JP2010030740A - 乗客コンベアの異常診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的大きな外乱音が発生する場合であっても、乗客コンベアの異常を精度良く診断することができる乗客コンベアの異常診断システムを提供する。
【解決手段】点検踏段10Aに設置された移動集音装置20により複数周分のエスカレータ稼動音の音データを集音してこの複数周分のエスカレータ稼動音の音データを加工することで突発的な外乱音の成分を除去した診断用データを生成し、この診断用データをデータ送受信装置12から通信網CNを介して遠隔地の監視センタに設置された遠隔監視装置13に送信して、遠隔監視装置13にて診断用データに基づいてエスカレータの異常有無を診断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアの異常を診断する異常診断システムに関する。
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアは、無端状に連結された多数の踏段を、トラス内部に配設されたガイドレールに沿って循環移動させることで、踏段に搭乗した乗客を搬送するものである。このような乗客コンベアは、故障すると復旧に時間がかかる場合が多く、一旦故障してしまうと利用客に多大な迷惑をかけてしまうことになる。このため、故障に至る前に何らかの異常が現われた段階でその異常を早期に発見し、保守作業によって異常を解消させて故障を回避できるようにすることが望まれている。
このような背景のもと、例えば特許文献1では、加速度センサやマイクロホンを内蔵した診断装置を循環移動する踏段に設置して、所定の区間において加速度センサで検出した加速度信号やマイクロホンで検出した音信号について、平均振幅、尖度及びステップ周期成分の少なくともいずれかを統計特徴量として求め、この統計特徴量を予め設定された設定特徴量と比較することで乗客コンベアの異常の有無を判定することが提案されている。
特開2007−8709号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されているような統計特徴量を用いて乗客コンベアの異常有無を判定する手法では、乗客コンベアの稼動に関連しない突発的な外乱音が発生した場合に、その外乱音が軽微なものであれば診断への悪影響を抑制できるものの、例えば、乗客が歩いたときに発生する音や、乗客コンベアが設置された施設内にて放送されるBGM、案内放送など、比較的大きな外乱音が発生すると、その外乱音の影響が統計特徴量に現われてしまうため、乗客コンベアの異常を精度良く診断することが難しくなる場合もある。
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、比較的大きな外乱音が発生する場合であっても、乗客コンベアの異常を精度良く診断することができる乗客コンベアの異常診断システムを提供することを目的としている。
本発明に係る乗客コンベアの異常診断システムは、乗客コンベアの稼動音を集音する集音手段と、踏段が複数回周回する間に集音手段で集音された複数周分の乗客コンベア稼動音の音データを加工して診断用データを生成するデータ加工手段と、このデータ加工手段により生成された診断用データを用いて乗客コンベアに異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段とを備える。データ加工手段は、各周の乗客コンベア稼動音の音データをそれぞれ共通の時間区分により複数の区間に分割し、対応する区間ごとに複数周分の乗客コンベア稼動音の音データを比較して音データの最大値が最小となる区間データを選択し、選択した区間データを繋ぎ合せて1周分に相当する診断用データを生成する。
本発明に係る乗客コンベアの異常診断システムによれば、外乱音の成分が含まれていないと想定されるデータを繋ぎ合せて診断用データが生成され、当該診断用データを用いて乗客コンベアの異常有無が診断されるので、比較的大きな外乱音が発生した場合であっても、その外乱音が診断に対して悪影響を及ぼすことを有効に防止して、乗客コンベアの異常を精度良く診断することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、診断対象となる乗客コンベアの例として、多数の踏段が上下階に亘って斜めに移動するエスカレータを例示するが、勿論、本発明は、多数の踏段(踏板)が連続して水平方向に移動する動く歩道を診断対象とする場合にも有効に適用可能である。
図1は、本発明を適用した異常診断システムの概略構成を示す図である。診断対象となるエスカレータは、図1に示すように、上下階の間に架設されたトラス1によって支持されている。トラス1内部の上階側には、エスカレータの駆動装置2が設置されている。駆動装置2は、駆動チェーン3を介して駆動スプロケット4を駆動する。また、トラス1内部の下階側には、駆動スプロケット4と対をなす従動スプロケット5が設置されており、駆動スプロケット4と従動スプロケット5との間に踏段チェーン6が巻き掛けられている。そして、この踏段チェーン6に多数の踏段10が連結されており、駆動装置2で駆動スプロケット4を回転させることで踏段チェーン6が駆動スプロケット4と従動スプロケット5との間を周回し、多数の踏段10が図示しないガイドレールに沿って上階側乗降口と下階側乗降口との間で循環移動する構造となっている。
また、循環移動する踏段10の左右両側にはデッキボード7および欄干パネル8からなる欄干が立設されており、欄干パネル8の外周に手摺ベルト9が装着されている。手摺ベルト9は、踏段10上に搭乗している乗客が把持する手摺であり、例えば上述した駆動装置2の駆動力が伝達されることで、踏段10の移動と同期して欄干パネル8の周囲を周回する。
以上のように構成されるエスカレータは、本実施形態の異常診断システムによる診断を行えるようにするために、循環移動する多数の踏段10のうちの少なくとも何れか1つを点検踏段10Aとしている。そして、この点検踏段10Aの内部に、点検踏段10Aとともに循環移動しながらエスカレータ稼動音を集音して診断用データを生成する移動集音装置20が設置されている。また、点検踏段10Aを含む多数の踏段10の循環移動経路における所定位置(基準位置)には、点検踏段10Aが当該基準位置を通過するタイミングで移動集音装置20との間で非接触の近距離無線通信を行い、移動集音装置20に対して基準位置通過信号を出力する位置検出装置11が設置されている。
さらに、診断対象となるエスカレータの設置現場にはデータ送受信装置12、遠隔地の監視センタには、通信網CNを介してエスカレータ設置現場のデータ送受信装置12に接続された遠隔監視装置13がそれぞれ設置されている。本実施形態の異常診断システムは、前記の移動集音装置20、位置検出装置11、データ送受信装置12および遠隔監視装置13により、遠隔地の監視センタにおいて現場のエスカレータの異常を自動診断することが可能なシステムとして構成されている。
移動集音装置20は、例えば図2に示すように、エスカレータ稼動音を集音する集音部21と、集音部21が集音したエスカレータ稼動音の音データを保存するデータ収録部22と、データ収録部22に保存されたエスカレータ稼動音の音データを加工して診断用データを生成する演算部23と、演算部23で生成された診断用データを記憶する診断用データ記憶部24と、診断用データ記憶部24に記憶された診断用データを無線にて送信する無線通信部25と、を備えている。
この移動集音装置20は、毎日あるいは毎週などの予め定められた周期で、点検踏段10Aが循環移動する複数周分(例えば3〜4周分程度)のエスカレータ稼動音を、集音部21にて連続して集音する。なお、1周の長さは、位置検出装置15からの基準位置通過信号をもとに判断し、点検踏段10Aが基準位置を通過してから再度基準位置までの間に集音部21により集音されたエスカレータ稼動音を、1周分のエスカレータ稼動音とする。
集音部21により連続して集音された複数周分のエスカレータ稼動音の音データは、データ収集部22に保存される。そして、演算部23が、データ収集部22に保存された複数周分のエスカレータ稼動音の音データを加工して、エスカレータの稼動に関連しない突発的な外乱音を除いた診断用データを生成する。この演算部23により生成された診断用データは診断用データ記憶部24に一旦記憶され、適宜、診断用データ記憶部24から読み出されて、無線通信部25からデータ送受信装置16へと無線送信される。
データ送受信装置16は、移動集音装置20の無線通信部25から無線送信された診断用データを受信し、受信した診断用データを、通信網CNを介して遠隔地の監視センタに設置された遠隔監視装置17へと送信する。遠隔監視装置17は、エスカレータ設置現場のデータ送受信装置16から通信網CN経由で送信された診断用データを受信して、この診断用データを用いてエスカレータの異常有無を判定し、判定結果を出力する。この遠隔監視装置17によるエスカレータの異常有無の判定は、例えば、予め正常時のエスカレータ稼動音を集音してその音データを記憶しておき、診断用データを正常時の音データと比較して所定の閾値を越える差異が検出された場合に、エスカレータに異常有りと判定するといった手法で行われる。
ここで、移動集音装置20の演算部23により、複数周分のエスカレータ稼動音の音データを加工して診断用データを生成する手法の具体例について、図3を参照しながら詳細に説明する。なお、図3は、3周分のエスカレータ稼動音の音データから1周分に相当する診断用データを生成する例を示している。
演算部23は、まず、連続的に集音されてデータ収集部22に保存された複数周分のエスカレータ稼動音の音データを、1周分の音データごとに分離するとともに、各周のエスカレータ稼動音の音データを、共通の時間区分により複数の区間にそれぞれ分割する。図3に示す例では、(a)が1周目の音データ、(b)が2周目の音データ、(c)が3周目の音データを示しており、各周の音データを8つの区間d1〜d8にそれぞれ分割している。
次に、演算部23は、対応する区間ごとに複数周分のエスカレータ稼動音の音データを比較して、音データの最大値が最小となる区間データを選択する。つまり、演算部23は、複数周分のエスカレータ稼動音の音データのうち、点検踏段10Aが同じ経路区間を移動しているときの音データ同士を比較して、最大値が最小となる音データをその区間の区間データとして選択する。図3に示す例では、区間d1における音データとしては、最大値が最小となるのが1周目の音データであるので、この区間d1の区間データとして1周目の音データを選択する。また、区間d2の区間データとしては、最大値が最小となるのが3周目の音データであるので、この区間d2の区間データとして3周目の音データを選択する。同様に、区間d3の区間データとしては1周目の音データ、区間d4の区間データとしては3周目の音データ、区間d5の区間データとしては3周目の音データ、区間d6の区間データとしては2周目の音データ、区間d7の区間データとしては1周目の音データ、区間d8の区間データとしては1周目の音データをそれぞれ選択する。
次に、演算部23は、複数の区間ごとに選択した区間データを繋ぎ合せて、図3(d)に示すように、1周分に相当する診断用データを生成する。この図3(d)に示す診断用データは、区間d1における1周目の音データと、区間d2における3周目の音データと、区間d3における1周目の音データと、区間d4における3周目の音データと、区間d5における3周目の音データと、区間d6における2周目の音データと、区間d7における1周目の音データと、区間d8における1周目の音データとを繋ぎ合せて生成されたものである。
この診断用データは、エスカレータの稼動に関連しない突発的な外乱音を除去するよに生成されたデータである。つまり、突発的な外乱音を移動集音装置20の集音部21が集音した場合、その外乱音成分がエスカレータ稼動音に重畳されて音データの値が一時的に増加することになるが、上述したように、複数周分のエスカレータ稼動音の音データを用いて、各区間ごとに音データの最大値が最小となる区間データを繋ぎ合せて診断用データを生成することにより、その外乱音を除去した診断用データを生成することができる。
ここで、各区間ごとの音データの最大値は、例えば、電圧波形のピークトゥピーク値にて評価すればよい。集音部21は、一般的に、エスカレータ稼動音の音圧に応じた振動の波形を電圧波形として出力するので、各期間ごとの音データの最大値を電圧波形のピークトゥピーク値にて評価して、電圧波形のピークトゥピーク値が最小となる区間データを選択するようにすれば、集音部21から出力される電圧波形をそのまま利用して診断データの生成を行うことができ、診断データ生成の処理を極めて簡便に行うことが可能となる。
なお、電圧波形のピークトゥピーク値で最大値を評価する以外にも、例えば、各区間ごとに電圧の実効値を求めて電圧の実効値が最小となる区間データを選択するようにしてもよいし、電圧波形を音圧波形に変換して音圧波形のピークトゥピーク値が最小となる区間データを選択する、或いは音圧の実効値が最小となる区間データを選択するようにしてもよい。さらに、音データを周波数分析した結果を用いてその最大値を評価し、周波数スペクトルの最大値が最小となる区間データを選択するようにしてもよい。
また、各周のエスカレータ稼動音の音データを複数の区間に分割する手法としては、例えば、踏段10が1周するのに要する時間を偶数に割り切れる長さの時間区分で、各周のエスカレータ稼動音の音データを偶数の区間に等間隔で分割することが有効である。つまり、踏段10の循環移動経路は往路と復路に二分されるので、音データを分割する区間数を偶数とすれば、音データを往路側の区間と復路側の区間とに区別して扱うことができ、また、各区間を等間隔とすることで音データの分割を容易に行うことができる。なお、各区間を分割する基準となる時間区分の長さは、短ければ短いほど診断用データの信頼性は向上する一方で処理負荷が高くなる。したがって、時間区分の長さはこれらの兼ね合いで最適な長さに設定されるが、本発明者らによる実験によれば、3秒以下の長さ、特に1.5〜2.0秒程度の長さに設定するのが最適と考えられる。
また、各周のエスカレータ稼動音の音データを複数の区間に分割する手法としては、例えば、踏段10が1周するのに要する時間を踏段10の総数で割った長さの時間区分で、各周のエスカレータ稼動音の音データを複数の区間に等間隔で分割するといった手法も有効である。この場合の時間区分は、ある位置を先行する踏段10が通過してから次の踏段10が通過するまでの所要時間(単位走行時間)に相当するので、音データを単位走行時間ごとに扱うことができ、また、各区間を等間隔とすることで音データの分割を容易に行うことができる。なお、この単位走行時間に相当する時間区分は、図4に示すように、踏段10の移動速度vを隣り合う踏段10の踏段ローラ10r間の距離Lで割ることで求めることができるので、踏段10の移動速度vを可変とした場合にも、音データの分割を極めて簡便に行うことができる。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の異常診断システムによれば、点検踏段10Aに設置された移動集音装置20により複数周分のエスカレータ稼動音の音データを集音してこの複数周分のエスカレータ稼動音の音データを加工することで突発的な外乱音の成分を除去した診断用データを生成し、この診断用データをデータ送受信装置12から通信網CNを介して遠隔地の監視センタに設置された遠隔監視装置13に送信して、遠隔監視装置13にて診断用データに基づいてエスカレータの異常有無を診断するようにしているので、遠隔地の監視センタにおいて現場のエスカレータの稼動音からその異常有無を自動診断することができるとともに、エスカレータ稼動音の集音時に比較的大きな外乱音が発生した場合であっても、その外乱音が診断に対して悪影響を及ぼすことを有効に防止して、エスカレータの異常を精度良く診断することができる。
なお、以上説明した異常診断システムでは、毎日あるいは毎週などの予め定められた周期で1周分に相当する診断用データを生成し、この診断用データに基づいてエスカレータの異常診断を行うことを前提としたが、診断用データの生成を1日のうちに複数回行い、生成した複数の診断用データに対して、複数周分のエスカレータ稼動音の音データから診断用データを生成するのと同様の処理を行って2次加工診断用データを生成し、この2次加工診断用データに基づいてエスカレータの異常診断を行うようにしてもよい。
すなわち、移動集音装置20は、集音部21による複数周分のエスカレータ稼動音の集音を1日のうちに複数回行い、その都度、演算部23による上述した処理を実行して診断用データを生成し、生成した診断用データを診断用データ記憶部24に蓄積する。そして、診断用データ記憶部24に複数の診断用データが蓄積された段階で、演算部23が、これら複数の診断用データを読み出して、それぞれの診断用データを共通の時間区分により複数の区間に分割し、対応する区間ごとに複数の診断用データを比較して音データの最大値が最小となる区間データを選択し、選択した区間データを繋ぎ合せて1周分に相当する2次加工診断用データを生成する。このときの区間分割の基準となる時間区分は、診断用データの生成時と同じ時間区分であってもよいし、2次加工診断用データの生成に特化した別の時間区分を使用してもよい。また、音データの最大値を評価する手法についても、診断用データの生成時と同じ手法を用いてもよいし、2次加工診断用データの生成に特化した別の手法を用いてもよい。
以上のように生成された2次加工診断用データは、診断用データの生成時に除去しきれなかった外乱音をも除去したデータであり、診断に用いるデータとして精度の高いデータである。この2次加工データは、上述した例と同様に、移動集音装置20の無線通信部25からエスカレータ設置現場のデータ送受信装置16へと無線送信され、その後、データ送受信装置16から通信網CNを介して監視センタの遠隔監視装置17へと送信される。そして、遠隔監視装置17において、この2次加工診断用データを用いてエスカレータの異常有無が判定され、判定結果が出力される。したがって、この例では、突発的な外乱音が診断に対して及ぼす悪影響をより確実に防止して、エスカレータの異常をさらに精度良く診断することが可能となる。
また、以上説明した異常診断システムでは、遠隔地の監視センタに設置された遠隔監視装置13が、例えば、データ送受信装置13から送信される診断用データ又は2次加工診断用データと正常時の音データとの差分に基づいてエスカレータの異常有無を判定することを前提としたが、遠隔監視装置13は、異なる日に移動集音装置20により生成されてデータ送受信装置13から送信される複数の診断用データ又は2次加工診断用データを用いて、これら診断用データ又は2次加工診断用データの経時変化を観察し、観察した結果に基づいてエスカレータの異常有無を判定するようにしてもよい。
すなわち、エスカレータ稼動音に何らかの理由で一時的に異音が発生していても、その異音が次の日には低減しているようなレベルのものであれば、緊急性の要するものではなく、次の保守点検時に点検などを行って対応すればよい場合が多い。したがって、異なる日に生成された複数の診断用データ又は2次加工診断用データからそのデータの経時変化を観察し、異音の発生が一時的な場合には異常と判定せず、定常的に異音が発生している場合にエスカレータに異常有りと判定することにより、異常の診断をより精度良く行うことができる。
また、以上説明したエスカレータの異常診断システムは、本発明の一実施形態を例示的に説明したものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形、変更、代替技術の転用などが可能である。例えば、上述した異常診断システムでは、多数の踏段10のうちの1つを点検踏段10Aとして、この点検踏段10Aに設置された1つの移動集音装置20でエスカレータ稼動音を集音して診断用データを生成するようにしているが、点検踏段10Aを複数設けてそれぞれに移動集音装置20を設置し、複数の移動集音装置20でそれぞれエスカレータ稼動音の集音と診断用データの生成を行うようにしてもよい。また、点検踏段10Aに設置する移動集音装置20に代えて、或いは移動集音装置20に加えて、トラス1内部などの異音が発生しやすい位置に固定の集音装置を設置し、この固定の集音装置でエスカレータ稼動音の集音や診断用データの生成を行うようにしてもよい。
また、上述した異常診断システムでは、診断用データの生成を移動集音装置20内部で行うようにしているが、データ送受信装置12或いは遠隔監視装置13にて診断用データの生成を行うことも可能である。この場合には、移動集音装置20は、エスカレータ稼動音を集音してその音データをデータ送受信装置12に送信し、データ送受信装置12がこの音データを上述した手法で加工して診断用データを生成する、或いはデータ送受信装置12がエスカレータ稼動音の音データを遠隔監視装置13に送信し、遠隔監視装置13がこの音データを上述した手法で加工して診断用データを生成するようにすればよい。
また、上述した異常診断システムでは、診断用データを用いたエスカレータの異常診断を遠隔監視装置13において行うようにしているが、移動集音装置20の内部でエスカレータの異常診断まで行って、その診断結果をデータ送受信装置12から遠隔監視装置13に送信するようにしてもよいし、また、移動集音装置20からの診断用データを用いてデータ送受信装置12でエスカレータの異常診断を行い、その診断結果を遠隔監視装置13に送信することも可能である。
本発明を適用した異常診断システムの概略構成を示す構成図。 点検踏段に設置された移動集音装置の内部構成を示すブロック図。 複数周分のエスカレータ稼動音の音データを加工して診断用データを生成する手法の具体例を説明する説明図。 踏段の移動速度と隣り合う踏段の踏段ローラ間の距離とから音データを複数の区間に分割する時間区分の長さを求める例を説明する図。
符号の説明
10 踏段
10A 点検踏段
11 位置検出装置
12 データ送受信装置
13 遠隔監視装置(異常判定手段)
20 移動集音装置
21 集音部(集音手段)
23 演算部(データ加工手段)

Claims (6)

  1. 無端状に連結された多数の踏段を循環移動させて踏段に搭乗した乗客を搬送する乗客コンベアの異常診断システムであって、
    乗客コンベアの稼動音を集音する集音手段と、
    前記踏段が複数回周回する間に前記集音手段で集音された複数周分の乗客コンベア稼動音の音データを加工して、診断用データを生成するデータ加工手段と、
    前記データ加工手段により生成された診断用データを用いて、乗客コンベアに異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、を備え、
    前記データ加工手段は、各周の乗客コンベア稼動音の音データをそれぞれ共通の時間区分により複数の区間に分割し、対応する区間ごとに複数周分の乗客コンベア稼動音の音データを比較して音データの最大値が最小となる区間データを選択し、選択した区間データを繋ぎ合せて1周分に相当する前記診断用データを生成することを特徴とする乗客コンベアの異常診断システム。
  2. 前記データ加工手段は、前記音データの最大値を電圧波形のピークトゥピーク値にて評価して、電圧波形のピークトゥピーク値が最小となる区間データを、前記診断用データに用いる区間データとして選択することを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの異常診断システム。
  3. 前記データ加工手段は、前記踏段が1周するのに要する時間を偶数に割り切れる長さの時間区分で、各周の乗客コンベア稼動音の音声データを偶数の区間に等間隔で分割することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベアの異常診断システム。
  4. 前記データ加工手段は、前記踏段が1周するのに要する時間を前記踏段の総数で割った長さの時間区分で、各周の乗客コンベア稼動音の音データを複数の区間に等間隔で分割することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベアの異常診断システム。
  5. 前記データ加工手段は、前記診断用データの生成を1日のうちに複数回行い、生成した複数の診断用データをそれぞれ共通の時間区分により複数の区間に分割し、対応する区間ごとに複数の診断用データを比較して音データの最大値が最小となる区間データを選択し、選択した区間データを繋ぎ合せて1周分に相当する2次加工診断用データを生成し、
    前記異常判定手段は、前記データ加工手段により生成された2次加工診断用データを用いて、乗客コンベアに異常が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の乗客コンベアの異常診断システム。
  6. 前記異常判定手段は、異なる日に前記データ加工手段により生成された複数の前記診断用データ又は前記2次加工診断用データを用いて当該データの経時変化を観察し、観察した結果に基づいて乗客コンベアに異常が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の乗客コンベアの異常診断システム。
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