JP2010030178A - 放熱板および熱転写プリンター - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、短時間で温度を下げることが可能な放熱板および熱転写プリンターを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による放熱板は、サーマルヘッド2上に配置される放熱板3であって、サーマルヘッド2の上面に接する第1の領域3aと、第1の領域3aと連接し、サーマルヘッド2から庇状に張り出す第2の領域3bとを備え、第2の領域3bは、第1の領域3aとの連接部3c近傍から上方に折り曲げられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明による放熱板は、サーマルヘッド2上に配置される放熱板3であって、サーマルヘッド2の上面に接する第1の領域3aと、第1の領域3aと連接し、サーマルヘッド2から庇状に張り出す第2の領域3bとを備え、第2の領域3bは、第1の領域3aとの連接部3c近傍から上方に折り曲げられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、サーマルヘッドに設けられた放熱板、および当該放熱板を備えた熱転写プリンターに関する。
感熱、溶融、または昇華型熱転写プリンターでは、画素濃度に応じた熱を発生させたサーマルヘッドを用いて印画媒体を発色または溶融、昇華させることによって印画を行う。印画を繰り返して行うとサーマルヘッドの温度が上昇し、サーマルヘッドの温度が一定以上になるとオーバーヒートして正常な印画の制御ができなくなるため、温度が下がるまで印画を中断する必要がある。
オーバーヒートに至るまでの時間を長くするためには、サーマルヘッドに設けられた放熱板の体積を大きくして熱容量を増加させることが効果的である。一方で、近年のプリンターに対しては、小型化、特にプリンターの高さを低くしたいという要求があるため、放熱板を高さ方向に大きくすることができない。そのため、放熱板をプリンターの底面と平行な板状にして平面方向に拡大していた。
しかし、上記の平面方向に拡大した板状の放熱板では、サーマルヘッドの使用によって高温となった空気が放熱板の下部に滞留するため、一度放熱板の温度が上昇すると下がりにくいという問題があった。従って、オーバーヒートするまでの時間は長くなったが、一度オーバーヒートしてしまうと温度を下げるために時間がかかってしまうので、全体としてのスループット(一定時間内のプリント可能枚数、または一定枚数の所要プリント時間によって評価されるプリンターの性能)の改善が不十分であった。
このような問題の対策として、熱転写プリンターにファンを追加して備えることによって、高温となった空気を強制的に循環させるものがある。また、放熱板に通気孔を設けて自然対流によって高温の空気を循環させるものもある。さらに、上記の組み合わせによって高温の空気を循環させているものもある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、ファンを備えることによるコストや騒音の増加、ファンモーターの寿命による故障率の増加、ファンが吸引する塵埃がサーマルヘッドなどに付着する等の問題がある。また、放熱板に通気孔を設けることは、放熱板の体積を減少させたり放熱板内部での熱伝導を妨げることになるため、熱容量を減少させてしまうという問題がある。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、短時間で温度を下げることが可能な放熱板および熱転写プリンターを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による放熱板は、サーマルヘッド上に配置される放熱板であって、サーマルヘッドの上面に接する第1の領域と、第1の領域と連接し、サーマルヘッドから庇状に張り出す第2の領域とを備え、第2の領域は、第1の領域との連接部近傍から上方に折り曲げられていることを特徴とする。
本発明によると、サーマルヘッド上に配置される放熱板であって、サーマルヘッドの上面に接する第1の領域と、第1の領域と連接し、サーマルヘッドから庇状に張り出す第2の領域とを備え、第2の領域は、第1の領域との連接部近傍から上方に折り曲げられているため、短時間で温度を下げることが可能である。
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1による放熱板3の外形図である。図1に示すように、放熱板3はサーマルヘッド2上に配置され、第1の領域3aと第2の領域3bとから構成される。フラットケーブル5はサーマルヘッド2に信号を伝達するために設けられている。
図1は、本発明の実施形態1による放熱板3の外形図である。図1に示すように、放熱板3はサーマルヘッド2上に配置され、第1の領域3aと第2の領域3bとから構成される。フラットケーブル5はサーマルヘッド2に信号を伝達するために設けられている。
第1の領域3aは、サーマルヘッド2の上面に接し、第2の領域3bは、熱容量を確保するために第1の領域3aと連接し、サーマルヘッド2から庇状に張り出している。放熱板3の形状は、サーマルヘッド2の可動性を妨げず、かつ最大限の体積をとなるように形成される。すなわち、第1の領域3aはサーマルヘッド2の上面全体に接するように配置され、第2の領域3bは第1の領域3aと同様の形状を第1の領域3aと連接して配置されている。
また、第2の領域3bは、第1の領域3aとの連接部3c近傍から上方に折り曲げられている。本実施形態1では、第2の領域3bは、第1の領域3aと第2の領域3bとの連接部3cよりも所定距離だけ第2の領域3b側(折り曲げ部分4)から上方に約6度で折り曲げられている。折り曲げる角度は、大きくなりすぎると放熱板3全体の高さが高くなってプリンターの外形に影響を与えるが、6度程度であれば影響は軽微であり、放熱板3の下部に滞留した高温の空気を移動させるという効果を得ることが可能となる。
図2は、従来による放熱板3の外形図である。図2に示すように、放熱板3には折り曲げ部分4がない。その他の構成は、図1に示す本実施形態1と同様である。図2に示すような放熱板3では、図1に示す放熱板3と比較すると、熱容量は略同じであるが、サーマルヘッド2の温度が上昇すると放熱板3の下部に高温の空気が滞留するため温度が下がりにくくなる。
以上のことから、放熱板3を折り曲げ部分4から上方に折り曲げることによって、放熱板3の下部に滞留した高温の空気が放熱板3の傾斜面に沿って上方に移動しやすくなり、短時間で放熱板3の温度、すなわちサーマルヘッド2の温度を下げることが可能となる。また、放熱板3を折り曲げるだけなので低コストであり、プリンターの外形への影響も最小限にすることができる。
〈実施形態2〉
本実施形態2では、実施形態1の放熱板3を熱転写プリンターに備えたときの、熱転写プリンターの性能への影響について説明する。なお、本実施形態2では、感熱型熱転写プリンターを例として説明する。
本実施形態2では、実施形態1の放熱板3を熱転写プリンターに備えたときの、熱転写プリンターの性能への影響について説明する。なお、本実施形態2では、感熱型熱転写プリンターを例として説明する。
図3は、本発明の実施形態2による熱転写プリンターの横断面図である。図3に示すように、小型化への要求によって、筐体1の内部には、サーマルヘッド2、サーマルヘッド2に設けられた放熱板3、熱転写プリンターを制御・駆動させる制御・電源部6からの信号をサーマルヘッド2に伝達するフラットケーブル5、ロール状の印画媒体8、印画媒体8を搬送するプラテンローラー7のそれぞれが、ほぼ隙間なく詰め込まれている。そのため、サーマルヘッド2の周辺は熱がこもりやすくなっている。なお、放熱板3は、熱転写プリンターの底面と平行に配置されてもよい。
次に、図3に示す感熱型熱転写プリンターの動作について説明する。
印画時において、印画媒体8は、プラテンローラー7によってサーマルヘッド2とプラテンローラー7との間に搬送される。搬送された印画媒体8には、サーマルヘッド2が押し付けられる。そして、画素の濃度に応じた熱をサーマルヘッド2から印画媒体8に加えることによって、印画媒体8を発色させる。
サーマルヘッド2から発生する熱は、フラットケーブル5を介して制御・電源部6から出力される信号や電力によって制御される。印画しながら印画媒体8がプラテンローラー7によって順次搬送されることによって、印画媒体8上に画像が形成される。通常、サーマルヘッド2は、一画面印画する度に上下させており、プラテンローラー7への負荷を減らすとともに印画媒体8の斜行を矯正している。
サーマルヘッド2の温度は、印画が始まると上昇し、印画が停止すると下降する。印画が複数画面で連続して行われると、サーマルヘッド2の温度は上昇し続ける。放熱板3は、サーマルヘッド2から発生した熱を周辺の空気中に放射しているが、筐体1の内部が狭いため十分に熱が放射されずにサーマルヘッド2の周辺の温度も上昇してしまい、最終的にはサーマルヘッド2による印画の制御が困難な温度に到達してオーバーヒートする。制御・電源部6は、オーバーヒートに至る温度を検出すると印画動作を停止し、サーマルヘッド2が所定の温度に低下するまで印画を待機させる。
サーマルヘッド2や放熱板3周辺の高温となった空気は対流によって移動し、筐体1の通気孔や天板からの輻射によって外部に熱を放出する。このとき、図2に示すような放熱板3を備えている図4に示すような従来の熱転写プリンターは、放熱板3の下部に高温の空気が滞留してしまい、放熱板3の温度の低下を妨げる。一方、図1に示すような放熱板3を備えている図3に示すような本実施形態2の熱転写プリンターは、放熱板3の下部に滞留した高温の空気は傾斜面に沿って上方に移動するため、従来よりも温度が早く低下する。
以上のことから、放熱板3を折り曲げ部分4から上方に折り曲げることによって、放熱板3の下部に滞留した高温の空気が放熱板3の傾斜面に沿って上方に移動しやすくなり、短時間で放熱板3の温度、すなわちサーマルヘッド2の温度を下げることが可能となる。また、放熱板3を折り曲げるだけなので低コストであり、プリンターの外形への影響も最小限にすることができる。さらに、ファンを用いないため、ファンによる騒音、故障率の上昇、塵埃がサーマルヘッド2に付着する等の問題もない。なお、本実施形態2では、感熱型熱転写プリンターを例として説明したが、溶融または昇華型熱転写プリンターであっても上記と同様の効果を奏する。
1 筐体、2 サーマルヘッド、3 放熱板、3a 第1の領域、3b 第2の領域、4 折り曲げ部分、5 フラットケーブル、6 制御・電源部、7 プラテンローラー、8 印画媒体。
Claims (4)
- サーマルヘッド上に配置される放熱板であって、
前記サーマルヘッドの上面に接する第1の領域と、
前記第1の領域と連接し、前記サーマルヘッドから庇状に張り出す第2の領域と、
を備え、前記第2の領域は、前記第1の領域との連接部近傍から上方に折り曲げられていることを特徴とする、放熱板。 - 前記第2の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域との連接部よりも、所定距離だけ前記第2の領域側から上方に折り曲げられていることを特徴とする、請求項1に記載の放熱板。
- 請求項1または2に記載の放熱板を備えた、感熱、溶融、または昇華型熱転写プリンター。
- 前記放熱板は、前記熱転写プリンターの底面と平行に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の感熱、溶融、または昇華型熱転写プリンター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008195731A JP2010030178A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 放熱板および熱転写プリンター |
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JP2017177476A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
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JP2001322304A (ja) * | 2000-05-17 | 2001-11-20 | Seiko Epson Corp | 放熱板及びその製造方法並びに記録装置 |
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2008
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