<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、第1取得情報記憶手段としての第1結果表示部用保留エリアRaと、第2取得情報記憶手段としての第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域と、を備えている。第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアを備えており、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報がいずれかの記憶エリアに格納される。この場合、第1エリア〜第4エリアには、上作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの記憶エリアが設けられていることにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1結果表示部用保留エリアRaには、上作動口33への入賞履歴を保留記憶している数をMPU202にて特定するための情報が格納される記憶領域として、保留数記憶領域が設けられている。
第2結果表示部用保留エリアRbも同様に、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアを備えており、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報がいずれかの記憶エリアに格納される。第1エリア〜第4エリアに情報が格納される順序は、第1結果表示部用保留エリアRaと同様である。このように4つの記憶エリアが設けられていることにより、下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第2結果表示部用保留エリアRbには、下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数をMPU202にて特定するための情報が格納される記憶領域として、保留数記憶領域が設けられている。
実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。総保留数記憶領域は、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶する機能を有している。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU202の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理の通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後メイン処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及びメイン処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM204の各種フラグ格納エリア234における電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行される。
<タイマ割込み処理>
図9は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、上記のとおり定期的に起動される。この場合、本実施の形態では2msec周期で起動されるように構成されているが、この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、各種信号の入力確認、各種カウンタC1〜C4,CINIの更新及び各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
ステップS101では、各種検知センサ211a〜211eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサ211a〜211eの状態を読み込むと共に、当該センサの状態を判定して検知情報を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。ステップS105における作動口用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図11のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1加算するとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるとともに、後述する保留報知を実行させるための処理である保留報知用の確認処理及び入賞コマンドの設定処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。なお、ステップS305及びステップS306にて設定された入賞コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した入賞コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。これについても、後に詳細に説明する。
<メイン処理>
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS402では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS403では、電源及び発射制御装置98に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS404ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS405ではRAM判定値を算出し、続くステップS406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS407〜S408の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS407〜S408の処理に移行する。
ステップS407では、RAM204の使用領域を0にクリアし(初期化し)、ステップS408ではRAM204の初期化処理を実行する。その後、ステップS409にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、電断フラグが格納されていること、及びRAM判定値が正常であることを条件に、ステップS410にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS411にてRAM204に記憶されているRAM判定値を消去する。その後、ステップS409にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509及びS510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS504では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS505では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS507では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS508にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS507にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS511以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS511では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS512にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS513にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS503の遊技回制御処理を図14〜図18のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
換言すれば、MPU202は、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されている場合には、その記憶されている保留情報よりも早いタイミングで取得された保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されていたとしても第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が変動表示用のデータとして設定されるようにする(当否判定の対象となるようにする)優先手段としての機能を有している。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS703では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS709では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS902では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
低確率モードである場合には、ステップS903にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「1」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として確認個数カウンタエリアが設けられており、ステップS903では、当該確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS904にて、確認個数を「10」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新する。
ステップS903又はステップS904の後は、ステップS905にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「1」である場合には、当否テーブルにおいて「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」の情報を取得する。また、例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「10」である場合には、当否テーブルにおいて「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」の情報を取得する。
続くステップS906では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS901にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS905にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS907にて、ステップS906にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS908にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS909にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS905に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS904にて確認個数として「10」を設定する。この場合においてステップS901にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」を参照して比較処理を行い、次に「9」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「241」を参照して比較処理を行い、さらに「8」〜「2」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS905〜ステップS909の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS903にて確認個数として「1」が設定されるため、比較処理の結果が不一致でありステップS907にて否定判定をした場合には、ステップS908にて確認個数を1減算することに伴って当該確認個数が「0」となり、ステップS909にて否定判定されることで、ステップS905〜ステップS909の処理を繰り返すことなく、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS901にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS905にて取得した場合に、ステップS906における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS907にて肯定判定をする。この場合、ステップS910にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS801にて当否判定処理を実行した後は、ステップS802にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS803にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS804では、ステップS803における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS805にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS806にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS802にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS807にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS805〜ステップS807の各停止結果設定処理では、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS805及びステップS806では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS805では確変大当たりフラグを格納し、ステップS806では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理を実行した後は、ステップS808にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS1001にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS1002では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1004にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS1006にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、上作動口33の入賞に係る保留情報の数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されているとともに、下作動口34の入賞に係る保留情報の数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されており、さらに下作動口34の入賞に係る保留情報に基づく遊技回においては上作動口33の入賞に係る保留情報の数が考慮されない構成としてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS808にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS809にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS809にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS810にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図18)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る表示部(第1結果表示部AS又は第2結果表示部BS)にて表示されるように当該表示部を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を図19のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1101では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1102に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1103にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1104にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS1101にて肯定判定をし、ステップS1105に進む。ステップS1105では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS1106では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS1107にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS1108にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
<保留報知について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合に、その旨を報知する保留報知が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留報知は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて音声ランプ制御装置82にて所定の制御が実行され、さらに当該音声ランプ制御装置82における制御に基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留報知に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留報知に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図20のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、各種コマンドを受信する。MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
ROM243には、表示制御装置212に出力するための各種コマンドが記憶されたコマンド情報記憶エリア246と、保留報知を実行するか否かを抽選する上で参照される報知発生抽選用テーブル記憶エリア247と、が設定されている。また、RAM244には、各保留ランプ部45〜47の発光制御を行う上で用いられる保留カウンタエリア249と、上記保留報知を実行するか否かを抽選する上での抽選用取得情報を生成するための報知発生抽選用カウンタエリア250と、が設定されている。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、音声ランプ制御装置82から、各種コマンドを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。ワークRAM254には、MPU252において上作動口33の保留個数及び下作動口34の保留個数をカウントするための保留カウンタエリア264が設定されている。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbに表示させるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア269が設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、第1保留表示領域Gaに対応した第1保留表示用エリア271と、第2保留表示領域Gbに対応した第2保留表示用エリア281とが設定されている。
第1保留表示用エリア271には、第1保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。第1保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
第2保留表示用エリア281には、第2保留表示領域Gbにおける第1〜第4単位保留表示領域Gb1〜Gb4と1対1で対応するように、第1単位エリア282、第2単位エリア283、第3単位エリア284、第4単位エリア285が設定されている。第1保留表示領域Gbの各単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、各単位エリア282〜285に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア282〜285に対応した単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
<主制御装置81にて実行される保留報知に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留報知に係る処理について説明する。主制御装置81のMPU202における保留報知に係る処理として、保留報知用の確認処理と、入賞コマンドの設定処理とが設定されている。
<保留報知用の確認処理>
先ず、保留報知用の確認処理について説明する。ここで、保留報知用の確認処理は既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定された情報取得処理(図11)のステップS305において実行される。この場合、情報取得処理は上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される処理であり、したがって保留報知用の確認処理も上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される。そして、当該保留報知用の確認処理では、今回の入賞によって取得された保留情報に所定の大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。この場合に、大当たり当選の情報が含まれているか否かの確認に際しては、上記当否判定処理(図17)において当否判定を行う上で用いられたROM203の当否テーブル及びRAM204の各種カウンタエリア233における確認個数カウンタエリアが用いられる。
図21は、保留報知用の確認処理を示すフローチャートである。当該確認処理においてステップS1201では、今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1202では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。
低確率モードである場合には、ステップS1203にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、保留報知用の確認を行う上で今回参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「1」に設定する。具体的には、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1204にて、確認個数を「3」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「3」の情報に更新する。
ステップS1203又はステップS1204の後は、ステップS1205にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。かかる処理の具体的な内容は、上記当否判定処理(図17)におけるステップS905の処理と同様である。
続くステップS1206では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1201にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1205にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1207にて、ステップS1206にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1208にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1209にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1205に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS1204にて確認個数として「3」を設定する。この場合においてステップS1201にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「3」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「67」を参照して比較処理を行い、次に「2」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「36」を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS1205〜ステップS1209の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本確認処理を終了する。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS1203にて確認個数として「1」が設定されるため、比較処理の結果が不一致でありステップS1207にて否定判定をした場合には、ステップS1208にて確認個数を1減算することに伴って当該確認個数が「0」となり、ステップS1209にて否定判定されることで、ステップS1205〜ステップS1209の処理を繰り返すことなく、本確認処理を終了する。
ここで、高確率モードである状況における上記当否判定処理(図17)では、確認個数に「10」が設定され、少なくとも当否判定対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。これに対して、高確率モードである状況における保留報知用の確認処理では、確認個数に「10」ではなく「3」が設定され、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理が実行される。これにより、高確率モードである状況において当否判定処理に要する時間よりも保留報知用の確認処理に要する時間を短くすることができる。
既に説明したとおり、保留報知用の確認処理はタイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定されている。タイマ割込み処理は、2msec周期で起動される処理であり、1回の処理において2msec以上の処理時間を要する状況が発生してしまうと、タイマ割込み処理が重複して実行されることとなり、好ましくない。その一方、タイマ割込み処理には、各種信号の入力確認、各種カウンタの更新及び各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、起動される周期を長く設定するのは好ましくない。特に、各種カウンタの更新周期が長くなると、大当たり乱数カウンタC1において大当たり数値情報に対応した情報が更新されるタイミングで、作動口33,34への入賞に係る信号をMPU202に入力し、不正に大当たり当選を得ようとする行為が行い易くなり、好ましくない。これに対して、保留報知用の確認処理に要する時間を短くすることで、不都合を生じさせることなく保留報知の実行が可能となる。
また、タイマ割込み処理は、当否判定処理が一部の処理として設定された通常処理(図13)に割り込んで起動される。かかる通常処理では、既に説明したとおり、第1番目の処理が前回の第1番目の処理から4msec経過後に実行されるように設定されているとともに、ステップS501〜ステップS506の各種処理が実行された後は4msecが経過するまで、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理が繰り返し実行される構成である。この場合に、高確率モードにおいて、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される処理回の通常処理に対して、作動口33,34への入賞に伴う保留報知用の確認処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が起動される場合、当該処理回の通常処理が終了されるまでに、ステップS905〜ステップS909の処理と、ステップS1205〜ステップS1209の処理とがそれぞれ複数回実行されることとなる。このような状況において、当否判定処理及び保留報知用の確認処理のそれぞれにおいて、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成では、通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過した状態となることが想定される。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
特に、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが並設されていて両作動口33,34への入賞が同時に発生し得るとともに、各作動口33,34への入賞が発生したか否かの判定及びそれぞれの入賞に対する情報取得処理がタイマ割込み処理にて実行される構成であるため、通常処理の1処理回において、上作動口33への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されるとともに、下作動口34への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されることがある。そうすると、保留報知用の確認処理にて高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成では、当該処理回の通常処理が終了されるまでに、大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じる。この場合、通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となる可能性が高まり、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が高まってしまう。
これに対して、上記のように保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにしたことで、ステップS1205〜ステップS1209の処理が実行される回数が抑えられ、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が低減される。
また、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS501〜ステップS506の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、保留報知用の確認処理において比較処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行することで、上記のような不都合を生じさせることなく、処理時間を抑えることが可能となる。また、保留報知は演出として実行されるものであり、このような演出は大当たり当選の場合に常に実行される構成よりも、大当たり当選の場合における所定の確率で実行される構成の方が、遊技者の関心を惹きつけられる。したがって、保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにしたとしても、保留報知を実行する上で悪影響を及ぼすことはない。
一方、低確率モードについては、低確率モード用に設定された大当たり数値情報の数が高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ない数として設定されているため、保留報知用の確認処理において、低確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照したとしても、処理時間への影響が低減される。特に、低確率モード用に設定された大当たり数値情報の数を2倍した数は、高確率モードにおいて当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数と高確率モードにおいて保留報知用の確認処理に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数よりも少ない数である。この場合に、上記のとおり上記和の数は、主制御装置81のMPU202において正常に処理を行える範囲の処理時間となるように設定されている。したがって、低確率モードにおいて保留報知用の確認処理を行う場合に、低確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照したとしても、主制御装置81のMPU202において正常に処理を行うことができる。
保留報知用の確認処理の説明に戻り、ステップS1201にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS1205にて取得した場合に、ステップS1206における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS1207にて肯定判定をする。この場合、ステップS1210にてMPU202のレジスタに一致情報を記憶する。その後、本確認処理を終了する。
<入賞コマンドの設定処理>
次に、入賞コマンドの設定処理について説明する。かかる入賞コマンドの設定処理は、上記保留報知用の確認処理が終了した直後に実行される。そして、当該入賞コマンドの設定処理では、保留報知用の確認処理における確認結果に対応した入賞コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するための処理を実行する。
図22は、コマンドの設定処理を示すフローチャートである。当該設定処理においてステップS1301では、今回の入賞が上作動口33への入賞であるか否かを判定する。上作動口33への入賞である場合には、ステップS1302にて、MPU202のレジスタに一致情報が記憶されているか否かを判定する。一致情報が記憶されている場合には、ステップS1303にて、一致用上側入賞コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。一致情報が記憶されていない場合には、ステップS1304にて、不一致用上側入賞コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
一方、今回の入賞が下作動口34への入賞である場合には、ステップS1305にて、MPU202のレジスタに一致情報が記憶されているか否かを判定する。一致情報が記憶されている場合には、ステップS1306にて、一致用下側入賞コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。一致情報が記憶されていない場合には、ステップS1307にて、不一致用下側入賞コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
上記ステップS1303、ステップS1304、ステップS1306及びステップS1307にて設定された各種入賞コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501の外部出力処理にて音声ランプ制御装置82に送信される。
<音声ランプ制御装置82にて実行される第1対応処理>
次に、音声ランプ制御装置82のMPU242にて実行される第1対応処理を、図23のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、第1対応処理は、主制御装置81から上記各種入賞コマンドのいずれかを受信した場合に起動される。
第1対応処理では、先ずステップS1401にて、今回受信した入賞コマンドが一致用上側入賞コマンド又は一致用下側入賞コマンドのいずれかであるかを判定する。いずれかの入賞コマンドである場合には、ステップS1402にて保留報知を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、先ず、RAM244の報知発生抽選用カウンタエリア250から報知発生抽選用のカウンタ値を読み出す。ここで、報知発生抽選用カウンタエリア250は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後0に初期化される構成となっている。そして、報知発生抽選処理では、ROM243の報知発生抽選用テーブル記憶エリア247に記憶されている報知発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知発生抽選用のカウンタ値が報知発生当選に対応しているか否かを判定する。
報知発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、低確率モードである場合には1/5の確率で報知発生当選となるとともに、高確率モードである場合には2/3の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。なお、主制御装置81は当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する場合に高確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するとともに、高確率モードから低確率モードに移行する場合に低確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する構成であり、音声ランプ制御装置82ではこれら移行コマンドによって高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを特定する。
ここで、既に説明したとおり、主制御装置81は、低確率モードである状況において大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合には必ず一致用上側入賞コマンド又は一致用下側入賞コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。これに対して、低確率モードである状況で音声ランプ制御装置82において報知発生当選となるのは、上記のとおり1/5の確率である。したがって、低確率モードにおいて保留報知が行われるのは、大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合の1/5の確率となる。
一方、主制御装置81は、高確率モードである状況において、作動口33,34への入賞に基づき取得された大当たり判定用の情報と大当たり数値情報との比較処理を行う場合、10個設定されている大当たり数値情報のうち3個のみを参照する。つまり、主制御装置81は、高確率モードである状況において大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合には、3/10の確率で、一致用上側入賞コマンド又は一致用下側入賞コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。これに対して、高確率モードである状況で音声ランプ制御装置82において報知発生当選となるのは、上記のとおり2/3の確率である。したがって、高確率モードにおいて保留報知が行われるのは、大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合の1/5の確率となる。
つまり、本パチンコ機10では、大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合に保留報知が行われる確率は、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても同一の確率となっている。
第1対応処理の説明に戻り、ステップS1402にて報知発生抽選処理を実行した後は、ステップS1403にて上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS1404にてMPU242のレジスタに当選情報を記憶する。その後、ステップS1405に進む。
一方、今回受信した入賞コマンドが不一致用上側入賞コマンド又は不一致用下側入賞コマンドのいずれかでありステップS1401にて否定判定をした場合、又はステップS1403における報知発生抽選処理の結果が非当選でありステップS1403にて否定判定をした場合には、ステップS1404にて当選情報を記憶することなく、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、今回受信した入賞コマンドが上作動口33への入賞に係るものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に係るものである場合には、ステップS1406にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第1保留記憶数IaN1を1加算する。当該音声側第1保留記憶数IaN1は第1保留ランプ部45に対応しており、音声側第1保留記憶数IaN1に応じて第1保留ランプ部45が点灯制御される。第1保留ランプ部45は、左側から順次点灯されるようになっており、例えば音声側第1保留記憶数IaN1が1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、音声側第1保留記憶数IaN1が4であれば右端までの第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。
続くステップS1407では、MPU242のレジスタに当選情報が記憶されているか否かを判定する。当選情報が記憶されている場合には、ステップS1408にて、ROM243のコマンド情報記憶エリア246から上側報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した上側報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本第1対応処理を終了する。当選情報が記憶されていない場合には、ステップS1409にて、コマンド情報記憶エリア246から上側非報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した上側非報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本第1対応処理を終了する。
一方、今回受信した入賞コマンドが下作動口34への入賞に係るものである場合には、ステップS1410にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第2保留記憶数IbN1を1加算する。当該音声側第2保留記憶数IbN1は第2保留ランプ部46に対応しており、音声側第2保留記憶数IbN1に応じて第2保留ランプ部46が点灯制御される。第2保留ランプ部46は、左側から順次点灯されるようになっており、例えば音声側第2保留記憶数IbN1が1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、音声側第2保留記憶数IbN1が4であれば右端までの第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
続くステップS1411では、MPU242のレジスタに当選情報が記憶されているか否かを判定する。当選情報が記憶されている場合には、ステップS1412にて、コマンド情報記憶エリア246から下側報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した下側報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本第1対応処理を終了する。当選情報が記憶されていない場合には、ステップS1413にて、コマンド情報記憶エリア246から下側非報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した下側非報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本第1対応処理を終了する。
<第2対応処理>
次に、音声ランプ制御装置82のMPU242にて実行される第2対応処理を、図24のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、第2対応処理は、主制御装置81からシフト時コマンドを受信した場合に起動される。
第2対応処理では、先ずステップS1501にて、今回受信したシフト時コマンドに上作動口33に対応していることの情報が含まれているか否かを判定する。つまり、今回受信したシフト時コマンドが、主制御装置81において上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに対するデータのシフトを契機として送信されたコマンドであるか否かを判定する。
上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに対するデータのシフトを契機として送信されたコマンドである場合には、ステップS1502にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第1保留記憶数IaN1を1減算する。この場合、音声側第1保留記憶数IaN1に応じて第1保留ランプ部45が消灯制御される。この消灯制御では、上記点灯制御とは逆に、第1保留ランプ部45が右側から順に消灯されるようになっている。続くステップS1503では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から上側減少コマンドを読み出し、当該上側減少コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第2対応処理を終了する。
下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに対するデータのシフトを契機として送信されたコマンドである場合には、ステップS1504にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第2保留記憶数IbN1を1減算する。この場合、音声側第2保留記憶数IbN1に応じて第2保留ランプ部46が消灯制御される。この消灯制御では、上記点灯制御とは逆に、第2保留ランプ部46が右側から順に消灯されるようになっている。続くステップS1505では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から下側減少コマンドを読み出し、当該下側減少コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第2対応処理を終了する。
<表示制御装置212にて実行される保留報知制御処理>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留報知制御処理を、図25のフローチャートを参照しながら説明する。保留報知制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
保留報知制御処理では、先ずステップS1601にて、音声ランプ制御装置82からいずれかの増加コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかの増加コマンドを受信している場合には、ステップS1602にて、上作動口33への入賞に係る増加コマンドである上側報知用増加コマンド又は上側非報知用増加コマンドのいずれかであるか否かを判定する。
上作動口33への入賞に係る増加コマンドである場合には、第1保留表示領域Gaへの保留表示の設定処理として、ステップS1603〜ステップS1606の処理を実行する。つまり、ステップS1603にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第1保留記憶数IaN2を1加算する。当該表示側第1保留記憶数IaN2は、ビデオRAM257の第1保留表示用エリア271に対応しており、増加コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、第1保留表示用エリア271における表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位エリア272〜275に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS1604では、今回受信した増加コマンドが上側報知用増加コマンドであるか否かを判定する。上側報知用増加コマンドである場合には、ステップS1605にて、当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、第1保留表示用エリア271における第1単位エリア272〜第4単位エリア275のうち、上記ステップS1603にて1加算した表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。例えば、表示側第1保留記憶数IaN2が1であれば、第1単位エリア272に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力し、表示側第1保留記憶数IaN2が4であれば、第4単位エリア275に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「当」の画像が表示される。その後ステップS1611に進む。
また、ステップS1604において上側報知用増加コマンドでないと判定した場合には、ステップS1606にて、外れ情報の設定処理を実行する。具体的には、第1保留表示用エリア271における第1単位エリア272〜第4単位エリア275のうち、上記ステップS1603にて1加算した表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。その後ステップS1611に進む。
一方、ステップS1602にて、下作動口34への入賞に係る増加コマンドであると判定した場合には、第2保留表示領域Gbへの保留表示の設定処理として、ステップS1607〜ステップS1610の処理を実行する。つまり、ステップS1607にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第2保留記憶数IbN2を1加算する。当該表示側第2保留記憶数IbN2は、ビデオRAM257の第2保留表示用エリア281に対応しており、増加コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、第2保留表示用エリア281における表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位エリア282〜285に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS1608では、今回受信した増加コマンドが下側報知用増加コマンドであるか否かを判定する。下側報知用増加コマンドである場合には、ステップS1609にて、当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、第2保留表示用エリア281における第1単位エリア282〜第4単位エリア285のうち、上記ステップS1607にて1加算した表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「当」の画像が表示される。その後ステップS1611に進む。
また、ステップS1608において下側報知用増加コマンドでないと判定した場合には、ステップS1610にて、外れ情報の設定処理を実行する。具体的には、第2保留表示用エリア281における第1単位エリア282〜第4単位エリア285のうち、上記ステップS1607にて1加算した表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「●」の画像が表示される。その後ステップS1611に進む。
ステップS1601において増加コマンドを受信していないと判定した場合、又はステップS1605〜ステップS1606,ステップS1609〜ステップS1610のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1611にて、音声ランプ制御装置82から減少コマンドを受信したか否かを判定する。
減少コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留報知制御処理を終了する。減少コマンドを受信している場合には、ステップS1612にて、今回受信した減少コマンドに上作動口33に対応した情報が含まれているか否かを判定する。上作動口33に対応した情報が含まれている場合にはステップS1613にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第1保留記憶数IaN2を1減算する。
続くステップS1614では、第1シフト処理を実行する。当該第1シフト処理は、第1保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。具体的には、第1単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア273→第1単位エリア272、第3単位エリア274→第2単位エリア273、第4単位エリア275→第3単位エリア274といった具合に各単位エリア272〜275内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留報知制御処理を終了する。
一方、今回受信した減少コマンドに上作動口33に対応した情報が含まれていない場合には、ステップS1612にて否定判定をし、ステップS1615に進む。ステップS1615では、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第2保留記憶数IbN2を1減算する。
続くステップS1616では、第2シフト処理を実行する。当該第2シフト処理は、第2保留表示用エリア281の第1単位エリア282〜第4単位エリア285に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1単位エリア282の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア283→第1単位エリア282、第3単位エリア284→第2単位エリア283、第4単位エリア285→第3単位エリア284といった具合に各単位エリア282〜285内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留報知制御処理を終了する。
<図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbにて行われる保留報知の様子について>
次に、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbにて行われる保留報知の様子について、図26を用いて説明する。
図26(a)は、下作動口34のサポートモードが低頻度サポートモードにおいて、上作動口33への入賞に係る保留情報について第1保留表示領域Gaにて保留報知が行われる場合を示している。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留報知が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、第1保留表示領域Gaにも注目することとなる。
図26(b)は、下作動口34のサポートモードが高頻度サポートモードにおいて、下作動口34への入賞に係る保留情報について第2保留表示領域Gbにて保留報知が行われる場合を示している。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留報知が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、第2保留表示領域Gbにも注目することとなる。
図26(c)は、下作動口34のサポートモードが高頻度サポートモードにおいて、上作動口33への入賞に係る保留情報について第1保留表示領域Gaにて保留報知が行われる場合を示している。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。
また、かかる保留報知の画像が、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードである状況、すなわち通常大当たり結果に基づいて開閉実行モードが発生した後であって遊技回が100回消化されていない状況において表示されると、遊技者は、当該状況であっても、サポートモードが低頻度サポートモードとなった後であっても大当たり当選が確実に発生することを把握できる。ここで、本パチンコ機10では、下作動口34への入賞に係る保留情報が上作動口33への入賞に係る保留情報よりも当否判定に際して優先される。そうすると、遊技者は、高頻度サポートモードである状況において、上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となる前に下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回で大当たり結果が発生することを期待しながら、下作動口34への遊技球の入賞を期待して発射ハンドル54を操作するものと考えられる。
また、上記保留報知の画像が、当否抽選モードが高確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードである状況、すなわち確変大当たり結果に基づいて開閉実行モードが発生した後である状況において表示されると、遊技者は、当該状況であれば大当たり当選が確実に発生するが、当否抽選モードが低確率モードとなった場合には大当たり当選が発生しない可能性があることを把握できる。そうすると、遊技者は、上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となる前に他の大当たり結果が発生してしまわないようにすべく、下作動口34への新たな遊技球の入賞が発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するものと考えられる。
つまり、図26(c)のパターンにおいては、保留報知が行われた遊技状態に応じて発射ハンドル54の操作態様が変更されることがある。これにより、発射ハンドル54を手動操作するという能動的な遊技と、当否抽選の結果を確認するという受動的な遊技とが相互に関連した斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報に応じた保留報知が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33又は下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について当否判定の対象となった場合の結果を保留報知の内容に応じて確認するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、高確率モードにおける当否判定処理(図17)にて参照される大当たり数値情報の数が10個設定されているのに対して、高確率モードにおける保留報知用の確認処理(図21)では高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について保留情報との比較処理が実行される。これにより高確率モードである状況において当否判定処理に要する時間よりも保留報知用の確認処理に要する時間を短くすることができる。よって、主制御装置81のMPU202における処理時間の短縮化を図りながら、上記効果を奏することができる。
特に、当否判定処理は、遊技者の利益に直結するものであるため、主制御装置81のMPU202における処理時間に関係なく、当否判定用に設定された大当たり数値情報の全てを参照する必要があるのに対して、保留報知用の確認処理は、保留報知という演出を行うための処理であるため、当否判定用に設定された大当たり数値情報の全てについて参照しなくても、遊技者の利益に影響を及ぼさない。
さらにまた、複数種類の大当たり数値情報のうち一部の数値情報を参照して保留報知用の確認処理が行われることで、当否判定が行われた場合には大当たり当選となる保留情報であっても、かかる大当たり当選となる旨の情報を反映した保留報知は必ず行われるのではなく、所定の確率で行われることとなる。これにより、上記大当たり当選となる旨の情報を反映した保留報知が、自ずと不規則なものとなり、保留報知の多様化が図られる。
保留報知用の確認処理を、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生して保留情報が取得されるのに合わせて実行されるようにした。これにより、保留情報に対して当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43や図柄表示装置41にて1遊技回の遊技動作が実行されている状況において上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合、当該遊技動作の終了を待つことなく保留報知用の確認処理が行われるため、保留報知が行われる場合にはその開始タイミングを早めることができる。但し、上記構成においては保留報知用の確認処理が行われるタイミングは、1遊技回の遊技動作の状況とは無関係なものとなるため、例えば高確率モードにおいて当否判定処理が行われるタイミングと保留報知用の確認処理が行われるタイミングとが重複することが起こりうる。この場合に、上記のように高確率モードにおいて保留報知用の確認処理に要する処理時間の短縮化が図られているため、主制御装置81のMPU202において実行される当否判定処理及び保留報知用の確認処理以外の処理への影響が低減される。
低確率モードにおいては当否判定用に設定された大当たり数値情報の数が少ないため、低確率モードにおける保留報知用の確認処理に際してそれら数値情報の全てを参照したとしても、主制御装置81のMPU202における処理時間が極端に長くなることはない。この場合に、低確率モードにおいて保留報知用の確認処理を行う場合には、低確率モード用の大当たり数値情報の全てを参照することで、低確率モードにおいては保留報知の実行頻度などといった保留報知の態様に制限が生じることが抑えられる。その一方、高確率モードにおいては当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数が多いため、上記のとおり高確率モードにおける保留報知用の確認処理ではそれら大当たり数値情報の一部のみを参照することで、主制御装置81のMPU202における処理時間の短縮化が図られる。特に、低確率モードと高確率モードとで比較した場合、低確率モードにおいて遊技の単調化が生じ易い。かかる事情においては、上記のように低確率モードにおいて保留報知の態様に制限が生じないようにすることが好ましい。
音声ランプ制御装置82のMPU242にて報知発生抽選処理を実行し、報知発生当選となった場合に保留報知を行うようにしたことにより、保留報知の実行について不規則性が付与され、保留報知の実行タイミングの多様化が図られることに伴って遊技の多様化が図られる。この場合に、報知発生抽選処理による当選確率の設定により、低確率モードにおいて保留報知が開始される確率と高確率モードにおいて保留報知が開始される確率とが同一と認識されるものとなる。これにより、保留報知の発生頻度が低確率モード又は高確率モードの一方において偏らないようにすることが可能となる。
入賞コマンドに大当たり乱数カウンタC1の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値を取得する不正行為が行われることが想定される。また、かかる不正行為以外にも、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線に対して不正な基板を接続し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値が取得されてしまうと、大当たり当選となるタイミングで不正に作動口33,34に入賞させる不正行為又は作動口33,34への入賞が発生したと誤検知させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、大当たり乱数カウンタC1の値をそのまま送信するのではなく、主制御装置81において特定した結果の情報を送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
保留報知の対象となっている保留情報よりも先に当否判定の対象となった保留情報について主制御装置81において各結果表示部AS,BSの絵柄の変動表示時間(すなわち、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間)を決定する場合、上記保留報知に係る保留情報の内容を参照することなく上記変動表示時間を決定するようにした。すなわち、変動表示時間を決定する処理において、当該変動表示時間の決定に係る保留情報よりも後に当否抽選の対象となる保留情報に大当たり当選となる情報が含まれているか否かを参照しないようにした。
例えば、保留報知に係る保留情報が大当たり当選に対応した情報である場合には、当該保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報について、通常よりも長い変動表示時間が選択される構成とすると、保留報知が行われている状況では各遊技回を消化するのに要する時間が長くなってしまい、遊技が間延びしてしまうことが懸念される。その一方、例えば、保留報知に係る保留情報が大当たり当選に対応した情報である場合には、当該保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報について、通常よりも短い変動表示時間が選択される構成とすると、保留報知が行われている状況では各遊技回を消化するのに要する時間が短くなってしまい、パチンコ機10の稼働率が極端に高くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記のように保留報知に係る保留情報の内容が参照されることなく上記変動表示時間が決定されるため、保留報知を行う上での構成を良好なものとすることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbにおいて保留報知を行い、保留報知を行う上で各遊技回の図柄の変動表示パターンには影響を及ぼさない構成としたが、本実施の形態では、図柄の変動表示パターンによって保留報知を行う。ここで、変動表示パターンとは図柄の変動表示の態様だけでなくリーチ発生に対する予告演出の態様やリーチにおけるリーチ演出の態様が含まれる。かかる変動表示パターンによる保留報知の設定は、音声ランプ制御装置82における変動表示パターン設定処理にて行われる。以下、図27のフローチャートを参照して変動表示パターン設定処理を説明する。なお、本変動表示パターン設定処理は、所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動される。
先ずステップS1701では、主制御装置81から一致用上側入賞コマンド又は一致用下側入賞コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかの入賞コマンドを受信している場合には、ステップS1702にて、報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS1402と同様であるため、説明を省略する。続くステップS1703では、報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。
報知発生当選である場合には、ステップS1704にて、保留報知情報として、RAM244に設けられた保留報知情報フラグ格納エリアに保留報知情報フラグを格納する。その後、ステップS1705に進む。一方、上記いずれかの入賞コマンドを受信しておらずステップS1701にて否定判定をした場合又は報知発生当選ではなくステップS1703にて否定判定をした場合には、ステップS1704の処理を実行することなくステップS1705に進む。
ステップS1705では、主制御装置81から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。変動開始コマンドは、主制御装置81において一の遊技回を開始させる場合に送信されるコマンドである。変動開始コマンドを受信していない場合にはそのまま本設定処理を終了する。変動開始コマンドを受信している場合にはステップS1706に進む。
ステップS1706では、今回受信した変動開始コマンドに大当たり当選の情報が含まれているか否かを把握する。続くステップS1707では、今回受信した変動開始コマンドにリーチ発生の情報が含まれているか否かを把握する。さらにステップS1708では、今回受信した変動開始コマンドから変動表示時間の情報を把握する。
その後、ステップS1709にて、RAM244に保留報知情報が記憶されているか否かを判定する。保留報知情報が記憶されている場合には、ステップS1710にて、ROM243の各種演出用テーブル記憶エリアから連続演出用テーブルを参照して変動表示パターンを選択する。保留報知情報が記憶されていない場合には、ステップS1711にて、ROM243の各種演出用テーブル記憶エリアから通常演出用テーブルを参照して変動表示パターンを選択する。
ここで、連続演出用テーブル及び通常演出用テーブルのそれぞれには、(1)大当たり当選となる遊技回用であって変動表示時間に対して変動表示パターンが1対1で対応させて設定された情報群、(2)大当たり当選とならないもののリーチ発生となる遊技回用であって変動表示時間に対して変動表示パターンが1対1で対応させて設定された情報群、(3)大当たり当選及びリーチ発生のいずれにもならない遊技回用であって変動表示時間に対して変動表示パターンが1対1で対応させて設定された情報群が用意されている。但し、連続演出用テーブルと通常演出用テーブルとでは、設定されている変動表示パターンの内容が異なっている。かかる変動表示パターンの相違によって、保留報知が行われる。また、例えば、主制御装置81において下作動口34への入賞に係る保留情報が3個記憶されており、最新の保留情報について一致系のコマンドが送信されている場合には、音声ランプ制御装置82ではかかる保留情報の遊技回が開始されるまで繰り返し連続演出用テーブルを参照することとなる。これにより、保留報知の対象となった保留情報に係る遊技回となるまで、保留報知用の変動表示パターンが連続して発生することとなる。
ステップS1710又はステップS1711の処理を実行した後は、ステップS1712にて変動表示パターンの設定を行う。ここで設定された変動表示パターンの情報は表示制御装置212に送信され、これにより図柄表示装置41において図柄の変動表示が開始される。
続くステップS1713では、今回受信した変動開始コマンドに保留報知情報を消去する旨の情報が含まれているか否かを判定する。つまり、本実施の形態においては、主制御装置81では、保留報知用の確認処理(図21)にてMPU202のレジスタに一致情報を記憶した場合、保留報知終了情報を第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリア〜第4エリア又は第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリア〜第4エリアのうち、確認処理の対象となった保留情報が記憶されるエリアに格納する。そして、主制御装置81は、その保留情報について変動開始コマンドを送信する場合、その変動開始コマンドに保留報知終了情報を含める。ステップS1713では、かかる保留報知終了情報が含まれている場合に、保留報知情報を消去する旨の情報が含まれていると判定する。
保留報知終了情報が含まれている場合には、ステップS1714にて保留報知情報の消去処理として、RAM244から保留報知情報を消去した後に、本設定処理を終了する。一方、保留報知終了情報が含まれていない場合には、そのまま本設定処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によっても、保留報知の態様は異なるものの、上記第1の実施の形態と同様に保留報知を行うことができ、同様の効果を奏することができる。
なお、本実施の形態において、保留報知情報の消去タイミングを特定するための構成は、主制御装置81において保留報知終了情報をサブ側の制御装置に送信する構成に限定されることはなく任意である。例えば、サブ側の制御装置において保留報知を開始した場合にその際の保留情報の個数をサブ側の制御装置にて特定し、その特定した個数の情報を新たに遊技回を開始する度に減算するようにすることで、保留報知情報の消去タイミングをサブ側の制御装置自身にて特定する構成としてもよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81におけるメイン処理及びタイマ割込み処理の処理構成が上記各実施の形態と異なっている。そこで、以下に、本実施の形態におけるメイン処理及びタイマ割込み処理の処理構成を説明する。
図28は、メイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、ステップS1801〜ステップS1811にて、上記第1の実施の形態におけるメイン処理(図12)のステップS401〜ステップS411と同様の処理を実行する。但し、本実施の形態では、ステップS1809にて割込み許可を設定した後に、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)に移行することはなく、ステップS1812にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS1813にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS1812及びステップS1813の処理を実行した後は、ステップS1809に戻り、その後、ステップS1809、ステップS1812及びステップS1813の処理を繰り返す。
図29は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、ステップS1901〜ステップS1905にて、上記第1の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図9)のステップS101〜ステップS105と同様の処理を実行する。また、ステップS1906〜ステップS1910にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS502〜ステップS506と同様の処理を実行する。その後、ステップS1911にて、ステップS1901〜ステップS1910において設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信するための外部出力処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
つまり、本実施の形態では、割込み許可の設定、乱数初期値カウンタCINIの更新処理及び変動種別カウンタCSの更新処理を繰り返し実行している処理に対して、所定の周期でタイマ割込み処理が割り込んで起動され、かかるタイマ割込み処理にて遊技を進行させるための主要な処理が実行される。この主要な処理には、ステップS1904の作動口用の入賞処理が含まれているとともに、ステップS1907の遊技回制御処理が含まれている。
かかる構成においては、タイマ割込み処理に、保留報知用の確認処理が含まれているとともに、当否判定判定処理が含まれている。そうすると、高確率モードにおいて、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行されるタイマ割込み処理の処理回であって、作動口33,34への入賞に伴う保留報知用の確認処理が実行されるタイマ割込み処理の処理回である場合、当該処理回のタイマ割込み処理が終了されるまでに、ステップS905〜ステップS909の処理と、ステップS1205〜ステップS1209の処理がそれぞれ実行されることとなる。このような状況において、当否判定処理及び保留報知用の確認処理のそれぞれにおいて、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成では、その処理回のタイマ割込み処理が終了する前に2msecが経過してしまい、新たなタイマ割込み処理が起動されてしまうことが想定される。これに対して、上記第1の実施の形態と同様に保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにすることで、ステップS1205〜ステップS1209の処理が実行される回数が抑えられ、その処理回のタイマ割込み処理が終了する前に2msecが経過してしまう可能性が低減される。
なお、本実施の形態において、メイン処理(図28)におけるステップS1809の処理とステップS1812の処理との間にて割込みを禁止する処理を実行してもよい。この場合、タイマ割込み処理(図29)による割込みが、ステップS1812の処理途中やステップS1813の処理途中において発生しないようにすることができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、上作動口33への入賞が発生した場合及び下作動口34への入賞が発生した場合の処理構成が上記各実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。なお、以下の説明では、上記各実施の形態と相違する構成について説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。
先ず、読み込み処理の処理構成について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。読み込み処理は、主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理(上記第1の実施の形態では図9のステップS101、上記第3の実施の形態では図29のステップS1901)にて実行される。なお、以下の読み込み処理の処理構成は、上記各実施の形態における読み込み処理の処理構成をより詳細に記載したものである。
読み込み処理では、先ずステップS2001にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS2001では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS2002にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS2006に進む。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS2003にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS2004では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS2006に進む。「0」となっている場合には、ステップS2005にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS2006に進む。
ステップS2006では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS2006では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS2007にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS2011に進む。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS2008にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS2009では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS2011に進む。「0」となっている場合には、ステップS2010にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS2011に進む。
ステップS2011では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、MPU202において上作動口33や下作動口34の入賞信号の入力を確認したとしても即座に入賞の発生と特定するのではなく、複数回として設定された入賞基準回数の確認タイミングに亘って継続して上記入賞信号の入力を確認した場合に、入賞が発生したと特定する。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
次に、本実施の形態における作動口用の入賞処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。作動口用の入賞処理は、主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理(上記第1の実施の形態では図9のステップS105、上記第3の実施の形態では図29のステップS1905)にて実行される。
作動口用の入賞処理では、先ずステップS2101にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS2102にて、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットし、ステップS2103にて、外部信号設定処理を行う。また、ステップS2104にて、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする。その後、ステップS2105にて、情報取得処理を実行する。当該情報取得処理の処理構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。なお、ステップS2105の情報取得処理を実行した後に、RAM204から下作動口入賞フラグを消去する。
ステップS2101にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されておらず否定判定をした場合、又はステップS2105の処理を実行した後は、ステップS2106に進む。
ステップS2106では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS2107にて、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットし、ステップS2108にて、外部信号設定処理を行う。また、ステップS2109にて、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする。その後、ステップS2110にて、情報取得処理を実行した後に、本入賞処理を終了する。情報取得処理の処理構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。なお、ステップS2110の情報取得処理を実行した後に、RAM204から上作動口入賞フラグを消去する。
以上詳述した本実施の形態によれば、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かを判定するとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合にはそれぞれの入賞に対して情報取得処理を実行するようにした。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得処理及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得処理を正確に行うことができるとともに、保留報知用の処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、上記構成においては、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合、タイマ割込み処理の1回の処理回において、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留報知用の確認処理と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についての保留報知用の確認処理との両方が実行されることとなる。この場合に、例えば保留報知用の確認処理では、高確率モードにおいて、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照して比較処理(図21のステップS1206)が実行される構成を想定すると、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について10個の大当たり数値情報との比較処理を実行するとともに、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について10個の大当たり数値情報との比較処理を実行する必要が生じる。そうすると、タイマ割込み処理の1回の処理において、比較処理を20回行う必要が生じる。この場合、短い周期で起動されるタイマ割込み処理の1回の処理回に要する時間が長くなってしまう。
さらにまた、タイマ割込み処理は、当否判定処理が一部の処理として設定された通常処理(図13)に割り込んで起動されるが、高確率モードにおいて、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される処理回の通常処理に対して、両作動口33,34への入賞に伴う各保留報知用の確認処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が起動される場合、当該処理回の通常処理が終了されるまでに、大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じる。そうすると、通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過した状態となることが想定され、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
上記問題に対して、本実施の形態であっても上記第1の実施の形態と同様に、保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにすることで、当該保留報知用の確認処理において大当たり数値情報との比較処理が実行される回数が抑えられ、両作動口33,34への入賞が同時に発生する状況であってもタイマ割込み処理の1回の処理回に要する時間が抑えられるとともに、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が低減される。
なお、本実施の形態では、タイマ割込み処理の1回の処理回において、上作動口33への入賞に基づき実行された情報取得処理にて入賞コマンドが設定されるとともに、下作動口34への入賞に基づき実行された情報取得処理にて入賞コマンドが設定されることがある。これに対して、RAM204に設けられたコマンド設定エリアは、複数のコマンドを同時に格納可能となるように構成されており、上記各入賞コマンドは個別にコマンド設定エリアに設定される。そして、通常処理(図13)の外部出力処理(ステップS501)にて、コマンド設定エリアに設定されている複数のコマンドは順次、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82には、リングバッファからなるコマンド格納エリアが設けられており、主制御装置81から受信したコマンドはそれぞれ個別にコマンド格納エリアに書き込まれ、先に受信したコマンドから順次読み出されていく。これにより、上記のように複数の入賞コマンドが同時期に設定される構成であったとしても、それらコマンドの送信の処理及びコマンドの受信に対応した処理が正確に行われる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、高確率モードにおいて保留報知用の確認処理(図21)が実行される場合、高確率モード用に設定されている10個の大当たり数値情報のうち3個が参照される構成としたが、これに限定されることはなく、当否判定処理が実行される処理回の通常処理(図13)に対して保留報知用の確認処理が実行される処理回のタイマ割込み処理(図9)が割り込む状況において両者の処理が良好に実行されるのであれば、高確率モード用の全大当たり数値情報の数未満であって1個以上であれば具体的な数は任意である。なお、高確率モード用に設定される大当たり数値情報の数が10個以外でもよいことは言うまでもなく、この場合であっても高確率モードにおける保留報知用の確認処理では高確率モード用の大当たり数値情報の一部を参照する構成とすることが好ましい。
(2)上記各実施の形態では、保留報知用の確認処理にて確認対象となった保留情報が参照対象の大当たり数値情報に対応していると判定された場合にのみ保留報知が行われるとともに、保留報知に際しては大当たり当選が発生する旨の報知を行う構成としたが、これに限定されない。例えば、保留報知用の確認処理にて確認対象となった保留情報が参照対象の大当たり数値情報に対応していないと判定された場合であっても所定の確率で保留報知が行われるとともに、保留報知に際しては大当たり当選の可能性がある旨の報知を行う構成としてもよい。この場合、保留報知を確認した遊技者は、その保留報知に係る保留情報が当否判定の対象となることで、大当たり当選が発生するかもしれないといった予測を行うこととなり、遊技への注目度が高められる。なお、上記所定の確率を、保留報知用の確認処理にて確認対象となった保留情報が参照対象の大当たり数値情報に対応していると判定される確率と同一又は略同一となるようにしてもよく、若しくはかかる確率よりも低い確率としてもよい。この場合、上記保留報知が行われた場合に遊技者が抱く大当たり当選への期待度を良好に高めることができる。
(3)低確率モード用の大当たり数値情報の数が1個であることに限定されることはなく、高確率モード用の大当たり数値情報の数を超えない範囲を限度として、低確率モード用の大当たり数値情報の数が例えば2個といったように複数設定されていてもよい。なお、低確率モード用の大当たり数値情報の数を複数設定した場合、それに合わせて大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を多く設定することで、低確率モード用における大当たり当選の確率を上記各実施の形態と同等のものとすることができる。
この場合に、低確率モードにおける保留報知用の確認処理において参照される大当たり数値情報は、上記複数設定された大当たり数値情報の全てであってもよく、上記複数設定された大当たり数値情報の一部であってもよい。但し、低確率モードにおける保留報知用の確認処理において参照される大当たり数値情報の数は、かかる数値情報の数と低確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数との和が、高確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおける保留報知用の確認処理に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数以下となるように設定されていることが好ましい。高確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおける保留報知用の確認処理に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数は、主制御装置81のMPU202にて通常処理やタイマ割込み処理を良好に実行できる処理時間となるように設定されている。このような事情において、上記のように低確率モードにおける保留報知用の確認処理において参照される大当たり数値情報の数と、低確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数を設定することで、主制御装置81のMPU202における通常処理やタイマ割込み処理の実行を良好に行えるようにしながら、低確率モードにおける保留報知を行うことができる。
特に、低確率モードと高確率モードとで比較した場合に、低確率モードにおいて遊技の単調化が生じ易いことに鑑みて、低確率モードにおいて保留報知の態様に制限が生じないようにする上では、低確率モードにおける保留報知用の確認処理にて参照される大当たり数値情報の数を極力多く設定することが好ましい。かかる目的を達成する上では、低確率モードにおける大当たり数値情報の数を2倍した数が、高確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおける保留報知用の確認処理に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数以下である場合には、低確率モードにおける保留報知用の確認処理において、当該低確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照するようにするとよい。一方、上記2倍した数が上記和の数を超える場合には、低確率モードにおける保留報知用の確認処理において参照される大当たり数値情報の数と、低確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数が、高確率モードにおける保留報知用の確認処理において参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおける当否判定に際して参照される大当たり数値情報の数との和の数以下となるようにするとよい。
なお、低確率モード用の大当たり数値情報の数が複数設定された構成においては、低確率モードにおける保留報知用の確認処理にて参照される大当たり数値情報の数が、高確率モードにおける保留報知用の確認処理にて参照される大当たり数値情報の数と同一の数又はそれよりも多い数となるように設定してもよい。
(4)上記各実施の形態では、保留報知の出現頻度が低確率モードと高確率モードとで同一となるように、報知発生抽選の当選確率を設定したが、これに代えて、出現頻度が略同一となるように、報知発生抽選の当選確率を設定してもよく、出現頻度が全く異なるものとなるように、報知発生抽選の当選確率を設定してもよい。つまり、保留報知の出現頻度が低確率モードと高確率モードとで同一と認識されるように報知発生抽選の当選確率が設定されている構成に限定されることはなく、保留報知の出現頻度が低確率モードと高確率モードとで異なるものと認識されるように報知発生抽選の当選確率が設定されている構成としてもよい。
(5)上記各実施の形態において、報知発生抽選処理が行われずに、保留報知用の確認処理にて参照対象の大当たり数値情報と一致していると判定された場合には、必ず保留報知が実行される構成としてもよい。この場合であっても、高確率モードにおける保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部のみが参照されるため、大当たり当選に対応した保留情報に対して保留報知が行われる確率は、100%未満の所定の確率となる。
(6)上記各実施の形態では、報知発生抽選処理を音声ランプ制御装置82にて実行する構成としたが、当該報知発生抽選処理を実行する主体は、主制御装置81であってもよく、表示制御装置212であってもよい。
(7)上記各実施の形態では、保留報知の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としたが、これに限定されることはなく、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報や、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報も確認される構成としてもよい。また、大当たり当選となる遊技回においては、図柄表示装置41における図柄の変動表示パターンとして、リーチ表示が発生する構成とした場合には、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かに関係なく当該保留情報にリーチ表示に対応した情報が含まれているか否かを確認し、保留報知ではリーチ発生の有無を報知する構成としてもよい。
上記リーチ発生の有無を保留報知に反映させる構成であっても、保留報知用の確認処理では、保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かの確認や、保留情報がリーチ発生数値情報に対応しているか否かの確認などを行う必要があり、主制御装置81のMPU202における処理時間の短縮化を図る上では上記各確認に際して一部の大当たり数値情報又は一部のリーチ発生数値情報を参照する構成とすることが好ましい。
また、リーチ発生の有無だけでなく、変動表示時間の情報も、保留報知用の確認処理にて確認する構成としてもよい。この場合、保留報知としてリーチ表示の種別などを報知することが可能となる。かかる構成であっても、保留報知用の確認処理では、保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かの確認、保留情報がリーチ発生数値情報に対応しているか否かの確認、及び保留情報がいずれの変動表示時間に対応しているかの確認などを行う必要があり、主制御装置81のMPU202における処理時間の短縮化を図る上では上記各確認に際して一部の大当たり数値情報、一部のリーチ発生数値情報又は一部の変動表示時間情報を参照する構成とすることが好ましい。
(8)上記各実施の形態では、主制御装置81のMPU202にて保留報知用の確認処理を行い、その確認結果の情報を音声ランプ制御装置82に送信する構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81は大当たり乱数カウンタC1から取得した情報をそのまま音声ランプ制御装置82に送信し、当該音声ランプ制御装置82において保留報知用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、音声ランプ制御装置82のMPU242における処理時間の短縮化を図る上では、音声ランプ制御装置82における保留報知用の確認処理において一部の大当たり数値情報を参照する構成とすることが好ましい。
(9)上記各実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、当否判定処理(図17)や保留報知用の確認処理(図21)の処理プログラムにて参照すべき大当たり数値情報の数が指定される構成としたが、これに限定されることはなく、参照すべき大当たり数値情報の数を指定するための指定用テーブルが別途用意されていて、当否判定処理や保留報知用の確認処理では指定用テーブルにおいて参照すべきアドレス情報が指定される構成としてもよい。この場合、当否判定処理や保留報知用の確認処理では、指定用テーブルから読み出した大当たり数値情報の数だけ、参照して保留情報との比較処理を実行する。また、上記指定用テーブルが当否テーブルに含まれた構成としてもよい。
(11)保留報知が行われ得る状態と保留報知が不可となる状態との切り換えがなされる構成としてもよい。この場合、当該切り換えを行う主体は、主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212のうちのいずれであってもよい。また、切り換えの契機に関しては、所定の開始条件が成立した場合に保留報知が行われ得る状態となり、所定の終了条件が成立した場合に保留報知が不可となる状態となるのであれば任意であり、例えば、許可抽選と不可抽選とを設け、許可抽選にて当選結果となった場合に保留報知が行われ得る状態となるとともに、不可抽選にて当選結果となった場合に保留報知が不可となる状態となるよう構成してもよい。
(12)上記各実施の形態では、下作動口34への入賞に係る保留情報が、上作動口33への入賞に係る保留情報よりも当否判定に際して優先される構成としたが、これに限定されることはなく、上作動口33への入賞に係る保留情報が優先される構成としてもよい。
また、上作動口33への入賞であるか下作動口34への入賞であるかに関係なく、入賞順序で当否判定対象となる構成としてもよい。また、上作動口33と下作動口34とで個別に保留情報が保留記憶される構成に限定されることはなく、いずれの作動口に入賞したとしても、入賞発生元がいずれであるかを識別することなく同一の保留エリアに保留情報が記憶される構成としてもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。これらの構成においては、メイン表示部43には結果表示部が1個のみ設けられた構成としてもよい。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。
(13)当否抽選モードが複数段階設定されているのではなく、単一の当否抽選モードのみが設定されており、さらに当該当否抽選モードについて複数種類の大当たり数値情報が設定された構成としてもよい。かかる構成であっても、保留報知用の確認処理では、当該当否抽選モード用に設定された複数種類の大当たり数値情報の一部のみを参照する構成とすることで、各種処理を良好に実行できるようにしつつ、保留報知を行うことが可能となる。
(14)上記各実施の形態において、下作動口34に電動役物34aが設けられていない構成としてもよい。この場合、上作動口33及び下作動口34の両方において、入賞頻度が遊技状態に依存しないこととなる。本構成において、保留報知を上作動口33への入賞に係る保留情報について行う構成とするとともに、当該保留報知では大当たり当選となる旨の情報だけでなく、高確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、低確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、高確率モード及び低確率モードのいずれであっても大当たり当選となる旨の情報、又は高確率モード及び低確率モードのうちいずれか一方でのみ大当たり当選となる旨の情報を報知する構成としてもよい。上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定に際して優先される構成において上記保留報知の構成を適用することで、遊技者にとっては、保留報知の内容に応じて、保留報知に係る保留情報が当否判定の対象とならないようにすべく下作動口34への入賞に係る保留情報が記憶された状態が維持されることを期待して発射ハンドル54を操作する態様を選択することができるとともに、保留報知に係る保留情報が当否判定の対象となるようにすべく下作動口34への入賞がそれ以上発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するという態様を選択することができる。特に、上作動口33及び下作動口34の両方において入賞頻度が遊技状態に依存しないため、遊技状態に関係なく上記遊技を遊技者に提供することが可能となる。
また、本構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留報知に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
(15)上記各実施の形態では、既に保留報知が行われている状況であっても、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留報知が開始され得る構成としたが、既に保留報知が行われている状況においては新たな保留報知が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に保留報知が実行されているか否かを判定する手段と、既に保留報知が実行されていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留報知が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、複数の保留報知が同時に実行されることはなく、各保留報知への注目度を高めることが可能となる。
(16)主制御装置81に大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合であって、かかる保留情報について保留報知が実行されていない場合には、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留報知が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に記憶されている保留情報に大当たり当選に対応した保留情報が含まれているか否かを判定する手段と、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留報知が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、大当たり当選に対応した保留情報について保留報知が実行されていないにも関わらず、他の保留情報について保留報知が実行されてしまうことが規制され、保留報知への注目度を高めることが可能となる。
(17)第1保留表示領域Gaや第2保留表示領域Gbにおける複数の単位保留表示領域にて保留報知が実行されている状況において、先に当否判定の対象となった保留情報について開閉実行モードへの移行が発生した場合には、後に当否判定の対象となる保留情報についての保留報知を、開閉実行モードへの移行に際して、開閉実行モード中の所定のタイミング又は開閉実行モードの終了に際して、終了させる構成(すなわち、保留報知の解除手段を有する構成)としてもよい。この場合、開閉実行モードへの移行が発生した場合には、保留報知の実行状況を一旦リセットすることが可能となる。
(18)上記各実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とで、大当たり当選となった場合の大当たり種別が異なっていてもよく、大当たり種別の振分確率が異なっていてもよい。
(19)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、当否判定の実行が優先されることとなる下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
このように有利な状態を設定する上では、例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率を、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率よりも高く設定する構成としてもよい。また、下作動口34への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先が、上作動口33への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先よりも有利なものとなるように設定された構成としてもよい。
かかる構成についてより詳細には、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先に、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより前者の方が後者よりも有利なものとなる構成としてもよく、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先に、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより後者の方が前者よりも有利なものとなる構成としてもよい。さらには、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類と、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類とが同一となるように設定されているとともに、下作動口34への入賞では上作動口33への入賞よりも、有利な大当たり結果への振分確率が高く設定された構成としてもよい。
上記構成によれば、上作動口33への入賞が発生することに比して、下作動口34への入賞が発生することの有利性が高められる。そして、上記各実施の形態のように、下作動口34への入賞により取得された保留情報は上作動口33への入賞により取得された保留情報よりも優先して当否判定が行われる構成においては、下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34について設定された有利性が優先して遊技者に提供されることとなる。これにより、上作動口33と下作動口34との機能に明確な差異が設けられ、遊技者にとっては、上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の発生を期待することとなり、遊技の多様化が図られる。
また、上記構成において、開閉実行モードでは、開閉実行モードに移行する前までサポートモードが低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであったかに関わらず、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される構成としてもよい。この場合、開閉実行モードにおいて下作動口34への入賞が多数発生してしまうことが抑えられ、これに伴って、例えば開閉実行モードにおける出球率が下作動口34への入賞頻度に応じて変動してしまうことが抑えられる。
但し、上記のように上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の有利性が高められた構成において開閉実行モードにてサポートモードが低頻度サポートモードに設定される構成の場合、開閉実行モード中に下作動口34への入賞が発生しづらく、開閉実行モードが発生する前のタイミングにおいて下作動口34への入賞に係る保留情報が記憶されていないと、開閉実行モードの終了直後において上作動口33への入賞に係る保留情報に対して当否判定が行われる可能性が高くなる。これに対して、上記第1の実施の形態のように少なくとも下作動口34への入賞に係る保留情報について保留報知を行うようにすることで、保留報知を確認した遊技者は、当該保留報知に係る保留情報に基づいて開閉実行モードが開始される前までに下作動口34への入賞に係る保留情報を極力多く記憶させておこうとするものと考えられる。つまり、本構成によれば、下作動口34への入賞が発生するように発射ハンドル54を操作するという能動的な遊技と、当否抽選の結果を確認するという能動的な遊技とが相互に関連した斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
(20)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(21)上作動口33への入賞が発生しているか否かの判定や下作動口34への入賞が発生しているか否かの判定を行うための処理構成は、上記第4の実施の形態における構成に限定されることはなく、任意である。例えば、MPU202のレジスタ又はRAM204に、今回用エリア、前回用エリア、前々回用エリアを設け、検知センサからの信号の入力結果の3回分をそれらエリアに格納する。そして、それらエリアに格納されている情報を演算することにより、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されているか否かの特定を行うようにしてもよい。具体的には、非入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「0」の情報が格納され、入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「1」の情報が格納されるようにする。そして、前々回用エリアに格納されている情報を反転した情報と、前回用エリアに格納されている情報と、今回用エリアに格納されている情報との論理積が「1」の場合に、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されていると特定する構成としてもよい。
(22)上記第1の実施の形態や上記第4の実施の形態において、保留報知用の確認処理及び入賞コマンドの設定処理が通常処理(図13)の一部の処理として実行される構成としてもよい。また、通常処理とタイマ割込み処理とに区別されておらず、単一の一連の処理が実行タイミングとなる度に実行される構成においては、当該一連の処理における一部の処理として、保留報知用の確認処理及び入賞コマンドの設定処理が設定されている構成としてもよい。
(23)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態又は上記第4の実施の形態において、読み込み処理がタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、作動口用の入賞処理が通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。本構成において、通常処理の1処理回で作動口用の入賞処理が実行されてから次の通常処理の処理回で作動口用の入賞処理が実行されるまでに、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されているとともに下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されている場合には、後者の作動口用の入賞処理にてそれぞれの保留情報に対して保留報知用の確認処理が実行されるようにすることで、各保留情報に対する保留報知用の処理を早期に実行することが可能となる。
但し、本構成において、保留報知用の確認処理では高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成を想定すると、1処理回の通常処理が終了されるまでに、大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じる。この場合、通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となる可能性が高まり、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が高まってしまう。
これに対して、上記各実施の形態のように保留報知用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにするとよい。これにより、上記比較処理が実行される回数が抑えられ、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が低減される。
(24)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態又は上記第4の実施の形態において、通常処理にて4msecの残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、遊技進行を行う場合に実行される他の処理であってもよい。
(25)上記各実施の形態では、保留報知用の確認処理及び入賞コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納された後に実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留報知用の確認処理や入賞コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納される前に実行される構成としてもよい。
(26)上記各実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動開始コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(27)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
(28)上記第1〜第4の実施の形態の特徴的な構成や、上記他の実施の形態の構成を、遊技への注目度を良好に高めることができるという効果が生じるのであれば、任意の組み合わせで相互に適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81)と、
を備え、
当該進行制御手段は、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報として、所定範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81のRAM204における保留球格納エリア232)と、
前記所定範囲の数値情報のいずれかに対応した移行情報を予め記憶する移行情報記憶手段(主制御装置81のROM203における当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記移行情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記移行判定手段により参照される移行情報が複数種類記憶されており、
前記移行判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記移行判定を行う場合、前記複数種類の移行情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの移行情報と対応している場合に移行判定の結果が前記移行対応結果であるとするものであり、
前記進行制御手段は、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記複数種類の移行情報のうち一部の移行情報と対応しているか否かの判定を少なくとも前記特定状況において行うとともに、当該判定を前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留報知用の確認処理を実行する機能)を備えており、
さらに、当該先判定手段による判定結果を反映する特別報知が、当該先判定手段による判定対象となった前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されるように、当該所定の報知手段を制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82、表示制御装置212)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、少なくとも特定状況において移行判定が行われる場合には、複数種類の移行情報の全てを参照して移行判定が行われるのに対して、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われる。これにより、進行制御手段における処理時間の短縮化を図りながら、上記効果を奏することができる。
特に、移行判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行制御手段における処理時間に関係なく、移行判定用に設定された移行情報の全てを参照する必要があるのに対して、先判定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、移行判定用に設定された移行情報の全てについて参照しなくても、遊技者の利益に影響を及ぼさない。
さらにまた、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われることで、移行判定の結果が移行対応結果となる特別情報であっても、かかる移行対応結果となる旨の情報を反映した特別報知は必ず行われるのではなく、所定の確率で行われることとなる。これにより、上記移行対応結果となる旨の情報を反映した特別報知が、自ずと不規則なものとなり、特別報知の多様化が図られる。
特徴2.前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記移行判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記移行判定手段による前記移行判定が行われる度に各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回用動作が行われている状況において前記始動入球部に遊技球が入球した場合、当該入球に基づいて前記情報取得手段により取得された特別情報は、前記取得情報記憶手段に記憶され、かかる特別情報は、それまで行われていた遊技回用動作が終了した後に前記移行判定手段による前記移行判定の対象となる構成であり、
前記先判定手段は、前記始動入球部に遊技球が入球した場合、当該入球に基づいて前記情報取得手段により取得された特別情報に対して、前記遊技回用動作が行われている状況であるか否かに関係なく、特定の実行タイミングで前記判定を行うものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、例えば遊技回用動作が行われている途中において始動入球部への遊技球の入球が発生した場合、当該遊技回用動作の終了を待つこなく先判定が行われるため、特別報知が行われる場合にはその開始タイミングを早めることができる。但し、上記構成においては先判定が行われるタイミングは遊技回用動作の状況とは無関係なものとなるため、例えば特定状況において進行制御手段にて移行判定が行われるタイミングと先判定が行われるタイミングとが同一又は略同一となることが起こりうる。この場合に、上記特徴1を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、先判定による処理時間の短縮化が図られ、進行制御手段における他の処理への影響が低減される。
特徴3.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で繰り返し起動されて、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理における複数種の処理に、前記先判定手段による前記判定の処理が含まれていることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴3によれば、定期処理の一部の処理として先判定の処理が行われることで、所定の周期で確実に先判定を行うことができる。この場合に、上記特徴1を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、先判定に要する処理時間の短縮化が図られ、それに伴って定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴4.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で繰り返し起動され、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理における複数種の処理には、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、前記先判定手段による前記判定の処理が含まれていることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴4によれば、定期処理の一部の処理として特別情報を取得する処理が行われるため、かかる処理を所定の周期で確実に行うことができる。また、定期処理の一部の処理として先判定の処理が行われることで、特別情報の取得に合わせて先判定を行うことができ、特別報知が行われる場合にはその開始タイミングを早めることが可能となる。この場合に、上記特徴1を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、先判定に要する処理時間の短縮化が図られ、それに伴って定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴5.前記進行制御手段は、複数種の処理を含む特定処理(通常処理)を繰り返し実行する特定処理実行手段(主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理は、前記所定の周期で前記特定処理に割り込んで起動されるように設定されており、
前記特定処理における複数種の処理には、前記移行判定手段により実行される前記移行判定の処理が含まれていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
少なくとも特定状況において移行判定が行われる場合、複数種類の移行情報の全てが参照されるため、先判定に比べ移行判定の方が処理時間は長くなる。この場合に、特徴5によれば、少なくとも特定状況において相対的に処理時間は長くなる移行判定の処理が特定処理の一部の処理として実行され、少なくとも特定状況において相対的に処理時間は短くなる先判定の処理が定期処理の一部の処理として実行されるため、定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴6.前記特定処理は、第1番目の処理が前回の実行から特定周期が経過した場合又は特定周期が経過した後に実行されるよう設定されているとともに、前記第1番目の処理を含む所定の処理が実行された後に前記特定周期が経過していない場合、前記数値情報又はそれとは異なる数値情報を更新する処理(ステップS509の処理又はステップS510の処理)が実行されるよう設定されていることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6によれば、特定処理において、第1番目の処理を含む所定の処理が実行された後に特定周期が経過していない場合、数値情報又はそれとは異なる数値情報を更新する処理が実行されるため、かかる数値情報を不規則に更新することが可能となる。
但し、上記特徴5を備え、特定処理に対して定期処理が所定の周期で割り込んで起動される構成においては、定期処理の1処理回の処理時間が極端に長くなると、特定処理において上記更新処理を実行する余裕がなくなり、かかる更新処理の実行が担保されなくなる。これに対して、上記特徴1を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、先判定による処理時間の短縮化が図られ、定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。よって、上記更新処理の実行を担保することが可能となる。
特徴7.前記定期処理における複数種の処理には、前記移行判定手段により実行される前記移行判定の処理が含まれていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴7によれば、定期処理の一部の処理として移行判定の処理が行われるため、かかる処理を所定の周期で確実に行うことができる。この場合に、上記特徴1を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、先判定に要する処理時間の短縮化が図られ、それに伴って定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
なお、上記特徴3乃至7のいずれか1における構成では、前記先判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記判定の処理を実行する場合、前記定期処理の1処理回の範囲内において、当該先判定手段の判定対象となっている移行情報の全てについて、かかる判定対象の移行情報と前記所定の特別情報とが対応しているか否かの判定を行う構成とすることが好ましい。この場合、先判定手段による判定結果を早いタイミングで得られるため、特別報知が行われる場合にその開始タイミングを早めることができる。但し、本構成においては、先判定手段の判定対象となっている移行情報の数が多くなるほど、当該判定が行われる場合の処理回における定期処理が完了するまでの処理時間が長くなる。この場合に、上記特徴1の構成を備えていることにより、かかる処理時間の短縮化が図られる。
また、上記特徴5における構成では、前記移行判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記移行判定の処理を実行する場合、前記特定処理の1処理回の範囲内において、当該移行判定手段の判定対象となっている移行情報の全てについて、かかる判定対象の移行情報と特別情報とが対応しているか否かの判定を行う構成とすることが好ましい。この場合、移行判定手段による移行判定結果を早いタイミングで得ることができる。但し、本構成においては、移行判定手段による移行判定のタイミングと先判定手段による判定のタイミングとが重なると、その際の処理回における特定処理が完了するまでの処理時間が長くなる。この場合に、上記特徴1の構成を備えていることにより、かかる処理時間の短縮化が図られる。
また、上記特徴7における構成では、前記移行判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記移行判定の処理を実行する場合、前記定期処理の1処理回の範囲内において、当該移行判定手段の判定対象となっている移行情報の全てについて、かかる判定対象の移行情報と特別情報とが対応しているか否かの判定を行う構成とすることが好ましい。但し、本構成においては、移行判定手段による移行判定のタイミングと先判定手段による判定のタイミングとが重なると、その際の処理回における定期処理が完了するまでの処理時間が長くなる。この場合に、上記特徴1の構成を備えていることにより、かかる処理時間の短縮化が図られる。
特徴8.前記進行制御手段は、複数種の処理を含む進行用処理(第1,第2,第4の実施の形態では通常処理、第3の実施の形態ではタイマ割込み処理)を実行する進行用処理実行手段(第1,第2,第4の実施の形態では主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能、第3の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる場合に、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先判定手段による前記判定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先判定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記判定を行うものであることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴8の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先判定手段による判定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように進行用処理の1回の処理回において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定との両方が実行される構成において、上記特徴1の構成を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても進行用処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴9.前記進行制御手段は、複数種の処理を含む進行用処理(第1,第2,第4の実施の形態では通常処理、第3の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行する進行用処理実行手段(第1,第2,第4の実施の形態では主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能、第3の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理における複数種の処理に、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、前記先判定手段による前記判定の処理が含まれており、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先判定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記判定を行うものであることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴9の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先判定手段による判定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように進行用処理の1回の処理回において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定との両方が実行される構成において、上記特徴1の構成を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても進行用処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴10.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で繰り返し起動されて、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理における複数種の処理に、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、前記先判定手段による前記判定の処理が含まれており、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先判定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が、前記定期処理の1回の処理回において行われている場合には、前記定期処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記判定を行うものであることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴10の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、定期処理の1回の処理回において行われている場合には、定期処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先判定手段による判定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように定期処理の1回の処理回において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定との両方が実行される構成において、上記特徴1の構成を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても定期処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴11.前記進行制御手段は、
複数種の処理を含む特定処理(通常処理)を繰り返し実行する特定処理実行手段(主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)と、
予め定められた所定の周期で前記特定処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記特定処理における複数種の処理又は前記定期処理における複数種の処理に前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、
前記特定処理における複数種の処理又は前記定期処理における複数種の処理に前記先判定手段による前記判定の処理が含まれており、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先判定手段は、前記判定の処理が行われてから次の前記判定の処理が行われるまでに、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が行われている場合には、当該次の前記判定の処理においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記判定を行うものであることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴11の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、先判定手段による判定の処理が行われてから次の先判定手段による判定の処理が行われるまでに行われている場合には、当該次の先判定手段による判定において、それら特別情報のそれぞれに対して先判定手段による判定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように先判定手段による1回の処理回での判定の処理において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先判定との両方が実行される構成において、上記特徴1の構成を備え、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の移行情報のうち一部の移行情報を参照して先判定が行われるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても特定処理又は定期処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴12.前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであるとともに、
前記先判定手段は、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報及び前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴8乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られる。
特徴13.前記移行判定手段は、移行判定モードとして、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記高確率モードが前記特定状況に対応しており、
前記移行情報記憶手段には、前記低確率モードにおいて前記移行判定手段により参照される移行情報が前記高確率モードにおいて前記移行判定手段により参照される移行情報よりも少ない数となるように前記移行情報が記憶されており、
前記低確率モードにおいて前記移行判定手段により参照される移行情報の数を2倍した数は、前記高確率モードにおいて前記移行判定手段により参照される移行情報の数と前記高確率モードにおいて前記先判定手段により参照される移行情報の数との和の数以下となっており、
前記先判定手段は、前記低確率モードにおいて前記判定を行う場合、前記低確率モード用の移行情報の全てを参照するものであることを特徴とする特徴1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
低確率モードにおいては移行判定に際して参照される移行情報の数が少ないため、低確率モードにおける先判定に際してそれら移行情報の全てを参照したとしても、進行制御手段における処理時間が極端に長くなることはない。この場合に、特徴13では、低確率モードにおいて先判定を行う場合には、低確率モード用の移行情報の全てを参照することで、低確率モードにおいては特別報知の態様に制限が生じることが抑えられる。その一方、高確率モードにおいては移行判定に際して参照される移行情報の数が多いため、高確率モードにおける先判定に際してそれら移行情報の一部のみを参照することで、進行制御手段における処理時間の短縮化が図られる。特に、低確率モードと高確率モードとで比較した場合、低確率モードにおいて遊技の単調化が生じやすい。かかる事情においては、上記のように低確率モードにおいて特別報知の態様に制限が生じないようにすることが好ましい。
特徴14.前記先判定手段により前記所定の特別情報が前記移行情報と一致していると判定されたことに基づいて、前記特別報知を実行するか否かの報知発生抽選を実行する報知発生抽選手段(音声ランプ制御装置82のMPU242における報知発生抽選処理を実行する機能)を備えており、
前記報知制御手段は、前記報知発生抽選の結果が報知発生当選結果となった場合に、前記特別報知が実行されるように前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴1乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴14によれば、特別報知の実行について不規則性が付与され、特別報知の実行タイミングの多様化が図られることに伴って遊技の多様化が図られる。
特徴15.前記移行判定手段は、移行判定モードとして、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記高確率モードが前記特定状況に対応しており、
前記移行情報記憶手段には、前記低確率モードにおいて前記移行判定手段により参照される移行情報が前記高確率モードにおいて前記移行判定手段により参照される移行情報よりも少ない数となるように前記移行情報が記憶されており、
前記先判定手段により前記低確率モードにおいて前記判定が行われる場合に参照される前記移行情報の数と、前記先判定手段により前記高確率モードにおいて前記判定が行われる場合に参照される前記移行情報の数とが異なっており、
さらに、前記報知発生抽選手段は、前記低確率モードにおいて前記保留報知が開始される確率と前記高確率モードにおいて前記保留報知が開始される確率とが同一と認識されるものとなるように、前記低確率モードにおいて前記報知発生当選となる確率と前記高確率モードにおいて前記報知発生当選となる確率とが設定されていることを特徴とする特徴14に記載の遊技機。
特徴15によれば、特別報知を良好に行う又は進行制御手段の処理時間を適切なものとするといった観点から、低確率モードにおいて先判定に際して参照される移行情報の数と高確率モードにおいて先判定に際して参照される移行情報の数とが異なっている構成であっても、報知発生抽選による当選確率の設定により、低確率モードにおいて特別報知が開始される確率と高確率モードにおいて特別報知が開始される確率とが同一と認識されるものとなる。これにより、特別報知の発生頻度が低確率モード又は高確率モードの一方において偏らないようにすることが可能となる。
特徴16.前記進行制御手段と前記報知制御手段とはそれぞれ物理的に独立して設けられており、
前記進行制御手段は、前記先判定手段の判定結果の情報を前記報知制御手段に出力する判定結果出力手段(主制御装置81のMPU202における入賞コマンドの設定処理を実行する機能など)を備えており、
前記報知制御手段は、前記先判定手段による判定結果を反映する特別報知が、当該先判定手段による判定対象となった前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されるように、前記判定結果出力手段から出力された情報に基づいて前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴1乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴16によれば、進行制御手段は、特別報知を行うための制御を報知制御手段に実行させる上で、特別情報をそのまま報知制御手段に出力するのではなく、当該特別情報が移行判定の対象となった場合における判定結果を特定し、その特定した結果の情報を報知制御手段に出力する。したがって、仮に、特別報知を行うための制御を報知制御手段に実行させる上で必要な情報が、進行制御手段から報知制御手段に向けた出力途中などにおいて不正に取得されたとしても、その不正に取得された情報は特別情報そのものではなく、上記特定した結果の情報となる。数値情報を用いて移行判定を行う遊技機においては、現状、更新されている数値情報を不正に取得することで、不正に所定遊技状態に移行させようとする行為が想定される。この場合に、特別情報をそのまま出力する構成においては、当該特別情報が不正に取得された場合には、その取得した特別情報に基づいて、現状、更新されている数値情報が不正に特定されてしまうことが懸念される。これに対して、上記のとおり、特別情報そのものではなく上記特定した結果の情報が出力されるため、上記不正行為が行われる可能性を抑えつつ、既に説明した優れた効果を奏することができる。
特徴17.前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記移行判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記移行判定の対象となる特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
当該遊技回制御手段は、各遊技回において前記遊技回用動作が行われる場合における動作継続時間を決定する動作継続時間決定手段(主制御装置81のMPU202における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、各遊技回の前記遊技回用動作が行われる場合、前記動作継続時間決定手段が決定した動作継続時間が経過することで当該遊技回用動作が最終停止される構成であり、
前記動作継続時間決定手段は、前記所定の報知手段にて前記特別報知が実行されている状況において当該特別報知の対象となっている特別情報とは異なる特別情報に対応した遊技回の前記動作継続時間を決定する場合に、当該特別報知の対象となっている特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映することなく前記動作継続時間を決定するものであることを特徴とする特徴1乃至16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴17によれば、特別報知に係る特別情報が移行判定の対象となった場合における判定結果が反映されることなく各遊技回における動作継続時間が決定されるため、特別報知が行われ得るようにした構成において特別報知に係る特別情報の内容に応じて各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
なお、「前記遊技回制御手段」は、「前記遊技回用動作が行われる場合の動作継続時間の情報を予め記憶するとともに、それぞれ動作継続時間が異なるように前記動作継続時間の情報を複数種類記憶した動作継続時間情報記憶手段(主制御装置81のROM203における変動表示時間テーブル記憶エリア222)と、前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて前記遊技回用動作が開始される場合に、その移行判定の対象となる特別情報の内容に基づいて、前記動作継続時間情報記憶手段に記憶されている複数種類の前記動作継続時間の情報の中から、一の動作継続時間の情報を選択する動作継続時間選択手段(主制御装置81のMPU202における変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて前記遊技回用動作を開始させ、前記動作継続時間選択手段により選択された前記動作継続時間の情報に対応した動作継続時間が経過することで当該遊技回用動作を最終停止させる動作制御手段(主制御装置81のMPU202における変動終了処理を実行する機能等)と、を備えており、前記動作継続時間選択手段は、前記動作継続時間の情報の選択対象となっている特別情報よりも後のタイミングで前記移行判定の対象となる特別情報が当該移行判定の対象となった場合における判定結果を反映することなく、前記動作継続時間の情報の選択を行う」構成としてもよい。
特徴18.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81)と、
遊技回用動作が開始され、所定の停止結果となし前記遊技回用動作が最終停止されることを遊技回の1回として、各遊技回の遊技回用動作を実行する遊技回用動作手段(図柄表示装置41)と、
を備え、
前記進行制御手段は、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報として、所定範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81のRAM204における保留球格納エリア232)と、
前記所定範囲の数値情報のいずれかに対応した基準情報を予め記憶する基準情報記憶手段(主制御装置81のROM203における当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記基準情報に対応しているか否かの基準情報判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記基準情報判定を順次行う基準情報判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該基準情報判定手段による基準情報判定の結果が、判定対象の特別情報が前記基準情報に対応しているとする基準対応結果となったことに基づいて、前記遊技回用動作手段における前記遊技回用動作において特別動作が行われるように設定する特別動作設定手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記基準情報判定手段により前記基準情報判定が行われる度に各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記遊技回用動作手段が制御される遊技機において、
前記基準情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記基準情報判定手段により参照される基準情報が複数種類記憶されており、
前記基準情報判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記基準情報判定を行う場合、前記複数種類の基準情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの基準情報と対応している場合に基準情報判定の結果が前記基準対応結果であるとするものであり、
前記進行制御手段は、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記複数種類の基準情報のうち一部の基準情報と対応しているか否かの判定を少なくとも前記特定状況において行うとともに、当該判定を前記所定の特別情報が前記基準情報判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留報知用の確認処理を実行する機能)を備えており、
さらに、当該先判定手段による判定結果を反映する特別報知が、当該先判定手段による判定対象となった前記所定の特別情報が前記基準情報判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記遊技回用動作手段又はそれとは異なる所定の報知手段にて実行されるように、前記遊技回用動作手段又は前記所定の報知手段を制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82、表示制御装置212)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴18によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに基準情報判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が基準情報判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて遊技回用動作手段又はそれとは異なる所定の報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき開始された遊技回用動作を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には基準情報判定の対象となる順番が後の特別情報について基準情報判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、少なくとも特定状況において基準情報判定が行われる場合には、複数種類の基準情報の全てを参照して基準情報判定が行われるのに対して、少なくとも特定状況において特別情報の先判定が行われる場合には、複数種類の基準情報のうち一部の基準情報を参照して先判定が行われる。これにより、進行制御手段における処理時間の短縮化を図りながら、上記効果を奏することができる。
さらにまた、複数種類の基準情報のうち一部の基準情報を参照して先判定が行われることで、基準情報判定の結果が基準対応結果となる特別情報であっても、かかる基準対応結果となる旨の情報を反映した特別報知は必ず行われるのではなく、所定の確率で行われることとなる。これにより、上記基準対応結果となる旨の情報を反映した特別報知が、自ずと不規則なものとなり、特別報知の多様化が図られる。
なお、本特徴18に対して、上記特徴2乃至17のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、上記特徴2乃至14の各構成について、「移行情報」を「基準情報」として適用し、「移行判定」を「基準情報判定」として適用し、「移行判定手段」を「基準情報判定手段」として適用し、「移行対応結果」を「基準対応結果」として適用し、「状態移行手段」を「特別動作設定手段」として適用するとよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、33…上作動口、34…下作動口、53…遊技球発射機構、81…主制御装置、82…音声ランプ制御装置、202…MPU、203…ROM、204…RAM、212…表示制御装置、221…当否テーブル記憶エリア、232…保留球格納エリア、242…MPU。