JP2010032077A - 冷媒回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力量の低減化を図りながら、高圧異常の発生により冷却加熱用圧縮機および冷却用圧縮機が駆動停止、或いは破損してしまう事態を回避することができる冷媒回路装置を提供すること。
【解決手段】庫内熱交換器34、冷却加熱用圧縮機31、庫外熱交換器32を有し、冷却運転の場合には庫内熱交換器34が配設された右庫3aを冷却する一方、加熱運転の場合には右庫3aを加熱する冷却加熱用冷媒回路30と、蒸発器44、冷却用圧縮機41、凝縮器42を有し、蒸発器44が配設された商品収容庫3を冷却する冷却用冷媒回路40とを備え、庫外熱交換器32と凝縮器42とが互いに熱交換可能となる態様で構成された冷媒回路装置20において、凝縮器42で凝縮した冷媒の温度が予め個別に設定された閾値を超える場合に、冷却用圧縮機41の回転数を低減させる制御ユニット50を備えたものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、冷媒回路装置に関し、より詳細には、例えば自動販売機等に適用される冷媒回路装置に関する。
従来、例えば自動販売機等に適用される冷媒回路装置として、冷却加熱用冷媒回路と冷却用冷媒回路とを備えたものが知られている。冷却加熱用冷媒回路は、庫内熱交換器、膨張機構、庫外熱交換器および冷却加熱用圧縮機が冷媒配管で順次接続されて環状に構成されたものであり、冷媒が封入されている。
庫内熱交換器は、自動販売機の商品収容庫の内部に配設されている。ここで商品収容庫は、商品を所望の温度状態に保持して収容するためのものであり、断熱構造を有している。上記庫内熱交換器は、通過する冷媒と商品収容庫の内部空気とを熱交換させるものである。
膨張機構は、自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる個所、例えば機械室に配設されており、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるためのものである。庫外熱交換器は、膨張機構と同様に自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる個所(機械室等)に配設されている。この庫外熱交換器は、通過する冷媒と周囲空気とを熱交換させるものである。冷却加熱用圧縮機は、膨張機構および庫外熱交換器と同様に自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる個所(機械室等)に配設されている。この冷却加熱用圧縮機は、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。
また、上記冷却加熱用冷媒回路においては、四方弁が設けられている。四方弁は、冷却加熱用圧縮機で圧縮された冷媒を庫外熱交換器に送出するか、庫内熱交換器に送出するかを択一的に選択するものである。この四方弁により冷却加熱用圧縮機で圧縮された冷媒を庫外熱交換器に送出した場合には、冷媒は庫外熱交換器で凝縮し、膨張機構で断熱膨張した後に、庫内熱交換器で蒸発して冷却加熱用圧縮機に吸引される。これにより庫内熱交換器が配設された商品収容庫の内部空気は冷却されることになる。
一方、この四方弁により冷却加熱用圧縮機で圧縮された冷媒を庫内熱交換器に送出した場合には、冷媒は庫内熱交換器で凝縮し、膨張機構で断熱膨張した後に、庫外熱交換器で蒸発して冷却加熱用圧縮機に吸引される。これにより庫内熱交換器が配設された商品収容庫の内部空気は加熱されることになる。
このように冷却加熱用冷媒回路は、四方弁により冷却加熱用圧縮機で圧縮された冷媒の送出先を切り替えることにより、庫内熱交換器が配設された商品収容庫の内部空気を冷却、あるいは加熱することができる。
冷却用冷媒回路は、蒸発器、冷却用圧縮機、凝縮器および膨張機構が冷媒配管で順次接続されて環状に構成されたものであり、冷媒が封入されている。
蒸発器は、自動販売機の商品収容庫の内部に配設されている。より詳細には、上記庫内熱交換器が配設された商品収容庫とは別個の商品収容庫の内部に配設されている。この蒸発器は、通過する冷媒が蒸発することにより、商品収容庫の内部空気を冷却するものである。
冷却用圧縮機は、自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる個所、例えば機械室に配設されており、蒸発器で蒸発した冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。
凝縮器は、冷却用圧縮機と同様に自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる個所(機械室等)に配設されている。この凝縮器は、通過する冷媒が凝縮することにより、周囲空気を加熱、すなわち周囲空気に放熱するものである。膨張機構は、冷却用圧縮機および凝縮器と同様に自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる個所(機械室等)に配設されている。この膨張機構は、凝縮器で凝縮した冷媒を減圧して断熱膨張させるためのものである。
このような冷却用冷媒回路においては、冷却用圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮器で凝縮し、凝縮した冷媒が膨張機構で断熱膨張され、蒸発器で蒸発する。この蒸発器で蒸発した冷媒は、冷却用圧縮機により吸引されて再び圧縮されて循環することになる。これにより蒸発器が配設された商品収容庫の内部空気は冷却されることになる。
以上のような構成を有する冷媒回路装置では、消費電力量の低減を図るために、冷却加熱用冷媒回路の庫外熱交換器と、冷却用冷媒回路の凝縮器とが一体化した熱交換器として構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−048635号公報
ところで、上述したような冷媒回路装置では、冷却用冷媒回路を構成する蒸発器が配設された商品収容庫だけでなく、冷却加熱用冷媒回路を構成する庫内熱交換器が配設された商品収容庫の内部空気も冷却する場合、凝縮器と一体化された庫外熱交換器も通過する冷媒を凝縮させる凝縮器として作用する。そのため、例えば外気温度が高い等により凝縮器を通過する冷媒、並びに庫外熱交換器を通過する冷媒を充分に放熱させることができない虞れがあった。
凝縮器を通過する冷媒を充分に放熱させることができないと、放熱量を確保するために、冷却用圧縮機により圧縮された冷媒の圧力、すなわち冷却用冷媒回路の高圧側圧力が上昇することになる。圧力上昇の結果、かかる高圧側圧力が過大なものになると高圧異常となり、冷却用圧縮機が駆動停止したり、破損したりしてしまう。
一方、庫外熱交換器を通過する冷媒を充分に放熱させることができないと、放熱量を確保するために、冷却加熱用圧縮機により圧縮された冷媒の圧力、すなわち冷却加熱用冷媒回路の高圧側圧力が上昇することになる。圧力上昇の結果、かかる高圧側圧力が過大なものになると高圧異常となり、冷却加熱用圧縮機が駆動停止したり、破損したりしてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みて、消費電力量の低減化を図りながら、高圧異常の発生により冷却加熱用圧縮機および冷却用圧縮機の双方が駆動停止、あるいは破損してしまう事態を回避することができる冷媒回路装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る冷媒回路装置は、冷却加熱室の内部に配設された室内熱交換器と、前記冷却加熱室の外部に配設された冷却加熱用圧縮機および室外熱交換器とを有してなり、冷却運転の場合には、前記冷却加熱用圧縮機で圧縮させた冷媒を前記室外熱交換器で凝縮させ、かつ前記室内熱交換器で蒸発させる態様で循環させることにより前記冷却加熱室の内部雰囲気を冷却する一方、加熱運転の場合には、前記冷却加熱用圧縮機で圧縮させた冷媒を前記室内熱交換器で凝縮させ、かつ前記室外熱交換器で蒸発させる態様で循環させることにより前記冷却加熱室の内部雰囲気を加熱する冷却加熱用冷媒回路と、冷却室の内部に配設された蒸発器と、前記冷却室の外部に配設された冷却用圧縮機および凝縮器とを有してなり、前記冷却用圧縮機で圧縮させた冷媒を前記凝縮器で凝縮させ、かつ前記蒸発器で蒸発させる態様で循環させることにより前記冷却室の内部雰囲気を冷却する冷却用冷媒回路とを備え、前記室外熱交換器と前記凝縮器とが互いに熱交換可能となる態様で構成された冷媒回路装置において、前記室外熱交換器で凝縮した冷媒の温度、並びに前記凝縮器で凝縮した冷媒の温度の少なくとも一方が、冷却加熱用冷媒回路、あるいは冷却用冷媒回路の高圧側部分の圧力が過大なものになるか否かを判断するために予め個別に設定された閾値を超える場合に、前記冷却加熱用圧縮機および前記冷却用圧縮機の少なくとも一方の回転数を低減させる制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1において、前記室外熱交換器と前記凝縮器とが一体化した熱交換器として構成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1または請求項2において、前記凝縮器で凝縮した冷媒の温度を検出する凝縮温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記凝縮温度検出手段により検出された凝縮温度が予め決められた基準凝縮温度以下の場合には前記冷却加熱用圧縮機の回転数を維持する一方、前記凝縮温度が前記基準凝縮温度を超える場合には前記冷却加熱用圧縮機の回転数を低減させることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る冷媒回路装置は、上述した請求項3において、前記制御手段は、前記凝縮温度が前記基準凝縮温度を超え、かつ前記冷却加熱用圧縮機の回転数が最小である場合において、前記冷却用圧縮機が駆動停止中のときには前記冷却加熱用圧縮機の駆動を維持する一方、前記冷却用圧縮機が駆動中のときには前記冷却加熱用圧縮機の駆動を停止させることを特徴とする。
本発明の冷媒回路装置によれば、冷却加熱用冷媒回路を構成する室外熱交換器と、冷却用冷媒回路を構成する凝縮器とが互いに熱交換可能となる態様で構成されているので、凝縮器での放熱を有効活用することにより、冷却加熱用圧縮機の運転効率を向上させて消費電力量の低減化を図ることができる。しかも、制御手段が庫外熱交換器で凝縮した冷媒の温度、並びに凝縮器で凝縮した冷媒の温度の少なくとも一方が予め個別に設定された閾値を超える場合に、冷却加熱用圧縮機および冷却用圧縮機の少なくとも一方の回転数を低減させるので、室外熱交換器の放熱量を低減させることができ、これにより凝縮器での放熱量を相対的に増大させることができる。よって、冷却用冷媒回路の高圧側の圧力が過大に高くなる高圧異常の発生を抑制することができ、これにより、冷却加熱用圧縮機および冷却用圧縮機の双方が駆動停止してしまう、あるいは破損してしまう虞れがない。従って、消費電力量の低減化を図りながら、高圧異常の発生により冷却加熱用圧縮機および冷却用圧縮機の双方が駆動停止、あるいは破損してしまう事態を回避することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷媒回路装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である冷媒回路装置が適用された自動販売機の内部構造を正面から見た場合を示す断面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態をなすものである。この本体キャビネット1には、その内部に例えば2つの断熱仕切板2によって仕切られた3つの独立した商品収容庫3が左右に並んだ態様で設けてある。
この商品収容庫3は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのもので、断熱構造を有している。以下においては、右側の商品収容庫3を右庫3a、中央の商品収容庫3を中庫3b、左側の商品収容庫3を左庫3cとも称する。ここで右側とは、自動販売機を正面から見た場合の右方、左側とは、自動販売機を正面から見た場合の左方を指すものとする。
図2〜図4は、それぞれ図1に示した自動販売機の断面側面図であり、図2は右庫3a、図3は中庫3b、図4は左庫3cの内部構造を示している。これら図2〜図4に示すように、本体キャビネット1の前面には、外扉4および内扉5が設けてある。外扉4は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものであり、内扉5は、商品収容庫3の前面を開閉するためのものである。この内扉5は、上下に分割してあり、上側の扉5aは商品を補充する際に開閉するものである。
上記商品収容庫3、すなわち右庫3a、中庫3b、左庫3cには、図2〜図4に示すように、それぞれ商品収納ラック6、搬出機構7および搬出シュータ8が設けてある。商品収納ラック6は、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群の最下位にある商品を1つずつ搬出するためのものである。搬出シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品を外扉4に設けられた商品取出口4aに導くためのものである。
上記本体キャビネット1の内部には、冷媒回路装置20が配設してある。図5は、図1に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置20を概念的に示す概念図である。ここで例示する冷媒回路装置20は、冷却加熱用冷媒回路30および冷却用冷媒回路40を備えてなるものである。
冷却加熱用冷媒回路30は、冷却加熱用圧縮機31、庫外熱交換器(室外熱交換器)32、膨張機構33および庫内熱交換器(室内熱交換器)34を冷媒配管35にて順次接続して構成してあり、内部に冷媒が封入してある。
冷却加熱用圧縮機31は、図2にも示すように、本体キャビネット1の内部であって、商品収容庫3(右庫3a、中庫3bおよび左庫3c)の下方側に画成された機械室9に配設してある。この冷却加熱用圧縮機31は、冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にするものである。また、本実施の形態においては、冷却加熱用圧縮機31としては、回転数の増減が可能なインバータ式のものを適用している。
庫外熱交換器32は、図2にも示すように冷却加熱用圧縮機31と同様に機械室9に配設してある。この庫外熱交換器32は、通過する冷媒を周囲空気との間で熱交換、すなわち通過する空気と周囲空気(例えば外気)とを熱交換させるものである。
また、このような庫外熱交換器32の近傍には庫外送風ファンF1が設けてある。庫外送風ファンF1は、駆動することにより庫外熱交換器32の周囲を通過する外気の送風量を増減させるものである。
膨張機構33は、図2にも示すように冷却加熱用圧縮機31および庫外熱交換器32と同様に機械室9に配設してある。この膨張機構33は、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
庫内熱交換器34は、図2にも示すように右庫3aの下方部に配設してある。この庫内熱交換器34は、通過する冷媒を右庫3aの内部空気(内部雰囲気)との間で熱交換、すなわち通過する冷媒と右庫3aの内部空気とを熱交換させるものである。このような庫内熱交換器34が配設してある右庫3aには、庫内熱交換器34の前方域に右庫内送風ファンF2が配設してある。右庫内送風ファンF2は、庫内熱交換器34を通じて冷媒と熱交換した内部空気を右庫3aの前方下部より吹き出し、背面ダクト10を通じて循環させるものである。
このような冷却加熱用冷媒回路30には、冷却加熱用圧縮機31と庫外熱交換器32とを接続する冷媒配管35、並びに冷却加熱用圧縮機31と庫内熱交換器34とを接続する冷媒配管35に共通の四方弁36が設けてある。より詳細に説明すると、四方弁36は、1つの専用入口361、1つの専用出口362および2つの出入口363,364を備えてなる弁体である。専用入口361は、冷却加熱用圧縮機31の吐出口に冷媒配管35を通じて連通してあり、専用出口362は冷却加熱用圧縮機31の吸引口に冷媒配管35を通じて連通してある。2つの出入口363,364のうち一方は、庫外熱交換器32に冷媒配管35を通じて連通してあり、他方は、庫内熱交換器34に冷媒配管35を通じて連通してある。
このような四方弁36は、常態においては、図6に示すように、専用入口361から流入した冷媒、すなわち冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒を一の出入口363より流出させて庫内熱交換器34に送出し、庫外熱交換器32から吐出された冷媒を他の出入口364より流入させて専用出口362から流出させて冷却加熱用圧縮機31に送出するものである一方、切替指令が与えられた場合には、図7に示すように、専用入口361から流入した冷媒(冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒)を他の出入口364より流出させて庫外熱交換器32に送出し、庫内熱交換器34から吐出された冷媒を一の出入口363より流入させて専用出口362から流出させて冷却加熱用圧縮機31に送出するものである。つまり、四方弁36は、冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒を庫外熱交換器32に送出するか、庫内熱交換器34に送出するかを択一的に選択するものである。
かかる四方弁36が図6に示すように冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒を庫内熱交換器34に送出した場合、冷媒は、庫内熱交換器34、膨張機構33、庫外熱交換器32の順に通過し、その後に冷却加熱用圧縮機31により吸引されることになる。より詳細に説明すると、庫内熱交換器34に送出された冷媒は、庫内熱交換器34の流路を通過しながら放熱して凝縮することになる。この結果、当該庫内熱交換器34が配設された右庫3aの内部空気は加熱される。加熱された空気は、右庫内送風ファンF2の駆動により右庫3aの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより右庫3aに収容された商品は加熱される。商品と熱交換を行った空気は、背面ダクト10に進入し、かかる背面ダクト10を通じて庫内熱交換器34まで送出される。
庫内熱交換器34で凝縮した冷媒は、膨張機構33で減圧されて断熱膨張し、その後に庫外熱交換器32の流路を通過しながら蒸発することになる。庫外熱交換器32で蒸発した冷媒は、冷却加熱用圧縮機31により四方弁36を通じて吸引される。
一方、上記四方弁36が図7に示すように冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒を庫外熱交換器32に送出した場合、冷媒は、庫外熱交換器32、膨張機構33、庫内熱交換器34の順に通過し、その後に冷却加熱用圧縮機31により吸引されることになる。より詳細に説明すると、庫外熱交換器32に送出された冷媒は、庫外熱交換器32の流路を通過しながら放熱して凝縮することになる。庫外熱交換器32で凝縮した冷媒は、膨張機構33で減圧されて断熱膨張し、その後に庫内熱交換器34の流路を通過しながら蒸発することになる。この結果、当該庫内熱交換器34が配設された右庫3aの内部空気は、庫内熱交換器34を通過する冷媒に熱を奪われて冷却される。冷却された空気は、右庫内送風ファンF2の駆動により右庫3aの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより右庫3aに収容された商品は冷却される。商品と熱交換を行った空気は、背面ダクト10に進入し、かかる背面ダクト10を通じて庫内熱交換器34まで送出される。庫内熱交換器34で蒸発した冷媒は、冷却加熱用圧縮機31により四方弁36を通じて吸引される。
以上説明したように、冷却加熱用冷媒回路30では、四方弁36により冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒の送出先を択一的に選択する結果、右庫3aの内部空気を加熱もしくは冷却することができる。つまり、右庫3aは、収容する商品を冷却、あるいは加熱する冷却加熱庫としての役割を有している。
冷却用冷媒回路40は、冷却用圧縮機41、凝縮器42、膨張機構43および蒸発器44を冷媒配管45にて順次接続して構成してあり、内部に冷媒が封入してある。
冷却用圧縮機41は、図3にも示すように機械室9に配設してある。この冷却用圧縮機41は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にして吐出口より吐出するものである。
凝縮器42は、図3にも示すように、冷却用圧縮機41と同様に機械室9に配設してある。この凝縮器42は、通過する冷媒を凝縮させるものである。より詳細に説明すると、冷却用圧縮機41で圧縮され、かつ吐出口から吐出されて冷媒配管45を通じて送出された冷媒を周囲空気と熱交換させて凝縮させるものである。
また、この凝縮器42は、上記冷却加熱用冷媒回路30を構成する庫外熱交換器32と一体化した熱交換器として構成してある。つまり、凝縮器42と庫外熱交換器32とは、互いに熱交換可能となる態様で構成してある。そのため、凝縮器42を通過する冷媒(冷却用冷媒回路40に封入された冷媒)と、庫外熱交換器32を通過する冷媒(冷却加熱用冷媒回路30に封入された冷媒)とが互いに熱交換可能となっている。
膨張機構43は、図3にも示すように冷却用圧縮機41および凝縮器42と同様に機械室9に配設してある。この膨張機構43は、凝縮器42で凝縮した冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器44は、複数(図示の例では2つ)設けてあり、一方が中庫3bの内部、他方が左庫3cの内部に配設してある。ここで、これら蒸発器44と膨張機構43とを接続する冷媒配管45は、その途中の分岐点45aで2つに分岐して一方が中庫3bの内部に配設された蒸発器44(以下、第1蒸発器44aとも称する)の入口側に、他方が左庫3cの内部に配設された蒸発器44(以下、第2蒸発器44bとも称する)の入口側に接続してある。また、この冷媒配管45においては、分岐点45aから第1蒸発器44aおよび第2蒸発器44bに至る途中に電磁弁46が設けてある。電磁弁46は、開閉可能な弁体であり、常態においては開成して冷媒の通過を許容する一方、駆動指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。これら蒸発器44の出口側に接続された冷媒配管45は、途中の合流点452で合流し、吸引口を介して冷却用圧縮機41に接続している。
このような蒸発器44(第1蒸発器44aおよび第2蒸発器44b)は、通過する冷媒を蒸発させることにより周囲空気、すなわち商品収容庫3(中庫3bおよび左庫3c)の内部空気(内部雰囲気)から熱を奪って冷却するものである。
図3に示すように、このような第1蒸発器44aが配設してある中庫3bには第1蒸発器44aの前方域にヒータHおよび中庫内送風ファンF3が配設してある。ヒータHは、通電状態となる場合に中庫3bの内部空気を加熱するものである。中庫内送風ファンF3は、第1蒸発器44aで冷却された内部空気、あるいはヒータHで加熱された内部空気を中庫3bの前方下部より吹き出し、背面ダクト10を通じて循環させるものである。尚、ヒータHが通電状態となる場合には、第1蒸発器44aの上流側の電磁弁46は閉成しており、第1蒸発器44aには冷媒が通過しない状態となっている。
図4に示すように、このような第2蒸発器44bが配設してある左庫3cには第2蒸発器44bの前方域に左庫内送風ファンF4が配設してある。左庫内送風ファンF4は、第2蒸発器44bで冷却された内部空気を左庫3cの前方下部より吹き出し、背面ダクト10を通じて循環させるものである。
上記冷却用冷媒回路40において、中庫3bおよび左庫3cの内部空気を冷却、すなわち中庫3bおよび左庫3cの内部に収容された商品を冷却する場合には、両電磁弁46を開成させ、冷却用圧縮機41を駆動させる。このとき中庫3bのヒータHは非通電状態となっている。図6および図7に示すように、冷却用圧縮機41で圧縮された冷媒は、凝縮器42、膨張機構43、蒸発器44(第1蒸発器44aおよび第2蒸発器44b)の順に通過し、その後に冷却用圧縮機41により吸引されることになる。より詳細に説明すると、凝縮器42に送出された冷媒は、凝縮器42の流路を通過しながら凝縮することになる。凝縮器42で凝縮した冷媒は、膨張機構43で減圧されて断熱膨張し、その後に分岐して第1蒸発器44aおよび第2蒸発器44bのそれぞれの流路を通過しながら蒸発することになる。この結果、第1蒸発器44aが配設された中庫3bの内部空気、並びに第2蒸発器44bが配設された左庫3cの内部空気は、各蒸発器44を通過する冷媒に熱を奪われて冷却される。冷却された内部空気は、中庫内送風ファンF3および左庫内送風ファンF4の駆動により中庫3bおよび左庫3cの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより中庫3bおよび左庫3cに収容された商品は冷却される。商品と熱交換を行った空気は、背面ダクト10に進入し、かかる背面ダクト10を通じて各蒸発器44a,44bまで送出される。各蒸発器44a,44bで蒸発した冷媒は、冷却用圧縮機41により吸引される。
一方、上記冷却用冷媒回路40において、左庫3cのみの内部空気を冷却、すなわち左庫3cの内部に収容された商品のみを冷却する場合には、第1蒸発器44aの上流側にある電磁弁46に駆動指令を与えて閉成させ、第2蒸発器44bの上流側にある電磁弁46を開成させ、冷却用圧縮機41を駆動させる。これにより冷却用圧縮機41で圧縮された冷媒は、凝縮器42、膨張機構43、第2蒸発器44bの順に通過し、その後に冷却用圧縮機41により吸引されることになる。より詳細に説明すると、凝縮器42に送出された冷媒は、凝縮器42の流路を通過しながら凝縮することになる。凝縮器42で凝縮した冷媒は、膨張機構43で減圧されて断熱膨張し、その後に第2蒸発器44bの流路を通過しながら蒸発することになる。この結果、第2蒸発器44bが配設された左庫3cの内部空気は、第2蒸発器44bを通過する冷媒に熱を奪われて冷却される。冷却された内部空気は、左庫内送風ファンF4の駆動により左庫3cの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより左庫3cに収容された商品は冷却される。商品と熱交換を行った空気は、背面ダクト10に進入し、かかる背面ダクト10を通じて第2蒸発器44bまで送出される。第2蒸発器44bで蒸発した冷媒は、冷却用圧縮機41により吸引される。
ところで、中庫3bでは、ヒータHが通電状態となって中庫3bの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、中庫内送風ファンF3の駆動により中庫3bの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより中庫3bに収容された商品は加熱される。商品と熱交換を行った空気は、背面ダクト10に進入し、かかる背面ダクト10を通じてヒータHの近傍まで送出される。
このように冷却用冷媒回路40は、両電磁弁46が開成している場合には、中庫3bおよび左庫3cの内部空気を冷却することができる一方、第1蒸発器44aの上流側にある電磁弁46が閉成し、かつ第2蒸発器44bの上流側にある電磁弁46が開成している場合には、左庫3cの内部空気のみを冷却することができる。つまり、中庫3bは、収容する商品を冷却、あるいは加熱する冷却加熱庫としての役割を有し、左庫3cは、収容する商品を冷却する冷却専用庫としての役割を有している。
図8は、上記冷媒回路装置20の制御系の要部を模式的に示すブロック図である。この図8に示すように、冷媒回路装置20は、右庫内温度センサS1、中庫内温度センサS2、左庫内温度センサS3、凝縮温度センサS4および制御ユニット50を備えている。
右庫内温度センサS1は、右庫3aの内部に配設してあり、右庫3aの内部温度を検出する温度検出手段である(図5〜図7参照)。中庫内温度センサS2は、中庫3bの内部に配設してあり、中庫3bの内部温度を検出する温度検出手段である(図5〜図7参照)。左庫内温度センサS3は、左庫3cの内部に配設してあり、左庫3cの内部温度を検出する温度検出手段である(図5〜図7参照)。
凝縮温度センサS4は、図5〜図7に示すように、冷却用冷媒回路40のうち凝縮器42の出口側近傍の冷媒配管45に配設してある。この凝縮温度センサS4は、凝縮器42で凝縮した冷媒の温度を検出する凝縮温度検出手段である。
制御ユニット50は、圧縮機オンオフ制御部51および圧縮機回転数制御部52を備えている。尚、この制御ユニット50は、冷媒回路装置20が適用される自動販売機の販売動作等を制御する制御回路に組み込まれたものであっても構わないし、かかる制御回路とは独立して構成されたものであっても構わない。尚、制御ユニット50としては、本発明の特徴的な構成のみを例示し、その他の構成要素については図示およびその説明を割愛する。
圧縮機オンオフ制御部51は、第1設定記憶部511、庫内温度入力処理部512、比較部513およびオンオフ駆動処理部514を備えている。第1設定記憶部511は、圧縮機オンオフ制御部51が後述するオンオフ制御処理を行うのに必要なデータやプログラムを予め設定し記憶してあるとともに、その他動作に必要なプログラム等を記憶するものである。特に、本発明の実施の形態において、特徴的なものとして、第1設定記憶部511は、庫内温度基準情報を記憶している。庫内温度基準情報は、冷却対象となる商品収容庫3の内部温度(庫内温度)の許容範囲に関するものである。
庫内温度入力処理部512は、右庫内温度センサS1、中庫内温度センサS2、あるいは左庫内温度センサS3からの温度信号を入力するもの、すなわち所定の庫内温度センサを通じて検出された庫内温度を入力するものである。
比較部513は、庫内温度入力処理部512を通じて入力された温度信号に含まれる庫内温度(検出温度)と、第1設定記憶部511から読み出した庫内温度基準情報に含まれる庫内温度の許容範囲の下限値、あるいは該許容範囲の上限値とを比較し、庫内温度が下限値以上であるか否か、あるいは庫内温度が上限値以下であるか否かを比較するものである。
オンオフ駆動処理部514は、対象となる圧縮機(冷却用圧縮機41、あるいは冷却加熱用圧縮機31)を駆動させ、あるいは駆動停止させるものである。
圧縮機回転数制御部52は、第2設定記憶部521、凝縮温度入力処理部522、比較判断部523、監視部524および回転数駆動処理部525を備えている。第2設定記憶部521は、圧縮機回転数制御部52が後述する回転数制御処理を行うのに必要なデータやプログラムを予め設定し記憶してあるとともに、その他動作に必要なプログラム等を記憶するものである。特に、本発明の実施の形態において、特徴的なものとして、第2設定記憶部521は、凝縮温度基準情報を記憶している。凝縮温度基準情報は、冷却用冷媒回路40の高圧側、すなわち冷却用圧縮機41から膨張機構43に至る部分の圧力が過大なものになるか否かを判断する際の閾値としての基準凝縮温度を含むものである。この基準凝縮温度は、実験的に求められたものであり、凝縮温度が基準凝縮温度を超えたとしても直ちに冷却用冷媒回路40に冷却用圧縮機41の破損等を招来する高圧異常が発生するものではない。
凝縮温度入力処理部522は、凝縮温度センサS4からの温度信号を入力するもの、すなわち凝縮温度センサS4を通じて検出された凝縮温度を入力するものである。
比較判断部523は、凝縮温度入力処理部522を通じて入力された温度信号に含まれる凝縮温度(検出温度)と、第2設定記憶部521から読み出した凝縮温度基準情報に含まれる基準凝縮温度とを比較し、凝縮温度が基準凝縮温度を超えているか否かを判断するものである。
監視部524は、冷却用圧縮機41の駆動状態を監視するものである。より詳細には、監視部524は、冷却用圧縮機41が圧縮機オンオフ制御部51により駆動しているか否かを監視するものである。
回転数駆動処理部525は、冷却加熱用圧縮機31の回転数を増減、あるいは冷却加熱用圧縮機31の駆動を停止させるものである。
以上のような構成を有する冷媒回路装置20が適用された自動販売機においては、次のようにして商品収容庫3(右庫3a、中庫3bおよび左庫3c)に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
まず、右庫3aに収容された商品を加熱、中庫3bおよび左庫3cに収容された商品を冷却する場合について説明する。この場合、冷却加熱用冷媒回路30においては、四方弁36を常態にして冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒を庫内熱交換器34に送出させる。これにより冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒を、庫内熱交換器34、膨張機構33、庫外熱交換器32の順に通過させて循環させる(図6参照)。これにより、庫内熱交換器34に送出された冷媒は、庫内熱交換器34の流路を通過しながら放熱して凝縮し、右庫3aの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、右庫内送風ファンF2の駆動により右庫3aの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより右庫3aに収容された商品を加熱する。
一方、冷却用冷媒回路40においては、両電磁弁46を開成させ、冷却用圧縮機41で圧縮させた冷媒を、凝縮器42、膨張機構43、蒸発器44(第1蒸発器44aおよび第2蒸発器44b)の順に通過させて循環させる。これにより、冷却用圧縮機41で圧縮させた冷媒は、凝縮器42で凝縮し、膨張機構43で断熱膨張し、その後に分岐して第1蒸発器44aおよび第2蒸発器44bのそれぞれの流路を通過しながら蒸発し、中庫3bおよび左庫3cの内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、中庫内送風ファンF3および左庫内送風ファンF4の駆動により中庫3bおよび左庫3cの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより中庫3bおよび左庫3cに収容された商品を冷却する。
尚、左庫3cに収容された商品のみを冷却する場合には、第1蒸発器44aの上流側にある電磁弁46を閉成させれば、冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒を、凝縮器42、膨張機構43、第2蒸発器44bの順に通過させて循環させればよい。この場合、中庫3bの内部に配設されたヒータHを通電状態にして内部空気を加熱することにより、収容された商品を加熱することができる。
このように右庫3aに収容された商品を加熱、中庫3bおよび左庫3cの少なくとも一方に収容された商品を冷却する場合、冷却用冷媒回路40を構成する凝縮器42と一体化した熱交換器として構成された庫外熱交換器32は通過する冷媒を蒸発させる蒸発器として作用する。この場合、凝縮器42を通過する冷媒(冷却用冷媒回路40の冷媒)が放出する熱を有効に活用することができ、冷却加熱用圧縮機31の運転効率の向上を図ることができる結果、消費電力量を低減させることができる。
次に、すべての商品収容庫3に収容された商品を冷却する場合について説明する。尚、この場合における冷却用冷媒回路40における冷媒の循環は、中庫3bおよび左庫3cを冷却する場合と同じなので、その説明については割愛する。
かかる場合、冷却加熱用冷媒回路30においては、四方弁36に切替指令を与えて冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒を庫外熱交換器32に送出させる。これにより冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒を、庫外熱交換器32、膨張機構33、庫内熱交換器34の順に通過させて循環させる(図7参照)。これにより、冷却加熱用圧縮機31で圧縮させた冷媒は、庫外熱交換器32で凝縮し、膨張機構33で断熱膨張し、その後に庫内熱交換器34の流路を通過しながら蒸発し、右庫3aの内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、右庫内送風ファンF2の駆動により右庫3aの前方下部より吹き出されて商品と熱交換が行うことになり、これにより右庫3aに収容された商品を冷却する。
このようにすべての商品収容庫3に収容された商品を冷却する場合、冷却用冷媒回路40を構成する凝縮器42と一体化した熱交換器として構成された庫外熱交換器32は通過する冷媒を凝縮させる凝縮器として作用する。この場合、凝縮器42を通過する冷媒(冷却用冷媒回路40の冷媒)、並びに庫外熱交換器32を通過する冷媒(冷却加熱用冷媒回路30の冷媒)は、周囲空気に放熱することになる。
図9は、図8に示した圧縮機オンオフ制御部51(制御ユニット50)が実施するオンオフ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかるオンオフ制御処理について説明することにより、上記冷媒回路装置20の動作について説明する。尚、本実施の形態におけるオンオフ制御処理については、所定のタイムスケジュール(サンプリングタイム)に従って冷却用圧縮機41に対して行うものとし、右庫3aおよび中庫3bに収容する商品を加熱するものとして説明する。つまり、冷却加熱用冷媒回路30においては、冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒は、庫内熱交換器34、膨張機構33、庫外熱交換器32の順に循環しており、冷却用冷媒回路40においては、第1蒸発器44aの上流側の電磁弁46が閉成し、かつ中庫3bのヒータHが通電状態にあるものとする。
オンオフ制御処理における圧縮機オンオフ制御部51は、冷却用圧縮機41が駆動している場合(ステップS101:Yes)、次のような処理を行う。すなわち、庫内温度入力処理部512を通じて左庫内温度センサS3より温度信号を入力した場合(ステップS102:Yes)、圧縮機オンオフ制御部51は、比較部513を通じて第1設定記憶部511より庫内温度基準情報を読み出す(ステップS103)。
そして、比較部513を通じて、ステップS102で入力した庫内温度(検出温度)がステップS103で読み出した庫内温度基準情報に含まれる許容範囲の下限値未満であるか否かを比較する(ステップS104)。
庫内温度が下限値未満である場合(ステップS104:Yes)、圧縮機オンオフ制御部51は、オンオフ駆動処理部514を通じて冷却用圧縮機41を駆動停止(オフ制御)し(ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このように冷却用圧縮機41を駆動停止させることにより、対象となる商品収容庫3(左庫3c)の庫内温度を徐々に上昇させることができる。
ところで、庫内温度が下限値未満でない場合(ステップS104:No)、圧縮機オンオフ制御部51は、冷却用圧縮機41の駆動を維持し(ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このように冷却用圧縮機41の駆動を維持することにより、対象となる商品収容庫3(左庫3c)の庫内温度を許容範囲内に保持することができる。
一方、冷却用圧縮機41が駆動停止の場合(ステップS101:No)には、圧縮機オンオフ制御部51は、次のような処理を行う。すなわち、庫内温度入力処理部512を通じて左庫内温度センサS3より温度信号を入力した場合(ステップS107:Yes)、圧縮機オンオフ制御部51は、比較部513を通じて第1設定記憶部511より庫内温度基準情報を読み出す(ステップS108)。
そして、比較部513を通じて、ステップS107で入力した庫内温度(検出温度)がステップS108で読み出した庫内温度基準情報に含まれる許容範囲の上限値を超えているか否かを比較する(ステップS109)。
庫内温度が上限値を超えている場合(ステップS109:Yes)、圧縮機オンオフ制御部51は、オンオフ駆動処理部514を通じて冷却用圧縮機41を駆動(オン制御)し(ステップS110)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このように冷却用圧縮機41を駆動させることにより、対象となる商品収容庫3(左庫3c)の庫内温度を徐々に下降させることができる。
ところで、庫内温度が上限値以下の場合(ステップS109:No)、圧縮機オンオフ制御部51は、冷却用圧縮機41の駆動停止を維持し(ステップS111)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このように冷却用圧縮機41の駆動停止を維持することにより、対象となる商品収容庫3(左庫3c)の庫内温度を許容範囲内に保持することができる。
図10は、図8に示した圧縮機回転数制御部52(制御ユニット50)が実施する回転数制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる回転数制御処理について説明することにより、上記冷媒回路装置20の動作について更に説明する。尚、本実施の形態における回転数制御処理については、所定のタイムスケジュールに従って冷却加熱用圧縮機31に対して行うものとし、すべての商品収容庫3に収容する商品を冷却するものとして説明する。つまり、冷却加熱用冷媒回路30においては、冷却加熱用圧縮機31で圧縮された冷媒は、庫外熱交換器32、膨張機構33、庫内熱交換器34の順に循環しており、冷却用冷媒回路40においては、両電磁弁46が開成し、かつ中庫3bのヒータHが非通電状態にあるものとする。
回転数制御処理における圧縮機回転数制御部52は、凝縮温度入力処理部522を通じて凝縮温度センサS4より温度信号を入力した場合(ステップS201:Yes)、比較判断部523を通じて第2設定記憶部521より凝縮温度基準情報を読み出す(ステップS202)。
そして、比較判断部523を通じて、ステップS201で入力した凝縮温度(検出温度)がステップS202で読み出した凝縮温度基準情報に含まれる基準凝縮温度を超えているか否かを判断する(ステップS203)。
凝縮温度が基準凝縮温度を超えている場合(ステップS203:Yes)、圧縮機回転数制御部52は、冷却加熱用圧縮機31の回転数が最小となっていないことを条件に、冷却加熱用圧縮機31の回転数を所定量だけ低減させ(ステップS204:No,ステップS205:Yes)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
ここで、ステップS204について補足説明すると、通常冷却加熱用圧縮機31の回転数が最小となっていることは稀であるが、回転数制御処理を所定のタイムスケジュール毎に繰り返し実施すると、前回の回転数制御処理により冷却加熱用圧縮機31の回転数が所定量だけ低減されて最小となっている場合がある。そこで、冷却加熱用圧縮機31の回転数が最小となっていない場合には、冷却加熱用圧縮機31の回転数を所定量だけ低減させることにより、庫外熱交換器32での放熱量を低減させることができる。
このように庫外熱交換器32での放熱量を低減させることにより、凝縮器42での放熱量が相対的に増大させることができる。
一方、ステップS204において冷却加熱用圧縮機31の回転数が最小となっている場合(ステップS204:Yes)、圧縮機回転数制御部52は、監視部524を通じて冷却用圧縮機41が駆動しているか否かを監視する(ステップS206)。冷却用圧縮機41が駆動している場合には(ステップS206:Yes)、圧縮機回転数制御部52は、回転数駆動処理部525を通じて冷却加熱用圧縮機31の駆動を停止させ(ステップS207)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このように冷却加熱用圧縮機31の駆動を停止させることにより、庫外熱交換器32での放熱量を低減させることができ、これにより凝縮器42での放熱量を相対的に増大させることができる。
ところで、ステップS203において凝縮温度が基準凝縮温度以下の場合(ステップS203:No)、あるいはステップS206において冷却用圧縮機41が駆動停止の場合(ステップS206:No)には、圧縮機回転数制御部52は、冷却加熱用圧縮機31の回転数を維持し(ステップS208)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
以上説明したように本発明の実施の形態の冷媒回路装置20によれば、冷却加熱用冷媒回路30の庫外熱交換器32と、冷却用冷媒回路40の凝縮器42とを一体化した熱交換器として構成してあるので、凝縮器42での放熱を有効活用することにより、冷却加熱用圧縮機31の運転効率を向上させて消費電力量の低減化を図ることができる。特に庫外熱交換器32が蒸発器として作用する場合に顕著である。しかも、制御ユニット50(圧縮機回転数制御部52)が、凝縮温度センサS4により検出された凝縮温度が予め決められた基準凝縮温度以下の場合には冷却加熱用圧縮機31の回転数を維持する一方、凝縮温度が基準凝縮温度を超える場合には冷却加熱用圧縮機31の回転数を所定量だけ低減させるので、庫外熱交換器32の放熱量を低減させることができ、これにより凝縮器42での放熱量を相対的に増大させることができる。よって、冷却用冷媒回路40の高圧側の圧力が過大に高くなる高圧異常の発生を抑制することができ、これにより、冷却加熱用圧縮機31および冷却用圧縮機41の双方が駆動停止してしまう、あるいは破損してしまう虞れがない。従って、消費電力量の低減化を図りながら、高圧異常の発生により冷却加熱用圧縮機31および冷却用圧縮機41の双方が駆動停止、あるいは破損してしまう事態を回避することができる。
また、このように冷却加熱用圧縮機31および冷却用圧縮機41の双方が駆動停止、あるいは破損してしまう事態を回避することができるので、上記冷媒回路装置20によれば、効率的な運転が可能になる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、オンオフ制御処理の対象が冷却用圧縮機41であったが、右庫3aに収容された商品を冷却している場合には、オンオフ制御処理の対象が冷却加熱用圧縮機31になることはいうまでもない。
上述した実施の形態では、冷却加熱用圧縮機31が回転数の変更可能なインバータ式のものであったが、本発明では冷却用圧縮機41が回転数の変更可能なインバータ式のものであっても良い。特に、上述した実施の形態では、凝縮温度センサS4により凝縮器42を通過した冷媒の温度を検出して、冷却加熱用圧縮機31の回転数の増減を調整する回転数制御処理を実施したが、本発明では、庫外熱交換器32を通過した冷媒の温度を検出して、冷却用圧縮機41の回転数の増減を調整する回転数制御処理を実施しても構わない。これによっても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。
本発明の実施の形態である冷媒回路装置が適用された自動販売機の内部構造を正面から見た場合を示す断面図である。 図1に示した自動販売機の断面側面図であり、右庫の内部構造を示すものである。 図1に示した自動販売機の断面側面図であり、中庫の内部構造を示すものである。 図1に示した自動販売機の断面側面図であり、左庫の内部構造を示すものである。 図1に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。 図1に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。 図1に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。 冷媒回路装置の制御系の要部を模式的に示すブロック図である。 図8に示した圧縮機オンオフ制御部(制御ユニット)が実施するオンオフ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。 図8に示した圧縮機回転数制御部(制御ユニット)が実施する回転数制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 本体キャビネット
3 商品収容庫
20 冷媒回路装置
30 冷却加熱用冷媒回路
31 冷却加熱用圧縮機
32 庫外熱交換器
33 膨張機構
34 庫内熱交換器
36 四方弁
40 冷却用冷媒回路
41 冷却用圧縮機
42 凝縮器
43 膨張機構
44 蒸発器
46 電磁弁
50 制御ユニット
51 圧縮機オンオフ制御部
511 第1設定記憶部
512 庫内温度入力処理部
513 比較部
514 オンオフ駆動処理部
52 圧縮機回転数制御部
521 第2設定記憶部
522 凝縮温度入力処理部
523 比較判断部
524 監視部
525 回転数駆動処理部
S1 右庫内温度センサ
S2 中庫内温度センサ
S3 左庫内温度センサ
S4 凝縮温度センサ

Claims (4)

  1. 冷却加熱室の内部に配設された室内熱交換器と、前記冷却加熱室の外部に配設された冷却加熱用圧縮機および室外熱交換器とを有してなり、冷却運転の場合には、前記冷却加熱用圧縮機で圧縮させた冷媒を前記室外熱交換器で凝縮させ、かつ前記室内熱交換器で蒸発させる態様で循環させることにより前記冷却加熱室の内部雰囲気を冷却する一方、加熱運転の場合には、前記冷却加熱用圧縮機で圧縮させた冷媒を前記室内熱交換器で凝縮させ、かつ前記室外熱交換器で蒸発させる態様で循環させることにより前記冷却加熱室の内部雰囲気を加熱する冷却加熱用冷媒回路と、
    冷却室の内部に配設された蒸発器と、前記冷却室の外部に配設された冷却用圧縮機および凝縮器とを有してなり、前記冷却用圧縮機で圧縮させた冷媒を前記凝縮器で凝縮させ、かつ前記蒸発器で蒸発させる態様で循環させることにより前記冷却室の内部雰囲気を冷却する冷却用冷媒回路と
    を備え、
    前記室外熱交換器と前記凝縮器とが互いに熱交換可能となる態様で構成された冷媒回路装置において、
    前記室外熱交換器で凝縮した冷媒の温度、並びに前記凝縮器で凝縮した冷媒の温度の少なくとも一方が、冷却加熱用冷媒回路、あるいは冷却用冷媒回路の高圧側部分の圧力が過大なものになるか否かを判断するために予め個別に設定された閾値を超える場合に、前記冷却加熱用圧縮機および前記冷却用圧縮機の少なくとも一方の回転数を低減させる制御手段を備えたことを特徴とする冷媒回路装置。
  2. 前記室外熱交換器と前記凝縮器とが一体化した熱交換器として構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の冷媒回路装置。
  3. 前記凝縮器で凝縮した冷媒の温度を検出する凝縮温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記凝縮温度検出手段により検出された凝縮温度が予め決められた基準凝縮温度以下の場合には前記冷却加熱用圧縮機の回転数を維持する一方、前記凝縮温度が前記基準凝縮温度を超える場合には前記冷却加熱用圧縮機の回転数を低減させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷媒回路装置。
  4. 前記制御手段は、前記凝縮温度が前記基準凝縮温度を超え、かつ前記冷却加熱用圧縮機の回転数が最小である場合において、前記冷却用圧縮機が駆動停止中のときには前記冷却加熱用圧縮機の駆動を維持する一方、前記冷却用圧縮機が駆動中のときには前記冷却加熱用圧縮機の駆動を停止させることを特徴とする請求項3に記載の冷媒回路装置。
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