JP2010032344A - 高温表面張力測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、炉内の熱対流や温度ムラによって測定結果が不安定になることなく、高精度の測定が行え、操作性が高い高温表面張力測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の高温表面張力測定装置は、坩堝6と、坩堝6内の試料を溶融させる電気炉11と、レバーシブルモータ12と、電気炉11内に吊り下げられかつ試料の溶融面に接触して表面張力を測定するリング状測定子5と、リング状測定子5が接触した状態から坩堝6の位置を降下させてこの降下の間の最大負荷荷重を測定する測定部と、を備え、電気炉11には、第1の発熱要素と第2の発熱要素からなる発熱体10が坩堝の周囲に複数設けられ、第1の発熱要素が坩堝の周囲に規則的な間隔でかつ溶融面と垂直に配列される一方、第2の発熱要素は坩堝の高さで水平方向に配置され、発熱体10によって溶融した試料の溶融面から所定の深さの範囲に均熱帯を形成したことを主要な特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、1000Kを越える超高温下で、溶融したガラス等の試料の表面張力を高精度で測定する高温表面張力測定装置に関する。
溶融したガラス(以下、ガラスの融体、溶融液ともいう)の表面張力は、融体中の気泡、液滴、また未融解固形物質等の浮遊状態などに関係することが知られている。このため表面張力は均質なガラスを製造する上できわめて重要なパラメータの1つになっている。そして、ディスプレイ基板用ガラスなどをはじめ、高品質を要求されるニューガラスの溶融温度は1773K以上のものが多いため、近年正確な表面張力を高温域まで集積する必要が生じている。また、溶融プロセスの可視化や最適化を図るために行うシミュレーションにも精度のよい表面張力が必要となる。
従来、ガラス等の融体の表面張力測定法として、(1)リング引き上げ法、(2)最大泡圧法、(3)静滴法、(4)懸滴法、(5)液滴法などが利用されている。(1)のリング引き上げ法は、ガラス融体表面に対して平行に接触するリングを引き上げた際にリングに働く最大負荷荷重を測定して表面張力を求める。また、(2)の最大泡圧法では融体中に細管を垂直に挿入し、管内の圧力を上げて泡を形成する際の最大内部圧力を測定して表面張力を求める。(3)静滴法、(4)懸滴法はそれぞれ基板上および管の先に吊り下がった液滴の形状から表面張力を求める。(5)の液滴法は、垂直な管の下端より落下する液滴の重量から表面張力を求める測定法である。このような方法の中で、(1)のリング引き上げ法が精度の面で最も信頼性が高いと言われている。
そこで、このリング引き上げ法の説明をする(例えば、特許文献1参照)。リング引き上げ法(De Nouy Ring method)では、図7(a)(b)に示すように天秤に吊り下げた吊り線の下端に取り付けたリング状測定子を使用する。リング状測定子はリングと吊り下げ具とから構成される。リング状測定子を融液の表面に接触させた後(図7(a)参照)、吊り線を徐々に引き上げていくと、溶融液の表面張力に起因する荷重がリング状測定子に加わる。荷重は吊り線の引き上げ高さに応じて大きくなっていくが、ある高さで最大値となる。更に吊り線を引き上げると、測定子から溶融液が離れ、溶融液の表面張力に起因した荷重が測定子に加わらなくなる。荷重が最大のとき、リング状測定子は、図7(b)に示すように融液と接触する。リング状測定子と融液との接触角θは、測定子の材質に関係なく常に0度となる。そのため、最大荷重は、測定子のサイズ,表面張力及び溶融液の密度だけで定まる。従って、最大荷重を測定することにより、接触角の影響を受けることなく、表面張力が正確に算出される。
この原理を更に詳しく説明する。リング状測定子を融体試料の表面に接触させた時、表面張力γによって(数1)で与えられる力Fがリング状測定子に加わる(図7(a))。ここで、Wはリング状測定子にかかる負荷荷重、gは重力加速度、Rはリングの平均半径、θはこのときの接触角である。
Figure 2010032344
次にリング状測定子をゆっくり引き上げ、接触角θを0に近づける(図7(b))。その際に測定される最大負荷荷重Wmaxは表面張力γと(数2)の関係を有し、これに基づいて表面張力γを測定することが可能になる。
Figure 2010032344
ところで、本発明者の一人は、図7(a)(b)、図3(a)に示すリング状測定素子を使い、電気炉内に設けた台座に坩堝を載置して、この台座を昇降することにより、1700℃(1973K)クラスの超高温域で表面張力測定を行う高温表面張力測定装置を提案した(非特許文献1参照)。この高温表面張力測定装置は、従来高温域で表面張力を測定する測定装置が存在しない状況下で、超高温域における表面張力測定を可能にする画期的な技術となった。
そして、この発明者はこの高温表面張力測定装置の提案と共に、リング引き上げ法による張力測定においては、融体の密度によって測定値の補正を行うことにより、更に信頼性を上げることができる旨も報告した。
特開平7−257990号公報 「平成12年度新エネルギー・産業技術総合開発機構研究受託成果報告書 新規産業支援型国際標準開発事業 ニューガラス高温物性の評価方法の標準化」平成13年3月、財団法人日本規格協会、社団法人ニューガラスフォーラム、p.48−60
以上説明した非特許文献1の高温表面張力測定装置は、1700℃(1973K)クラスの超高温域での表面張力測定を可能にしたが、電気炉内で熱対流が形成されたり坩堝内で温度ムラが起こり、これに起因して測定結果が常時安定しているとは言えなかった。この高温表面張力測定装置の測定精度を更に向上させ、実用性を向上させるには、非特許文献1の技術を前提にしてこうした点で更なる改良が望まれていた。
とくに、非特許文献1の高温表面張力測定装置の台座を昇降するという着想を活かすためには、電気炉内での温度管理がきわめて重要である。坩堝内に温度差、温度ムラが発生すると測定精度に影響が出る。もし、均熱帯と呼べる領域を坩堝内につくることができれば、測定精度を飛躍的に向上させることができる。
さらに、リング引き上げ法による表面張力測定において、測定結果の補正はきわめて重要な要素である。この補正を行うことで高精度の表面張力の測定結果が期待できる。この補正には融体の密度が必須である。従って、超高温域で信頼性の高い表面張力測定を行うには、表面張力の測定と同時に、その場で融体の密度を正確に測定する必要がある。しかし、従来このような密度測定は行われていない。
そして、密度測定は従来からアルキメデス2球法で行われることが多いが、この方法で密度測定を行おうとすると、2000Kに近い超高温環境では熱対流による上昇気流が激しく、溶融液中に球体を浸漬するのが困難で、吊り下げた球体が振れ、場合によっては坩堝に溶着してしまうことがあり、電子天秤による測定結果にはどうしてもバラツキが混入することが多かった。
また、高温表面張力測定装置の実用性を向上させるためには、電気炉内の可視化、測定装置の操作性が重要である。非特許文献1の高温表面張力測定装置では、ストレインゲージからの出力をデジタルマルチメーターに表示し、記録する方式を採用しているが、今後、超高温下で表面張力を測定する高温表面張力測定装置の操作性をより向上させるためには、電気炉内の可視化は不可欠である。
そこで本発明は、電気炉内での熱対流、坩堝内での温度ムラによって測定結果が不安定になることなく、高精度の測定が行え、操作性が高い高温表面張力測定装置を提供することを目的とする。
本発明の高温表面張力測定装置は、試料を内部に収容する坩堝と、坩堝内の試料を溶融させることができる電気炉と、坩堝を昇降させることができる昇降装置と、電気炉内に吊り下げられかつ試料の溶融面に接触して表面張力を測定するリング状測定子と、リング状測定子が溶融面に接触した状態から坩堝の位置を降下させたときにこの降下の間の最大負荷荷重を測定する測定部と、を備え、電気炉には、第1の発熱要素と第2の発熱要素からなる発熱体が坩堝の周囲に複数設けられ、第1の発熱要素が坩堝の周囲に規則的な間隔でかつ溶融面と垂直方向に配列される一方、第2の発熱要素は坩堝が位置する高さの範囲で周方向に規則的な間隔で配置され、発熱体により試料の溶融面から所定の深さの範囲に均熱帯を形成したことを主要な特徴とする。
本発明の高温表面張力測定装置によれば、電気炉内での熱対流、坩堝内での温度ムラによって測定結果が不安定になることなく、高精度の測定が行え、操作性が高くなる。覗き窓を設ければ電気炉内を可視化することができ、目視できるため更に操作性が上がる。
本発明の第1の形態は、試料を内部に収容する坩堝と、坩堝内の試料を溶融させることができる電気炉と、坩堝を昇降させることができる昇降装置と、電気炉内に吊り下げられかつ試料の溶融面に接触して表面張力を測定するリング状測定子と、リング状測定子が溶融面に接触した状態から坩堝の位置を降下させたときにこの降下の間の最大負荷荷重を測定する測定部と、を備えた高温表面張力測定装置であって、電気炉には、第1の発熱要素と第2の発熱要素からなる発熱体が坩堝の周囲に複数設けられ、第1の発熱要素が坩堝の周囲に規則的な間隔でかつ溶融面と垂直方向に配列される一方、第2の発熱要素は坩堝が位置する高さの範囲で周方向に規則的な間隔で配置され、発熱体により試料の溶融面から所定の深さの範囲に均熱帯を形成したことを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、実用性が高く、電気炉内での熱対流、坩堝内での温度ムラによって測定結果が不安定になることなく、高精度で操作性が高くなる。
本発明の第2の形態は、第1の形態に従属する形態であって、発熱体がU字状で一体の棒状発熱体であって、第1の発熱要素が隣接する平行な一対の棒状発熱体であると共に、第2の発熱要素がこの一対の棒状発熱体を連絡する水平方向に配置された棒状発熱体であることを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、発熱体がU字状の棒状発熱体という簡単な構成を採用するだけで、電気炉内での熱対流、坩堝内での温度ムラで測定結果が不安定になることなく、高精度の測定が行える。
本発明の第3の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、第1の発熱要素が電気炉の上蓋から坩堝の底面近傍の高さまで伸びる一方、第2の発熱要素が平均して坩堝の底面近傍の高さに配置されたことを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、坩堝の底面の位置を目安に簡単に配設でき、電気炉内での熱対流、坩堝内での温度ムラで測定結果が不安定になることなく、高精度の測定が行える。
本発明の第4の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、リング状測定子の吊り下げ部が変形可能な吊り線と接合され、この接合が固定的な継手によって行われていることを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、電気炉内での熱対流によってこの継手部分を中心にリング状測定子が振れて測定結果が不安定になることがない。
本発明の第5の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、既知の2種類の円錐体を溶融された試料に浸漬し、この浮力を測定して溶融された試料の密度を測定する密度測定部が設けられたことを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、補正因子の重要なパラメータである溶融された試料の密度を表面張力の測定と同時に測定することができ、高精度の測定が行える。
本発明の第6の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、測定部として着脱自在な測定ユニットを備え、かつ密度測定時に既知の2種類の円錐体を溶融された試料に浸漬してこの浮力を測定して密度を測定する電子天秤ユニットを備えたことを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、高温表面張力測定装置は、補正因子の重要なパラメータである溶融された試料の密度を表面張力の測定と一貫して測定することが可能で、簡素で安価な装置にすることができ、補正により信頼性の高い測定が行える。
本発明の第7の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、電気炉と測定部の間に冷却板が設けられ、冷却板には測定部へ伝熱される熱を奪うための冷却水を流す水管が螺旋状に配設されたことを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、電気炉内の超高温の環境による熱対流などの測定装置への影響を断つことができる。
本発明の第8の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、電気炉の側面には、坩堝を目視できる覗き窓が設けられたことを特徴とする高温表面張力測定装置である。
この構成によって、覗き窓を通して電気炉内を可視化することができ、目視できるため操作性が上がる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置について説明する。図1は本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の概略図、図2(a)は本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の電気炉の一部破断面図、図2(b)は本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の発熱体の配置説明図、図3(a)は本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置のリング状測定子の斜視図、図3(b)はリング引き上げ法のリングの斜視図、図4はリング引き上げ法のリング状測定子の振れを説明する説明図である。
図1に示す高温表面張力測定装置Aにおいては、表面張力によってリング状測定子5に加わる負荷荷重を例えば±0.5mgの精度で測定するためにストレインゲージ2を使用している。ストレインゲージ2は小型、軽量で負荷荷重を連続的に測定できる。しかし温度による誤差が生じ易く、また試料蒸気の付着の影響を大きく受けるため、水冷キャップ1でこれを保護し、ストレインゲージ2の温度を290K前後に制御するのがよい。測定結果は、ストレインゲージ2からの出力電位を、アンプ14を通して、デジタルレコーダー15に連続的に記録することで行う。なお、このストレインゲージ2、ブリッジボックス13、デジタルレコーダー15が本発明における測定部に相当する。
なお、図1に示すように、水冷キャップ1と共に、あるいはこれに代えて、冷却板17を電気炉11の上部に設けるのがよい。水冷キャップ1と冷却板17を併設したときは水冷キャップ1の温度をより低く設定できる。冷却板17には水冷キャップ1より多量の冷却水を流すことが可能な水管を螺旋状に配管するのがよい。このような構成によって、熱交換が効率的に行え、ストレインゲージ2の温度を200K前後に制御することができ、電気炉11内の熱対流などの測定部への影響をほぼ完全に断つことができる。
表面張力測定用炉としては、二珪化モリブテンの発熱体10を備えた電気炉11を使用するのがよい。表面張力測定のために坩堝台9に固定された下部熱電対8を用い、電気炉11の温度制御には電気炉11の側壁近傍に設置した上部熱電対7を用いる。
リング状測定子5は図3(a)のような形状を備えており、リングの周囲に120°間隔で円錐の母線を形成するような3本の吊り下げ部が設けられている。このリング状測定子5の材質は高温において機械的強度が高い白金・ロジウム(10重量%)・ジルコニア(0.16重量%)の合金で、図3(a)に示すように半径が7.165mm、肉厚が1.00mmφ、高さが20mm程度のサイズのものを使用する。このリング状測定子5を0.2mmφの白金・ロジウム(10重量%)の合金製の吊り線3に取り付け、電気炉11の中心に吊り下げる。さらに、このとき使用する坩堝6は、白金・ロジウム(13重量%)製の容器が好適で、安定した測定のためには内径50mmφ以上であることが望ましい。なお、後述するように坩堝6の材質を変更して可視化することもできる。
リング状測定子5の吊り下げ部は、白金・ロジウム製の変形可能な吊り線3と接合される。この両者の接合は緊締や溶接などを使った固定的な継手部分3a(言い換えれば固着部)で行われる。このように固定的な接合をすることにより、電気炉11内の熱対流によってこの継手部分3aを中心に自由度をもって振れたりすることはなく、測定結果が不安定になるのを避けることができる。
従来のリング引き上げ法のリング状測定子5は図3(b)に示すように吊り線3の先端のフックに引っ掛けられて支持される。このようにフックに引っ掛ける方法を使うのではフックの位置を中心にリング状測定子5が回転方向に自由度をもち、揺れが大きくなる。しかし、吊り線3の先端をリング状測定子5に物理的に接合(固着)すると、接合された所定の幅で変形が封じられ、リング状測定子5の振動を抑制できる。簡単な構造でありながら、超高温下での表面張力測定を高精度で行うことを可能にする。
ガラス融体などの表面張力を測定する場合、1773Kを越える高温領域で測定を行うことが多い。このため高温の環境では様々の問題が生じる。まず、表面張力に及ぼす上昇気流の問題がある。実施の形態1のリング引き上げ法では、リング状測定子5にかかる負荷荷重を電気炉11の上部に設置したストレインゲージ2で検出する。従って、電気炉11を密閉することはできない。このため電気炉11内が高温であればあるほど、炉外との温度差は大きくなり、上昇気流が増大する。この上昇気流への対策として、電気炉11の開口部を例えば30mmφ、炉心から開口部までの距離を250mmと細長くすることで、上昇気流を整流、低減することができる。また、吊り線3を細くすることで上昇気流に対する抵抗を減少させ、リング状測定子5の振動を抑制する。ただ、この吊り線3の太さには後述するように総合的にみて好適な範囲がある。
そして、高温領域で試料を長時間溶融させた場合は、この試料の融体から発生する揮発物による影響が無視できない。融体試料より発生した揮発物は、上昇気流とともに電気炉11の上部へ向かい、その後温度の低い電気炉11の開口部付近でリング状測定子5の吊り線3に付着する。この付着を低減するためには、吊り線3に細線を用いるのが最も効果的である。
しかし、最大負荷荷重Wmaxを測定する際に、リングには3×10−3N程度の負荷荷重がかかる。従って、吊り線3があまりに細いと高温領域では吊り線3が伸長し断線する可能性がある。こうした観点から所定の範囲の直径の吊り線3を使用するのが好ましい。
上昇気流に対する抵抗、振動を減少させ、付着量を抑え、さらに断線が起き難くするには、吊り線3の直径を0.2mmφにし、かつ吊り線3の材質として白金・ロジウムを採用するのがよい。この吊り線3によれば、高温下で白金よりも機械的強度が優れている上に、揮発物に含まれる腐食性の高いSbなどに対して白金よりも耐性がある。白金・ロジウム以外の吊り線3の場合は、材料ごとに0.2mmφを中心に直径を増減すればよい。
なお、溶融時に酸化などが進まないように、電気炉11の内部をアルゴン、窒素ガス等の、不活性ガス雰囲気にするための密封容器16を設けてもよい。この場合も密封容器16には開口部が必要で、この開口部に吊り線3が挿通される。
さて、2000Kに近い高温の環境では、上昇気流が激しく、リング状測定子5が大きく振れ、これを引き上げて負荷荷重を測定することは難しくなる。そこで、本発明の実施の形態1においては、リング状測定子5を実際に引き上げるのではなく、リング状測定子5の方を固定し、試料の融体を入れた白金・ロジウム(13重量%)製の坩堝6を坩堝台9の上に載せて、リング状測定子5が溶融面に接触した状態からこれを降下させることで、相対的にリング状測定子5を引き上げる構成にしている。これにより、超高温の環境でも安定したリング状測定子5の引き上げ速度を得ることができる。
実施の形態1では、変速可能なレバーシブルモータ12(本発明の昇降装置)を設けて坩堝台9(台座)を昇降させる。坩堝台9を1.2mm/min〜12.0mm/minの速度で昇降させる。なお、坩堝台9の中央に坩堝6を配設する。
ところで、リング状測定子5を引き上げるのではなく、坩堝台9の方を降下させて表面張力を測定する場合、坩堝6が移動しても温度環境が変化しないようにする必要がある。少なくとも坩堝6の所定の高さの範囲では温度ムラが生じないように均熱帯を形成しなければならない。実施の形態1においてはリング状測定子5と融体接触する位置から下方30mmまでの範囲において少なくとも±1K内となる均熱帯(図1,2参照)を形成している。できればこの均熱帯は広い範囲に形成できればよく、温度ムラをできる限り小さくする。このような均熱帯が設けられている場合には、坩堝台9を降下させても正確に表面張力を測定することができる。
このため、実施の形態1においては、同一の形状の発熱体10を坩堝6の周囲に複数個並べて配列し、坩堝6の側面に関して周方向全体が均等な温度分布となるように加熱している。しかも、上下方向(垂直方向)にもほぼ一定の温度分布となるように加熱を行っている。
すなわち、図2(a)(b)に示すように、各発熱体10にはそれぞれU字状の形状を与え、両端部10cを電気炉11のセラミックなどの上蓋4に電気的に絶縁して固定する。上蓋4から突出した両端部10cはそれぞれ電極を介して外部の電源と接続され、これに通電することで発熱体10が発熱し、加熱が行われる。
図2(b)のU字の形状の平行な2本の垂直棒状部分10a(本発明の第1の発熱要素)は、同一の形状(太さと長さ)を有し、坩堝6の周囲で規則的な配置になるように、かつ、融液面と垂直方向になるように配置される。すなわち各発熱体10はU字状の中央(平行な2本の垂直棒状部分10aの中間の線)が坩堝6の周囲で等間隔p、また坩堝6から同様の距離関係に配置される。これにより、坩堝6の側面を周方向全周にわたってほぼ均等に加熱することができる。坩堝6の周方向に温度差が形成されることはない。また、上蓋4から下方向に所定長さ伸びた発熱体10から輻射された熱は、坩堝6の高さにあまり関係なくほぼ均等に坩堝6を加熱する。そして、垂直棒状部分10aの長さに関しては、溶融面を基準に均熱帯の幅をsとしたとき、図2に示すように幅sと等しいか、幅sの近傍値であるs1の下端の深さまで垂直棒状部分10aを下方に伸ばすのがよい。そしてs1がsより大きすぎても加熱の効果はいわば飽和するため、費用を考慮し、s1は坩堝6の底面近傍の高さまでの長さとするのがよい。
しかし、垂直棒状部分10aが存在しない高さになると、この近くの坩堝6を上部と同等に加熱できない。坩堝6の底側では坩堝台9への熱伝導により熱が奪われ、また、側面では輻射熱の熱伝導により加熱されるため、坩堝6内の融体には図2に示すような対流Tが発生する。坩堝6の側面で加熱された融体は上昇し、その後降下して循環し、坩堝6の下方は融体の表面より温度が低くなる。
そこで、実施の形態1においては、隣接する一対の垂直棒状部分10aの先端間を連絡する連絡部分10b(本発明の第2の発熱要素)が設けられている。これは実施の形態1ではU字をなす一体の発熱体10の円弧状部分である。ただ、坩堝6を局所的に加熱して、坩堝6の上下方向にほぼ一定の温度分布を形成できるものであれば、直線でも(図2(b)の破線参照)、その他の形状で連絡することも自在に行える。これらも全体としてみればU字状をなすものである。場合によっては実施の形態1のように一体の発熱体10ではなく、第1の発熱要素と第2の発熱要素とを別体の構成として、それぞれ独立に坩堝6を加熱するようにしてもよい。
実施の形態1の発熱体10は一体につくられ、連絡部分10bは垂直棒状部分10aの先端を連絡して、両者を水平方向に物理的かつ電気的に接続するものである。従って、連絡部分10bは平均的に坩堝6の一定の高さの位置に横向きに配置されることになる。この平均的にというのは連続分布の相加平均あるいは主要部がすべてという意味である。連絡部分10bからの発熱により、坩堝6の底側で奪われた熱量を補充することができる。このような局所的な加熱の個所が坩堝6の周囲に複数箇所分布することになる。この連絡部分10bを設けることにより、所定の範囲で少なくとも±1K内に抑えることができ、均熱帯を形成することが可能になる。
どうしても温度差が形成されてしまうような場合は、連絡部分10bの高さ(すなわち実施の形態1の場合は垂直棒状部分10aの長さにも相当する)を上下に移動し、連絡部分10bの位置を調節することで温度差を増減することができる。さらに、連絡部分10bの電気抵抗を増減したり、熱輻射の量を抑えるコーティングなどを施したりすることでこの領域の温度を確実に±1K内に抑えることができる。
ところで、1800Kを超えるような高温域での測定を行う場合、リング状測定子5をガラス融体の表面に近づける際に、上昇気流やガラス成分の揮発等により、リング状測定子5が揺れて融体に接触するのではなく、坩堝6壁面に融着するようなことが発生する。このため本実施の形態1においては、融着防止対策として図2,4に示すように、坩堝6の口に厚さ4.0mmの高純度アルミナリング6aを取り付けている。これより吊り線3の揺れが高純度アルミナリング6aによって制動され、リング状測定子5が坩堝6と融着するのを防止することができる。
さて、高温表面張力測定装置Aには、図1に示すように、電気炉11の内部にアルミナボード4aが配設されている。これは発熱体10からの熱輻射をアルミナボード4a表面で高効率に反射して炉内温度を上昇させるためのものである。電気炉11の外部には密封容器16が設けられ、上述したように冷却板17と共に電気炉11を包囲して内部を不活性ガス雰囲気にすることができる。密封容器16の下端には開口部が設けられ、この開口部にアルミナ管20が挿通される。アルミナ管20は坩堝台9を支持する部材であり、かつ、下部熱電対8を内蔵しその信号線を収容する部材でもある。流路19から内部の空気が排出され、不活性ガスは流路18から流入される。必要に応じて密封容器16内を真空にすることもできる。不活性ガス雰囲気とすることで融体からの揮発物がストレインゲージ2や吊り線3等に付着するのを防止し、また溶融面が酸化されるのを抑えることができる。
表面張力測定に当たって、電気炉11内を可視化し、リング状測定子5と試料の融体との接触を目視することは測定を著しく容易にする。従来の表面張力測定装置においては内部を目視することは不可能であった。しかし、実施の形態1においては内部を可視化するために覗き窓21を設けている。密封容器16、電気炉11に覗き窓21用の開口が形成され、透明な耐熱ガラス、例えば、透明結晶化ガラス、石英ガラスなどのガラスが1枚以上重ね合わされてこの開口に嵌め込まれる。なお、耐熱ガラスの表面には熱線反射膜が形成されている。
さらに、坩堝6の内部を可視化するために、坩堝6の上面から内部を映す反射鏡を電気炉11内に設置するのが好適である。反射鏡は上蓋4の下面に配置される。また、坩堝6の容器本体をサファイヤやパイレックス(登録商標)ガラスなどで構成し、直接内部を目視するようにするのもよい。容器本体をこのような構成にすることによって、電気炉11内の熱対流を乱すようなことなく、完全に可視化することができる。
リング引き上げ法による表面張力測定は、融体にリング状測定子5を直接接触させ、徐々に外力を与えて測定を行う。従って、リング状測定子5や坩堝6、融体の状態により測定温度領域が制限される可能性がある。実施の形態1では、高温側の測定温度領域は、坩堝6およびリング状測定子5に使用される白金材料の機械的強度が高温域で低下するため、1923K程度までが好適な温度領域である。しかし、材料を選択することによって2000Kを越える温度領域を測定範囲にすることもできる。また、低温側の測定領域は各ガラス試料融体の粘度が概ね20Pa・sを超えると高精度の最大負荷荷重測定が困難となる。従って、負荷荷重によってストレインゲージ2に生じる電位の最大値が明確に確認できる下限の温度までを測定領域とするのが適当である。
次に、表面張力測定を行う測定手順について説明する。まず、ストレインゲージ2からブリッジボックス13、アンプ14を経由して出力される電位を記録し、出力電位−荷重の検量線を作成する。続いて、試料を白金・ロジウム製の坩堝6に入れ、電気炉11内の坩堝台9中央に坩堝6を置き、所定の昇温速度で試料を加熱し、溶融する。得られた融体を目的温度にまで加熱し、リング状測定子5を吊るした吊り線3をストレインゲージ2に接続し、次の測定を行う。
各測定温度において試料の溶融液を所定時間保持した後、坩堝台9を上昇し、融体の表面とリング状測定子5とを接触させる。アンプ14を経由して出力される電位が変動して落ち着いたところで一度静止する。
その後、1.2mm/min〜12.0mm/minの間の速度でリング状測定子5が融体から離れる位置まで坩堝台9を降下させ、ストレインゲージ2から出力される電位の最大値をデジタルレコーダー15で記録する。以上の手順を複数回繰り返し、さらに所定の温度間隔で測定を行い、各温度で測定した出力電位の平均値を取り、この平均値に基づいて出力電位−荷重検量線から荷重を求める。
続いて、測定結果に基づいて表面張力を算出する方法について説明する。(数2)では測定時におけるリング状測定子5の熱膨張等の影響が考慮されていない。そこで次のような補正を行うことにより高精度の表面張力を求めることができる。なお、これは非特許文献1において既に報告したことである。
まず、高温融体の表面張力測定ではリング状測定子5の熱膨張による影響を考慮する必要がある。このとき(数1)は(数3)のように修正される。ここで、Rは室温におけるリングの半径、αはリングの熱膨張係数(例えば白金の場合0.1019×10−4−1)、ΔTは融体の温度と室温の差である。
Figure 2010032344
さらに、補正因子Sを用いて(数4)により表面張力γを算出する。これも非特許文献1において既に報告している。
Figure 2010032344
補正因子Sはリング状測定子5の半径と肉厚、最大負荷荷重及び試料の密度の関数として表される。実施の形態1では同一形状のリング状測定子5を用いて測定しているので無次元の補正因子Sは、最大負荷荷重と試料の密度の関係によって求めることができる。溶融塩の場合などで実測すると、補正因子SとWmax/ρの関係は(数5)で表される。以上から、高精度の表面張力測定を行う場合には、同時に密度の測定を行うのがよく、高温表面張力測定装置Aに密度測定部Bを併設するのが好適である。
Figure 2010032344
そこで、以下、高温表面張力測定装置Aに設けられる密度測定部Bの説明を行う。図5は本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の密度測定部の構成図、図6は本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の密度測定部で使用される円錐の説明図である。
従来から密度測定はアルキメデス2球法と呼ばれる測定方法で多く行われている。2つの既知の球体を使って密度を算出する。ρを融体の密度、V,Vを白金球の体積、W,Wを白金球の浮力、rを吊り線の半径、θを吊り線と融体との接触角、γを表面張力、αを熱膨張係数とすると、密度ρは(数6)のように表現できる。
Figure 2010032344
図5に示すように実施の形態1の密度測定部Bも、このアルキメデス2球法の考え方を基本に据える密度測定装置である。実施の形態1の場合、高温表面張力測定装置Aにこの密度測定部Bを併設することで、全体として高温表面張力及び補正用の密度測定を一貫して行うことができる高温表面張力測定装置にすることができる。さらに、高温表面張力測定装置Aと密度測定部Bの構成を一部共用することで両者が融合した高温表面張力測定装置にすることもできる。これについては後述する。
図5に示すように、密度測定部Bは電子天秤31で円錐測定子32(本発明の円錐体)の浮力W,Wを測定する。実施の形態1における円錐形測定子32は、従来のアルキメデス2球法とは異なり、球体ではなく、白金製の円錐形をした測定子である。2000Kに近い高温で高粘度の融体密度を測定する場合、従来の球体を使った密度測定では粘度により浸漬させるのが難しく、これが測定精度に影響するが、円錐形測定子32を使用する場合は抵抗が小さく、円滑に融体中に浸漬させることができ、高精度の測定が行える。
図6に示すように円錐形測定子32は吊り線34の先端に固定される。電気炉11内の上昇気流は円錐形測定子32の頂点に対面して上昇する。これにより上昇気流は円錐形測定子32の頂点から錐体の周りを円滑に流れ、低抵抗で、円錐形測定子32のバランスを崩すことなく流れる。融液面に漬かるときも先端から安定して融液内に進入させることができる。体積Vの円錐形測定子32には、融液から浮力Wと粘度ηの粘性抵抗が加わるが、浮力Wの作用点を重心より高く位置させることで、更に安定した測定が行える。
この円錐形測定子32は吊り線34に吊り下げられ、電気炉30内の白金・ロジウム(20重量%)製の坩堝3内の試料融体に浸漬される。この浸漬はモーター(図示しない)を駆動することにより台座36を昇降することで行う。すなわち、台座36の上に坩堝35を載置して、この台座36を上下させることで円錐形測定子32が溶融液中に浸漬される。電気炉30には発熱体33が設けられ、坩堝35内の試料を溶融させる。
台座36を昇降させるアルミナ管37の内部には、熱電対38とその信号線が設けられ融体の温度を測定する。なお、温度制御は図示しないコントローラで実行される。冷却板39がこのコントローラや電子天秤31と電気炉30との間に設けられている。円錐形測定子32に作用する浮力W,Wは吊り線34を介して電子天秤31で測定される。円錐形測定子32の体積V,V、融体の熱膨張係数α、吊り線34の半径rは既知であるので、温度差ΔTと浮力W,Wが分かると、(数6)に従って密度ρを算出することができる。
(数5)の補正因子Sは張力測定において重要なパラメータであり、このSを正確に測定することにより精度のよい表面張力を求めることが可能となる。そして、リング引き上げ法においてより正確な表面張力を求めるためには、最大負荷荷重のみならず融体の密度も正確に実測しなければならない。実施の形態1の密度測定部Bにより、表面張力測定に際して同時に密度の測定を行うことができ、信頼性の高い表面張力の値を簡便に求めることができる。
さて、以上説明したのは、図5に示すような、高温表面張力測定装置Aとは別構成の密度測定部B、言い換えれば、電子天秤31のほか、電気炉30、台座36、モーター等の試料を溶融する構成及び相対的な引き上げ(台座36の降下)を行う構成、すべてを含んだ構成の密度測定装置である。しかし、高温表面張力測定装置Aと密度測定部Bとでは、試料を溶融する構成及び相対的な引き上げを行う構成が共通しており、共用可能である。
そこで、高温表面張力測定装置Aにおいて、ブリッジボックス13、アンプ14、デジタルレコーダー15等から構成される測定部の部分をユニット化し、この測定ユニット(図示はしない)を着脱自在に構成する。そして、さらに、既知の2種類の円錐形測定子32を溶融された試料に浸漬し、この浮力を測定して密度を測定する電子天秤31をユニット化し、この電子天秤ユニット(図示はしない)を測定ユニットと交換的に装着できるように構成しておく、のが好適である。
これにより、高温表面張力測定装置Aと密度測定部Bとで共用される構成に対して、表面張力測定時には測定ユニットを装着して表面張力測定を行い、密度測定時には電子天秤ユニットを装着して密度測定を行う。すなわち、測定ユニットを装着したときに表面張力測定を行う高温表面張力測定装置Aにすることができ、密度測定を行うときには測定ユニットを取り外し、交換的に電子天秤ユニットを装着することにより、密度測定部Bにすることができる。ユニット化した測定ユニットと電子天秤ユニットを交換するだけで、高温表面張力及び補正用の密度測定を一貫して行う高温表面張力測定装置にすることが可能で、簡素で、安価な測定装置を提供でき、また補正によって信頼性の高い測定が行える。
このように実施の形態1の高温表面張力測定装置によれば、電気炉内での熱対流、坩堝内での温度ムラによって測定結果が不安定になることなく、高精度の測定が行え、操作性が高くなる。また、覗き窓を設けることにより炉内を可視化することができ、操作性を向上させることができる。
さらに、試料の密度を測定する密度測定部を備えたことにより、補正因子の重要なパラメータである溶融された試料の密度を表面張力の測定と同時に測定することができ、高精度の測定が行える。
本発明は、溶融したガラス等の試料の表面張力を高精度で測定する高温表面張力測定装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の概略図 (a)本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の電気炉の一部破断面図、(b)本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の発熱体の配置説明図 (a)本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置のリング状測定子の斜視図、(b)リング引き上げ法のリングの斜視図 リング引き上げ法のリング状測定子の振れを説明する説明図 本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の密度測定部の構成図 本発明の実施の形態1における高温表面張力測定装置の密度測定部で使用される円錐の説明図 (a)リング引き上げ法のリングが接触角θのときの状態を示す説明図、(b)リング引き上げ法のリングが接触角0のときの状態を示す説明図
符号の説明
1 水冷キャップ
2 ストレインゲージ
3 吊り線
3a 継手部分
4 上蓋
4a アルミナボード
5 リング状測定子
6 坩堝
6a 高純度アルミナリング
7 上部熱電対
8 下部熱電対
9 坩堝台
10 発熱体
10a 垂直棒状部分
10b 連絡部分
10c 端部
11 電気炉
12 レバーシブルモータ
13 ブリッジボックス
14 アンプ
15 デジタルレコーダー
16 密封容器
17 冷却板
18,19 流路
20 アルミナ管
21 覗き窓
30 電気炉
31 電子天秤
32 円錐測定子
33 発熱体
34 吊り線
35 坩堝
38 熱電対
36 台座
37 アルミナ管

Claims (8)

  1. 試料を内部に収容する坩堝と、前記坩堝内の試料を溶融させることができる電気炉と、前記坩堝を昇降させることができる昇降装置と、前記電気炉内に吊り下げられかつ前記試料の溶融面に接触して表面張力を測定するリング状測定子と、前記リング状測定子が前記溶融面に接触した状態から前記坩堝の位置を降下させたときにこの降下の間の最大負荷荷重を測定する測定部と、を備えた高温表面張力測定装置であって、
    前記電気炉には、第1の発熱要素と第2の発熱要素からなる発熱体が前記坩堝の周囲に複数設けられ、
    前記第1の発熱要素が前記坩堝の周囲に規則的な間隔でかつ前記溶融面と垂直方向に配列される一方、前記第2の発熱要素は前記坩堝が位置する高さの範囲で周方向に規則的な間隔で配置され、
    前記発熱体により前記試料の溶融面から所定の深さの範囲に均熱帯を形成したことを特徴とする高温表面張力測定装置。
  2. 前記発熱体がU字状で一体の棒状発熱体であって、前記第1の発熱要素が隣接する平行な一対の棒状発熱体であると共に、前記第2の発熱要素がこの一対の棒状発熱体を連絡する水平方向に配置された棒状発熱体であることを特徴とする請求項1記載の高温表面張力測定装置。
  3. 前記第1の発熱要素が前記電気炉の上蓋から前記坩堝の底面近傍の高さまで伸びる一方、前記第2の発熱要素が平均して前記坩堝の底面近傍の高さに配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の高温表面張力測定装置。
  4. 前記リング状測定子の吊り下げ部が変形可能な吊り線と接合され、この接合が固定的な継手によって行われていることを特徴とする請求項1又は2記載の高温表面張力測定装置。
  5. 既知の2種類の円錐体を溶融された試料に浸漬し、この浮力を測定して溶融された試料の密度を測定する密度測定部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の高温表面張力測定装置。
  6. 前記測定部として着脱自在な測定ユニットを備え、かつ密度測定時に既知の2種類の円錐体を溶融された試料に浸漬してこの浮力を測定して密度を測定する電子天秤ユニットを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の高温表面張力測定装置。
  7. 前記電気炉と前記測定部の間に冷却板が設けられ、前記冷却板には前記測定部へ伝熱される熱を奪うための冷却水を流す水管が螺旋状に配設されたことを特徴とする請求項1又は2記載の高温表面張力測定装置。
  8. 前記電気炉の側面には、前記坩堝を目視できる覗き窓が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の高温表面張力測定装置。
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