動させることにより行うことができる。このためには、樹脂が金属配線層の形状に沿って回り込むように流動することが必要である。従って、金属配線層が図6(a)のような形状をしている場合の厚さT、また、金属配線層が図6(b)のような形状をしている場合の上部の厚さT1が厚いと、樹脂の流動量が大きくなるため、完全に被覆することが困難であったり、あるいは、加熱加圧工程の時間が長くなり生産性が低下することがあるが、これを回避するためには、上記のT又はT1は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。また、金属配線層が図6(b)のような形状をしている場合、T1が薄いと、下部の上方に存在する樹脂厚が薄くなり、密着性向上効果が小さくなるため、T1の厚みは1.0μm以上が好ましい。
(パターン仕様1)
以下の仕様で、パターン形成用のネガフィルムを作製した。ライン幅385μm、間隔215μmで、櫛形状のフィンガー電極パターン及び、インターコネクタに接続する部分に相当する部分が幅広に概略T字形状になっているパターンを形成した。
(凸状パターンの形成)
レジストフィルム(フォテックRY3315、15μm厚、日立化成工業株式会社製)を150mm角のステンレス板(SUS316L、#400研磨仕上げ、厚さ500μm、日新製鋼(株)製)の両面に貼り合わせた(図12(a)に対応するが同一ではない)。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、パターン仕様1のネガフィルムを、ステンレス板の片面に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を120mJ/cm照射した。さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上に櫛形形状のフィンガー電極パターン部に相当するライン幅385μm、間隔215μm、の突起部レジスト膜(突起部;高さ15μm)を得た。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている(図12(b)に対応するが同一ではない)。
(絶縁層の形成)
PBII/D装置(TypeIII、株式会社栗田製作所製)によりDLC膜を形成する。チャンバー内にレジスト膜が付いたままのステンレス基板を入れ、チャンバー内を真空状態にした後、アルゴンガスで基板表面のクリーニングを行った。次いで、チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを導入し、膜厚0.1μmとなるように中間層を成膜した。次いで、トルエン、メタン、アセチレンガスを導入し、膜厚が2〜3μmとなるように、中間層の上にDLC層を形成した(図12(c)に対応するが同一ではない)。
(凹部の形成;絶縁層の付着した凸状パターンの除去)
絶縁層が付着したステンレス基板を水酸化ナトリウム水溶液(10%、50℃)に浸漬し、時々揺動を加えながら8時間放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着したDLC膜が剥離してきた。一部剥がれにくい部分があったため、布で軽くこすることにより全面剥離し、めっき用導電性基材を得た(図12(d)に対応するが同一ではない)。
(銅めっき)
さらに、上記で得られためっき用導電性基材のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極として電解銅めっき用の電解浴(硫酸銅(5水塩)250g/L、硫酸70g/L、キューブライトAR(荏原ユージライト株式会社製、添加剤)4ml/Lの水溶液、30℃)中に浸し、両極に電圧をかけて電流密度を10A/dmとして、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ10μmになるまでめっきした。めっき用導電性基材の凹部の中とそれからあふれるようにめっき(金属配線層)が形成された。
(基材の作製)
厚さ100μm、120mm角の支持基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−4100、東洋紡績株式会社製)の表面に粘着剤であるバイロンUR−1400(東洋紡(株)製、熱可塑性樹脂であるポリエステルポリウレタン樹脂がトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒で希釈されている。樹脂のガラス転移点は80℃であった。)を塗布し、100℃乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布して支持基材上に粘着剤層を形成して透明基材を作製した。乾燥条件は100℃10分間であった。
(転写及び埋設)
上記透明基材を、100℃5分間プレヒートしてから、粘着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅めっきを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度150℃、圧力0.5MPa、ラインスピード0.1m/minとした。次いで、めっき用導電性基材に貼り合わせた透明基材を剥離したところ、上記めっき用導電性基材上に析出した銅が透明基材の粘着剤層に転写されていた。さらに、金属配線層を転写した面にE−7002(離型PET、38μm厚、東洋紡(株)製)の離型処理面をロールラミネータを用いて圧着した後、離型PETを剥離して金属配線層付き基材(電極基材)を得た。
得られた金属配線層付き基材(電極基材)を一部分切り取り、その断面を、走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)にとって、観察した。任意に五カ所選択し、金属配線層の断面形状が図6(b)のような形状であった。上部の上底の幅L1は383〜387μm、下底の幅L2は388〜392μm、角度αは45°、最大幅Lは395〜402μm、LとL2の差は6〜10μmで、上部層の厚みT1は2〜3μm、下部層の厚みT2は6〜10μm、全体の厚みは9〜12μm、ラインピッチ200μmの櫛形状のフィンガー電極パターン及び概略T字形状のインターコネクタ部からなる電極基材がえられていることを確認した。また、同時に図9(c)に示すように、金属配線層の全部が、その上面が樹脂層から露出した状態で樹脂層に埋設されていることを確認した。
(導電性接着剤層の形成)
上記で得られた電極基材の金属配線層の面上に、厚みが20μmとなるように、市販の銀ペーストをスクリーン印刷で形成した。銀ペースト部と太陽電池用半導体基板の裏面に形成されているp(正)とn(負)の部分圧着し接続した後、160℃で2時間加熱硬化して、電極基材が接続された半導体基板を得た。櫛形電極部は、樹脂層に埋没されているため、銀ペーストによる半導体基板との接続後、半導体基板と櫛形電極パターンの隙間は無かった。
ついで、ガラス板、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)、上記電極基材が接続された半導体基板(電極基材側がガラス板に向いている)、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)及びフッ素樹脂フィルムテドラー(DUPONT社製、100μm厚)を順に積層させた構成物を、オートクレーブ中、150℃、0.5MPa、30分の条件下に置き、電極基材が接続された半導体基板が封止された太陽電池を得た。
(パターン仕様2)
以下の仕様で、パターン形成用のネガフィルムを作製した。ライン幅330μm、間隔420μmで、櫛形状のフィンガー電極パターン及び、インターコネクタに接続する部分に相当する部分が幅広に概略T字形状になっているパターンを形成した。
(凸状パターンの形成)
レジストフィルム(フォテックRY3525、25μm厚、日立化成工業株式会社製)を150mm角のチタン板(JIS3種、片面バフ研磨仕上げ、厚さ0.5mm、(株)神戸製鋼所製)ステンの両面に貼り合わせた(図12(a)に対応する)。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、パターン仕様2のネガフィルムを、チタン板の片面に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を80mJ/cm照射した。さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅330μm、間隔420μmの突起部レジスト膜(突起部;高さ25μm)を得た。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている(図12(b)に対応する)。
(絶縁層の形成)
PBII/D装置(TypeIII、株式会社栗田製作所製)によりDLC膜を形成した。チャンバー内にレジスト膜が付いたままのステンレス基板を入れ、チャンバー内を真空状態にした後、アルゴンガスで基板表面のクリーニングを行った。次いで、トルエン、メタン、アセチレンガスを導入し、膜厚が3μmとなるように、チタン板の上にDLC層を形成した(図12(c)に対応する)。
(凹部の形成;絶縁層の付着した凸状パターンの除去)
絶縁層が付着したチタン基板を、60℃に加温したレジスト剥離液ソルファインTA−1100(昭和電工(株)製)に浸漬し、時々揺動を加えながら8時間放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着したDLC膜が剥離してきた。一部剥がれにくい部分があったため、布で軽くこすることにより全面剥離し、めっき用導電性基材を得た(図12(d)に対応する)。
(銅めっき)
さらに、上記で得られためっき用導電性基材のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極として電解銅めっき用の電解浴(硫酸銅(5水塩)150g/L、硫酸150g/L、キューブライトAR(荏原ユージライト株式会社製、添加剤)4ml/Lの水溶液、30℃)中に浸し、両極に電圧をかけて電流密度を10A/dmとして、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ20μmになるまでめっきした。めっき用導電性基材の凹部の中とそれからあふれるようにめっき(金属配線層)が形成された。
(透明基材の作製)
(配合組成物1)
2−エチルヘキシルメタクリレート 70重量部
ブチルアクリレート 15重量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量部
アクリル酸 5重量部
アゾビスイソブチロニトリル 0.1重量部
トルエン 60重量部
酢酸エチル 60重量部

温度計、冷却管、窒素導入管を備えた500cm3の三つ口フラスコに、上記した配合組成物1を投入し、穏やかに撹拌しながら、60℃に加熱して重合を開始させ、窒素でバブリングさせながら、60℃で8時間、還流中で攪拌を行い、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を得た。その後、カレンズ MOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート;昭和電工(株)製)5質量部を添加し、穏やかに撹拌しながら50℃で反応させ、側鎖に光重合性官能基を有する反応性ポリマーの溶液1を得た。
得られた反応性ポリマー1は、側鎖にメタクリロイル基を有しており、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は800,000であった。
反応性ポリマーの溶液1を100重量部(固形分)に光重合開始剤として2−メチル−1[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバガイギー(株))を1重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名コロネートL−38ET、日本ポリウレタン(株)製)を3重量部、トルエンを50重量部添加し、樹脂組成物1とした。
得られた樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−4100、東洋紡績株式会社製)の表面(易接着処理を施した面)に、100℃乾燥後の膜厚が35μmになるように塗布して、支持基材上にUV硬化性を有する粘着剤層を形成して、透明基材を作製した。乾燥条件は、100℃10分間であった。
(転写及び埋設)
上記透明基材のUV硬化性を有する粘着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅めっきを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード1.0m/minとした。次いで、めっき用導電性基材に貼り合わせた透明基材を剥離したところ、上記めっき用導電性基材上に析出した銅が透明基材に転写されていた。
さらに、上記で得た銅が転写されている透明基材の銅の上から厚さ50μmのカバーフィルム(A−4100、東洋紡績株式会社製)の易接着層とは反対面をロールラミネートで貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度80℃、圧力0.3MPa、ラインスピード0.5m/minとした。この後、導体層パターンが形成された面とは反対の面から、照射量1J/cmとなるように、紫外線を照射した後カバーフィルムを剥離して、金属配線層付き基材(電極基材)を得た。
得られた金属配線層付き基材(電極基材)を一部分切り取り、その断面を、走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)にとって、観察した。任意に五カ所選択し、導体層パターンの断面形状が図6(b)のような形状であった。上部の上底の幅L1は328〜333μm、下底の幅L2は333〜338μm、角度αは45°、最大幅Lは349〜357μm、LとL2の差は16〜21μmで、上部層の厚みT1は2〜3μm、下部層の厚みT2は16〜21μm、全体の厚みは18〜23μm、ラインピッチ200μmの櫛形状のフィンガー電極パターン及び概略T字形状のインターコネクタ部からなる電極基材がえられていることを確認した。また、同時に図9(c)に示すように、金属配線層の全部が、その上面が樹脂層から露出した状態で樹脂層に埋設されていることを確認した。
(導電性接着剤の形成)
上記で得られた電極基材の金属配線層の面上に、厚みが20μmとなるように、市販の銀ペーストをスクリーン印刷で形成した。銀ペースト部と太陽電池用半導体基板の裏面に形成されているp(正)とn(負)の部分圧着し接続した後、160℃で2時間加熱硬化して、電極基材が接続された半導体基板を得た。櫛形電極部は、樹脂層に埋没されているため、銀ペーストによる太陽電池用半導体基板との接続後、半導体基板と櫛形電極パターンの間に隙間はなかった。
ついで、ガラス板、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)、上記電極基材が接続された半導体基板(電極基材側がガラス板に向いている)、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)及びフッ素樹脂フィルムテドラー(DUPONT社製、100μm厚)を順に積層させた構成物を、オートクレーブ中、150℃、0.5MPa、30分の条件下に置き、電極基材が接続された半導体基板が封止された太陽電池を得た。
得られた構成物を裏面のガラス板側から肉眼観察してみたところ、気泡等の巻き込みはほとんどなく、電極基材と半導体基板は良好に密着していた。
実施例1において、透明PETの代わりに白色PET(製品名dyMat PYE 、COVEME社製)を使用し、転写用樹脂のバイロンUR−1400(東洋紡(株)製)の乾燥塗布厚を40μm、めっき厚をほぼ20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして金属配線層付き基材(電極基材)を作製した。
金属配線層付き基材(電極基材)を一部分切り取り、その断面を、走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)にとって、観察した。任意に五カ所選択し、導体層パターンの断面形状が図6(b)のような形状であった。上部の上底の幅L1は383〜388μm、下底の幅L2は387〜392μm、角度αは45°、最大幅Lは403〜410μm、LとL2の差は16〜21μmで、上部層の厚みT1は2〜3μm、下部層の厚みT2は16〜21μm、全体の厚みは18〜23μm、ラインピッチ200μmの櫛形状のフィンガー電極パターン及び概略T字形状のインターコネクタ部からなる電極基材がえられていることを確認した。また、同時に図9(c)に示すように、金属配線層の全部が、その上面が樹脂層から露出した状態で樹脂層に埋設されていることを確認した。
さらに、実施例1と同様に、電極基材の金属配線層の面上に銀ペーストをスクリーン印刷で形成し、櫛形電極パターンと太陽電池用半導体基板を接続して、電極基材を接続した半導体基板を得た。櫛形電極部は、樹脂層に埋没されているため、銀ペーストによる半導体基板との接続後、半導体基板と櫛形電極パターンの間に隙間はなかった。
さらに、ガラス板、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)及び上記で作製した電極基材を接続した半導体基板(電極基材側をEVAシートに向ける)を順に積層させた構成物を、オートクレーブ中、150℃、0.5MPa、30分の条件下に置き、電極基材を接続した半導体基板を封止して、太陽電池を得た。
ガラス板側から観察したところ、泡等の巻き込みは観察されなかった。また白色PETを使うことにより、太陽電池全体の反射特性が明らかに向上していた。
実施例3において、透明PETの代わりに防湿処理PET(製品名dyMat PYE 、COVEME社製)を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、金属配線層付き基材(電極基材)、電極基材が接続された半導体基板及びこれを含む構成物を作製した。
金属配線層付き基材(電極基材)の金属配線層の樹脂層への埋設状態は実施例3におけるのと同様であった。また、得られた構成物に気泡等の巻き込みは観察されなかった。また防湿処理PETを使うことにより、加熱・加湿試験(85℃85%500時間)後でも電極基材と半導体基板は良好に密着していた。
実施例2にける透明基材の作製において、樹脂組成物1の塗布面を、100μm厚の透明PET(A−4100、東洋紡(株)製)の易接着処理を施した面とは反対の面としたこと以外は実施例2と同様にして透明基材を得た。
この透明基材を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、金属配線層付き基材(電極基材)及び電極基材が接続された半導体基板を作製した。
PETフィルムの易接着処理を施した面とは反対の面は、密着性が低いため、上記で得られた電極基材が接続された半導体基板の電極基材から支持基材であるPETフィルムのみ剥離除去することができた。
次いで、ガラス板、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)、電極基材が接続された半導体基板からPETフィルムを剥離しもの(電極基材側をガラス板に向ける)、シート状のEVAフィルム(0.5mm厚)及びフッ素樹脂フィルムテドラー(DUPONT社製、100μm厚)を順に積層した構成物を、オートクレーブ中、150℃、0.5MPa、30分の条件下におき、電極基材が接続された半導体基板を封止して、太陽電池を得た。
得られた太陽電池をガラス側から肉眼観察してみたところ、気泡等の巻き込みはほとんどなく、電極基材と半導体基板は良好に密着していた。
1:電極基材
2:樹脂層
3,4:金属配線層
5:インターコネクターのための配線
10:シリコン基板 11:パッシベーション層
12:p拡散層
13:n拡散層
14、15:電極導体層
16:アモルファスシリコン層
17:n型層
18:p型層
19:表面取出電極
20:裏面取出電極
21:反射防止層
30:金属配線層
31:上部
32:下部
33:肩部
34:樹脂層
51:めっき用導電性基材
52:導電性基材
53:絶縁層
54:凹部
55:感光性レジスト層(感光性樹脂層)
56:突起部
57:DLC膜
58:中間層
59:金属配線層
60:転写用基材
61:別の基材
62:粘着剤層
63:他の基材
64:保護樹脂
65:粘着剤
66:他の基材
67:接着剤又は粘着剤
68:保護フィルム
100:電解浴
101:電解液
102:陽極
103:回転体
104:配管
105:ポンプ
106:金属
107:透明基材
108:圧着ロール
109:金属配線層付き基材
110:フープ状の導電性基材
111〜128:搬送ロール
129:前処理槽
130:めっき槽(電解浴槽)
131:水洗槽
132:黒化処理槽
133:水洗槽
134:防錆処理槽
135:水洗槽
136:透明基材
137:圧着ロール
138:金属配線層付き基材

Claims (8)

  1. 樹脂層及び、集電電極又はインターコネクターのための金属配線層を有する電極基材であって、金属配線層は、断面形状が台形形状であるもの又は断面形状が台形形状の上部を有するものであって、少なくとも、上記金属配線層の最大幅となる部分が、上記樹脂層に埋没している太陽電池用電極基材。
  2. 太陽電池の取出電極のそれぞれに対応するその金属配線層上に、取出電極を接続するための導電性を有する接続部材層が形成されている請求項1に記載の太陽電池用電極基材。
  3. 金属配線層がp(正)とn(負)の取出電極パターンのそれぞれに対応する金属配線層である請求項1又は2のいずれかに記載の太陽電池用電極基材。
  4. p(正)とn(負)の電極を有する基板の複数を相互に直列接続するためのインターコネクト部を有する請求項1又は2のいずれかに記載の太陽電池用電極基材。
  5. 樹脂層及び金属配線層を有する電極基材であって、金属配線層は、断面形状が台形形状であるもの又は断面形状が台形形状の上部を有するものであって、少なくとも、上記金属配線の最大幅となる部分が、上記樹脂層に埋没している、半導体基板の裏面上にp(正)とn(負)の電極が形成される裏面電極型の太陽電池用電極基材。
  6. 金属配線層が、p(正)とn(負)のフィンガー電極パターンのそれぞれに対応する複数の概略長方形形状を有するパターン状に形成されており、その金属配線層上に、金属配線層と半導体基板の裏面に形成されたp(正)部とn(負)部を接続するための導電性を有する接着剤層が形成されている請求項5に記載の裏面電極型の太陽電池用電極基材。
  7. 金属配線層が、p(正)とn(負)の電極を有する前記基板の複数を相互に直列接続するためのインターコネクト部を有する請求項5又は6に記載の裏面電極型太陽電池用の電極基材。
  8. 上記金属配線層を形成する形態において、(A)導電性基材の表面に絶縁層が形成されており、その絶縁層に開口方向に向かって幅広となった、めっきを形成するための凹部のパターンが形成されているめっき用導電性基材にめっきをする金属配線層作製工程、(B)上記導電性基材の凹部に析出した金属を樹脂層を含む別の基材に転写する転写工程を含み、上記転写工程において又はその後に、少なくとも金属配線層の最大幅となる部分から下の部分を上記樹脂層に埋没させることを特徴とする太陽電池用電極基材の製造方法。
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