JP2010032266A - フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具 - Google Patents

フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具 Download PDF

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Abstract

【課題】フロアーポリッシュ皮膜の床材に対する密着強度がより客観的で分かりやすく、短時間で求めることができるフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具を提供する。
【解決手段】本フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法は、平坦な底面12を具備する貼付部11、及び該貼付部に設けられ且つ引張力計測装置5の計測部51と連結するための連結部13を備える試験治具1の該底面の全体と、床材3に被覆形成されているフロアーポリッシュ皮膜2の表面と、を接着又は粘着により固定し、その後、上記試験治具を上記床材の垂直方向に引っ張り、該試験治具が該床材から剥離したときの引張力を密着強度とすることを特徴とする。これにより、フロアーポリッシュ皮膜に均一に引張荷重を掛けることができ、計測の度に計測結果がずれることを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、床材表面を被覆するフロアーポリッシュ皮膜の床材に対する密着強度を測定するフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具に関する。更に詳しくは、フロアーポリッシュ皮膜の床材に対する密着強度がより客観的で分かりやすく、短時間で求めることができるフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具に関する。
床材の表面に被覆形成されるフロアーポリッシュ皮膜は、人の歩行や土砂による摩耗に長期間耐えることが要求される。また、新品の床材の表面は可塑剤のブリード等による油汚れがある。フロアーポリッシュ皮膜を形成する際に床材の洗浄を行って油汚れを除去しないと、フロアーポリッシュ皮膜の密着性が低下して剥離しやすくなる。更に、床材の種類、及びフロアーポリシュの種類は共に多いが、更にこれらの組み合わせを種々選択した場合、床材とフロアーポリッシュとの密着強度は選択により著しく変化する。これらの理由により、フロアーポリッシュ皮膜の耐久性や床材への密着強度をより正確に知る手段が望まれている。
床材の表面に被覆形成されるフロアーポリッシュ皮膜の強度を求めるための方法として、日本フロアーポリッシュ工業会のJFPA規格−18「密着性の試験方法」が知られている。この密着性の試験方法は、床材の表面に被覆形成したフロアーポリッシュ皮膜に粘着テープを貼り付けた後、貼り付けた粘着テープをその一端側から一度に引き剥がし、次いで、引き剥がしの際にセロハン粘着テープと共に剥がれることがなかった、残留フロアーポリッシュ皮膜の面積を、試験前の面積と比較して良好、普通及び不良の3段階で評価する方法である。
しかし、上記密着性の試験方法は、主に目視で残留フロアーポリッシュ皮膜の面積を比較し、また数値化されていない主観で評価を決めており、密着強度をより詳細に評価するには不適切である。このため、特許文献1及び2等に例示する皮膜の破断強度のように、客観的に数値化して評価することができる密着強度の評価方法が求められている。
特開平11−217541号公報 特開2002−188059号公報
本発明は上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、フロアーポリッシュ皮膜の床材に対する密着強度がより客観的で分かりやすく、短時間で求めることができるフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.平坦な底面を具備する貼付部、及び該貼付部に設けられ且つ引張力計測装置の計測部と連結するための連結部を備える試験治具の該底面の全体と、床材に被覆形成されているフロアーポリッシュ皮膜の表面と、を接着又は粘着により固定し、その後、上記試験治具を上記床材の垂直方向に引っ張り、該試験治具が該床材から剥離したときの引張力を密着強度とすることを特徴とするフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
2.上記引張力計測装置の上記計測部は、ロードセル又はバネ秤を具備する上記1.記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
3.上記底面と上記フロアーポリッシュ皮膜の表面との間に、接着剤又は粘着剤を介在させて、該接着剤の上記接着又は該粘着剤の上記粘着により固定する上記1.又は上記2.記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
4.上記底面と上記フロアーポリッシュ皮膜の表面との間に、接着シート又は粘着シートを介在させて、該接着シートの上記接着又は該粘着シートの上記粘着により固定する上記1.又は上記2.記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
5.上記底面は、直径が20mm以上50mm以下の円形状である上記1.乃至上記4.のいずれかに記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
6.上記1.乃至上記4.のいずれかに記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法に用いる試験治具であって、平坦な底面を具備する貼付部、及び該貼付部に設けられ且つ引張力計測装置の計測部と連結するための連結部を備えることを特徴とするフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価用の試験治具。
7.上記貼付部は、直径が20mm以上50mm以下の円柱形状である上記6.記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価用の試験治具。
本発明のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法によれば、フロアーポリッシュ皮膜と接着又は粘着により固定する試験治具を用い、試験治具を床材の垂直方向に引っ張ることによって密着強度を求めることができるため、フロアーポリッシュ皮膜に均一に引張荷重を掛けることができ、計測の度に計測結果がずれることを抑制することができる。また、引張力という数値として密着強度を求めることができるため、客観的で分かりやすく、フロアーポリッシュ皮膜形成時の床材の洗浄の有無の判断、フロアーポリッシュ皮膜及び床材のそれ自体の評価、及び組み合わせの評価をより詳細に行うことができる。
また、フロアーポリッシュ皮膜と試験治具とを接着又は粘着により固定するため、フロアーポリッシュ皮膜の形状がどのような形状であっても、試験治具の全面をフロアーポリッシュ皮膜にしっかりと接着させることができる。その後、試験治具を引っ張ることによって、フロアーポリッシュ皮膜に均等に引張荷重を掛けることが可能となり、床材に対するフロアーポリッシュ皮膜の正確な密着強度を評価することができる。
更に、引張力計測装置の計測部にロードセル又はバネ秤を具備する場合は、簡単な構成で計測することができ、携帯可能な引張力計測装置を利用することができるため、密着強度の評価を手軽に行うことができる。
また、接着剤又は粘着剤により底面とフロアーポリッシュ皮膜の表面とを固定する場合は、引張力の計測を支障なく行うことができる。
更に、接着シール又は粘着シールにより底面とフロアーポリッシュ皮膜の表面とを固定する場合は、引張力の計測を支障なく行うことができる。
また、底面形状が所定面積の円形状である場合は、引っ張りの際に局所的な力が掛かりにくく、より正確に密着強度を求めることができる。
本フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価用の試験治具は、貼付部及び連結部を備え、フロアーポリッシュ皮膜に均一に引張荷重を掛けることができ、計測の度に計測結果がずれることを抑制することができる。
また、貼付部が円柱形状である場合は、引っ張りの際に局所的な力が掛かりにくく、より正確に密着強度を求めることができる。
以下、図1及び2を参照しながら本発明のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具を詳しく説明する。
本発明のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法は、平坦な底面を具備する貼付部、及び貼付部に設けられ且つ引張力計測装置の計測部と連結するための連結部を備える試験治具の底面の全体と、床材に被覆形成されているフロアーポリッシュ皮膜の表面と、を接着又は粘着により固定し、その後、試験治具を床材の垂直方向に引っ張り、試験治具が床材から剥離したときの引張力を密着強度とすることを特徴とする。
上記「フロアーポリッシュ皮膜」は、床材に塗布した後述するフロアーポリッシュ組成物を、乾燥させることにより形成される皮膜であり、この皮膜により床材が保護される。
また、上記「床材」は特に限定されず、ビニルタイル等の合成樹脂を用いてなる樹脂系床材、ラバータイル等のゴム系床材、アスファルト系床材、木質系床材、コンクリート及び大理石等を用いてなる石質系床材等が挙げられる。更に、床材は、通常モルタル打ち等の床に接着等の手段により固定される。
また、フロアーポリッシュ皮膜を床材に被覆形成する方法は、任意に選択することができ、例えばJIS K 3920−7「試験片の作製」に準じて行うことができる。また、実用のためにフロアーポリッシュ皮膜を床材に被覆形成する方法に準じて行うことができる。更に、既に施工が済み、実用されている被覆形成済みフロアーポリッシュ皮膜に対して行うこともできる。
上記「試験治具」は、接着又は粘着を介してフロアーポリッシュ皮膜と密着固定され、固定されたまま引っ張られることによって、該密着するフロアーポリッシュ皮膜を破損させることができる治具であり、平坦な底面を具備する貼付部、及び貼付部に設けられ且つ引張力計測装置の計測部と連結するための連結部を備える。
試験治具の材質は、目的に応じて任意に選択することができ、例えば樹脂及び金属等を挙げることができる。樹脂を用いる場合は、引っ張り強度に優れたものが好ましく、繊維強化プラスチック、無発泡ポリウレタン等を挙げることができる。また、金属を用いる場合は、鉄及び銅、アルミニウム等の通常使われる金属及びこれらの合金を挙げることができる。
上記「貼付部」の形状は、前記貼付部及び取付部を備えていればよく任意の材質及び形状とすることができる。このような形状として、上記「底面」の形状が真円及び楕円等の円形である円柱形状及び円錐形状、並びに三角形、四角形及び五角形等の任意の多角形である角柱形状及び角錐形状等を挙げることができる。これらのうち、底面形状が上記円形である貼付部を好例とすることができる。引っ張りの際に局所的な力が掛かりにくく、より正確に密着強度を求めることができるからである。また、底面は、図1に例示するように、接着又は粘着により形成される固定層4を介して底面12の全面が、フロアーポリッシュ皮膜2の表面と密着できる程度に平坦であればよく、その表面粗度は固定層4により充填可能な範囲で任意の範囲とすることができる。また、底面の面積は、フロアーポリッシュ皮膜の密着強度が少ない誤差で測定することができる最小面積以上であり、且つ評価方法の作業が行いやすい面積であることが好ましい。このような面積として、底面形状が円形の場合において、直径を20mm以上50mm以下(特に好ましくは、25mm以上45mm以下、更に好ましくは25mm以上40mm以下)とすることを挙げることができる。
上記「連結部」は、引張力計測装置の計測部と連結することができればよく、フック(図1に例示する連結部13のフックの他、カラビナ及びスナップフック等を例示することができる。)、雄ネジ及び雌ネジ等を例示することができる。この例としてフックを挙げることができる。引張力計測装置の計測部にフックを設けていることが多いからである。また、連結部は計測部と一体であってもよい。
上記「引張力計測装置」は、試験治具を引っ張るときの力を計測するための装置である。このような装置は任意に選択することができ、例えばいわゆるテンションメータと呼ばれている引張力を計測可能な計測器を用いることができる。また、計測器の計測手段は任意に選択することができるが、このうちロードセル及びバネ秤を用いることを例示することができる。また、引張力計測装置は、携帯可能な形態を好ましいものとすることができる。フロアーポリッシュ皮膜が床材に形成された実際の施工現場でフロアーポリッシュ皮膜の密着強度が測定できるからである。更に、より精密な密着強度を求める場合は、引張速度を制御することができる計測器がより好ましいものとすることができる。
上記「接着剤又は粘着剤」並びに上記「接着シート又は粘着シート」は、密着強度の計測中に試験治具及びフロアーポリッシュ皮膜間を密着した状態に維持することができればよく、任意の接着剤及び粘着剤を用いることができる。この接着剤の例としてシアノアクリレート系接着剤、ゴム系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、セルロース系接着剤、エテレン・酢酸ビニル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等を挙げることができる。また、粘着剤の例としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、含ケイ素系粘着剤等を挙げることができる。
これらのうち、シアノアクリレート系接着剤を好例として挙げることができる。短時間で実用強度まで硬化するため、評価に必要な時間を短くすることができるからである。また、シアノアクリレート系接着剤をゼリー状等の高粘度のものとすることにより、貼付部の底面とフロアーポリッシュ皮膜の表面との間の空隙を容易に満たすことができるためより好ましいものとすることができる。
これらの接着剤の効果及び粘着剤の粘性付与は、液剤型、エマルジョン型、ホットメルト型、化学反応型、液状硬化型、紫外線硬化型等から任意に選択することができる。
また、接着シート又は粘着シートに用いるシートは、密着強度の計測中に、計測の支障が出る程変形したり破損したりすることがなければよく、樹脂、紙及び金属を任意に選択することができる。
接着シート又は粘着シートに用いるシートは、密着強度の計測中に試験治具及びフロアーポリッシュ皮膜間を密着した状態に維持することができればよく、樹脂及び紙等の任意の材質を用いることができる。
上記「引っ張り」は、試験治具が床材に対して離れる方向に力を加えることをいう。また、試験治具を引っ張る方向は、通常床材の垂直方向である。尚、傾斜面の床材における踏み込み耐性を試験する等のために、床材に対して垂直から傾けた方向で引っ張ることによって引っ張り力を求めてもよい。
上記「密着強度」は、試験治具が床材から剥離したときの引張力である。この「剥離したときの引張力」は、試験治具が床材から剥離するまで試験治具に掛けた引張荷重のうち、最大の荷重とする。尚、フロアーポリッシュ皮膜の密着強度は、用途に応じて適宜選択され、例えば14mN/mm以上、土砂等に晒される場所であれば42mN/mmを越えるのが好ましいとすることができる。14mN/mm未満であると歩行程度の軽負荷で剥離しやすくいわゆる「パウダリング」を起こし、密着強度が42mN/mm以下であると土砂による擦れ等により傷が生じてポリッシャーによる床洗浄作業で剥離しやすくなるからである。
フロアーポリッシュ皮膜の形成に用いる上記「フロアーポリッシュ組成物」は、水性フロアーポリッシュ組成物、乳化型フロアーポリッシュ組成物、及び溶剤型フロアーポリッシュ組成物が一般的である。このフロアーポリッシュ組成物の分類については、JFPA規格(日本フロアーポリッシュ工業会規格)のフロアーポリッシュ試験方法通則の用語の定義において規定されている。
上記規格に規定されているフロアーポリッシュ組成物のうち、現在、多用されているのは水性フロアーポリッシュ組成物である。この水性フロアーポリッシュ組成物としては、例えば、アクリル樹脂系エマルション、アクリル樹脂/ウレタン樹脂系エマルション等の合成樹脂エマルションに、ポリオレフィンワックス、カルナバワックス等のワックス類を配合し、更に必要に応じて、多価金属錯体等の架橋剤、可塑剤、融合材、アルカリ可溶性樹脂、成膜助剤などを配合した組成物が代表的なものとして挙げられる。
アクリル樹脂エマルションの製造に用いられるアクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜10)が好ましい。また、共重合に用いるコモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニルモノマー、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−モノエチレン性カルボン酸モノマー、及びヒドロキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、クロル酢酸ビニル、アリルアルコール、ジビニルベンゼン、エチレングリコール(メタ)アクリレート等の各種のモノマーが挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックス類としては、天然ワックス、合成ワックス、及びこれらの変性物等を用いることができる。天然ワックスとしては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、モンタン誘導ワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。また、合成ワックスとしては、ポリエチレンワックス、アクリル系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アマイドワックス等が挙げられる。これらのワックスのうちでは、ポリエチレンワックス及びアクリル系ワックスが好ましい。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋剤としては、多価金属錯体及び多価金属酸化物等を用いることができる。多価金属イオンとしては、ベリリウム、カドミウム、銅、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム、アルミニウム、チタニウム、ビスマス、アンチモン、鉛、コバルト、鉄、ニッケル等の各種金属のイオンが挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、2−ピロリドン、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等が挙げられる。また、融合剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメチルペンタンジオール、N−2−メチルピロリドン、テキサノール等が挙げられる。可塑剤及び融合剤としては、それぞれ1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−(無水)マレイン酸共重合樹脂、スチレン−アクリル酸共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリオールで変性したロジン−マレイン酸付加物及びロジン−フマル酸付加物等をアルカリに可溶化させた樹脂等が挙げられる。また、成膜助剤としては、ベンジルアルコール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のアルコール類、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル等のグリコールエーテル類などが挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水性フロアーポリッシュ組成物には、上記の成分の他に、各種の添加剤等を配合することができる。この添加剤としては、例えば、湿潤剤、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤等の分散剤、シリコン系、フッ素系等の消泡剤、トリアジン系、チアゾリン系等の防腐剤、グリコール系溶剤等の造膜助剤、フッ素系界面活性剤などの防腐剤、香料、粘着付与樹脂などを適宜配合することができる。
以下、図面に基づき本実施例のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具を具体的に説明する。
[1]試験片の作製
JIS K 3920−7「試験片の作製」に準じて試験片を作製した。
(1)水性フロアーポリッシュ組成物
(a)バフタイプ水性フロアーポリッシュ;ユシロ化学工業社製、商品名「ユシロンコート プライムナビ」(以下、プライムナビと略す)
(b)汎用タイプ水性フロアーポリッシュ;ユシロ化学工業社製、商品名「ユシロンコート スーパーS−1」(以下、スーパーS−1と略す)
(c)優れた耐久性を有するウレタン系水性フロアーポリッシュ;ユシロ化学工業社製、商品名「ユシロンコート Cグランド」(以下、Cグランドと略す)
(2)床材
JIS A 5705で規定されるホモジニアスビニル床タイル(株式会社タジマ製、商品名「ジニアスプレーン」)を床材3として図1に示すように、モルタル床6に接着固定した。
(3)床材の洗浄
原液(ユシロ化学工業社製、商品名「ユシロンニューラベンダー」)を水で100倍に希釈した床用洗剤を使用し、青パッドを装着した14インチポリッシャーにより床材を洗浄し、その後、水洗し、乾燥させた。
(4)水性フロアーポリッシュ組成物の塗布
床材3に、上記(1)〜(3)の水性フロアーポリッシュ組成物を3回塗布して図1に示すフロアーポリッシュ皮膜2を形成した。1回当たりの塗布量は75m/リットルとした。
[2]フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法
(1)試験治具
試験治具1は、繊維強化プラスチック製であり、図1及び2に示すように、底面12が直径30mmの真円形であり、長さ約40mmの円柱形状の貼付部11と、貼付部11の引っ張り側となる天井面に設けられている連結部13であるフックが設けられている。この連結部13は、引張力計測装置5の計測部51のフック付きのチャックと連結することができる。
(2)試験治具とフロアーポリッシュ皮膜との固定
図1に示すように、試験治具1の貼付部11の底面12とフロアーポリッシュ皮膜2の表面とを接着剤を用いて固定した。使用した接着剤は、ゼリー状のシアノアクリレート系接着剤(東亞合成社製、商品名「ゼリー状アロンアルファGEL−10」)である。このようなゼリー状シアノアクリレート系接着剤は、底面12とフロアーポリッシュ皮膜2の表面との間の空隙を容易に満たすことができ、底面12が固定されたフロアーポリッシュ皮膜2の表面全体に均一の引張荷重を掛けることができる。
また、図2に示す貼付部11の底面12の全面に接着剤を均一に塗布した後、底面12側をフロアーポリッシュ皮膜2に押しつけ、硬化した接着剤による固定層4を形成させた。
(3)密着強度の計測
図1に示すように、フロアーポリッシュ皮膜2と固定された試験治具1の連結部13に、引張力計測装置5の計測部51のフックを引っ掛け、引張力計測装置5を床材3の垂直方向7に引っ張り、フロアーポリッシュ皮膜2が床材3から剥離したときまでに引張力計測装置5でもとめた最大の引張荷重を密着強度として求めた。求めた結果を表1に示す。
この計測で用いた、引張力計測装置5は、携帯型のテンションメータであり、ロードセルを計測部51のセンサーとした計測器(エー・アンド・デイ社製、商品名「デジタルフォースゲージ」)を用いた。
また、計測は7回行い、計測値が7点中で最小及び最大である2点を除いた、5点の計測値の平均を密着強度とした。この結果を表1に示す。また、[1]試験片の作製のうち、(3)床材の洗浄をおこなわない他は、試験片(a)、(b)、(c)と同じ方法で作製した試験片(d)、(e)、(f)の密着強度の計測を行った結果を表2に示す。
尚、引張力計測装置5は、上記計測器に限られず、バネ秤を計測部51のセンサーとした計測器(カノン製、商品名「棒状テンションゲージ」)を用いることができる。また、携帯型のテンションメータに限られず、引張速度を制御することができる据え置き型強度試験機(例えば、島津製作所社製、商品明「オートグラフAGS−J」等を挙げることができる)を用いることができる。このような引張力計測装置5を用いることにより、より精密な密着強度を求めることができる。
Figure 2010032266
Figure 2010032266
表1に示すように、(3)床材の洗浄を行った後にフロアーポリッシュ皮膜を形成した場合は、試験片(a)〜(c)のいずれのフロアーポリッシュ皮膜も密着強度が14mN/mm以上であり、通常の密着性を備えていることが分かる。また、試験片(c)の密着強度は、75mN/mmと42mN/mmを超えており、土砂に晒されていても十分な密着性を備えていることが分かる。
一方、表2に示すように、(3)床材の洗浄を行なわずにフロアーポリッシュ皮膜を形成した試験片(d)、(e)は、パウダリングを起こし、且つ密着強度が14mN/mm以下の4mN/mmであった。また、試験片(f)は、密着強度が14mN/mmであり、パウダリングを起こさない程度の密着強度を備えていることが分かる。
上記の通り、本フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法によって求めた密着強度は、床材洗浄の有無により大きく値が変化し、フロアーポリッシュ皮膜の密着強度を詳細に評価する客観的な値として用いることができることが分かる。また、床材洗浄の有無を判断して、正しく施工されたかどうかを確認するために利用することができる。
上記フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法によって求めた密着強度は、フロアーポリッシュ皮膜に均一に引張荷重を掛けることができ、計測の度に計測結果がずれることを抑制することができる。また、引張力という数値として密着強度を求めることができるため、客観的で分かりやすく、フロアーポリッシュ皮膜形成時の床材の洗浄の有無の判断、フロアーポリッシュ皮膜及び床材のそれ自体の評価、及び組み合わせの評価をより詳細に行うことができる。
本発明は、フロアーポリッシュ皮膜の床材に対する密着強度がより客観的な評価が可能であるため、美観を客観的に評価することができ、各種のフロアーポリッシュ研磨面の密着強度の評価に利用することができる。
本発明の密着強度評価方法を行う様子を説明するための模式断面図である。 本発明の試験治具を説明するための底面側から見た模式斜視図である。
符号の説明
1;試験治具、11;貼付部、12;底面、13;連結部、2;フロアーポリッシュ皮膜、3;床材、4;固定層(接着層又は粘着層)、5;引張力計測装置、51;計測部、6;モルタル床。

Claims (7)

  1. 平坦な底面を具備する貼付部、及び該貼付部に設けられ且つ引張力計測装置の計測部と連結するための連結部を備える試験治具の該底面の全体と、床材に被覆形成されているフロアーポリッシュ皮膜の表面と、を接着又は粘着により固定し、
    その後、上記試験治具を上記床材の垂直方向に引っ張り、該試験治具が該床材から剥離したときの引張力を密着強度とすることを特徴とするフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
  2. 上記引張力計測装置の上記計測部は、ロードセル又はバネ秤を具備する請求項1記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
  3. 上記底面と上記フロアーポリッシュ皮膜の表面との間に、接着剤又は粘着剤を介在させて、該接着剤の上記接着又は該粘着剤の上記粘着により固定する請求項1又は2記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
  4. 上記底面と上記フロアーポリッシュ皮膜の表面との間に、接着シート又は粘着シートを介在させて、該接着シートの上記接着又は該粘着シートの上記粘着により固定する請求項1又は2記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
  5. 上記底面は、直径が20mm以上50mm以下の円形状である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法に用いる試験治具であって、
    平坦な底面を具備する貼付部、及び該貼付部に設けられ且つ引張力計測装置の計測部と連結するための連結部を備えることを特徴とするフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価用の試験治具。
  7. 上記貼付部は、直径が20mm以上50mm以下の円柱形状である請求項6記載のフロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価用の試験治具。
JP2008192710A 2008-07-25 2008-07-25 フロアーポリッシュ皮膜の密着強度評価方法、及びそれ用の試験治具 Pending JP2010032266A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102109441A (zh) * 2010-12-21 2011-06-29 东南大学 沥青混合料低温抗裂性能评价方法
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