JP3373453B2 - 自動分注装置 - Google Patents

自動分注装置

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JP3373453B2
JP3373453B2 JP20745599A JP20745599A JP3373453B2 JP 3373453 B2 JP3373453 B2 JP 3373453B2 JP 20745599 A JP20745599 A JP 20745599A JP 20745599 A JP20745599 A JP 20745599A JP 3373453 B2 JP3373453 B2 JP 3373453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動分注装置に関
し、特に分注先容器に付与される陰圧により分注元容器
から試料を吸引する分注装置における分注量制御に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、臨床検査分野で行われる血液検査
では、被検者の血液が密閉式採血管(真空採血管)に採
取され、それを遠心分離して得られる血清が検体として
用いられるのが一般的である。この真空採血管から血清
を採取する作業は、衛生管理上、当該採血管の封止栓を
取らずに行われることがある。真空採血管から封止栓を
取らずに内部の血液試料を抜取るために、従来から各種
の装置が提案されている。例えば、特開平7−7752
7号公報には、遠心分離後の採血管から血清のみを採取
する装置が開示されている。この装置で血液試料の採取
を行う場合には、まず、倒立させた採血管の封止栓(中
央部がゴム部材)に対して単管型の採取針が穿刺され、
その下方に採取容器が配置される。採取針を介して採血
管内部と採取容器とは気密接続される。その状態におい
て、ポンプを利用して採取容器の気密空間に陰圧を付与
すると、血清が採取針を介して採血管から採取容器へ吸
引・採取される。
【0003】このような血液試料を採取する装置の多く
は、採血管内の血液試料を採取容器に全量抜取るもので
ある。この場合、全量抜取りを行った後に、採取容器か
ら分注が実行され、その上で、各種の試薬を使用して血
液分析が行われる。これに対して、特開平9−7995
3号公報に記載される血液試料採取装置は、定量抜取り
を行うものである。定量抜取りが可能な血液試料採取装
置によれば、採血管から直接、1又は複数の採取容器へ
の分注を行うことができる。
【0004】図7は、この従来の定量抜取り可能な血液
試料採取装置の模式的な構成図である。倒立された真空
採血管2は封止栓4で封止されており、その封止栓4に
カプラー6の単管型の採取針8が穿刺される。カプラー
6の下にはカプラー台10を介して採取容器12が配置
される。この採取容器12はカプラー台10に設けられ
るパッキング材に圧接され、その内部の気密を保つこと
ができる。この気密空間は、採取針6によって真空採血
管2に連通されるとともに、カプラー台10に接続され
たエアチューブ16によって当該気密空間に対する減圧
及び大気開放を周期的に行う減圧・大気開放手段につな
がる。減圧・大気開放手段は、エアチューブ16に接続
される三方弁18と、この三方弁18の一つの方向に接
続された減圧ポンプ20と、三方弁18の残りの一方向
が大気に開放されている開放端22とによって構成され
る。減圧ポンプ20によって採取容器12の気密空間に
陰圧を付与すると、採取針8を介して採血管2から血清
24が採取容器12へ吸引・採取される。
【0005】この従来の装置では、減圧・大気開放手段
を制御し、一回の減圧及び大気開放を併せて基本ステッ
プとして、それを繰り返し実行させることにより、所望
量の血液試料の抜取りが行われる。このとき、一回の減
圧時間が、採取針8を通過する血清の流速が一定とみな
せる短い時間に設定される。このように、この従来の装
置は、吸引開始からの経過時間と抜取り量とが比例関係
にあるとみなすことができる範囲での吸引を繰り返すこ
とにより、採取容器12への血清の分注量を精度良く制
御しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】採血管から採取容器へ
血清が分注されるにつれて、採取容器内の陰圧は低減
し、採取針8を通過する血清流速も低下する。上述の従
来の装置は、この血清流速の過渡特性の影響を受けない
ようにするために一回の減圧時間を短くしている。しか
し、どんなに一回の減圧時間を短くしても、吸引を開始
してからある有限時間後の流速は微妙に変化し、分注量
の制御に関しその影響を皆無にすることはできない。こ
こで、一回の減圧時間を短くすればそれだけ、流速の過
渡特性の影響自体は軽減され得る。しかし、この場合、
一定の分注量を得るための繰り返し回数は増加するた
め、例えば減圧時間の制御ばらつき等の要因による誤差
が累積されることになる。
【0007】また、血清流速の過渡特性は、血清の粘性
や採血管2内の空気層26の体積の影響も受ける。よっ
て、減圧時間を一定にしても、血液サンプル毎に分注量
のばらつきが生じる。また、採取針8の管径のばらつき
等に応じて、血清流速は装置毎に異なりうる。
【0008】このように採血管からの定量抜き取りを行
う従来の装置は、その分注量の制御に関し様々な誤差要
因を有しており、精度の良い制御が難しいという問題を
有していた。
【0009】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、分注先容器へ付与される陰圧によって分注
元容器から試料を吸引する際に精度の良い分注量制御が
行われる自動分注装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動分注装
置は、分注元容器に分注先容器を気密接続し、前記分注
先容器に陰圧を付与して前記分注元容器から前記分注先
容器へ試料を吸引・採取する自動分注装置であり、当該
自動分注装置において前記分注先容器内部の気体圧力を
検出する圧力検出手段と、前記陰圧付与後の気体圧力の
上昇幅に基づいて前記分注先容器への試料の採取量を制
御する採取量制御手段とを備えたものである。
【0011】分注元容器から分注先容器へ試料が吸引さ
れると、その吸引量に応じて分注先容器の内部の気体
(例えば空気)に付与された陰圧が緩和されるととも
に、分注先容器内の当該気体の体積は減少する。ここで
分注先容器内の気体体積とその圧力とは、気体の状態方
程式によって関係付けられる。本発明によれば、圧力検
出手段が分注先容器内の気体圧力をモニタする。採取量
制御手段は、圧力検出手段の出力に基づいて、分注先容
器に付与された陰圧の初期値からの気体圧力の上昇幅を
検知し、状態方程式に基づく関係を利用して、当該圧力
上昇幅に対応する容器内の気体体積の減少幅を評価す
る。この気体体積の減少幅は、分注先容器に採取された
試料の体積に相当する。つまり、採取量制御手段は、気
体体積の減少幅に基づいて分注先容器への試料の採取量
を制御することができる。
【0012】他の本発明に係る自動分注装置において
は、前記採取量制御手段が、前記気体圧力の上昇幅に基
づいて前記分注先容器への試料の採取量が目標値に達し
たことを判定する採取量判定手段と、前記採取量判定手
段による判定タイミングに従って前記分注先容器内部の
気体圧力を更に上昇させて、前記分注先容器への試料の
流入を停止させる採取停止手段とを有する。
【0013】本発明によれば、採取量判定手段が、陰圧
が付与され分注元容器からの試料の吐出が開始された時
点からの気体圧力の上昇幅が所定値に達したことに基づ
いて、分注先容器への試料の採取量が目標値に達したこ
とを判定する。採取停止手段は、採取量が目標値に達し
たという採取量判定手段による判定結果を受けると、そ
れに応答して分注先容器内部の気体圧力を上昇させる。
このとき気体圧力は、分注元容器からの試料の流入が停
止される値まで増加される。その下限値は、例えば、分
注元容器内部の気体圧力、倒立時の分注元容器内の試料
の重さ、分注元容器と分注先容器との連通路のコンダク
タンス、試料の粘性といった要因の影響を受け、単純に
分注先容器の気体圧力だけでは一般に定まらない。普通
には、分注先容器の陰圧が完全に解消されなくても試料
の流入は停止され得る。ここで、流入を急峻に停止させ
るために、下限値より高い値に気体圧力を上昇させるよ
うに採取停止手段を構成することもできる。例えば、採
取停止手段は、大気圧又はそれ以上の値に気体圧力を上
昇させるように構成することができる。
【0014】本発明の好適な態様は、前記採取停止手段
が、前記分注容器内部を外気に連通させて前記分注容器
内部の気体圧力を大気圧に戻す自動分注装置である。
【0015】さらに他の本発明に係る自動分注装置は、
前記陰圧を発生させて前記分注先容器に付与するポンプ
と、前記採取量制御手段による採取量制御が行われてい
る間、前記ポンプを前記分注先容器から遮断するポンプ
遮断弁とを有するものである。
【0016】本発明によれば、陰圧を発生するポンプが
分注先容器に接続され、ポンプにて陰圧が発生される
と、当該陰圧が分注先容器の内部の空間にも及ぼされ
る。これにより、分注元容器からの試料の吸引、採取が
始まり、採取量制御手段による採取量制御が開始され
る。ポンプ遮断弁は、ポンプから分注先容器へ陰圧が付
与されると速やかに閉じられ、ポンプに関わる空間が分
注先容器から遮断される。これにより、採取量制御に関
係する空間、つまり試料流入による気体圧力の変化が生
じる空間はポンプ遮断弁から分注先容器側の空間に制限
される。このように制御に関係する気体空間を抑制した
場合における当該空間への試料の流入による気体空間の
減少の割合は、ポンプ遮断弁が開放され気体空間が抑制
されない場合に比べ増大される。つまり、より大きな気
体圧力の上昇幅が得られることになり、気体圧力変動の
検出感度が増大する。なお、ポンプ遮断弁によって分注
先容器から遮断されるポンプに関係する空間には、ポン
プ自体の気室のほか、ポンプと分注先容器とをつなぐ配
管が含まれ得る。また、ポンプは分注先容器から圧力媒
体となる気体を吸引できるものであれば種類を問わず、
例えばシリンジポンプを用いることもできる。
【0017】別の本発明に係る自動分注装置は、前記分
注先容器と共通に前記陰圧を付与される陰圧気室と、前
記採取量制御手段による採取量制御が行われている間、
前記陰圧気室を前記分注先容器から遮断する陰圧気室遮
断弁とを有し、前記圧力検出手段が、前記分注先容器と
前記陰圧気室との気体圧力の差圧を検出する差圧センサ
であるものである。
【0018】本発明によれば、陰圧気室と陰圧気室を分
注先容器から遮断する陰圧気室遮断弁とが設けられる。
陰圧気室は陰圧気室遮断弁を開放している状態では、分
注先容器の気体空間と連通するように構成され、ポンプ
等の陰圧を発生する手段によって分注先容器と基本的に
同じ陰圧が付与される。一方、陰圧気室遮断弁を閉じる
と、分注先容器と陰圧気室とは遮断され、よって分注先
容器に試料が吸引されその内部の気体圧力が当初付与さ
れた陰圧から変動しても、陰圧気室には分注先容器に当
初付与されたと同じ陰圧が保持される。本発明では圧力
検出手段として、2つの部位の圧力の差を検出する差圧
センサが設けられ、分注先容器と陰圧気室との差圧を検
出する。分注先容器に陰圧が付与され採取量制御手段に
よる採取量制御が開始されると陰圧気室遮断弁は閉じら
れ、陰圧気室には制御開始時の分注先容器の陰圧が保持
されるので、差圧センサからは、分注先容器の制御開始
時における圧力と現在の圧力との差が出力される。
【0019】
【発明の実施の形態】[実施形態1]次に、本発明の実
施形態について図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本発明の原理を説明する模式図で
ある。液状試料を収容した分注元容器30と分注先容器
32とが気密接続される。両容器30,32は連通管3
4を介して連通している。分注先容器32には減圧ポン
プ36が接続され、減圧ポンプ36は分注先容器32内
の空気を吸引することができる。同図(a)は、吸引開
始前の状態を示すものであり、このときの分注先容器3
2及びそれに連なる部分の空気で満たされた密閉空間の
容積をV0とする。この状態にて減圧ポンプ36を動作
して当該密閉空間の圧力を瞬時にP0に低下させると、
密閉空間に陰圧が付与されることにより、分注元容器3
0から分注先容器32への液状試料の吸引動作が開始さ
れる。同図(b)は吸引が開始された後の状態を示す図
である。吸引動作が開始されてからの時刻tにおける密
閉空間の圧力をP(t)、密閉空間内に流入した液状試料
の体積をΔV(t)とすると、この密閉空間内についての
気体の状態方程式として次式が成立する。
【0021】
【数1】 P00 n=P(t){V0−ΔV(t)}n ………(1) ここでnは1から密閉空間内の気体の比熱比γまでのい
ずれかの値をとり、特に、完全に断熱的である場合には
n=γであり、また等熱的である場合にはn=1とな
る。なお、気体が空気である場合の比熱比γは1.4で
ある。ΔV(t)≪V0を仮定して、ΔV(t)について近似
的に(1)式を解くと次式が得られる。
【0022】
【数2】 ΔV(t)=(P(t)−P0)V0/nP(t) ………(2) この式は、連通管34からの液状試料の流入が開始され
てからの密閉空間内の圧力変化P(t)をモニタすること
によって、その時刻の液状試料の流入体積ΔV(t)を知
ることができることを示している。したがって、圧力変
化P(t)が、目標とする分注量に応じた圧力レベルに達
したタイミングで、密閉空間を大気開放する等の手段に
よって液状試料の流入を停止させることにより、所望の
量の定量分注を達成することができる。
【0023】図2は、本発明の第一の実施形態である血
清自動分注装置の構成を示す模式図である。分注元容器
となる真空採血管50には血液試料が採取されている。
この試料は遠心分離により血餅52と血清54とが分離
材56を介して異なる層に分離されている。また、血清
54の上には空気層58が存在する。真空採血管50は
開口端を上部に向けて配置され、開口端は封止栓60で
封止される。また分注先容器となる分注容器70もその
開口端を上部に向けて配置され、その開口端は封止栓7
2で封止される。
【0024】真空採血管50と分注容器70とは連通管
74によって連通され、連通管74の真空採血管50側
の端部は血清54の層内に差し込まれる。分注容器70
の封止栓72には、チューブ76の一方端が差し込まれ
る。チューブ76の他方端には分注先容器に陰圧を付与
する手段である減圧ポンプ80、圧力検出手段である圧
力センサ82、及び大気開放弁84が互いに並列に接続
される。圧力センサ82により検出される圧力変動信号
は、増幅器86によって増幅された後、制御部88へ入
力される。また、大気開放弁84の開閉は制御部88に
よって制御することができる。
【0025】図3は、減圧ポンプ80により陰圧を付与
した場合の分注容器70内の気体圧力(ここでは空気
圧)の変化を示す模式的なグラフである。時刻tSにて
減圧ポンプ80を動作して、分注容器70内の空気圧を
大気圧PATから所定の陰圧P0まで速やかに低下させる
(圧力曲線100)。分注容器70を含む密閉空間の空
気圧が所定の陰圧P0に達したことは圧力センサ82の
出力に基づいて制御部88により検知され、その時点
(t=t0)で減圧ポンプ80は停止される。
【0026】分注容器70内に陰圧が付与されると、真
空採血管50内の血清54が連通管74を介して吸い上
げられ分注容器70へ流入する。血清の流入とともに、
分注容器70内の空間容積が減少し、上述した原理によ
り空気圧は徐々に上昇していく(圧力曲線102)。な
お、図3には、3通りの圧力曲線102-1,102-2,
102-3が示されているが、これらは順に真空採血管5
0内の空気層58の体積が大、中、小の場合に対応して
いる。空気層58の体積が大きいほど、血清54の吸引
に伴う当該空気層58の圧力低下幅が小さいので、血清
54が真空採血管50から流出されやすい。そのため、
空気層58の体積が大きいほど、分注容器70へ流入す
る血清の体積ΔV(t)の増加が速やかで、空気圧も速や
かに上昇することとなる。また、吸引される液状試料の
粘性等の他の要因に応じても同様の圧力曲線102の相
違が生じ得る。例えば、粘性が小さいほど圧力曲線10
2は速やかに上昇する。
【0027】次に図4は、本装置の分注動作時の分注容
器70内の空気圧の変化を示す模式的なグラフである。
制御部88は減圧ポンプ80の停止される時刻t0後、
真空採血管50から分注容器70への血清の採取量の制
御を開始する。具体的には、制御部88は圧力センサ8
2の出力P(t)と、あらかじめ制御部88に設定された
閾値Pthとを比較し、P(t)≧Pthとなったことを検知
すると、分注容器70への血清の採取量が目標値に達し
たと判定する。そして、制御部88は大気開放弁84を
開放して分注容器70内の圧力Pを大気圧PATに戻す
(圧力曲線104)。これにより、真空採血管50から
の血清の吸引が停止される。
【0028】大気開放弁84開放後の圧力曲線104-1
〜104-3はそれぞれ圧力曲線102-1〜102-3に対
応している。それぞれの場合の大気開放弁84の開放タ
イミングはtR1,tR2,tR3となり、互いに異なるタイ
ミングで弁の開放が行われることになる。すなわち本装
置では、分注容器70内の空気圧上昇が所定の幅に達し
たことに基づいて血清の流入を停止させるので、種々の
要因に起因する圧力曲線102の相違にかかわらず、分
注容器70への血清の採取量は一定に保たれる。
【0029】[実施形態2]図5は、本発明の第二の実
施形態である血清自動分注装置の構成を示す模式図であ
る。図において実施形態1と同様の機能を有する構成要
素には同一の符号を付し説明の簡略化を図る。
【0030】本装置では真空採血管50は倒立されて分
注容器70に気密接続される。この構成では、倒立され
た真空採血管50の開口を封止する封止栓150にカプ
ラー152の単管型の採取針154が穿刺される。カプ
ラー152の下にはカプラー台156を介して採取容器
70が配置される。この採取容器70はカプラー台15
6のパッキング材に圧接され、その内部の気密を保つこ
とができる。
【0031】カプラー台156の側部に設けられ分注容
器70内部と連通する空気孔160には、チューブ16
2、ポンプ弁164及びチューブ166を介してシリン
ジポンプ168が接続される。チューブ162の途中に
接続される分岐管170には大気開放弁84が設けられ
る。
【0032】また本装置では圧力検出手段として差圧セ
ンサ172が用いられる。差圧センサ172はその2つ
のポート(検知端)がポンプ弁164の前後に接続さ
れ、ポンプ弁164の前後、すなわち分注容器70の内
部とシリンジポンプ168側の空間との圧力差を検出す
る。なお、差圧センサ172は両ポート間の気密を保つ
構造を有している。
【0033】この差圧センサ172により検出される圧
力差信号は、増幅器86によって増幅された後、制御部
180へ入力される。また、制御部180は大気開放弁
84の開閉、ポンプ弁164の開閉、及びシリンジポン
プ168の駆動機構182の制御を行う。
【0034】図6は、本装置の分注動作時の差圧センサ
172の出力である差圧値Dの時間変化を示す模式的な
グラフである。ここで差圧値Dは差圧センサ172の分
注容器70側のポートでの空気圧PFとシリンジポンプ
168側のポートでの空気圧PBとの差(PF−PB)で
定義される。
【0035】初期状態では、大気開放弁84とポンプ弁
164の両方が開放され、分注容器70及びそれにつな
がるチューブ162,166、分岐管170、差圧セン
サ172内部はすべて大気圧PATとなっている。この状
態では差圧センサ172の両端には圧力差はないので、
差圧値D=0である。
【0036】本装置の分注の開始動作において、制御部
180はポンプ弁164を閉じ(時刻t=tS1)、シリ
ンジポンプ168のピストンを引いてポンプ弁164か
らシリンジポンプ168に至る空間(ポンプ側空間と称
し、その体積をVSで表す)を所定の陰圧PSにする(時
刻t=tS2)。この所定の陰圧は差圧センサ172の出
力DがPAT−PS(≡DS)となることから検知すること
ができる。
【0037】次に、大気開放弁84を閉じた状態でポン
プ弁164を開くと、ポンプ弁164から分注容器70
側の空間(分注容器側空間と称する)と上記ポンプ側空
間との圧力が平均化される。平均化が完了すると差圧セ
ンサ172の出力値Dは0となり、それと同時にポンプ
弁164が閉じられる(時刻t=t0)。この気圧の平
均化によって分注容器側空間の気圧は陰圧となり、真空
採血管50からの血清の吸引、吐出が始まる。よって実
施形態1の原理の説明で述べた吸引開始時の気圧P
0は、ポンプ側空間と分注容器側空間との平均化気圧と
なる。すなわち、吸引開始時点での分注容器側空間の容
積をV0とすると、
【数3】 P0={PAT0+(PAT−PS)VS}/(V0+VS) ………(3) である。ポンプ弁164を開放している時間はチューブ
162などの配管系のコンダクタンス等によって変動し
得るが、通常は数mS〜数十mSといった時間である。
【0038】以下の動作は上述した実施形態1と基本的
に同様であり、真空採血管50からの血清の流入による
分注容器側空間の減少に伴う当該空間の気圧P(t)の上
昇(圧力曲線200)を差圧センサ172によってモニ
タする。なお、時刻t0以降における分注容器側空間の
気圧P(t)と差圧センサ172の出力Dとは、D=P(t)
−P0の関係を有している。制御部180は、差圧セン
サ172の出力値Dがあらかじめ設定された閾値Pth
対応する値Dth(=Pth−P0)に達したことを検知す
ると(時刻t=tR)、大気開放弁84を開放して、分
注容器70内の陰圧を解消して真空採血管50からの血
清の流入を停止させる。なお、このときの差圧センサ1
72の出力値DEはPAT−P0となる。
【0039】本装置では、ポンプ弁164によって分注
容器側空間をポンプ側空間から遮断可能である。このポ
ンプ弁164の第1の作用として、血清流入による圧力
変動の及ぶ空間が制限される。分注容器70内の空間の
容積変化に伴う圧力変動は、その変動が及ぶ空間が狭い
ほど大きくなるので、上述のように血清の分注容器70
への吸引量の制御を行う際に、ポンプ弁164を閉止し
てポンプ側空間を遮断することにより、差圧センサ17
2において大きな出力が得られる。これにより、制御部
180は差圧センサ172の出力に基づく圧力変化の高
感度な検知が可能であり、その圧力変化に基づく制御を
高精度に行うことができる。
【0040】ポンプ弁164の第2の作用として、分注
容器70に付与された陰圧と共通の陰圧を有するポンプ
側空間が、吸引量の制御を行う間、当該初期の陰圧に保
持されることが挙げられる。すなわち、ポンプ弁164
を閉じることにより、ポンプ弁164からシリンジポン
プ168側のチューブ166、シリンジポンプ168の
シリンダ空間が、血清の吸引が開始される時点で分注容
器70に付与された陰圧を保持する陰圧気室となる。差
圧センサ172を用いて、この陰圧気室と分注容器70
内部との気体圧力差を検知する構成とすることにより、
吸引開始後の差圧センサ172の出力値Dがそのまま、
吸引が開始されてからの分注容器70における圧力変動
幅を表す。これにより、定量分注における閾値の設定が
容易となる。また制御部180において、例えば吸引開
始時の気体圧力を記憶し、現在得られる気体圧力と記憶
された吸引開始時の気体圧力との差を計算するといった
構成をとる必要がなく、制御部180での処理が容易と
なる。ちなみにポンプ弁164は分注容器70からシリ
ンジポンプ168を遮断するポンプ遮断弁としての機能
と、分注容器70から陰圧気室を遮断する陰圧気室遮断
弁としての機能とを果たしている。
【0041】
【発明の効果】採取量の時間変化は分注元容器内の空気
体積や液状試料の粘性等の種々の要因で異なり得るが、
本発明の自動分注装置によれば、試料の採取量が当該採
取に伴う分注先容器の容積変化と直接の関係を有する当
該分注先容器の気体圧力に基づいて検知されるので、上
記種々の要因によって影響を受けない精度のよい定量分
注が可能となる。さらに圧力をモニタすることにより、
例えば血清中のフィブリン等による分注元容器と分注先
容器との連通部分の詰まり状態を監視することが可能と
なり、高精度かつ信頼性の高い分注制御が実現される効
果もある。
【0042】また、本発明によれば分注元容器からの試
料の採取に伴う気体圧力の変動を検出する際に、ポンプ
遮断弁によって気体圧力の変動が及ぶ空間範囲が限定さ
れる。これにより、比較的大きな気体圧力の変動幅が得
られ、高感度の気体圧力の検出が可能となり、一層、高
精度の分注制御が可能となる。
【0043】また、本発明によれば分注元容器からの試
料の採取開始時の陰圧が陰圧気室に保持され、差圧セン
サによってその陰圧気室と分注先容器との気体圧力差を
検知する構成とすることにより、採取開始時からの気体
圧力の変動幅の値そのものを差圧センサの出力として得
ることができ、制御手段の構成が簡単になるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を説明する模式図である。
【図2】 本発明の第一の実施形態である血清自動分注
装置の構成を示す模式図である。
【図3】 本発明の第一の実施形態において減圧ポンプ
により陰圧を付与した場合の分注容器内の気体圧力の変
化を示す模式的なグラフである。
【図4】 本装置の第一の実施形態における分注動作時
の分注容器内の気体圧力の変化を示す模式的なグラフで
ある。
【図5】 本発明の第二の実施形態である血清自動分注
装置の構成を示す模式図である。
【図6】 本装置の第二の実施形態における分注動作時
の差圧センサの出力の時間変化を示す模式的なグラフで
ある。
【図7】 従来の定量抜取り可能な血液試料採取装置の
模式的な構成図である。
【符号の説明】
30 分注元容器、32 分注先容器、34 連通管、
36 減圧ポンプ、50 真空採血管、54 血清、5
8 空気層、60,72 封止栓、70 分注容器、7
4 連通管、76,162,166 チューブ、80
減圧ポンプ、82 圧力センサ、84 大気開放弁、8
8,180 制御部、152 カプラー、154 採取
針、156 カプラー台、164 ポンプ弁、168
シリンジポンプ、172 差圧センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 G01N 33/00 - 33/98 G01N 35/00 - 35/10 G01F 1/00 - 1/90 G01F 17/00 A61B 5/00 - 5/22 B01L 3/00 - 3/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分注元容器に分注先容器を気密接続し、
    前記分注先容器に陰圧を付与して前記分注元容器から前
    記分注先容器へ試料を吸引・採取する自動分注装置にお
    いて、 前記分注先容器内部の気体圧力を検出する圧力検出手段
    と、 前記陰圧付与後の気体圧力の上昇幅に基づいて前記分注
    先容器への試料の採取量を制御する採取量制御手段と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動分注装置において、 前記採取量制御手段は、前記気体圧力の上昇幅に基づい
    て前記分注先容器への試料の採取量が目標値に達したこ
    とを判定する採取量判定手段と、 前記採取量判定手段による判定タイミングに従って前記
    分注先容器内部の気体圧力を更に上昇させて、前記分注
    先容器への試料の流入を停止させる採取停止手段と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の自動分注装置において、 前記採取停止手段は、前記分注容器内部を外気に連通さ
    せて前記分注容器内部の気体圧力を大気圧に戻すもので
    あることを特徴とする自動分注装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の自動分注装置において、 前記陰圧を発生させて前記分注先容器に付与するポンプ
    と、 前記採取量制御手段による採取量制御が行われている
    間、前記ポンプを前記分注先容器から遮断するポンプ遮
    断弁と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の自動分注装置において、 前記分注先容器と共通に前記陰圧を付与される陰圧気室
    と、 前記採取量制御手段による採取量制御が行われている
    間、前記陰圧気室を前記分注先容器から遮断する陰圧気
    室遮断弁と、 を有し、 前記圧力検出手段は、前記分注先容器と前記陰圧気室と
    の気体圧力の差圧を検出する差圧センサであること、 を特徴とする自動分注装置。
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