JP2010032262A - 液体付着量測定装置および液体付着量測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステータ1を収容する収容容器10、収容容器10の容積とステータ1の体積との差分よりも大きい容積を有する真空容器20、真空容器20の圧力を検出する圧力センサ30、真空容器20を減圧する真空ポンプ40、および収容容器10が真空容器20から遮断されるとともに真空ポンプ40が真空容器20に連通する状態または収容容器10が真空容器20に連通するとともに真空ポンプ40が真空容器20から遮断される状態のいずれかに切り替える弁機構50を液体付着量測定装置100に具備し、収容容器10と真空容器20とを連通し、収容容器10および真空容器20の圧力が同じとなったときに圧力センサ30により検出される真空容器20の圧力に基づいてステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を測定する。
【選択図】図1
Description
このようなステータは通常はステータコイルの表面に絶縁物質(例えば樹脂材料)を塗布する、あるいは、ステータコイルの表面を絶縁物質で被覆することによりステータを収容するケースとステータコイルとを絶縁している(ステータを収容するケースとステータコイルとの間の放電を防止している)。
ステータを構成するステータコイルの表面に疵がある場合、ハイブリッド車の電動機として要求される出力を発生することが出来ない、あるいはハイブリッド車の発電機として要求される発電効率を達成出来ないという問題が生じる。
従って、表面に疵があるステータコイルが巻回されたステータを誤って製品として使用することが無いように、組み立て時にステータコイルの表面の疵の有無を検査する必要がある。
上記方法は、塩水にステータを浸漬し、電源装置が有する一対の電極の一方を塩水に浸漬されたステータを構成するステータコイルの一端に接続し、電源装置の一対の電極の他方を塩水に浸漬し、電源装置により一対の電極の間に所定の電圧を印加し、一対の電極の間に電流が流れるか否かによりステータコイルの表面の疵の有無を判定する(電流が流れる場合、ステータコイルの表面に疵があると判定する)。
また、塩水を用いる方法によりステータコイル表面において腐食が進行した部分を修復することは困難であり、最終的にはステータコイルに疵があるステータを廃棄処分することとなり、ひいては製品歩留まりの低下を招く。
従って、塩水を用いる方法をステータの検査、特に全数検査に適用することは困難であるという問題がある。
この方法はステータコイルの表面の疵の部分において腐食が進行しないため、疵の有無を検査した後にステータコイルの表面を修復することが比較的容易であり、当該ステータコイルが巻回されたステータを製品とすることが可能である。
従って、フッ素系溶液を用いる方法は、腐食による製品歩留まりの低下は発生しないという点において優れている。
すなわち、検査後のステータコイルの表面にフッ素系溶液が付着(残留)したまま最終組み立て(ハイブリッド車の電動機あるいはハイブリッド車の発電機の組み立て)を行った場合、フッ素系溶液はステータが浸漬される潤滑液に混入し、ハイブリッド車の駆動源あるいはハイブリッド車の発電機としての機能に悪影響を及ぼす場合がある。
従って、検査後のステータを十分に乾燥することによりステータに付着したフッ素系溶液を予め蒸発させてから最終組み立てを行う必要があるが、一般にステータコイルはステーに密に巻回されるため、ステータコイルを構成する銅線の隙間等にフッ素系溶液が残留し易い。
例えば、特許文献1に記載の如くである。
そのため、フッ素系溶液側に溶出する絶縁物質の重量がステータに付着するフッ素系溶液の重量よりも大きい場合にも、ステータに付着するフッ素系溶液の重量を精度良く測定することが困難であるという問題が生じる。
さらに、各ステータから溶出する絶縁物質の重量は一定ではなく個体差があるという問題もある。
例えば、特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載の如くである。
特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載の方法はいずれも湿度を検出するセンサ(相対湿度を検出するセンサ、露点計あるいは湿度センサ)を用いているが、これらのセンサの多くは高分子薄膜式のセンサである。
高分子薄膜式のセンサは高分子薄膜に吸着した水分の量に応じて高分子薄膜の電気抵抗が変化する性質を利用して接触している雰囲気中の水分量を測定するものであり、水分量の変化に対する反応が遅いこと、測定精度があまり良くない(相対湿度を測定するセンサの場合、一般に±3〜5%程度の誤差を有する)こと、定期的な校正を要すること、といった問題を有する。
従って、これらのセンサの検出値に基づいて算出される液体の重量には少なくとも高分子薄膜式のセンサと同等あるいはそれ以上の測定誤差が含まれていることとなり、ワークに付着した液体の重量を精度良く測定する用途には適さない。
特許文献5に記載の真空乾燥装置は、ワークを収容する第一の真空容器と、接続管により第一の真空容器に接続された第二の真空容器と、接続管の中途部から分岐した管に接続される真空ポンプと、第一の真空容器、第二の真空容器および真空ポンプの間の連通状態を切り替える弁機構と、を具備し、大気圧でワークを収容した第一の真空容器と予め減圧された第二の真空容器とを連通し、第一の真空容器を急激に減圧してワークに付着した水分を蒸発させることによりワークを乾燥する。
ワークを収容するワーク収容容器と、
前記ワーク収容容器の容積と前記ワークの体積との差分よりも大きい容積を有する真空容器と、
前記真空容器の圧力を検出する圧力センサと、
前記真空容器を減圧する真空ポンプと、
を具備し、
第一の圧力で前記ワークが収容された前記ワーク収容容器と前記真空ポンプにより前記第一の圧力よりも低い第二の圧力まで減圧された前記真空容器とを連通し、前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力が同じとなったときに前記圧力センサにより検出される前記真空容器の圧力に基づいて前記ワークに付着した液体の重量を測定するものである。
「ワーク」は、本発明による測定の対象となる物品を指す。
「液体」は流動性を有し、減圧することにより蒸発し得る物質を指す。液体の具体例としては、水、油、炭化水素、アルコール、フッ素系溶液等が挙げられる。
前記ワーク収容容器が前記真空容器から遮断されるとともに前記真空ポンプが前記真空容器に連通する状態、または前記ワーク収容容器が前記真空容器に連通するとともに前記真空ポンプが前記真空容器から遮断される状態のいずれかに切り替える弁機構と、
前記弁機構を前記ワーク収容容器が前記真空容器から遮断されるとともに前記真空ポンプが前記真空容器に連通する状態に切り替えることにより前記真空容器を前記第二の圧力まで減圧し、次いで前記弁機構を前記ワーク収容容器が前記真空容器に連通するとともに前記真空ポンプが前記真空容器から遮断される状態に切り替えることにより前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力を同じとし、前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力が同じとなったときに前記圧力センサにより検出される前記真空容器の圧力に基づいて前記ワークに付着した液体の重量を算出する制御装置と、
を具備するものである。
「制御装置」は専用品でも良く、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等で達成しても良い。
前記制御装置は、
前記液体の分子量MF、前記第一の圧力P1、前記ワーク収容容器の容積V1、前記ワークの体積Vw、前記第二の圧力P2、前記真空容器の容積V2、気体定数Rおよび前記ワーク収容容器および前記真空容器の温度Taを予め記憶し、予め記憶されたMF、P1、V1、Vw、P2、V2、RおよびTa、並びに前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力が同じとなったときに前記圧力センサにより検出される前記真空容器の圧力P3を以下の数1に代入することにより、前記ワークに付着した液体の重量WFを算出するものである。
ワークを収容するワーク収容容器と、
前記ワーク収容容器の容積と前記ワークの体積との差分よりも大きい容積を有する真空容器と、
を用いて前記ワークに付着した液体の重量を測定する液体付着量測定方法であって、
第一の圧力で前記ワークを前記ワーク収容容器に収容する収容工程と、
前記真空容器を前記第一の圧力よりも低い第二の圧力まで減圧する減圧工程と、
第一の圧力で前記ワークが収容された前記ワーク収容容器と前記第二の圧力まで減圧された前記真空容器とを連通することにより前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力を同じとする均圧工程と、
前記均圧工程において前記ワーク収容容器の圧力と同じとなった前記真空容器の圧力を検出する圧力検出工程と、
前記圧力検出工程において検出された前記真空容器の圧力に基づいて前記ワークに付着した液体の重量を算出する液体重量算出工程と、
を具備するものである。
前記液体重量算出工程において、
予め記憶された前記液体の分子量MF、前記第一の圧力P1、前記ワーク収容容器の容積V1、前記ワークの体積Vw、前記第二の圧力P2、前記真空容器の容積V2、気体定数Rおよび前記ワーク収容容器および前記真空容器の温度Ta、並びに前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力が同じとなったときに検出される前記真空容器の圧力P3を数1に代入することにより、前記ワークに付着した液体の重量WFを算出するものである。
なお、本発明は以下に示す実施形態により限定されるものではなく、以下に示す実施形態の構成要素は当業者が置換可能かつ容易なものあるいは実質的に同一なものを含む。
ステータ1はステー2およびステータコイル3を具備する。ステー2はステータ1の主たる構造体を成す部材である。ステータコイル3は銅線からなり、ステー2に巻回される。
ステータコイル3の表面に絶縁性物質(例えば、樹脂材料)が塗布あるいは被覆されており、これによりステータコイル3において巻回されたときに互いに隣接する部分同士、ステータコイル3とステー2との間、あるいはステータコイル3とステータ1を収容するケース(不図示)との間の導通(放電)が防止される。
「ステータコイル3に疵が有るか否かを確認するための検査」は、ステータ1を検査用容器に貯留されたフッ素系溶液に浸漬し、電源装置(不図示)が有する一対の電極の一方をフッ素系溶液に浸漬されたステータ1を構成するステータコイル3の一端に接続し、電源装置の一対の電極の他方をフッ素系溶液に浸漬し、電源装置により一対の電極の間に所定の電圧を印加し、一対の電極の間に電流が流れるか否かによりステータコイル3の表面の疵の有無を判定する、という一連の作業を経て行われる。
フッ素系溶液は本発明に係る液体の実施の一形態である。フッ素系溶液はフッ素系の有機物を含む液体である。
当該検査の後、ステータ1はフッ素系溶液が貯留された検査用容器から取り出され、乾燥機(不図示)によりステータ1に付着したフッ素系溶液を蒸発させる。
乾燥機による乾燥が終わった後、ステータ1は液体付着量測定装置100による測定(ステータ1に付着したフッ素系溶液の重量測定)に供される。
収容容器10は容器本体11および蓋12を具備し、容器本体11の開口部に蓋12が設けられる。蓋12を開けた状態では容器本体11の開口部から収容容器10の内部にステータ1を収容し、あるいは収容容器10の内部に収容されたステータ1を外部に取り出すことが可能であり、蓋12を閉じた状態では容器本体11の内部の気密性が保たれる。
真空容器20の容積V2は、収容容器10の容積V1からステータ1の体積Vwを引いたもの、すなわち収容容器10の容積とステータ1の体積との差分(V1−Vw)よりも大きい(V2>(V1−Vw)が成立する)。
弁機構50は主として第一接続管51、第一開閉弁52、第二接続管53、第二開閉弁54、外気導入管55および第三開閉弁56を具備する。
第一接続管51の一端は収容容器10に接続され、第一接続管51の他端は真空容器20に接続される。収容容器10は第一接続管51を介して真空容器20に連通する(収容容器10の内部空間と真空容器20の内部空間とが連通される)。
第二接続管53の一端は真空容器20に接続され、第二接続管53の他端は真空ポンプ40の吸気ポートに接続される。真空ポンプ40は第二接続管53を介して真空容器20に連通する(真空ポンプ40と真空容器20の内部空間とが連通される)。
外気導入管55の一端は真空容器20に接続され、外気導入管55の他端は真空容器20の外部に開放される。真空容器20の内部は外気導入管55を介して真空容器20の外部に連通する(真空容器20の内部と外部とが連通される)。
第二開閉弁54を閉じるとともに第一開閉弁52を開くことにより、(b)収容容器10が真空容器20に連通するとともに真空ポンプ40が真空容器20から遮断される(真空ポンプ40が真空容器20に連通していない)状態となる。
本実施形態における制御装置61は専用品であるが、本発明に係る制御装置を市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
制御装置61は第一開閉弁52に接続される。制御装置61は第一開閉弁52を開閉するための信号を第一開閉弁52に送信することが可能である。
制御装置61は第二開閉弁54に接続される。制御装置61は第二開閉弁54を開閉するための信号を第二開閉弁54に送信することが可能である。
制御装置61は第三開閉弁56に接続される。制御装置61は第三開閉弁56を開閉するための信号を第三開閉弁56に送信することが可能である。
本実施形態の入力装置62は専用品であるが、例えば市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いても良い。
本実施形態の表示装置63は専用品であるが、例えば市販の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等を用いても良い。
なお、制御装置61がステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を算出する手順は、本発明に係る液体付着量測定方法の実施の一形態に相当する。
収容工程S1100において、作業者は収容容器10の蓋12を開けて収容容器10の容器本体11に収容し、蓋12を閉じる。このとき、収容容器10の内部に密封される空気の圧力P1は大気圧に等しい。
収容工程S1100が終了したら、減圧工程S1200に移行する。
減圧工程S1200において、制御装置61は第一開閉弁52を閉じるとともに第三開閉弁56を閉じることにより真空容器20を密封状態とする。
次に、制御装置61は真空ポンプ40が作動している状態で第二開閉弁54を開くことにより、真空容器20を大気圧よりも低い圧力P2まで減圧する。
続いて、制御装置61は圧力センサ30により検出される真空容器20の圧力が圧力P2に到達した時点で第二開閉弁54を閉じる。
減圧工程S1200が終了したら、均圧工程S1300に移行する。
均圧工程S1300において、制御装置61は第一開閉弁52を開くことにより、収容容器10の内部空間と真空容器20の内部空間とが連通された状態とする。
第一開閉弁52が開かれたときの収容容器10の圧力P1は真空容器20の圧力P2よりも高いので(P1>P2)、収容容器10の内部空間に密封されていた空気の一部が第一接続管51を通って真空容器20の内部空間に移動し、収容容器10の圧力および真空容器20の圧力が等しい圧力P3となった時点で収容容器10から真空容器20への空気の移動が終了する。
また、収容容器10から真空容器20へ空気が移動する過程では収容容器10の圧力が低下するため、収容容器10に収容されているステータ1に付着しているフッ素系溶液は全て蒸発し、収容容器10に密封されていた空気に混入する。
均圧工程S1300が終了したら、圧力検出工程S1400に移行する。
圧力検出工程S1400において、圧力センサ30は真空容器20の圧力P3を検出し、真空容器20の圧力がP3であることを示す信号を送信する。制御装置61は、圧力センサ30が送信した信号を取得する。
圧力検出工程S1400が終了したら、液体重量算出工程S1500に移行する。
収容工程S1100の終了時点における収容容器10の内部に密封された空気の状態方程式は以下の数2で表される。
液体重量算出工程S1500において、制御装置61は先に圧力検出工程S1400において取得した圧力センサ30からの信号、すなわち真空容器20の圧力P3を数1に代入することによりステータ1に付着していたフッ素系溶液の重量WFを算出する。
WFの算出結果は制御装置61に記憶されるとともに表示装置63により表示される。
具体的には、制御装置61が第三開閉弁56を開くことにより外気を収容容器10および真空容器20に導入し、収容容器10および真空容器20の圧力を大気圧に戻す。
次に、作業者が蓋12を開いてステータ1を収容容器10から取り出す。
ステータ1を収容する収容容器10と、
収容容器10の容積V1とステータ1の体積Vwとの差分よりも大きい容積V2を有する真空容器20と、
真空容器20の圧力を検出する圧力センサ30と、
真空容器20を減圧する真空ポンプ40と、
を具備し、
第一の圧力P1(本実施形態では、大気圧)でステータ1が収容された収容容器10と真空ポンプ40により第二の圧力P2まで減圧された真空容器20とを連通し、収容容器10および真空容器20の圧力が同じとなったときに圧力センサ30により検出される真空容器20の圧力P3に基づいてステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を測定する。
このように構成することにより、ステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を精度良く測定することが可能である。
(α)については、より高価な圧力センサを用いることにより達成可能である。
(β)については、係数{R・Ta/(V1+V2−Vw)}のうち、Rは定数であるため、Rの値は変更不能であり、Taは通常は常温付近に設定されることからTaの値を大きく変更することは困難である。
従って、(V1+V2−Vw)が極力小さくなるようにV1、V2およびVwの値を設定することとなる。
ここで、ワーク収容容器と真空容器とを連通したときにワークに付着した液体が全て蒸発することは液体の重量の測定精度を担保する上で重要であり、この観点からはV2をV1とVwとの差分よりも極力大きくする(V2>V1−Vw)ことが望ましい。
結果として、V1を極力小さくする(Vwに近づける)ことによりV1とVwとの差分を極力小さくする(ゼロに近づける)ことが望ましい。
V2に対するV1とVwとの差分の比率(=(V1−Vw)/V2)をどの程度の値に設定するかは、測定の対象となる液体重量の測定精度(測定に要求される最小の液体重量)、液体の分子量等により変動し得るが、目安としてはV2に対するV1とVwとの差分の比率を20分の1以下に設定する((V1−Vw)/V2≦1/20)ことが望ましい。
ただし、通常はステータをワーク収容容器に収容する作業が大気圧下で行われること、および、ワーク収容容器を真空容器に連通する前にワーク収容容器の圧力を大気圧と異なる圧力に変更することはワークに付着した液体の蒸発(移動)を誘起し、ひいては液体の重量の測定精度を低下させる恐れがあることから、第一の圧力を大気圧または大気圧とほとんど変わらない圧力(液体の蒸発を誘起しない程度の圧力)に設定することが望ましい。
収容容器10が真空容器20から遮断されるとともに真空ポンプ40が真空容器20に連通する状態、または収容容器10が真空容器20に連通するとともに真空ポンプ40が真空容器20から遮断される状態のいずれかに切り替える弁機構50と、
弁機構50を収容容器10が真空容器20から遮断されるとともに真空ポンプ40が真空容器20に連通する状態に切り替えることにより真空容器20を圧力P2まで減圧し、次いで弁機構50を収容容器10が真空容器20に連通するとともに真空ポンプ40が真空容器20から遮断される状態に切り替えることにより収容容器10および真空容器20の圧力を同じとし、収容容器10および真空容器20の圧力が同じとなったときに圧力センサ30により検出される真空容器20の圧力P3に基づいてステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を算出する制御装置61を具備する。
このように構成することにより、ステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を精度良く測定することが可能である。
特に、弁機構50の動作制御およびステータ1に付着したフッ素系溶液の重量の算出を制御装置61が行うため、作業者はステータ1を収容容器10に収容する作業および収容容器10からステータ1を取り出す作業のみ行えば良く、作業性に優れる。
フッ素系溶液の分子量MF、収容容器10にステータ1が収容されたときの収容容器10の圧力P1、収容容器10の容積V1、ステータ1の体積Vw、真空ポンプ40により減圧されたときの真空容器20の圧力P2、真空容器20の容積V2、気体定数Rおよび収容容器10および真空容器20の温度Taを予め記憶し、
記憶されたMF、P1、V1、Vw、P2、V2、RおよびTa、並びに収容容器10および真空容器20の圧力が同じとなったときに圧力センサ30により検出される真空容器20の圧力P3を数1に代入することにより、ステータ1に付着した液体の重量WFを算出する。
このように構成することにより、真空容器20の圧力を検出するだけで精度良くステータ1に付着した液体の重量を測定することが可能である。
ステータ1を収容する収容容器10と、
収容容器10の容積V1とステータ1の体積Vwとの差分よりも大きい容積V2を有する真空容器20と、
を用いてステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を測定する液体付着量測定方法であって、
第一の圧力P1(本実施形態では、大気圧)でステータ1を収容容器10に収容する収容工程S1100と、
真空容器20を第一の圧力P1よりも低い第二の圧力P2まで減圧する減圧工程S1200と、
第一の圧力P1でステータ1が収容された収容容器10と第二の圧力P2まで減圧された真空容器20とを連通することにより収容容器10および真空容器20の圧力を同じとする均圧工程S1300と、
均圧工程S1300において収容容器10の圧力と同じとなった真空容器20の圧力P3を検出する圧力検出工程S1400と、
圧力検出工程S1400において検出された真空容器20の圧力P3に基づいてステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を算出する液体重量算出工程S1500と、
を具備する。
このように構成することにより、ステータ1に付着したフッ素系溶液の重量を精度良く測定することが可能である。
ただし、サイクルタイム(一連の作業に要する時間)を短縮する観点からは、収容工程と減圧工程とを並行することが望ましい。
液体重量算出工程S1500において、
予め記憶されたフッ素系溶液の分子量MF、第一の圧力P1、収容容器10の容積V1、ステータ1の体積Vw、第二の圧力P2、真空容器20の容積V2、気体定数Rおよび収容容器10および真空容器20の温度Ta、並びに収容容器10および真空容器20の圧力が同じとなったときに検出される真空容器20の圧力P3を数1に代入することにより、ステータ1に付着したフッ素系溶液の重量WFを算出する。
このように構成することにより、真空容器20の圧力を検出するだけで精度良くステータ1に付着した液体の重量を測定することが可能である。
10 収容容器(ワーク収容容器)
20 真空容器
30 圧力センサ
40 真空ポンプ
50 弁機構
100 液体付着量測定装置
Claims (5)
- ワークを収容するワーク収容容器と、
前記ワーク収容容器の容積と前記ワークの体積との差分よりも大きい容積を有する真空容器と、
前記真空容器の圧力を検出する圧力センサと、
前記真空容器を減圧する真空ポンプと、
を具備し、
第一の圧力で前記ワークが収容された前記ワーク収容容器と前記真空ポンプにより前記第一の圧力よりも低い第二の圧力まで減圧された前記真空容器とを連通し、前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力が同じとなったときに前記圧力センサにより検出される前記真空容器の圧力に基づいて前記ワークに付着した液体の重量を測定する液体付着量測定装置。 - 前記ワーク収容容器が前記真空容器から遮断されるとともに前記真空ポンプが前記真空容器に連通する状態、または前記ワーク収容容器が前記真空容器に連通するとともに前記真空ポンプが前記真空容器から遮断される状態のいずれかに切り替える弁機構と、
前記弁機構を前記ワーク収容容器が前記真空容器から遮断されるとともに前記真空ポンプが前記真空容器に連通する状態に切り替えることにより前記真空容器を前記第二の圧力まで減圧し、次いで前記弁機構を前記ワーク収容容器が前記真空容器に連通するとともに前記真空ポンプが前記真空容器から遮断される状態に切り替えることにより前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力を同じとし、前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力が同じとなったときに前記圧力センサにより検出される前記真空容器の圧力に基づいて前記ワークに付着した液体の重量を算出する制御装置と、
を具備する請求項1に記載の液体付着量測定装置。 - ワークを収容するワーク収容容器と、
前記ワーク収容容器の容積と前記ワークの体積との差分よりも大きい容積を有する真空容器と、
を用いて前記ワークに付着した液体の重量を測定する液体付着量測定方法であって、
第一の圧力で前記ワークを前記ワーク収容容器に収容する収容工程と、
前記真空容器を前記第一の圧力よりも低い第二の圧力まで減圧する減圧工程と、
第一の圧力で前記ワークが収容された前記ワーク収容容器と前記第二の圧力まで減圧された前記真空容器とを連通することにより前記ワーク収容容器および前記真空容器の圧力を同じとする均圧工程と、
前記均圧工程において前記ワーク収容容器の圧力と同じとなった前記真空容器の圧力を検出する圧力検出工程と、
前記圧力検出工程において検出された前記真空容器の圧力に基づいて前記ワークに付着した液体の重量を算出する液体重量算出工程と、
を具備する液体付着量測定方法。
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