JP2010031513A - 油圧ホースの保護装置 - Google Patents
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【課題】建設機械の上部旋回体とブームの根本部との間に取付けられる油圧ホースが、ブーム起立の際に油タンクに接触して損傷することを防止する油圧ホースの保護装置を提供する。
【解決手段】上部旋回体上に搭載される油タンク7の前部上縁7aに、ブームの起立時に油圧ホースを当接させて前部上縁7aとの接触を回避する丸棒状の保護部材12を設ける。ブームが起立したとき、油圧ホースが保護部材12の外周の円弧面で受けられる。この円弧面による当接においては、油圧ホースの接触部の応力集中が緩和されるので、油圧ホースの損傷が防止される。
【選択図】図4
【解決手段】上部旋回体上に搭載される油タンク7の前部上縁7aに、ブームの起立時に油圧ホースを当接させて前部上縁7aとの接触を回避する丸棒状の保護部材12を設ける。ブームが起立したとき、油圧ホースが保護部材12の外周の円弧面で受けられる。この円弧面による当接においては、油圧ホースの接触部の応力集中が緩和されるので、油圧ホースの損傷が防止される。
【選択図】図4
Description
本発明は、油圧ショベル等の建設機械において、上部旋回体とブームの根本部との間に設けられる油圧ホースのブーム起立時における作動油タンクまたは燃料油タンク等の油タンクとの接触による損傷を防止する油圧ホースの保護装置に関する。
油圧ショベルは、上部旋回体に多関節フロントを取付けて構成される。この多関節フロントは、上部旋回体に起伏可能に取付けたブームと、ブームの先端に回動可能に取付けたアームと、アームの先端に回動可能に取付けたバケットと、ブーム、アーム、バケットをそれぞれ起伏、回動させる油圧シリンダとにより構成される。これらの油圧シリンダに作動油を供給する油圧配管は、ブーム、アームに添設される。ブームの根本部には、ブーム、アームに添設した油圧配管と上部旋回体上の油圧配管とを接続する可撓性を有する油圧ホースが取付けられる(特許文献1参照)。
特許文献2に示すように、油圧ショベルが小旋回式である場合、ブームの根本部から上部旋回体の後端までのスペースは非常に狭くなる。このため、ブームの根本部の後部に油圧ホースやこれに接続する油圧配管を配設することが困難となる。このため、ブームの根本部に添設する油圧ホースは、運転室の反対側のブームの側面側に取付けることになる。この油圧ホースは、ブーム起伏動作に追従可能とするため、倒伏時のみならず、起立時にも後方に多少湾曲した形状となるように、伸縮を想定し長さに余裕を持たせて取付けられる。しかし、この油圧ホースは、ブームが起立した際に、油圧ホースも後方に移動し、上部旋回体に搭載した作動油タンクの前部上縁に当たる。このため、油圧ホースが損傷する恐れがある。このため、特許文献1に記載のように、ブームの後方位置においてホース支持部材を設けてホースと建屋カバーとが接触することを防止したり、ホース自体に保護テープを巻きつけたりしていた。
特許文献1に記載のようにブームの後方位置にホース支持部材を設けるものでは、このホース支持部材が上部旋回体を構成する建屋カバー上面よりも上方に突出するように設けられるため、例えば小旋回式の油圧ショベルのように上部旋回体自体が小さいものでは、その設置スペースが制限されるとともに、機械のメンテナンス等のために上部旋回体の上面に作業員が登る際にまたは登って作業を行なう際に作業の邪魔になる恐れもある。
また、ホース自体に保護テープを巻きつけるものにあっては、ホースと油タンクとの接触自体は防止できないから、この保護テープを定期的に交換する等のメンテナンスが別途必要になって作業性も悪い。
本発明は、上記問題点に鑑み、ブーム起立の際に上部旋回体とブームの根本部との間に設けられる油圧ホースが油タンクに接触して損傷することを防止しうる油圧ホースの保護装置を提供することを目的とする。
請求項1の油圧ホースの保護装置は、建設機械の上部旋回体とブームの根本部との間に取付けられる油圧ホースの保護装置において、
前記上部旋回体上の前記油圧ホースの後方に搭載される油タンクの前部上縁に、前記ブームの起立時に前記油圧ホースを当接させて前記前部上縁と前記油圧ホースとの接触を回避する丸棒状の保護部材を備えたことを特徴とする。
前記上部旋回体上の前記油圧ホースの後方に搭載される油タンクの前部上縁に、前記ブームの起立時に前記油圧ホースを当接させて前記前部上縁と前記油圧ホースとの接触を回避する丸棒状の保護部材を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の油圧ホースの保護装置は、請求項1の油圧ホースの保護装置において、
前記保護部材は、前記ブームの起立時における前記油圧ホースの油タンク側部上縁および側面構成体との接触を回避する油タンク側方への突出部を有することを特徴とする。
前記保護部材は、前記ブームの起立時における前記油圧ホースの油タンク側部上縁および側面構成体との接触を回避する油タンク側方への突出部を有することを特徴とする。
請求項1の発明においては、油タンクの前部上縁に、ブーム起立時に上部旋回体とブームの根本部との間の油圧ホースを当接させる丸棒状の保護部材を備えたので、油圧ホースが保護部材の外周の円弧面で受けられる。この円弧面による当接においては、油圧ホースの接触部の応力集中が緩和されるので、油圧ホースの損傷が防止される。
また、油タンクの前部上縁に丸棒状の保護部材を設けたので、例えば小旋回式の油圧ショベルのように上部旋回体自体が小さく、設置スペースが制限される場合であっても容易に設置することが可能になるとともに、機械のメンテナンス等のために上部旋回体の上面に作業員が登る際にまたは登って作業を行なう際に作業の邪魔になる恐れもない。
また、従来のように油圧ホース自体に保護テープを巻きつける場合には、保護テープを定期的に交換する等のメンテナンスが必要になるが、本発明の保護部材を設ける場合にはこのメンテナンスが不要となり、作業性が向上する。
請求項2の発明においては、前記保護部材を前記油タンクの側部上縁より側方に突出させ、前記ブームの起立時における前記油圧ホースの前記側部上縁や側面構成体との接触を回避させたので、油圧ホースが側部上縁や構造物に摺動して損傷することが防止される。
図1は本発明による油圧ホースの保護装置の一実施の形態を示す油圧ショベルの斜視図であり、ブーム2を倒した状態を示す。また、図2はブーム2を起立させた状態を示す。図1、図2において、1は下部走行体上に旋回装置(いずれも図示せず)を介して設置された上部旋回体、2は上部旋回体1にブームシリンダ2aにより起伏可能に取付けられたブームである。ブーム2の先端にはアームシリンダにより回動されるアームが取付けられ、アームの先端にはバケットシリンダにより回動されるバケット(いずれも図示せず)が取付けられて多関節フロントを構成する。
3はブーム2に添設した油圧配管であり、アームシリンダやバケットシリンダに作動油を供給するものである。4は上部旋回体1上のコントロール弁収容部5と油圧配管3との間を接続する油圧ホースである。この油圧ホース4は、起立状態において後方に突出するブーム起伏動作に追従可能とするため、倒伏時のみならず、起立時にも後方に多少湾曲した形状となるように、伸縮を想定し長さに余裕を持たせて取付けられる。6は上部旋回体1の側部に搭載された燃料タンク、7は燃料タンク6とブーム2の根本部との間に搭載された作動油タンクである。8はコントロール弁収容部5上に設置された道具箱である。燃料タンク6や作動油タンク7の後方には油圧パワーユニットやカウンタウエイトが搭載されるが図示を省略している。
図1、図2において、9は本発明により設けた油圧ホースの保護装置である。図3はこの保護装置9を取付けるブラケットを示す斜視図、図4はこの保護装置9を作動油タンク7に取付けた状態で示す斜視図、図5は保護装置の取付け構造を示す断面図である。10は作動油タンク7のブーム2側の前部上縁7aに溶接したくの字形のブラケットである。この実施の形態の保護装置9は、プレート11と、このプレート11に溶接されて保護部材を構成する丸棒状の2本のロッド12と、プレート11をブラケット10に取付けるボルト13とからなる。
2本のロッド12はそれぞれほぼ直角に折り曲げた構造を有し、その前部12aをプレート11の上面に溶接する。この保護装置9は、図4に示すように、プレート11に設けた孔11aからボルト13を挿入してブラケット10のねじ孔10bに螺合することにより、プレート11に取付ける。この取付け状態においては、ロッド12のプレート11より突出した部分12bは作動油タンク7の側部上縁7bを覆う位置となるように構成する。図5に示すように、ボルト13の頭部は、ロッド12,12の前部12a,12aのブラケット10の反対側の面を結ぶ線14よりから突出しない位置、すなわち下側にある。
なお、図4において、15,16はブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダ、旋回モータ、走行モータ等のアクチュエータからの戻り油を作動油タンク7に戻す配管を接続するポートである。これらのポート15,16は、作動油タンク7内に設けられるフィルタの一種であるストレーナ(図示せず)に連通する。17は作動油タンク7の天板に設けらて前記ストレーナの点検孔を構成する上面開口部を覆う蓋である。作動油タンク7内には、油圧ポンプへの吐出側に別のフィルタであるサクションフィルタ(図示せず)が設けられる。18はこのサクションフィルタを点検するために天板に設けた点検孔を構成する上面開口部に設けた蓋、19はこの蓋に設けられ、作動油タンク7内の油面の上昇、下降に合わせて作動油タンク7内と外気との空気の排出、吸入を行なうブリーザ弁である。
この実施の形態において、図2に示すように、ブーム2を起立させると、油圧ホース4もこれにつれて起立する。このブーム2の起立が後方への限界位置まで行われても、本実施の形態においては、作動油タンク7の前部上縁7aには保護部材である丸棒状のロッド12が備えているため、図5に示すように、油圧ホース4の後方への湾曲部はこのロッド12に当たり、作動油タンク7の前部上縁7aへの当接が回避される。
ここで、ロッド12は丸棒状をなすので、油圧ホース4との接触面積が広く、油圧ホース4の応力発生が緩和されるため、油圧ホース4の損傷が防止される。また、仮に油圧ホース4が図6に2点鎖線で示すように後方に反る場合であっても、ボルト13の頭部13aは前部12a,12aの上面を結ぶ線14より上方に突出しないため、油圧ホース4が頭部13aに当接することが回避され、この頭部13aに対する油圧ホース4の接触による損傷が防止される。
また、燃料タンク7の前部上縁7aに丸棒状の保護部材12を設けたので、例えば小旋回式の油圧ショベルのように上部旋回体1自体が小さく、設置スペースが制限される場合であっても容易に設置することが可能になるとともに、機械のメンテナンス等のために上部旋回体の上面に作業員が登る際にまたは登って作業を行なう際に作業の邪魔になる恐れもない。
また、従来のように油圧ホース4自体に保護テープを巻きつける場合には、保護テープを定期的に交換する等のメンテナンスが必要になるが、この保護部材12を設ける場合にはこのメンテナンスが不要となり、作業性が向上する。
また、本実施の形態においては、ロッド12は曲成された構造を有し、作動油タンク7側方への突出部であるロッド側部12bにより、作動油タンク7の側部上縁7b、側部上縁7bの側面構成体であるブラケット10およびプレート11の側面部を覆った構造としたので、図6に示すように、ブーム2の起立時における油圧ホース4の側部上縁7b、ブラケット10およびプレート11の側面部との接触が回避され、油圧ホース4が作動油タンク7の前部上縁7a側から外れて作動油タンク7の側面側に移動したとしても、油圧ホース4が側部上縁7bに摺動して損傷することが防止される。また、ブーム2が起立姿勢から倒伏動作に移行する際に、ブラケット10およびプレート11の側面部に引っ掛かることなく、油圧ホース4をロッド側部12bに沿って円滑に前方へ移動させることができる。
図7は本発明の油圧ホースの保護装置の他の実施の形態を示す。この実施の形態の保護装置20は、作動油タンク7の前方への突出部7cにボルト21により取付けられるプレート22に、1本の丸棒状のロッド23をU字形に折り曲げて形成した保護部材を溶接したものである。ここで、このロッド23は作動油タンク7の前部上縁7aの部分を覆う位置に設定する。このため、前記実施の形態と同様に、ブーム2の起立時に油圧ホース4が前部上縁7aに当接することが回避され、損傷が防止される。また、ロッド23の先端部23aを、作動油タンク7の側部上縁7bの前部を覆う位置に設定することにより、ブーム2の起立時に油圧ホース4が側部上縁7bや側面構成体に当接することも回避され、損傷が防止される。また、前記実施の形態と同様に、小旋回式への適用が容易となり、かつ建屋カバーに登って作業する場合に作業の邪魔になることがなく、また、保護テープを用いる場合のようなメンテナンス作業が不要で作業性が向上するという効果を得ることができる。
本発明は、小旋回式の油圧ショベルに限らず、ブームの根本部に取付けられる油圧ホースが作動油タンクに干渉するおそれのある他の建設機械に適用できる。また、上記実施の形態においては、油タンクが作動油タンクである場合について説明したが、油タンクが燃料タンクである場合にも本発明を適用することができる。また、油圧ホースの後部にタンクではなく、建屋カバーの縁部が位置する場合は、その縁部に本発明の保護部材を設けてもよい。
1:上部旋回体、2:ブーム、3:油圧配管、4:油圧ホース、5:コントロール弁収容部、6:燃料タンク、7:作動油タンク、7a:前部上縁、7b:側部上縁、7c:突出部、8:道具箱、9:保護装置、10:ブラケット、10b:ねじ孔、11:プレート、12:ロッド(保護部材)、12a:前部、12b:側部(突出部)、13:ボルト、15,16:戻りポート、17,18:蓋、19:ブリーザ弁、20:保護装置、21:ボルト、22:プレート、23:ロッド(保護部材)
Claims (2)
- 建設機械の上部旋回体とブームの根本部との間に取付けられる油圧ホースの保護装置において、
前記上部旋回体上の前記油圧ホースの後方に搭載される油タンクの前部上縁に、前記ブームの起立時に前記油圧ホースを当接させて前記前部上縁と前記油圧ホースとの接触を回避する丸棒状の保護部材を備えたことを特徴とする油圧ホースの保護装置。 - 請求項1に記載の油圧ホースの保護装置において、
前記保護部材は、前記ブームの起立時における前記油圧ホースの油タンク側部上縁および側面構成体との接触を回避する油タンク側方への突出部を有することを特徴とする油圧ホースの保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008193642A JP2010031513A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 油圧ホースの保護装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008193642A JP2010031513A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 油圧ホースの保護装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010031513A true JP2010031513A (ja) | 2010-02-12 |
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ID=41736304
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2010031513A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5290453B1 (ja) * | 2012-05-22 | 2013-09-18 | 株式会社小松製作所 | 油圧ショベル |
-
2008
- 2008-07-28 JP JP2008193642A patent/JP2010031513A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5290453B1 (ja) * | 2012-05-22 | 2013-09-18 | 株式会社小松製作所 | 油圧ショベル |
WO2013175647A1 (ja) * | 2012-05-22 | 2013-11-28 | 株式会社小松製作所 | 油圧ショベル |
CN103635635A (zh) * | 2012-05-22 | 2014-03-12 | 株式会社小松制作所 | 液压挖掘机 |
DE112012000379B4 (de) * | 2012-05-22 | 2015-07-16 | Komatsu Ltd. | Hydraulikbagger |
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