JP2001099848A - 自動分注装置 - Google Patents

自動分注装置

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JP2001099848A JP28168599A JP28168599A JP2001099848A JP 2001099848 A JP2001099848 A JP 2001099848A JP 28168599 A JP28168599 A JP 28168599A JP 28168599 A JP28168599 A JP 28168599A JP 2001099848 A JP2001099848 A JP 2001099848A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分注先容器に付与される陰圧により分注元容
器から試料を吸い出す自動分注装置において、精度のよ
い定量分注を実現する。 【解決手段】 分注容器70に真空採血管50が気密接
続される。ポンプ弁84を閉止し、シリンジポンプ88
に所定の陰圧が形成される。ポンプ弁84を一瞬だけ開
放することにより、分注容器70に目標陰圧が付与さ
れ、真空採血管50からの血清54の採取が開始され
る。目標陰圧は、採血管空気層58の体積と目標血清採
取量とに基づいて算定される。さらに制御部106は、
シリンジポンプ88内に形成される陰圧状態を目標陰圧
に基づいて決定し、駆動機構110を介して当該陰圧状
態を実現する。採取量が目標血清採取量に達すると、採
血管空気層58と分注容器70内の空気との圧力平衡の
実現により、分注容器70への血清採取動作は自律的に
停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動分注装置に関
し、特に分注先容器に付与される陰圧により分注元容器
から試料を採取する分注装置における分注量制御に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、臨床検査分野で行われる血液検査
では、被検者の血液が密閉式採血管(真空採血管)に採
取され、それを遠心分離して得られる血清が検体として
用いられるのが一般的である。この真空採血管から血清
を採取する作業は、衛生管理上、当該採血管の封止栓を
取らずに行われることがある。真空採血管から封止栓を
取らずに内部の血液試料を抜取るために、従来から各種
の装置が提案されている。例えば、特開平7−7752
7号公報には、遠心分離後の採血管から血清のみを採取
する装置が開示されている。この装置で血液試料の採取
を行う場合には、まず、倒立させた採血管の封止栓(中
央部がゴム部材)に対して単管型の採取針が穿刺され、
その下方に採取容器が配置される。採取針を介して採血
管内部と採取容器とは気密接続される。その状態におい
て、ポンプを利用して採取容器の気密空間に陰圧を付与
すると、血清が採取針を介して採血管から採取容器へ吸
引・採取される。
【0003】このような血液試料を採取する装置の多く
は、採血管内の血液試料を採取容器に全量抜取るもので
ある。この場合、全量抜取りを行った後に、採取容器か
ら分注が実行され、その上で、各種の試薬を使用して血
液分析が行われる。これに対して、特開平9−7995
3号公報に記載される血液試料採取装置は、定量抜取り
を行うものである。定量抜取りが可能な血液試料採取装
置によれば、採血管から直接、1又は複数の採取容器へ
の分注を行うことができる。
【0004】図6は、この従来の定量抜取り可能な血液
試料採取装置の模式的な構成図である。倒立された真空
採血管2は封止栓4で封止されており、その封止栓4に
カプラー6の単管型の採取針8が穿刺される。カプラー
6の下にはカプラー台10を介して採取容器12が配置
される。この採取容器12はカプラー台10に設けられ
るパッキング材に圧接され、その内部の気密を保つこと
ができる。この気密空間は、採取針8によって真空採血
管2に連通されるとともに、カプラー台10に接続され
たエアチューブ16によって当該気密空間に対する減圧
及び大気開放を周期的に行う減圧・大気開放手段につな
がる。減圧・大気開放手段は、エアチューブ16に接続
される三方弁18と、この三方弁18の一つの方向に接
続された減圧ポンプ20と、三方弁18の残りの一方向
が大気に開放されている開放端22とによって構成され
る。減圧ポンプ20によって採取容器12の気密空間に
陰圧を付与すると、採取針8を介して真空採血管2から
血清24が採取容器12へ吸引・採取される。
【0005】この従来の装置では、減圧・大気開放手段
を制御し、一回の減圧及び大気開放を併せて基本ステッ
プとして、それを繰り返し実行させることにより、所望
量の血液試料の抜取りが行われる。このとき、一回の減
圧時間が、採取針8を通過する血清の流速が一定とみな
せる短い時間に設定される。このように、この従来の装
置は、吸引開始からの経過時間と抜取り量とが比例関係
にあるとみなすことができる範囲での吸引を繰り返すこ
とにより、採取容器12への血清の分注量を精度良く制
御しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】採血管から採取容器へ
血清が分注されるにつれて、採取容器内の陰圧は低減
し、採取針8を通過する血清流速も低下する。上述の従
来の装置は、この血清流速の過渡特性の影響を受けない
ようにするために一回の減圧時間を短くしている。しか
し、どんなに一回の減圧時間を短くしても、吸引を開始
してからある有限時間後の流速は微妙に変化し、分注量
の制御に関しその影響を皆無にすることはできない。こ
こで、一回の減圧時間を短くすればそれだけ、流速の過
渡特性の影響自体は軽減され得る。しかし、この場合、
一定の分注量を得るための繰り返し回数は増加するた
め、例えば減圧時間の制御ばらつき等の要因による誤差
が累積されることになる。
【0007】また、血清流速の過渡特性は、血清の粘性
や真空採血管2内の空気層26の体積の影響も受ける。
よって、減圧時間を一定にしても、血液サンプル毎に分
注量のばらつきが生じる。また、採取針8の管径のばら
つき等に応じて、血清流速は装置毎に異なりうる。
【0008】このように採血管からの定量抜き取りを行
う従来の装置は、その分注量の制御に関し様々な誤差要
因を有しており、精度の良い制御が難しいという問題を
有していた。
【0009】この問題は、採取容器へ吸引された血清量
をモニタすることができれば、モニタ量が目標値に達し
た時点で吸引を停止させることにより改善されると考え
られる。しかしこの場合にも、分注量が目標値に達した
ことが検知されてから吸引動作の停止制御が行われるま
でには、ある程度の制御系の応答時間を要する。そのた
め、この応答時間中に吸引される血清量が血清流速の差
異によってばらつくことによる分注精度の劣化は回避で
きない。
【0010】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、分注先容器へ付与される陰圧によって分注
元容器から試料を吸引する際に精度の良い分注量制御が
行われる自動分注装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動分注装
置は、試料採取前における分注元容器内の分注元気体層
の気体状態量を検知する気体状態検知手段と、当該気体
状態量と目標試料採取量とに基づいて、分注先容器に試
料採取開始時に付与すべき目標陰圧を求める陰圧決定手
段とを有するものである。
【0012】分注元容器から分注先容器へ採取される試
料の量は、分注先容器に付与される陰圧に応じて変化す
る。しかし、この陰圧が同じであっても、分注元容器内
の分注元気体層の圧力、体積等の気体状態量が相違する
と、分注先容器に採取される試料の量に差異が生じる。
本発明によれば、この試料の採取量に影響を与える分注
元容器の気体状態量が検知される。そして、この気体状
態量を考慮に入れた上で目的試料採取量に応じた目的陰
圧が決定され、当該目的陰圧値に基づいて分注先容器へ
陰圧が付与される。これにより、分注先容器への陰圧付
加による試料採取に際し、サンプル毎に異なり得る分注
元気体層の状態の影響が排除され、精度良く目的とする
試料採取量を得ることができる。
【0013】本発明に係る自動分注装置においては、陰
圧決定手段は、試料が分注元容器から陰圧付与後の分注
先容器へ目標試料採取量だけ移動することにより、分注
元気体層と分注先容器内の気体とが圧力平衡することに
基づいて目標陰圧を求める。
【0014】分注元容器と分注先容器とは互いに連通さ
れ、両容器内部の気体状態は試料の移動によって平衡状
態に達する。本発明によれば、一方の容器である分注元
容器の試料採取前の気体状態は気体状態検知手段により
把握される。よって、他方の容器である分注先容器に付
与する陰圧を定め気体状態を決定すれば、それに対応し
てどれだけの試料が採取されると両容器の気体が圧力平
衡状態となるかを求めることができる。これに基づいて
本発明では、両容器の気体が圧力平衡となるときに目標
試料採取量が実現されるように目標陰圧が定められ、付
与される。分注先容器へ採取された試料が目標試料採取
量に達すると、両容器内部の気体が平衡状態となり、こ
れにより分注先容器への試料採取が自律的に停止され
る。つまり、本装置では目標状態の検出及びそれに伴う
試料採取停止動作が不要である。
【0015】本発明に係る自動分注装置は、試料採取前
に分注元気体層の圧力を所定値に設定する気体圧力設定
手段を有し、前記気体状態検知手段が、分注元気体層の
体積を検知する気体体積検知手段を有する。
【0016】気体の体積を非接触で検知することは比較
的容易であるが、圧力を非接触で検知することはそれほ
ど容易ではない。本発明によれば、分注元気体層の圧力
は所定値に設定されるため、気体状態検知手段は分注元
気体層の体積を検知すればよく、気体状態検知手段の構
成が単純・容易化される。
【0017】本発明に係る自動分注装置においては、前
記気体圧力設定手段は、分注元容器を大気開放する。本
発明によれば、分注元気体層の圧力設定が容易な構成に
より実現される。本発明の好適な態様においては、分注
先容器は、分注元容器との気密接続時に内部圧力を大気
圧にされる。本発明によれば、分注元容器と分注先容器
との気密接続時に分注元気体層と分注先容器内との双方
の圧力を測定するための手段を特別に設ける必要がな
く、構成の簡素化が図られる。
【0018】本発明に係る自動分注装置は、分注元容器
と分注先容器とを分離する際に分注先容器の内部圧力を
大気圧とする大気圧付与手段を有するものである。本発
明によれば、試料採取後に分注先容器に大気圧が付与さ
れることにより分注先容器内と分注元気体層との双方が
陰圧を解消され、その後、両容器が分離される。両容器
の内外の圧力が等しくされた後、分離されることにより
容器からの試料の飛散が防止される。
【0019】本発明に係る自動分注装置は、分注先容器
に接続される陰圧源と、分注先容器と陰圧源との接続を
制御する制御弁と、制御弁開放時に分注先容器の内部圧
力が前記目標陰圧となるように前記陰圧源の気体状態量
を制御弁開放前に制御する陰圧源制御手段と、分注先容
器への試料の採取動作の開始に際して陰圧源を一時的に
分注先容器に接続させ、採取動作中は陰圧源を分注先容
器から遮断するように制御弁を制御する弁制御手段とを
有する。
【0020】分注先容器に陰圧を付与するために陰圧源
が用いられる。陰圧源にはシリンジポンプ等の機械的動
作を伴うポンプが用いられる。陰圧源の容積は、その機
械的動作や、分注元気体層の気体状態に応じた目標陰圧
の相違に起因して変動し得る。本発明によれば、採取動
作中は、陰圧源が制御弁によって分注先容器から遮断さ
れ、所定の容積を有する分注先容器の気体と分注元気体
層との間の圧力差を縮小するように採取動作が進行す
る。この場合、分注先容器の容積が所定値であるという
条件の下で目標陰圧を決定することができ、当該条件下
では、目標陰圧決定の処理・手段が簡素化される。本発
明では、この条件を満たすために、分注先容器への陰圧
の付与は次のように行われる。陰圧源制御手段は陰圧源
を目標陰圧より低い圧力とし、次いで短時間だけ制御弁
が開かれる。制御弁を開くことにより、陰圧源と分注先
容器との気体状態が平均化され、分注先容器内に目標陰
圧が実現される。その後、制御弁は閉じられ試料採取期
間中、陰圧源は分注先容器から遮断される。
【0021】
【発明の実施の形態】[実施形態1]次に、本発明の実
施形態について図面を参照して説明する。
【0022】図1、図2は、本発明の原理を説明する模
式図である。図1は、分注先容器に付与された陰圧によ
る試料の採取動作の原理を示すものである。液状試料を
収容した分注元容器30は分注先容器32と連通管34
を介して気密接続される。
【0023】図1(a)、(b)はそれぞれ、分注先容
器32への試料採取前、採取後の状態を示すものであ
る。本発明では、分注元容器30内の試料は、分注先容
器32に付与した陰圧によって吸い出され、分注先容器
32に採取される。この採取動作は、分注元容器30内
の空気層36と分注先容器32内の空気とが圧力平衡に
達することにより終了する。以下、分注元容器30内の
空気層36の圧力、体積は試料採取前においてP0,
、試料採取後においてP’,V’で表し、また分
注先容器32内の空気で満たされた密閉空間の圧力、体
積は試料採取前においてP,V、試料採取後におい
てP’,V’で表す。
【0024】空気層36と分注先容器32の空気とに関
して、それぞれ気体状態方程式から次式が得られる。
【0025】
【数1】 P=P’V’ ………(1) P=P’V’ ………(2) ここで、採取後においては圧力平衡が達成されることか
ら、
【数2】P’=P’ が成り立つ。また分注先容器32に採取された試料の体
積をΔVとすると、
【数3】 V’=V+ΔV ………(3) V’=V−ΔV ………(4) である。(1)〜(4)式から、
【数4】 ΔV=V(P−P)/(P+P) ………(5) または、
【数5】 P=P(V−ΔV)/{V(V+ΔV)} ………(6) が得られる。P,V,Vが既知の場合には、分注
先容器32に陰圧Pを付与したときの実現が期待され
る試料採取量ΔVを(5)式から求めることができ、ま
た目標試料採取量ΔVに対応して付与すべき目標陰圧P
を(6)式から求めることができる。
【0026】図2は、分注先容器に目標陰圧を付与する
原理を示すものである。分注先容器32には、配管38
を介して減圧ポンプ等の陰圧源40が接続される。配管
38には弁42が設けられ、この弁42を開くことによ
り、陰圧源40から分注先容器32に陰圧が付与され
る。ここで、弁42を閉じた状態での陰圧源40の圧
力,体積をP,Vで表す。弁42を開く前の分注先
容器32内の空気圧力をP ”とすると、弁42開放後
に目標陰圧Pを実現する陰圧源40の圧力Pは次の
関係式から求めることができる。
【0027】
【数6】 P(V+V)=P”V+P ………(7) 図3は、本発明の第一の実施形態である血清自動分注装
置の構成を示す模式図である。分注元容器となる真空採
血管50には血液試料が採取されている。この試料は遠
心分離により血餅52と血清54とが分離材56を介し
て異なる層に分離されている。また、血清54の上には
採血管空気層58が存在する。真空採血管50は開口端
を封止栓60で封止され、分注容器70に気密接続され
る。この気密接続は次に述べるようにカプラー72を用
いて行われる。真空採血管50の封止栓60にカプラー
72の単管型の採取針74が穿刺される。カプラー72
の下にはカプラー台76を介して分注容器70が配置さ
れる。この分注容器70はカプラー台76のパッキング
材に圧接され、その内部の気密を保つことができるとと
もに、採取針74により真空採血管50と連通される。
【0028】カプラー台76の側部に設けられ分注容器
70内部と連通する空気孔80には、チューブ82、ポ
ンプ弁84及びチューブ86を介してシリンジポンプ8
8が接続される。チューブ82の途中に接続される分岐
管90には大気開放弁92が設けられる。後述するよう
に、分注容器70に陰圧を付与して真空採血管50から
血清54を採取する動作においては、大気開放弁92と
ポンプ弁84と双方が閉じられる。
【0029】カプラー台76に立設された支柱100に
は静電容量センサ102が設けられる。この静電容量セ
ンサ102は走査機構103により支柱100に沿って
上下に移動可能である。静電容量センサ102の位置
は、静電容量センサ走査制御回路104によって検知さ
れ、制御部106へ入力される。
【0030】静電容量センサ102はその先端部を真空
採血管50の側面と一定距離に保ちつつ移動され、真空
採血管50内部に形成される物質層に応じた静電容量の
変動を検知する。静電容量センサ102の出力信号は静
電容量センサ出力回路108に入力される。静電容量セ
ンサ出力回路108は、入力信号の変動から採血管空気
層58の境界位置を検知し、その境界位置情報を制御部
106へ入力する。
【0031】制御部106は、後述するように本装置各
部の制御に必要な演算を行い、大気開放弁92の開閉、
ポンプ弁84の開閉、及びシリンジポンプ88の駆動機
構110の制御を行う。
【0032】次に本装置の動作について図4のフロー図
を用いて説明する。真空採血管50と分注容器70とを
気密接続して図3に示す構成とするために、まず真空採
血管50にカプラー72が取り付けられる。これによ
り、真空採血管50の内部は採取針74を介して大気開
放される。真空採血管50の内部は一般に陰圧状態で封
止栓60により封止されるので、採取針74を通して外
部から真空採血管50内部へ空気が流入することによ
り、採血管空気層58の圧力(血清採取前の圧力P
は大気圧に設定される(S200)。カプラー72を取
り付けられた真空採血管50と、分注容器70とはカプ
ラー台76を介して圧接される。分注容器70は圧接前
に大気開放状態にあり、よって圧接された時点での分注
容器70内の空気の圧力(陰圧付与前の圧力P”)は
大気圧に設定される(S205)。
【0033】分注容器70に陰圧が付与される前に、静
電容量センサ102を用いて採血管空気層58の境界面
の位置が検知され(S210)、制御部106はこの境
界面位置情報から採血管空気層58の厚さを求め、さら
に予め設定される真空採血管50の内径を用いて採血管
空気層58の体積Vを算出する(S215)。
【0034】次に分注容器70に陰圧を付与する過程を
説明する。まず、ポンプ弁84が閉じられ分注容器70
とシリンジポンプ88とが遮断される(S220)。こ
の時点でのシリンジポンプ88のシリンジ室の圧力、体
積をそれぞれP”、V”とすると、P”はポンプ
弁84閉止前の圧力である大気圧に設定される。またV
”は、駆動機構110が検知するピストンの位置に基
づいて決定される(S225)。
【0035】続いて、制御部106は設定された目標血
清採取量ΔVに応じた目標陰圧Pを(6)式に基づい
て計算する(S230)。この計算においては、予め制
御部106に設定される分注容器70の容積と、分注容
器70から各弁84,92までの配管系の容積との合計
値が求められ、これがVとして用いられる。
【0036】目標陰圧Pが定まると、それを得るため
に必要なシリンジポンプ88のピストンの移動量が計算
される(S235)。ここでシリンジポンプ88のピス
トンの移動前後での気体状態方程式に基づいて成り立つ
次の関係式が用いられる。
【0037】
【数7】ピストン移動後のシリンジ室の圧力、体積をP
、Vとすると、 P=P”V” ………(8) 既知の値P”,V,P”,V”及び(8)式を
用いて、(7)式からピストン移動後のシリンジ室の体
積Vが求まる。制御部106は所与のシリンジポンプ
88の内径と(V−V”)とからピストンの移動量
を算定する。
【0038】駆動機構110がこの移動量だけピストン
を移動させ、シリンジ室が圧力Pの陰圧状態にされる
と(S240)、ポンプ弁84が一瞬だけ開かれ、再び
閉じられる(S245)。このポンプ弁84の開放によ
り分注容器70側に瞬時に目標陰圧Pが付与される。
【0039】分注容器70に陰圧が付与されることによ
り、真空採血管50から分注容器70への血清54の移
動が開始される。真空採血管50から分注容器70への
移動した血清の量が目標血清採取量ΔVに達すると、採
血管空気層58と分注容器70内の空気の圧力とが平衡
し、それに伴い血清の移動は自然に停止する(S25
0)。
【0040】血清の移動が停止しても採血管空気層58
及び分注容器70内の圧力は陰圧であるので、大気開放
弁92を開いてそれらの圧力を大気圧に戻し、しかる
後、分注容器70がカプラー台76から取り外される
(S255)。
【0041】同じ真空採血管50から引き続いて別の分
注容器70への血清54の採取を行う場合には(S26
0)、新たな分注容器70をカプラー台76に当接して
真空採血管50に気密接続する工程S205から同様の
動作が繰り返される。なお、このとき、採血管空気層の
体積Vと目標血清採取量ΔVとの和(V+ΔV)を
新たな採血管空気層の体積Vとして用いることとすれ
ば、静電容量センサ102を用いて採血管空気層の厚さ
を求める処理を省略することができる。
【0042】ちなみに、ポンプ弁84は以下の意義を有
する。一つには、ピストンを移動させてシリンジ室に所
定の陰圧を形成する過渡的な過程において分注容器70
へ血清54が流入することによる処理の複雑化、精度良
い制御の困難化を回避することができる。もう一つは、
採血管空気層58の体積Vが各真空採血管50に採取
された血液サンプル毎に異なり、その相違に伴いピスト
ン移動後のシリンジ室の体積Vも血液サンプル毎に変
動することに関係する。分注容器70に目標陰圧を付与
した後、速やかにポンプ弁84を閉じて、血清採取動作
中、シリンジポンプ88を分注容器70から遮断するこ
とができる。このことにより、分注先容器の体積とし
て、ピストン移動後のシリンジ室の体積Vの相違を考
慮する必要がなくなり、計算式が簡単になる。
【0043】なお、上記実施形態の装置では、採血管空
気層58の体積を検知するためのセンサとして静電容量
センサを使用したが、この他、光の透過、屈折率、色等
を利用した光学方式のセンサや、誘電率、電位の違いを
検知できる他方式のセンサを使用した構成とすることも
できる。
【0044】また、上記実施形態の装置では、陰圧源
は、シリンジポンプのシリンジ室の体積を増やすことに
より実現されるが、陰圧源となる気室を他の真空ポンプ
で減圧する構成も可能である。この場合、圧力センサで
当該気室の圧力をモニタし、その圧力が所定値に到達し
たらポンプを停止するという方法で、圧力P、体積V
を有する陰圧源を実現できる。
【0045】また、真空採血管50を正立としても、同
様の分注を行う装置を構成できる。
【0046】[実施形態2]図5は、本発明の第二の実
施形態である血清自動分注装置の構成を示す模式図であ
る。同図において、第一の実施形態のと同様の構成要素
には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0047】この装置が構成上、第一の実施形態と相違
する点は、ポンプ弁84より分注容器70側に陰圧気室
300が設けられ、陰圧気室300と分注容器70との
間に陰圧付与弁302が設けられる。陰圧付与弁302
は、制御部106によって開閉を制御される。
【0048】本装置の動作を、第一実施形態に関するフ
ロー図である図4を参照しながら説明する。本装置で
は、シリンジポンプ88を動作させて所定圧力の陰圧を
形成する際に、ポンプ弁84は開放状態に保たれ、一
方、陰圧付与弁302が閉じられる。この点で、上記実
施形態のステップS220と相違する。これにより、陰
圧気室300がシリンジ室と同じ陰圧に設定される。し
かる後、ポンプ弁84を閉じて陰圧気室300がシリン
ジポンプ88から遮断され、続いて陰圧付与弁302が
開放され、分注容器70に目標陰圧が付与される。これ
により分注容器70への血清採取動作が開始されるが、
陰圧付与弁302はこの血清採取動作中、開放状態に維
持される。このようにしても、シリンジ室はポンプ弁8
4によって遮断されているので、血液サンプル毎に変動
を生じるシリンジ室の体積の影響は分注容器70側に及
ばないからである。
【0049】なお、本装置における目標陰圧Pやシリ
ンジポンプ88のピストン移動量等の計算式は上記実施
形態と相違するが、上記実施形態と同様にして容易に導
出することができる。
【0050】本装置では、分注容器70に目標陰圧を付
与する際に、陰圧付与弁302を継続開放すればよく、
短時間での開閉制御が要求されない。つまり、本装置の
分注精度は弁のレスポンスの影響を受けない。
【0051】
【発明の効果】本発明の自動分注装置によれば、分注元
容器の気体層の状態量と目標試料採取量とに基づいて目
標陰圧を定め、これを分注先容器に付与することにより
分注元容器から分注先容器への試料採取が行われる。分
注先容器への試料採取量が目標試料採取量となるととも
に、分注先気体層と分注先容器内の気体とは平衡状態に
達し、分注先容器への試料の流入が自然と停止する。す
なわち、本発明では、目標試料採取量を目指して自立的
な制御が行われる。これにより、分注元容器から分注先
容器への試料の流速などの要因の影響を受けずに、分注
先容器への精度の高い試料採取を行うことが可能であ
る。また圧力監視や時間計測を行い、それに基づいて例
えば弁の開閉を行うといった制御が不要であるので、装
置構成及び制御動作が単純となる効果がある。またそれ
故に例えば弁の開閉のレスポンス等に起因する精度の低
下が回避され、この点でも精度の向上が図られる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における分注先容器に付与された陰圧
による試料の採取動作の原理を示す模式図である。
【図2】 本発明における分注先容器に目標陰圧を付与
する原理を説明するための模式図である。
【図3】 本発明の第一の実施形態である血清自動分注
装置の構成を示す模式図である。
【図4】 本発明の第一の実施形態である血清自動分注
装置の動作のフロー図である。
【図5】 本発明の第二の実施形態である血清自動分注
装置の構成を示す模式図である。
【図6】 従来の定量抜取り可能な血液試料採取装置の
模式的な構成図である。
【符号の説明】
30 分注元容器、32 分注先容器、34 連通管、
36 空気層、40陰圧源、50 真空採血管、54
血清、58 採血管空気層、60 封止栓、70 分注
容器、72 カプラー、74 採取針、76 カプラー
台、82,86 チューブ、84 ポンプ弁、88 シ
リンジポンプ、92 大気開放弁、102 静電容量セ
ンサ、104 静電容量センサ走査制御回路、106
制御部、108 静電容量センサ出力回路、110 駆
動機構、300 陰圧気室、302 陰圧付与弁。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連通路を介して分注元容器に分注先容器
    を気密接続し、分注先容器に陰圧を付与して分注元容器
    内の試料を分注先容器へ採取する自動分注装置におい
    て、 試料採取前における分注元容器内の分注元気体層の気体
    状態量を検知する気体状態検知手段と、 当該気体状態量と目標試料採取量とに基づいて、分注先
    容器に試料採取開始時に付与すべき目標陰圧を求める陰
    圧決定手段と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動分注装置において、 前記陰圧決定手段は、試料が分注元容器から陰圧付与後
    の分注先容器へ目標試料採取量だけ移動することによ
    り、分注元気体層と分注先容器内の気体とが圧力平衡す
    ることに基づいて目標陰圧を求めること、 を特徴とする自動分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の自動分注
    装置において、 試料採取前に分注元気体層の圧力を所定値に設定する気
    体圧力設定手段を有し、 前記気体状態検知手段は、分注元気体層の体積を検知す
    る気体体積検知手段を有すること、 を特徴とする自動分注装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動分注装置において、 前記気体圧力設定手段は、分注元容器を大気開放するこ
    とを特徴とする自動分注装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の自動分注装置において、 分注先容器は、分注元容器との気密接続時に内部圧力を
    大気圧にされることを特徴とする自動分注装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の自動分注装置において、 分注元容器と分注先容器とを分離する際に分注先容器の
    内部圧力を大気圧とする大気圧付与手段を有することを
    特徴とする自動分注装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の自動分注装置において、 分注先容器に接続される陰圧源と、 分注先容器と陰圧源との接続を制御する制御弁と、 制御弁開放時に分注先容器の内部圧力が前記目標陰圧と
    なるように、前記陰圧源の気体状態量を制御弁開放前に
    制御する陰圧源制御手段と、 分注先容器への試料の採取動作の開始に際して陰圧源を
    一時的に分注先容器に接続させ、採取動作中は陰圧源を
    分注先容器から遮断するように制御弁を制御する弁制御
    手段と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
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