以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば4ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が4回行われることとなる4ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6及び図7に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図7は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)〜(j)に示すように、図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄の右側に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
次に、図柄表示装置41の表示画面Gについて説明する。図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図7(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜199)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「22」の22種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「107」,「5」,「15」,「25」,「35」,「45」,「55」,「65」,「75」,「85」,「95」,「105」,「115」,「125」,「135」,「145」,「155」,「165」,「175」,「185」,「195」の22種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「199」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」及び「2」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「3」〜「22」である大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が2個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い20個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/100であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/10であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
ちなみに、上記のとおり、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報と高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報とは相互に重複していない。したがって、低確率モードにおいて当否判定の対象となっている保留情報が高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報に対応していたとしても大当たり当選となることはなく、さらには高確率モードにおいて当否判定の対象となっている保留情報が低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報に対応していたとしても大当たり当選となることはない。
リーチ乱数カウンタC2は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜39」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC2の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC2の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC2やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC3は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC3の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
ここで、本パチンコ機10では、電動役物34aのサポートモードとして、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC3を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行されるとともに、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図11のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS201では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS202にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS206に進む。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS203にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS204では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS206に進む。「0」となっている場合には、ステップS205にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS206では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS207にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS211に進む。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS208にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS209では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS211に進む。「0」となっている場合には、ステップS210にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS211に進む。
ステップS211では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、MPU202において上作動口33や下作動口34の入賞信号の入力を確認したとしても即座に入賞の発生と特定するのではなく、複数回として設定された入賞基準回数の確認タイミングに亘って継続して上記入賞信号の入力を確認した場合に、入賞が発生したと特定する。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
タイマ割込み処理(図10)の説明に戻り、ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC3の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図12のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS302〜ステップS307の処理を実行することなくステップS308に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS303では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAの格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留球数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS308に進む。始動保留球数Nが上限値未満である場合には、ステップS304に進み、始動保留球数Nを1加算する。続くステップS305では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS306及びステップS307では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。なお、保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは音声ランプ制御装置82に送信されることとなるが、音声ランプ制御装置82では、当該保留コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
ステップS301にて否定判定した場合、ステップS303にて否定判定した場合又はステップS307の処理を実行した後には、ステップS308にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS309にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS303〜ステップS307の処理を実行する。この場合、ステップS303〜ステップS307の処理後におけるステップS308の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS303〜ステップS305の情報取得処理と、ステップS306及びステップS307の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、保留予告用の処理を早いタイミングで実行することができる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS401〜ステップS407の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS409及びステップS410のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS404では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS405では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS407では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断監視基板205において電断の発生が確認され当該電断監視基板205からMPU202のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS408にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS409では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS410では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS407にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS411以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS411では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS412にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS413にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS401〜ステップS406の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
なお、ステップS408において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図14〜図18のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS510の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留球数が「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、始動保留球数Nを1減算する。続くステップS602にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップ604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS802では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に予め定められた回数の遊技回が実行された場合に消去されるフラグである。
低確率モードである場合には、ステップS803にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認開始アドレスを低確率モード用の確認基準である「2」に設定するとともに、確認個数を低確率モード用の確認個数である「2」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として、開始アドレス用エリアと、確認個数カウンタエリアとが設けられており、ステップS803では、開始アドレス用エリアの情報を「2」の情報に更新するとともに、確認個数カウンタエリアの情報を「2」の情報に更新する。
一方、高確率モードである場合には、ステップS804にて、開始アドレス用エリアの情報を高確率モード用の確認基準である「22」の情報に更新するとともに、確認個数カウンタエリアの情報を高確率モード用の確認個数である「20」の情報に更新する。
ステップS803又はステップS804の後は、ステップS805にて、確認開始アドレス及び確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、開始アドレス用エリアの情報が「2」であって確認個数カウンタエリアの情報が「2」である場合には、当否テーブルにおいて「2」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「107」の情報を取得する。また、例えば、開始アドレス用エリアの情報が「22」であって確認個数カウンタエリアの情報が「20」である場合には、当否テーブルにおいて「22」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「195」の情報を取得する。
続くステップS806では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS805にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS807にて、ステップS806にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS808にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS809にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS805に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS804にて確認開始アドレスとして「22」を設定するとともに確認個数として「20」を設定する。この場合においてステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「22」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「195」を参照して比較処理を行い、次に「21」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「185」を参照して比較処理を行い、さらに「20」〜「4」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「3」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「5」を参照して比較処理を行うように、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返し実行する。そして、「3」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
また、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS803にて確認開始アドレスとして「2」を設定するとともに確認個数として「2」を設定する。この場合においてステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「2」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「107」を参照して比較処理を行い、次に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS805にて取得した場合に、ステップS806における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS807にて肯定判定をする。この場合、ステップS810にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS701にて当否判定処理を実行した後は、ステップS702にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS703にて大当たり用の停止結果設定処理を実行し、大当たり情報が記憶されていない場合には、ステップS704にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS703及びステップS704の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS703では、今回の遊技回の当否判定結果が、大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報である大当たり当選フラグをRAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた大当たり当選フラグ格納エリアに格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。
ステップS703又はステップS704のいずれかの処理を実行した後は、ステップS705にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に大当たり当選フラグが格納されているか否かを判定する。大当たり当選フラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、大当たり当選フラグが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留球数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報やリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS705にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS706にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS706にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置82は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS707にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS510の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図18)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS703及び上記ステップS704のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるようにメイン表示部43を表示制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。この設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
その後、ステップS510にて各遊技回数カウンタの更新処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。なお、各遊技回数カウンタの更新処理の内容については、後に詳細に説明する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図19のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、大当たり当選フラグが格納されているか否かを判定する。大当たり当選フラグが格納されていない場合には、ステップS1004にて外れ時の移行処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。当該外れ時の移行処理については、後に詳細に説明する。
大当たり当選フラグが格納されている場合には、ステップS1005にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられたラウンドカウンタエリアRCに「4」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS1006にてオープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1006において設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82ではオープニングコマンドを受信したことに基づいて、開閉実行モードの開始に対応した表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置82は、オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212ではオープニングコマンドを受信したことに基づいて、開閉実行モードの開始に対応した図柄表示装置41の表示パターン(例えば、動画パターン)を決定し、その決定した表示パターンが表示されるように図柄表示装置41を制御する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1007に進む。ステップS1007では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、大入賞口開閉処理では、開閉実行モードの開始に対応した演出が終了するまで大入賞口32aの開閉が開始されないように、開始用待機処理が実行される。
続くステップS1008では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS1009にてエンディングコマンドを設定する。
この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82ではエンディングコマンドを受信したことに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置82は、エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212ではエンディングコマンドを受信したことに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した図柄表示装置41の表示パターン(例えば、動画パターン)を決定し、その決定した表示パターンが表示されるように図柄表示装置41を制御する。なお、遊技回制御処理(図14)では、開閉実行モードの終了に対応した演出が終了するまで新たな遊技回が開始されないように、終了用待機処理が実行される。
その後、ステップS1010にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行するとともに、ステップS1011にて開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS1011の開閉実行モードの終了処理では、大当たり当選フラグを消去する。
次に、遊技状態移行処理におけるステップS1004の外れ時の移行処理と、ステップS1010の開閉実行モード終了時の移行処理について、フローチャートを用いて説明する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
先ず、ステップS1010の開閉実行モード終了時の移行処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、RAM204に高確率モードフラグを格納する。これにより、当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに切り換わる。続くステップS1102では、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた第1遊技回数カウンタエリアの情報を、高確率継続基準回数情報である「4」の情報に更新する。第1遊技回数カウンタエリアは、当否抽選モードが高確率モードである場合において、当否抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り換えるタイミングを特定するために参照されるカウンタエリアであり、第1遊技回数カウンタエリアに格納されている数値情報は遊技回制御処理(図14)のステップS510における各遊技回数カウンタの更新処理にて1減算される。
続くステップS1103では、高確率移行コマンドを設定する。この高確率移行コマンドは、サブ側の制御装置である表示制御装置212に当否抽選モードが高確率モードであることを教示するための情報であり、通常処理(図13)におけるステップS401にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では高確率移行コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では高確率移行コマンドを受信したことに基づいて、当否抽選モードが高確率モードであることを特定する。
続くステップS1104では、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高頻度サポートフラグ格納エリア(高頻度サポート情報記憶手段)に高頻度サポートフラグ(高頻度サポート情報)を格納する。高頻度サポートフラグは、MPU202にてサポートモードが高頻度サポートモードであることを特定するためのフラグであり、高頻度サポートフラグが格納されている状況では通常処理(図13)のステップS405では高頻度サポートモード用の処理が実行され、高頻度サポートフラグが格納されていない状況では通常処理(図13)のステップS405にて低頻度サポートモード用の処理が実行される。
続くステップS1105では、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた第2遊技回数カウンタエリアの情報を、高頻度継続基準回数情報である「50」の情報に更新する。第2遊技回数カウンタエリアは、サポートモードが高頻度サポートモードである場合において、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り換えるタイミングを特定するために参照されるカウンタエリアであり、第2遊技回数カウンタエリアに格納されている数値情報は遊技回制御処理(図14)のステップS510における各遊技回数カウンタの更新処理にて1減算される。その後、本移行処理を終了する。
<外れ時の移行処理>
次に、ステップS1004の外れ時の移行処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて、RAM204の第1遊技回数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。第1遊技回数カウンタエリアの情報が「0」である場合には、ステップS1203にて、高確率モードフラグを消去するとともに、ステップS1204にて、低確率移行コマンドを設定する。
ここで、既に説明したように高確率モードフラグは開閉実行モードが終了する場合に格納されるとともに、それに合わせて第1遊技回数カウンタエリアの情報が「4」の情報に更新される。また、第1遊技回数カウンタエリアの情報は1遊技回が終了する場合に1減算される。そして、上記のとおり高確率モードフラグが格納されている状況において第1遊技回数カウンタエリアの情報が「0」となることで高確率モードフラグが消去される。つまり、本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合には開閉実行モードの終了後において当否抽選モードが必ず高確率モードに切り換えられ、さらに当該高確率モードは高確率継続基準回数情報に対応した回数の遊技回が消化されるまで継続され、その消化後に当否抽選モードが低確率モードに切り換えられる。
本パチンコ機10では高確率継続基準回数情報が「4」に設定されているため、開閉実行モードの終了後、4回の遊技回が消化されるまで高確率モードに維持され、4回の遊技回が消化された後に低確率モードに切り換えられる。この場合に、保留球格納エリア232における保留用エリアREの保留エリアの数は、高確率継続基準回数情報と同一の4個となっている。その一方、開閉実行モードにて開閉制御される可変入賞装置32は、遊技領域において作動口33,34の下方に配置されてり、可変入賞装置32への入賞を狙って遊技球を発射している状況では作動口33,34への入賞が発生し得る。そして、開閉実行モードが終了されるまでには所定の時間を要するため、開閉実行モードの開始時に保留情報の数が0個であったとしても、開閉実行モードの終了時には保留情報の数が最大保留個数(又は規定数)としての4個となっている可能性が高い。したがって、高確率モードは基本的に、開閉実行モードの終了時において保留記憶されている全ての保留情報が遊技回の開始対象となり消化されるまで継続することとなる。
また、ステップS1204にて設定された低確率移行コマンドは、サブ側の制御装置である表示制御装置212に当否抽選モードが低確率モードであることを教示するための情報であり、通常処理(図13)におけるステップS401にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では低確率移行コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では低確率移行コマンドを受信したことに基づいて、当否抽選モードが低確率モードであることを特定する。
ステップS1201にて否定判定をした場合、ステップS1202にて否定判定をした場合又はステップS1204の処理を実行した後は、ステップS1205にてRAM204に高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定する。高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、そのまま本移行処理を終了する。高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS1206にて、RAM204の第2遊技回数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。第2遊技回数カウンタエリアの情報が「0」でない場合には、そのまま本移行処理を終了する。第2遊技回数カウンタエリアの情報が「0」である場合には、ステップS1207にて高頻度サポートフラグを消去した後に、本移行処理を終了する。
ここで、既に説明したように高頻度サポートフラグは開閉実行モードが終了する場合に格納されるとともに、それに合わせて第2遊技回数カウンタエリアの情報が「50」の情報に更新される。また、第2遊技回数カウンタエリアの情報は1遊技回が終了する場合に1減算される。そして、上記のとおり高頻度サポートフラグが格納されている状況において第2遊技回数カウンタエリアの情報が「0」となることで高頻度サポートフラグが消去される。つまり、本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合には開閉実行モードの終了後においてサポートモードが必ず高頻度サポートモードに切り換えられ、さらに当該高頻度サポートモードは高頻度継続基準回数情報に対応した回数の遊技回が消化されるまで継続され、その消化後にサポートモードが低頻度サポートモードに切り換えられる。
本パチンコ機10では高頻度継続基準回数情報が「50」に設定されているため、開閉実行モードの終了後、50回の遊技回が消化されるまで高頻度サポートモードに維持され、50回の遊技回が消化された後に低頻度サポートモードに切り換えられる。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。また、当該保留予告は、図柄表示装置41における各遊技回の停止結果により行われる遊技回対応保留予告と、開閉実行モードの終了に際して図柄表示装置41にて行われる移行対応保留予告と、が設定されている。これら保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図22のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンド、高確率移行コマンド及び低確率移行コマンドといった遊技状態用コマンド(遊技状態用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドのうち、シフト時コマンドを除いた各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の各エリア311〜314に予め記憶されている。これらのエリア311〜314の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア321〜333に記憶される。これらのエリア321〜333の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<主制御装置81にて実行される保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告に係る処理について説明する。主制御装置81のMPU202における保留予告に係る処理として、保留予告用の確認処理と、保留コマンドの設定処理とが設定されている。
<保留予告用の確認処理>
先ず、保留予告用の確認処理について説明する。ここで、保留予告用の確認処理は既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図12)のステップS306において実行される。この場合、作動口用の入賞処理においてステップS306の保留予告用の確認処理は上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される。そして、当該保留予告用の確認処理では、今回の入賞によって取得された保留情報に所定の大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。この場合に、大当たり当選の情報が含まれているか否かの確認に際しては、上記当否判定処理(図17)において当否判定を行う上で用いられたROM203の当否テーブルと、RAM204の各種カウンタエリア233における開始アドレス用エリア及び確認個数カウンタエリアが用いられる。
図23は、保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。当該確認処理においてステップS1301では、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。その後、ステップS1302〜ステップS1308にて、低確率モードに対応した確認処理を実行する。
具体的には、先ずステップS1302にて、低確率モードに対応した保留予告用の確認を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、開始アドレス用エリアの情報を「2」の情報に更新するとともに、確認個数カウンタエリアの情報を「2」の情報に更新する。続くステップS1303では、確認開始アドレス及び確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得するとともに、ステップS1304にて比較処理を実行する。これらステップS1303及びステップS1304の処理の具体的な内容は、当否判定処理(図17)におけるステップS805及びステップS806の処理と同様である。
続くステップS1305では、ステップS1304にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。比較結果が一致している場合には、ステップS1306にてMPU202のレジスタに低確率中一致情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1307にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1308にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1303に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1308にて上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報であると判定した場合には、ステップS1309〜ステップS1315にて、高確率モードに対応した確認処理を実行する。
具体的には、先ずステップS1309にて、高確率モードに対応した保留予告用の確認を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、開始アドレス用エリアの情報を「22」の情報に更新するとともに、確認個数カウンタエリアの情報を「4」の情報に更新する。続くステップS1310では、確認開始アドレス及び確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得するとともに、ステップS1311にて比較処理を実行する。これらステップS1310及びステップS1311の処理の具体的な内容は、当否判定処理(図17)におけるステップS805及びステップS806の処理と同様である。
続くステップS1312では、ステップS1311にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。比較結果が一致している場合には、ステップS1313にてMPU202のレジスタに高確率中一致情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1314にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1315にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1310に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、高確率モードに対応した保留予告用の確認処理では、既に説明したように、ステップS1309にて確認開始アドレスとして「22」を設定するとともに確認個数として「4」を設定する。この場合においてステップS1301にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「22」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「195」を参照して比較処理を行い、次に「21」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「185」を参照して比較処理を行い、さらに「20」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「175」を参照して比較処理を行い、最後に「19」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「165」を参照して比較処理を行うように、ステップS1310〜ステップS1312の処理を繰り返し実行する。
ここで、高確率モードである状況における上記当否判定処理(図17)では、確認個数に「20」が設定され、少なくとも当否判定対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。これに対して、高確率モードに対応した保留予告用の確認処理では、確認個数に「20」ではなく「4」が設定され、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理が実行される。これにより、高確率モードに対応した保留予告用の確認処理にて高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成に比べ、保留予告用の確認処理に要する時間の短縮化が図られる。
既に説明したとおり、保留予告用の確認処理はタイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定されている。タイマ割込み処理は、2msec周期で起動される処理であり、1回の処理において2msec以上の処理時間を要する状況が発生してしまうと、タイマ割込み処理が重複して実行されることとなり、好ましくない。その一方、タイマ割込み処理には、各種信号の入力確認、各種カウンタの更新及び各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、起動される周期を長く設定するのは好ましくない。特に、各種カウンタの更新周期が長くなると、大当たり乱数カウンタC1において大当たり数値情報に対応した情報が更新されるタイミングで、作動口33,34への入賞に係る信号をMPU202に入力し、不正に大当たり当選を得ようとする行為が行い易くなり、好ましくない。
特に、本パチンコ機10では遊技領域に上作動口33及び下作動口34が並設されており、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合、タイマ割込み処理の1回の処理回において、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告用の確認処理と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告用の確認処理との両方が実行されることとなる。この場合に、例えば保留予告用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照して比較処理が実行される構成を想定すると、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について20個の大当たり数値情報との比較処理を実行するとともに、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について20個の大当たり数値情報との比較処理を実行する必要が生じる。そうすると、タイマ割込み処理の1回の処理において、比較処理を40回行う必要が生じる。この場合、短い周期で起動されるタイマ割込み処理の1回の処理回に要する時間が長くなってしまう。
さらにまた、タイマ割込み処理は、当否判定処理が一部の処理として設定された通常処理(図13)に割り込んで起動されるが、高確率モードにおいて、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される処理回の通常処理に対して、両作動口33,34への入賞に伴う各保留予告用の確認処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が起動される場合、当該処理回の通常処理が終了されるまでに、大当たり数値情報との比較処理を少なくとも60回行う必要が生じる。そうすると、通常処理においてステップS401〜ステップS406の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過した状態となることが想定され、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、上記のように保留予告用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにしたことで、ステップS1310〜ステップS1315の処理が実行される回数が抑えられ、高確率モードに対応した保留予告用の確認処理にて高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成に比べ、保留予告用の確認処理に要する時間の短縮化が図られる。よって、上記のような不都合が生じる可能性が低減される。
また、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS401〜ステップS406の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、保留予告用の確認処理において比較処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、保留予告用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行することで、上記のような不都合を生じさせることなく、処理時間を抑えることが可能となる。また、保留予告は演出として実行されるものであり、このような演出は大当たり当選の場合に常に実行される構成よりも、大当たり当選の場合における所定の確率で実行される構成の方が、遊技者の関心を惹きつけられる。したがって、保留予告用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにしたとしても、保留予告を実行する上で悪影響を及ぼすことはない。
一方、低確率モードについては、低確率モード用に設定された大当たり数値情報の数が高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ない数として設定されているため、保留予告用の確認処理において、低確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照したとしても、処理時間への影響が低減される。
保留予告用の確認処理の説明に戻り、ステップS1315にて上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報であると判定した場合には、ステップS1316〜ステップS1319にて、外れリーチに対応した確認処理を実行する。
具体的には、先ずステップS1316では、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1317では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1316にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1318において、ステップS1316にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1319にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
つまり、本パチンコ機10では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生して保留情報が取得された場合には、その時点での当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかに関係なく、その取得された保留情報が低確率モードにおいて大当たり当選となる情報に対応しているかが確認されるとともに、高確率モードにおいて大当たり当選となる情報に対応しているかが確認される。さらには、低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても大当たり当選に対応していない場合には、その取得された保留情報が外れリーチに対応しているかが確認される。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。かかる保留コマンドの設定処理は、上記保留予告用の確認処理が終了した直後に実行される。そして、当該保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理における確認結果に対応した保留コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するための処理を実行する。
図24は、保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。先ずステップS1401では、MPU202のレジスタに低確率中一致情報が記憶されているか否かを判定する。低確率中一致情報が記憶されている場合には、ステップS1402にて低確率対応保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
低確率中一致情報が記憶されていない場合には、ステップS1403にてMPU202のレジスタに高確率中一致情報が記憶されているか否かを判定する。高確率中一致情報が記憶されている場合には、ステップS1404にて高確率対応保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
高確率中一致情報が記憶されていない場合には、ステップS1405にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS1406にてリーチ対応保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。また、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS1407にてその他対応保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
上記ステップS1402、ステップS1404、ステップS1406又はステップS1407にて設定された保留コマンドは、次回の通常処理(図13)におけるステップS401の外部出力処理により、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。当該処理については後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理の終了に際して、MPU202のレジスタに記憶されている低確率中一致情報、高確率中一致情報及びリーチ発生情報は消去される。
<表示制御装置212にて実行されるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行されるコマンド対応処理を、図25のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によりワークRAM254のコマンド格納エリア321に格納される。コマンド対応処理は、MPU252において定期的に(例えば、2msec周期)起動され、コマンド格納エリア321に格納されているコマンドに対応した各種制御を実行するための処理である。なお、コマンド格納エリア321は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
コマンド対応処理では、先ずステップS1501にて、コマンド格納エリア321に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが高確率移行コマンドであるか否かを判定する。高確率移行コマンドである場合にはステップS1502にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア333に設けられた高確率対応フラグ格納エリア(高確率対応情報記憶手段)に高確率対応フラグ(高確率対応情報)を格納する。一方、高確率移行コマンドでない場合にはステップS1503にて、今回の読み出し対象のコマンドが低確率移行コマンドであるか否かを判定する。低確率移行コマンドである場合にはステップS1504にて、ワークRAM254から高確率対応フラグを消去する。高確率対応フラグは、主制御装置81のMPU202にて設定されている当否抽選モードが高確率モードであることを表示制御装置212のMPU252にて特定するためのフラグである。
ステップS1502若しくはステップS1504の処理を実行した後、又はステップS1503にて否定判定をした場合には、ステップS1505にて、今回の読み出し対象のコマンドがいずれかの保留コマンドであるか否かを判定する。いずれかの保留コマンドである場合には、ステップS1506にて、保留コマンド対応処理を実行する。
<保留コマンド対応処理>
ここで、保留コマンド対応処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
保留コマンド対応処理では、先ずステップS1601及びステップS1602にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドをワークRAM254に設けられた表示側保留用エリア322に格納する処理を実行する。
具体的には、表示側保留用エリア322には、図27に示すように、第1表示側保留エリア322a、第2表示側保留エリア322b、第3表示側保留エリア322c、第4表示側保留エリア322d及び予備用保留エリア322eを備えており、保留コマンドの受信履歴に合わせて、当該保留コマンドに対応した情報が表示側保留情報として、いずれかの保留エリア322a〜322eに格納される。
ちなみに、保留コマンドに対応した情報が格納されるとは、低確率対応保留コマンドが読み出し対象となっている場合には低確率対応情報が格納され、高確率対応保留コマンドが読み出し対象となっている場合には高確率対応情報が格納され、リーチ対応保留コマンドが読み出し対象となっている場合にはリーチ対応情報が格納され、その他対応保留コマンドが読み出し対象となっている場合にはその他情報が格納される。
各保留エリア322a〜322eには、保留コマンドの受信が複数回連続して発生した場合に、第1表示側保留エリア322a→第2表示側保留エリア322b→第3表示側保留エリア322c→第4表示側保留エリア322d→予備用保留エリア322eの順に各保留コマンドに対応した情報が時系列的に格納されていく。
ここで、主制御装置81における保留情報の最大保留記憶数が4個であるのに対して、表示制御装置212では第1表示側保留エリア322a〜第4表示側保留エリア322dの4個の保留エリアに加えて予備用保留エリア322eが設けられていることにより、主制御装置81における保留球格納エリア232の更新タイミングに対して表示制御装置212における表示側保留用エリア322の更新タイミングに遅れが生じ、第1表示側保留エリア322a〜第4表示側保留エリア322dの全てに保留コマンドに対応した情報が格納されている状況で新たに保留コマンドを受信したとしても、それが表示制御装置212において無効化されてしまうことがない。
また、表示側保留用エリア322は保留数記憶エリア322fを備えており、当該保留数記憶エリア322fには保留コマンドに対応した情報を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
ステップS1601では、保留数記憶エリア322fに格納された情報保留数SNを1加算し、ステップS1602では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに対応した情報を、表示側保留用エリア322の空き保留エリア322a〜322eのうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS1601にて1加算した情報保留数SNと対応する保留エリアに格納する。
続くステップS1603では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが低確率対応保留コマンドであるか否かを判定する。低確率対応保留コマンドである場合には、ステップS1604にて、ワークRAM254に設けられた消去用カウンタエリア323に対して、ステップS1601において1加算した情報保留数SNの情報を設定する。
続くステップS1605では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア333における大当たり保留フラグ格納エリア(大当たり保留対応情報記憶手段)に大当たり保留フラグ(大当たり保留対応情報)が格納されているか否かを判定する。
ここで、大当たり保留フラグとは、主制御装置81の保留球格納エリア232に保留記憶されている保留情報の中に、当否抽選モードが低確率モードである場合に大当たり結果となる保留情報が含まれている場合に、それを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報である。また、消去用カウンタエリア323は、大当たり保留フラグを格納した場合にその大当たり保留フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該消去用カウンタエリア323に設定された保留個数の情報は、後述するように、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報について新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新され、更新後において消去用カウンタエリア323に記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS1605にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS1606にて大当たり保留フラグを格納する。
ステップS1606にて大当たり保留フラグを格納した後は、ステップS1607にてワークRAM254の各種フラグ格納エリア333に設けられた予告条件成立フラグ格納エリア(報知条件成立情報記憶手段)に予告条件成立フラグ(報知条件成立情報)が格納されているか否かを判定する。当該予告条件成立フラグは、開閉実行モードでない状況において、作動口33,34への入賞に基づき取得された保留情報について遊技回対応保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、遊技回対応保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去されるフラグである。予告条件成立フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了し、予告条件成立フラグが格納されていない場合にはステップS1608に進む。
ステップS1608では、ワークRAM254に高確率対応フラグが格納されているか否かを判定することで、主制御装置81における当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率対応フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了し、高確率対応フラグが格納されていない場合、すなわち当否抽選モードが低確率モードである場合にはステップS1609に進む。
ステップS1609では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが低確率対応保留コマンドであるか否かを判定する。低確率対応保留コマンドである場合には、ステップS1610にて、大当たり対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。
大当たり対応設定処理は、低確率モードにおいて大当たり結果となる保留情報を、遊技回対応保留予告の実行の契機として設定するための処理である。当該大当たり対応設定処理の具体的な処理内容について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1701にて、予告条件成立抽選処理を実行する。予告条件成立抽選処理では、ワークRAM254の成立抽選用カウンタエリア324から予告条件成立抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、成立抽選用カウンタエリア324は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図25)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、予告条件成立抽選処理では、プログラムROM253の成立抽選用テーブル記憶エリア(成立抽選用情報群記憶手段)311に記憶されている成立抽選用テーブル(成立抽選用情報群)を参照して、上記読み出した予告条件成立抽選用のカウンタ値が予告条件成立当選に対応しているか否かを判定する。予告条件成立当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、大当たり対応設定処理の場合に7/10の確率で予告条件成立当選となるように成立抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS1702では、上記ステップS1701における抽選処理の結果が、予告条件成立当選か否かを判定する。予告条件成立当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。予告条件成立当選である場合には、ステップS1703に進む。
ステップS1703では、大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。当該処理では、今回の保留予告を行う上で用いる図柄の種類を、主図柄の中から決定するための処理を実行する。
ここで、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、主制御装置81では、各遊技回における図柄の変動表示に関して、各遊技回における大当たり当選の有無、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無、及び各遊技回における変動表示時間を決定するものとしており、各遊技回の終了に際して最終停止表示される図柄の種類や、当該最終停止表示がされるまでの変動表示パターンは表示制御装置212において決定される。この場合に、表示制御装置212のMPU252では、ワークRAM254に設けられた図柄更新用カウンタエリア325及び図柄情報取得用エリア326を用いて、上記最終停止表示される図柄の種類を決定するようにしている。
詳細には、図柄更新用カウンタエリア325には、上図柄列用のカウンタエリアと、中図柄列用のカウンタエリアと、下図柄列用のカウンタエリアとが設けられており、これらカウンタエリアには、図柄表示装置41における各図柄列Z1〜Z3に設定されている図柄の数に対応したカウンタ値が設定されている。つまり、上図柄列Z1及び下図柄列Z3には、既に説明したように、主図柄及び副図柄の総数として、18個の図柄が設定されていることに対応させて、上図柄列用のカウンタエリア及び下図柄列用のカウンタエリアには、「0〜17」の数値範囲が設定されている。また、中図柄列Z2には、主図柄と副図柄の総数として、20個の図柄が設定されていることに対応させて、中図柄列用のカウンタエリアには、「0〜19」の数値範囲が設定されている。各図柄列用のカウンタエリアは、それぞれ異なる周期でカウンタ値の更新がなされている。そして、所定の周期(例えば、2msec)で、各図柄列用のカウンタエリアにおいて更新されている情報が全て取得され、その取得された情報は図柄情報取得用エリア326に格納される。
この場合、図柄情報取得用エリア326には、大当たり用エリアと、外れリーチ用エリアと、完全外れ用エリアと、が設定されている。そして、各図柄列用のカウンタエリアの全てから取得された情報が、大当たり結果、外れリーチ、完全外れのいずれかに対応しているか否かが判定され、図柄情報取得用エリア326のうち対応するエリアの情報が更新される。保留予告と関係しない遊技回について最終停止表示させる図柄の種類を決定する際には、図柄情報取得用エリア326の上記各エリアの中から、各遊技回における遊技結果に応じたエリアが参照されて、その参照したエリアに記憶されている情報に対応した図柄の組み合わせが所定の有効ラインに停止表示されるように、図柄表示装置41が表示制御される。
大当たりに対応した予告用図柄の決定処理の説明に戻り、当該決定処理では、上記図柄情報取得用エリア326における大当たり用エリアを参照する。そして、続くステップS1704にて、当該大当たり用エリアに記憶されている図柄の種類の情報を、予告用図柄の種類情報として、ワークRAM254に設けられた予告用図柄の種類情報記憶エリア327に記憶させる。
続くステップS1705では、ワークRAM254に予告条件成立フラグを格納する。その後、ステップS1706では、ワークRAM254に設けられた保留予告用カウンタエリア328に対して、ステップS1601において1加算した情報保留数SNの情報を設定する。保留予告用カウンタエリア328は、保留予告を行うように設定した場合に、その設定に係る保留情報がいずれの遊技回における保留情報に対応しているかをMPU252にて特定するための計測手段である。当該保留予告用カウンタエリア328に設定された保留個数の情報は、後述するように、新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新され、更新後において保留予告用カウンタエリア328に記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、予告条件成立フラグが消去されて、保留予告を行うように設定した状態が解除される。ステップS1706の処理を実行した後に、本設定処理を終了する。
保留コマンド対応処理(図26)の説明に戻り、今回の読み出し対象となった保留コマンドが低確率対応保留コマンドでないと判定した場合には、ステップS1609にて否定判定をし、ステップS1611に進む。ステップS1611では、今回の読み出し対象となった保留コマンドがリーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。リーチ対応保留コマンドでない場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。リーチ対応保留コマンドである場合には、ステップS1612にてリーチ対応設定処理を実行する。
リーチ対応設定処理は、低確率モードにおいて外れリーチとなる保留情報を、遊技回対応保留予告の実行の契機として設定するための処理である。当該リーチ対応設定処理では、大当たり対応設定処理(図28)と類似した処理を実行する。具体的には、先ず予告条件成立抽選処理(ステップS1701の処理に対応)を実行する。かかる処理内容はステップS1701にて設定した処理内容と同様である。但し、成立抽選用テーブル記憶エリア311に記憶されている成立抽選用テーブルは、予告条件成立当選となる確率が、リーチ対応設定処理の場合の方が大当たり対応設定処理の場合よりも低くなるように設定されている。かかるリーチ対応設定処理の場合における予告条件成立当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、1/10の確率で予告条件成立当選となるように成立抽選用テーブルが設定されている。
その後、予告条件成立当選か否かを判定する(ステップS1702の処理に対応)。予告条件成立当選である場合には、外れリーチに対応した予告用図柄の決定処理を実行する(ステップS1703の処理に対応)。具体的には、既に説明した図柄情報取得用エリア326における外れリーチ用エリアを参照する。そして、当該外れリーチ用エリアに記憶されている図柄の種類の情報を、予告用図柄の種類情報として、ワークRAM254に設けられた予告用図柄の種類情報記憶エリア327に記憶させる(ステップS1704の処理に対応)。
その後、ワークRAM254に予告条件成立フラグを格納するとともに(ステップS1705の処理に対応)、保留予告用カウンタエリア328に保留個数の情報を設定する(ステップS1706の処理に対応)。
保留コマンド対応処理では、ステップS1612にてリーチ対応設定処理を実行した後に、本対応処理を一旦終了する。
ここで、保留コマンド対応処理では、上記のように大当たり保留フラグが格納されている場合には、低確率対応保留コマンドを受信したとしても大当たり対応設定処理が実行されることはなく、さらにリーチ対応保留コマンドを受信したとしてもリーチ対応設定処理が実行されない。これにより、主制御装置81の保留球格納エリア232に低確率モードにおいて大当たり結果となる保留情報が既に記憶されている状況においては、遊技回対応保留予告を行うように設定されている状況であるか否かに関係なく、保留情報が新たに取得されたとしても遊技回対応保留予告を行う上での各種設定は行われない。したがって、所定の保留情報を実行の契機として、それよりも前に遊技回の開始対象となった保留情報に係る遊技回にて遊技回対応保留予告が行われている状況で、遊技回対応保留予告の実行の契機となっている保留情報とは異なる保留情報に係る遊技回にて大当たり結果が発生してしまうことが防止される。
また、保留コマンド対応処理では、上記のように予告条件成立フラグが格納されている場合には、低確率対応保留コマンドを受信したとしても大当たり対応設定処理が実行されることはなく、さらにリーチ対応保留コマンドを受信したとしてもリーチ対応設定処理が実行されない。これにより、主制御装置81の保留球格納エリア232に記憶されている所定の保留情報を実行の契機として既に遊技回対応保留予告を行うように設定されている状況において、保留情報が新たに取得されたとしても遊技回対応保留予告を行う上での各種設定は行われない。したがって、遊技回対応保留予告の実行の契機となる保留情報が重複して存在することはなく、遊技回対応保留予告を実行する上での契機となる保留情報が明確となる。
さらにまた、保留コマンド対応処理では、当否抽選モードが高確率モードである場合には、大当たり対応設定処理及びリーチ対応設定処理が実行されることはなく、当否抽選モードが低確率モードである場合にのみ大当たり対応設定処理及びリーチ対応設定処理が実行される。したがって、保留情報が遊技回対応保留予告の実行の契機として設定されるのは、高確率モード及び低確率モードのうち低確率モードである場合に限られる。
コマンド対応処理(図25)の説明に戻り、ステップS1505にて否定判定をした場合又はステップS1506にて保留コマンド対応処理を実行した後は、ステップS1507〜ステップS1512の変動表示制御処理を実行する。
変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。また、変動表示制御処理では、遊技回対応保留予告を行うための設定が行われたことに伴って、図柄の変動表示において遊技回対応保留予告用の画像を表示させる処理を実行する。
詳細には、先ずステップS1507にて、今回の読み出し対象のコマンドが変動用コマンドであるか否かを判定する。変動用コマンドである場合には、ステップS1508にて、表示側変動開始処理を実行する。
<表示側変動開始処理>
ここで、表示側変動開始処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
表示側変動開始処理では、先ずステップS1801にて、今回の読み出し対象となった変動用コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1801では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1801では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU252のレジスタに記憶する。
続くステップS1802では、ワークRAM254に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS1803にて、遊技回対応保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する。
遊技回対応保留予告に対応した停止結果設定処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回対応保留予告に対応した停止結果設定処理では、先ずステップS1901にて、予告用図柄の種類情報記憶エリア327から、予告用図柄の種類情報を読み出す。続くステップS1902では、MPU252のレジスタに記憶されている情報から、今回の遊技回において大当たり当選が発生するか否かを判定する。
大当たり当選が発生する場合にはステップS1903にて、停止ラインの決定処理を実行する。ここで、本パチンコ機10では既に説明したように、図柄表示装置41の表示画面Gに5つの有効ラインL1〜L5が設定されており、大当たり結果となる場合にはいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、大当たり結果とならない場合であってもリーチ表示となる場合にはいずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組み合わせが停止表示される。さらにまた、大当たり結果及びリーチ表示のいずれにもならない場合であっても遊技回対応保留予告を行う場合には、いずれかの有効ライン上に保留予告用の図柄の組み合わせが停止表示される。この場合に、停止ラインの決定処理では、上記各種図柄の組み合わせを停止表示させるための有効ラインを決定するための処理を実行する。
当該停止ラインの決定処理では、ワークRAM254に設けられたライン情報更新用エリア329が用いられる。詳細には、ライン情報更新用エリア329には有効ラインL1〜L5の数に対応させて「0〜4」の数値範囲が設定されており、予め定められた周期で当該数値範囲においてカウンタ値の更新が実行される。停止ラインの決定処理では、その時点でライン情報更新用エリア329に格納されている数値情報を取得する。
続くステップS1904では、図柄の組み合わせの決定処理を実行する。当該処理では、プログラムROM253に設けられた組み合わせ情報テーブル記憶エリア312における組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS1901にて把握した予告用図柄の種類情報に対応した大当たり図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、予告用図柄の種類情報に対応した同一の図柄の組み合わせの情報を特定する。
続くステップS1905では、停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。具体的には、プログラムROM253には停止情報群記憶手段としての停止情報テーブル記憶エリア313が設けられており、当該停止情報テーブル記憶エリア313には停止情報群としての停止情報テーブルが記憶されている。停止情報テーブルには、各有効ラインの情報に対する各停止図柄の組み合わせの情報がアドレス情報と1対1で対応させて設定されている。ステップS1905における停止情報のアドレスの記憶処理では、ステップS1903にて特定した停止ラインの情報と、ステップS1904にて特定した大当たり図柄の組み合わせの情報とに対応したアドレス情報を停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、ワークRAM254に設けられた停止情報アドレスの記憶エリア330に格納する。その後、本設定処理を終了する。
ステップS1902にて、大当たり当選が発生しないと判定した場合には、ステップS1906にて、MPU252のレジスタに記憶されている情報から、今回の遊技回においてリーチ表示が発生するか否かを判定する。
リーチ表示が発生する場合にはステップS1907にて、停止ラインの決定処理を実行する。つまり、その時点でライン情報更新用エリア329に格納されている数値情報を取得する。
続くステップS1908では、図柄の組み合わせの決定処理を実行する。当該処理では、組み合わせ情報テーブル記憶エリア312における組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS1901にて把握した予告用図柄の種類情報に対応したリーチ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、いずれの有効ライン上においても大当たり図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、最終停止図柄列、すなわち中図柄列Z2の図柄の種類については、リーチラインが形成される有効ライン上とは異なる停止表示位置においてリーチ図柄の組み合わせを構成している図柄と同種の図柄が停止されるように、ステップS1907にて特定した停止ラインの情報も参照して、リーチ図柄の組み合わせの情報を特定する。例えば、予告用図柄の種類情報が「7」であって停止ラインがL1である場合には、リーチ図柄の組み合わせが上から「7」、「6」、「7」となるように、リーチ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、中図柄列Z2において有効ラインL3上に「7」の図柄が停止表示されることとなる。リーチ図柄の組み合わせの情報は、組み合わせ情報テーブル記憶エリア312の組み合わせ情報テーブルにおいて、各有効ラインの情報と予告用図柄の種類の情報とに対して1対1で対応させて設定されている。
続くステップS1909では、停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。つまり、ステップS1907にて特定した停止ラインの情報と、ステップS1908にて特定したリーチ図柄の組み合わせの情報とに対応したアドレス情報を、停止情報テーブル記憶エリア313の停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、停止情報アドレスの記憶エリア330に格納する。その後、本設定処理を終了する。
ステップS1906にて、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ステップS1910にて、停止ラインの決定処理を実行する。つまり、その時点でライン情報更新用エリア329に格納されている数値情報を取得する。
続くステップS1911では、図柄の組み合わせの決定処理を実行する。当該処理では、組み合わせ情報テーブル記憶エリア312における組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS1901にて把握した予告用図柄の種類情報に対応した完全外れ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、予告用図柄の種類情報に対応した図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示されるように、ステップS1910にて特定した停止ラインの情報も参照して完全外れ図柄の組み合わせの情報を特定する。例えば、予告用図柄の種類情報が「7」であって停止ラインがL1である場合には、完全外れ図柄の組み合わせが上から「7」、「6」と「7」との間の副図柄、「6」と「7」との間の副図柄となるように、完全外れ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、中図柄列Z2において有効ラインL3上に「7」の図柄が停止表示されるとともに、下図柄列Z3において有効ラインL3上に「7」の図柄が停止表示されることとなる。完全外れ図柄の組み合わせの情報は、組み合わせ情報テーブル記憶エリア312の組み合わせ情報テーブルにおいて、各有効ラインの情報と予告用図柄の種類の情報とに対して1対1で対応させて設定されている。
続くステップS1912では、停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。つまり、ステップS1910にて特定した停止ラインの情報とステップS1911にて特定した完全外れ図柄の組み合わせの情報とに対応したアドレス情報を、停止情報テーブル記憶エリア313の停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、停止情報アドレスの記憶エリア330に格納する。その後、本設定処理を終了する。
表示側変動開始処理(図29)の説明に戻り、ステップS1802にて、予告条件成立フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1804にて、遊技回対応保留予告に対応しない停止結果設定処理を実行する。この場合、停止ラインの情報として、ライン情報更新用エリア329にその時点で記憶されている情報を読み出すとともに、図柄の組み合わせの情報として、図柄情報取得用エリア326における大当たり用エリア、外れリーチ用エリア及び完全外れ用エリアのうち、今回の遊技回の遊技結果に対応したエリアにその時点で記憶されている情報を読み出す。そして、それら特定した停止ラインの情報及び図柄の組み合わせの情報に対応したアドレス情報を、停止情報テーブル記憶エリア313の停止情報テーブルから読み出し、その読み出したアドレス情報を、停止情報アドレスの記憶エリア330に格納する。
ステップS1803又はステップS1804の処理を実行した後は、ステップS1805にて変動表示パターンの設定処理を実行する。変動表示パターンの設定処理では、プログラムROM253に設けられた変動表示パターンテーブル記憶エリア(変動表示態様情報群記憶手段)314の変動表示パターンテーブル(変動表示態様情報群)を参照して、ステップS1801にてMPU252のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS1803又はステップS1804にて停止情報アドレスの記憶エリア330に格納した情報との両方に対応した変動表示パターンの情報を特定する。
具体的には、変動表示パターンテーブルは、各変動表示時間の情報と各停止情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。ステップS1805における変動表示パターンの設定処理では、変動表示パターンテーブルにおいて、今回既に特定されている変動表示時間の情報及び停止情報の組み合わせに対応したアドレス情報を特定し、その特定したアドレス情報を、ワークRAM254に設けられたパターン情報アドレスの記憶エリア331に記憶させる。
かかるパターン情報アドレスの記憶エリア331に変動表示パターンのアドレス情報が記憶されることにより、MPU252では当該表示側変動開始処理とは異なる図示しない内部コマンドの出力処理にて、VDP255に対して内部コマンドを生成し、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われるように、図柄表示装置41を駆動させる。
内部コマンドの出力処理は所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動されるものであり、当該内部コマンドの出力処理では、設定された変動表示パターンの情報に応じた内部コマンドを図柄の変動表示の開始からの経過時間に応じて生成し、その生成した内部コマンドをVDP255に出力する。VDP255では、その内部コマンドに応じて画像データをキャラクタROM256から読み出し、その読み出した画像データをビデオRAM257に書き込む。これにより、図柄表示装置41において、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われる。
なお、変動表示パターンテーブルに記憶されている変動表示パターンの情報には、図柄の変動表示の内容だけでなく、その図柄の変動表示とともに表示される背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報も含まれている。したがって、設定されている変動表示パターンに対応した内部コマンドがVDP255に対して出力されることにより、図柄の変動表示とともに背景画像が表示され、さらにはリーチ演出といった各種演出が行われる場合には当該演出画像が表示される。
但し、かかる構成に限定されることはなく、図柄表示パターンの情報(第1表示パターン情報)とその他表示パターンの情報(第2表示パターン情報)とに区別し、図柄表示パターンの情報には図柄の変動表示態様の情報のみが含まれており、その他表示パターンの情報には背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報が含まれている構成としてもよい。さらにまた、図柄表示パターンの情報が、第1図柄列としての上図柄列Z1、第2図柄列としての中図柄列Z2、及び第3図柄列としての下図柄列Z3のそれぞれに対して個別に設定されている構成としてもよい。
表示側変動開始処理(図29)の説明に戻り、ステップS1805にて変動表示パターンの設定処理を実行した後は、ステップS1806にてフラグ消去処理を実行した後に、本表示側変動開始処理を終了する。なお、ステップS1801にてMPU252のレジスタに記憶された各種の情報は、表示側変動開始処理を終了する場合に消去される。
ここで、ステップS1806のフラグ消去処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
フラグ消去処理では、先ずステップS2001にて、ワークRAM254に大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS2002〜ステップS2004の処理を実行することなくステップS2005に進む。大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS2002にて、消去用カウンタエリア323に記憶されている値が1減算されるように、当該消去用カウンタエリア323の情報を更新する。
その後、ステップS2003にて消去用カウンタエリア323の値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS2004にて大当たり保留フラグを消去した後に、ステップS2005に進み、「0」となっていない場合には、ステップS2004の処理を実行することなくステップS2005に進む。
大当たり保留フラグとは、既に説明したように、主制御装置81に保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれている場合に格納されるフラグであり、消去用カウンタエリア323には大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。さらにまた、保留コマンド対応処理(図26)ではステップS1605の処理が実行される前のタイミングでステップS1604の処理を実行するようにしたことにより、主制御装置81に保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が複数含まれている場合には、開始対象が後の順番となる大当たり当選に対応した保留情報の順番の情報が消去用カウンタエリア323に記憶されることとなる。よって、消去用カウンタエリア323の情報が初期値としての「0」となる場合とは、主制御装置81に保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていないことを意味し、この場合には大当たり保留フラグが消去される。
フラグ消去処理において、ステップS2005では、ワークRAM254に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本フラグ消去処理を終了する。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS2006にて、保留予告用カウンタエリア328に記憶されている値が1減算されるように、当該保留予告用カウンタエリア328の情報を更新する。
その後、ステップS2007にて保留予告用カウンタエリア328の値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS2008にて予告条件成立フラグを消去した後に、本フラグ消去処理を終了し、「0」となっていない場合には、ステップS2008の処理を実行することなく本フラグ消去処理を終了する。
予告条件成立フラグとは、既に説明したように、遊技回対応保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納されるフラグであり、保留予告用カウンタエリア328には遊技回対応保留予告を実行すべき条件が成立している場合に当該条件の成立の要因となった保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるか特定するための情報が記憶される。よって、保留予告用カウンタエリア328の情報が初期値としての「0」となる場合とは、遊技回対応保留予告を実行すべき条件の成立の要因となった保留情報が既に遊技回の開始対象となったことを意味し、この場合には予告条件成立フラグが消去される。
コマンド対応処理(図25)の説明に戻り、ステップS1508にて表示側変動開始処理を実行した後は、ステップS1509にて、表示側保留用エリア322の各保留エリア322a〜322eに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このシフト処理は、第1表示側保留エリア322a〜第4表示側保留エリア322d及び予備用保留エリア322eに格納されているデータを下位エリア側にシフトさせる処理であって、第1表示側保留エリア322aのデータをクリアするとともに、第2表示側保留エリア322b→第1表示側保留エリア322a、第3表示側保留エリア322c→第2表示側保留エリア322b、第4表示側保留エリア322d→第3表示側保留エリア322c、予備用保留エリア322e→第4表示側保留エリア322dといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。続くステップS1510では、表示側保留用エリア322の保留数記憶エリア322fに格納された情報保留数SNを1減算する。
一方、今回の読み出し対象となったコマンドが変動用コマンドではない場合には、ステップS1507にて否定判定をし、ステップS1511に進む。ステップS1511では、今回の読み出し対象となったコマンドが変動終了コマンドであるか否かを判定する。変動終了コマンドである場合には、ステップS1512にて表示側変動終了処理を実行する。表示側変動終了処理では、VDP255に対する最終停止表示コマンドの出力処理を実行する。これにより、今回の遊技回における停止結果の図柄が最終停止表示される。
<遊技回対応保留予告の具体的な態様>
ここで、本パチンコ機10における遊技回対応保留予告の具体的な態様について説明する。図32は、遊技回対応保留予告を実行すべき条件の成立の要因となった保留情報に係る遊技回において「7」の図柄により大当たり結果が発生する場合であって、当該最終の遊技回までの遊技回対応保留予告に係る遊技回が2回である場合を示す。
図32(a)に示す最初の遊技回における図柄の停止結果は、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、今回の遊技回対応保留予告の予告用図柄である「7」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
また、図32(b)に示す次の遊技回における図柄の停止結果も、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、今回の遊技回対応保留予告の予告用図柄である「7」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。但し、最初の遊技回と次の遊技回とで、「7」の図柄が停止表示される位置が異なっている。これにより、遊技回対応保留予告における図柄の停止態様が多様化されている。
なお、これに限定されることはなく、遊技回対応保留予告に係る最終の遊技回を除いて、遊技回対応保留予告に際しては保留予告用の図柄が常に同じ停止表示位置に停止表示される構成としてもよい。また、この場合に、図32(a)に示すように、中図柄列Z2及び下図柄列Z3については、保留予告用の図柄が同一の有効ライン上に停止表示される構成としてもよい。
その後、図32(c)に示す最終の遊技回では、「7」の図柄による大当たり図柄の組み合わせが1の有効ライン上に停止表示される。つまり、遊技回対応保留予告に係る全ての遊技回において予告用図柄は、最終的に大当たり結果となる図柄である「7」に統一される。
ここで、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、低確率モードにおいて大当たり当選とならない保留情報であっても保留予告の実行の契機として設定され得る。この場合に、遊技回対応保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が既に記憶されている状況であってもその後に記憶された保留情報が遊技回対応保留予告の実行の契機として設定され得る構成を想定すると、大当たり当選とならない保留情報について遊技回対応保留予告が行われた状況に連続して、大当たり当選となる保留情報について遊技回対応保留予告が行われることが想定される。かかる状況では、制御上は実行の契機となった保留情報がそれぞれ異なる複数の遊技回対応保留予告が連続して発生したものとなるが、見た目上は大当たり当選となる保留情報を実行の契機として一連の遊技回対応保留予告が発生したものとなる。この場合、前者の遊技回対応保留予告における予告用図柄の種類と後者の遊技回対応保留予告における予告用図柄の種類とが異なるものとなり、遊技回対応保留予告の見た目上の統一性が損なわれるおそれがある。これに対して、既に説明したとおり、遊技回対応保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が既に記憶されている状況では、その後に記憶された保留情報について遊技回対応保留予告の実行の契機として設定されないため、遊技回対応保留予告の見た目上の統一性を担保することができる。
コマンド対応処理(図25)の説明に戻り、ステップS1510の処理若しくはステップS1512の処理を実行した後、又はステップS1511にて否定判定をした場合には、ステップS1513にて、今回の読み出し対象となったコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判定する。オープニングコマンドである場合には、ステップS1514にてオープニング対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。オープニング対応処理では、図柄表示装置41にて開閉実行モードのオープニング用の動画が表示されるように、VDP255への内部コマンドの出力処理が実行される。
一方、今回の読み出し対象となったコマンドがオープニングコマンドでない場合には、ステップS1513にて否定判定をしてステップS1515に進み、今回の読み出し対象となったコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判定する。エンディングコマンドでない場合には、そのまま本コマンド対応処理を終了する。エンディングコマンドである場合には、ステップS1516にてエンディング対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
<エンディング対応処理>
ここで、エンディング対応処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
エンディング対応処理では、先ずステップS2101にて、表示側保留用エリア322の保留数記憶エリア322fに格納された情報保留数SNを、確認対象数として把握する。具体的には、ワークRAM254に設けられた確認対象数記憶エリア332の情報を、情報保留数SNの情報に更新する。
続くステップS2102では、表示側保留用エリア322の第1表示側保留エリア322a〜第4表示側保留エリア322dのうち、確認対象数記憶エリア332に記憶されている数値情報に対応したエリアに記憶されている表示側保留情報が、高確率対応保留コマンドに対応した情報であるか否かを判定する。具体的には、確認対象数記憶エリア332に記憶されている数値情報が十進数で表して「4」である場合には第4表示側保留エリア322dに記憶されている表示側保留情報が高確率対応保留コマンドに対応した情報であるか否かが判定され、確認対象数記憶エリア332に記憶されている数値情報が十進数で表して「1」である場合には第1表示側保留エリア322aに記憶されている表示側保留情報が高確率対応保留コマンドに対応しているか否かが判定される。
高確率対応保留コマンドに対応した情報ではないと判定された場合には、ステップS2103に進み、確認対象数記憶エリア332の情報を1減算することで、確認対象数を1減算する。その後、ステップS2104にて、確認対象数記憶エリア332に記憶されている確認対象数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS2102に戻り、次の確認対象数に対応した表示側保留情報が高確率対応保留コマンドに対応しているか否かを判定する。
つまり、エンディング対応処理では、ステップS2101にて把握した確認対象数が「4」である場合であって、表示側保留用エリア322の第1表示側保留エリア322a〜第4表示側保留エリア322dに記憶されている全ての表示側保留情報が高確率対応保留コマンドに対応した情報でない場合には、第4表示側保留エリア322dに記憶されている表示側保留情報→第3表示側保留エリア322cに記憶されている表示側保留情報→第2表示側保留エリア322bに記憶されている表示側保留情報→第1表示側保留エリア322aに記憶されている表示側保留情報といった順序で、全ての表示側保留情報を確認する。
ステップS2104にて確認対象数記憶エリア332に記憶されている確認対象数の情報が「0」であると判定された場合には、ステップS2105に進む。ステップS2105では、エンディング動画情報を設定する。これにより、図柄表示装置41にて、図34(a)に示すような開閉実行モードのエンディング用の動画が表示されるように、VDP255への内部コマンドの出力処理が実行される。その後、本対応処理を終了する。
一方、第1表示側保留エリア322a〜第4表示側保留エリア322dのいずれかに記憶されている表示側保留情報が高確率対応保留コマンドに対応した情報である場合には、かかる表示側保留情報が確認対象となった場合に、ステップS2102にて肯定判定をする。この場合、ステップS2106にて大当たり確定演出情報を設定するとともに、ステップS2105にてエンディング動画情報を設定した後に、本対応処理を終了する。
大当たり確定演出情報及びエンディング動画情報の両方が設定されることにより、図柄表示装置41にてエンディング用の動画が表示される状況において移行対応保留予告用の画像が表示されるように、VDP255への内部コマンドの出力処理が実行される。
具体的には、大当たり確定演出情報が設定されることなくエンディング動画情報が設定された場合には、図34(a)に示すように、通常のエンディング用の画像(通常のエンディング用の表示)である女の子キャラクタのみが表示されるが、大当たり確定演出情報が設定されている状況でエンディング動画情報が設定された場合には、図34(b)に示すように、移行対応保留予告用の画像として、通常のエンディング用の画像に対して保留予告キャラクタである木キャラクタが付加されている。かかる移行対応保留予告用の画像を確認した遊技者は、開閉実行モードの終了時において保留記憶されているいずれかの保留情報が遊技回の開始対象となった場合に大当たり結果が発生することを把握することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33又は下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
サブ側の制御装置である表示制御装置212にて保留予告を行わせるために主制御装置81から送信される保留コマンドに大当たり乱数カウンタC1の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値を取得する不正行為が行われることが想定される。また、かかる不正行為以外にも、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線に対して不正な基板を接続し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値が取得されてしまうと、大当たり当選となるタイミングで不正に始動入賞させる不正行為又は始動入賞が発生したと誤検知させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、大当たり乱数カウンタC1の値をそのまま送信するのではなく、主制御装置81において特定した結果の情報を送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
主制御装置81では保留情報が取得された場合に当該保留情報の低確率モードにおける当否判定の結果を反映する情報を特定するとともに高確率モードにおける当否判定の結果を反映する情報を特定し、それら特定結果を保留コマンドとして表示制御装置212に向けて送信し、かかる保留コマンドに対応した保留情報が低確率モード及び高確率モードのうちいずれのモードにおいて当否判定の対象となるか否かは表示制御装置212にて特定するようにした。
ここで、低確率モード及び高確率モードのうちいずれか一方のモードにおける当否判定の結果を反映する保留予告が他方のモードにおいて行われると遊技者に混乱を招くおそれがあり、それを回避するためには、所定の保留情報を実行の契機として保留予告を行う場合に当該所定の保留情報が当否判定の対象となる当否抽選モードにおいて保留予告を行う必要がある。その一方、複数の保留情報が保留記憶されている場合、それら保留情報は予め定められた優先順位に従って、具体的には先に取得された保留情報から当否判定の対象となるため、保留予告の実行の契機として設定される保留情報を取得したタイミングでは一方の当否抽選モードであったとしても、その後に当該保留情報について当否判定を実行するタイミングでは他方の当否抽選モードとなっていることが想定される。この場合に、保留情報がいずれの当否抽選モードにおいて当否判定の対象となるか否かの判定が主制御装置81ではなく表示制御装置212にて行われることにより、主制御装置81では保留情報の当否判定結果を反映する情報を特定する場合に当該保留情報がいずれの当否抽選モードにて当否判定の対象となるか否かを判定する必要がない。よって、主制御装置81の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
表示制御装置212のワークRAM254に表示側保留用エリア322を設け、主制御装置81に保留記憶されている保留情報についての保留予告用の特定結果を個別に記憶するようにした。これにより、主制御装置81における保留情報の取得タイミングに対して、当該保留情報についての保留予告の実行タイミングを遅らせることが可能となり、それに伴って当該実行タイミングの設定の自由度が高められる。
表示制御装置212では開閉実行モードにおいて表示側保留用エリア322に記憶されている表示側保留情報を確認し、そのいずれかに高確率対応保留コマンドに対応した情報、すなわち高確率モードにおいて大当たり当選となる保留情報に対応した情報が含まれている場合には、それに対応した移行対応保留予告が図柄表示装置41にて行われるようにした。かかる移行対応保留予告が行われることにより、遊技者は、その時点で保留記憶されている保留情報が当否判定の対象となることで大当たり結果が発生することを把握することができる。このように移行対応保留予告が開閉実行モードにおいて行われることにより、遊技者は移行対応保留予告が行われることを期待しながら開閉実行モードを消化することとなり、当該開閉実行モードにおける遊技の注目度を高めることができる。
表示制御装置212では移行対応保留予告を行う場合に、高確率モードにおいて大当たり当選となる保留情報の当否判定の順番がいずれであったとしても共通の態様で移行対応保留予告を行うようにした。これにより、移行対応保留予告が行われたとしても、遊技者にとってはその時点で保留記憶されている保留情報のうちいずれの保留情報において大当たり当選となるかを把握することができない。したがって、遊技者は移行対応保留予告が行われた時点で保留記憶されている全ての保留情報に係る遊技回を注目することとなる。よって、移行対応保留予告を行うことにより開閉実行モードにおける遊技の注目度を高めながら、移行対応保留予告が行われた時点で当否判定の対象となっていない保留情報のうち、大当たり当選とならない保留情報に係る遊技回への注目度を損ねることはない。
表示制御装置212では主制御装置81から送信されたエンディングコマンドを受信したことに基づいて開閉実行モードのエンディング用の動画を図柄表示装置41にて表示させる構成において、当該表示制御装置212ではかかるエンディングコマンドを受信したことに基づいて表示側保留用エリア322の各表示側保留情報を確認し、その確認結果に応じて移行対応保留予告を行うようにした。つまり、表示制御装置212では、開閉実行モードの終了用演出の実行契機を明示するために主制御装置81から送信される情報を用いて、表示側保留用エリア322の各表示側保留情報に係る保留情報が高確率モードにおいて当否判定の対象となるか否かを判定している。これにより、主制御装置81から送信される情報量の削減を図りながら、移行対応保留予告を行うことができる。
なお、開閉実行モードが終了する場合に移行対応保留予告が行われることにより、遊技者にとって移行対応保留予告が行われるタイミングが明確化されるとともに、開閉実行モードの開始時や中間付近などで移行対応保留予告が行われる構成に比して、開閉実行モードへの注目度を高めた状態が当該開閉実行モードの略全体に亘って維持される。
開閉実行モードが行われた後には常に当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、当該高確率モードは保留情報を記憶可能な規定数と同等の回数分の遊技回が消化されるまでは継続する。したがって、開閉実行モードが終了したタイミングで存在し得る保留情報の全てが当否判定の対象となるまでは低確率モードへの切り換えが発生しないため、表示制御装置212では開閉実行モードの終了に際して表示側保留用エリア322に記憶されている全ての表示側保留情報を、高確率モードにおいて当否判定の対象となる保留情報に係るものとして扱うことが可能となる。よって、移行対応保留予告を行う構成において、表示制御装置212における処理負荷の軽減が図られる。
上記移行対応保留予告の他に、低確率モードでは遊技回対応保留予告が行われ得るようにした。つまり、複数の保留情報が主制御装置81に保留記憶されている場合に当否判定の対象となる順番が後の保留情報について当否判定の対象となった場合の結果を遊技者が確認する又は予測する機会が、移行対応保留予告だけでなく遊技回対応保留予告によっても提供される。これにより、さらなる遊技の多様化が図られ、遊技の注目度をより高められる。
特に、移行対応保留予告により開閉実行モードにおける遊技への注目度が高められるとともに、遊技回対応保留予告により開閉実行モードではない状況における遊技への注目度が高められる。さらには、主制御装置81において保留予告用の確認処理(図23)及び保留コマンドの設定処理(図24)を行うとともに、表示制御装置212においてコマンド対応処理(図25)を実行することで、移行対応保留予告及び遊技回対応保留予告の両方を実行することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施の形態に対して適用してもよい。
(1)移行対応保留予告の実行態様は上記実施の形態におけるものに限定されない。
例えば、図柄表示装置41の表示画面に、保留情報の最大保留個数に対応した個別表示領域を設定し、これら個別表示領域のうち、主制御装置81に保留記憶されている保留情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示を行うことで保留情報の数を明示する構成においては、かかる個別表示領域における個別表示の態様を保留情報の内容に対応した態様とすることで、移行対応保留予告を行う構成としてもよい。
また、開閉実行モードの終了に際して移行対応保留予告を行うのではなく、開閉実行モードの終了後であって遊技回が開始される前のタイミングで移行対応保留予告を行う構成としてもよく、開閉実行モードの開始に際して移行対応保留予告を行う構成としてもよく、開閉実行モードの途中で移行対応保留予告を行う構成としてもよい。但し、遊技への注目度を高め状態を開閉実行モードが終了するまで維持させる上では、開閉実行モードの終了に際して又は開閉実行モードの終了後であって遊技回が開始される前のタイミングで移行対応保留予告が行われることが好ましい。
(2)遊技回対応保留予告の実行態様は上記実施の形態におけるものに限定されない。
例えば、各遊技回の図柄表示装置41における図柄の停止結果を通じて遊技回対応保留予告を行うのではなく、図柄の変動表示の開始時や中間付近における表示態様を特別態様とすることで遊技回対応保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄の変動表示の中間付近で保留予告用キャラクタを表示することで、遊技回対応保留予告を行う構成としてもよい。
また、図柄表示装置41の表示画面に、保留情報の最大保留個数に対応した個別表示領域を設定し、これら個別表示領域のうち、主制御装置81に保留記憶されている保留情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示を行うことで保留情報の数を明示する構成においては、かかる個別表示領域における個別表示の態様を保留情報の内容に対応した態様とすることで、遊技回対応保留予告を行う構成としてもよい。
このように個別表示領域を用いて遊技回対応保留予告を行う構成において、低確率モードにおける大当たり数値情報の少なくとも一部が高確率モードにおける大当たり数値情報と重複しないように設定するとともに、保留情報が既に記憶されている状況であっても新たに取得された大当たり結果となる保留情報が遊技回対応保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。但し、本構成においては、例えば、前者の保留情報及び後者の保留情報の両方が低確率モードにおいて大当たり結果となる保留情報である場合、前者の保留情報にて大当たり結果となり開閉実行モードが行われた後は高確率モードとなるため、後者の保留情報は高確率モードにおいて当否判定の対象となり大当たり結果とならない。そうすると、1回分の大当たり結果が消失してしまったと遊技者が感じ、遊技続行への意欲を減退させてしまうおそれがある。したがって、本構成においては、各保留情報がいずれの当否抽選モードにおいて当否判定の対象となるかを表示制御装置212にて判定し、実際の当否判定の結果に対して遊技回対応保留予告の内容が矛盾しないように当該遊技回対応保留予告の実行の設定を行う構成とするとよい。これにより、主制御装置81の処理負荷の軽減を図りながら、上記不都合の発生を抑制することができる。
ちなみに、上記構成のより具体的な構成としては、表示制御装置212にて個別表示領域への保留予告用の個別表示の設定を行う際に、表示側保留用エリア322に記憶されている表示側保留情報を参照する処理と、各表示側保留情報に対応した保留情報がいずれの当否抽選モードにおいて当否判定の対象となるかを特定する処理とを行うようにする。そして、実際に当否判定が行われるモードとは異なるモードの大当たり数値情報に対応した保留情報に係る表示側保留情報については、保留予告用の個別表示の設定を行わないように規制する処理を行う構成が考えられる。
(3)高確率モードから低確率モードに切り換えられる条件は、上記実施の形態における条件に限定されない。例えば、保留情報の最大保留個数よりも多い数の遊技回に亘って高確率モードが継続する構成としてもよく、開閉実行モード後において低確率モードとなる大当たり結果が発生するまで高確率モードが継続する構成としてもよく、高確率モードから低確率モードへの切換抽選を行い、当該切換抽選にて切換当選となるまで高確率モードが継続する構成としてもよい。
これらの構成においては、高確率モードであっても遊技回対応保留予告を行う構成としてもよく、この場合、主制御装置81にて高確率対応保留コマンドを送信するための処理構成や、表示制御装置212にて高確率対応保留コマンドに対応した制御を実行するための処理構成を利用して、移行対応保留予告を行うことができるだけでなく、高確率モードにおける遊技回対応保留予告を行うことができる。
また、開閉実行モード後において保留情報の最大保留個数よりも多い数の遊技回に亘って高確率モードが継続する構成では、以下の構成を適用してもよい。
すなわち、表示制御装置212に、開閉実行モード後に消化された遊技回数を計測する計測手段を設ける。かかる計測手段としては、ワークRAM254に遊技回カウンタエリアを設け、変動用コマンドを受信する度に当該エリアを1加算するとともに、開閉実行モードへの移行が行われた場合に又は開閉実行モードが終了した場合に当該エリアを初期化する構成が考えられる。また、表示制御装置212では、高確率モードであっても遊技回対応保留予告を行うようにする。
この場合に、保留コマンドの受信に基づき実行される保留コマンド対応処理では、遊技回カウンタエリアの情報と、保留数記憶エリア322fの情報とから、受信した保留コマンドに係る保留情報が高確率モード又は低確率モードのいずれにおいて当否判定の対象となるかを判定する。そして、高確率モードにおいて当否判定の対象となると判定した場合にはその保留コマンドが高確率対応保留コマンドに対応しているか否かを判定し、その判定結果を反映させて遊技回対応保留予告を行うとともに、低確率モードにおいて当否判定の対象となると判定した場合にはその保留コマンドが低確率対応保留コマンドに対応しているか否かを判定し、その判定結果を反映させて遊技回対応保留予告を行う。
例えば、高確率継続回数が50回である構成においては、保留コマンド対応処理では、遊技回カウンタエリアの情報と、保留数記憶エリア322fの情報とから、受信した保留コマンドに係る保留情報が高確率継続回数の経過前に当否判定の対象となるか否かを判定し、経過前に当否判定の対象となると判定した場合には高確率モード用の判定を行うとともに、経過後に当否判定の対象となると判定した場合には低確率モード用の判定を行うようにする。
上記構成によれば、開閉実行モード後において保留情報の最大保留個数よりも多い数の遊技回に亘って高確率モードが継続する構成であっても、主制御装置81の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告を好適に実行することができる。なお、上記構成において、低確率モード用の判定を行うか否かは必須の構成ではなく、高確率モード用の判定のみを行う構成としてもよい。
(4)開閉実行モード後において高確率モードに切り換えられる第1大当たり結果(確変大当たり結果)と、開閉実行モード後において低確率モードに切り換えられる第2大当たり結果(通常大当たり結果)とが設定されていてもよい。つまり、主制御装置81が、大当たり当選が発生した場合に大当たり結果の種別を第1大当たり結果又は第2大当たり結果に振り分ける振分手段と、大当たり当選となり且つ振分結果が第1大当たり結果となったことに基づいて開閉実行モードに移行させるとともに高確率モードとなる遊技状態に移行させる第1の移行手段と、大当たり当選となり且つ振分結果が第2大当たり結果となったことに基づいて開閉実行モードに移行させるとともに低確率モードとなる遊技状態に移行させる第2の移行手段と、を備える構成としてもよい。
本構成においては、第2大当たり結果に係る開閉実行モードにて、低確率モードにおいて大当たり結果となる保留情報が記憶されているか否かを判定し、低確率モードにおいて大当たり結果となる保留情報が記憶されている場合に、移行対応保留予告を行う構成としてもよい。この場合、主制御装置81にて低確率対応保留コマンドを送信するための処理構成や、表示制御装置212にて高確率対応保留コマンドに対応した制御を実行するための処理構成を利用して、第2大当たり結果に係る開閉実行モードにおいて移行対応保留予告を行うことができるだけでなく、低確率モードにおいて遊技回対応保留予告を行うことができる。
(5)上記(4)の構成において、第1大当たり結果に対応した保留情報が当否判定の対象となることで行われる遊技回の停止結果の態様を、一の有効ライン上に、複数の図柄列Z1〜Z3において変動表示される図柄によって形成される第1大当たり図柄の組み合わせ(例えば、同一の奇数図柄の組み合わせ)が停止表示される態様とするとともに、第2大当たり結果に対応した保留情報が当否判定の対象となることで行われる遊技回の停止結果の態様を、一の有効ライン上に、複数の図柄列Z1〜Z3において変動表示される図柄によって形成される第2大当たり図柄の組み合わせ(例えば、同一の偶数図柄の組み合わせ)が停止表示される態様とする構成としてもよい。これにより、各遊技回の遊技結果が明確なものとなる。
また、上記構成において遊技回対応保留予告を行う場合の報知態様を、上記実施の形態と同様に、一の有効ライン上に大当たり図柄の組み合わせが停止表示されないようにしながら、大当たり図柄の組み合わせを構成する図柄が複数の図柄列Z1〜Z3のそれぞれにおいて停止表示される態様としてもよい。但し、かかる構成においては、保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が第2大当たり結果に対応している場合には、遊技回対応保留予告の報知態様として、第1大当たり図柄の組み合わせに対応した停止結果の態様が選択されない構成とすることが好ましい。第1大当たり図柄の組み合わせに対応した停止態様で保留予告が行われたにも関わらず、その後の遊技回で第2大当たり図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技者にとっては保留予告によって相対的に有利な第1大当たり結果の発生を期待したにも関わらず、実際には相対的に不利な第2大当たり結果が発生することとなってしまい、かかる遊技者の遊技意欲の減退を招くおそれがある。これに対して、上記のように、保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が第2大当たり結果に対応している場合には、遊技回対応保留予告の報知態様として、第1大当たり図柄の組み合わせに対応した停止結果の態様が選択されない構成とすることで、かかる不都合の発生を抑制することができる。
また、本構成において上記実施の形態と同様に、主制御装置81の保留球格納エリア232に低確率モードにおいて大当たり結果となる保留情報が既に記憶されている状況においては、遊技回対応保留予告を行うように設定されている状況であるか否かに関係なく、保留情報が新たに取得されたとしても遊技回対応保留予告を行う上での各種設定が行われない構成としてもよい。また、主制御装置81の保留球格納エリア232に記憶されている所定の保留情報を実行の契機として既に遊技回対応保留予告を行うように設定されている状況において保留情報が新たに取得されたとしても、遊技回対応保留予告を行う上での各種設定が行われない構成としてもよい。これらの構成を適用することで、予告条件成立抽選処理(ステップS1701)にて当選となった場合に遊技回対応保留予告が行われ得る構成としたり、大当たり結果とならない保留情報であっても遊技回対応保留予告の実行の契機として設定される得る構成としたとしても、保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が第2大当たり結果に対応している場合には、遊技回対応保留予告の報知態様として、第1大当たり図柄の組み合わせに対応した停止結果の態様が選択されない構成とすることが可能となる。
(6)上記実施の形態では、大当たり結果の態様が1種類のみ設定された構成としたが、大当たり結果の態様が複数種類設定されていてもよい。例えば、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放回数が相互に異なる複数種類の大当たり結果が設定されていてもよく、可変入賞装置32の開放回数が複数パターン設定された構成において、相対的に開放回数が多い開閉実行モードの選択率が異なる複数種類の大当たり結果が設定されていてもよい。また、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードが継続する回数が相互に異なる複数種類の大当たり結果が設定されていてもよく、高頻度サポートモードが継続する回数が複数パターン設定された構成において、相対的に継続回数が多いサポートモードの選択率が異なる複数種類の大当たり結果が設定されていてもよい。
このように相対的に有利な大当たり結果と、相対的に不利な大当たり結果とが設定された構成に対して、上記(5)にて説明した停止結果に係る構成を適用してもよい。
(7)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報及び下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報のうち、前者の保留情報が遊技回対応保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、後者の保留情報が遊技回対応保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
また、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を、上記(4)の構成に適用する場合、遊技回対応保留予告を上作動口33への入賞に係る保留情報について行う構成とするとともに、当該遊技回対応保留予告では大当たり当選となる旨の情報だけでなく、高確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、低確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、高確率モード及び低確率モードのいずれであっても大当たり当選となる旨の情報、又は高確率モード及び低確率モードのうちいずれか一方でのみ大当たり当選となる旨の情報を報知する構成としてもよい。上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定に際して優先される構成において上記保留予告の構成を適用することで、遊技者にとっては、保留予告の内容に応じて、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象とならないようにすべく下作動口34への入賞に係る保留情報が記憶された状態が維持されることを期待して発射ハンドル54を操作する態様を選択することができるとともに、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象となるようにすべく下作動口34への入賞がそれ以上発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するという態様を選択することができる。
特に、上記構成を、下作動口34に電動役物34aが設けられておらず、上作動口33及び下作動口34の両方において入賞頻度が遊技状態に依存しない構成に適用した場合、遊技状態に関係なく上記遊技を遊技者に提供することが可能となる。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留予告に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(8)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上記(7)のように下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、当該下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
このように有利な状態を設定する上では、例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率を、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率よりも高く設定する構成としてもよい。また、下作動口34への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先が、上作動口33への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先よりも有利なものとなるように設定された構成としてもよい。
かかる構成についてより詳細には、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先に、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより前者の方が後者よりも有利なものとなる構成としてもよく、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先に、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより後者の方が前者よりも有利なものとなる構成としてもよい。さらには、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類と、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類とが同一となるように設定されているとともに、下作動口34への入賞では上作動口33への入賞よりも、有利な大当たり結果への振分確率が高く設定された構成としてもよい。
上記構成によれば、上作動口33への入賞が発生することに比して、下作動口34への入賞が発生することの有利性が高められる。そして、下作動口34への入賞により取得された保留情報が優先して当否判定される構成においては、下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34について設定された有利性が優先して遊技者に提供されることとなる。これにより、上作動口33と下作動口34との機能に明確な差異が設けられ、遊技者にとっては、上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の発生を期待することとなり、遊技の多様化が図られる。
(9)低確率モードから高確率モードへの切り換えが、開閉実行モードの発生を契機とすることなく行われる構成としてもよい。例えば、低確率モードにおける遊技回の継続回数が切換基準回数となった場合に高確率モードに切り換わる構成としてもよい。この場合であっても、低確率モードから高確率モードへの切り換えに際して移行対応保留予告を行うようにすることで、遊技への注目度を高めることができる。
(10)上記実施の形態では、第1遊技状態が高確率モードにおいて当否判定が行われる遊技状態であり、第2遊技状態が低確率モードにおいて当否判定が行われる遊技状態である構成としたが、これに代えて、当否判定に際して参照される大当たり数値情報は異なるものの大当たり結果となる確率が同一である遊技状態として第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されていてもよい。この場合であっても、移行対応保留予告を行う上で、保留情報がいずれの遊技状態にて当否判定の対象となるかの特定を表示制御装置212にて行うようにすることで、主制御装置81の処理負荷の軽減を図りながら、遊技への注目度の向上を図ることができる。
(11)上記実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報と高確率モードにおける大当たり数値情報とが完全に重複しない構成としたが、これに代えて、低確率モードにおける大当たり数値情報の一部が高確率モードにおける大当たり数値情報の一部と重複する構成としてもよい。また、低確率モードにおける大当たり数値情報の全てが高確率モードにおける大当たり数値情報の一部と重複する構成としてもよい。
これらの構成においては、保留予告用の確認処理(図23)にて比較処理の対象となる大当たり数値情報の数を上記実施の形態よりも減少させることが可能となる。よって、主制御装置81の処理負荷の軽減が図られる。
特に、低確率モードにおける大当たり数値情報の全てが高確率モードにおける大当たり数値情報の一部と重複する構成においては、保留予告用の確認処理にて、共通の大当たり数値情報と非共通の大当たり数値情報とを用いてそれぞれ比較処理を実行し、確認対象の保留情報が共通の大当たり数値情報に対応していると判定した場合には主制御装置81から共通対応保留コマンドを送信するとともに、確認対象の保留情報が非共通の大当たり数値情報に対応していると判定した場合には主制御装置81から非共通対応保留コマンドを送信するようにする。また、サブ側の制御装置である表示制御装置212では、高確率対応フラグが格納されていない状況において遊技回の開始対象となる保留情報に係る表示側保留情報が共通対応保留コマンドである場合には当該保留情報が低確率モードにおいて大当たり当選となる情報であると判定し、高確率対応フラグが格納されている状況において遊技回の開始対象となる保留情報に係る表示側保留情報が共通対応保留コマンド又は非共通対応保留コマンドのいずれかである場合には当該保留情報が高確率モードにおいて大当たり当選となる情報であると判定するようにする。これにより、主制御装置81の処理負荷の軽減を図りながら、表示制御装置212では保留予告を好適に実行することが可能となる。
(12)主制御装置81における保留予告用の確認処理(図23)において、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照する構成としてもよい。
(13)表示制御装置212におけるエンディング対応処理(図33)において、保留情報が複数記憶されている場合に、移行対応保留予告用の確認を遊技回の開始対象となる順番が後の保留情報から行うのではなく遊技回の開始対象となる順番が先の保留情報から行う構成としてもよい。
また、表示制御装置212において、移行対応保留予告を行うか否かの抽選処理を行い、当該抽選処理にて当選とならない限り移行対応保留予告が行われない構成としてもよい。この場合、移行対応保留予告が不規則に行われることとなり遊技の多様化が図られる。
(14)上記実施の形態では、主制御装置81において通常処理(図13)とタイマ割込み処理(図10)とが実行されることにより、遊技の進行が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81において通常処理に相当する処理では繰り返し、タイマ割込み処理の起動を許可し、遊技の進行を制御するための処理はタイマ割込み処理に含まれている構成としてもよい。本構成においては、タイマ割込み処理に含まれる処理が上記実施の形態よりも多くなるため、タイマ割込み処理を短い周期で繰り返し起動するためには、1回の処理時間の短縮化を図る必要がある。したがって、上記実施の形態と同様に、保留予告用の確認処理(図23)では、大当たり数値情報の一部を参照する構成とすることが好ましい。
(15)上作動口33への入賞が発生しているか否かの判定や下作動口34への入賞が発生しているか否かの判定を行うための処理構成は、上記実施の形態における構成に限定されることはなく、任意である。例えば、MPU202のレジスタ又はRAM204に、今回用エリア、前回用エリア、前々回用エリアを設け、検知センサからの信号の入力結果の3回分をそれらエリアに格納する。そして、それらエリアに格納されている情報を演算することにより、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されているか否かの特定を行うようにしてもよい。具体的には、非入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「0」の情報が格納され、入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「1」の情報が格納されるようにする。そして、前々回用エリアに格納されている情報を反転した情報と、前回用エリアに格納されている情報と、今回用エリアに格納されている情報との論理積が「1」の場合に、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されていると特定する構成としてもよい。
(16)上記実施の形態において、保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理が通常処理(図13)の一部の処理として実行される構成としてもよい。また、通常処理とタイマ割込み処理とに区別されておらず、単一の一連の処理が実行タイミングとなる度に実行される構成においては、当該一連の処理における一部の処理として、保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理が設定されている構成としてもよい。
(17)上記実施の形態において、読み込み処理がタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、作動口用の入賞処理が通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。本構成において、通常処理の1処理回で作動口用の入賞処理が実行されてから次の通常処理の処理回で作動口用の入賞処理が実行されるまでに、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されているとともに下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されている場合には、後者の作動口用の入賞処理にてそれぞれの保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されるようにすることで、各保留情報に対する保留予告用の処理を早期に実行することが可能となる。
但し、本構成において、保留予告用の確認処理では高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理を実行する構成を想定すると、1処理回の通常処理が終了されるまでに、大当たり数値情報との比較処理を少なくとも60回行う必要が生じる。この場合、通常処理においてステップS401〜ステップS406の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となる可能性が高まり、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が高まってしまう。
これに対して、上記実施の形態のように保留予告用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の一部について比較処理を実行するようにするとよい。これにより、上記比較処理が実行される回数が抑えられ、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなる可能性が低減される。
(18)上記実施の形態において、通常処理にて4msecの残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、遊技進行を行う場合に実行される他の処理であってもよい。
(19)作動口33,34の数は2個に限定されることはなく、1個又は3個以上であってもよい。
(20)保留予告が行われることとなる報知手段は、図柄表示装置41に限定されることはなく、図柄表示装置41とは別に設けられた表示装置の表示画面において保留予告が行われる構成としてもよく、可動式に設けられた装飾部材を所定の予告態様とすることで保留予告が行われる構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで保留予告が行われる構成としてもよく、スピーカ部からの音の出力によって保留予告が行われる構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって保留予告が行われる構成としてもよい。
(21)上記実施の形態では、保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納された後に実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留予告用の確認処理や保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納される前に実行される構成としてもよい。
(22)上記実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいて図柄表示装置41における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動開始コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(23)主制御装置81における保留予告用の確認処理では、高確率モード用に設定された大当たり数値情報についてはその一部のみを参照する構成としたが、これに代えて、低確率モード用に設定された大当たり数値情報についてはその一部のみを参照する構成としてもよく、高確率モード用に設定された大当たり数値情報及び低確率モード用に設定された大当たり数値情報のそれぞれについて、その一部のみを参照する構成としてもよい。
(24)上記実施の形態では、主制御装置81から表示制御装置212に向けて保留予告用に特定した情報が送信される構成としたが、これに代えて、保留情報そのもの又は保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1の情報が保留予告用に送信される構成としてもよい。この場合、表示制御装置212において上記実施の形態における保留予告用の確認処理を行う必要がある。
(25)上記実施の形態では、保留情報が取得される条件を作動口33,34への入賞が発生することとしたが、これに限定されることはなく、他の入球部に入賞したことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。また、遊技領域を流下する遊技球が所定の入球部に入球したことに基づき保留情報が取得されるのではなく、遊技者により手動操作される操作部が操作されたことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。
(26)上記実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(27)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて遊技者に特典を付与する主制御手段(主制御装置81)と、
当該主制御手段から出力された情報に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)を制御する副制御手段(表示制御装置212)と、
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
遊技状態が第1遊技状態である状況では前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記第1遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、遊技状態が第2遊技状態である状況では前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記第2遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、さらに前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が当該付与判定の行われた場合の遊技状態に対応させて設定されている付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記付与判定が行われた場合の結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する結果特定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該結果特定手段が特定した結果の情報を出力する結果出力手段(主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び外部出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記副制御手段は、
前記結果出力手段から出力された情報を取得する結果取得手段(表示側保留用エリア322及び表示制御装置212のMPU252におけるステップS1602の処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定する状態対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1515の処理を実行する機能)と、
当該状態対応判定手段により前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となると判定されたことに基づいて、前記結果取得手段が取得した情報を反映する特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御する特別報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2106の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1の遊技機では、遊技状態として第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、第1遊技状態では付与判定に際して当該第1遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報が参照され、第2遊技状態では付与判定に際して当該第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報が参照される。このように複数の遊技状態が設定されている構成では、単一の遊技状態のみが設定された構成に比べ、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、移行判定を実行するための機能などを主制御手段が有するとともに、特別報知を行うように所定の報知手段を制御する機能などを副制御手段が有する構成においては、各制御手段への機能の分散化が図られ、主制御手段が全ての機能を有する構成に比べ、主制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
また、主制御手段は、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で、特別情報をそのまま副制御手段に出力するのではなく、当該特別情報が付与判定の対象となった場合における付与判定の結果を反映する情報を特定し、その特定した結果の情報を副制御手段に出力する。したがって、仮に、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で必要な情報が、主制御手段から副制御手段に向けた出力途中などにおいて不正に取得されたとしても、その不正に取得された情報は特別情報そのものではなく、上記特定した結果の情報となる。例えば、順次更新される数値情報を含む情報を特別情報として取得し、その取得した特別情報を用いて抽選を行う遊技機においては、現状、更新されている数値情報を不正に取得することで、不正に付与対応結果を発生させようとする行為が想定される。この場合に、特別情報をそのまま出力する構成においては、当該特別情報が不正に取得された場合には、その取得した特別情報に基づいて、現状、更新されている数値情報が不正に特定されてしまうことが懸念される。これに対して、上記のとおり、特別情報そのものではなく上記特定した結果の情報が出力されるため、上記不正行為が行われる可能性を抑えつつ、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われる場合において、主制御手段では第1遊技状態における付与判定の結果を反映する情報を副制御手段に出力する構成であり、副制御手段においてその所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かが判定される。そして、副制御手段では、所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となると判定された場合に、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われるように制御を行う。
ここで、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が第2遊技状態において行われると遊技者に混乱を招くおそれがあり、それを回避するためには第1遊技状態において付与判定の対象となる特別情報について上記特別報知を行う必要がある。その一方、特別報知に係る特別情報を取得したタイミングでは遊技状態が第2遊技状態であったとしても、その後に当該特別情報について付与判定を実行するタイミングでは遊技状態が第1遊技状態となっていることが想定される。この場合に、特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かの判定が主制御手段ではなく副制御手段にて行われることにより、主制御手段では所定の特別情報の第1遊技状態における付与判定の結果を反映する情報を特定する場合に当該所定の特別情報が実際に第1遊技状態にて付与判定の対象となるか否かを判定する必要がない。よって、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A2.前記結果取得手段は、前記結果出力手段から出力された情報又はそれに対応した情報を特定結果情報として記憶するとともに、前記付与判定の対象となっていない複数の特別情報のそれぞれに対応した特定結果情報を個別に記憶する特定結果情報記憶手段(表示側保留用エリア322)を備え、
前記状態対応判定手段は、前記特定結果情報記憶手段に記憶されている特定結果情報に対応した特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定するものであり、
前記特別報知実行手段は、前記特定結果情報記憶手段に記憶されている特定結果情報に対応した特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となると判定されたことに基づいて、当該判定に対応した特定結果情報の少なくともいずれかを反映する特別報知が、当該特別報知に係る特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、付与判定の対象となっていない特別情報のそれぞれに対応した特定結果情報が副制御手段の特定結果情報記憶手段にて個別に記憶され、その記憶されている特定結果情報に対応した特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となると判定されたことに基づいて特別報知が行われる。これにより、例えば、主制御手段の結果出力手段から出力された情報の入力タイミングに対して、当該情報の出力に係る特別情報についての特別報知の実行タイミングを遅らせることが可能となり、それに伴って当該実行タイミングの設定の自由度が高められる。
特徴A3.前記結果取得手段は、前記結果出力手段から出力された情報又はそれに対応した情報を特定結果情報として記憶するとともに、前記付与判定の対象となっていない複数の特別情報のそれぞれに対応した特定結果情報を個別に記憶する特定結果情報記憶手段(表示側保留用エリア322)を備え、
前記状態対応判定手段は、前記第1遊技状態への切り換えが行われる状況であるか否か又は前記第1遊技状態への切り換えが行われた状況であるか否かを判定するものであり、
前記特別報知実行手段は、前記状態対応判定手段により前記第1遊技状態への切り換えが行われる状況であると判定されたこと又は前記第1遊技状態への切り換えが行われた状況であると判定されたことに基づいて、前記特定結果情報記憶手段に記憶されている少なくともいずれかの特定結果情報を反映する特別報知が、当該特別報知に係る特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A3によれば、付与判定の対象となっていない特別情報のそれぞれに対応した特定結果情報が副制御手段の特定結果情報記憶手段にて個別に記憶されるとともに、第1遊技状態への切り換えが行われる状況又は第1遊技状態への切り換えが行われた状況において記憶されている少なくともいずれかの特定結果情報を反映する特別報知が実行されることがある。これにより、第1遊技状態への切り換えが行われる場合の注目度を高めることが可能となる。
特徴A4.前記副制御手段は、前記特定結果情報記憶手段に記憶されている特定結果情報が、当該特定結果情報に係る特別情報が前記第1遊技状態において参照される付与情報に対応していることを示す付与対応情報であるか否かを判定する付与対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2102の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記状態対応判定手段により前記第1遊技状態への切り換えが行われる状況であると判定されたこと又は前記第1遊技状態への切り換えが行われた状況であると判定され、且つ前記付与対応判定手段により前記特定結果情報記憶手段に記憶されている特定結果情報の少なくともいずれかが前記付与対応情報であると判定されたことに基づいて、前記特別報知が当該特別報知に係る特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1遊技状態への切り換えが行われる状況又は第1遊技状態への切り換えが行われた状況においてその第1遊技状態にて付与対応結果となることを示す特別報知が行われることがあるため、遊技者は当該状況において特別報知が行われることを期待することとなる。よって、第1遊技状態への切り換えが行われる場合の注目度を高めることが可能となる。
特徴A5.前記特別報知実行手段は、前記特定結果情報記憶手段に複数の特別情報に係る特定結果情報が記憶されている状況においてその一部の特定結果情報が前記付与対応情報に対応していると前記付与対応判定手段により判定されたことに基づき前記特別報知を実行させる場合、当該付与対応情報に対応している特定結果情報に係る特別情報の前記付与判定の順番がいずれの順番であったとしても共通の態様で前記特別報知が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1遊技状態への切り換えが行われる状況又は第1遊技状態への切り換えが行われた状況においてその第1遊技状態にて付与対応結果となることを示す特別報知が行われたとしても、未だ付与判定の対象となっていない特別情報のいずれが付与対応結果となるかは示されない。これにより、第1遊技状態への切り換えが行われる場合の注目度を高めながら、上記未だ付与判定の対象となっていない特別情報のうち、付与対応結果とならない特別情報に係る付与判定の結果への注目度を損ねることはない。
特徴A6.前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な付与状態に移行させるものであり、
前記主制御手段は、前記付与状態への移行が発生したことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に切り換える状態切換手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101の処理を実行する機能)を備え、
前記結果取得手段は、前記結果出力手段から出力された情報又はそれに対応した情報を特定結果情報として記憶するとともに、前記付与判定の対象となっていない複数の特別情報のそれぞれに対応した特定結果情報を個別に記憶する特定結果情報記憶手段(表示側保留用エリア322)を備え、
前記状態対応判定手段は、前記付与状態における所定の状況であるか否か又は当該付与状態が終了した状況であるか否かを判定するものであり、
前記特別報知実行手段は、前記状態対応判定手段により前記付与状態における所定の状況であると判定されたこと又は当該付与状態が終了した状況であると判定されたことに基づいて、前記特定結果情報記憶手段に記憶されている少なくともいずれかの特定結果情報を反映する特別報知が、当該特別報知に係る特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、付与判定の対象となっていない特別情報のそれぞれに対応した特定結果情報が副制御手段の特定結果情報記憶手段にて個別に記憶されるとともに、付与状態における所定の状況又は付与状態が終了した状況において記憶されている少なくともいずれかの特定結果情報を反映する特別報知が実行されることがある。これにより、付与状態が行われている状況又は付与状態が終了した状況への注目度を高めることが可能となる。
特徴A7.前記副制御手段は、前記特定結果情報記憶手段に記憶されている特定結果情報が、当該特定結果情報に係る特別情報が前記第1遊技状態において参照される付与情報に対応していることを示す付与対応情報であるか否かを判定する付与対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2102の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記状態対応判定手段により前記付与状態における所定の状況であると判定されたこと又は当該付与状態が終了した状況であると判定され、且つ前記付与対応判定手段により前記特定結果情報記憶手段に記憶されている特定結果情報の少なくともいずれかが前記付与対応情報であると判定されたことに基づいて、前記特別報知が当該特別報知に係る特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、付与状態における所定の状況又は付与状態が終了した状況においてその後の第1遊技状態にて付与対応結果となることを示す特別報知が行われることがあるため、遊技者は当該状況において特別報知が行われることを期待することとなる。よって、付与状態が行われている状況又は付与状態が終了した状況への注目度を高めることが可能となる。
特徴A8.前記特別報知実行手段は、前記特定結果情報記憶手段に複数の特別情報に係る特定結果情報が記憶されている状況においてその一部の特定結果情報が前記付与対応情報に対応していると前記付与対応判定手段により判定されたことに基づき前記特別報知を実行させる場合、当該付与対応情報に対応している特定結果情報に係る特別情報の前記付与判定の順番がいずれの順番であったとしても共通の態様で前記特別報知が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、付与状態における所定の状況又は付与状態が終了した状況においてその後の第1遊技状態にて付与対応結果となることを示す特別報知が行われたとしても、未だ付与判定の対象となっていない特別情報のいずれが付与対応結果となるかは示されない。これにより、第1遊技状態への切り換えが行われる場合の注目度を高めながら、上記未だ付与反対の対象となっていない特別情報のうち、付与対応結果とならない特別情報に係る付与判定の結果への注目度を損ねることはない。
特徴A9.前記主制御手段は、遊技状態が前記付与状態であるか否かを前記副制御手段にて把握する場合に用いられる付与状態対応情報を出力する対応情報出力手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1009の処理及び外部出力処理を実行する機能)を備え、
前記副制御手段は、前記付与状態対応情報を受け取ったことに基づいて、付与状態に対応した付与状態対応報知が実行されるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する対応報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2105の処理を実行する機能)を備え、
前記状態対応判定手段は、前記付与状態対応情報を受け取ったことに基づいて、前記付与状態における所定の状況であるか否か又は当該付与状態が終了した状況であるか否かを判定するものであることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、付与状態に対応した付与状態対応報知が実行されることにより、例えば遊技状態が付与状態であることや付与状態の所定の状況であることなどが遊技者に報知される。この場合に、上記付与状態対応報知を行う契機となる付与状態対応情報を用いて特別報知の実行の契機が判定されるため、副制御手段において特定結果情報に係る特別情報が第1遊技状態にて付与判定の対象となるか否かを判定する上で付与状態対応情報が兼用される。よって、主制御手段から副制御手段に向けて出力する情報の量の削減を図りながら、上記特徴A6にて説明したような優れた効果を奏することができる。
なお、上記特徴A9のより具体的な構成として、「前記対応情報出力手段は、前記付与状態が開始される場合又は前記付与状態が終了される場合に前記付与状態対応情報を出力するものであり、前記対応報知実行手段は、前記付与状態対応情報を受け取ったことに基づいて、前記付与状態対応報知が開始されるようにする又は終了されるようにするものである」構成を採用してもよい。
特徴A10.前記状態切換手段は、前記付与状態への移行が発生したことに基づいて遊技状態を前記第1遊技状態に切り換えた場合、少なくとも前記付与判定手段による前記付与判定が前記規定数の回数分行われるまで前記第2遊技状態への遊技状態の切り換えを規制するものであることを特徴とする特徴A6乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、付与状態への移行が発生したことに基づいて第1遊技状態への切り換えが発生した場合、付与判定の対象となっていない特別情報の上限数である規定数の回数分の付与判定が行われるまでは第2遊技状態への遊技状態の切り換えが規制される。つまり、付与状態が終了したタイミングで存在し得る上限数の特別情報の全てが付与判定の対象となるまでは第1遊技状態から第2遊技状態への切り換えが発生しないため、副制御手段では付与状態における所定の状況又は付与状態が終了した状況において特定結果情報記憶手段に記憶されている全ての特定結果情報を、第1遊技状態において付与判定の対象となる特別情報に係るものとして扱うことが可能となる。よって、副制御手段における処理負荷の軽減が図られる。
特徴A11.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球し易い第1状態と入球し難い第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU202における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球を払い出す払出手段(払出装置96、払出制御装置97)と、
を備え、
前記付与状態は前記可変入球制御手段により前記可変入球制御が行われる状態であることを特徴とする特徴A6乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、付与状態となることで可変入球手段の可変入球制御が行われ、当該可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球が払い出されるため、付与状態は遊技者にとって有利な状態である。この場合に、可変入球手段が設けられた遊技領域に始動入球部が設けられているため、可変入球手段への遊技球の入球を狙って発射操作が行われている状況では始動入球部への遊技球の入球が発生し得る。そして、当該状況において始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得されることがある。つまり、付与状態において特別情報が記憶されている状況が発生し易くなり、それに伴って付与状態における所定の状況又は付与状態が終了した状況において特別報知が行われる機会が高められる。
特徴A12.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記付与判定手段による前記付与判定が行われる度に各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記結果特定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記付与判定が行われた場合の結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定するとともに、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記付与判定が行われた場合の結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定するものであり、
前記副制御手段は、
前記結果取得手段が取得した情報が予め定められた所定情報であることに基づいて契機情報を記憶する契機情報記憶手段(表示制御装置212のワークRAM254における予告条件成立フラグを記憶する機能)と、
前記契機情報が記憶される場合に前記結果特定手段の特定対象となった特別情報よりも前に前記付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回の遊技回用動作が行われている状況において、当該遊技回用動作の態様が前記特定対象となった特別情報の内容に対応した特別態様となるようにすることで遊技回対応報知を行わせる遊技回対応報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1610、ステップS1612及びステップS1803の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合に付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を遊技者が確認する又は予測する機会が、特別報知だけでなく遊技回対応報知によっても提供される。これにより、さらなる遊技の多様化が図られ、遊技の注目度をより高められる。
特徴A13.前記結果特定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記付与判定が行われた場合の結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定するとともに、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記付与判定が行われた場合の結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定するものであり、
前記状態対応判定手段は、
前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定する第1状態対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS151の処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報が前記第2遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定する第2状態対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1608の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記特別報知実行手段は、
前記第1状態対応判定手段により前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となると判定されたことに基づいて、前記結果取得手段が取得した情報を反映する第1特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御する第1特別報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2106の処理を実行する機能)と、
前記第2状態対応判定手段により前記所定の特別情報が前記第2遊技状態において前記付与判定の対象となると判定されたことに基づいて、前記結果取得手段が取得した情報を反映する第2特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御する第2特別報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1610、ステップS1612及びステップS1803の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する第1特別報知だけでなく、第2遊技状態における付与判定の結果を反映する第2特別報知が実行されるため、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合に付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を遊技者が確認する又は予測する機会が高められる。また、本構成であっても、特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かの判定及び特別情報が第2遊技状態において付与判定の対象となるか否かの判定が、主制御手段ではなく副制御手段にて行われるため、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A14.前記結果特定手段は、前記第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記特定を行う場合又は前記第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記特定を行う場合の少なくとも一方において、その設定されている複数種類の付与情報のうち一部の付与情報を参照して前記特定を行うものであることを特徴とする特徴A12又はA13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、主制御手段では、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照される。これにより、主制御手段における処理時間の短縮化を図りながら、上記特徴A12又は特徴A13において説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A15.前記主制御手段は、予め定められた所定の周期で繰り返し実行されて、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理又は通常処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能又は主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理における複数種の処理に、前記結果特定手段による前記特定の処理が含まれていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、定期処理の一部の処理として特別報知用の特定の処理が行われることで、所定の周期で確実に当該特定を行うことができる。この場合に、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、特別報知用の特定に要する処理時間の短縮化が図られ、それに伴って定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A16.前記主制御手段は、複数種の処理を含む特定処理(通常処理)を繰り返し実行する特定処理実行手段(主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理は、前記所定の周期で前記特定処理に割り込んで起動されるように設定されており、
前記特定処理における複数種の処理には、前記付与判定手段により実行される前記付与判定の処理が含まれていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
付与判定が行われる場合、当該付与判定が行われる場合の遊技状態に対応させて設定されている付与情報の全てが参照されるため、特別報知用の特定に比べ付与判定の方が処理時間は長くなる。この場合に、特徴A16によれば、相対的に処理時間が長くなる付与判定の処理が特定処理の一部の処理として実行され、相対的に処理時間が短くなる特別報知用の特定の処理が定期処理の一部の処理として実行されるため、定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A17.前記特定処理は、第1番目の処理が前回の実行から特定周期が経過した場合又は特定周期が経過した後に実行されるよう設定されているとともに、前記第1番目の処理を含む所定の処理が実行された後に前記特定周期が経過していない場合、予め定められた残余処理(主制御装置81のMPU202におけるステップS409の処理又はステップS410の処理)が実行されるよう設定されていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特定処理に対して定期処理が所定の周期で割り込んで起動される構成においては、定期処理の1処理回の処理時間が極端に長くなると、特定処理において残余処理を実行する余裕がなくなり、かかる残余処理の実行が担保されなくなる。これに対して、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。よって、上記残余処理の実行を担保することが可能となる。
特徴A18.前記定期処理における複数種の処理には、前記付与判定手段により実行される前記付与判定の処理が含まれていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A18によれば、定期処理の一部の処理として付与判定の処理が行われるため、かかる処理を所定の周期で確実に行うことができる。この場合に、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、定期処理の一処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A19.前記主制御手段は、複数種の処理を含む進行用処理(通常処理)を実行する進行用処理実行手段(主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる場合に、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記結果特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記結果特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定を行うものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A19の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して結果特定手段による特定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように進行用処理の1回の処理回において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特別報知用の特定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特別報知用の特定との両方が実行される構成において、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても進行用処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A20.前記主制御手段は、複数種の処理を含む進行用処理(通常処理)を繰り返し実行する進行用処理実行手段(主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理における複数種の処理に、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、前記結果特定手段による前記特定の処理が含まれており、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記結果特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定を行うものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A20の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して結果特定手段による特定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように進行用処理の1回の処理回において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特別報知用の特定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特別報知用の特定との両方が実行される構成において、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても進行用処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A21.前記主制御手段は、予め定められた所定の周期で繰り返し起動されて、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記定期処理における複数種の処理に、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、前記結果特定手段による前記特定の処理が含まれており、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記結果特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が、前記定期処理の1回の処理回において行われている場合には、前記定期処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定を行うものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A21の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、定期処理の1回の処理回において行われている場合には、定期処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して結果特定手段による特別報知用の特定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように定期処理の1回の処理回において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特別報知用の特定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特別報知用の特定との両方が実行される構成において、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても定期処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A22.前記主制御手段は、
複数種の処理を含む特定処理(通常処理)を繰り返し実行する特定処理実行手段(主制御装置81のMPU202における通常処理を実行する機能)と、
予め定められた所定の周期で前記特定処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理(タイマ割込み処理)を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記特定処理における複数種の処理又は前記定期処理における複数種の処理に前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が含まれているとともに、
前記特定処理における複数種の処理又は前記定期処理における複数種の処理に前記結果特定手段による前記特定の処理が含まれており、
さらに、前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記結果特定手段は、前記特定の処理が行われてから次の前記特定の処理が行われるまでに、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得が行われている場合には、当該次の前記特定の処理においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定を行うものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A22の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、結果特定手段による特定の処理が行われてから次の結果特定手段による特定の処理が行われるまでに行われている場合には、当該次の結果特定手段による特定において、それら特別情報のそれぞれに対して結果特定手段による特定が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
また、上記のように結果特定手段による1回の処理回での特定の処理において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特定と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての特定との両方が実行される構成において、上記特徴A14を備え、第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合又は第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して特別報知用の特定を行う場合の少なくとも一方では、その設定されている複数種類の付与情報の全てを参照するのではなく、一部の付与情報が参照されるため、両始動入球部への入球が同時に発生した場合であっても特定処理又は定期処理の1回の処理回に要する時間の長時間化が抑えられる。
特徴A23.前記主制御手段は、
予め定められた移行状況となった場合に遊技状態を前記第1遊技状態に切り換える状態切換手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101の処理を実行する機能)と、
遊技状態を前記副制御手段にて把握する場合に用いられる状態対応情報を出力する対応情報出力手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1009の処理及び外部出力処理を実行する機能)と、
を備え、
前記状態対応判定手段は、受け取った前記状態対応情報に基づいて、前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定するものであることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、主制御手段から副制御手段に向けて状態対応情報が出力されることにより、副制御手段にて第1遊技状態であるか否かを判定することが可能となる。
特徴A24.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記付与判定手段による前記付与判定が行われる度に各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回用動作が行われている状況において前記始動入球部に遊技球が入球した場合、当該入球に基づいて前記情報取得手段により取得された特別情報は、前記取得情報記憶手段に記憶され、かかる特別情報は、それまで行われていた遊技回用動作が終了した後に前記付与判定手段による前記付与判定の対象となる構成であり、
さらに、前記遊技回用動作が行われた場合に、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態との間での遊技状態の切り換えが行われる構成であり、
前記結果特定手段は、前記始動入球部に遊技球が入球した場合、当該入球に基づいて前記情報取得手段により取得された特別情報に対して、前記遊技回用動作が行われている状況であるか否かに関係なく、前記特定を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A24によれば、例えば遊技回用動作が行われている途中において始動入球部への遊技球の入球が発生した場合、当該遊技回用動作の終了を待つこなく特別報知用の情報の特定が行われるため、特別報知が行われる場合にはその開始タイミングを早めることができる。
但し、上記構成においては、主制御手段にて特別報知用の情報の特定が行われるタイミングは遊技回用動作の状況とは無関係なものとなる。そうすると、遊技回用動作が行われた後であって所定の特別情報が付与判定の対象となる前までに第1遊技状態と第2遊技状態との間での遊技状態の切り換えが行われることがある。この場合に、上記特徴A1の構成を備え、副制御手段では、所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となると判定された場合に、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われるように制御を行う。これにより、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A25.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記第1遊技状態は前記高確率モードにおいて前記付与判定が行われる遊技状態であるとともに、前記第2遊技状態は前記低確率モードにおいて前記付与判定が行われる遊技状態であることを特徴とする特徴A1乃至A24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A25によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とでは、付与対応結果となる確率が相違する。これにより、付与対応結果となる確率が単一に設定された遊技機に比べ、遊技の多様化が図られる。
特徴A26.遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて遊技者に特典を付与する主制御手段(主制御装置81)と、
当該主制御手段から出力された情報に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)を制御する副制御手段(表示制御装置212)と、
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
遊技状態が第1遊技状態である状況では前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記第1遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、遊技状態が第2遊技状態である状況では前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記第2遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、さらに前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が当該付与判定の行われた場合の遊技状態に対応させて設定されている付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記第1遊技状態に対応させて設定されている付与情報を参照して前記付与判定が行われた場合の結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する結果特定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該結果特定手段が特定した結果の情報を出力する結果出力手段(主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び外部出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記副制御手段は、
前記結果出力手段から出力された情報を取得する結果取得手段(表示側保留用エリア322及び表示制御装置212のMPU252におけるステップS1602の処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定する状態対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1515の処理を実行する機能)と、
当該状態対応判定手段により前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となると判定されたことに基づいて、前記結果取得手段が取得した情報を反映する特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御する特別報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2106の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A26の遊技機では、遊技状態として第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、第1遊技状態では付与判定に際して当該第1遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報が参照され、第2遊技状態では付与判定に際して当該第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報が参照される。このように複数の遊技状態が設定されている構成では、単一の遊技状態のみが設定された構成に比べ、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、移行判定を実行するための機能などを主制御手段が有するとともに、特別報知を行うように所定の報知手段を制御する機能などを副制御手段が有する構成においては、各制御手段への機能の分散化が図られ、主制御手段が全ての機能を有する構成に比べ、主制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
また、主制御手段は、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で、特別情報をそのまま副制御手段に出力するのではなく、当該特別情報が付与判定の対象となった場合における付与判定の結果を反映する情報を特定し、その特定した結果の情報を副制御手段に出力する。したがって、仮に、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で必要な情報が、主制御手段から副制御手段に向けた出力途中などにおいて不正に取得されたとしても、その不正に取得された情報は特別情報そのものではなく、上記特定した結果の情報となる。例えば、順次更新される数値情報を含む情報を特別情報として取得し、その取得した特別情報を用いて抽選を行う遊技機においては、現状、更新されている数値情報を不正に取得することで、不正に付与対応結果を発生させようとする行為が想定される。この場合に、特別情報をそのまま出力する構成においては、当該特別情報が不正に取得された場合には、その取得した特別情報に基づいて、現状、更新されている数値情報が不正に特定されてしまうことが懸念される。これに対して、上記のとおり、特別情報そのものではなく上記特定した結果の情報が出力されるため、上記不正行為が行われる可能性を抑えつつ、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われる場合において、主制御手段では第1遊技状態における付与判定の結果を反映する情報を副制御手段に出力する構成であり、副制御手段においてその所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かが判定される。そして、副制御手段では、所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となると判定された場合に、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われるように制御を行う。
ここで、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が第2遊技状態において行われると遊技者に混乱を招くおそれがあり、それを回避するためには第1遊技状態において付与判定の対象となる特別情報について上記特別報知を行う必要がある。その一方、特別報知に係る特別情報を取得したタイミングでは遊技状態が第2遊技状態であったとしても、その後に当該特別情報について付与判定を実行するタイミングでは遊技状態が第1遊技状態となっていることが想定される。この場合に、特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かの判定が主制御手段ではなく副制御手段にて行われることにより、主制御手段では所定の特別情報の第1遊技状態における付与判定の結果を反映する情報を特定する場合に当該所定の特別情報が実際に第1遊技状態にて付与判定の対象となるか否かを判定する必要がない。よって、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
なお、本特徴A26の構成に対して、上記特徴A1乃至A25のいずれか1において限定した構成を適用してもよい。
特徴A27.遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて遊技者に特典を付与する主制御手段(主制御装置81)と、
当該主制御手段から出力された情報に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)を制御する副制御手段(表示制御装置212)と、
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
遊技状態が第1遊技状態である状況では前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記第1遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、遊技状態が第2遊技状態である状況では前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記第2遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、さらに前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が当該付与判定の行われた場合の遊技状態に対応させて設定されている付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報に対応した情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて出力する出力手段(主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び外部出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記副制御手段は、
前記出力手段から出力された情報を取得する結果取得手段(表示側保留用エリア322及び表示制御装置212のMPU252におけるステップS1602の処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となるか否かを判定する状態対応判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1515の処理を実行する機能)と、
当該状態対応判定手段により前記所定の特別情報が前記第1遊技状態において前記付与判定の対象となると判定されたことに基づいて、前記結果取得手段が取得した情報を反映する特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように前記所定の報知手段を制御する特別報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2106の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A27の遊技機では、遊技状態として第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、第1遊技状態では付与判定に際して当該第1遊技状態に対応させて予め設定されている付与情報が参照され、第2遊技状態では付与判定に際して当該第2遊技状態に対応させて設定されている付与情報が参照される。このように複数の遊技状態が設定されている構成では、単一の遊技状態のみが設定された構成に比べ、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、移行判定を実行するための機能などを主制御手段が有するとともに、特別報知を行うように所定の報知手段を制御する機能などを副制御手段が有する構成においては、各制御手段への機能の分散化が図られ、主制御手段が全ての機能を有する構成に比べ、主制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
また、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われる場合において、主制御手段では所定の特別情報に対応した情報を副制御手段に出力する構成であり、副制御手段においてその所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かが判定される。そして、副制御手段では、所定の特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となると判定された場合に、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が行われるように制御を行う。
ここで、第1遊技状態における付与判定の結果を反映する特別報知が第2遊技状態において行われると遊技者に混乱を招くおそれがあり、それを回避するためには第1遊技状態において付与判定の対象となる特別情報について上記特別報知を行う必要がある。その一方、特別報知に係る特別情報を取得したタイミングでは遊技状態が第2遊技状態であったとしても、その後に当該特別情報について付与判定を実行するタイミングでは遊技状態が第1遊技状態となっていることが想定される。この場合に、特別情報が第1遊技状態において付与判定の対象となるか否かの判定が主制御手段ではなく副制御手段にて行われることにより、主制御手段では所定の特別情報の第1遊技状態における付与判定の結果を反映する情報を特定する場合に当該所定の特別情報が実際に第1遊技状態にて付与判定の対象となるか否かを判定する必要がない。よって、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
なお、本特徴A27の構成に対して、上記特徴A1乃至A25のいずれか1において限定した構成を適用してもよい。
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する結果特定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該結果特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて契機情報を記憶する契機情報記憶手段(表示制御装置212のワークRAM254における予告条件成立フラグを記憶する機能)と、
前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記結果特定手段により特定された情報に対応した特別報知が、当該契機情報が記憶される場合に前記結果特定手段の特定対象となり前記特別報知の実行の契機となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記契機情報が記憶されているか否かを判定する契機情報判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1607の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が記憶されていると判定されている間は、前記特別報知の実行の契機となった特別情報よりも後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制する契機情報規制手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1607にて肯定判定をした後の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、既に特別報知を行うように設定されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について新たに特別報知を行うように設定されることはない。これにより、特別報知の契機となる特別情報が取得情報記憶手段に重複して記憶されることはなく、特別報知を行う上での契機となる特別情報が明確となる。特別報知の契機となる特別情報が取得情報記憶手段に重複して記憶されると、例えば、一方の特別情報に係る特別報知の実行に際して他の特別情報を考慮する必要が生じるため、処理などが煩雑なものとなるおそれがあるが、上記重複が生じないようにすることで、このような事態が生じないようにすることが可能となる。
特徴B2.前記結果特定手段により前記特定が行われたことに基づき、当該結果特定手段による特定対象となった特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定する報知実行決定手段(表示制御装置212のMPU252における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
当該報知実行決定手段により前記特別報知を行う旨の決定がなされた場合に、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶される構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、結果特定手段における特定の実行を規制することなく、上記特徴B1の作用効果を奏することができる。これにより、例えば、結果特定手段に係る処理を行う制御主体と特別報知に係る処理を行う制御主体とが異なる場合に、後者の制御主体において特別報知を実行すると決定したことの情報を前者の制御主体において認識させる必要がなくなる。
特徴B3.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知制御手段は、前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報よりも前に前記付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回において前記特別報知が行われるようにするものであり、さらに前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報の内容に基づき、前記特別報知が行われる遊技回毎に当該特別報知の態様を決定する態様決定手段(表示制御装置212のMPU252における表示側変動開始処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特別報知が行われる遊技回毎に特別報知の態様が決定されるため、特別報知の態様の多様化が図られる。また、上記特徴B1の構成を備え、既に特別報知を行うように設定されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について新たに特別報知を行うように設定されることはない。これにより、遊技回毎に特別報知の態様を決定する場合に複数の特別情報の内容を参照する必要がなく、特別報知の態様を決定する場合の処理の煩雑化が抑えられる。
特徴B4.前記付与情報に対応している特別情報が前記特別報知の実行の契機として設定され得るとともに、前記付与情報に対応していない特別情報であっても前記特別報知の実行の契機として設定され得る構成であり、
前記特別報知制御手段は、前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報よりも前に前記付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回の停止結果が、前記態様決定手段により決定された特別態様となるようにすることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、付与情報に対応している特別情報が特別報知の実行の契機として設定され得るとともに、付与情報に対応していない特別情報であっても特別報知の実行の契機として設定され得るため、特別報知が実行される機会が高められる。また、特別報知が行われた場合にそれが移行情報に対応した特別情報を契機としているのか否かを遊技者に予測させることが可能となる。
また、各遊技回における停止結果の態様で特別報知が行われるため、遊技者にとっては各遊技回の付与判定結果を把握しようとして遊技回用動作を注目していれば、自ずと特別報知を確認することができ、特別報知が行われたにも関わらず、それが見逃されてしまうことが抑制される。特に、遊技者にとっては特別報知が行われるタイミングが明確となり、特別報知を見逃す可能性が低減される。
但し、本構成において特別報知の実行の契機として設定された特別情報が同時に複数存在する構成では、それら複数の特別情報のうち先に遊技回の開始対象となる特別情報に係る遊技回及び当該特別情報を契機とした特別報知に係る遊技回と、上記複数の特別情報のうち後に遊技回の開始対象となる特別情報に係る遊技回及び当該特別情報を契機とした特別報知に係る遊技回とが連続する可能性が高くなる。そうすると、特別報知を行う場合の態様の統一性が損なわれるおそれがある。これに対して、上記特徴B1の構成を備え、既に特別報知を行うように設定されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について新たに特別報知を行うように設定されることはない。よって、上記のような事態が生じにくくなる。
当該特徴B1乃至B4のいずれか1において限定した特徴的な構成を、上記特徴A1乃至A27のいずれか1に対して適用してもよい。
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する結果特定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該結果特定手段により特定された情報に対応した特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記付与情報に対応した特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する付与情報判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1605の処理を実行する機能)と、
前記付与情報に対応した特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていると判定されている間は、当該特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶された後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制する付与情報対応規制手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1605にて肯定判定をした後の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、付与情報に対応した特別情報が記憶されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について特別報知を行うように設定されることはない。これにより、特別報知を実行している状況において当該特別報知の実行の契機となっている特別情報とは異なる特別情報に係る遊技回で所定遊技状態の移行が発生しないようにすることができる。
特徴C2.前記結果特定手段により前記特定が行われたことに基づき、当該結果特定手段による特定対象となった特別情報について前記特別報知を行うか否かを決定する報知実行決定手段(表示制御装置212のMPU252における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
当該報知実行決定手段により前記特別報知を行う旨の決定がなされた場合に、かかる決定の対象となった特別情報が前記特別報知の実行の契機として設定されることで、前記特別報知制御手段は前記特別報知が行われるようにするものであり、
前記付与情報対応規制手段は、前記付与情報に対応した特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていると判定されている間は、前記結果特定手段により前記特定が行われたとしても、前記報知実行決定手段による前記決定が行われないように規制するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、結果特定手段における特定の実行を規制することなく、上記特徴C1の作用効果を奏することができる。
特徴C3.前記報知実行決定手段は、前記付与情報に対応している特別情報であっても当該特別情報について前記特別報知を行う旨の決定を行わないことがあるように構成されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、付与情報に対応している特別情報であっても特別報知の実行の契機として設定されないことがある構成であるため、特別報知の実行について不規則性が生じ、特別報知が行われる状況について多様化が図られる。
但し、本構成において付与情報に対応した特別情報であって特別報知の実行の契機として設定されていない特別情報が記憶されている状況において、新たに取得された特別情報が特別報知の実行の契機として設定されることがあるとすると、前者の特別情報が付与判定の対象となるよりも前に後者の特別情報に係る特別報知が行われ、当該特別報知が行われている状況で又は当該特別報知が行われた後に、その特別報知とは関係ない上記前者の特別情報について付与判定が行われて付与対応結果となることが起こり得る。そうすると、既に行われている特別報知の内容とその後の遊技結果とが一致しないこととなり、遊技者が混乱してしまうおそれがあり好ましくない。これに対して、上記特徴C1の構成を備え、付与情報に対応した特別情報が記憶されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について特別報知を行うように設定されることはないため、上記のような事態が発生することはない。
当該特徴C1乃至C3のいずれか1において限定した特徴的な構成を、上記特徴A1乃至A27のいずれか1に対して適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
なお、以上の各特徴は、以下の課題を解決可能である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、大当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる大当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
上記構成の遊技機における遊技は、始動入球部への入球が発生するように遊技球を発射させるという遊技と、始動入球部への入球が発生した場合にその抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技とからなると言える。そして、前者の遊技に関しては、保留記憶の上限に至るまでは始動入球部への入球が発生するか否かに遊技者は注目するとともに、後者の遊技に関しては、絵柄の変動表示の態様が、大当たり遊技状態への移行当選に対応した停止結果となり易いものであるか否かに遊技者は注目する。
ここで、遊技機においては、遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度を高める必要がある。かかる遊技の多様化を図る上では、上記のように遊技球を発射させるという遊技においては遊技領域における遊技球の流下態様を多様化させる方法が考えられ、上記のように1遊技回毎に抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技においては1遊技回毎に行われる表示演出の表示パターンを多様化する方法が考えられる。
しかしながら、前者については遊技領域の広さは限られているため遊技の多様化を図ろうとしても限界があり、後者については1遊技回毎の表示パターンを多様化したとしても、遊技への注目度を高めるという点においてやはり限界がある。したがって、遊技への注目度を高める上で未だ改良の余地がある。
なお、遊技への注目度を高める上で未だ改良の余地がある点は、上記パチンコ遊技機とは異なる遊技機においても同様である。