JP4209565B2 - 自動分注装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動分注装置に関し、特に分注先容器に付与される陰圧により分注元容器から試料を採取する分注装置における分注量制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、臨床検査分野で行われる血液検査では、被検者の血液が密閉式採血管(真空採血管)に採取され、それを遠心分離して得られる血清が検体として用いられるのが一般的である。この真空採血管から血清を採取する作業は、衛生管理上、当該採血管の封止栓を取らずに行われることがある。真空採血管から封止栓を取らずに内部の血液試料を抜取るために、従来から各種の装置が提案されている。例えば、特開平7−77527号公報には、遠心分離後の採血管から血清のみを採取する装置が開示されている。この装置で血液試料の採取を行う場合には、まず、倒立させた採血管の封止栓(中央部がゴム部材)に対して単管型の採取針が穿刺され、その下方に採取容器が配置される。採取針を介して採血管内部と採取容器とは気密接続される。その状態において、ポンプを利用して採取容器の気密空間に陰圧を付与すると、血清が採取針を介して採血管から採取容器へ吸引・採取される。
【0003】
このような血液試料を採取する装置の多くは、採血管内の血液試料を採取容器に全量抜取るものである。この場合、全量抜取りを行った後に、採取容器から分注が実行され、その上で、各種の試薬を使用して血液分析が行われる。これに対して、特開平9−79953号公報に記載される血液試料採取装置は、定量抜取りを行うものである。定量抜取りが可能な血液試料採取装置によれば、採血管から直接、1又は複数の採取容器への分注を行うことができる。
【0004】
図6は、この従来の定量抜取り可能な血液試料採取装置の模式的な構成図である。倒立された真空採血管2は封止栓4で封止されており、その封止栓4にカプラー6の単管型の採取針8が穿刺される。カプラー6の下にはカプラー台10を介して採取容器12が配置される。この採取容器12はカプラー台10に設けられるパッキング材に圧接され、その内部の気密を保つことができる。この気密空間は、採取針8によって真空採血管2に連通されるとともに、カプラー台10に接続されたエアチューブ16によって当該気密空間に対する減圧及び大気開放を周期的に行う減圧・大気開放手段につながる。減圧・大気開放手段は、エアチューブ16に接続される三方弁18と、この三方弁18の一つの方向に接続された減圧ポンプ20と、三方弁18の残りの一方向が大気に開放されている開放端22とによって構成される。減圧ポンプ20によって採取容器12の気密空間に陰圧を付与すると、採取針8を介して真空採血管2から血清24が採取容器12へ吸引・採取される。
【0005】
この従来の装置では、減圧・大気開放手段を制御し、一回の減圧及び大気開放を併せて基本ステップとして、それを繰り返し実行させることにより、所望量の血液試料の抜取りが行われる。このとき、一回の減圧時間が、採取針8を通過する血清の流速が一定とみなせる短い時間に設定される。このように、この従来の装置は、吸引開始からの経過時間と抜取り量とが比例関係にあるとみなすことができる範囲での吸引を繰り返すことにより、採取容器12への血清の分注量を精度良く制御しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
採血管から採取容器へ血清が分注されるにつれて、採取容器内の陰圧は低減し、採取針8を通過する血清流速も低下する。上述の従来の装置は、この血清流速の過渡特性の影響を受けないようにするために一回の減圧時間を短くしている。しかし、どんなに一回の減圧時間を短くしても、吸引を開始してからある有限時間後の流速は微妙に変化し、分注量の制御に関しその影響を皆無にすることはできない。ここで、一回の減圧時間を短くすればそれだけ、流速の過渡特性の影響自体は軽減され得る。しかし、この場合、一定の分注量を得るための繰り返し回数は増加するため、例えば減圧時間の制御ばらつき等の要因による誤差が累積されることになる。
【0007】
また、血清流速の過渡特性は、血清の粘性や真空採血管2内の空気層26の体積の影響も受ける。よって、減圧時間を一定にしても、血液サンプル毎に分注量のばらつきが生じる。また、採取針8の管径のばらつき等に応じて、血清流速は装置毎に異なりうる。
【0008】
このように採血管からの定量抜き取りを行う従来の装置は、その分注量の制御に関し様々な誤差要因を有しており、精度の良い制御が難しいという問題を有していた。
【0009】
この問題は、採取容器へ吸引された血清量をモニタすることができれば、モニタ量が目標値に達した時点で吸引を停止させることにより改善されると考えられる。しかしこの場合にも、分注量が目標値に達したことが検知されてから吸引動作の停止制御が行われるまでには、ある程度の制御系の応答時間を要する。そのため、この応答時間中に吸引される血清量が血清流速の差異によってばらつくことによる分注精度の劣化は回避できない。
【0010】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、分注先容器へ付与される陰圧によって分注元容器から試料を吸引する際に精度の良い分注量制御が行われる自動分注装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動分注装置は、試料採取前における分注元容器内の分注元気体層の気体状態量を検知する気体状態検知手段と、当該気体状態量と目標試料採取量とに基づいて、分注先容器に試料採取開始時に付与すべき目標陰圧を求める陰圧決定手段とを有するものである。
【0012】
分注元容器から分注先容器へ採取される試料の量は、分注先容器に付与される陰圧に応じて変化する。しかし、この陰圧が同じであっても、分注元容器内の分注元気体層の圧力、体積等の気体状態量が相違すると、分注先容器に採取される試料の量に差異が生じる。本発明によれば、この試料の採取量に影響を与える分注元容器の気体状態量が検知される。そして、この気体状態量を考慮に入れた上で目的試料採取量に応じた目的陰圧が決定され、当該目的陰圧値に基づいて分注先容器へ陰圧が付与される。これにより、分注先容器への陰圧付加による試料採取に際し、サンプル毎に異なり得る分注元気体層の状態の影響が排除され、精度良く目的とする試料採取量を得ることができる。
【0013】
本発明に係る自動分注装置においては、陰圧決定手段は、試料が分注元容器から陰圧付与後の分注先容器へ目標試料採取量だけ移動することにより、分注元気体層と分注先容器内の気体とが圧力平衡することに基づいて目標陰圧を求める。
【0014】
分注元容器と分注先容器とは互いに連通され、両容器内部の気体状態は試料の移動によって平衡状態に達する。本発明によれば、一方の容器である分注元容器の試料採取前の気体状態は気体状態検知手段により把握される。よって、他方の容器である分注先容器に付与する陰圧を定め気体状態を決定すれば、それに対応してどれだけの試料が採取されると両容器の気体が圧力平衡状態となるかを求めることができる。これに基づいて本発明では、両容器の気体が圧力平衡となるときに目標試料採取量が実現されるように目標陰圧が定められ、付与される。分注先容器へ採取された試料が目標試料採取量に達すると、両容器内部の気体が平衡状態となり、これにより分注先容器への試料採取が自律的に停止される。つまり、本装置では目標状態の検出及びそれに伴う試料採取停止動作が不要である。
【0015】
本発明に係る自動分注装置は、試料採取前に分注元気体層の圧力を所定値に設定する気体圧力設定手段を有し、前記気体状態検知手段が、分注元気体層の体積を検知する気体体積検知手段を有する。
【0016】
気体の体積を非接触で検知することは比較的容易であるが、圧力を非接触で検知することはそれほど容易ではない。本発明によれば、分注元気体層の圧力は所定値に設定されるため、気体状態検知手段は分注元気体層の体積を検知すればよく、気体状態検知手段の構成が単純・容易化される。
【0017】
本発明に係る自動分注装置においては、前記気体圧力設定手段は、分注元容器を大気開放する。本発明によれば、分注元気体層の圧力設定が容易な構成により実現される。本発明の好適な態様においては、分注先容器は、分注元容器との気密接続時に内部圧力を大気圧にされる。本発明によれば、分注元容器と分注先容器との気密接続時に分注元気体層と分注先容器内との双方の圧力を測定するための手段を特別に設ける必要がなく、構成の簡素化が図られる。
【0018】
本発明に係る自動分注装置は、分注元容器と分注先容器とを分離する際に分注先容器の内部圧力を大気圧とする大気圧付与手段を有するものである。本発明によれば、試料採取後に分注先容器に大気圧が付与されることにより分注先容器内と分注元気体層との双方が陰圧を解消され、その後、両容器が分離される。両容器の内外の圧力が等しくされた後、分離されることにより容器からの試料の飛散が防止される。
【0019】
本発明に係る自動分注装置は、分注先容器に接続される陰圧源と、分注先容器と陰圧源との接続を制御する制御弁と、制御弁開放時に分注先容器の内部圧力が前記目標陰圧となるように前記陰圧源の気体状態量を制御弁開放前に制御する陰圧源制御手段と、分注先容器への試料の採取動作の開始に際して陰圧源を一時的に分注先容器に接続させ、採取動作中は陰圧源を分注先容器から遮断するように制御弁を制御する弁制御手段とを有する。
【0020】
分注先容器に陰圧を付与するために陰圧源が用いられる。陰圧源にはシリンジポンプ等の機械的動作を伴うポンプが用いられる。陰圧源の容積は、その機械的動作や、分注元気体層の気体状態に応じた目標陰圧の相違に起因して変動し得る。本発明によれば、採取動作中は、陰圧源が制御弁によって分注先容器から遮断され、所定の容積を有する分注先容器の気体と分注元気体層との間の圧力差を縮小するように採取動作が進行する。この場合、分注先容器の容積が所定値であるという条件の下で目標陰圧を決定することができ、当該条件下では、目標陰圧決定の処理・手段が簡素化される。本発明では、この条件を満たすために、分注先容器への陰圧の付与は次のように行われる。陰圧源制御手段は陰圧源を目標陰圧より低い圧力とし、次いで短時間だけ制御弁が開かれる。制御弁を開くことにより、陰圧源と分注先容器との気体状態が平均化され、分注先容器内に目標陰圧が実現される。その後、制御弁は閉じられ試料採取期間中、陰圧源は分注先容器から遮断される。
【0021】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1、図2は、本発明の原理を説明する模式図である。図1は、分注先容器に付与された陰圧による試料の採取動作の原理を示すものである。液状試料を収容した分注元容器30は分注先容器32と連通管34を介して気密接続される。
【0023】
図1(a)、(b)はそれぞれ、分注先容器32への試料採取前、採取後の状態を示すものである。本発明では、分注元容器30内の試料は、分注先容器32に付与した陰圧によって吸い出され、分注先容器32に採取される。この採取動作は、分注元容器30内の空気層36と分注先容器32内の空気とが圧力平衡に達することにより終了する。以下、分注元容器30内の空気層36の圧力、体積は試料採取前においてP0,、試料採取後においてP’,V’で表し、また分注先容器32内の空気で満たされた密閉空間の圧力、体積は試料採取前においてP,V、試料採取後においてP’,V’で表す。
【0024】
空気層36と分注先容器32の空気とに関して、それぞれ気体状態方程式から次式が得られる。
【0025】
【数1】
=P’V’ ………(1)
=P’V’ ………(2)
ここで、採取後においては圧力平衡が達成されることから、
【数2】
’=P
が成り立つ。また分注先容器32に採取された試料の体積をΔVとすると、
【数3】
’=V+ΔV ………(3)
’=V−ΔV ………(4)
である。(1)〜(4)式から、
【数4】
ΔV=V(P−P)/(P+P) ………(5)
または、
【数5】
=P(V−ΔV)/{V(V+ΔV)} ………(6)
が得られる。P,V,Vが既知の場合には、分注先容器32に陰圧Pを付与したときの実現が期待される試料採取量ΔVを(5)式から求めることができ、また目標試料採取量ΔVに対応して付与すべき目標陰圧Pを(6)式から求めることができる。
【0026】
図2は、分注先容器に目標陰圧を付与する原理を示すものである。分注先容器32には、配管38を介して減圧ポンプ等の陰圧源40が接続される。配管38には弁42が設けられ、この弁42を開くことにより、陰圧源40から分注先容器32に陰圧が付与される。ここで、弁42を閉じた状態での陰圧源40の圧力,体積をP,Vで表す。弁42を開く前の分注先容器32内の空気圧力をP”とすると、弁42開放後に目標陰圧Pを実現する陰圧源40の圧力Pは次の関係式から求めることができる。
【0027】
【数6】
(V+V)=P”V+P ………(7)
図3は、本発明の第一の実施形態である血清自動分注装置の構成を示す模式図である。分注元容器となる真空採血管50には血液試料が採取されている。この試料は遠心分離により血餅52と血清54とが分離材56を介して異なる層に分離されている。また、血清54の上には採血管空気層58が存在する。真空採血管50は開口端を封止栓60で封止され、分注容器70に気密接続される。この気密接続は次に述べるようにカプラー72を用いて行われる。真空採血管50の封止栓60にカプラー72の単管型の採取針74が穿刺される。カプラー72の下にはカプラー台76を介して分注容器70が配置される。この分注容器70はカプラー台76のパッキング材に圧接され、その内部の気密を保つことができるとともに、採取針74により真空採血管50と連通される。
【0028】
カプラー台76の側部に設けられ分注容器70内部と連通する空気孔80には、チューブ82、ポンプ弁84及びチューブ86を介してシリンジポンプ88が接続される。チューブ82の途中に接続される分岐管90には大気開放弁92が設けられる。後述するように、分注容器70に陰圧を付与して真空採血管50から血清54を採取する動作においては、大気開放弁92とポンプ弁84と双方が閉じられる。
【0029】
カプラー台76に立設された支柱100には静電容量センサ102が設けられる。この静電容量センサ102は走査機構103により支柱100に沿って上下に移動可能である。静電容量センサ102の位置は、静電容量センサ走査制御回路104によって検知され、制御部106へ入力される。
【0030】
静電容量センサ102はその先端部を真空採血管50の側面と一定距離に保ちつつ移動され、真空採血管50内部に形成される物質層に応じた静電容量の変動を検知する。静電容量センサ102の出力信号は静電容量センサ出力回路108に入力される。静電容量センサ出力回路108は、入力信号の変動から採血管空気層58の境界位置を検知し、その境界位置情報を制御部106へ入力する。
【0031】
制御部106は、後述するように本装置各部の制御に必要な演算を行い、大気開放弁92の開閉、ポンプ弁84の開閉、及びシリンジポンプ88の駆動機構110の制御を行う。
【0032】
次に本装置の動作について図4のフロー図を用いて説明する。真空採血管50と分注容器70とを気密接続して図3に示す構成とするために、まず真空採血管50にカプラー72が取り付けられる。これにより、真空採血管50の内部は採取針74を介して大気開放される。真空採血管50の内部は一般に陰圧状態で封止栓60により封止されるので、採取針74を通して外部から真空採血管50内部へ空気が流入することにより、採血管空気層58の圧力(血清採取前の圧力P)は大気圧に設定される(S200)。カプラー72を取り付けられた真空採血管50と、分注容器70とはカプラー台76を介して圧接される。分注容器70は圧接前に大気開放状態にあり、よって圧接された時点での分注容器70内の空気の圧力(陰圧付与前の圧力P”)は大気圧に設定される(S205)。
【0033】
分注容器70に陰圧が付与される前に、静電容量センサ102を用いて採血管空気層58の境界面の位置が検知され(S210)、制御部106はこの境界面位置情報から採血管空気層58の厚さを求め、さらに予め設定される真空採血管50の内径を用いて採血管空気層58の体積Vを算出する(S215)。
【0034】
次に分注容器70に陰圧を付与する過程を説明する。まず、ポンプ弁84が閉じられ分注容器70とシリンジポンプ88とが遮断される(S220)。この時点でのシリンジポンプ88のシリンジ室の圧力、体積をそれぞれP”、V”とすると、P”はポンプ弁84閉止前の圧力である大気圧に設定される。またV”は、駆動機構110が検知するピストンの位置に基づいて決定される(S225)。
【0035】
続いて、制御部106は設定された目標血清採取量ΔVに応じた目標陰圧Pを(6)式に基づいて計算する(S230)。この計算においては、予め制御部106に設定される分注容器70の容積と、分注容器70から各弁84,92までの配管系の容積との合計値が求められ、これがVとして用いられる。
【0036】
目標陰圧Pが定まると、それを得るために必要なシリンジポンプ88のピストンの移動量が計算される(S235)。ここでシリンジポンプ88のピストンの移動前後での気体状態方程式に基づいて成り立つ次の関係式が用いられる。
【0037】
【数7】
ピストン移動後のシリンジ室の圧力、体積をP、Vとすると、
=P”V” ………(8)
既知の値P”,V,P”,V”及び(8)式を用いて、(7)式からピストン移動後のシリンジ室の体積Vが求まる。制御部106は所与のシリンジポンプ88の内径と(V−V”)とからピストンの移動量を算定する。
【0038】
駆動機構110がこの移動量だけピストンを移動させ、シリンジ室が圧力Pの陰圧状態にされると(S240)、ポンプ弁84が一瞬だけ開かれ、再び閉じられる(S245)。このポンプ弁84の開放により分注容器70側に瞬時に目標陰圧Pが付与される。
【0039】
分注容器70に陰圧が付与されることにより、真空採血管50から分注容器70への血清54の移動が開始される。真空採血管50から分注容器70への移動した血清の量が目標血清採取量ΔVに達すると、採血管空気層58と分注容器70内の空気の圧力とが平衡し、それに伴い血清の移動は自然に停止する(S250)。
【0040】
血清の移動が停止しても採血管空気層58及び分注容器70内の圧力は陰圧であるので、大気開放弁92を開いてそれらの圧力を大気圧に戻し、しかる後、分注容器70がカプラー台76から取り外される(S255)。
【0041】
同じ真空採血管50から引き続いて別の分注容器70への血清54の採取を行う場合には(S260)、新たな分注容器70をカプラー台76に当接して真空採血管50に気密接続する工程S205から同様の動作が繰り返される。なお、このとき、採血管空気層の体積Vと目標血清採取量ΔVとの和(V+ΔV)を新たな採血管空気層の体積Vとして用いることとすれば、静電容量センサ102を用いて採血管空気層の厚さを求める処理を省略することができる。
【0042】
ちなみに、ポンプ弁84は以下の意義を有する。一つには、ピストンを移動させてシリンジ室に所定の陰圧を形成する過渡的な過程において分注容器70へ血清54が流入することによる処理の複雑化、精度良い制御の困難化を回避することができる。もう一つは、採血管空気層58の体積Vが各真空採血管50に採取された血液サンプル毎に異なり、その相違に伴いピストン移動後のシリンジ室の体積Vも血液サンプル毎に変動することに関係する。分注容器70に目標陰圧を付与した後、速やかにポンプ弁84を閉じて、血清採取動作中、シリンジポンプ88を分注容器70から遮断することができる。このことにより、分注先容器の体積として、ピストン移動後のシリンジ室の体積Vの相違を考慮する必要がなくなり、計算式が簡単になる。
【0043】
なお、上記実施形態の装置では、採血管空気層58の体積を検知するためのセンサとして静電容量センサを使用したが、この他、光の透過、屈折率、色等を利用した光学方式のセンサや、誘電率、電位の違いを検知できる他方式のセンサを使用した構成とすることもできる。
【0044】
また、上記実施形態の装置では、陰圧源は、シリンジポンプのシリンジ室の体積を増やすことにより実現されるが、陰圧源となる気室を他の真空ポンプで減圧する構成も可能である。この場合、圧力センサで当該気室の圧力をモニタし、その圧力が所定値に到達したらポンプを停止するという方法で、圧力P、体積Vを有する陰圧源を実現できる。
【0045】
また、真空採血管50を正立としても、同様の分注を行う装置を構成できる。
【0046】
[実施形態2]
図5は、本発明の第二の実施形態である血清自動分注装置の構成を示す模式図である。同図において、第一の実施形態のと同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0047】
この装置が構成上、第一の実施形態と相違する点は、ポンプ弁84より分注容器70側に陰圧気室300が設けられ、陰圧気室300と分注容器70との間に陰圧付与弁302が設けられる。陰圧付与弁302は、制御部106によって開閉を制御される。
【0048】
本装置の動作を、第一実施形態に関するフロー図である図4を参照しながら説明する。本装置では、シリンジポンプ88を動作させて所定圧力の陰圧を形成する際に、ポンプ弁84は開放状態に保たれ、一方、陰圧付与弁302が閉じられる。この点で、上記実施形態のステップS220と相違する。これにより、陰圧気室300がシリンジ室と同じ陰圧に設定される。しかる後、ポンプ弁84を閉じて陰圧気室300がシリンジポンプ88から遮断され、続いて陰圧付与弁302が開放され、分注容器70に目標陰圧が付与される。これにより分注容器70への血清採取動作が開始されるが、陰圧付与弁302はこの血清採取動作中、開放状態に維持される。このようにしても、シリンジ室はポンプ弁84によって遮断されているので、血液サンプル毎に変動を生じるシリンジ室の体積の影響は分注容器70側に及ばないからである。
【0049】
なお、本装置における目標陰圧Pやシリンジポンプ88のピストン移動量等の計算式は上記実施形態と相違するが、上記実施形態と同様にして容易に導出することができる。
【0050】
本装置では、分注容器70に目標陰圧を付与する際に、陰圧付与弁302を継続開放すればよく、短時間での開閉制御が要求されない。つまり、本装置の分注精度は弁のレスポンスの影響を受けない。
【0051】
【発明の効果】
本発明の自動分注装置によれば、分注元容器の気体層の状態量と目標試料採取量とに基づいて目標陰圧を定め、これを分注先容器に付与することにより分注元容器から分注先容器への試料採取が行われる。分注先容器への試料採取量が目標試料採取量となるとともに、分注先気体層と分注先容器内の気体とは平衡状態に達し、分注先容器への試料の流入が自然と停止する。すなわち、本発明では、目標試料採取量を目指して自立的な制御が行われる。これにより、分注元容器から分注先容器への試料の流速などの要因の影響を受けずに、分注先容器への精度の高い試料採取を行うことが可能である。また圧力監視や時間計測を行い、それに基づいて例えば弁の開閉を行うといった制御が不要であるので、装置構成及び制御動作が単純となる効果がある。またそれ故に例えば弁の開閉のレスポンス等に起因する精度の低下が回避され、この点でも精度の向上が図られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における分注先容器に付与された陰圧による試料の採取動作の原理を示す模式図である。
【図2】 本発明における分注先容器に目標陰圧を付与する原理を説明するための模式図である。
【図3】 本発明の第一の実施形態である血清自動分注装置の構成を示す模式図である。
【図4】 本発明の第一の実施形態である血清自動分注装置の動作のフロー図である。
【図5】 本発明の第二の実施形態である血清自動分注装置の構成を示す模式図である。
【図6】 従来の定量抜取り可能な血液試料採取装置の模式的な構成図である。
【符号の説明】
30 分注元容器、32 分注先容器、34 連通管、36 空気層、40 陰圧源、50 真空採血管、54 血清、58 採血管空気層、60 封止栓、70 分注容器、72 カプラー、74 採取針、76 カプラー台、82,86 チューブ、84 ポンプ弁、88 シリンジポンプ、92 大気開放弁、102 静電容量センサ、104 静電容量センサ走査制御回路、106 制御部、108 静電容量センサ出力回路、110 駆動機構、300 陰圧気室、302 陰圧付与弁。

Claims (5)

  1. 連通路を介して分注元容器に分注先容器を気密接続し、分注先容器に陰圧を付与して分注元容器内の試料を分注先容器へ採取する自動分注装置において、
    試料採取前における分注元容器内の分注元気体層の気体状態量を検知する気体状態検知手段と、
    当該気体状態量と目標試料採取量とに基づいて、分注先容器に試料採取開始時に付与すべき目標陰圧を求める陰圧決定手段と、
    を有し、
    前記陰圧決定手段は、試料が分注元容器から陰圧付与後の分注先容器へ目標試料採取量だけ移動することにより、分注元気体層と分注先容器内の気体とが圧力平衡することに基づいて目標陰圧を求め、
    試料採取前に分注元気体層の圧力を所定値に設定する気体圧力設定手段を有し、
    前記気体状態検知手段は、分注元気体層の体積を検知する気体体積検知手段を有する、
    ことを特徴とする自動分注装置。
  2. 請求項1記載の自動分注装置において、
    前記気体圧力設定手段は、分注元容器を大気開放することを特徴とする自動分注装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動分注装置において、
    分注先容器は、分注元容器との気密接続時に内部圧力を大気圧にされることを特徴とする自動分注装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動分注装置において、
    分注元容器と分注先容器とを分離する際に分注先容器の内部圧力を大気圧とする大気圧付与手段を有することを特徴とする自動分注装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動分注装置において、
    分注先容器に接続される陰圧源と、
    分注先容器と陰圧源との接続を制御する制御弁と、
    制御弁開放時に分注先容器の内部圧力が前記目標陰圧となるように、前記陰圧源の気体状態量を制御弁開放前に制御する陰圧源制御手段と、
    分注先容器への試料の採取動作の開始に際して陰圧源を一時的に分注先容器に接続させ、採取動作中は陰圧源を分注先容器から遮断するように制御弁を制御する弁制御手段と、
    を有することを特徴とする自動分注装置。
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